JP2017020332A - 補強構造物 - Google Patents
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Abstract
Description
本実施形態のポリマーセメント組成物は、補強工法用のポリマーセメント組成物であって、セメント、細骨材、流動化剤、再乳化形粉末樹脂、無機系膨張材、及び、合成樹脂繊維を含有する。
好ましくは3000cm2/g〜6000cm2/gであり、
より好ましくは4000cm2/g〜5000cm2/gであり、
さらに好ましくは4200cm2/g〜4800cm2/gである。
ふるい目開き1180μmにおいて、5.0〜25.0であり、
ふるい目開き600μmにおいて、20.0〜50.0であり、
ふるい目開き300μmにおいて、20.0〜50.0であり、
ふるい目開き150μmにおいて、5.0〜25.0であり、
ふるい目開き75μmにおいて、0〜10.0であることが好ましい。
ふるい目開き1180μmにおいて、10.0〜20.0であり、
ふるい目開き600μmにおいて、25.0〜45.0であり、
ふるい目開き300μmにおいて、25.0〜45.0であり、
ふるい目開き150μmにおいて、10.0〜20.0であり、
ふるい目開き75μmにおいて、0〜5.0であることがより好ましい。
好ましくは、1.60〜3.00であり、
より好ましくは、1.90〜2.80であり、
さらに好ましくは、2.10〜2.70であり、
特に好ましくは2.30〜2.60である。
好ましくは85質量部〜125質量部であり、
より好ましくは90質量部〜120質量部であり、
さらに好ましくは95質量部〜115質量部であり、
特に好ましくは100質量部〜110質量部である。
好ましくは0.04質量部〜0.55質量部であり、
より好ましくは0.10質量部〜0.45質量部であり、
さらに好ましくは0.15質量部〜0.35質量部であり、
特に好ましくは0.20質量部〜0.30質量部である。
0.2質量部〜6.0質量部であり、
好ましくは0.5質量部〜3.5質量部であり、
より好ましくは0.7質量部〜2.8質量部であり、
さらに好ましくは0.9質量部〜2.1質量部であり、
特に好ましくは1.1質量部〜1.8質量部である。
好ましくは2.0質量部〜10.0質量部であり、
より好ましくは3.0質量部〜9.0質量部であり、
さらに好ましくは4.0質量部〜8.0質量部であり、
特に好ましくは5.0質量部〜7.0質量部である。
好ましくは4mm〜20mmであり、
より好ましくは6mm〜18mmであり、
さらに好ましくは8mm〜16mmであり、
特に好ましくは10mm〜14mmである。
好ましくは0.11質量部〜0.64質量部であり、
より好ましくは0.21質量部〜0.53質量部であり、
さらに好ましくは0.28質量部〜0.47質量部であり、
特に好ましくは0.32質量部〜0.43質量部である。
ポリマーセメントモルタルは、上述のポリマーセメント組成物と水とを含む。ポリマーセメントモルタルは、上述のポリマーセメント組成物と水とを配合し混練することによって調製することができる。このようにして調製されるポリマーセメントモルタルは、優れた流動性(フロー値)を有する。このため、補強構造物を形成するための型枠内への充填を円滑に行うことができる。したがって、既存建物の補強構造物用のポリマーセメントモルタルとして好適に用いることができる。ポリマーセメントモルタルを調製する際に、水粉体比(水量/ポリマーセメント組成物量)を適宜変更することによって、ポリマーセメントモルタルのフロー値を調整することができる。
好ましくは、0.135〜0.175であり、
より好ましくは、0.140〜0.170であり、
更に好ましくは、0.143〜0.167であり、
特に好ましくは、0.145〜0.165である。
