JP2017082211A - 溶解性に優れる細孔水溶性非イオン性セルロースエーテル及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献3及び特許文献4の方法は、変異原性を有するジアルデヒド等を用いており、環境衛生上の問題が懸念されていた。また、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン等のアルキルアルコキシシラン類等の高価なケイ素化合物の架橋剤が添加されると相溶性が悪くなることがあり、化粧料や懸濁重合剤用には使えない等の問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、少量の水に対する溶解速度が改善された細孔水溶性非イオン性セルロースエーテル及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一つの態様では、平均細孔径が36μm以下であり、平均粒子径が30〜300μmである細孔水溶性非イオン性セルロースエーテルを提供する。また、本発明の別の態様では、平均細孔径が36μm以下であり、平均粒子径が30〜300μmである細孔水溶性非イオン性セルロースエーテルの製造方法であって、第1水溶性非イオン性セルロースエーテルを粉砕して第1粉砕物を得る粉砕工程と、前記第1粉砕物を目開きが40〜400μmの篩にかけて第1篩上残分と第1篩通過分に分ける篩い分け工程とを含み、前記篩の目開きより小さい粒子径の粒子と大きい粒子径の粒子とを含む前記第1篩上残分の一部又は全部を前記粉砕工程の粉砕前の第2水溶性非イオン性セルロースエーテルに配合して再粉砕し第2粉砕物を得た後、前記第2粉砕物を篩にかけて再粉砕物を含む第2篩通過分を前記細孔水溶性非イオン性セルロースエーテルとして回収し、前記第1及び第2篩上残分中の前記篩の目開きより小さい粒子径の粒子の含有量がそれぞれ10質量%以上である細孔水溶性非イオン性セルロースエーテルの連続的製造方法を提供する。さらに、本発明の他の態様では、平均細孔径が36μm以下であり、平均粒子径が30〜300μmである細孔水溶性非イオン性セルロースエーテルの製造方法であって、第1水溶性非イオン性セルロースエーテルを粉砕して第1粉砕物を得る粉砕工程と、前記第1粉砕物を目開きが40〜400μmの篩にかけて第1篩上残分と第1篩通過分に分ける篩い分け工程とを含み、前記篩の目開きより小さい粒子径の粒子と大きい粒子径の粒子とを含む前記第1篩上残分の一部又は全部と、前記第1篩通過物分の一部とを前記粉砕工程の粉砕前の第2水溶性非イオン性セルロースエーテルに配合して再粉砕し第2粉砕物を得た後、前記第2粉砕物を篩にかけて再粉砕物を含む第2篩通過分を前記細孔水溶性非イオン性セルロースエーテルとして回収する細孔水溶性非イオン性セルロースエーテルの連続的製造方法を提供する。
従来の水溶性非イオン性セルロースエーテルは、粉砕の効率、生産性、シャープな粒度分布を得ることを優先するため、粉砕後の篩い分け工程で用いた篩の目開きより小さい粒子径の粒子を含んだ粉砕物の一部を粉砕工程に戻して、更に粉砕することは不合理である等の理由により、平均細孔径が36μm以下のものはなく、粉砕後の篩い分け工程で用いた篩の目開きより小さい粒子径の粒子を含んだ粉砕物の一部又は全部を粉砕工程に戻して更に粉砕する本発明により初めて平均細孔径が36μm以下となったものである。
水溶性非イオン性セルロースエーテルは、通常の方法を用いて製造することができ、例えば以下の方法で製造できる。
まず、アルカリセルロースとエーテル化剤を反応させるエーテル化工程で反応物(粗セルロースエーテル)を得ることができる。アルカリセルロースは、ウッドパルプやリンターパルプ等のパルプに水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物溶液を接触させることにより得ることができる。
