以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについて重複する説明は省略する。
◇遊技機の外観構成◇
図1は、本実施形態における遊技機1の外観構成を示す正面図である。この遊技機1は、遊技者の指示操作によって発射装置が打ち出す遊技球が各種入賞口に入賞すると賞球を払い出すように構成された弾球式の遊技機である。図1に示すように、遊技機1は、ホール(店舗)の島設備などに固定される遊技機本体1aを有し、その遊技機本体1aの正面側に、透明ガラス板2が嵌め込まれた前枠扉3を有している。そして遊技機本体1aは、前枠扉3の内側に遊技球を転動させる遊技盤10を備えている。
前枠扉3は遊技機本体1aの左端部において回動可能に軸支されており、遊技機本体1aの前面側を開閉可能な構成である。透明ガラス板2は、前枠扉3が遊技機本体1aの前面側を閉鎖した状態で、遊技機本体1aの内側に取り付けられる遊技盤10を視認可能にするためのものである。また前枠扉3の下部中央には、正面側に張り出した棚状の球貯留部4が設けられる。この球貯留部4の上面には、遊技者が操作可能な操作ボタン6が設けられると共に、遊技盤10に打ち出すための遊技球を貯留しておくための貯留皿が設けられる。また前枠扉3は、球貯留部4の右下部に、遊技者が遊技球を発射させるために時計回り方向に回転操作可能なハンドルレバー5を備えている。また前枠扉3は、透明ガラス板2の上方及び球貯留部4の下方並びに透明ガラス板2の左右両側に、遊技の進行に伴って各種パターンで点灯する枠ランプ7を備えている。さらに前枠扉3は、透明ガラス板2の上方に位置する枠ランプ7の左右両側に遊技の進行に伴って各種演出用の音響出力を行うスピーカー8を備えている。
遊技盤10は、前枠扉3が閉じられた状態のとき、その盤面と、前枠扉3に嵌め込まれた透明ガラス板2との間に遊技球が転動可能な遊技領域を形成する。遊技者によってハンドルレバー5が操作されると、その操作角度に応じた打球力で遊技球が遊技領域の左上部に打ち出され、その後、遊技球が遊技領域を転動しながら流下する。そして遊技球が遊技盤10に設けられた各種入賞口に入賞すると、遊技機1は、球貯留部4の貯留皿に賞球を払い出す。
遊技盤10の中央には、遊技の進行に伴って各種演出を行うためのセンター役物11が設けられる。また遊技盤10は、センター役物11の周囲に、多数の釘や風車などの他、第1始動口13、第2始動口14、大入賞口15、スルーゲート16及びアウト口23といった公知の部材を備えている。またこの他にも、遊技盤10には、図示を省略する普通入賞口なども設けられる。さらに遊技盤10は、遊技球が転動する遊技領域の外側における盤面左下部に、特別図柄の変動表示を行って特別遊技判定(大当たり判定)の判定結果に応じた特別図柄を表示したり、第1始動口13及び第2始動口14に遊技球が入賞したことによる保留数を表示したり、或いは、スルーゲート16を遊技球が通過したことによる普通図柄の抽選結果を表示したりするための図柄表示器22を備えている。
図1に示す遊技盤10では、スルーゲート16がセンター役物11の右側に設けられている。このスルーゲート16は、遊技機1において普通図柄抽選が行われる条件となるゲートであり、遊技球がこのゲートを通過すると遊技機1において普通図柄抽選が行われる。
第1始動口13はセンター役物11の下方位置に設けられており、第2始動口14はその第1始動口13の右側に設けられている。ここで第1始動口13に入賞する可能性が比較的高い遊技球は、遊技盤10に打ち出される遊技球が矢印F1で示すようにセンター役物11の左側を転動していく遊技球である。つまり、矢印F2で示すようにセンター役物11の右側を転動していく遊技球は第1始動口13に入賞する可能性が極めて低くなるように第1始動口13が設けられている。また第2始動口14に入賞する可能性が比較的高い遊技球は、遊技盤10に打ち出される遊技球が矢印F2で示すようにセンター役物11の右側を転動していく遊技球である。つまり、矢印F1で示すようにセンター役物11の左側を転動していく遊技球は第2始動口14に入賞する可能性が極めて低くなるように第2始動口14が設けられている。
第1始動口13及び第2始動口14のそれぞれは、所定球数の賞球を払い出すための入賞口であると共に、遊技機1において遊技者に有利な特別遊技である特別遊技状態へと移行させるか否かを判定する特別遊技判定(大当たり判定)が行われる条件となる入賞口である。つまり、第1又は第2始動口13,14に入賞した遊技球が始動検知領域を通過して始動条件が成立すると、遊技機1において特別遊技判定が行われ、図柄表示器22において特別図柄の変動表示が開始されると共に、センター役物11などにおいてもその特別遊技判定の結果に応じた各種の演出が開始され、その後、所定時間が経過すると特別図柄の変動表示及び各種の演出が終了し、特別遊技判定の結果が表示される。その特別遊技判定の結果が大当たりを示すものであれば、遊技機1はその後、大当たり遊技として、遊技者にとって有利な特別遊技を開始する。
ここで図柄表示器22は、遊技盤10の隅に配置されており、遊技者にとって視認し難い位置に設けられていると共に、特別図柄の変動表示が停止して表示される停止図柄の表示態様なども遊技者にとっては識別し難い表示態様で表示される。それ故、遊技者は、主にセンター役物11などで所定時間行われる各種演出が終了した時点の停止態様などによって特別遊技判定の結果を認識するのが一般的である。
第2始動口14は、その左右両側の近傍位置に羽根状に開閉する電動チューリップ14aを備えている。電動チューリップ14aは、閉鎖状態のとき、第2始動口14の近傍に転動してくる遊技球を第2始動口14へ入賞させないようにブロックする。これに対し、電動チューリップ14aは、左右方向へ開いた開放状態になると、第2始動口14の近傍に転動してくる遊技球が第2始動口14へ入賞し易くなるように補助する補助状態となる。すなわち、電動チューリップ14aは、遊技盤10に打ち出された遊技球が第2始動口14に入賞することを補助する補助状態(開放状態)と、遊技球が第2始動口14に入賞することを補助しない非補助状態(閉鎖状態)とに駆動される補助部材として設けられる。この電動チューリップ14aは、通常、閉鎖状態となっており、第2始動口14への遊技球の入賞を補助しない。これに対し、遊技盤10に打ち出された遊技球がスルーゲート16を通過することよって行われる普通図柄抽選に当選すると、電動チューリップ14aは、そのときの遊技状態に応じて所定時間及び所定回数、開放状態となり、第2始動口14への遊技球の入賞を補助する補助状態となる。
大入賞口15は、遊技盤10において第2始動口14のさらに右側に設けられている。この大入賞口15は、遊技球が入賞可能な開放状態と、遊技球が入賞不可能な閉鎖状態とに駆動される可変入賞装置であり、通常は閉鎖状態となっている。そして遊技機1において第1始動口13又は第2始動口14に遊技球が入賞したことによって行われる特別遊技判定で大当たり又は小当たりに当選すると、その後に開始される特別遊技において、大入賞口15が開放状態に駆動され、遊技球が大入賞口15に入賞可能な状態となる。大入賞口15は、特別遊技状態において閉鎖状態から開放状態へ所定回数駆動される。大入賞口15が開放状態へ駆動されると、所定の開放時間が経過するまでの間、又は、所定数の入賞がカウントされるまでの間、その開放状態が継続する。例えば大当たりに当選した場合、大入賞口15が開放される遊技はラウンド遊技として定義され、特別遊技状態において所定ラウンド数のラウンド遊技が行われる。大当たりの特別遊技において大入賞口15の開放状態が継続される開放時間は、大当たりの種類に応じて予めラウンド毎に設定される。すなわち、大入賞口15が開放されるラウンドには、ロング開放ラウンドとショート開放ラウンドとの2種類があり、ロング開放ラウンドの場合には開放時間が30秒程度の比較的長い時間に設定され、ショート開放ラウンドの場合には開放時間が0.2秒程度の極めて短い時間に設定される。したがって、ロング開放ラウンドにおいて大入賞口15が開放状態へ駆動されると、所定の開放時間が経過するまでの間に、遊技球を所定数まで入賞させることが可能であるため、遊技者は多数の賞球を獲得することができる。これに対し、ショート開放ラウンドの場合には大入賞口15が開放状態へ駆動されても直ぐに閉鎖状態に戻るため、遊技球が大入賞口15に入賞する可能性は低く、遊技者は賞球を獲得することが困難である。これに対し、小当たりに当選した場合の特別遊技では、大入賞口15が開閉動作を所定回数繰り返すだけであり、1回当たりの開放時間は大当たりの場合のショート開放ラウンドと同じ0.2秒程度の極めて短い時間に設定される。
このような大入賞口15は遊技盤10の右側の領域に設けられているため、開放状態のときに大入賞口15に入賞する可能性が比較的高い遊技球は、矢印F2で示すようにセンター役物11の右側を転動していく遊技球である。つまり、矢印F1で示すようにセンター役物11の左側を転動していく遊技球は大入賞口15に入賞する可能性が極めて低くなるように大入賞口15が設けられている。そのため、遊技機1においてロング開放ラウンドを含む特別遊技が開始されると、遊技者はハンドルレバー5の回転角度を大きくし、遊技球が遊技領域の右側領域に打ち出されるように操作することで大入賞口15へ遊技球を入賞させることができる。
またセンター役物11は、その中央に、例えばカラー液晶ディスプレイなどで構成される画像表示器12を備えている。この画像表示器12は、例えば数字やアルファベット、文字などの図柄が付された3つの装飾図柄12a,12b,12cを表示可能である。遊技機1において特別遊技判定が行われて特別図柄の変動表示が開始されることに伴い、画像表示器12は、それら3つの装飾図柄12a,12b,12cを上下方向に変動させる図柄変動演出を開始して所定時間経過後にその変動演出を停止させることにより、その特別遊技判定の結果を遊技者に報知する演出を行う。例えば、画像表示器12で行われる図柄変動演出が、3つの装飾図柄12a,12b,12cの全てを同じ図柄に揃えた状態で停止すると、その停止図柄が揃った状態により大当たりであることが報知される。また3つの装飾図柄12a,12b,12cが揃った状態で停止しなかった場合には、ハズレであることが報知される。
画像表示器12は、図柄変動演出を開始してから停止させるまでの間に、様々な遊技演出を行うこともある。例えば、通常の図柄変動演出からノーマルリーチ状態の通常のリーチ演出を行ったり、またノーマルリーチ状態の通常のリーチ演出から遊技者に操作ボタン6の操作を促す操作演出を行ったりすることもある。更に画像表示器12は、操作演出を行っているときに遊技者がボタン操作を行って成功すると、ノーマルリーチ状態の通常のリーチ演出を発展的に次の段階に移行させて、特定のキャラクタなどが出現して目的となるアクションが達成できるか否かを表示する各種発展演出を行ったりすることもある。
また画像表示器12は、その画面下部に、第1始動口13遊技球が入賞したことによる保留数を表示する第1保留表示部12dと、第2始動口14遊技球が入賞したことによる保留数を表示する第2保留表示部12eとを有している。例えば第1保留表示部12d及び第2保留表示部12eはそれぞれ最大4つの保留を表示することが可能である。
センター役物11には、画像表示器12の他、図示を省略する盤面ランプや可動役物なども設けられる。これら盤面ランプや可動役物は、画像表示器12で行われる図柄変動演出やその他各種演出に連動して点灯したり、動作したりする。また枠ランプ7は、画像表示器12で行われる演出と連動して点灯したり、消灯したりする。したがって、画像表示器12で何らかの演出が開始されると、遊技機1の全体でそれに連動した演出が行われるようになる。尚、画像表示器12や枠ランプ7、図示を省略する盤面ランプや可動役物などは、遊技機1で様々な演出を行うために設けられた演出手段である。
アウト口23は、遊技盤10の中央最下部に設けられており、上述した各種入賞口のいずれにも入賞しなかった遊技球をアウト球として遊技盤10の背面側へ排出する。
◇遊技機の制御機構◇
次に図2は、遊技盤10の背面側に取り付けられる遊技機1の制御機構を示すブロック図である。遊技盤10の背面側には、遊技機1の主たる動作を制御する主制御基板30と、主制御基板30から出力される信号やコマンドに基づいて各部を制御するサブ制御基板31とが設けられている。サブ制御基板31は、例えば図2に示すように、払出制御基板32、演出制御基板33、画像制御基板34、ランプ制御基板35等で構成される。これらサブ制御基板31のうち、演出制御基板33、画像制御基板34及びランプ制御基板35は、演出制御手段として設けられたものである。
主制御基板30は、遊技機1における遊技の進行などを統括的に制御するものであり、CPU30aとROM30bとRAM30cとを有する。この主制御基板30には、遊技球が第1始動口13に入賞したことを検知する第1始動口スイッチ41、遊技球が第2始動口14に入賞したことを検知する第2始動口スイッチ42、スルーゲート16に遊技球が通過したことを検知するスルーゲートスイッチ43、電動チューリップ14aを開閉させる電チューソレノイド44、大入賞口15を開閉駆動する大入賞口ソレノイド45、大入賞口15に遊技球が入賞したことを検知する大入賞口スイッチ46のそれぞれが接続されている。また主制御基板30には、図柄表示器22が接続されている。尚、図柄表示器22には、特別図柄の変動表示を行うための特別図柄表示器22aと、普通図柄の変動表示を行うための普通図柄表示器22bとが設けられている。
主制御基板30は、第1始動口スイッチ41、第2始動口スイッチ42及び大入賞口スイッチ46のそれぞれが遊技球の入賞を検知した場合、払出制御基板32に対して賞球コマンドを送出する。払出制御基板32は、CPU32aとROM32bとRAM32cとを備え、遊技盤10の背面側に設けられた払出モーター32dを制御するように構成されている。払出制御基板32は、主制御基板30から賞球コマンドを入力すると、遊技球が入賞した入賞口に応じて所定球数の払い出しを行う。
また主制御基板30は、特別遊技を行う特別遊技状態へ移行させるか否かを判定する特別遊技判定や、電動チューリップ14aを開放させるか否かを判定する普通図柄抽選を行うように構成されている。例えば遊技球がスルーゲート16を通過した場合、主制御基板30は、電動チューリップ14aを開閉するか否かを決定するための普通図柄抽選を行い、普通図柄表示器22bにおいてその普通図柄抽選の結果に基づいて普通図柄の変動表示を開始する。そして普通図柄抽選に当選した場合、主制御基板30は、普通図柄の変動表示を所定時間経過後に当選図柄で停止させ、その後、電チューソレノイド44を所定時間若しくは所定回数駆動させて電動チューリップ14aを開放させる。尚、普通図柄抽選に当選して電動チューリップ14aが開放状態になると、上述したように第2始動口14に遊技球が入球し易い状態となるため、特別遊技判定の契機となる始動条件が成立し易い状態となる。
また主制御基板30は、遊技球が第1始動口13や第2始動口14に入賞したことを検知して始動条件が成立した場合には、その入賞した始動口に応じた特別遊技判定を行い、特別図柄表示器22aにおいてその判定結果に基づく所定時間の特別図柄の変動表示を開始する。そして主制御基板30は、特別図柄表示器22aにおいて特別図柄の変動表示を開始することに伴い、その特別遊技判定の結果に応じた所定時間の図柄変動演出を行わせるべく、演出制御基板33に対して信号やコマンドなどを送出する。また遊技球が第1始動口13や第2始動口14に入賞したことを検知した時点で先の特別図柄の変動表示が終了していない場合、主制御基板30は、その入賞に伴って行うべき特別遊技判定の権利を保留する。そして先の特別図柄の変動表示が終了して次の変動表示を開始することが可能なタイミングになると、主制御基板30は、保留されている権利を消化して次の特別遊技判定を行い、その特別遊技判定の結果に基づいて次の特別図柄の変動表示を開始する。
また主制御基板30は、特別遊技判定において大当たりに当選していることが判明した場合、特別図柄の変動表示を所定時間行った後に、その大当たりの種別に応じた特別遊技を開始し、その特別遊技中の各ラウンドにおいて大入賞口ソレノイド45を駆動して大入賞口15を開放させる。また特別遊技判定においては、大当たりの他に、小当たりにも当選することがある。特別遊技判定において小当たりに当選していることが判明した場合にも、主制御基板30は、特別図柄の変動表示を所定時間行った後に、小当たりに対応した特別遊技を開始し、その特別遊技中の各ラウンドにおいて大入賞口ソレノイド45を駆動して大入賞口15を開放させる。また主制御基板30は、特別遊技を開始することに伴い、演出制御基板33に対してその特別遊技に対応した特別遊技演出(大当たり遊技演出)を行わせるべく、信号やコマンドを送出する。
演出制御基板33は、CPU33aとROM33bとRAM33cとを備えており、主制御基板30からの信号やコマンドなどに基づいて具体的な演出内容を決定し、その決定した演出の実行を制御する。つまり、演出制御基板33は、画像制御基板34及びランプ制御基板35のそれぞれを制御することにより、遊技機1において行うべき具体的な演出の実行を統括的に制御するものである。
例えば、主制御基板30によって特別遊技判定が行われて特別図柄の変動表示が所定時間行われる場合、演出制御基板33は、その所定時間の間、画像表示器12において3つの装飾図柄12a,12b,12cを変動させる図柄変動演出を行う。この図柄変動演出では、3つの装飾図柄12a,12b,12cが単に上下方向に変動するだけの通常の図柄変動演出や、そのような通常の図柄変動演出からキャラクタなどが出現する様々な予告演出に発展的に移行させる演出など、特別遊技判定の結果に応じて様々な演出が行われる。また演出制御基板33には、操作ボタン6が接続されている。そのため、演出制御基板33は、遊技者がボタン操作を行うことが可能な所定のタイミングで操作ボタン6が操作されたことを検知した場合、そのボタン操作に応じた演出を行うことも可能である。また主制御基板30によって特別遊技が行われる場合、演出制御基板33は、特別遊技判定において当選した大当たり又は小当たりに応じた特別遊技演出の実行を制御する。
画像制御基板34は、CPU34aとROM34bとRAM34cとVRAM34dとを備えており、画像表示器12に表示する画像を制御するものである。この画像制御基板34は、演出制御基板33からの指示に基づいて3つの装飾図柄12a,12b,12cを変動させる図柄変動演出を開始すると共に、その図柄変動演出をリーチ演出に移行させたり、様々な発展演出へと移行させたりする。また画像制御基板34は、演出制御基板33からの指示に基づいて特別遊技中に現在のラウンドのラウンド表示を行ったり、動画像などの特別遊技演出画像を表示したりする。この画像制御基板34においてVRAM34dは、画像表示器12に表示するための画像を書き込むメモリである。CPU34aはこのVRAM34dに対して背景画像表示処理、装飾図柄表示処理、キャラクタ画像表示処理などの各種処理を実行することにより、画像表示器12に対して、背景画像、装飾図柄画像、キャラクタ画像などを重畳的に表示して最前面の画像を遊技者に視認させることができる。また画像制御基板34は、スピーカー8から演出用の効果音などを発生させるように構成されている。
ランプ制御基板35は、CPU35aとROM35bとRAM35cとを備えており、演出制御基板33からの指示に基づいて枠ランプ7や可動役物駆動部24などを制御することにより、センター役物11に設けられた盤面ランプや枠ランプ7を点灯させたり、可動役物などを動作させたりする。
◇主制御基板の具体的構成例◇
図3は、主制御基板30における主たる機能構成を模式的に示したブロック図である。主制御基板30のRAM30cには、遊技データ格納部61と、保留記憶部62とが設けられる。遊技データ格納部61は、大当たり乱数や図柄乱数、変動パターン乱数、リーチ乱数などの各種乱数を遊技データとして格納するものである。遊技データ格納部61に格納される各種乱数は、それぞれ予め定められた範囲内の値を採り得る乱数であり、その値が図示を省略する乱数更新部によって逐次更新される。そのため、遊技データ格納部61から遊技データが読み出されるタイミングによって、各種乱数の値がランダムに異なる値となる。尚、遊技データ格納部61には、普通図柄抽選に用いられる普通図柄乱数なども遊技データとして格納される。一方、保留記憶部62は、遊技データ取得部51によって遊技データ格納部61から読み出された遊技データを所定の上限数まで記憶して特別遊技判定の権利を一時的に保留しておくための記憶領域である。
主制御基板30のROM30bには、判定テーブル63と、変動パターンテーブル64と、開放パターンテーブル65とが予め記憶されている。判定テーブル63は、特別遊技判定を行うために参照されるテーブルである。この判定テーブル63には、低確率用判定テーブルと高確率用判定テーブルとが含まれており、低確率用判定テーブルには大当たり乱数が大当たりとなる当選値として所定数の値が定められており、高確率用判定テーブルには低確率用判定テーブルよりも多くの大当たりとなる当選値が定められている。また判定テーブル63には、特別遊技判定において大当たりであると判定された場合に大当たりの種別を決定するために参照される大当たり種別決定用テーブルが含まれる。この大当たり種別決定用テーブルには、第1始動口13に入賞して取得された遊技データを判定するための第1始動口用テーブルと、第2始動口14に入賞して取得された遊技データを判定するための第2始動口用テーブルとがあり、第1始動口13に入賞して大当たりとなった場合と第2始動口14に入賞して大当たりとなった場合とで大当たりの種別が異なる割合に設定されている。
変動パターンテーブル64は、主制御基板30において特別遊技判定が行われた場合に、その判定結果を表示するための特別図柄の変動時間を決定するために参照されるテーブルである。変動パターンテーブル64には、大当たり乱数が大当たりを示す場合に参照されるテーブルや小当たりを示す場合に参照されるテーブル、リーチ乱数がリーチを示す場合に参照されるテーブルなど、複数のテーブルが含まれている。そして変動パターンテーブル64に含まれる複数のテーブルのそれぞれは、変動パターン乱数に対して特別図柄の変動時間が対応付けられたテーブルとなっている。そのため、この変動パターンテーブル64を参照すれば、特別遊技判定の結果やリーチ乱数などに対応する特別図柄の変動時間を決定することができる。また変動パターンテーブル64は、後述する遊技機1の遊技状態に応じたテーブルを有しており、遊技機1の遊技状態に応じて異なるテーブルが参照される。更に変動パターンテーブル64には、特別遊技判定において大当たりであると判定された場合に参照される大当たり用変動パターンテーブルや、小当たりであると判定された場合に参照される小当たり用変動パターンテーブルなども含まれる。
