<パチスロ機の機能フロー>
本発明の一実施の形態を示す遊技機であるパチスロ機について説明する。はじめに、図1を参照して、遊技機の実施の形態に係る機能フローについて説明する。
本実施の形態のパチスロ機では、遊技を行うための遊技媒体としてメダルを用いる。なお、遊技媒体としては、メダル以外にも、コイン、遊技球、遊技用のポイントデータ又はトークン等を適用することもできる。
所定の開始条件として、遊技者によりメダルが投入され、スタートレバーが操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)が抽出される。
内部抽籤手段は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。この内部抽籤手段は、後述する主制御回路が担う。内部当籤役の決定により、後述の入賞判定ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
また、スタートレバーが操作されると、複数のリールの回転が行われる。その後、遊技者により所定のリールに対応するストップボタンが押されると、リール停止制御手段は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミングとに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。
パチスロ機では、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec又は75msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施形態では、この規定時間内にリールの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼ぶ。規定時間が190msecである場合には、滑り駒数の最大数を図柄4コマ分に定め、規定時間が75msecである場合には、滑り駒数の最大数を図柄1コマ分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せ表示を許可する内部当籤役が決定されているときは、通常、190msec(図柄4コマ分)の規定時間内に、その図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止させる。また、リール停止制御手段は、例えば、第2種特別役物であるチャレンジボーナス(CB)及びCBを連続して作動させるミドルボーナス(MB)の動作時には、1つ以上のリールに対して、規定時間75msec(図柄1コマ分)内に、その図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止させる。さらに、リール停止制御手段は、遊技状態に対応する各種規定時間を利用して、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って表示されないようにリールの回転を停止させる。
こうして、複数のリールの回転がすべて停止されると、入賞判定手段は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。この入賞判定手段は、後述する主制御回路が担う。入賞判定手段により入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。パチスロ機では、以上のような一連の流れが1回の遊技として行われる。このような内部抽籤手段、リール停止制御手段及び入賞判定手段は、後述する制御手段としての主制御回路が担う。
また、パチスロ機では、前述した一連の流れの中で、液晶表示装置、腰部液晶表示装置、操作部の補助液晶表示装置などの画像表示装置により行う映像の表示、駆動装置による操作部の駆動、各種ランプにより行う光の出力、スピーカにより行う音の出力、あるいはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
スタートレバーが操作されると、上述した内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。
演出内容が決定されると、演出実行手段は、リールの回転開始時、各リールの回転停止時、入賞の有無の判定時等の各契機に連動させて対応する演出を実行する。このように、パチスロ機では、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る機会又は予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上を図ることができる。このような演出内容決定手段及び演出実行手段は、後述する演出制御手段としての副制御回路が担う。
