JP2017039077A - 気液分離装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡単かつ低コストな構成でありながら、装置の小型化を促進しつつ良好に気体から油分等の液体を分離して捕捉することができると共に、フィルタメンテナンスなどの必要のない気液分離装置を提供する。【解決手段】 このため、本発明は、気体から液体を分離する気液分離装置100であって、気体が導入されるチューブ1の入口部1Aと、前記チューブ1から気体が排出されるチューブ1の出口部1Bと、前記入口部1Aと前記出口部1Bとの間に配設されチューブ1を螺旋状に巻回したスパイラル部2と、を含んで構成され、前記スパイラル部2のスパイラル径の内径側に液体排出口3を設けたことを特徴とする。【選択図】図6

Description

本発明は、気体中に含まれる液体を気体から分離するための気液分離装置に関する。例えば、自動車等においてサービスブレーキ、エアサスペンションなど利用されるサービスエア(圧縮空気)から油分等(液体)を除去するための気液分離装置に関する。
例えば、トラック、バスなどの大型車両においては、エアコンプレッサにより所定圧力(例えば、10kgf/cm程度)に圧縮した空気をエアタンクに貯留しておき、この圧縮空気(サービスエア)を作動動力源の一部として利用するといったサービスブレーキシステムや、コイルスプリングや板バネの代わりに圧縮空気を利用したエアサスペンションシステムなどが採用されている。
ここで、エアコンプレッサにより圧縮された空気は、通常圧力の大気圧状態に比べて含有する水蒸気の凝結により水を発生しやすい状態にある。
このため、エアコンプレッサにより圧縮した空気を、そのままエアタンクに貯留しておいて圧縮空気を、サービスブレーキシステム等の各種エアシステムに供給してしまうと、圧縮空気が触れる部分に腐食などを発生させ、延いては各種エアシステムに機能障害などを生じさせるおそれがあるなど、システムの信頼性等に悪影響を及ぼすおそれがある。
このようなことから、エアコンプレッサにより圧縮した空気を、エアタンクに貯留する前に、例えば特許文献1に記載されているようなエアドライヤ装置によって水分を除去することなどが行われている。
実開平5−26136号公報 国際出願WO2015/033414
しかしながら、エアコンプレッサが、エンジンにより回転駆動されるクランク機構やピストンを含んで構成される場合、エアコンプレッサの摺動部を潤滑するための油分(潤滑油、オイル)がミスト状に圧縮空気中に微量に混入してしまうおそれがあり、このような圧縮空気への油分の混入があると、エアドライヤ装置の乾燥剤や各種エアバルブ内のラバーの寿命に悪影響を与えるおそれがある。
このようなことから、特許文献2などにおいては、エアコンプレッサとエアドライヤ装置との間に気液分離装置を介装し、圧縮空気から油分を除去する技術が提案されている。
従来のこの種の気液分離装置は、螺旋状の部分に圧縮空気を通過させる際に、比較的大きな半径の旋回流(遠心力)により重量のある油分(潤滑油)を外周に付着させることで圧縮空気から油分を分離していた。
しかし、このような旋回流(遠心力)を利用して圧縮空気から油分を分離する場合、車両への搭載性などから装置の小型化を図ろうとすると(旋回半径(螺旋状部分の径)を小さくすると)良好に油分を圧縮空気から分離することができなくなることが解ってきた。
すなわち、従来においては、圧縮空気から油分を良好に分離するには、大きなサイズ(旋回半径)の気液分離装置の採用が避けられないものであった。また、従来装置では、圧縮空気から油分を良好に分離するためのラビリンス構造等が必要となるなど構成が複雑化し高コスト化するといった実情もある。