開放パターンテーブル65は、特別遊技判定において大当たりに当選した場合に行われる特別遊技において大入賞口15を開放させる開放パターンを決定するために参照されるテーブルである。この開放パターンテーブル65には、複数の開放パターンが定義されており、それら開放パターンに対して大当たりの当たり種別が対応付けられたテーブルである。そのため、特別遊技判定において大当たりに当選したことが判定されると、その大当たりの種類に基づいて開放パターンテーブル65を参照することにより、特別遊技中において大入賞口15を開放させる一の開放パターンを決定することができる。尚、特別遊技判定において小当たりに当選した場合の特別遊技状態では、大入賞口15が予め定められた開放パターンで開閉される。
主制御基板30のCPU30aは、遊技機1の動作を統括的に制御するものである。そのため、CPU30aは様々な処理部として機能する。図3にはその一部の機能が例示されており、CPU30aは、遊技データ取得部51、特別遊技判定部52、特別図柄制御部53、特別遊技制御部54、遊技状態制御部55及び補助遊技制御部56として機能する。
遊技データ取得部51は、第1始動口スイッチ41及び第2始動口スイッチ42のそれぞれが遊技球の入賞による始動条件成立を検知した場合に、そのタイミングで遊技データ格納部61から、大当たり乱数、図柄乱数、変動パターン乱数及びリーチ乱数を含む遊技データを取得する。遊技データ取得部51は、第1始動口13又は第2始動口14への入賞によって遊技データを取得すると、その遊技データを保留記憶部62に格納する。保留記憶部62は、第1始動口13への入賞によって取得された遊技データと、第2始動口14への入賞によって取得された遊技データとを区別した状態で、それぞれの遊技データを所定の上限数(例えば4つ)まで記憶することが可能である。そのため、遊技データ取得部51は、第1始動口13への入賞によって取得した遊技データを第1始動口用の保留記憶領域へ格納し、第2始動口14への入賞によって取得した遊技データを第2始動口用の保留記憶領域へ格納する。尚、それらの保留記憶領域に対して既に上限数の遊技データが格納されている場合には、遊技データ取得部51は、遊技データ格納部61から遊技データを取得する処理を行わない。
特別遊技判定部52は、保留記憶部62に記憶されて保留状態にある遊技データを読み出し、その遊技データに基づいて特別遊技判定を行う。すなわち、特別遊技判定部52は、遊技データに含まれる大当たり乱数に基づいて判定テーブル63を参照し、該大当たり乱数が大当たりの当選値に一致するか否か、或いは、小当たりの当選値に一致するか否かを判定する。上述したように判定テーブル63には高確率用判定テーブルと低確率用判定テーブルとがあり、特別遊技判定部52は、遊技データを読み出し時点での確率状態に応じて低確率用判定テーブル及び高確率用判定テーブルのいずれか一方を選択し、大当たり乱数がその選択したテーブルに定められた大当たりの当選値に一致するか否か、或いは、小当たりの当選値に一致するか否かを判定する。このような判定により、保留記憶部62から読み出した遊技データの当選又はハズレが決定する。低確率用判定テーブルは、大当たりとなる確率が例えば1/400程度に設定されたテーブルであり、高確率用判定テーブルは、通常確率用判定テーブルよりも大当たりとなる確率が高く、例えば1/68程度に設定されたテーブルである。尚、低確率用判定テーブルと高確率判定テーブルとで小当たりに当選する確率は同じであり、例えば1/100程度に設定される。
特別遊技判定部52は、特別遊技判定において大当たりであると判定した場合、さらに判定テーブルに含まれる大当たり種別決定用テーブルを参照することにより、大当たりの種別を決定する。例えば、第1始動口13に入賞して取得された遊技データに基づいて大当たりであると判定した場合、特別遊技判定部52は、大当たり種別決定用テーブルに含まれる第1始動口用テーブルを参照して大当たりの種別を決定する。また第2始動口14に入賞して取得された遊技データに基づいて大当たりであると判定した場合、特別遊技判定部52は、大当たり種別決定用テーブルに含まれる第2始動口用テーブルを参照して大当たりの種別を決定する。尚、大当たり種別決定用テーブルには、図柄乱数と大当たりの種別とが対応付けられており、特別遊技判定部52は、遊技データに含まれる図柄乱数に基づいて大当たり種別決定用テーブルを参照することにより、大当たりの種別を決定する。
また特別遊技判定部52は、特別図柄制御部53によって特別図柄の変動表示が行われているときには、保留記憶部62からの遊技データの読み出しを行わない。この場合、特別図柄制御部53によって行われている特別図柄の変動表示が終了し、次の変動表示を行うことが可能になったタイミングで、特別遊技判定部52は、保留記憶部62から遊技データの読み出しを行い、その読み出した遊技データに基づいて特別遊技判定を行う。このとき、特別遊技判定部52は、第2始動口用の保留記憶領域に遊技データが格納されていれば、その遊技データを読み出して特別遊技判定を行う。すなわち、特別遊技判定部52は、第1始動口用の保留記憶領域に格納されている遊技データよりも、第2始動口用の保留記憶領域に格納されている遊技データを優先的に読み出して保留消化を行っていくように構成されている。
特別図柄制御部53は、特別遊技判定部52による特別遊技判定が行われた場合、図柄表示器22の特別図柄表示器22aにおいて、その特別遊技判定の結果に基づく特別図柄の変動表示を行わせるものである。特別図柄制御部53は、現在の遊技状態、特別遊技判定の結果、特別遊技判定部52が保留記憶部62から読み出した変動パターン乱数などに基づいて変動パターンテーブル64を参照し、特別図柄の変動時間を決定する。そして特別図柄制御部53は、特別図柄の変動表示を開始させ、その決定した変動時間が経過するまでの間、特別図柄表示器22aにおいて特別図柄の変動表示を継続させる。その後、変動時間が経過すると、特別図柄制御部53は、特別図柄の変動表示を停止させ、特別遊技判定の結果に応じた停止図柄を特別図柄表示器22aに表示させる。例えば、特別遊技判定において大当たりであると判定された場合、特別図柄制御部53は、特別図柄の変動表示を行った後、特別遊技判定部52において決定された大当たりの種別に対応する停止図柄を特別図柄表示器22aに表示させる。
特別遊技制御部54は、特別遊技判定部52による特別遊技判定において大当たり又は小当たりに当選し、遊技機1を特別遊技状態へ移行させることが決定された場合に機能するものである。特別遊技制御部54は、特別遊技判定部52で大当たり又は小当たりであることが判定されてから特別図柄制御部53による特別図柄の変動表示が停止した後に機能し、特別遊技状態において大入賞口15を開閉させる特別遊技を制御する。すなわち、特別遊技制御部54は、特別遊技判定部52において大当たりであると判定された場合、その大当たりの種別に応じて開放パターンテーブル65を参照し、特別遊技状態において大入賞口15を開放する開放パターンを決定し、その決定した開放パターンに基づいて大入賞口ソレノイド45を駆動することにより、大入賞口15を開閉させて特別遊技を行う。また特別遊技制御部54は、特別遊技判定部52において小当たりであると判定された場合、予め定められた所定の開放パターンに基づいて大入賞口ソレノイド45を駆動することにより、大入賞口15を開閉させて特別遊技を行う。特別遊技制御部54は、特別遊技状態において大入賞口スイッチ46が遊技球の入賞を検知したか否かを判断するように構成されており、大入賞口15への入賞が検知されると、それに基づき払出制御基板32へ賞球コマンドを送出する。
遊技状態制御部55は、遊技機1の遊技状態を制御するものである。遊技機1の遊技状態には、特別遊技判定において大当たりに当選する確率に関する遊技状態(確率状態)と、遊技の進行に関する遊技状態(遊技進行状態)との2種類がある。ここで確率に関する遊技状態には、特別遊技判定において通常確率(第1の確率)で大当たりであると判定される低確率状態と、特別遊技判定において通常確率よりも高い高確率(第2の確率)で大当たりであると判定される高確率状態との2つの状態がある。また遊技の進行に関する遊技状態には、通常遊技状態と、時短遊技状態と、確変遊技状態と、潜伏確変遊技状態(以下、潜確遊技状態という。)との4つの状態がある。さらに本実施形態では、後述するように時短遊技状態として、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態及び第3時短遊技状態の3つの遊技状態がある。
通常遊技状態における確率状態は通常確率(第1の確率)である。また確変遊技状態及び潜確遊技状態における確率状態は高確率(第2の確率)である。これに対し、時短遊技状態(第1時短遊技状態、第2時短遊技状態及び第3時短遊技状態を含む)の確率状態は、通常確率(第1の確率)のときもあれば、高確率(第2の確率)のときもある。
遊技状態制御部55は、特別遊技判定において大当たりであると判定された場合、その大当たりの種類に応じて確率状態と遊技進行状態との2種類の遊技状態を、特別遊技が終了した後に変更する。また特別遊技判定において小当たりであると判定された場合、遊技状態制御部55は、確率状態及び遊技進行状態のいずれについても特別遊技開始前の状態を特別遊技終了後に変更することはない。尚、遊技状態制御部55による具体的な遊技状態の移行制御は、後に詳しく説明する。
補助遊技制御部56は、スルーゲート16を遊技球が通過した場合に普通図柄抽選を行って電動チューリップ14aを開閉させる補助遊技を制御するものである。補助遊技制御部56は、スルーゲートスイッチ43が遊技球の通過を検知すると、そのタイミングで遊技データ格納部61から普通図柄乱数を取得し、その取得した普通図柄乱数が予め定められた当選値と一致するか否かを判定することにより普通図柄抽選を行う。遊技進行状態が通常遊技状態又は潜確遊技状態である場合、普通図柄抽選において普通図柄乱数が当選値に一致する確率は低く、例えば1/10程度である。これに対し、遊技進行状態が時短遊技状態又は確変遊技状態である場合、普通図柄抽選において普通図柄乱数が当選値に一致する確率は高く、例えば9/10程度である。すなわち、普通図柄抽選に当選する確率は、遊技進行状態に応じて変化し、遊技進行状態が時短遊技状態又は確変遊技状態であるときには、通常遊技状態又は潜確遊技状態であるときよりも当選する確率が高くなる。
補助遊技制御部56は、普通図柄抽選を行うと、その後、図柄表示器22の普通図柄表示器22bにおいて普通図柄の変動表示を所定時間行い、所定時間経過後に普通図柄の抽選結果を普通図柄表示器22bに表示させる。普通図柄乱数が当選値に一致して普通図柄抽選に当選している場合、補助遊技制御部56は、普通図柄の変動表示を行った後に当選図柄を表示させ、その後、電チューソレノイド44を駆動して電動チューリップ14aを左右方向へ開放させる補助遊技を行う。これに対し、普通図柄抽選に当選しなかった場合、補助遊技制御部56は、普通図柄の変動表示を行った後にハズレ図柄を表示させて普通図柄抽選に伴う処理を終了する。
また補助遊技制御部56は、遊技進行状態に応じて、普通図柄の変動時間及び普通図柄抽選に当選した場合の電動チューリップ14aの開放時間を変化させる。例えば遊技進行状態が時短遊技状態又は確変遊技状態である場合、補助遊技制御部56は、普通図柄の変動時間を3秒程度の比較的短い時間に設定すると共に、普通図柄抽選に当選した場合の電動チューリップ14aの開放時間を3.5秒程度の比較的長い時間に設定する。これに対し、遊技進行状態が通常遊技状態又は潜確遊技状態である場合、補助遊技制御部56は、普通図柄の変動時間を29秒程度の比較的長い時間に設定すると共に、普通図柄抽選に当選した場合の電動チューリップ14aの開放時間を0.2秒程度の比較的短い時間に設定する。したがって、時短遊技状態及び確変遊技状態は、通常遊技状態及び潜確遊技状態と比較すると、第2始動口14に遊技球が入球し易い遊技状態であり、特別遊技判定の契機となる始動条件が成立し易い遊技状態である。
◇大当たりの種類と遊技状態◇
図4は、特別遊技判定において当選する大当たりの種類を示す図である。図4(a)は、第1始動口13に遊技球が入賞して大当たりとなった場合に発生する大当たり種別の割合を示しており、図4(b)は、第2始動口14に遊技球が入賞して大当たりとなった場合に発生する大当たり種別の割合を示している。まず第1始動口13に入賞して取得された遊技データが大当たりであると判定した場合、特別遊技判定部52は、図4(a)に示すように、確変大当たりA,B,C,D,E,F,G及び通常大当たりA,B,Cの10種類の大当たりの中から、図柄乱数に基づいて1つの大当たりを決定する。ここで確変大当たりは、特別遊技終了後の確率状態が高確率状態へ移行する大当たりである。特別遊技終了後に高確率状態へ移行した場合、その高確率状態は、次の大当たりに当選するまで継続する。これに対し、通常大当たりは、特別遊技終了後の確率状態が低確率状態へ移行する大当たりである。特別遊技終了後に低確率状態へ移行した場合、その低確率状態は、次の大当たりに当選するまで継続する。尚、遊技機1の電源投入時における確率状態は低確率状態である。第1始動口14に遊技球が入賞して大当たりとなる場合、確変大当たりA,B,Cがそれぞれ5%、確変大当たりDが30%、確変大当たりEが15%、確変大当たりFが15%、確変大当たりGが7%、通常大当たりAが7%、通常大当たりBが6%、通常大当たりCが5%、の割合で発生する。したがって、特別遊技終了後の確率状態が高確率状態となる割合は全体で82%となっており、特別遊技終了後の確率状態が低確率状態となる割合は全体で18%となっている。
次に第2始動口14に入賞して取得された遊技データが大当たりであると判定した場合、特別遊技判定部52は、図4(b)に示すように、確変大当たりA,B,C,D及び通常大当たりA,B,Cの7種類の大当たりの中から、図柄乱数に基づいて1つの大当たりを決定する。ここで、確変大当たりA,B,C,D及び通常大当たりA,B,Cは、図4(a)及び(b)において互いに共通する大当たりである。そして第2始動口14に入賞して大当たりとなる場合、確変大当たりE,F,Gが発生する割合は0である。また第2始動口14に入賞して大当たりとなる場合、確変大当たりA,B,Cがそれぞれ5%、確変大当たりDが67%、通常大当たりAが7%、通常大当たりBが6%、通常大当たりCが5%、の割合で発生する。したがって、特別遊技終了後の確率状態が高確率状態となる割合は全体で82%であり、特別遊技終了後の確率状態が低確率状態となる割合は全体で18%である。つまり、第1始動口13に入賞して大当たりとなる場合と、第2始動口14に入賞して大当たりとなる場合とで、特別遊技終了後の確率状態が高確率状態となる割合は同じ割合となっている。
次に大当たりに当選した場合の特別遊技状態において大入賞口15が開放されるラウンド数について説明する。図5は、特別遊技状態において大入賞口15が開放されるラウンド数の一例を示す図である。特別遊技判定において大当たりに当選した場合、特別遊技状態において大入賞口15が開放される全ラウンド数は16であり、大当たり種別に応じてロング開放ラウンドとショート開放ラウンドの数が異なる特別遊技が行われる。例えば、確変大当たりA,B,Cと通常大当たりA,B,Cでは、ロング開放ラウンド数が4に設定され、ショート開放ラウンド数が12に設定される。そのため、確変大当たりA,B,C又は通常大当たりA,B,Cに当選した場合の特別遊技状態では、大入賞口15が開放状態となる16ラウンド分のうちの4ラウンド分がロング開放ラウンドとなり、12ラウンド分がショート開放ラウンドとなる。したがって、遊技者は、特別遊技状態において実質的に4ラウンド分の賞球を獲得することができる。また確変大当たりD,Gでは、ロング開放ラウンド数が16に設定され、全てのラウンドがロング開放ラウンドとなる。これに対し、確変大当たりE,Fでは、ロング開放ラウンド数が0に設定され、ショート開放ラウンド数が16に設定されるので、全てのラウンドがショート開放ラウンドとなる。したがって、確変大当たりE,Fの場合の特別遊技は、遊技者が実質的に賞球を獲得することが困難な特別遊技である。一方、小当たりの場合には、ラウンドは設定されていない。ただし、小当たりの場合の特別遊技では、確変大当たりE,Fに当選した場合の特別遊技と同様の態様で大入賞口15が16回開閉される。
ここで確変大当たりA,B,C及び通常大当たりA,B,Cは、特別遊技として同じ遊技が行われる点で互いに共通しているが、これらは特別遊技が終了した後の遊技状態がそれぞれ異なる大当たりである。また確変大当たりE,F及び小当たりについても特別遊技として同じ遊技が行われる点で互いに共通しているが、これらは特別遊技が終了した後の遊技状態がそれぞれ異なる当たりである。さらに確変大当たりD,Gは、特別遊技として同じ遊技が行われる点で互いに共通しており、しかも特別遊技が終了した後の遊技状態も互いに共通している。これらの確変大当たりD,Gが互いに異なる点は、特別遊技判定が行われてから特別遊技が終了するまでの間に行われる演出にある。例えば、確変大当たりDの場合には、特別遊技判定が行われた後の特別図柄の変動表示中に確変大当たりであることを報知する演出が行われるのに対し、確変大当たりGの場合には、特別図柄の変動表示中に確変大当たりであることは報知されず、その後の特別遊技状態において確変大当たりであることを報知する演出が行われる。
図6は、特別遊技終了後における遊技進行状態を示す図である。図6に示すように、確変大当たりAに当選して特別遊技が行われると、その特別遊技終了後の遊技状態は、第1時短遊技状態ST1となる。この第1時短遊技状態ST1は、特別遊技終了後の特別図柄の変動回数が10回となるまで継続する。そして特別遊技終了後の特別図柄の変動回数が10回になると、それ以後の遊技状態が確変遊技状態ST4へと移行する。この確変遊技状態ST4は、次回の大当たり当選まで継続する。
確変大当たりBに当選して特別遊技が行われた場合、特別遊技終了後の遊技状態は、第2時短遊技状態ST2となる。この第2時短遊技状態ST2は、特別遊技終了後の特別図柄の変動回数が20回となるまで継続する。そして特別遊技終了後の特別図柄の変動回数が20回になると、それ以後の遊技状態が確変遊技状態ST4へと移行する。この確変遊技状態ST4は、次回の大当たり当選まで継続する。
確変大当たりCに当選して特別遊技が行われた場合、特別遊技終了後の遊技状態は、第3時短遊技状態ST3となる。この第3時短遊技状態ST3は、特別遊技終了後の特別図柄の変動回数が30回となるまで継続する。そして特別遊技終了後の特別図柄の変動回数が30回になると、それ以後の遊技状態が確変遊技状態ST4へと移行する。この確変遊技状態ST4は、次回の大当たり当選まで継続する。このように確変大当たりA,B,Cは、特別遊技終了後の遊技状態が時短遊技状態へ移行する点で互いに共通しているが、それぞれの時短遊技が継続する期間が互いに異なるものである。
確変大当たりDでは、例えば特別遊技判定が行われた後の特別図柄の変動表示中に、確変大当たりに当選したことを示す演出(高確率演出)が行われ、特別遊技終了後の遊技状態が確変遊技状態ST4となる。この確変遊技状態ST4は、次回の大当たり当選まで継続する。
確変大当たりEでは、例えば特別遊技判定が行われた後の特別図柄の変動表示中及びその後の特別遊技中において確変遊技状態ST4へ移行することを示す演出(いわゆる突確演出)が行われ、特別遊技終了後の遊技状態が確変遊技状態ST4となる。この確変遊技状態ST4は、次回の大当たり当選まで継続する。確変大当たりEの特別遊技では、上述したように遊技者は賞球を獲得することが困難であるため、遊技者にとっては大当たりを経由せずに突然に確変遊技状態ST4へ移行したかのような印象を抱く。そのため、確変大当たりEは、いわゆる突確大当たりである。
確変大当たりFでは、例えば特別遊技判定が行われた後の特別図柄の変動表示中及びその後の特別遊技中において後述する潜伏遊技モードへ移行することを示す演出が行われ、特別遊技終了後の遊技状態が潜確遊技状態ST6となる。この潜確遊技状態ST6は、次回の大当たり当選まで継続する。
確変大当たりGでは、例えば特別遊技判定が行われた後の特別図柄の変動表示中に確変大当たりに当選したことを明示しない演出が行われた後、特別遊技中の所定ラウンド目で確変大当たりであることを示す演出が行われ、特別遊技終了後の遊技状態が確変遊技状態ST4となる。この確変遊技状態ST4は、次回の大当たり当選まで継続する。これらの確変大当たりA〜Gが発生すると、特別遊技終了後の確率状態が高確率状態となっており、次回の大当たりに当選する確率は通常大当たりA,B,Cに当選した場合よりも高くなる。
一方、通常大当たりAに当選して特別遊技が行われると、その特別遊技終了後の遊技状態は、第1時短遊技状態ST1となる。この第1時短遊技状態ST1は、特別遊技終了後の特別図柄の変動回数が10回となるまで継続する。そして特別遊技終了後の特別図柄の変動回数が10回になると、それ以後の遊技状態が通常遊技状態ST5へと移行する。この通常遊技状態ST5は、次回の大当たり当選まで継続する。すなわち、通常大当たりAに当選した場合には、特別遊技終了後の特別図柄の変動回数が10回となるまで確変大当たりAと同じ第1時短遊技状態ST1が行われる。
通常大当たりBに当選して特別遊技が行われると、その特別遊技終了後の遊技状態は、第2時短遊技状態ST2となる。この第2時短遊技状態ST2は、特別遊技終了後の特別図柄の変動回数が20回となるまで継続する。そして特別遊技終了後の特別図柄の変動回数が20回になると、それ以後の遊技状態が通常遊技状態ST5へと移行する。この通常遊技状態ST5は、次回の大当たり当選まで継続する。すなわち、通常大当たりBに当選した場合には、特別遊技終了後の特別図柄の変動回数が20回となるまで確変大当たりBと同じ第2時短遊技状態ST2が行われる。
