JP2017032437A - 放射性よう素吸着材の保管装置および保管方法 - Google Patents

放射性よう素吸着材の保管装置および保管方法 Download PDF

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Abstract

【課題】放射性よう素吸着剤の吸着性能の低下を防ぐ保管装置を提供する。【解決手段】放射性よう素を吸着する放射性よう素吸着材1を収納する収容容器13と、収容容器13を密閉状態で収納する筐体15と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、放射性よう素吸着材を保管するための保管装置および保管方法に関する。
原子力発電所などの原子力施設においては、周辺環境を保全する観点から放射性ガス、特に単体よう素(I)やよう化メチル(CHI)を主成分とする有機よう素化合物からなる放射性よう素の放出量の低減を図ることが重要な課題となっている。そして、原子力施設から事故時などに放射性物質が放出されることを防止するため、原子力施設の換気空調設備には、放射性よう素を吸着する吸着材を含むよう素フィルタを設け、放射性ガス中に含まれる放射性よう素を除去するようにしている。
従来、例えば、特許文献1では、放射性よう素吸着材およびよう素フィルタについて記載されている。
また、従来、例えば、特許文献2では、処理対象ガス中のよう素をよう素吸着材により吸着するにあたり、加熱装置により処理対象ガスを加熱し、かつ加熱装置に流入する処理対象ガスの第一温度と、よう素吸着材に流入する処理対象ガスの第二温度とを計測して、第二温度が第一温度に所定温度を加算した値になるように加熱装置を制御することが示されている。
特開2012−002606号公報 特開2013−156168号公報
特許文献2には、「従来から用いられているよう素吸着材は、排ガス中の温度および湿度、とりわけ湿度の影響を受けやすく、排ガス中の湿度が高い場合には、よう素吸着材のよう素除去性能は低下し、高効率で放射性よう素を安定して除去することはできなかった。また、温度、湿度がよう素吸着材のよう素除去性能におよぼす影響も明確でなく、温度30℃、相対湿度95%RH〜96%RHという実際の環境条件を加味した上で比較的低温、高湿度の厳しい検査条件となっていた。」と記載されている。そして、特許文献2に記載の発明は、よう素を吸着するフィルタに流通されるガスの温度を上昇させることで、ガスの相対湿度を低くしてフィルタの性能を向上させる。
ところで、吸着材をよう素フィルタとして用いる前では、保管されることになるが、相対湿度が高い環境下にて保管した場合では、吸着材が水分を吸着してしまい、よう素フィルタとして用いるときには放射性よう素の吸着性能が低下するおそれがある。
本発明は上述した課題を解決するものであり、放射性よう素の吸着性能の低下を防ぐことのできる放射性よう素吸着材の保管装置および保管方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明の放射性よう素吸着材の保管装置は、放射性よう素を吸着する放射性よう素吸着材を収納する収容容器と、前記収容容器を密閉状態で収納する筐体と、を備えることを特徴とする。
この放射性よう素吸着材の保管装置によれば、放射性よう素吸着材を収容した収容容器を、筐体で密閉状態として収納することで、筐体の外部のガス中の水分や放射性ガスなどから放射性よう素吸着材を隔離し、放射性よう素吸着材に水分や放射性よう素などが吸着される事態を防ぐ。この結果、放射性よう素吸着材の保管において放射性よう素の吸着性能の低下を防ぐことができる。
また、本発明の放射性よう素吸着材の保管装置では、前記筐体内の気圧が所定気圧を超える場合に前記筐体内のガスを排出する安全弁と、前記筐体内の気圧を計測する筐体内気圧計と、を備えることを特徴とする。
この放射性よう素吸着材の保管装置によれば、安全弁により筐体内の気圧が所定気圧を超える場合に筐体内のガスを排出することで、筐体内の気圧の上昇により放射性よう素吸着材の保管環境が変化する事態を抑制したり、筐体が破損する事態を防いだりすることができる。しかも、この放射性よう素吸着材の保管装置によれば、筐体内気圧計により筐体内の気圧を監視することができる。
また、本発明の放射性よう素吸着材の保管装置では、前記筐体内に乾燥ガスを供給する乾燥ガス供給装置を備えることを特徴とする。
この放射性よう素吸着材の保管装置によれば、筐体内に乾燥ガスを供給することで、筐体内の水蒸気分圧を低下させ、放射性よう素吸着材に吸着される水分量を減少させるため、放射性よう素吸着材の保管において放射性よう素の吸着性能の低下を防ぐことができる。
また、本発明の放射性よう素吸着材の保管装置では、前記乾燥ガス供給装置の一例としては、前記筐体内の気圧よりも高圧の乾燥ガスが充填された乾燥ガスボンベと、前記乾燥ガスボンベと前記筐体との間を接続する接続管に設けられて当該接続管における乾燥ガスの気圧を調整する接続管気圧調整機構と、前記筐体内のガスを排出して前記筐体内の気圧を調整する筐体気圧調整機構と、前記筐体内の気圧が所定気圧を超える場合に前記筐体内のガスを排出する安全弁と、を備えることを特徴とする。
