JP2017001116A - スクロールチャック取り換え治具 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、工作機械の種類を問わず、工作機械自身の構造を複雑化することなく、種々の工作機械に設けられたスクロールチャックの取り換え作業を、一人でより簡単に実施することが可能な、スクロールチャック取り換え治具を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、工作機械を構成するスクロールチャックを取り換える際に用いられるスクロールチャック取り換え治具1であって、スクロールチャックの外径よりも大きく形成された内径部11を有し、内径部11の下方位置にスクロールチャックの直径よりも小さく形成された下方開口部13とを有する治具本体部10と、治具本体部10の上方位置に設けられたフック取付部40と、治具本体部10の下方開口部13近傍に設けられたローラ51とを備えたことを特徴としている。
【選択図】図1

Description

本発明は、工作機械(例えば、旋盤)を構成するスクロールチャックを取り換える際に用いられる、スクロールチャック取り換え治具に関するものである。
一般的に、旋盤等の工作機械は、被工作物を把持すべくスクロールチャックを有している。このスクロールチャックは、被工作物の寸法等に応じて取り換え作業が必要な場合がある。
このスクロールチャックの取り換え作業は、その工作機械の種類によって、自動的に行われる場合(特許文献1参照)もあれば、主に作業員の手作業にて行われる場合もある。
スクロールチャックの自動取り換え装置を有する工作機械は、構造が複雑になると共に装置が大型化し、その製造コストも高価になるという問題があった。また、スクロールチャックの取り換え作業を、主に作業員の手作業にて行う場合には、スクロールチャックの重さが約30kg程度であるため、一人ではかなりの重労働になるという問題があった。また、仮に二人以上でスクロールチャックの取り換え作業を行う場合でも、作業が煩雑になるという問題があった。
特開平05−253711号公報
そこで、本発明は、上記従来技術の問題を解決するためになされたものであって、工作機械の種類を問わず、工作機械自身の構造を複雑化することなく、種々の工作機械に設けられたスクロールチャックの取り換え作業を、一人でより簡単に実施することが可能となる技術を提供することを課題とする。
より具体的には、本発明は、上記従来技術の問題を解決するためになされたものであって、工作機械を構成するスクロールチャックを取り換える際に用いられる、比較的簡単な構成で且つ非常に効果的に使用可能なスクロールチャック取り換え治具を提供することを課題とする。
本発明の第一態様は、上記課題を解決するためになされたものであり、工作機械を構成するスクロールチャックを取り換える際に用いられるスクロールチャック取り換え治具であって、前記スクロールチャックの外径よりも大きく形成された内径部を有し、前記内径部の下方位置に前記スクロールチャックの直径よりも小さく形成された下方開口部とを有する治具本体部と、前記治具本体部の上方位置に設けられたフック取付部と、前記治具本体部の前記下方開口部近傍に設けられたローラとを備えたことを特徴としている。
このような構成を有するスクロールチャック取り換え治具によれば、前記スクロールチャックの取り換え作業を、一人の作業者にて簡単に実施することができる。具体的には、前記スクロールチャック取り換え治具を用いて、次のような工程が実施される。
第一工程としては、前記フック取付部にクレーン(例えば、ホイスト式天井クレーン)の先端部に設けられたフックを取り付けた状態とし、前記クレーンを稼働させて、前記スクロールチャック取り換え治具を前記工作機械近傍(前記スクロールチャック近傍)に移動させる。<治具稼働工程>
第二工程としては、前記クレーンを稼働させて、前記内径部を前記スクロールチャックの正面から前記スクロールチャックの外周部に沿うように取り付け、前記クレーンに若干のテンションをかける。すなわち、前記スクロールチャック取り換え治具を前記スクロールチャックに取り付けた状態にて、前記スクロールチャックを上方に持ち上げる方向に、前記クレーンにわずかなテンションをかける。<治具着脱工程>