圧縮空気から油分を分離する別の方法として、例えば、エアコンプレッサとエアドライヤ装置の間にオイルフィルタを介装して油分をオイルフィルタで吸着することで圧縮空気から油分を分離することも考えられるが、良好な分離特性を得るためにはメッシュサイズを比較的小さくする必要があるため通気抵抗が増大してしまい圧縮空気の供給に悪影響を与えるおそれや、メンテナンスを怠ると目詰まりなどが生じ信頼性を低下させるといったおそれがあると共に、フィルタの交換が必要となるなどメンテナンスが面倒であり、実際の採用にはなかなか至らないのが実情である。
本発明は、かかる実情に鑑みなされたもので、簡単かつ低コストな構成でありながら、装置の小型化を促進しつつ良好に気体から油分等の液体を分離して捕捉することができると共に、信頼性に優れ、取り扱いも簡便でフィルタメンテナンスなどの必要のない気液分離装置を提供することを目的とする。
このため、本発明は、
気体から液体を分離する気液分離装置であって、
気体が導入されるチューブの入口部と、
前記チューブから気体が排出されるチューブの出口部と、
前記入口部と、前記出口部と、の間に配設され、チューブを螺旋状に巻回したスパイラル部と、
を含んで構成され、
前記スパイラル部のスパイラル径の内径側に液体排出口を設けたこと
を特徴とする。
本発明において、前記スパイラル部が密閉容器内に収容されると共に、
密閉容器の内側を減圧する減圧手段が備えられることを特徴とすることができる。
本発明において、前記液体排出口は、スパイラル部の内周最短半径線付近に設けられることを特徴とすることができる。
本発明において、前記スパイラル部のスパイラル径の内側に、液体吸着手段が備えられることを特徴とすることができる。
本発明において、前記チューブの内径がφ30mm以下で、前記スパイラル部のスパイラル径がφ300mm以下であることを特徴とすることができる。
本発明によれば、簡単かつ低コストな構成でありながら、装置の小型化を促進しつつ良好に気体から油分等の液体を分離して捕捉することができると共に、信頼性に優れ、取り扱いも簡便なフィルタメンテナンスなどの必要のない気液分離装置を提供することができる。
スパイラル部(螺旋状部)のスパイラル径(螺旋径)違いによるオイル筋の現れ方の違いを示す図である(エアコンプレッサの回転速度=900rpm)。 スパイラル部(螺旋状部)におけるチューブ(配管)内の断面2次流れの解析結果及び実際にスパイラル部の内径側に現れるオイル筋の様子を示す図である。 スパイラル部(螺旋状部)のスパイラル径(螺旋径)違いによるチューブ(配管)内の断面2次流れの流速差と差圧を示す図(CAE解析結果図)である。 CAE解析に供したチューブ(配管)の内径、スパイラル部(螺旋状部)のスパイラル径(螺旋径、外径)、スパイラル部のチューブの間隔を示す図である。 スパイラル部(螺旋状部)のスパイラル径(螺旋径)に対するチューブ(配管)内の差圧の変化を示す図(CAE解析結果図)である。 (A)は本実施の形態に係る気液分離装置の全体構成を概略的に示す側面図(断面図)であり、(B)は(A)の上面図(上蓋を除く)。 同上実施の形態に係る気液分離装置のスパイラル部のスパイラル径内周側に開口されるオイル排出穴の一例を示す図である。 同上実施の形態に係る気液分離装置のスパイラル部、ディフューザ部の構成及び作用を説明するための図である。 同上実施の形態に係る気液分離装置の設置場所の一例を示す図である。 横軸を内径/スパイラル径とし、縦軸を圧力差(スパイラル径の内周側と外周側の圧力差)として、内径/スパイラル径に対する圧力差の関係延いては液体の捕捉率の傾向を例示した図である。 エアコンプレッサにより吐出される圧縮空気からの油分の捕捉率を測定するための実機試験の設備の概要及び試験結果を示す図である。
以下に、本発明に係る気液分離装置の一実施の形態について、添付の図面を参照しつつ説明する。なお、以下で説明する実施形態により、本発明が限定されるものではない。