通常大当たりCに当選して特別遊技が行われると、その特別遊技終了後の遊技状態は、第3時短遊技状態ST2となる。この第3時短遊技状態ST2は、特別遊技終了後の特別図柄の変動回数が30回となるまで継続する。そして特別遊技終了後の特別図柄の変動回数が30回になると、それ以後の遊技状態が通常遊技状態ST5へと移行する。この通常遊技状態ST5は、次回の大当たり当選まで継続する。すなわち、通常大当たりBに当選した場合には、特別遊技終了後の特別図柄の変動回数が30回となるまで確変大当たりCと同じ第3時短遊技状態ST3が行われる。これらの通常大当たりA〜Cが発生すると、特別遊技終了後の確率状態が低確率状態となっており、次回の大当たりに当選する確率は確変大当たりA〜Gに当選した場合よりも低くなる。
また小当たりに当選して特別遊技が行われると、その特別遊技終了後の遊技状態は、通常遊技状態ST5となる。例えば、小当たりであると判定された特別遊技判定が行われた後の特別図柄の変動表示中及びその後の特別遊技中において後述する潜伏遊技モードへ移行することを示す演出が行われ、特別遊技終了後の遊技状態が通常遊技状態ST5となる。この通常遊技状態ST5は、次回の大当たり当選まで継続する。ここで、小当たりに当選して特別遊技が行われた場合であっても、次回の大当たりに当選する確率状態については特別遊技が行われる前と変化しない。そのため、高確率状態において小当たりに当選した場合には特別遊技終了後においてもその高確率状態が維持されると共に、低確率状態において小当たりに当選した場合には特別遊技終了後においてもその低確率状態が維持される。
図7及び図8は、上述した各遊技状態において特別図柄制御部53が特別図柄の変動表示を行う際に参照する変動パターンテーブルの概念を示す図である。図7(a)は、第1時短遊技状態ST1の変動パターンテーブルの概念である。第1時短遊技状態ST1の変動パターンテーブルでは、特別遊技終了後の特別図柄の変動回数が所定回数目(10回目)となるときに参照されるテーブルと、所定回数目とはならないときに参照されるテーブルとが異なるテーブルとなっている。具体的に説明すると、特別遊技終了後の特別図柄の変動回数が1回目から9回目のときには特別遊技判定において通常ハズレと判定されると、変動時間が3秒となる変動パターンが選択される。また変動回数が1回目から9回目のときにはリーチとなる確率が1/10に設定される。尚、リーチ後にハズレになる場合の変動時間は、通常ハズレのときの3秒よりも長くなる。これに対し、特別遊技終了後の特別図柄の変動回数が10回目のときには特別遊技判定において通常ハズレと判定されると、変動時間が10秒となる変動パターンが選択される。また変動回数が10回目のときにはリーチとなる確率が0に設定されている。そのため、第1時短遊技状態ST1において10回目となる所定回数目の特別図柄の変動表示が行われるときには、特別遊技判定において大当たり又は小当たりであると判定されない限り、変動時間は10秒固定である。
図7(b)は、第2時短遊技状態ST2の変動パターンテーブルの概念である。第2時短遊技状態ST2の変動パターンテーブルにおいても、特別遊技終了後の特別図柄の変動回数が所定回数目(10回目、20回目)となるときに参照されるテーブルと、所定回数目とはならないときに参照されるテーブルとが異なるテーブルとなっている。具体的に説明すると、特別遊技終了後の特別図柄の変動回数が1回目から9回目、及び、11回目から19回目のときには特別遊技判定において通常ハズレと判定されると、変動時間が3秒となる変動パターンが選択される。また変動回数が1回目から9回目、及び、11回目から19回目のときにはリーチとなる確率が1/10に設定される。これに対し、特別遊技終了後の特別図柄の変動回数が所定回数目、すなわち10回目及び20回目のときには、特別遊技判定において通常ハズレと判定されると、変動時間が10秒となる変動パターンが選択される。また変動回数が10回目及び20回目のときにはリーチとなる確率が0に設定されている。そのため、第2時短遊技状態ST2において10回目及び20回目となる所定回数目の特別図柄の変動表示が行われるときには、特別遊技判定において大当たり又は小当たりであると判定されない限り、変動時間は10秒固定である。
図7(c)は、第3時短遊技状態ST3の変動パターンテーブルの概念である。第3時短遊技状態ST3の変動パターンテーブルにおいても、特別遊技終了後の特別図柄の変動回数が所定回数目(10回目、20回目、30回目)となるときに参照されるテーブルと、所定回数目とはならないときに参照されるテーブルとが異なるテーブルとなっている。具体的に説明すると、特別遊技終了後の特別図柄の変動回数が1回目から9回目、11回目から19回目、及び、21回目から29回目のときには特別遊技判定において通常ハズレと判定されると、変動時間が3秒となる変動パターンが選択される。また変動回数が1回目から9回目、11回目から19回目、及び、21回目から29回目のときにはリーチとなる確率が1/10に設定される。これに対し、特別遊技終了後の特別図柄の変動回数が所定回数目、すなわち10回目、20回目及び30回目のときには、特別遊技判定において通常ハズレと判定されると、変動時間が10秒となる変動パターンが選択される。また変動回数が10回目、20回目及び30回目のときにはリーチとなる確率が0に設定されている。そのため、第3時短遊技状態ST3において10回目、20回目及び30回目となる所定回数目の特別図柄の変動表示が行われるときには、特別遊技判定において大当たり又は小当たりであると判定されない限り、変動時間は10秒固定である。
図7(d)は、確変遊技状態ST4の変動パターンテーブルの概念である。確変遊技状態ST4の変動パターンテーブルにおいては、変動回数に関係なく、特別遊技判定において通常ハズレと判定されると、変動時間が2秒となる変動パターンが選択される。またリーチとなる確率は1/30に設定される。つまり、確変遊技状態ST4では、次の大当たりを比較的早期に発生させるべく、通常ハズレ時の変動時間が時短遊技状態よりも短い時間に設定されると共に、リーチ後にハズレとなる確率が時短遊技状態よりも低く設定される。
図7(e)は、小当たり発生後を除く通常遊技状態ST5の変動パターンテーブルの概念である。通常遊技状態ST5の変動パターンテーブルにおいても、変動回数に関係なく、特別遊技判定において通常ハズレと判定されると、変動時間が13.5秒となる変動パターンが選択される。またリーチとなる確率は1/30に設定される。つまり、通常遊技状態ST5では、1回の特別図柄の変動表示中に行う演出のための時間を比較的長く確保すべく、通常ハズレ時の変動時間が時短遊技状態や確変遊技状態よりも長い時間に設定される。ただし、特別遊技判定の保留数が上限値に達している場合には、通常ハズレの場合であっても変動時間が13.5秒よりも短くなり、例えば2秒程度となる。また通常遊技状態ST5では、一定の頻度で大当たりになるかもしれないという遊技者の期待感を喚起するために、リーチ確率が確変遊技状態ST4よりも高い確率に設定されている。
図8は、潜確遊技状態ST6及び小当たり発生後の通常遊技状態ST5の変動パターンテーブルの概念を示す図である。潜確遊技状態ST6及び小当たり発生後の通常遊技状態ST5の変動パターンテーブルでは、特別遊技終了後の特別図柄の変動回数が所定回数目(10回目、20回目、30回目、50回目、70回目)となるときに参照されるテーブルと、所定回数目とはならないときに参照されるテーブルとが異なるテーブルとなっている。具体的に説明すると、特別遊技終了後の特別図柄の変動回数が1回目から9回目、11回目から19回目、21回目から29回目、31回目から49回目、及び、51回目から69回目のときには、特別遊技判定において通常ハズレと判定されると、変動時間が13.5秒となる変動パターンが選択される。また変動回数が1回目から9回目、11回目から19回目、21回目から29回目、31回目から49回目、51回目から69回目及び、71回目以降のときにはリーチとなる確率が1/10に設定される。これに対し、特別遊技終了後の特別図柄の変動回数が10回目、20回目、30回目、50回目及び70回目となる所定回数目のときには特別遊技判定において通常ハズレと判定されると、変動時間が所定回数目でないときよりも長い20秒の変動パターンが選択される。また変動回数が10回目、20回目、30回目、50回目及び70回目となる所定回数目のときにはリーチとなる確率が0に設定されている。そのため、潜確遊技状態ST6及び小当たり発生後の通常遊技状態ST5において所定回数目の特別図柄の変動表示が行われるときには、特別遊技判定において大当たり又は小当たりであると判定されない限り、変動時間は20秒固定である。
◇主制御基板の動作◇
次に、主制御基板30において行われる主たる動作手順について説明する。図9は、主制御基板30における主要動作を示すフローチャートである。主制御基板30のCPU30aは、電源投入時や電源断時などの特殊な場合を除き、通常の動作時において図9に示すフローチャートに基づく処理をタイマ割込処理として一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに繰り返し実行する。この処理が開始されると、主制御基板30は、乱数更新処理(ステップS101)、第1始動口スイッチ処理(ステップS102)、第2始動口スイッチ処理(ステップS103)、ゲートスイッチ処理(ステップS104)、各種スイッチ処理(ステップS105)、賞球処理(ステップS106)、特別図柄処理(ステップS107)、大入賞口処理(ステップS108)、普通図柄処理(ステップS109)、電動チューリップ(電チュー)処理(ステップS110)、及び、出力処理(ステップS111)を一連の処理として順次実行し、それら一連の処理が終了すると、その後は初期値乱数更新処理(ステップS112)を繰り返し実行する。その後、時間が経過し、再びタイマによる割込が発生することにより、再び乱数更新処理(ステップS101)以降の処理の実行を開始する。以降このような処理が繰り返される。
乱数更新処理(ステップS101)では、RAM30cの遊技データ格納部61に格納されている大当たり乱数、図柄乱数、変動パターン乱数、リーチ乱数などの各種乱数の値が更新される処理が行われる。第1始動口スイッチ処理(ステップS102)では、上述の遊技データ取得部51が第1始動口スイッチ41の状態を監視し、第1始動口13に入球した遊技球が所定の領域を通過することによって第1始動口スイッチ41がオンとなった場合に遊技データ格納部61から遊技データを取得する処理が行われる。第2始動口スイッチ処理(ステップS103)では、遊技データ取得部51が第2始動口スイッチ42の状態を監視し、第2始動口14に入球した遊技球が所定の領域を通過することによって第2始動口スイッチ42がオンとなった場合に遊技データ格納部61から遊技データを取得する処理が行われる。ゲートスイッチ処理(ステップS104)では、補助遊技制御部56がスルーゲートスイッチ43の状態を監視し、スルーゲート16を遊技球が通過してスルーゲートスイッチ43がオンとなった場合に普通図柄を抽選するために普通図柄乱数を取得する処理が行われる。各種スイッチ処理(ステップS105)では、その他全てのスイッチ(例えば大入賞口スイッチなど)からの信号を入力する処理が行われる。賞球処理(ステップS106)では、各種入賞口への入賞数を計数し、その計数値に基づいて賞球コマンドを設定する処理が行われる。特別図柄処理(ステップS107)では、特別遊技判定部52及び特別図柄制御部53による特別遊技判定処理及びその特別遊技判定の結果に基づく特別図柄の変動表示処理などが行われると共に、遊技状態制御部55による遊技状態(遊技進行状態)を移行させる処理も行われる。大入賞口処理(ステップS108)では、特別遊技状態において大入賞口15を開放させる特別遊技の動作が制御される。普通図柄処理(ステップS109)では、補助遊技制御部56による普通図柄変動処理及び普通図柄の変動に伴う処理が行われる。電動チューリップ処理(ステップS110)では、補助遊技制御部56による電動チューリップ14aの開閉動作制御が行われる。また出力処理(ステップS111)では、主制御基板30から払出制御基板32及び演出制御基板33のそれぞれに対して制御用コマンドや遊技データなどを出力する処理が行われる。主制御基板30からサブ制御基板31へ出力されるコマンドやデータは、ステップS102〜S110の各処理において生成され、予めRAM30cにセットされているので、ステップS111の出力処理ではRAM30cにセットされたコマンドやデータを読み出して出力する。そして初期値乱数更新処理(ステップS112)では、遊技データ格納部61に格納されている大当たり乱数、図柄乱数、変動パターン乱数、リーチ乱数などの各種乱数の初期値が更新される。
図10は、第1始動口スイッチ処理(図9のステップS102)及び第2始動口スイッチ処理(図9のステップS103)の詳細を示すフローチャートである。まず図10(a)に示すように、第1始動口スイッチ処理(ステップS102)では、第1始動口13に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ41がオンになったか否かを判断する(ステップS201)。ここで第1始動口スイッチ41がオンになっていない場合には第1始動口スイッチ処理を終了する。第1始動口スイッチ41がオンになっていれば、保留記憶部62の第1始動口用の保留記憶領域に記憶されている保留数U1が上限値未満か否かを判断する(ステップS202)。図例の場合、上限値を4個としている。そして保留数U1が上限値に達している場合には(ステップS202でNO)、それ以上保留数を増加させることができないので、第1始動口スイッチ処理を終了する。一方、保留数U1が上限値未満である場合(ステップS202でYES)、保留数U1の値を1加算する(ステップS203)。そして第1始動口13への入賞による始動条件成立を契機として遊技データを遊技データ格納部61から読み出し、その遊技データに含まれる各種乱数の値を保留記憶部62の第1始動口用の保留記憶領域に格納する(ステップS204)。このとき読み出した大当たり乱数の値によって、「大当たり」であるか又は「ハズレ」であるかが確定する。また「大当たり」である場合、読み出した図柄乱数の値によってその大当たりの種別が確定する。そして主制御基板30は、読み出した各種乱数を含む遊技データを演出制御基板33に送信するための送信用遊技データとしてセットする(ステップS205)。このときセットする送信用遊技データには、第1始動口13へ入賞したことによって取得した遊技データであることを示す情報が付与される。そして遊技データのセットが完了すれば、第1始動口スイッチ処理を終了する。
次に図10(b)に示すように、第2始動口スイッチ処理(図9のステップS103)では、第2始動口14に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ42がオンになったか否かを判断する(ステップS301)。ここで第2始動口スイッチ42がオンになっていない場合には第2始動口スイッチ処理を終了する。第2始動口スイッチ42がオンになっていれば、保留記憶部62の第2始動口用の保留記憶領域に記憶されている保留数U2が上限値未満か否かを判断する(ステップS302)。図例の場合、上限値を4個としている。そして保留数U2が上限値に達している場合には(ステップS302でNO)、それ以上保留数を増加させることができないので、第2始動口スイッチ処理を終了する。一方、保留数U2が上限値未満である場合(ステップS302でYES)、保留数U2の値を1加算する(ステップS303)。そして第2始動口14への入賞による始動条件成立を契機として遊技データを遊技データ格納部61から読み出し、その遊技データに含まれる各種乱数の値を保留記憶部62の第2始動口用の保留記憶領域に格納する(ステップS304)。このとき読み出した各種乱数の値により、大当たりであるか否かが確定する。そして主制御基板30は、読み出した各種乱数を含む遊技データを演出制御基板33に送信するための送信用遊技データとしてセットする(ステップS305)。このときセットする送信用遊技データには、第2始動口14へ入賞したことによって取得した遊技データであることを示す情報が付与される。そして遊技データのセットが完了すれば、第2始動口スイッチ処理を終了する。
次に図11は、ゲートスイッチ処理(図9のステップS104)の詳細を示すフローチャートである。この処理ではまず、スルーゲート16を遊技球が通過してスルーゲートスイッチ43がオンになったか否かを判断する(ステップS401)。スルーゲートスイッチ43がオンになっていない場合にはゲートスイッチ処理を終了する。スルーゲートスイッチ43がオンになっていれば、普通図柄抽選の保留数Gが上限値未満か否かを判断する(ステップS402)。図例の場合、上限値を4個としている。そして保留数Gが上限値に達している場合には(ステップS402でNO)、それ以上保留数を増加させることができないので、ゲートスイッチ処理を終了する。一方、保留数Gが上限値未満である場合(ステップS402でYES)、保留数Gの値を1加算する(ステップS403)。そして遊技球がスルーゲート16を通過したことによる普通図柄の抽選のための普通図柄乱数を読み出し、その乱数値を、RAM30cに格納する(ステップS404)。尚、このとき読み出される乱数の値により、遊技球がスルーゲート16を通過したことによる普通図柄抽選の当否が確定する。
次に図12は、特別図柄処理(図9のステップS107)の詳細を示すフローチャートである。この処理ではまず、遊技機1の現在の状態が特別遊技の実行中であるか否かを判断する(ステップS501)。特別遊技実行中であれば、その特別遊技が終了するまで新たな特別図柄の変動表示を行うことができないため、特別図柄の変動処理を開始することなく特別図柄処理を終了する(ステップS501でYES)。これに対し、特別遊技実行中でない場合(ステップS501でNO)、主制御基板30は、遊技機1の現在の状態が特別図柄の変動表示中であるか否かを判断する(ステップS502)。特別図柄の変動表示中でない場合(ステップS502でNO)、保留数U2が1以上であるか否かを判断する(ステップS503)。保留数U2が1以上である場合(ステップS503でYES)、主制御基板30は、保留記憶部62の第2始動口用の保留記憶領域において最も先に記憶された遊技データを読み出し(ステップS504)、その保留数U2の値を1減算する(ステップS505)。そして第2始動口用の保留記憶領域に記憶されている他の保留の記憶領域を順にシフトさせる(ステップS506)。
一方、保留数U2が0である場合(ステップS503でNO)、主制御基板30は、保留数U1が1以上であるか否かを判断する(ステップS507)。保留数U1が1以上である場合(ステップS507でYES)、主制御基板30は、保留記憶部62の第1始動口用の保留記憶領域において最も先に記憶された遊技データを読み出し(ステップS508)、その保留数U1の値を1減算する(ステップS509)。そして第1始動口用の保留記憶領域に記憶されている他の保留の記憶領域をシフトさせる(ステップS510)。また保留数U1が0である場合(ステップS507でNO)は、特別遊技判定の権利となる保留が記憶されていないことを意味するため、特別図柄の変動表示を開始せずに処理を終了する。
ステップS504とステップS508のいずれか一方で遊技データの読み出しが行われた場合、その読み出した遊技データに基づく特別遊技判定のための処理(ステップS511〜S517)へと進む。すなわち、主制御基板30は、まず現在の遊技機1の遊技状態(確率状態)が高確率状態であるか否かを判断し(ステップS511)、高確率状態であれば高確率用判定テーブルを選択して読み出し(ステップS512)、高確率状態でなければ低確率用判定テーブルを選択して読み出す(ステップS513)。そして遊技者に有利な特別遊技を行うか否かを判定するための特別遊技判定処理を実行する(ステップS514)。この特別遊技判定処理(ステップS514)では、ステップS504又はS508で読み出された遊技データに含まれる大当たり乱数に基づき大当たりの当否が判定されると共に、その判定結果に基づいて特別図柄の変動表示を行う変動時間が決定される。尚、この特別遊技判定処理の詳細については後述する。
主制御基板30は、特別遊技判定処理(ステップS514)を行った後、その特別遊技判定処理で決定された変動時間に対応して装飾図柄12a,12b,12cの変動表示を含む図柄変動演出を演出制御基板33に行わせるための変動開始コマンドをRAM30cにセットする(ステップS515)。そして主制御基板30は、特別図柄表示器22aにおける特別図柄の変動表示を開始し(ステップS516)、その変動表示を変動時間が経過するまで継続させるために、変動時間の計測を開始する(ステップS517)。
一方、ステップS502において特別図柄の変動表示中であった場合(ステップS502でYES)、主制御基板30は、その変動時間が終了したか否かを判断する(ステップS518)。ここでは特別図柄の変動表示開始に伴いステップS517で計測が開始された変動時間が特別遊技判定処理(ステップS514)で決定された変動時間に達したか否かが判断される。そして変動時間が終了していなければ(ステップS518でNO)、特別図柄の変動表示が継続されるので、そのまま特別図柄処理を終了する。これに対し、変動時間が終了している場合(ステップS518でYES)、主制御基板30は、演出制御基板33によって行われている変動演出を停止させるための変動停止コマンドをRAM30cにセットする(ステップS519)。そして特別図柄表示器22aにおける特別図柄の変動表示を特別遊技判定の結果に対応する停止図柄で停止させ(ステップS520)、計測された変動時間をリセットする(ステップS521)。そして主制御基板30は、停止中処理(ステップS522)を実行する。尚、停止中処理の詳細については後述する。