第三工程としては、前記第二工程の状態にて、前記スクロールチャックの背面側に設けられているボルト(前記スクロールチャックを主軸台のフランジに固定しているボルト)を緩めて、前記フランジから前記スクロールチャックを取り外し可能とする。<ボルト着脱工程>
第四工程としては、前記第三工程の状態にて、前記クレーンを稼働させることにより、前記スクロールチャック取り換え治具に保持された前記スクロールチャックを所定の場所(保管場所等)に移動させる。この際、前記スクロールチャック取り換え治具の前記下方開口部から、前記スクロールチャックの一部は露出している。したがって、前記スクロールチャック取り換え治具にて保持された前記スクロールチャックは、所定の場所に載置された状態で一部が接地し、その状態にて前記クレーンを稼働させて、前記スクロールチャック取り換え治具を前記スクロールチャックから取り外すことができる。<スクロールチャック着脱工程>
また、このような構成によれば、前記第一工程から前記第四工程までを順番に実施することによって、前記工作機械から前記スクロールチャックを取り外すことが可能であると共に、前記第四工程から前記第一工程までを逆の順番に実施することによって、前記工作機械に前記スクロールチャックを取り付けることができる。すなわち、本発明によれば、このように構成されたスクロールチャック取り換え治具を適切に用いることによって、前記スクロールチャックの取り換え作業を一人の作業者にて簡単に実施することができる。
さらに、このような構成によれば、前記下方開口部近傍に前記ローラが設けられているため、前記スクロールチャック取り換え治具を用いて前記スクロールチャックの取り付け作業を行う際、前記スクロールチャックと前記フランジとの位置合わせ(ボルトで固定する際の位置合わせ)を容易に行うことができる。つまり、このような構成によれば、前記スクロールチャック取り換え治具にて前記スクロールチャックを保持した状態で、前記ローラを介して前記スクロールチャックを回転させることができるため、前記スクロールチャックと前記フランジとの位置合わせを簡単に実施することができる。
また、本発明の第二態様にかかるスクロールチャック取り換え治具は、上述した第一態様において、前記下方開口部を成す一対の前記内径部端部のそれぞれに、二つのローラから成るローラ部が設けられており、前記ローラと前記スクロールチャックの外周面との接触点が、同一円周上に位置するように、それぞれの前記ローラが設けられ、前記ローラ部を成す隣接するローラの間隔が、前記スクロールチャックの外周部に形成された溝部よりも大きいことが好ましい。
この好ましい構成によれば、前記内径部端部のそれぞれに設けられた前記ローラ部が、少なくとも二つのローラを用いて構成され、隣接する前記ローラのいずれかが前記溝部以外の前記スクロールチャックの外周面に接触することとなるため、前記ローラが前記溝部に落ち込むことはない。つまり、前記スクロールチャック取り換え治具にて前記スクロールチャックを保持した際、あるいは前記スクロールチャックを保持した状態で回転させる際、前記溝部がそれぞれの前記ローラに引っかかったり落ち込んだりすることがない。したがって、このような構成によれば、前記スクロールチャックの保持を適切に実施可能であると共に、前記スクロールチャックと前記フランジとの位置合わせを簡単且つ確実に実施することができる。
さらに、本発明の第三態様にかかるスクロールチャック取り換え治具は、上述した第一態様または第二態様において、前記スクロールチャックの外径寸法の縮小方向の変化に対応すべくガイド部が設けられており、前記ガイド部が、ガイドバー部と、前記ガイドバー部の一方端部を前記治具本体部の上方位置に回動自在に固定するバー取付部とを用いて構成され、前記ガイドバー部の他方端部であるガイドバー先端部が、所定の曲面を有すべく形成されていることが好ましい。
この好ましい構成によれば、前記スクロールチャックの寸法に応じて、前記内径部にて保持する場合と、前記ガイド部にて保持する場合とを選択可能であるため、一つのスクロールチャック取り換え治具で複数寸法のスクロールチャックの取り換え作業を実施することができる。例えば、10インチのスクロールチャックに対しては前記内径部にて保持した状態で取り換え作業を行い、9インチのスクロールチャックに対しては前記ガイド部を用いて保持した状態で取り換え作業を行うことが可能となる。
