JP2017014330A - 透明断熱層形成用樹脂組成物及びそれを用いた透明断熱層、透明断熱フィルム - Google Patents

透明断熱層形成用樹脂組成物及びそれを用いた透明断熱層、透明断熱フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】
熱伝導率が低く断熱性に優れ、より視認性の高い透明断熱フィルムを簡便に製造し、提供することを目的とする。
【解決手段】
フェニル基を有する化合物で表面修飾したシリカ微粒子(A)と下記一般式(1)で表される単位を有するポリシラン(B)と、電離放射線硬化型材料(C)と、油溶性アゾ重合開始剤(D)を含有する透明断熱層形成用樹脂組成物であって、前記組成物中の全固形分に対する含有比率が、ポリシラン(B)は0.1〜10質量%、前記電離放射線硬化型材料(C)は4〜50質量%、前記油溶性アゾ重合開始剤(D)は10〜30質量%、であり、透明基材1に前記透明断熱層形成用樹脂組成物を塗工、硬化させて透明断熱層2を形成した透明断熱フィルム10である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ポリシランを用いた自己組織化的に空隙を形成、またN2ガスを発生するアゾ重合開始剤を用いて、空隙を形成する透明断熱層形成樹脂組成物及びそれを用いた透明断熱層、透明断熱フィルムに関するものである。
未来のエネルギー需給を考える上で、省エネ技術は最重要と位置づけられる。エネルギーは、熱と光と電気に大きく分けられるが、熱の制御技術は発展途上にある。従来から、建築分野、自動車分野等では、省エネ及び環境問題の観点や、居空間の快適性を確保する必要性から、遮熱性及び断熱性を得るための様々な手法が用いられている。
しかしながら、窓ガラスのような視認性の要求される部位においては住宅用壁紙に使用されているような断熱材は視認性の観点から使用することはできない。
そこで、窓ガラスからの入熱や放熱を抑える手段として、合わせガラス、複層ガラス等が開発されているが、工事が必要など、現在のものから交換するにもコスト面で厳しいのが現状であった。
そこで特許文献1に記載の技術においては、シリカ殻からなる粒子径10nmから300nmのナノ中空粒子を用いて、透明合成樹脂に分散させた断熱層が提案されている。しかしこの断熱層は、熱伝導率2.5W/m・K以下とあるが、建装材で用いられる断熱材が熱伝導率0.1W/m・K以下であるので、値が大きく断熱性が十分とはいえない。またシリカ粒子の濃度が25%以上を超えると視認性が下がるため、粒子濃度を上げることが困難であり、断熱性を上げることが困難であった。
特開2012−56138号公報
本発明は、熱伝導率が低く断熱性に優れ、より視認性の高い透明断熱フィルムを簡便に製造し、提供することを目的とする。
本発明は、ポリシランとフェニル基を有する化合物で表面修飾したシリカ微粒子において、ポリシラン中のアリール基とシリカ微粒子表面のフェニル基がπ―πスタッキングすることにより、ナノサイズの空隙を形成し、更に光や熱でNを発生するアゾ重合開始剤による空隙形成が起こることで、空隙率をより高くすることで熱伝導率が低く、加えて透明性が高い透明断熱形成用樹脂組成物になることを見出し、本発明にいたった。
本発明の請求項1に記載の発明は、フェニル基を有する化合物で表面修飾したシリカ微粒子(A)と下記一般式(1)で表される単位を有するポリシラン(B)と、電離放射線硬化型材料(C)と、油溶性アゾ重合開始剤(D)を含有する透明断熱層形成用樹脂組成物であって、
前記組成物中の全固形分に対する含有比率が、
ポリシラン(B)は0.1〜10質量%、
前記電離放射線硬化型材料(C)は4〜50質量%、
前記油溶性アゾ重合開始剤(D)は10〜30質量%、
であることを特徴とする透明断熱層形成用樹脂組成物である。
Figure 2017014330
式(1)中、R1およびR2は、各々独立に、アリール基、炭化水素基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アミノ基、シリル基、およびハロゲン原子からなる群より選ばれる。ただし、R1およびR2の少なくとも一方はアリール基である。
また、請求項2に記載の発明は、前記シリカ微粒子(A)の平均粒子径が10〜70nmであることを特徴とする、請求項1に記載の透明断熱層形成用樹脂組成物である。
また、請求項3に記載の発明は、前記ポリシランが(B)の質量平均分子量が30,000以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の透明断熱層形成用樹脂組成物である。
また、請求項4に記載の発明は、上述の透明断熱層形成用樹脂組成物を用いて形成された透明断熱層で、透明断熱層の熱伝導率が0.06W/m・K以下である。
また、請求項5に記載の発明は、透明基材と、透明基材上に形成された上述の透明断熱層を備えた、透明断熱フィルムである。
本発明によれば、フェニル基を有する化合物で表面修飾したシリカ微粒子(A)と前記ポリシラン(B)と油溶性アゾ重合開始剤(D)を含有する透明断熱層形成用樹脂組成物を用いることにより、シリカ微粒子(A)とポリシラン(B)とがπ−πスタッキング結合を起こしてナノ空隙を形成し、優れた断熱効果を得ることができる。また、同時に前記アゾ重合開始剤を用いることで、断熱層の形成時の加熱によりアゾ重合開始剤が分解してNガスを発生し、より高い空隙率を有するナノ空隙を形成することができる。その結果、断熱層の熱伝導率が0.06W/m・K以下の優れた断熱性を有する透明断熱フィルムを提供することができる。
