JP2017028039A - 電子機器および撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】常温から高温まで広範囲の温度環境下において、潜熱蓄熱材による外装部材の温度上昇遅延効果を効率良く得ることができる電子機器を提供する。
【解決手段】動作時に熱を発生し、熱源となる電子部品と、電子部品が発生する熱が伝わり、ユーザが把持する外装部材2と、低融点潜熱蓄熱材を有する低融点蓄熱部材21と、高融点潜熱蓄熱材を有する高融点蓄熱部材22とを備える。低融点蓄熱部材21は、電子部品と外装部材2とを含む伝熱経路の少なくとも一箇所に設けられる。高融点蓄熱部材22は、伝熱経路における、低融点蓄熱部材21の接続箇所よりも電子部品の動作時の温度が高い箇所に設けられる。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子機器および撮像装置に関する。
デジタルカメラやスマートフォン、タブレット、ゲーム機といったモバイル用途の電子機器は、高機能化に伴う高電力消費化と、携行性を向上させるための小型化が図られている。したがって、電子機器の発熱密度が増加し、外装部材の温度が上昇しやすい傾向となっている。ユーザが触れられる箇所が高温となることは好ましくないため、外装部材の温度上昇を抑える熱対策を施すことが重要である。
特許文献1は、撮像装置のグリップ部の内部に蓄熱部材を追加することで、グリップ部の温度上昇を遅らせる構成を有する撮像装置を開示している。また、特許文献2は、電子機器の外装部材の内面に蓄熱材を塗工することで、外装部材が短時間で高温となることを防止する構成を有する電子機器を開示している。
特開2012−004780号公報 特開2006−100564号公報
特許文献1が開示する撮像装置では、蓄熱部材としてアルミニウム等の金属部材を用いているので、その蓄熱量が小さく、常温環境下における温度上昇を遅らせる効果(温度上昇遅延効果)も小さい。また、特許文献2が開示する電子機器では、蓄熱材として融解時に大きな蓄熱効果を発揮する潜熱蓄熱材を用いている。したがって、電子機器を真夏の車内や暖房器具近傍等の高温環境に放置した場合、電子機器を動作させる前に潜熱蓄熱材が融解してしまい、潜熱蓄熱材が冷えて凝固するまでのしばらくの間、温度上昇遅延効果が得られなくなる。
本発明は、常温から高温まで広範囲の温度環境下において、潜熱蓄熱材による外装部材の温度上昇遅延効果を効率良く得ることができる電子機器の提供を目的とする。
本発明の一実施形態の電子機器は、動作時に熱を発生し、熱源となる電子部品と、前記電子部品が発生する熱が伝わり、ユーザが把持する外装部材と、第一の融点を持つ第一の潜熱蓄熱材を有する第一の蓄熱部材と、前記第一の融点より高い第二の融点を持つ第二の潜熱蓄熱材を有する第二の蓄熱部材とを備える。前記第一の蓄熱部材は、前記電子部品と前記外装部材とを含む伝熱経路の少なくとも一箇所に設けられる。前記第二の蓄熱部材は、前記伝熱経路における、前記第一の蓄熱部材の接続箇所よりも前記電子部品の動作時の温度が高い箇所に設けられる。
本発明の電子機器によれば、常温から高温まで広範囲の温度環境下において、潜熱蓄熱材による外装部材の温度上昇遅延効果を効率良く得ることができる。
実施例1の電子機器の構成を示す図である。 カメラ本体を鉛直上方向から見た断面を説明する図である。 蓄熱部材の構成例を示す図である。 実施例1の構成における部材間の代表的な熱の流れを説明する図である。 動画撮影時のカメラ本体の外装部材の温度上昇を説明する図である。 動画撮影時のカメラ本体の外装部材の温度上昇を説明する図である。 本実施例の電子機器による効果を説明する図である。 スマートフォンの構成を示す図である。 スマートフォンの内部を側面方向から見た断面を示す図である。 実施例2における蓄熱部材の構成を示す図である。 動画撮影時の外装部材の温度上昇を示すグラフである。
(実施例1)
図1は、実施例1の電子機器の構成を示す図である。
実施例1の電子機器は、デジタルカメラの一例としてのコンパクトカメラである。なお、本発明は、コンパクトカメラに限らず、他のレンズ交換式カメラやビデオカメラ、ウェアラブルカメラ等にも適用することができる。
まず、本発明の大きな目的である、電子機器の外装部材の温度上昇を抑える際の指針を説明する。外装部材のようにユーザが触れられる箇所に対して、熱設計上の許容温度Tを設定する。仮に電子機器を長時間使用し、外装部材の温度がこの温度に至るような場合には、一時的な機能制限(例えば、デジタルカメラの場合は撮影を停止する等)を行い、電力の消費を抑えてその温度を超えないように設定する。更に、外装部材の温度上昇を遅らせることで、外装部材が許容温度に至るまでの時間を延ばし、機能制限を行わずとも電子機器を使用することが可能な時間を延ばすようにする。
