本発明が適用されたスロットマシンの実施例について図面を用いて説明すると、本実施例のスロットマシン1は、図1に示すように、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
本実施例のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「赤7」、「青7」、「白7」、「BAR」、「スイカ」、「チェリーa」、「チェリーb」、「ベル」、「リプレイa」、「リプレイb」、「プラム」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bの略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。尚、以下では、「赤7」、「青7」、「白7」をまとめて単に「7」という場合があり、「チェリーa」、「チェリーb」をまとめて単に「チェリー」という場合があり、「リプレイa」、「リプレイb」をまとめて単に「リプレイ」と言う場合がある。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられたリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転されることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示される一方で、各リール2L、2C、2Rの回転が停止されることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bの各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(図1参照)の表示領域51aが配置されている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で透過性を有する液晶パネルを有しており、表示領域51aの透視窓3に対応する透過領域51b及び透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。また、前面扉1bにおける液晶表示器51(図1参照)の上方の位置には、サブ液晶表示器56(図1参照)の表示領域56aが配置されている。
前面扉1bには、図1に示すように、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施例では後述するRT0〜4の規定数として3、RBの規定数として2が定められている)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8Rが遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
尚、本実施例では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。
また、前面扉1bには、図1に示すように、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード、後述のナビ報知によるリールの停止順を識別可能な情報等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、リプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
前面扉1bの内側には、図2に示すように、所定のキー操作により後述するエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、所定の契機(例えば、後述のBB終了時)に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、所定の契機(例えば、BB終了時)に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1aの内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31、投入メダルセンサ31の上流側で異物の挿入を検出する投入口センサ26を有するメダルセレクタ29、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
筐体1aの内部には、図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R(図4参照)、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000(図4参照)、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b(図4参照)、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34c(図4参照)からなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留されたメダルが満タン状態となったことを検出する満タンセンサ35a(図4参照)が設けられている。
電源ボックス100の前面には、図2に示すように、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
尚、電源ボックス100は、筐体1aの内部に設けられており、さらに前面扉1bは、店員等が所持する所定のキー操作により開放可能な構成であるため、これら電源ボックス100の前面に設けられた設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39は、キーを所持する店員等の者のみが操作可能とされ、遊技者による操作ができないようになっている。また、所定のキー操作により検出されるリセットスイッチ23も同様である。特に、設定キースイッチ37は、キー操作により前面扉1bを開放したうえで、さらにキー操作を要することから、遊技場の店員のなかでも、設定キースイッチ37の操作を行うキーを所持する店員のみ操作が可能とされている。
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施例では、後述するRT0〜4における規定数の賭数として3枚が定められ、後述するRBにおける規定数の賭数として2枚が定められており、これら遊技状態に応じた規定数の賭数が設定されると入賞ラインLNが有効となる。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施例では、図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められている。尚、本実施例では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用しても良い。
また、本実施例では、入賞ラインLNに入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするために、入賞ラインLNとは別に、無効ラインLM1〜4を設定している。無効ラインLM1〜4は、これら無効ラインLM1〜4に揃った図柄の組合せによって入賞が判定されるものではなく、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃った際に、無効ラインLM1〜4のいずれかに入賞ラインLNに揃った場合に入賞となる図柄の組合せ(例えば、ベル−ベル−ベル)が揃う構成とすることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。
本実施例では、図1に示すように、リール2Lの上段、リール2Cの上段、リール2Rの上段、すなわち上段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM1、リール2Lの下段、リール2Cの下段、リール2Rの下段、すなわち下段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM4の4種類が無効ラインLMとして定められている。
また、本実施例では、一部の役を除いて遊技者が認識しやすい指標となる図柄の組合せ(以下、指標図柄の組合せと呼ぶ)が定められており、指標図柄の組合せは、同一の図柄または互いに類似の図柄が入賞ラインLN、無効ラインLM1〜LM4のいずれかに揃う組合せであり、例えば、後述の中段ベルのように入賞ラインLNに同一の図柄(「ベル」)からなる図柄の組合せ(「ベル−ベル−ベル」の組合せ)が揃って入賞する場合には、入賞ラインLNに揃った図柄の組合せが指標図柄の組合せとなり、後述の上段ベル1のように入賞ラインLNには、異なる図柄を含む所定の図柄組み合わせ(「リプレイa−チェリーa−チェリーa」の組合せ)が入賞ラインLNに揃い、かつ無効ラインLMのいずれかに同一の図柄(「ベル」)からなる図柄の組合せ(「ベル−ベル−ベル」の組合せ)が揃って入賞する場合には、無効ラインに揃った同一の図柄からなる図柄の組合せが指標図柄の組合せとなる。以下では、指標図柄の組合せを構成する図柄を指標図柄と呼ぶ。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインLN上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役ともいう)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。また、入賞ラインLN上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
尚、本実施例では、スタートスイッチ7の操作が有効な状態でスタートスイッチ7の操作が検出されたときにゲームが開始し、全てのリールが停止したときにゲームが終了する。また、ゲームを実行するための1単位の制御(ゲーム制御)は、前回のゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに開始し、当該ゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに終了する。
また、本実施例では、3つのリールを用いた構成を例示しているが、リールを1つのみ用いた構成、2つのリールを用いた構成、4つ以上のリールを用いた構成としても良く、2以上のリールを用いた構成においては、2以上の全てのリールに導出された表示結果の組合せに基づいて入賞を判定する構成とすれば良い。また、本実施例では、物理的なリールにて可変表示装置が構成されているが、液晶表示器などの画像表示装置にて可変表示装置が構成されていても良い。
また、本実施例におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、例えば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
以下では、特に区別する必要がない場合にはリール2L、2C、2Rを単にリールという場合がある。また、リール2Lを左リール、リール2Cを中リール、リール2Rを右リールという場合がある。また、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作によりリール2L、2C、2Rを停止させる操作を停止操作という場合がある。
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び演出制御基板90に供給されるようになっている。また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、遊技の進行に関する処理を行うととともに遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御するメイン制御部41と、所定周波数の発振信号となる制御用クロックCCLKを生成する制御用クロック生成回路42と、制御用クロックCCLKの発振周波数とは異なる所定周波数の発振信号となる乱数用クロックRCLKを生成する乱数用クロック生成回路43と、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を取り込んでメイン制御部41に伝送するスイッチ検出回路44と、メイン制御部41から出力されたモータ駆動信号(ステッピングモータの位相信号)をリールモータ32L、32C、32Rに伝送するモータ駆動回路45と、メイン制御部41から出力されたソレノイド駆動信号を流路切替ソレノイド30に伝送するソレノイド駆動回路46と、メイン制御部41から出力されたLED駆動信号を遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDに伝送するLED駆動回路47と、スロットマシン1に供給される電源の電圧を監視して電圧の低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48と、電源投入時または電源遮断時等の電力供給が不安定な状態においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49と、が搭載されている。
図5は、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41の構成例を示している。メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、外部バスインターフェイス501と、クロック回路502と、照合用ブロック503と、固有情報記憶回路504と、演算回路505と、リセット/割込コントローラ506と、CPU(Central Processing Unit)41aと、ROM(Read Only Memory)41bと、RAM(Random Access Memory)41cと、フリーランカウンタ回路507と、乱数回路508a、508bと、タイマ回路509と、割込コントローラ510と、パラレル入力ポート511と、シリアル通信回路512と、パラレル出力ポート513と、アドレスデコード回路514と、を備えて構成される。
リセット/割込コントローラ506は、メイン制御部41の内部や外部にて発生する各種リセット、割込要求を制御するためのものである。リセット/割込コントローラ506は、指定エリア外走行禁止(IAT)回路506aとウォッチドッグタイマ(WDT)506bとを備える。IAT回路506aは、ユーザプログラムが指定エリア内で正しく実行されているか否かを監視する回路であり、指定エリア外でユーザプログラムが実行されたことを検出するとIAT発生信号を出力する機能を備える。また、ウォッチドッグタイマ506bは、設定期間ごとにタイムアウト信号を発生させる機能を備える。
外部バスインターフェイス501は、メイン制御部41を構成するチップの外部バスと内部バスとのインターフェイス機能や、アドレスバス、データバス及び各制御信号の方向制御機能などを有するバスインターフェイスである。クロック回路502は、制御用クロックCCLKを2分周することなどにより、内部システムクロックSCLKを生成する回路である。照合用ブロック503は、外部の照合機と接続し、チップの照合を行う機能を備える。固有情報記憶回路504は、メイン制御部41の内部情報となる複数種類の固有情報を記憶する回路である。演算回路505は、乗算及び除算を行う回路である。
CPU41aは、ROM41bから読み出した制御コードに基づいてユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を実行することにより、スロットマシン1における遊技制御を実行する制御用CPUである。こうした遊技制御が実行されるときには、CPU41aがROM41bから固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU41aがRAM41cに各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU41aがRAM41cに一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU41aが外部バスインターフェイス501やパラレル入力ポート511、シリアル通信回路512などを介してメイン制御部41の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU41aが外部バスインターフェイス501やシリアル通信回路512、パラレル出力ポート513などを介してメイン制御部41の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
ROM41bには、ユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を示す制御コードや固定データ等が記憶されている。RAM41cは、ゲーム制御用のワークエリア等を提供する。ここで、RAM41cの少なくとも一部は、バックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであれば良い。すなわち、スロットマシン1への電力供給が停止しても、所定期間はRAM41cの少なくとも一部の内容が保存される。
フリーランカウンタ回路507として、8ビットのフリーランカウンタを搭載している。乱数回路508a、508bは、8ビット乱数や16ビット乱数といった、所定の更新範囲を有する乱数値となる数値データを生成する回路である。本実施例では、乱数回路508a、508bのうち16ビット乱数回路508bが生成するハードウェア乱数は、後述する内部抽選用の乱数として用いられる。タイマ回路509は、16ビットプログラマブルタイマであり、設定されたタイマ値を制御用クロックCCLKの入力に基づいてダウンカウントし、0000Hに達したときに割込コントローラへの割込要求信号を出力する。本実施例では、タイマ回路509を用いて定期的な割込要求や時間計測を行うことが可能である。
割込コントローラ510は、割込端子からの外部割込要求や、内蔵の周辺回路(例えば、シリアル通信回路512、乱数回路508a、508b、タイマ回路509)からの割込要求を制御する回路である。パラレル入力ポート511は、8ビット幅の入力専用ポートを内蔵する。また、図4に示すメイン制御部41が備えるパラレル出力ポート513は、11ビット幅の出力専用ポートを内蔵する。シリアル通信回路512は、外部に対する入出力において非同期シリアル通信を行う回路である。
アドレスデコード回路514は、メイン制御部41の内部における各機能ブロックのデコードや、外部装置用のデコード信号であるチップセレクト信号のデコードを行うための回路である。チップセレクト信号により、メイン制御部41の内部回路、あるいは、周辺デバイスとなる外部装置を、選択的に有効動作させて、CPU41aからのアクセスが可能となる。
メイン制御部41は、例えば、ROM41bの記憶領域のうちプログラム等が格納されていない領域へのアクセスがあったとき、RAM41cの記憶領域のうちアクセス禁止が設定された領域へのアクセスがあったとき、すなわち正常な動作ではアクセスすることのないメモリ領域へのアクセスがあったときにイリーガルアクセスリセットを発生させることで、遊技の進行を不能化させるようになっており、ROM41bの未使用領域や動作とは関係しない領域、RAM41cの未使用領域等に不正なプログラムが格納された場合であっても、不正なプログラムが実行されてしまうことを防止できる。
また、メイン制御部41は、内部または外部によるリセットが発生することで起動することとなるが、この際、ROM41bに割り当てられ、割込処理の先頭アドレスが設定されるベクタテーブルに設定された値が、未使用を示す値であるか、プログラム等が実際に格納された領域を示す値であるか、を判定し、いずれの値でもない場合には起動しないようになっており、割込の発生等により本来意図していない処理が実行されてしまうことを事前に防止できる。
メイン制御部41は、パラレル出力ポート513を介してサブ制御部91に各種のコマンドを送信する。メイン制御部41からサブ制御部91へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、サブ制御部91からメイン制御部41へ向けてコマンドが送られることはない。また、本実施例では、パラレル出力ポート513を介してサブ制御部91に対してコマンドが送信される構成、すなわちコマンドがパラレル信号にて送信される構成であるが、シリアル通信回路512を介してサブ制御部91に対してコマンドを送信する構成、すなわちコマンドをシリアル信号にて送信する構成としても良い。
また、メイン制御部41は、遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態がパラレル入力ポート511から入力される。そしてメイン制御部41は、これらパラレル入力ポート511から入力される各種スイッチ類の検出状態に応じて段階的に移行する基本処理を実行する。また、メイン制御部41は、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっている。本実施例では、タイマ回路509にてタイムアウトが発生したこと、すなわち一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。また、メイン制御部41は、割込処理の実行中に他の割込を禁止するように設定されているとともに、複数の割込が同時に発生した場合には、予め定められた順位によって優先して実行する割込が設定されている。尚、割込処理の実行中に他の割込要因が発生し、割込処理が終了してもその割込要因が継続している状態であれば、その時点で新たな割込が発生することとなる。
メイン制御部41は、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メイン制御部41は、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。尚、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
演出制御基板90には、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55、サブ液晶表示器56等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。尚、本実施例では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としても良く、このような構成では、サブ制御部91及び出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。また、本実施例では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55、サブ液晶表示器56を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、例えば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用しても良い。
演出制御基板90は、サブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにより構成されて演出の制御を行うサブ制御部91と、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92と、演出効果LED52と、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93と、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94と、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95と、演出制御基板90に接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96と、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97と、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98と、演出制御基板90に接続されたサブ液晶表示器56の表示制御を行うサブ表示制御回路99と、その他の回路等、が搭載されている。
サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
リセット回路95は、遊技制御基板40においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49よりもリセット信号を解除する電圧が低く定められており、電源投入時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも早い段階で起動するようになっている。一方で、電断検出回路98は、遊技制御基板40においてメイン制御部41に電圧低下信号を出力する電断検出回路48よりも電圧低下信号を出力する電圧が低く定められており、電断時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも遅い段階で停電を検知し、後述する電断処理(サブ)を行うこととなる。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定時間間隔(約2ms)毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
本実施例のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選、ナビストック抽選、上乗せ抽選等の遊技者に対する有利度に影響する抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1の電源をonする必要がある。設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定値6からさらに操作されたときは、設定値1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がoffされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
尚、設定キースイッチ37がon状態で電源投入された場合に、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定変更状態に移行する構成としても良く、このような構成とすることで、前面扉1bが開放されていない状態で不正に設定変更がされてしまうことを防止できる。また、前面扉1bの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定変更状態に移行する構成においては、設定変更状態に移行後、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放に対応する検出がされなくなっても、設定変更状態を維持することが好ましく、これにより、設定変更中に前面扉1bが一時的に閉じてしまっても、再度、設定変更状態に移行させるための操作を必要とせず、設定変更操作が煩雑となってしまうことがない。また、設定変更状態に移行後、スタートスイッチ7が操作されて設定値が確定した後、設定キースイッチ37がoffとなったときに、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定変更状態を終了して遊技の進行が可能な状態に移行する構成としても良く、このような構成においても、前面扉1bが開放されていない状態で不正に設定変更がされてしまうことを防止できる。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすれば良い。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をoff状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
尚、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37がon状態となったときに、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定確認状態に移行する構成としても良く、このような構成とすることで、前面扉1bが開放されていない状態で不正に設定値が確認されてしまうことを防止できる。また、前面扉1bの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定確認状態に移行する構成においては、設定確認状態に移行後、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放に対応する検出がされなくなっても、設定確認状態を維持することが好ましく、これにより、設定確認中に前面扉1bが一時的に閉じてしまっても、再度、設定確認状態に移行させるための操作を必要とせず、設定確認操作が煩雑となってしまうことがない。また、設定確認状態に移行後、スタートスイッチ7が操作されて設定値が確定した後、設定キースイッチ37がoffとなったときに、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定確認状態を終了して遊技の進行が可能な状態に復帰する構成としても良く、このような構成においても、前面扉1bが開放されていない状態で不正に設定値が確認されてしまうことを防止できる。