この放射性よう素吸着材の保管装置によれば、乾燥ガスボンベと、接続管気圧調整機構と、により、筐体内に乾燥ガスを適宜供給することができる。しかも、筐体気圧調整機構により筐体内の気圧を調整することで、筐体内の気圧を所定気圧に維持して筐体内を乾燥ガスの雰囲気に維持することができる。しかも、安全弁により筐体内の気圧が所定気圧を超える場合に筐体内のガスを排出することで、筐体内の気圧の上昇により放射性よう素吸着材の保管環境が変化する事態を抑制したり、筐体が破損する事態を防いだりすることができる。
また、本発明の放射性よう素吸着材の保管装置では、前記筐体気圧調整機構は、前記筐体内のガスを排出する排出管を有し、当該排出管の出口部に流量計を備えることを特徴とする。
この放射性よう素吸着材の保管装置によれば、乾燥ガス供給装置により筐体内に乾燥ガスを供給しつつ、筐体内のガスを排出したときの流量を流量計により測定することで、筐体内のガスを乾燥ガスに置換することができる。また、筐体内を大気圧よりも高い圧力、すなわち筐体内の気圧を正圧に維持して筐体外の気圧を負圧とすることにより湿分を含んだ空気を筐体内に吸い込むことを防ぐことができる。
また、本発明の放射性よう素吸着材の保管装置では、前記筐体気圧調整機構は、前記筐体内のガスを排出する排出管を有し、当該排出管の出口部に濃度計を備えることを特徴とする。
この放射性よう素吸着材の保管装置によれば、例えば、乾燥ガスが窒素ガスのように酸素濃度が低い場合、乾燥ガス供給装置により筐体内に乾燥ガスを供給しつつ、筐体内のガスを排出して酸素濃度を濃度計により測定することで、筐体内のガスを乾燥ガスに置換したことを確認することができる。
また、本発明の放射性よう素吸着材の保管装置では、前記収容容器は、収納した放射性よう素吸着材を介してガスを通過し得る放射性よう素フィルタを構成することを特徴とする。
この放射性よう素吸着材の保管装置によれば、収容容器に放射性よう素フィルタを適用すると、放射性よう素吸着材を使用する際に、放射性ガスを除去する放射性ガス除去装置の流通路にそのまま設置することができる。
また、本発明の放射性よう素吸着材の保管装置では、前記筐体は、前記放射性よう素フィルタに対してガスを供給するガス供給口と、前記放射性よう素フィルタを通過したガスを排出するガス排出口とを有して、その内外にガスを流通させる流通路が構成され、当該流通路における前記放射性よう素フィルタの前後に、ガス中に含まれる粒子を捕集する粒子フィルタを配置することを特徴とする。
この放射性よう素吸着材の保管装置によれば、筐体内に放射性よう素吸着材が収容された放射性よう素フィルタを収納して放射性よう素吸着材と共に放射性よう素フィルタを保管しておき、放射性よう素フィルタの使用時に、乾燥ガス供給装置を外し、ガス供給口およびガス排出口を送風機や設備に接続することで、筐体内に供給したガスを粒子フィルタを介して放射性よう素フィルタに通過させて粒子フィルタを介して排出させることができ、放射性よう素と共に粒子をも除去する放射性ガス除去設備として用いることができる。
また、本発明の放射性よう素吸着材の保管方法は、放射性よう素を吸着する放射性よう素吸着材を収納する収容容器と、前記収容容器を密閉状態で収納する筐体と、前記筐体に乾燥ガスを供給する乾燥ガス供給装置と、を備える放射性よう素吸着材の保管装置を用い、乾燥ガス供給装置により前記筐体内に乾燥ガスを供給しつつ、前記筐体内のガスを排出して、前記筐体内のガスを前記乾燥ガスに置換することを特徴とする。
この放射性よう素吸着材の保管方法によれば、乾燥ガス供給装置により前記筐体内に乾燥ガスを供給しつつ、前記筐体内のガスを排出して、前記筐体内のガスを前記乾燥ガスに置換することで、筐体内を乾燥ガスで満たすことができ、保管において放射性よう素の吸着性能の低下を防ぐことができる。
本発明によれば、保管において放射性よう素の吸着性能の低下を防ぐことができる。
図1は、本発明の実施形態に係る放射性よう素吸着材を示す断面図である。 図2は、本発明の実施形態に係る放射性よう素吸着材を示す斜視図である。 図3は、本発明の実施形態1に係る放射性よう素吸着材の保管装置の断面図である。 図4は、放射性よう素吸着材における水蒸気分圧と水分吸着量との関係を示す図である。 図5は、放射性よう素吸着材における水分吸着量と放射性よう素除去効率の経時変化を示す図である。 図6は、本発明の実施形態2に係る放射性よう素吸着材の保管装置の断面図である。 図7は、本発明の実施形態3に係る放射性よう素吸着材の保管装置の断面図である。 図8は、窒素充填ボンベにおける窒素純度と水分量および水蒸気分圧との関係を示す図である。 図9は、本発明の実施形態3に係る放射性よう素吸着材の保管装置の他の例の断面図である。 図10は、本発明の実施形態4に係る放射性よう素吸着材の保管装置の断面図である。 図11は、本発明の実施形態4に係る放射性よう素吸着材の保管装置の他の例の断面図である。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、本実施形態に係る放射性よう素吸着材を示す断面図である。図2は、本実施形態に係る放射性よう素吸着材を示す斜視図である。
図1および図2に示すように、放射性よう素吸着材1は、放射性よう素フィルタ3のケーシング3Aに収容されている。
