JP2017026789A - 鍵盤蓋の開閉装置 - Google Patents

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Takahiro Murai
崇浩 村井
豊 後藤
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豊 後藤
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Abstract

【課題】鍵盤蓋の設計の自由度を高くできる鍵盤蓋の開閉装置を提供する。
【解決手段】楽器ケース2内に設けられた鍵盤3を開閉自在に覆う鍵盤蓋20から側方に第1支持部26a及び第2支持部26bが突出し、第1端30aから第2端30bまで連続するガイド部30が楽器ケース2の側板4に設けられる。第1支持部26a及び第2支持部26bの移動が案内される。第1支持部26a及び第2支持部26bの移動が、第1端30aから第2端30bへ向かってガイド部30に案内されることにより、鍵盤蓋20が起立しながら後方へ移動するので、固定された軸を中心に鍵盤蓋20が回転して起立する場合と比較して、鍵盤蓋20の設計に制約が少なく、鍵盤蓋20の設計の自由度を高くできる。
【選択図】図4

Description

本発明は鍵盤蓋の開閉装置に関し、鍵盤蓋の設計の自由度を高くできる鍵盤蓋の開閉装置に関するものである。
鍵盤楽器には、楽器ケース内に設けられた鍵盤を開閉自在に覆う鍵盤蓋が設けられている。従来、鍵盤蓋から延びるアームに設けられる回転軸が楽器ケースの側板に軸支され、回転軸を中心に鍵盤蓋を回転させることで、鍵盤蓋を開閉する鍵盤蓋の開閉装置がある(特許文献1)。
実公平7−38949号公報
しかし、特許文献1は、鍵盤蓋の回転軸が固定されているので、鍵盤蓋の前後方向の寸法に応じて回転軸から鍵盤蓋の先端までの距離、即ち、開状態の鍵盤蓋の高さが決まってしまう。そのため、鍵盤蓋の設計の自由度が低いという問題点がある。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、鍵盤蓋の設計の自由度を高くできる鍵盤蓋の開閉装置を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段および発明の効果
この目的を達成するために、請求項1記載の鍵盤蓋の開閉装置によれば、楽器ケース内に設けられた鍵盤を開閉自在に覆う鍵盤蓋から側方に第1支持部および第2支持部が突出し、第1端から第2端まで連続するガイド部が楽器ケースの側板の少なくとも一方に設けられる。第1支持部の移動がガイド部に案内され、第1支持部よりもガイド部の第2端側で第2支持部の移動が案内される。第1端から第2端まで連続するガイド部により2つの支持部の移動を案内するので、鍵盤蓋の開き方を特定できる。
第1支持部および第2支持部の移動が、第1端から第2端へ向かってガイド部に案内されることにより、鍵盤蓋が起立しながら後方へ移動するので、即ち、固定された軸を中心に鍵盤蓋が回転しないので、固定された軸を中心に鍵盤蓋が回転して起立する場合と比較して、鍵盤蓋の設計に制約が少なく、鍵盤蓋の設計の自由度を高くできる効果がある。
請求項2記載の鍵盤蓋の開閉装置によれば、鍵盤蓋が閉状態で第1支持部よりも後方に第2支持部が位置する。前後方向に延びて設けられるガイド部は、鍵盤蓋が閉状態における第2支持部の位置よりも第2端側が下方へ曲がる曲部を備えている。鍵盤蓋の開け始めでは鍵盤蓋が前後方向に移動し、鍵盤蓋をさらに開けていくと第2支持部の移動が曲部に案内され、第2支持部が下方に落ち込むように、第1支持部を中心に第2支持部が回転して鍵盤蓋が起立する。これにより、開状態の鍵盤蓋の高さを低減できる効果がある。
曲部は第2端から第1端側へ向かって後方へ上昇傾斜する傾斜部を備えているので、鍵盤蓋が鍵盤に接触しないように、第2支持部を鍵盤へ近づけながら鍵盤蓋を起立させることができる。ガイド部をコンパクトにできるので、請求項1の効果に加え、前蓋の移動をコンパクトにでき、前蓋の開閉動作を容易にできる効果がある。
請求項3記載の鍵盤蓋の開閉装置によれば、閉状態で鍵盤蓋の前部から下方に突出する垂下部により鍵盤の前方を覆う。ガイド部は、第1端から第2端側へ向かって上方へ傾斜する上昇部を備えているので、鍵盤蓋の開け始めでは、第2支持部を中心に第1支持部が回転するようにして鍵盤蓋の前部が持ち上がる。その結果、請求項1又は2の効果に加え、鍵盤蓋の開閉時に垂下部が鍵盤に接触することを防止できる効果がある。
請求項4記載の鍵盤蓋の開閉装置によれば、鍵盤蓋は、閉状態で前方側に設けられる前蓋と、その前蓋の後部に連結部を介して折り曲げ可能に前部が連結される後蓋と、閉状態で前蓋の後部から後方へ向かって延びるアームとを備え、第1支持部および第2支持部がアームに設けられる。第1支持部および第2支持部の移動がガイド部に案内されて、連結部を中心に前蓋が後蓋へ向かって回転するように起立しながら前蓋が後方へ移動し、前後方向に移動可能な後蓋が前蓋の移動に伴って後方へ移動することで鍵盤蓋を開くことができる。
鍵盤蓋を開くとき、後蓋の移動に伴って連結部が後方へ移動するので、連結部に近接する第1支持部が連結部と略同様に後方へ移動する。第1支持部と連結部との距離に比べて、第2支持部と連結部との距離が大きいので、第1支持部および連結部を中心に第2支持部が回転するように前蓋が起立する。即ち、前蓋は、第1支持部の移動により後方へ移動し、第2支持部の移動により起立するので、第2支持部の後方への移動距離を抑制できる。鍵盤蓋が閉状態の第2支持部の位置よりもガイド部の第2端側が後方へ突出する量を抑制できるので、ガイド部をコンパクトにできる。その結果、請求項1から3のいずれかの効果に加え、前蓋の移動をコンパクトにでき、前蓋の開閉動作を容易にできる効果がある。