アルカリ金属水酸化物溶液とエーテル化剤を併存させて、アルカリセルロースの生成と同時にエーテル化剤と反応させても良いし、アルカリセルロースの生成後にエーテル化剤と反応させてもよい。エーテル化剤としては、塩化メチル等のハロゲン化アルキル、酸化エチレン、酸化プロピレン等が挙げられる。
エーテル化工程で得られた反応物(粗セルロースエーテル)は、洗浄工程(通常、洗浄段階と、濾過段階及び/又は圧搾段階とを含む)を経て水溶性非イオン性セルロースエーテルとなる。
水溶性非イオン性セルロースエーテルは、通常、乾燥及び粉砕工程を経て最終製品である水溶性非イオン性セルロースエーテルとなる。乾燥は粉砕と同時に行っても良いし、乾燥後に粉砕を行っても良い。
篩の目開きが40以上100μm未満の時、細孔水溶性非イオン性セルロースエーテルの平均粒子径は、好ましくは30〜39μmである。篩の目開きが100以上300μm未満の時、細孔水溶性非イオン性セルロースエーテルの平均粒子径は、好ましくは40〜100μmである。篩の目開きが300〜400μmの時、細孔水溶性非イオン性セルロースエーテルの平均粒子径は、好ましくは100〜300μmである。
篩面積あたりの粉砕物の供給速度は、篩面積、篩の振動やタッピングの強さ、粉砕機の粉砕能力、新しい原料の粉砕機への供給速度等により異なるが、粉砕機の運転状態が定常において、好ましくは0.2〜20t/(m2/時)、より好ましくは0.5〜10t/(m2/時)である。0.2t/(m2/時)を下回ると、粉砕物の一部を粉砕機に戻して細孔水溶性非イオン性セルロースエーテルを得ようとしても得られない場合がある。20t/(m2/時)を超えると、設備が過大となる場合がある。具体的には、篩の目開きが40以上100μm未満の場合における篩面積あたりの粉砕物の供給速度は、0.2〜0.5t/(m2/時)が好ましく、篩の目開きが100以上300μm未満の場合における篩面積あたりの粉砕物の供給速度は、0.2〜1.0t/(m2/時)が好ましく、篩の目開きが300〜400μmの場合における篩面積あたりの粉砕物の供給速度は、0.5〜10t/(m2/時)が好ましい。
篩上残分の一部又は全部は、前記篩の目開きより小さい粒子径の粒子と大きい粒子径の粒子とを含むことが必要である。そして、篩上残分中の前記篩の目開きより小さい粒子径の粒子の割合の下限は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは50質量%以上である。一方、篩上残分中の前記篩の目開きより小さい粒子径の粒子の割合の上限は、好ましくは90%以下、より好ましくは80%以下、更に好ましくは70%以下である。90%を超えると粉砕機のスループットが大幅に減少し、生産性が悪化する場合がある。
また、前記篩の目開きより小さい粒子径の粒子として篩上残分の他に、篩通過物分の一部を更に配合することができる。粉砕機に戻して再粉砕に用いられる粉砕物のうち、篩上残分の割合は、篩面積あたりの粉砕物の供給速度を調整することにより制御できる。篩面積当たりの粉砕物の供給速度が大きいと篩を通過しなかった粉砕物、すなわち粉砕機に戻される粉砕物中の篩の目開きより小さい粒子径の粒子の割合が増加する。篩を複数個に設け、使用する篩の個数を調節することにより篩面積を変更する方法や、篩の一部をシールしたり、堰を設けて粉体が篩に接触する面積を減ずることにより粉砕機に戻される粉砕物中の篩の目開きより小さい粒子径の粒子の割合を調整することができる。
なお、粉砕機に戻す粉砕物の中の前記篩の目開きより小さい粒子径の粒子の割合の測定方法は、粉砕物を前記篩と同じ目開きの篩にて充分にタッピングを行い、通過した粒子の質量を測定する方法を用いることができる。測定に用いる篩の内径は75〜300mm、粉体の量は20〜100g、タッピングの時間は1分間以上、好ましくは5〜40分間である。