好ましくは、160mm〜270mmであり、
より好ましくは、165mm〜260mmであり、
さらに好ましくは、170mm〜250mmである。
モルタル硬化体は、ポリマーセメントモルタルを硬化して形成することができる。このようにして形成されるモルタル硬化体は、既存建物の補強構造物を構成するコンクリートの柱や梁と一体化するに際し、強度発現性に優れる。このため、補強工法の工期を短縮することができる。また、高い圧縮強度を有することから、既存建物の耐震性を向上することができる。
好ましくは、60N/mm2以上であり、
より好ましくは、61N/mm2以上であり、
さらに好ましくは、62N/mm2以上である。
特に好ましくは、63N/mm2以上である。
好ましくは、65N/mm2以上であり、
より好ましくは、70N/mm2以上であり、
さらに好ましくは、71N/mm2以上である。
特に好ましくは、72N/mm2以上である。
外方に突出しているので、鉄筋13(剪断補強筋13b)も当該方向において鉄筋12よりも外方に突出している。
実施例1では、補強構造物2の一部を取り出した十字型の試験体E1を用意した。具体的には、試験体E1は、図9〜図12に示されるように、補強柱部9と、補強梁部10と、これらが交差する部分である補強交差部11とを備えていた。補強柱部9及び補強梁部10は、鉄筋コンクリートによって構成されていた。補強交差部11は、ポリマーセメントモルタルが硬化したモルタル硬化体内に鉄筋が埋設されることによって構成されていた。
・補強柱部9
高さ :1820mm(図11参照)
幅 : 400mm(図12(a)参照)
奥行 : 300mm(図11及び図12(a)参照)
主筋 :14−D16(SD390)
補強柱部9の奥行き方向に5本ずつ2列配置
補強柱部9の幅方向に4本ずつ2列配置
引張鉄筋比pt=1.15%
剪断補強筋 :3−U7.1@50(SBPD1275)
剪断補強筋比pw=0.80%
高さ : 250mm(図12(b)参照)
幅 :2200mm(図10参照)
奥行 : 600mm(図10及び図12(b)参照)
主筋 :9−D16(SD490)(上下)
引張鉄筋比pt=1.65%
剪断補強筋 :4−U7.1@100(SBPD1275)
剪断補強筋比pw=0.27%
高さ : 250mm(図11参照)
幅 : 400mm(図10参照)
奥行 : 600mm(図10参照)
C字状補強筋:D13(SD345)
環状補強筋 :3−U7.1@100(SBPD1275)
モルタル硬化体 :94.7N/mm2(補強交差部11)
コンクリート硬化体:43.7N/mm2(補強柱部9の下側及び補強梁部10)
コンクリート硬化体:38.7N/mm2(補強柱部9の上側)
第2:R1=±1/500rad(F=0.80)を2サイクル
第3:R1=±1/250rad(F=1.00)を2サイクル
第4:R1=±1/150rad(F=1.27)を2サイクル
第5:R1=±1/100rad(F=1.75)を2サイクル
第6:R1=±1/67rad(F=2.24)を2サイクル
第7:R1=±1/50rad(F=2.59)を2サイクル
第8:R1=±1/33rad(F=3.09)を2サイクル
第9:R1=±1/25rad(F=3.5)を2サイクル
なお、層間変形角R1は、補強交差部11の中心を通り且つ補強柱部9の軸心に対する垂線と補強梁部10の軸心の右端との間の鉛直方向における長さ(変位)をRσyとし、補強交差部11の中心を通り且つ補強柱部9の軸心に対する垂線と補強梁部10の軸心の左端との間の鉛直方向における長さ(変位)をLσyとしたときに、これらの鉛直変位の差(Rσy−Lσy)を補強梁部10の長さLで除算した値であり、式1で表される。
R1=(Rσy−Lσy)/L ・・・(1)
