JP2017025367A - 高純度硫酸ニッケル水溶液の製造方法 - Google Patents

高純度硫酸ニッケル水溶液の製造方法 Download PDF

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智志 松本
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浩和 大田
泉 杉田
Izumi Sugita
泉 杉田
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Abstract

【課題】マグネシム濃度が低い高純度硫酸ニッケル水溶液が得られる高純度硫酸ニッケル水溶液の製造方法を提供する。
【解決手段】ニッケル原料を溶解して粗硫酸ニッケル水溶液を得る溶解工程と、粗硫酸ニッケル水溶液に中和剤を添加して鉄を中和澱物として除去する脱鉄工程と、粗硫酸ニッケル水溶液から溶媒抽出により高純度硫酸ニッケル水溶液を得るとともに、ニッケル回収液を得るコバルト分離工程と、ニッケル回収液に中和剤を添加して、ニッケルおよびコバルトの中和澱物を得るとともに、マグネシウムを含む排水を系外に排出する脱マグネシウム工程とを備え、ニッケル回収液の一部を脱マグネシウム工程に供給し、残部を溶解工程に供給し、ニッケルおよびコバルトの中和澱物を中和剤の一部として脱鉄工程に供給する。
【選択図】図1

Description

本発明は、高純度硫酸ニッケル水溶液の製造方法に関する。さらに詳しくは、特にマグネシウム濃度が低い高純度硫酸ニッケル水溶液の製造方法に関する。

硫酸ニッケルは、めっき材料や二次電池材料などに使用されている。特に二次電池材料向けには、不純物であるマグネシウムの含有率が低い(例えば、10重量ppm以下)高純度な硫酸ニッケルが必要となる。

硫酸ニッケル水溶液の製錬プロセスでは、ニッケル硫化物等のニッケル原料を溶解し(溶解工程)、得られた粗硫酸ニッケル水溶液に中和剤を添加して中和澱物として鉄を除去し(脱鉄工程)、脱鉄された粗硫酸ニッケル水溶液からコバルトおよびその他の不純物を分離し(コバルト分離工程)、高純度硫酸ニッケル水溶液を得る。

原料であるニッケル硫化物や、脱鉄工程で添加される中和剤には、マグネシウムが含まれている。このマグネシウムはコバルト分離工程においてコバルトとともに分離される(例えば、特許文献1〜4)。

特開平10−30135号公報 特開平10−310437号公報 特開2004−307270号公報 特開2008−13387号公報

コバルト分離工程では、コバルトやその他の不純物とともに、一部のニッケルも分離される。コバルト分離工程から分離された、不純物とともにニッケルを含む液はニッケル回収液と称さる。ニッケル回収液にはニッケルが含まれているので、ニッケル回収液を系外に排出するとニッケルロスとなる。そこで、ニッケル回収液を製錬プロセスの系内に繰り返すことでニッケルロスを低減することが考えられる。

しかし、ニッケル回収液にはマグネシウムが含まれているため、ニッケル回収液を製錬プロセスの系内に繰り返すと、操業を継続するに従い徐々に系内のマグネシウムが濃縮されていく。その結果、コバルト分離工程でマグネシウムが十分に分離されず、得られた高純度硫酸ニッケル水溶液のマグネシウム濃度が高くなるという問題がある。

本発明は上記事情に鑑み、ニッケルロスを低減でき、かつマグネシウム濃度が低い高純度硫酸ニッケル水溶液が得られる高純度硫酸ニッケル水溶液の製造方法を提供することを目的とする。