本発明の透明断熱フィルムの一実施形態を示す断面模式図である。 本発明の透明断熱フィルムを用いた一実施形態を示す断面模式図である。
本発明に係る透明断熱層形成用樹脂組成物は、フェニル基を有する化合物で表面修飾したシリカ微粒子(A)と前記ポリシラン(B)と、電離放射線硬化型材料(C)と、油溶性アゾ重合開始剤(D)を含有することを特徴とする。
また、本発明に係る透明断熱フィルム10は、図1(a)に示すように、透明基材1の一方の面に前記透明断熱層形成用樹脂組成物からなる断熱層2を形成することで得られる。また、図1(b)に示すように、透明基材1の他方の面にハードコート層3を設けることもできる。またさらに、本発明に係る透明断熱フィルム10は、図2に示す断熱層2の上に粘着層4を設けて、被断熱体に積層して断熱性を付与することもできる。
以下、本発明の透明断熱層形成用樹脂組成物および透明断熱フィルムについて、具体的
に説明する。
本発明に係る透明断熱層形成用樹脂組成物は、前記シリカ微粒子(A)中のフェニル基と前記ポリシラン(B)中のアリール基とがπ―πスタッキング結合することにより、透明断熱層中にナノサイズの空隙を形成することができ、また、光や熱により窒素(N)ガスが発生するアゾ重合開始剤により、空隙を多数形成することで空隙率が高く、優れた断熱性を有する透明断熱層を形成することができる。
具体的には、粒子径が10〜70nmであるシリカ微粒子と、前記ポリシランとが熱によりπ―πスタッキング結合を起こし、粒子とポリシランがきれいに間隔を持って自己組織的に並ぶことにより空隙を形成することができる。また、アゾ重合開始剤により、光や熱により窒素(N)ガスが発生して気泡となり、それとほぼ同時に電離放射線硬化型材料が硬化反応を起こすで、硬化膜中に多数の空隙を有する透明断熱層を形成することができる。
本発明に用いるフェニル基を有する化合物で表面修飾したシリカ微粒子(A)としては、例えば、アルコキシシランを原料として得られる公知のシリカゾルをフェニル基含有シランカップリング剤で表面改質することにより調製することができる。フェニル基含有シランカップリング剤としては、フェニルトリメトキシシラン、ジエトキシメチルフェニルシラン等が挙げられる。
また、前記シリカ微粒子(A)の粒子径は10〜70nmであることが望ましい。粒子径が70nm以上であると表面の凹凸が大きくなり、白化してしまう場合がある。一方、粒径が10nm未満の場合、粒子の凝集による透明断熱層における粒子の不均一性等の問題が生じる場合がある。
本発明に用いる前記ポリシラン(B)は、化学式(1)に示すようなR1またはR2のどちらか一方または両方がアリール基を有することが望ましい。ポリシランがアリール基を有さない化合物であると、シリカ微粒子中のフェニル基とのπ―πスタッキング結合の形成ができず、その結果空隙率が下がり、断熱性が低下する可能性がある。
化学式(1)で示すR1またはR2、もしくは両方は、フェニル、メチルフェニル(トリル)、ジメチルフェニル(キシリル)、ナフチルなどの置換基を有していてもよいC6−20アリール基(好ましくは置換基を有していてもよいC6−15アリール基、さらに好ましくは置換基を有していてもよいC6−12アリール基など)などが挙げられる。
またR1もしくはR2のアリール基以外の置換基としては、炭化水素基(アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アラルキル基など)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アミノ基、シリル基、ハロゲン原子などが挙げられる。
アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、へキシルなどのC1−14アルキル基(好ましくはC1−10アルキル基、さらに好ましくはC1−6アルキル基など)などが挙げられる。アルケニル基としては、ビニル、アリル、ブテニル、ペンテニルなどのC2−14アルケニル基(好ましくはC2−10アルケニル基、さらに好ましくはC2−6アルケニル基など)などが挙げられる。シクロアルキル基としては、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシルなどのC5−14シクロアルキル基(好ましくはC5−10シクロアルキル基、さらに好ましくはC5−8シクロアルキル基など)などが挙げられる。シクロアルケニル基としては、シクロペンテニル、シクロヘキセニルなどのC5−14シクロアルケニル基(好ましくはC5−10シクロアルケニル基、さらに好ましくはC5−8シクロアルケニル基など)などが挙げられる。アラルキル基としては、ベンジル、フェネチル、フェニルプロピルなどのC6−20アリール−C1−4アルキル基(好ましくはC6−10アリール−C1−2アルキル基)などが挙げられる。アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシなどのC1−14アルコキシ基(好ましくはC1−10アルコキシ基、さらに好ましくはC1−6アルコキシ基)が挙げられる。シクロアルキルオキシ基としては、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシなどのC5−14シクロアルキルオキシ基(好ましくはC5−10シクロアルキルオキシ基、さらに好ましくはC5−8シクロアルキルオキシ基)などが挙げられる。アリールオキシ基としては、フェノキシ、ナフチルオキシなどのC6−20アリールオキシ基(好ましくはC6−15アリールオキシ基、さらに好ましくはC6−12アリールオキシ基)などが挙げられる。アラルキルオキシ基としては、ベンジルオキシ、フェネチルオキシ、フェニルプロピルオキシなどのC6−20アリール−C1−4アルキルオキシ基(好ましくはC6−10アリール−C1−2アルキルオキシ基)などが挙げられる。アミノ基としては、アミノ基(−NH2)、置換アミノ基(前記アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アシル基などで置換されたN−モノ又はN,N−ジ置換アミノ基など)などが挙げられる。シリル基としては、シリル基、ジシラニル基、トリシラニル基などのSi1−10シラニル基(好ましくはSi1−6シラニル基)、置換シリル基(例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基などで置換された置換シリル基)などが挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
代表的なポリシランとしては、例えば、ホモポリマー[ポリジメチルシラン、ポリ(メチルプロピル)シラン、ポリ(メチルブチル)シラン、ポリ(メチルペンチル)シラン、ポリ(ジブチル)シラン、ポリ(ジヘキシル)シランなどのポリジアルキルシラン;ポリフェニルシランなどのポリモノアリールシラン(ポリアリールシラン);ポリ(ジフェニル)シランなどのポリジアリールシラン、ポリ(メチルフェニル)シランなどのポリ(アルキルアリール)シランなど];コポリマー[ジメチルシラン−メチルヘキシルシラン共重合体などのジアルキルシランと他のジアルキルシランとの共重合体;フェニルシラン−メチルフェニルシラン共重合体などのアリールシラン−アルキルアリールシラン共重合体;ジメチルシラン−メチルフェニルシラン共重合体、ジメチルシラン−フェニルヘキシルシラン共重合体、ジメチルシラン−メチルナフチルシラン共重合体、メチルプロピルシラン−メチルフェニルシラン共重合体などのジアルキルシラン−アルキルアリールシラン共重合体など]などが例示できる。詳しくは、例えば、R.D.Miller、J.Michl;Chemical Review、第89巻、1359頁(1989)、N.Matsumoto;Japanese Journal of Physics、第37巻、5425頁(1998)などに例示されている。これらのポリシランは単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
前記ポリシランの平均分子量[Mw]は30,000以下であることが望ましい。30,000以上では、他透明断熱層組成物成分との相溶性が下がり、塗膜の平滑性がなくなってしまう場合がある。
また、ポリシラン(B)は透明断熱層形成用樹脂組成物の全固形分に対して、0.1〜10質量%含有することが望ましい。ポリシランが0.1質量%以下では、電離放射線硬化型材料が硬化せず、塗膜にならない場合がある。またポリシランが10質量%以上では、他化合物との相溶性が悪化し、白化する場合がある。
本発明に用いる電離放射線硬化型材料(C)としては、アクリル系材料を用いることができる。アクリル系材料としては、多価アルコールのアクリル酸またはメタクリル酸エス
テルのような多官能または多官能の(メタ)アクリレート化合物、ジイソシアネートと多価アルコール及びアクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシエステル等から合成されるような多官能のウレタン(メタ)アクリレート化合物を使用することができる。またこれらの他にも、電離放射線型材料として、アクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等を使用することができる。
なお、本発明において「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート」と「メタクリレート」の両方を示している。たとえば、「ウレタン(メタ)アクリレート」は「ウレタンアクリレート」と「ウレタンメタアクリレート」の両方を示している。