本発明によれば、工作機械の種類を問わず、工作機械自身の構造を複雑化することなく、種々の工作機械に設けられたスクロールチャックの取り換え作業を、一人でより簡単に実施することができる、比較的簡単な構成で且つ非常に効果的に使用可能なスクロールチャック取り換え治具を得ることができる。
本発明の実施形態にかかるスクロールチャック取り換え治具の概略図を示したものであり、図1(a)はスクロールチャック取り換え治具の概略正面図、図1(b)はスクロールチャック取り換え治具の概略側面図である。 本発明の実施形態にかかるスクロールチャック取り換え治具を用いてスクロールチャックの取り換え作業を行う際の作業工程を説明するための概略斜視図を示したものであり、図2(a)はスクロールチャック取り換え治具の稼働工程(治具稼働工程)を示す概略斜視図、図2(b)はスクロールチャック取り換え治具の取り付け・取り外し工程(治具着脱工程)を示す概略斜視図、図2(c)はボルトの取り外し・取り付け工程(ボルト着脱工程)を示す概略斜視図、図2(d)はスクロールチャックの取り外し・取り付け工程(スクロールチャック着脱工程)を示す概略斜視図であるである。 図2(b)に示した破線領域IIIの拡大概略斜視図を示したものである。 本発明の実施形態にかかるスクロールチャック取り換え治具の使用方法の一例を示したものであり、具体的には、スクロールチャック取り換え治具およびスクロールチャック(9インチ)の概略正面図である。 本発明の実施形態にかかるスクロールチャック取り換え治具を使用可能な旋盤(工作機械)の概略側面図を示したものである。
以下、図面に基づき、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかるスクロールチャック取り換え治具の概略図を示したものであり、図1(a)はスクロールチャック取り換え治具の概略正面図、図1(b)はスクロールチャック取り換え治具の概略側面図を示している。図2は、本発明の実施形態にかかるスクロールチャック取り換え治具を用いてスクロールチャックの取り換え作業を行う際の作業工程を説明するための概略斜視図を示したものであり、図2(a)はスクロールチャック取り換え治具の稼働工程(治具稼働工程)、図2(b)はスクロールチャック取り換え治具の取り付け・取り外し工程(治具着脱工程)、図2(c)はボルトの取り外し・取り付け工程(ボルト着脱工程)、図2(d)はスクロールチャックの取り外し・取り付け工程(スクロールチャック着脱工程)を示している。図3は、図2(b)に示した破線領域IIIの拡大概略斜視図を示したものである。図4は、本発明の実施形態にかかるスクロールチャック取り換え治具の使用方法の一例を示したものであり、具体的には、スクロールチャック取り換え治具およびスクロールチャック(9インチ)の概略正面図を示している。さらに、図5は、本発明の実施形態にかかるスクロールチャック取り換え治具を使用可能な旋盤(工作機械)の概略側面図を示したものである。
本実施形態にかかるスクロールチャック取り換え治具1は、例えば、図5に示したような旋盤300(本発明の「工作機械」に相当)に設けられているスクロールチャック100の取り換え作業を行うために用いられる。この図5に示された旋盤300は、一般的な構成を有するものであり、ベッド310、往復台320、心押台330、主軸台340、ブレーキ350、および主軸台340に取り付けられているスクロールチャック100等を用いて構成されている。
以下においては、特に説明しない限り、この図5のように構成された一般的な旋盤300(工作機械)に設けられたスクロールチャック100の取り換え作業を行うものとする。
図1等に示すように、本実施形態にかかるスクロールチャック取り換え治具1は、治具本体部10、ガイド部20、ストッパ部31、フック取付部40、およびローラ部50を用いて構成されている。このスクロールチャック取り換え治具1は、後述するように、二つのサイズ(例えば、9インチと10インチ)のスクロールチャック100,200の取り換え作業を実施可能であるように構成されている。