第1発明の高純度硫酸ニッケル水溶液の製造方法は、ニッケル原料を溶解して、不純物として鉄、コバルトおよびマグネシウムを含む粗硫酸ニッケル水溶液を得る溶解工程と、前記粗硫酸ニッケル水溶液に中和剤を添加して、鉄を中和澱物として除去する脱鉄工程と、前記脱鉄工程後の粗硫酸ニッケル水溶液から、溶媒抽出によりコバルトおよびマグネシウムを分離して高純度硫酸ニッケル水溶液を得るとともに、有機相に担持されたニッケルを逆抽出して、コバルトおよびマグネシウムを含む硫酸ニッケル水溶液であるニッケル回収液を得るコバルト分離工程と、前記ニッケル回収液に中和剤を添加して、ニッケルおよびコバルトの中和澱物を得るとともに、マグネシウムを含む排水を系外に排出する脱マグネシウム工程と、を備え、前記コバルト分離工程で得られた前記ニッケル回収液の一部を前記脱マグネシウム工程に供給し、残部を前記溶解工程に供給し、前記脱マグネシウム工程で得られたニッケルおよびコバルトの中和澱物を前記脱鉄工程の中和剤の一部として前記脱鉄工程に供給することを特徴とする。
第2発明の高純度硫酸ニッケル水溶液の製造方法は、第1発明において、前記脱マグネシム工程の中和剤が消石灰であることを特徴とする。
第3発明の高純度硫酸ニッケル水溶液の製造方法は、第2発明において、前記脱マグネシム工程における反応液のpHを7.2以上8.6以下に調整することを特徴とする。
第4発明の高純度硫酸ニッケル水溶液の製造方法は、第1、第2または第3発明において、前記コバルト分離工程で得られた前記ニッケル回収液の40%以上100%未満を前記脱マグネシウム工程に供給することを特徴とする。

第1発明によれば、マグネシウムを含むニッケル回収液の一部を脱マグネシウム工程に供給し、マグネシウムを含む排水を系外に排出するので、系内でマグネシウムが濃縮されることを抑制できる。その結果、コバルト分離工程でマグネシウムの分離が十分にでき、マグネシウム濃度が低い高純度硫酸ニッケル水溶液を得ることができる。また、ニッケル回収液の残部を溶解工程に供給するとともに、脱マグネシウム工程で得られたニッケルおよびコバルトの中和澱物を脱鉄工程に供給するので、ニッケルおよびコバルトのロスを低減できる。
第2発明によれば、中和剤として消石灰を用いることで、中和剤のコストを低減できる。
第3発明によれば、反応液のpHを7.2以上に調整することで、排水のニッケル濃度を低くできる。反応液のpHを8.6以下に調整することで、排水へのマグネシウム物量分配を大きくできる。
第4発明によれば、ニッケル回収液の40%以上を脱マグネシウム工程に供給することで、マグネシウムの濃縮を抑制でき、マグネシム品位が10重量ppm以下の硫酸ニッケル結晶が得られる高純度ニッケル水溶液を得ることができる。

本発明の一実施形態に係る硫酸ニッケル水溶液の製錬プロセスの工程図である。 コバルト分離工程の詳細工程図である。 濾液へのマグネシウム物量分配に対する濾液のニッケル濃度の関係を示すグラフである。

つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
本発明の一実施形態に係る高純度硫酸ニッケル水溶液の製造方法は、図1に示す硫酸ニッケル水溶液の製錬プロセスに適用される。

まず、ニッケル硫化物等のニッケル原料を硫酸で溶解して粗硫酸ニッケル水溶液を得る(溶解工程)。原料であるニッケル硫化物にはニッケルのほか、鉄、コバルト、マグネシウム等の不純物が含まれている。そのため、得られた粗硫酸ニッケル水溶液には不純物として鉄、コバルトおよびマグネシウムが含まれている。

つぎに、得られた粗硫酸ニッケル水溶液に中和剤を添加して中和することで、粗硫酸ニッケル水溶液に含まれる鉄を中和澱物(鉄の水酸化物)として除去する(脱鉄工程)。脱鉄工程の中和剤としては、例えば消石灰が用いられる。消石灰にはマグネシウムが含まれており、このマグネシウムが脱鉄後の粗硫酸ニッケル水溶液に含まれる。

脱鉄工程後の粗硫酸ニッケル水溶液には、不純物としてコバルトおよびマグネシウム等が含まれている。コバルト分離工程では、溶媒抽出により粗硫酸ニッケル水溶液からコバルト、マグネシムおよびその他の不純物を分離して高純度硫酸ニッケル水溶液を得る。コバルト分離工程では、高純度硫酸ニッケル水溶液のほかに、後述のコバルト回収液およびニッケル回収液が回収される。