<パチスロ機の構造>
次に、図2を参照して、本実施形態におけるパチスロ機の外観構造について説明する。
[外観構造]
図2は、パチスロ機1の外部構造を示す斜視図である。
図2に示すように、パチスロ機1は、外装体2を備えている。外装体2は、リールや回路基板等を収容する筐体としてのキャビネット2aと、キャビネット2aに対して開閉自在に取付けられたフロントドア2bとを有している。キャビネット2aの両側面には、把手2cが設けられている(図2では一側面の把手2cのみを示す)。この把手2cは、パチスロ機1を運搬するときに手をかける凹部である。
キャビネット2aの内部には、複数(例えば21個)の図柄が周方向に沿って所定の間隔をあけて表示された複数(本実施の形態では3つ)のリール3L,3C,3Rが収容されている。
以下、各リール3L,3C,3Rを、それぞれ左リール3L、中リール3C、右リール3Rという。各リール3L,3C,3Rは、円筒状に形成されたリール本体と、リール本体の周面に装着された透光性のシート材を有している。上述の複数(例えば21個)の図柄は、前述のシート材の表面に描かれている。
フロントドア2bは、ドア本体9と、画像を表示する画像表示手段としての液晶表示装置11とを備えている。ドア本体9は、ヒンジ(不図示)を用いてキャビネット2aに開閉自在に取り付けられている。ヒンジは、パチスロ機1の前方からドア本体9を見た場合に、ドア本体9における左側の端部に設けられている。
液晶表示装置11は、例えば、前面側(パチスロ機1の正面側であり、遊技者に対向する面)遊技上の演出に係る画像や遊技に関する情報を表示するようフロントドア2bのドア本体9の上部に取り付けられている。液晶表示装置11は、映像の表示による演出を実行する他、例えば遊技機のカスタマイズや遊技履歴等の遊技台情報を表示することができる。また、液晶表示装置11には、遊技場の管理者の操作に応じて、ホールメニューが表示される。この場合、液晶表示装置11をタッチパネルで構成し、ホールメニューにおいて、管理者が操作可能なボタン等を表示することができる。
また、フロントドア2bは、3つのリール3L,3C,3Rの一部を視認させることが可能な表示窓4を有する。表示窓4は、3つのリール3L,3C,3Rに対応する3つの左表示窓4L,中表示窓4C,右表示窓4Rによって構成されている。
これら表示窓4L,4C,4Rは、正面(遊技者側)から見て、3つのリール3L,3C,3Rの配置領域と重畳する位置に設けられ、かつ、3つのリールより手前(遊技者側)に位置するように設けられる。したがって、遊技者は、表示窓4L,4C,4Rを介して、表示窓4の背後に設けられた3つのリール3L,3C,3Rを視認することができる。
本実施形態では、表示窓4L,4C,4Rは、その背後に設けられた対応するリールの回転が停止したとき、各リールに描かれた複数種類の図柄のうち、連続して配置された3つの図柄を表示できる大きさに設定されている。すなわち、表示窓4L,4C,4Rの枠内には、リール毎に上段、中段及び下段の各領域が設けられ、各領域に1個の図柄が表示される。そして、本実施形態では、左リール3Lの中段領域、中リール3Cの中段領域、及び、右リール3Rの中段領域を結ぶラインを、入賞か否かの判定を行う入賞判定ラインとして定義する。
また、上述したリール3L,3C,3R及び液晶表示装置11の前面側には、保護ガラス6が配設されている。これにより、リール3L,3C,3R及び液晶表示装置11を遊技者が直接触れることができないようになっている。
ドア本体9の中央には、台座部12が形成されている。この台座部12には、遊技者の操作対象となる各種装置(メダル投入口13、MAXベットボタン14、1ベットボタン15、スタートレバー16、ストップボタン17L,17C,17R、選択ボタン、決定ボタン等)が設けられている。
メダル投入口13は、遊技者によって外部からパチスロ機1に投下されるメダルを受け入れるために設けられる。すなわち、メダル投入口13は、遊技者によってメダルが投入されるためのものである。メダル投入口13から投入されたメダルは、予め設定された枚数(例えば3枚)を上限として1回の遊技に使用され、予め設定された枚数を超えた分は、パチスロ機1の内部に預けることができる(いわゆるクレジット機能)。
MAXベットボタン14及び1ベットボタン15は、パチスロ機1の内部に預けられているメダルから1回の遊技に使用する枚数を決定するために設けられる。なお、図2には示さないが、台座部12には、精算ボタンが設けられる。この精算ボタンは、パチスロ機1の内部に預けられているメダルを外部に引き出す(排出する)ために設けられる。
