JP2017076740A - スターポリマーを含む電荷蓄積材料 - Google Patents
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Abstract
Description
このような構造は、電荷蓄積部位が絶縁膜中に孤立分散化される構造を持つナノフローティングゲート材料として適切と考えられた。
[1].
電荷蓄積材料から構成された電荷蓄積層と、この電荷蓄積層によって隔てられたゲート電極および有機半導体層と、ソース電極およびドレイン電極とを有する有機電界効果トランジスタ(OFET)における電荷蓄積材料であって、
金属フタロシアニン錯体のコア、および、4本又は8本のポリマー鎖のアーム部を有するスターポリマーを含み、
前記コアが電荷蓄積部位であり、この電荷蓄積部位が絶縁体である前記アーム部によって囲まれている、
上記電荷蓄積材料。
[2].
コアを構成する金属フタロシアニン錯体の各ベンゼン環に、ポリマー鎖のアーム部が1本又は2本ずつ結合されたスターポリマーを含む、上記[1]項に記載の電荷蓄積材料。
[3].
コアの金属フタロシアニン錯体を構成する金属が、IUPAC周期表の第7〜11族に属するいずれかの金属である、上記[1]又は[2]項に記載の電荷蓄積材料。
[4].
前記ポリマー鎖のアーム部が、炭素−炭素の単結合骨格を有する少なくとも1種の構造単位が少なくとも5個連結したポリマー鎖を含む、上記[1]、[2]又は[3]項に記載の電荷蓄積材料。
[5].
スターポリマーのアーム部が、
コアのベンゼン環に接続されたエーテル基又はスルフィド基、
このエーテル基又はスルフィド基に結合されたポリアルキレン基、及び
このポリアルキレン基にエステル結合を介して結合されたポリマー鎖を含む、
上記[1]〜[4]項のいずれか1項に記載の電荷蓄積材料。
[6].
コアの金属フタロシアニン錯体を構成する金属が、Cu、Zn、Ni、Co、Fe及びMnからなる群から選択される、上記[1]〜[5]項のいずれか1項に記載の電荷蓄積材料。
[7].
コアの金属フタロシアニン錯体を構成する金属が、Cuである、上記[6]項に記載の電荷蓄積材料。
[8].
ポリマー鎖を構成する構造単位の繰り返し数が、5以上200以下である、上記[4]〜[7]項のいずれか1項に記載の電荷蓄積材料。
[9].
ポリアルキレン基の炭素数が、2以上20以下である、上記[5]〜[8]項のいずれか1項に記載の電荷蓄積材料。
[10].
ポリマー鎖を構成する各構造単位が、−[CH2−CH(Ph)]−(式中、Phはフェニル基である。)、−[CH2−CHR1]−(式中、R1は−C(=O)OR2であり、R2は置換されていてよいC1−C10アルキル基である。)、および−[CH2−C(CH3)R1’]−(式中、R1’は−C(=O)OR2’であり、R2’は置換されていてよいC1−C10アルキル基である。)から選択される少なくとも1種である、上記[4]〜[9]項のいずれか1項に記載の電荷蓄積材料。
[11].
スターポリマーが、以下の構造(式中、Mは、Cu、Zn、Ni、Co、Fe、及びMnからなる群から選択される金属であり、Rは、フェニル基、又はブタン酸のカルボキシル基の水素を除いた残基であり、pが2以上20以下であり、nが5以上200以下である。)で表される、上記[1]〜[10]項のいずれか1項に記載の電荷蓄積材料。
[12].
スターポリマーが、以下の構造(式中、Mは、Cu、Zn、Ni、Co、Fe、及びMnからなる群から選択される金属であり、Rは、フェニル基、又はブタン酸のカルボキシル基の水素を除いた残基であり、pが2以上20以下であり、nが5以上200以下である。)で表される、上記[1]〜[10]項のいずれか1項に記載の電荷蓄積材料。
[13].
上記[1]〜[12]項のいずれか1項に記載の電荷蓄積材料から構成された電荷蓄積層を有する有機電界効果トランジスタ。
[14].
電荷蓄積層が、前記スターポリマーのアーム部以外の絶縁体を含まずに形成されている、上記[13]項に記載の有機電界効果トランジスタ。
[15].
上記[13]又は[14]項に記載の有機電界効果トランジスタを用いた有機不揮発性素子。
[16].