コバルト分離工程で得られた高純度硫酸ニッケル水溶液は、そのままで、または濃縮して硫酸ニッケル結晶として回収される。また、コバルト回収液は、不純物を除去した後、コバルト製品の製造に用いられる。

つぎに、図2に基づきコバルト分離工程の詳細を説明する。なお、図2において実線矢印は水相の流れを意味し、破線矢印は有機相の流れを意味する。
コバルト分離工程は、酸性有機抽出剤によりナトリウムやアンモニア等のニッケルよりも低いpHで抽出される不純物をわずかに含む粗硫酸ニッケル水溶液からニッケルを抽出してニッケル保持有機相を得る抽出工程と、抽出工程で得られたニッケル保持有機相を、ニッケルを含む洗浄液で洗浄する洗浄工程と、洗浄工程で得られた洗浄後のニッケル保持有機相とコバルトを多く含む粗硫酸ニッケル水溶液とを反応させて、粗硫酸ニッケル水溶液中のコバルト等の不純物とニッケル保持有機相中のニッケルとを置換する置換工程とを備える。置換工程により高純度硫酸ニッケル水溶液を得るとともに、コバルトが濃縮した有機相を得ることができる。

置換工程で得られた不純物を含む有機相は、ニッケル逆抽出工程、コバルト回収工程、最終逆抽出工程からなる一連の回収工程に送られる。これらの工程により、有機相に担持されたニッケルの回収、コバルトの回収、その他の不純物の除去を行い、有機相を清浄化して再び抽出工程に供給する。

以下、各工程の詳細を説明する。
抽出工程では、酸性有機抽出剤を用いた溶媒抽出法により、抽出・洗浄用硫酸ニッケル水溶液中のニッケルを有機相に抽出し、ニッケル保持有機相を調製する。ニッケル保持有機相には、抽出・洗浄用硫酸ニッケル水溶液に含まれるカルシウム、マグネシウム等のニッケルよりも低いpHで有機相中に抽出される不純物の大部分が同時抽出され含まれている。

抽出工程で得られたニッケル保持有機相は洗浄工程に送られ、ニッケル含有溶液で洗浄される。洗浄工程に供給される洗浄液としては、抽出・洗浄用硫酸ニッケル水溶液(置換工程にて精製された高純度硫酸ニッケル水溶液や工程内繰返し粗硫酸ニッケル水溶液)を水で希釈したものが用いられる。

洗浄工程を経たニッケル保持有機相は置換工程に送られ、コバルト分離工程に供給された粗硫酸ニッケル水溶液(置換硫酸ニッケル水溶液)と置換反応が行われる。例えば、3段向流ミキサーセトラーを用い、その最上段、すなわち1段目のミキサーセトラーにニッケル保持有機相を供給し、最下段、すなわち3段目のミキサーセトラーに置換硫酸ニッケル水溶液を供給し、両者を向流的に反応させる。このようにすると、置換硫酸ニッケル水溶液中のコバルト、鉄、亜鉛、銅、カルシウム、マグネシウム等の不純物とニッケル保持有機相中のニッケルが置換反応によって交換される。有機相中のニッケルは水相中へ、置換硫酸ニッケル水溶液中のコバルト等の不純物は有機相中へとそれぞれ移行し、高純度に精製された高純度硫酸ニッケル水溶液を得ることができる。

高純度に精製された高純度硫酸ニッケル水溶液を得るために、ニッケル保持有機相のニッケル濃度は、置換反応後に得られる有機相にある程度の量のニッケルが残留するような過剰量に調整されている。すなわち、置換後有機相にはニッケルが担持されている。ニッケル逆抽出工程では、硫酸を使用してpH4.0付近で反応させることにより、有機相に担持されたニッケルの大部分を逆抽出して、ニッケル回収液を回収する。ニッケル回収液はコバルトおよびマグネシウムを含む硫酸ニッケル水溶液である。