放射性よう素吸着材1は、放射性よう素フィルタ3内を流通されるガス中に含まれる放射性よう素(特に単体よう素(I)やよう化メチル(CHI)を主成分とする有機よう素化合物からなる)を吸着する。例えば、放射性よう素吸着材1は、母体を構成する基材と、この基材に添着される添着物質とを含む。基材に用いられる材料としては、特に限定されるものではなく、表面に複数の細孔を有するものであればよく、例えば、活性炭、アルミナ、ゼオライト、シリカゲル、活性白土などが挙げられる。ゼオライトとしては、天然ゼオライトまたは合成ゼオライトのどちらでもよい。また、ゼオライトとして、モルデナイト系ゼオライトなどが挙げられる。基材は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。また、放射性よう素吸着材1は、添着物質として、トリエチレンジアミン(TEDA:Tri−Ethylene−Di−Amine)またはよう化カリウム(KI)を含む。この放射性よう素吸着材1は、上記構成により、放射性よう素を吸着する。この放射性よう素吸着材1は、粒状または繊維状に形成される。
放射性よう素フィルタ3は、ケーシング3Aを有する。ケーシング3Aは、その内外にガスを通過させる。具体的に、ケーシング3Aは、図1および図2に示すように、矩形状の箱体として形成されている。ケーシング3Aは、剛性の高い金属材からなり、矩形状の4辺の側面が側面板3Aaにより気密に閉塞され、一部である上下面がパンチングメタルなどのような多孔板からなる上下面板3Abにより通気性を有している。すなわち、ケーシング3Aは、上下面板3Abを介してその内外にガスを通過させる。放射性よう素吸着材1は、このケーシング3Aに収容され、上下面板3Abを介してケーシング3Aの内外に通過するガスに含まれた放射性よう素を吸着する。なお、放射性よう素吸着材1は、基材がケーシング3Aにおいて通気性を有する上下面板3Abから脱落しないように保持される大きさと孔との関係に形成されている。
本実施形態において、放射性よう素フィルタ3は、ケーシング3Aが上下に間隔をおいて複数(本実施形態では2つ)設けられている。そして、放射性よう素フィルタ3は、各ケーシング3Aの上下の間において、矩形状の3辺の側面板3Aa間の間隔が閉塞板3Acにより気密に閉塞されて残りの1辺の側面板3Aa間の間隔のみが開放するように開口部3Adが形成されている。閉塞板3Acは、上下に配置されたケーシング3Aの相互の側面板3Aaが連続して構成されている。従って、上下に間隔をおいて複数設けられるケーシング3Aは、相互の側面板3Aaが連続することで相互の間隔を維持しつつ一体に構成されている。また、開口部3Adは、上下に配置されたケーシング3Aの相互の側面板3Aaが連続した部分に開けられた穴として構成されている。
また、本実施形態において、放射性よう素フィルタ3は、穴として開口部3Adが形成された側面板3Aaが、両側方および上下方向にはみ出すように張り出して形成されている。この張り出して形成された側面板3Aaは、その周縁に開口部3Adの開口方向の外側に延在する縁片3Aeが形成されている。また、この張り出して形成された側面板3Aaは、開口部3Adの開口方向の外側に突出する2つの把持部3Afが形成されている。すなわち、把持部3Afを両手で掴んで放射性よう素フィルタ3を持つことができる。なお、上述した放射性よう素フィルタ3において、説明の便宜上、両側方および上下方向に張り出して開口部3Adや縁片3Aeや把持部3Afが形成された側面板3Aa側を正面側とし、その相反する側面板3Aa側を背面側とし、正面側と背面側との間の側面板3Aa側を側面側とする。
このような放射性よう素フィルタ3は、その使用にあたって放射性ガス除去装置における流通路5内に配置される。流通路5は、図1に示すように、一端5aおよび他端5bが開放されて筒状に形成されており、一端5aと他端5bとの間であって筒状の内部にガスが流通される。本実施形態において、流通路5は、四角筒状に形成されているが、筒状の断面形状に限定はない。流通路5は、送風機(図示せず)が配置されたガスの流通経路中に設けられる。流通経路は、例えば、上述した原子力施設において放射性ガスの存在が想定し得る空間と、放射性ガスを除去したガスを供給する空間との間を接続するものである。なお、流通路5は、その内部に送風機が設けられてもよい。放射性よう素フィルタ3は、流通路5内に設けられたラック7に取り付けられる。
ラック7は、図1および図2に示すように、上述した放射性よう素フィルタ3を流通路5内に配置する。ラック7は、流通路5の内部を一端5a側と他端5b側とに区画する正面板7Aと、正面板7Aの周縁に設けられて流通路5の内周面に沿う周板7Bとを有し、正面板7Aに対して相反する側の背面が開放する箱体として構成されている。本実施形態において、流通路5は、四角筒状に形成されているため、これに合わせてラック7は、正面板7Aが四角形状に形成され、周板7Bも四角形状に形成されている。ラック7は、正面板7Aに、上述した放射性よう素フィルタ3が挿通される挿通穴7Cが形成されている。本実施形態において、ラック7は、複数(本実施形態では3つ)の放射性よう素フィルタ3を挿通できるように3つの挿通穴7Cが形成されている。また、ラック7は、箱体の内部において、挿通穴7Cに挿通された放射性よう素フィルタ3の挿通を案内すると共に支持する支持部材7Dが、放射性よう素フィルタ3の挿通方向となる正面背面方向に沿って設けられている。このようなラック7は、周板7Bと流通路5の内周面との間が気密性を有するようにガスケット(図示せず)を介して流通路5の内部に配置されている。このため、ラック7は、正面板7Aに形成された挿通穴7Cのみを介して流通路5を一端5a側と他端5b側に通じさせている。