上記[15]項に記載の有機不揮発性素子を含んでなる有機不揮発性メモリ。
さらには、電荷蓄積部位である金属フタロシアニン錯体のコアの会合状態を超分子的に調節することによって、貯蓄電荷の量を調節し、省エネ・大容量化を達成することができる。
特に、有機電界効果トランジスタの電荷蓄積層が、スターポリマーのアーム部以外の絶縁体を含まずに形成される場合には、電荷蓄積部位の密度を自在に調節することができ、有機不揮発性素子あるいは有機不揮発性メモリ全体の効率的な設計が可能となる。
なお、これらの望ましい効果によって、本発明の範囲が限定的に解釈されるべきではない。本発明の主要な目的は、有機電界効果トランジスタ(OFET)において、機能性有機分子をナノフローティングゲートに利用するための、新規な電荷蓄積材料およびこれに基づいて作成されたデバイスを提供することである。この目的を達成するための手段は、本願の特許請求の範囲によって確定される。
本発明による電荷蓄積材料に含まれるスターポリマーの構造は、金属フタロシアニン錯体のコア、および、4本又は8本のポリマー鎖のアーム部を有する以外は、特に限定されない。このスターポリマーは、コアが電荷蓄積部位として作用し、アーム部が、コアの電荷蓄積部位を取り囲む絶縁体として機能することを特徴とする。
コアは、4つのフタル酸イミドがそれぞれ窒素原子で架橋された骨格構造およびその中心に位置する金属原子による錯体である部位として定義される。また、アーム部は、スターポリマーのコア以外であって、各フタル酸イミド部分のベンゼン6員環に結合した、絶縁性を奏するポリマー鎖として定義される。本発明による電荷蓄積材料の目的に鑑み、ここでのポリマー鎖には、多少なりとも絶縁性を奏する限り、いかなるものも包含される。
コアの金属フタロシアニン錯体を構成する金属は、入手容易性およびコスト、加工および取扱容易性、電気伝導性等の観点から、最も好ましくはCuである。
ここで、ポリアルキレン基の炭素数は、溶解性の向上の観点から、典型的には2以上20以下であり、好ましくは3以上18以下であってよい。
アーム部のコアに対する接続部は、より強固な接続の観点から、好ましくはスルフィド基である。
−[CH2−CH(Ph)]−(式中、Phはフェニル基である。)、
−[CH2−CHR1]−(式中、R1は−C(=O)OR2であり、R2は置換されていてよいC1−C10アルキル基である。)、および
−[CH2−C(CH3)R1’]−(式中、R1’は−C(=O)OR2’であり、R2’は置換されていてよいC1−C10アルキル基である。)
から選択される少なくとも1種であってよい。
[式中、Mは、Cu、Zn、Ni、Co、Fe、及びMnからなる群から選択される金属であり、Rは、フェニル基、又はブタン酸のカルボキシル基の水素を除いた残基であり、pが2以上20以下であり、nが5以上200以下である。ベンゼン環に対するアーム部の結合位置は、各々独立に、3位〜6位のいずれであってもよい。]
[式中、Mは、Cu、Zn、Ni、Co、Fe、及びMnからなる群から選択される金属であり、Rは、フェニル基、又はブタン酸のカルボキシル基の水素を除いた残基であり、pが2以上20以下であり、nが5以上200以下である。ベンゼン環に対するアーム部の結合位置は、各々独立に、4位及び5位のいずれか又は両方に替えて、3位及び6位のいずれか又は両方であってもよい。]
ポリスチレンポリマー鎖のアーム部を有するスターポリマーの場合について、原子移動ラジカル重合(ATRP)を用いた製造方法の一例を以下に示す。
製造方法のフローは、以下のとおりである。
(S1)フタロニトリルATRPイニシエーター(開始剤)合成工程
(S2)フタロニトリル−ポリスチレン(Pn−PS)合成工程
(S3)精製Pn−PS作製工程
(S4)スターポリマー合成工程
他のポリマー鎖(ATRPポリマー鎖)を有するスターポリマーについても、本方法を用いて同様に製造することができる。
まず、4位又は/及び5位にハロゲン又はニトロ基を有するフタロニトリルに、HS(CH2)p−OH(pは2以上20以下である。)を、好ましくはK2CO3存在下、DMSOなどの有機溶媒中で反応させて、フタロニトリル−{S−(CH2)p−OH}m(m=1又は2)を作製する。次に、Br−C(=O)−C(CH3)2−Br(2-ブロモイソブチリルブロミド)を、TEA(トリエチルアミン)等の低級アルキルアミン存在下、テトラヒドロフラン(THF)中で反応させて、フタロニトリル−{S−(CH2)p−O−C(=O)−C(CH3)2−Br}m(m=1又は2)(Pn−(S−(CH2)p−(C(CH3)2−C(=O)−O−)−PS)、以下、フタロニトリルATRPイニシエーター(Pn−i)と略記する。)を合成する。このように、容易にPn−iを合成できる。