本実施例のスロットマシン1においては、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行する毎に、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行い、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にRAM41cのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(メイン)を実行する。
そして、メイン制御部41は、その起動時においてRAM41cのデータが正常であることを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAM41cデータが正常でない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。
エラー状態は、リセット操作(リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23の操作)により解除される通常エラー状態と、前述した設定変更状態に移行し、新たな設定値が設定されるまで解除されることがない特殊エラー状態と、を含み、RAM異常エラー状態は、特殊エラー状態であり、一度RAM異常エラー状態に制御されると、設定変更状態に移行し、新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
また、サブ制御部91もタイマ割込処理(サブ)において電断検出回路98からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定し、電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にRAM91cのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(サブ)を実行する。
そして、サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cのデータが正常であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいてサブ制御部91の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAM91cのデータが正常でない場合には、RAM異常と判定し、RAM91cを初期化するようになっている。この場合、メイン制御部41と異なり、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
また、サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cのデータが正常であると判断された場合でも、メイン制御部41から設定変更状態に移行した旨を示す後述の設定コマンドを受信した場合、起動後一定時間が経過してもメイン制御部41の制御状態が復帰した旨を示す後述の復帰コマンドも設定コマンドも受信しない場合にも、RAM91cを初期化するようになっている。この場合も、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域のうちの使用可能領域は、重要ワーク、特別ワーク、一般ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されており、重要ワーク、特別ワーク、一般ワーク、未使用領域、スタック領域の順で配置されている。
本実施例においてメイン制御部41は、設定キースイッチ37がOFFの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されているとき、設定キースイッチ37がONの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されていないとき、設定キースイッチ37がONの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されているとき、設定変更終了時、特定の遊技状態の終了時、1ゲーム終了時の6つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる4種類の初期化を行う。
初期化0は、設定キースイッチ37がOFFの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されているとき、設定キースイッチ37がONの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されているときに行う初期化であり、初期化0では、使用可能領域全ての領域が初期化される。初期化1は、設定キースイッチ37がONの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されていないときに行う初期化であり、初期化1では、使用可能領域のうち重要ワーク及び特別ワーク以外の領域が初期化される。初期化2は、特定の遊技状態の終了時に行う初期化であり、初期化2では、使用可能領域のうち一般ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化3は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化3では、使用可能領域のうち、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。尚、設定値や遊技状態を示すデータの格納領域は、特別ワークに割り当てられており、設定キースイッチ37がONの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されていないとき、すなわちRAM41cのデータが正常で設定変更される場合には、設定値や遊技状態を示すデータが保持されることとなる。また、後述のタイマカウンタの格納領域は、特別ワークに割り当てられており、ゲームの終了時や特定の遊技状態の終了時には初期化されることなく保持されることとなる。
本実施例におけるメイン制御部41は、リセットの発生により起動すると、起動時設定を行う。起動時設定では、メイン制御部41が備えるステータスフラグを初期化する。ステータスフラグは、命令の演算結果や実行結果の状態を保持するデータであり、特に割込の禁止/許可を設定する割込マスタ許可フラグを含む。割込マスタ許可フラグの初期値は割込の禁止を示す値であるため、メイン制御部41は、割込が禁止された状態で起動することとなる。その後、後述のHWパラメータを参照して各種機能を設定した後、プログラム/データ領域に格納されたプログラムに従って、リセットが発生したときに、割込禁止の状態で起動するとともに、その後、最初に実行する初期設定処理を開始する。
そして、メイン制御部41は、初期設定処理において、起動時に設定キースイッチ37がONの状態であれると判定された場合に、設定変更処理に移行し、設定変更処理の開始時にRAM41cの初期化を行う。この際、RAM41cのデータが正常であれば、重要ワーク及び特別ワークを保持してそれ以外の領域を初期化することで、設定変更後も変更前の制御状態(設定値や遊技状態等)の一部を保持することができる一方で、RAM41cのデータが正常でない場合には、重要ワーク及び特別ワークを含む使用可能領域の全ての領域を初期化することで、RAM41cのデータに異常を確実に解消することができるようになっている。
また、メイン制御部41は、設定変更処理の終了後、遊技単位毎にゲームの進行に応じて段階的に処理を行うメイン処理を実行する。また、メイン処理では、遊技単位毎にRAM41cの初期化を行うとともに、設定変更処理の終了時にもRAM41cの初期化を行う。そして、設定変更処理の終了後、メイン処理においてRAM41cの初期化を行う処理の前の段階からメイン処理を開始するようになっており、設定変更処理の終了後のRAM41cの初期化と、遊技単位毎のRAM41cの初期化と、を共通の処理にて行うことが可能となる。
本実施例のスロットマシン1は、遊技状態(RT0〜RT4、RB)に応じて設定可能な賭数の規定数(本実施例では、RT0〜4においては3、RBにおいては2)が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。尚、本実施例では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、入賞ラインLNが有効化される。
そして、本実施例では、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施例の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインという)上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであっても良いし、異なる図柄を含む組合せであっても良い。
入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。尚、これら各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
以下、本実施例の内部抽選について説明する。内部抽選は、メイン制御部41が、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出される以前(具体的には、スタートスイッチ7の検出時)に決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。詳しくは、乱数回路508bにより生成され、乱数回路508bの乱数値レジスタに格納されている値をRAM41cに割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態(RT0〜4、RB)に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、現在の遊技状態、賭数及び設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて入賞を許容するか否かの判定が行われる。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態及び設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
そして、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。尚、いずれの役及び役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、及びリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
本実施例では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施例では、いずれかの役に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲で揃えずに停止させる制御が行われることとなる。特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、4コマの引込範囲で揃えずに停止させる制御が行われることとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。尚、特別役と小役を同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、特別役と同時に小役が入賞ライン上に揃わないようになる。また、特別役と小役が同時に当選している場合に、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞ライン上に揃える制御を行っても良い。
また、本実施例では、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御を行う。尚、この場合、再遊技役を構成する図柄または同時当選する再遊技役を構成する図柄は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。尚、特別役と再遊技役を同時に引き込める場合には、再遊技役のみを引き込み、再遊技役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになる。
尚、本実施例では、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能な停止制御テーブルを用いてリールの停止制御を行う構成であるが、停止可能な位置を特定可能な停止位置テーブルから停止位置を特定し、特定した停止位置にリールを停止させる停止制御を行う構成、停止制御テーブルや停止位置テーブルを用いずに、停止操作がされたタイミングで停止可能な停止位置を検索・特定し、特定した停止位置にリールを停止させる停止制御を行う構成、停止制御テーブルを用いた停止制御、停止位置テーブルを用いた停止制御、停止制御テーブルや停止位置テーブルを用いずに停止可能な停止位置を検索・特定することによる停止制御を併用する構成、停止制御テーブルや停止位置テーブルを一部変更して停止制御を行う構成としても良い。
本実施例においてメイン制御部41は、ゲームの開始後、リールの回転を開始させる毎にその時点、すなわちリールの回転を開始させた時点から経過した時間であるゲーム時間を計時するようになっており、1ゲームの終了後、メダルの投入等により規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が規定時間(本実施例では4.1秒)以上であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から規定時間が経過していれば、ウェイトを発生させず、その時点で当該ゲームにおける遊技のためのリールの回転を開始させる。一方、1ゲームの終了後、メダルの投入等により規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が規定時間未満であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から規定時間が経過していなければ、ウェイトを発生させて、その時点ではリールの回転を開始させず、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が規定時間に到達するまで待機し、規定時間に到達した時点でリールの回転を開始させる。
本実施例においてメイン制御部41は、遊技状態やエラーの発生状況などを示す外部出力信号を出力する制御を行う。これら外部出力信号は、外部出力基板1000、スロットマシン1が設置される遊技店(ホール)の情報提供端子板を介してホールコンピュータなどのホール機器に出力されるようになっている。
メイン制御部41は、賭数の設定に用いられたメダル数を示すメダルIN信号、入賞の発生により遊技者に付与されたメダル数を示すメダルOUT信号、遊技状態がRB(レギュラーボーナス)中の旨を示すRB中信号、遊技状態がBB(ビッグボーナス)中の旨を示すBB中信号、後述するARTの開始を示すART信号、前面扉1bが開放中の旨を示すドア開放信号、後述する設定変更モードに移行している旨を示す設定変更信号、メダルセレクタの異常を示す投入エラー信号、ホッパーユニット34の異常を示す払出エラー信号をそれぞれ出力する。
外部出力基板1000には、リレー回路、パラレル・シリアル変換回路、出力信号毎の端子が設けられ、情報提供端子板の回路と電気的に接続するための接続されるコネクタが設けられている。遊技制御基板40から出力された信号のうち、メダルIN信号、メダルOUT信号、RB中信号、BB中信号、ART信号は、リレー回路を介して、そのままパルス信号として情報提供端子板に出力される。これに対してドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号は、パラレル・シリアル変換回路にて、これらの信号を個別に識別可能なシリアル信号であるセキュリティ信号に変換されて情報提供端子板に出力される。
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。
本実施例では、メイン制御部41は、サブ制御部91に対して、投入枚数コマンド、クレジットコマンド、遊技状態コマンド、ART状態コマンド、内部当選コマンド、フリーズコマンド、ART抽選結果コマンド、リール加速情報1コマンド、リール加速情報2コマンド、停止操作時コマンド、滑りコマ数コマンド、停止コマンド、遊技終了コマンド、入賞枚数コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、復帰コマンド、設定コマンド、設定確認コマンド、ドアコマンド、操作検出コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブ制御部91は、種類データからコマンドの種類を判別できるようになっている。
投入枚数コマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、電断復帰時、または規定数の賭数が設定されていない状態においてメダルが投入されるか、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。また、投入枚数コマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるので、投入枚数コマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
遊技状態コマンドは、当該ゲームの遊技状態(RT0〜4、RB)を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。
ART状態コマンドは、AT中か否か、ART中か否か、後述する規定ゲーム数に到達するまでの残りゲーム数、前兆期間の残りゲーム数、ARTの残りゲーム数を特定可能なコマンドであり、ゲームが開始したときであって、遊技状態コマンドの後に送信される。
内部当選コマンドは、内部抽選結果を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときであって、ART状態コマンドの後に送信される。内部当選コマンドは、第1の内部当選コマンドと、第2の内部当選コマンドと、を含み、内部抽選においてナビ報知の対象となる報知対象役(押し順ベル、リプレイGR1〜6、リプレイGR11〜13、リプレイGR21〜26)が当選した場合に、ナビ報知が行われる状態(AT中、または非AT中でナビ報知が行われる場合)であれば、当選した報知対象役の種類も遊技者にとって有利な停止順も特定可能な第1の内部当選コマンドが送信され、ナビ報知が行われない状態(非AT中でナビ報知が行われない場合)であれば、当選した報知対象役の種類は特定可能であるが遊技者にとって有利な停止順は特定不能な第2の内部当選コマンドが送信される。
遊技状態コマンド、ART状態コマンド、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信されるので、これらコマンドを受信することで、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したことを特定可能である。
フリーズコマンドは、当該ゲームにおいて遊技の進行を所定期間にわたり遅延させるフリーズ状態に制御されるか否か、フリーズ状態に制御される場合にはその種類を特定可能なコマンドであり、ゲームが開始したときであって、内部当選コマンドの送信後に送信される。
ART抽選結果コマンドは、後述のART抽選に当選したか否かを特定可能なコマンドであり、ゲームが開始したときであって、ART抽選が行われたゲームにおいて内部当選コマンドの送信後に送信される。
リール加速情報1コマンドは、遊技の進行に伴いリールの回転が開始する旨を特定可能なコマンドであり、遊技の進行に伴いリールの回転を開始するときに送信する。尚、フリーズ状態の終了に伴ってリールの回転を開始するときにも送信されるため、フリーズコマンドによりフリーズ状態の開始が特定された後、リール加速情報1コマンドを受信することで遊技の進行に伴いリールの回転が開始する旨だけではなく、フリーズ状態の終了も特定可能となる。
リール加速情報2コマンドは、フリーズ状態において行われるリール演出の開始を特定可能なコマンドであり、フリーズ状態においてリール演出に伴うリールの変動を開始するときに送信する。リール加速情報2コマンドは、フリーズ状態においてリール演出に伴うリールの変動が開始されたときに送信されるので、リール加速情報2コマンドを受信することで、フリーズ状態においてリール演出が開始したことを特定可能である。
停止操作時コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に送信される。
滑りコマ数コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、該当するリールの停止操作がされてから停止するまでに移動する滑りコマ数を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に、対応する停止操作時コマンドが送信された後に送信される。
停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、該当するリールの停止位置の領域番号を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に、対応する滑りコマ数コマンドが送信された後に送信される。
停止操作時コマンド、滑りコマ数コマンド、停止コマンドは、いずれも停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、を特定可能であり、かつ各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に送信されるので、これらコマンドを受信することで、いずれかのリールの停止操作がされたこと及び停止するリールを特定可能である。
遊技終了コマンドは、遊技が終了された旨を特定可能なコマンドであり、遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときに送信される。
入賞枚数コマンドは、入賞ラインLNに揃った図柄の組合せ、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときであり、遊技終了コマンドの送信後に送信される。
遊技終了コマンド、入賞枚数コマンドは、いずれも遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときに送信されるので、これらコマンドを受信することで、1ゲームを進行させるのに必要な全ての操作が終了したことを特定可能である。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞及びクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに終了推定時間(本実施例では60秒)経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、BB終了後、エンディング演出待ち時間が経過した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生及びその種類を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
設定コマンドは、設定変更状態の開始または終了、設定変更後設定値を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する時点で設定変更状態の開始を示す設定コマンドが送信され、設定変更状態の終了時に設定変更状態の終了及び設定変更後の設定値を示す設定コマンドが送信される。また、設定変更状態への移行に伴ってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定開始を示す設定コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。
設定確認コマンドは、設定確認状態の開始または終了を示すコマンドであり、設定確認状態に移行する際に設定確認開始を示す設定確認コマンドが送信され、設定確認状態の終了時に設定確認終了を示す設定確認コマンドが送信される。
ドアコマンドは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態、すなわちon(開放状態)/off(閉状態)を示すコマンドであり、電源投入時、1ゲーム終了時(ゲーム終了後、次のゲームの賭数の設定が開始可能となる前までの時点)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化(onからoff、offからon)した時に送信される。
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R)の検出状態(on/off)を示すコマンドであり、一定時間毎に送信される。
これらコマンドのうちドアコマンド及び操作検出コマンド以外のコマンドは、基本処理において生成され、RAM41cに設けられたコマンドキューに一時格納され、その後のタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理おいて送信される。
一方、ドアコマンドは、タイマ割込処理(メイン)のドア監視処理において生成され、RAM41cに設けられたコマンドキューに一時格納され、その後のタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理おいて送信される。
また、操作検出コマンドは、タイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理が10回実行される毎に、スイッチの検出状態に基づいて生成されるとともに、RAM41cに設けられたコマンドキューに一時格納され、その後のタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理おいて送信される。
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の各種演出装置の出力制御を行う。制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターン毎に、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLED55の点灯態様等、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターン及び遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
尚、サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっており、同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行われることがある。
図6は、メイン制御部41が用いるメモリ領域のアドレスマップである。図6に示すように、メイン制御部41が用いるメモリ領域は、ROM41bに割り当てられたメモリ領域(0000H〜7FFFH)と、RAM41cに割り当てられたメモリ領域(8000H〜FFFFH)と、を含む。
ROM41bのメモリ領域は、プログラム及び固定データが格納されるプログラム/データ領域(0000H〜26FFH)と、プログラムのタイトル、バージョン等の任意のデータを設定可能なROMコメント領域(2700H〜277FH)と、後述するCALLV命令のサブルーチンの上位アドレス及びタイマ割込処理(メイン)の先頭アドレスが設定されるベクタテーブル領域(2780H〜27A7H)と、メイン制御部41の内部機能をハードウェア的に設定するためのパラメータが設定されるHWパラメータ領域(27A8H〜27FFH)と、アクセスが禁止される未使用領域(2800H〜7FFFH)を含む。
RAM41cのメモリ領域は、ワークとして使用可能な使用可能領域(8000H〜81FFH)と、メイン制御部41に搭載されている各機能を制御するためのレジスタ群が格納される内部機能レジスタ領域(9000H〜9080H)と、アクセスが禁止される未使用領域(8200H〜8FFFH、9081H〜FFFFH)と、を含む。
ROM41bにおけるHWパラメータ領域に設定されるパラメータは、プログラム/データ領域で使用するROM領域の最終アドレス(HPRGEND)、アクセス禁止するRAM領域の開始アドレス(HRAMSTAT)及び最終アドレス(HRAMEND)を含む。
図7は、メイン制御部41のROM41bにおけるプログラム/データ領域及びRAM41cにおける使用可能領域のアドレスマップである。
図7(a)に示すように、ROM41bにおけるプログラム/データ領域は、遊技の進行に係わる遊技プログラムが記憶される遊技プログラム領域と、遊技プログラムが用いる遊技データが記憶される遊技データ領域と、未使用領域1と、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム領域と、非遊技プログラムが用いる非遊技データが記憶される非遊技データ領域と、未使用領域2と、を含む。