本実施形態の放射性よう素フィルタ3は、上述したラック7の挿通穴7Cに対して背面側から挿通される。そして、放射性よう素フィルタ3は、正面側の側面板3Aaにおいて両側方および上下方向に張り出した部分がラック7の正面板7Aに当接することでラック7の内部に収納される。そして、放射性よう素フィルタ3は、正面側の側面板3Aaがラック7の正面板7Aに対してボルトで締結されることでラック7に支持される。また、放射性よう素フィルタ3の正面側の側面板3Aaと、ラック7の正面板7Aとの当接部分にガスケット(図示せず)が介在されている。このため、放射性よう素フィルタ3は、図1に示すように、流通路5に対し、一端5aと他端5bとの間で、開口部3Ad、ケーシング3Aの上下面板3Ab、およびケーシング3Aに収容される放射性よう素吸着材1を介してガスを流通させる。なお、放射性よう素フィルタ3におけるガスの流通方向は、図1に示すように、ガスが流通路5の一端5aから供給されて他端5bから排出される場合、正面側の開口部3Adから供給されて放射性よう素吸着材1を通過して上下に抜けて背面に排出される。また、図には明示しないが、放射性よう素フィルタ3におけるガスの流通方向は、ガスが流通路5の他端5bから供給されて一端5aから排出される場合、図1とは逆に背面側から上下方向に放射性よう素吸着材1を通過して正面側の開口部3Adから排出される。このようにして、本実施形態の放射性よう素フィルタ3は、流通路5に流通された放射性ガスに含まれる放射性よう素を除去する。
なお、放射性よう素フィルタ3(ケーシング3A)の必要数は、設備が要求される放射性ガス除去装置の処理風量に応じて設定される。
ところで、上述した放射性ガス除去装置において、放射性よう素吸着材1は、放射性よう素を吸着することで吸着性能が低下するため、所定期間の使用後に未使用の新たなものに交換する。そして、この交換を迅速に行うため、未使用の放射性よう素吸着材1を、以下に説明する実施形態に係る保管装置に保管する。
[実施形態1]
図3は、本実施形態に係る放射性よう素吸着材の保管装置の断面図である。
図3に示す保管装置11は、収容容器13と、筐体15と、を備える。収容容器13は、放射性よう素吸着材1を収容するもので、例えば、上述した放射性よう素フィルタ3が用いられる。この場合、放射性よう素吸着材1は、放射性よう素フィルタ3のケーシング3Aに収容される。収容容器13に放射性よう素フィルタ3を適用すると、放射性よう素吸着材1を使用する際に、上述した放射性ガス除去装置の流通路5にそのまま設置することができる。なお、収容容器13は、放射性よう素フィルタ3に限定されるものではなく、トレイや、放射性よう素フィルタ3に収容する以前の梱包箱または梱包袋などであってもよい。すなわち、収容容器13は、放射性よう素吸着材1を運搬することに用いられるものであればよい。
筐体15は、収容容器13を収納し収容容器13の全周を覆い囲む箱体を構成するものである。筐体15は、収容容器13に放射性よう素フィルタ3を適用した場合、内部にラック7を有する。筐体15は、ラック7に対して放射性よう素フィルタ3を取り付けまたは取り外す側に開口する開口部15Aが形成され、かつ当該開口部15Aを開閉する蓋部材15Bを有する。この筐体15は、蓋部材15Bにより開口部15Aを閉塞した状態で、外部に対して気密性を有して密閉される。
このように構成された放射性よう素吸着材1の保管装置11によれば、放射性よう素吸着材1を収容した収容容器13を、筐体15で密閉状態として収納することで、筐体15の外部のガス中の水分や放射性ガスなどから放射性よう素吸着材1を隔離し、放射性よう素吸着材1に水分や放射性よう素などが吸着される事態を防ぐ。
図4は、放射性よう素吸着材における水蒸気分圧と水分吸着量との関係を示す図である。図5は、放射性よう素吸着材における水分吸着量と放射性よう素除去効率の経時変化を示す図である。
図4に示すように、放射性よう素を吸着する使用前の放射性よう素吸着材(基材:活性炭)について、空気中の水蒸気分圧(水蒸気濃度)における水分吸着量の試験を行った。また、この試験では、異なる温度環境(10℃、30℃、50℃)についても行った。この試験結果において、温度環境により差異はあるものの、水蒸気分圧が高いほど放射性よう素吸着材の水分吸着量が高くなることが分かる。また、温度が低いほど放射性よう素吸着材の水分吸着量が高いことが分かる。
また、図5に示すように、放射性よう素(主によう化メチル)を吸着する使用前の放射性よう素吸着材(基材:活性炭)について、水分吸着量における放射性よう素除去効率(放射性よう素吸着性能)の経時変化の試験を行った。水分吸着量は、0g/g、0.20g/g、0.32g/g、0.42g/gについて試験を行った。また、試験は、本実施形態における保管装置において経過日数密閉保管をし、所定日数ごとに取り出した放射性よう素吸着材について、ASTM D−3803 1983年版の試験方法に従って、放射性よう素除去効率(放射性よう素吸着性能)を測定した。ここで、水分吸着量0g/gは、試験開始から850日間経過まで試験を行った。水分吸着量0.20g/gは、水分吸着量0g/gの放射性よう素吸着材を800日間密閉保管した後に水分を吸着させて試験を行った。水分吸着量0.32g/gは、水分吸着量0g/gの放射性よう素吸着材を650日間密閉保管した後に水分を吸着させて試験を行った。水分吸着量0.42g/gは試験開始時から水分を吸着させて試験を行った。