スタートレバー16は、遊技者の操作に応じて全てのリール(3L,3C,3R)の回転を開始させるためのものであり、開始操作手段を構成する。
ストップボタン17L,17C,17Rは、それぞれ、左リール3L、中リール3C、右リール3Rに対応付けて設けられ、遊技者の操作に応じて対応する各リールの回転を停止させるためのものである。これらストップボタン17L,17C,17Rは、停止操作手段を構成する。
また、これらストップボタン17L,17C,17Rは、液晶表示装置11に表示される情報に関する操作を行う際に用いられるようになっており、例えば液晶表示装置11の表示画面上における選択操作を行う際に用いられる。以下、ストップボタン17L,17C,17Rを、それぞれ左ストップボタン17L、中ストップボタン17C、右ストップボタン17Rという。
選択ボタン及び決定ボタンは、液晶表示装置11の表示画面上における各種操作を行う際に用いられる。
また、台座部12には、7セグメントLED(LightEmittingDiode)からなる7セグ表示器28が設けられている。この7セグ表示器28は、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ機1の内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報をデジタル表示する。
また、ドア本体9の台座部12の下部には、腰部液晶表示装置18が設けられている。腰部液晶表示装置18は、表示手段の一例であり、遊技における演出画像を前面に形成された表示領域18aに表示可能である。また、腰部液晶表示装置18は、前面から背面(遊技者に対向する面と反対側の面)に貫通する開口部18bが形成されている。
また、ドア本体9には、腰部液晶表示装置18の開口部18b内に、遊技者により操作可能な操作部150が設けられている。操作部150は、遊技における演出画像を前面に形成された補助表示領域151aに表示可能な補助液晶表示装置151を備える。腰部液晶表示装置18及び補助液晶表示装置151には、表示領域18a及び補助表示領域151aを1つの画面とした演出画像が表示される。また、腰部液晶表示装置18の前面側は、透明素材で形成された保護パネル19に覆われている。これにより、腰部液晶表示装置18を遊技者が直接触れることができないようになっている。
また、詳しくは後述するが、ドア本体9には、腰部液晶表示装置18の背面側において、操作部150を前面又は背面方向に移動可能な駆動装置200が設けられている。
ドア本体9の下部には、メダル払出口21、メダル受皿22、スピーカ23L,23R等が設けられている。メダル払出口21は、後述のホッパー装置43の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダル受皿22は、メダル払出口21から排出されたメダルを貯める。また、スピーカ23L,23Rは、演出内容に対応する効果音や楽曲等の音を出力する。
<パチスロ機の電気的構成>
次に、パチスロ機1の電気的構成について、図3を参照して説明する。図3は、パチスロ機1の電気的構成を示すブロック図である。
図3に示すように、パチスロ機1は、キャビネット2aに配設された主制御基板41と、フロントドア2bに配設された副制御基板42とを有している。主制御基板41には、リール中継端子板51と、設定用鍵型スイッチ52と、キャビネット側中継基板53と、ドア中継端子板54と、電源装置44の電源基板44bとが電気的に接続されている。
リール中継端子板51は、各リール3L,3C,3Rのリール本体の内側に配設されている。このリール中継端子板51は、各リール3L,3C,3Rのステッピングモータ(不図示)に電気的に接続されており、主制御基板41からステッピングモータに出力される信号を中継する。設定用鍵型スイッチ52は、パチスロ機1の設定を変更する際又はパチスロ機1の設定を確認する際に使用する。
キャビネット側中継基板53には、外部集中端子板56と、ホッパー装置43と、メダル補助収納庫スイッチ57とが電気的に接続されている。このキャビネット側中継基板53は、主制御基板41から外部集中端子板56、ホッパー装置43、メダル補助収納庫スイッチ57に出力される信号を中継する。つまり、外部集中端子板56、ホッパー装置43及びメダル補助収納庫スイッチ57は、キャビネット側中継基板53を介して主制御基板41に接続されている。
外部集中端子板56は、キャビネット2aに取り付けられており、メダル投入信号、メダル払出信号及びセキュリティ信号などの信号をパチスロ機1の外部へ出力するために設けられている。