図1(A)は、コンパクトカメラを前面すなわち撮影光軸上の光源方向から見た面を示す。図1(B)は、コンパクトカメラを背面から見た図を示す。
カメラ本体1は、外殻を形成し、動画撮影時にユーザが把持する外装部材2と、撮影対象からの光を取り込むレンズ鏡筒3及びその光軸3a(紙面垂直方向)、撮影画像のプレビューや記録画像の表示等を行うディスプレイ4を備える。また、カメラ本体1は、レリーズやズーム、モード選択・決定といった、撮影に関わる基本的な操作を行うためのレリーズボタン5とズームレバー6、モードダイヤル7、操作ボタン群8を備える。
カメラ本体1は、その内部に、レンズ鏡筒3を通過した光を受け取り、光電変換を行う撮像素子9と、撮像素子で得られた電気信号を処理する画像処理IC10、データの通信や記録を行うための複数のIC・回路素子を搭載したメイン基板11を備える。また、カメラ本体1は、暗所で撮影を行うためのストロボユニット12と、その発光を行うためのストロボコンデンサ13を備える。更に、カメラ本体1は、不図示のバッテリボックス14及びカードスロット15、メインフレーム16といった構造部材を備えている。カメラ本体1はその他にも撮影に関わる多くの機能を備えているが、本実施例の要部ではないので図示及び説明を省略する。
カメラ本体1で動画撮影を行う場合、ユーザは、まず外装部材2を把持した後、モードダイヤル7を操作し、カメラの撮影モードを動画撮影モードに設定する。その後、ユーザは、カメラ本体1を被写体に向け、ズームレバー6を操作し、レンズ鏡筒3のズームを行い、撮影画角を適宜調整した上で、操作ボタン群8中の録画ボタンを押して動画撮影を開始する。動画撮影中は、カメラ本体1内で不図示のシャッターが常時開となり、撮像素子9が連続的に受光し光電変換を行う。更に、得られた電気信号を画像処理IC10とメイン基盤11上の複数のIC・回路素子が連続的に処理・記録することで、動画データが作成される。
上記のように、動画撮影時は撮像素子9や画像処理IC10、メイン基盤11上のIC・回路素子が連続的に動作するので、電力を多く消費し、これらの部分で大きい熱が発生する。この熱は、主にカメラ本体1の内部の構造部材を経由して外装部材2に伝わり、その後、外装部材の表面における対流や放射によってカメラ外へと放出されるが、その過程で一部の熱は外装部材2に蓄えられ、温度を上昇させる。
長時間の動画撮影を行った場合、外装部材2の温度は、無限には上昇せず、高温になるほど徐々にその上昇速度は鈍り、やがてある値で定常となる。これは、外装部材2が高温になるほど、外気との温度差が大きくなり、表面の対流や放射によって単位時間に放出される熱量が多くなるためである。外装部材2の温度が上昇し、放熱量が徐々に大きくなり、伝わってくる熱量と等しくなった時点で温度は定常に至る。
また、外装部材2の温度が上昇する速度(温まりやすさ)は、カメラ本体1の熱容量によって変化する。熱容量は、材料が単位温度上昇する際に蓄える熱量を示す物性値である。熱容量の値が大きい程、温度上昇にはより多くの熱量が必要となるので、外装部材2は温まりにくくなり、温度上昇を遅らせることができるようになる。
カメラ本体1の熱容量は、蓄熱部材を追加で搭載することで大きくすることができる。更に、この蓄熱部材は、潜熱蓄熱材を含有することが望ましい。潜熱蓄熱材は、蓄熱材の一種であり、物質が融解する際に多量の潜熱を吸収する現象を利用して、見かけ上の熱容量を大きくした材料である。カメラの温度上昇を遅らせるために適当な、常温以上の融点を有する潜熱蓄熱材として代表的なものには、有機系のパラフィンやポリエチレングリコール、無機系の硫酸ナトリウム塩十水和物、酢酸ナトリウム塩三水和物、チオ硫酸ナトリウム五水和物等がある。
図11は、蓄熱部材として潜熱蓄熱材を搭載しないカメラと、搭載するカメラの、動画撮影時の外装部材の温度上昇を示すグラフである。
図11中の点線は、潜熱蓄熱材を搭載しないカメラの温度を示す。潜熱蓄熱材を搭載しないカメラでは、外装部材の温度は連続的に上昇する。図11中の実線は、潜熱蓄熱材を搭載するカメラの温度を示す。潜熱蓄熱材を搭載するカメラでは、始めの期間31においては潜熱蓄熱材を搭載しないカメラと同様に温度が上昇する。
期間32で内部の潜熱蓄熱材が融点に達し、融解し始めると多量の潜熱を吸収するので、外装部材の温度上昇は鈍るようになる。その後、潜熱蓄熱材が融け終わると、期間33で外装部材の温度は再び急激に上昇するが、結果として許容温度Tに到達するまでの時間は大きく延びることになる。したがって、カメラ本体1に蓄熱部材を追加で搭載することで温度上昇を遅らせ、動画撮影可能な時間を延ばすことができるようになる。以降は、これを潜熱蓄熱材(蓄熱部材)による外装部材に及ぼす温度上昇遅延効果と呼称する。