単官能の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、N−ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリールアクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性フェノキシ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性フェノキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−アダマンタンおよびアダマンタンジオールから誘導される1価のモノ(メタ)アクリレートを有するアダマンチルアクリレートなどのアダマンタン誘導体モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記2官能の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどのジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記3官能以上の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス2−ヒドロキシエチルイソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の3官能の(メタ)アクリレート化合物や、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンヘキサ(メタ)アクリレート等の3官能以上の多官能(メタ)アクリレート化合物や、これら(メタ)アクリレートの一部をアルキル基やε−カプロラクトンで置換した多官能(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
アクリル系材料の中でも、所望する分子量、分子構造を設計でき、形成される透明断熱層の物性のバランスを容易にとることが可能であるといった理由から、多官能ウレタンアクリレートを好適に用いることができる。ウレタンアクリレートは、多価アルコール、多価イソシアネート及び水酸基含有アクリレートを反応させることによって得られる。具体的には、共栄社化学社製、UA−306H、UA−306T、UA−306l等、日本合成化学社製、UV−1700B、UV−6300B、UV−7600B、UV−7605B、UV−7640B、UV−7650B等、新中村化学社製、U−4HA、U−6HA、UA−100H、U−6LPA、U−15HA、UA−32P、U−324A等、ダイセルユーシービー社製、Ebecryl−1290、Ebecryl−1290K、Ebecryl−5129等、根上工業社製、UN−3220HA、UN−3220HB、UN−3220HC、UN−3220HS等を挙げることができるがこの限りではない。
また本発明はポリシランを含んでおり、酸の作用により架橋することから光酸発生剤を使用することができる。ポリシランは、紫外線により分解し、発生したシリルラジカルは光重合開始剤の役割を果たす。また同時に生成したシラノールは光酸発生剤によりシラノール縮合し、バインダーの役割も果たす。
光酸発生剤は、慣用の光酸発生剤、例えば、イミジルスルホネート化合物、チオキサントンオキシムエステル化合物、オニウム塩、メタロセン錯体、スルホンイミド化合物、ジスルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、トリアジン化合物、キノンジアジド化合物、ジアゾメタン化合物などであってもよい。オニウム塩の対イオンは、例えば、CF3SO3−、BF4−、PF6−、AsF6−、SbF6−などのアニオンであってもよい。
イミジルスルホネート化合物としては、例えば、スクシンイミジルスルホネート化合物(スクシンイミジル カンファスルホネート、スクシンイミジル フェニルスルホネート、スクシンイミジル トルイルスルホネート、スクシンイミジル トリフルオロメチルスルホネートなど)、フタルイミジルスルホネート化合物(フタルイミジル トリフルオロメチルスルホネートなど)、ナフタルイミジルスルホネート化合物[ナフタルイミジル カンファスルホネート、ナフタルイミジル メタンスルホネート、ナフタルイミジル トリフルオロメタンスルホネート(NITf)、ナフタルイミジル トルイルスルホネートなど]、ノルボルネンイミジルスルホネート化合物(ノルボルネンイミジル トリフルオロメタンスルホネートなど)などが挙げられる。
チオキサントンオキシムエステル化合物としては、例えば、ベンゼンスルホン酸チオキサントンオキシムエステル、ベンゼンスルホン酸アルキルチオキサントンオキシムエステル(例えば、ベンゼンスルホン酸イソプロピルチオキサントンオキシムエステルなどのベンゼンスルホン酸C1−6アルキルチオキサントンオキシムエステルなど)、アルキルベンゼンスルホン酸チオキサントンオキシムエステル(例えば、トルエンスルホン酸チオキサントンオキシムエステル、エチルベンゼンスルホン酸チオキサントンオキシムエステルなどのC1−6アルキルベンゼンスルホン酸チオキサントンオキシムエステル、キシレンスルホン酸チオキサントンオキシムエステルなどのジC1−6アルキルベンゼンスルホン酸チオキサントンオキシムエステルなど)、アルキルベンゼンスルホン酸アルキルチオキサントンオキシムエステル(例えば、トルエンスルホン酸イソプロピルチオキサントンオキシムエステルなどのC1−6アルキルベンゼンスルホン酸C1−6アルキルチオキサントンオキシムエステル)、ハロベンゼンスルホン酸チオキサントンオキシムエステル(例えば、ペンタフルオロベンゼンスルホン酸チオキサントンオキシムエステルなどのモノ乃至ペンタフルオロベンゼンスルホン酸チオキサントンオキシムエステルなど)、ハロベンゼンスルホン酸アルキルチオキサントンオキシムエステル(例えば、ペンタフルオロベンゼンスルホン酸イソプロピルチオキサントンオキシムエステルなどのモノ乃至ペンタフルオロベンゼンスルホン酸C1−6アルキルチオキサントンオキシムエステルなど)、これらの化合物に対応する化合物であって、ベンゼン環がナフタレン環である化合物などが挙げられる。