メダル補助収納庫スイッチ57は、図示しないメダル補助収納庫を貫通している。このメダル補助収納庫スイッチ57は、メダル補助収納庫がメダルで満杯になっているか否かを検出する。
電源装置44の電源基板44bには、電源スイッチ44aが接続されている。この電源スイッチ44aは、パチスロ機1に必要な電源を供給するときにONにする。
ドア中継端子板54には、メダルセンサ46、ドア開閉監視スイッチ61、BETスイッチ62、精算スイッチ63、スタートスイッチ64、ストップスイッチ基板65、遊技動作表示基板66、選択スイッチ67、決定スイッチ68及び副中継基板69が接続されている。つまり、メダルセンサ46、ドア開閉監視スイッチ61、BETスイッチ62、精算スイッチ63、スタートスイッチ64、ストップスイッチ基板65、遊技動作表示基板66、選択スイッチ67、決定スイッチ68、操作スイッチ151及び副中継基板69は、ドア中継端子板54を介して主制御基板41に接続されている。
メダルセンサ46は、メダルが図示しないセレクタ内を通過したことを検出して、その検出結果を主制御基板41に出力する。ドア開閉監視スイッチ61は、フロントドア2bの開閉を報知するためのセキュリティ信号をパチスロ機1の外部へ出力する。BETスイッチ62は、MAXベットボタン14及び1ベットボタン15(図2参照)が遊技者により押されたことを検出して、その検出結果を主制御基板41に出力する。
精算スイッチ63は、精算ボタン(不図示)が遊技者により押されたことを検出して、その検出結果を主制御基板41に出力する。スタートスイッチ64は、スタートレバー16が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出して、その検出結果を主制御基板41に出力する。
ストップスイッチ基板65は、回転しているリールを停止させるための回路と、停止可能なリールをLEDなどにより表示するための回路を構成する基板である。このストップスイッチ基板65には、ストップスイッチが設けられている。ストップスイッチは、各ストップボタン17L,17C,17Rが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。
遊技動作表示基板66は、メダルの投入を受け付けるとき、3つのリール3L,3C,3Rが回動可能なとき及び再遊技を行うときに、投入されたメダルの枚数を7セグ表示器28に表示させるための基板である。この遊技動作表示基板66には、7セグ表示器28とLED70が接続されている。LED70は、例えば、遊技の開始を表示するマークや再遊技を行うマークなどを点灯させる。
選択スイッチ67は、選択ボタンが遊技者により押されたことを検出して、その検出結果を主制御基板41及び副中継基板69に出力する。決定スイッチ68は、決定ボタンが遊技者により押されたことを検出して、その検出結果を主制御基板41及び副中継基板69に出力する。操作スイッチ151は、後述する操作部150(図6参照)のボタンカバー152(図6参照)が遊技者により押されたことを検出して、その検出結果を副中継基板69に出力する。
副中継基板69は、副制御基板42と主制御基板41とを接続する配線を中継する。また、副中継基板69は、副制御基板42と副制御基板42の周辺に配設された複数の基板とを接続する配線を中継する。すなわち、副中継基板69には、副制御基板42と、サウンドI/O基板71と、LED基板72と、24hドア開閉監視ユニット74と、駆動制御基板78とが電気的に接続されている。
副制御基板42は、ドア中継端子板54と副中継基板69を介して主制御基板41に接続されている。また、副制御基板42は、副中継基板69を介して、サウンドI/O基板71と、LED基板72と、24hドア開閉監視ユニット74と、駆動制御基板78とに電気的に接続されている。
サウンドI/O基板71は、スピーカ23L,23Rへの音声の出力を行う。LED基板72は、副制御回路101(図5参照)の制御により実行される演出に応じて、光源の一具体例を示すLED群25を発光させて、点滅パターンを表示する。
24hドア開閉監視ユニット74は、フロントドア2bの開閉の履歴を保存する。また、24hドア開閉監視ユニット74は、フロントドア2bを開放したときに、液晶表示装置11にエラー表示を行うための信号を副制御基板42(副制御回路101)に出力する。
駆動制御基板78は、副制御回路101(図5参照)の制御により実行される演出に応じて、駆動装置200を駆動させる。駆動装置200は、駆動制御基板78によって駆動制御されることで後述する操作部150(図6参照)を移動させる。