図13は、特別遊技判定処理(図12のステップS514)の詳細を示すフローチャートである。この処理を開始すると、主制御基板30は、図12のステップS512又はS513で選択したテーブルに基づき、遊技データに含まれる大当たり乱数が大当たりであるか否かの大当たり判定を行う(ステップS531)。そして大当たりに当選していれば(ステップS532でYES)、図柄乱数に基づいて大当たりの種類を判定し(ステップS533)、更に開放パターンテーブル65を参照することにより特別遊技状態において大入賞口15を開放する際の開放パターンを決定する(ステップS534)。図柄乱数の判定を行う際には、判定対象となる図柄乱数が第1始動口用の保留記憶領域から読み出された乱数である場合と、第2始動口用の保留記憶領域から読み出された乱数である場合とで異なるテーブルが参照される。そして第1始動口用の保留記憶領域から読み出された図柄乱数の場合には、上述したように確変大当たりA〜G及び通常大当たりA〜Cのうちからいずれか一つの大当たりが決定される。また第2始動口用の保留記憶領域から読み出された図柄乱数の場合には、上述したように確変大当たりA〜D及び通常大当たりA〜Cのうちからいずれか一つの大当たりが決定される。そして大当たりの種類が決定されると、主制御基板30は、特別図柄の変動表示後に停止させる停止図柄として大当たりの種類に対応した特別図柄(大当たり図柄)をセットする(ステップS535)。続いて主制御基板30は、ROM30bの変動パターンテーブル64から大当たり用変動パターンテーブルを参照し(ステップS536)、変動パターン乱数などに基づいて特別図柄の変動時間を決定する(ステップS537)。その後、主制御基板30は、ステップS534で決定した一の開放パターンに基づき、その後に発生する特別遊技状態において大入賞口15を開放させるための開放パターンを予めセットしておく(ステップS538)。
また大当たりに当選していない場合(ステップS532でNO)、主制御基板30は、小当たりであるか否かを判定する(ステップS539)。小当たりに当選している場合(ステップS539でYES)、主制御基板30は、特別図柄の変動表示後に停止させる停止図柄として小当たりに対応した特別図柄(小当たり図柄)をセットする(ステップS541)。続いて主制御基板30は、ROM30bの変動パターンテーブル64から小当たり用変動パターンテーブルを参照し(ステップS542)、変動パターン乱数などに基づいて特別図柄の変動時間を決定する(ステップS543)。その後、主制御基板30は、小当たりに対して予め定められた開放パターンに基づき、その後に発生する特別遊技状態において大入賞口15を開放させるための開放パターンを予めセットしておく(ステップS544)。
また小当たりにも当選してない場合(ステップS539でNO)、主制御基板30は、変動決定処理を実行する(ステップS545)。この変動決定処理(ステップS545)では、遊技状態に応じた変動パターンが選択され、通常ハズレやリーチハズレなどの変動時間が決定される。
図14は、変動決定処理(図13のステップS545)の詳細を示すフローチャートである。主制御基板30は、この処理を開始すると、まず遊技機1の現在の遊技状態が、第1時短遊技状態ST1、第2時短遊技状態ST2及び第3時短遊技状態ST3のいずれかの時短遊技状態であるか否かを判断する(ステップS551)。時短遊技状態である場合(ステップS551でYES)、主制御基板30は、特別遊技状態が終了してからの変動回数を確認し(ステップS552)、今回の変動表示が10回目、20回目又は30回目の所定回数目であるか否かを判断する(ステップS553)。今回の変動表示が所定回数目である場合(ステップS553でYES)、主制御基板30は、所定の変動パターンを選択し(ステップS554)、その変動パターンに基づいて所定回数目に対応した特別図柄の変動時間を決定する(ステップS555)。すなわち、ステップS555では、変動パターン乱数やリーチ乱数の値にかかわらず、変動時間が10秒に決定される。これに対し、今回の変動表示が所定回数目でなかった場合(ステップS553でNO)、主制御基板30は、時短遊技用変動パターンテーブルを参照し(ステップS556)、変動パターン乱数やリーチ乱数の値に基づいて特別図柄の変動時間を決定する(ステップS557)。すなわち、ステップS557では、リーチ乱数が予め設定されたリーチを行う値に一致する場合、変動パターン乱数に対応する変動時間が決定される。またリーチ乱数がリーチを行う値に一致しなかった場合、通常ハズレとなるため、変動時間は3秒に決定される。尚、現在の遊技状態が時短遊技状態でなかった場合(ステップS551でNO)、ステップS552〜S557の処理はスキップする。
次に主制御基板30は、遊技機1の現在の遊技状態が潜確遊技状態ST6又は小当たり後の通常遊技状態ST5であるか否かを判断する(ステップS558)。潜確遊技状態ST6又は小当たり後の通常遊技状態ST5である場合(ステップS558でYES)、主制御基板30は、特別遊技状態が終了してからの変動回数を確認し(ステップS559)、今回の変動表示が10回目、20回目、30回目、50回目又は70回目の所定回数目であるか否かを判断する(ステップS560)。今回の変動表示が所定回数目である場合(ステップS560でYES)、主制御基板30は、所定の変動パターンを選択し(ステップS561)、その変動パターンに基づいて所定回数目に対応した特別図柄の変動時間を決定する(ステップS562)。すなわち、ステップS562では、変動パターン乱数やリーチ乱数の値にかかわらず、変動時間が20秒に決定される。これに対し、今回の変動表示が所定回数目でなかった場合(ステップS560でNO)、主制御基板30は、潜確遊技用変動パターンテーブルを参照し(ステップS563)、変動パターン乱数やリーチ乱数の値に基づいて特別図柄の変動時間を決定する(ステップS564)。すなわち、ステップS564では、リーチ乱数が予め設定されたリーチを行う値に一致する場合、変動パターン乱数に対応する変動時間が決定される。またリーチ乱数がリーチを行う値に一致しなかった場合、通常ハズレとなるため、変動時間は13.5秒に決定される。尚、現在の遊技状態が潜確遊技状態ST6又は小当たり後の通常遊技状態ST5でなかった場合(ステップS558でNO)、ステップS559〜S564の処理はスキップする。
次に主制御基板30は、遊技機1の現在の遊技状態が確変遊技状態ST4であるか否かを判断する(ステップS565)。確変遊技状態ST4である場合(ステップS565でYES)、主制御基板30は、確変遊技用変動パターンテーブルを参照し(ステップS566)、変動パターン乱数やリーチ乱数の値に基づいて特別図柄の変動時間を決定する(ステップS567)。このとき、通常ハズレであれば、変動時間は2秒に決定される。尚、現在の遊技状態が確変遊技状態ST4でなかった場合(ステップS565でNO)、ステップS556〜S567の処理はスキップする。
次に主制御基板30は、遊技機1の現在の遊技状態が小当たり後を除く通常遊技状態ST5であるか否かを判断する(ステップS568)。ここで、電源投入後の通常遊技状態ST5又は時短遊技状態ST1,ST2,ST3が終了した後の通常遊技状態ST5である場合にYESと判断される。その結果、小当たり後を除く通常遊技状態ST5である場合(ステップS568でYES)、主制御基板30は、通常遊技用変動パターンテーブルを参照し(ステップS569)、変動パターン乱数やリーチ乱数の値に基づいて特別図柄の変動時間を決定する(ステップS570)。このとき、通常ハズレであれば、変動時間は13.5秒に決定される。尚、現在の遊技状態が通常遊技状態ST5でなかった場合(ステップS568でNO)、ステップS569〜S570の処理はスキップする。以上で、変動決定処理(ステップS545)が終了すると共に、特別遊技判定処理(ステップS514)も終了する。
次に図15は、停止中処理(図12のステップS522)の詳細を示すフローチャートである。この処理では、特別図柄の変動表示が停止した後、遊技機1の遊技状態を特別遊技状態へ移行させたり、時短遊技状態を確変遊技状態ST4や通常遊技状態ST5へ移行させたりする処理が行われる。この停止中処理を開始すると、主制御基板30は、大当たり又は小当たりが発生して特別遊技へ移行させるか否かを判断し(ステップS571)、特別遊技へ移行させる場合(ステップS571でYES)、大当たりの種類又は小当たりに対応した特別遊技をセットする(ステップS572)。そして演出制御基板33に特別遊技に対応した演出を行わせるべく、特別遊技開始コマンドをRAM30cにセットする(ステップS573)。その後、主制御基板30は、大当たり遊技又は小当たり遊技となる特別遊技の実行を開始する(ステップS574)。
また主制御基板30は、特別遊技へ移行させないと判断した場合(ステップS571でNO)、現在の遊技状態が第1時短遊技状態ST1、第2時短遊技状態ST2及び第3時短遊技状態ST3のいずれかの時短遊技状態であるか否かを判断する(ステップS575)。その結果、時短遊技状態である場合(ステップS575でYES)、主制御基板30は、時短遊技状態を継続させる特別図柄の変動表示の残り回数であるカウント値JCを1だけデクリメントし(ステップS576)、そのカウント値JCが0になったか否かを判断する(ステップS577)。その結果、カウント値JCが0でない場合、時短遊技状態が継続するので、停止中処理を終了する。またカウント値JCが0になった場合(ステップS577でYES)、主制御基板30は、現在の確率状態が高確率状態であるか否かを判断し(ステップS578)、高確率状態であれば遊技状態を確変遊技状態ST4へ移行させ(ステップS579)、低確率状態であれば遊技状態を通常遊技状態ST5へ移行させる(ステップS580)。現在の遊技状態が時短遊技状態でなかった場合(ステップS575でNO)、停止中処理は終了する。
次に図16、図17及び図18は、大入賞口処理(図9のステップS108)の詳細を示すフローチャートである。この処理では、特別遊技が開始された後の大入賞口15の開閉動作が制御されると共に、特別遊技終了後の遊技状態が設定される。主制御基板30は、この処理を開始すると、遊技機1の現在の遊技状態が特別遊技中であるか否かを判断する(ステップS601)。特別遊技中でない場合(ステップS601でNO)、大入賞口15の開閉動作は行わないため、大入賞口処理が終了する。これに対し、特別遊技中である場合(ステップS601でYES)、主制御基板30は、遊技機1が停止中処理(図15のステップS574)で開始させた特別遊技のオープニング動作中であるか否かを判断する(ステップS602)。遊技機1がオープニング動作中である場合(ステップS602でYES)、主制御基板30は予め設定されたオープニング動作が行われるべき時間(オープニング時間)を経過したか否かを判断する(ステップS603)。オープニング時間を経過していない場合(ステップS603でNO)、オープニング動作が継続されるので大入賞口処理を終了する。
オープニング時間を経過している場合(ステップS603でYES)、主制御基板30は、大入賞口15を開放する現在のラウンド値Rに対して1加算する(ステップS604)。このラウンド値Rは、特別遊技の開始時点においては0に初期化されており、ステップS604で1を加算することによって今回行うべきラウンドの値となる。そして主制御基板30は、予めセットされている開放パターンを確認し(ステップS605)、その開放パターンに定められている今回のラウンドRにおける大入賞口15の開放時間をセットする(ステップS606)。そして主制御基板30は、今回のラウンドRに対応して大入賞口15を開放する(ステップS607)。尚、大入賞口15を開放すると、主制御基板30は、ステップS606でセットされた開放時間の計測動作を開始する。
そして主制御基板30は、大入賞口15を開放してからステップS606でセットされた開放時間が経過したか否かを判断し(ステップS608)、開放時間が経過していない場合(ステップS608でNO)には、更に開放中の大入賞口15に対して所定の上限個数の遊技球が入賞したか否かを判断する(ステップS609)。その結果、開放時間が経過しておらず、しかも入賞個数が上限値に達していない場合(ステップS609でNO)には、大入賞口15の開放状態が継続するため、大入賞口処理を終了する。
一方、開放時間が経過している場合(ステップS608でYES)、又は、大入賞口15への入賞個数が上限値に達した場合(ステップS609でYES)、主制御基板30は、現在開放中の大入賞口15を閉鎖する(ステップS610)。そして現在のラウンドRが最終ラウンドを示す値(すなわち「16」)であるか否かを判断する(ステップS611)。最終ラウンドでない場合(ステップS611でNO)には特別遊技が継続するため、そのまま大入賞口処理を終了する。
現在のラウンドRが最終ラウンドであった場合(ステップS611でYES)、主制御基板30は、特別遊技を終了させるためのステップS612以降の処理を実行する。すなわち、主制御基板30は、現在のラウンド値Rを0にリセットし(ステップS612)、特別遊技のエンディングのための時間計測を開始し(ステップS613)、エンディングが終了したか否かを判断する(ステップS14)。エンディングを開始してから所定時間が経過していないときには、エンディングが未終了であると判断し(ステップS614でNO)、大入賞口処理を終了する。またエンディングを開始してから所定時間が経過しているときには、エンディングが終了したと判断し(ステップS614でYES)、演出制御基板33に特別遊技演出を終了させるべく、特別遊技終了コマンドをセットし(ステップS615)、特別遊技状態を終了させる(ステップS616)。その後、主制御基板30は、遊技機1の遊技状態を移行させるべく、遊技状態移行処理を実行する(ステップS617)。尚、この遊技状態移行処理(ステップS617)の詳細な処理手順については後述する。
一方、ステップS602の判断において遊技機1がオープニング中でないと判断した場合(ステップS602でNO)、図17のフローチャートに進み、主制御基板30は、大入賞口15が開放中であるか否かを判断する(ステップS621)。そして開放中である場合は(ステップS621でYES)、図16に示すステップS608以降の処理を実行する。また開放中でない場合は(ステップS621でNO)、遊技機1が特別遊技のエンディング中であるか否かを判断する(ステップS622)。そしてエンディング中である場合は(ステップS622でYES)、図16に示すステップS614以降の処理を実行する。またエンディング中でない場合は(ステップS622でNO)、大入賞口15が閉鎖した後の経過時間が予め設定された各ラウンドの実施間隔(インターバル時間)を経過したか否かを判断する(ステップS623)。そしてインターバル時間を経過していない場合は(ステップS623でNO)、まだ次のラウンドを実施するタイミングではないので、大入賞口処理を終了する。これに対し、インターバル時間が経過した場合は(ステップS623でYES)、次のラウンドを実施すべく、図16に示すステップS604以降の処理を実行する。
図18は、遊技状態移行処理(図16のステップS617)の詳細を示すフローチャートである。主制御基板30は、この処理を開始すると、特別遊技終了後の確率状態を高確率状態へ移行させるか否かを判断する(ステップS631)。すなわち、特別遊技の契機となった大当たりが確変大当たりA〜Gのいずれかであれば、高確率状態となる。高確率状態へ移行させる場合(ステップS631でYES)、主制御基板30は、その後の確率状態として高確率状態をセットする(ステップS632)。また高確率状態でない場合(ステップS631でNO)、主制御基板30は、その後の確率状態として低確率状態をセットする(ステップS633)。
次に主制御基板30は遊技進行状態として時短遊技状態へ移行させるか否かを判断する(ステップS635)。すなわち、特別遊技の契機となった大当たりが確変大当たりA〜C又は通常大当たりA〜Cであれば、時短遊技状態への移行となる。時短遊技状態へ移行させる場合(ステップS635でYES)、主制御基板30は、第1時短遊技状態ST1へ移行させるか否かを判断する。すなわち、特別遊技の契機となった大当たりが確変大当たりA又は通常大当たりAであれば、第1時短遊技状態ST1への移行となる。第1時短遊技状態ST1へ移行させる場合(ステップS635でYES)、主制御基板30は、第1時短遊技状態ST1での変動回数をカウントするためのカウント値JCに対して「10」をセットする(ステップS636)。これにより、第1時短遊技状態ST1での特別図柄の変動回数が10回に設定される。また第1時短遊技状態ST1への移行でない場合(ステップS635でNO)、主制御基板30は、第2時短遊技状態ST2へ移行させるか否かを判断する。すなわち、特別遊技の契機となった大当たりが確変大当たりB又は通常大当たりBであれば、第2時短遊技状態ST2への移行となる。第2時短遊技状態ST2へ移行させる場合(ステップS637でYES)、主制御基板30は、第2時短遊技状態ST2での変動回数をカウントするためのカウント値JCに対して「20」をセットする(ステップS638)。これにより、第2時短遊技状態ST2での特別図柄の変動回数が20回に設定される。さらに第2時短遊技状態ST2への移行でもない場合(ステップS637でNO)、第3時短遊技状態ST3へ移行させることになる。すなわち、特別遊技の契機となった大当たりが確変大当たりC又は通常大当たりCであれば、第3時短遊技状態ST3への移行となる。この場合、主制御基板30は、第3時短遊技状態ST3での変動回数をカウントするためのカウント値JCに対して「30」をセットする(ステップS639)。これにより、第3時短遊技状態ST3での特別図柄の変動回数が30回に設定される。その後、主制御基板30は、遊技状態を第1時短遊技状態ST1、第2時短遊技状態ST2及び第3時短遊技状態ST3のいずれかの時短遊技状態へ移行させる(ステップS640)。
また時短遊技状態への移行でなかった場合(ステップS634でNO)、主制御基板30は潜確遊技状態ST6へ移行させるか否かを判断する(ステップS641)。すなわち、特別遊技の契機となった当たりが確変大当たりFであれば、潜確遊技状態ST6への移行となる。潜確遊技状態ST6へ移行させる場合(ステップS641YES)、主制御基板30は、遊技進行状態を潜確遊技状態ST6へ移行させる(ステップS642)。さらに潜確遊技状態ST6への移行でもなかった場合(ステップS641でNO)、主制御基板30は、遊技状態を確変遊技状態ST4へ移行させるか否かを判断する(ステップS643)。すなわち、特別遊技の契機となった当たりが確変大当たりD,E,Gであれば、確変遊技状態ST4への移行となる。確変遊技状態ST4へ移行させる場合(ステップS643でYES)、主制御基板30は、遊技進行状態を確変遊技状態ST4へ移行させる(ステップS644)。さらに確変遊技状態ST4への移行でもなかった場合(ステップS643でNO)、主制御基板30は、遊技進行状態を通常遊技状態ST5へ移行させる(ステップS645)。尚、ステップS645で通常遊技状態ST5へ移行するのは、小当たりに対応する特別遊技が行われた場合である。特別遊技の終了時に、このような遊技状態移行処理が行われることにより、特別遊技終了後の遊技状態が制御される。
次に図19は、普通図柄処理(図9のステップS109)の詳細を示すフローチャートである。この処理ではまず、遊技機1の現在の状態が補助遊技中であるか否かを判断する(ステップS701)。ここで、補助遊技中とは、普通図柄抽選に当選して電動チューリップ14aの開放動作中であることを意味している。そして補助遊技中である場合(ステップS701でYES)、主制御基板30は、普通図柄変動を開始することなく普通図柄処理を終了する。また補助遊技中でない場合(ステップS701でNO)、遊技機1の現在の状態が普通図柄の変動表示中であるか否かを判断する(ステップS702)。普通図柄が変動表示中でない場合(ステップS702でNO)、主制御基板30は普通図柄抽選の保留数Gが1以上であるか否かを判断する(ステップS703)。保留数Gが0である場合には(ステップS703でNO)、普通図柄抽選の条件となるスルーゲート16への遊技球通過が無いことを意味するため、普通図柄の変動表示を開始せずに普通図柄処理を終了する。
これに対し、保留数Gが1以上である場合(ステップS703でYES)、主制御基板30は、最先の保留に対応する遊技データ(普通図柄乱数)を読み出し(ステップS704)、保留数Gの値を1減算し(ステップS705)、他の保留を記憶している記憶領域をシフトさせる(ステップS706)。そして主制御基板30は、保留から読み出した普通図柄乱数が遊技状態に応じて予め定められた当選値であるか否かの当たり判定を行い、普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(ステップS707)。普通図柄抽選に当選すると(ステップS707でYES)、主制御基板30は、普通図柄抽選に当選したことを示す図柄(当選図柄)をRAM30cにセットする(ステップS708)。また普通図柄抽選に当選しなかった場合(ステップS707でNO)、普通図柄抽選に外れたことを示す図柄(ハズレ図柄)をRAM30cにセットする(ステップS709)。
そして主制御基板30は、遊技機1の現在の遊技状態が、第1時短遊技状態ST1、第2時短遊技状態ST2及び第3時短遊技状態ST3のいずれかの時短遊技状態、或いは、確変遊技状態ST4であるか否かを判断し(ステップS710)、時短遊技状態ST1,ST2,ST3又は確変遊技状態ST4である場合(ステップS710でYES)、普通図柄の変動時間を3秒の短時間に設定する(ステップS711)。また現在の遊技状態が時短遊技状態ST1,ST2,ST3又は確変遊技状態ST4はなく、通常遊技状態ST5又は潜確遊技状態ST6とのいずれかであると判断した場合(ステップS710でNO)、普通図柄の変動時間を29秒程度の比較的長い時間に設定する(ステップS712)。そして主制御基板30は、ステップS711又はS712でセットされた変動時間に基づき、図柄表示器22の普通図柄表示器22bにおいて普通図柄の変動表示を開始し(ステップS713)、その変動時間の計測動作を開始する(ステップS714)。
また普通図柄の変動表示中であった場合(ステップS702でYES)、主制御基板30は、普通図柄の変動時間が終了したか否かを判断する(ステップS715)。つまり、ステップS714で計測動作を開始した変動時間が、ステップS711又はS712でセットされた変動時間に達したか否かが判断される。そして変動時間が終了していない場合(ステップS715でNO)、普通図柄の変動表示が継続されるので、そのまま普通図柄処理を終了する。また変動時間が終了した場合(ステップS715でYES)、主制御基板30は、普通図柄の変動表示を停止させ、ステップS708又はS709でセットされた図柄を表示する(ステップS716)。その後、計測された変動時間をリセットする(ステップS717)。そして普通図柄抽選に当選したか否かを判断し(ステップS718)、当選していれば(ステップS718でYES)、電動チューリップ14aを開放させるための補助遊技を開始する(ステップS719)。これにより、遊技状態は、補助遊技中となる。一方、普通図柄抽選に当選していなければ(ステップS718でNO)、遊技機1の現在の状態を保持したまま普通図柄処理を終了する。