上記の潜熱蓄熱材は、従来、外装部材に及ぼす温度上昇遅延効果を最大限に発揮するために、外装部材やその付近の構造部材等、外装部材と熱的に近い箇所に接続されるようにカメラ内に搭載されてきた。また、外装部材が許容温度に達するより前に融解して温度上昇遅延効果を発揮するために、許容温度よりも低い融点を有する物が用いられてきた。
潜熱蓄熱材は、動画撮影中に融解することで初めて効果を発揮するものである。したがって、例えば、高温環境にカメラを放置し、動画撮影開始前に内部の潜熱蓄熱材が融解したような場合、その後常温環境で放置し、外装部材の温度が許容温度以下に下がってもなお、潜熱蓄熱材が凝固するまでのしばらくの間、温度上昇遅延効果が失われる。実際にカメラが置かれうる高温環境としては、例えば、夏場の駐車時の車内や、冬場の暖房器具の付近等が考えられ、そこではカメラ全体が50℃以上に達する。この温度は、外装部材の許容温度よりも高いので、上記の問題は実使用上十分に起こり得る。また、潜熱蓄熱材はその性質上、温まり難い一方で冷め難くもあるため、常温環境で放置した場合に凝固するまでの時間は大変長い。よって、上記の問題への対策の必要性は高い。
上記の問題への対策の一つとしては、カメラ内部に搭載する潜熱蓄熱材の融点を高くすることが挙げられる。すなわち、想定しうる高温環境の温度よりも高い融点を有する潜熱蓄熱材をカメラ内部に搭載することで、放置時に蓄熱材が融解してしまうことを防ぐことができる。しかし、この場合、潜熱蓄熱材は外装部材の近くではなく、熱源に近く、外装部材より動作時の温度が高いカメラの内側の部分に搭載しなければならない。なぜならば、外装部材が許容温度に達するより前に潜熱蓄熱材が融解して温度上昇遅延効果を発揮するためには、潜熱蓄熱材は外装部材よりも早く温められ、許容温度よりも高い融点に達する必要があるからである。
ここで、潜熱蓄熱材は、外装部材と熱的に近い箇所に接続する方が、外装部材に至る熱の多くを吸収し易いので、外装部材に対する温度上昇遅延効果が大きい。外装部材から遠い箇所に接続する場合、外装部材に至る熱の一部は吸収するものの、他の経路から熱が回り込むため、外装部材の温度は上昇し易い。したがって、カメラ内部に搭載する潜熱蓄熱材の融点を高くする場合、常温環境下における外装部材に対する温度上昇遅延効果が、融点が低い場合と比べて小さくなる。以上より、許容温度より低い融点を有する潜熱蓄熱材を搭載した場合と、高い融点を有する潜熱蓄熱材を搭載した場合では、それぞれ、特定の温度環境下では高い温度上昇遅延効果が得られるものの、別の温度環境下では効果が損なわれる。
本発明では、異なる融点を有する複数の潜熱蓄熱材を搭載することで、常温から高温まで広範囲の温度環境下において、潜熱蓄熱材による外装部材の温度上昇遅延効果が効率良く得られる構成を提供する。本実施例では、第一の融点を持つ第一の潜熱蓄熱材を有する第一の蓄熱部材と、第一の融点より高い第2の融点を持つ第二の潜熱蓄熱材を含む第二の蓄熱部材をカメラ本体1に搭載する。第一の潜熱蓄熱材を低融点潜熱蓄熱材と呼ぶ。第一の蓄熱部材を低融点蓄熱部材と呼ぶ。第二の潜熱蓄熱材を高融点潜熱蓄熱材と呼ぶ。第二の蓄熱部材を高融点蓄熱部材と呼ぶ。低融点潜熱蓄熱材の融点は、外装部材の許容温度よりも低く、常温よりも高い温度とする。また、高融点潜熱蓄熱材の融点は、想定される高温環境の温度よりも高く、熱源の最高温度よりも低い温度に設定される。
低融点蓄熱部材は、電子部品と外装部材とを含む伝熱経路の少なくとも一箇所に設けられる。例えば、低融点蓄熱部材は、外装部材と熱的に近い箇所に接続される。また、高融点蓄熱部材は、上記伝熱経路における低融点蓄熱部材の接続箇所よりも電子部品の動作時の温度が高い箇所に設けられる。例えば、高融点蓄熱部材は、熱源である電子部品と熱的に近い箇所に接続される。
上記の構成により、常温環境下においては、主に低融点潜熱蓄熱材により外装部材に対して大きな温度上昇遅延効果が得られるようになる。また、高温放置直後においては、高融点蓄熱部材中で潜熱蓄熱材が融解せずに固体として残っていることにより、外装部材に対する温度上昇遅延効果が失われずに得られるようになる。以下に、カメラ本体1の内部における蓄熱部材の配置と形態を説明する。
図2は、カメラ本体を鉛直上方向から見た断面を説明する図である。
カメラ本体1は、低融点蓄熱部材21と、高融点蓄熱部材22を備える。また、カメラ本体1は、バッテリ14aを収納するバッテリボックス14と、撮影して得られたデータを記録するメモリーカードを収納するカードスロット15を備える。更に、カメラ本体1は、これらの部材やレンズ鏡筒3といった構造部材と外装部材2を互いに連結し固定するためのメインフレーム16と、操作ボタン群8を支持するサブ基板17、撮像素子9の熱を高融点蓄熱部材に伝導する熱伝導部材18を備えている。