オニウム塩としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩[4−クロロベンゼンジアゾニウム塩(ヘキサフルオロホスフェート塩など)、p−ニトロフェニルジアゾニウム塩(ヘキサフルオロホスフェート塩など)など]、芳香族スルホニウム塩[トリフェニルスルホニウム塩(トリフレート塩、ヘキサフルオロホスフェート塩、ヘキサフルオロアンチモネート塩など);(4−フェニルチオフェニル)ジフェニルスルホニウム塩(ヘキサフルオロホスフェート塩、ヘキサフルオロアンチモネート塩など);(4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム塩(ヘキサフルオロアンチモネート塩など);トリフェニルスルホニウム塩(トリフレート塩、ナフタレンスルホネート塩、メタンスルホネート塩、ノナフルオロブタンスルホネート塩など);(ヒドロキシフェニル)ベンジルメチルスルホニウム塩(トルエンスルホネート塩など);ビス〔4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル〕スルフィド−ビス−ヘキサフルオロホスフェート、ビス〔4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル〕スルフィド−ビス−ヘキサフルオロアンチモネートなど]、芳香族ヨードニウム塩[ジフェニルヨードニウム塩(トリフレート塩、ヘキサフルオロホスフェート塩、ヘキサフルオロアンチモネート塩、ピレンスルホネート塩、ドデシルベンゼンスルホネート塩など);(4−メトキシフェニル)フェニルヨードニウム塩(トリフレート塩、ヘキサフルオロアンチモネート塩など);ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム塩(テトラフルオロボレート塩、ヘキサフルオロホスフェート塩、ヘキサフルオロアンチモネート塩、カンファスルホネート塩など)など]、芳香族ホスホニウム塩[ベンジルトリフェニルホスホニウム塩(ヘキサフルオロアンチモネート塩など)など]、芳香族セレニウム塩[トリフェニルセレニウム塩(ヘキサフルオロホスフェート塩など)など]、ピリジニウム塩などが挙げられる。
メタロセン錯体としては、例えば、(η5−イソプロピルベンゼン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(II)ヘキサフルオロホスフェートなどのシクロペンタジエニル錯体などが挙げられる。ジスルホン化合物としては、例えば、ジフェニルジスルホンなどの芳香族ジスルホン化合物が挙げられる。
スルホン酸エステルとしては、例えば、1,2,3−トリ(メチルスルホニルオキシ)ベンゼンなどのアリールアルカンスルホネート(特にC6−10アリールC1−2アルカンスルホネート);2,6−ジニトロベンジルトルエンスルホネート、ベンゾイントシレ
ートなどのアリールベンゼンスルホネート(特にベンゾイル基を有していてもよいC6−10アリールトルエンスルホネート);2−ベンゾイル−2−ヒドロキシ−2−フェニルエチルトルエンスルホネートなどのアラルキルベンゼンスルホネート類(特にベンゾイル基を有していてもよいC6−10アリール−C1−4アルキルトルエンスルホネート)などが挙げられる。
トリアジン化合物としては、例えば、ハロアルキルトリアジニルアリール[1−メトキシ−4−(3,5−ジ(トリクロロメチル)トリアジニル)ベンゼン、1−メトキシ−4−(3,5−ジ(トリクロロメチル)トリアジニル)ナフタレンなど]、ハロアルキルトリアジニルアルケニルアリール[1−メトキシ−4−[2−(3,5−ジトリクロロメチルトリアジニル)エテニル]ベンゼン、1,2−ジメトキシ−4−[2−(3,5−ジトリクロロメチルトリアジニル)エテニル]ベンゼン、1−メトキシ−2−[2−(3,5−ジトリクロロメチルトリアジニル)エテニル]ベンゼンなど]などが挙げられる。
電離放射線硬化型材料(C)は透明断熱層形成用樹脂組成物の全固形分に対して、4〜50質量%含むことが望ましい。4質量%以下では架橋密度が下がってしまい、膜強度が弱くなってしまう場合がある。また一方で、50質量%以上添加すると空隙が埋まってしまい、断熱性が低下する場合がある。
本発明に係る油溶性アゾ重合開始剤(D)は、光重合開始剤光として作用し、且つ、熱でNを発生することを特徴とする。例えば、アゾニトリル化合物としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル等が挙げられる。アゾアミド化合物としては、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)等が挙げられる。環状アゾアミジン化合物としては、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジスルフェートジヒドレート、2,2’−アゾビス[2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)ジヒドロクロリド等が挙げられる。
