JP2017067572A - 格点構造物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1は、放射線治療装置を備える医療システムにおいて、被検体の位置決めを行うために、天井面の投光ユニットから走査ガントリにクロスラインレーザを鉛直方向に照射して床面の受光ユニットで受光し、一方の側壁の投光ユニットからクロスラインレーザを走査ガントリに水平方向に照射して他方の側壁の受光ユニットに受光し、受光ユニットのデータから投光ユニットにフィードバック制御を行って、各投光ユニット、各受光ユニットの位置をそれぞれ調整する技術が開示されている。
クロスラインレーザ光の光軸を、柱状体の軸心から格点に向かって配置するレーザ光配置工程と、
各柱状体の接続端側に、第1ラインおよび第2ラインにそれぞれ対応する接続端ターゲットを設けるとともに、各柱状体の先端側に、第1ラインおよび第2ラインにそれぞれ対応する先端ターゲットを設けるターゲット形成工程と、
前記接続端ターゲットおよび前記先端ターゲットが形成された柱状体を、基準柱状体との接合位置に配置し、クロスラインレーザ光が前記接続端ターゲットおよび前記先端ターゲットにそれぞれ一致するように、当該柱状体の姿勢を調整して位置決めする位置決め工程と、
基準柱状体に、位置決め後の柱状体を順次接合する接合工程と、を具備したものである。
以下、本発明の実施例1を、図面を参照して説明する。
複数本の管(柱状体)を、格点を中心として所定角度隔てて放射方向に接合した格点構造物である管集合体の製造方法について説明する。この管集合体は、たとえば高層建築物や橋梁、高層タワーや大型のパラボラアンテナ、電波望遠鏡、光学望遠鏡などの構造体の一部として使用するために、1つの格点から所定角度を隔てて複数、たとえば3本以上で20本前後までの管を溶接により接合したものである。
図1,図2には、たとえば7本の管P0〜P6を接合した管集合体11が表示されている。この管集合体11は、たとえば基準水平面となる定盤12上に、垂直(鉛直)方向に立設された1本の基準管P0と、この基準管P1の軸心O0上に設定された格点RPを中心に、所定角度隔ててそれぞれの仰角αで、たとえば6本の管P1〜P6が接合されている。
図1に示すように、レーザ光照射器(レーザポインタ)21A〜21Fからクロスラインレーザ光CR1〜CR6を、管P1〜P6の軸心O1〜O6から格点RPに向かってそれぞれ照射し、管P1〜P6の位置決めや計測、修正を行う。
図3は、管P1〜P6において、クロスラインレーザ光CR1〜CR6を受光するための受光部の例1を示す。管P1〜P6はそれぞれ同一であるため、管P1のみを説明する。管P1の軸心O1に沿って照射されるクロスラインレーザ光CR1を受光するために、管P1の先端側受光部22と接続端受光部23がそれぞれ設けられている。
先端側受光部24は、受光用の端板22aを削除し、軸心O1に垂直な管P1の管端面24aを先端受光面とし、この管端面24aに先端ターゲットFTの第1照射線FTvと第2照射線FThがそれぞれ形成されている。また接続端受光部25は、第1ラインRvと第2ラインRhの照射位置近傍にのみに受光片25aをそれぞれ溶接などにより取り付けたもので、受光片25aの先端側の面に接続端ターゲットRTの第1照射線RTvと第2照射線RThが形成されている。これら第1照射線RTvおよび第2照射線RThは、第1ラインRvおよび第2ラインRhに対応して管P1の胴部外面に軸心O1方向に沿って予め形成された胴部罫書き線BLv,BLhに基づいて形成する。