図3は、蓄熱部材の構成例を示す図である。
潜熱蓄熱材は、融解することで、液状もしくはゲル状となり流動性を呈するので、図3(A),(B)に示すように、他の材料中に封入、又は添加した形態で使用することが望ましい。図3(A)は、潜熱蓄熱材20aを金属又は樹脂製の容器20bに充填し密封した構成を示す。すなわち、図3(A)に示す構成では、低融点蓄熱部材と高融点蓄熱部材とは、潜熱蓄熱材を金属製または樹脂製の容器に充填して成る。
図3(B)は、カプセル化した潜熱蓄熱材20aを樹脂又はゴム部材20c中に添加した構成を示す。蓄熱部材は、カメラ本体1内の接続したい箇所に対して、例えば放熱シリコン等の熱伝導性接触材を用いて貼り付けたり、別途固定部材により固定することで利用することができる。他にも、図3(C),(D)に示すように、例えば、バッテリボックス14やメインフレーム16といったカメラ内に在来の構造部材に潜熱蓄熱材20aを充填し、構造部材が蓄熱部材の役割を兼ねるようにしてもよい。
図2において、低融点蓄熱部材21は、外装部材2の裏面の21aや、サブ基板17の裏面の21bのように、外装部材と熱的に近く、相対的に温度が低い箇所に対して接続されている。一方、高融点蓄熱部材22は、動作時に発熱する熱源と熱的に近く、相対的に温度が高い箇所に対して接続されている。例えば、高融点蓄熱部材22aは、画像処理IC10の直上に配置されている。また、高融点蓄熱部材22bは、メイン基盤11の裏側の隙間部に配置されている。また、高融点蓄熱部材22cは、撮像素子9の熱を伝える熱伝導部材18の端部に配置されている。これにより、全ての蓄熱部材が外装部材2が許容温度に達するより前に融解して温度上昇遅延効果を発揮することができる。
外装部材2の許容温度到達を遅らせるために最適な蓄熱部材中の潜熱蓄熱材の融点は、蓄熱部材の接続箇所毎の温度上昇特性により異なるため、それぞれの接続箇所に合わせて、更に細かく潜熱蓄熱材の融点を設定してもよい。すなわち、本実施例で用いる潜熱蓄熱材は高融点と低融点の2種類の区分に限らず、より多くの種類を用いてもよい。
なお、熱伝導部材18は撮像素子9が発生する熱を光軸3aに対して垂直方向に伝導した上で高融点蓄熱部材22cに伝えているが、これは、カメラ本体1の厚みが増してしまうことを避けるためである。一般に、カメラにおいては、薄型化が求められる一方で、良好な光学性能を確保するためにレンズ鏡筒3は一定の厚みを必要とし、この部分が外形においても厚み寸法のボトルネックとなることが多い。したがって、レンズ鏡筒3の光軸上には、ディプレイ4やメインフレーム16といった必要不可欠な部材を除き、他の部材を配置しないことが望ましい。ディプレイ4やメインフレーム16から離れた箇所に高融点蓄熱部材22cを配置し、薄い熱伝導部材18を用いて熱を伝えることは、カメラのような電子機器においては有効な手法となる。
図4は、実施例1の構成における部材間の代表的な熱の流れを説明する図である。
図4では、熱回路網法による表記を用いる。熱回路網法は、部材間を流れる熱を電気回路を流れる電気に見立てた等価熱回路を作成し、回路を解くことで各部材の温度上昇特性を求める解析手法である。熱回路網法において、熱流と温度、熱抵抗、熱容量は、それぞれ電気回路における電流と電位、電気抵抗、静電容量と対応する。また、熱回路網法における潜熱蓄熱材は、融点付近でのみ導通するスイッチを介して大容量コンデンサが接続された部材とみなすことができる。したがって、図4における各部の記号が示す内容は、以下の通りである。
,T,T,T,T,T,C,C,C,C,C,Cは、それぞれ熱源、構造部材A,B、外装部材、高融点蓄熱部材、低融点蓄熱部材の温度と熱容量である。TmH,TmL,CmH,CmLは、それぞれ高融点潜熱蓄熱材と低融点潜熱蓄熱材の融点と融解潜熱である。SwH,SwLは、それぞれ回路上で融解潜熱を表現するために便宜上加えたスイッチである。R12,R23,R34,R4∞,R2H,R3Lは、それぞれ熱源と構造部材Aの間、構造部材Aと構造部材Bの間、構造部材Bと外装部材の間、外装部材と外気の間、構造部材Aと高融点蓄熱部材の間、構造部材Bと低融点蓄熱部材の間の熱抵抗である。また、QとT∞は、それぞれ熱源の発熱量と外気温度である。更に、不図示の高温環境の外気温度と、熱源の最高到達温度をそれぞれT∞max ,T1max とする。なお、図中では説明の簡略化のため、構造部材を2部材にまとめている。また、高融点蓄熱部材と低融点蓄熱部材は、それぞれ1つずつのみ回路中に記載している。