実施例2では、実施例1と同様に、補強構造物2の一部を取り出した十字型の試験体E2を用意した。ただし、試験体E2は、補強柱部9を梁として用い、補強梁部10を柱として用いた点で、試験体E1と異なる。具体的には、試験体E2は、図15〜図18に示されるように、柱として機能する補強梁部10と、梁として機能する補強柱部9と、これらが交差する部分である補強交差部11とを備えていた。補強柱部9及び補強梁部10は、鉄筋コンクリートによって構成されていた。補強交差部11は、ポリマーセメントモルタルが硬化したモルタル硬化体内に鉄筋が埋設されることによって構成されていた。
・補強梁部10
高さ :1820mm(図17参照)
幅 : 250mm(図18(a)参照)
奥行 : 600mm(図17及び図18(a)参照)
主筋 :9−D16(SD490)(上下)
引張鉄筋比pt=1.65%
剪断補強筋 :4−U7.1@100(SBPD1275)
剪断補強筋比pw=0.27%
高さ : 400mm(図18(b)参照)
幅 :2060mm(図16参照)
奥行 : 300mm(図16及び図18(b)参照)
主筋 :8−D16(SD390)
補強柱部9の奥行き方向に4本ずつ2列配置
引張鉄筋比pt=0.96%
剪断補強筋 :2−U7.1@50(SBPD1275)
剪断補強筋比pw=0.53%
高さ : 400mm(図17参照)
幅 : 250mm(図16参照)
奥行 : 600mm(図16参照)
C字状補強筋:D13(SD345)
環状補強筋 :3−U7.1@100(SBPD1275)
モルタル硬化体 :98.5N/mm2(補強交差部11)
コンクリート硬化体:45.8N/mm2(補強柱部9の一端側及び補強梁部10)
コンクリート硬化体:40.8N/mm2(補強柱部9の他端側)
実施例3では、既存建物1に補強構造物2が施工された補強済建物3のうち一構面を取り出した試験体E3を用意した。具体的には、試験体E3のうち既存建物1は、図19〜図22に示されるように、柱部4と、梁部5と、基礎梁部5FBと、これらが交差する部分である交差部6と、基礎部8と、スラブ部SLを備えていた。基礎梁部5FBは、基礎部8に近接して位置する梁部5である。既存建物1は全体として、鉄筋コンクリートによって構成されていた。
・柱部4(図22(a)参照)
断面形状 :200mm×240mm
主筋 :10−D13
剪断補強筋:2−D4@150
断面形状 :160mm×320mm
主筋 :5−D13(上下)
剪断補強筋:2−D4@100
スラブ筋 :D4@100(タテヨコ)
断面形状 :160mm×400mm
主筋 :5−D13(上下)
剪断補強筋:2−D4@100
・内法スパン :1760mm(図19参照)
・階高 :1140mm(図19参照)
・内法高さ :820mm(図19参照)
・圧縮強度(材齢28日)
コンクリート硬化体:42.6N/mm2(基礎部8)
19.2N/mm2(柱部4、梁部5、基礎梁部5FB及び交差部6)
・補強柱部9(図26(a)参照)
断面形状 :200mm×320mm
主筋 :6−D19(SD390)
補強柱部9の幅方向に3本ずつ2列配置
剪断補強筋:U7.1@50
断面形状 :400mm×200mm
主筋 :5−D16(SD490)(上下)
剪断補強筋:U7.1@100(SBPD1275)
断面形状 :250mm×350mm
主筋 :4−D16(SD490)(上下)
剪断補強筋:3−D7.1@100(SBPD1275)
・内法スパン :1680mm(図23参照)
・階高 :1180mm(図23参照)
・内法高さ :980mm(図23参照)
モルタル硬化体 :91.6N/mm2(補強柱部9と補強基礎梁部10FBとが交差する補強交差部11)
モルタル硬化体 :91.7N/mm2(補強柱部9と補強梁部10とが交差する補強交差部11)
コンクリート硬化体:42.7N/mm2(補強基礎梁部10FB)
コンクリート硬化体:38.2N/mm2(補強柱部9及び補強梁部10)
第2:R2=±1/500rad(F=0.80)を2サイクル