4位又は/及び5位にハロゲン又はニトロ基を有するフタロニトリルとして、4−ニトロフタロニトリル又は4、5−ジクロロフタロニトリルを挙げることができる。また、上記臭化物に替えて他のハロゲン化物を用いることもできる。
Pn−iをATRP開始剤として、CuBr/PMDETAなどの公知の触媒存在下、例えばアニソールなどの有機溶媒中、50〜200℃の適当な温度(典型的には60℃〜100℃程度)に加熱して、ポリスチレン(最小の繰り返し構造単位nが5以上200以下である。)を合成し、さらにフタロニトリル−{S−(CH2)p−O−C(=O)−C(CH3)2−スチレンn−Br}m(m=1又は2)(以下、フタロニトリル−ポリスチレン(Pn−PS)と略記する。)を合成する。
Pn−PSから、高分子量のポリマー(不純物ポリマー)を除去して、精製して、精製Pn−PSを作製する。精製法は、特に限定されず、任意の手段により行ってよい。
金属化合物およびDBU(ジアザビシクロウンデセン)等の強塩基の存在下、例えばブタノール/トルエン混合溶媒等のPn−PS溶解性有機溶媒中で、精製Pn−PSを環化反応させる。
この金属化合物は、特に限定されないが、環化反応の効率性の観点から、Zn、Cu、Ni、Co、Fe、Mnの群から選択されるいずれか一の金属のハロゲン化合物であることが好ましい。最も典型的には、金属化合物はCuCl2である。
この工程では、混合溶媒を用いることが好ましい。Pn−PSはアルコール溶媒に対する溶解性が低い。Pn−PSの溶解性を上げるため、ブタノール(沸点117℃)にトルエン(沸点110℃)を加えて混合溶媒とするとよい。混合溶媒としては、ブタノール/トルエンの他、プロパノール/トルエン、ペンタノール/トルエン、ヘキサノール/アニソールとしてもよい。
上記工程により、スターポリマー(M−Pc−(S−(CH2)p−(C(CH3)2−C(=O)−O−)−PS(n))m)を容易に合成できる。
本発明による有機電界効果トランジスタ(OFET)は、上記スターポリマーを含む電荷蓄積材料から構成された電荷蓄積層と、この電荷蓄積層によって隔てられたゲート電極および有機半導体層と、ソース電極およびドレイン電極とを有するものである以上は、特に限定されない。
上記スターポリマーを含む電荷蓄積材料は、金属フタロシアニン錯体のコアが電荷蓄積部位であり、スターポリマーの4本又は8本のポリマー鎖のアーム部が絶縁体として電荷蓄積部位を取り囲む構成を有する。電荷蓄積材料は、上記スターポリマーを含むことによって、有機溶媒に均一に十分溶解させて、粘性の低い溶液を形成できるため、スピンコート法等の湿式成膜法により薄膜形成が可能である。従って、ナノフローティングゲート代替材料としてこの電荷蓄積材料を用いることによって、電荷蓄積部位がポリマー薄膜内に均一に分散した電荷蓄積層を再現性良く得ることができる。
さらには、電荷蓄積部位である金属フタロシアニン錯体のコアの会合状態を超分子的に調節することによって、貯蓄電荷の量を調節し、省エネ・大容量化を達成することができる。
特に、電荷蓄積層を、スターポリマーのアーム部以外の絶縁体を含まずに形成することによって、電荷蓄積部位の密度を自在に調節することができ、有機不揮発性素子あるいは有機不揮発性メモリ全体の効率的な設計が可能となる。
(合成例1)
<フタロニトリルATRPイニシエーター(Pn−i(1))合成工程>
図1は、フタロニトリルATRPイニシエーター(Pn−i(1))合成工程の反応式である(Scheme 1−1)。まず、メルカプトウンデセノール(HS−(CH2)11−OH)と、4−ニトロフタロニトリルを、DMSO中、炭酸カリウムとともに反応させて、OHを末端に有するウンデシルチオフタロニトリル(フタロニトリル−{S−(CH2)11−OH}m(m=1))を合成した。
次に、これを2−ブロモイソブチリルブロミド(Br−C(=O)−C(CH3)2−Br)と反応させて、フタロニトリル−{S−(CH2)11−O−C(=O)−C(CH3)2−Br}m(m=1)にて表記されるフタロニトリルATRPイニシエーター(Pn−i(1))を合成した。
図2は、フタロニトリル−ポリスチレン(Pn−PS(1))合成工程の反応式である(Scheme 1−2)。アニソール中、70℃で、フタロニトリルATRPイニシエーター(Pn−i(1))を開始剤、CuBr/PMDETAを触媒系として用い、ATRP法により、スチレンからポリスチレンを合成し、さらにフタロニトリル−{S−(CH2)11−O−C(=O)−C(CH3)2−ポリスチレン(n)−Br}m(m=1)にて表記されるフタロニトリル−ポリスチレン(Pn−PS(1))を合成した。