図6は、各レーザ光照射器21A〜21Fをそれぞれ姿勢調整可能に支持する照射器調整装置31を示す。この照射器調整装置31は、定盤12上の所定位置に立設される照射器支持柱32に、90°で互いに直交交差するy軸、z軸の二軸方向の移動と、x軸(RO軸)、y軸、z軸の三軸周りの回動が可能に構成されている。
次いで、上記構成を有する設備を使用して管集合体11を製造する方法を、図1,図8を参照して説明する。
(レーザ光配置工程)
定盤12上の所定位置に、格点RPに対応して基準管P0を立設配置する。そして、格点RP直下の定盤12上の平面視格点RP′から、平面視の管P1〜P6の軸心O1〜O6直下の平面視座標線(罫書き線)O1h〜O6hを引く。そして、平面視座標線O1h〜O6hの所定位置に照射器支持柱32を立設し、この照射器支持柱32に照射器調整装置31を介してレーザ光照射器21A〜21Fをそれぞれ設置し、位置と傾斜角βを設定する。そして、各レーザ光照射器21A〜21Fのクロスラインレーザ光CR1〜CR6のレーザ光軸ROを、接合する管P1〜P6の軸心O1〜O6に沿って基準管P0の格点RPに向かい配置する。(STEP.1)
(ターゲット形成工程)
接合する管P1〜P6管P1の胴部外面に、予め第1,第2ラインRv,Rhに対応して軸心O1方向に沿う胴部罫書き線BLv,BLhを形成しておく。これら胴部罫書き線BLv,BLhに基づいて、接続端側受光部23,25に、第1,第2ラインRv,Rhがそれぞれ照射される接続端ターゲットRTの第1,第2照射線RTv,RTh(図3〜図5)を形成するとともに、各管P1〜P6の先端側受光部22,24に、第1,第2ラインRv,Rhがそれぞれ照射される先端ターゲットFTの第1,第2照射線FTv,FTh(図3〜図5)を設ける。(STEP.2)
なお、レーザ光配置工程(STEP.1)とターゲット形成工程(STEP.2)は、並行して実施してもよいし、どちらか一方を先に実施してもよい。
接続端ターゲットRTの第1,第2照射線RTv,RThおよび先端ターゲットFTの第1,第2照射線FTv,FThが形成された管P1から順に、基準管P0との接合位置に配置し、クロスラインレーザ光CR1の第1,第2ラインRv,Rhが、接続端および先端ターゲットRT,FTの第1,第2照射線RTv,RThおよび第1,第2照射線FTv,FThにそれぞれ一致するように、当該管P1〜P6の姿勢を調整して位置決めする。(STEP.3)
(接合工程)
位置決めされた管P1と、基準管P0(および既接合の管)と、順次溶接により接合する。(STEP.4)
位置決め工程と接合工程とを繰り返して、順次残りの管P2〜P6を溶接により接合する。(STEP.5)
[接合した管の計測と調整]
(歪み計測工程)
基準管P0への管P1〜P6の接合を完了した後、先端ターゲットFTの第1,第2照射線FTv,FThとクロスラインレーザ光CR1〜CR6のずれ量から、各管P1〜P6の取付精度をそれぞれ計測する。これらずれ量は、図9に示すように、クロスラインレーザ光CR1〜CR6と先端ターゲットFTの第1,第2照射線FTv,FThとのX軸上およびY軸上の取付誤差である。(STEP.6)
なお、図10および図11に開示されたZ軸上の取付誤差は、レーザ照射器21A〜21Fとは別の計測器で計測された値である。これら基準管P0を含む管P1〜P6の先端側は、後工程において、伸縮継手などを介して中間梁となる中間接続管に連結される。このため、Z軸上の取付誤差は十分な許容長さを有しており、溶接による接合で生じるような範囲の誤差は、このまま放置しても特に問題はない。ここで問題となる取付誤差は、X軸上の取付誤差およびY軸上の取付誤差である。
歪み計測工程で計測されたX軸上およびY軸上の取付誤差に基づき、所定の組立計算方法により求めた対象の管P1〜P6ごとにすべて、または選択的に歪み取りを行う。この歪み取り作業では、対象の管P1〜P6について、周方向および軸方向の加熱位置や加熱範囲、加熱温度、加熱時間、冷却時間をそれぞれ選択して実施し、歪みを解消する。(STEP.7)