本実施形態にかかるスクロールチャック取り換え治具1を成す治具本体部10は、図1等に示すように、所定の厚さ(スクロールチャック100を保持可能な強度を有する厚さ)の板状部材の内側に、内径部11を有すべく構成されている。本実施形態において、この内径部11は、10インチのスクロールチャック100の外径よりも大きく形成されており、内径部11の下方位置にはスクロールチャック100の直径よりも小さく形成された下方開口部13を有している。この下方開口部13は、内径部11の下方位置に内径部11の一部を成すべく構成された左右の内径部端部12の間に設けられた空間である。本実施形態においては、この下方開口部13の空間距離L(図1(a)参照)は、10インチのスクロールチャック100および9インチのスクロールチャック200の直径よりも小さい値に設定されている。つまり、下方開口部13の空間距離Lは、スクロールチャックを内径部11にて適切に保持するために、使用が想定される最も小さなスクロールチャックの直径よりも小さい値に設定されている。
また、本実施形態においては、この治具本体部10は、例えば、SS400、S25C、あるいはステンレス等の金属材料を用いて構成されることが好ましい。この好ましい材料の中から、SS400を選択して治具本体部10を形成する場合、その強度と取扱い易さ等とを考慮して、その厚さは20mm〜25mm程度であることが好ましい。
さらに、この治具本体部10の形成材料は、上述した金属材料に限定されず、例えば、合成樹脂、硬質ゴム、あるいは木材等を用いてもよい。これらの材料の中から、合成樹脂を選択して治具本体部10を形成する場合、その強度と取扱い易さ等とを考慮して、その厚さは25mm〜30mm程度であることが好ましい。
本実施形態にかかるスクロールチャック取り換え治具1を成すガイド部20は、図1等に示すように、治具本体部10の上方位置の左右にそれぞれ一つずつ(表裏合わせて計4つ)設けられたガイドバー部21と、このガイドバー部21を治具本体部10に回動自在に固定するバー取付部22とを用いて構成されている。このガイド部20を成すガイドバー部21は、その一方端部を治具本体部10の上方位置に、バー取付部22を用いて回動自在に固定されている。また、ガイドバー部21の他方端部であるガイドバー先端部21aは、9インチのスクロールチャック200の外周部の形状に沿うように、R115〜R120程度の湾曲形状を有すべく形成されている。このガイドバー先端部21aは、R115.5程度の湾曲形状を有すべく形成されていることがより好ましい。さらに、バー取付部22は、ボルト等を用いて構成されている。
また、本実施形態にかかるスクロールチャック取り換え治具1の上方部には、上述したガイド部20の固定位置を制御するためのストッパ部31が設けられている。このストッパ部31は、ピンやボルト等の棒状部材を治具本体部10の上方位置の所定箇所に埋め込み等することによって構成されている。このストッパ部31は、ガイドバー部21をバー取付部22を中心として回動させた際、ガイドバー部21の先端部(ガイドバー先端部21a)が、スクロールチャック200の外周部を保持する箇所に適切に設定される位置に設けられている。
本実施形態にかかるスクロールチャック取り換え治具1を成すフック取付部40は、図1等に示すように、治具本体部10の上方位置に固定されている。このフック取付部40は、リング部41とボルト部42とを用いて構成されている。フック取付部40を成すリング部41は、クレーン先端部のフックを取り付け可能な形状(リング形状)に構成されている。フック取付部40を成すボルト部42は、リング部41と一体的に形成されており、フック取付部40を治具本体部10の上方位置(に形成されためねじ部)に固定すべく構成されている。
本実施形態にかかるスクロールチャック取り換え治具1を成すローラ部50は、図1等に示すように、複数のローラ51と、このローラ51を治具本体部10の内径部端部12近傍に支持するローラ支持部52とを用いて構成されている。具体的には、治具本体部10の左右の内径部端部12の表裏に、二つずつ(計8つ)のローラ51が設けられており、これらのローラ51は、支持部52を用いて、回転可能な状態で内径部端部12近傍に支持されている。
さて、本実施形態にかかるスクロールチャック取り換え治具1は、以上のように構成されており、この特徴的な構成を有するスクロールチャック取り換え治具1を用いたスクロールチャック100の取り換え作業は、次のように行われる。
まず、図2等を用いて、スクロールチャックの取り換え時における取り外し作業について説明する。
図2(a)に示すように、本実施形態にかかるスクロールチャック取り換え治具1を用いて、スクロールチャック100の取り外し作業を行う場合には、第一工程として、フック取付部40のリング部41にクレーンを成すチェーンCの先端部に設けられたフックHを取り付けた状態とし、クレーンを稼働させて、スクロールチャック取り換え治具1を工作機械を成すスクロールチャック100近傍に移動させる。<治具稼働工程>