次に図20は、電動チューリップ処理(図9のステップS110(電チュー処理))の詳細を示すフローチャートである。この処理ではまず、遊技機1の現在の状態が補助遊技中であるか否かを判断する(ステップS801)。補助遊技中でない場合(ステップS801でNO)、電動チューリップ14aは開放しないため、電動チューリップ処理を終了する。補助遊技中であった場合(ステップS801でYES)、主制御基板30は、電動チューリップ14aが開放中であるか否かを判断し(ステップS802)、電動チューリップ14aが開放中でない場合には(ステップS802でNO)、更に現在の遊技状態が時短遊技状態ST1,ST2,ST3又は確変遊技状態ST4であるか否かを判断する(ステップS803)。そして時短遊技状態ST1,ST2,ST3又は確変遊技状態ST4である場合(ステップS803でYES)、主制御基板30は、電動チューリップ14aの開放時間を比較的長い3.5秒の時間に設定する(ステップS804)。また時短遊技状態ST1,ST2,ST3又は確変遊技状態ST4ではなく、通常遊技状態ST5又は潜確遊技状態ST6である場合(ステップS803でNO)、主制御基板30は、電動チューリップ14aの開放時間を極めて短い0.2秒の時間に設定する(ステップS805)。そして主制御基板30は、電動チューリップ14aを開放し(ステップS806)、開放後の経過時間の計測を開始する(ステップS807)。一方、電動チューリップ14aが既に開放中であった場合(ステップS802でYES)、ステップS803〜S807の処理をスキップする。その後、主制御基板30は、ステップS804又はS805でセットされた開放時間を経過したか否かを判断し(ステップS808)、開放時間を経過していない場合(ステップS808でNO)、電動チューリップ14aの開放状態が継続されるので、電動チューリップ処理を終了する。また開放時間を経過した場合(ステップS808でYES)、主制御基板30は、電動チューリップ14aを閉鎖状態に戻し(ステップS809)、補助遊技を終了して電動チューリップ処理を終了する(ステップS810)。
図19及び図20に示した処理により、時短遊技状態ST1,ST,2,ST3又は確変遊技状態ST4のときには、通常遊技状態ST5又は潜確遊技状態ST6のときよりも電動チューリップ14aが頻繁に、しかも長時間開放されるようになるため、第2始動口14に遊技球が入球し易くなり、特別遊技判定のための始動条件が成立し易くなる。
次に図21は、出力処理(図9のステップS111)の詳細を示すフローチャートである。この処理では、主制御基板30からサブ制御基板31に対して各種データやコマンドなどが出力される。まず主制御基板30は、送信用遊技データがセットされている場合、それを演出制御基板33に送信する(ステップS901)。尚、送信用遊技データがセットされていなければ、ステップS901の送信処理は行われない。次に変動開始コマンドがセットされていれば、それを演出制御基板33に送信し、特別図柄の変動時間に対応する時間分の演出を行うことを指示する(ステップS902)。これにより、演出制御基板33によって装飾図柄12a,12b,12cを変動させる変動演出が開始される。尚、変動開始コマンドがセットされていなければ、ステップS902の送信処理は行われない。次に変動停止コマンドがセットされていれば、それを演出制御基板33に送信し、演出制御基板33によって実行されている変動演出を停止させて特別遊技判定の結果が大当たりとなるものであるか否かを遊技者に報知させる指示を行う(ステップS903)。尚、変動停止コマンドがセットされていなければ、ステップS903の送信処理は行われない。次に特別遊技開始コマンドがセットされていれば、それを演出制御基板33に送信し、特別遊技開始に伴う演出動作の開始を指示する(ステップS904)。尚、特別遊技開始コマンドがセットされていなければ、ステップS904の送信処理は行われない。次に特別遊技終了コマンドがセットされていれば、それを演出制御基板33に送信し、特別遊技に対応した演出の終了を指示する(ステップS905)。尚、特別遊技終了コマンドがセットされていなければ、ステップS906の送信処理は行われない。次に遊技状態移行コマンドがセットされていれば、それを演出制御基板33に送信し、遊技機1の遊技状態が別の状態に移行したことを通知する(ステップS906)。この遊技状態移行コマンドは、主制御基板30によって遊技状態の移行処理が行われる都度、RAM30cにセットされるコマンドである。尚、遊技状態移行コマンドがセットされていなければ、ステップS906の送信処理は行われない。そして最後にその他各種コマンドがセットされていれば、それを演出制御基板33や払出制御基板32に送信することで、各部を制御する(ステップS907)。例えば遊技球が各種入賞口に入賞したことに伴う賞球コマンドはこのとき払出制御基板32に対して送信され、払出制御基板32によって賞球の払い出しが行われる。以上で出力処理が終了する。
◇演出モード◇
次に演出制御基板33によって制御される演出モードについて説明する。演出モードは、主制御基板30によって特別図柄の変動表示が行われるとき、その特別図柄の変動表示に連動して特別遊技判定の結果を報知するために行う演出の演出態様を定めたものである。演出制御基板33によって制御される演出モードには、主制御基板30によって制御される遊技進行状態に応じて複数の演出モードがある。図22は、演出制御基板33によって制御される演出モードを示す図である。図22に示すように演出モードには、時短遊技モードM1と、確変遊技モードM2と、潜伏遊技モードM3と、確変遊技モードM4と、通常遊技モードM5とがある。
時短遊技モードM1は、主制御基板30によって第1時短遊技状態ST1、第2時短遊技状態ST2及び第3時短遊技状態ST3のいずれかの時短遊技状態での遊技進行が行われているときに機能する演出モードである。この時短遊技モードM1は、第1時短遊技状態ST1、第2時短遊技状態ST2及び第3時短遊技状態ST3のいずれかの時短遊技状態が継続している期間中は継続され、時短遊技状態が終了することに伴って終了する。
確変遊技モードM2は、主制御基板30によって確変遊技状態ST4での遊技進行が行われているときに機能する演出モードである。この確変遊技モードM2は、確変遊技状態ST4が継続している期間中は継続され、大当たりの発生によって確変遊技状態ST4が終了することに伴い、終了する。
潜伏遊技モードM3は、主制御基板30によって潜確遊技状態ST6での遊技進行が行われているとき、又は、小当たり後の通常遊技状態ST5での遊技進行が行われているときに機能するモードである。この潜伏遊技モードM3は、確変大当たりF又は小当たりの特別遊技が終了した後、特別図柄の変動回数が70回となるまで継続し、70回目の特別図柄の変動表示が終了することに伴って終了する。確変大当たりFの特別遊技が行われた場合、70回目の特別図柄の変動表示が終了して潜伏遊技モードM3が終了すると、その後の演出モードは、確変遊技モードM4へと移行する。これに対し、小当たりの特別遊技が行われた場合、70回目の特別図柄の変動表示が終了して潜伏遊技モードM3が終了すると、その後の演出モードは、通常遊技モードM5へと移行する。
確変遊技モードM4は、主制御基板30によって潜確遊技状態ST6での遊技進行が行われているときに機能するモードである。この確変遊技モードM4は、潜確遊技状態ST6が継続している期間中は継続され、大当たりの発生によって潜確遊技状態ST6が終了することに伴い、終了する。
通常遊技モードM5は、主制御基板30によって通常遊技状態ST5での遊技進行が行われているときに機能するモードである。この通常遊技モードM5は、通常遊技状態ST5が継続している期間中は継続され、大当たりの発生によって通常遊技状態ST5が終了することに伴い、終了する。
演出制御基板33は、上記のような演出モードの制御を行うと共に、主制御基板30による遊技進行状態がどのような状態であっても、同じ演出モード下においては共通した演出を行う。例えば、主制御基板30が第1時短遊技状態ST1、第2時短遊技状態ST2及び第3時短遊技状態ST3のいずれかの時短遊技状態において遊技の進行を行っているとき、演出制御基板33は、第1時短遊技状態ST1、第2時短遊技状態ST2及び第3時短遊技状態ST3のいずれの遊技状態であるかにかかわらず、時短遊技モードM1として互いに共通した演出を行う。また主制御基板30が潜確遊技状態ST6及び小当たり後の通常遊技状態ST5のいずれかの遊技状態において遊技の進行を行っているとき、演出制御基板33は、潜確遊技状態ST6及び小当たり後の通常遊技状態ST5のいずれの遊技状態であるかにかかわらず、特別図柄の変動回数が70回となるまでは潜伏遊技モードM3として互いに共通した演出を行う。以下、このような演出制御基板33による各種の演出制御について詳しく説明する。
◇演出制御基板の構成◇
演出制御基板33は、上記のように主制御基板30から送出される各種コマンドに基づいて遊技機1で行う各種の演出の実行を制御する。例えば、演出制御基板33は、変動開始コマンドを受信することに伴い、主制御基板30で行われた特別遊技判定の結果に基づき、画像表示器12で3つの装飾図柄12a,12b,12cを変動させる図柄変動演出を開始させ、変動停止コマンドを受信することに伴い、その図柄変動演出を停止させて特別遊技判定の結果を報知する報知演出を行わせる。また演出制御基板33は、主制御基板30から遊技データを受信した場合、その遊技データが特別遊技状態へ移行させるものであるか否かの事前判定を行い、その事前判定の結果に基づいて事前示唆演出を行うことが可能である。また特別遊技開始コマンドを受信した場合、演出制御基板33は、特別遊技状態における特別遊技演出を行わせる。この特別遊技演出では、大当たりの種類や小当たりなど、特別遊技判定において判定された当たりの種類に応じた演出が行われる。また演出制御基板33は、報知演出や事前示唆演出、特別遊技演出などを行っているとき、遊技者が所定タイミングで操作ボタン6に対するボタン操作を行った場合にそのボタン操作に応じた演出を行うことも可能である。
図23は、演出制御基板33の主たる機能構成を模式的に示したブロック図である。図23に示すように、演出制御基板33は、CPU33aが所定のプログラムを実行することにより、受信データ処理部70、事前判定部71、事前示唆演出制御部72、報知演出制御部80及び特別遊技演出制御部90として機能する。
受信データ処理部70は、主制御基板30から受信するデータを解析し、その解析結果に基づいて、事前判定部71、報知演出制御部80及び特別遊技演出制御部90のいずれかを動作させる。例えば主制御基板30から遊技データを受信した場合、受信データ処理部70は、事前判定部71を動作させ、受信した遊技データを事前判定部71へ送出する。また主制御基板30から変動開始コマンドを受信した場合、受信データ処理部70は、報知演出制御部80を動作させ、受信した変動開始コマンドを報知演出制御部80へ送出し、その後、変動停止コマンドを受信すると、その変動停止コマンドを報知演出制御部80へ送出する。さらに主制御基板30から特別遊技開始コマンドを受信すると、受信データ処理部70は、特別遊技演出制御部90を動作させ、受信した特別遊技開始コマンドを特別遊技演出制御部90へ送出し、その後、特別遊技終了コマンドを受信すると、その特別遊技終了コマンドを特別遊技演出制御部90へ送出する。
また受信データ処理部70は、主制御基板30における保留状態を管理し、画像表示器12の下部における第1保留表示部12d又は第2保留表示部12eの保留表示を更新する。すなわち、主制御基板30から遊技データを受信した場合、受信データ処理部70は、その遊技データをRAM33cに格納し、第1保留表示部12d又は第2保留表示部12eにおいて新たな保留表示を表示する。そして主制御基板30から変動開始コマンドを受信すると、RAM33cに格納した遊技データを消去すると共に、第1保留表示部12d又は第2保留表示部12eにおいて表示されている保留表示を1つ消灯させることにより、保留表示を更新する。
事前判定部71は、受信データ処理部70が遊技データを取得した場合にその遊技データに基づいて事前判定を行う。事前判定は、第1始動口13又は第2始動口14に遊技球が入球して取得された遊技データの特別遊技判定がなされる前に、その遊技データが特別遊技状態へ移行させるものであるか否かを事前に判定するものである。この事前判定により、保留として記憶された遊技データが大当たり又は小当たりに当選するものであるか否か、或いは、ハズレではあるがリーチ演出が行われるものであるか否かなどを事前に判定することができる。そして事前判定部71は、事前判定の結果を事前示唆演出制御部72へ出力する。尚、本実施形態では、事前判定部71が演出制御基板33に設けられる場合を例示しているが、これに限られるものではなく、主制御基板30に事前判定部71を設け、主制御基板30が事前判定を行うものであって構わない。
事前示唆演出制御部72は、事前判定の結果に基づいて事前示唆演出を行うか否かを決定し、事前示唆演出を行うときには画像制御基板34及びランプ制御基板35を制御することにより事前示唆演出を行わせる。すなわち、事前示唆演出制御部72は、主制御基板30において特別遊技判定の権利が保留として記憶されている状態のとき、その権利に対する演出として事前示唆演出を行わせるのである。事前示唆演出制御部72が行わせる事前示唆演出には、複数種類の演出がある。そして事前示唆演出制御部72は、それら複数種類の演出を少なくとも1つ選択して、或いは、それら複数種類の演出を組み合わせて事前示唆演出を行う。尚、事前判定の結果が大当たりや小当たりではなく、ハズレであっても、事前示唆演出制御部72は、事前示唆演出を行うことがある。
報知演出制御部80は、上述した演出モードを制御する。そして報知演出制御部80は、受信データ処理部70が変動開始コマンドを受信すると、現在の演出モードに対応する複数種類の演出パターンの中から、変動開始コマンドで指定された変動時間に対応する一の演出パターンを選択し、その選択した演出パターンに基づいて画像制御基板34及びランプ制御基板35を制御することにより特別遊技判定の結果を報知するための報知演出を行わせる。この報知演出には、画像表示器12において3つの装飾図柄12a,12b,12cを変動させる図柄変動演出が含まれる。また報知演出には、リーチ演出やリーチ演出から発展的に行われる発展演出、遊技者にボタン操作を促すボタン演出などが含まれることもある。
報知演出制御部80は、通常遊技演出制御部81、確変遊技演出制御部82、時短遊技演出制御部83、潜伏遊技演出制御部85及び高確率演出制御部87を備えている。通常遊技演出制御部81は、演出モードが通常遊技モードM5のとき、すなわち遊技進行状態が通常遊技状態ST5のときに動作し、通常遊技モードM5における報知演出の実行を制御する。通常遊技演出制御部81によって通常遊技モードM5における報知演出が行われるとき、その報知演出では、確率状態が低確率状態であることが遊技者に明示される。
確変遊技演出制御部82は、演出モードが確変遊技モードM2,M4のとき、すなわち遊技進行状態が確変遊技状態ST4及び潜確遊技状態ST6のときに動作し、確変遊技モードM2,M4における報知演出の実行を制御する。確変遊技演出制御部82によって確変遊技モードM2,M4における報知演出が行われるとき、その報知演出では、確率状態が高確率状態であることが遊技者に明示される。ここで確変遊技状態ST4は、始動条件が成立し易い遊技状態であるのに対し、潜確遊技状態ST6は、確変遊技状態ST4よりも始動条件が成立し難い状態である。そのため、確変遊技演出制御部82は、確変遊技モードM2と確変遊技モードM4とでそれぞれ異なる演出パターンを選択し、それぞれの確変遊技モードM2,M4に応じた演出態様で報知演出を行う。
時短遊技演出制御部83は、演出モードが時短遊技モードM1のとき、すなわち遊技進行状態が第1時短遊技状態ST1、第2時短遊技状態ST2及び第3時短遊技状態ST3のいずれかであるのときに動作し、時短遊技モードM1における報知演出の実行を制御する。時短遊技演出制御部83は、遊技進行状態が第1時短遊技状態ST1、第2時短遊技状態ST2又は第3時短遊技状態ST5へ移行してからの特別図柄の変動表示が所定回数目(すなわち、10回目、20回目及び30回目)ではないとき、通常の演出態様で報知演出を行う。この通常の演出態様の報知演出では、現在の確率状態が高確率状態と低確率状態とのいずれであるかを明示しない演出が行われると共に、時短遊技モードM1が継続する特別図柄の変動表示回数も明示しない演出が行われる。また時短遊技演出制御部83は、特定示唆演出制御部84を備えている。特定示唆演出制御部84は、遊技進行状態が第1時短遊技状態ST1、第2時短遊技状態ST2又は第3時短遊技状態ST5へ移行してからの特別図柄の変動表示が所定回数目(すなわち、10回目、20回目及び30回目)のときに動作し、時短遊技モードM1において通常とは異なる態様の演出を含む報知演出を行わせるものである。特定示唆演出制御部84によって行われる報知演出は、例えば時短遊技モードM1が継続するか否かを示唆する演出や、確変遊技モードM2へ移行するか否かを示唆する演出である。尚、特定示唆演出制御部84によって行われる具体的な演出例については後述する。
潜伏遊技演出制御部85は、演出モードが潜伏遊技モードM3のとき、すなわち確変大当たりF又は小当たりに当選した場合の特別遊技終了後、特別図柄の変動表示回数が70回となるまでのときに動作し、潜伏遊技モードM3における報知演出の実行を制御する。潜伏遊技演出制御部85は、潜伏遊技モードM3へ移行してからの特別図柄の変動表示が所定回数目(すなわち、10回目、20回目、30回目、50回目及び70回目)ではないとき、通常の演出態様で報知演出を行う。この通常の演出態様の報知演出では、現在の確率状態が高確率状態と低確率状態とのいずれであるかを明示しない演出が行われる。また潜伏遊技演出制御部85は、高確率示唆演出制御部86を備えている。高確率示唆演出制御部86は、潜伏遊技モードM3へ移行してからの特別図柄の変動表示が所定回数目(すなわち、10回目、20回目、30回目、50回目及び70回目)のときに動作し、通常とは異なる態様で高確率である可能性を遊技者に示唆する演出を含む報知演出を行わせるものである。尚、高確率示唆演出制御部86によって行われる具体的な演出例については後述する。
高確率演出制御部87は、特別遊技判定において確変大当たりA〜Gのいずれか当選したことが判定された場合の所定条件下で動作するものであり、通常遊技演出制御部81、確変遊技演出制御部82、時短遊技演出制御部83及び潜伏遊技演出制御部85のいずれかによって特別図柄の変動表示に連動した報知演出が行われているときに、その報知演出において、特別遊技判定の結果が確変大当たりであり、特別遊技終了後の確率状態が高確率状態となることを報知する高確率演出を行わせるものである。例えば、高確率演出制御部87は、報知演出の終了時において3つの装飾図柄12a,12b,12cの全てを「7」の図柄で揃った状態に停止させ、その後の確率状態が高確率状態となることを報知する
報知演出制御部80は、受信データ処理部70が変動停止コマンドを受信すると、報知演出を終了させ、画像表示器12において3つの装飾図柄12a,12b,12cを停止させた状態で表示させることにより特別遊技判定の結果を報知する。このとき、3つの装飾図柄12a,12b,12cが揃った図柄で停止すると、大当たりであることが報知される。また3つの装飾図柄12a,12b,12cが揃っていない状態で停止すると、ハズレであることが報知される。ここで、確変大当たりFに当選した場合と小当たりに当選した場合には、通常は、特定の図柄の組み合わせで3つの装飾図柄12a,12b,12cを停止させ、大当たりであるか小当たりであるかを遊技者が判別できないようにしている。ただし、確変大当たりFに当選した場合には、所定条件下で稀に上述した高確率演出制御部87が動作し、報知演出中に確変大当たりであることが遊技者に報知されることもある。
特別遊技演出制御部90は、受信データ処理部70が特別遊技開始コマンドを受信すると動作する。そして特別遊技演出制御部90は、大当たりであればその大当たりの種類に対応する特別遊技演出を実行する。また小当たりの場合、特別遊技演出制御部90は、小当たりに対応する特別遊技演出を実行する。特別遊技演出制御部90は、高確率演出制御部91を備えている。高確率演出制御部91は、特別遊技判定において確変大当たりA〜Gのいずれか当選したことが判定された場合の所定条件下で動作するものであり、特別遊技状態において特別遊技演出を行っているときに、特別遊技判定の結果が確変大当たりであって特別遊技終了後の遊技状態(確率状態)が高確率状態となることを報知する高確率演出を行わせるものである。例えば、報知演出が終了した時点において3つの装飾図柄12a,12b,12cが「7」以外の図柄で揃った状態となって停止すると、報知演出としては、その後の確率状態が低確率状態と高確率状態のいずれであるかを明示しない演出となる。このような場合、高確率演出制御部91は、所定条件下で作動し、「7」以外の図柄が揃った状態で停止して特別遊技が行われているときに、その特別遊技の実行中において、特別遊技判定において当選した大当たりが確変大当たりであることを示し、その後の確率状態が高確率状態となることを報知する。
また特別遊技演出制御部90は、特別遊技判定において確変大当たりA,B,C及び通常大当たりA,B,Cのいずれかの大当たりに当選した場合、特別遊技状態における特別遊技演出として、通常は、いずれの大当たりに当選したかを明示しない演出を行う。これにより、特別遊技終了後の確率状態が高確率状態と低確率状態とのいずれになるかを遊技者が把握できないため、高確率状態かもしれないという期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣性が向上する。また特別遊技終了後に時短遊技状態が継続する期間(変動回数)も遊技者が把握できないため、最大30回まで時短遊技状態が継続するかもしれないという期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣性が向上する。