ニッケルを逆抽出した後のニッケル回収後有機相は、コバルト回収工程に送られる。コバルト回収工程では、塩酸を使用してpHを1.0付近に調整することで、有機相中のコバルトを塩酸に逆抽出して、コバルト回収液を回収する。コバルト回収液は塩化コバルト水溶液であり、カルシウム、マグネシウム、銅、亜鉛などが同時に逆抽出されて含まれている。

コバルトを逆抽出した後のコバルト回収後有機相は、最終逆抽出工程に送られる。最終逆抽出工程では、硫酸を使用して有機相に残存する鉄などの不純物を除去する。以上のように一連の回収工程を経ることで有機相が再生され、有機相を抽出工程に繰り返すことができる。

図1に戻り説明する。
コバルト分離工程で得られたニッケル回収液は、その一部が脱マグネシウム工程に供給され、残部が溶解工程に供給される。

前述のごとく、ニッケル回収液はコバルトおよびマグネシウムを含む硫酸ニッケル水溶液である。脱マグネシウム工程では、ニッケル回収液に中和剤を添加して中和することで、ニッケルおよびコバルトの中和澱物を得る。固液分離により中和澱物が除去された液には、マグネシウムが残存している。このマグネシウムを含む液を排水として系外に排出する。

脱マグネシウム工程の中和剤としては特に限定されないが、消石灰を用いれば、中和澱物としてニッケル/コバルト水酸化物を得ることができる。また、中和剤として消石灰を用いることで、中和剤のコストを低減できる。

脱マグネシム工程における反応液のpHは、特に限定されないが、7.2以上8.6以下に調整することが好ましい。反応液のpHを7.2以上に調整することで、排水のニッケル濃度を低くできる。すなわち、ニッケルロスを低減できる。反応液のpHを8.6以下に調整することで、排水へのマグネシウム物量分配を大きくできる。すなわち、マグネシウムの除去効率が高くなる。

脱マグネシウム工程で得られたニッケルおよびコバルトの中和澱物は、脱鉄工程の中和剤の一部として脱鉄工程に供給される。このように、ニッケルおよびコバルトの中和澱物を脱鉄工程に供給することで、中和澱物を資源として利用できる。

ニッケル回収液は、ニッケル濃度が15〜50g/L、コバルト濃度が1〜10g/L、マグネシウム濃度が0.2〜1.0g/Lである。また、ニッケル、コバルト、マグネシウムの重量比は、およそ100:20:2である。すなわち、ニッケル回収液に含まれるマグネシウムは量的にはわずかである。しかも、脱マグネシウム工程により、マグネシムの大部分が除去される。したがってマグネシウムは中和澱物の不純物とみなすことができる。そのため、得られた中和澱物を脱鉄工程の中和剤として利用しても、マグネシウムの混入は問題とならない。

ニッケルおよびコバルトの中和澱物を脱鉄工程の中和剤として用いることで、脱マグネシウム工程で使用した中和剤の分だけ脱鉄工程の中和剤使用量が減る。製錬プロセス全体としては、中和剤の使用量は脱マグネシウム工程の導入前後でほぼ変わらない。

前述のごとく、ニッケル原料や脱鉄工程に添加される中和剤にはマグネシウムが含まれる。このマグネシウムはコバルト分離工程で分離され、その一部がニッケル回収液に含まれている。このマグネシウムを含むニッケル回収液の一部を脱マグネシウム工程に供給し、マグネシウムを含む排水を系外に排出するので、系内でマグネシウムが濃縮されることを抑制できる。その結果、コバルト分離工程でマグネシウムの分離が十分にでき、マグネシウム濃度が低い高純度硫酸ニッケル水溶液を得ることができる。

また、ニッケル回収液の残部を溶解工程に繰り返すとともに、脱マグネシウム工程で得られたニッケルおよびコバルトの中和澱物を脱鉄工程に供給するので、ニッケル回収液に含まれるニッケルおよびコバルトのロスを低減し、高純度硫酸ニッケル水溶液およびコバルト回収液として回収できる。