請求項5記載の鍵盤蓋の開閉装置によれば、ガイド部は、鍵盤蓋が開状態における第1支持部の位置から第1端側へ向かって上方へ傾斜するので、第2支持部を中心に第1支持部が前方へ向かって回転することを防止できる。その結果、請求項1から4のいずれかの効果に加え、意図せずに開状態の鍵盤蓋が前方に倒れることを防止できる効果がある。
請求項6記載の鍵盤蓋の開閉装置によれば、ガイド部は、第1支持部の位置から第2端側へ向かって傾斜する方向と、第2支持部の位置から第2端側へ向かって傾斜する方向とが鍵盤蓋の開閉段階に係わらず異なる。鍵盤蓋の直線的な移動をなくすことができるので、鍵盤蓋の開閉動作を一連の回転動作のようにできる。その結果、請求項1から5のいずれかの効果に加え、鍵盤蓋の開閉をスムーズにできる効果がある。
(a)は本発明の第1実施の形態における鍵盤楽器の斜視図であり、(b)は鍵盤蓋の一部を破断して示す鍵盤楽器の平面図である。 (a)は閉状態の鍵盤蓋の側面図であり、(b)は開状態の鍵盤蓋の側面図である。 図2(a)のIII−III線における鍵盤蓋およびガイド部の断面図である。 (a)は図1(b)のIVa−IVa線における閉状態の鍵盤蓋を示す鍵盤楽器の断面図であり、(b)及び(c)は鍵盤蓋の開閉途中を示す鍵盤楽器の断面図であり、(d)は開状態の鍵盤蓋を示す鍵盤楽器の断面図である。 第2実施の形態における閉状態を示す鍵盤蓋の開閉装置の断面図である。 (a)は第3実施の形態における閉状態を示す鍵盤蓋の開閉装置の模式図であり、(b)、(c)、(d)及び(e)は開閉途中を示す鍵盤蓋の開閉装置の模式図であり、(f)は開状態を示す鍵盤蓋の開閉装置の模式図である。 (a)は第4実施の形態における閉状態を示す鍵盤蓋の開閉装置の模式図であり、(b)、(c)及び(d)は開閉途中を示す鍵盤蓋の開閉装置の模式図であり、(e)は開状態を示す鍵盤蓋の開閉装置の模式図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1(a)及び図1(b)を参照して、本発明の第1実施の形態における鍵盤蓋20の開閉装置15が適用される鍵盤楽器1について説明する。図1(a)は本発明の第1実施の形態における鍵盤楽器1の斜視図であり、図1(b)は鍵盤蓋20の一部を破断して示す鍵盤楽器1の平面図である。なお、図1(a)は鍵盤蓋20を開いた状態(開状態)を示している。本明細書では、鍵盤楽器1の左右方向は奏者からみた方向を基準とし、前後方向については鍵盤楽器1の奏者側を前方とする。
図1(a)及び図1(b)に示すように、鍵盤楽器1は、電子ピアノであり、楽器ケース2と、楽器ケース2内の中央上方よりに設けられる鍵盤3と、鍵盤3を開閉自在に覆う鍵盤蓋20とを備えている。鍵盤楽器1は、楽器ケース2内に配置される制御部(図示せず)により、操作パネル12等に配置された操作子(図示せず)からの制御パラメータや、鍵盤3の操作状態に応じて発する制御パラメータを処理して楽音制御信号を発し、楽器ケース2に設けられるスピーカ(図示せず)がその楽音制御信号に基づいて楽音を発する。
楽器ケース2は、側面を構成する一対の側板4と、側板4間に亘って鍵盤3及び鍵盤蓋20の下方に配置される棚板5(図4(a)参照)と、側板4間に亘って設けられると共に前面を構成する上前板6(図4(a)参照)、下前板7及び口棒8と、側板4間に亘って設けられると共に後面を構成する後板9(図4(a)参照)と、側板4の上部に架設されると共に上面を構成する天板10とを備えている。上前板6は閉じた状態(閉状態)の鍵盤蓋20よりも上方に位置し、下前板7は棚板5よりも下方に位置し、口棒8は棚板5よりも上方、且つ、閉状態の鍵盤蓋20よりも下方に位置する。
鍵盤蓋20は、閉状態で鍵盤3、拍子木11及び操作パネル12を覆うための部材であり、閉状態で略水平に側板4間に亘って設けられ、後述する開閉装置15により開閉される。鍵盤蓋20は、閉状態で前方側に設けられる矩形状の前蓋21と、前蓋21の後部に前部が連結される矩形状の後蓋22とを備えている。閉状態の前蓋21の前後方向の寸法は鍵盤3の前後方向の寸法よりも短く形成される。操作パネル12は、鍵盤楽器1の設定や楽音制御のための操作子(図示せず)、各種情報を表示する表示部(図示せず)などの電子機器としての機能要素が配置される部位であり、側板4間に亘って鍵盤3及び拍子木11の後方に設けられる。
次に図2(a)、図2(b)及び図3を参照して、鍵盤蓋20(前蓋21及び後蓋22)及びガイド部30について説明する。図2(a)は閉状態の鍵盤蓋20の側面図であり、図2(b)は開状態の鍵盤蓋20の側面図であり、図3は図2(a)のIII−III線における鍵盤蓋20及びガイド部30の断面図である。鍵盤楽器1は左右対称に構成されているので、鍵盤楽器1の右側を説明して鍵盤楽器1の左側の説明を省略する。なお、図2(a)は、鍵盤蓋20の右側(図2(a)紙面手前側)に位置するガイド部30が鍵盤蓋20に重ねて図示されている。
図2(a)に示すように、前蓋21は、閉状態で前部から下方へ向かって突出すると共に口棒8(図4(a)参照)の上面に接触して鍵盤3及び拍子木11(図1(b)参照)の前方を覆う垂下部23と、閉状態で後部の左右両側から後方へ向かって延びる一対のアーム24とを備えている。前蓋21は、閉状態の前後方向の寸法が後蓋22の前後方向の寸法よりも短く形成される。なお、垂下部23は、閉状態で口棒8と接触する場合に限らず、鍵盤蓋20が閉状態で口棒8との間に所定の間隔を空けて口棒8の上面に近接するように形成することも可能である。
アーム24には、鍵盤蓋20が閉状態でアーム24の前端側から上方へ突出した部分(前蓋21の後部の上方部分)に連結部25が設けられ、鍵盤蓋20が閉状態で連結部25よりも後方、且つ、下方に第1支持部26a及び第2支持部26bが左右方向の外側へ向かってそれぞれ突出して設けられる。第1支持部26a及び第2支持部26bは、ガイド部30に嵌まって移動が案内される円柱状のピンであり、アーム24の前端側に第1支持部26aが位置し、鍵盤蓋20が閉状態で第1支持部26aよりも上方に、且つ、アーム24の後端側に第2支持部26bが位置する。