さらに特別遊技演出制御部90は、特別遊技判定において確変大当たりF及び小当たりいずれかの当たりに当選した場合、その後の特別遊技状態における特別遊技演出として、通常は、いずれの当たりに当選したかを明示しない演出を行う。これにより、特別遊技終了後の確率状態が高確率状態と低確率状態とのいずれになるかを遊技者が把握できないため、高確率状態かもしれないという期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣性が向上する。ただし、確変大当たりFに当選した場合、特別遊技演出制御部90は、稀に所定条件下で高確率演出制御部91を動作させ、特別遊技状態における特別遊技演出の実行中に、確変大当たりであることを遊技者に報知することもある。
◇事前示唆演出の例◇
次に事前示唆演出制御部72によって行われる事前示唆演出の一例について説明する。図24は、画像表示器12において行われる事前示唆演出の例を示す図である。図24(a)は、事前示唆演出が行われない通常の報知演出の例を示している。事前示唆演出が行われないとき、報知演出制御部80によって報知演出が開始されると、図24(a)に示すように画像表示器12において3つの装飾図柄12a,12b,12cが上下方向に変動表示を開始する。このとき、3つの装飾図柄12a,12b,12cは、演出モードに応じた所定の背景12gの前面側で変動表示を行う。また画像表示器12の下部に表示される第1保留表示部12d及び第2保留表示部12eのそれぞれでは第1始動口13及び第2始動口14に入球して記憶されている保留数に対応した保留表示が行われる。
これに対し、事前示唆演出制御部72が事前判定部71による事前判定の結果に基づいて事前示唆演出を行う場合、図24(b)に示すような報知演出が行われる。すなわち、事前示唆演出制御部72は、事前判定の結果に基づいて事前示唆演出を行うことを決定すると、まず主制御基板30が取得した遊技データに対応する保留表示を通常とは異なる表示態様に変化させる。図24(b)の例では、第2始動口14に入球して記憶された3つ目の保留表示12fの表示態様が他の保留表示の表示態様とは異なる態様で表示されており、保留表示12fが事前判定による事前示唆演出の対象であることが判る。そのため、遊技者は、通常とは異なる表示態様に変化した保留が大当たりに当選するかも知れないという期待感を抱くようになる。
また事前示唆演出制御部72は、事前示唆演出を開始すると、3つの装飾図柄12a,12b,12cの変動表示が行われる背景を、通常の背景12gとは異なる特殊背景12hに切り替える。このとき、背景を特殊背景12hに切り替えるだけでなく、図24(b)に示すように3つの装飾図柄12a,12b,12cが変動する表示態様を通常とは異なる表示態様に変化させるようにしても良い。特殊背景12hなどに切り替えることにより行われる事前示唆演出は、原則として、その事前示唆演出の契機となった保留(保留表示12fに対応する保留)が消化されるまで継続する。そのため、このような事前示唆演出は、複数回の報知演出にわたって連続的に行われることがある。このように報知演出が行われる画像表示器12の画面全体においても事前示唆演出を行うことにより、保留として記憶されている遊技データが特別遊技へと移行させるものである期待度が通常よりも高いことを遊技者に報知することができる。
また事前示唆演出制御部72は、画像表示器12だけでなく、スピーカー8から所定の演出音を出力させたり、枠ランプ7を所定の点灯パターンで点灯させたり、可動役物駆動部24を制御して可動役物に所定の動作を行わせることにより、事前示唆演出を行うことも可能である。例えば、画像表示器12における背景を特殊背景12hに切り替えるとき、スピーカー8から所定の演出音を出力すると共に、可動役物を動作させることで、より効果的な事前示唆演出を行うことができる。このように遊技機1の全体で事前示唆演出を行うことにより、遊技者の期待感をより一層高揚させることができる。
◆時短遊技モードにおける報知演出◆
次に報知演出制御部80によって行われる報知演出のうち、時短遊技演出制御部83によって行われる報知演出の例について説明する。時短遊技演出制御部83は、特別遊技終了後に第1時短遊技状態ST1、第2時短遊技状態ST2及び第3時短遊技状態ST3のいずれかに移行した状態で時短遊技モードM1での報知演出を行うとき、第1時短遊技状態ST1、第2時短遊技状態ST2及び第3時短遊技状態ST3のいずれかに移行しているかを明示しない態様で時短遊技中の報知演出を行う。また時短遊技演出制御部83は、特別遊技判定において大当たりに当選する確率状態が高確率状態と低確率状態のいずれであるかについても明示しない態様で報知演出を行う。すなわち、第1時短遊技状態ST1、第2時短遊技状態ST2及び第3時短遊技状態ST3のいずれに移行している場合であっても、時短遊技演出制御部83は、確率状態を明示しない同じ演出態様の報知演出を行わせる。そして上述したように、第1時短遊技状態ST1、第2時短遊技状態ST2及び第3時短遊技状態ST3では、変動回数が所定回数目(10回目、20回目及び30回目)ではないときに特別遊技判定の結果が通常ハズレであれば、特別図柄の変動時間が所定時間(すなわち3秒)となるのに対し、変動回数が所定回数目(10回目、20回目及び30回目)のときには特別遊技判定の結果が特別遊技状態へ移行させる当たりでない限り、特別図柄の変動時間が上記所定時間(3秒)よりも長い10秒固定の変動時間となる。そのため、時短遊技演出制御部83によって行われる報知演出は、所定回数目であるか否かによって異なる演出となる。
図25は、時短遊技モードM1における変動回数が所定回数目でないときに行われる通常ハズレの報知演出の例を示す図である。変動回数が所定回数目でないときには変動時間が3秒となるため、時短遊技演出制御部83は、その3秒に対応した報知演出を行う。例えば図25に示すように変動開始コマンドを受信すると、時短遊技演出制御部83は、画像表示器12において3つの装飾図柄12a,12b,12cの変動表示を開始し、その3秒後に変動停止コマンドを受信することに伴い、3つの装飾図柄12a,12b,12cをハズレとなる図柄の組み合わせで停止させる。そして変動回数が所定回数目に達しない状態においては、特別遊技判定の結果として通常ハズレが連続すると、図25に示すような報知演出が連続的に行われる。
特に本実施形態の遊技機1では、時短遊技状態ST1,ST2,ST3になると、スルーゲート16に遊技球を通過させることにより第2始動口14に遊技球が入球し易い状態となるため、遊技者はハンドルレバー5の操作角度を大きくしてセンター役物11の右側領域に遊技球を打ち出す右打ち状態となる。この右打ち状態では、第1始動口13に遊技球が入球する可能性が低くなる。また本実施形態の遊技機1では、第1始動口13に入球して記憶された保留よりも第2始動口14に入球して記憶された保留を優先的に読み出して特別遊技判定を行うように構成される。そのため、時短遊技状態ST1,ST2,ST3では、第2始動口14に入球して記憶された保留が連続的に消化される。このようなことから、図25に示すような報知演出は、主として第2始動口14に頻繁に入球して記憶される保留を効率的に消化させていくために行われる演出である。
ところで、本実施形態の遊技機1は、上述したように、特別遊技終了後に第1時短遊技状態ST1へ移行した場合、第1時短遊技状態ST1へ移行してからの変動回数が10回を超えると、そのときの確率状態に応じてその後の遊技状態が確変遊技状態ST4又は通常遊技状態ST5へ移行する。また特別遊技終了後に第2時短遊技状態ST2へ移行した場合、第2時短遊技状態ST2へ移行してからの変動回数が20回を超えると、そのときの確率状態に応じてその後の遊技状態が確変遊技状態ST4又は通常遊技状態ST5へ移行する。さらに特別遊技終了後に第3時短遊技状態ST3へ移行した場合、第3時短遊技状態ST3へ移行してからの変動回数が30回を超えると、そのときの確率状態に応じてその後の遊技状態が確変遊技状態ST4又は通常遊技状態ST5へ移行する。このような遊技機1の場合、遊技者は、時短遊技状態ST1,ST2,ST3が終了した後に確変遊技状態ST4へ移行することを期待する。
ここで特別遊技終了後に第1時短遊技状態ST1へ移行する当たりは、図4に示したように確変大当たりAと通常大当たりAの2つであり、確変大当たりAが発生する割合が5%、また通常大当たりAが発生する割合が7%である。そのため、第1時短遊技状態ST1が終了して確変遊技状態ST4へ移行する割合は5/12である。また特別遊技終了後に第2時短遊技状態ST2へ移行する当たりは、図4に示したように確変大当たりBと通常大当たりBの2つであり、確変大当たりBが発生する割合が5%、また通常大当たりBが発生する割合が6%である。そのため、第2時短遊技状態ST2が終了して確変遊技状態ST4へ移行する確率は5/11である。また特別遊技終了後に第3時短遊技状態ST3へ移行する当たりは、図4に示したように確変大当たりCと通常大当たりCの2つであり、確変大当たりCが発生する割合が5%、また通常大当たりCが発生する割合も5%である。そのため、第3時短遊技状態ST3が終了して確変遊技状態ST4へ移行する確率は1/2である。つまり、特別遊技終了後に、第1時短遊技状態ST1へ移行する場合よりも第2時短遊技状態ST2及び第3時短遊技状態ST3へ移行する方が、その後の遊技状態が確変遊技状態ST4となる可能性が高く、しかも第2時短遊技状態ST2へ移行する場合よりも第3時短遊技状態ST3へ移行する方が、その後の遊技状態が確変遊技状態ST4となる可能性が高くなる。したがって、特別遊技終了後に時短遊技状態ST1,ST2,ST3のいずれかへ移行した場合、遊技者は、その時短遊技状態が長く継続することを期待するようになる。
そこで時短遊技演出制御部83は、時短遊技モードM1、すなわち第1時短遊技状態ST1、第2時短遊技状態ST2又は第3時短遊技状態ST5へ移行してからの変動回数が所定回数目(10回目、20回目及び30回目)となるときに特定示唆演出制御部84を動作させ、所定回数目ではないときに行われる通常の報知演出とは異なる態様で10秒の変動時間に対応した報知演出を行わせる。
図26は、時短遊技モードM1における変動回数が所定回数目のときの特定示唆演出を含む報知演出の例を示す図である。変動回数が所定回数目のときには変動時間が10秒となるため、特定示唆演出制御部84は、その10秒に対応した特定示唆演出を含む報知演出を行う。まず変動開始コマンドを受信すると、特定示唆演出制御部84は、図26(a)に示すように画像表示器12において3つの装飾図柄12a,12b,12cの変動表示を開始する。その後、特定示唆演出制御部84は、図26(b)に示すように、画像表示器12の画面内に、時短遊技モードM1の継続を示す第1報知画像101と、確変遊技モードM2への移行を示す第2報知画像102と、通常遊技モードM5への移行を示す第3報知画像103と、遊技者にボタン操作を促す操作案内画像104とを表示する。このとき、特定示唆演出制御部84は、3つの装飾図柄12a,12b,12cの変動表示を画面内の一部の小さな領域に表示する小図柄表示105に切り替える。尚、図例では、第1報知画像101、第2報知画像102及び第3報知画像103のそれぞれが1つずつ表示されているが、これに限らず、第1報知画像101、第2報知画像102及び第3報知画像103のそれぞれの表示数を、例えば抽選などによって増減させるようにしても良い。その後、特定示唆演出制御部84は、図26(c)に示すように、画面内に表示した第1報知画像101、第2報知画像102及び第3報知画像103を例えば画面横方向に高速スライド移動させるルーレット演出106を行い、遊技者にボタン操作することを促す。このときも3つの装飾図柄12a,12b,12cの変動表示は小図柄表示105で行われる。そして所定時間内に遊技者によるボタン操作が行われると、特定示唆演出制御部84は、図26(d)に示すように第1報知画像101、第2報知画像102及び第3報知画像103のうちの1つの報知画像を表示する。図例では、第1報知画像101が表示された状態を示しており、第1報知画像101によって時短遊技モードM1が継続することが遊技者に示される。尚、遊技者が所定時間内にボタン操作を行わなかった場合には、所定時間経過後に第1報知画像101、第2報知画像102及び第3報知画像103のうちの1つの報知画像が画面内に表示される。そして特定示唆演出制御部84は、変動停止コマンドを受信することに伴い、小図柄表示105において表示させる3つの装飾図柄12a,12b,12cを特別遊技判定の結果に応じたハズレ図柄で停止させる。
特定示唆演出制御部84は、画面内に1つの報知画像を表示するとき、その後の演出モード(すなわち遊技進行状態)に応じて第1報知画像101、第2報知画像102及び第3報知画像103のうちから1つの報知画像を選択して表示する。図27は、その後の遊技状態と画面内に表示される報知画像との関係を示す図である。時短遊技モードM1における変動回数が所定回数目になると、図27(a)に示すルーレット演出106が行われた後、図27(b),(c)及び(d)のいずれかが表示される演出が行われる。
図27(b)は、時短遊技モードM1の継続を示す第1報知画像101が表示される演出である。例えば、特別遊技終了後に第2時短遊技状態ST2又は第3時短遊技状態ST3へ移行している状態で変動回数が10回目のとき行われる特定示唆演出では、最終的に図27(b)に示すように第1報知画像101が画面内に表示される。また特別遊技終了後に第3時短遊技状態ST3へ移行している状態で変動回数が20回目のとき行われる特定示唆演出でも、最終的に図27(b)に示すように第1報知画像101が画面内に表示される。すなわち、図27(b)に示す演出は、時短遊技状態ST2,ST3が継続することを報知する演出である。
図27(c)は、通常遊技モードM5へ移行することを示す第3報知画像103が表示される演出である。例えば、特別遊技判定において通常大当たりAに当選し、特別遊技終了後の第1時短遊技状態ST1における変動回数が10回目となるとき、最終的に図27(c)に示すように第3報知画像103が画面内に表示される。また特別遊技判定において通常大当たりBに当選し、特別遊技終了後の第2時短遊技状態ST2における変動回数が20回目となるときにも、最終的に図27(c)に示すように第3報知画像103が画面内に表示される。さらに特別遊技判定において通常大当たりCに当選し、特別遊技終了後の第3時短遊技状態ST3における変動回数が30回目となるときにも、最終的に図27(c)に示すように第3報知画像103が画面内に表示される。したがって、図27(c)に示す演出は、演出モードが時短遊技モードM1から通常遊技モードM5へ移行すると共に、その後の遊技進行状態が通常遊技状態ST5へ移行することを報知する演出である。
図27(d)は、確変遊技モードM2へ移行することを示す第2報知画像102が表示される演出である。例えば、特別遊技判定において確変大当たりAに当選し、特別遊技終了後の第1時短遊技状態ST1における変動回数が10回目となるとき、最終的に図27(d)に示すように第2報知画像102が画面内に表示される。また特別遊技判定において確変大当たりBに当選し、特別遊技終了後の第2時短遊技状態ST2における変動回数が20回目となるときにも、最終的に図27(d)に示すように第2報知画像102が画面内に表示される。さらに特別遊技判定において確変大当たりCに当選し、特別遊技終了後の第3時短遊技状態ST3における変動回数が30回目となるときにも、最終的に図27(d)に示すように第2報知画像102が画面内に表示される。したがって、図27(d)に示す演出は、演出モードが時短遊技モードM1から確変遊技モードM2へ移行すると共に、その後の遊技進行状態が確変遊技状態ST4へ移行することを報知する演出である。
このように時短遊技モードM1では、特別遊技が終了してからの変動回数が所定回数目となるときに、時短遊技モードM1が継続するか否か、言い換えると、始動条件が成立し易い状態が継続するか否か、を示唆する演出が行われる。また、このような演出は、更に別の言い方をすれば、現在の確率状態が高確率状態であることを示唆する演出であると言える。すなわち、上述したように時短遊技モードM1が長期にわたって継続する程、その後の遊技状態が確変遊技状態ST4となる可能性が高くなるため、第1報知画像101を表示する演出は、現在の確率状態が高確率状態である可能性が高くなったことを示唆する演出である。したがって、時短遊技中にこのような演出が行われることにより、時短遊技状態ST1,ST2,ST3における興趣性を従来よりも向上させることができる。
◇潜伏遊技モードでの報知演出◇
次に報知演出制御部80によって行われる報知演出のうち、潜伏遊技演出制御部85によって行われる報知演出の例について説明する。潜伏遊技演出制御部85は、特別遊技終了後の潜伏遊技モードM3において確率状態が高確率状態と低確率状態のいずれであるかを明示しない態様で報知演出を行う。すなわち、潜伏遊技演出制御部85は、特別遊技判定において確変大当たりF及び小当たりのいずれに当選した場合であっても、その後の確率状態を明示しない同じ演出態様の報知演出を行わせる。そして上述したように潜確遊技状態ST6及び小当たり後の通常遊技状態ST5では、変動回数が所定回数目(10回目、20回目、30回目、50回目及び70回目)ではないときに特別遊技判定の結果が通常ハズレであれば、特別図柄の変動時間が所定時間(すなわち13.5秒)となるのに対し、変動回数が所定回数目(10回目、20回目、30回目、50回目及び70回目)のときには特別遊技判定の結果が特別遊技状態へ移行させる当たりでない限り、特別図柄の変動時間が上記所定時間(13.5秒)よりも長い20秒固定の変動時間となる。そのため、潜伏遊技演出制御部85によって行われる報知演出は、所定回数目であるか否かによって異なる演出となる。
本実施形態の遊技機1は、上述したように確変大当たりFに当選した場合、特別遊技終了後に潜確遊技状態ST6へ移行すると、確率状態が高確率状態となる。また小当たりに当選した場合、特別遊技終了後に通常遊技状態ST5へ移行すると、確率状態が低確率状態となる。このような遊技機1の場合、遊技者は、特別遊技終了後の演出モードが潜伏遊技モードM3へ移行すると、確率状態が高確率状態であることを期待する。
そこで潜伏遊技演出制御部85は、潜伏遊技モードM3へ移行してからの変動回数が所定回数目(10回目、20回目、30回目、50回目及び70回目)となるときに高確率示唆演出制御部86を動作させ、所定回数目ではないときに行われる通常の報知演出とは異なる態様で20秒の変動時間に対応した報知演出として、高確率示唆演出を含む報知演出を行わせる。
図28は、潜伏遊技モードM3において変動回数が所定回数目のときに行われる高確率示唆演出を含む報知演出の例を示す図である。変動回数が所定回数目のときには変動時間が20秒となるため、高確率示唆演出制御部86は、その20秒に対応した高確率示唆演出を含む報知演出を行う。まず変動開始コマンドを受信すると、高確率示唆演出制御部86は、図28(a)に示すように画像表示器12において3つの装飾図柄12a,12b,12cの変動表示を開始する。その後、高確率示唆演出制御部86は、図28(b)に示すように画像表示器12の表示画面を切り替える。すなわち、図28(b)に示すように画面中央には、星型のアイテムを1つ含む第1アイテム画像111と、星型のアイテムを2つ含む第2アイテム画像112と、星型のアイテムを3つ含む第3アイテム画像113とが表示される。また画面上部には、星型のアイテムを所定個数(例えば10個)まで貯留させて表示する貯留表示部114が表示される。さらに画面下部には、遊技者にボタン操作を促す操作案内画像104が表示されると共に、3つの装飾図柄12a,12b,12cの変動表示を画面内の一部の小さな領域に表示する小図柄表示105が表示される。尚、図例では、第1アイテム画像111、第2アイテム画像112及び第3アイテム画像113のそれぞれが1つずつ表示されている場合を示しているが、これに限らず、第1アイテム画像111、第2アイテム画像112及び第3アイテム画像113のそれぞれの表示数を、例えば抽選などによって増減させるようにしても良い。その後、高確率示唆演出制御部86は、図28(c)に示すように、画面内に表示した第1アイテム画像111、第2アイテム画像112及び第3アイテム画像113を例えば画面横方向に高速スライド移動させるルーレット演出106を行い、遊技者にボタン操作することを促す。このときも3つの装飾図柄12a,12b,12cの変動表示は小図柄表示105で行われる。そして所定時間内に遊技者によるボタン操作が行われると、高確率示唆演出制御部86は、図28(d)に示すように第1アイテム画像111、第2アイテム画像112及び第3アイテム画像113のうちの1つのアイテム画像を表示する。図例では、星型のアイテムが2つ含まれる第2アイテム画像112が表示された状態を示している。そして高確率示唆演出制御部86は、図28(e)に示すように貯留表示部114を画面中央に拡大表示し、その直前に表示された1つのアイテム画像に含まれる星型のアイテムの数に応じてアイテムを貯留した状態に表示する。図例では、その直前に表示された第2アイテム画像112に応じて2つのアイテムが貯留された状態を示している。そして高確率示唆演出制御部86は、主制御基板30から変動停止コマンドを受信することに伴い、小図柄表示105において表示させる3つの装飾図柄12a,12b,12cを特別遊技判定の結果に応じたハズレ図柄で停止させる。
上記のような高確率示唆演出が20秒の変動時間内に行われる。そして潜伏遊技モードM3では、変動回数が所定回数目(10回目、20回目、30回目、50回目及び70回目)となる度に上記と同様の高確率示唆演出が繰り返し行われる。ただし、2回目以降の演出が行われるときには、前回までの貯留数を維持した状態で貯留表示部114にアイテムが表示される。そして高確率示唆演出制御部86は、潜伏遊技モードM3において最大5回の高確率示唆演出を行う間にアイテムを順次貯留させていき、最終的に所定個数(例えば10個)までアイテムを貯留させることに成功するか否かによって現在の確率状態が高確率状態であるか否かを示唆する演出を行う。
