JP2017011774A - 常温収縮チューブおよびそれに用いるインナーコア - Google Patents

常温収縮チューブおよびそれに用いるインナーコア Download PDF

Info

Publication number
JP2017011774A
JP2017011774A JP2015121265A JP2015121265A JP2017011774A JP 2017011774 A JP2017011774 A JP 2017011774A JP 2015121265 A JP2015121265 A JP 2015121265A JP 2015121265 A JP2015121265 A JP 2015121265A JP 2017011774 A JP2017011774 A JP 2017011774A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inner core
core
elastic body
cylindrical elastic
shrinkable tube
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015121265A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6527759B2 (ja
Inventor
西野 宏
Hiroshi Nishino
宏 西野
寺田 靖
Yasushi Terada
靖 寺田
斉藤 仁
Hitoshi Saito
仁 斉藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Ltd
Fujikura Composites Inc
Original Assignee
Fujikura Rubber Ltd
Fujikura Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujikura Rubber Ltd, Fujikura Ltd filed Critical Fujikura Rubber Ltd
Priority to JP2015121265A priority Critical patent/JP6527759B2/ja
Publication of JP2017011774A publication Critical patent/JP2017011774A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6527759B2 publication Critical patent/JP6527759B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Insulating Bodies (AREA)
  • Cable Accessories (AREA)

Abstract

【課題】架空電線の間接活線工法における被覆電線の接続部の保護作業を確実に行うことができ、かつ、施工後のゴミ処理が容易となる常温収縮チューブと、このような常温収縮チューブに用いるインナーコアを提供する。【解決手段】常温収縮チューブを、拡径状態から縮径可能な筒状弾性体と、筒状弾性体の両端部側を拡径するように位置するインナーコアとを有するものとし、インナーコアは、円筒の長軸を含む平面で2分割した形状を有する1対のコア半体が離間可能に当接され組み合わされた円筒形状体とし、インナーコアの長軸方向の一方の端部は、筒状弾性体の端部から所望の深さに位置し、インナーコアの長軸方向の他方の端部は、筒状弾性体の端部から突出しているものとする。【選択図】 図1