本発明者等は、圧縮空気(例えば、10kgf/cm程度、0.2m/分(min)程度)に旋回流(或いは螺旋流)を与えることで外側に油分(潤滑油等)を集めて捕捉するといった従来の気液分離装置の小型化を図るために、スパイラルチューブを比較的短い半径にて螺旋状に巻回したものを何種類か準備し、圧縮空気から油分を分離できるのかの確認実験を行った。なお、圧縮空気は、トラック等の駆動源であるエンジンにより回転駆動されるクランク機構及びピストンやピストンリングを含んで構成されるエアコンプレッサから吐出される圧縮空気で微量に油分(潤滑油、オイル)が混在している。
この確認実験の結果、装置の小型化を図るために細いチューブを比較的小さい半径で螺旋状に巻回して比較的小さい半径の旋回流(螺旋流)を圧縮空気に与えた場合には、従来のように比較的大きな半径の旋回流を与えた場合のように圧縮空気中の油分が旋回流の外側(R部(カーブ)の外側)に集まる現象は確認できなかった。
その一方で、細いチューブを比較的小さい径で螺旋状に巻回して比較的小さい径の旋回流(螺旋流)を与えた場合には、図1〜図3等に示すように、圧縮空気中の油分が、螺旋状の細いチューブ1内の内壁側の上下方向略中央付近に集まり、集まった油分が圧縮空気流れ(圧縮空気の主流の流れ)の方向に筋状に流れることが確認された。
なお、図1に示すように、内径φ10mm程度のチューブ1の場合、螺旋半径(スパイラル径、R部半径、カーブ半径)がある程度小さいほど、オイル筋(筋状に集まったオイル)が明確で(すなわち、圧縮空気から分離されたオイル量が多く)、オイルの流れも速いことが確認された。
本発明者等は、このような現象を理解するために、CAE(Computer Aided Engineering)にて流体解析を試みたところ、以下のような知見を得た。
図2に示したように、チューブ(配管等の管状部材)1のR部(カーブ部分)の内径側(内側、内周側)と外径側(外側、外周側)の流速差(外径側>内径側)から、チューブ内(配管内)1に縦渦(断面2次流れ)が発生することが解った。図2の断面図は、入口部流速10m/s、チューブ内径φ10mm、R部半径50mmとしてCAE解析した場合の一例を示している。
この縦渦(断面2次流れ)は、チューブ1の横断面(圧縮空気流れと略直交する断面)において、R部(カーブ部分)外側の上下方向の上側と下側の2手に分かれ、それぞれ上側の内壁と下側の内壁に沿って流れた後、R部(カーブ部分)内側の上下方向の略中央付近において対面して流れの向きを変え、R部(カーブ部分)外側に向かって流れるといった特性があることが確認された。
このような縦渦(断面2次流れ)により、チューブ1の内壁周辺を飛散している油滴を、R部(カーブ部分)内側の上下方向の略中央付近に吸い寄せる力が強まるものと考えられる。
更に、チューブ1のスパイラル径(或いは螺旋半径、R部半径、カーブ半径)の大きさに応じてオイル筋の発生の仕方に相違が生じることが確認されたため、その解析を試みた(図1参照)。
その結果、チューブ1のスパイラル部(R部(カーブ部分))2内の内径側(内側)と外径側(外側)の流速差(外径側>内径側)が大きく、圧力差(外径側>内径側)が大きい場合に、チューブ1のスパイラル部(R部(カーブ部分))2内の内径側の上下方向略中央付近にオイル筋が明確に発生することが確認できた。
なお、CAEによる圧力分布の解析と、実機による試験結果によれば、チューブ1のスパイラル部(R部(カーブ部分))2内の内径側の圧力と、外径側の圧力と、の差が、例えば22Pa程度となるとオイル筋が明確に発生することが解った(図3等参照)。
また、図4に示すように、チューブ1(円管)の内径(管径)をφ5mm、φ10mm、φ15mm、チューブ1のスパイラル部2のスパイラル径をφ50、φ80、φ110と振って行ったCAE解析によれば、図5に示すように、スパイラル径が小さい程、かつ、管径が大きい程、チューブ1のスパイラル部2(R部、カーブ部分)内の内径側と外径側の圧力差(外径側>内径側)が高まり、チューブ1のスパイラル部2(R部、カーブ部分)内の内径側の内側上下方向略中央付近へのオイルの収集性が高い(内壁に付着したオイルが筋状に集まり易い)傾向が見られた。