リサイクル分取GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)(JAIGEL 2H/2.5H、溶離液:テトラヒドロフラン)を用いて、フタロニトリル−ポリスチレン(Pn−PS(1))から高分子量のポリマーを取り除く精製を行い、精製フタロニトリル−ポリスチレン(精製Pn−PS(1))を得た。
図3は、スターポリマー合成工程の反応式である(Scheme 1−3)。
まず、ブタノール(沸点117℃)にトルエン(沸点110℃)を加えた混合溶媒を用意した。精製Pn−PSはアルコール溶媒に溶けないため、Pn−PSの溶解性を上げるためである。
次に、前記混合溶媒に精製Pn−PSを、CuCl2、DBUとともに添加した。次いで、前記混合溶媒を加熱して、130℃として、この状態を12時間維持して、反応溶液を得た。このようにして、精製Pn−PS(1)を、CuCl2、DBU存在下、ブタノール(BuOH)/トルエン(Toluene)中で反応させた。
<フタロニトリルATRPイニシエーター(Pn−i(2))合成工程>
4−ニトロフタロニトリルの替わりに市販品(ジクロロフタロニトリル)を用いた他は、合成例1と同様にして、合成を行った。
図4は、フタロニトリルATRPイニシエーター(Pn−i(2))合成工程の反応式である(Scheme 2−1)。まず、メルカプトウンデセノールと、(4,5―ジクロロフタロニトリル)を、DMSO中、炭酸カリウムとともに反応させ、OHを末端に有するアルキルチオフタロニトリルを合成した。次に、これを2−ブロモイソブチリルブロミドと反応させて、フタロニトリル含有2官能性開始剤(Pn−i(2))を合成した。
図5は、フタロニトリル−ポリスチレン(Pn−PS(2))合成工程の反応式である(Scheme 2−2)。アニソール中、70℃で、フタロニトリルATRPイニシエーター(Pn−i(2))を開始剤、CuBr/PMDETAを触媒系として用い、ATRP法により、スチレンからポリスチレンを合成し、さらにフタロニトリル−{S−(CH2)11−O−C(=O)−C(CH3)2−ポリスチレン(n)−Br}m(m=2)にて表記される2分岐のフタロニトリル−ポリスチレン(Pn−PS(2))を合成した。この重合反応は、分析GPCにより追跡した。時間に伴うスチレン反応率の変化を示す一次速度論プロットから、重合がリビングで進行していたことが分かった。
リサイクル分取GPC(JAIGEL 2H/2.5H、溶離液:テトラヒドロフラン)を用いて、フタロニトリル−ポリスチレン(Pn−PS(2))から高分子量のポリマーを取り除く精製を行い、精製フタロニトリル−ポリスチレン(精製Pn−PS(2))を作製した。フタロニトリル−ポリスチレン(Pn−PS(2))のATRP直後のGPC分析結果とGPCによる精製後のGPC分析結果との比較により、GPCを行うことで精製できたことが確認された。
図6は、スターポリマー合成工程の反応式である(Scheme 2−3)。まず、ブタノール(沸点117℃)にトルエン(沸点110℃)を加えた混合溶媒を用意した。この混合溶媒に、精製Pn−PS(2)を、CuCl2、DBUとともに添加した。次に、混合溶媒を加熱して130℃とし、この状態を12時間維持して、反応溶液を得た。このようにして、精製Pn−PS(2)を、CuCl2、DBU存在下、ブタノール/トルエン中で反応させた。
ポリスチレンスタンダードを用いたGPC測定結果によれば、8−armの分子量(Pc−(PS)8)は、Pn−PS(2)の分子量に対して4倍よりも約25%小さく見積もられた。
ここで、MWは重量平均分子量、Mnは数平均分子量を示し、Mn(theor)は開始剤とモノマー比から計算した分子量の理論値を表す。
また、スチレンの替わりにn−ブチルアクリレート(n−BA)を用いて、上記同様の合成法に従って、スターポリマーCuPc−PBA4を得た。一方、比較のため、4官能性開始剤を用いたスチレンおよびn−ブチルアクリレートのATRPにより、CuPcコアを有しないアーム数が4のスターポリマー(PS4およびPBA4)を合成した。
CuPc−PS4およびCuPc−PBA4と併せて、PS4およびPBA4の化学構造を、以下に示す。