次いで、第二工程として、図2(b)に示すように、クレーンを稼働させて、スクロールチャック取り換え治具1をスクロールチャック100に近づく方向(図2(a)のX2方向)に移動させ、内径部11をスクロールチャック100の正面側からスクロールチャック100の外周部に沿うように取り付け、その状態でクレーンを成すチェーンCに若干のテンションをかける。すなわち、スクロールチャック取り換え治具1をスクロールチャック100に取り付けた状態にて、スクロールチャック取り換え治具1の内径部11を介して、スクロールチャック100を上方に持ち上げる方向に、チェーンCにわずかなテンションをかける。<治具着脱工程(治具装着工程)>
次いで、第三工程として、図2(c)に示すように、クレーン等については上記第二工程の状態を維持しつつ、スクロールチャック100の背面側に設けられているボルトB(スクロールチャック100を主軸台340のフランジFに固定しているボルトB)を緩めて、フランジFからスクロールチャック100を取り外し可能とする。<ボルト着脱工程(ボルト離脱工程)>
次いで、第四工程として、図2(d)に示すように、上記第三工程の状態からクレーンを稼働させることにより(図2(d)のX1方向に稼働させることにより)、スクロールチャック取り換え治具1に保持されたスクロールチャック100を所定の場所(保管場所等)に移動させることができる。この際、スクロールチャック取り換え治具1の下方開口部13から、スクロールチャック100の一部は露出している。したがって、スクロールチャック取り換え治具1にて保持されたスクロールチャック100は、所定の場所に載置された状態で一部が接地し、その状態にてクレーンを稼働させることによって、スクロールチャック100からスクロールチャック取り換え治具1を取り外すことができる。<スクロールチャック着脱工程(スクロールチャック離脱工程)>
本実施形態にかかるスクロールチャック取り換え治具1によれば、上述した第一工程から第四工程までを順番に実施することによって、工作機械からスクロールチャック100を簡単に取り外すことができる。つまり、「治具稼働工程」「治具装着工程」「ボルト離脱工程」「スクロールチャック離脱工程」の順番で作業を行うことによって、工作機械の種類を問わず、工作機械自身の構造を複雑化することなく、種々の工作機械に設けられたスクロールチャック100の取り外し作業を、一人でより簡単に実施することができる。
また、本実施形態にかかるスクロールチャック取り換え治具1によれば、上述した第一工程から第四工程までを逆の順番(すなわち、第四工程から前記第一工程の順番)に実施することによって、工作機械にスクロールチャック100を簡単に取り付けることができる。
つまり、図2(d)に示すように、スクロールチャック100をスクロールチャック取り換え治具1で保持した状態でクレーンをX2方向に稼働させることによって、スクロールチャックを装着する「スクロールチャック装着工程」、図2(c)に示すように、図2(d)の状態を保持しつつ、スクロールチャック100をローラ部50を介して回転させて、スクロールチャック100のめねじ部NとフランジFの貫通孔部との位置合わせを行った後、ボルトBの締結処理を行う「ボルト装着工程」、図2(b)に示すように、ボルトBの締結後にスクロールチャック100からスクロールチャック取り換え治具1を取り外す「治具離脱工程」、さらに、図2(a)に示すように、スクロールチャック100から離脱されたスクロールチャック取り換え治具1をクレーンを介して稼働させて、スクロールチャック取り換え治具1を所定の保管場所等に移動させる「治具稼働工程」の順番で作業を行うことによって、スクロールチャック100の取り付け作業を、一人で簡単に実施することができる。
すなわち、本実施形態によれば、このように構成されたスクロールチャック取り換え治具1を上述したような方法にて適切に用いることにより、工作機械の種類を問わず、工作機械自身の構造を複雑化することなく、種々の工作機械に設けられたスクロールチャック100の取り換え作業(取り外し作業および取り付け作業)を、一人でより簡単に実施することができる。