そして、図5に示されるとおり、水分吸着量0g/gの場合については、850日経過後も99.8%前後の放射性よう素除去効率を維持している。また、水分吸着量0(g/g)の放射性よう素吸着材を800日間密閉保管した後に水分吸着量0.20(g/g)の水分を吸着させた場合については、日数経過に伴って放射性よう素除去効率が低下するが2000日経過時において99.5%前後の放射性よう素除去効率を維持している。また、水分吸着量0g/gの放射性よう素吸着材を650日間密閉保管した後に水分吸着量0.32g/gの水分を吸着させた場合については、2000日経過時において98%前後の放射性よう素除去効率まで低下している。また、試験開始時から水分吸着量0.42g/gの水分を吸着させた場合については、1300日間密閉保管したが、97.4%前後の放射性よう素除去効率まで低下している。従って、水分吸着量0.20(g/g)以下であれば、1100日間(約3年間)保管しても放射性よう素除去効率の低下は0.3%程度と極めて少ないことがわかる。
このように、本実施形態の放射性よう素吸着材1の保管装置11によれば、放射性よう素吸着材1の保管において放射性よう素の吸着性能の低下を防ぐことができる。
[実施形態2]
図6は、本実施形態に係る放射性よう素吸着材の保管装置の断面図である。図6に示す保管装置21は、上述した実施形態1の保管装置11に対し、安全弁23と、筐体内気圧計25と、をさらに備える。従って、本実施形態において、実施形態1の保管装置11と同等の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
安全弁23は、温度上昇などで筐体15内の気圧が高まって、筐体15内の気圧が所定気圧を超える場合に筐体15内のガスを排出する。
筐体内気圧計25は、筐体15内の気圧を計測する。
このように構成された放射性よう素吸着材1の保管装置21によれば、安全弁23により筐体15内の気圧が所定気圧を超える場合に筐体15内のガスを排出することで、筐体15内の気圧の上昇により放射性よう素吸着材1の保管環境が変化する事態を抑制したり、筐体15が破損する事態を防いだりすることができる。しかも、この放射性よう素吸着材1の保管装置21によれば、筐体内気圧計25により筐体15内の気圧を監視することができる。
[実施形態3]
図7は、本実施形態に係る放射性よう素吸着材の保管装置の断面図である。図7に示す保管装置31は、上述した実施形態1の保管装置11に対し、乾燥ガス供給装置33をさらに備える。従って、本実施形態において、実施形態1の保管装置11と同等の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
乾燥ガス供給装置33は、筐体15内に乾燥ガスを供給するものである。乾燥ガスは、例えば、窒素ガスや、原子力施設において用いられる計装用空気がある。乾燥ガス供給装置33は、筐体15内の圧力よりも高圧の乾燥ガスを筐体15内に供給する。
乾燥ガス供給装置33は、乾燥ガスボンベ33Aと、接続管気圧調整機構33Bと、筐体気圧調整機構33Cと、安全弁33Dと、を備える。
乾燥ガスボンベ33Aは、筐体15内の気圧よりも高圧の乾燥ガスが充填された耐圧容器である。乾燥ガスボンベ33Aに充填される乾燥ガスは窒素ガスである。乾燥ガスボンベ33Aは、接続管33Aaを介して筐体15内に接続され、接続管33Aaを介して乾燥ガスが筐体15内に供給される。なお、乾燥ガスに計装用空気を用いる場合、ボンベに計装用空気を充填してもよいが、計装用空気を圧縮する圧縮部(図示せず)を接続管33Aaを介して筐体15内に接続し、接続管33Aaを介して計装用空気を筐体15内に供給してもよい。
接続管気圧調整機構33Bは、接続管33Aaに設けられて接続管33Aaにおける乾燥ガスの気圧を調整する。接続管気圧調整機構33Bは、例えば、接続管33Aaに介在された流量調整弁33Baと、流量調整弁33Baの筐体15側にて接続管33Aaに接続された接続管圧力計33Bbと、を有している。そして、流量調整弁33Baは、接続管圧力計33Bbにて計測された圧力が所定の圧力(筐体15外の外気よりも高い圧力)の範囲となるように弁開度が制御されて、筐体15内に供給される乾燥ガスの気圧を調整する。なお、接続管圧力計33Bbにて計測された圧力を筐体15外の外気よりも高い圧力とすることで、筐体15内の圧力が筐体15外の外気よりも高くなるため、筐体15外から外気が流入する事態を防ぐことができる。
なお、接続管33Aaの流量調整弁33Baの乾燥ガスボンベ33A側には、乾燥ガス圧力計33Abが設けられており、乾燥ガスボンベ33Aから接続管33Aaに送られる乾燥ガスの圧力が計測される。また、図には明示しないが、接続管33Aaの乾燥ガス圧力計33Abの乾燥ガスボンベ33A側には、開閉弁が設けられている。そして、乾燥ガス圧力計33Abにより計測される圧力が下がった場合、乾燥ガスボンベ33A内の乾燥ガスが減ったと判断し、開閉弁を閉じて乾燥ガスボンベ33Aを交換する。または、流量調整弁33Baにより接続管33Aaを閉止できれば、開閉弁は設けなくてもよい。