すなわち、チューブ1内(管内)の縦渦(断面2次流れ)によるチューブ1のスパイラル部2(R部、カーブ部分)内の内径側と外径側の流速差により生じる圧力差で、圧縮空気中のオイルミストが、チューブ1の長手方向(圧縮空気の主流の流れ方向)に沿って筋状に内壁(スパイラル部2(R部、カーブ部分)内の内径側)に集約されるものと考えられる。
このようなことから、エアコンプレッサから吐出された圧縮空気を、所定のスパイラル径の螺旋状チューブを通過させることで、圧縮空気中のオイルミストを、チューブ1のスパイラル部2(R部、カーブ部分)の内側上下方向略中央付近にチューブの長手方向に沿って(すなわち、螺旋状部の内周最短半径線(最小内径線)に沿って)筋状に集めることができる。
従って、このチューブ1の内壁に筋状に集められた油分(潤滑油、オイル)を捕捉することができれば、圧縮空気から油分を分離することができる。
以上を踏まえ、本発明者等は、種々の検討及び試行錯誤を繰り返し、圧縮空気から油分(潤滑油、オイル)を良好に分離することができる方法を取得した。
すなわち、本実施の形態に係る気液分離装置100では、図6に示すように、内径φ10mm程度(例えば、内径φ5mm〜φ30mm程度とすることができる)のチューブ1を比較的小さいスパイラル径(図4の外径に相当。例えばφ50〜300程度、ここではφ110程度)にて所定巻き数(例えば1〜10、ここでは3〜4)にて巻回したスパイラル部(螺旋状部)2を、比較的サイズの小さい密閉容器20内に収容する。
チューブ1の入口部(入口端)1Aには、エアコンプレッサから吐出される圧縮空気が導入され、導入された圧縮空気は、スパイラル部2を通過した後、チューブ1の出口部(出口端)1Bを介して、エアドライヤ側へ送出されるようになっている。
すなわち、図9に示すように、本実施の形態に係る気液分離装置100は、エアコンプレッサとエアドライヤとの間に介装され、エアコンプレッサから吐出される圧縮空気を導入し、圧縮空気に含まれる油分等の液体を分離して補捉した後、エアドライヤ側へ圧縮空気を送出するようになっている。
なお、チューブ1の入口部1Aと出口部1Bの位置は、特に限定されるものでなく、車両への搭載性等を考慮して適宜に変更可能である。また、取付方向に関しても、適宜に変更可能である。
ここで、上述したように、比較的小さいスパイラル径(例えばφ50〜300程度、ここではφ110程度)にて螺旋状にチューブ1を巻回すると、スパイラル部2(R部、カーブ部分)内の内径側(内側)と外径側(外側)の流速差及び圧力差によって、圧縮空気中の油分等の液体が、スパイラル部2の螺旋状(スパイラル形状)の内周最短半径線に沿って筋状に析出する(集められる)ことになる。
この筋状に集められた油分(オイル筋)をチューブ1から取り出すために、本実施の形態においては、図6〜図8に示すように、スパイラル部2の螺旋状(スパイラル形状)のスパイラル部2の内径側の上下方向略中央付近においてチューブ1の長軸方向(例えば、内周最短半径線付近)に沿って、小径の穴(オイル排出穴)3が少なくとも1つ開口されている。
なお、オイル排出穴3は、本発明に係る液体排出口に相当する。
本実施の形態では、図7に示すように、オイル排出穴3として、例えばφ2mmの穴を、スパイラル部2の螺旋状(スパイラル形状)のスパイラル径の内側の上下方向略中央付近においてチューブ1の長軸方向(例えば、内周最短半径線付近)に沿って、50mm間隔で4個設けている。但し、穴径や個数を、他のサイズ、個数とすることも可能である。
なお、オイル排出穴3は、丸形状に限らず、スパイラル部2の螺旋状(スパイラル形状)のスパイラル径の内側の上下方向略中央付近においてチューブ1の長軸方向(例えば、内周最短半径線付近)に沿って開口される細長いスリット形状などとすることも可能である。但し、かかる細長いスリット形状の延在方向は、チューブ1の長軸方向に限定されるものではなく、チューブ1の径方向に沿った方向、更には斜め方向とすることも可能である。また、スリット形状に代えて、楕円形状などとすることも可能である。