コバルト分離工程で得られたニッケル回収液のうち脱マグネシウム工程に供給する割合は特に限定されないが、ニッケル回収液の40%以上100%未満を脱マグネシウム工程に供給することが好ましい。ニッケル回収液の40%以上を脱マグネシウム工程に供給することで、マグネシウムの濃縮を抑制でき、マグネシム品位が10重量ppm以下の硫酸ニッケル結晶が得られる高純度ニッケル水溶液を得ることができる。

また、ニッケル回収液の脱マグネシウム工程に供給する割合を80%以下とすれば、ニッケルおよびコバルトのロスを低減でき、ニッケルおよびコバルトの回収量を維持できる。

つぎに、実施例を説明する。
(反応液のpH 試験1)
図1に示す硫酸ニッケル水溶液の製錬プロセスの実操業を行い、コバルト分離工程で得られたニッケル回収液をサンプリングした。ニッケル回収液は、ニッケル濃度が15〜50g/L、コバルト濃度が1〜10g/L、マグネシウム濃度が0.2〜1.0g/Lであった。このニッケル回収液に中和剤として濃度150〜250g/Lの消石灰スラリーを添加して、pHを6.8、7.2、7.9、8.6、9.0のそれぞれに調整した。

中和反応後、中和澱物と濾液とに固液分離し、濾液へのマグネシウム物量分配を測定した。ここで、濾液へのマグネシウム物量分配とは、ニッケル回収液のマグネシウム重量に対する濾液のマグネシウム重量比の百分率である。その結果を表1に示す。

表1より、反応液のpHを低くするほど、濾液へのマグネシウム物量分配が大きくなり、効率よくマグネシウムを除去できることが分かる。

(反応液のpH 試験2)
図1に示す硫酸ニッケル水溶液の製錬プロセスの実操業を行い、コバルト分離工程で得られたニッケル回収液をサンプリングした。このニッケル回収液に中和剤として濃度150〜250g/Lの消石灰スラリーを添加して、pHを5.5〜10.5の範囲に調整した。

中和反応後、中和澱物と濾液とに固液分離し、濾液へのマグネシウム物量分配および濾液のニッケル濃度を測定した。濾液へのマグネシウム物量分配に対する濾液のニッケル濃度の関係を示すグラフを図3に示す。

図3より、濾液へのマグネシウム物量分配が大きいほど、濾液のニッケル濃度が高くなることが分かる。これは、濾液にマグネシウムを分配させるほど、ニッケルロスが大きくなることを意味する。図3より、濾液のニッケル濃度の上限を1,000mg/Lとすると、濾液のマグネシウム物量分配の上限は75%であることが分かる。表1より、反応液のpHを7.2以上とすれば、濾液のマグネシウム物量分配は73%以下となり、濾液のニッケル濃度を低くできることが分かる。すなわち、ニッケルロスを低減するには、反応液のpHを7.2以上に調整することが好ましいことが確認された。

(反応液のpH 試験3)
表1に示す結果を用いて、図1に示す硫酸ニッケル水溶液の製錬プロセスのバランス計算を行った。マグネシウムのインプット条件として、ニッケル原料中のニッケル品位を57重量%、マグネシウム品位を60重量ppm、消石灰中のマグネシウム品位を0.2重量%とした。また、コバルト分離工程での高純度硫酸ニッケル水溶液へのマグネシウム分配、すなわち置換硫酸ニッケル水溶液のマグネシウム濃度に対する高純度硫酸ニッケル水溶液のマグネシウム濃度比の百分率を7.8重量%、ニッケル逆抽出工程でのニッケル回収液へのマグネシウム分配、すなわち1から置換後有機相のマグネシウム濃度に対するニッケル回収後有機相のマグネシウム濃度比を引いた数値の百分率を83.4%とした。また、コバルト分離工程で得られたニッケル回収液のうち脱マグネシウム工程に供給する割合を80%とした。