筐体気圧調整機構33Cは、筐体15内のガスを排出して筐体15内の気圧を調整する。筐体気圧調整機構33Cは、筐体15内から外部に連通して設けられた排出管33Caと、排出管33Caに介在された流量調整弁33Cbと、筐体15内に接続された筐体圧力計33Ccと、を有している。そして、流量調整弁33Cbは、筐体圧力計33Ccにて計測された圧力が所定の圧力の範囲を超える場合に弁開度が制御され、排出管33Caを介して筐体15から排出される。また、流量調整弁33Cbは、筐体圧力計33Ccにて計測された圧力が所定の圧力の範囲内であれば弁開度が0に制御され、排出管33Caを閉止する。この流量調整弁33Cbを制御するための圧力の範囲は、接続管気圧調整機構33Bにおいて流量調整弁33Baを制御するための圧力の範囲よりも大きく、筐体15外の外気よりも高い圧力となる。
安全弁33Dは、筐体15内の気圧が所定気圧を超える場合に筐体15内のガスを排出する。例えば、安全弁33Dは、温度上昇などで筐体15内の気圧が高まって、筐体15内の気圧が所定気圧を超える場合に筐体15内のガスを排出する。この安全弁33Dが作動する所定気圧は、流量調整弁33Cbを制御するための圧力の範囲よりも大きい。
このように本実施形態の放射性よう素吸着材1の保管装置31では、筐体15内に乾燥ガスを供給する乾燥ガス供給装置33を備える。
この放射性よう素吸着材1の保管装置31によれば、筐体15内に乾燥ガスを供給することで、筐体15内の水蒸気分圧を低下させ、放射性よう素吸着材1に吸着される水分量を減少させるため、放射性よう素吸着材1の保管において放射性よう素の吸着性能の低下を防ぐことができる。
また、本実施形態の放射性よう素吸着材1の保管装置31では、乾燥ガス供給装置33は、筐体15内の気圧よりも高圧の乾燥ガスが充填された乾燥ガスボンベ33Aと、乾燥ガスボンベ33Aと筐体15との間を接続する接続管33Aaに設けられて当該接続管33Aaにおける乾燥ガスの気圧を調整する接続管気圧調整機構33Bと、筐体15内のガスを排出して筐体15内の気圧を調整する筐体気圧調整機構33Cと、筐体15内の気圧が所定気圧を超える場合に筐体15内のガスを排出する安全弁33Dと、を備える。
この放射性よう素吸着材1の保管装置31によれば、乾燥ガスボンベ33Aと、接続管気圧調整機構33Bと、により、筐体15内に乾燥ガスを適宜供給することができる。しかも、筐体気圧調整機構33Cにより筐体15内の気圧を調整することで、筐体15内の気圧を所定気圧に維持して筐体15内を乾燥ガスの雰囲気に維持することができる。しかも、安全弁33Dにより筐体15内の気圧が所定気圧を超える場合に筐体15内のガスを排出することで、筐体15内の気圧の上昇により放射性よう素吸着材1の保管環境が変化する事態を抑制したり、筐体15が破損する事態を防いだりすることができる。
また、乾燥ガス供給装置33は、必要に応じて、筐体気圧調整機構33Cにおける排出管33Caの出口部(排出管33Caの流量調整弁33Cbよりも排出側)に流量計33Eを備えてもよい。流量計33Eは、排出管33Caの出口部におけるガスの流量を計測する。流量調整弁33Cbは、流量計33Eにて計測された流量に基づいて弁開度が制御される。すなわち、筐体15内のガスを乾燥ガスに置換する場合、流量調整弁33Baおよび流量調整弁33Cbを全開とし、筐体15内に乾燥ガスが供給され、流量計33Eにより計測した排出管33Caのガスの総流量が筐体15の容積分に相当したときに、流量調整弁33Cbを閉止することで筐体15内のガスが乾燥ガスに置換される。その後、筐体15内の気圧が筐体気圧調整機構33Cにより調整される。従って、乾燥ガス供給装置33により筐体15内に乾燥ガスを供給しつつ、筐体15内のガスを排出したときの流量を流量計33Eにより測定することで、筐体15内のガスを乾燥ガスに置換することができる。また、筐体15内を大気圧よりも高い圧力、すなわち筐体15内の気圧を正圧に維持して筐体15外の気圧を負圧とすることにより湿分を含んだ空気を筐体15内に吸い込むことを防ぐことができる。なお、流量計33Eを備えていなくても、筐体圧力計33Ccにおける圧力の増加を検出することで、乾燥ガスが流れていることを確認することができる。
また、乾燥ガス供給装置33は、必要に応じて、筐体気圧調整機構33Cにおける排出管33Caの出口部(排出管33Caの流量調整弁33Cbよりも排出側)に酸素濃度計(濃度計)33Fを備えてもよい。酸素濃度計33Fは、排出管33Caの出口部におけるガスの酸素濃度を計測する。流量調整弁33Cbは、酸素濃度計33Fにて計測された酸素濃度に基づいて弁開度が制御される。すなわち、筐体15内のガスを乾燥ガス(この場合は窒素ガス)に置換する場合、流量調整弁33Baおよび流量調整弁33Cbを全開とし、筐体15内に乾燥ガスが供給され、酸素濃度計33Fにより計測した排出管33Caのガスの酸素濃度が所定値以下になったときに、流量調整弁33Cbを閉止することで筐体15内のガスが乾燥ガスに置換される。その後、筐体15内の気圧が筐体気圧調整機構33Cにより調整される。従って、乾燥ガス供給装置33により筐体15内に乾燥ガスを供給しつつ、筐体15内のガスを排出して酸素濃度を酸素濃度計33Fにより測定することで、筐体15内のガスを乾燥ガスに置換したことを確認することができる。なお、酸素濃度計33Fは、流量計33Eと共に設けられる場合、筐体15内のガスを乾燥ガス(窒素ガス)に置換する際の置換精度を向上することができる。なお、酸素濃度計33F以外に、空気中に存在する炭酸ガスの濃度を計測する濃度計や湿度(湿分濃度)を計測する湿度計を、本発明における濃度計として用いても酸素濃度計33Fと同等の機能を具備させることが可能である。