CuPc−PS4の溶解性は、ポリスチレンスターポリマー(PS4)と同様であり、ジクロロメタン(CH2Cl2)、クロロホルム、テトラヒドロフラン(THF)、トルエンなどの有機溶媒によく溶け、メタノールなどの極性溶媒に難溶である。CuPc−PS4のCH2Cl2中の吸収スペクトルは、チオアルキルフタロシアニンの文献値と実質的に合致する693nmに吸収極大を持つ吸収バンド(Q帯)および350nmにピークを持つ吸収バンド(ソーレー帯)を示した(図7aの実線参照)。興味深いことには、CuPc−PS4のドロップキャストフィルムは、溶液とは全く異なる吸収スペクトルを示し、698nmにショルダーピークを有すると共に、630nmにピークを有するより広いQバンドを与えた(図7aの点線参照)。一方、CH2Cl2溶液に極性溶媒であるメタノールを添加し、更にその添加割合を増大させていくと、693nmでのピークは減少し、630nmに短波長シフトしたピークを持つより広がった吸収バンドを示した(図7b参照)。このメタノール中のCuPc−PS4のスペクトルは、CuPc−PS4を石英基板にドロップキャストしたフィルムのスペクトルに類似していた。このようなQ帯が短波長シフトしたスペクトルは、隣接するPcの間の励起子相互作用(エキシトンカップリング)から生じるものであり、CuPcコア平面がπ−π相互作用によって重なり合った集合体を形成しているときの特徴である。CuPc−PBA4も同様に、メタノール中および固体状態で短波長シフトしたスペクトルを示したことから、コアがPBAアームポリマー中πスタックした構造を形成することがわかった。
また、CuPc−PS8のCH2Cl2溶液の吸収スペクトルを確認したところ、チオアルキルフタロシアニンの文献値と実質的に合致する711nmに吸収極大ピークが現れた。
以上の結果から、CuPcコアを持つスターポリマーは、コア部位がπ相互作用によって集合化し、アーム部位のPSマトリックス中に分散しているこのような構造を形成することが分かった。このような構造はOFETメモリデバイスにおけるナノフローティングゲート構造に適切と考えられたため、引き続きデバイスについて調査した。
図9に例示されているように、ボトム−ゲート/トップ−コンタクト構造を有するペンタセンOFETメモリデバイスの電荷蓄積層にCuPc−PS4を適用することを試みた。CuPc−PBA4及びPBA4並びにPS4スターポリマーもまた、比較のため電荷蓄積層として利用した。
ポリマーのトルエン溶液(5mg/ml)を、厚み100nmのSiO2層を有するnドープしたシリコンウェハー上にそれぞれスピンコートし、減圧下40℃で2時間乾燥させ、残留溶媒を除去した。次いで、ペンタセン電荷輸送層を室温で真空下蒸着した。ポリマー層とペンタセン層の厚みは、それぞれ55nmおよび50nmであった。最後に、チャネル長(L)50μm、チャネル幅(W)1000μm、厚み80nmとなるようにマスクを通じて金を蒸着してソース・ドレイン電極を作成した。
これらのデバイスに関連した性質を、表4に要約する。表中、全てのデータは、少なくとも2つのバッチデバイスの異なる10カ所で測定した数値を平均化したものである。ここで、CuPc−PS4層を有するデバイスの電荷移動度(mobility)は、0.41cm2/V/sと見積もられ、ペンタセンを用いるOFETとして適切な値を示した。一方、CuPc−PBA4層を有するデバイスの電荷移動度(9.9×10−4cm2/V/s)は、3桁も小さい値であった。
CuPc−PS4薄膜上に蒸着されたペンタセンのAFM画像において、0.4μm程度の大きな結晶ドメインを持つペンタセン結晶を確認した(図9a)。一方で、CuPc−PBA4薄膜上に蒸着されたペンタセンにおいては、0.06μm程度の小さな粒子状の結晶ドメインを観察した(図9b)。さらに、CuPc−PS4が自乗平均面粗さ(RMS値)が0.19nmの非常に滑らかな薄膜表面を持つのに対し、CuPc−PBA4はRMS値が1.32nmの比較的粗い薄膜表面を形成した。これはPBAのTgが約−50度と低く、均一で滑らかな表面を持つスピンコートフィルムを作製するのが困難であるためであり、それがペンタセン結晶の成長を阻害し、より小さい粒状のペンタセン結晶が得られたと考えられる。