副制御基板42には、ロムカートリッジ基板76と、液晶中継基板77とが接続されている。ロムカートリッジ基板76は、演出用の画像(映像)、音声、光(LED群25)、駆動装置200の駆動及び通信のデータを管理するための基板である。液晶中継基板77は、副制御基板42と液晶表示装置11、腰部液晶表示装置18及び補助液晶表示装置151とを接続する配線を中継する基板である。
<主制御回路>
次に、主制御基板41により構成される主制御回路91について、図4を参照して説明する。図4は、パチスロ機1の主制御回路91の構成例を示すブロック図である。
図4に示すように、制御手段としての主制御回路91は、主制御基板41上に設置されたマイクロコンピュータ92を主たる構成要素とし、遊技の進行を制御するものである。マイクロコンピュータ92は、メインCPU93、メインROM94及びメインRAM95により構成される。
メインROM94には、メインCPU93により実行される制御プログラム、データテーブル、後述する副制御回路101に対して各種制御指令(コマンド信号)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM95には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
メインCPU93には、クロックパルス発生回路96、分周器97、乱数発生器98及びサンプリング回路99が接続されている。クロックパルス発生回路96及び分周器97は、クロックパルスを発生する。メインCPU93は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器98は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路99は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
メインCPU93は、リールインデックスを検出してから各リール3L,3C,3Rのステッピングモータに対してパルスを出力した回数をカウントする。これにより、メインCPU93は、各リール3L,3C,3Rの回転角度(主に、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理する。
なお、リールインデックスとは、リールが一回転したことを示す情報である。このリールインデックスは、例えば、発光部及び受光部を有する光センサと、各リール3L,3C,3Rの所定の位置に設けられ、各リール3L,3C,3Rの回転により発光部と受光部との間に介在される検知片を備えたリール位置検出部(不図示)により検出する。
ここで、各リール3L,3C,3Rの回転角度の管理について、具体的に説明する。ステッピングモータに対して出力されたパルスの数は、メインRAM95に設けられたパルスカウンタによって計数される。そして、図柄1つ分の回転に必要な所定回数(例えば16回)のパルスの出力がパルスカウンタで計数される毎に、メインRAM95に設けられた図柄カウンタが1ずつ加算される。図柄カウンタは、各リール3L,3C,3Rに応じて設けられている。図柄カウンタの値は、リール位置検出部(不図示)によってリールインデックスが検出されるとクリアされる。
つまり、本実施の形態では、図柄カウンタを管理することにより、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたのかを管理するようになっている。したがって、各リール3L,3C,3Rの各図柄の位置は、リールインデックスが検出される位置を基準として検出される。
本実施の形態では、基本的に滑り駒数の最大数を図柄4個分に定めている。したがって、左ストップボタン17Lが押されたときに表示窓4の中段にある左リール3Lの図柄と、その4個先の図柄までの範囲内にある各図柄が、表示窓4の中段に停止可能な図柄となる。
<副制御回路>
次に、副制御基板42により構成される副制御回路101について、図5を参照して説明する。図5は、パチスロ機1の副制御回路101の構成例を示すブロック図である。
図5に示すように、副制御部としての副制御回路101は、主制御回路91と電気的に接続されており、主制御回路91から送信されるコマンド信号に基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行うとともに、図3に示す液晶表示装置11、腰部液晶表示装置18、補助液晶表示装置151、駆動装置200、LED群25、スピーカ23L,23R等の周辺装置の制御を行うものである。副制御回路101は、基本的に、サブCPU102、サブRAM103、レンダリングプロセッサ104、描画用RAM105、ドライバ106を含んで構成されている。