脱マグネシウム工程における反応液のpHを6.8、7.2、7.9、8.6、9.0とした。以上の各条件で、脱マグネシウム工程から排出される排水のニッケル濃度と、高純度硫酸ニッケル水溶液を濃縮して得られる硫酸ニッケル結晶のマグネシウム品位とを計算した。その結果を表2に示す。

表2より、脱マグネシウム工程における反応液のpHが8.6を超えると、硫酸ニッケル結晶のマグネシウム品位が10重量ppmを超えることが分かる。すなわち、硫酸ニッケル結晶のマグネシウム品位を低くするには、反応液のpHを8.6以下に調整することが好ましいことが確認された。

以上より、脱マグネシウム工程において反応液のpHを7.2以上8.6以下に調整すれば、ニッケルロスを低減しつつ、高純度硫酸ニッケル水溶液のマグネシウム濃度を低減できることが確認された。

(ニッケル回収液の供給割合)
前記「反応液のpH 試験3」と同様の条件で、コバルト分離工程で得られたニッケル回収液のうち脱マグネシウム工程に供給する割合を100、80、70、60、40、0%とした場合における、脱マグネシウム工程から排出される排水のニッケル濃度と、高純度硫酸ニッケル水溶液を濃縮して得られる硫酸ニッケル結晶のマグネシウム品位とを計算した。なお、脱マグネシウム工程における反応液のpHを7.2とした。その結果を表3に示す。

表3より、ニッケル回収液の脱マグネシウム工程への供給割合を40%以上とすれば、硫酸ニッケル結晶のマグネシウム品位が10重量ppm以下となり、製品の要求を満たすことが分かる。排水のニッケル濃度は、ニッケル回収液の脱マグネシウム工程への供給割合によらず一定である。しかし、ニッケル回収液の脱マグネシウム工程への供給割合が高いほど、排水の量が増える。その結果、ニッケル回収液の脱マグネシウム工程への供給割合が高いほど、ニッケルロスが多くなる。ニッケル回収液の脱マグネシウム工程への供給割合を80%以下とすれば、ニッケルロスを低減できる。以上より、ニッケル回収液の脱マグネシウム工程への供給割合は40%以上80%以下とすることが好ましいことが確認された。

Claims (4)

  1. ニッケル原料を溶解して、不純物として鉄、コバルトおよびマグネシウムを含む粗硫酸ニッケル水溶液を得る溶解工程と、
    前記粗硫酸ニッケル水溶液に中和剤を添加して、鉄を中和澱物として除去する脱鉄工程と、
    前記脱鉄工程後の粗硫酸ニッケル水溶液から、溶媒抽出によりコバルトおよびマグネシウムを分離して高純度硫酸ニッケル水溶液を得るとともに、有機相に担持されたニッケルを逆抽出して、コバルトおよびマグネシウムを含む硫酸ニッケル水溶液であるニッケル回収液を得るコバルト分離工程と、
    前記ニッケル回収液に中和剤を添加して、ニッケルおよびコバルトの中和澱物を得るとともに、マグネシウムを含む排水を系外に排出する脱マグネシウム工程と、を備え、
    前記コバルト分離工程で得られた前記ニッケル回収液の一部を前記脱マグネシウム工程に供給し、残部を前記溶解工程に供給し、
    前記脱マグネシウム工程で得られたニッケルおよびコバルトの中和澱物を前記脱鉄工程の中和剤の一部として前記脱鉄工程に供給する
    ことを特徴とする高純度硫酸ニッケル水溶液の製造方法。
  2. 前記脱マグネシム工程の中和剤が消石灰である
    ことを特徴とする請求項1記載の高純度硫酸ニッケル水溶液の製造方法。
  3. 前記脱マグネシム工程における反応液のpHを7.2以上8.6以下に調整する
    ことを特徴とする請求項2記載の高純度硫酸ニッケル水溶液の製造方法。
  4. 前記コバルト分離工程で得られた前記ニッケル回収液の40%以上100%未満を前記脱マグネシウム工程に供給する
    ことを特徴とする請求項1、2または3記載の高純度硫酸ニッケル水溶液の製造方法。
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