図2(a)に示すように、ガイド部30は、第1支持部26a及び第2支持部26bが嵌まって第1支持部26a及び第2支持部26bの移動を案内する部位であり、前方側の第1端30aから後方側の第2端30bまで連続して前後方向に延びて設けられる。第1端30aから第2端30bまで連続するガイド部30により2つの支持部26a,26bの移動を案内するので、鍵盤蓋20(前蓋21)の開き方を特定できる。
図3に示すように、ガイド部30は、コ字状断面を有する樹脂製の長尺部材を、一対の側板4の内側にそれぞれ設けた溝に嵌め込むことにより、一対の側板4の内側に溝状のガイドラインであるガイド部30をそれぞれ形成している。摩擦係数が低い樹脂でガイド部30を形成することで、ガイド部30内の第1支持部26a及び第2支持部26bを滑り易くできるので、鍵盤蓋20の開閉をスムーズにできる。
図2(a)に戻って説明する。ガイド部30は、第1端30aから第2端30b側へ向かって後方へ上昇傾斜する上昇部33と、上昇部33の上端と接続すると共に後方へ下降傾斜する接続部34と、接続部34の後端と接続すると共に接続部34に対して下方へ曲がる曲部35とを備えている。上昇部33は、第1端30a側が直線状であり、第2端30b側が曲線状である。接続部34は、上昇部33との曲線状の接続部分を除いて略直線状である。
曲部35は、鍵盤蓋20が閉状態における第2支持部26bの位置よりも第2端30b側が下方へ曲がる部位である。本実施の形態では曲部35は、鍵盤蓋20が閉状態における第2支持部26bの位置から第2端30b側の部分であり、第2端30bから第1端30a側へ亘って曲線状に形成される。曲部35は、接続部34の後端と接続すると共に第1端30a側から第2端30b側へ向かって後方へ下降傾斜する第1曲部35aと、第1曲部35aの下端と接続すると共に第2端30bから第1端30a側へ向かって後方へ上昇傾斜する第2曲部(傾斜部)35bとを備えている。
ガイド部30の曲線状部分(上昇部33の第2端30b側、接続部34の上昇部33との接続部分、曲部35)は、ガイド部30の直線状部分(上昇部33の第1端30a側、上昇部33との接続部分を除いた接続部34)へ向かって徐々に曲率が小さくなるような曲線形状に形成される。その曲線形状としては、例えばインボリュート曲線やクロソイド曲線などが挙げられる。ガイド部30の曲線状部分と直線状部分とが滑らかに連続するので、ガイド部30に案内される第1支持部26a及び第2支持部26bの移動を滑らかにでき、鍵盤蓋20の開閉をスムーズにできる。
図2(b)に示すように、後蓋22は、前部の左右両側から前方へ向かって延びる後蓋アーム27を備えている。後蓋アーム27は、前端の上側に連結部25が設けられる。連結部25は、後蓋22へ向かって前蓋21を折り曲げ可能に、前蓋21の後部と後蓋22の前部とをアーム24及び後蓋アーム27を介して連結するための部材である。
次に図4(a)、図4(b)、図4(c)及び図4(d)を参照して、鍵盤蓋20の開閉装置15について説明する。図4(a)は図1(b)のIVa−IVa線における閉状態の鍵盤蓋20を示す鍵盤楽器1の断面図であり、図4(b)及び図4(c)は鍵盤蓋20の開閉途中を示す鍵盤楽器1の断面図であり、図4(d)は開状態の鍵盤蓋20を示す鍵盤楽器1の断面図である。
図4(a)に示すように、鍵盤蓋20の開閉装置15は、前蓋21の左右両側に設けられる第1支持部26a及び第2支持部26bと、後蓋22の後部の左右両側に取り付けられるピニオン28と、一対の側板4の内側にそれぞれ設けられるガイド部30と、ガイド部30よりも後方に一対の側板4の内側にそれぞれ設けられる後部ガイド部31とを備えている。ガイド部30は、鍵盤蓋20を閉めるときに第1支持部26aと接触して第1支持部26aの移動を制動する伸縮式のダンパ32が第1端30aに設けられている。これにより、鍵盤蓋20を緩やかに閉めることができる。
後部ガイド部31は、後蓋22の前後方向の移動を案内する部材であり、後方へ向かって下降傾斜するように前後方向に延びて設けられ、ラック37と溝部38とが平行に形成されている。ラック37は、ピニオン28と噛み合ってピニオン28の前後方向の移動を案内する部材である。溝部38は、ピニオン28を貫通して左右両側のピニオン28を連結する軸棒(図示せず)が嵌まって、軸棒の前後方向の移動を案内すると共にラック37からピニオン28が外れることを防止する部材である。
次に鍵盤蓋20の開閉動作について説明する。図4(a)から図4(d)は、順に鍵盤蓋20の開放過程が示されている。なお、鍵盤蓋20を閉じるときには、鍵盤蓋20の開放過程と逆の動作が行われるので、鍵盤蓋20を閉じるときの説明は省略する。
開放初期(図4(a)から図4(b)への移行)では、第1支持部26aが上昇部33に案内されて後方へ上昇すると共に、第2支持部26bが曲部35に案内されて後方へ下降する。即ち、開放初期では、前蓋21が後方へ移動しつつ、第2支持部26bを中心に第1支持部26aが回転するようにして前蓋21の前部が持ち上がる。これにより、鍵盤蓋20の開閉時に垂下部23が鍵盤3に接触することを防止できる。
開放中期(図4(b)から図4(c)への移行)では、第1支持部26aが接続部34に案内されて後方へ下降すると共に、第2支持部26bが第1曲部35aに案内されて後方へ下降する。第1曲部35aは接続部34に対して下方へ曲がるので、開放中期では、前蓋21が後方へ移動しつつ、第2支持部26bが下方へ落ち込むように第1支持部26aを中心に第2支持部26bが回転して、前蓋21が起立し始める。なお、開放中期では、第1支持部26a及び第2支持部26bが共に後方へ移動するので、前蓋21の後方への移動動作が主である。