Description

本発明は、被覆電線等の接続部を被覆して保護するために使用する常温収縮チューブ、および常温収縮チューブに用いるインナーコアに関するものである。
従来から、被覆電線の接続部は、水の侵入等を防止するために保護が必要とされている。接続部の保護の一例として、インナーコアを用いて拡径した状態の弾性チューブを接続部に配設し、その後、インナーコアを取り去って常温で弾性チューブを縮径させ密着させる方法が行われている。
インナーコアを用いて弾性チューブを拡径した常温収縮チューブとしては、例えば、図18に示すような常温収縮チューブが挙げられる。図18に示される常温収縮チューブ101では、弾性チューブ102の両端部側に、円筒形状のインナーコア111が弾性チューブ102を拡径するようにして配設されている。インナーコア111は、図19に示すように、円筒を長軸に沿って2分割した形状を有する一対のインナーコア半体111a、111bと、両端部が各インナーコア半体111a、111bに接続したハンドル部112からなっている。このインナーコア111と弾性チューブ102との間には、折り返されたフィルム113が、折り返し部113aを弾性チューブ102の内側とするように位置し、フィルム113の折り返しの一方はインナーコア111に固定されている。また、フィルム113は、少なくとも折り返されてフィルム113同士が当接する面が低摩擦係数を有する面とされている。そして、被覆電線121の接続部122を常温収縮チューブ101の略中央に位置させた状態で、個々のインナーコア111について、ハンドル部112を被覆電線121の長手方向に引っ張ることにより、折り返されたフィルム113の当接面同士が摺動して、インナーコア111が弾性チューブ102から除去され、弾性チューブ102が収縮し、元のサイズに復元して、被覆電線121の接続部122を保護するための弾性チューブ102の装着が完了する。
特開2009−165214号公報
上記のような常温収縮チューブを用いた被覆電線の接続部の保護は、従来は作業者の手によって行われていたが、架空電線の間接活線工法では、絶縁棒の先端部に所望の作業用工具を取り付けた構造のホットスティック(絶縁作業棒)を用いて作業が行われるようになってきている。しかし、インナーコア111の除去では、被覆電線121の長さ方向にインナーコアを引き抜くスペースが必要であり、常温収縮チューブを用いた保護が必要な箇所の近傍の被覆電線121が曲がっていたりすると、インナーコアの引き抜きが困難になることがある。また、インナーコアを引き抜くために被覆電線121の長さ方向に加える力によって、常温収縮チューブ101の位置ズレが生じ易く、作業性が低下してインナーコア111の除去に時間を要したり、被覆電線121の接続部122の保護が不完全な場合が生じるおそれがある。
また、インナーコア半体111a、111bを用いてインナーコア111を組み立てる工程では、折り返されたフィルム113をインナーコア111の周囲に固着する作業が必要であり、さらに、弾性チューブ102にインナーコア111を挿入する工程では、インナーコア111の周囲に固着されたフィルム113の位置ズレ、脱落、損傷が生じないようにする必要があり、工程、作業が煩雑なものとなる場合がある。
さらに、常温収縮チューブ101からインナーコア111を引き出すことにより、インナーコア111に加えてフィルム113もゴミとなり、施工後のゴミ量が多くなる、分別処理が必要となる、フィルム113が風により飛ばされることを防止するためにインナーコア111に粘着テープ等で係止させる必要がある等の問題があった。
本発明は、上記のような実情に鑑みてなされたものであり、架空電線の間接活線工法における被覆電線の接続部の保護作業を確実に行うことができ、かつ、施工後のゴミ処理が容易となる常温収縮チューブと、このような常温収縮チューブに用いるインナーコアを提供することを目的とする。
このような目的を達成するために、本発明の常温収縮チューブは、拡径状態から縮径可能な筒状弾性体と、該筒状弾性体の両端部側を拡径するように位置するインナーコアとを有し、前記インナーコアは、円筒の長軸を含む平面で2分割した形状を有する1対のコア半体が離間可能に当接され組み合わされた円筒形状体であり、前記インナーコアの前記長軸方向の一方の端部は、前記筒状弾性体の端部から所望の深さに位置し、前記インナーコアの前記長軸方向の他方の端部は、前記筒状弾性体の端部から突出しているような構成とした。
本発明の好ましい態様として、前記インナーコアは、1対の前記コア半体の少なくとも一方に引っ張り部材を有し、該引っ張り部材は前記筒状弾性体の端部から突出している前記インナーコアの端部あるいは端部近傍に位置するような構成とした。
本発明の好ましい態様として、前記インナーコアの前記長軸方向に対して垂直な方向で、かつ、前記インナーコアから離間する方向となるように、前記引っ張り部材に力を作用させたときに、当接している1対の前記コア半体が、前記筒状弾性体の端部から所望の深さに位置する前記コア半体の端部を支点として離間するような構成とした。
本発明の好ましい態様として、前記引っ張り部材を有していない他方の前記コア半体の端部が前記筒状弾性体の端部から突出する長さは、前記引っ張り部材を有している一方の前記コア半体の端部が前記筒状弾性体の端部から突出する長さよりも大きいような構成とした。
本発明の好ましい態様として、前記筒状弾性体の端部から、前記筒状弾性体から突出している前記インナーコアの前記長軸方向の端部までの距離L1と、前記筒状弾性体の端部から、前記筒状弾性体の所望の深さに位置する前記インナーコアの前記長軸方向の端部までの距離L2との比(L1/L2)は、2以上であるような構成とし、また、前記距離L1は、前記筒状弾性体の端部から、前記引っ張り部材が位置する部位までの距離であるような構成とした。
本発明の好ましい態様として、円筒形状体である前記インナーコアの外径Dと、前記筒状弾性体の端部から、前記筒状弾性体の所望の深さに位置する前記インナーコアの前記長軸方向の端部までの距離L2との比(D/L2)は、1以上であるような構成とした。
本発明の好ましい態様として、前記筒状弾性体は、200%モジュラスが5MPa以下、切断時伸びが500%以上、永久伸びが標線間距離24mm以下のゴム材料であるような構成とした。
本発明の好ましい態様として、前記インナーコアによる拡径前の前記筒状弾性体の両端部側の肉厚は、3〜10mmの範囲であるような構成とした。
本発明のインナーコアは、拡径状態から縮径可能な筒状弾性体の端部側を拡径するためのインナーコアであって、前記インナーコアは、円筒の長軸を含む平面で2分割した形状を有する1対のコア半体を有し、1対の該コア半体は、離間可能に当接して組み合わすことにより円筒形状体を構成可能であり、1対の前記コア半体の少なくとも一方は、前記長軸方向の一方の端部あるいは端部近傍に引っ張り部材を有するような構成とした。
本発明の好ましい態様として、前記引っ張り部材を有していない前記コア半体の前記長軸方向の長さは、前記引っ張り部材を有している前記コア半体の前記長軸方向の長さよりも大きいような構成とした。
本発明の好ましい態様として、前記引っ張り部材は、両端部が1つのコア半体に接合された環形状であるような構成とした。
本発明の好ましい態様として、前記引っ張り部材は、前記コア半体から突出している形状であるような構成とした。
本発明の好ましい態様として、前記コア半体の引っ張り強さは、15MPa以上であるような構成とした。
本発明の常温収縮チューブは、架空電線の間接活線工法における被覆電線の接続部の保護作業を確実に行うことができ、また、施工後のゴミ量を低減することができる。また、本発明のインナーコアは、本発明の常温収縮チューブの製造を簡便なものとすることができる。
図1は、本発明の常温収縮チューブの一実施形態を示す断面図である。 図2は、本発明の常温収縮チューブを構成する筒状弾性体の一例を示す断面図である。 図3は、本発明の常温収縮チューブを構成するインナーコアの一例を示す斜視図である。 図4は、インナーコアを説明するための図であり、図4(A)はコア半体が離間している状態の側面図、図4(B)はコア半体同士が当接している箇所の部分断面図である。 図5は、被覆電線の接続部に常温収縮チューブを配設した状態を示す図である。 図6は、インナーコアを除去する際に、コア半体がその端部を支点として離間する状態を説明するための図である。 図7は、常温収縮チューブから2個のインナーコアを除去することにより、被覆電線の接続部を保護するように配設された筒状弾性体を示す断面図である 図8は、本発明のインナーコアの他の実施形態を説明するための斜視図である。 図9は、本発明のインナーコアの他の実施形態を説明するための斜視図である。 図10は、本発明のインナーコアの他の実施形態を説明するための斜視図である。 図11は、本発明のインナーコアの他の実施形態を説明するための斜視図である。 図12は、本発明のインナーコアの他の実施形態を説明するための斜視図である。 図13は、本発明のインナーコアの他の実施形態を説明するための斜視図である。 図14は、本発明の常温収縮チューブの他の実施形態を示す断面図である。 図15は、図14に示される常温収縮チューブからインナーコアを除去する際に、コア半体がその端部を支点として離間する状態を説明するための図である。 図16は、本発明のインナーコアの他の実施形態を説明するための斜視図である。 図17は、本発明のインナーコアの他の実施形態を説明するための斜視図である。 図18は、従来の常温収縮チューブの一例を示す断面図である。 図19は、従来の常温収縮チューブに用いられるインナーコアの一例を示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
