JP2017024077A - 水冷壁パネルの肉盛溶接方法 - Google Patents
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Abstract
Description
最初に、本発明の実施形態において肉盛溶接を行う対象である水冷壁パネル10の構成について、図1,2を参照しながら、簡単に説明する。
本肉盛溶接方法においては、プラズマ粉末溶接法(PTA法)による立向下進溶接により、肉盛溶接を行うが、その際に、特許文献1に開示されているのと同様の溶接トーチを好適に用いることができる。ここで、簡単に、その構成について説明する。
上記で説明したような水冷壁パネル10に対して、肉盛溶接層14を形成するに際し、上記のような溶接トーチ20を利用し、PTA法による肉盛溶接を行う。この際、水冷壁パネル10を、水冷管11の軸および連結部12の面が略鉛直になるように起立させた状態で、立向下進溶接を行う。立向下進溶接においては、溶接トーチ20を略水平に構えて水冷壁パネル10の溶接を行う面に対して略垂直に向け、略鉛直方向下方に向かって動かして、溶接を行う。この際、図4に軌跡wを示すように、水冷壁パネル10を構成する連結部12の表面に平行な面内における溶接トーチ20の運動として、肉盛溶接方向dに交差する方向に往復運動させるウィービングを適宜行ってもよい。具体的には、中央部w1を中心として両側の止端部w2,w3の間で、溶接トーチ20を周波数fで往復させながら、肉盛溶接方向dに移動させるとよい。さらに、ウィービングを行いながら、連結部12の表面に交差する面内における溶接トーチ20の運動として、面直距離調整を行ってもよい。ここで、面直距離調整とは、連結部12の表面に沿った面から溶接トーチ20までの距離として定義される面直距離Lnを、水冷壁パネル10上の位置に応じて変化させる運動を指すものである(図5〜8参照)。面直距離調整の詳細については、後に説明する。
・電流:100〜300A
・周波数:1〜2.5Hz
・ウィービング幅:10〜20mm
・粉末供給量:5〜50g/min
上記のように、立向下進溶接によって肉盛溶接を行うに際し、溶接トーチ20のウィービングを行いながら、水冷壁パネル10上の位置に応じて溶接トーチ20の面直距離Lnを変化させる面直距離調整を行うことができる。連結部12の表面に垂直な方向に水冷壁パネル10から遠ざけるように溶接トーチ20を動かすことで、面直距離Lnが大きくなり、逆に、連結部12の表面に垂直な方向に水冷壁パネル10に近づけるように溶接トーチ20を動かすことで、面直距離Lnが小さくなる。
連結部12上の肉盛溶接層14dを形成する際には、図5(a)に示すように、連結部12の中央部から隅肉溶接部13に近づくほど、面直距離Lnを大きくした傾斜部p1を、溶接トーチ20の軌跡に設けることが好ましい。図5(a)では、直線状の傾斜部p1が、連結部12が露出している部位だけでなく、隅肉溶接部13が設けられた部位にまで延長して設けられている。
隅肉溶接部13上に肉盛溶接層14cを形成する際には、図6(a)に示すように、溶接トーチ20の軌跡において、連結部12上に隅肉溶接部13が形成された位置に平行部p2を設けるとともに、水冷管11上に隅肉溶接部13が形成された位置に傾斜部p3を設け、両者が結合されたV字形の軌跡で面直距離調整を行うことが好ましい。面直距離Lnは、平行部p2よりも傾斜部p3において大きくなっている。そして、傾斜部p3は、連結部12から遠ざかるほど、面直距離Lnが大きくなる傾斜を有している。図6(a)に示した形態では、平行部p2は、隅肉溶接部13が形成された部位だけでなく、連結部12上に肉盛溶接層14dが形成された部位にまで延長して設けられている。傾斜部p3も、隅肉溶接部13が形成された部位だけでなく、水冷管11が露出している部位にまで延長して設けられている。
水冷管11の側部の肉盛溶接層14bを形成する際には、図7(a),(b)に示すように、連結部12から相対的に遠い位置において、連結部12に相対的に近い位置におけるよりも面直距離Lnを大きくすることが好ましい。面直距離Lnを変化させる軌跡を、図7(a)では折れ線状(逆V字形)にしており、図7(b)では曲線状(円弧形)にしている。折れ線状と曲線状のいずれを採用するかは、水冷管11の太さや面直距離調整の簡素性等を考慮して適宜選択すればよい。また、折れ線状の軌跡としては、2つの直線部よりなる逆V字形に限られず、3つ以上の直線部を連結した軌跡を設定してもよい。
水冷管11の頂部の肉盛溶接層14aを形成する際には、図8(a),(b)に示すように、側部の肉盛溶接層14bの場合と同様、連結部12から相対的に遠い位置において、連結部12に相対的に近い位置におけるよりも面直距離Lnを大きくすることが好ましい。面直距離Lnを変化させる軌跡を、図8(a)では、水冷管11の中央の位置を頂点とした折れ線状(逆V字形)に設定しており、図8(b)では、水冷管11の中央の位置を中心とした曲線状(円弧形)にしている。折れ線状と曲線状のいずれを採用するかは、水冷管11の太さや面直距離調整の簡素性等を考慮して適宜選択すればよい。また、折れ線状の軌跡としては、2つの直線部よりなる逆V字形に限られず、3つ以上の直線部を連結した軌跡を設定してもよい。