第3:R2=±1/250rad(F=1.00)を2サイクル
第4:R2=±1/150rad(F=1.27)を2サイクル
第5:R2=±1/100rad(F=1.75)を2サイクル
第6:R2=±1/67rad(F=2.24)を2サイクル
第7:R2=±1/50rad(F=2.59)を2サイクル
第8:R2=±1/33rad(F=3.09)を2サイクル
なお、層間変形角R2は、梁部5の水平変位δを基礎梁部5FBの上面から梁部5の上面までの高さHで除算した値であり、式2で表される。
R2=δ/H ・・・(2)
実施例4では、下記の3つの条件A1〜A3のもとで、節点振り分け法により試験体E1の終局耐力(水平耐力)cQuを求めた。ただし、実施例1において、試験体E1は補強梁部10の曲げ破壊であったことから、同様に補強梁部10の曲げ破壊を仮定して計算を行った。本明細書において、節点振り分け法での終局耐力の算出方法は、「2001年改訂版 既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断基準・同解説」(財団法人日本建築防災協会発行、pp.276−278)の例による。
bMu=0.9・at・σy・dg ・・・(3)
ただし、パラメータat、σy、dgはそれぞれ、
at:引張主筋断面積[mm2]
σy:鉄筋の材料強度[N/mm2]であり、規格降伏強度の1.1倍(主筋がSD490の場合には1.05倍)
dg:梁の有効せい[mm]
と定義される。
gQmu=bMu/Lsp ・・・(4)
ただし、パラメータLspは
Lsp:補強梁部10のスパン(=(補強梁部10の幅−補強柱部9の幅)/2)
と定義される。梁曲げ破壊を仮定している(補強梁部10は曲げ破壊以前に剪断破壊しない)ので、曲げ耐力gQmuは、補強梁部10の終局耐力gQuでもある。すなわち、式5が成り立つ。
gQu=gQmu ・・・(5)
cQg=gQu・(Lsp+Da)/(Hsp+Db) ・・・(6)
ただし、パラメータDa,Hsp,Dbはそれぞれ、
Da:補強柱部9の幅の1/2
Hsp:補強柱部9のスパン(=(補強柱部9の高さ−補強梁部10の高さ)/2)
Db:補強梁部10の幅の1/2
と定義される。梁曲げ破壊を仮定している(補強梁部10の終局耐力は補強柱部9及び補強交差部11の各終局耐力よりも小さい)ので、剪断力cQgは、試験体E1の終局耐力cQuでもある。すなわち、式7が成り立つ。
cQu=cQg ・・・(7)
(1)補強梁部10の全ての主筋が引っ張り力に有効であること。
(2)補強梁部10の奥行き方向全体にわたって圧縮力が作用すること。
(3)補強梁部10に圧縮破壊が生じないこと。
(4)補強梁部10の主筋に引張降伏が生ずること。
(1)補強梁部10の全ての主筋が引っ張り力に有効であること。
(2)補強梁部10のうち補強柱部9に対応する部分に圧縮力が作用すること。
(3)補強梁部10に圧縮破壊が生ずること。すなわち、補強梁部10の終局曲げモーメントbMuとして、補強梁部10を構成するコンクリート硬化体が圧縮降伏するときの曲げモーメントと、補強梁部10の主筋が引張降伏するときの曲げモーメントとで小さい値を用いた。本明細書において、コンクリート硬化体が圧縮降伏するときの曲げモーメントの算出方法は、「鉄筋コンクリート造建物の靱性保証型耐震設計指針・同解説」(一般社団法人日本建築学会発行、pp.91−106)の例による。
(4)補強梁部10の主筋に圧縮降伏が生ずること。
(1)補強梁部10の主筋のうち補強柱部9に近い側から80%の主筋が引っ張り力に有効であること。すなわち、式3において、「σy」に代えて「0.8σy」を用いた。
(2)補強梁部10のうち補強柱部9に対応する部分に圧縮力が作用すること。
(3)補強梁部10に圧縮破壊が生じないこと。
(4)補強梁部10の主筋に引張降伏が生ずること。
・条件A1
試験体E1の終局耐力 214.6kN(図28参照)