サブCPU102は、主制御回路91(図4参照)から送信されたコマンド信号に応じて、ロムカートリッジ基板76に記憶されている制御プログラムに従い、音、光の出力、液晶表示装置11、腰部液晶表示装置18及び補助液晶表示装置151の表示制御、駆動装置200(図3参照)の駆動の制御を行う。ロムカートリッジ基板76は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
プログラム記憶領域には、サブCPU102が実行する制御プログラムが記憶されている。例えば、制御プログラムには、主制御回路91(図4参照)との通信を制御するための主基板通信タスクや、演出用乱数値を抽出し、演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスクが含まれる。また、決定した演出内容に基づいて液晶表示装置11、腰部液晶表示装置18及び補助液晶表示装置151(図2参照)による映像の表示を制御する描画制御タスク、駆動装置200(図3参照)による操作部150(図6参照)の移動を制御する駆動制御タスク、LED群25(図3参照)等の光源による光の出力を制御するランプ制御タスク、スピーカ23L,23Rによる音の出力を制御する音声制御タスク等が含まれる。このように、副制御回路101は、表示手段を表示制御する表示制御手段の一例であり、駆動装置200を駆動制御する駆動制御手段の一例として機能する。
データ記憶領域は、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域が含まれている。また、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等が含まれている。
サブRAM103は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路91から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。
サブCPU102、レンダリングプロセッサ104、描画用RAM(フレームバッファを含む)105及びドライバ106は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、作成した映像を液晶表示装置11、腰部液晶表示装置18及び補助液晶表示装置151に表示させる。また、サブCPU102は、演出内容により指定された駆動データに従って操作部150(図6参照)を駆動装置200を駆動することにより移動する。
また、サブCPU102は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGMなどの音をスピーカ23L,23Rにより出力させる。また、サブCPU102は、演出内容により指定されたランプデータに従ってLED群25の点灯及び消灯を制御する。
<操作部及び駆動装置>
次に、操作部150及び駆動装置200について説明する。図6は、本発明の実施の形態に係るパチスロ機の操作部及び駆動装置の断面図である。図6(a)は操作部の補助液晶表示装置の補助表示領域が腰部液晶表示装置の表示領域と略同一平面上に配置された状態を示し、図6(b)は操作部の補助液晶表示装置の補助表示領域が腰部液晶表示装置の表示領域より前面側に突出した状態を示している。
[操作部]
操作部150は、略円筒形状に形成され、腰部液晶表示装置18の円筒形状に形成された開口部18b内に配置され、遊技者により前面側から背面側に押圧操作可能に構成されている。操作部150は、駆動装置200により、前面又は背面方向に移動可能である。
操作部150は、補助液晶表示装置151と、ボタンカバー152と、本体153と、液晶支持部154と、本体支持部155と、操作スイッチ156と、を備える。補助液晶表示装置151は、操作部150の前面側に配置され、初期状態では補助表示領域151aが、腰部液晶表示装置18の表示領域18aと略同一平面上に配置されている。
ボタンカバー152は、補助液晶表示装置151の補助表示領域151aを覆う前面部材152aと、前面部材152aの端縁から背面方向に延び、背面側端部が後述する本体153の係合部153cの前面側端部とスライド自在に係合する側面部材152bと、を備える。