また、アゾアミジン化合物としては、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]テトラヒドレート等が挙げられる。その他に、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリン酸)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、ジメチル1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)、ビス(2−(パーフルオロメチル)エチル)4,4’−アゾビス(4−シアノバレレート)、ビス(2−(パーフルオロブチル)エチル)4,4’−アゾビス(4−シアノバレレート)、ビス(2−(パーフルオロヘキシル)エチル)4,4’−アゾビス(4−シアノバレレート)等が例示できる。
前記油溶性アゾ重合開始剤(D)としては、透明断熱層形成用樹脂組成物の全固形分に対して、10〜30質量%であることが望ましい。10質量%以下では、発生するNガスが少なく、またその空隙となる泡が抜けやすくなることから空隙が形成しない場合があり、30質量%以上では、気泡が多数できるものの気泡同士が合体し気泡のサイズが大きくなり、電離放射線効果方材料の硬化されるため、空隙のひとつひとつの大きさがμmサイズになってしまい、透明性を損なう場合がある。
本発明に係る透明断熱層形成用樹脂組成物には、必要に応じて、溶媒や各種添加剤を加えることができる。溶媒としては、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、シクロヘキシルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、n−ヘキサンなどの炭化水素類、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、ジオキサン、ジオキソラン、トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトール等のエーテル類、また、メチルイソブチルケトン、メチルブチルケトン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、およびメチルシクロヘキサノン等のケトン類、また蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酢酸n−ペンチル、およびγ−ブチロラクトン等のエステル類、さらには、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ類等の中から塗工適正等を考慮して適宜選択される。また、塗液には添加剤として、表面調整剤、屈折率調整剤、密着性向上剤、硬化剤等を加えることもできる。
本発明の透明断熱フィルムにおける透明基材としては、種々の有機高分子からなるフィルムまたはシートを用いることができる。例えば、透明性さらには耐衝撃性、耐熱性、耐久性などの諸物性を考慮して、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セロファン等のセルロース系、6−ナイロン、6,6−ナイロン等のポリアミド系、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、エチレンビニルアルコール等の有機高分子からなるものが用いられる。特に、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレートが好ましい。なお、透明基材の厚みは25μm以上200μm以下の範囲内にあることが好ましい。
さらに、これらの有機高分子に公知の添加剤、例えば、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤、酸化防止剤、難燃剤等を添加することにより透明基材に機能を付加させたものも使用できる。また、透明基材は上記の有機高分子から選ばれる1種または2種以上の混合物、または重合体からなるものでもよく、複数の層を積層させたものであってもよい。
本発明の透明断熱層の形成方法について示す。
上記で説明した本発明に係る透明断熱層形成用樹脂組成物を用いて、公知の塗工方法により透明基材上に塗布し、必要に応じて乾燥を行い塗工膜を形成する。その後、紫外線、電子線等に代表される電離放射線を塗工膜に照射して硬化させ、透明断熱層を形成することができる。
公知の塗工方法としては、例えば、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター、ディップコーターを用いることができる。
透明断熱層形成用樹脂組成物が溶媒を含む場合、形成された塗工膜の溶媒を除去するために用いる乾燥手段としては、例えば加熱、送風、熱風などが例示される。