水溶性非イオン性セルロースエーテル1は粉砕機11を用いて粉砕する。粉砕機は、洗浄後の含水水溶性非イオン性セルロースエーテルを粉砕と同時に乾燥するものであってもよいし、洗浄後に乾燥された水溶性非イオン性セルロースエーテルを粉砕するものであってもよい。得られた粉砕物2を目開きが40〜400μmの篩12により、篩上残分中の目開きより小さい粒子径の粒子の含有量が10質量%以上である篩上残分と篩通過分に分けて、前記篩上残分の一部又は全部3を、粉砕機11の粉砕前の水溶性非イオン性セルロースに配合して更に粉砕する。篩通過物は、細孔ではない製品水溶性非イオン性セルロースエーテル5として製品タンクに投入される。
篩通過物が通る配管、コンベア等にダンパーを設ける等して篩通過物を二つに分割し、一方を製品水溶性非イオン性セルロースエーテル5として製品タンクに投入し、他方を必要に応じて篩通過分4として篩上残分3とともに粉砕物の一部として粉砕機11に戻して再粉砕される。この場合、ダンパーの角度等を調整することにより、粉砕機に戻す量を調整することができる。また、ダンパーをタイマーの設定により分割比を変更して、製品タンク側又は粉砕機戻し側に交互に切り替えることによっても、粉砕機に戻す量を調整することができる。分割比は、粉砕機に戻す粉砕物中、前記篩の目開きより小さい粒子径の粒子の質量比率が好ましい範囲になるように調整することができる。
実施例及び比較例で得られた細孔又は非細孔水溶性セルロースエーテルの物性は、次の方法を用いて測定した。
<粉砕物の中における篩の目開きより小さい粒子径の粒子の割合の測定方法> 粉砕物50gを粉砕機出口に備えられた篩と同じ目開きの篩(内径200mm)にて20分間タッピングを行い、通過した粒子の質量を測定した。
<平均細孔径> 水銀圧入ポロシメーター(島津社製オートポア9520型)を用いて、水溶性セルロースエーテル0.05gを標準セルに採取し、初期水銀圧力7kPaの条件で測定した。
<平均粒子径> レーザー回折法粒度分布測定器(シンパテック社製HELOS&RODOS)を用いて、測定濃度を2質量%とし、測定時間は2秒間、形状係数は1.0で測定した。
<粒子径分布> 篩い分け法を用いた。
<ゆるめ見かけ密度>直径5.03cm、高さ5.03cm(容積100ml)の円筒容器(材質:ステンレス)へ試料をJISの22メッシュ(目開き710μm)の篩を通して、上方(23cm)から均一に供給し、上面をすり切って秤量することによって測定した。
<20℃における2質量%水溶液の粘度> 第16改訂日本薬局方ヒプロメロースの粘度測定法第2法に基づき、単一円筒形回転粘度計ブルックフィールド型粘度計LV型を用いて測定した。
<溶解時間の測定> 水溶性セルロースエーテル1kgを、トルクメーター付きの5Lシグマ型双腕ニーダーに投入した。60rpmで混合しながら、20℃の水1.5kgを一気に投入した。トルクメーターによりトルクの経時変化を測定し、トルクが徐々に上昇して一定となった時間を水溶性セルロースエーテルの溶解時間とした。
内部撹拌機付き圧力容器内で、ウッドパルプ1.00質量部に対し、49質量%水酸化ナトリウム1.98質量部、メトキシ基置換のために塩化メチル1.60質量部、ヒドロキシプロポキシ基置換のために酸化プロピレン0.21質量部を加えて、60℃〜90℃の温度で2時間反応させて粗生成物を得た。その後、ヒドロキシプロピルメチルセルロースに対する質量比20、温度95℃の熱水を用いて粗生成物を分散し、濾過により洗浄ケーキを得た。更に、洗浄ケーキにヒドロキシプロピルメチルセルロースに対する質量比10、温度95℃の熱水を加えて濾過し、含水率50質量%の洗浄ケーキを得た。水を加えて含水率65質量%とした後、洗浄ケーキを乾燥させ、残塩分が1質量%、含有水分が1.2質量%の繊維状のヒドロキシプロピルメチルセルロースを得た。この繊維状のヒドロキシプロピルメチルセルロースは、DSが1.8、MSが0.15であった(表1)。