開放終期(図4(c)から図4(d)への移行)では、第1支持部26aが接続部34又は第1曲部35aに案内されて後方へ下降すると共に、第2支持部26bが第2曲部35bに案内されて前方へ下降する。開放終期では、前蓋21が後方へ移動しつつ、第2支持部26bが下方へ落ち込むように第1支持部26aを中心に第2支持部26bが回転して、前蓋21が上前板6に近接または接触するように起立する。なお、開放終期では、接続部34又は第1曲部35aにより第1支持部26aが後方へ、第2曲部35bにより第2支持部26bが前方へ移動するので、前蓋21を起立させる動作が主であり、前蓋21を後方へ傾くように起立させることができる。これにより、開状態の前蓋21が不意に倒れることを防止できる。
また、第2曲部35bにより第2支持部26bが前方へ移動するので、アーム24(鍵盤蓋20)が鍵盤3に接触しないように、第2支持部26bを鍵盤3へ近づけながら鍵盤蓋20を起立させることができる。鍵盤3の後方のスペースを有効利用できると共に、ガイド部30をコンパクトにできる。よって、上前板6と鍵盤3との間の前後方向の寸法を小さくできると共に、前蓋21の移動をコンパクトにして前蓋21の開閉動作を容易にできる。
以上のような鍵盤蓋20の開閉装置15によれば、前蓋21は、固定された軸を中心に回転しないで、起立しながら後方へ移動する。固定軸を中心に前蓋21が回転して起立する場合には、固定軸から前蓋21の先端までの距離が決まってしまうので、開状態の前蓋21の高さ(閉状態の前蓋21の前後方向の寸法)が決まってしまう。一方、本実施の形態では、固定軸を中心に前蓋21が回転しないので、開状態の前蓋21の高さ(閉状態の前蓋21の前後方向の寸法)は比較的自由に設定できる。従って、本実施の形態における鍵盤蓋20の開閉装置15は、固定された軸を中心に前蓋21が回転して起立する場合と比較して、鍵盤蓋20の設計に制約が少なく、鍵盤蓋20の設計の自由度を高くできる。これにより、閉状態の前蓋21の前後方向の長さを短くすることで、開状態の前蓋21の高さを低減でき、楽器ケース2の高さを低減できる。
曲部35が下方へ曲がっているので、開放中期および開放終期では、曲部35により第2支持部26bが下方へ落ち込むようにして前蓋21を起立させる。開状態の前蓋21の高さを低減できるので、開状態の前蓋21の高さを天板10よりも低く設定している本実施の形態では、天板10及び上前板6の高さを低減できる。一方、開状態の前蓋21の高さを天板10よりも高く設定した場合には、鍵盤蓋20が開状態の鍵盤楽器1の高さを低減できる。
前蓋21は、後蓋22と連結部25により連結されているので、前蓋21を開くときには、前蓋21の後方移動に伴って後蓋22が後方へ移動すると共に、後蓋22に対して連結部25を中心に前蓋21が回転するようにして前蓋21が起立する。後蓋22は、上前板6の下方から楽器ケース2内に進入して後部ガイド部31の上方のスペースに収容される。鍵盤蓋20の閉状態では、後蓋22に対して前蓋21が起立される分、後蓋22が収容されるスペースの前後方向の寸法を小さくできるので、楽器ケース2の前後方向の寸法を小さくできる。
後蓋22は、前部(連結部25)が前蓋21の移動により案内されて、後部(ピニオン28)が後部ガイド部31により案内されるので、後蓋22の開き方を特定できる。そのため、後蓋22が楽器ケース2内に進入するときに確保する空間(後部ガイド部31の上方のスペース)を小さくできる。
後蓋22に回転自在に取り付けられる左右両側のピニオン28は、軸棒により互いに連結されているので、左右両側のピニオン28が同じ位相で回転し、左右両側のピニオン28の移動量を同期させることができる。これにより、後蓋22の開閉動作を円滑かつ確実に行うことができると共に、後蓋22と連結する前蓋21の開閉動作も円滑かつ確実に行うことができる。
鍵盤蓋20を開くとき、後蓋22の移動に伴って連結部25が後方へ移動するので、連結部25に近接する第1支持部26aが連結部25と略同様に後方へ移動する。第1支持部26aと連結部25との距離に比べて、第2支持部26bと連結部25との距離が大きいので、第1支持部26a及び連結部25を中心に第2支持部26bが回転するように前蓋21が起立する。即ち、前蓋21は、第1支持部26aの移動により後方へ移動し、第2支持部26bの移動により起立するので、第2支持部26bの後方への移動距離を抑制できる。前蓋21が閉状態の第2支持部26bの位置よりもガイド部30の第2端30b側が後方へ突出する量を抑制できるので、ガイド部30をコンパクトにできる。その結果、前蓋21の移動をコンパクトにでき、前蓋21の開閉動作を容易にできる。
鍵盤蓋20の閉状態では、連結部25よりも下方に第1支持部26a及び第2支持部26bが位置するので、第1支持部26a及び第2支持部26bを案内するガイド部30を連結部25よりも下方に配置できる。連結部25は前蓋21の上部と後蓋22の上部とを連結するので、前蓋21及び後蓋22(鍵盤蓋20)の上面よりも下方にガイド部30を配置できる。その結果、鍵盤蓋20の閉状態ではガイド部30を見えなくできるので、鍵盤楽器1の美観を確保できる。
鍵盤蓋20の開状態では、後方へ下降傾斜(前方へ上昇傾斜)する曲部35に第1支持部26aが位置するので、第2支持部26bを中心に第1支持部26aが前方へ向かって回転することを防止できる。その結果、意図せずに開状態の前蓋21が前方に倒れることを防止できる。なお、鍵盤蓋20が開状態で曲部35に第1支持部26aが位置する場合に限らず、鍵盤蓋20が開状態における第1支持部26aの位置から第1端30a側へ向かってガイド部30が上昇傾斜している場合も同様に、意図せずに開状態の前蓋21が前方に倒れることを防止できる。
鍵盤蓋20が閉状態における第2支持部26bの位置から第2端30b側の部位が曲部35であるので、前蓋21のいずれの開閉段階においても、略直線状である接続部34に第1支持部26aと第2支持部26bとを同時に位置させないようにできる。即ち、ガイド部30は、第1支持部26aの位置から第2端30b側へ向かって傾斜する方向と、第2支持部26bの位置から第2端30b側へ向かって傾斜する方向とを、前蓋21の開閉段階に係わらず異ならせることができる。前蓋21の直線的な移動をなくすことができるので、前蓋21の開閉動作を一連の回転動作のようにできる。その結果、前蓋21の開閉をスムーズにできる。