また、本実施形態にかかるスクロールチャック取り換え治具1によれば、図3に示すように、ローラ部50を成す隣接するローラ51間が、スクロールチャック100の外周部に設けられた溝部Mに対してそれぞれのローラ51が落ち込まない間隔あるいは位置に設定されている。
具体的には、例えば、各ローラ51とスクロールチャック100の外周面との接触点が、同一円周上に位置するように、それぞれのローラ51が設けられている。この際、隣接するローラ51のスクロールチャック100との接触点間隔は、溝部Mよりも大きくなるべく、隣接するローラ51の間隔は定められる。このような構成とすることにより、隣接するローラ51のいずれかが溝部M以外のスクロールチャック100の外周面に接触することとなるため、ローラ51が溝部Mに(溝部Mがローラ51に)落ち込むことはない。
また、例えば、隣接するローラ51の中心間距離が溝部Mよりも大きく設定され、且つ隣接するローラ51間の最短距離が溝部Mよりも小さく設定されてもよい。このような構成であれば、少なくとも隣接するローラ51のいずれかが溝部M以外のスクロールチャック100の外周面に接触するため、ローラ51が溝部Mに(溝部Mがローラ51に)落ち込むことはない。
つまり、本実施形態によれば、治具本体部10の表裏左右にそれぞれローラ部50が設けられ、4つのローラ部50を構成する8つのローラ51は、それぞれのローラ51の設置位置や隣接するローラの間隔等が上記のように設定されている。したがって、このような構成によれば、内径部11にてスクロールチャック100を保持し、スクロールチャック100を回転させながらフランジFとの位置合わせを行う場合であっても、溝部Mがローラ51に落ち込まないので、位置合わせをスムーズ且つ適切に実施することができる。
さらに、本実施形態にかかるスクロールチャック取り換え治具1は、図4に示すように、これまで説明した10インチのスクロールチャック100の取り換え作業に加え、9インチのスクロールチャック200の取り換え作業にも適用可能である。ここで、図4は、本発明の実施形態にかかるスクロールチャック取り換え治具1の使用方法の一例を示したものであり、具体的には、スクロールチャック取り換え治具1および9インチのスクロールチャック200の概略正面図を示したものである。なお、この図4においては、スクロールチャック200は簡略化して表現している(爪部等の記載は省略している)。
本実施形態にかかるスクロールチャック取り換え治具1によれば、図4に示すように、ボルト等から成るバー取付部22を緩めた状態で、バー取付部22を中心としてそれぞれのガイドバー部21を内側方向(図4のR方向)に回動させて、ガイドバー部21がストッパ部31に接触した段階でバー取付部22を締め付けて、ガイドバー部21を固定する。図4は、このようにしてガイドバー部21を固定した状態を示しており、この図4の状態において、ガイドバー先端部21aは、9インチのスクロールチャック200の外周面に沿うような形状に形成されている。
本実施形態にかかるスクロールチャック取り換え治具1を構成するガイド部20は、基本的には、図1等に示すように、内径部11側にはみ出すことなく、治具本体部10内に収まるように構成されている。そして、10インチのスクロールチャック100の取り換え作業を行う場合には、図1等に示すように、ガイド部20が治具本体部10内に収まった状態でスクロールチャック取り換え治具1が用いられ、9インチのスクロールチャック200の取り換え作業を行う場合には、図4に示すように、ガイドバー部21を回動さて固定した状態でスクロールチャック取り換え治具1が用いられる。
9インチのスクロールチャック200の取り換え作業を行う手順等は、基本的には先に説明した10インチの場合と同様であり、ガイド部20の設定状態のみが異なる。つまり、9インチのスクロールチャック200の取り換え作業については、図4に示した状態のスクロールチャック取り換え治具1を用いる点のみが、先に説明した10インチの場合と異なる。
さて、本実施形態にかかるスクロールチャック取り換え治具1は、以上のように構成され使用されるため、次のような作用効果を得ることができる。以下、適宜図1〜図5も参照しつつ、具体的な作用効果等について説明する。