また、上述した4個のオイル排出穴3を1セットとして、スパイラル部2のチューブ1のスパイラル径内周側の上下方向略中央付近においてチューブ1の長軸方向(例えば、内周最短半径線)に沿って、各セット間に所定間隔を与えて複数セットを散在させることなども可能である(図6等参照)。
かかるオイル排出穴3の上を、筋状となって圧縮空気流れ(圧縮空気の主流の流れ)の下流側に進行するオイル(潤滑油)が通過して重畳するので、これらオイル排出穴3から油分がチューブ1の外部へ排出されることになる。
すなわち、本実施の形態によれば、チューブ1内の圧縮空気から、当該圧縮空気中に含まれていた油分を分離して捕捉(回収)することができることになる。
しかしながら、このままでは、オイル排出穴3から潤滑油をチューブ1の外部へ効率良く排出できない場合もある。
このため、本実施の形態では、この筋状に集められた油分(オイル筋)をオイル排出穴3から効率良く排出させることができるように、図6、図8に示すように、密閉容器20内の出口部1B付近には、ディフューザ部10が備えられている。
図8に示すように、ディフューザ部10には、スパイラル部(螺旋状部)2を通過した圧縮空気が導入されるが、ディフューザ部10の内径が小さく絞られた絞り部11には、圧縮空気流れ(圧縮空気の主流の流れ)に交差する方向から吸い込み穴12が開口され、吸い込み穴12は密閉容器20の内側に接続されている。
かかる構成によれば、圧縮空気が、絞り部11を通過する際に、吸い込み穴12から空気を吸い込むように作用する。
この一方で、吸い込み穴12は密閉容器20の内側に接続されているため、密閉容器20内は減圧されることになる。
このように、密閉容器20内が減圧されると、密閉容器20内の圧力<チューブ1内の圧力となるため、オイル排出穴3と重なるチューブ1内の筋状の油分(潤滑油)を、チューブ1の外部へと吐き出す(吸い出す)ような作用が働き、筋状に集められた油分(潤滑油)をチューブ1の外部へ効率良く排出することができることになる。
そして、このようにしてオイル排出穴3からチューブ1の外部へ排出された油分(潤滑油)は、密閉容器20の内側の底部に貯留される(図6参照)。
すなわち、本実施の形態によれば、チューブ1内の圧縮空気(気体)から、当該圧縮空気中に含まれていた油分(液体)を分離して回収することができることになる。
以上のように、本実施の形態によれば、簡単かつ低コストな構成でありながら、装置の小型化を促進しつつ良好に気体から液体を分離して捕捉することができると共に、信頼性に優れ、取り扱いも簡便でフィルタメンテナンスなどの必要のない使い勝手の良い気液分離装置を提供することができる。
なお、密閉容器20の底部に貯留された油分(潤滑油)は、所定タイミングで(例えば観察窓などで目視確認して所定に油分(潤滑油)が貯留した時点、或いは所定に油分(潤滑油)が貯留するであろう運転時間となった時点で)、図6に示したドレーンプラグ(開閉弁)などを介して開放して油分(潤滑油)を密閉容器20の外部へ排出することができる。
このとき、例えば、図9に示したように、オイルリターンパイプ等を介して、油分(潤滑油)をエンジンのオイルパン等へ戻すといった構成とすることができる。
ところで、本実施の形態では、エアコンプレッサとエアドライヤの間における比較的高温(約180°C付近)の圧縮空気から油分(潤滑油)を分離して捕捉するので、圧縮空気中の水分は十分に気化しているため、捕捉した油分(潤滑油)に水分が混入するおそれが低いため、捕捉した油分(潤滑油)をそのままエンジンのオイルパンに戻しても不具合が発生することがない点で有利である。
なお、本発明に係る減圧手段としては、オイル排出穴3から効率良く油分(潤滑油)を排出することに貢献するための構成として、密閉容器20と、吸い込み穴12を介して密閉容器20の内部容積と連通するディフューザ部10と、を一例とすることができる。