尚、図面は模式的または概念的なものであり、各部材の寸法、部材間の大きさの比等は、必ずしも現実のものと同一とは限らず、また、同じ部材等を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比が異なって表される場合もある。
図1は、本発明の常温収縮チューブの一実施形態を示す断面図である。図1において、常温収縮チューブ11は、拡径状態から縮径可能な筒状弾性体12と、この筒状弾性体12の両方の端部12a側を拡径するように位置するインナーコア21とを有している。このインナーコア21は、その長軸方向(図1に矢印aで示される方向)の一方の端部21aが、筒状弾性体12の端部12aから距離L2の深さに位置し、インナーコア21の長軸方向の他方の端部21bが、筒状弾性体12の端部12aから距離L1となるように突出している。
図2は、常温収縮チューブ11を構成する筒状弾性体12の一例を示す断面図であり、拡径されていない状態を示す。図2において、筒状弾性体12は、所望の内径d1を有する太径部13の両端に、所望の内径d2を有する細径部14が連続しており、d1>d2の関係にある。この筒状弾性体12の太径部13の内径d1は、インナーコア21の内径dと略同じである。また、筒状弾性体12の細径部14は、インナーコア21が除去されることにより、図1に示される拡径状態から、常温下で略d2の内径まで縮径可能である。この細径部14の長軸方向(図2に矢印aで示される方向)の長さLは、常温収縮チューブ11において筒状弾性体12の端部12aからインナーコア21の端部21aまでの距離L2と略同じである。また、筒状弾性体12の太径部13の長軸方向(図2に矢印aで示される方向)の長さL′は、保護対象となる被覆電線等の接続部の寸法等を考慮して適宜設定することができる。
このような筒状弾性体12は、ゴム材料からなるものであってよい。ゴム材料としては、例えば、200%モジュラスが5MPa以下、好ましくは2MPa以下、切断時伸びが500%以上、好ましくは700%以上、永久伸びが標線間距離24mm以下、好ましくは標線間距離22mm以下のゴム材料を使用することができる。筒状弾性体12を構成するゴム材料の200%モジュラスが5MPaを超えると、インナーコア21の強度を高めるために肉厚を厚くする必要が生じることがあり、その場合、所望の内径dを確保するためにインナーコアの外径Dが大きくなり、その結果、筒状弾性体12の細径部14へのインナーコア21の挿入が難しくなり、好ましくない。切断時伸びが500%未満であると、筒状弾性体12の細径部14へのインナーコア21の挿入時に、筒状弾性体12の破断が生じることあり、好ましくない。また、永久伸びが標線間距離24mmを超えると、筒状弾性体12の細径部14の収縮が不足して、被覆電線の接続部を保護するように配設された筒状弾性体12による被覆電線の圧着力が不十分となり、良好な絶縁、防水性能が得られないことがあり、好ましくない。このようなゴム材料としては、例えば、エチレンプロピレンゴム、シリコーンゴム、イソブチレンイソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム等、および、これらの任意の混合物を挙げることができる。
尚、上記の200%モジュラスは、JIS K 6251に準拠して測定する。この場合、ダンベル状3号形の試験片に線間20mmの標線を引き、この試験片に引張力を加え、線間60mmに達した時の引張力を測定する。測定装置は、(株)東洋精機製作所製 ストログラフRを使用する。また、上記の切断時伸びは、JIS K 6251に準拠して測定する。この場合、ダンベル状3号形の試験片に線間20mmの標線を引き、この試験片に引張力を加え、切断時の標線間距離を測定して伸び率を算出する。また、上記の永久伸びは、JIS K 6273に準拠して測定する。この場合、ダンベル状3号形の試験片に線間20mmの標線を引き、この試験片に引張力を加え、標線間距離60mmの状態にして70℃、24時間保持し、室温まで冷却した後解放し、30分後の標線間距離を測定する。
また、拡径されていない状態の筒状弾性体12の細径部14の肉厚は、使用するゴム材料の上記の物性等を考慮して設定することができ、例えば、15mm以下、好ましくは3〜10mmの範囲とすることができる。筒状弾性体12の細径部14の肉厚が15mmを超えると、使用するゴム材料の200%モジュラスの値にもよるが、細径部14に挿入されたインナーコア21に要求される強度が大きくなり、また、後述するインナーコア21を除去する際にコア半体を開くために要する力が大きくなり、好ましくない場合がある。例えば、使用するゴム材料の200%モジュラスが2MPaの場合、細径部14の肉厚を7mmとすることができる。
図3は、常温収縮チューブ11を構成するインナーコア21の斜視図であり、図4は、インナーコア21を説明するための図であり、図4(A)はコア半体が離間している状態の側面図、図4(B)はコア半体同士が当接している箇所の部分断面図である。インナーコア21は、本発明のインナーコアの一実施形態であり、円筒の長軸を含む平面で2分割した形状を有する1対のコア半体23,24を有している。コア半体23は、円筒長軸方向(図4(A)に矢印aで示される方向)の両端に位置する半円形状の軸端部23a、軸端部23bと、円筒長軸方向に沿って平行に位置する2本の当接端部23cとを周囲に有している。また、コア半体24は、円筒長軸方向の一方に位置する半円形状の軸端部24a、円筒長軸方向の他方に位置する軸端部24bと、円筒長軸方向に沿って平行に位置する2本の当接端部24cと、当接端部24cから軸端部24bまで延びている傾斜端部24dとを周囲に有している。したがって、インナーコア21を構成するコア半体24の円筒長軸方向における長さは、コア半体23の円筒長軸方向の長さよりも大きいものとなっている。これにより、コア半体24は、コア半体23と当接して円筒形状体22を構成する円筒構成部24Aと、応力拡散部24Bを有する構造となっている。
この1対のコア半体23,24は、軸端部23aと軸端部24aを一致させるようにして当接端部23cと当接端部24cを離間可能に当接して組み合わされ、これにより円筒形状体22が構成されている。そして、上記のコア半体24の応力拡散部24Bは、円筒形状体22から庇状に延出した状態となっている。尚、上記のインナーコア21の端部21a、端部21bは、円筒形状体22の円筒長軸方向の端部であり、円筒形状体22から庇状に延出した部位の端部ではない。
このようなインナーコア21の内径dは、常温収縮チューブの装着対象となる被覆電線の外径を考慮して適宜設定することができ、例えば、被覆電線の外径よりも5〜20mm程度大きな寸法とすることができる。
インナーコア21を構成する一方のコア半体23は、帯状の引っ張り部材26を有している。引っ張り部材26は、その両端部26aがコア半体23の軸端部23b近傍の外壁面に接合されており、環形状でコア半体23から突出している。コア半体23の円筒長軸方向に対し、引っ張り部材26の突出方向がなす角度θ(図4(A)参照)は、例えば、30°〜90°の範囲で適宜設定することができる。尚、図示例では、引っ張り部材26の両端部26aがコア半体23に接合、あるいは、引っ張り部材26がコア半体23と一体的に成形された状態であるが、引っ張り部材26の両端部26aをコア半体23に軸支することにより、環形状の引っ張り部材26が両端部26aを中心に回動可能としてもよい。