本発明の実施形態にかかるスクロールチャック取り換え治具1は、工作機械(旋盤300)を構成するスクロールチャック100,200を取り換える際に用いられるスクロールチャック取り換え治具1であって、スクロールチャック100,200の外径よりも大きく形成された内径部11を有し、内径部11の下方位置にスクロールチャック100,200の直径よりも小さく形成された下方開口部13とを有する治具本体部10と、治具本体部10の上方位置に設けられたフック取付部40と、治具本体部10の下方開口部13近傍に設けられたローラ51とを備えたことを特徴としている。
このような構成を有するスクロールチャック取り換え治具1によれば、既に説明したその構成や取扱い方法等に基づき、スクロールチャック100,200の取り換え作業を、一人の作業者にて簡単に実施することができる。すなわち、このような構成によれば、工作機械の種類を問わず、工作機械自身の構造を複雑化することなく、種々の工作機械に設けられたスクロールチャックの取り換え作業を、一人でより簡単に実施することができる。
また、本発明の実施形態にかかるスクロールチャック取り換え治具1は、上述した構成において、下方開口部13を成す一対の内径部端部12のそれぞれに、二つのローラ51から成るローラ部50が設けられており、ローラ部50を成す隣接するローラ51の間隔が、スクロールチャックの外周部に形成された溝部Mよりも小さいことが好ましい。
この好ましい構成によれば、内径部端部12のそれぞれに設けられたローラ部50が、少なくとも二つのローラ51を用いて構成され、この隣接するローラ51の間隔がスクロールチャック100,200の外周部に形成された溝部Mよりも小さいため、スクロールチャック取り換え治具1にてスクロールチャック100,200を保持した際、あるいはスクロールチャック100,200を保持した状態で回転させる際、溝部Mがそれぞれのローラ51に引っかかったり落ち込んだりすることがない。したがって、このような構成によれば、スクロールチャック100,200の保持を適切に実施可能であると共に、スクロールチャック100,200とフランジFとの位置合わせを簡単且つ確実に実施することができる。
さらに、本発明の実施形態にかかるスクロールチャック取り換え治具1は、上述した構成において、スクロールチャック100,200の外径寸法の縮小方向の変化に対応すべくガイド部20が設けられており、ガイド部20が、ガイドバー部21と、ガイドバー部21の一方端部を治具本体部10の上方位置に回動自在に固定するバー取付部22とを用いて構成され、ガイドバー部21の他方端部であるガイドバー先端部21aが、所定の曲面を有すべく形成されていることが好ましい。
この好ましい構成によれば、スクロールチャック100,200の寸法に応じて、内径部11にて保持する場合と、ガイド部20にて保持する場合とを選択可能であるため、一つのスクロールチャック取り換え治具1で複数寸法のスクロールチャック100,200の取り換え作業を実施することができる。例えば、10インチのスクロールチャック100に対しては内径部11にて保持した状態で取り換え作業を行い、9インチのスクロールチャック200に対してはガイド部20を用いて保持した状態で取り換え作業を行うことが可能となる。
<その他の実施形態>
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で必要に応じて種々の変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
上記実施形態においては、ローラ部50が二つのローラ51を用いて構成される場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されない。したがって、例えば、必要に応じて三つ以上のローラを用いて、ローラ部を構成してもよい。この際、隣接するローラ間の距離は、スクロールチャックの外周部に形成された溝部との兼ね合いで(ローラが溝部に引っかかったり落ちこんだりしないように)、適宜その寸法を決定することが好ましい。
また、上記実施形態においては、ガイド部20が、治具本体部10の上方部の表裏左右に一つずつ(計四つ)のガイドバー部21を用いて構成される場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されない。したがって、例えば、必要に応じて、治具本体部10の表裏左右に二つずつ(計八つ)以上のガイドバー部21を用いてガイド部20を構成してもよい。このような構成によれば、ガイドバー部21の設定位置に応じて、三種類(例えば、寸法の種類)以上のスクロールチャックの取り換え作業に適応可能なスクロールチャック取り換え治具を得ることができる。