尚、遊技の進行とは、遊技を構成する一連のプロセスを進行させることであり、スロットマシンであれば、賭数を設定してゲームを開始可能とする段階、ゲームを開始してリールを回転させる段階、リールを停止させて表示結果を導出させる段階、表示結果に応じてメダル等の価値を付与する段階を進行させることである。
遊技の進行に係わる遊技プログラム領域と、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムと、がそれぞれ別個に割り当てられているとともに、遊技プログラム領域及び非プログラム領域のうちROM41bの記憶領域において後方に割り当てられていた非プログラム領域の手前の領域は、少なくとも16バイト以上の未使用領域1が割り当てられているため、遊技の進行に係わる遊技プログラム領域と、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムと、を記憶領域の違いに応じて容易に特定することができる。
また、遊技プログラム領域と遊技データ領域、非遊技プログラム領域と非遊技データ領域はそれぞれ連続する領域に割り当てられる一方、遊技の進行に係わる遊技プログラム領域及び遊技データ領域と、遊技の進行に係わらない非遊技プログラム及び非遊技データ領域と、が少なくとも16バイト以上の未使用領域1を挟んで連続しない領域に割り当てられているため、遊技の進行に係わる遊技プログラム領域及び遊技データ領域と、遊技の進行に係わらない非遊技プログラム及び非遊技データ領域と、を記憶領域の違いに応じて容易に特定することができる。
尚、上記において記憶領域の前後とは、記憶領域に割り当てられたアドレス値の大小関係であり、アドレスが小さい方が前方となり、アドレスが大きい方が後方となる。このため、一の記憶領域よりも後方に割り当てられた記憶領域とは、一の記憶領域よりもアドレス値が大きい記憶領域が該当し、一の記憶領域よりも前方に割り当てられた記憶領域とは、一の記憶領域よりもアドレス値が小さい記憶領域が該当する。
また、非遊技プログラム領域よりも後方に遊技プログラムが割り当てられ、非遊技プログラム領域よりも後方に割り当てられた遊技プログラムの手前に未使用領域が割り当てられた構成としても良く、このような構成においても遊技の進行に係わる遊技プログラム領域と、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムと、を記憶領域の違いに応じて容易に特定することができる。
また、遊技プログラム領域と、非遊技プログラム領域と、が未使用領域1を挟んで隣接する領域に割り当てる構成としても良く、このような構成であっても、遊技の進行に係わる遊技プログラム領域と、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムと、を記憶領域の違いに応じて容易に特定することができる。
また、ROM41bのプログラム/データ領域の未使用領域1、2には、全ての領域に0値が格納されているため、遊技プログラム領域及び遊技データ領域と、非遊技プログラム領域及び非遊技データと、未使用領域1、2と、を容易に区別することができるとともに、未使用領域1、2に不正なデータが格納されている場合でも容易に発見することができる。
尚、ROM41bのプログラム/データ領域の未使用領域1、2における全ての領域に1が格納される構成としても良く、このような構成とした場合でも、遊技プログラム領域及び遊技データ領域と、非遊技プログラム領域及び非遊技データと、未使用領域1、2と、を容易に区別することができるとともに、未使用領域1、2に不正なデータが格納されている場合でも容易に発見することができる。
また、遊技プログラム領域及び非遊技プログラム領域はいずれも、アドレスを2進数表記した場合に下位4桁の値が同じ0のアドレス(0H)から開始するようになっており、ROM41bのプログラム/データ領域のうち遊技の進行に係る遊技プログラム領域と、遊技の進行に係わらない非遊技プログラム領域と、を他の領域と容易に区別することができる。
また、遊技プログラム領域及び非遊技プログラム領域はいずれも、アドレスを2進数表記した場合に下位4桁の値が同じ0のアドレスから開始するだけでなく、16進数表記した場合に下位1桁の値が同じ0のアドレス(0H)から開始するので、アドレスを2進数表記した場合だけでなく、16進数表記した場合にも遊技プログラム領域と、非遊技プログラム領域と、を他の領域と容易に区別することができる。
尚、遊技プログラム領域及び非遊技プログラム領域がいずれも、アドレスを2進数表記したか、16進数表記したか、に関わらず、下位N(Nは1以上の自然数)桁が同じ値のアドレスから開始する構成であれば、遊技プログラム領域と、非遊技プログラム領域と、を他の領域と容易に区別することが可能であり、例えば、下位N(Nは1以上の自然数)桁の値が同じ1のアドレスから開始する構成でも同様の効果が得られるものである。
図7(b)に示すように、RAM41cの使用可能領域は、遊技プログラムがワークとして用いる遊技RAM領域と、遊技プログラムがデータを退避する遊技スタック領域と、未使用領域3と、非遊技プログラムがワークとして用いる非遊技RAM領域と、非遊技プログラムがデータを退避する非遊技スタック領域と、未使用領域4と、を含む。尚、本実施例では、遊技スタック領域と非遊技スタック領域とをそれぞれ異なる領域に個別に備える構成であるが、遊技プログラム及び非遊技プログラムが共用する一のスタック領域を備える構成としても良い。
遊技RAM領域と、非遊技RAM領域と、は少なくとも16バイト以上の未使用領域3を挟んで連続しない領域に割り当てられているため、遊技の進行に係わる遊技プログラムが用いる遊技RAM領域と、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが用いる非遊技RAM領域と、を記憶領域の違いに応じて容易に特定することができる。
以下では、遊技プログラム領域、遊技データ領域及び遊技RAM領域をまとめて遊技領域と称す場合があり、非遊技プログラム領域、非遊技データ領域及び非遊技RAM領域をまとめて非遊技領域と称す場合がある。また、未使用領域1及び未使用領域2、未使用領域3及び未使用領域4をまとめて未使用領域と称す場合がある。
メイン制御部41は、HWパラメータ領域に設定されるパラメータに基づいて、ROM41bのプログラム/データ領域のうちアクセスが禁止された領域へのアクセスがあったとき、RAM41cの使用可能領域のうちアクセスが許可に設定されていない領域へのアクセスがあったとき、ROM41bのうちプログラム/データ領域以外の領域へのアクセスがあったとき、RAM41cのうち使用可能領域以外の領域へのアクセスがあったときに、すなわち正常な動作ではアクセスすることのないメモリ領域へのアクセスがあったときにイリーガルアクセスリセットを発生させることで、遊技の進行を不能化させるので、ROM41bの未使用領域や動作とは関係しない領域、RAM41cの未使用領域等に不正なプログラムが格納された場合であっても、不正なプログラムが実行されてしまうことを防止できる。
特に本実施例では、ROM41bのうちプログラムによってアクセスが許可されたプログラム/データ領域に遊技プログラム領域と、非遊技プログラム領域と、が割り当てられ、遊技プログラム領域よりも後方の非遊技プログラム領域の手前の領域に未使用領域1が割り当てられるとともに、HWパラメータ領域に設定されるパラメータに基づいて、プログラム/データ領域のうち遊技プログラム領域の先頭アドレスから非遊技プログラムの最終アドレスまでの領域を含む一かたまりの領域(遊技プログラム領域から非遊技データ領域までの領域)へのアクセスを一括して許可に設定する一方で、それ以外の領域、すなわちプログラム/データ領域のうち遊技プログラムや遊技データ、非遊技プログラム、非遊技データが格納されていない非遊技データよりも後の領域へのアクセスが禁止されるため、不正プログラムや不正データによる意図しない制御が行われてしまうことを防止できる。
また、ROM41bのうちプログラムによってアクセスが許可されたプログラム/データ領域において非遊技プログラム領域よりも後方に遊技領域が割り当てられ、非遊技プログラム領域よりも後方の遊技プログラム領域の手前の領域に未使用領域が割り当てられるとともに、HWパラメータ領域に設定されるパラメータに基づいて、プログラム/データ領域のうち非遊技プログラム領域の先頭アドレスから遊技プログラムの最終アドレスまでの領域を含む一かたまりの領域へのアクセスを一括して許可に設定する一方で、それ以外の領域へのアクセスが禁止されるようにしても、不正プログラムや不正データによる意図しない制御が行われてしまうことを防止できる。
尚、プログラム/データ領域に遊技プログラム領域と、非遊技プログラム領域と、が割り当てられ、遊技プログラム領域よりも後方の非遊技プログラム領域の手前の領域に未使用領域1が割り当てられるとともに、プログラム/データ領域のうち遊技プログラム領域を含む一かたまりの領域(遊技プログラム領域から遊技データ領域までの領域)、非遊技プログラムを含む一かたまりの領域(非遊技プログラム領域から非遊技データ領域までの領域)へのアクセスをそれぞれ許可に設定し、他の領域へのアクセスを禁止する構成としても良く、このような構成とした場合でも、プログラム/データ領域のうち遊技プログラムや非遊技プログラムが格納されていない領域へのアクセスが禁止されるため、不正プログラムや不正データによる意図しない制御が行われてしまうことを防止できる。また、ROM41bのうちプログラムによってアクセスが許可されたプログラム/データ領域において非遊技プログラム領域よりも後方に遊技領域が割り当てられ、非遊技プログラム領域よりも後方の遊技プログラム領域の手前の領域に未使用領域が割り当てられるとともに、プログラム/データ領域のうち遊技プログラム領域を含む一かたまりの領域(遊技プログラム領域から遊技データ領域までの領域)、非遊技プログラムを含む一かたまりの領域(非遊技プログラム領域から非遊技データ領域までの領域)へのアクセスをそれぞれ許可に設定し、他の領域へのアクセスを禁止する構成としても良く、このような構成とした場合でも、プログラム/データ領域のうち遊技プログラムや非遊技プログラムが格納されていない領域へのアクセスが禁止されるため、不正プログラムや不正データによる意図しない制御が行われてしまうことを防止できる。
また、上記では、プログラム/データ領域においてアクセスを許可する領域そのものを設定する構成であるが、プログラム/データ領域においてアクセスを禁止する領域を設定することで、間接的にアクセスを許可する領域が設定される構成としても良い。
メイン制御部41は、HWパラメータ領域に設定されるパラメータに基づいて、プログラム走行を許可する指定エリア以外の領域においてユーザプログラムが実行された場合、すなわち正常な動作ではユーザプログラムが実行されることのない領域でユーザプログラムが実行された場合に、IAT回路506aがIAT発生信号を出力することで、遊技の進行を不能化させるので、ROM41bの未使用領域や動作とは関係しない領域、RAM41cの未使用領域等に不正なプログラムが格納された場合であっても、不正なプログラムが実行されてしまうことを防止できる。
特に本実施例では、ROM41bのうちプログラムによってアクセスが許可されたプログラム/データ領域に遊技プログラム領域と、非遊技プログラム領域と、が割り当てられ、遊技プログラム領域よりも後方の非遊技プログラム領域の手前の領域に未使用領域1が割り当てられるとともに、HWパラメータ領域に設定されるパラメータに基づいて、プログラム/データ領域のうち遊技プログラム領域、非遊技プログラム領域の各々について、IAT回路506aがプログラム走行を許可する指定エリアとして設定する一方で、それ以外の領域、すなわちプログラム/データ領域のうち遊技プログラムや非遊技プログラムが格納されていない領域でのプログラム走行が禁止されるため、不正プログラムや不正データによる意図しない制御が行われてしまうことを防止できる。
また、ROM41bのうちプログラムによってアクセスが許可されたプログラム/データ領域において非遊技プログラム領域よりも後方に遊技領域が割り当てられ、非遊技プログラム領域よりも後方の遊技プログラム領域の手前の領域に未使用領域が割り当てられるとともに、HWパラメータ領域に設定されるパラメータに基づいて、プログラム/データ領域のうち遊技プログラム領域、非遊技プログラム領域の各々について、IAT回路506aがプログラム走行を許可する指定エリアとして設定する一方で、それ以外の領域でのプログラム走行が禁止されるようにしても、不正プログラムや不正データによる意図しない制御が行われてしまうことを防止できる。
尚、プログラム/データ領域に遊技プログラム領域と、非遊技プログラム領域と、が割り当てられ、遊技プログラム領域よりも後方の非遊技プログラム領域の手前の領域に未使用領域1が割り当てられるとともに、HWパラメータ領域に設定されるパラメータに基づいて、プログラム/データ領域のうち遊技プログラム領域の先頭アドレスから非遊技プログラムの最終アドレスまでの領域を含む一かたまりの領域(遊技プログラム領域から非遊技データ領域までの領域)について、IAT回路506aがプログラム走行を許可する指定エリアとして一括して設定し、他の領域でのプログラム走行が禁止される構成としても良く、このような構成とした場合でも、プログラム/データ領域のうち遊技プログラムや非遊技プログラムが格納されていない領域でのプログラム走行が禁止されるため、不正プログラムや不正データによる意図しない制御が行われてしまうことを防止できる。また、ROM41bのうちプログラムによってアクセスが許可されたプログラム/データ領域において非遊技プログラム領域よりも後方に遊技領域が割り当てられ、非遊技プログラム領域よりも後方の遊技プログラム領域の手前の領域に未使用領域が割り当てられるとともに、HWパラメータ領域に設定されるパラメータに基づいて、プログラム/データ領域のうち非遊技プログラム領域の先頭アドレスから遊技プログラムの最終アドレスまでの領域を含む一かたまりの領域(遊技プログラム領域から非遊技データ領域までの領域)について、IAT回路506aがプログラム走行を許可する指定エリアとして一括して設定し、他の領域でのプログラム走行が禁止されるようにしても、不正プログラムや不正データによる意図しない制御が行われてしまうことを防止できる。
また、上記では、プログラム/データ領域においてプログラム走行を許可する領域そのものを設定する構成であるが、プログラム/データ領域においてプログラム走行を禁止する領域を設定することで、間接的にプログラム走行を許可する領域が設定される構成としても良い。
メイン制御部41にプログラム/データ領域に格納されたプログラムを実行させる命令として、CALL命令を含む。
CALL命令は、指定されたアドレスに格納されたサブルーチンを呼び出して実行させる命令である。メイン制御部41は、CALL命令によりサブルーチンを呼び出す場合には、呼び出し元のアドレスをスタック領域に格納し、指定されたアドレスに格納されたサブルーチンを呼び出して実行する。そして、当該サブルーチンの終了後、スタック領域に格納されている呼び出し元のアドレス、すなわちCALL命令を実行した呼び出し元のプログラムに復帰する。
また、CALL命令は、通常のCALL命令と、特殊なCALL命令であるCALLV命令と、を含む。通常のCALL命令は、上位アドレス及び下位アドレスの双方を指定して指定された上位アドレス及び下位アドレスによりアドレスを特定してサブルーチンを呼び出す命令であるのに対して、CALLV命令は、下位アドレスのみ指定することで、ROM41bのベクタテーブル領域に予め設定された上位アドレス及び指定された下位アドレスによりアドレスを特定してサブルーチンを呼び出す命令であり、通常のCALL命令に比較して少ないデータ量でサブルーチンを呼び出すことが可能となる。
ROM41bに格納された遊技プログラムのうち特に使用頻度の高いサブルーチンは、ROM41bの遊技プログラム領域のうち先頭アドレスが特定値(例えば00H)となる領域に格納されている。一方、ROM41bのベクタテーブル領域には、CALLV命令で呼び出すサブルーチンの上位アドレスとして特定値が設定されている。そして、メイン制御部41は、先頭アドレスの上位アドレスが特定値となるサブルーチンを呼び出すときに、CALLV命令を用いて下位アドレスのみ指定することで、上位アドレスとしてベクタテーブル領域に設定された特定値を特定し、下位アドレスとして指定された下位アドレスを特定し、上位及び下位を合わせたアドレスに格納されたサブルーチンを呼び出して実行する。このため、遊技プログラムのうち特に使用頻度の高いサブルーチンを呼び出す際に用いるアドレスの一部を構成する上位アドレスが特定値として予めベクタテーブルに設定されており、ベクタテーブルに設定された特定値に基づいてアドレスが特定されるため、上位アドレス及び下位アドレスの双方を指定してプログラムを呼び出す通常のCALL命令に比較して少ないデータ量にてサブルーチンを呼び出すことが可能となり、これらのサブルーチンを呼び出す際にアドレスを指定するためのプログラムの無駄を削減することができる。
尚、ROM41bに格納された非遊技プログラムのうち特に使用頻度の高いサブルーチンを、ROM41bの非遊技プログラム領域のうち先頭アドレスが特定値となる領域に格納するとともに、ROM41bのベクタテーブル領域に、CALLV命令で呼び出すサブルーチンの上位アドレスとして特定値を設定し、メイン制御部41が先頭アドレスの上位アドレスが特定値となるサブルーチンを呼び出すときに、CALLV命令を用いて下位アドレスのみ指定することで、これらのサブルーチンを呼び出して実行する構成とした場合でも、上位アドレス及び下位アドレスの双方を指定してプログラムを呼び出す通常のCALL命令に比較して少ないデータ量にてサブルーチンを呼び出すことが可能となり、これらのサブルーチンを呼び出す際にアドレスを指定するためのプログラムの無駄を削減することができる。
また、CALLV命令で呼び出す際に用いる上位アドレスを、ベクタテーブル領域ではなく、メイン制御部41の特定のレジスタに設定する構成としても良い。
また、CALLV命令に限らず、アドレスの一部が、ベクタテーブル領域に格納された値、特定のレジスタに設定された値等を用いて特定され、アドレスの残りの部分を指定することで、サブルーチンの格納アドレスが特定可能となる特殊なCALL命令を用いる構成であれば、サブルーチンを呼び出す際にアドレスを指定するためのプログラムの無駄を削減することができる。
メイン制御部41は、システムリセット信号の入力によるシステムリセット、WDT506bによるWDTリセット、前述のイリーガルアクセスリセットが発生することで起動することとなるが、この際、ベクタテーブル領域に設定された値、すなわちCALLV命令のサブルーチンの上位アドレス及びタイマ割込処理(メイン)の先頭アドレスが、プログラム領域のうちプログラム等が実際に格納された領域を示す値であるか、またはFFFFH(未使用のベクタテーブル領域に設定される値)であるか、を判定し、ベクタテーブル領域に設定された値がプログラムが設定される領域外を示す値でもなく、FFFFHでもない場合には、起動しないようになっており、割込の発生等により本来意図していない処理が実行されてしまうことを事前に防止できる。
遊技プログラムとは、前述のように遊技の進行に係わるプログラムであり、当該プログラムに基づく処理を実行しないと、遊技の進行に支障をきたす処理を実行するためのプログラムである。一方、非遊技プログラムとは、前述のように遊技の進行に係わらないプログラムであり、遊技プログラムから呼び出されて当該プログラムに基づく処理が実行されずに遊技プログラムに復帰した場合でも、遊技を進行させることが可能な処理を実行するためのプログラムである。
本実施例においてメイン制御部41のCPU41aは、図8に示すように、遊技プログラムに基づく処理において非遊技プログラムを呼び出して非遊技プログラムに基づく処理を実行し、非遊技プログラムに基づく処理の終了後、遊技プログラムに基づく処理に復帰する。
図8に示すように、CPU41aは、原則として遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、遊技データ領域の遊技データを参照して遊技プログラムに基づく処理を実行するとともに、遊技RAM領域をワークとして使用し、遊技RAM領域の内容を参照及び更新することが可能である。また、CPU41aは、原則として非遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、非遊技データ領域の遊技データを参照して非遊技プログラムに基づく処理を実行するとともに、非遊技RAM領域をワークとして使用し、非遊技RAM領域の内容を参照及び更新することが可能である。
また、CPU41aは、遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、非遊技データ領域を参照することはなく、非遊技RAM領域を更新することはないが、非遊技RAM領域を参照することは可能であり、非遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、遊技データ領域を参照することはなく、遊技RAM領域を更新することはないが、遊技RAM領域を参照することは可能である。
また、遊技プログラムに基づく処理は、非遊技RAM領域のうち遊技プログラムに必要な特定の領域(例えば、異常の検知を示すエラーフラグの設定領域等)のみ参照可能とされており、非遊技プログラムに基づく処理は、遊技RAM領域のうち非遊技プログラムに必要な特定の領域(例えば、内部当選フラグの設定領域、遊技状態の設定領域、RTの設定領域等)のみ参照可能とされている。また、非遊技RAM領域のうち遊技プログラムに基づく処理が参照可能な特定の領域、遊技RAM領域のうち非遊技プログラムに基づく処理が参照可能な特定の領域は、連続するアドレス領域に割り当てられることが好ましいが、一部または全部が連続しないアドレス領域に割り当てられる構成であっても良い。
このように本実施例では、遊技の進行に係る遊技プログラムが記憶される遊技プログラム領域と、遊技プログラムが参照する遊技データが読み出し可能に記憶される遊技データ領域と、遊技プログラムが参照するワークデータが読み出し及び書き込み可能に記憶される遊技RAM領域と、遊技プログラムによって呼び出されるプログラムであり、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム領域と、非遊技プログラムが参照する非遊技データが読み出し可能に記憶される非遊技データ領域と、非遊技プログラムが参照するワークデータが読み出し及び書き込み可能に記憶される非遊技RAM領域と、がそれぞれ別個に割り当てられているため、遊技プログラム、遊技データ及び遊技プログラムのワークデータと、非遊技プログラム、非遊技データ及び非遊技プログラムのワークデータと、を記憶領域の違いに応じて容易に特定することができる。
また、遊技プログラム領域及び遊技データ領域と、非遊技プログラム領域及び非遊技データ領域と、を分けることで、それぞれの機能に応じてROM41bに占める領域をコンパクトに管理することができるため、各領域において該当するデータを特定することがさらに容易となる。
また、本実施例では、遊技プログラムを実行する際に、非遊技RAM領域を参照することが可能であり、非遊技プログラムを実行する際に、遊技RAM領域を参照することが可能であるため、遊技プログラムを実行するにあたり、非遊技プログラムが使用していたデータを簡単に利用することができ、非遊技プログラムを実行するにあたり、遊技プログラムが使用していたデータを簡単に利用することができる。一方で、遊技プログラムを実行する際に、非遊技RAM領域を更新することは不可能であり、非遊技プログラムを実行する際に、遊技RAM領域を更新することは不可能であるため、遊技プログラムが非遊技プログラムの処理に影響を及ぼすことなく、非遊技プログラムが遊技プログラムの処理に影響を及ぼすことがない。
また、本実施例では、遊技プログラムに基づく処理は、非遊技RAM領域のうち遊技プログラムに必要な特定の領域(例えば、異常の検知を示すエラーフラグの設定領域等)のみ参照可能とされており、非遊技プログラムに基づく処理は、遊技RAM領域のうち非遊技プログラムに必要な特定の領域(例えば、内部当選フラグの設定領域、遊技状態の設定領域、RTの設定領域等)のみ参照可能とされているので、遊技プログラムが非遊技RAM領域において参照可能なデータ、非遊技プログラムが参照可能なデータが特定の領域に制限されているため、遊技プログラムまたは非遊技プログラムの参照先を容易に特定することができる。
また、本実施例では、遊技プログラムが非遊技プログラムを呼び出して非遊技プログラムを実行する際に、遊技プログラムが実際に使用していたレジスタであるか否かに関わらずレジスタの全ての領域を保護する処理が行われるため、遊技プログラムに復帰する際に、非遊技プログラムが呼び出された時点の状態から確実に復帰することができる。
また、本実施例では、遊技プログラムに基づく処理から非遊技プログラムを呼び出した場合に、非遊技プログラムの最初に、遊技プログラムが使用していたレジスタの値を保護し、非遊技プログラムの最後に、保護されているレジスタの値を復帰させるようになっているため、遊技プログラムの容量を削減することができる。
尚、遊技プログラムに基づく処理から非遊技プログラムを呼び出す直前に遊技プログラムが使用していたレジスタの値を保護し、非遊技プログラムに基づく処理が全て終了した後に、遊技プログラムに復帰した最初の段階で保護されているレジスタの値を復帰させる構成としても良く、このような構成とすることで、非遊技プログラムの呼び出し前にレジスタの保護処理が行われ、非遊技プログラムからの復帰後にレジスタの復旧処理が行われるため、非遊技プログラムによってレジスタに記憶されたデータが遊技プログラムに影響を及ぼすことがない。
図9〜図11は、本実施例のスロットマシン1における役の種類、図柄組合せ、及び役に関連する技術事項について説明するための図である。図12は、本実施例のスロットマシン1における移行出目の図柄組合せ、及び移行出目に関連する技術事項について説明するための図である。また、図13は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図であり、図14は、遊技状態の概要を示す図である。
図9に示すように、入賞役のうち特別役には、ビッグボーナス(以下、ビッグボーナスをBBと称する)、レギュラーボーナス(以下、レギュラーボーナスをRBと称する)の2種類のボーナスが含まれる。BBは、RT0〜4において入賞ラインLNに「赤7−赤7−赤7」の組合せが揃ったときに入賞となる。BBに入賞すると、後述のレギュラーボーナス(以下、RBと称する)に毎ゲーム制御されるビッグボーナスに移行する。そして、ビッグボーナスは、316枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。RBは、RT0〜4において入賞ラインLNに「BAR−BAR−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。RBに入賞すると、レギュラーボーナス(以下、RBと称する)に移行される。そして、レギュラーボーナスは、いずれかの役が6回入賞するか、12ゲーム消化したことを条件として終了する。図13に示すように、BB、RBのいずれかに当選してから入賞するまでは、RT4に制御され、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナス(まとめてボーナスと呼ぶ)が終了した後は、RT3に制御されることとなる。
図10に示すように、入賞役のうち小役には、上段ベル1、上段ベル2、上段ベル3、上段ベル4、上段ベル5、上段ベル6、上段ベル7、上段ベル8、中段ベル、右下がりベル、中段スイカ、右下がりスイカ、中段チェリー、角チェリーが含まれる。尚、以下、上段ベル1、上段ベル2、上段ベル3、上段ベル4、上段ベル5、上段ベル6、上段ベル7、上段ベル8を区別する必要がない場合には、単に上段ベルと呼ぶ。