また、図4(B)に示すように、コア半体23の当接端部23cの所定位置には係合用凹部25aが設けられ、コア半体24の当接端部24cの所定位置には係合用凸部25bが設けられている。これにより、コア半体23,24の当接端部23c、24cを離間可能に当接した際に、係合用凹部25aと係合用凸部25bが係合し、円筒長軸方向の軸端部23a,24aが一致するとともに、コア半体23,24の位置ズレが防止される。尚、コア半体23の当接端部23cの所定位置に係合用凸部25bが設けられ、コア半体24の当接端部24cの所定位置に係合用凹部25aが設けられていてもよく、また、コア半体23の当接端部23cの所定位置に係合用凹部25aと係合用凸部25bが設けられ、コア半体24の当接端部24cの所定位置には係合用凸部25bと係合用凸部25bが設けられていてもよい。
このようなインナーコア21を構成するコア半体23,24は、筒状弾性体12の収縮力に耐える強度を有する必要があり、例えば、引っ張り強さが15MPa以上、好ましくは20MPa以上であるような材料を用いて形成することができる。引っ張り強さが15MPa未満であると、コア半体23,24の肉厚を大きくする必要があり、インナーコア21の外径Dが大きくなり、筒状弾性体12の拡径作業、インナーコア21を除去した後の筒状弾性体12の縮径に支障が生じる場合あり、好ましくない。コア半体23,24に使用する材料としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル等の樹脂材料、アルミニウム等の金属材料等の公知の材料を挙げることができ、これらの材料を適宜選択して使用することができる。このようなコア半体23,24の外壁面は、後述する常温収縮チューブ11からのインナーコア21の除去において支障を来さない程度に平滑であればよく、コア半体23,24の外壁面への離型剤の塗布、離型フィルムの固着等は不要である。
尚、上記の引っ張り強さは、JIS K 7161に準拠して測定する。この場合、厚さ1mm、幅5mmの試験片が切断するまでの最大引張力および切断時の引張力を測定する。測定装置は、(株)東洋精機製作所製 ストログラフRを使用する。通常、切断時の引張力は最大引張力以下となるので、切断時の引張力が上記の引っ張り強さの範囲にあることが好ましい。尚、最大引張力と切断時の引張力の差が大きく、降伏後に急激に引っ張り強さが低下する場合には、最大引張力が上記の引っ張り強さの範囲にあることが好ましい。
また、引っ張り部材26は、後述するインナーコア21の除去時に作用させる力に対して耐える強度を有する必要があり、上述のコア半体23,24に使用する材料から適宜選択して使用することができる。また、引っ張り部材26がコア半体23の外壁面に接合されている場合、コア半体23に接合可能な材料を使用することができる。
上述の常温収縮チューブ11において、筒状弾性体12の端部12aからインナーコア21の端部21bまでの距離L1と、筒状弾性体12の端部12aからインナーコア21の端部21aまでの距離L2との比(L1/L2)は、大きい程、後述するインナーコア21の除去が容易である。この比(L1/L2)は、例えば2以上、好ましくは3以上とすることができる。尚、引っ張り部材26の両端部26aがコア半体23の端部23bからやや離れた箇所に位置している場合、上記の距離L1は筒状弾性体12の端部12aから引っ張り部材26の両端部26aの接合箇所までの距離となる。
また、常温収縮チューブ11において、インナーコア21の外径Dと、筒状弾性体12の端部12aからインナーコア21の端部21aまでの距離L2との比(D/L2)は、大きい程、後述するインナーコア21の除去が容易である。この比(D/L2)は、1以上、好ましくは2以上とすることができる。
本発明の常温収縮チューブ11は、筒状弾性体12の細径部14にインナーコア21が直接挿入されたものである。したがって、フィルムを介在させてインナーコアを挿入する従来の常温収縮チューブに比べて、インナーコアにフィルムを固着する等の工程が不要であり、また、インナーコア挿入時にフィルムの損傷防止等の煩雑な工程管理が不要であり、筒状弾性体12を拡径状態とすることが容易である。
このような常温収縮チューブ11は、図5に示されるように被覆電線1の接続部2が筒状弾性体12の略中央に位置するように、被覆電線1に配置される。このとき、被覆電線1の長手方向に延びているコア半体24の応力拡散部24Bは、後述する被覆電線1に作用する応力の拡散作用に加えて、被覆電線1を常温収縮チューブ11に通すガイドとしても作用する。そして、常温収縮チューブ11の2個のインナーコア21の一方において、インナーコア21の長軸方向に対して略垂直な方向であってインナーコア21から離間する方向(図5に矢印Pで示す方向)となるように、引っ張り部材26に力を作用させる。引っ張り部材26への矢印P方向の力の付加は、例えば、絶縁棒の先端部に所望の作業用工具を取り付けた構造のホットスティック(絶縁作業棒)を用いて、環形状の引っ張り部材26を把持する、あるいは、引っ掛けることにより行うことができる。尚、図5では、被覆電線1、その接続部2を二点鎖線で示している。
上記のように、引っ張り部材26に矢印P方向の力を作用させることにより、図6に示されるように、当接している1対のコア半体23,24が、筒状弾性体12に挿入されているコア半体23の軸端部23aと当接端部23cとの境界部23eと、コア半体24の軸端部24aと当接端部24cとの境界部24eとの接点を支点として離間する。このとき、引っ張り部材26に作用させた矢印P方向の力によって、コア半体24を介して応力が被覆電線1に作用するが、コア半体24の応力拡散部24Bが被覆電線1の長手方向に延びているので、被覆電線1に作用する応力が拡散され、被覆電線1の折れ曲がり、損傷が防止される。尚、1対のコア半体23,24が上記のように離間することにより、境界部23e,24eとの接点に筒状弾性体12の細径部14の収縮力が集中するので、境界部23e,24eに欠損等が生じることが考えられる。このため、境界部23e,24eに丸みを設けて、応力を分散するようにしてもよい。
引っ張り部材26に作用させた矢印P方向の力により、境界部23e,24eとの接点を支点とした1対のコア半体23,24の離間角度が大きくなるにしたがい、筒状弾性体12の細径部14の収縮力が、インナーコア21を筒状弾性体12の外部に押し出すように作用する。これにより、筒状弾性体12に挿入されていたインナーコア21が除去され、筒状弾性体12の細径部14が元の内径d2と略同じ内径に縮径して被覆電線1に密着する。同様に、常温収縮チューブ11の残りのインナーコア21を除去する。図7は、常温収縮チューブ11から2個のインナーコア21を除去することにより、被覆電線1の接続部2を保護するように配設された筒状弾性体12を示す断面図である。尚、常温収縮チューブ11から2個のインナーコア21を同時に除去してもよいが、架空電線への負荷を軽減する点から、個々にインナーコア21を除去することが好ましい。
本発明の常温収縮チューブ11では、インナーコア21を除去するための力を、上述のようにインナーコア21から離間する方向(図5に矢印Pで示す方向)に加えるので、被覆電線1の軸方向における常温収縮チューブ11の位置ズレが生じ難いものとなる。したがって、常温収縮チューブ11からのインナーコア21の除去作業を短時間で容易、確実に行うことができ、かつ、被覆電線1の接続部2に対して最適な位置に筒状弾性体12を配設することができる。
また、上述のように、本発明の常温収縮チューブ11は、筒状弾性体12の細径部14にインナーコア21が直接挿入されたものであり、フィルム等を介在させていないので、インナーコア21を除去して、被覆電線1の接続部2を保護するように筒状弾性体12を配設した後のゴミ量が少なく、分別処理も不要であり、また、フィルム等が風により飛ばされるというような問題も生じない。
図8は、本発明のインナーコアの他の実施形態を説明するための斜視図である。図8に示されるインナーコア21′は、インナーコア21′を構成するコア半体23が備える引っ張り部材26の端部26a,26a′がコア半体23の外壁面に接合される位置が、上述の図3、図4(A)に示されるインナーコア21を構成するコア半体23が備える引っ張り部材26と相違する点を除いて、上述のインナーコア21と同様である。
インナーコア21′では、コア半体23が備える引っ張り部材26は、一方の端部26aがコア半体23の軸端部23b近傍の外壁面に接合されており、他方の端部26a′が、コア半体23の円筒長軸方向で軸端部23bから離れた位置の外壁面に接合されている。この引っ張り部材26の端部26a,26a′は、コア半体23の円筒長軸方向で同一の線上に位置している。また、引っ張り部材26の端部26a′がコア半体23の外壁面に接合される位置は、インナーコア21′が常温収縮チューブに挿入された際に、常温収縮チューブから突出する部位である。図示例では、引っ張り部材26の端部26a,26a′が位置する円筒長軸方向の同一線は、コア半体23の2本の当接端部23cから最も離間するように設定されているが、この同一線はコア半体23の周方向のいずれに位置していてもよく、例えば、2本の当接端部23cの一方と平行に隣接するものであってもよい。