本体153は、液晶支持部154をスライド自在に支持する保持部153aと、保持部153aの前面側端部に設けられ、後述する液晶支持部154の弾性部材154cの背面側端部を係止する係止部153bと、係止部153bから前面側に延びて、ボタンカバー152の側面部材152bの背面側端部とスライド自在に係合する係合部153cと、筒状体で形成され、保持部153aの背面側端部から背面側に延びて、本体支持部155とスライド自在に係合する基端部153dを備える。
液晶支持部154は、補助液晶表示装置151の背面に取り付けられて補助液晶表示装置151を支持する支持部154aと、支持部154aから背面側に延びて、本体153の保持部153aにスライド自在に支持されるスライド部154bと、補助液晶表示装置151を支持する支持部154aを前面側に付勢する弾性部材154cと、を備える。
本体支持部155は、棒状体で形成され、背面側端部がフロントドア2b(図2参照)に固定され、前面側に延びて、本体153の基端部153dの内部に挿入され、基端部153dとスライド自在に係合する。
操作スイッチ156は、本体153の保持部153aの背面側端部に、液晶支持部154の支持部154aの背面側端部と接触可能に配置され、支持部154aの背面側端部と接触した場合に、操作信号を、副中継基板69(図3参照)を介して、副制御回路101(図5参照)に出力する。副制御回路101は、操作スイッチ156から出力された操作信号に応じて、例えば、腰部液晶表示装置18や補助液晶表示装置151を表示制御する。
このような構成により、操作部150は、遊技者により、ボタンカバー152が前面側から背面側に押圧操作されると、ボタンカバー152、補助液晶表示装置151及び液晶支持部154が、本体153に対して、背面側に移動し、液晶支持部154の背面側端部が操作スイッチ156と接触し、操作信号を出力する。
[駆動装置]
駆動装置200は、操作部150の補助表示領域151aが、腰部液晶表示装置18の表示領域18aと略同一の平面上に配置された状態から、補助表示領域151aが表示領域18aより前面側に配置された状態に、操作部150を移動可能である。
詳細には、駆動装置200は、ラック211と、ピニオン212と、モータ230(図3参照)と、を備える。ラック211は、操作部150の本体153の基端部153dに取り付けられ、前面背面方向に延びている。ピニオン212は、ラック211と係合し、モータ230(図3参照)の駆動により回転する。
モータ230(図3参照)は、副制御回路101(図5参照)に制御された駆動制御基板78(図3参照)により駆動し、ピニオン212を回転させる。
駆動制御手段の一例である副制御回路101(図5参照)は、主制御回路91(図4参照)から送信されるコマンド信号に基づいて演出内容を決定し、決定した演出内容に応じて、モータ230(図3参照)を所定方向に回転駆動して、ピニオン212を回転させる。なお、副制御回路101は、予め設定された演出内容に応じたステップ数だけモータ230(図3参照)を駆動してもよいし、操作部150の本体153にフォトセンサを設けた場合には、このフォトセンサで検出した入力信号に基づき、本体153の位置を検出し、検出した位置に応じてモータ230を駆動してもよい。
[駆動制御]
次に、駆動装置200による操作部150の動作について説明する。例えば、操作部150は、初期状態において、図6(a)に示すように、補助液晶表示装置151の補助表示領域151aが、腰部液晶表示装置18の表示領域18aと略同一の平面上に配置された状態で配置されている。この状態において、副制御回路101(図5参照)は、主制御回路91(図4参照)から送信されるコマンド信号に基づき決定した演出内容に応じて、モータ230を所定方向に回転駆動する。これにより、ラック211と係合するピニオン212が回転する。すると、操作部150は、ラック211が取り付けられた本体153が補助液晶表示装置151、ボタンカバー152及び液晶支持部154と共に前面側に移動する。これにより、操作部150は、補助表示領域151aが、腰部液晶表示装置18の表示領域18aより前面側に配置された状態に配置され、図6(b)に示す状態となる。
[表示制御]
次に、副制御回路101による腰部液晶表示装置18及び操作部150の補助液晶表示装置151の表示制御について説明する。図7から図9は、本発明の実施の形態に係る腰部液晶表示装置及び補助液晶表示装置における演出画像の一例を示す図である。
例えば、補助液晶表示装置151は、初期状態において、図7に示すように、補助表示領域151aが、腰部液晶表示装置18の表示領域18aと略同一の平面上に配置された状態で配置されている。この状態において、副制御回路101(図5参照)は、主制御回路91(図4参照)から送信されるコマンド信号に基づき決定した演出内容に応じて、腰部液晶表示装置18の表示領域18a及び補助液晶表示装置151の補助表示領域151aを1つの画面とした演出画像を、表示領域18a及び補助表示領域151aに表示する制御を行う。