次に、図5を参照して、第2実施の形態における鍵盤蓋20の開閉装置50について説明する。第1実施の形態では、ガイド部30が曲線状部分と直線状部分とで構成される場合について説明した。これに対し第2実施の形態では、ガイド部51が直線状部分のみで構成される場合について説明する。なお、第1実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。
図5は、第2実施の形態における閉状態を示す鍵盤蓋20の開閉装置50の断面図である。図5に示すように、鍵盤蓋20の開閉装置50は、前蓋21の左右両側に設けられる第1支持部26a及び第2支持部26bと、後蓋22の後部の左右両側に取り付けられるピニオン28と、一対の側板4の内側にそれぞれ設けられるガイド部51と、ガイド部51よりも後方に一対の側板4の内側にそれぞれ設けられる後部ガイド部31とを備えている。ガイド部51は、第1支持部26a及び第2支持部26bが嵌まって第1支持部26a及び第2支持部26bの移動を案内する部位であり、前方側の第1端51aから後方側の第2端51bまで連続して前後方向に延びて設けられる。
ガイド部51は、第1端51aから第2端51b側へ向かって後方へ上昇傾斜する直線状の上昇部52と、上昇部52の上端と接続すると共に後方へ下降傾斜する直線状の接続部53と、接続部53の後端と接続すると共に接続部53に対して下方へ曲がる曲部54とを備えている。上昇部52と接続部53と、及び、接続部53と曲部54とはそれぞれ所定の角度をなして互いに接続される。曲部54は、2つの直線状部分である第1直線部54aと第2直線部(傾斜部)54bとが所定の角度をなして互いに接続されて形成される。第1直線部54aは第1端51a側から第2端51b側へ向かって後方へ下降傾斜し、第2直線部54bは第2端51bから第1端51a側へ向かって後方へ上昇傾斜する。
上昇部52の長さ(直線距離)、接続部53の長さ、第1直線部54aの長さ、第2直線部54bの長さは、第1支持部26aと第2支持部26bとの間の距離よりも小さく設定される。前蓋21のいずれの開閉段階においても、第1支持部26aと第2支持部26bとを上昇部52、接続部53、第1直線部54a及び第2直線部54bのいずれかに同時に位置しないようにできる。即ち、ガイド部51は、第1支持部26aの位置から第2端51b側へ向かって傾斜する方向と、第2支持部26bの位置から第2端51b側へ向かって傾斜する方向とを、前蓋21の開閉段階に係わらず異ならせることができる。前蓋21の直線的な移動をなくすことができるので、前蓋21の開閉動作を一連の回転動作のようにできる。その結果、前蓋21の開閉をスムーズにできる。
第1直線部54aと第2直線部54bとのなす角度は、接続部53と第1直線部54aとのなす角度に比べて小さくなるように設定される。開放初期から開放終期に進むにつれて、前蓋21の回転を小回りにできるので、開放初期から開放終期に進むにつれて、前蓋21の後方への移動動作から前蓋21を起立させる動作にシフトできる。前蓋21の開閉をスムーズにしつつ、開放初期から開放終期に進むにつれて前蓋21の起立(回転)を速くできる。さらに、接続部53と曲部54とのなす角度に比べて、上昇部52と接続部53とのなす角度を小さく設定した場合、開放初期から開放終期に進むにつれて、前蓋21の回転を段階的に小回りにできる。前蓋21の開閉をよりスムーズにできると共に、開放初期から開放終期に進むにつれて前蓋21の起立(回転)を段階的に速くできる。
次に、図6(a)から図6(f)を参照して、第3実施の形態における鍵盤蓋20の開閉装置60について説明する。第1,2実施の形態では、アーム24に2つの支持部26a,26bが設けられ、2つの支持部26a,26bがガイド部30,51に案内される場合について説明した。これに対し第3実施の形態では、アーム24に3つの支持部61a,61b,61cが設けられ、3つの支持部61a,61b,61cのうち2つがガイド部62に案内される場合について説明する。なお、第1実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。
図6(a)は第3実施の形態における閉状態を示す鍵盤蓋20の開閉装置60の模式図であり、図6(b)、図6(c)、図6(d)及び図6(e)は開閉途中を示す鍵盤蓋20の開閉装置60の模式図であり、図6(f)は開状態を示す鍵盤蓋20の開閉装置60の模式図である。図6(a)から図6(f)は、前蓋21のアーム24に設けられた支持部61a,61b,61cの移動がガイド部62に案内されて開閉する前蓋21の開閉動作を開放過程の順に模式的に図示している。
図6(a)に示すように、前蓋21のアーム24には、支持部61a,61b,61cが左右方向の外側へ向かってそれぞれ突出して設けられる。前蓋21(鍵盤蓋20)の閉状態において、支持部61aよりも後方、且つ、上方に支持部61b,61cが位置し、支持部61bよりも後方、且つ、下方に支持部61cが位置する。支持部61aと支持部61bとの間の距離に比べて、支持部61bと支持部61cとの間の距離が短い。
ガイド部62は、前方側の第1端62aから後方側の第2端62bまで連続して、一対の側板4の内側に前後方向に延びてそれぞれ設けられる。ガイド部62は、第1端62aから第2端62b側へ向かって後方へ上昇傾斜する上昇部63と、上昇部63の上端と接続すると共に後方へ下降傾斜する接続部64と、接続部64の後端と接続すると共に接続部64に対して下方へ曲がる曲部65とを備えている。