図4を参照して、本実施例における望ましい構成の条件を説明する。高融点潜熱蓄熱材の融点TmHは、外装部材の熱設計上の許容温度であるTc、想定される高温環境の温度T∞max より高く、熱源の最高温度T1max より低いことが望ましい。また、低融点潜熱蓄熱材の融点TmLは、外装部材の許容温度Tより低く、常温Tより高いことが望ましい。これらの関係を数式で示すと、以下の通りとなる。
<TmL<T<T∞max <TmH<T1max
更に、上記の範囲内で、高融点潜熱蓄熱材の融点TmHはなるべく高く、また低融点潜熱蓄熱材の融点TmLは許容温度Tになるべく近いことが望ましい。高融点潜熱蓄熱材の融点TmHが高い程、より高温の環境でも蓄熱効果が得られるようになり、また、低融点潜熱蓄熱材の融点TmLが許容温度Tに近い程、蓄熱部材は外装部材に対して熱的に近い位置で高い効果を発揮することができるからである。
したがって、図4中の熱回路において、熱源から高融点蓄熱部材内の潜熱蓄熱材に至るまでの熱抵抗R12+R2Hと、外装部材から低融点蓄熱部材内の潜熱蓄熱材に至るまでの熱抵抗R34+R3Lは共になるべく小さくすることが望ましい。少なくとも、前記の熱抵抗R12+R2Hが、熱源から低融点蓄熱部材内の潜熱蓄熱材に至るまでの熱抵抗R12+R23+R3Lよりも小さくなるようにするとよい。これにより、高融点蓄熱部材が低融点蓄熱部材よりも早く高温に到達するようにできるので、高融点潜熱蓄熱材の融点TmHと低融点潜熱蓄熱材の融点TmLの間に幅を持たせて設定することができるようになる。以上より、実施例1では、各部の熱抵抗はR12, R2H, R34, R3Lを小さく、R23を大きくするように各部材を構成する。
熱抵抗R12やR34を小さくするには、蓄熱部材21と22とを、それぞれ、外装部材2と熱源となる電子部品9、10に対して可能な限り直接接続するとよい。また、熱抵抗R2HやR3Lを小さくするには、潜熱蓄熱材20aを覆う容器20bや基材20cをなるべく熱伝導率が大きいアルミ等の金属や高熱伝導性樹脂により形成する。そして、蓄熱部材21、22を熱伝導グリス等を介して構造部材に広範囲で密着させるとよい。
熱抵抗R23を大きくするには、カメラ本体1内において、熱源と外装部材を直接接続せずに、複数の構造部材を介して熱が伝わるような構成をとるとよい。しかし、熱抵抗R23を大きくしすぎると、熱源となる電子部品の温度が上がり、故障の原因となるので、熱抵抗R23は適当な値に留める必要がある。よって、熱抵抗R23を大きくするよりは、前記各部の熱抵抗R12, R2H, R34, R3Lを小さくする対策を優先してとる方がよい。
また、実際のカメラ本体1内では空気の対流や放射により、高融点蓄熱部材から直接低融点蓄熱部材や外装部材に至る熱の経路が存在するが、ここでの熱流量は通常無視できる程小さく、両者間は断熱された状態とみなせるので、図4中には記載していない。しかし、より小型、特に薄型の電子機器において、両者間の物理的な距離が近くなると、熱流量は無視できない大きさとなる。そして、その熱流は高融点蓄熱部材から熱が逃げることを意味し、高融点蓄熱部材の温度を上がり難くするので、高融点潜熱蓄熱材の融点TmHを小さく設定せねばならず、好ましくない。したがって、そのような場合は、両者間を断熱部材により断熱することが望ましい。
図5および図6は、高温放置直後と常温環境下での動画撮影時のカメラ本体の外装部材の温度上昇を説明する図である。
図中では、蓄熱部材中に潜熱蓄熱材を含まない場合と、従来の構成に相当する低融点蓄熱部材のみを搭載する場合、と、高融点蓄熱部材のみを搭載する場合の温度上昇の様子を示している。それぞれの場合における蓄熱部材の総質量は、同一である。
まず、図5に示すように、本実施例の構成をとることで、高温環境放置直後も潜熱蓄熱材による温度上昇遅延効果が得られるようになり、外装部材の許容温度Tcへの到達時間は従来の構成に相当する低融点蓄熱部材のみを搭載した場合と比べて大きく延びる。これは、カメラ本体1を高温環境に放置した際、低融点蓄熱部材21中の潜熱蓄熱材は融解してしまうものの、高融点蓄熱部材22中の潜熱蓄熱材は融解せずに残るため、動画撮影中に融解して効果を発揮することができるからである。
ここで、図5に示すように、高融点蓄熱部材のみを搭載することで、本実施例の構成よりも更に高温環境放置直後における温度上昇遅延効果を大きくすることができる。しかし、図6に示すように、常温環境下の温度上昇遅延効果は、高融点蓄熱部材のみを搭載する場合よりも本実施例の方が大きい。これは、本実施例の構成においては、外装部材2と熱的に近い位置に低融点蓄熱部材21を接続することで、大きい温度上昇遅延効果を発揮させているためである。