上段ベル1は、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「リプレイa−チェリーa−チェリーa」、「リプレイa−チェリーa−白7」、「リプレイa−チェリーa−BAR」、「リプレイa−チェリーb−チェリーa」、「リプレイa−チェリーb−白7」、「リプレイa−チェリーb−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても上段ベル1が入賞したときには8枚のメダルが払い出される。上段ベル2は、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「リプレイa−チェリーa−プラム」、「リプレイa−チェリーb−プラム」の組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても上段ベル2が入賞したときには8枚のメダルが払い出される。上段ベル3は、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「リプレイa−プラム−チェリーa」、「リプレイa−プラム−白7」、「リプレイa−プラム−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても上段ベル3が入賞したときには8枚のメダルが払い出される。上段ベル4は、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「リプレイa−プラム−プラム」の組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても上段ベル4が入賞したときには8枚のメダルが払い出される。上段ベル5は、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「リプレイb−チェリーa−チェリーa」、「リプレイb−チェリーa−白7」、「リプレイb−チェリーa−BAR」、「リプレイb−チェリーb−チェリーa」、「リプレイb−チェリーb−白7」、「リプレイb−チェリーb−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても上段ベル5が入賞したときには8枚のメダルが払い出される。上段ベル6は、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「リプレイb−チェリーa−プラム」、「リプレイb−チェリーb−プラム」の組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても上段ベル6が入賞したときには8枚のメダルが払い出される。上段ベル7は、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「リプレイb−プラム−チェリーa」、「リプレイb−プラム−白7」、「リプレイb−プラム−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても上段ベル7が入賞したときには8枚のメダルが払い出される。上段ベル8は、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「リプレイa−プラム−プラム」の組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても上段ベル8が入賞したときには8枚のメダルが払い出される。
中段ベルは、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「ベル−ベル−ベル」の組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても中段ベルが入賞したときには8枚のメダルが払い出される。右下がりベルは、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「リプレイa−ベル−赤7」、「リプレイa−ベル−リプレイa」、「リプレイb−ベル−赤7」、「リプレイb−ベル−リプレイa」の組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても右下がりベルが入賞したときには8枚のメダルが払い出される。中段スイカは、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「スイカ−スイカ−スイカ」または「スイカ−スイカ−青7」の組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても中段スイカが入賞したときには5枚のメダルが払い出される。右下がりスイカは、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「ベル−スイカ−チェリーb」の組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても右下がりスイカが入賞したときには5枚のメダルが払い出される。中段チェリーは、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「チェリーa−ベル−リプレイa」の組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても中段チェリーが入賞したときには1枚のメダルが払い出される。角チェリーは、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「赤7−ベル−リプレイa」、「BAR−ベル−リプレイa」の組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても角チェリーが入賞したときには1枚のメダルが払い出される。
図11に示すように、入賞役のうち再遊技役には、中段リプレイ、右上がりリプレイ、昇格リプレイ、特殊リプレイ、転落リプレイ、赤7揃いリプレイ、赤7取りこぼしリプレイ、青7揃いリプレイ、青7取りこぼしリプレイが含まれる。
中段リプレイは、RT0〜RT4において入賞ラインLNに「リプレイa−リプレイa−リプレイa」、「リプレイb−リプレイa−リプレイa」の組合せが揃ったときに入賞となり、リプレイゲーム(再遊技)が付与される。右上がりリプレイは、RT1〜RT4において入賞ラインLNに「ベル−リプレイa−赤7」または「ベル−リプレイa−ベル」の組合せが揃ったときに入賞となり、リプレイゲーム(再遊技)が付与される。昇格リプレイは、RT1において入賞ラインLNに「ベル−リプレイa−リプレイa」の組合せが揃ったときに入賞となり、リプレイゲーム(再遊技)が付与される。特殊リプレイは、RT0において入賞ラインLNに「リプレイa−リプレイa−ベル」「リプレイb−リプレイa−ベル」の組合せが揃ったときに入賞となり、リプレイゲーム(再遊技)が付与される。転落リプレイは、RT0、RT2において入賞ラインLNに「ベル−赤7−チェリーa」、「ベル−赤7−スイカ」、「ベル−赤7−プラム」、「ベル−スイカ−チェリーa」、「ベル−スイカ−スイカ」、「ベル−スイカ−プラム」、「ベル−チェリーa−チェリーa」、「ベル−チェリーa−スイカ」、「ベル−チェリーa−プラム」の組合せが揃ったときに入賞となり、リプレイゲーム(再遊技)が付与される。赤7揃いリプレイは、RT2において入賞ラインLNに「リプレイb−青7−リプレイa」の組合せが揃ったときに入賞となり、リプレイゲーム(再遊技)が付与される。赤7取りこぼしリプレイは、RT2において入賞ラインLNに「リプレイa−青7−リプレイa」、「リプレイa−スイカ−リプレイa」、「リプレイa−チェリーa−リプレイa」、「リプレイb−スイカ−リプレイa」、「リプレイb−チェリーa−リプレイa」の組合せが揃ったときに入賞となり、リプレイゲーム(再遊技)が付与される。青7揃いリプレイは、RT2において入賞ラインLNに「チェリーa−青7−リプレイa」の組合せが揃ったときに入賞となり、リプレイゲーム(再遊技)が付与される。青7取りこぼしリプレイは、RT2において入賞ラインLNに「チェリーa−スイカ−リプレイa」、「チェリーa−チェリーa−リプレイa」、「ベル−青7−リプレイa」、「ベル−スイカ−リプレイa」または「ベル−チェリーa−リプレイa」の組合せが揃ったときに入賞となり、リプレイゲーム(再遊技)が付与される。
赤7揃いリプレイを構成する「リプレイb−青7−リプレイa」の組合せが入賞ラインLNに揃うことで、「赤7−赤7−赤7」の組合せが無効ラインLM2に揃い得る。また、青7揃いリプレイを構成する「チェリーa−青7−リプレイa」の組合せが入賞ラインLNに揃うことで、「青7−青7−青7」の組合せが無効ラインLM4に揃い得る。
図12に示すように、移行出目は、「リプレイa−チェリーa−ベル」、「リプレイa−チェリーb−ベル」、「リプレイa−プラム−ベル」、「リプレイb−チェリーa−ベル」、「リプレイb−チェリーb−ベル」、「リプレイb−プラム−ベル」、「リプレイa−ベル−チェリーa」、「リプレイa−ベル−白7」、「リプレイa−ベル−BAR」、「リプレイa−ベル−プラム」、「リプレイb−ベル−チェリーa」、「リプレイb−ベル−白7」、「リプレイb−ベル−BAR」、「リプレイb−ベル−プラム」、「ベル−チェリーa−チェリーa」、「ベル−チェリーa−白7」、「ベル−チェリーa−BAR」、「ベル−チェリーa−プラム」、「ベル−チェリーb−チェリーa」、「ベル−チェリーb−白7」、「ベル−チェリーb−BAR」、「ベル−チェリーb−プラム」、「ベル−プラム−チェリーa」、「ベル−プラム−白7」、「ベル−プラム−BAR」、「ベル−プラム−プラム」の組合せであり、RT0、RT2、RT3において移行出目が入賞ラインLNに揃うとRT1に移行する。本実施例では、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4が当選し、中段ベルの入賞条件となるリール以外を第1停止とし、かつ当選している上段ベルを取りこぼした場合に、移行出目が入賞ラインLNに揃う。
次に、図15〜図19を参照して、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される抽選対象役の組合せについて説明する。本実施例では、遊技状態が、RT1であるか、RT2であるか、RT3であるか、RT4であるか、RB(BB中RB含む)であるか、によって内部抽選の対象となる役またはその当選確率の少なくとも一方が異なる。尚、抽選対象役として後述するように、複数の入賞役が同時に読出されて、重複して当選し得る。図15〜図19においては、入賞役の間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを示す。図15〜図17においては、縦の欄に抽選対象役を示し、横の欄に遊技状態を示す。また、遊技状態と抽選対象役とが交差する欄の○印は、当該遊技状態であるときの抽選対象役となる旨を示し、×印は、当該遊技状態であるときの抽選対象役とならない旨を示している。また、○印の下に示す数値は、所定の設定値の判定値数(本実施例では設定値に関わらず共通)を示す。当該判定値数を用いて内部抽選が行われる。尚、判定値数の分母は、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、例えば、判定値数として「300」が設定されている抽選対象役の当選確率は、300/65536となる。また、図15は、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される特別役の組合せを示し、図16及び図17は、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される小役の組合せを示し、図17は、抽選対象役として読み出される再遊技役の組合せを示している。
遊技状態がRT0であるときには、BB、BB+強チェリー、BB+弱チェリー、BB+スイカ、BB+共通ベル、RB、RB+弱チェリー、RB+スイカ、RB+共通ベル、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、強チェリー、弱チェリー、スイカ、共通ベル、リプレイGR11、リプレイGR12、リプレイGR13、リプレイGR21、リプレイGR22、リプレイGR23、リプレイGR24、リプレイGR25、リプレイGR26が内部抽選の対象役となる。遊技状態がRT1であるときには、BB、BB+強チェリー、BB+弱チェリー、BB+スイカ、BB+共通ベル、RB、RB+弱チェリー、RB+スイカ、RB+共通ベル、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、強チェリー、弱チェリー、スイカ、共通ベル、通常リプレイ、リプレイGR1、リプレイGR2、リプレイGR3、リプレイGR4、リプレイGR5、リプレイGR6が内部抽選の対象役となる。遊技状態がRT2であるときには、BB、BB+強チェリー、BB+弱チェリー、BB+スイカ、BB+共通ベル、RB、RB+弱チェリー、RB+スイカ、RB+共通ベル、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、強チェリー、弱チェリー、スイカ、共通ベル、通常リプレイが内部抽選の対象役となる。遊技状態がRT3であるときには、BB、BB+強チェリー、BB+弱チェリー、BB+スイカ、BB+共通ベル、RB、RB+弱チェリー、RB+スイカ、RB+共通ベル、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、強チェリー、弱チェリー、スイカ、共通ベル、通常リプレイが内部抽選の対象役となる。遊技状態がRT4であるときには、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、強チェリー、弱チェリー、スイカ、共通ベル、通常リプレイが内部抽選の対象役となる。遊技状態がRBであるときには、強チェリー、弱チェリー、スイカ、共通ベルが内部抽選の対象役となる。
左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、共通ベル、強チェリー、弱チェリー、スイカは、それぞれ図18に示す役または役の組合せである。尚、以下、特に区別する必要のない場合には、左ベル1〜4を単に左ベルと呼び、中ベル1〜4を単に中ベルと呼び、右ベル1〜4を単に右ベルと呼ぶ場合がある。また、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4をいずれも区別する必要のない場合には、単に押し順ベルと呼ぶ場合がある。
通常リプレイ、リプレイGR1〜6、リプレイGR11〜13、リプレイGR21〜26は、それぞれ図19に示す役の組合せである。
本実施例では、押し順ベルが当選している場合には、図20に示すように、押し順ベルの種類及び停止順に応じて停止する図柄の組合せが異なる。例えば、左ベル1(中段ベル+上段ベル1+上段ベル8)が当選し、左リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、中段ベルの組合せが入賞ラインLNに停止し、中リールを第1停止とする停止順または右リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、上段ベル1、上段ベル8の組合せまたは移行出目のいずれかが入賞ラインLNに停止する。左ベル2〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4についても、同様であり、図20に示すように、押し順ベルの種類及び停止順に応じて停止する図柄の組合せが異なる。
詳しくは、押し順ベルが当選し、第1停止として中段ベルが入賞することとなるリールの停止操作が行われた場合には、リールの中段にベルの図柄を停止させて、その後、残りのリールの停止操作が行われることで、残りのリールの中段にも「ベル」を停止させ、中段ベルの組合せを入賞ラインLNに揃える。
一方、押し順ベルが当選し、第1停止として中段ベルが入賞することとなるリール以外のリールの停止操作がされた場合には、第1停止リール及び第2停止リールにおいては、当選している上段ベルの構成図柄(左ベル1であれば、左リールにおいては「リプレイa」または「リプレイb」、中リールにおいては「チェリーa」、「チェリーb」または「プラム」、右リールにおいては「チェリーa」、「白7」、「BAR」または「プラム」)のいずれかを中段に停止させるとともに、2つのリールが停止した段階で、当選している上段ベルを入賞ラインLNに停止可能な状況(左ベル1であれば、「リプレイa−チェリーa/チェリーb−回転中」、「リプレイa−回転中−チェリーa/白7/BAR」、「リプレイb−プラム−回転中」、「リプレイb−回転中−プラム」)であり、当選している上段ベルの構成図柄を引込可能なタイミングで第3停止リールの停止操作がされた場合であれば、第3停止リールの中段に当選している上段ベルの構成図柄を停止させ、当選している上段ベルの組合せを入賞ラインLNに揃え、当選している上段ベルの構成図柄を引込可能なタイミング以外で第3停止リールの停止操作がされた場合であれば、第3停止リールの中段に「ベル」を停止させ、移行出目の組合せ(左ベル1であれば、「リプレイa−チェリーa/チェリーb−ベル」、「リプレイa−ベル−チェリーa/白7/BAR」、「リプレイb−プラム−ベル」、「リプレイb−ベル−プラム」)を入賞ラインLNに揃える。また、2つのリールが停止した段階で、当選している上段ベルを入賞ラインLに停止不可能な状況(左ベル1であれば、「リプレイb−チェリーa/チェリーb−回転中」、「リプレイb−回転中−チェリーa/白7/BAR」、「リプレイa−プラム−回転中」、「リプレイa−回転中−プラム」)であれば、第3停止リールの停止操作がされたタイミングに関わらず、第3停止リールの中段に「ベル」を停止させ、移行出目の組合せ(左ベル1であれば、「リプレイb−チェリーa/チェリーb−ベル」、「リプレイb−ベル−チェリーa/白7/BAR」、「リプレイa−プラム−ベル」、「リプレイa−ベル−プラム」)を入賞ラインLに揃える。また、移行出目が入賞ラインLNに揃うと、無効ラインLM1に「ベル−ベル−ベル以外」、「ベル−ベル以外−ベル」、「ベル以外−ベル−ベル」の組合せが揃う。
このため、押し順ベルの当選時には、押し順ベルの種類に応じた停止順で操作されたか否かによって払い出されるメダル数の期待値を変えることができる。すなわち押し順ベルのいずれかが当選しても、その種類が分からなければ意図的にその種類に応じた停止順を選択することはできず、停止順が一致すれば、中段ベルを確実に入賞させることにより確実にメダルを獲得できるものの、停止順が一致しなければ一定の割合でしかメダルを獲得することができない。また、特にRT0やRT2では、停止順が一致しない場合に移行出目が停止することから、停止順が一致しなければ一定の割合でRT1へ移行してしまうこととなる。尚、本実施例では、どの停止順で停止操作を行った場合にも均等な割合で中段ベルが入賞して8枚のメダルを獲得できるため、遊技者がどの停止順で停止操作を行っても、極端に不利となってしまうことを防止できる。
また、本実施例では、いずれの停止順で停止操作が行われた場合にも、移行出目が停止し得る構成であり、さらにいずれのタイミングで停止操作がされた場合にも、確実に移行出目を回避するタイミングが存在しない構成となっており、押し順ベルの種類が分からなければ、意図的に、移行出目の停止を回避することができないようになっている。
尚、本実施例では、押し順ベルの当選時に、中段ベルまたは上段ベルを入賞させることができる操作態様以外の操作態様で停止操作が行われた場合には、必ず移行出目を停止させる構成であるが、押し順ベルの当選時に、中段ベルまたは上段ベルを入賞させることができない操作態様で停止操作が行われた場合に、移行出目またははずれ目、すなわちいずれの入賞も発生しない図柄の組合せであり、かつ移行出目を構成する図柄の組合せでない図柄の組合せを停止させる構成であっても良い。
本実施例では、リプレイGR1〜6が当選している場合には、図21に示すように、その種類及び停止順に応じて停止する図柄の組合せが異なる。例えば、リプレイGR1(中段リプレイ+昇格リプレイ)が当選し、左中右の停止順で停止操作を行った場合には、昇格リプレイの組合せが入賞ラインLNに停止し、左中右以外の停止順で停止操作を行った場合には、中段リプレイの組合せが入賞ラインLNに停止する。リプレイGR2〜6についても、同様であり、図21に示すように、その種類及び停止順に応じて停止する図柄の組合せが異なる。このため、RT1においてリプレイGR1〜6当選時には、その種類に応じた停止順で操作されることで昇格リプレイが入賞するが、その種類が分からなければ意図的にその種類に応じた停止順を選択することはできず、停止順が一致すれば、昇格リプレイを入賞させることによりRT0へ移行させることができるものの、停止順が一致しなければRT1が維持されることとなる。尚、本実施例では、どの停止順で停止操作を行った場合にも均等な割合で昇格リプレイが入賞してRT0へ移行するため、遊技者がどの停止順で停止操作を行っても、極端に不利となってしまうことを防止できる。
本実施例では、リプレイGR11〜13が当選している場合には、図22に示すように、その種類及び停止順に応じて停止する図柄の組合せが異なる。例えば、リプレイGR11(特殊リプレイ+中段リプレイ+転落リプレイ)が当選し、左リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、特殊リプレイの組合せが入賞ラインLNに停止し、中リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、転落リプレイの組合せが入賞ラインLNに停止し、右リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、中段リプレイの組合せが入賞ラインLNに停止する。リプレイGR12、13についても、同様であり、図22に示すように、その種類及び停止順に応じて停止する図柄の組合せが異なる。このため、RT0においてリプレイGR11〜13当選時には、その種類に応じた停止順で操作されることで特殊リプレイが入賞するが、その種類が分からなければ意図的にその種類に応じた停止順を選択することはできず、停止順が一致すれば、特殊リプレイを入賞させることによりRT2へ移行させることができるものの、停止順が一致しなければ転落リプレイが入賞してRT1へ移行してしまうことがある。尚、本実施例では、どの停止順で停止操作を行った場合にも均等な割合で特殊リプレイが入賞してRT2へ移行するため、遊技者がどの停止順で停止操作を行っても、極端に不利となってしまうことを防止できる。
本実施例では、リプレイGR21〜23が当選している場合には、図22に示すように、その種類及び停止順に応じて停止する図柄の組合せが異なる。例えば、リプレイGR21(中段リプレイ+赤7揃いリプレイ+赤7取りこぼしリプレイ+転落リプレイ)が当選し、左リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、中段リプレイの組合せが入賞ラインLNに停止し、中リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、転落リプレイの組合せが入賞ラインLNに停止し、右リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、赤7揃いリプレイまたは赤7取りこぼしリプレイの組合せが入賞ラインLNに停止する。リプレイGR22、23についても、同様であり、図22に示すように、その種類及び停止順に応じて停止する図柄の組合せが異なる。このため、RT0においてリプレイGR21〜23当選時には、その種類に応じた停止順で操作されることで赤7揃いリプレイまたは赤7取りこぼしリプレイが入賞するが、その種類が分からなければ意図的にその種類に応じた停止順を選択することはできず、停止順が一致すれば、赤7揃いリプレイまたは赤7取りこぼしリプレイを入賞させることによりRT2へ移行させることができるものの、停止順が一致しなければ転落リプレイが入賞してRT1へ移行してしまうことがある。尚、本実施例では、どの停止順で停止操作を行った場合にも均等な割合で赤7揃いリプレイまたは赤7取りこぼしリプレイが入賞してRT2へ移行するため、遊技者がどの停止順で停止操作を行っても、極端に不利となってしまうことを防止できる。
本実施例では、リプレイGR24〜26が当選している場合には、図22に示すように、その種類及び停止順に応じて停止する図柄の組合せが異なる。例えば、リプレイGR24(中段リプレイ+青7揃いリプレイ+青7取りこぼしリプレイ+転落リプレイ)が当選し、左リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、中段リプレイの組合せが入賞ラインLNに停止し、中リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、転落リプレイの組合せが入賞ラインLNに停止し、右リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、青7揃いリプレイまたは青7取りこぼしリプレイの組合せが入賞ラインLNに停止する。リプレイGR25、26についても、同様であり、図22に示すように、その種類及び停止順に応じて停止する図柄の組合せが異なる。このため、RT0においてリプレイGR24〜26当選時には、その種類に応じた停止順で操作されることで青7揃いリプレイまたは青7取りこぼしリプレイが入賞するが、その種類が分からなければ意図的にその種類に応じた停止順を選択することはできず、停止順が一致すれば、青7揃いリプレイまたは青7取りこぼしリプレイを入賞させることによりRT2へ移行させることができるものの、停止順が一致しなければ転落リプレイが入賞してRT1へ移行してしまうこととなる。尚、本実施例では、どの停止順で停止操作を行った場合にも均等な割合で青7揃いリプレイまたは青7取りこぼしリプレイが入賞してRT2へ移行するため、遊技者がどの停止順で停止操作を行っても、極端に不利となってしまうことを防止できる。
本実施例では、図13及び図14に示すように、RT0〜4、ボーナス(RB、BB中のRB)のいずれかに制御される。RT0は、RT1において昇格リプレイの入賞により移行する。そして、RT0は、RT0に移行してからのゲーム数に関わらず、転落リプレイの入賞または移行出目の停止によりRT1に移行するか、赤7揃いリプレイ、青7揃いリプレイ、赤7取りこぼしリプレイ、青7取りこぼしリプレイ、特殊リプレイのいずれかの入賞によりRT2に移行するか、特別役が当選してRT4に移行することで終了する。1ゲームあたりのメダルの払出率は、ナビ報知に従った停止順で停止操作が行われることで100%を超える一方で、ナビ報知が実行されないことで100%以下となる。RT1は、RT0、RT2、RT3において転落リプレイの入賞または移行出目の停止により移行する。そして、RT1は、RT1に移行してからのゲーム数に関わらず、昇格リプレイの入賞によりRT0に移行するか、特別役の当選によりRT4に移行することで終了する。1ゲームあたりのメダルの払出率は100%以下となる。RT2は、RT0において赤7揃いリプレイ、青7揃いリプレイ、赤7取りこぼしリプレイ、青7取りこぼしリプレイ、特殊リプレイのいずれかの入賞により移行する。そして、RT2は、RT2に移行してからのゲーム数に関わらず、移行出目の停止によりRT1に移行するか、特別役の当選によりRT4に移行することで終了する。1ゲームあたりのメダルの払出率は、ナビ報知に従った停止順で停止操作が行われることで100%を超える一方で、ナビ報知が実行されないことで100%以下となる。RT3は、ボーナス(BB、RB)の終了時に移行する。そして、RT3は、RT3に移行してからのゲーム数に関わらず、移行出目の停止によりRT1に移行するか、特別役の当選によりRT4に移行することで終了する。1ゲームあたりのメダルの払出率は100%以下となる。RT4は、RT0〜3において特別役(BB、RB)の当選により移行する。そして、RT4は、RT4に移行してからのゲーム数に関わらず、RT4に移行する契機となった特別役が入賞してボーナス(BBまたはRB)に移行することで終了する。1ゲームあたりのメダルの払出率は、ナビ報知に従った停止順で停止操作が行われる場合も、ナビ報知が実行されない場合も、100%以下となる。RBは、RT4においてRBの入賞により移行する。そして、RBは、12ゲームが消化されるか、6回入賞されることで終了する。1ゲームあたりのメダルの払出率は100%以上となる。BBは、RT4においてBBの入賞により移行する。そして、BBは、BBに移行してからのゲーム数に関わらず、BBに払い出されたメダルの総数が規定数(本実施例では、316枚)を超えることで終了する。1ゲームあたりのメダルの払出率は100%を超える。
RT0〜4、RB、BB(RB)のうち、RB及びBBが1ゲームあたりのメダルの払出率がもっとも高く、最も有利な遊技状態である。また、RT0〜4のうちRT0、2、4は、再遊技役の当選確率が高確率となり、1ゲームあたりのメダルの払出率がRT1、3に比較して高い点、特にRT0は、RT2へ移行可能となる点において、RT1、3よりも遊技者にとって有利な状態といえる。また、RT0、2、4のうちRT2は、1ゲームあたりのメダルの払出率がRT0、4に比較して高い点において、RT0、4よりも遊技者にとって有利な状態といえる。
また、本実施例におけるスロットマシンでは、遊技状態がRT0〜2であるときに、メイン制御部41により、内部抽選結果に応じて遊技者にとって有利となる停止順を報知するナビ報知を実行可能な報知期間となるアシストタイム(以下、ATという)に制御可能となっている。
メイン制御部41は、ATに制御している場合には、遊技状態に応じた報知対象役に当選することにより、ナビ報知を実行するとともに、サブ制御部91に対して押し順コマンドを送信することで、サブ制御部91によるナビ演出を実行させる。遊技状態に応じた報知対象役とは、RT1であるときにはリプレイGR1〜6、押し順ベルであり、RT0であるときにはリプレイGR11〜13、リプレイGR21〜26、押し順ベルであり、RT2であるときには押し順ベルである。また、本実施例においてメイン制御部41は、ATにもARTにも制御していない通常状態(RT1かつ非ATの状態)であっても、一定の条件を満たすことにより、ナビ報知を実行し、ナビ演出を実行させることが可能である。本実施例のナビ報知は、遊技補助表示器12の点灯態様を変化させることにより遊技者にとって有利な停止順を識別可能に報知する。ナビ報知の態様については後に詳述する。