接続部64は、想像線fで示す上部に後方の第3端66aまで延びる第2ガイド部66の前部が接続される。曲部65は、鍵盤蓋20が閉状態における支持部61cの位置から第2端62b側の部分であり、第2端62bから第1端62a側へ向かって徐々に曲率が小さくなるように設定される。曲部65は、接続部64の後端と接続すると共に第1端62a側から第2端62b側へ向かって後方へ下降傾斜する第1曲部65aと、第1曲部65aの下端と接続すると共に第2端62bから第1端62a側へ向かって後方へ上昇傾斜する第2曲部(傾斜部)65bとを備えている。
前蓋21の閉状態(図6(a)の状態)では、上昇部63内に支持部61aが位置し、ガイド部62と第2ガイド部66との境界である想像線f上に支持部61bが位置し、接続部64内に支持部61cが位置する。開放初期(図6(a)から図6(b)への移行)では、支持部61aが上昇部63に案内されて後方へ上昇し、支持部61cが曲部65に案内されて後方へ下降し、支持部61bが想像線f上からガイド部62側に徐々に近づく。開放初期では、前蓋21が後方へ移動しつつ、支持部61cを中心に支持部61aが回転するようにして前蓋21の前部が持ち上がる。これにより、鍵盤蓋20の開閉時に垂下部23が鍵盤3に接触することを防止できる。
なお、ガイド部62内に位置してガイド部62に移動が案内される支持部61a,61b,61cのうち第1端62a側を第1支持部とし、第2端62b側を第2支持部とする。閉状態および開放初期では、支持部61aが第1支持部であり、支持部61cが第2支持部である。
第1開放中期(図6(b)から図6(c)への移行)では、支持部61aが上昇部63に案内されて後方へ上昇し、支持部61bがガイド部62に嵌まって接続部64又は曲部65に案内されて後方へ下降し、支持部61cが曲部65に案内されて後方へ下降する。なお、第1開放中期では、支持部61a又は支持部61bが第1支持部であり、支持部61b又は支持部61cが第2支持部である。
第1開放中期では、第1端62aから第2端62bまで連続するガイド部62により3つの支持部61a,61b,61cの移動を案内するので、支持部61a,61b,61cを案内する部分のガイド部62の形状は、3つの支持部61a,61b,61cとの距離がそれぞれ同一になる所定の点を中心とした円弧状に形成される。その所定の点を中心に前蓋21が回転して起立し始める。
第2開放中期(図6(c)から図6(d)への移行)では、支持部61aがガイド部62から外れて想像線f上から第2ガイド部66側へ徐々に近づき、支持部61b(第1支持部)及び支持部61c(第2支持部)が曲部65に案内されて後方へ下降する。第2開放中期では、支持部61b,61cが共に後方へ移動するので、前蓋21の後方への移動動作が主な動作である。
第1開放終期(図6(d)から図6(e)への移行)では、支持部61aが想像線f上から第2ガイド部66内に移動し、支持部61b(第1支持部)が曲部65に案内されて後方へ下降し、支持部61c(第2支持部)が第2曲部65bに案内されて前方へ下降する。第1開放終期では、支持部61bが後方へ、支持部61cが前方へ移動するので、前蓋21を起立させる動作が主な動作である。
第2開放終期(図6(e)から図6(f)への移行)では、支持部61aが第2ガイド部66に案内されて後方へ移動し、支持部61b(第1支持部)及び支持部61c(第2支持部)が第2曲部65bに案内されて前方へ下降する。第2開放終期では、支持部61aが後方へ、支持部61b及び支持部61cが前方へ移動するので、前蓋21を起立させる動作が主な動作である。
以上のような鍵盤蓋20の開閉装置60によれば、開放初期でガイド部62に案内される支持部61aと支持部61cとの間の距離よりも、第1開放終期および第2開放終期でガイド部62に案内される支持部61bと支持部61cとの間の距離が短く設定される。開放初期よりも第1開放終期および第2開放終期での回転を小回りにできるので、開放初期よりも第1開放終期および第2開放終期での前蓋21の回転を速くできる。即ち、開閉段階に応じて、支持部61a,61b,61cから2つを選択してガイド部62に案内させることで、支持部61a,61b,61c間の距離を変更して前蓋21の起立(回転)の速度を変更できる。
曲部65は、第2端62bから第1端62a側へ向かって徐々に曲率が小さくなるように設定されるので、開放初期から第2開放終期に進むにつれて、前蓋21の回転が徐々に小回りになる。開放初期から第2開放終期に進むにつれて、前蓋21の後方への移動動作から、前蓋21を起立させる動作に徐々にシフトできるので、前蓋21の開閉をスムーズにしつつ、開放初期から第2開放終期に進むにつれて前蓋21の起立(回転)を徐々に速くできる。
次に、図7(a)から図7(e)を参照して、第4実施の形態における鍵盤蓋20の開閉装置70について説明する。第1実施の形態では、ガイド部30の第1端30aに伸縮式のダンパ32が設けられる場合について説明した。これに対し第4実施の形態では、鍵盤3の後方に回転式のロータリダンパ73を設ける場合について説明する。なお、第1実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。
図7(a)は第4実施の形態における閉状態を示す鍵盤蓋20の開閉装置70の模式図であり、図7(b)、図7(c)及び図7(d)は開閉途中を示す鍵盤蓋20の開閉装置70の模式図であり、図7(e)は開状態を示す鍵盤蓋20の開閉装置70の模式図である。図7(a)から図7(e)は、前蓋21のアーム24に設けられた第1支持部72a及び第2支持部72bの移動がガイド部74に案内されて開閉する前蓋21の開閉動作を開放過程の順に模式的に図示している。なお、開閉装置70は、前蓋21(鍵盤蓋20)の開閉動作(ガイド部74による第1支持部72a及び第2支持部72bの移動の案内の仕方)が第1実施の形態と同様であるので説明は省略する。