図29は、高確率示唆演出が繰り返し行われた場合の最終的な演出態様の一例を示す図である。図29(a)は、最終的に所定個数(例えば10個)までアイテムを貯留させることに成功する例を示している。例えば高確率示唆演出が開始されたとき、貯留表示部114に既に7個のアイテムが表示されており、その後、遊技者のボタン操作に応じて3つのアイテムを含む第3アイテム画像113が表示された場合、貯留表示部114には合計10個のアイテムが貯留された状態となり、所定個数のアイテムを貯留させることに成功する。この場合、現在の確率状態が高確率状態であることを報知する演出となる。尚、図29(a)に示す演出は、変動回数が所定回数目(10回目、20回目、30回目、50回目及び70回目)であれば、いずれの回数目のときに発生させても良いが、なるべく最後の所定回数目、すなわち70回目に発生させることが好ましい。
次に図29(b)は、最終的に所定個数(例えば10個)までアイテムを貯留させることに失敗する例を示している。例えば最後の高確率示唆演出が開始されたとき、貯留表示部114に既に7個のアイテムが表示されており、その後、遊技者のボタン操作に応じて1つのアイテムを含む第1アイテム画像111が表示された場合、貯留表示部114には合計8個のアイテムが貯留された状態となり、所定個数のアイテムを貯留させることに失敗する。この場合、現在の確率状態が低確率状態であることを報知する演出となる。尚、図29(b)に示す演出は、変動回数が70回目のときに発生させる演出である。
したがって、高確率示唆演出制御部86は、潜伏遊技モードM3において高確率示唆演出を行うとき、現在の確率状態に応じてアイテムの貯留数を調整する。特に現在の確率状態が低確率状態であるとき、高確率示唆演出制御部86は、合計5回の高確率示唆演出を行っても最終的に所定個数のアイテムが貯留された状態とならないようにアイテムの出現数を調整する。
このように潜伏遊技モードM3では、特別遊技が終了してからの変動回数が所定回数目となるときに、現在の確率状態が高確率状態であるか否かを示唆する演出が行われる。したがって、潜伏遊技モードM3において高確率示唆演出が複数回行われることにより、潜伏遊技モードM3における興趣性を従来よりも向上させることができる。
◇報知演出中における高確率演出◇
次に報知演出制御部80によって行われる報知演出のうち、高確率演出制御部87によって行われる高確率演出の具体例について説明する。図30は、高確率演出制御部87による高確率演出の一例を示す図である。まず変動開始コマンドを受信すると、高確率演出制御部87は、図30(a)に示すように画像表示器12において3つの装飾図柄12a,12b,12cの変動表示を開始する。その後、高確率演出制御部87は、図30(b)に示すように3つの装飾図柄12a,12b,12cのうちの2つの図柄を例えば「7」以外の図柄で停止させ、残り1つの図柄の変動状態を継続させるリーチ状態とする。リーチ状態では、様々な予告演出や発展演出などが行われても良い。そして高確率演出制御部87は、図30(c)に示すように残り1つの図柄を他の2つの図柄と揃えた図柄で表示させる。このとき高確率演出制御部87は、3つの装飾図柄12a,12b,12cを完全に停止させるのではなく、3つの装飾図柄12a,12b,12cの微動状態を継続させ、変動表示が継続していることを示す。その状態で、高確率演出制御部87は、図30(d)に示すように遊技者にボタン操作することを促す。このとき、高確率演出制御部87は、3つの装飾図柄12a,12b,12cの微動状態を小図柄表示態様で行うようにしても良い。そして所定時間内に遊技者によるボタン操作が行われると、高確率演出制御部87は、図30(e)に示すように3つの装飾図柄12a,12b,12cの全てを、確変大当たりであることを示す「7」の図柄に切り替えた状態に表示し、その後、変動停止コマンドを受信することに伴い、3つの装飾図柄12a,12b,12cを「7」の図柄で揃えた状態のまま完全停止させる。このように3つの装飾図柄12a,12b,12cを「7」の図柄で揃えて停止させることにより、高確率演出制御部87は、特別遊技終了後の確率状態が高確率状態となることを遊技者に報知する。このような報知演出は、3つの装飾図柄12a,12b,12cが完全停止するまでの間に確変大当たりに当選したことを報知されるため、遊技者にとって最も関心の高い報知演出である。
◇特別遊技状態における高確率演出◇
次に特別遊技演出制御部90によって行われる特別遊技演出のうち、高確率演出制御部91によって行われる高確率演出の具体例について説明する。高確率演出制御部91は、特別遊技判定において確変大当たりGに当選した場合、特別遊技中の所定ラウンド目において特別遊技終了後の確率状態が高確率状態となることを報知する高確率演出を行わせる。
図31は、高確率演出制御部91による高確率演出の一例を示す図である。まず図31(a)に示すように、例えば確変大当たりGに当選した場合、報知演出制御部80による報知演出は、特別遊技終了後の確率状態が低確率状態と高確率状態とのいずれであるかが不明確である「7」以外の図柄が揃った状態で停止する。そして特別遊技状態へ移行すると、特別遊技演出制御部90は、図31(b)に示すように報知演出制御部80によって表示された停止図柄を引き継いだ状態で特別遊技演出121を開始する。尚、特別遊技演出121が開始されると、大当たりとなった停止図柄が画面一部の小さな領域に小図柄表示122として表示される。そして特別遊技演出制御部90は、特別遊技中において大入賞口15のロング開放ラウンドが1つ進む度にラウンド表示を更新していく。そして通常大当たりA,B,Cに当選した場合に大入賞口15がロング開放される最終ラウンドと同じラウンドまで進行したとき、高確率演出制御部91は、図31(c)に示すように遊技者にボタン操作を促す操作案内演出123を行う。その後、所定時間内に遊技者によるボタン操作を検知すると、高確率演出制御部91は、図31(d)に示すように画面内に、確変大当たりであることを示す報知画像129を表示する。これにより、特別遊技の実行中に、遊技者に対し、特別遊技終了後の確率状態が高確率状態となることが報知される。尚、遊技者が所定時間内にボタン操作を行わなかった場合には、所定時間経過後に図31(d)に示すような画面を表示する。その後、特別遊技演出制御部90は、図31(e)に示すようにラウンド進行に合わせて特別遊技演出121を継続させる。このとき、小図柄表示122として表示される当選図柄は、報知演出で表示された装飾図柄12a,12b,12cと同じ図柄が表示される。ただし、それら当選図柄には、図31(e)に示すように、確変大当たりであることを示す特定の画像122aが付加される。したがって、図31(d)に示す演出が行われた後、元の特別遊技演出121に戻ったときには、小図柄表示122に対して特定の画像122aが付加されていることにより、遊技者に対して別遊技終了後の確率状態が高確率状態となることが報知され続ける。特別遊技中にこのような高確率演出が行われることにより、遊技者の期待感を高揚させることができるため、従来よりも興趣性が向上する。
ここで、上記のような演出は必ずしも確変大当たりGに当選した場合だけに行われるものではなく、他の大当たりに当選した場合にも図31(c)に示した操作案内演出123が行われることがある。ただし、通常大当たりA,B,Cに当選した場合の特別遊技中に、所定ラウンド目で操作案内演出123が行われたとしても、結果としては、確変大当たりであることを示す報知画像129は表示されない。したがって、特別遊技中に操作案内演出123が出現したとしても、必ずしも高確率演出制御部91による高確率演出が行われるとは限らない。それ故、特別遊技中に操作案内演出123が出現すると、遊技者は、ドキドキしながらボタン操作を行うようになり、特別遊技中の演出がより一層興趣性のあるものとなる。
◆演出制御基板の第1の動作◆
次に演出制御基板33の第1の動作について説明する。上述したように事前判定部71は、始動条件成立に伴って主制御基板30が取得した遊技データの事前判定を行い、事前示唆演出制御部72は、その事前判定の結果に基づいて事前示唆演出を行う。この事前示唆演出は、報知演出制御部80による報知演出が行われているときに発動されることもある。一方、特別遊技終了後において第1時短遊技状態ST1、第2時短遊技状態ST2及び第3時短遊技状態ST3のいずれかで遊技が進行している場合、上述したように変動回数が所定回数目となるときに、演出制御基板33によって時短遊技モードM1が継続するか否かを示唆する特定示唆演出、或いは、現在の確率状態が高確率状態であることを示唆する特定示唆演出が行われる。時短遊技モードM1中における遊技者の関心は、時短遊技モードM1が継続するか否か、或いは、現在の確率状態が高確率状態であるか否か、という点にあるため、特定示唆演出は、そのような遊技者の関心を煽り、遊技者の期待感をより一層高揚させるという作用効果を奏する演出である。しかし、このような特定示唆演出と事前示唆演出とが同時に行われると、特定示唆演出や事前示唆演出によるそれぞれの演出効果が低減する可能性がある。
例えば、画像表示器12において行われる事前示唆演出は、上述したように変動表示の背景を特殊背景12hに変化させたりして行われるが、時短遊技モードM1において変動回数が所定回数目となるときには、特定示唆演出において変動表示が小図柄表示105(図26参照)に切り替えられるため、小図柄表示105の背景を特殊背景12hに変化させても遊技者によって背景の切り替わりが認知される可能性は極めて低い。そのため、時短遊技中における変動回数が所定回数目となって特定示唆演出が行われるときには、事前示唆演出制御部72が事前判定の結果に基づいて事前示唆演出を行っても効果的な演出を行うことができない。また、時短遊技中における変動回数が所定回数目となって特定示唆演出が行われるときに、画像表示器12の画面全体の背景を特殊背景12hなどに変化させてしまうと、それによって特定示唆演出としての演出効果が低減してしまうことがある。したがって、事前示唆演出制御部72は、時短遊技モードM1において特定示唆演出が行われるときには、事前判定の結果に基づく事前示唆演出の実行を規制する。以下、このような演出制御基板33における具体的な動作について説明する。
図32は、事前判定部71による事前判定処理の一例を示すフローチャートである。尚、この処理は、演出制御基板33のCPU33aがタイマ割込処理として一定時間ごとに繰り返し実行することによって行われる処理である。事前判定部71は、この処理を開始すると、まず主制御基板30から送出された遊技データを受信したか否かを判断する(ステップS1001)。そして遊技データを受信していない場合(ステップS1001でNO)、この処理は終了する。これに対し、遊技データを受信した場合(ステップS1001でYES)、事前判定部71は、RAM33cに遊技データを格納して保留記憶状態を更新し(ステップS1002)、画像表示器12における保留表示を更新する(ステップS1003)。すなわち、新たな保留に基づく新たな保留表示を追加して表示する。続いて事前判定部71は、主制御基板30から取得した遊技データの事前判定処理を行い(ステップS1004)、その事前判定の結果に基づいて事前示唆演出を行うか否かを判断する(ステップS1005)。そして事前示唆演出を行わない場合(ステップS1005でNO)、事前判定処理が終了する。また事前示唆演出を行う場合(ステップS1005でYES)事前判定部71は、主制御基板30から取得した遊技データに基づく新たな保留に対して事前判定フラグをセットする(ステップS1006)。この事前判定フラグのセットにより、事前示唆演出制御部72に対する事前示唆演出の実行が指示される。
次に図33は、事前示唆演出制御部72による事前示唆演出制御処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、演出制御基板33のCPU33aがタイマ割込処理として一定時間ごとに繰り返し実行することによって行われる処理である。事前示唆演出制御部72は、この処理を開始すると、まず事前判定フラグがセットされているか否かを判断する(ステップS1101)。その結果、事前判定フラグがセットされている場合(ステップS1101でYES)、事前示唆演出制御部72は、現在の演出モードが時短遊技モードM1であるか否かを判断する(ステップS1102)。現在の演出モードが時短遊技モードM1である場合(ステップS1102でYES)、事前示唆演出制御部72は、現在の保留状態を確認する(ステップS1103)。そして事前示唆演出制御部72は、特別遊技終了後に時短遊技モードM1へ移行してから現在までの変動回数と現在の保留状態とに基づき、事前判定フラグのセットされた新たな保留が所定回数目(10回目、20回目及び30回目)の変動となる保留であるか否かを判断する(ステップS1104)。すなわち、所定回数目の変動となる保留であれば、その保留が消化されたときに行われる変動表示の際に、特定示唆演出制御部84による特定示唆演出が行われることが判明する。そのため、事前示唆演出制御部72は、所定回数目の変動となる保留であれば(ステップS1104でYES)、事前示唆演出を行うことなく、その保留に対してセットされている事前判定フラグを解除する(ステップS1105)。これに対し、所定回数目の変動となる保留でなかった場合(ステップS1104でNO)、事前示唆演出制御部72は、事前示唆演出のひとつとして、その保留に対応する保留表示を通常とは異なる表示態様に変更し(ステップS1106)、遊技者に対してその保留が大当たりに当選するかもしれないことを事前に示唆する。例えば、保留表示の通常の表示態様が青色表示であれば、事前判定フラグのセットされている保留の表示態様を緑色表示や赤色表示に変更したり、或いは、所定のアイコン画像などに変更したりする。このとき、事前判定フラグのセットされている保留の大当たり期待度などに対応する複数の表示態様の中から1つの表示態様を選択して表示するようにしても良い。また現在の演出モードが時短遊技モードM1でなかった場合も(ステップS1102でNO)、事前示唆演出制御部72は、その保留に対応する保留表示を通常とは異なる表示態様に変更し(ステップS1106)、遊技者に対してその保留が大当たりに当選するかもしれないことを事前に示唆する。尚、事前判定フラグがセットされていない場合には(ステップS1101でNO)、ステップS1102〜S1106の処理はスキップする。
このように事前示唆演出制御部72は、時短遊技モードM1において事前判定フラグがセットされているとき、そのフラグのセットされた保留が所定回数目の変動となる保留であれば、保留の表示態様を変化させる事前示唆演出が行われないように規制する。そのため、時短遊技モードM1において特定示唆演出が行われるときに、その特定示唆演出の演出効果が低減してしまうことなどを未然に防止することができる。尚、上記においては、事前判定フラグのセットされた保留が所定回数目の変動となる保留であれば、事前示唆演出が行われないように規制する場合を例示したが、これに限られるものではなく、事前示唆演出として行われる演出の一部を規制するものであっても良い。例えば事前示唆演出は、上述したように画像表示器12で保留の表示態様を変化させると共に、その表示態様の変化と連動させてスピーカー8や枠ランプ7、可動役物などでも事前示唆演出を行うことが可能である。そのため、事前示唆演出制御部72は、画像表示器12において行われる一部の事前示唆演出だけを規制し、スピーカー8や枠ランプ7、可動役物などで行われる事前示唆演出は規制することなく、そのまま実行させるようにしても良い。
続いて事前示唆演出制御部72は、主制御基板30から変動開始コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS1107)。変動開始コマンドを受信した場合(ステップS1107でYES)、事前示唆演出制御部72は、事前判定フラグのセットされた保留が記憶されているか否かを判断する(ステップS1108)。そして事前判定フラグのセットされた保留が記憶されている場合(ステップS1108でYES)、事前示唆演出制御部72は、現在の演出モードが時短遊技モードM1であるか否かを判断する(ステップS1109)。現在の演出モードが時短遊技モードM1である場合(ステップS1109でYES)、事前示唆演出制御部72は、今回の変動による変動回数を確認し(ステップS1110)、今回の変動が所定回数目(10回目、20回目及び30回目)の変動であるか否かを判断する(ステップS1111)。すなわち、所定回数目の変動であれば、今回の変動表示の際に、特定示唆演出制御部84による特定示唆演出が行われることが判明する。そのため、事前示唆演出制御部72は、今回の変動が所定回数目の変動であれば(ステップS1111でYES)、今回の変動中に行う予定であった事前示唆演出を規制する(ステップS1113)。これに対し、今回の変動が所定回数目の変動でなかった場合(ステップS1111でNO)、事前示唆演出制御部72は、今回の変動中に行う予定であった事前示唆演出をそのまま実行し(ステップS1112)、遊技者に対して現在記憶されている保留が大当たりに当選するかもしれないことを事前に示唆する。また現在の演出モードが時短遊技モードM1でなかった場合も(ステップS1109でNO)、事前示唆演出制御部72は、今回の変動中に行う予定であった事前示唆演出をそのまま実行し(ステップS1112)、遊技者に対して現在記憶されている保留が大当たりに当選するかもしれないことを事前に示唆する。
その後、事前示唆演出制御部72は、今回の変動により事前判定フラグのセットされた保留が消化されたか否かを判断し(ステップS1114)、事前判定フラグのセットされた保留が消化されていれば(ステップS1114でYES)、事前判定フラグを解除する(ステップS1115)。また事前判定フラグのセットされた保留が消化されておらず、依然として記憶されていれば(ステップS1114でNO)、そのフラグを解除することなく、処理を終了する。尚、変動開始コマンドを受信していない場合(ステップS1107でNO)、或いは、事前判定フラグがセットされていない場合(ステップS1108でNO)、上述したステップS1109〜S1115の処理はスキップする。
上記のような処理により、事前示唆演出制御部72によって行われる事前示唆演出が複数回の報知演出にわたって行われる場合でも、時短遊技モードM1において所定回数目の変動となるときには、事前示唆演出の実行が規制されるため、時短遊技モードM1において行われる特定示唆演出の演出効果が低減してしまうことなどを未然に防止することができる。尚、この場合の規制についても、上記と同様、事前示唆演出として行われる演出の一部を規制するものであっても良い。
次に図34は、時短遊技モードM1において時短遊技演出制御部83による報知演出が行われる場合の処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理もまた、演出制御基板33のCPU33aがタイマ割込処理として一定時間ごとに繰り返し実行することによって行われる処理である。時短遊技演出制御部83は、この処理を開始すると、まず現在の演出モードが時短遊技モードM1であるか否かを判断する(ステップS1201)。現在の演出モードが時短遊技モードM1でない場合(ステップS1201でNO)、この処理は終了する。また現在の演出モードが時短遊技モードM1である場合(ステップS1201でYES)、時短遊技演出制御部83は、主制御基板30から変動開始コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS1202)。
変動開始コマンドを受信した場合(ステップS1202でYES)、時短遊技演出制御部83は、今回の変動が所定回数目(10回目、20回目及び30回目)の変動であるか否かを判断し(ステップS1203)、所定回数目の変動であれば(ステップS1203でYES)、特別遊技判定の結果が大当たりであるか否かを判断する(ステップS1204)。その結果、大当たりでないとき(ステップS1204でNO)、時短遊技演出制御部83は、特定示唆演出制御部84を動作させる。そして特定示唆演出制御部84は、複数の演出パターンの中から、10秒の変動時間に対応する特定示唆演出パターンを選択する(ステップS1205)。これに対し、今回の変動が所定回数目の変動でなかった場合(ステップS1203でNO)、或いは、所定回数目ではあるが特別遊技判定の結果が大当たりである場合(ステップS1204でYES)、時短遊技演出制御部83は、変動開始コマンドに含まれる特別図柄の変動時間を確認し(ステップS1206)、複数の演出パターンの中からその変動時間に対応する演出パターンを選択する(ステップS1207)。そして時短遊技演出制御部83は、時短遊技中における報知演出の実行を開始する(ステップS1208)。このとき、ステップS1205において特定示唆演出パターンが選択されていれば、特定示唆演出制御部84による特定示唆演出を含む報知演出が開始される。また特定示唆演出制御部84による特定示唆演出を含む報知演出が行われるときには、上述したように事前示唆演出制御部72による事前示唆演出の実行が規制されているため、時短遊技モードM1が継続するか否かを示唆する演出、或いは、現在の確率状態が高確率状態であることを示唆する演出を効果的に行うことができるようになる。ただし、スピーカー8や枠ランプ、可動役物などにおいては、事前示唆演出が行われることもある。尚、変動開始コマンドを受信していない場合(ステップS1202でNO)、ステップS1203〜S1208の処理はスキップする。
続いて時短遊技演出制御部83は、変動停止コマンドを受信したか否かを判断し(ステップS1209)、変動停止コマンドを受信していれば(ステップS1209でYES)、現在実行中の報知演出を終了させて特別遊技判定の結果を表示させる処理を行い(ステップS1210)、この処理を終了する。また変動停止コマンドを受信していない場合には(ステップS1209でNO)、現在実行中の報知演出が継続するため、ステップS1210の処理をスキップして終了する。