本実施例のナビ演出は、ナビ報知により報知された遊技者にとって有利な停止順を、液晶表示器51からのナビ画像の表示と、スピーカ53、54からのナビ音声の出力とによって報知する。例えば、左中右の停止順を報知する場合には、「123」(左リールが第1停止、中リールが第2停止、右リールが第3停止であることを示す)といったストップスイッチ8L、8C、8Rの停止順を示す停止順画像を表示する。また、ナビ音声として、例えば、「左中右!」(左リールが第1停止、中リールが第2停止、右リールが第3停止であることを示す)といったストップスイッチの停止順を示す音声を出力する。また、左リールを第1停止とする停止順を報知する場合には、「1−−」(左リールが第1停止であることを示す)といったストップスイッチ8L、8C、8Rの停止順を示す停止順画像を表示する。また、ナビ音声としては、例えば、「左!」(左リールが第1停止であることを示す)(左リールが第1停止であることを示す)といったストップスイッチの停止順を示す音声を出力する。また、特に、RT2においてリプレイGR21〜26が当選し、赤7揃いリプレイ、赤7取りこぼしリプレイまたは青7揃いリプレイ、青7取りこぼしリプレイが入賞する停止順を報知する場合には、上述の停止順画像に加え、各リールに赤7及び青7を狙ったタイミングでの停止操作を促す画像も表示され、そのタイミングでの停止操作が促されるようになっている。尚、ナビ演出の態様は、このような態様に限らず、遊技者が当選状況に応じて区別可能な態様であればどのようなものであっても良い。また、ナビ演出は、液晶表示器51、スピーカ53、54を用いたものに限らず、演出効果LED52、リールLED55等を用いて実行するものであっても良い。
ナビ報知及びナビ演出では、RT1においてリプレイGR1〜6のいずれかが当選したときには、昇格リプレイが入賞する停止順を識別可能に報知する。また、RT0においてリプレイGR11〜13のいずれかが当選したときには、中段リプレイまたは特殊リプレイが入賞する停止順を識別可能に報知する。また、RT0においてリプレイGR21〜23のいずれかが当選したときには、中段リプレイまたは赤7揃いリプレイ、赤7取りこぼしリプレイが入賞する停止順を識別可能に報知する。また、RT0においてリプレイGR24〜26のいずれかが当選したときには、中段リプレイまたは青7揃いリプレイ、青7取りこぼしリプレイが入賞する停止順を識別可能に報知する。
以上のように、ナビ報知及びナビ演出では、遊技者にとって有利となる停止順が識別可能に報知される。このため、遊技者は、ナビ演出に従った停止順で停止操作を行うことにより、意図的にRT1において昇格リプレイを入賞させてRT0へ移行させること、中段ベルを入賞させることができ、RT0において特殊リプレイ、赤7揃いリプレイ、赤7取りこぼしリプレイ、青7揃いリプレイ、青7取りこぼしリプレイを入賞させてRT2へ移行させること、転落リプレイの入賞を回避すること、中段ベルを入賞させること、移行出目の停止を回避することができ、RT2において中段ベルを入賞させること、移行出目の停止を回避することができる。
本実施例においてメイン制御部41は、抽選条件が成立した場合(本実施例では、強チェリー、弱チェリー、スイカ、共通ベルの当選)にART(RT2でATに制御される状態)に制御するか否かを決定するART抽選を行う。ART抽選では、ARTに制御するARTゲーム数及びARTを開始させる役の種類(赤7揃いリプレイ、赤7取りこぼしリプレイ、青7揃いリプレイ、青7取りこぼしリプレイ)を決定する。本実施例のART抽選では、ARTゲーム数として30〜300ゲームを抽選により決定し、ARTゲーム数として100ゲーム未満が決定された場合には、ARTを開始させる役として赤7揃いリプレイ及び赤7取りこぼしリプレイを選択する一方で、ARTゲーム数として100ゲーム以上が決定された場合には、赤7揃いリプレイ及び赤7取りこぼしリプレイまたは青7揃いリプレイ及び青7取りこぼしリプレイの一方を抽選により選択するようになっている。
そして、メイン制御部41は、ART抽選に当選し、前兆期間が終了することでARTに制御する。
ARTに制御する場合には、まずATに制御する。ATの制御を開始した後、RT2へ移行するまでの状態を準備状態とも呼ぶ。メイン制御部41は、準備状態において、対象役の当選時にナビ報知を実行する。この際、RT1においては、リプレイGR1〜6の当選時にナビ報知の対象となり、リプレイGR1〜6の当選時に昇格リプレイを入賞させる停止順がナビ報知により報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより昇格リプレイを入賞させてRT1からRT0に移行させることが可能となる。また、準備状態に移行後は、RT0〜2のどの遊技状態であっても押し順ベルの当選時には中段ベルを入賞させる停止順が報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより、確実に8枚のメダルを獲得することが可能となる。
RT1において昇格リプレイが入賞し、RT0に移行した後は、リプレイGR11〜13当選時及びリプレイGR21〜26当選時にナビ報知の対象となり、リプレイGR11〜13の当選時に中段リプレイを入賞させる停止順がナビ報知により報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより中段リプレイを入賞させてRT0を維持することが可能となる。また、ARTを開始させる役の種類として赤7揃いリプレイ及び赤7取りこぼしリプレイが選択されている場合には、リプレイGR21〜23の当選時に赤7揃いリプレイまたは赤7取りこぼしリプレイを入賞させる停止順がナビ報知により報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより赤7揃いリプレイまたは赤7取りこぼしリプレイを入賞させてRT0からRT2に移行させることが可能となるとともに、リプレイGR24〜26の当選時に中段リプレイを入賞させる停止順がナビ報知により報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより中段リプレイを入賞させてRT0を維持することが可能となる。一方、ARTを開始させる役の種類として青7揃いリプレイ及び青7取りこぼしリプレイが選択されている場合には、リプレイGR24〜26の当選時に青7揃いリプレイまたは青7取りこぼしリプレイを入賞させる停止順がナビ報知により報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより青7揃いリプレイまたは青7取りこぼしリプレイを入賞させてRT0からRT2に移行させることが可能となるとともに、リプレイGR21〜23の当選時に中段リプレイを入賞させる停止順がナビ報知により報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより中段リプレイを入賞させてRT0を維持することが可能となる。また、前述のように押し順ベルの当選時には中段ベルを入賞させる停止順がナビ報知により報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより、確実に8枚のメダルを獲得することが可能となるとともに、移行出目の停止を回避し、RT1へ移行してしまうことを回避できる。
RT0において赤7揃いリプレイ、赤7取りこぼしリプレイまたは青7揃いリプレイ、青7取りこぼしリプレイが入賞し、RT2に移行した場合には、前述のように押し順ベルの当選時には中段ベルを入賞させる停止順がナビ報知により報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより、確実に8枚のメダルを獲得することが可能となるとともに、移行出目の停止を回避し、RT1へ移行してしまうことを回避できる。
メイン制御部41は、RT2において赤7揃いリプレイ、赤7取りこぼしリプレイまたは青7揃いリプレイ、青7取りこぼしリプレイが入賞することで準備状態を終了し、ARTの制御を開始する。これに伴いメイン制御部41は、ART抽選で当選したゲーム数を、RAM91cに割り当てられたARTの残りゲーム数として設定し、ARTの残りゲーム数の計数を開始する。ART開始後は、押し順ベルの当選時に中段ベルを入賞させる停止順が報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより、確実に8枚のメダルを獲得することが可能となるとともに、移行出目の停止を回避し、RT1へ移行してしまうことを回避できる。
また、ART中においては、抽選条件が成立した場合にARTのゲーム数を上乗せするか否かを決定する上乗せ抽選を行う。そして、上乗せ抽選に当選した場合には、ARTのゲーム数を決定するARTゲーム数抽選を行い、ARTゲーム数抽選で当選したゲーム数を、RAM91cに割り当てられたARTの残りゲーム数に加算する。また、ARTの開始後、1ゲーム消化する毎に残りゲーム数が1減算されるとともに、残りゲーム数が0となる前に特別役が当選した場合にはRT2の終了によりARTを中断し、これに伴いARTのゲーム数の計数も中断する。ART中以外で特別役が当選したときには、その後、特別役が入賞するまでの期間において押し順ベルの当選時にナビ報知が行われることはないが、ART中に特別役が当選したときには、特別役が入賞するまで押し順ベルの当選時に中段ベルを入賞させる停止順がナビ報知により報知されるようになっている。この際、ナビ報知がされても特別役が入賞されるまでの期間における1ゲームあたりのメダルの払出率は100%を超えないようになっている。尚、ART中に特別役が当選したときに、特別役の当選が告知されるまでのゲーム数、または特別役の当選が告知されるのに要するゲーム数が経過するまでは、押し順ベルの当選時に中段ベルを入賞させる停止順がナビ報知により報知される一方で、特別役の当選が告知されるまでのゲーム数、または特別役の当選が告知されるのに要するゲーム数が経過した後は押し順ベルの当選時に中段ベルの当選時にナビ報知が行われないようにしても良い。この場合には、ナビ報知がされることで特別役が入賞されるまでの期間における1ゲームあたりのメダルの払出率が100%を超える構成であっても良い。
ART中に特別役が当選し、ARTが中断した場合には、その後、当選した特別役の入賞を経て対応するボーナスに制御し、当該ボーナス終了後に移行するRT3において移行出目が停止してRT1に移行した時点でATの制御を再開し、これに伴い準備状態を経てRT2に再度移行することでARTを再開し、ARTの残りゲーム数の計数も再開する。
ART中にARTが当選してARTが中断した場合に、ARTを再開させる場合の準備状態は、ART抽選の当選に伴ってARTの制御を開始する場合の準備状態とは異なり、RT0においてリプレイGR11〜13の当選時に特殊リプレイを入賞させる停止順がナビ報知により報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより特殊リプレイを入賞させてRT0からRT2に移行させることが可能となるとともに、リプレイGR21〜26の当選時に中段リプレイを入賞させる停止順がナビ報知により報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより中段リプレイを入賞させてRT0を維持することが可能となる。
また、メイン制御部41は、ART中の押し順ベルの当選時に、中段ベルが入賞する停止順をナビ報知により報知するようになっており、報知された停止順を無視して停止操作を行った場合には、上段ベルが入賞してRT2が維持される場合もあるが、移行出目が停止してRT1へ移行してしまう場合もある。ART中に、RT2からRT1に転落した場合には、ARTは継続され、1ゲーム消化する毎にARTの残りゲーム数を1減算させつつ、準備状態と同様に、RT1におけるリプレイGR1〜6の当選時に昇格リプレイを入賞させる停止順をナビ報知により報知し、報知された停止順に従って停止操作が行われることにより昇格リプレイを入賞させてRT1からRT0に移行させることが可能である。RT0に移行後は、リプレイGR21〜26の当選時に、中段リプレイを入賞させる停止順をナビ報知により報知し、報知された停止順に従って停止操作が行われることにより中段リプレイを入賞させてRT0を維持させることが可能であり、リプレイGR11〜13の当選時に、特殊リプレイを入賞させる停止順をナビ報知により報知し、報知された停止順に従って停止操作が行われることにより特殊リプレイを入賞させてRT0からRT2に移行させることが可能である。
また、ARTの開始後、残りゲーム数が0となった場合には、ATの制御を終了する。これに伴いナビ報知が実行されなくなるので、押し順ベルの当選時に移行出目の停止を回避することが不可能となり、移行出目の停止によりRT1に移行することで一連のAT及びARTの制御が終了することとなる。
本実施例においてメイン制御部41は、内部抽選においてナビ報知の対象となる報知対象役(押し順ベル、リプレイGR1〜6、リプレイGR11〜13、リプレイGR21〜26)が当選した場合に、ナビ報知が行われる状態(AT中、または非AT中でナビ報知が行われる場合)であれば、当選した報知対象役の種類も遊技者にとって有利な停止順も特定可能な第1の内部当選コマンドを送信し、ナビ報知が行われない状態(非AT中でナビ報知が行われない場合)であれば、当選した報知対象役の種類は特定可能であるが遊技者にとって有利な停止順は特定不能な第2の内部当選コマンドを送信する。
尚、メイン制御部41は、内部抽選においてナビ報知の対象とならない非報知対象役(BB、BB+強チェリー、BB+弱チェリー、BB+スイカ、BB+共通ベル、RB、RB+強チェリー、RB+弱チェリー、RB+スイカ、RB+共通ベル、強チェリー、弱チェリー、スイカ、共通ベル、通常リプレイ)が当選した場合には、遊技者にとって有利な停止順が変動するものではなく、ナビ報知が行われる状態か否かに関わらず、当選役の種類が特定可能な第2の内部当選コマンドを送信する。
ここで、当選した報知対象役の種類も遊技者にとって有利な停止順も特定可能な第1の内部当選コマンドとは、例えば、当選した報知対象役の種類が押し順ベルの場合には、押し順ベルが当選したこと、有利な停止順、すなわち移行出目の停止を回避し、かつ中段ベルが入賞する停止順が左リールを第1停止とする停止順であるか、中リールを第1停止とする停止順であるか、右リールを第1停止とする停止順であるか、を特定可能なコマンドであり、具体的には、押し順ベルの種類(左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4)を特定可能なコマンドなどが該当する。また、当選した報知対象役の種類がリプレイGR1〜6の場合には、リプレイGR1〜6のいずれかが当選したこと、有利な停止順、すなわち昇格リプレイが入賞する停止順が、左中右の停止順であるか、左右中の停止順であるか、中左右の停止順であるか、中右左の停止順であるか、右左中の停止順であるか、右中左の停止順であるか、を特定可能なコマンドであり、具体的には、リプレイGR1〜6のいずれの当選であるかを特定可能なコマンドなどが該当する。また、当選した報知対象役の種類がリプレイGR11〜13の場合には、リプレイGR11〜13のいずれかが当選したこと、有利な停止順、すなわち転落リプレイの入賞を回避し、かつ特殊リプレイまたは中段リプレイが入賞する停止順が左リールを第1停止とする停止順であるか、中リールを第1停止とする停止順であるか、右リールを第1停止とする停止順であるか、を特定可能なコマンドであり、具体的には、リプレイGR11〜13のいずれの当選であるかを特定可能なコマンドなどが該当する。また、当選した報知対象役の種類がリプレイGR21〜26の場合には、リプレイGR21〜26のいずれかが当選したこと、有利な停止順、すなわち転落リプレイの入賞を回避し、かつ赤7揃いリプレイ、赤7取りこぼしリプレイ、青7揃いリプレイ、青7取りこぼしリプレイまたは中段リプレイが入賞する停止順が左リールを第1停止とする停止順であるか、中リールを第1停止とする停止順であるか、右リールを第1停止とする停止順であるか、を特定可能なコマンドであり、具体的には、リプレイGR21〜26のいずれの当選であるかを特定可能なコマンドなどが該当する。
また、当選した報知対象役の種類は特定可能であるが遊技者にとって有利な停止順は特定不能な第2の内部当選コマンドとは、例えば、当選した報知対象役の種類が押し順ベルの場合には、押し順ベルが当選したことを特定可能であるが、有利な停止順を特定不能なコマンドであり、具体的には、押し順ベルの当選のみ特定可能で、その種類(左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4)は特定不能なコマンドなどが該当する。また、当選した報知対象役の種類がリプレイGR1〜6の場合には、リプレイGR1〜6のいずれかが当選したことを特定可能であるが、有利な停止順を特定不能なコマンドであり、具体的には、リプレイGR1〜6のいずれかが当選したことのみ特定可能で、リプレイGR1〜6のいずれの当選であるかは特定不能なコマンドなどが該当する。また、当選した報知対象役の種類がリプレイGR11〜13の場合には、リプレイGR11〜13のいずれかが当選したことを特定可能であるが、有利な停止順を特定不能なコマンドであり、具体的には、リプレイGR11〜13のいずれかが当選したことのみ特定可能で、リプレイGR11〜13のいずれの当選であるかは特定不能なコマンドなどが該当する。また、当選した報知対象役の種類がリプレイGR21〜26の場合には、リプレイGR21〜26のいずれかが当選したことを特定可能であるが、有利な停止順を特定不能なコマンドであり、具体的には、リプレイGR21〜26のいずれかが当選したことのみ特定可能で、リプレイGR21〜26のいずれの当選であるかは特定不能なコマンドなどが該当する。
このように、内部抽選において報知対象役(押し順ベル、リプレイGR1〜6、リプレイGR11〜13、リプレイGR21〜26)が当選した場合に、ナビ報知が行われる状態(AT中、または非AT中でナビ報知が行われる場合)であれば、当選した報知対象役の種類も遊技者にとって有利な停止順も特定可能な第1の内部当選コマンドが送信され、ナビ報知が行われない状態(非AT中でナビ報知が行われない場合)であれば、当選した報知対象役の種類は特定可能であるが遊技者にとって有利な停止順は特定不能な第2の内部当選コマンドが送信されるため、サブ制御部91は、報知対象役が当選し、ナビ報知が行われる状態であれば、第1の内部当選コマンドから特定される有利な停止順を識別可能なナビ演出を実行することが可能となり、報知対象役が当選し、ナビ報知が行われない状態であれば、第1の内部当選コマンドから特定される報知対象役の種類に応じて、特定の種類の報知対象役が当選した可能性を示唆する演出を実行することが可能となる。
次に、メイン制御部41が遊技の進行制御等に用いる時間間隔を計測するためのタイマカウンタについて、図23〜図25に基づいて説明する。
メイン制御部41は、計時開始条件が成立したときに、RAM41cに割り当てられたタイマカウンタのタイマ値として計時時間に応じた初期値を設定するとともに、タイマ割込処理(メイン)において定期的にタイマ値を減算し、タイマ値が0となることで計時時間が経過したことを特定するようになっている。
詳しくは、メイン制御部41は、メイン処理において計時開始条件が成立したときに、当該条件に応じたタイマカウンタが割り当てられた領域に計時時間に応じたタイマ値の初期値を設定する。設定されたタイマ値は、タイマ割込処理(メイン)の時間カウンタ更新処理において、約2.24ms毎に0となるまで1ずつ減算される。
そして、メイン処理では、図23に示すように、該当するタイマカウンタのアドレスを取得し(Sf1)、取得した値を読み出し(Sf2)、読み出した値が0でないか否かを判定し(Sf3)、読み出した値が0であると判定した場合に、計時時間が経過したことを特定する。
本実施例において用いるタイマカウンタは、図24に示すように、初期値が1バイト以下の1バイトタイマA、1バイトタイマB、1バイトタイマC、初期値が1バイトを超え、2バイト以下の2バイトタイマA、2バイトタイマB、2バイトタイマC、2バイトタイマDを含む。
1バイトタイマは、1バイト以内のタイマ値にて計測可能な比較的短い期間を計測するためのタイマであり、例えば、外部出力信号の出力期間を計測する外部出力信号タイマ、LEDの出力更新期間を計測するLED更新タイマ、停止操作の検出後、再度の停止操作が有効化されるまでの期間を計測する停止無効タイマ、リール停止後、メダルの払出が開始するまでの期間を計測する払出待ちタイマ、投入メダルセンサ31のONが検出されてからの期間を計測する投入検出タイマ、投入口センサ26のONが検出されてからの期間を計測する投入口検出タイマ、払出センサ34cのONが検出されてからの期間を計測する払出検出タイマ、リール回転開始後、停止操作が有効となるまでの期間を計測する始動時タイマなどがある。このうち停止無効タイマ、払出待ちタイマ、始動時タイマは、これらのタイマによる計測期間が1遊技の終了するタイミングを跨ぐことはないが、外部出力信号タイマ、LED更新タイマ、投入検出タイマ、投入口検出タイマ、払出検出タイマは、これらのタイマによる計測時間が1遊技の終了するタイミングを跨ぐことがある。
2バイトタイマは、1バイト以内のタイマ値では計測できない比較的長い期間を計測するためのタイマであり、例えば、1遊技に必要な規定時間(約4.1秒)を計測する1遊技時間タイマ、外部出力信号のうちセキュリティ信号の最低出力期間を計測するセキュリティ信号タイマ、遊技終了からの期間を計測する待機時間タイマ、ホッパーモータ34bの駆動後、払出センサ34cが検出されない期間を計測するホッパーエンプティタイマなどがある。このうち待機時間タイマ、ホッパーエンプティタイマは、これらのタイマによる計測期間が1遊技の終了するタイミングを跨ぐことはないが、1遊技時間タイマ、セキュリティ信号タイマは、これらのタイマによる計測時間が1遊技の終了するタイミングを跨ぐことがある。
このようにタイマカウンタは、1遊技の終了するタイミング、すなわち遊技の進行に応じてRAM41cの一部が初期化されるタイミング(1遊技の終了時または特定の遊技状態の終了時においてRAM41cの一部が初期化されるタイミング)を跨ぐ計測期間を計測するタイマカウンタと、遊技の進行に応じてRAM41cの一部が初期化されるタイミングを跨ぐことのないタイマカウンタと、を含むが、いずれのタイマカウンタも遊技の進行に応じたタイミングでは初期化されることのない特別ワークに割り当てられている。
これらタイマカウンタのうち1バイトタイマA〜Cは、RAM41cの連続する3バイトの領域(804CH〜804EH)に1バイトずつ割り当てられており、2バイトタイマA〜Dは、RAM41cの連続する8バイトの領域(804FH〜8055h)に2バイトずつ割り当てられている。さらに、1バイトタイマA〜C、2バイトタイマA〜DもRAM41cの連続する領域に割り当てられている。以下では、1バイトタイマA〜Cが割り当てられた領域を1バイトタイマ群と呼び、2バイトタイマA〜Dが割り当てられた領域を2バイトタイマ群と呼ぶ。すなわち1バイトタイマ群及び2バイトタイマ群はいずれも、所定の規則で連続するアドレスが割り当てられた領域に設定されている。尚、所定の規則で連続するアドレスが割り当てられる領域とは、例えば、開始アドレス及び開始アドレスからN(Nは自然数)ずつ加算されるアドレスが割り当てられる領域である。
図25は、時間カウンタ更新処理の制御内容を示すフローチャートである。
時間カウンタ更新処理では、まず、1バイト用処理回数として、更新すべき1バイトのタイマカウンタの数(本実施例では3)をセットし(Sg1)、1バイトタイマ群の先頭アドレス(804CH)にポインタをセットする(Sg2)。
次いで、指定アドレス(ポインタが示すアドレス)に格納された1バイトの値が0でなければ指定アドレスの1バイトの値を1減算し(Sg3)、Sg1のステップで設定した処理回数を1減算し(Sg4)、減算後の処理回数が0か否かを判定する(Sg5)。
Sg5のステップで減算後の処理回数が0でない場合、すなわち全ての1バイトタイマの更新が終了していない場合には、ポインタを1加算し(Sg6)、Sg3のステップに戻る。これにより、未処理の1バイトタイマのアドレスにポインタが移動し、指定アドレスの1バイトの値が0でなければ減算される。
Sg5のステップで減算後の処理回数が0の場合、すなわち全ての1バイトタイマの更新が終了した場合には、2バイト用処理回数として、更新すべき2バイトのタイマカウンタの数(本実施例では4)をセットし(Sg7)、ポインタを1加算する(Sg8)。これにより、2バイトカウンタ群の先頭アドレス(804FH)にポインタが移動する。
次いで、指定アドレス(ポインタが示すアドレス)及び次のアドレスからなる領域に格納された2バイトの値が0でなければ指定アドレス及び次のアドレスの2バイトの値を1減算し(Sg9)、Sg7のステップで設定した処理回数を1減算し(Sg10)、減算後の処理回数が0か否かを判定する(Sg11)。
Sg11のステップで減算後の処理回数が0でない場合、すなわち全ての2バイトタイマの更新が終了していない場合には、ポインタを2加算し(Sg12)、Sg9のステップに戻る。これにより、未処理の2バイトタイマのアドレスにポインタが移動し、指定アドレス及び次のアドレスの2バイトの値が0でなければ減算される。
Sg11のステップで減算後の処理回数が0の場合、すなわち全ての2バイトタイマの更新が終了した場合には、処理を終了する。
このように本実施例では、RAM41cに割り当てられたタイマカウンタの値を定期的に更新し、特定の値(0)となることで時間の経過を特定するようになっている。従来は、複数種類の時間間隔を計測する場合に、計時を要する複数種類の処理内で、タイマ値の設定及び更新を行っており、複数種類のタイマ値を更新するためのプログラムをそれぞれの処理内に設ける必要があるため、プログラム容量が増大する要因となっていた。また、複数種類のタイマカウンタは、それぞれが用いられる処理毎のデータ群として割り当てられているため、一の処理においてまとめて更新するためには、それぞれの関連性のないアドレスの値を読み出す必要があった。
これに対して本実施例では、複数種類のタイマカウンタ値が格納される領域がRAM41cの所定の規則で連続するアドレスが割り当てられた領域に設定されるとともに、指定アドレスに格納されたタイマ値を更新する処理を、現在の指定アドレスに対して定数を加算することで複数種類のタイマカウンタ値が格納された領域に対する指定アドレスを変更しながら繰り返し実行することにより複数種類のタイマ値を更新するので、複数種類のアドレスをそれぞれ指定して当該アドレスの値を更新する処理を個々の処理で行う場合よりもプログラム容量を削減することができる。
尚、指定アドレスに格納されたタイマ値を更新する処理を、所定の演算を行うことで複数種類のタイマカウンタ値が格納された領域に対する指定アドレスを変更しながら繰り返し実行することにより複数種類のタイマ値を更新する構成であれば良く、例えば、現在の指定アドレスに対して定数を加算することで複数種類のタイマカウンタ値が格納された領域に対する指定アドレスを変更しながら繰り返し実行することにより複数種類のタイマ値を更新する構成でも良いし、基準アドレスに対して処理数に応じた値(例えば、1バイトカウンタであれば、処理数1の場合に+1、処理数2の場合に+2、処理数3の場合に+3…)を加算または減算することで複数種類のタイマカウンタ値が格納された領域に対する指定アドレスを変更しながら繰り返し実行することにより複数種類のタイマ値を更新する構成でも良い。
また、本実施例では、1バイトタイマA〜C、2バイトタイマA〜Dの7種類のタイマカウンタの値を備える構成であるが、少なくとも2種類以上のタイマカウンタの値をRAM41cの所定の規則で連続するアドレスが割り当てられた領域に設定し、指定アドレスに格納されたタイマ値を更新する処理を、所定の演算を行うことで複数種類のタイマ値が格納された領域に対する指定アドレスを変更しながら繰り返し実行することにより2種類以上のタイマ値を更新する構成であれば、上記のようにプログラム容量を削減することができる。
また、1バイトタイマまたは2バイトタイマの一方のみ、タイマカウンタの値をRAM41cの所定の規則で連続するアドレスが割り当てられた領域に設定し、指定アドレスに格納されたタイマ値を更新する処理を、所定の演算を行うことで複数種類のタイマ値が格納された領域に対する指定アドレスを変更しながら繰り返し実行することにより複数種類のタイマ値を更新する構成でも良い。
また、メイン制御部41が備える一部のタイマカウンタのみ、タイマ値をRAM41cの所定の規則で連続するアドレスが割り当てられた領域に設定し、指定アドレスに格納されたタイマ値を更新する処理を、所定の演算を行うことで複数種類のタイマ値が格納された領域に対する指定アドレスを変更しながら繰り返し実行することにより複数種類のタイマ値を更新する構成でも良い。
また、本実施例では、計測する期間の種類毎に別個のタイマカウンタを備える構成であるが、例えば、計測する期間が重複しない複数種類の期間について一のタイマカウンタを共用する構成としても良い。
また、本実施例では、メイン制御部41が実行する処理として、遊技の進行状況に関わらず予め定められた処理を定期的に行うタイマ割込処理(メイン)と、遊技の進行状況に応じて段階的に異なる処理を行うメイン処理と、を含み、メイン制御部41は、メイン処理において計時条件が成立した場合にタイマカウンタに初期値を設定し、タイマ割込処理(メイン)において複数種類のタイマ値を更新するようになっており、メイン処理を構成する各処理内に複数種類のタイマ値を更新する処理を設ける必要がないため、複数種類のタイマ値の更新に係るプログラム容量を削減することができる。