更に、減圧手段は、ディフューザ部10に替えて、外部(別ルート)から密閉容器20内を減圧するための減圧ポンプ(負圧ポンプ)などを採用することができる。
ところで、本発明において、条件等によっては、密閉容器20を省略することができる。
そして、密閉容器20を省略した場合に、オイル排出穴3から油分(潤滑油)をチューブ1の外部へ効率良く排出するために、減圧手段を、例えば、オイル排出穴3に直接的にパイプ(ホース)などを接続すると共に、当該パイプ(ホース)内の圧力を減圧する減圧ポンプ(負圧ポンプ)などを含んで構成することなども可能である。
なお、オイル排出穴3から排出された油分(潤滑油、オイル)は、最終的には密閉容器20の内側の底部に貯留されるが、オイル排出穴3から排出された瞬間は一部がミスト状となっており、別のオイル排出穴3や、ディフューザ部10の吸い込み穴12から再びチューブ1内に吸い込まれてしまうことも考えられる。
このため、本実施の形態では、図6に示すように、液体吸着手段としての油分吸着材30を、スパイラル部2のスパイラル径の内側に配設する構成とすることができる。
油分吸着材30等の液体吸着手段としては、例えば、金属製或いは樹脂製のメッシュや穴開き板、金属製或いは樹脂製の濾網(例えば、金属たわしのように、多数の線状や帯状の金属を所定形状にまとめたもの)、ろ紙や綿等の吸着フィルタ、スポンジなど)を採用することができる。但し、液体吸着手段は、特に限定されるものではなく、材質、形状などは適宜採用することができる。
これにより、オイル排出穴3から排出された油分(潤滑油、オイル)は、油分吸着材30に吸着されるため、密閉容器20内にミスト状態で滞留しないため、別のオイル排出穴3や、ディフューザ部10の吸い込み穴12から再びチューブ1内に吸い込まれるといった現象の発生を抑制することができる。
また、チューブ1は内側を気体が通過可能な配管であればよく、その材質などは、特に限定されるものではく、例えば銅、アルミ、ステンレス等の金属製の管、ナイロン、シリコーン、ゴムなどの樹脂製の管とすることができる。
また、本実施の形態では、圧縮空気(例えば、10kgf/cm程度、0.2m/分程度)を対象としているが、本発明は、これに限定されるものではなく、他の気体にも適用可能である。
本実施の形態では、エアコンプレッサをピストン及びクランク機構を含んで構成されるエアコンプレッサを一例として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の形式(例えばスクロール式、ベーン式など)のエアコンプレッサから吐出される圧縮空気から油分等の液体を分離する気液分離装置として利用することができる。
更に、本発明に係る気液分離装置は、エアコンプレッサから吐出する圧縮空気から潤滑油等の油分を分離する場合に限定されるものではなく、他の気体から液体を分離する気液分離装置として利用可能である。
ところで、オイル排出穴3からの油分(潤滑油、オイル)の排出は、通常時(定常時)には良好に行われるが、エアドライヤのパージ処理(パージ室内の圧縮空気を、乾燥室及びフィルタ室を通過させつつ外部へ排出することで、乾燥室内の水分やフィルタ室内の油分や塵挨などを外部へ排出して再生する処理)の際に、密閉容器20内とチューブ1内の圧力差が小さくなると同時に、エアドライヤでのパージエアの急激な消費に伴いチューブ1内の流速が急激に高まるため、チューブ1内のオイル排出穴3を飛び越えて、オイル筋が圧縮空気の主流流れ下流側に流れてしまうおそれがある。
このため、本実施の形態では、図7に示したように、オイル排出穴3を圧縮空気流れ(圧縮空気の主流の流れ)方向に沿って複数設けるようにしている。
なお、オイル排出穴3を複数設ける場合、パージ処理の際のオイル筋の圧縮空気の主流流れ下流側への移動量が30mm程度であるため、オイル排出穴3の間隔は20mm以上とすることが好ましい。