インナーコア21′では、引っ張り部材26の一方の端部26aがコア半体23の軸端部23b近傍の外壁面に接合されており、また、上述のインナーコア21では、引っ張り部材26では、その両端部26aがコア半体23の軸端部23b近傍の外壁面に接合されている。本発明では、引っ張り部材26の少なくとも一方の端部がコア半体23の軸端部23b近傍の外壁面に接合されていればよく、引っ張り部材26の他方の端部の接合位置は、インナーコアが常温収縮チューブに所定の深さまで挿入されるのを阻害しない位置であればよく、特に制限はない。
このようなインナーコア21′は、上述のインナーコア21と同様に、本発明の常温収縮チューブに使用することができる。そして、常温収縮チューブからインナーコア21′を除去する時には、インナーコア21′の長軸方向に対して略垂直な方向であってインナーコア21′から離間する方向(図8に矢印Pで示す方向)となるように、引っ張り部材26に力を作用させる。
図9は、本発明のインナーコアの他の実施形態を説明するための斜視図である。図9に示されるインナーコア31は、インナーコア31を構成するコア半体33が備える引っ張り部材36が、上述の図3、図4(A)に示されるインナーコア21を構成するコア半体23が備える引っ張り部材26と相違する点を除いて、上述のインナーコア21と同様である。したがって、インナーコア21において20番台の番号を付して説明した部材、部位は、インナーコア31では30番台の番号を付し、説明を省略する。
コア半体33が備える引っ張り部材36は、コア半体33の軸端部33bから突出する長板状であり、コア半体33の円筒長軸方向に対し、引っ張り部材36の突出方向がなす角度θは、例えば、30°〜90°の範囲で適宜設定することができる。また、引っ張り部材36は、ホットスティック(絶縁作業棒)を用いた引っ張り部材36の把持を容易、確実とするために、先端に幅広部36aを有している。この引っ張り部材36は、コア半体33と一体的に形成されたものであってよい。また、引っ張り部材36は、コア半体33の軸端部33bに接合されたものであってもよく、この場合、所望の強度を有し、コア半体33に接合可能な材料を適宜選択して使用することができる。尚、引っ張り部材36がコア半体33の軸端部33bから突出する位置は、図示例では、略半円形状の軸端部33bの両端部から最も離間するように設定されているが、この突出位置は軸端部33b上であればよく、特に制限されるものではない。また、引っ張り部材36は、コア半体33の軸端部33bの近傍の外壁面から突出するものであってもよく、この場合も、突出位置はコア半体33の周方向のいずれにあってもよい。
このインナーコア31は、上述のインナーコア21と同様に、本発明の常温収縮チューブに使用することができる。そして、常温収縮チューブからインナーコア31を除去する時には、インナーコア31の長軸方向に対して略垂直な方向であってインナーコア31から離間する方向(図9に矢印Pで示す方向)となるように、引っ張り部材36に力を作用させる。
図10は、本発明のインナーコアの他の実施形態を説明するための斜視図である。図10に示されるインナーコア41は、インナーコア41を構成するコア半体43が備える引っ張り部材46が、上述の図3、図4(A)に示されるインナーコア21を構成するコア半体23が備える引っ張り部材26と相違する点を除いて、上述のインナーコア21と同様である。したがって、インナーコア21において20番台の番号を付して説明した部材、部位は、インナーコア41では40番台の番号を付し、説明を省略する。
コア半体43が備える引っ張り部材46は、コア半体43の軸端部43b近傍の外壁面に突設されており、コア半体43から突出する基部46aと、この基部46aの先端に位置する係合用凸部46bを有している。この引っ張り部材46は、コア半体43と一体的に形成されたものであってよい。また、引っ張り部材46は、コア半体43の端部43b近傍の外壁面に接合されたものであってもよく、この場合、所望の強度を有し、コア半体43に接合可能な材料を適宜選択して使用することができる。
このインナーコア41は、上述のインナーコア21と同様に、本発明の常温収縮チューブに使用することができる。そして、常温収縮チューブからインナーコア41を除去する時には、インナーコア41の長軸方向に対して略垂直な方向であってインナーコア41から離間する方向(図10に矢印Pで示す方向)となるように、引っ張り部材46に力を作用させる。
尚、引っ張り部材46の形状は、図示例に限定されるものではなく、矢印Pで示す方向となるように引っ張り部材46に力を作用させることができる形状であれば特に制限はない。
図11は、本発明のインナーコアの他の実施形態を説明するための斜視図である。図11に示されるインナーコア51は、インナーコア51を構成するコア半体54が、コア半体53の当接端部53cと当接する当接端部54cがそのまま延びてコア半体54の軸端部54bに至っている。これにより、コア半体54は、コア半体53と当接して円筒形状体を構成する円筒構成部54Aと、円筒形状体から庇状に延出する応力拡散部54Bを有する構造となっている。このようなインナーコア51は、上述の図3、図4(A)に示されるインナーコア21を構成するコア半体24が備える傾斜端部24dを備えていない点を除いて、上述のインナーコア21と同様である。したがって、インナーコア21において20番台の番号を付して説明した部材、部位は、インナーコア51では50番台の番号を付し、説明を省略する。
このインナーコア51は、上述のインナーコア21と同様に、本発明の常温収縮チューブに使用することができる。そして、常温収縮チューブからインナーコア51を除去する時には、インナーコア51の長軸方向に対して略垂直な方向であってインナーコア51から離間する方向(図11に矢印Pで示す方向)となるように、引っ張り部材56に力を作用させる。引っ張り部材56は、上述のインナーコア21を構成する引っ張り部材26と同様とすることができる。
尚、このようなインナーコア51のコア半体53が備える引っ張り部材56は、上述のインナーコア21′が備える引っ張り部材26、インナーコア31が備える引っ張り部材36、インナーコア41が備える引っ張り部材46であってもよい。
また、図12は、本発明のインナーコアの他の実施形態を説明するための斜視図である。図12に示されるインナーコア61は、インナーコア61を構成する1対のコア半体63,64の円筒軸方向の長さが同等である。このようなインナーコア61は、コア半体63,64の当接端部63c、64cを離間可能に当接することにより構成される円筒形状体において、庇状にコア半体64が延出していない点を除いて、上述のインナーコア21と同様である。したがって、インナーコア21において20番台の番号を付して説明した部材、部位は、インナーコア61では60番台の番号を付し、説明を省略する。
このインナーコア61は、上述のインナーコア21と同様に、本発明の常温収縮チューブに使用することができる。そして、常温収縮チューブからインナーコア61を除去する時には、インナーコア61の長軸方向に対して略垂直な方向であってインナーコア61から離間する方向(図12に矢印Pで示す方向)となるように、引っ張り部材66に力を作用させる。インナーコア61を構成する1対のコア半体63,64の円筒軸方向の長さは、常温収縮チューブからインナーコア61を除去するために引っ張り部材66に矢印P方向の力を作用させたときに、被覆電線の折れ曲がり、損傷を防止できるように、適宜設定することができる。引っ張り部材66は、上述のインナーコア21を構成する引っ張り部材26と同様とすることができる。
尚、このようなインナーコア61のコア半体63が備える引っ張り部材66は、上述のインナーコア21′が備える引っ張り部材26、インナーコア31が備える引っ張り部材36、インナーコア41が備える引っ張り部材46であってもよい。
図13は、本発明のインナーコアの他の実施形態を説明するための斜視図である。図13に示されるインナーコア71は、インナーコア71を構成するコア半体73とコア半体74の円筒軸方向の長さが同等であり、コア半体73が引っ張り部材76を具備するとともに、コア半体74も引っ張り部材76′を具備する点を除いて、上述のインナーコア21と同様である。したがって、インナーコア21において20番台の番号を付して説明した部材、部位は、インナーコア71では70番台の番号を付し、説明を省略する。
引っ張り部材76′は、引っ張り部材76とともに、上述のインナーコア21を構成する引っ張り部材26と同様とすることができる。