ところで、図8は、窒素充填ボンベにおける窒素純度と水分量および水蒸気分圧との関係を示す図である。図8に示すように、窒素ガスは、水分量および水蒸気分圧が極めて少なく、かつ窒素純度が高いほど水分量および水蒸気分圧が少ない。また、図4に示すように、温度10℃の条件でも、水蒸気分圧を400Pa以下とすれば水分吸着量を0.20g/g程度以下とすることが可能である。従って、水分量および水蒸気分圧が極めて少なく、不燃性である窒素ガスを乾燥ガスとして適用することで、水分吸着量0.20g/g以下を達成することができる。
なお、図9は、本実施形態に係る放射性よう素吸着材の保管装置の他の例の断面図である。図9に示す乾燥ガス供給装置33では、筐体気圧調整機構33Cは、筐体圧力計33Ccが排出管33Caにおける筐体15と流量調整弁33Cbとの間に設けられている。このような構成であっても、筐体気圧調整機構33Cは、筐体15内のガスを排出して筐体15内の気圧を調整することができる。具体的に、流量調整弁33Cbは、筐体圧力計33Ccにて計測された圧力が所定の圧力の範囲を超える場合に弁開度が制御され、排出管33Caを介して筐体15から排出される。また、流量調整弁33Cbは、筐体圧力計33Ccにて計測された圧力が所定の圧力の範囲内であれば弁開度が0に制御され、排出管33Caを閉止する。この流量調整弁33Cbを制御するための圧力の範囲は、接続管気圧調整機構33Bにおいて流量調整弁33Baを制御するための圧力の範囲よりも大きく、筐体15外の外気よりも高い圧力となる。
[実施形態4]
図10は、本実施形態に係る放射性よう素吸着材の保管装置の断面図である。図10に示す保管装置41は、上述した実施形態3の保管装置31に対し、ガス供給口43、ガス排出口45、および粒子フィルタ47をさらに備える。従って、本実施形態において、実施形態3の保管装置31と同等の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
ガス供給口43は、筐体15内のガスを供給するための入口である。また、ガス排出口45は、筐体15内のガスを排出するための出口である。そして、本実施形態の放射性よう素吸着材の保管装置41は、放射性よう素吸着材1が収容される収容容器13が放射性よう素フィルタ3として構成されている。そして、放射性よう素フィルタ3は、筐体15内において、ガスの流通方向が決められている。すなわち、ガス供給口43から供給されて筐体15内を経てガス排出口45から排出されるガスの流通方向に対し、放射性よう素フィルタ3のガスの流通方向が決められている。例えば、ガスが、ガス供給口43から供給されて筐体15内を経てガス排出口45から排出される場合、正面側の開口部3Adから供給されて放射性よう素吸着材1を通過して上下に抜けて背面に排出される(図1参照)。また、図には明示しないが、ガス供給口43とガス排出口45とを逆に配置し、ガスが、ガス排出口45から供給されて筐体15内を経てガス供給口43から排出される場合、図1とは逆に背面側から上下方向に放射性よう素吸着材1を通過して正面側の開口部3Adから排出される。このようにして、本実施形態の放射性よう素フィルタ3は、筐体15を通過する放射性ガスに含まれる放射性よう素を除去する。
また、ガス供給口43は、筐体15の外側に突出する筒状部材の突出端に接続フランジ43Aが設けられている。また、ガス排出口45は、筐体15の外側に突出する筒状部材の突出端に接続フランジ45Aが設けられている。本実施形態では、ガス供給口43の接続フランジ43Aを介してガス供給口43に接続管33Aaのフランジ33Aaaが接続されてガスの漏れがなく接続され、ガス排出口45の接続フランジ45Aを介してガス排出口45に排出管33Caのフランジ33Caaが接続されてガスの漏れがなく接続されている。なお、ガス供給口43に接続管33Aaが接続されていないときは、フランジ33Aaaに替えて遮蔽板が接続フランジ43Aを介して接続されてガスの漏れや筐体15内へのガスの浸入が防止され、ガス排出口45に排出管33Caが接続されていないときは、フランジ33Caaに替えて遮蔽板が接続フランジ45Aを介して接続されてガスの漏れや筐体15内へのガスの浸入が防止される。
従って、本実施形態の放射性よう素吸着材1の保管装置41によれば、筐体15内に放射性よう素吸着材1が収容された放射性よう素フィルタ3を収納して放射性よう素吸着材1と共に放射性よう素フィルタ3を保管しておき、放射性よう素フィルタ3の使用時に、乾燥ガス供給装置33を外し、ガス供給口43およびガス排出口45を送風機や設備に接続することで、筐体15内に供給したガスを放射性よう素フィルタ3に通過させて排出させることができ、放射性ガス除去装置として用いることができる。