原理的には、オイル排出穴3の数を増やすことが油分分離性能を高めることに貢献するが、オイル排出穴3からのオイルの吸い出しの勢いを確保するために、オイル排出穴3の総断面積(総開口面積)は、一定値以下とすることが好ましい。
例えば、ディフューザ部10を用いて密閉容器20内を負圧に引く場合には、オイル排出穴3の総断面積(総開口面積)は、吸い込み穴12の総断面積(総開口面積)の1倍以下とすることが好ましい。
また、負圧ポンプを用いて密閉容器20内を負圧に引く場合には、オイル排出穴3の総断面積(総開口面積)を、(ポンプ掃引量)>(オイル排出穴3の総断面積)×(エアコンプレッサの空気吐出量)を満たすように設定することが好ましい。
次に、搭載スペースに限りのある車両においては、気液分離装置の小型化を促進するために、いかに高い気液分離性能を達成するかが重要となる。
本発明者等は、CAE解析により、スパイラル部2のスパイラル形状の内径及びスパイラル径を図4に示したように変化させてパラメータスタディを行った。
その結果、図1〜図5に示したように、チューブ(配管)1のスパイラル部2(R部、カーブ部分)内の内径側と外径側の圧力差によって、油分の収集性能(度合い)に及びオイル排出穴3からの吹き出し性能(度合い)が決まると考えられる。
このため、本発明者等は、チューブ(配管)1のスパイラル部2(R部、カーブ部分)内の内径側と外径側の圧力差を評価値として評価を試みた。
このようなパラメータスタディの結果、チューブ(配管)1のスパイラル部2(R部、カーブ部分)内の内径側と外径側の圧力差が、内径/スパイラル径に比例(圧力差[Pa]=230×内径/スパイラル径)するという知見を得た(図10参照)。
図11に示すような実機試験を行った結果、油分捕捉率82%を実験的に確認したチューブの内径φ10mm、スパイラル径(外径)φ110mmの仕様では、内径/スパイラル径は約0.09程度の値になる。
よって、実用的な油分捕捉率82%以上とするためには、内径/スパイラル径を0.09以上とする必要があるものと考えられる。
以上で説明した実施形態は、本発明を説明するための例示に過ぎず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々変更を加え得ることは可能である。
1 チューブ(配管)
1A 入口部
1B 出口部
2 スパイラル部(螺旋状部)
3 オイル排出穴(液体排出口)
10 ディフューザ部
11 絞り部
12 吸い込み穴
20 密閉容器
30 油分吸着材(液体吸着手段)
100 気液分離装置

Claims (5)

  1. 気体から液体を分離する気液分離装置であって、
    気体が導入されるチューブの入口部と、
    前記チューブから気体が排出されるチューブの出口部と、
    前記入口部と、前記出口部と、の間に配設され、チューブを螺旋状に巻回したスパイラル部と、
    を含んで構成され、
    前記スパイラル部のスパイラル径の内径側に液体排出口を設けたこと
    を特徴とする気液分離装置。
  2. 前記スパイラル部が密閉容器内に収容されると共に、
    密閉容器の内側を減圧する減圧手段が備えられることを特徴とする請求項1に記載の気液分離装置。
  3. 前記液体排出口は、スパイラル部の内周最短半径線付近に設けられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の気液分離装置。
  4. 前記スパイラル部のスパイラル径の内側に、液体吸着手段が備えられることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1つに記載の気液分離装置。
  5. 前記チューブの内径がφ30mm以下で、前記スパイラル部のスパイラル径がφ300mm以下であることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1つに記載の気液分離装置。
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