(歪み再計測工程)
歪み取り工程後にそれぞれ、図9に示すように、たとえば管P5におけるX軸上およびY軸上の取付誤差をそれぞれ再計測する。(STEP.8)
残りの管についても、歪み取り工程と歪み再計測工程とを繰り返して、すべての管P1〜P6のX軸上およびY軸上の取付誤差が最小となる許容範囲、たとえば±数mm未満に収める。(STEP.9)
[歪み取りによる取付誤差の修正結果]
ここで、歪み取りによる取付誤差の修正結果を、歪み取り前を示す図10および歪み取り後の図11を参照にして説明する。
[実施例1の効果]
上記実施例1によれば、基準管P0に対して所定の角度隔てて傾斜する管P1〜P6に対して、それぞれの軸心O1〜O6に沿って格点RPを通るクロスラインレーザ光CR1〜CR6を傾斜状態で配置し、第1ラインRvおよび第2ラインRhをそれぞれ接続端ターゲットRTおよび先端ターゲットFRに一致させることにより、接合する管P1〜P6を短時間かつ高精度で位置決めすることができる。
実施例1では、管P1〜P6を含む管集合体11の設計データに基づいて照射器支持柱32の位置データと、受光器調整装置31への入力データにより、管P1〜P6の各仰角αと同一となるレーザ光照射器21A〜21Fの傾斜角β(180°−α)を設定し、姿勢調整したが、手動でレーザ光照射器21A〜21Fの傾斜角βを設定する場合の設置方法を、図12〜図13を参照して説明する。なお、先の実施例と同一部材については同一符号を付して説明は省略する。またレーザ光照射器21Aおよび管P1のみを説明し、他のレーザ光照射器21B〜21Fおよび管P2〜P6は同様であるため、説明を省略する。
(レーザ光照射器21Aの設置)
まず定盤12上に平面視格点RP′から管P1の軸心O1に沿う平面視座標線(罫書き線)O1hを形成する。そして、平面視座標線O1hを含む鉛直面内にレーザ光照射器21Aを配置する。まず、格点RP(平面視格点RP′)から所定距離(R0+R1+R2+R3、R1=0)離れた位置に照射器支持柱32を立設する。そして、照射器支持柱32における、立設位置に対応するクロスラインレーザ光CR1の高さ(Rv1+Rv2+Rv3)にレーザ光照射器21Aを取り付ける。ここで、Rv1は定盤12から管P1の先端面中心P1O(後述する計測基準柱41Rにおける高さ座標線HRv)までの高さ、Rv2は、先端面中心P1Oから、後述する計測基準柱41Lにおける高さ座標線HLvまでの仰角αに対応する高さ、Rv3は、高さ座標線HLvから照射器支持柱32までの仰角αに対応する高さである。
管P1の平面視座標線O1hを挟んで両側に所定間隔をあけ、さらに平面視格点RP′から平面視座標O1hの長さ方向に所定間隔をあけて、一対の計測基準柱41L,41Rを定盤12上に立設する。
ここで格点RP(平面視格点RP′)からレーザ光照射器21Aまでの距離(R0+R1+R2+R3)において、R0は、平面視座標線O1hにおける格点RPから管P1の軸心O1までの距離であり、また平面視座標線O1hにおいて管P1の先端面と一致するように計測基準柱41Rを設置したため、R1=0である。さらにR2は、平面視座標線O1hにおける計測基準柱41Rから計測基準柱41Lまでの距離であり、さらにまたR3は、平面視座標線O1hにおける計測基準柱41Lから照射器支持柱32までの距離である。
そして設計データに基づいて、管P1の先端面中心P1O(=計測基準柱41R)から計測基準柱41Lまで平面視座標線O1hに沿う距離(R2)と,計測基準柱41Lからレーザ光照射器21Aまで平面視座標線O1hに沿う距離R3と、管P1の仰角αから計測基準柱41L,41Rにおいて第2ラインRhが照射されるレーザ光照射器21Aの対向面に、高さ座標線(罫書き線)HLv,HRvを形成する。