以上より、本実施例の構成をとることで、高温環境放置直後も潜熱蓄熱材による遅延効果が得られつつ、常温環境下の遅延効果が大きいカメラを提供することができる。これより、広範囲の温度環境において、潜熱蓄熱材による外装部材の温度上昇遅延効果が効率良く得られるようにするという本発明の目的を達成することができる。
なお、本実施例の構成において、低融点蓄熱部材21と高融点蓄熱部材22は、いずれも、外装部材2が許容温度に達する直前で内部の潜熱蓄熱材が融解して、温度上昇遅延効果を発揮するようにすることが望ましい。外装部材の温度がなるべく高い状態で温度上昇を遅延させることで、その間の外装部材からの放熱量が大きいため、蓄熱部材への蓄熱量を低減させることができ、より長時間温度上昇遅延効果を発揮させることができるようになるからである。したがって、本実施例では、高融点蓄熱部材と低融点蓄熱部材について、内部の潜熱蓄熱材が融解する期間が少なくとも互いに重なるように潜熱蓄熱材と融点を設定する。すなわち、電子機器の動作時に低融点蓄熱部材に含まれる潜熱蓄熱材が融解し始めてから融解し終わるまでの期間と、高融点蓄熱部材に含まれる潜熱蓄熱材が融解し始めてから融解し終わるまでの期間とが重なるように、潜熱蓄熱材の量と融点とが設定される。
図7は、本実施例の電子機器による効果を説明する図である。
図7中の破線は、蓄熱部材中の潜熱蓄熱材が融解する期間が互いに重ならない構成における、外装部材2の温度上昇を示す。図7中の実線は、本実施例の構成すなわち蓄熱部材中の潜熱蓄熱材が融解する期間が互いに重なる構成における、外装部材2の温度上昇を示す。
破線に対応する構成では、互いに独立の期間34、35で、それぞれの蓄熱部材が温度上昇遅延効果を発揮する。実線に対応する本実施例の構成では、同一の期間36内で高融点蓄熱部材と低融点蓄熱部材とが同時に温度上昇遅延効果を発揮する。本実施例のほうが温度上昇遅延効果が発揮されている間における外装部材2からの放熱量が大きいので、両蓄熱部材が効果を発揮できる期間が長くなり、許容温度に至るまでの時間を延ばすことができるようになる。
また、本実施例では、低融点蓄熱部材と高融点蓄熱部材について、それぞれ搭載する質量や割合を指定しなかったが、これらは目的とする仕様に応じて自由に決定して構わない。一般に、蓄熱部材は、搭載する質量を大きくするほど蓄熱量が大きくなり、温度上昇遅延効果も大きくなるが、その場合カメラの重量増を招くため、適当な値を決める必要がある。また、高融点蓄熱部材の割合を大きくすると、常温環境における遅延効果が若干弱まる代わりに、高温環境放置直後の遅延効果を強くすることができる。逆に、低融点蓄熱部材の比率を大きくすると、高温環境放置直後の遅延効果が弱まる代わりに、常温環境における遅延効果を若干強めることができる。
(実施例2)
実施例2の電子機器は、撮像装置の一例としてのスマートフォンである。スマートフォンも軽量・小型化が図られる一方で、多様な情報処理機能を実現するためにマイクロプロセッサを始めとする多くの電子部品を駆動し熱を発生するため、外装部材の温度が上昇しやすい電子機器である。
スマートフォンの大きな特徴として、薄型の電子機器であることが挙げられる。スマートフォンは、ユーザが衣類のポケット等に入れて携帯するために、薄型化の要求が非常に大きい。したがって、電子機器全般と比べても、幅方向や高さ方向の大きさの割に、厚さ方向の寸法が非常に小さい。このような薄型の電子機器においては、図2や図3で示したような蓄熱部材の配置や形態をとることは難しい。そこで、実施例2では、このような薄型の電子機器に適した蓄熱部材の形態と配置を提供する。
図8は、スマートフォンの構成を示す図である。
スマートフォン101は、外殻を形成し、通話や通信時にユーザが把持するガラスや透明樹脂製の前面外装部材102a及び金属や樹脂製の側・背面外装部材102bを備える。また、スマートフォン101は、静止画や動画を撮影するための前面と背面のカメラユニット103aと103b、タッチ操作に対応したディスプレイ104、大容量バッテリ114を備える。また、スマートフォン101は、補助的に操作を行うための1又は複数のハードキー108と、画像撮影時や夜間の照明として利用できるLED光源112を備える。更に、スマートフォン101は、その内部に、各種の演算処理を行う、マルチコアのマイクロプロセッサ110aを始めとするDRAM、フラッシュメモリ、通信用IC、パワーIC等の各種のIC群110と、これらを両面に実装するメイン基盤111を備える。
また、スマートフォン101は、無線通信を行うためのSIMカード115aと、SIMカード115aを納めるためのSIMカードスロット115を備える。また、スマートフォン101は、モーション検知機能やコンパス機能といった各種の付加機能を実現するための不図示のセンサ類を備える。以上説明したように、スマートフォン101は、小さい筐体内に多くの電子機器を密集して備えているので、各部品の放熱が妨げられ易く、熱がこもり、外装部材102の温度は上昇し易い。スマートフォン101は、その他も動作に関わる多くの機能を有しているが、本実施例の要部ではないので図示を省略する。