また、ポリマー薄膜の表面エネルギーは、ポリマー表面でのペンタセン分子の拡散プロセスや結晶成長速度に影響し、ペンタセンの結晶ドメインサイズの差異に関係することが知られている。そこで、水およびジヨウドメタンの接触角を測定し、ペンタセンおよび各スターポリマーの薄膜の表面自由エネルギーを見積もったところ、ペンタセンは47.2mJ/m2、CuPc−PS4は、47.3mJ/m2とほぼ同じ値であった。表面自由エネルギーに差がないことで、界面でペンタセン結晶が欠陥なく成長し、CuPc−PS4薄膜上でより大きな結晶ドメインを形成したと考えられる。他方、CuPc−PBA4の表面自由エネルギーは、39.6mJ/m2と見積もられた。粗いポリマー表面と極性の高い高分子鎖の性質により、CuPc−PBA4上でのペンタセンの結晶成長が阻害されたことが示唆された。一方で、CuPcコアを有しないスターポリマー、すなわちPS4及びPBA4は、相当するCuPcコアを有するスターポリマーとほぼ同じ表面自由エネルギーを有し、これは、ポリマー表面がCuPcコアではなくアームポリマーにより覆われていたことを意味する。
SiO2基板、CuPc−PS4またはPS4薄膜上のペンタセンの面外XRD測定をしたところ、2θ=5.71°に面間隔が約15.5Åの鋭い(001)回折ピークを示した。これは「薄膜相」と呼ばれる準安定構造に由来し、この相では、ペンタセン分子の長軸方向が基板に垂直に配向し、隣り合う分子同士のπ−軌道が重なることにより効率的な電荷キャリア輸送を達成することが知られている。他方、CuPc−PBA4またはPBA4上のペンタセン蒸着膜のXRD回折では、(001)ピークが減少し、代わりに2θ=6.05°にショルダーピーク(001’)が現れた。このショルダーピークは、面間隔約14.6Åの熱力学的に安定な三斜晶相、いわゆる「バルク相」に起因するものであった。(001)構造のみからなる結晶構造と比べて、薄膜相(001)及びバルク相(001’)が混在すると、ペンタセン分子のπ軌道の重なり合いが阻害され、ペンタセン結晶内の電荷移動度を一般に悪化させる。従って、ポリマー表面の粗さおよび極性がペンタセン結晶の成長に影響し、CuPc−PS4層またはCuPc−PBA4層上に異なる結晶構造を与え、終局的に電荷キャリア性能に影響を与えたものと結論される。結果として、CuPc−PS4電荷蓄積層を有するOFETデバイスは、CuPc−PBA4層を有するOFETデバイスよりもずっと高い電荷移動度を与えた。
さらに、CuPc−PS4組み込みデバイスは、ドレイン電流のON/OFF比が108と高いため、メモリデバイスへの高い潜在性が見込まれた。
CuPcコアのスターポリマーの電荷蓄積層を有するトランジスタメモリに対して、ドレイン電圧(Vd)を−50Vで一定とし、ゲート電極に−50V/+50Vのパルス電圧を1秒毎に印加し、メモリ特性を評価した。図10aに図示されるように、CuPc−PS4層を有するOFETデバイスに、ゲート電圧(Vg=−50V)を印加すると、伝達特性が大きく左(負)方向にシフトした(1stP)。これは、チャネルに生成した正電荷(ホール)がCuPc−PS4層へ移動し蓄積された結果であり、この過程を「書き込み」と定義する。逆に、消去操作(1stE、1秒につきVg=50V)では、スターポリマー層に蓄積されたホール電荷が、チャネルへと戻り、伝達特性が初期のものとほぼ同じ位置へ戻った。この書き込み・消去の際のしきい値の変化(ΔVth)をメモリウィンドウと呼び、これはポリマー中に蓄積された電荷の量に比例する。CuPc−PS4層を有するOFETデバイスは、メモリウィンドウが約21Vであることが分かった。また、書き込み/消去前後の最大電流ON/OFF比(メモリ比)は、Vgが−10Vで107以上であった。さらに、書き込みプロセス(2ndP、1秒につきVg=−50V)を続けて適用したとき、伝達特性は、再び負の方向にシフトし、一度目の書き込みと類似の特性を示した。これは、書き込み/消去が繰り返し可能なことを示し、フラッシュタイプのメモリデバイスであることを示唆した。
他方、ポリマー誘電体層としてPS4を有するデバイスは、+50Vのゲート電圧をかけると正方向にシフトするId−Vg特性を示した。さらに逆の電圧(−50V)を印可すると元のヒステリシス曲線の位置近くに戻った。これはCuPc−PS4層とは逆に、電子を貯蓄するフラッシュ型メモリと特徴づけられる。しかし、メモリウィンドウは3V程度、最大メモリ比は102程度であり、より高いゲート電圧を付与しないと明確なメモリ現象を発現しない。従って、CuPc−PS4デバイスでのPSアームの影響は無視できる程度のものであることが明らかになった。
CuPc−PS4埋め込みデバイスと同じく、最初の書き込みプロセス(1stP、1秒につきVg=−50V)後の伝達特性は、初期状態から負の方向への約29Vもの明確なシフトを与えた。しかし、続く消去パルス(1stE、1秒につきVg=50V)を印可しても、伝達特性は、初期の位置に移動しなかった。これは、ポリマー層に蓄えられたホールがチャネルに引き戻されなかったことを意味する。よって、CuPc−PBA4デバイスは、ライトワンス・リードメニー(WORM)メモリと帰属される。2回目の書き込み動作(2ndP、1秒につきVg=−50V)を適用後にも伝達特性は維持された。これは、さらなるゲート電圧によってポリマー中により多くのホールを誘導しなかったことを意味する。