このように本実施形態では、特別遊技終了後に演出モードが時短遊技モードM1へ移行した場合、報知演出制御部80によってその時短遊技モードM1が終了する可能性のある所定回数目の報知演出が行われるときに通常とは異なる特定示唆演出を含む報知演出を行わせることが可能であり、事前示唆演出制御部72は、特定示唆演出を含む報知演出が行われることとなる保留に対して事前判定フラグが設定されている場合に、その事前判定フラグに基づく事前示唆演出を規制する。そのため、時短遊技が終了する可能性のある所定回数目の報知演出が行われるときには、特定示唆演出を含む報知演出に対して遊技者を注目させることが可能であり、特定示唆演出を効果的に行うことが可能である。
また事前示唆演出制御部72は、事前判定の結果を示唆する事前示唆演出を複数回の報知演出にわたって行わせることが可能であるが、特定示唆演出を含む報知演出が行われるときには、当該報知演出において行われる事前示唆演出を規制する。そのため、時短遊技モードM1が終了する可能性のある所定回数目の報知演出が行われるときには、特定示唆演出を含む報知演出に対して遊技者を注目させることが可能であり、特定示唆演出を効果的に行うことが可能である。特に所定回数目の報知演出が行われるときの変動時間は、所定回数目でないときの通常の変動時間よりも長いため、そのような比較的長い時間行われる特定示唆演出に対し、遊技者の関心を効果的にひきつけることができる。
さらに事前示唆演出制御部72は、事前判定の結果を示唆する事前示唆演出を複数回の報知演出にわたって行わせることが可能であり、特定示唆演出を含む報知演出が行われるときには、当該報知演出において行われる事前示唆演出の一部だけを規制し、他の事前示唆演出を当該報知演出においてもそのまま実行させることも可能である。例えば上述したように、スピーカー8や枠ランプ7、可動役物などで行う事前示唆演出はそのまま所定回数目の報知演出においても行わせるようにしても良い。この場合、特定示唆演出を含む報知演出が行われるときでも、遊技者に対し、複数回の報知演出にわたって行っている事前示唆演出が継続中であることを示唆できるので、事前示唆演出による演出効果を継続的に発揮させることが可能である。
◆演出制御基板の第2の動作◆
次に演出制御基板33の第2の動作について説明する。特別遊技終了後に演出モードが潜伏遊技モードM3へ移行した場合、上述したように変動回数が所定回数目(10回目、20回目、30回目、50回目及び70回目)となるときに、潜伏遊技演出制御部85によって高確率示唆演出が行われる。潜伏遊技モードM3における遊技者の関心は、確率状態が高確率状態であるか否か、という点にあるため、高確率示唆演出は、そのような遊技者の関心を煽り、遊技者の期待感をより一層高揚させるという作用効果を奏する演出である。しかし、このような高確率示唆演出と事前示唆演出とが同時に行われると、高確率示唆演出や事前示唆演出によるそれぞれの演出効果が低減する可能性がある。
例えば、画像表示器12において行われる事前示唆演出は、上述のように変動表示の背景を特殊背景12hに変化させたりして行われるが、潜伏遊技モードM3において変動回数が所定回数目となるときには、特定示唆演出において変動表示が小図柄表示105(図28参照)に切り替えられるため、小図柄表示105の背景を特殊背景12hに変化させても遊技者によって背景の切り替わりが認知される可能性は極めて低い。そのため、潜伏遊技中における変動回数が所定回数目となって高確率示唆演出が行われるときには、事前示唆演出制御部72が事前判定の結果に基づいて事前示唆演出を行っても効果的な演出を行うことができない。また、潜伏遊技モードM3における変動回数が所定回数目となって高確率示唆演出が行われるときに、画像表示器12の画面全体の背景を特殊背景12hなどに変化させてしまうと、それによって高確率示唆演出としての演出効果が低減してしまうことがある。したがって、事前示唆演出制御部72は、潜伏遊技モードM3において高確率示唆演出が行われるときには、事前判定の結果に基づく事前示唆演出の実行を規制する。以下、このような演出制御基板33における具体的な動作について説明する。尚、事前判定部71による事前判定処理は上述したものと同様である。
図35は、事前示唆演出制御部72による事前示唆演出制御処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、演出制御基板33のCPU33aがタイマ割込処理として一定時間ごとに繰り返し実行することによって行われる処理である。事前示唆演出制御部72は、この処理を開始すると、まず事前判定フラグがセットされているか否かを判断する(ステップS1301)。その結果、事前判定フラグがセットされている場合(ステップS1301でYES)、事前示唆演出制御部72は、現在の演出モードが潜伏遊技モードM3であるか否かを判断する(ステップS1302)。現在の演出モードが潜伏遊技モードM3である場合(ステップS1302でYES)、事前示唆演出制御部72は、現在の保留状態を確認する(ステップS1103)。そして事前示唆演出制御部72は、特別遊技終了後、潜伏遊技モードM3に移行してから現在までの変動回数と現在の保留状態とに基づき、事前判定フラグのセットされた保留が所定回数目(10回目、20回目、30回目、50回目及び70回目)の変動となる保留であるか否かを判断する(ステップS1304)。すなわち、所定回数目の変動となる保留であれば、その保留が消化されたときに行われる変動表示の際に、高確率示唆演出制御部86による高確率示唆演出が行われることが判明する。そのため、事前示唆演出制御部72は、所定回数目の変動となる保留であれば(ステップS1304でYES)、事前示唆演出を行うことなく、その保留に対してセットされている事前判定フラグを解除する(ステップS1305)。これに対し、所定回数目の変動となる保留でなかった場合(ステップS1304でNO)、事前示唆演出制御部72は、上述したように、その保留に対応する保留表示を通常とは異なる表示態様に変更し(ステップS1306)、遊技者に対してその保留が大当たりに当選するかもしれないことを事前に示唆する。また現在の演出モードが潜伏遊技モードM3でなかった場合も(ステップS1302でNO)、事前示唆演出制御部72は、その保留に対応する保留表示を通常とは異なる表示態様に変更し(ステップS1306)、遊技者に対してその保留が大当たりに当選するかもしれないことを事前に示唆する。尚、事前判定フラグがセットされていない場合には(ステップS1301でNO)、ステップS1302〜S1306の処理はスキップする。
このように事前示唆演出制御部72は、潜伏遊技モードM3において事前判定フラグがセットされているとき、そのフラグのセットされた保留が所定回数目の変動となる保留であれば、事前示唆演出が行われないように規制する。そのため、潜伏遊技モードM3において高確率示唆演出が行われるときに、その高確率示唆演出の演出効果が低減してしまうことなどを未然に防止することができる。尚、上記においては、事前判定フラグのセットされた保留が所定回数目の変動となる保留であれば、保留表示の表示態様を変化させる事前示唆演出が行われないように規制する場合を例示したが、画像表示器12以外で行われる事前示唆演出は規制しないようにしても良い。例えば事前示唆演出は、上述したように画像表示器12で行われると共に、スピーカー8や枠ランプ7、可動役物などでも行うことが可能である。そのため、画像表示器12において行われる事前示唆演出だけを規制し、スピーカー8や枠ランプ7、可動役物などで行われる事前示唆演出は規制することなく、そのまま実行させるようにしても良い。
続いて事前示唆演出制御部72は、主制御基板30から変動開始コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS1307)。変動開始コマンドを受信した場合(ステップS1307でYES)、事前示唆演出制御部72は、事前判定フラグのセットされた保留が記憶されているか否かを判断する(ステップS1308)。そして事前判定フラグのセットされた保留が記憶されている場合(ステップS1308でYES)、事前示唆演出制御部72は、現在の演出モードが潜伏遊技モードM3であるか否かを判断する(ステップS1309)。現在の演出モードが潜伏遊技モードM3である場合(ステップS1309でYES)、事前示唆演出制御部72は、今回の変動による変動回数を確認し(ステップS1310)、今回の変動が所定回数目(10回目、20回目、30回目、50回目及び70回目)の変動であるか否かを判断する(ステップS1311)。すなわち、所定回数目の変動であれば、今回の変動表示の際に、高確率示唆演出制御部86による高確率示唆演出が行われることが判明する。そのため、事前示唆演出制御部72は、今回の変動が所定回数目の変動であれば(ステップS1311でYES)、今回の変動中に行う予定であった事前示唆演出を規制する(ステップS1313)。これに対し、今回の変動が所定回数目の変動でなかった場合(ステップS1311でNO)、事前示唆演出制御部72は、今回の変動中に行う予定であった事前示唆演出をそのまま実行し(ステップS1312)、遊技者に対して現在記憶されている保留が大当たりに当選するかもしれないことを事前に示唆する。また現在の演出モードが潜伏遊技モードM3でなかった場合も(ステップS1309でNO)、事前示唆演出制御部72は、今回の変動中に行う予定であった事前示唆演出をそのまま実行し(ステップS1312)、遊技者に対して現在記憶されている保留が大当たりに当選するかもしれないことを事前に示唆する。
その後、事前示唆演出制御部72は、今回の変動により事前判定フラグのセットされた保留が消化されたか否かを判断し(ステップS1314)、事前判定フラグのセットされた保留が消化されていれば(ステップS1314でYES)、事前判定フラグを解除する(ステップS1315)。また事前判定フラグのセットされている保留が消化されておらず、依然として記憶されていれば(ステップS1314でNO)、そのフラグを解除することなく、処理を終了する。尚、変動開始コマンドを受信していない場合(ステップS1307でNO)、或いは、事前判定フラグがセットされていない場合(ステップS1308でNO)、上述したステップS1309〜S1315の処理はスキップする。
上記のような処理により、事前示唆演出制御部72によって行われる事前示唆演出が複数回の報知演出にわたって行われる場合でも、潜伏遊技モードM3において所定回数目の変動となるときには、事前示唆演出の実行が規制される。そのため、潜伏遊技モードM3において行われる高確率示唆演出の演出効果が低減してしまうことなどを未然に防止することができる。尚、この場合の規制についても、上記と同様、事前示唆演出として行われる演出の一部を規制するものであっても良い。
このように本実施形態では、特別遊技終了後の演出モードが潜伏遊技モードM3に移行した場合、その潜伏遊技モードM3が継続している間の所定回数目の報知演出が行われるときに、報知演出制御部80が通常の報知演出とは異なる高確率示唆演出を含む報知演出を行わせることが可能である。そして事前示唆演出制御部72は、高確率示唆演出を含む報知演出が行われることとなる保留に対して事前判定フラグが設定されている場合に、その事前判定フラグに基づく事前示唆演出を規制する。そのため、潜伏遊技モードM3において所定回数目の報知演出が行われるときには、高確率示唆演出を含む報知演出に対して遊技者を注目させることが可能であり、高確率示唆演出を効果的に行うことが可能である。
また事前示唆演出制御部72は、事前判定の結果を示唆する事前示唆演出を複数回の報知演出にわたって行わせることが可能であるが、高確率示唆演出を含む報知演出が行われるときには、当該報知演出において行われる事前示唆演出を規制する。そのため、潜伏遊技モードM3において所定回数目の報知演出が行われるときには、高確率示唆演出を含む報知演出に対して遊技者を注目させることが可能であり、高確率示唆演出を効果的に行うことが可能である。特に所定回数目の報知演出が行われるときの変動時間は、所定回数目でないときの通常の変動時間よりも長いため、そのような比較的長い時間行われる高確率示唆演出に対し、遊技者の関心を効果的にひきつけることができる。
さらに事前示唆演出制御部72は、事前判定の結果を示唆する事前示唆演出を複数回の報知演出にわたって行わせることが可能であり、高確率示唆演出を含む報知演出が行われるときには、当該報知演出において行われる事前示唆演出の一部だけを規制し、他の事前示唆演出を当該報知演出においてもそのまま実行させることも可能である。例えば上述したように、スピーカー8や枠ランプ7、可動役物などで行う事前示唆演出はそのまま所定回数目の報知演出においても行わせるようにしても良い。この場合、高確率示唆演出を含む報知演出が行われるときでも、遊技者に対し、複数回の報知演出にわたって行っている事前示唆演出が継続中であることを示唆できるので、事前示唆演出による演出効果を継続的に発揮させることが可能である。
尚、上記においては演出制御基板33の第2の動作として、潜伏遊技モードM3において所定回数目の報知演出が行われるときに、事前示唆演出を規制する場合を例示したが、これを第1の動作と組み合わせるようにしても良い。すなわち、事前示唆演出制御部72は、時短遊技モードM1において所定回数目(10回目、20回目及び30回目)の報知演出が行われるときに事前示唆演出を規制すると共に、潜伏遊技モードM3においても所定回数目(10回目、20回目、30回目、50回目及び70回目)の報知演出が行われるときに事前示唆演出を規制するようにしても良い。
◇演出制御基板の第3の動作◇
次に演出制御基板33の第3の動作について説明する。上述したように潜伏遊技モードM3において所定回数目の報知演出が行われるときには、変動時間が通常よりも長くなり、その長い変動時間を利用して高確率示唆演出が行われる。この高確率示唆演出は、潜伏遊技モードM3において現在の確率状態が高確率状態である可能性を示唆するものである。そして本実施形態では、潜伏遊技モードM3において高確率示唆演出を複数回行い、それら複数回の高確率示唆演出の積み重ねによって高確率状態である可能性が高いか否か示唆するようにしている。
一方、特別遊技判定において確変大当たりFに当選した場合でも、潜伏遊技モードM3へ移行する前に確変大当たりに当選したことが報知されることがある。例えば確変大当たりFに当選して行われる特別遊技の実行中に、高確率演出制御部91が作動して特別遊技終了後の確率状態が高確率状態であることが報知されることがある。また特別遊技判定において確変大当たりFに当選した場合に行われる報知演出の実行中においても、高確率演出制御部87によって特別遊技終了後の確率状態が高確率状態であることが先に報知されてしまうことがある。そのような場合、潜伏遊技モードM3へ移行する時点で既に高確率状態であることが報知されているため、潜伏遊技モードM3において所定回数目の報知演出が行われるときに高確率示唆演出を行っても、既に報知されている内容を複数回に分割して報知する演出となってしまうため、新たな演出効果を発揮するものではなく、寧ろ遊技の興趣性を低下させてしまうおそれがある。
また潜伏遊技モードM3へ移行する前に確変大当たりに当選したことが報知されていない場合であっても、潜伏遊技モードM3へ移行してから最大5回の高確率示唆演出が行われる途中で、所定個数のアイテムを貯留することに成功して現在の確率状態が高確率状態であることが報知された場合、その後に行われる高確率示唆演出では有効な演出を行うことができなくなる可能性もある。
そこで本実施形態における潜伏遊技演出制御部85は、潜伏遊技モードM3において所定回数目(10回目、20回目、30回目、50回目及び70回目)の報知演出を行うとき、それ以前に高確率状態であることを示す演出が既に行われていないことを条件として、高確率示唆演出制御部86を動作させ、高確率示唆演出として有効な演出を行うことができる場合にのみ、高確率示唆演出を行う。以下、このような演出制御基板33における具体的な動作について説明する。
図36は、潜伏遊技演出制御部85による潜伏遊技演出制御処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、演出制御基板33のCPU33aがタイマ割込処理として一定時間ごとに繰り返し実行することによって行われる処理である。潜伏遊技演出制御部85は、この処理を開始すると、まず現在の演出モードが潜伏遊技モードM3であるか否かを判断する(ステップS1401)。その結果、潜伏遊技モードM3でない場合(ステップS1401でNO)、この処理は終了する。これに対し、潜伏遊技モードM3である場合(ステップS1401でYES)、潜伏遊技演出制御部85は、主制御基板30から変動開始コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS1402)。変動開始コマンドを受信した場合(ステップS1402でYES)、潜伏遊技演出制御部85は、今回の変動による変動回数を確認し、今回の変動が所定回数目(10回目、20回目、30回目、50回目及び70回目)の変動であるか否かを判断する(ステップS1403)。すなわち、所定回数目の変動であれば、今回の変動表示の際に、高確率示唆演出制御部86による高確率示唆演出を行う予定であることが判明する。そして今回の変動が所定回数目であった場合(ステップS1403でYES)、潜伏遊技演出制御部85は、特別遊技判定の結果が大当たりであるか否かを判断し(ステップS1405)、大当たりでない場合(ステップS1405でNO)、現在の確率状態が高確率状態であることを報知する高確率演出が既に実行済みであるか否かを判断する(ステップS1406)。ここでは、特別遊技判定が行われた後の報知演出及び特別遊技演出のいずれか一方若しくは双方において高確率演出が行われたか否かが判断される。その結果、現在の潜伏遊技モードM3へ移行する契機となった特別遊技判定の後から現時点までに高確率演出が実行されていない場合(ステップS1406でNO)、潜伏遊技演出制御部85は、高確率示唆演出制御部86を動作させる。そして高確率示唆演出制御部86は、複数の演出パターンの中から、高確率示唆演出を行うための高確率示唆演出パターンを選択する(ステップS1407)。これに対し、現在の潜伏遊技モードM3へ移行する契機となった特別遊技判定の後から現時点までに既に高確率演出が実行されている場合(ステップS1406でYES)、潜伏遊技演出制御部85は、高確率示唆演出制御部86を動作させることなく、複数の演出パターンの中から、20秒の変動時間に対応する所定の演出パターンを選択する(ステップS1408)。このとき選択される演出パターンは、高確率示唆演出を行うものではなく、例えば20秒の変動時間に対応して予め用意された動画演出などの演出パターンである。したがって、高確率演出が既に実行されていれば、潜伏遊技モードM3において所定回数目の変動が行われるときでも、高確率示唆演出を含む報知演出は行われなくなる。
一方、今回の変動が所定回数目の変動でなかった場合(ステップS1403でNO)、或いは、特別遊技判定の結果が大当たりである場合(ステップS1405でYES)、潜伏遊技演出制御部85は、変動開始コマンドに含まれる変動時間を確認し(ステップS1409)、複数の演出パターンの中から、その変動時間に対応する演出パターンを選択する(ステップS1410)。
そして潜伏遊技演出制御部85は、潜伏遊技モードM3における報知演出の実行を開始する(ステップS1411)。尚、変動開始コマンドを受信していない場合(ステップS1402でNO)、ステップS1403〜S1411の処理はスキップする。その後、潜伏遊技演出制御部85は、主制御基板30から変動停止コマンドを受信したか否かを判断し(ステップS1412)、受信している場合(ステップS1412でYES)、報知演出を終了させる(ステップS1413)。尚、変動停止コマンドを受信していなければ、ステップS1413の処理はスキップする。
このように本実施形態の遊技機1は、特別遊技終了後に高確率状態及び低確率状態のいずれか移行されている場合において、所定回数目の変動表示が行われるときに、それ以前に高確率状態であることを報知する高確率演出が行われていないと、高確率状態に移行されている可能性を示唆する高確率示唆演出を含む報知演出を行わせることが可能であり、所定の条件が成立したときに既に高確率演出が行われていれば、高確率示唆演出を含む報知演出を規制する。すなわち、高確率示唆演出が新たな演出効果を発揮するものでないときには高確率示唆演出の実行を規制することにより、遊技の興趣性を低下させてしまうことを未然に防止することができるのである。また高確率示唆演出が新たな演出効果を発揮するものでないときには高確率示唆演出とは異なる別の演出を行うことにより、その別の演出によって興趣性を向上させることができるという利点もある。
◇変形例◇
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述した内容のものに限定されるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
例えば、上記実施形態では、第1、第2及び第3時短遊技状態ST1,ST2,ST3のそれぞれが変動回数10回、20回及び30回となるまで継続する場合を例示したが、各時短遊技状態が継続する変動回数は、適宜設定可能であり、上述した回数に限られない。また上記実施形態では、互いに継続回数が異なる3つの時短遊技状態ST1,ST2,ST3を有する場合を例示したが、継続回数が異なる2つの時短遊技状態を有するものであっても構わない。
また特別遊技終了後に変動回数が所定回数を超えると時短遊技状態が終了する1つの時短遊技状態だけを有するものであっても構わない。この場合、時短遊技状態は、特別遊技終了後の変動回数が所定回数を超えると始動条件の成立し易い状態を終了させる遊技である。これに対し、確変遊技状態は、特別遊技終了後の変動回数が所定回数を超えても始動条件の成立し易い状態が継続する遊技である。
また上記実施形態では、特別遊技終了後の変動回数が所定回数目となるときに特定示唆演出や高確率示唆演出を行う場合を例示した。しかし、特定示唆演出や高確率示唆演出は、必ずしも特別遊技終了後の変動回数に応じて行われるものでなくても良い。例えば、特別遊技終了後において特別遊技判定や特別図柄の変動表示を行う際に、抽選によって特定示唆演出や高確率示唆演出を行うようにしても良い。すなわち、特定示唆演出は、時短遊技状態ST1,ST2,ST3において所定の条件が成立したときに行われるものであれば良い。また高確率示唆演出についても、潜伏遊技モードM3において所定の条件が成立したときに行われるものであれば良い。