尚、本実施例では、メイン処理に定期的に割り込んでタイマ割込処理(メイン)を実行する構成であるが、定期的に行うタイマ割込処理内で、遊技の進行状況に関わらず予め定められた処理を行う定期処理と、遊技の進行状況に応じて段階的に異なる処理を行うメイン処理と、の双方を行う構成としても良く、このような構成においても、メイン制御部41は、メイン処理において計時条件が成立した場合にタイマカウンタに初期値を設定し、定期処理において複数種類のタイマ値を更新する構成とすることで、メイン処理を構成する各処理内に複数種類のタイマ値を更新する処理を設ける必要がないため、複数種類のタイマ値の更新に係るプログラム容量を削減することができる。
また、本実施例では、時間カウンタ更新処理において、指定アドレスの値が0でないことを条件に当該アドレスの値を更新するようになっており、タイマ値が異常な値に更新されてしまうことを防止できる。
また、本実施例では、時間カウンタ更新処理において、更新するタイマカウンタの数と同数の処理数を設定し、設定した処理数分、タイマ値を更新する処理を繰り返し実行する構成であるため、更新するタイマカウンタの数の管理が容易になるとともに、例えば、更新間隔が異なる複数種類のタイマカウンタを備える場合などに、設定する処理数に応じて更新するタイマ値の種類を任意に設定することができる。
尚、処理数、すなわち更新するタイマカウンタの数は、プログラムに設定されていても良いし、テーブルに設定された値を読み出して設定するようにしても良い。
また、最初に処理数を設定することなく、最後に更新するタイマカウンタを予め設定するとともに、当該タイマカウンタのアドレスに到達するまでタイマ値を更新する処理を繰り返し実行する構成としたり、最後に更新するタイマカウンタの次のアドレスに特定のエンド値(例えば、FFh)を格納し、指定アドレスから読み出された値が特定のエンド値となるまでタイマ値を更新する処理を繰り返し実行する構成としても良い。
また、本実施例では、1バイトのタイマカウンタと、2バイトのタイマカウンタと、を備え、1バイトのタイマ値を更新する処理と、2バイトのタイマ値を更新する処理と、を別個に備えるため、1バイトのタイマ値を更新する処理と、2バイトのタイマ値を更新する処理と、を共通化する場合よりもプログラムの容量やRAM41cにおいてタイマ値が占有する容量を削減することができる。
尚、本実施例では、2バイトのタイマカウンタを備えることで1バイトを超える初期値に対応する相対的に長い時間を計測する構成であるが、例えば、更新間隔が異なるタイマカウンタ、例えば、タイマ割込処理(メイン)4回に1回更新する第1のタイマカウンタと、14回に1回更新する第2のタイマカウンタと、を備えることにより、2バイトのカウンタを設けることなく、相対的に長い時間間隔を計測する構成としても良く、このようにすることで、1バイトのタイマ値を更新する処理と、2バイトのタイマ値を更新する処理と、それぞれ設ける必要がなくなるため、タイマ値の更新に係るプログラム容量を削減できる。
また、本実施例では、複数種類のタイマカウンタがRAM41cにおいて遊技の進行に応じて初期化されることのない特別ワークに割り当てられており、遊技の進行に応じて初期化されることがないため、遊技の進行状況に関わらず、遊技の進行に応じてRAM41cの一部が初期化されるタイミングを跨ぐ期間の時間を計測することができる。
特に、本実施例では、計測期間が1遊技の終了するタイミング、すなわち遊技の進行に応じてRAM41cの一部が初期化されるタイミングを跨ぐことのあるタイマカウンタだけでなく、計測期間が遊技の進行に応じてRAM41cの一部が初期化されるタイミングを跨ぐことのないタイマカウンタについても他のタイマカウンタとともに特別ワークに割り当てられた領域に格納されているため、タイマカウンタの管理が容易になるとともに、計測期間が遊技の進行に応じてRAM41cの一部が初期化されるタイミングを跨ぐことのないタイマカウンタを、計測期間が遊技の進行に応じてRAM41cの一部が初期化されるタイミングを跨ぐことのあるタイマカウンタに変更する等、後の設計変更等によりタイマカウンタの用途を容易に変更することができる。また、上記のように計測する期間が重複しない複数種類の期間について一のタイマカウンタを共用する構成であれば、遊技の進行に応じてRAM41cの一部が初期化されるタイミングを跨ぐことのある計測期間と、遊技の進行に応じてRAM41cの一部が初期化されるタイミングを跨ぐことのない計測期間と、を一のタイマカウンタにて計測することが可能となる。
本実施例では、前述のように一部の役を除いて遊技者が認識しやすい指標となる図柄の組合せ(以下、指標図柄の組合せと呼ぶ)が定められている。具体的には、上段ベル1〜8の指標図柄の組合せは、無効ラインLM1に揃う「ベル−ベル−ベル」の組合せであり、指標図柄は「ベル」である。また、中段ベルの指標図柄の組合せは、入賞ラインLNに揃う「ベル−ベル−ベル」の組合せであり、指標図柄は「ベル」である。また、右下がりベルの指標図柄の組合せは、無効ラインLM3に揃う「ベル−ベル−ベル」の組合せであり、指標図柄は「ベル」である。また、中段スイカの指標図柄の組合せは、入賞ラインLNに揃う「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せであり、指標図柄は「スイカ」である。また、右下がりスイカの指標図柄の組合せは、無効ラインLM3に揃う「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せであり、指標図柄は「スイカ」である。また、中段チェリーの指標図柄の組合せは、入賞ラインLNに揃う「チェリーa−any−any(anyはいずれの図柄でも可)」の組合せであり、指標図柄は「チェリーa」である。また、角チェリーの指標図柄の組合せは、無効ラインLM1及びLM3またはLM2及びLM4に揃う「チェリーa−any−any」の組合せであり、指標図柄は「チェリーa」である。また、中段リプレイの指標図柄の組合せは、入賞ラインLNに揃う「リプレイa−リプレイa−リプレイa」または「リプレイb−リプレイa−リプレイa」の組合せであり、指標図柄は「リプレイa」である。また、右上がりリプレイの指標図柄の組合せは、無効ラインLM4に揃う「リプレイa−リプレイa−リプレイa」または「リプレイb−リプレイa−リプレイa」の組合せであり、指標図柄は「リプレイa」である。また、赤7揃いリプレイの指標図柄の組合せは、無効ラインLM2に揃う「赤7−赤7−赤7」の組合せであり、指標図柄は「赤7」である。また、青7揃いリプレイの指標図柄の組合せは、無効ラインLM4に揃う「青7−青7−青7」の組合せであり、指標図柄は「青7」である。
また、本実施例では、内部抽選結果に対応する指標図柄が定められている。具体的には、左ベル1〜4、共通ベルに対応する指標図柄は、左ベル1〜4、共通ベルの当選時に入賞ラインLNまたは無効ラインLM1〜LM4のいずれかに揃い得る指標図柄の組合せである「ベル−ベル−ベル」の組合せを構成する「ベル」である。また、強チェリー、弱チェリーに対応する指標図柄は、強チェリー、弱チェリーの当選時に入賞ラインLNまたは無効ラインLM1〜LM4のいずれかに揃い得る指標図柄の組合せである「チェリーa−any−any」の組合せを構成する「チェリーa」である。また、スイカに対応する指標図柄は、スイカの当選時に入賞ラインLNまたは無効ラインLM1〜LM4のいずれかに揃い得る指標図柄の組合せである「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せを構成する「スイカ」である。また、通常リプレイに対応する指標図柄は、通常リプレイ当選時に入賞ラインLNまたは無効ラインLM1〜LM4のいずれかに揃い得る指標図柄の組合せである「リプレイa−リプレイa−リプレイa」または「リプレイb−リプレイa−リプレイa」の組合せを構成する「リプレイa」である。
本実施例では、サブ制御部91は、スタート操作が行われてゲームが開始されたときに、内部抽選により当選した可能性がある小役、再遊技役、または特別役を、液晶表示器51、サブ液晶表示器56の表示態様で示唆する当選示唆演出を実行可能である。以下、図26〜図37に基づいて当選示唆演出について説明する。
サブ制御部91は、スタートスイッチ7の操作が行われたときに、メイン制御部41から受信した内部当選コマンドに基づいて特定した内部抽選の結果、すなわち、小役、再遊技役、または特別役が当選したか否かに基づいて、当選示唆演出を実行するか否か及び当選示唆演出を実行する場合の表示パターンを決定する当選示唆演出抽選を行う。そして、当選示唆演出抽選により当選示唆演出を実行する旨が決定された場合に、液晶表示器51、サブ液晶表示器56を表示パターンに応じた表示態様で表示させることで、当選した可能性がある小役、再遊技役、または特別役を示唆する。
当選示唆演出の表示パターンは、特別役(RB、BB)が当選した可能性を示唆する特別役表示パターンとして、表示パターンA1〜A3、B1〜B3、C1、D1、E1を含むとともに、内部抽選により小役、再遊技役が当選した可能性を示唆する小役表示パターンとして、表示パターンF1〜F10、G1〜G6、H1、J1、K1〜K2、L1〜L2、M1、N1〜N2、P1〜P2、Q1〜Q2、R1〜R2、S1を含んでおり、当選示唆演出抽選では、内部抽選の結果に応じた種類の表示パターンを対象として抽選を行うようになっており、後述するように、特別役が当選したか否かに応じた割合で特別役表示パターンを選択する抽選を行うとともに、小役または再遊技役が当選しているか否かに応じた割合で小役表示パターンを選択する抽選を行う。尚、サブ制御部91は、当選示唆演出抽選にて特別役表示パターン及び小役表示パターンが共に当選した場合には、特別役表示パターンを用いて当選示唆演出を実行するが、当選示唆演出抽選にて特別役表示パターン及び小役表示パターンが共に当選した場合には、小役表示パターンを用いて当選示唆演出を実行するようにしても良い。
また、当選示唆演出抽選では、特別役表示パターンを抽選対象とする抽選と、小役表示パターンを抽選対象とする抽選を行うようになっており、特別役表示パターンを抽選対象とする場合においては、特別役が当選しているときには、全ての特別役表示パターンを抽選対象とする一方で、特別役が当選していないときには、特別役表示パターンのうち表示パターンA2、A3、B2、B3、D1、E1を抽選対象とし、小役表示パターンを抽選対象とする場合においては、特別役が当選しているときには、全ての小役表示パターンを抽選対象とし、特別役が当選しておらず小役または再遊技役が当選しているときには、当選している小役または再遊技役を報知対象として含む表示パターンを抽選対象とする一方で、特別役が当選しておらずいずれの小役及び再遊技役も当選していないときに、すなわちはずれのときには、表示パターンG1を抽選対象とするようになっている。
図26(a)に示すように、特別役表示パターンである表示パターンA1〜A3は、液晶表示器51(以下、メイン表示器と呼ぶ場合がある)を用いる表示パターンであり、表示パターンA1では、RBまたはBBが当選した旨を示唆する確定画像(「Win」の文字)をメイン表示器に表示させ、表示パターンA2では、RBまたはBBが当選した可能性が高い旨を示唆する高確画像(「大チャンス!」の文字)をメイン表示器に表示させ、表示パターンA3では、RBまたはBBが当選した可能性が僅かにある旨を示唆する低確画像(「チャンス?」の文字)をメイン表示器に表示させる。
また、表示パターンB1〜B3は、サブ液晶表示器56(以下、サブ表示器と呼ぶ場合がある)を用いる表示パターンであり、表示パターンB1では、RBまたはBBが当選した旨を示唆する確定キャラクタの画像(図26(b)参照)をサブ表示器に表示させ、表示パターンB2では、RBまたはBBが当選した可能性が高い旨を示すチャンス・キャラクタの画像(図26(c)参照)をサブ表示器に表示させ、表示パターンB3では、RBまたはBBが当選した可能性が僅かにある旨を示す通常キャラクタの画像(図26(d)参照)をサブ表示器に表示させる。
また、表示パターンC1、D1、E1は、メイン表示器及びサブ表示器を用いる表示パターンであり、表示パターンC1では、メイン表示器にRBまたはBBが当選した旨を示唆す確定画像を表示させるとともに、サブ表示器に確定キャラクタの画像を表示させ、表示パターンD1では、メイン表示器にRBまたはBBが当選した可能性が高い旨を示す高確画像を表示させるとともに、サブ表示器にチャンス・キャラクタの画像を表示させ、表示パターンE1では、メイン表示器にRBまたはBBが当選した可能性が僅かにある旨を示す低確画像を表示させるとともに、サブ表示器に通常キャラクタの画像を表示させる。
図27(a)に示すように、当選示唆演出抽選では、RBまたはBBが当選しているか否かに応じて、メイン表示器を用いる当選示唆演出が当選する割合、すなわち表示パターンA1〜A3のいずれかが当選する割合、サブ表示器を用いる当選示唆演出が当選する割合、すなわち表示パターンB1〜B3のいずれかが当選する割合、メイン表示器及びサブ表示器を用いる当選示唆演出が当選する割合、すなわち表示パターンC1、D1、E1のいずれかが当選する割合が定められ、各割合は、図27(b)及び(c)に示す関係を満たすように設定されている。詳しくは、図27(b)に示すように、メイン表示器を単独で用いる当選示唆演出がBBまたはRBの当選時に当選する割合(a)は、BB及びRBの非当選時に当選する割合(d)よりも高く、サブ表示器を単独で用いる当選示唆演出がBBまたはRBの当選時に当選する割合(b)は、BB及びRBの非当選時に当選する割合(e)よりも高く、メイン表示器及びサブ表示器の双方を用いる当選示唆演出がBBまたはRBの当選時に当選する割合(c)は、BB及びRBの非当選時に当選する割合(f)よりも高く設定されており、図27(c)に示すように、メイン表示器を単独で用いる当選示唆演出がBBまたはRBの当選時に当選する割合(a)とメイン表示器を単独で用いる当選示唆演出がBB及びRBの非当選時に当選する割合(d)との合算割合に占める前者の割合(a/(a+d))よりも、サブ表示器を単独で用いる当選示唆演出がBBまたはRBの当選時に当選する割合(b)とサブ表示器を単独で用いる当選示唆演出がBB及びRBの非当選時に当選する割合(e)との合算割合に占める前者の割合(b/(b+e))の方が高く、サブ表示器を単独で用いる当選示唆演出がBBまたはRBの当選時に当選する割合(b)とサブ表示器を単独で用いる当選示唆演出がBB及びRBの非当選時に当選する割合(e)との合算割合に占める前者の割合(b/(b+e))よりもメイン表示器及びサブ表示器双方を用いる当選示唆演出がBBまたはRBの当選時に当選する割合(c)とメイン表示器及びサブ表示器双方を用いる当選示唆演出がBB及びRBの非当選時に当選する割合(f)との合算割合に占める前者の割合(c/(c+f))の方が高くなるように設定されている。このため、メイン表示器及び/またはサブ表示器を用いて当選示唆演出が実行されることで、当選示唆演出が実行されない場合よりもRBまたはBBが当選している期待度が高まるようになっている。また、サブ表示器を単独で用いる当選示唆演出が実行される場合には、メイン表示器を単独で用いる当選示唆演出が実行される場合に比較してRBまたはBBが当選している期待度が高く、メイン表示器及びサブ表示器を用いる当選示唆演出が実行される場合には、メイン表示器を単独で用いる当選示唆演出が実行される場合及びサブ表示器を単独で用いる当選示唆演出が実行される場合に比較してRBまたはBBが当選している期待度が高くなるようになっている。
また、本実施例では、メイン表示器を単独で用いる当選示唆演出が当選する割合がサブ表示器を単独で用いる当選示唆演出が当選する割合よりも低く、一方で、図27(c)に示すように、特別役の当選時にメイン表示器を単独で用いる当選示唆演出が当選する比率よりも、特別役の当選時にサブ表示器を単独で用いる当選示唆演出が当選する比率の方が高く設定されており、サブ表示器を単独で用いる当選示唆演出が実行される割合は、メイン表示器を単独で用いる当選示唆演出が実行される割合よりも低いが、サブ表示器を単独で用いる当選示唆演出が実行された場合には、メイン表示器を単独で用いる当選示唆演出が実行された場合よりもRBまたはBBが当選している期待度が高くなるようになっている。
図28〜図30に示すように、小役表示パターンは、報知対象となる役に対応する指標図柄を、メイン表示器及びサブ表示器の一方または両方に表示させることで、指標図柄に対応する役が当選した可能性を示唆する表示パターンでる。
表示パターンF1〜F10は、メイン表示器を用いる表示パターンであり、例えば、表示パターンF1では、一般役(共通ベル、左ベル、スイカ、強チェリー、弱チェリー、通常リプレイ)及び特別役(RB、BB)が報知対象であり、一般役または特別役のいずれかが当選した可能性を示唆する一般役示唆画像(例えば、「小役?」の文字等)をメイン表示器に表示させる。また、表示パターンF2では、共通ベル、左ベル及び特別役が報知対象であり、共通ベル、左ベルに対応する指標図柄(「ベル」の図柄)をメイン表示器に表示させる。表示パターンF3〜F10についても同様に、報知対象としてスイカ、強チェリー、弱チェリー、通常リプレイに対応する指標図柄(スイカでは「スイカ」の図柄、強チェリー及び弱チェリーでは「チェリーa」の図柄、通常リプレイでは「リプレイa」の図柄)をメイン表示器に表示させて、該当する役が当選した可能性を示唆する。
表示パターンG1〜G6は、サブ表示器を用いる表示パターンであり、例えば、表示パターンG1では、一般役(共通ベル、左ベル、スイカ、強チェリー、弱チェリー、通常リプレイ)、特別役(RB、BB)、はずれが報知対象であり、一般役のいずれかが当選した可能性がある旨を示唆する白色の画像(白ナビ)をサブ表示器に表示させる。また、表示パターンG2では、共通ベル、左ベル及び特別役が報知対象であり、共通ベル、左ベルのいずれかが当選した可能性を示唆する黄色の画像(黄ナビ)をサブ表示器に表示させる。表示パターンG3〜G6についても同様に、報知対象の役が当選した可能性を示唆する色の画像(スイカは緑色の画像を表示する緑ナビ、強チェリー及び弱チェリーは赤色の画像を表示する赤ナビ、通常リプレイは青色の画像を表示する青ナビ、スイカまたは強チェリー、弱チェリーは紫色の画像を表示する紫ナビ)をサブ表示器に表示させて、該当する役が当選した可能性を示唆する。
表示パターンJ1、K1〜K2、L1〜L2、M1、N1〜N2、P1〜P2、Q1〜Q2、R1〜R2、S1は、メイン表示器及びサブ表示器を用いる表示パターンであり、例えば、表示パターンJ1では、共通ベル、左ベル及び特別役が報知対象であり、「ベル」の図柄をメイン表示器に表示させるとともに、黄ナビをサブ表示器に表示させる。また、例えば、表示パターンP1では、強チェリー、弱チェリー及び特別役が報知対象であり、報知対象に対応する「チェリー」の図柄と、その他の小役に対応する「ベル」の図柄とをメイン表示器に表示させるとともに、赤ナビをサブ表示器に表示させる。また、表示パターンK1〜K2、L1〜L2、M1、N1〜N2、P2、Q1〜Q2、R1〜R2、S1についても同様に、報知対象の役のうち一般役の1種類または2種類に対応する図柄をメイン表示器に表示させるとともに、報知対象の役が当選した可能性を示唆する色ナビをサブ表示器に表示させて、該当する役が当選した可能性を示唆する。
図31(a)に示すように、当選示唆演出抽選では、スイカ、強チェリー、弱チェリーが当選しているか否か、またはベル、リプレイが当選しているか否かに応じて、メイン表示器を用いる当選示唆演出が当選する割合、すなわち表示パターンF1〜F10のいずれかが当選する割合、サブ表示器を用いる当選示唆演出が当選する割合、すなわち表示パターンG1〜G6のいずれかが当選する割合、メイン表示器及びサブ表示器を用いる当選示唆演出が当選する割合、すなわち表示パターンJ1、K1〜K2、L1〜L2、M1、N1〜N2、P1〜P2、Q1〜Q2、R1〜R2、S1のいずれかが当選する割合が定められ、各割合は、図31(b)及び(c)に示す関係を満たすように設定されている。詳しくは、図31(b)に示すように、メイン表示器を単独で用いる当選示唆演出が小役または再遊技役の当選時に当選する割合(A+D)は、小役及び再遊技役の非当選時に当選する割合(G)よりも高く、サブ表示器を単独で用いる当選示唆演出が小役または再遊技役の当選時に当選する割合(B+E)は、小役及び再遊技役の非当選時に当選する割合(H)よりも高く、メイン表示器及びサブ表示器の双方を用いる当選示唆演出が小役または再遊技役の当選時に当選する割合(C+F)は、小役及び再遊技役の非当選時に当選する割合(J)よりも高く設定されており、図31(c)に示すように、メイン表示器を単独で用いる当選示唆演出が小役または再遊技役の当選時に当選する割合(A+D)に占めるメイン表示器を単独で用いる当選示唆演出がスイカ、強チェリーまたは弱チェリーの当選時に当選する割合(A/(A+D))よりも、サブ表示器を単独で用いる当選示唆演出が小役または再遊技役の当選時に当選する割合(B+E)に占めるサブ表示器を単独で用いる当選示唆演出がスイカ、強チェリーまたは弱チェリーの当選時に当選する割合(B/(B+E))の方が高く、サブ表示器を単独で用いる当選示唆演出が小役または再遊技役の当選時に当選する割合(B+E)に占めるサブ表示器を単独で用いる当選示唆演出がスイカ、強チェリーまたは弱チェリーの当選時に当選する割合(B/(B+E))よりもメイン表示器及びサブ表示器の双方を用いる当選示唆演出が小役または再遊技役の当選時に当選する割合(C+F)に占めるメイン表示器及びサブ表示器双方を用いる当選示唆演出がスイカ、強チェリーまたは弱チェリーの当選時に当選する割合(C/(C+F))の方が高くなるように設定されている。このため、メイン表示器及び/またはサブ表示器を用いて当選示唆演出が実行されることで、当選示唆演出が実行されない場合よりもいずれかの役が当選している期待度が高まるようになっている。また、サブ表示器を単独で用いる当選示唆演出が実行される場合には、メイン表示器を単独で用いる当選示唆演出が実行される場合に比較して特別役(RB、BB)と同時当選する比率が相対的に高いスイカ、強チェリー、弱チェリーが当選している期待度が高く、メイン表示器及びサブ表示器を用いる当選示唆演出が実行される場合には、メイン表示器を単独で用いる当選示唆演出が実行される場合及びサブ表示器を単独で用いる当選示唆演出が実行される場合に比較して特別役(RB、BB)と同時当選する比率が相対的に高いスイカ、強チェリー、弱チェリーが当選している期待度が高くなるようになっている。
また、本実施例では、メイン表示器を単独で用いる当選示唆演出が当選する割合がサブ表示器を単独で用いる当選示唆演出が当選する割合よりも低く、一方で、図31(c)に示すように、特別役(RB、BB)と同時当選する比率が相対的に高いスイカ、強チェリー、弱チェリーの当選時にメイン表示器を単独で用いる当選示唆演出が当選する比率よりも、特別役(RB、BB)と同時当選する比率が相対的に高いスイカ、強チェリー、弱チェリーの当選時にサブ表示器を単独で用いる当選示唆演出が当選する比率の方が高く設定されており、サブ表示器を単独で用いる当選示唆演出が実行される割合は、メイン表示器を単独で用いる当選示唆演出が実行される割合よりも低いが、サブ表示器を単独で用いる当選示唆演出が実行された場合には、メイン表示器を単独で用いる当選示唆演出が実行された場合よりも特別役(RB、BB)と同時当選する比率が相対的に高いスイカ、強チェリー、弱チェリーが当選している期待度が高くなるようになっている。
次いで、サブ制御部91が実行する当選示唆演出におけるメイン表示器及びサブ表示器の表示態様について図32〜37に基づいて説明する。
本実施例のメイン制御部41は、規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作されたときに、内部抽選を行い、内部抽選の結果を特定可能な内部抽選コマンドをサブ制御部91に対して送信する。これに対して、サブ制御部91は、内部当選コマンドに基づいて特定される内部抽選の結果に応じて当選示唆演出抽選を行い、当選した表示パターンに応じた表示態様でメイン表示器及びサブ表示器を表示させる。
具体的には、図32に示すように、スタート操作が行われたときに、当選示唆演出抽選により、表示パターンA1〜A3、F1〜F10が当選した場合には、図32(a)に示すように、メイン表示器である液晶表示器51に当選した表示パターンに応じた画像を表示させ、後述する所定の条件が成立するまで当該表示を継続させる。また、表示パターンB1〜B3、G1〜G6が当選した場合には、図32(b)に示すように、サブ表示器である液晶表示器56に当選した表示パターンに応じた画像を表示させ、表示パターンC1、D1、E1、J1、K1〜K2、L1〜L2、M1、N1〜N2、P1〜P2、Q1〜Q2、R1〜R2、S1が当選した場合には、図32(c)に示すように、液晶表示器51及びサブ液晶表示器56の双方に当選した表示パターンに応じた画像を同時に表示させて、表示パターンA1〜A3、F1〜F10が当選した場合と同様に、後述する所定の条件が成立するまで当該表示を継続させる。
また、図33に示すように、内部当選コマンドに基づいて特別役が当選していることが特定され、当選示唆演出抽選に当選した場合には、サブ制御部91は、特別役表示パターンによる当選示唆演出を実行する。そして、例えば、特別役表示パターンとして表示パターンC1が選択された場合には、図33(b)に示すように、メイン表示器である液晶表示器51にRBまたはBBが当選した旨を示唆する確定画像が表示されるとともに、サブ表示器であるサブ液晶表示器56に確定キャラクタの画像が表示される。また、図34に示すように、内部当選コマンドに基づいて特別役が当選していないことが特定される場合であっても、当選示唆演出抽選に当選した場合には、サブ制御部91は、特別役表示パターンによる当選示唆演出を実行する。そして、例えば、特別役表示パターンとして表示パターンD1が選択された場合には、図34(b)に示すように、メイン表示器にRBまたはBBが当選した可能性を示唆する高確画像が表示されるとともに、サブ表示器であるサブ液晶表示器56にチャンス・キャラクタの画像が表示される。また、図示しないが、表示パターンE1が選択された場合には、メイン表示器にRBまたはBBが当選した可能性を示唆する低確画像が表示されるとともに、サブ表示器に通常キャラクタが表示される。
このように、メイン表示器及びサブ表示器の双方を用いる表示パターンC1、D1、E1では、メイン表示器とサブ表示器とに同じ意味合いを示す画像が表示するようになっており、一方の表示器での表示内容と他方の表示器での表示内容とが整合するようになっている。また、図26(a)に示すように、一方の表示器での表示内容と他方の表示器での表示内容とが整合しないパターンは、当選示唆演出抽選にて当選し得る特別役表示パターンとして設定されておらず、図33(c)に示すように、一方の表示器においてRBまたはBBの当選が確定した旨の表示が行われているときに、他方の表示器においてRBまたはBBの当選の可能性を示唆する表示が行われることや、図34(c)に示すように、一方の表示器においてRBまたはBBの当選した可能性が比較的高い旨の表示が行われているときに、他方の表示器においてRBまたはBBの当選した可能性が僅かである旨の表示が行われてしまうことが制限されるようになっている。
また、図35に示すように、サブ制御部91は、当選示唆演出抽選で小役表示パターンが当選した場合には、小役表示パターンによる当選示唆演出を実行する。図33(b)に示すように、例えば、内部抽選にてスイカが当選し、小役表示パターンとして表示パターンK1が選択された場合には、メイン表示器にスイカに対応する指標図柄(「スイカ」の図柄)が表示されるとともに、サブ表示器に緑ナビが表示される。このように、メイン表示器及びサブ表示器の双方を用いて小役または再遊技役のうちのいずれか1種類の役について当選した可能性を示唆する表示パターンJ1、K1〜K2、L1〜L2、M1、E1では、メイン表示器とサブ表示器とに同じ種類の役を示唆する画像が表示するようになっており、一方の表示器での表示内容と他方の表示器での表示内容とが整合するようになっている。また、図29に示すように、一方の表示器での表示内容が他方の表示器での表示内容と整合しないパターンは、当選示唆演出抽選にて当選し得る小役表示パターンとして設定されておらず、例えば、図35(c)に示すように、一方の表示器において特定の役が当選した可能性を示す旨の表示が行われているときに、他方の表示器において当該特定の役以外の役が当選した可能性やはずれの可能性を示す表示(白ナビ)が行われてしまうことが制限されるようになっている。
また、図36に示すように、当選示唆演出抽選に当選し、一方の表示器で2種類の小役または再遊技役のいずれかを示唆する表示パターンとして、例えば、表示パターンQ1が選択された場合には、図36(b)に示すように、メイン表示器にリプレイまたはスイカが当選した可能性を示唆する画像(「スイカ」の図柄及び「リプレイa」の図柄)が表示されるとともに、サブ表示器であるサブ液晶表示器56に緑ナビが表示される。このように、メイン表示器及びサブ表示器の双方を用いて小役または再遊技役のうちの2種類の役のいずれかについて当選した可能性を示唆する表示パターンN1〜N2、P1〜P2、Q1〜Q2、R1〜R2、S1では、小役または再遊技役のうちのいずれか2種類の役に対応する指標図柄をメイン表示器に表示させるのに対して、メイン表示器で示唆している役のうち、遊技者にとってより有利な役を報知対象として含む色ナビをサブ表示器に表示するようになっており、メイン表示器での表示内容の価値に対してサブ表示器での表示内容の価値が低下してしまうことがないようになっている。また、図30に示すように、メイン表示器での表示内容の価値に対してサブ表示器での表示内容の価値が低下してしまうパターン、すなわち、サブ表示部に色ナビが表示されることで、メイン表示器で示唆している役のうち遊技者にとってより有利な役が当選している可能性が否定されてしまうようなパターンは、当選示唆演出抽選にて当選し得る小役表示パターンとして設定されておらず、例えば、図36(c)に示すように、メイン表示器に「スイカ」の図柄及び「リプレイa」の図柄が表示されているときに、サブ表示器に青ナビが表示されて、スイカが当選した可能性が否定されてしまうことが回避されるようになっている。