計測基準柱41L,41Rの高さ座標線HLv,HRvに第2ラインRhが一致するように、レーザ光照射器21Aの仰角αに対応する傾斜角βをそれぞれ調整する。
図12,図13に替えて、図14に示すように、管P1を設置しないで、格点RP位置に支持治具42を介して設置した格点ターゲットRPTと、一方の計測基準柱41L(または41R)とにより、レーザ光照射器21Aの位置決めと、クロスラインレーザ光CR1の仰角αの調整を行うこともできる。
P1〜P6 管(柱状体)
O0〜O6 軸心
O1h〜O6h 平面視座標線
RP 格点
RP′ 平面視格点
P1O 先端面中心
CR1〜CR6 クロスラインレーザ光
RO レーザ光軸
Rv 第1ライン
Rh 第2ライン
FT 先端ターゲット
FTv 第1照射線
FTh 第2照射線
RT 接続端ターゲット
RTv 第1照射線
RTh 第2照射線
α 仰角
β 傾斜角
11 管集合体(格点構造物)
12 定盤(基準水平面)
21A〜21F レーザ光照射器
22,24 先端側受光部
22a 端板
24a 管端面
23,25 接続端側受光部
23a 環状部材
25a 受光片
31 照射器調整装置
32 照射器支持柱
Claims (5)
- 光軸上で直交交差する第1ラインと第2ラインからなるクロスラインレーザ光を使用して、基準柱状体の格点から所定角度隔てて傾斜方向に伸びる複数の柱状体が接合された格点構造物を製造する格点構造物の製造方法であって、
クロスラインレーザ光の光軸を、柱状体の軸心から格点に向かって配置するレーザ光配置工程と、
各柱状体の接続端側に、第1ラインおよび第2ラインにそれぞれ対応する接続端ターゲットを設けるとともに、各柱状体の先端側に、第1ラインおよび第2ラインにそれぞれ対応する先端ターゲットを設けるターゲット形成工程と、
前記接続端ターゲットおよび前記先端ターゲットが形成された柱状体を、基準柱状体との接合位置に配置し、クロスラインレーザ光が前記接続端ターゲットおよび前記先端ターゲットにそれぞれ一致するように、当該柱状体の姿勢を調整して位置決めする位置決め工程と、
基準柱状体に、位置決め後の柱状体を順次接合する接合工程と、を具備した
ことを特徴とする格点構造物の製造方法。 - クロスラインレーザ光の第1ラインは、鉛直面内に配置される
ことを特徴とする請求項1記載の格点構造物の製造方法。 - 先端ターゲットは、柱状体の先端面または柱状体の先端面に取り付けられた端板に形成される
ことを特徴とする請求項1または2記載の格点構造物の製造方法。 - 接続端ターゲットは、当該柱状体の基端側外周に取り付けられた接続端検出部材、または当該柱状体の接続端周囲の基準柱状体の表面および接合後の柱状体の表面の少なくとも1つに形成される
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の格点構造物の製造方法。 - 基準柱状体にすべての柱状体を接合した後、先端ターゲットとクロスラインレーザ光とのずれ量から柱状体の取付精度を計測する歪み計測工程と、
前記歪み計測工程で計測された所定の柱状体を部分的に加熱、冷却することにより当該柱状体の歪み取りを行う歪み取り工程と、
前記歪み取り工程後に、先端ターゲットとクロスラインレーザ光とのずれ量から柱状体の取付精度を再計測する歪み再計測工程とを具備した
ことを特徴とする請求項1記載の格点構造物の製造方法。
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