そして、副制御回路101(図5参照)は、主制御回路91(図4参照)から送信されるコマンド信号に基づき決定した演出内容に応じて、駆動装置200(図6参照)のモータ230(図3参照)を所定方向に回転駆動させ操作部150を前面側に移動させ、補助表示領域151aが表示領域18aより前面側に配置された状態で、補助表示領域151aにおいて、操作部150の操作を示唆する示唆画像(例えば、図8に示す例では文字画像「PUSH」)を表示制御する。なお、副制御回路101は、この状態において、腰部液晶表示装置18の表示領域18aに、示唆画像と関連する画像や、操作部150が操作可能であることを報知する画像を表示制御してもよい。
また、副制御回路101(図5参照)は、図8に示す状態において、遊技者により、ボタンカバー152が前面側から背面側に押圧操作され、操作スイッチ156(図6参照)から操作信号が出力された場合、図9に示すように、腰部液晶表示装置18の表示領域18a及び補助液晶表示装置151の補助表示領域151aを1つの画面とした演出画像を、表示領域18a及び補助表示領域151aに表示する制御を行う。
このように、副制御回路101(図5参照)は、表示手段の表示領域及び補助表示手段の補助表示領域を1つの画面とした演出画像を表示制御する表示制御手段の一例として機能する。また、副制御回路101(図5参照)は、操作手段の補助表示領域が、表示手段の表示領域と略同一の平面上に配置された状態では、表示領域及び補助表示領域を1つの画面とした演出画像を表示制御し、補助表示領域が表示領域より前面側に配置された状態では、補助表示領域において、操作手段の操作を示唆する示唆画像を表示制御する表示制御手段の一例として機能する。
本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。パチスロ機1によれば、腰部液晶表示装置18の表示領域18aの内側に、操作部150を配置することで、演出画像が1つの画面として表示されている領域の一部である操作部150の補助液晶表示装置151の補助表示領域151aが、遊技者により操作可能となる。よって、演出画像が表示されている領域の一部が操作可能となるといった意外性が高い演出が可能となる。したがって、操作手段により演出の意外性を高め、演出効果を向上可能な遊技機を提供できる。
また、パチスロ機1によれば、操作部150の補助液晶表示装置151の補助表示領域151aが、腰部液晶表示装置18の表示領域18aと略同一の平面上に配置され、1つの画面として演出画像が表示されている状態から、補助表示領域151aを、表示領域18aより前面側に移動できる。したがって、操作手段により演出の意外性をより高め、演出効果を向上可能な遊技機を提供できる。
また、パチスロ機1によれば、操作部150の補助表示領域151aが、腰部液晶表示装置18の表示領域18aと略同一の平面上に配置され、1つの画面として演出画像が表示されている状態から、補助表示領域151aを、表示領域18aより前面側に移動し、この状態において、補助表示領域151aに操作部150の操作を示唆する示唆画像を表示できる。よって、まず、1つの画面として演出画像が表示されている領域の一部が前面側に移動することによる意外性を付与することが可能となり、次に、この前面側に移動してきた部分が操作手段であり操作可能であるという意外性を、更に付与することが可能となる。したがって、操作手段により演出の意外性をより高め、演出効果を向上可能な遊技機を提供できる。
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態において、腰部液晶表示装置18の開口部18b及び操作部150は、その形状を円筒形状に形成したが、これに限らず、四角柱形状等の任意の形状に形成することができる。
また、本実施形態において、腰部液晶表示装置18及び補助液晶表示装置151は、前面側にのみ平面形状の表示領域が形成されているが、これに限らず、前面側の側縁に曲面を形成し、なだらかに側面に連なる表示領域を形成してもよい。
また、本実施形態において、駆動装置200は、ラック211、ピニオン212及びモータ230により、操作部150を移動させるが、これに限らず、操作部150を移動可能であれば、例えば、ソレノイド等の任意の構成とすることができる。
また、本実施形態の説明では、遊技機の一例としてパチスロ機を例に説明したが、本発明は、これに限らず、液晶表示装置を備える遊技機であれば、パチンコ機等に適用することもできる。