図7(a)に示すように、アーム24は、前蓋21(鍵盤蓋20)が閉状態において、後端側から鉛直下方へ延びる第2アーム71を備えている。アーム24には第1支持部72a及び第2支持部72bが左右方向の外側へ向かってそれぞれ突出して設けられる。第1支持部72a及び第2支持部72bは、ガイド部74に嵌まって移動が案内される円柱状のピンであり、前蓋21が閉状態で第1支持部72aよりも後方、且つ、上方に第2支持部72bが位置する。
第2アーム71の下端には、第3支持部72cが左右方向の外側へ向かって突出して設けられる。第3支持部72cは、第3ガイド部78に嵌まって移動が案内される円柱状のピンであり、前蓋21を開閉させた場合に回転半径が小さくなる位置に配置される。
楽器ケース2の一対の側板4の内側には、鍵盤3の後方に回転式のロータリダンパ73が設けられる。ロータリダンパ73は、第3支持部72cの移動に伴って回転軸を中心に回転して、前蓋21を閉める場合の第3支持部72cの移動を制動するための部位であり、回転軸から径方向に突出した一対の部材で第3支持部72cを摺動可能に挟む。ロータリダンパ73は、前蓋21を閉める場合の第3支持部72cの移動を制動するので、前蓋21を緩やかに閉めることができる。
ガイド部74は、第1支持部72a及び第2支持部72bの移動を案内するための部位であり、楽器ケース2の一対の側板4の内側に前後方向に延びて、前方側の第1端74aから後方側の端部である想像線fで示す部分(以下「第2端」と称す)まで連続してそれぞれ設けられる。
ガイド部74は、第1端74aから第2端側へ向かって後方へ上昇傾斜する上昇部75と、上昇部75の上端と接続すると共に後方へ下降傾斜する接続部76と、接続部76の後端と接続すると共に接続部76に対して下方へ曲がる曲部77とを備えている。曲部77は、鍵盤蓋20が閉状態における第2支持部72bの位置から第2端側の部分であり、接続部76の後端と接続すると共に第1端74a側から第2端側へ向かって後方へ下降傾斜する第1曲部77aと、第1曲部77aの下端と接続すると共に第2端から第1端74a側へ向かって後方へ上昇傾斜する第2曲部(傾斜部)77bとを備えている。
第3ガイド部78は、第3支持部72cの移動を案内するための部位であり、第1支持部72a及び第2支持部72bがガイド部74に案内されて開閉するときの、第3支持部72cの軌跡に一致して、楽器ケース2の一対の側板4の内側に設けられる。第3ガイド部78は、ロータリダンパ73の後方側から前方側へ向かって下に凸の円弧状に形成され、後方側の第4端部78aから前方側の第5端部78bまで連続して設けられる。
ガイド部74の第2端と第3ガイド部78とは想像線fを境界として互いに接続し、ガイド部74の第1端74aから第3ガイド部78の第5端78bまでが滑らかな曲線状に形成されている。そのため、ガイド部74の第1端74aから第3ガイド部78の第5端78bまでを連続して形成した後、第3ガイド部78の想像線fの部分から第4端78aまでを形成できるので、ガイド部74と第3ガイド部78とを別々に形成する場合に比べて、ガイド部74及び第3ガイド部78の形成作業をし易くできる。
第3支持部72cは、前蓋21を開閉させた場合に回転半径が小さくなる位置に配置されるので、第3ガイド部78の寸法を小さくできる。第3ガイド部78に案内される第3支持部72cを挟んで制動させるロータリダンパ73のサイズを小さくできるので、楽器ケース2内の空間を確保できる。また、ロータリダンパ73は鍵盤3の後方に配置され、ロータリダンパ73の周囲に第3ガイド部78が形成されるので、ロータリダンパ73及び第3ガイド部78を外側から見えなくできる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、上記第1実施の形態では、鍵盤楽器1が電子ピアノである場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、アコースティックピアノや、オルガンなどその他の鍵盤楽器に本発明を適用することは当然可能である。
上記各実施の形態では、連結部25により前蓋21と後蓋22とが折り曲げ可能に連結された鍵盤蓋20について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、前後で折り曲げ可能でない鍵盤蓋(例えば、一枚板の鍵盤蓋)を用いることは当然可能である。この場合、鍵盤蓋の後部側を鍵盤3の後方に落とし込むように、ガイド部の形状や配置、第1支持部および第2支持部の配置を設定することが可能である。
上記各実施の形態では、支持部26a,26b,61a,61b,61c,72a,72b,72cが前蓋21のアーム24に設けられる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、前蓋21に支持部を直接設けることは当然可能である。
上記各実施の形態では、支持部26a,26b,61a,61b,61c,72a,72b,72cが左右両側のアーム24にそれぞれ設けられ、ガイド部30,51,62,74が左右一対の側板4の内側にそれぞれ設けられる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、左側(又は右側)のアーム24のみに支持部を設け、左側(又は右側)の側板4のみにガイド部を設けることは当然可能である。また、左側のアーム24に2つの支持部を設け、右側のアーム24に1つの支持部を設け、左右一対の側板4の内側にそれぞれガイド部を設けることも可能である。この場合、左側のアーム24に設けられた2つの支持部がガイド部に案内されて前蓋21の開き方を特定できると共に前蓋21の左側を支持でき、右側のアーム24に設けられた1つの支持部により前蓋21の右側を支持できる。
上記各実施の形態では、前蓋21の前部から下方へ向かって垂下部23が突出する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、垂下部23を省略することは当然可能である。この場合、開閉時に垂下部23が鍵盤3に接触しないように設けたガイド部30,51,62,74の上昇部33,52,63,75を省略できる。