現在、一般的な旋盤等の工作機械におけるスクロールチャックの取り換え作業時には、主に人力にてスクロールチャックの上げ下ろしが行われている。この作業は、スクロールチャックの重さが約30kg程度であるため、非常に重労働であり、一人での作業は非常に困難であった。また、このように一人では大変な作業であるため、通常、このスクロールチャックの取り換え作業は、二人以上の作業員にて行われるが、その作業は非常に煩雑であった。
そこで、本件発明者は、上記のような種々の問題を抱えるスクロールチャックの取り換え作業に対し、鋭意工夫を重ねることによって、上記問題を解決し産業上の利用可能性が非常に高い、本発明にかかるスクロールチャック取り換え治具に想到した。本発明にかかるスクロールチャック取り換え治具の具体的な構成や使用方法等は先に説明したとおりである。
本発明にかかるスクロールチャック取り換え治具によれば、一つの治具を用いて複数種類(寸法)のスクロールチャックの取り換え作業を簡単に行うことができる。また、本発明にかかるスクロールチャック取り換え治具によれば、クレーンを用いてこの治具の移動等が可能であるため、クレーンで治具を吊り上げた状態でスクロールチャックへの装着ができる。したがって、スクロールチャックを人力にて持ち上げる必要がなく、この治具も横方向(上述した使用方法においては「正面側」)からスクロールチャックへの装着が可能となる。加えて、スクロールチャックの上げ下ろしや移動を非常に簡単に実施することができる。
これらのことから、本発明にかかるスクロールチャック取り換え治具によれば、スクロールチャックの取り換え作業を簡単に一人で実施可能で、かかる作業時の精神的・肉体的負担を大幅に軽減することができる。また、本発明にかかるスクロールチャック取り換え治具を用いることによって、スクロールチャックそのものやそれを固定しているボルト等についても、落下のおそれや余計な負荷がかかることがなくなるため、各構成要素の耐久性等を向上させることができる。
1…スクロールチャック取り換え治具
10…治具本体部
11…内径部
12…内径部端部
13…下方開口部
20…ガイド部
21…ガイドバー部
21a…ガイドバー先端部
22…バー取付部
31…ストッパ部
40…フック取付部
41…リング部
42…ボルト部
50…ローラ部
51…ローラ
52…ローラ支持部
100…スクロールチャック(10インチ)
200…スクロールチャック(9インチ)
300…旋盤(工作機械)
310…ベッド
320…往復台
330…心押台
340…主軸台
350…ブレーキ
B…ボルト
C…チェーン
F…フランジ
H…フック
L…下方開口部13を成す空間距離
M…溝部
N…めねじ部

Claims (3)

  1. 工作機械を構成するスクロールチャックを取り換える際に用いられるスクロールチャック取り換え治具であって、
    前記スクロールチャックの外径よりも大きく形成された内径部を有し、前記内径部の下方位置に前記スクロールチャックの直径よりも小さく形成された下方開口部とを有する治具本体部と、
    前記治具本体部の上方位置に設けられたフック取付部と、
    前記治具本体部の前記下方開口部近傍に設けられたローラとを備えた
    ことを特徴とするスクロールチャック取り換え治具。
  2. 前記下方開口部を成す一対の前記内径部端部のそれぞれに、二つのローラから成るローラ部が設けられており、
    前記ローラと前記スクロールチャックの外周面との接触点が、同一円周上に位置するように、それぞれの前記ローラが設けられ、
    前記ローラ部を成す隣接する前記ローラの間隔が、前記スクロールチャックの外周部に形成された溝部よりも大きい
    請求項1に記載のスクロールチャック取り換え治具。
  3. 前記スクロールチャックの外径寸法の縮小方向の変化に対応すべくガイド部が設けられており、
    前記ガイド部が、ガイドバー部と、前記ガイドバー部の一方端部を前記治具本体部の上方位置に回動自在に固定するバー取付部とを用いて構成され、
    前記ガイドバー部の他方端部であるガイドバー先端部が、所定の曲面を有すべく形成されている
    請求項1または2に記載のスクロールチャック取り換え治具。
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