補強交差部11の剪断余裕度 1.05
柱梁曲げ耐力比 1.10
試験体E1の終局耐力 183.1kN
補強交差部11の剪断余裕度 1.31
柱梁曲げ耐力比 1.14
試験体E1の終局耐力 161.4kN
補強交差部11の剪断余裕度 1.31
柱梁曲げ耐力比 1.47
実施例5でも、実施例4と同様に、上記の条件A1〜A3のもとで、節点振り分け法により補強柱部9の終局耐力(水平耐力)を求めた。試験体E2において柱部9Aが水平材であるので、試験体E2の縦横比(試験体E2の高さを試験体E2の幅で割った値)を補強柱部9の終局耐力に乗算し、試験体E2(架構)としての終局耐力を算出した。ただし、実施例2において試験体E2は補強柱部9から見て柱曲げ破壊であったことから、同様に補強柱部9の曲げ破壊を仮定して計算を行った。なお、梁部10A(補強柱部9)の終局曲げモーメントbMuについては、実施例4と同様に、式3を基礎式として用いた。
・条件A1
試験体E1の終局耐力 133.1kN
補強交差部11の剪断余裕度 1.60
柱梁曲げ耐力比 0.47
試験体E1の終局耐力 133.1kN
補強交差部11の剪断余裕度 1.95
柱梁曲げ耐力比 1.67
試験体E1の終局耐力 133.1kN
補強交差部11の剪断余裕度 1.60
柱梁曲げ耐力比 0.64
実施例6では、節点振り分け法により試験体E3の既存建物1の終局耐力(水平耐力)を求めた。ただし、実施例3において、試験体E3の既存建物1が柱剪断破壊であったことから、計算においても柱剪断破壊を仮定し、他の破壊形式は考慮しなかった。その結果、試験体E3の既存建物1の終局耐力は、137.8kNであった。
実施例7では、下記の3つの条件B1〜B3のもとで、節点振り分け法により試験体E3の補強構造物2及び補強済建物3の終局耐力(水平耐力)を求めた。ただし、実施例3において、試験体E3の補強構造物2が柱曲げ破壊であったことから、計算においても柱曲げ破壊を仮定し、他の破壊形式は考慮しなかった。なお、補強済建物3の終局耐力は、補強構造物2の終局耐力に、実施例6で得られた既存建物1の終局耐力を加算した値である。
(1)補強梁部10の全ての主筋が引っ張り力に有効であること。
(2)補強梁部10の奥行き方向全体にわたって圧縮力が作用すること。
(3)補強梁部10に圧縮破壊が生じないこと。
(4)補強梁部10の主筋に引張降伏が生ずること。
(1)補強梁部10の全ての主筋が引っ張り力に有効であること。
(2)補強梁部10のうち補強柱部9に対応する部分に圧縮力が作用すること。
(3)補強梁部10に圧縮破壊が生じないこと。
(4)補強梁部10の主筋に圧縮降伏が生ずること。
(1)補強梁部10の主筋のうち補強柱部9に近い側から80%の主筋が引っ張り力に有効であること。すなわち、式3において、「σy」に代えて「0.8σy」を用いた。
(2)補強梁部10のうち補強柱部9に対応する部分に圧縮力が作用すること。
(3)補強梁部10に圧縮破壊が生じないこと。
(4)補強梁部10の主筋に圧縮降伏が生ずること。
・条件B1
試験体E3の補強構造物2の終局耐力 214.4kN
試験体E3の補強済建物3の終局耐力 352.2kN
試験体E3の補強構造物2の終局耐力 214.4kN
試験体E3の補強済建物3の終局耐力 352.2kN
試験体E3の補強構造物2の終局耐力 209.3kN
試験体E3の補強済建物3の終局耐力 347.2kN(図31参照)
実施例8では、下記の3つの条件C1〜C3のもとで、任意形状立体フレームの弾塑性解析ソフト「SNAP」(株式会社構造システム製)を用いて、増分解析法により試験体E1の水平耐力を求めた。その結果を図29に示す。
・条件C1
補強梁部10の全ての主筋が引っ張り力に有効であること。
・条件C2
補強梁部10の主筋のうち補強柱部9に近い側から上側及び下側共に7本ずつが引っ張り力に有効であること。
・条件C3