また、粒子フィルタ47は、高性能フィルタであって、例えば、対象粒子径が0.15μmで99.97%の除去効率のHEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)が適用される。この粒子フィルタ47は、ガス供給口43と放射性よう素フィルタ3との間、およびガス排出口45と放射性よう素フィルタ3との間に配置されている。
従って、本実施形態の放射性よう素吸着材1の保管装置41によれば、筐体15内に放射性よう素吸着材1が収容された放射性よう素フィルタ3を収納して放射性よう素吸着材1と共に放射性よう素フィルタ3を保管しておき、放射性よう素フィルタ3の使用時に、乾燥ガス供給装置33を外し、ガス供給口43およびガス排出口45を送風機や設備に接続することで、筐体15内に供給したガスを粒子フィルタ47を介して放射性よう素フィルタ3に通過させて粒子フィルタ47を介して排出させることができ、放射性よう素と共に粒子をも除去する放射性ガス除去設備として用いることができる。
なお、図11は、本実施形態に係る放射性よう素吸着材の保管装置の他の例の断面図である。図11に示す乾燥ガス供給装置33では、筐体気圧調整機構33Cは、筐体圧力計33Ccが排出管33Caにおける筐体15と流量調整弁33Cbとの間に設けられている。このような構成であっても、筐体気圧調整機構33Cは、筐体15内のガスを排出して筐体15内の気圧を調整することができる。具体的に、流量調整弁33Cbは、筐体圧力計33Ccにて計測された圧力が所定の圧力の範囲を超える場合に弁開度が制御され、排出管33Caを介して筐体15から排出される。また、流量調整弁33Cbは、筐体圧力計33Ccにて計測された圧力が所定の圧力の範囲内であれば弁開度が0に制御され、排出管33Caを閉止する。この流量調整弁33Cbを制御するための圧力の範囲は、接続管気圧調整機構33Bにおいて流量調整弁33Baを制御するための圧力の範囲よりも大きく、筐体15外の外気よりも高い圧力となる。
1 放射性よう素吸着材
3 放射性よう素フィルタ
3A ケーシング
11 保管装置
13 収容容器
15 筐体
21 保管装置
23 安全弁
25 筐体内気圧計
31 保管装置
33 乾燥ガス供給装置
33A 乾燥ガスボンベ
33Aa 接続管
33B 接続管気圧調整機構
33C 筐体気圧調整機構
33D 安全弁
33E 流量計
33F 酸素濃度計(濃度計)
41 保管装置
43 ガス供給口
45 ガス排出口
47 粒子フィルタ

Claims (9)

  1. 放射性よう素を吸着する放射性よう素吸着材を収納する収容容器と、
    前記収容容器を密閉状態で収納する筐体と、
    を備えることを特徴とする放射性よう素吸着材の保管装置。
  2. 前記筐体内の気圧が所定気圧を超える場合に前記筐体内のガスを排出する安全弁と、
    前記筐体内の気圧を計測する筐体内気圧計と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の放射性よう素吸着材の保管装置。
  3. 前記筐体内に乾燥ガスを供給する乾燥ガス供給装置を備えることを特徴とする請求項1に記載の放射性よう素吸着材の保管装置。
  4. 前記乾燥ガス供給装置は、
    前記筐体内の気圧よりも高圧の乾燥ガスが充填された乾燥ガスボンベと、
    前記乾燥ガスボンベと前記筐体との間を接続する接続管に設けられて当該接続管における乾燥ガスの気圧を調整する接続管気圧調整機構と、
    前記筐体内のガスを排出して前記筐体内の気圧を調整する筐体気圧調整機構と、
    前記筐体内の気圧が所定気圧を超える場合に前記筐体内のガスを排出する安全弁と、
    を備えることを特徴とする請求項3に記載の放射性よう素吸着材の保管装置。
  5. 前記筐体気圧調整機構は、前記筐体内のガスを排出する排出管を有し、当該排出管の出口部に流量計を備えることを特徴とする請求項4に記載の放射性よう素吸着材の保管装置。
  6. 前記筐体気圧調整機構は、前記筐体内のガスを排出する排出管を有し、当該排出管の出口部に濃度計を備えることを特徴とする請求項4に記載の放射性よう素吸着材の保管装置。
  7. 前記収容容器は、収納した放射性よう素吸着材を介してガスを通過し得る放射性よう素フィルタを構成することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の放射性よう素吸着材の保管装置。
  8. 前記筐体は、前記放射性よう素フィルタに対してガスを供給するガス供給口と、前記放射性よう素フィルタを通過したガスを排出するガス排出口とを有して、その内外にガスを流通させる流通路が構成され、当該流通路における前記放射性よう素フィルタの前後に、ガス中に含まれる粒子を捕集する粒子フィルタを配置することを特徴とする請求項7に記載の放射性よう素吸着材の保管装置。
  9. 放射性よう素を吸着する放射性よう素吸着材を収納する収容容器と、前記収容容器を密閉状態で収納する筐体と、前記筐体に乾燥ガスを供給する乾燥ガス供給装置と、を備える放射性よう素吸着材の保管装置を用い、
    乾燥ガス供給装置により前記筐体内に乾燥ガスを供給しつつ、前記筐体内のガスを排出して、前記筐体内のガスを前記乾燥ガスに置換することを特徴とする放射性よう素吸着材の保管方法。
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