また、本実施例の当選示唆演出の小役表示パターンでは、報知対象としてRB、BBを含んでおり、サブ制御部91は、RB、BBが当選している場合には、当選していない小役及び再遊技役を報知対象として含む小役表示パターンで当選示唆演出を実行することがある。このような場合には、リール2L、2C、2Rの停止操作が行われて、リール2L、2C、2Rに図柄が停止されても、当選示唆演出により示唆されている小役及び再遊技役を構成する図柄がリール2L、2C、2Rに停止されないものの、当選示唆演出により示唆されている小役及び再遊技役とリール2L、2C、2Rに停止された図柄とが一致しないことで、RB、BBが当選していることが当選示唆演出により示唆されることとなる。
例えば、図37に示すように、特別役が当選しており、通常リプレイが当選した場合であって、当選示唆演出抽選で表示パターンとして通常リプレイを報知対象として含まない表示パターンK1が選択された場合には、図37(b)に示すように、メイン表示器に「スイカ」の図柄が表示されるとともに、サブ表示器に緑ナビが表示される。この状況で、停止操作が行われることで、通常リプレイに対応する中段リプレイが入賞して、メイン表示器及びサブ表示器により示唆されたスイカに対応する中段スイカも斜め下がりスイカも入賞しない。このように、当選示唆演出によりスイカが当選した可能性が示唆されているにも関わらず、示唆されていない通常リプレイが入賞することとで、RB、BBが当選していることが当選示唆演出により示唆される。尚、当選示唆演出の小役表示パターンによりRB、BBが当選していることを示唆する場合であっても、当選示唆演出抽選にて当選し得る小役表示パターンとして、一方の表示器での表示内容が他方の表示器での表示内容とが整合しないパターンを設定しないことで、例えば、図37(c)に示すように、一方の表示器において特定の役が当選した可能性を示す旨の表示が行われているときに、他方の表示器において当該特定の役以外の役が当選した可能性を示す表示(青ナビ)が行われることを制限するようになっている。これにより、スタート操作が行われ、当選示唆演出が開始されたときには、一方の表示器にて実際の当選役と異なる役を報知することでRB、BBが当選していることを示唆する場合に、他方の表示器にて実際の当選役を報知することがないようにすることで、ゲームが進行されてリール2L、2C、2Rが停止されたときに、RB、BBが当選していることを示唆することができる。
このように、本実施例のサブ制御部91は、表示装置として液晶表示器51及びサブ液晶表示器56を備えており、これら複数の表示装置により、内部抽選により特別役、小役、再遊技役のいずれかが当選した可能性、すなわち遊技者にとって有利な状況を示唆することが可能な構成である。このような構成においては、一方の表示装置により示唆される内容に対して、他方の表示装置により示唆される内容によっては、一方の表示装置による演出の興趣が損なわれてしまう虞がある。
これに対して、本実施例のスロットマシン1は、メイン表示器としての液晶表示器51及びサブ表示器としてのサブ液晶表示器56を備えるとともに、サブ制御部91は、メイン表示器及びサブ表示器を用いて特別役に当選した可能性、小役または当選した可能性を示唆する当選示唆演出を実行可能な構成であって、メイン表示器を複数の表示態様で表示可能であり、メイン表示器をいずれかの表示態様で表示させるときに、当該メイン表示器での表示態様に応じてサブ表示器で表示される表示態様を制限するので、サブ表示器での表示態様によって、メイン表示器での表示態様による興趣が損なわれてしまうことを防止できる。
尚、本実施例では、遊技機としてのスロットマシン1がメイン表示器及びサブ表示器を備え、メイン表示器及びサブ表示器を用いて特別役に当選した可能性、小役または当選した可能性を示唆する当選示唆演出を実行可能な構成であるが、遊技機は、スロットマシン1に限らず、遊技球を用いるパチンコ遊技機であっても良い。パチンコ遊技機では、メイン表示器及びサブ表示器を備え、図柄の変動表示が開始されてから停止されるまでに、大当りが当選した可能性を示唆する表示態様でメイン表示器及びサブ表示器を表示させる構成において、メイン表示器をいずれかの表示態様で表示させるときに、当該メイン表示器での表示態様に応じてサブ表示器で表示される表示態様を制限することで、サブ表示器での表示態様によって、メイン表示器での表示態様による興趣が損なわれてしまうことを防止できる。
また、本実施例では、サブ制御部91は、メイン表示器、サブ表示器として画像表示器である液晶表示器51、サブ液晶表示器56を備える構成であるが、メイン表示器、サブ表示器は、画像表示器以外の表示装置であっても良く、表示装置として、例えば、光を入射することで表示態様を変化させることが可能な導光板、点灯、点滅、発光色の変化等により表示態様を変化させることが可能な発光手段等を用いることができる。
また、本実施例では、メイン表示器及びサブ表示器として液晶表示器を用いることで、双方の表示器が複数の態様のいずれかで表示可能な構成であるが、少なくともメイン表示器が複数の態様のいずれかで表示可能であれば、サブ表示器は、単一の態様で表示可能な構成でも良いし、複数の態様のいずれかで表示可能な構成でも良い。
また、本実施例では、サブ制御部91は、遊技者にとって有利な特典として特別役に当選した可能性を示唆する当選示唆演出を実行可能な構成であるが、遊技者にとって有利な特典としては、遊技者にとって有利な有利状態へ移行させることが可能となる権利(有利状態を発生するか否かを決定する抽選に当選すること、有利状態へ移行する入賞が許容されることなど)、遊技者にとって有利な操作態様が報知される権利、遊技用価値が付与される期待値が高い遊技状態に制御される権利、現在の遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態か否かが報知される権利、有利状態に制御される期間(固定ゲーム数、終了条件によって変動するゲーム数の平均値等)など、遊技者にとって直接的な有利な特典であっても良いし、遊技者にとって直接的に有利ではないが、例えば、インターネット上で特典を得るための条件となる等、遊技者にとって間接的に有利な特典であっても良い。
本実施例のサブ制御部91は、メイン表示器及びサブ表示器を特別役が当選した可能性を示唆する表示態様で表示させることで、特別役が当選した可能性を示唆する当選示唆演出を実行可能な構成であって、メイン表示器の表示態様として、特別役が当選した旨を示唆する確定画像と、特別役が当選した可能性が高い旨を示唆する高確画像と、特別役が当選した可能性が僅かにある旨を示唆する低確画像と、を表示可能であるとともに、サブ表示器の表示態様として、特別役が当選した旨を示す確定キャラクタの画像を表示可能であり、当選示唆演出の表示パターンとして、メイン表示器に確定画像を表示させるとともにサブ表示器に確定キャラクタの画像を表示させる表示パターンを設定する一方で、メイン表示器に高確画像または低確画像を表示させるとともにサブ表示器に確定キャラクタの画像を表示させる表示パターンを設定しないことで、メイン表示器に確定画像を表示させるときに、サブ表示器に確定キャラクタの画像が表示されることを制限するので、メイン表示器に確定画像が表示されているときに、サブ表示器に確定キャラクタ以外のキャラクタの画像が表示されてしまい、メイン表示器での確定画像の意味が不明確となることを回避できる。
本実施例のスロットマシン1は、表示装置としてメイン表示器及びサブ表示器を備え、表示装置により、サブ制御部91は、内部抽選により当選した可能性がある小役、再遊技役、特別役、すなわち遊技者にとって有利な状況を示唆する構成である。このような構成においては、一方の表示装置により示唆される内容に対して、他方の表示装置により示唆される内容によって、一方の表示装置により示唆される有利な度合に対して、他方の表示装置により示唆される有利な度合が低くなってしまうことがある。これに対して、本実施例のサブ制御部91は、メイン表示器に確定画像を表示させるときに、サブ表示器に確定キャラクタの画像が表示されることを制限するので、一方の表示器により示唆される有利な度合に対して他方の表示器により示唆される有利な度合が低くなってしまうことを防止できる。
また、本実施例のサブ制御部91は、当選示唆演出の表示パターンに従ってメイン表示器及びサブ表示器を複数の表示態様で表示させることが可能な構成であり、表示パターンとして、メイン表示器に確定画像、高確画像、低確画像のいずれかを表示させる表示パターンA1〜A3を含み、当該表示パターンA1〜A3では、サブ表示器をいずれの表示態様でも表示させないので、メイン表示器に表示される特定の表示態様として確定画像、高確画像、低確画像が表示されているときに、サブ表示器で興趣が損なわれるような表示が行われることを防止できる。
また、本実施例のサブ制御部91は、当選示唆演出の表示パターンに従ってメイン表示器及びサブ表示器を複数の表示態様で表示させることが可能な構成であり、当選示唆演出の表示パターンとして、メイン表示器に確定画像を表示させるとともにサブ表示器に確定キャラクタを表示させる表示パターンC1と、メイン表示器に高確画像を表示させるとともにサブ表示器にチャンス・キャラクタを表示させる表示パターンD1と、メイン表示器に低確画像を表示させるとともにサブ表示器に通常キャラクタを表示させる表示パターンE1と、を含んでおり、メイン表示器に確定画像、高確画像、低確画像のいずれかの表示態様を表示させるときに、当該メイン表示器の表示態様に応じた表示態様、すなわちメイン表示器の表示態様による興趣が損なわれることのない表示態様をサブ表示器に表示させるので、メイン表示器での表示が実行されるときに、メイン表示器の表示態様による興趣が損なわれるような表示態様でサブ表示器の表示が実行されることを防止できる。
また、本実施例のサブ制御部91は、スタート操作が行われたときに、特別役が当選した可能性を示唆する当選示唆演出を実行するか否かを決定する当選示唆演出抽選を行い、当選示唆演出抽選では、特別役当選時にメイン表示器及びサブ表示器の双方を用いて当選示唆演出を実行する比率が、特別役非当選時にメイン表示器を単独で用いて当選示唆演出を実行する比率及び特別役非当選時にサブ表示器を単独で用いて当選示唆演出を実行する比率よりも高いので、メイン表示器及びサブ表示器の双方を用いて当選示唆演出が実行されるときに、特別役が当選した可能性の期待度が高くなり、当選示唆演出によるメイン表示器及びサブ表示器の双方に着目させることができる。
また、本実施例のサブ制御部91は、スタート操作が行われたときに、特別役が当選した可能性を示唆する当選示唆演出を実行するか否かを決定する当選示唆演出抽選を行い、当選示唆演出抽選では、特別役が当選しているときに、サブ表示器を単独で用いて当選示唆演出を実行する表示パターンが選択される割合が、メイン表示器を単独で用いて当選示唆演出を実行する表示パターンが選択される割合に比較して高くなっており、メイン表示器またはサブ表示器を用いて当選示唆演出を実行する表示パターンが選択される割合が異なるので、特別役が当選しているときに、特別役が当選していないときよりも当選示唆演出の実行頻度を高めて、当選示唆演出にメリハリを付けることで興趣を高めることができる。
また、本実施例のサブ制御部91は、当選示唆演出の表示パターンとして、メイン表示器に小役または再遊技役のうち入賞する可能性のある特定の役に対応する指標図柄を表示させるとともにサブ表示器に当該特定の役を示唆する色ナビの画像を表示させる表示パターンを設定する一方で、メイン表示器に当該特定の役に対応する指標図柄の画像を表示させるとともにサブ表示器に当該特定の役以外の役を示唆する色ナビの画像を表示させる表示パターンを設定しないことで、メイン表示器に入賞する可能性のある特定の役を示唆する表示を行うときに、サブ表示器に当該特定の役以外の役を示唆する表示を行うことを制限するので、メイン表示器で示唆された特定の役よりも価値の低い役がサブ表示器で示唆されたり、メイン表示器での特定の役を示唆する表示の意味が不明確となることを回避できる。
また、本実施例のサブ制御部91は、当選示唆演出の表示パターンに従ってメイン表示器及びサブ表示器を複数の表示態様で表示させることが可能な構成であり、表示パターンとして、メイン表示器に小役または再遊技役のうち入賞する可能性のある特定の役に対応する指標図柄の画像を表示させる表示パターンF1〜F5を含み、当該表示パターンF1〜F5では、サブ表示器をいずれの表示態様でも表示させないので、メイン表示器に表示される特定の表示態様として小役または再遊技役のうち入賞する可能性のある特定の役を示唆する図柄の画像が表示されているときに、メイン表示器の表示態様による興趣が損なわれるような表示態様でサブ表示器の表示が実行されることを防止できる。
また、本実施例のサブ制御部91は、メイン表示器にて特定の役の当選が示唆された場合に、メイン表示器の表示態様に応じた表示態様、すなわちメイン表示器の表示態様による興趣が損なわれることのない表示態様で、サブ表示器により役の当選を示唆することが可能とされているので、メイン表示器で特定の役の当選が示唆された場合でも、メイン表示器の表示態様による興趣が損なわれるような表示態様でサブ表示器の表示が実行されることを防止できる。
特に、本実施例では、メイン表示器にて特別役(RB、BB)と同時当選する比率が相対的に高い特定の役の当選を示唆しているときには、サブ表示器でも特定の役の当選を示唆することはあるが、サブ表示器で特別役と同時当選する比率が相対的に低い役または特別役と同時当選しない役が示唆されることはないので、メイン表示器で特定の役の当選が示唆された場合でも、メイン表示器の表示態様による興趣が損なわれるような表示態様でサブ表示器の表示が実行されることを防止できる。尚、本実施例では、特定の役の当選により特別役の当選が期待できる構成であるが、特定の役の当選によりARTの当選等、特別役以外の特典の付与が期待できる構成であっても、上記と同様の効果が得られる。
また、本実施例の当選示唆演出の表示パターンのうち小役表示パターンは、報知対象として特別役(RB、BB)を含んでおり、特別役が当選しており、遊技者にとって有利な状況であるときに、小役表示パターンを抽選対象として当選示唆演出抽選を行い、内部抽選にて当選していない小役または再遊技役に対応する小役表示パターンが当選したときに、当選した小役表示パターンに応じた特定の役に対応する指標図柄の画像をメイン表示器に表示させることで内部抽選の抽選結果と矛盾する偽示唆表示を実行可能であり、サブ表示器に当選した小役表示パターンに応じた特定の役を示唆する色ナビを表示することで、メイン表示器の表示態様として偽示唆表示が実行されるときに、サブ表示器で当選した小役表示パターン以外の表示態様を表示することを制限するので、サブ表示器にて、当選した小役表示パターン以外の表示態様、例えば、特別役の当選を示唆する表示態様が表示されてしまい、偽示唆表示による興趣が損なわれてしまうことを防止できる。
また、本実施例のサブ制御部91は、当選示唆演出において偽示唆表示を実行可能な構成であり、報知対象として特別役(RB、BB)を含む当選示唆演出の小役表示パターンとして、特定の役を示唆する図柄の画像をメイン表示器に表示させるとともにサブ表示器にいずれの表示態様も表示させない表示パターンF1〜F5を含んでおり、当該表示パターンF1〜F5では、サブ表示器をいずれの表示態様でも表示させないので、偽示唆表示が実行されるときに、興趣が損なわれるような表示態様、例えば、特別役(RB、BB)を示唆する表示態様でサブ表示器での表示が行われてしまうことを防止できる。
また、本実施例のサブ制御部91は、当選示唆演出において偽示唆表示を実行可能な構成であり、報知対象として特別役(RB、BB)を含む当選示唆演出の小役表示パターンとして、特定の役を示唆する図柄の画像をメイン表示器に表示させるとともにサブ表示器に当該特定の役を示唆する色ナビを表示させる表示パターンJ1、K1、K2、L1、L2、M1を含んでおり、メイン表示器により偽示唆表示が実行されるときでも、メイン表示器の表示態様に応じた表示態様、すなわちメイン表示器の表示態様による興趣が損なわれることのない表示態様で、サブ表示器により役の当選を示唆することが可能とされているので、メイン表示器で特定の役の当選が示唆された場合でも、メイン表示器の表示態様による興趣が損なわれるような表示態様、例えば、示唆された役と入賞した役が矛盾しなくなるような表示態様でサブ表示器での表示が行われてしまうことを防止できる。
また、本実施例の当選示唆演出の表示パターンのうち小役表示パターンは、メイン表示器に小役または再遊技役のうち入賞する可能性のある2種類の特定の役を示唆する図柄の画像を表示させる表示パターンF6〜F10、N1、N2、P1、P2、Q1、Q2、R1、R2、S1を含んでおり、メイン表示器に2種類の特定の役の入賞を示唆するとともに、示唆された種類のうちいずれかの種類の入賞が発生する可能性を示唆する複数示唆表示を実行可能であり、当該表示パターンのうち表示パターンN1、N2、P1、P2、Q1、Q2、R1、R2、S1では、メイン表示器に表示される2種類の特定の役を示唆する色ナビの画像を表示させることで、メイン表示器の表示態様として複数示唆表示が実行されるときに、サブ表示器で当選した小役表示パターン以外の表示態様を表示することを制限するので、サブ表示器にて、メイン表示器に表示される2種類の特定の役のうち遊技者にとっての有利度の低い役のみを示唆する表示態様が表示されてしまい、サブ表示器によって、複数示唆表示による興趣が損なわれてしまうことを防止できる。
また、本実施例のサブ制御部91は、当選示唆演出において複数示唆表示を実行可能な構成であり、メイン表示器に小役または再遊技役のうち入賞する可能性のある2種類の特定の役を示唆する図柄の画像を表示させる小役表示パターンF6〜F10を含んでおり、当該表示パターンF6〜F10では、サブ表示器をいずれの表示態様でも表示させないので、メイン表示器に表示される2種類の特定の役を示唆する表示態様以外の表示態様が表示されてしまい、サブ表示器によって、複数示唆表示による興趣が損なわれてしまうことを防止できる。
また、本実施例のサブ制御部91は、メイン表示器にて複数示唆表示が実行された場合でも、メイン表示器の表示態様に応じた表示態様、すなわちメイン表示器の表示態様による興趣が損なわれることのない表示態様で、サブ表示器により役の当選を示唆することが可能とされているので、メイン表示器で特定の役の当選が示唆された場合でも、メイン表示器の表示態様による興趣が損なわれるような表示態様でサブ表示器の表示が実行されることを防止できる。
特に本実施例では、メイン表示器での複数示唆表示により示唆される複数種類の特定の役のうち遊技者にとって有利な役の入賞を示唆する表示態様でサブ表示器を表示させるので、メイン表示器にて複数示唆表示が実行されるときに、複数示唆表示による興趣が損なわれるような表示態様がサブ表示器に表示されることを防止できる。
尚、本実施例では、メイン表示器での複数示唆表示により示唆される複数種類の特定の役のうち遊技者にとって有利な役の入賞を示唆する表示態様でサブ表示器を表示させる構成であるが、サブ表示器での表示態様は、少なくとも遊技者にとって有利な役を含んでいれば良く、メイン表示器での表示態様により示唆される複数種類の特定の役を示唆する構成であっても良く、このような構成においても、本実施例の構成と同様に、メイン表示器にて複数示唆表示が実行されるときに、複数示唆表示による興趣が損なわれるような表示態様がサブ表示器に表示されることを防止できる。
また、本実施例のサブ制御部91は、当選示唆演出抽選において特別役表示パターンを選択する抽選と小役表示パターンを選択する抽選とを別々に行う構成であるが、特別役表示パターンと小役表示パターンとを一の抽選により選択する構成であっても良い。
また、本実施例のサブ制御部91は、当選示唆演出によりメイン表示器を単独で用いて実行するパターン、サブ表示器を単独で用いて実行するパターン、メイン表示器及びサブ表示器双方を用いて実行するパターンの組合せが予め定められており、当該パターンを選択することにより、メイン表示器またはサブ表示器のいずれか一方の表示器に表示させる表示態様に応じて他方の表示器に表示させる表示態様を制限する構成であるが、他方の表示器に表示させる表示態様を制限する方法は、表示パターンを選択することによるものに限らず、例えば、一方の表示器の表示態様を選択した後、他方の表示器の表示態様を選択する際に、一方の表示器の表示態様に応じて他方の表示器の表示態様を制限する構成でも良い。このような構成においては、サブ制御部91は、メイン表示器またはサブ表示器の一方に表示器に表示させる表示態様として、RBまたはBBが当選した旨を示唆する確定画像及び確定キャラクタの画像、または内部抽選の抽選結果と矛盾する偽示唆表示、または示唆された種類のうちいずれかの種類の入賞が発生する可能性を示唆する複数示唆表示を表示させる旨を決定したときには、その決定に応じて選択可能な表示態様を限定し、限定された表示態様から他方の表示器に表示させる表示態様を選択することで、他方の表示器にいずれの表示態様も表示させないように制御して他方の表示器の表示を制限しても良いし、一方の表示器に表示させる表示態様として、確定画像、確定キャラクタの画像、偽示唆表示、複数示唆表示のいずれかを表示させる旨を決定したときには、一律に、他方の表示器にいずれの表示態様も表示させないように制御することで、他方の表示器の表示を制限しても良く、このような構成とすることで、本実施例と同様に、一方の表示器にて、確定画像、確定キャラクタの画像、偽示唆表示、複数示唆表示が実行されるときに、これらの表示による興趣が損なわれるような表示態様が他方の表示器に表示されることを防止できる。
また、本実施例のサブ制御部91は、当選示唆演出抽選にて、メイン表示器及びサブ表示器の双方に表示態様を表示させる表示パターンが当選した場合は、同時期に、メイン表示器及びサブ表示器の双方にて当選示唆演出の表示を開始させる構成であるが、当選示唆演出は、同時期に開始れるものに限られず、複数の表示器のうち一の表示器での当選示唆演出の表示を開始させた後、所定の条件が成立したとき(例えば、停止操作が行われたとき、当選示唆演出を開始していから所定期間が経過したとき等)に、他の表示器でも当選示唆演出の表示を開始する構成でも良く、このような構成においては、少なくとも同時に複数の表示器により当選示唆演出が行われるときに、先に当選示唆演出の表示を開始した一の表示器での表示態様に応じて、後から表示を開始した他の表示器での表示態様を制限するように制御することで、本実施例の構成と同様に、一方の表示器にて表示がおこなわれているときに、当該表示による興趣が損なわれるような表示態様が他の表示器に表示されることを防止できる。
尚、複数の表示器のうち一の表示器での当選示唆演出の表示を開始させた後、所定の条件が成立したときに、他の表示器でも当選示唆演出の表示を開始する構成であれば、リールの停止態様に応じて、既に入賞の有無、入賞の種類が特定できる場合であれば、リールの停止態様から特定される結果を示唆する内容については、他の表示器の表示を制限しない構成としても良い。このような場合には、他の表示器の表示を制限せずとも、リールの停止態様から既に示唆される内容が特定されているためである。
また、本実施例のサブ制御部91は、スタート操作が行われたときに、小役または再遊技役のうち入賞する可能性のある特定の役を示唆する当選示唆演出を実行するか否かを決定する当選示唆演出抽選を行い、当選示唆演出抽選では、特別役(RB、BB)と同時当選する割合が相対的に高い特定の役(スイカ、強チェリー、弱チェリー)の当選時にメイン表示器及びサブ表示器の双方を用いて当選示唆演出を実行する比率が、特定の役(スイカ、強チェリー、弱チェリー)の非当選時にメイン表示器を単独で用いて当選示唆演出を実行する比率及び特定の役(スイカ、強チェリー、弱チェリー)の非当選時にサブ表示器を単独で用いて当選示唆演出を実行する比率よりも高いので、メイン表示器及びサブ表示器の双方を用いて当選示唆演出が実行されるときに、特定の役(スイカ、強チェリー、弱チェリー)が当選した可能性の期待度が高くなり、当選示唆演出によるメイン表示器及びサブ表示器の双方に着目させることができる。
また、本実施例のサブ制御部91は、スタート操作が行われたときに、小役または再遊技役のうち入賞する可能性のある特定の役を示唆する当選示唆演出を実行するか否かを決定する当選示唆演出抽選を行い、当選示唆演出抽選では、当選示唆演出の報知対象である特定の役(スイカ、強チェリー、弱チェリー)が内部抽選にて当選しているときに、サブ表示器を単独で用いて当選示唆演出を実行する表示パターンが選択される割合が、メイン表示器を単独で用いて当選示唆演出を実行する表示パターンが選択される割合に比較して高くなっており、メイン表示器またはサブ表示器を用いて当選示唆演出を実行する表示パターンが選択される割合が異なるので、内部抽選にて特定の役が当選しているときに、特定の役が当選していないときよりも当選示唆演出の実行頻度を高めて、当選示唆演出にメリハリを付けることで興趣を高めることができる。
本実施例では、サブ制御部91は、前述のように内部抽選の結果に応じて、当選した可能性のある役を報知する当選示唆演出を実行可能である。当選示唆演出は、前述のようにスタートスイッチ7の操作が行われたときに実行する演出であり、終了タイミングの異なるパターンA〜Dからなる。
また、サブ制御部91は、全てのリールが停止し、入賞が発生したときに入賞した役を報知する入賞演出を実行可能である。入賞演出は、演出態様の異なるパターンY、Zからなる。
入賞が発生したゲームにおいて、指標図柄の組合せが揃っているラインがあり、そのラインが入賞ラインLNであるときには100%の割合でパターンYの入賞演出が実行され、そのラインが入賞ラインLNと交差する無効ラインLM3またはLM4であるとき(つまり指標図柄の組合せを構成する一部の図柄が入賞ラインLN上に停止しているとき)には50%の割合でパターンYかパターンZのいずれかの入賞演出が実行され、そのラインがそれ以外のライン(つまり無効ラインLM1またはLM2)であるときには100%の割合でパターンYの入賞演出が実行される。また、入賞が発生したがいずれのライン上にも指標図柄の組合せが揃っていないときには、100%の割合でパターンYの入賞演出が実行される。尚、パターンAに基づく当選示唆演出が実行される場合には、入賞演出は実行されない。
次に、当選示唆演出及び入賞演出の演出内容を、図38〜図41を参照してパターン毎に説明する。まず、パターンAの当選示唆演出の演出内容について説明する。パターンAの当選示唆演出の実行時には、当選が示唆される役に対応する指標図柄が、スタートスイッチ7操作時から次ゲームの開始操作まで、液晶表示器51の表示領域51aであって透視窓3の上方に表示される。次ゲームの開始操作とは、今回ゲームの結果がはずれかあるいは小役入賞後であるときにはBET操作やメダル投入、リプレイ入賞後であるときにはスタートスイッチ操作などをいう。
パターンAの当選示唆演出を実行したがいずれの役も入賞しなかったときには、全リール停止時に指標図柄の表示を消去して、当選示唆演出を終了する。また、パターンAの当選示唆演出を実行したゲームにおいて入賞が発生したときであって、いずれのライン上にも指標図柄の組合せが揃わなかったときには、後述する入賞演出のパターンZと同様の演出内容に切り替える一方、指標図柄の組合せがいずれかのライン上に揃ったときには、入賞発生前から実行中の当選示唆演出の態様を変化させずに、次ゲームの開始操作がされるまで維持する。
ここで、図38を参照して、パターンAの当選示唆演出の具体例を説明する。図38は、液晶表示器51の表示領域51a内に着目した図であり、対応する指標図柄が「スイカ」であるスイカに当選したときの当選示唆演出及び入賞演出の一例を説明するための図である。尚、図39〜図41についても同様に、表示領域51a内に着目した図であり、スイカに当選したときの当選示唆演出及び入賞演出の一例を説明する。
図38(a)は、スタートスイッチ7操作によりスイカに当選したときに、スイカに対応する指標図柄である「スイカ」の図柄が透視窓3の上方に表示することにより、当選示唆演出が開始されたときの演出例を示している。尚、リール2L、2C、2Rの矢印は回転中であることを示す。
図38(b)は、第1停止がされた後、第2停止がされたときの演出例である。対応する指標図柄である「スイカ」の図柄は、当選示唆演出開始時からの態様を変化させることなく、全てのリールが停止するまで継続して表示される。図38(b)では、第1停止及び第2停止に伴って、リール2L及びリール2Cの回転が停止しており、無効ラインLM3上に「スイカ」が停止されている。
図38(c)は、第3停止されて入賞ラインLN上に「ベル‐スイカ‐チェリーb」が停止して右下がりスイカの入賞が発生したときの演出例である。この場合、指標図柄の組合せである「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが無効ラインLM3上に停止される。また、入賞ラインLN上においてリール2Cの「スイカ」が停止されているから、図38(a)で表示された当選示唆演出が継続して実行されている。
図38(d)は、次ゲームの開始操作としてBET操作がされたときの演出例である。図38(d)に示されるように、図38(a)で表示された指標図柄が消去されて、当選示唆演出が終了する。