通常のPTA法において用いられる溶接材料は、粉末の粒径を横軸に、それぞれの粒径における頻度(割合)を縦軸にとった粒度分布(頻度分布)が、例えば正規分布に近似される中央値の左右に対称なピーク形状を有する。本実施形態にかかる肉盛溶接方法においても、そのような対称な単一ピークよりなる粒度分布(シングルピーク型分布)を有した溶接材料mを用いてもよい。しかし、図9に示すように、メインピークMの頂部Mtよりも粒径が小さい領域にショルダーSを有する、ショルダー型分布を持った溶接材料mを用いることで、プラズマアークa中への溶接材料mの供給の効率を一層高めることができる。
(1)メインピークMとの間に谷Vを有さない、なだらかショルダーS
(2)メインピークMとの間に谷Vを有する、明確なショルダーS
(i)外挿近似曲線Fを基準としたショルダーSの頂部Stの高さhsがメインピークMの高さhmの70%以下、好ましくは50%以下である。
(ii)ショルダーSの頂部Stを基準とした谷Vの底部の深さdが、外挿近似曲線Fを基準としたショルダーSの頂部Stの高さhsに対して、30%以下である(d/hs≦30%)。好ましくはさらに、5%以上である(5%≦d/hs≦30%)。
ここでは、溶接材料をプラズマアークの先端部に供給する方法が、肉盛溶接に与える影響を確認した。つまり、溶接トーチの先端部に、粉末状の溶接材料を供給するための放出孔を、(i)タングステン電極に対して上方に2か所設けた場合(図3(b)に対応)と、(ii)タングステン電極の上下左右に各1つずつ、合計4個設けた場合(図略)について、それぞれ同じ条件で、PTA法を用いた立向下進溶接によって肉盛溶接を行い、溶着効率(溶着歩留り)を比較した。(i)の場合には、プラズマアークに対して上方から溶接材料が供給され、(ii)の場合には、プラズマアークの上下左右方向からほぼ均等に溶接材料が供給される。
次に、粉末状の溶接材料の粒度分布が肉盛溶接に与える影響を検討した。
11 水冷管
12 連結部
13 隅肉溶接部
14 肉盛溶接層
20 溶接トーチ
21 タングステン電極
22 粉末流路
23 放出孔
a プラズマアーク
m 溶接材料
p 溶融池
F 外挿近似曲線
M メインピーク
Mt メインピークの頂部
S ショルダー
St ショルダーの頂部
V 谷
Claims (8)
- 複数の水冷管と、前記複数の水冷管の間に設けられた板状の連結部と、前記水冷管と前記連結部を接合する隅肉溶接部と、を有する水冷壁パネルの表面に、前記水冷壁パネルを起立させた状態で肉盛溶接を行うに際し、
プラズマ粉末溶接法にて、プラズマアークの上方から粉末状の溶接材料を供給しながら、立向下進溶接によって、
前記連結部および前記隅肉溶接部、前記水冷管の前記連結部に近い部位、前記水冷管の前記連結部から離れた部位の順に肉盛溶接を行い、
余盛部と溶込み部を合わせた肉盛溶接層の厚さを0.5〜2mmの範囲とすることを特徴とする水冷壁パネルの肉盛溶接方法。 - 溶接速度を、100〜300mm/minの範囲とすることを特徴とする請求項1に記載の水冷壁パネルの肉盛溶接方法。
- 前記粉末状の溶接材料として、粒径に対して頻度をプロットした粒度分布において、頻度が最も高くなっているメインピークの頂部よりも粒径が小さい領域に、ショルダーが存在するものを用いることを特徴とする請求項1または2に記載の水冷壁パネルの溶接方法。
- 前記粉末状の溶接材料として、粒径に対して頻度をプロットした粒度分布において、中央値の左右に対称な単一ピークよりなるものを用いることを特徴とする請求項1または2に記載の水冷壁パネルの溶接方法。
- 前記肉盛溶接に用いる溶接トーチを、前記連結部の表面に平行な面内でウィービングさせるとともに、前記連結部の表面に沿った面から前記溶接トーチまでの距離である面直距離を、前記水冷壁パネルの部位に応じて変化させながら、前記肉盛溶接を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の水冷壁パネルの溶接方法。
- 前記隅肉溶接部に前記肉盛溶接を行う際に、前記連結部上の位置において、前記水冷管上の位置におけるよりも前記面直距離を大きくするとともに、前記連結部から遠ざかるほど該面直距離を大きくすることを特徴とする請求項5に記載の水冷壁パネルの溶接方法。
- 前記連結部に前記肉盛溶接を行う際に、前記隅肉溶接部に近い位置ほど前記面直距離を大きくする傾斜部を設けることを特徴とする請求項5または6に記載の水冷壁パネルの溶接方法。
- 前記水冷管に前記肉盛溶接を行う際に、前記連結部から相対的に遠い位置において、前記連結部に相対的に近い位置におけるよりも、前記面直距離が大きくなるように、折れ線状または曲線状の軌跡に沿って前記面直距離を変化させることを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の水冷壁パネルの溶接方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN113432145A (zh) * | 2021-06-21 | 2021-09-24 | 东方电气集团东方锅炉股份有限公司 | 一种设有锅炉垂直膜式水冷壁的冷灰斗 |
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2016
- 2016-06-08 JP JP2016114135A patent/JP2017024077A/ja active Pending
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