上記各実施の形態では、支持部26a,26b,61a,61b,61c,72a,72b,72cが円柱状のピンである場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、支持部をローラやピニオンとすることは当然可能である。この場合、ガイド部30,51,62,74内で支持部が転がって支持部の移動を円滑にできる。
上記各実施の形態では、ガイド部30,51,62,74が溝状のガイドラインである場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ガイド部を突起状のガイドラインとすることは当然可能である。この場合、ガイド部の上下を上下一対の支持部で挟むことで、支持部の移動がガイド部に案内される。
上記各実施の形態では、ガイド部30,51,62,74が前後方向に延びて設けられる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ガイド部を上下方向に延びて形成することは当然可能である。この場合、鍵盤蓋20が起立しながら鍵盤蓋20が後方へ移動するように、ガイド部の形状や配置、支持部の配置を設定する。
上記第1実施の形態では、ガイド部30が直線状部分と曲線状部分で構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ガイド部を全て曲線状部分で構成することは当然可能である。この場合、第2端から第1端へ向かって曲率が徐々に小さくなるような曲線状にガイド部を形成することで、鍵盤蓋20の開放動作が進むにつれて、前蓋21の後方への移動動作から、前蓋21を起立させる動作に徐々にシフトできる。その結果、前蓋21の開閉をスムーズにしつつ、鍵盤蓋20の開放動作が進むにつれて前蓋21の起立(回転)を徐々に速くできる。曲率が徐々に小さくなるような曲線として、例えば、インボリュート曲線、クロソイド曲線、3次曲線などが挙げられる。
上記第3実施の形態では、3つの支持部61a,61b,61cのうち少なくとも2つの移動がガイド部62に案内される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、4つ以上の支持部を設け、4つ以上の支持部のうち少なくとも2つの移動がガイド部に案内されるように、ガイド部の形状や配置、4つ以上の支持部の配置を設定することが可能である。
2 楽器ケース
3 鍵盤
4 側板
15,50,60,70 開閉装置
20 鍵盤蓋
21 前蓋
22 後蓋
23 垂下部
24 アーム
25 連結部
26a,72a 第1支持部
26b,72b 第2支持部
30,50,62,74 ガイド部
30a,51a,62a,74a 第1端
30b,51b,62b,74b 第2端
33,52,63,75 上昇部
35,54,65,77 曲部
35b,54b,65b,77b 第2曲部(傾斜部)

Claims (6)

  1. 楽器ケース内に設けられた鍵盤を開閉自在に覆う鍵盤蓋の開閉装置において、
    前記楽器ケースの側板の少なくとも一方に設けられると共に第1端から第2端まで連続するガイド部と、
    そのガイド部に移動が案内されると共に前記鍵盤蓋から側方に突出する第1支持部と、
    その第1支持部よりも前記ガイド部の前記第2端側で移動が案内されると共に前記鍵盤蓋から側方に突出する第2支持部とを備え、
    前記第1支持部および前記第2支持部の移動が、前記第1端から前記第2端へ向かって前記ガイド部に案内されることにより、前記鍵盤蓋が起立しながら後方へ移動することを特徴とする鍵盤蓋の開閉装置。
  2. 前記第2支持部は、前記鍵盤蓋が閉状態で前記第1支持部よりも後方に位置し、
    前記ガイド部は、前後方向に延びて設けられ、前記鍵盤蓋が閉状態における前記第2支持部の位置よりも前記第2端側が下方へ曲がる曲部を備え、
    その曲部は前記第2端から前記第1端側へ向かって後方へ上昇傾斜する傾斜部を備えていることを特徴とする請求項1記載の鍵盤蓋の開閉装置。
  3. 前記鍵盤蓋は、閉状態で前部から下方に突出すると共に閉状態で前記鍵盤の前方を覆う垂下部を備え、
    前記ガイド部は、前記第1端から前記第2端側へ向かって上昇傾斜する上昇部を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の鍵盤蓋の開閉装置。
  4. 前記鍵盤蓋は、閉状態で前方側に設けられる前蓋と、
    その前蓋の後部に連結部を介して折り曲げ可能に前部が連結される、前後方向に移動可能な後蓋と、
    閉状態で前記前蓋の後部から後方へ向かって延びるアームとを備え、
    前記第1支持部は、前記連結部に近接する前記アームの位置に設けられ、
    前記第2支持部は、前記連結部との距離が、前記第1支持部と前記連結部との距離に比べて大きい前記アームの位置に設けられることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の鍵盤蓋の開閉装置。
  5. 前記ガイド部は、前記鍵盤蓋が開状態における前記第1支持部の位置から前記第1端側へ向かって上方へ傾斜することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の鍵盤蓋の開閉装置。
  6. 前記ガイド部は、前記第1支持部の位置から前記第2端側へ向かって傾斜する方向と、前記第2支持部の位置から前記第2端側へ向かって傾斜する方向とが前記鍵盤蓋の開閉段階に係わらず異なることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の鍵盤蓋の開閉装置。
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