一方、PBA4を有するOFETについても、類似のWORM型のトラップ挙動が見出され、そのメモリウィンドウは9.7Vと見積もられた。これによって、たとえポリマー中にCuPcユニットがない場合でさえも、PBA4層はホールキャリアをトラップする能力を示すことが明らかにされた。
上で論じたように、PBA4及びCuPc−PBA4薄膜は、PBAの本質的な性質のため、粗い界面及びより高い極性を有しており、電荷伝導パスがフィルムの内部に形成し易く、容易に残留電荷や内部電界が誘導される可能性がある。CuPc−PBA4を有するメモリデバイス中で生じるホールトラップ挙動は、CuPcコアによるものとPBAアームによるものの両方に因ると考えられた。
LUMO = − (Ered onset vs. Ag/AgCl + 4.8 eV − E1/2, ferrocene);
HOMO = − (Eox onset vs. Ag/AgCl + 4.8 eV − E1/2, ferrocene)
従って、観察されたメモリ効果のメカニズムは、以下のとおりである。負のゲート電圧が印加されると、ペンタセン層に誘導された正の電荷がポリマー層を通って、CuPcコアの集合体の内部にトラップされる。この場合のペンタセンおよびCuPc−PS4のエネルギーバンドの概略を図12aに示す。CuPc−PS4の場合、CuPcコアの集合体がPS障壁包囲によって十分に隔離されているため、電圧を除いた後もこれらの正の電荷が残るナノフローティングゲートしての挙動を示す。
逆の電圧バイアスを適用すると、電子がペンタセン上に誘起され、それがPSアームへと移動し、CuPcコアにトラップされていたホールと再結合すると考えられる。この場合のペンタセンおよびCuPc−PS4のエネルギーバンドの概略を図12bに示す。さらに、キャパシタンスから見積もられたCuPc−PS4の誘電率は2.51と比較的低い値である。このような低い誘電率は、ポリマーのトンネル層中でより高い電界を誘導し、従って、半導体ペンタセン層からCuPcコア集合体のトラップ位置までの正電荷キャリアの効率的な注入につながりうる。
一方、上で議論したように、CuPc−PBA4は、柔らかいアームポリマーセグメントにより、ポリマー層中にて様々な電荷漏洩経路を形成すると推測される。従って、同じコアの化学構造および2.60と同様の誘電率であるにもかかわらず、異なるメモリ特性が観察された。
CuPc−PS4を含むOFETメモリデバイスは、高いメモリ保持能力および信頼性の高い書き込み/消去の繰り返し動作を示し、フラッシュタイプメモリの新規ナノフローティングゲート材料としての高い潜在能力が明らかにされた。
CuPcコアのスターポリマーのスピンコートフィルムは、電荷蓄積層として使用され、ペンタセンは電荷輸送層として使用された。CuPcコアは、ホール電荷を蓄積する挙動を示し、大きいメモリウインドウを与えた(>20V)。アームポリマーの性質により、PBAスターポリマー(CuPc−PBA4)はSRAMタイプのメモリ特性を示した一方で、CuPc−PS4は、高いON/OFF比率および長いデータ保持性を持つフラッシュタイプのメモリを与えた。CuPcコアを有するスターポリマーは、単にスピンコートするだけで、電荷トラップとなるコア部位をスターポリマー薄膜内に孤立・拡散させることができ、さらにそれらの密度は、アームポリマーの長さを変えることによって制御することができる。従って、本発明のスターポリマーに関するポリマーデザインは、メモリ性能を調節可能なナノフローティングゲート・メモリデバイスのための有望な候補と考えられる。
なお、これらの実施例にて実証された具体的な形態および効果によって、本発明の範囲が限定的に解釈されるべきではない。本発明の主要な目的は、有機電界効果トランジスタ(OFET)において、機能性有機分子をナノフローティングゲートに利用するための、新規な電荷蓄積材料およびこれに基づいて作成されたデバイスを提供することである。この目的を達成するための手段は、本願の特許請求の範囲によって確定される。当業者は、本明細書の開示事項および技術常識に基づいて、特許請求の範囲に包含される上記実施例以外の電荷蓄積材料を製造しかつ使用することができることを当然に理解するであろう。