また、電離放射線として紫外線を用いる場合には、例えば、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク、キセノンアーク等の紫外線照射ランプが利用できる。また、紫外線照射の際に酸素濃度を低下させるために導入される不活性ガスとしては、窒素を用いることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、実施例に用いた透明断熱層形成用樹脂組成物1〜7の全固形分に対する各材料の固形分比率については、下記の表1に記す。また、表2には用いたシリカ及びアクリル樹脂(PMMA)の屈折率、密度、比熱を記した。
Figure 2017014330
Figure 2017014330
(透明断熱層形成用樹脂組成物1の調製)
フェニル基表面修飾シリカ微粒子(商品名:PL−1−TOL、粒子径13nm前後、扶桑化学製)を固形分中比率で55%、ポリメチルフェニルシラン(商品名:SI−10−10、大阪ガスケミカル製)を固形分中比率で1%、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA;固形分の濃度100%)を29%、油溶性アゾ重合開始剤(商品名:Vam−110、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、和光純薬製)を15%、全体の固形分が15重量%になるように、トルエンで希釈し、透明断熱層形成用樹脂組成物1を調製した。
(透明断熱層形成用樹脂組成物2の調製)
フェニル基表面修飾シリカ微粒子(商品名:PL−1−TOL、粒子径13nm前後、扶桑化学製)を固形分中比率で40%、ポリメチルフェニルシラン(商品名:SI−10−10、大阪ガスケミカル製)を固形分中比率で1%、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA;固形分の濃度100%)を29%、油溶性アゾ重合開始剤(商品名:Vam−110、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、和光純薬製)を30%、全体の固形分が15重量%になるように、トルエンで希釈し、透明断熱層形成用樹脂組成物2を調製した。
(透明断熱層形成用樹脂組成物3の調製)
フェニル基表面修飾シリカ微粒子(商品名:PL−1−TOL、粒子径13nm前後、扶桑化学製)を固形分中比率で35%、ポリメチルフェニルシラン(商品名:SI−10−10、大阪ガスケミカル製)を固形分中比率で1%、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA;固形分の濃度100%)を49%、油溶性アゾ重合開始剤(商品名:Vam−110、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、和光純薬製)を15%、全体の固形分が15重量%になるように、トルエンで希釈し、透明断熱層形成用樹脂組成物3を調製した。
(透明断熱層形成用樹脂組成物4の調製)
フェニル基表面修飾シリカ微粒子(商品名:PL−1−TOL、粒子径13nm前後、扶桑化学製)を固形分中比率で55%、ポリメチルフェニルシラン(商品名:SI−10−10、大阪ガスケミカル製)を固形分中比率で10%、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA;固形分の濃度100%)を20%、油溶性アゾ重合開始剤(商品名
:Vam−110、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、和光純薬製)を15%、全体の固形分が20重量%になるように、トルエンで希釈し、透明断熱層形成用樹脂組成物4を調製した。
(透明断熱層形成用樹脂組成物5の調製)
フェニル基表面修飾シリカ微粒子(商品名:PL−1−TOL、粒子径13nm前後、扶桑化学製)を固形分中比率で60%、ポリメチルフェニルシラン(商品名:SI−10−10、大阪ガスケミカル製)を固形分中比率で1%、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA;固形分の濃度100%)を39%、全体の固形分が15重量%になるように、トルエンで希釈し、透明断熱層形成用樹脂組成物5を調製した。
(透明断熱層形成用樹脂組成物6の調製)
フェニル基表面修飾シリカ微粒子(商品名:PL−1−TOL、粒子径13nm前後、扶桑化学製)を固形分中比率で25%、ポリメチルフェニルシラン(商品名:SI−10−10、大阪ガスケミカル製)を固形分中比率で1%、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA;固形分の濃度100%)を59%、油溶性アゾ重合開始剤(商品名:Vam−110、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、和光純薬製)を15%、全体の固形分が15重量%になるように、トルエンで希釈し、透明断熱層形成用樹脂組成物6を調製した。
(透明断熱層形成用樹脂組成物7の調製)