このインナーコア71は、上述のインナーコア21と同様に、本発明の常温収縮チューブに使用することができる。そして、常温収縮チューブからインナーコア71を除去する時には、インナーコア71の長軸方向に対して略垂直な方向であってインナーコア71から離間する方向(図13に矢印P、矢印P′で示す方向)となるように、引っ張り部材76,76′に力を同時に作用させる。したがって、被覆電線に応力が作用することを防止しながらインナーコア71を除去することができる。
尚、このようなインナーコア71のコア半体73,74が備える引っ張り部材76,76′は、上述のインナーコア21′が備える引っ張り部材26、インナーコア31が備える引っ張り部材36、インナーコア41が備える引っ張り部材46であってもよい。
また、本発明の常温収縮チューブは、引っ張り部材を具備しないインナーコアを用いたものであってもよい。図14は、このようなインナーコアを筒状弾性体の細径部に挿入して拡径した本発明の常温収縮チューブを示す断面図である。図14において、常温収縮チューブ11に用いられているインナーコア81は、インナーコア81を構成するコア半体83とコア半体84の円筒軸方向の長さが同等である。尚、このインナーコア81は、インナーコア81を構成するコア半体83とコア半体84の円筒軸方向の長さが同等であり、コア半体83が引っ張り部材76を具備していない点を除いて、上述のインナーコア21と同様である。したがって、インナーコア21において20番台の番号を付して説明した部材、部位は、インナーコア81では80番台の番号を付し、説明を省略する。
このインナーコア81の内径dは、インナーコア81と被覆電線との間に、図示するように、ホットスティック(絶縁作業棒)の作業用工具5が被覆電線を損傷することなく挿入できるように設定されている。常温収縮チューブ11からインナーコア81を除去する時には、インナーコア81と被覆電線との間に挿入したホットスティックの作業用工具5を介して、インナーコア81の長軸方向に対して略垂直な方向であってインナーコア81から離間する方向(図14矢印P、矢印P′で示す方向)に力を同時に作用させる。これにより、図15に示されるように、当接している1対のコア半体83,84が、筒状弾性体12に挿入されているコア半体83の軸端部83aと当接端部83cとの境界部83eと、コア半体84の軸端部84aと当接端部84cとの境界部84eとの接点を支点として離間する。そして、筒状弾性体12の細径部14の収縮力がインナーコア81を筒状弾性体12の外部に押し出すように作用することにより、筒状弾性体12に挿入されていたインナーコア81が除去され、筒状弾性体12の細径部14が元の内径d2と略同じ内径に縮径する。このインナーコア81の除去では、被覆電線に応力が作用することが防止される。
上述の常温収縮チューブ、インナーコアの実施形態は例示であり、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明のインナーコアは、常温収縮チューブを作製する際に、筒状弾性体の細径部への挿入深さを一定とすることを容易とするためのマークを備えるものであってもよい。上述の本発明のインナーコア21を例にすると、例えば、図16に示すように、インナーコア21を構成するコア半体23とコア半体24の外壁面に、インナーコア21の軸端部21aから所定の位置(図1に示される距離L2)となるように、突起28a,28bをそれぞれ設けてマーク28としたものであってよい。このようなインナーコア21は、マーク28が筒状弾性体の端部に達するようにインナーコア21を筒状弾性体の細径部へ挿入することにより、筒状弾性体の細径部への挿入深さを常に一定とすることができる。尚、図示例では、突起28a,28bは環状を形成するように連続した形状であるが、周方向に複数に分割したもの、あるいは、コア半体23,24の外壁面のそれぞれ1箇所に設けたものであってもよい。また、強度的に問題がなければ、突起に代えて溝部をコア半体23,24の外壁面に設けてマーク28としてもよい。
また、本発明のインナーコアは、2個のコア半体が1箇所で連結されたものであってもよい。例えば、上述の本発明のインナーコア21において、図17に示すように、インナーコア21を構成するコア半体23とコア半体24とが、1個のヒンジ29で連結されたものであってよい。この場合、1個のヒンジ29は、コア半体23の軸端部23a、コア半体24の軸端部24aを接続する位置に設けられており、これにより、常温収縮チューブ11からインナーコア21を除去する際に、1対のコア半体23,24は、図6に示されるように離間可能とされる。尚、図17では、1個のヒンジ29でコア半体23とコア半体24とが連結されている状態を示すために、コア半体23に対してコア半体24を斜め上方に捻って位置させており、インナーコア21を構成せずに離間状態にあるコア半体23とコア半体24との相対位置は、図示の位置に制限されるものではない。
次に、具体的な実施例を示して本発明を更に詳細に説明する。
エチレンプロピレンゴムからなる筒状弾性体を準備した。この筒状弾性体は、図2に示されるような形状であり、太径部の内径d1は11mm、細径部の内径d2は5.3mm、細径部の軸方向の長さLは6mm、細径部の肉厚は7mmであった。また、筒状弾性体を構成するエチレンプロピレンゴムの200%モジュラスは2MPa、切断時伸びは700%、永久伸びは標線間距離22mmであった。尚、200%モジュラスは、JIS K 6251に準拠し、ダンベル状3号形の試験片に線間20mmの標線を引き、線間60mmに達した時の引張力を、(株)東洋精機製作所製 ストログラフRを使用して測定した。また、切断時伸びは、JIS K 6251に準拠し、ダンベル状3号形の試験片に線間20mmの標線を引き、切断時の標線間距離を測定して伸び率を算出した。また、永久伸びは、JIS K 6273に準拠し、ダンベル状3号形の試験片に線間20mmの標線を引き、標線間距離60mmの状態にして70℃、24時間保持し、室温まで冷却した後解放し、30分後の標線間距離を測定した。
また、本発明のインナーコアとして、ポリプロピレンを用いて図3、図4に示されるようなインナーコアを作製した。このインナーコアを構成する2個のコア半体の一方は、円筒長軸方向の軸端部近傍に、図3、図4に示されるように引っ張り部材を有し、他方のコア半体は、図4に示される円筒構成部24Aと応力拡散部24Bを有し、円筒構成部24Aの円筒長軸方向の長さは28mm、と応力拡散部24Bの軸方向の長さは22mmであった。このようなインナーコアの内径dは15.6mm、外径Dは17.6mmであり、使用したポリプロピレンの引っ張り強さは20MPaであった。尚、引っ張り強さは、JIS K 7161に準拠し、厚さ1mm、幅5mmの試験片が切断するまでの最大引張力および切断時の引張力を、(株)東洋精機製作所製 ストログラフRを使用して測定した。この測定結果では、最大引張力≒切断時の引張力であった。
次に、上記のインナーコアを、上記の筒状弾性体の両端の細径部に挿入して、図1に示されるような常温収縮チューブを作製した。この常温収縮チューブでは、図1に示される距離L1が21mm、距離L2が7mmであり、比(L1/L2)は3であり、また、比(D/L2)は2.5であった。
次いで、この常温収縮チューブを、外径8mmの被覆電線に、その接続部が筒状弾性体の略中央に位置するように配置した。
次に、2個のインナーコアの一方において、絶縁棒の先端部に所望の作業用工具を取り付けた構造のホットスティックを用いて、インナーコアが具備する環形状の引っ張り部材を把持し、インナーコアの長軸方向に対して略垂直な方向であってインナーコアから離間する方向(図5に矢印Pで示す方向)で力を作用させた。これにより、インナーコアを構成する1対のコア半体が、図6に示されるように離間し、このコア半体の離間動作により、筒状弾性体の細径部の収縮力が、インナーコアを筒状弾性体の外部に押し出すように作用してインナーコアが除去され、筒状弾性体の細径部が縮径して被覆電線に密着した。同様に、常温収縮チューブの残りのインナーコアを除去した。これにより、被覆電線の接続部を保護するように筒状弾性体を配設した。
このインナーコアの除去作業における被覆電線に対する常温収縮チューブの位置ズレは観察されず、インナーコアが除去された後は、被覆電線の接続部が筒状弾性体の略中央に位置していた。
本発明は、被覆電線等の接続部を被覆して保護する作業を要する分野において有用である。
11…常温収縮チューブ
12…筒状弾性体
12a…筒状弾性体の端部
21,31,41,51,61,71,81…インナーコア
23,24,33,34,43,44,53,54,63,64,73,74,83,84…コア半体
26,36,46,56,66,76,76…引っ張り部材