スマートフォン101は、通常の待ち受け時は、マイクロプロセッサ110aの動作周波数を落とし、ディスプレイ104の明るさを抑える、未使用のICやセンサ類をオフにするといった省電力機能が働く。したがって、この時は電力を殆ど消費せず、外装部材102の温度は殆ど上昇しない。しかし、例えば動画撮影等の連続でカメラユニット103を駆動する作業や、ゲーム等の負荷の大きいアプリケーションの実行、ドライブナビゲーション等の大容量の通信を継続する作業等を行うと、電力を多量に消費するので、外装部材102の温度が上昇する。特に、最近のマイクロプロセッサは、負荷に応じて自動的に一定期間動作周波数を高めるブースト機能を備える物が多いので、瞬間的に多くの電力を消費し、外装部材102の温度は短時間で上昇し易い。したがって、短時間での温度の上昇を抑える、蓄熱部材による熱対策の効果は大きい。
図9は、スマートフォンの内部を側面方向から見た断面を示す図である。
スマートフォン101は、本実施例の要部である低融点蓄熱部材121と高融点蓄熱部材122、断熱部材123を備えている。また、スマートフォン101は、常時多くの電波を授受する電子機器であるので、電波の漏洩や干渉を防ぐため、IC群110は、薄い金属性のシールド板116に蔽われ、電磁的に遮蔽されている。
本実施例における蓄熱部材の配置は、実施例1におけるデジタルカメラの場合と同様に、低融点蓄熱部材121は、外装部材に近く、温度の低い箇所に接続し、高融点蓄熱部材122a、122bは、熱源に近く、相対的に温度の高い箇所に接続する。
図10は、実施例2における蓄熱部材の構成を示す図である。
スマートフォンは、厚さが極端に小さいので、実施例1における図3で示したような塊状の蓄熱部材を搭載することは困難である。したがって、実施例2では、低融点蓄熱部材121と高融点蓄熱部材122aを、図10(A)または図10(B)に示す構成とする。
図10(A)は、潜熱蓄熱材120aをシート状のゴム部材120b中に細かく分散させた構成を示す。また、図10(B)は,潜熱蓄熱材120aを2枚の薄いシート材120c、120dで挟み、端部を閉じることで密閉した構成を示す。すなわち、図10(B)に示す構成では、低融点蓄熱部材と高融点蓄熱部材とは、潜熱蓄熱材を少なくとも2枚の薄いシート部材で挟み、端部を密閉して成る。図10(A),(B)に示す構成は、一般に、図3に示す形態と比べて、蓄熱部材に占める潜熱蓄熱材の充填率を上げることが難しいため、温度上昇遅延効果は大きくはない。しかし、薄く可とう性が高い蓄熱部材を形成することができるので、外装部材102の内面や、シールド部材116の表面に沿って貼り付けることで、薄く狭いスペースに効率良く配置することができる。図10(A),(B)に示す構成に代えて、IC群110とシールド板116の隙間を利用し、この隙間に高融点潜熱蓄熱材122bを充填して搭載するようにしてもよい。
また、スマートフォン101の内部においては、厚さ方向で高融点蓄熱部材122と、低融点蓄熱部材121又は外装部材102とが近接するので、これらの間で無視できない量の熱の授受が発生する。この熱の授受は、高融点蓄熱部材122の温度上昇を逃がすことになり、高融点潜熱蓄熱材の融点を低く設定しなければならなくなるため好ましくない。したがって、両部材間には断熱部材123を介在させて断熱することが望ましい。断熱部材123としては、例えば、熱伝導率が小さいスポンジやグラスウールの表面に反射率が大きいアルミフィルムを貼り合わせた断熱シートを用いる。断熱シートを、例えば外装部材102や低融点蓄熱部材121の、高融点蓄熱部材122と対向する面上に貼り付けることで、対流や放射による高融点蓄熱部材122からの受熱を防ぐので、両部材間を断熱することができる。両部材間に発泡樹脂等の熱伝導率の低い部材を充填することでも、空気の対流を妨げるため、断熱をすることができる。
また、低融点蓄熱部材121を図10(B)に示す形態で形成し、高融点蓄熱部材122と対向する側のシート材に上記の断熱シート123を用いることで、省スペースで本実施例の構成をとることができる。更に、もう一方の外装部材と密着する側のシート材に、グラファイトシートを主とする熱伝導率の高いシート材を用いれば、図4中のR3Lに相当する、低融点蓄熱部材121と外装部材102の間の熱抵抗を小さくすることができる。この構成では、図10(B)に示す2枚のシート部材は、一方が断熱性のシート部材であり、他方が所定の熱伝導率を有する熱伝導性のシート部材である。これにより、低融点潜熱蓄熱材の融点TmLを外装部材の許容温度に近い値に設定することができるようになる。このように、図10(B)に示す構成の蓄熱部材を形成する場合は、必要とする様々な特性に応じて、シート材120cと120dの材質を自由に選択することができる。