フェニル基表面修飾シリカ微粒子(商品名:PL−2−TOL、粒子径25nm前後、扶桑化学製)を固形分中比率で40%、ポリメチルフェニルシラン(商品名:SI−10−10、大阪ガスケミカル製)を固形分中比率で15%、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA;固形分の濃度100%)を30%、油溶性アゾ重合開始剤(商品名:Vam−110、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、和光純薬製)を15%、全体の固形分が15重量%になるように、トルエンで希釈し、透明断熱層形成用樹脂組成物7を調製した。
[実施例1]
PET上に、マイクログラビア法を用いて前記透明断熱層形成用樹脂組成物1を塗布し、100℃で1分間乾燥、窒素雰囲気下で300mJ紫外線照射して透明断熱層を形成し、透明断熱フィルムを製造した。
[実施例2〜4]
透明断熱層形成用樹脂組成物1の代わりに透明断熱層形成用樹脂組成物2〜4を塗布する以外は同様にして、各透明断熱フィルムを製造した。
[比較例1〜3]
透明断熱層形成用樹脂組成物1の代わりに透明断熱層形成用樹脂組成物5〜7を塗布する以外は同様にして、各透明断熱フィルムを製造した。
<評価及び方法>
実施例1〜4及び比較例1〜3で得られたそれぞれの透明断熱フィルムについて、以下の方法で透明断熱層の屈折率の測定及び空隙の算出を行った。その結果を表3に記す。また、熱拡散率の測定と熱伝導率を算出し、さらに目視による外観評価を行った。その結果を以下の表4に記す。
[屈折率測定]
得られた各透明断熱フィルムの透明断熱層の屈折率を大塚電子製の反射分光膜厚計FE
−3000を用いて測定した。シリカの屈折率が1.5、アクリル樹脂の屈折率(硬化後)が1.50、空気の屈折率1であることから、得られた塗膜の組成、空隙率を算出し、塗膜の密度ρ[kg/m]と比熱c[J/kg・K]を算出した。この際、PMPSとアゾ重合開始剤はアクリル樹脂に含むものとして算出し、密度と比熱は各物質の文献値を用いた。
[熱拡散率の測定]
得られた各透明断熱フィルムの透明断熱層の熱拡散率α[m/s]は、アイフェイズ社製、アイフェイズ・モバイル1uを用いて測定した。熱伝導率λ[W/m・K]は、塗膜の屈折率から算出した密度と比熱から算出した。また、熱伝導率は、以下の式(1)から算出した。
λ=α・ρ・c 式(1)
[外観評価]
得られた塗膜の外観評価目視検査で、以下の基準で評価した。
○:注意深く見ても白化がなく透明
△:注意深く見ると僅かに白化がある
×:一目見ただけで分かる白化がある
Figure 2017014330
Figure 2017014330
<比較結果>
実施例1〜4で得られた本発明品である断熱フィルムは、透明で熱伝導率が0.040〜0.056W/m・Kと、いずれも0.060W/m・K以下の優れた断熱性を示した。一方、比較例1、2で得られた断熱フィルムは、それぞれ熱伝導率が0.066、0.086W/m・Kで、いずれも0.060W/m・K以上と実用性に欠ける断熱性を示した。また、比較例3は断熱性は良好で合ったが、外観評価で白化が観察され透明断熱フィルムとしては実用性に問題がある性能を示した。
以上の結果より、本発明の透明断熱層形成用樹脂組成物を用いて作製した透明断熱フィルムは、低熱伝導率で透明性に優れていることがわかった。
1 透明基材
2 透明断熱層
3 ハ−ドコート層
4 粘着層
10 透明断熱フィルム

Claims (6)

  1. フェニル基を有する化合物で表面修飾したシリカ微粒子(A)と下記一般式(1)で表される単位を有するポリシラン(B)と、電離放射線硬化型材料(C)と、油溶性アゾ重合開始剤(D)を含有する透明断熱層形成用樹脂組成物であって、
    前記組成物中の全固形分に対する含有比率が、
    ポリシラン(B)は0.1〜10質量%、
    前記電離放射線硬化型材料(C)は4〜50質量%、
    前記油溶性アゾ重合開始剤(D)は10〜30質量%、
    であることを特徴とする透明断熱層形成用樹脂組成物。
    Figure 2017014330
    式(1)中、R1およびR2は、各々独立に、アリール基、炭化水素基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アミノ基、シリル基、およびハロゲン原子からなる群より選ばれる。ただし、R1およびR2の少なくとも一方はアリール基である。
  2. 前記シリカ微粒子(A)の平均粒子径が10〜70nmであることを特徴とする、請求項1に記載の透明断熱層形成用樹脂組成物。
  3. 前記ポリシランが(B)の質量平均分子量が30,000以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の透明断熱層形成用樹脂組成物。
  4. 前記アゾ重合開始剤(D)が光や熱によりNを発生することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の透明断熱層形成用樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の断熱層形成樹脂組成物を用いて形成された透明断熱層で、透明断熱層の熱伝導率が0.06W/m・K以下であることを特徴とする透明断熱層。
  6. 請求項5に記載の透明断熱層を備えたことを特徴とする透明断熱フィルム。
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