Claims (14)

  1. 拡径状態から縮径可能な筒状弾性体と、該筒状弾性体の両端部側を拡径するように位置するインナーコアとを有し、
    前記インナーコアは、円筒の長軸を含む平面で2分割した形状を有する1対のコア半体が離間可能に当接され組み合わされた円筒形状体であり、
    前記インナーコアの前記長軸方向の一方の端部は、前記筒状弾性体の端部から所望の深さに位置し、前記インナーコアの前記長軸方向の他方の端部は、前記筒状弾性体の端部から突出していることを特徴とする常温収縮チューブ。
  2. 前記インナーコアは、1対の前記コア半体の少なくとも一方に引っ張り部材を有し、該引っ張り部材は前記筒状弾性体の端部から突出している前記インナーコアの端部あるいは端部近傍に位置することを特徴とする請求項1に記載の常温収縮チューブ。
  3. 前記インナーコアの前記長軸方向に対して垂直な方向で、かつ、前記インナーコアから離間する方向となるように、前記引っ張り部材に力を作用させたときに、当接している1対の前記コア半体が、前記筒状弾性体の端部から所望の深さに位置する前記コア半体の端部を支点として離間することを特徴とする請求項2に記載の常温収縮チューブ。
  4. 前記引っ張り部材を有していない他方の前記コア半体の端部が前記筒状弾性体の端部から突出する長さは、前記引っ張り部材を有している一方の前記コア半体の端部が前記筒状弾性体の端部から突出する長さよりも大きいことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の常温収縮チューブ。
  5. 前記筒状弾性体の端部から、前記筒状弾性体から突出している前記インナーコアの前記長軸方向の端部までの距離L1と、前記筒状弾性体の端部から、前記筒状弾性体の所望の深さに位置する前記インナーコアの前記長軸方向の端部までの距離L2との比(L1/L2)は、2以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の常温収縮チューブ。
  6. 前記距離L1は、前記筒状弾性体の端部から、前記引っ張り部材が位置する部位までの距離であることを特徴とする請求項5に記載の常温収縮チューブ。
  7. 円筒形状体である前記インナーコアの外径Dと、前記筒状弾性体の端部から、前記筒状弾性体の所望の深さに位置する前記インナーコアの前記長軸方向の端部までの距離L2との比(D/L2)は、1以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の常温収縮チューブ。
  8. 前記筒状弾性体は、200%モジュラスが5MPa以下、切断時伸びが500%以上、永久伸びが標線間距離24mm以下のゴム材料であることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の常温収縮チューブ。
  9. 前記インナーコアによる拡径前の前記筒状弾性体の両端部側の肉厚は、3〜10mmの範囲であることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の常温収縮チューブ。
  10. 拡径状態から縮径可能な筒状弾性体の端部側を拡径するためのインナーコアにおいて、
    前記インナーコアは、円筒の長軸を含む平面で2分割した形状を有する1対のコア半体を有し、
    1対の該コア半体は、離間可能に当接して組み合わすことにより円筒形状体を構成可能であり、
    1対の前記コア半体の少なくとも一方は、前記長軸方向の一方の端部あるいは端部近傍に引っ張り部材を有することを特徴とするインナーコア。
  11. 前記引っ張り部材を有していない前記コア半体の前記長軸方向の長さは、前記引っ張り部材を有している前記コア半体の前記長軸方向の長さよりも大きいことを特徴とする請求項10に記載のインナーコア。
  12. 前記引っ張り部材は、両端部が1つのコア半体に接合された環形状であることを特徴とする請求項10または請求項11に記載のインナーコア。
  13. 前記引っ張り部材は、前記コア半体から突出している形状であることを特徴とする請求項10または請求項11に記載のインナーコア。
  14. 前記コア半体の引っ張り強さは、15MPa以上であることを特徴とする請求項10乃至請求項13のいずれかに記載のインナーコア。
JP2015121265A 2015-06-16 2015-06-16 常温収縮チューブおよびそれに用いるインナーコア Expired - Fee Related JP6527759B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015121265A JP6527759B2 (ja) 2015-06-16 2015-06-16 常温収縮チューブおよびそれに用いるインナーコア