図38(e)は、第3停止されて入賞ラインLN上に「ベル‐スイカ‐チェリーb」が停止して右下がりスイカの入賞が発生したものの、指標図柄の組合せである「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが無効ラインLM1〜LM4上のいずれにも存在しなかったときの演出例である。第3停止されて入賞ラインLN上に「ベル‐スイカ‐チェリーb」が停止されると、透視窓3の上方に表示されていた指標図柄の「スイカ」の表示に加えて、入賞ラインLN上に停止している図柄組合せである「ベル・スイカ・チェリーb」が強調表示される。本実施例において、当選示唆演出における強調表示とは、点滅表示することをいう(図38(e)内の点囲いは点滅状態を表しているものとする)。これにより、入賞を発生させた図柄組合せが強調して表示されることにより、いずれのラインにも指標図柄の組合せである「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが揃っていないにもかかわらず指標図柄である「スイカ」の表示のみが継続して表示されることにより遊技者を誤解させてしまう不都合の発生を防止できる。尚、図38(e)では、図38(b)で表示されていた指標図柄の「スイカ」が縮小表示されているが、これに限らず、図38(b)で表示されていた指標図柄の「スイカ」を変化させずに、入賞ラインLN上に停止している図柄組合せを強調表示するようにしても良い。また、図38(c)や(e)で示した当選示唆演出は、次ゲームの開始操作が行われることにより終了する。
図38(f)は、第3停止されて入賞ラインLN上にはずれ目となる「ベル‐スイカ‐ベル」が表示されて右下がりスイカが入賞しなかったときの演出例である。いずれの入賞も発生しなかったときには、図38(f)に示されるように、図38(a)で表示された指標図柄が消去されて、当選示唆演出が終了する。これにより、ゲーム終了後において当選示唆演出が継続して実行されることにより、入賞が発生しているかのような誤解を遊技者に与えてしまう不都合の発生を防止できる。
次に、パターンB〜Dの当選示唆演出の演出内容について説明する。パターンB〜Dの当選示唆演出の実行時には、当選が示唆される役に対応する指標図柄が、スタートスイッチ7の操作時からパターン毎に定められた停止操作がされるまで、液晶表示器51の表示領域51aであって透視窓3の上方に表示される。パターン毎に定められた停止操作とは、停止順・操作のタイミングや、その後入賞が実際に発生するか否かに関わらず、パターンBについては第3停止操作が、パターンCについては第2停止操作が、パターンDについては第1停止操作が定められている。
ここで、図39を参照して、パターンCの当選示唆演出の具体例を説明する。図39(a)に示すように、スタートスイッチ7操作によりスイカに当選したときには、対応する指標図柄である「スイカ」の図柄が透視窓3の上方に表示されて、当選示唆演出が開始される。
図39(b)は、第1停止操作されたときの演出例であるが、図39(a)で開始された当選示唆演出が継続して実行されている。また、図39(c)は、第2停止操作されたときの演出例であり、図39(a)で表示された指標図柄が消去されて、当選示唆演出が終了する。尚、第1停止操作により停止した出目により入賞が発生しないことが確定しているか否か、第2停止以降の操作手順に関わらず入賞の発生が確定しているか否か、及び、実際に入賞が発生するか否かなどに関わらず、パターンCの当選示唆演出は、一律に第2停止時に終了する。パターンBやパターンDについても同様に、スタートスイッチ7操作時に開始された当選示唆演出は、パターンBであれば一律に第3停止時に終了し、パターンDであれば一律に第1停止時に終了する。
次に、パターンYの入賞演出の演出内容について説明する。パターンYの入賞演出の実行時には、入賞した役に対応する指標図柄が、入賞発生時から次ゲームの開始操作まで、液晶表示器51の表示領域51aであって透視窓3の上方において強調表示される。
ここで、図40を参照して、パターンYの入賞演出の具体例を説明する。図40(a)は、スイカに当選したゲームにおいて第2停止操作されて、無効ラインLM3上に指標図柄の組合せである「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが揃った状況を示している。図40(b)は、第3停止されて入賞ラインLN上に「ベル‐スイカ‐チェリーb」が停止して右下がりスイカの入賞が発生したときの演出例である。この場合、指標図柄の組合せである「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが無効ラインLM3上に停止される。また、入賞ラインLN上においてリール2Cの「スイカ」が停止されているから、指標図柄である「スイカ」の図柄が透視窓3の上方において強調表示される。図40(c)は、次ゲームの開始操作としてBET操作がされたときの演出例を示しており、図40(b)で開始された入賞演出における「スイカ」の表示が消えて、入賞演出が終了している。
次に、パターンZの入賞演出の演出内容について説明する。パターンZの入賞演出の実行時には、入賞した役に対応する指標図柄が表示されるとともに、入賞ラインLN上に停止している図柄組合せが強調表示される。
ここで、図41を参照して、パターンZの入賞演出の具体例を説明する。図41(a)は、スイカに当選したゲームにおいて第2停止操作されて、無効ラインLM1〜LM4のいずれにおいても指標図柄の組合せである「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せとなり得ない図柄が停止したときを示している。
図41(b)は、第3停止されて入賞ラインLN上に「ベル‐スイカ‐チェリーb」が停止して右下がりスイカの入賞が発生したが、無効ラインLM1〜LM4のいずれにおいても指標図柄の組合せである「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが揃っていないときの演出例である。この場合、右下がりスイカの入賞が発生しているため対応する指標図柄である「スイカ」の図柄が透視窓3の上方において表示されるが、いずれのライン上にも「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが揃っていない。このため、指標図柄の「スイカ」の表示とともに、入賞ラインLN上に停止している図柄組合せである「ベル‐スイカ‐チェリーb」を強調表示する。また、図41(c)に示されるように、次ゲームの開始操作としてBET操作がされたときに消去されて、入賞演出が終了する。
次に、指標図柄の組合せを構成する図柄が入賞ラインLNと交差しない無効ラインLM1、LM2に停止したときの具体例を説明する。図41(d)は、押し順ベルが当選したゲームにおいて第2停止操作されて、無効ラインLM1上において指標図柄の組合せを構成する「ベル」が2つ停止されたときを示している。
図41(e)は、第3停止されて入賞ラインLN上に「リプレイa‐チェリーa‐チェリーa」の組合せが停止して上段ベル1の入賞が発生したとき、つまり指標図柄の組合せとして「ベル‐ベル‐ベル」が無効ラインLM1上に停止されたときの演出例である。この場合、入賞ラインLN上には、指標図柄の組合せを構成する「ベル」が停止されていない。このため、対応する指標図柄の「ベル」の表示とともに、入賞ラインLN上に停止している図柄組合せである「リプレイa‐チェリーa‐チェリーa」を強調表示する。なお、図41(e)で示した入賞演出は、次ゲームの開始操作としてBET操作がされたときに消去されて終了する。
このように、図38〜図41で説明した当選示唆演出及び入賞演出によれば、第3停止操作されて表示結果が導出されたときにおいて、当該表示結果のうちの入賞ラインLN上にない図柄のみを示唆することがない。このため、入賞ラインLN上にない図柄を入賞判定対象となる1ゲームの結果として遊技者を誤認させてしまう不都合の発生を防止できる。
また、パターンAの当選示唆演出のうち図38(a)〜(d)で説明した演出内容によれば、表示結果導出時の当選示唆演出の態様は開始時から変化していない。このため、当該当選示唆演出が遊技の結果を示唆していると遊技者に思わせることがないため、遊技の結果を誤認させてしまう不都合の発生を防止できる。
また、指標図柄の組合せがいずれのラインにも揃っていない場合であっても、図38(e)で説明したようにパターンZと同様の演出内容に切り替える一方、入賞さえも発生しなかった場合には、図38(f)で説明したように当選示唆演出を終了させるため、入賞ラインLN上にない図柄を入賞判定対象となる1ゲームの結果として遊技者を誤認させてしまうことも防止できる。
また、図39で説明したパターンB〜Dの当選示唆演出によれば、表示結果が導出される以前に当選示唆演出を終了させる。このため、当該当選示唆演出が遊技の結果を示唆していると遊技者に思わせることがないため、遊技の結果を誤認させてしまう不都合の発生を防止できる。
また、パターンB〜Dの当選示唆演出は、操作態様や入賞の有無にかかわらず、予め定められたタイミングで終了するため、処理を共通化させることができる。その結果、処理負担を増大させてしまうことを防止できる。
また、対応する指標図柄のみを強調表示するパターンYの入賞演出は、指標図柄の組合せが入賞ラインLN及び無効ラインLM3、LM4のいずれかに存在するときにのみ実行され、無効ラインLM1、2上に存在するときや指標図柄の組合せ自体が存在しない場合には実行されない。つまり、示唆対象の指標図柄の組合せを構成する図柄が入賞ラインLN上にない場合にはパターンYの入賞演出が実行されない。その結果、遊技の結果を誤認させることなく、パターンYの入賞演出を実行できる。
また、図41で説明したパターンZの入賞演出によれば、入賞した役に対応する指標図柄を表示するとともに、入賞ラインLN上に停止している入賞を発生させる図柄組合せが表示される。このため、パターンZの入賞演出が実行されたときには、導出された表示結果に関わらず、遊技の結果を誤認させてしまう不都合の発生を防止できる。
また、図41(b)で示したように、入賞ラインLN上に停止している入賞を発生させる図柄組合せが、対応する指標図柄よりも強調して表示される。このため、指標図柄による示唆によって遊技の結果を誤認させてしまう不都合の発生を防止できる。
尚、本実施例では、対応する指標図柄の画像を表示することにより、当選示唆演出、入賞演出により指標図柄を示唆する例について説明したが、指標図柄を示唆する方法は、指標図柄を想起できるものであれば、指標図柄の画像を表示するものに限らず、例えば、指標図柄の名称(例えば、「スイカ」といったメッセージ)を表示するもの、指標図柄の大部分を占める色(例えば、「スイカ」の皮に相当する緑と黒の模様)を表示するものや、指標図柄の名称を音声で出力するもの、指標図柄毎にLEDを予め設け、示唆する指標図柄に対応するLEDを点灯させるものなど、どのようなものであっても良い。また、当選示唆演出、入賞演出のパターン毎に、指標図柄を示唆する方法を異ならせるようにしても良い。
また、本実施例では、表示結果導出以前から開始される当選示唆演出として、スタートスイッチ7操作時に開始されるパターンA〜Dを例示したが、表示結果導出以前から開始される当選示唆演出を開始するタイミングは、スタートスイッチ7操作時に限らず、リール回転開始時、第1停止操作時、第2停止操作時、及び、乱数抽選に応じて決定されるタイミングなど、どのようなタイミングであっても良く、パターンA〜D毎に開始タイミングが異なるものであっても良い。また、遊技者にとっての有利度合いに応じて開始タイミングを異ならせるようにしても良い。
また、本実施例では、パターンAによる当選示唆演出は、図38(c)(e)及び(f)で示したように、表示結果が導出されると、指標図柄の組合せの有無及び入賞の有無に応じて演出内容を変化させる例について説明したが、これに限らず、表示結果が導出されても、指標図柄の組合せの有無及び入賞の有無に関わらず演出内容を変化させず、図38(b)で開始した当選示唆演出の態様を変化させずに継続して表示するようにしても良い。また、表示結果導出前後において当選示唆演出の態様を一律に変化させないものではなく、入賞が発生しなかったときには当選示唆演出を終了させる一方で、入賞が発生したときには変化させることなく継続して表示するようにしても良い。このように構成した場合であっても、表示結果が導出されたときの当選示唆演出の態様は、当該当選示唆演出開始時から変化しておらず、当該当選示唆演出が遊技の結果を示唆していると遊技者に思わせることがないため、遊技の結果を誤認させてしまう不都合の発生を防止できる。
また、パターンAによる当選示唆演出実行中において表示結果が導出されたときに指標図柄の組合せが入賞ラインLN及び無効ラインLM3、LM4のうちのいずれかに存在する場合には、パターンYの当選示唆演出と同様に、対応する指標図柄を強調表示するようにしても良い。この場合、指標図柄の組合せが入賞ラインLN及び無効ラインLM3、LM4のうちのいずれにも存在しない場合には、対応する指標図柄を強調表示せずに当選示唆演出開始時の態様を維持するようにしても良い。
また、本実施例では、パターンAによる当選示唆演出は、開始されてから表示結果導出までその態様を変化させない例について説明したが、開始されたときの態様と、表示結果が導出されたときの態様とが一致してさえいれば、開始された後から表示結果が導出されるまでにおいて、当選示唆演出の態様を変化させるものであっても良い。例えば、停止操作毎に変化し、第3停止操作で当選示唆演出開始時の態様に戻るようにしても良い。このように構成した場合であっても、上記と同様の効果を奏する。
また、本実施例では、パターンAの当選示唆演出を実行したゲームにおいて入賞が発生したときであって、いずれのライン上にも指標図柄の組合せが揃っていないときには、パターンZと同様の演出内容に切り替える一方、指標図柄の組合せが揃っているときには、入賞発生前から実行中の当選示唆演出の態様を変化させずに次ゲームの開始操作がされるまで維持する例について説明したが、パターンAの当選示唆演出を実行したゲームにおいて入賞が発生したときにおける当選示唆演出の場合分けは、入賞ラインLN及び入賞ラインLNと交差する無効ラインLM3、LM4のいずれかに指標図柄の組合せが存在するか否かで分けるようにしても良い。例えば、指標図柄の組合せが入賞ラインLN、無効ラインLM3、LM4のいずれにも存在しないときには、パターンZと同様の演出内容に切り替える一方、指標図柄の組合せが入賞ラインLN、無効ラインLM3、LM4のいずれかに存在するときには、入賞発生前から実行中の当選示唆演出の態様を変化させずに次ゲームの開始操作がされるまで維持するようにしても良い。これにより、例えば、指標図柄の組合せが無効ラインLM1やLM2に存在するときであっても、当選示唆演出の態様を変化させることなく図38(c)で示した対応する指標図柄のみを示唆する当選示唆演出が実行されてしまうことを防止できる。
また、指標図柄の組合せが揃っているか否かに関わらず、指標図柄の組合せを構成する図柄が入賞ラインLN上に存在するか否かで分けるようにしても良い。具体的に、例えば、パターンAの当選示唆演出を実行したゲームにおいて入賞が発生したときにおいて、指標図柄の組合せを構成する図柄が入賞ラインLN上に存在しないとき(例えば、無効ラインLM1上に「ベル−ベル−ベル」の組合せが揃っているときなど)には、パターンZと同様の演出内容に切り替える一方、指標図柄の組合せを構成する図柄が入賞ラインLN上に存在するときには、指標図柄の組合せが揃っているか否かに関わらず、入賞発生前から実行中の当選示唆演出の態様を変化させずに次ゲームの開始操作がされるまで維持するようにしても良い。これにより、例えば、指標図柄の組合せを構成する図柄が入賞ラインLN上に存在しないときにおいて、当選示唆演出の態様を変化させることなく図38(c)で示した対応する指標図柄のみを示唆する当選示唆演出が実行されてしまうことを防止できる。このように構成した場合であっても、入賞ラインLN上にない図柄を入賞判定対象となる1ゲームの結果として遊技者を誤認させてしまうことも防止できる。
このように構成した場合であっても、指標図柄の組合せを構成する図柄が入賞ラインLN上に存在するときに所定確率でパターンZと同様の演出内容に切り替えるようにしても良い。例えば、指標図柄の組合せを構成する図柄が入賞ラインLN上に存在するときで指標図柄の組合せが揃っているときには、入賞発生前から実行中の当選示唆演出の態様を変化させず(あるいはパターンYに切り替え)、指標図柄の組合せを構成する図柄が入賞ラインLN上に存在するときで指標図柄の組合せが揃っていないときには所定確率(例えば50%)で入賞発生前から実行中の当選示唆演出の態様を変化させず(あるいはパターンYに切り替え)、所定確率(例えば50%)でパターンZと同様の演出内容に切り替えるようにしても良い。入賞発生時において指標図柄の組合せを構成する図柄が入賞ラインLN上に存在しないときには、指標図柄の組合せが揃っているか否かに関わらず、パターンYの演出内容に切り替えられることがない。
また、本実施例では、表示結果が導出される以前において終了させる当選示唆演出として、パターンB〜Dを例示したが、パターンB〜Dのうちいずれか一のパターンしか設けられていないものであっても良い。
また、終了タイミングは、停止操作タイミングである例について説明したが、表示結果が導出される以前のタイミングであればこれに限らず、当選示唆演出開始から所定時間(例えば、2秒)経過したときに終了させるものであってもよく、また、示唆している役に対応する指標図柄の組合せが揃う条件が不成立となったとき(指標図柄が「スイカ」である場合においていずれのライン上にも「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せを揃えることができない出目となったときなど)に終了させるものなどであっても良い。
また、本実施例では、表示結果導出後から開始される入賞演出として、入賞発生時に開始されるパターンY及びZを例示した。パターンY及びZの入賞演出は、入賞発生すると必ず実行される例について説明したが、これに限らず、入賞が発生したときに所定の実行確率で実行されるようにしても良い。また、実行確率は、入賞した役の種類や、指標図柄の組合せの有無、指標図柄の組合せが揃ったラインなどに応じて異なるように定められているものであっても良い。
また、本実施例では、パターンYによる入賞演出は、指標図柄の組合せが入賞ラインLNか無効ラインLM3、LM4のいずれかに存在するときにのみ実行される例についいて説明したが、これに限らず、指標図柄の組合せが入賞ラインLNか無効ラインLM3、LM4のいずれにも存在しない場合であっても、入賞が発生した場合であって示唆対象となる指標図柄の組合せを構成する図柄が入賞ラインLN上に存在する場合には実行され得るようにしても良く、さらにこの場合には、対応する指標図柄のみを表示するのではなく、指標図柄の組合せを構成する図柄を含む入賞ラインLN上に停止している図柄組合せを表示するようにしても良い。
また、本実施例では、パターンYによる入賞演出の態様は、指標図柄の組合せが入賞ラインLN上であるか無効ラインLM3、LM4上であるかに関わらず、同じである例について説明したが、これに限らず、パターンYによる入賞演出の態様は、指標図柄の組合せが入賞ラインLN上であるときと、無効ラインLM3、LM4上であるときとで異ならせても良い。例えば、指標図柄の組合せが入賞ラインLN上であるときには、表示領域51aにおいて対応する指標図柄を水平ライン上で移動表示させる演出を実行するのに対し、指標図柄の組合せが無効ラインLM3上であるときには、表示領域51aにおいて対応する指標図柄を無効ラインLM3と同様に右下がりとなるライン上で移動表示させる演出を実行するようにしても良い。
また、パターンZなどによる入賞演出のように、対応する指標図柄と、入賞を発生させた入賞ライン上の入賞図柄組合せとを表示する場合には、一方が指標図柄(あるいは入賞の種類)を示し、他方が入賞ライン上の入賞図柄組合せを示している旨を特定可能な情報(例えば、「ベル・スイカ・チェリーb」が停止して「「スイカ」入賞だ!」といったメッセージなど)を併せて表示するようにしても良い。
また、本実施例では、入賞ラインLN上の入賞図柄組合せを示唆する演出としては、入賞を発生させた入賞ライン(複数の入賞ラインが設けられている場合においては入賞発生した入賞ライン)上の入賞図柄組合せを表示するものに限らず、例えば、入賞を発生させた入賞ライン上に対応するリールLED55のみを点灯制御または点滅制御させるものであっても良く、また、入賞を発生させた入賞ライン上に停止しているリールの図柄(例えば中段の図柄)を視認可能とし、その他の位置にあるリールの図柄(例えば中段以外の図柄)を視認不可能あるいは視認困難となるように制御するものであっても良い。例えば、その他の位置にある図柄を視認不可能にする制御としては、入賞を発生させた入賞ライン以外を隠蔽することが可能な可動部材を設けて、当該可動部材を駆動させる制御であっても良い。また、その他の位置にある図柄を視認困難とする制御としては、入賞を発生させた入賞ライン以外の領域を不透過な状態とする制御や、入賞を発生させた入賞ライン以外の領域において画像を表示する制御であっても良い。尚、この場合、対応する指標図柄を示唆する演出は、図38(c)で示した演出と同様の演出を行うようにしても良い。
また、本実施例におけるパターンZによる入賞演出では、入賞ラインLN上に停止している図柄組合せを強調表示することにより、当該図柄組合せを対応する指標図柄よりも目立たせる例を説明したが、入賞ラインLN上の図柄組合せを対応する指標図柄よりも目立たせる方法は、これに限らず、例えば、図柄組合せを指標図柄よりも大きく表示するものであっても良い。具体的には、図41(f)に示すように、対応する指標図柄である「ベル」を表示する領域よりも、入賞ラインLN上の図柄組合せを表示する領域の方が大きくなるように設定されており、「ベル」よりも「リプレイa‐チェリーa‐チェリーa」を大きく表示することにより、「リプレイa‐チェリーa‐チェリーa」を目立たせるようにしても良い。尚、図41(f)における点線で囲まれる領域のうち、狭い領域は、対応する指標図柄を表示する領域を示し、広い領域は、入賞ラインLN上の図柄組合せを表示する領域を示している。この場合においても、入賞ラインLN上の図柄組合せを強調表示するようにしても良い。
また、本実施例では、パターンZによる入賞演出は、指標図柄の組合せが入賞ラインLN上に存在するときには実行されない例について説明したが、これに限らず、指標図柄の組合せが入賞ラインLN上に存在するときにも実行され得るようにしても良い。
また、本実施例では、パターンZによる入賞演出の態様は、指標図柄の組合せのラインや指標図柄の組合せの有無に関わらず、同じである例について説明したが、これに限らず、パターンZによる入賞演出の態様は、指標図柄の組合せのラインや指標図柄の組合せの有無に応じて異ならせても良い。指標図柄の組合せの有無に応じて異ならせる例として、例えば、指標図柄の組合せがある場合には、図41で示した態様で入賞演出を実行するのに対し、指標図柄の組合せがない場合には、対応する指標図柄を表示せずに、入賞ラインLN上に停止している図柄組合せのみを表示するようにしても良い。
さらに、パターンZによる入賞演出により表示される入賞ラインLN上に停止している図柄組合せは、図柄そのものの画像である例について説明したが、外形が互いに類似する複数種類の図柄が所定のリールに配列されており、入賞ラインLN上であって所定のリールの図柄が、その外形が互いに類似する複数種類の図柄のいずれであっても入賞発生となる図柄組合せが設けられているスロットマシンにおいて、パターンZによる入賞演出として当該図柄組合せを表示するときには、所定のリールに対応する図柄として、複数種類の図柄すべてを表示するものであっても良く、複数種類の図柄のうち実際に停止している図柄を表示するものであっても良く、複数種類の図柄のいずれとも類似する図柄(リールには配列されていない図柄)を表示するものであっても良い。
また、パターンZによる入賞演出は、表示結果が導出される以前から実行されるものでっても良い。例えば、スタートスイッチ7操作時において、当選状況から特定される対応する指標図柄と、入賞ラインLN上に停止され得る図柄組合せ(入賞図柄組合せ)とを表示することによる入賞演出を開始するようにしても良い。より具体的には、スタートスイッチ7操作時に、図41(b)や図41(e)で示した入賞演出を実行し、遊技者に対応する指標図柄及び入賞図柄組合せを狙わせるようにしても良い。また、パターンZによる入賞演出の演出内容としては、指標図柄と入賞図柄組合せが含まれるものであれば、図41(b)や図41(e)で示したものに限らず、透視窓3から視認される遊技の結果と類似する画像を表示するようにしても良い。例えば、図41(e)に示す遊技の結果が導出され得る当選状況であるときには、スタートスイッチ7操作時において、3×3のマトリクスを表示し、そのマトリクス上における上段ライン(無効ラインLM1に相当)に指標図柄の組合せである「ベル−ベル−ベル」が揃い、中段ライン(入賞ラインLNに相当)に入賞図柄組合せとして「リプレイa‐チェリーa‐チェリーa」が停止され、その他のマスについては空欄(図柄なし)にした画像を入賞演出として表示するようにしても良い。つまり、遊技の結果である入賞図柄組合せと、当該遊技の結果に関連性を有する指標図柄とを、これから導出される遊技の結果の一例として示唆するようにしても良い。これにより、遊技者は、指標図柄の組合せを構成する「ベル」を上段に狙って停止操作することができるとともに、入賞図柄組合せがすでに表示されていることから、対応する指標図柄である「ベル」を入賞判定対象となる1ゲームの結果として遊技者を誤認させてしまう不都合の発生を防止できる。尚、入賞図柄組合せが複数種類存在する場合には、対応する指標図柄とともにすべての入賞図柄組合せを表示し、表示結果が導出されたときに入賞ラインLN上に停止されている入賞図柄組合せのみ表示するように表示を切り替えるようにしても良く、また、指標図柄とともに予め定められた一の入賞図柄組合せのみを表示し、表示結果が導出されたときに入賞ラインLN上に停止されている入賞図柄組合せのみ表示するように表示を切り替えるようにしても良い。
また、パターンZによる入賞演出により、入賞ラインLN上の図柄組合せが液晶表示器51に表示されるときの1つ1つの図柄の大きさは、リール2L、2C、2Rに配列されている実際の図柄の大きさ(例えば、縦25mm×横35mmなど)と同じ大きさで表示されるか、あるいは、実際の図柄より大きくなるように表示されるものであっても良い。これにより、液晶表示器51に表示された図柄がリール2L、2C、2Rに配列されている図柄と異なる図柄を示しているといった誤解を遊技者に与えてしまうことを防止でき、わかりやすく報知することができる。
また、本実施例では、表示結果導出後において実行される入賞演出の終了タイミングとしては、次ゲームの開始操作がされたタイミングを例示したが、これに限らず、次ゲームの開始操作がされるまでに、所定時間(5秒)が経過したときに終了させるようにしても良い。
また、本実施例では、当選示唆演出及び入賞演出における強調として、示唆対象を点滅表示させる例を説明したが、これに限らず、示唆対象の大きさを拡大表示させるものであっても良く、示唆対象とは異なる画像の色を変化させる(例えば背景色を黒色に変化)ものであっても良い。また、表示の仕方で強調するものに限らず、スピーカ53、54から特定の効果音を出力する制御や、演出効果LED52やリールLED55などを特定の態様で点灯させる制御を行うものであっても良い。強調する場合であっても、前述した店や遊技者により設定される音量や光量に応じた程度で当選示唆演出及び入賞演出を実行するものであってもよく、あるいは店や遊技者により設定される音量や光量にかかわらず予め定められた程度で当選示唆演出及び入賞演出を実行するようにしても良い。
また、本実施例では、スロットマシン1の状態に関わらず、当選状況や入賞状況に応じて当選示唆演出や入賞演出を実行する例について説明したが、当選示唆演出や入賞演出は、所定の期間中のみに実行するものであっても良い。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
前記実施例では、本発明を遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるスロットマシンに適用した例について説明したが、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンに適用しても良い。遊技球を遊技用価値として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、前記実施例で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
さらに、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えば、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであっても良い。すなわち、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るスロットマシンを適用しても良い。
また、実施例では遊技機としてスロットマシンを例に説明したが、上記実施例で開示した構成、特に複数の表示器を備え、それぞれの表示器にて遊技者にとって有利な特典に関する報知を行うことが可能なパチンコ遊技機等に適用しても良い。