以上の構成により、スマートフォン101のような薄型の電子機器に対して、適切な配置と形態で低融点蓄熱部材121と高融点蓄熱部材122を搭載し、更に高融点蓄熱部材からの熱の放出経路を十分に断熱できる。これにより、実施例1におけるデジタルカメラの場合と同様の原理で、広い範囲の温度環境で潜熱蓄熱材による外装部材の温度上昇遅延効果が効率良く得られるようになる。
なお、実施例2の構成はスマートフォンに限らず、同様に薄型のタブレット端末やモバイルルーター、ゲーム機、パソコン周辺機器等の電子機器にも適用することができる。また、厚さ方向に余裕のある電子機器においても、省スペースの熱対策を実現し、内部空間を効率良く利用するために本実施例の構成を適用しても構わない。以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
1 カメラ本体
2 外装部材
11 メイン基板
18 熱伝導部材
20a 潜熱蓄熱材
21 低融点蓄熱部材
22 高融点蓄熱部材

Claims (11)

  1. 動作時に熱を発生し、熱源となる電子部品と、
    前記電子部品が発生する熱が伝わり、ユーザが把持する外装部材と、
    第一の融点を持つ第一の潜熱蓄熱材を有する第一の蓄熱部材と、前記第一の融点より高い第二の融点を持つ第二の潜熱蓄熱材を有する第二の蓄熱部材とを備え、
    前記第一の蓄熱部材は、前記電子部品と前記外装部材とを含む伝熱経路の少なくとも一箇所に設けられ、
    前記第二の蓄熱部材は、前記伝熱経路における、前記第一の蓄熱部材の接続箇所よりも前記電子部品の動作時の温度が高い箇所に設けられることを特徴とする電子機器。
  2. 前記第一の融点をTmL、前記第二の融点をTmH、前記外装部材の熱設計上の許容温度をTとすると、
    mL<T<TmH
    であることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  3. 前記電子部品から前記第一の蓄熱部材に至るまでの熱抵抗が、前記電子部品から前記第二の蓄熱部材に至るまでの熱抵抗より大きいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子機器。
  4. 前記電子機器の動作時に前記第一の蓄熱部材に含まれる前記第一の潜熱蓄熱材が融解し始めてから融解し終わるまでの期間と、前記第二の蓄熱部材に含まれる前記第二の潜熱蓄熱材が融解し始めてから融解し終わるまでの期間とが重なるように、潜熱蓄熱材の量と融点とが設定されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子機器。
  5. 前記第一の蓄熱部材と第二の蓄熱部材とは、潜熱蓄熱材を金属製または樹脂製の容器に充填して成ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子機器。
  6. 前記第一の蓄熱部材と第二の蓄熱部材とは、潜熱蓄熱材を樹脂またはゴム部材に添加して成ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子機器。
  7. 前記第一の蓄熱部材と第二の蓄熱部材とは、潜熱蓄熱材を2枚の薄いシート部材で挟み、端部を密閉して成ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子機器。
  8. 前記2枚のシート部材は、一方が断熱性のシート部材であり、他方が所定の熱伝導率を有する熱伝導性のシート部材であることを特徴とする請求項7に記載の電子機器。
  9. 前記第一の蓄熱部材と、前記第二の蓄熱部材または前記外装部材とは、断熱部材により断熱されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の電子機器。
  10. 前記電子部品は、撮像素子であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の電子機器として機能する撮像装置。
  11. 前記撮像素子が発生する熱を光軸に対して垂直方向に伝導した上で前記第二の蓄熱部材に伝える熱伝導部材を備えることを特徴とする請求項10に記載の撮像装置。
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