さらに、本発明に係る電荷蓄積材料は、電荷蓄積部位であるスターポリマーの金属フタロシアニン錯体コアの会合状態を超分子的に調節することによって、貯蓄電荷の量を調節し、省エネ・大容量化を達成することができ、ひいては、スターポリマーのアーム部以外の絶縁体を含まずに電荷蓄積層を形成することで、電荷蓄積部位の密度を自在に調節することができ、有機不揮発性素子あるいは有機不揮発性メモリ全体の効率的な設計が可能となる。
Claims (16)
- 電荷蓄積材料から構成された電荷蓄積層と、この電荷蓄積層によって隔てられたゲート電極および有機半導体層と、ソース電極およびドレイン電極とを有する有機電界効果トランジスタ(OFET)における電荷蓄積材料であって、
金属フタロシアニン錯体のコア、および、4本又は8本のポリマー鎖のアーム部を有するスターポリマーを含み、
前記コアが電荷蓄積部位であり、この電荷蓄積部位が絶縁体である前記アーム部によって囲まれている、
上記電荷蓄積材料。 - コアを構成する金属フタロシアニン錯体の各ベンゼン環に、ポリマー鎖のアーム部が1本又は2本ずつ結合されたスターポリマーを含む、請求項1に記載の電荷蓄積材料。
- コアの金属フタロシアニン錯体を構成する金属が、IUPAC周期表の第7〜11族に属するいずれかの金属である、請求項1又は請求項2に記載の電荷蓄積材料。
- 前記ポリマー鎖のアーム部が、炭素−炭素の単結合骨格を有する少なくとも1種の構造単位が少なくとも5個連結したポリマー鎖を含む、請求項1、請求項2または請求項3に記載の電荷蓄積材料。
- スターポリマーのアーム部が、
コアのベンゼン環に接続されたエーテル基又はスルフィド基、
このエーテル基又はスルフィド基に結合されたポリアルキレン基、及び
このポリアルキレン基にエステル結合を介して結合されたポリマー鎖を含む、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電荷蓄積材料。 - コアの金属フタロシアニン錯体を構成する金属が、Cu、Zn、Ni、Co、Fe及びMnからなる群から選択される、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電荷蓄積材料。
- コアの金属フタロシアニン錯体を構成する金属が、Cuである、請求項6に記載の電荷蓄積材料。
- ポリマー鎖を構成する構造単位の繰り返し数が、5以上200以下である、請求項4から請求項7のいずれか1項に記載の電荷蓄積材料。
- ポリアルキレン基の炭素数が、2以上20以下である、請求項5から請求項8のいずれか1項に記載の電荷蓄積材料。
- ポリマー鎖を構成する各構造単位が、
−[CH2−CH(Ph)]−(式中、Phはフェニル基である。)、
−[CH2−CHR1]−(式中、R1は−C(=O)OR2であり、R2は置換されていてよいC1−C10アルキル基である。)、および
−[CH2−C(CH3)R1’]−(式中、R1’は−C(=O)OR2’であり、R2’は置換されていてよいC1−C10アルキル基である。)
から選択される少なくとも1種である、請求項4から請求項9のいずれか1項に記載の電荷蓄積材料。 - スターポリマーが、以下の構造(式中、Mは、Cu、Zn、Ni、Co、Fe、及びMnからなる群から選択される金属であり、Rは、フェニル基、又はブタン酸のカルボキシル基の水素を除いた残基であり、pが2以上20以下であり、nが5以上200以下である。)で表される、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の電荷蓄積材料。
- スターポリマーが、以下の構造(式中、Mは、Cu、Zn、Ni、Co、Fe、及びMnからなる群から選択される金属であり、Rは、フェニル基、又はブタン酸のカルボキシル基の水素を除いた残基であり、pが2以上20以下であり、nが5以上200以下である。)で表される、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の電荷蓄積材料。
- 請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の電荷蓄積材料から構成された電荷蓄積層を有する有機電界効果トランジスタ。
- 電荷蓄積層が、前記スターポリマーのアーム部以外の絶縁体を含まずに形成されている、請求項13に記載の有機電界効果トランジスタ。
- 請求項13または請求項14に記載の有機電界効果トランジスタを用いた有機不揮発性素子。
- 請求項15に記載の有機不揮発性素子を含んでなる有機不揮発性メモリ。
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