得られた繊維状のヒドロキシプロピルメチルセルロースを150kg/時の速度でボールミルに連続的に供給した。ボールミル出口には、目開き250μm、篩面積1m2の篩が備えられており、ボールミルから排出された粉砕物を篩への粉砕物供給速度0.5t/(m2/時)にて篩分けした。
篩上残分のうち、篩の目開きより小さい粒子径の粒子を40質量%、篩の目開きと同じか又は大きい粒子径の粒子を60質量%含む粉砕物の全部は、350kg/時の速度でボールミル入口に戻され、粉砕直前のヒドロキシプロピルメチルセルロースと共に再粉砕された。粉砕工程に戻す粉砕物の質量は、粉砕直前のヒドロキシプロピルメチルセルロースの質量に対して350/150=2.3倍であった。
篩通過物を150kg/時の速度で製品タンクに回収し、細孔ヒドロキシプロピルメチルセルロースを得た。得られた細孔ヒドロキシプロピルメチルセルロースの物性を上記の方法を用いて測定した。平均細孔径は30μm、平均粒子径は60μm、粒子径分布は、15μmより小さい粒子は6質量%、10μmより小さい粒子は2質量%、5μmより小さい粒子は1質量%であり、ゆるめ見かけ密度は0.25g/mlだった。また、20℃における2質量%水溶液の粘度は4,000mPa・sであり、溶解時間は120秒だった(表2)。
ウッドパルプに換えてコットンリンターパルプを用い、コットンリンターパルプ1.00質量部に対し、49質量%水酸化ナトリウムを1.30質量部、塩化メチルを1.13質量部、酸化プロピレン0.27質量部を用いた以外は実施例1と同様に反応、洗浄(洗浄段階と濾過段階)、乾燥を行い、DSが1.5、MSが0.20の繊維状のヒドロキシプロピルメチルセルロースを得た(表1)。
得られた繊維状のヒドロキシプロピルメチルセルロースを150kg/時の速度でローラーミルに連続的に供給した。ローラーミルの出口には、実施例1と同様の篩が備えられており、ローラーミルから排出された粉砕物を篩への粉砕物供給速度0.3t/(m2/時)にて篩分けし、篩通過物を150kg/時の速度で製品タンクに回収した。
篩上残分のうち、篩の目開きより小さい粒子径の粒子を30質量%、篩の目開きと同じか又は大きい粒子径の粒子を70質量%含む粉砕物の一部は、150kg/時の速度でローラーミル入口に戻され、粉砕直前のヒドロキシプロピルメチルセルロースと共に再粉砕された。粉砕工程に戻す粉砕物の質量は、粉砕直前のヒドロキシプロピルメチルセルロースの質量に対して150/150=1.0倍であった。
得られた細孔ヒドロキシプロピルメチルセルロースの物性を実施例1と同様に測定し、結果を表2に示す。
実施例1で用いたパルプと同じパルプ1.00質量部に対し、49質量%水酸化ナトリウムを2.83質量部、塩化メチルを2.13質量部、酸化プロピレンを0.53質量部用いた以外は実施例1と同様に反応させ、洗浄(洗浄段階と濾過段階)を行った。洗浄後、水を加えて含水率65質量%とし、DSが1.90、MSが0.25の含水ヒドロキシプロピルメチルセルロースを得た(表1)。
得られた含水ヒドロキシプロピルメチルセルロースを乾燥重量として150kg/時の速度で衝撃粉砕機に供給すると同時に、該衝撃粉砕機に熱風を送り込んで粉砕と乾燥を同時に行った。衝撃粉砕機の出口には、実施例1と同様の篩が備えられており、衝撃粉砕機から排出された粉砕物を篩への粉砕物供給速度0.2t/(m2/時)にて篩分けし、篩通過物を150kg/時の速度で製品タンクに回収した。
篩上残分のうち、篩の目開きより小さい粒子径の粒子を20質量%、篩の目開きと同じか又は大きい粒子径の粒子を80質量%含む粉砕物の一部は、50kg/時の速度で衝撃粉砕機入口に戻され、粉砕直前のヒドロキシプロピルメチルセルロースと共に再粉砕された。粉砕工程に戻す粉砕物の質量は、粉砕直前のヒドロキシプロピルメチルセルロースの質量に対して50/150=0.3倍であった。
得られた細孔ヒドロキシプロピルメチルセルロースの物性を実施例1と同様に測定し、結果を表2に示す。
実施例1で用いたパルプと同じパルプ1.00質量部に対し、49質量%水酸化ナトリウム2.83質量部、メトキシ基置換のために塩化メチル2.13質量部を加えて反応させる以外は、実施例1と同様に反応させ、洗浄(洗浄段階と濾過段階)後、乾燥を行い、DSが1.8の繊維状のメチルセルロースを得た(表1)。
得られた繊維状のメチルセルロースを150kg/時の速度でターボミルに連続的に供給した。ターボミルの出口には実施例1と同様の篩が備えられており、ターボミルから排出された粉砕物を篩への粉砕物供給速度を0.6t/(m2/時)にて篩分けし、篩通過物のうち80質量%を150kg/時の速度で製品タンクに回収した。
篩通過分の残り20質量%は37.5kg/時で、篩上残分は412.5kg/時で共にターボミル入口に戻され、最終的に、篩上残分のうち、篩の目開きより小さい粒子径の粒子及び篩通過分の粒子を併せて50質量%、篩上残分のうち、篩の目開きと同じか又は大きい粒子径の粒子を50質量%含む粉砕物の一部として、粉砕直前のヒドロキシプロピルメチルセルロースと共に再粉砕された。粉砕工程に戻す粉砕物の質量は、粉砕直前のメチルセルロースの質量に対して450/150=3.0倍であった。
得られた細孔メチルセルロースの物性を実施例1と同様に測定し、結果を表2に示す。
重合度が実施例4で用いたものより高いウッドパルプを用いた以外は、実施例4と同様に反応させ、洗浄(洗浄段階と濾過段階)後、乾燥を行い、DSが1.8の繊維状のメチルセルロースを得た(表1)。
得られた繊維状のメチルセルロースを150kg/時の速度でローラーミルに連続的に供給した。ローラーミルの出口には実施例1と同様の篩が備えられておりローラーミルから排出された粉砕物を篩への粉砕物供給速度0.7t/(m2/時)にて篩分けし、篩通過物を150kg/時の速度で製品タンクに回収した。
篩上残分のうち、篩の目開きより小さい粒子径の粒子を50質量%、篩の目開きと同じか又は大きい粒子径の粒子を50質量%含む粉砕物の全部は、550kg/時の速度でローラーミル入口に戻され、粉砕直前のヒドロキシプロピルメチルセルロースと共に再粉砕された。粉砕工程に戻す粉砕物の量は、粉砕直前のメチルセルロースの全量に対して550/150=3.7倍であった。
得られたメチルセルロースの物性を実施例4と同様に測定し、結果を表2に示す。
ウッドパルプに換えてコットンリンターパルプを用い、コットンリンターパルプ1.00質量部に対し、49質量%水酸化ナトリウムを1.30質量部、塩化メチルを1.13質量部、酸化プロピレンを0.27質量部用いた以外は実施例1と同様に反応させ、洗浄(洗浄段階と濾過段階)後、乾燥を行い、DSが1.5、MSが0.20の繊維状のヒドロキシプロピルメチルセルロースを得た(表1)。
得られた繊維状のヒドロキシプロピルメチルセルロースを150kg/時の速度でターボミルに連続的に供給した。ターボミルの出口には、実施例1と同様の篩が備えられており、ターボミルから排出された粉砕物を篩への粉砕物供給速度0.8t/(m2/時)にて篩分けし、篩通過物を150kg/時の速度で製品タンクに回収した。
篩上残分のうち、篩の目開きより小さい粒子径の粒子を55質量%、篩の目開きと同じか又は大きい粒子径の粒子を45質量%含む粉砕物の全部は、650kg/時の速度でターボミル入口に戻され、粉砕直前のヒドロキシプロピルメチルセルロースと共に再粉砕された。粉砕工程に戻す粉砕物の質量は、粉砕直前のヒドロキシプロピルメチルセルロースの質量に対して650/150=4.3倍であった。
得られたヒドロキシプロピルメチルセルロースの物性を実施例1と同様に測定し、結果を表2に示す。
ウッドパルプに換えてコットンリンターパルプを用い、コットンリンターパルプ1.00質量部に対し、49質量%水酸化ナトリウムを1.98質量部、塩化メチルを1.60質量部、酸化プロピレンを0.21質量部用いた以外は実施例1と同様に反応させ、洗浄(洗浄段階と濾過段階)を行った。洗浄後、水を加えて含水率65質量%とし、DSが1.8、MSが0.15の含水ヒドロキシプロピルメチルセルロースを得た(表1)。
得られた含水ヒドロキシプロピルメチルセルロースを乾燥重量として150kg/時の速度で衝撃粉砕機に供給すると同時に、該衝撃粉砕機に熱風を送り込んで粉砕と乾燥を同時に行った。衝撃粉砕機の出口には、目開き63μm、篩面積1.0m2の篩が備えられており、衝撃粉砕機から排出された粉砕物を粉砕物供給速度を0.4t/(m2/時)にて篩分けし、篩通過物を150kg/時の速度で製品タンクに回収した。
篩上残分のうち、篩の目開きより小さい粒子径の粒子を55質量%、篩の目開きと同じか又は大きい粒子径の粒子を45質量%含む粉砕物の全部は、250kg/時の速度で衝撃粉砕機入口に戻され、粉砕直前のヒドロキシプロピルメチルセルロースと共に再粉砕された。粉砕工程に戻す粉砕物の質量は、粉砕直前のヒドロキシプロピルメチルセルロースの質量に対して250/150=1.7倍であった。
得られたヒドロキシプロピルメチルセルロースの物性を実施例1と同様に測定し、結果を表2に示す。
実施例7と同様にして、DSが1.8、MSが0.15で、含水率65質量%の含水ヒドロキシプロピルメチルセルロースを得た(表1)。
得られた含水ヒドロキシプロピルメチルセルロースを乾燥重量として50kg/時の速度で供給すると同時に、該衝撃粉砕機に熱風を送り込んで粉砕と乾燥を同時に行った。衝撃粉砕機の出口には、目開き63μm、篩面積1.0m2の篩が備えられており、衝撃粉砕機から排出された粉砕物を供給速度0.095t/(m2/時)にて篩分けし、篩通過物のうち、90質量%を45kg/時の速度で製品タンクに回収した。
篩通過分の残り10質量%は5kg/時で、篩上残分は45kg/時で共に衝撃粉砕機入口に戻され、最終的に、篩上残分のうち、篩の目開きより小さい粒子径の粒子及び篩通過分の粒子を合わせて20質量%、篩上残分のうち、篩の目開きと同じか又は大きい粒子径の粒子を80質量%含む粉砕物の一部は、50kg/時の速度で衝撃粉砕機入口に戻され、粉砕直前のヒドロキシプロピルメチルセルロースと共に再粉砕された。粉砕工程に戻す粉砕物の質量は、粉砕直前のヒドロキシプロピルメチルセルロースの質量に対して50/50=1.0倍であった。
得られたヒドロキシプロピルメチルセルロースの物性を実施例1と同様に測定し、結果を表2に示す。
実施例7と同様にして、DSが1.8、MSが0.15で、含水率65質量%の含水ヒドロキシプロピルメチルセルロースを得た(表1)。
得られた含水ヒドロキシプロピルメチルセルロースを衝撃粉砕機に乾燥質量として80kg/時の速度で供給と同時に該衝撃粉砕機に熱風を送り込んで、粉砕と乾燥を同時に行った。衝撃粉砕機の出口には実施例8と同様の篩が備えられており、実施例8と同様の条件で篩分けし、80kg/時の速度で篩通過物を製品タンクに回収した。
篩を通過しなかった粉砕物は、篩を通過した粉砕物と配合されることなく、10kg/時の速度で衝撃粉砕機入口に戻され再粉砕された。粉砕工程に戻す粉砕物の質量は、粉砕直前のヒドロキシプロピルメチルセルロースの質量に対して10/80=0.13倍であった。
得られたヒドロキシプロピルメチルセルロースの物性を実施例1と同様に測定し、結果を表2に示す。
2 粉砕物
3 篩上残分
4 篩通過分
5 製品水溶性非イオン性セルロースエーテル
11 粉砕機
12 篩
Claims (11)
- 平均細孔径が36μm以下であり、平均粒子径が30〜300μmである細孔水溶性非イオン性セルロースエーテル。
- 粒子径が15μmより小さい粒子を5質量%以上、粒子径が10μmより小さい粒子を2質量%以上、粒子径が5μmより小さい粒子を1質量%以上含む請求項1に記載の細孔水溶性非イオン性セルロースエーテル。
- ゆるめ見かけ密度が0.20〜0.50g/mlである請求項1又は請求項2に記載の細孔水溶性非イオン性セルロースエーテル。
- 平均細孔径が36μm以下であり、平均粒子径が30〜300μmである細孔水溶性非イオン性セルロースエーテルの連続的製造方法であって、
第1水溶性非イオン性セルロースエーテルを粉砕して第1粉砕物を得る粉砕工程と、
前記第1粉砕物を目開きが40〜400μmの篩にかけて第1篩上残分と第1篩通過分に分ける篩い分け工程とを含み、前記篩の目開きより小さい粒子径の粒子と大きい粒子径の粒子とを含む前記第1篩上残分の一部又は全部を前記粉砕工程の粉砕前の第2水溶性非イオン性セルロースエーテルに配合して再粉砕し第2粉砕物を得た後、前記第2粉砕物を篩にかけて再粉砕物を含む第2篩通過分を前記細孔水溶性非イオン性セルロースエーテルとして回収し、前記第1及び第2篩上残分中の前記篩の目開きより小さい粒子径の粒子の含有量がそれぞれ10質量%以上である細孔水溶性非イオン性セルロースエーテルの連続的製造方法。 - 前記篩い分け工程における篩面積当たりの第1及び第2粉砕物の供給速度が、それぞれ0.2〜20t/(m2/時)である請求項4に記載の細孔水溶性非イオン性セルロースエーテルの連続的製造方法。
- 前記配合粉砕物中における前記第1篩上残分の一部又は全部が、粉砕前の前記第2水溶性非イオン性セルロースエーテルの全量に対して、0.2〜6倍(乾燥質量基準)である請求項4又は請求項5に記載の細孔水溶性非イオン性セルロースエーテルの連続的製造方法。
- 平均細孔径が36μm以下であり、平均粒子径が30〜300μmである細孔水溶性非イオン性セルロースエーテルの連続的製造方法であって、
第1水溶性非イオン性セルロースエーテルを粉砕して第1粉砕物を得る粉砕工程と、
前記第1粉砕物を目開きが40〜400μmの篩にかけて第1篩上残分と第1篩通過分に分ける篩い分け工程とを含み、前記篩の目開きより小さい粒子径の粒子と大きい粒子径の粒子とを含む前記第1篩上残分の一部又は全部と、前記第1篩通過物分の一部とを前記粉砕工程の粉砕前の第2水溶性非イオン性セルロースエーテルに配合して再粉砕し第2粉砕物を得た後、前記第2粉砕物を篩にかけて再粉砕物を含む第2篩通過分を前記細孔水溶性非イオン性セルロースエーテルとして回収する細孔水溶性非イオン性セルロースエーテルの連続的製造方法。 - 前記第1及び第2篩上残分中の前記篩の目開きより小さい粒子径の粒子の含有量が、それぞれ10質量%以上である請求項7に記載の細孔水溶性非イオン性セルロースエーテルの連続的製造方法。
- 前記篩い分け工程における篩面積当たりの前記第1及び第2粉砕物の供給速度が、それぞれ0.2〜20t/(m2/時)である請求項7又は請求項8に記載の細孔水溶性非イオン性セルロースエーテルの連続的製造方法。
- 前記配合粉砕物中における前記第1篩上残分の一部又は全部と、前記第1篩通過物分の一部との合計量が、粉砕前の前記第2水溶性非イオン性セルロースエーテルの全量に対して、0.2〜6倍(乾燥質量基準)である請求項7〜9のいずれか1項に記載の細孔水溶性非イオン性セルロースエーテルの連続的製造方法。
- アルカリセルロースとエーテル化剤を反応させて反応物を得る工程と、前記反応物を洗浄して前記粉砕工程において粉砕される前記水溶性非イオン性セルロースエーテルを得る工程とを更に含む請求項4〜10のいずれか1項に記載の細孔水溶性非イオン性セルロースエーテルの連続製造方法。
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