(1)補強梁部10の主筋のうち補強柱部9に近い側から上側及び下側共に7本ずつが引っ張り力に有効であること。
(2)補強梁部10の奥行きが450mmであること(補強梁部10の補強柱部9から突出長さが150mmであること)。
実施例9では、下記の条件Dのもとで、任意形状立体フレームの弾塑性解析ソフト「SNAP」(株式会社構造システム製)を用いて、増分解析法により試験体E3の水平耐力を求めた。その結果を図31に示す。なお、メカニズム時の試験体E3の耐力は、474kNであった。
・条件D
補強梁部10の全ての主筋が引っ張り力に有効であること。
比較例では、試験体E1のうち、補強梁部10の奥行を300mmに変更すると共に、補強梁部10内の主筋の数を4本に変更した試験体E4を想定し、節点振り分け法により、試験体E4の終局耐力(水平耐力)を求めた。すなわち、試験体E4では、補強柱部9及び補強梁部10の奥行が同一であり、既存建物1の外壁面の垂線方向において補強梁部10が補強柱部9から突出していなかった。計算に際しては、梁曲げ破壊を仮定し、他の破壊形式は考慮しなかった。なお、補強梁部10の終局曲げモーメントbMuについては、式3を基礎式として用いた。その結果、試験体E4の終局耐力は95.4kNであった。
以上の実施例1,3,4,7〜9と比較例とを対比すると、いずれの実施例においても、終局耐力が比較例よりも高いことが確認された。従って、既存建物1の外壁面の垂線方向において補強梁部10の厚み(奥行)が補強柱部9の厚みよりも大きいと、当該垂線方向において補強梁部10の厚み(奥行)が補強柱部9の厚みと同程度の場合と比較して、補強構造物2が優れた耐震性能を発揮することが確認された。
Claims (7)
- 柱部と、梁部と、前記柱部及び前記梁部が交差する箇所に位置する交差部とを備える既存建物を補強するための補強構造物であって、
前記既存建物の外壁面側で且つ前記柱部に対応する位置に配置され、鉄筋が埋設されたコンクリート硬化体からなる補強柱部と、
前記既存建物の外壁面側で且つ前記梁部に対応する位置に配置され、鉄筋が埋設されたコンクリート硬化体からなる補強梁部と、
前記既存建物の外壁面側で且つ前記交差部に対応する位置に配置され、前記補強柱部の端部及び前記補強梁部の端部に接続され、鉄筋が埋設されたポリマーセメントモルタル硬化体からなる補強交差部とを備え、
前記補強梁部及び前記補強交差部は、前記既存建物の外壁面に対して直交し且つ略水平に延びる垂線方向において、前記補強柱部よりも外方に突出し、
前記補強梁部の下端は、対応する前記梁部の下端よりも下方に突出していない、補強構造物。 - 前記補強梁部及び前記補強交差部の前記垂線方向における厚みは、前記補強梁部及び前記補強交差部の鉛直方向における高さよりも大きい、請求項1に記載の補強構造物。
- 前記補強梁部及び前記補強交差部は、前記補強梁部の延在方向から見て矩形状を呈する、請求項2に記載の補強構造物。
- 前記補強交差部内に埋設された前記鉄筋は、前記補強梁部の延在方向に沿って延びる仮想軸を囲む環状の剪断補強筋を含み、
前記剪断補強筋は前記補強柱部よりも外方に突出している、請求項1〜3のいずれか一項に記載の補強構造物。 - 前記既存建物は、前記梁部から外方に向けて突出する張り出し床部をさらに備え、
前記補強梁部及び前記補強交差部は、前記張り出し床部の下方に位置している、請求項1〜4のいずれか一項に記載の補強構造物。 - 前記補強梁部の延在方向における少なくとも一方の側部の高さが、前記延在方向において両側部の間に位置する部分の高さよりも低い、請求項1〜5のいずれか一項に記載の補強構造物。
- 前記補強梁部の延在方向における両側部の高さが、前記延在方向において両側部の間に位置する部分の高さよりも低い、請求項6に記載の補強構造物。
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