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015121265A JP6527759B2 (ja) 2015-06-16 2015-06-16 常温収縮チューブおよびそれに用いるインナーコア

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017011774A true JP2017011774A (ja) 2017-01-12
JP6527759B2 JP6527759B2 (ja) 2019-06-05

Family

ID=57764456

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015121265A Expired - Fee Related JP6527759B2 (ja) 2015-06-16 2015-06-16 常温収縮チューブおよびそれに用いるインナーコア

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6527759B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09284977A (ja) * 1996-04-10 1997-10-31 Furukawa Electric Co Ltd:The 電力ケーブル接続部用エンクロージャ
JP2001037035A (ja) * 1999-07-19 2001-02-09 Hitachi Cable Ltd 絶縁筒拡管パイプ及びそれを用いた電力ケーブルの接続方法
JP2002144425A (ja) * 2000-11-07 2002-05-21 Hitachi Cable Ltd 常温収縮型被覆材料の拡径支持用心材
JP2004034518A (ja) * 2002-07-03 2004-02-05 Three M Innovative Properties Co 摺動脱離型コア部材及びそのコア部材を有する常温収縮管装置
JP2005190723A (ja) * 2003-12-24 2005-07-14 Three M Innovative Properties Co 摺動脱離型コア部材及びそのコア部材を有する常温収縮管装置
JP2012016212A (ja) * 2010-07-02 2012-01-19 Swcc Showa Cable Systems Co Ltd ケーブル接続部用常温収縮チューブ及びケーブル接続部

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09284977A (ja) * 1996-04-10 1997-10-31 Furukawa Electric Co Ltd:The 電力ケーブル接続部用エンクロージャ
JP2001037035A (ja) * 1999-07-19 2001-02-09 Hitachi Cable Ltd 絶縁筒拡管パイプ及びそれを用いた電力ケーブルの接続方法
JP2002144425A (ja) * 2000-11-07 2002-05-21 Hitachi Cable Ltd 常温収縮型被覆材料の拡径支持用心材
JP2004034518A (ja) * 2002-07-03 2004-02-05 Three M Innovative Properties Co 摺動脱離型コア部材及びそのコア部材を有する常温収縮管装置
JP2005190723A (ja) * 2003-12-24 2005-07-14 Three M Innovative Properties Co 摺動脱離型コア部材及びそのコア部材を有する常温収縮管装置
JP2012016212A (ja) * 2010-07-02 2012-01-19 Swcc Showa Cable Systems Co Ltd ケーブル接続部用常温収縮チューブ及びケーブル接続部

Also Published As

Publication number Publication date
JP6527759B2 (ja) 2019-06-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2006296166A (ja) コルゲートチューブ、コルゲートチューブの装着方法及びワイヤーハーネス
JP2017011774A (ja) 常温収縮チューブおよびそれに用いるインナーコア
JP4430064B2 (ja) コルゲートチューブへのベルトクランプ取付構造体及びベルトクランプ取付方法
JP2007255674A (ja) クランプホルダ
JP3236747U (ja) 脱落防止具
WO2014006968A1 (ja) ワイヤーハーネス外装体、ワイヤーハーネス外装構造、及びワイヤーハーネス保護構造
JP2022036572A (ja) 電線保護管の保持具
JP5999647B2 (ja) 金属被覆ケーブルの金属被覆拡径冶具、および金属被覆ケーブルと接続銅管との接合方法及び接合構造
JP6536272B2 (ja) 絶縁カバー
JP5778386B2 (ja) 管継手用ロックリング、管継手、及び、管継手用ロックリングの製造方法
JP2011148017A (ja) ソケット溶接用治具
JP5563115B1 (ja) 電線絶縁保護カバー及びその取付方法
JP2009011656A (ja) バルーン取付治具、及び、バルーン取付方法
JP7444615B2 (ja) 接続用クランプ装置
JP4851988B2 (ja) クランプホルダ
JP2009303387A (ja) コルゲートチューブ拡開治具、及び、該コルゲートチューブ拡開治具を用いた電線束へのコルゲートチューブ取付方法
JP2010057235A (ja) ケーブル通線具及びケーブル通線方法
JP5714632B2 (ja) 電線用防護管
TW201131233A (en) Optical fiber cable and method of taking out optical fiber
JP2010011526A (ja) コルゲートチューブ固定用部材
WO2022264771A1 (ja) ワイヤハーネス
KR200207805Y1 (ko) 배관 단열재용 덕트
JP2008182819A (ja) 分岐電線の固定部材
JP5951721B2 (ja) 防護管
JP2007202338A (ja) 電線保護チューブ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180525

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190123

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190205

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190328

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190416

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190513

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6527759

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees