JP2016524264A - 直接転送マーチングメモリ及びそれを用いた計算機システム - Google Patents

直接転送マーチングメモリ及びそれを用いた計算機システム Download PDF

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Abstract

直接転送マーチングメモリは、それぞれにセル電子を蓄積した電子蓄積領域を有する複数のビットレベル・セルの1次元配列によって、バイトサイズ又はワードサイズ単位の情報を格納する複数のメモリユニットを配列したアレイを備える。バイトサイズ又はワードサイズ単位の情報は、ビットレベル・セルの1次元配列の方向と直交する方向に沿って、ステップごとに、同期転送される。着目した特定メモリユニットに割り当てられた1つの電子蓄積領域(192j−1)に蓄積されたセル電子が、特定メモリユニットに隣接する次列のメモリユニットに割り当てられた隣接電子蓄積領域(192j)に直接転送され、組み合わせ論理ゲート回路の機能を用いることなく、セル電子の転送が制御信号により直接制御される。

Description

本発明は、低いエネルギー消費で且つ高速で動作する計算機システムに好適な新たなマーチングメモリ(隊列行進メモリ:marching memory)の構造に関し、更に本発明は、新たなマーチングメモリを用いた計算機システムに関する。
既に本発明の発明者らは、プロセッサと、「マーチング主記憶装置」と呼ばれる新規な主記憶装置とを備えるマーチングメモリ計算機の構成を提案した(特許文献1参照。)。特許文献1に記載の提案されたマーチングメモリ計算機のプロセッサは、クロック信号を生成するクロック発生器を有する制御ユニットと、クロック信号に同期して演算論理動作を実行する演算論理装置とを備える。そして、提案されたマーチング主記憶装置は、通常はロケーションと呼ばれるメモリユニットのアレイと、メモリユニットのアレイの入力端子と、メモリユニットのアレイの出力端子とを有する。メモリユニットのそれぞれは、バイトサイズ又はワードサイズ単位の情報単位を格納する。そして、提案されたマーチングメモリは、各メモリユニットに情報を格納し、且つ、格納されていた情報をプロセッサに能動的且つ逐次的に出力するように、クロック信号に同期して、ステップごとに、出力端子に向けて転送するので、演算論理装置は、格納されていた情報を用いて演算論理動作を実行できる。更に、命令の移動の場合にはマーチング主記憶装置からプロセッサに向かう命令流が一方向だけであることを除いて、演算論理装置における処理の結果がマーチング主記憶装置に出力される。
特許文献1に記載されたマーチングメモリ計算機のアーキテクチャによれば、マーチング主記憶装置を構成するメモリユニットのアレイを構成している各メモリユニットは、バイトサイズ又はワードサイズ単位の情報を格納するようにビットレベル・セルの1次元配列を有するので、バイトサイズ又はワードサイズ単位の情報は、ステップごとに、クロック信号に同期して水平データ転送線に沿って転送される。したがって、マーチング主記憶装置において個々のビットレベル・セルのランダムアクセス動作は要求されない。そして、プロセッサ・チップと、従来の主記憶装置チップ又は従来のキャッシュメモリ・チップとの間の配線に起因するボトルネックと、複数の並列プロセッサにおける全ユニット間のボトルネックがあり、これらのボトルネックは従来の計算機システムにおいて本質的に存在するものであるが、除去できるので、非常に低い電力消費で非常に高速の動作を達成できる。
特許文献1で提案されたマーチングメモリ計算機において、クロックドAND動作で、バイトサイズ又はワードサイズ単位の情報を転送する方式が一例として提案されている。クロックドANDゲートの組み合わせ論理機能を実現するために、各ビットレベル・セルには複数のトランジスタがそれぞれ必要になり、マーチングメモリの動作はクロックドANDゲートにおける遅延を伴う。
国際公開WO2011/010445A1号
これらの背景に鑑み、本発明の目的は、ANDゲートの機能等の組み合わせ論理ゲート回路の機能により補助されることなく、バイトサイズ又はワードサイズ単位の情報が、ステップごとに、制御信号により同期して制御され、水平データ転送線に沿って直接転送でき、これによりマーチングメモリ(隊列行進メモリ)の構造を単純化できる、同期システムを用いたマーチングメモリの新たなスキームを提供することである。
本発明の第1の態様は、バイトサイズ又はワードサイズ単位の情報を格納するメモリユニットを配列したアレイを備え、バイトサイズ又はワードサイズ単位の情報が、ビットレベル・セルの1次元配列の方向と直交する方向に沿って、ステップごとに同期転送される直接転送マーチングメモリ(直接転送隊列行進メモリ)であることを要旨とする。各メモリユニットは、それぞれにセル電子を蓄積する電子蓄積領域を有した複数のビットレベル・セルを1次元配列して構成されている。本発明において、電子蓄積領域に蓄積された電子は「セル電子」と呼ばれる。本発明の第1の態様において、着目した特定メモリユニットに割り当てられた1つの電子蓄積領域に蓄積されたセル電子が、この特定メモリユニットに隣接する次列のメモリユニットに割り当てられた隣接電子蓄積領域に直接転送されるので、組み合わせ論理ゲート回路の機能を用いることなく、セル電子の転送が制御信号により直接制御される。
本発明の第1の態様において、セル電子の転送は、電子蓄積領域の1つと隣接電子蓄積領域との間に配置された絶縁膜を通り抜ける電子の量子トンネル効果により実現してもよく、或いは代わりに、電荷結合素子(CCD)に採用されているメカニズムと同様の、典型的な電子転送機構等の他のメカニズムにより実現してもよい。
本発明の第2の態様は、プロセッサと、格納されていた情報をプロセッサに能動的且つ逐次的に出力する直接転送マーチング主記憶装置とを備え、プロセッサが格納されていた情報を用いて演算論理動作を実行できる計算機システムであって、直接転送マーチング主記憶装置は、それぞれセル電子を蓄積する電子蓄積領域を有する複数のビットレベル・セルの1次元配列によって、バイトサイズ又はワードサイズ単位の情報を格納するメモリユニットを配列したアレイを備える。本発明の第2の態様において、着目した特定メモリユニットにおける電子蓄積領域の1つに蓄積されたセル電子は、特定メモリユニットに隣接する次列のメモリユニットに割り当てられた隣接電子蓄積領域に直接転送され、組み合わせ論理ゲート回路の機能を用いることなく、セル電子の転送が制御信号により直接制御される。
本発明の第1の態様と同様に、本発明の第2の態様において、セル電子の転送は、電子蓄積領域の1つと隣接電子蓄積領域との間に配置された絶縁膜を通り抜ける電子の量子トンネル効果により実現してもよく、或いは、典型的な電子転送機構等の他のメカニズムにより実現してもよい。
本発明の実施の形態に係る直接転送マーチングメモリ(直接転送隊列行進メモリ)を構成しているメモリユニット・アレイの配列を、回路レベル表記した一例を示す。それぞれのメモリユニット・アレイには、複数のビットレベル・セルが垂直方向に沿って配列され、ビットレベル・セルの1次元配列のそれぞれが、それぞれのメモリユニットに割り当てられた制御線の1本によりそれぞれ制御されるメモリユニットの1つを構成する。 本発明の実施の形態に係る参照番号を用いて各ビットレベル・セルを示す代表的なメモリユニットの詳細な内部構成を示す。 本発明の実施の形態に係る直接転送マーチングメモリを構成する半導体チップ上のメモリユニットの全体的なアレイを示す。 図4(a)は、制御信号CLOCK1の三値波形を示し、図4(b)は、制御信号CLOCK2の三値波形を示し、図4(c)は、制御信号CLOCK3の三値波形を示し、各制御信号が異なる位相で低(L)レベル、中間(M)レベル及び高(L)レベルの三値化レベル間でそれぞれ変動し、3つの制御信号CLOCK1,CLOCK2,CLOCK3が三相三値クロックを構成することを示す。 図1に示したメモリユニットのアレイの回路レベル表記の一部に対応する実際の半導体チップ上のメモリユニットのアレイの平面図を示す。 図5に示した平面図のVI−VI線に沿ったビットレベル・セルの配列の概略的な断面図を示す。 図5に示した平面図のVII−VII線に沿ったビットレベル・セルの配列の概略的な断面図を示す。 図8(a)は、t〜t間の時間間隔における三値クロック信号を用いた制御電極の三相電位プロファイルを示し、図8(b)は、3個の隣接浮遊ゲート電極のセットにおいて1個のダミーセルをそれぞれ割り当てる、隣接浮遊ゲート電極間の対応する量子トンネル効果を示し、本発明の実施の形態に係る直接転送マーチングメモリにおいて、各ダミーセルがセル電子を進行させる。 図9(a)は、t〜t間の時間間隔における三値クロック信号を用いた制御電極の三相電位プロファイルを示し、図9(b)は、3個の隣接浮遊ゲート電極のセットにおいて1個のダミーセルをそれぞれ割り当てる、隣接浮遊ゲート電極間の対応する量子トンネル効果を示し、本発明の実施の形態に係る直接転送マーチングメモリにおいて、各ダミーセルがセル電子を進行させる。 図10(a)は、t〜t間の時間間隔における三値クロック信号を用いた制御電極の三相電位プロファイルを示し、図10(b)は、3個の隣接浮遊ゲート電極のセットにおいて1個のダミーセルをそれぞれ割り当てる、隣接浮遊ゲート電極間の対応する量子トンネル効果を示し、本発明の実施の形態に係る直接転送マーチングメモリにおいて、各ダミーセルがセル電子を進行させる。 空間領域において複数のダミーセルを周期的に割り当てる、時間空間領域におけるセル電子の直接転送の三相の挙動を示し、各ダミーセルはセル電子を進行させ、本発明の実施の形態に係る直接転送マーチングメモリにおいて、セル電子の直接転送は空間領域において矢印で示される。 図12(a)は、t〜t間の時間間隔における二値クロック信号を用いた制御電極の三相電位プロファイルを示し、図12(b)は、3個の隣接浮遊ゲート電極のセットにおいて、電子が完全に消失した理想的なダミーセルをそれぞれ割り当てる、隣接浮遊ゲート電極間の対応する量子トンネル効果を示し、本発明の実施の形態に係る直接転送マーチングメモリにおいて、理想的な各ダミーセルがセル電子を進行させる。 図13(a)は、t〜t間の時間間隔における二値クロック信号を用いた制御電極の三相電位プロファイルを示し、図13(b)は、3個の隣接浮遊ゲート電極のセットにおいて、電子が完全に消失した理想的なダミーセルをそれぞれ割り当てる、隣接浮遊ゲート電極間の対応する量子トンネル効果を示し、本発明の実施の形態に係る直接転送マーチングメモリにおいて、理想的な各ダミーセルがセル電子を進行させる。 図14(a)は、t〜t間の時間間隔における二値クロック信号を用いた制御電極の三相電位プロファイルを示し、図14(b)は、3個の隣接浮遊ゲート電極のセットにおいて、電子が完全に消失した理想的なダミーセルをそれぞれ割り当てる、隣接浮遊ゲート電極間の対応する量子トンネル効果を示し、本発明の実施の形態に係る直接転送マーチングメモリにおいて、理想的な各ダミーセルがセル電子を進行させる。 図15(a)は、制御信号CLOCK1の二値波形を示し、図15(b)は、制御信号CLOCK2の二値波形を示し、図15(c)は、制御信号CLOCK3の二値波形を示し、各制御信号は、異なる位相で低(L)レベル及び高(L)レベルの二値化レベル間でそれぞれ変動し、3つの制御信号CLOCK1,CLOCK2,CLOCK3が三相二値クロックを構成することを示す。 本発明の実施の形態に係る直接転送マーチングメモリに適した、複数の入力用蓄積トランジスタ又は出力端子トランジスタが垂直方向に沿って配列された、入力端子カラム及び出力端子カラムの回路レベル表記の一例を示す。 本発明の実施の形態に係る直接転送マーチングメモリに適用可能な、複数の入力用蓄積トランジスタが垂直方向に沿って配列された入力端子カラムの回路レベル表記の他の例を示す。 本発明の実施の形態に係る直接転送逆方向マーチングメモリの一部を構成する、k行目に着目した、半導体チップ上のメモリユニットのアレイを示す。 図19(a)は、制御信号CLOCK1の三値波形を示し、図19(b)は、制御信号CLOCK2の三値波形を示し、図19(c)は、制御信号CLOCK3の三値波形を示し、各制御信号が、異なる位相で低(L)レベル、中間(M)レベル及び高(L)レベルの三値化レベル間でそれぞれ変動し、3つの制御信号CLOCK1,CLOCK2,CLOCK3が、本発明の実施の形態に係る直接転送逆方向マーチングメモリに適した三相三値クロックを構成することを示す。 本発明の実施の形態に係る直接転送マーチングメモリを主記憶装置として用いる、計算機システムの基本構成を示す概略的なブロック図を示す。 本発明の実施の形態に係る直接転送マーチングメモリを主記憶装置として用いる、マルチコア・プロセッサを有する計算機システムの他の構成を示す概略的なブロック図を示す。 本発明の実施の形態に係る直接転送マーチングメモリを主記憶装置として用いる、複数の演算パイプラインを有する計算機システムの更に他の構成を示す概略的なブロック図を示す。 図5に示した平面図のVI−VI線に沿った概略的な断面図に対応する、ビットレベル・セルの配列の概略的な断面図におけるリーク・トンネル効果の問題を示す。 図23に示したリーク・トンネル効果を防止可能なビットレベル・セルの配列の改善された構造の概略的な断面図を示す。
本発明の様々な実施の形態を、添付の図面を参照して説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付し、同一又は類似の部分の説明は省略または単純化されていることに注意すべきである。一般に、半導体装置の表現では普通のことであるが、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。又、同一の図面内及び図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。以降の説明では、本発明を十分に理解できるように、特定の材料や処理を用いて、具体的に説明されている。しかし、本発明は、これらの特定の詳細な説明が無くても、実施できることは、当業者には自明のことである。言い換えれば、周知の製造材料や処理や装置は、本発明を不要に曖昧にしないように細々と説明されていない。「上に」、「上方に」、「下に」、「下方に」、「垂直に」等の前置詞は、基板が実際に保持されている方向と関係無しに、基板の平面を基準にして定められている。層は、介在層がある場合でも、他の層上にあると表現される。
図16及び図17等において、入力用蓄積トランジスタ及び出力端子トランジスタとしてnMOSFETが示されるが、逆の極性を採用する場合には、入力用蓄積トランジスタ及び出力端子トランジスタとしてpMOSFETが使用できる。
(メモリユニットのアレイ)
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る直接転送マーチングメモリ(直接転送隊列行進メモリ:direct-transfer marching memory)は、複数のメモリユニットのアレイを備える。複数のメモリユニットのアレイでは、複数の制御線(垂直線)B2j−2,B2j−1,B2j,Bk(2j+1)・・・が列方向(垂直方向)に沿って定義され、複数の水平データ転送線TLk0,TLk1,TLk2,TLk3・・・TLk31(図2及び図5参照)が制御線B2j−2,B2j−1,B2j,Bk(2j+1)・・・と直交する行方向に沿って定義される。上述の列及び行の定義を用いて説明すると、複数のビットレベル・セルが複数のメモリユニットUk(2j−2),Uk(2j−1),Uk,2j,Uk(2j+1)・・・を構成するように、図1の列方向に沿って整列される。そして、各ビットレベル・セルが、電子蓄積領域をそれぞれ有する。図2に示すように、1つのメモリユニットUk(2j−2)は、例えば、32個のビットレベル・セルQ(2j−2)0,Q(2j−2)1,Q(2j−2)2,Q(2j−2)3・・・(2j−2)31の1次元配列を備え、この32個のビットレベル・セルが、単一のメモリユニットUk(2j−2)を構成するように列方向に沿って整列されている。類似の参照番号に関しては詳細な説明を省略するが、図1に示した他のメモリユニットUk(2j−1),Uk,2j,Uk(2j+1)・・・は、同様に、32個のビットレベル・セルをそれぞれ有し、それぞれの32個のビットレベル・セルが、複数のメモリユニットUk(2j−1),Uk,2j,Uk(2j+1)・・・を構成するように、列方向に沿ってそれぞれ整列されている。各メモリユニットUk(2j−2),Uk(2j−1),Uk,2j,Uk(2j+1)・・・にそれぞれ割り当てられた電子蓄積領域の各電子格納状態は、制御線(垂直線)B2j−2,B2j−1,B2j,Bk(2j+1)・・・を経由して印加される三相制御信号CLOCK1,CLOCK2,CLOCK3により制御される。
即ち、図3に示したメモリユニットのm×nマトリクスにおける各メモリユニットU11,U12,U1,2j・・・,U1(n−1),U1n・・・;U(k−1)1,U(k−1)2,U(k−1),2j・・・,U(k−1)(n−1),U(k−1)n・・・;Uk1,Uk2,Uk,2j・・・,Uk(n−1),Ukn・・・;U(k+1)1,U(k+1)2,U(k+1),2j・・・,U(k+1)(n−1),U(k+1)n・・・;Um1,Um2,Um,2j・・・,Um(n−1),Umn・・・は、バイトサイズ又はワードサイズの単位の情報を格納するように、ビットレベル・セルの1次元配列をそれぞれ有する。バイトサイズ又はワードサイズ単位の情報は、ステップごとに、三相制御信号CLOCK1,CLOCK2,CLOCK3に同期して、水平データ転送線TLk0,TLk1,TLk2,TLk3・・・TLk31に沿って転送され、これによりバイトサイズ又はワードサイズ単位の情報の隊列行進(マーチング)の動作が実現される。図3に示すように、入力端子カラムI・・・,Ik−1,I,Ik+1・・・,Iの配列は、メモリユニットU11・・・,U(k−1)1,Uk,1,U(k+1)1・・・,Um1の左側に配置され、即ち複数のメモリユニットのアレイの左端に設けられている。出力端子カラムO・・・,Ok−1,O,Ok+1・・・,Oの配列は、複数のメモリユニットのアレイの右端に、即ちメモリユニットU1n・・・,U(k−1)n,Uk,n,U(k+1)n・・・,Umnの左側に配置されている。
図3に示した本発明の実施の形態の直接転送マーチングメモリによれば、すべてのメモリユニットU11,U12,U1,2j・・・,U1(n−1),U1n・・・;U(k−1)1,U(k−1)2,U(k−1),2j・・・,U(k−1)(n−1),U(k−1)n・・・;Uk1,Uk2,Uk,2j・・・,Uk(n−1),Ukn・・・;U(k+1)1,U(k+1)2,U(k+1),2j・・・,U(k+1)(n−1),U(k+1)n・・・;Um1,Um2,Um,2j・・・,Um(n−1),Umnは、情報移動スキーム(情報隊列行進スキーム)によって常に自動的にリフレッシュされるのが通常動作であるので、メモリユニットU11,U12,U1,2j・・・,U1(n−1),U1n・・・;U(k−1)1,U(k−1)2,U(k−1),2j・・・,U(k−1)(n−1),U(k−1)n・・・;Uk1,Uk2,Uk,2j・・・,Uk(n−1),Ukn・・・;U(k+1)1,U(k+1)2,U(k+1),2j・・・,U(k+1)(n−1),U(k+1)n・・・;Um1,Um2,Um,2j・・・,Um(n−1),Umnは、リフレッシュ動作を要求されない。そして、各メモリユニットU11,U12,U1,2j・・・,U1(n−1),U1n・・・;U(k−1)1,U(k−1)2,U(k−1),2j・・・,U(k−1)(n−1),U(k−1)n・・・;Uk1,Uk2,Uk,2j・・・,Uk(n−1),Ukn・・・;U(k+1)1,U(k+1)2,U(k+1),2j・・・,U(k+1)(n−1),U(k+1)n・・・;Um1,Um2,Um,2j・・・,Um(n−1),Umnに対するアドレス指定が不要となり、以下において説明するように、必要な情報は、メモリの右端に接続された出力端子カラムO・・・,Ok−1,O,Ok+1・・・,Oへ向かって転送される。本発明の実施の形態の直接転送マーチングメモリにアクセスするメカニズムは、従来の計算機システムにおける、情報を読み/書きするためのアドレス指定モードに依拠している既存のメモリ・スキームに対して真に代替えするものとなる。したがって、本発明の実施の形態に係る直接転送マーチングメモリによれば、本発明の実施の形態に係る計算機システムにおける非アドレス指定モードのメモリ・アクセス処理は、従来の計算機システムの既存のメモリ・スキームよりも遙かに単純となる。
(ビットレベル・セルの詳細な構造)
図6に示すように、本発明の実施の形態の直接転送マーチングメモリを構成するビットレベル・セルのそれぞれは、基板11と、基板11上に積層された基板絶縁膜182j−2,182j−1,182j,18k(2j+1)のいずれか1つと、基板絶縁膜182j−2,182j−1,182j,18k(2j+1)上に積層され、電子蓄積領域として機能するようにセル電子を蓄積する浮遊ゲート電極192j−2,192j−1,192j,19k(2j+1)のいずれか1つと、浮遊ゲート電極192j−2,192j−1,192j,19k(2j+1)上に積層された電極間誘電膜202j−2,202j−1,202j,20k(2j+1)のいずれか1つと、電極間誘電膜202j−2,202j−1,202j,20k(2j+1)上に積層された制御ゲート電極222j−2,222j−1,222j,22k(2j+1)のいずれか1つとを備える。浮遊ゲート電極192j−2と浮遊ゲート電極192j−1の間と、浮遊ゲート電極192j−1と浮遊ゲート電極192jの間と、浮遊ゲート電極192jと浮遊ゲート電極19(2j+1)の間とに挿入された絶縁膜26の一部は、セル電子がトンネル可能なユニット間誘電膜としてそれぞれ機能する。したがって、ユニット間誘電膜の厚さは、例えば5nm未満に設定される。より好ましくは、より低い印加電圧でトンネル効果の確率を高めるために、ユニット間誘電膜の厚さは3nm未満に設定される。更に好ましくは、ユニット間誘電膜を通り抜けるトンネル効果のより高い確率を達成するために、ユニット間誘電膜の厚さは2nm未満に設定される。各制御ゲート電極222j−2,222j−1,222j,22k(2j+1)に対して、三相制御信号CLOCK1,CLOCK2,CLOCK3のいずれか1つが、電極間誘電膜202j−2,202j−1,202j,20k(2j+1)を介して対応する浮遊ゲート電極192j−2,192j−1,192j,19k(2j+1)の電位を制御するようにそれぞれ印加される。
制御ゲート電極222j−2,222j−1,222j,22k(2j+1)及び浮遊ゲート電極192j−2,192j−1,192j,19k(2j+1)は、約10〜200nmの厚さであり、不純物を添加したドープド・ポリシリコンや高融点金属等によって構成することができる。高融点金属としては、タングステン(W)、コバルト(Co)、チタン(Ti)又はモリブデン(Mo)が使用でき、或いは代わりに、タングステンシリサイド(WSi)、コバルトシリサイド(CoSi)、チタンシリサイド(TiSi)、モリブデンシリサイド(MoSi)膜等の高融点金属のシリサイド膜、又はこれらのシリサイド膜を用いたポリサイド膜も使用できる。基板絶縁膜182j−2,182j−1,182j,18k(2j+1)及び電極間誘電膜202j−2,202j−1,202j,20k(2j+1)の厚さとしては、材料にも依存するが、約50〜200nmが採用可能である。基板絶縁膜182j−2,182j−1,182j,18k(2j+1)、電極間誘電膜202j−2,202j−1,202j,20k(2j+1)、及びユニット間誘電膜として機能する絶縁膜26の材料としては、シリコン酸化膜(SiO膜)が使用できる。しかしながら、平面寸法において100nm以下の最小線幅を有する小型の直接転送マーチングメモリに対しては、浮遊ゲート電極192j−2,192j−1,192j,19k(2j+1)と制御ゲート電極222j−2,222j−1,222j,22k(2j+1)の間の結合容量の関係を考慮して、SiO膜よりも高い比誘電率eを有する材料が、電極間誘電膜202j−2,202j−1,202j,20k(2j+1)のために好ましい。
図7では1つのメモリユニットUk(2j−2)の内部に1次元配列されたビットレベル・セルのそれぞれが、基板11と、基板11上に積層された基板絶縁膜18(2j−2,)6,18(2j−2,)7・・・のいずれか1つと、基板絶縁膜18(2j−2,)6,18(2j−2,)7・・・上に積層され、電子蓄積領域として機能する浮遊ゲート電極19(2j−2,)6,19(2j−2,)7・・・のいずれか1つと、浮遊ゲート電極19(2j−2,)6,19(2j−2,)7上に積層された電極間誘電膜20(2j−2,)6,20(2j−2,)7のいずれか1つと、電極間誘電膜20(2j−2,)6,20(2j−2,)7上に積層された制御ゲート電極22(2j−2,)6,22(2j−2,)7のいずれか1つとを備える構造を示している。浮遊ゲート電極19(2j−2,)6と浮遊ゲート電極19(2j−2,)7の間に挿入された絶縁膜26の一部は、セル電子がトンネルすることを阻止するセル間誘電膜として機能する。セル電子がトンネルすることを阻止するために、セル間誘電膜の厚さは、例えば20nmよりも厚く設定される。
(浮遊ゲート電極の電位制御)
メモリユニットUk(2j−2)の方向に沿って1次元順次配列された各制御ゲート電極22(2j−2,)6,22(2j−2,)7に対しては、図1に示すように、電極間誘電膜20(2j−2,)6,20(2j−2,)7を介して浮遊ゲート電極19(2j−2,)6,19(2j−2,)7の電位を同時に制御するように、第一相制御信号CLOCK1がそれぞれ印加される。
そして、メモリユニットUk(2j−1)の方向に沿って1次元順次配列された各制御ゲート電極に対しては、制御ゲート電極の1つが図6において制御ゲート電極222j−1として表記され、図1に示すように、第二相制御信号CLOCK2が制御線B2j−1を経由して同時に印加される。同様に、メモリユニットUk,2jの方向に沿って1次元順次配列された各制御ゲート電極に対しては、制御ゲート電極の1つが図6において制御ゲート電極222jとして表記され、第三相制御信号CLOCK3が制御線B2jを経由して同時に印加される。更に、図1の右側に示すように、複数のメモリユニットを配列したアレイの右端に向けてメモリユニットUk,2jの次列に位置するメモリユニットの方向に沿って1次元順次配列された各制御ゲート電極に対して、制御ゲート電極の1つが図6において制御ゲート電極222j+1として表記され、第一相制御信号CLOCK1が制御線B2j+1を経由して同時に印加される。メモリユニットを配列したアレイの右端に向かって数えて、メモリユニットUk,2jの2番目の次列となるメモリユニットの方向に沿って1次元順次配列された各制御ゲート電極に対して、第二相制御信号CLOCK2が制御線B2j+2を経由して同時に印加される。アレイの右端に向かって数えて、メモリユニットUk,2jの3番目の次列となるメモリユニットの方向に沿って1次元順次配列された各制御ゲート電極に対して、第三相制御信号CLOCK3が制御線B2j+3を経由して同時に印加される。
(三相三値クロック)
図4(a)〜図4(c)に示すように、制御信号CLOCK1,CLOCK2,CLOCK3はそれぞれ三相三値クロックであり、各制御信号が、異なる位相で低(L)レベル、中間(M)レベル及び高(L)レベルの三値化レベル間でそれぞれ変動する。高(L)レベルと低(L)レベル間で定義される電位Vは、浮遊ゲート電極192j−2と浮遊ゲート電極192j−1の間、浮遊ゲート電極192j−1と浮遊ゲート電極192jの間、浮遊ゲート電極192jと浮遊ゲート電極192j+1の間をそれぞれ通り抜けるセル電子の量子トンネル効果を生じさせるのに十分大きな電界となるように決定される。中間(M)レベルと低(L)レベル間で定義される電位Vは、浮遊ゲート電極192j−2と浮遊ゲート電極192j−1の間、浮遊ゲート電極192j−1と浮遊ゲート電極192jの間、浮遊ゲート電極192jと浮遊ゲート電極192j+1の間をそれぞれ通り抜けるセル電子の量子トンネル効果を生じさせない電界になるように電位Vの半分に決定されている。しかしながら、電位差V−V又は電位Vが量子トンネル効果を生じさせるのに十分でない限りは、電位Vが電位Vの半分であることは必ずしも要求されない。
図4(a)に示すように、t〜t間の時間間隔で、第一相制御信号CLOCK1は低(L)レベルである。時間tで、第一相制御信号CLOCK1が、中間(M)レベルへ段階的に上昇し、中間(M)レベルをtまで維持する。時間tで、第一相制御信号CLOCK1が高(L)レベルへ段階的に更に上昇し、高(L)レベルをtまで維持する。そして、時間tで、第一相制御信号CLOCK1は、低(L)レベルへ段階的に下降する。t〜t間の時間間隔は、3クロック周期τclockとして定義される。そして、図4(a)では、t−t(=t−t=t−t)が、クロック周期τclockの1/3(=τclock/3)と定義される。
これに対して、図4(b)に示すように、t〜t間の時間間隔で、第二相制御信号CLOCK2は高(L)レベルである。時間tで、第二相制御信号CLOCK2が、低(L)レベルへ段階的に下降し、低(L)レベルをtまで維持する。時間tで、第二相制御信号CLOCK2が中間(M)レベルへ段階的に上昇し、中間(M)レベルをtまで維持する。そして、時間tで、第二相制御信号CLOCK2は、高(L)レベルへ段階的に更に上昇する。したがって、第二相制御信号CLOCK2は、第一相制御信号CLOCK1からτclock/3だけ遅れる。
一方、図4(c)に示すように、t〜t間の時間間隔で、第三相制御信号CLOCK3は中間(M)レベルである。時間tで、第三相制御信号CLOCK3が、高(L)レベルへ段階的に更に上昇し、高(L)レベルをtまで維持する。時間tで、第三相制御信号CLOCK3が、低(L)レベルへ段階的に下降し、低(L)レベルをtまで維持する。そして、時間tで、第三相制御信号CLOCK3は、中間(M)レベルへ段階的に上昇する。したがって、第三相制御信号CLOCK3は、第二相制御信号CLOCK2からτclock/3だけ遅れ、第一相制御信号CLOCK1は、第三相制御信号CLOCK3からτclock/3だけ遅れる。
(ダミーセルを用いた直接転送)
-- --t〜t間-- --
メモリユニットUk(2j−2)の方向に沿って1次元順次配列された複数の制御ゲート電極のうちの制御ゲート電極の1つが図6において制御ゲート電極222j−2として表記されている。図4(a)〜図4(c)に示したt〜t間の時間間隔で、図8に示すように、電極間誘電膜を介してメモリユニットUk(2j−2)の方向に沿った複数の浮遊ゲート電極の電位を同時に制御するように、低(L)レベルの第一相制御信号CLOCK1が複数の制御ゲート電極にそれぞれ印加される。一方、メモリユニットUk(2j−1)に1次元順次配列された複数の制御ゲート電極のうちの制御ゲート電極の1つが図6において制御ゲート電極222j−1として表記されている。t〜t間である同じ時間間隔で、高(L)レベルの2番目の第一相制御信号CLOCK1が、図8に示すように、制御線B2j−1を経由してメモリユニットUk(2j−1)の方向に沿った複数の制御ゲート電極に同時に印加される。そして、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界が、浮遊ゲート電極192j−2と浮遊ゲート電極192j−1の間に印加されるので、セル電子は浮遊ゲート電極192j−2と浮遊ゲート電極192j−1の間に挿入されたユニット間誘電膜26を介して、浮遊ゲート電極192j−2から浮遊ゲート電極192j−1へトンネルする。
メモリユニットUk,2jの方向に沿って1次元順次配列された複数の制御ゲート電極のうちの制御ゲート電極の1つが図6において制御ゲート電極222jとして表記されている。t〜t間である同じ時間間隔で、中間(M)レベルの第三相制御信号CLOCK3が制御線B2jを経由してメモリユニットUk,2jの方向に沿った複数の制御ゲート電極に同時に印加されるので、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界は、浮遊ゲート電極192j−1と浮遊ゲート電極192jの間に形成されない。浮遊ゲート電極192jのセル電子は、時系列的に先行した第三相制御信号CLOCK3によりトンネル効果によって浮遊ゲート電極192jから既に排出されており、浮遊ゲート電極192jは、t〜t間の時間間隔においてダミーセルとして機能している。浮遊ゲート電極192jは、セル電子が既に排出されたダミーセルであるので、電子は浮遊ゲート電極192j−1と浮遊ゲート電極192jの間に挿入されたユニット間誘電膜26を介して、浮遊ゲート電極192jから浮遊ゲート電極192j−1へ逆方向にトンネルできない。
メモリユニットUk,2j+1の方向に沿って1次元順次配列された複数の制御ゲート電極のうちの制御ゲート電極の1つが、図6において制御ゲート電極222j+1として表記されている。上述したのと同様に、t〜t間である同じ時間間隔で、図8に示すように、低(L)レベルの第一相制御信号CLOCK1が制御線B2j+1を経由してメモリユニットUk,2j+1の方向に沿った複数の制御ゲート電極に同時に印加されるので、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界は、浮遊ゲート電極192jと浮遊ゲート電極192j+1の間に形成されない。電子は浮遊ゲート電極192jと浮遊ゲート電極192j+1の間に挿入されたユニット間誘電膜26を介して、浮遊ゲート電極192j+1から浮遊ゲート電極192jへ逆方向にトンネルできず、時系列的に先行した第三相制御信号CLOCK3によりトンネル効果によって浮遊ゲート電極192jから転送されたセル電子は、浮遊ゲート電極192j+1に残存している。
上述とは逆に、t〜t間である同じ時間間隔で、図8に示すように、メモリユニットUk,2j+2の方向に沿って1次元順次配列された各制御ゲート電極に対して、高(L)レベルの2番目の第一相制御信号CLOCK1が制御線B2j+2を経由して同時に印加される。浮遊ゲート電極192j+1に蓄積されたセル電子の量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界が、浮遊ゲート電極192j+1と浮遊ゲート電極192j+2の間に印加されるので、セル電子は浮遊ゲート電極192j+1と浮遊ゲート電極192j+2の間に挿入されたユニット間誘電膜26を介して、浮遊ゲート電極192j+1から浮遊ゲート電極192j+2へトンネルする。一方、メモリユニットUk,2j+3の方向に沿って1次元順次配列された各制御ゲート電極に対して、中間(M)レベルの第三相制御信号CLOCK3が制御線B2j+3を経由して同時に印加されるので、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界は、浮遊ゲート電極192j+2と浮遊ゲート電極192j+3の間に形成されない。浮遊ゲート電極192j+3のセル電子は、時系列的に先行した第三相制御信号CLOCK3によりトンネル効果によって次列に位置する浮遊ゲート電極から既に排出されており、浮遊ゲート電極192j+3は、t〜t間の時間間隔においてダミーセルとして機能している。浮遊ゲート電極192j+3は、セル電子が既に排出されたダミーセルであるので、電子は浮遊ゲート電極192j+2と浮遊ゲート電極192j+3の間に挿入されたユニット間誘電膜26を介して、浮遊ゲート電極192j+3から浮遊ゲート電極192j+2へ逆方向にトンネルできない。
-- --t〜t間-- --
図4(a)〜図4(c)に示したt〜t間である次の時間間隔で、メモリユニットUk(2j−2)の方向に沿って1次元順次配列された各制御ゲート電極に対して、中間(M)レベルの第一相制御信号CLOCK1が、図9に示すように、電極間誘電膜を介して浮遊ゲート電極192j−2の電位を同時に制御するようにそれぞれ印加される。一方、t〜t間である同じ次の時間間隔で、メモリユニットUk(2j−1)の方向に沿って1次元順次配列された各制御ゲート電極に対して、低(L)レベルの第二相制御信号CLOCK2が、図9に示すように、電極間誘電膜を介して浮遊ゲート電極192j−1の電位を同時に制御するようにそれぞれ印加される。この状態では、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界が、浮遊ゲート電極192j−2と浮遊ゲート電極192j−1の間に形成されないので、t〜t間となる時系列的に先行した時間で浮遊ゲート電極192j−2から転送されたセル電子は浮遊ゲート電極192j−1に残存する。即ち、電子は浮遊ゲート電極192jと浮遊ゲート電極192j−1の間に挿入されたユニット間誘電膜26を介して、浮遊ゲート電極192j−1から浮遊ゲート電極192jへ逆方向にトンネルできない。
〜t間である同じ時間間隔で、メモリユニットUk2jの方向に沿って1次元順次配列された各制御ゲート電極に対して、高(L)レベルの第三相制御信号CLOCK3が、図9に示すように、制御線B2jを経由して同時に印加される。そして、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界が、浮遊ゲート電極192j−1と浮遊ゲート電極192jの間に印加されるので、セル電子は浮遊ゲート電極192j−1と浮遊ゲート電極192jの間に挿入されたユニット間誘電膜26を介して、浮遊ゲート電極192j−1から浮遊ゲート電極192jへトンネルする。なぜならば、低(L)レベルの第二相制御信号CLOCK2が、浮遊ゲート電極192j−1の電位を同時に制御するようにそれぞれ印加されるからである。
〜t間である同じ時間間隔で、メモリユニットUk,2jの方向に沿って1次元順次配列された各制御ゲート電極に対して、中間(M)レベルの第一相制御信号CLOCK1が制御線B2j+1を経由して同時に印加されるので、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界は、浮遊ゲート電極192jと浮遊ゲート電極192j+1の間に形成されない。浮遊ゲート電極192j+1のセル電子はt〜t間となる時系列的に先行した時間で浮遊ゲート電極192j+1から既に排出されており、浮遊ゲート電極192j+1は、t〜t間の時間間隔においてダミーセルとして機能している。浮遊ゲート電極192j+1は、セル電子が既に排出されたダミーセルであるので、電子は浮遊ゲート電極192jと浮遊ゲート電極192j+1の間に挿入されたユニット間誘電膜26を介して、浮遊ゲート電極192j+1から浮遊ゲート電極192jへ逆方向にトンネルできない。
同様に、t〜t間である同じ時間間隔で、図9に示すように、メモリユニットUk,2j+2の方向に沿って1次元順次配列された各制御ゲート電極に対して、低(L)レベルの第二相制御信号CLOCK2が制御線B2j+2を経由して同時に印加されるので、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界は、浮遊ゲート電極192j+1と浮遊ゲート電極192j+2の間に形成されない。電子は浮遊ゲート電極192j+1と浮遊ゲート電極192j+2の間に挿入されたユニット間誘電膜26を介して、浮遊ゲート電極192j+2から浮遊ゲート電極192j+1へ逆方向にトンネルできず、t〜t間となる時系列的に先行した時間で浮遊ゲート電極192j+1から転送されたセル電子は浮遊ゲート電極192j+2に残存している。
これとは逆に、t〜t間である同じ時間間隔で、図9に示すように、メモリユニットUk,2j+3の方向に沿って1次元順次配列された各制御ゲート電極に対して、高(L)レベルの第三相制御信号CLOCK3が制御線B2j+3を経由して同時に印加される。浮遊ゲート電極192j+2に蓄積されたセル電子の量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界が、浮遊ゲート電極192j+2と浮遊ゲート電極192j+3の間に印加されるので、セル電子は浮遊ゲート電極192j+2と浮遊ゲート電極192j+3の間に挿入されたユニット間誘電膜26を介して、浮遊ゲート電極192j+2から浮遊ゲート電極192j+3へトンネルする。
-- --t〜t間-- --
図4(a)〜図4(c)に示したt〜t間である更に次の時間間隔では、メモリユニットUk(2j−2)の方向に沿って1次元順次配列された各制御ゲート電極に対して、高(L)レベルの第一相制御信号CLOCK1が、図10に示すように、電極間誘電膜を介して浮遊ゲート電極192j−2の電位を同時に制御するようにそれぞれ印加される。一方、t〜t間である同じ次の時間間隔で、メモリユニットUk(2j−1)の方向に沿って1次元順次配列された各制御ゲート電極に対して、中間(M)レベルの第二相制御信号CLOCK2が、図10に示すように、電極間誘電膜を介して浮遊ゲート電極192j−1の電位を同時に制御するようにそれぞれ印加される。この状態で、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界は、浮遊ゲート電極192j−2と浮遊ゲート電極192j−1の間に形成されないので、浮遊ゲート電極192j−1のセル電子はt〜t間となる時系列的に先行した時間で浮遊ゲート電極192jから既に排出されており、浮遊ゲート電極192j−1は、t〜t間の時間間隔においてダミーセルとして機能している。浮遊ゲート電極192j-1は、セル電子が既に排出されたダミーセルであるので、電子は浮遊ゲート電極192jと浮遊ゲート電極192j−1の間に挿入されたユニット間誘電膜26を介して、浮遊ゲート電極192j−1から浮遊ゲート電極192jへ逆方向にトンネルできない。
一方、t〜t間である同じ次の時間間隔で、メモリユニットUk2jの方向に沿って1次元順次配列された各制御ゲート電極に対して、低(L)レベルの第三相制御信号CLOCK3が、図10に示すように、電極間誘電膜を介して浮遊ゲート電極192jの電位を同時に制御するようにそれぞれ印加される。この状態で、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界は、浮遊ゲート電極192j−2と浮遊ゲート電極192jの間に形成されないので、t〜t間となる時系列的に先行した時間で浮遊ゲート電極192j−1から転送されたセル電子は浮遊ゲート電極192jに残存している。即ち、電子は浮遊ゲート電極192j−1と浮遊ゲート電極192jの間に挿入されたユニット間誘電膜26を介して、浮遊ゲート電極192jから浮遊ゲート電極192j−1へ逆方向にトンネルできない。
〜t間である同じ時間間隔で、メモリユニットUk(2j+1)の方向に沿って1次元順次配列された各制御ゲート電極に対して、高(L)レベルの第一相制御信号CLOCK1が、図10に示すように、制御線B(2j+1)を経由して同時に印加される。そして、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界が、浮遊ゲート電極192jと浮遊ゲート電極19(2j+1)の間に印加されるので、セル電子は浮遊ゲート電極192jと浮遊ゲート電極19(2j+1)の間に挿入されたユニット間誘電膜26を介して、浮遊ゲート電極192jから浮遊ゲート電極19(2j+1)へトンネルする。なぜならば、低(L)レベルの第三相制御信号CLOCK3が浮遊ゲート電極192jの電位を同時に制御するようにそれぞれ印加されるからである。
〜t間である同じ時間間隔で、メモリユニットUk,(2j+2)の方向に沿って1次元順次配列された各制御ゲート電極に対して、中間(M)レベルの第二相制御信号CLOCK2が制御線B(2j+2)を経由して同時に印加されるので、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界は、浮遊ゲート電極19(2j+1)と浮遊ゲート電極19(2j+2)の間に形成されない。浮遊ゲート電極19(2j+2)のセル電子はt〜t間となる時系列的に先行した時間で浮遊ゲート電極19(2j+3)から既に排出されており、浮遊ゲート電極19(2j+2)は、t〜t間の時間間隔においてダミーセルとして機能している。浮遊ゲート電極192j++2は、セル電子が既に排出されたダミーセルであるので、電子は浮遊ゲート電極19(2j+1)と浮遊ゲート電極19(2j+2)の間に挿入されたユニット間誘電膜26を介して、浮遊ゲート電極19(2j+2)から浮遊ゲート電極19(2j+1)へ逆方向にトンネルできない。
同様に、t〜t間である同じ時間間隔で、図10に示すように、メモリユニットUk,(2j+3)の方向に沿って1次元順次配列された各制御ゲート電極に対して、低(L)レベルの第三相制御信号CLOCK3が制御線B(2j+3)を経由して同時に印加されるので、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界は、浮遊ゲート電極19(2j+2)と浮遊ゲート電極19(2j+3)の間に形成されない。電子は浮遊ゲート電極19(2j+2)と浮遊ゲート電極19(2j+3)の間に挿入されたユニット間誘電膜26を介して、浮遊ゲート電極19(2j+3)から浮遊ゲート電極19(2j+2)へ逆方向にトンネルできず、t〜t間となる時系列的に先行した時間で浮遊ゲート電極19(2j+2)から転送されたセル電子は浮遊ゲート電極19(2j+3)に残存している。
(時間−空間領域での表現)
図8〜図10に示すように、図1に示した複数のメモリユニットを配列したアレイにおいて、着目した特定メモリユニットの浮遊ゲート電極の1つに蓄積されたセル電子は、この特定メモリユニットに隣接する次列のメモリユニットに割り当てられた隣接浮遊ゲート電極に直接転送される。セル電子の直接転送は、浮遊ゲート電極の1つと隣接浮遊ゲート電極との間に配置されたユニット間絶縁膜を通り抜けるセル電子の量子トンネル効果により実現される。トンネル効果は、三相三値制御信号CLOCK1,CLOCK2,CLOCK3により制御される。
時間−空間領域における信号電荷の直接転送に関する以下の説明において、対応する図面の符号を用いて、浮遊ゲート電極19k1,19k2,19k2,...,19k9を明示的に説明することを省略する。以下の説明で参照される浮遊ゲート電極19k1,19k2,19k2,...,19k9は、各メモリユニットUk1,Uk2,Uk2,...,Uk9に割り当てられた浮遊ゲート電極としてそれぞれ見なすものとする。メモリユニットUk1,Uk2,Uk2,...,Uk9の配列は、図11の下部に、空間領域表現として示されている。
図11の下部に示したメモリユニットUk1,Uk2,Uk2,...,Uk9の空間領域表現において、tk2〜tk3間の時間間隔におけるメモリユニットUk1とメモリユニットUk2の間のセル電子の直接転送と、tk5〜tk6間の時間間隔におけるメモリユニットUk4とメモリユニットUk5の間のセル電子の直接転送と、tk8〜tk9間の時間間隔におけるメモリユニットUk7とメモリユニットUk8の間のセル電子の直接転送は、代表的なタイミングとして示されているだけであり、他の時間間隔におけるセル電子の他の直接転送の説明を省略する。そして、メモリユニットUk1,Uk2,Uk2,...,Uk9の空間領域表現において、メモリユニットUk3,Uk6,Uk9,Uk12は、セル電子が消失した特定のタイミングにおけるダミーセルDとして示される。なぜならば、ダミーセルDでは、ダミーセルDの対応する浮遊ゲート電極からの電界によるトンネル効果によって、時系列的に先行したクロック信号により蓄積されたセル電子がダミーセルDの隣接浮遊ゲート電極から既に排出されているからである。ダミーセルDの位置は、1次元配列された信号電荷の隊列行進に伴い進行する。
(a)最初に、図11に示すように、tk0〜tk1間の時間間隔で、中間(M)レベルのクロック信号がメモリユニットUk1における各制御ゲート電極に同時に印加されることを想定する。そして、図11に示したtk1〜tk2間である次の時間間隔で、高(L)レベルのクロック信号がメモリユニットUk1における各制御ゲート電極に同時に印加される。更に、Mレベル信号がメモリユニットUk2における各制御ゲート電極に同時に印加される。この状態で、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界は、浮遊ゲート電極19k1と浮遊ゲート電極19k2の間に形成されない。浮遊ゲート電極19k2のセル電子は時系列的に先行したクロック信号によりトンネル効果によって浮遊ゲート電極19k2から既に排出されているので、電子は浮遊ゲート電極19k1と浮遊ゲート電極19k2の間に挿入されたユニット間誘電膜26を介して、浮遊ゲート電極19k2から浮遊ゲート電極19k1へ逆方向にトンネルできない。浮遊ゲート電極19k2は、tk1〜tk2間の時間間隔においてダミーセルDとして機能する。
(b)図11に示したtk2〜tk3間である更に次の時間間隔において、メモリユニットUk1における各制御ゲート電極に対して、電極間誘電膜26を介して浮遊ゲート電極の電位を制御するように低(L)レベルのクロック信号がそれぞれ印加される。一方、tk2〜tk3間である同じ時間間隔で、メモリユニットUk2における各制御ゲート電極に対して、Hレベル信号が同時に印加される。そして、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界が、浮遊ゲート電極19k1と浮遊ゲート電極19k2の間に印加されるので、セル電子は浮遊ゲート電極19k1と浮遊ゲート電極19k2の間に挿入されたユニット間誘電膜26を介して、浮遊ゲート電極19k1から浮遊ゲート電極19k2へトンネルする。セル電子のトンネル転送は、図11の下部に示すように、空間領域における矢印で示されている。そして、信号電荷はメモリユニット・アレイの右端に向けて隊列行進し、バイトサイズ又はワードサイズ単位の情報はクロック信号に同期して転送される。tk2〜tk3間である同じ時間間隔で、メモリユニットUk3における各制御ゲート電極に対して、Mレベル信号が同時に印加されるので、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界は、浮遊ゲート電極19k2と浮遊ゲート電極19k3の間に形成されない。浮遊ゲート電極19k3のセル電子は時系列的に先行したクロック信号によりトンネル効果によって浮遊ゲート電極19k3から既に排出されているので、電子は浮遊ゲート電極19k2と浮遊ゲート電極19k3の間に挿入されたユニット間誘電膜26を介して、浮遊ゲート電極19k3から浮遊ゲート電極19k2へ逆方向にトンネルできない。浮遊ゲート電極19k3は、tk2〜tk3間の時間間隔においてダミーセルDとして機能する。
(c)図11に示したtk3〜tk4間である更に次の時間間隔で、メモリユニットUk1における各制御ゲート電極に対して、電極間誘電膜を介して浮遊ゲート電極19k1の電位を制御するように、Mレベル信号がそれぞれ印加される。一方、tk3〜tk4間である同じ次の時間間隔で、メモリユニットUk2における各制御ゲート電極に対して、電極間誘電膜を介して浮遊ゲート電極19k2の電位を制御するように、Lレベル信号がそれぞれ印加される。量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界は、浮遊ゲート電極19k1と浮遊ゲート電極19k2の間に形成されないので、tk2〜tk3間となる時系列的に先行した時間で浮遊ゲート電極19k1から転送されたセル電子は浮遊ゲート電極19k2に残存している。即ち、電子は浮遊ゲート電極19k3と浮遊ゲート電極19k2の間に挿入されたユニット間誘電膜26を介して、浮遊ゲート電極19k2から浮遊ゲート電極19k3へ逆方向にトンネルできない。更に、tk3〜tk4間である同じ時間間隔で、メモリユニットUk3における各制御ゲート電極に対して、Hレベル信号が同時に印加される。そして、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界が、浮遊ゲート電極19k2と浮遊ゲート電極19k3の間に印加されるので、セル電子は浮遊ゲート電極19k2と浮遊ゲート電極19k3の間に挿入されたユニット間誘電膜26を介して、浮遊ゲート電極19k2から浮遊ゲート電極19k3へトンネルする。なぜならば、Lレベルのクロック信号が浮遊ゲート電極19k2の電位を制御するようにそれぞれ印加されるからである。そして、1次元配列された信号電荷のそれぞれは、メモリユニット・アレイの右端に向けて隊列行進し、隊列を組んだバイトサイズ又はワードサイズ単位の情報がクロック信号に同期して転送される。一方、tk3〜tk4間である同じ時間間隔で、メモリユニットUk4における各制御ゲート電極に対して、Mレベル信号が同時に印加されるので、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界は、浮遊ゲート電極19k3と浮遊ゲート電極19k4の間に形成されない。しかも、浮遊ゲート電極19k4のセル電子はtk2〜tk3間となる時系列的に先行した時間で浮遊ゲート電極19k4から既に排出されているので、電子は浮遊ゲート電極19k3と浮遊ゲート電極19k4の間に挿入されたユニット間誘電膜26を介して、浮遊ゲート電極19k4から浮遊ゲート電極19k3へ逆方向にトンネルできない。浮遊ゲート電極19k4は、t〜t間の時間間隔においてダミーセルDとして機能する。
(d)図11に示したtk4〜tk5間である更に次の時間間隔で、メモリユニットUk1における各制御ゲート電極に対して、浮遊ゲート電極19k1の電位を制御するように、Hレベル信号がそれぞれ印加される。一方、tk4〜tk5間である同じ次の時間間隔で、メモリユニットUk2における各制御ゲート電極に対して、Mレベル信号が、浮遊ゲート電極19k2の電位を制御するようにそれぞれ印加される。量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界は、浮遊ゲート電極19k1と浮遊ゲート電極19k2の間に形成されない。しかも、tk1〜tk4間となる時系列的に先行した時間で浮遊ゲート電極19k2のセル電子は浮遊ゲート電極19k3から既に排出されているので、電子は浮遊ゲート電極19k2から浮遊ゲート電極19k3へ逆方向にトンネルできない。浮遊ゲート電極19k2は、tk4〜tk5間の時間間隔でダミーセルDとして機能する。一方、tk4〜tk5間である同じ次の時間間隔で、メモリユニットUk3における各制御ゲート電極に対して、Lレベル信号が、浮遊ゲート電極19k3の電位を制御するようにそれぞれ印加される。量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界は、浮遊ゲート電極19k2と浮遊ゲート電極19k3の間に形成されないので、tk1〜tk4間となる時系列的に先行した時間で浮遊ゲート電極19k2から転送されたセル電子は浮遊ゲート電極19k3に残存しているが、電子は浮遊ゲート電極19k3から浮遊ゲート電極19k2へ逆方向にトンネルできない。更に、tk4〜tk5間である同じ時間間隔で、メモリユニットUkk4における各制御ゲート電極に対して、Hレベル信号が同時に印加される。そして、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界が、浮遊ゲート電極19k3と浮遊ゲート電極19k4の間に印加されるので、セル電子は浮遊ゲート電極19k3から浮遊ゲート電極19k4へトンネルする。なぜならば、Lレベルのクロック信号が、浮遊ゲート電極19k3の電位を制御するようにそれぞれ印加されるからである。そして、信号電荷は、メモリユニット・アレイの右端に向けて隊列行進し、隊列を組んだバイトサイズ又はワードサイズ単位の情報がクロック信号に同期して転送される。更に、tk4〜tk5間である同じ時間間隔で、メモリユニットUk5における各制御ゲート電極に対して、Mレベル信号が同時に印加されるので、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界は、浮遊ゲート電極19k4と浮遊ゲート電極19k5の間に形成されない。しかも、t〜tk4間となる時系列的に先行した時間で浮遊ゲート電極19k5のセル電子は浮遊ゲート電極19k6から既に排出されているので、電子は浮遊ゲート電極19k5から浮遊ゲート電極19k4へ逆方向にトンネルできない。浮遊ゲート電極19k5は、tk4〜tk5間の時間間隔においてダミーセルDとして機能する。
(e)図11に示したtk5〜tk6間である更に次の時間間隔で、メモリユニットUk1における制御ゲート電極に対して、Lレベル信号が、浮遊ゲート電極の電位を制御するように印加される。一方、tk5〜tk6間の時間間隔で、メモリユニットUk2における制御ゲート電極に対して、Hレベル信号が印加される。そして、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界が、浮遊ゲート電極19k1と浮遊ゲート電極19k2の間に印加されるので、セル電子は浮遊ゲート電極19k1から浮遊ゲート電極19k2へトンネルする。図11の下部における左側の矢印は、セル電子のトンネル転送を表現している。tk2〜tk6間の時間間隔で、メモリユニットUk3における制御ゲート電極に対して、Mレベル信号が印加されるので、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界は、浮遊ゲート電極19k2と浮遊ゲート電極19k3の間に形成されない。しかも、浮遊ゲート電極19k3のセル電子は、時系列的に先行したクロック信号によりトンネル効果によって浮遊ゲート電極19k3から既に排出されているので、電子は浮遊ゲート電極19k3から浮遊ゲート電極19k2へ逆方向にトンネルできない。浮遊ゲート電極19k3は、tk5〜tk6間の時間間隔でダミーセルDとして機能する。
一方、tk5〜tk6間の時間間隔で、メモリユニットUk4における制御ゲート電極に対して、Lレベル信号が、浮遊ゲート電極19k4の電位を制御するように印加される。量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界は、浮遊ゲート電極19k3と浮遊ゲート電極19k4の間に形成されないので、tk4〜tk5間となる時系列的に先行した時間で浮遊ゲート電極19k3から転送されたセル電子は浮遊ゲート電極19k4に残存しているが、電子は浮遊ゲート電極19k4から浮遊ゲート電極19k3へ逆方向にトンネルできない。更に、tk5〜tk6間の時間間隔で、メモリユニットUk5における制御ゲート電極に対してHレベル信号が印加される。そして、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界が、浮遊ゲート電極19k4と浮遊ゲート電極19k5の間に印加されるので、セル電子は浮遊ゲート電極19k4から浮遊ゲート電極19k5へトンネルする。なぜならば、Lレベルのクロック信号が、浮遊ゲート電極19k4の電位を制御するように印加されるからである。図11の下部における右側の矢印は、セル電子のトンネル転送を表現している。そして、1次元配列された信号電荷は、メモリユニット・アレイの右端に向けて隊列行進し、隊列を組んだバイトサイズ又はワードサイズ単位の情報がクロック信号に同期して転送される。更に、tk5〜tk6間の時間間隔で、メモリユニットUk6における制御ゲート電極に対して、Mレベル信号が印加されるので、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界は、浮遊ゲート電極19k5と浮遊ゲート電極19k6の間に形成されない。しかも、tk4〜tk5間となる時系列的に先行した時間で浮遊ゲート電極19k6のセル電子は浮遊ゲート電極19k6から既に排出されているので、電子は浮遊ゲート電極19k6から浮遊ゲート電極19k5へ逆方向にトンネルできない。浮遊ゲート電極19k6は、tk6〜tk6間の時間間隔においてダミーセルDとして機能する。
(f)図11に示したtk6〜tk7間である更に次の時間間隔で、メモリユニットUk1における制御ゲート電極に対して、Mレベル信号が、浮遊ゲート電極19k1の電位を制御するように印加される。一方、tk6〜tk7間の時間間隔で、メモリユニットUk2における制御ゲート電極に対して、Lレベル信号が、浮遊ゲート電極19k2の電位を制御するように印加される。量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界は、浮遊ゲート電極19k1と浮遊ゲート電極19k2の間に形成されないので、tk5〜tk6間となる時系列的に先行した時間で浮遊ゲート電極19k1から転送されたセル電子は浮遊ゲート電極19k2に残存しているが、電子は浮遊ゲート電極19k2から浮遊ゲート電極19k1へ逆方向にトンネルできない。更に、tk6〜tk7間の時間間隔で、メモリユニットUk3における制御ゲート電極に対して、Hレベル信号が印加される。そして、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界が、浮遊ゲート電極19k2と浮遊ゲート電極19k3の間に印加されるので、セル電子は浮遊ゲート電極19k2から浮遊ゲート電極19k3へトンネルする。なぜならば、Lレベルのクロック信号が浮遊ゲート電極19k2の電位を制御するように印加されるからである。一方、tk6〜tk7間の時間間隔で、メモリユニットUk4における制御ゲート電極に対して、Mレベル信号が印加されるので、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界は、浮遊ゲート電極19k3と浮遊ゲート電極19k4の間に形成されない。しかも、tk5〜tk6間となる時系列的に先行した時間で浮遊ゲート電極19k4のセル電子は浮遊ゲート電極19k5から既に排出されているので、電子は浮遊ゲート電極19k4から浮遊ゲート電極19k3へ逆方向にトンネルできない。浮遊ゲート電極19k4は、tk6〜tk7間の時間間隔でダミーセルDとして機能する。
一方、tk6〜tk7間の時間間隔で、メモリユニットUk5における制御ゲート電極に対して、Lレベル信号が、浮遊ゲート電極19k5の電位を制御するように印加される。量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界は、浮遊ゲート電極19k4と浮遊ゲート電極19k5の間に形成されないので、tk5〜tk6間となる時系列的に先行した時間で浮遊ゲート電極19k4から転送されたセル電子は浮遊ゲート電極19k5に残存しているが、電子は浮遊ゲート電極19k5から浮遊ゲート電極19k4へ逆方向にトンネルできない。更に、tk6〜tk7間の時間間隔で、メモリユニットUk6における制御ゲート電極に対して、Hレベル信号が印加される。そして、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界が、浮遊ゲート電極19k5と浮遊ゲート電極19k6の間に印加されるので、セル電子は浮遊ゲート電極19k5から浮遊ゲート電極19k6へトンネルする。なぜならば、Lレベルのクロック信号が、浮遊ゲート電極19k5の電位を制御するように印加されるからである。そして、1次元配列された信号電荷は、メモリユニット・アレイの右端に向けて隊列行進し、隊列を組んだバイトサイズ又はワードサイズ単位の情報がクロック信号に同期して転送される。更に、tk6〜tk7間の時間間隔で、メモリユニットUk7における制御ゲート電極に対して、Mレベル信号が印加されるので、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界は、浮遊ゲート電極19k6と浮遊ゲート電極19k7の間に形成されない。しかも、tk5〜tk6間となる時系列的に先行した時間で浮遊ゲート電極19k7のセル電子は既に排出されているので、電子は浮遊ゲート電極19k7から浮遊ゲート電極19k6へ逆方向にトンネルできない。浮遊ゲート電極19k7は、tk6〜tk7間の時間間隔でダミーセルDとして機能する。
(g)図11に示したtk7〜tk8間である更に次の時間間隔で、メモリユニットUk1における制御ゲート電極に対して、浮遊ゲート電極19k1の電位を制御するようにHレベル信号が印加される。一方、tk7〜tk8間の時間間隔で、メモリユニットUk2における制御ゲート電極に対して、浮遊ゲート電極19k2の電位を制御するようにMレベル信号が印加される。量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界は、浮遊ゲート電極19k1と浮遊ゲート電極19k2の間に形成されない。しかも、tk7〜tk8間の時間間隔で、浮遊ゲート電極19k2はダミーセルDとして機能しているので、電子は浮遊ゲート電極19k2から浮遊ゲート電極19k3へ逆方向にトンネルできない。一方、tk7〜tk8間の時間間隔で、メモリユニットUk3における制御ゲート電極に対して、浮遊ゲート電極19k3の電位を制御するようにLレベル信号が印加される。量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界は、浮遊ゲート電極19k2と浮遊ゲート電極19k3の間に形成されないので、電子は浮遊ゲート電極19k3から浮遊ゲート電極19k2へ逆方向にトンネルできない。更に、tk7〜tk8間の時間間隔で、メモリユニットUk4における制御ゲート電極に対して、Hレベル信号が印加される。そして、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界が、浮遊ゲート電極19k3と浮遊ゲート電極19k4の間に印加されるので、セル電子は浮遊ゲート電極19k3から浮遊ゲート電極19k4へトンネルする。更に、tk7〜tk8間の時間間隔で、メモリユニットUk5における制御ゲート電極に対して、Mレベル信号が印加されるので、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界は、浮遊ゲート電極19k4と浮遊ゲート電極19k5の間に形成されない。しかも、tk7〜tk8間の時間間隔で浮遊ゲート電極19k5がダミーセルDとして機能しているので、電子は浮遊ゲート電極19k5から浮遊ゲート電極19k4へ逆方向にトンネルできない。
一方、tk7〜tk8間の時間間隔で、メモリユニットUk6における制御ゲート電極に対して、浮遊ゲート電極19k6の電位を制御するようにLレベル信号が印加される。量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界は、浮遊ゲート電極19k5と浮遊ゲート電極19k6の間に形成されないので、電子は浮遊ゲート電極19k6から浮遊ゲート電極19k5へ逆方向にトンネルできない。更に、tk7〜tk8間の時間間隔で、メモリユニットUk7における制御ゲート電極に対して、Hレベル信号が印加される。そして、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界が、浮遊ゲート電極19k6と浮遊ゲート電極19k7の間に印加されるので、セル電子は浮遊ゲート電極19k6から浮遊ゲート電極19k7へトンネルする。なぜならば、Lレベルのクロック信号が、浮遊ゲート電極19k6の電位を制御するように印加されるからである。そして、1次元配列された信号電荷は、メモリユニット・アレイの右端に向けて隊列行進し、隊列を組んだバイトサイズ又はワードサイズ単位の情報がクロック信号に同期して転送される。更に、tk7〜tk8間の時間間隔で、メモリユニットUk8における制御ゲート電極に対して、Mレベル信号が印加されるので、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界は、浮遊ゲート電極19k7と浮遊ゲート電極19k8の間に形成されない。しかも、浮遊ゲート電極19k8は、tk7〜tk8間の時間間隔でダミーセルDとして機能しているので、電子は浮遊ゲート電極19k8から浮遊ゲート電極19k7へ逆方向にトンネルできない。
(h)図11に示したtk8〜tk9間である更に次の時間間隔で、メモリユニットUk1における制御ゲート電極に対して、浮遊ゲート電極の電位を制御するようにLレベル信号が印加される。一方、tk8〜tk9間の時間間隔で、メモリユニットUk2における制御ゲート電極に対して、Hレベル信号が印加される。そして、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界が、浮遊ゲート電極19k1と浮遊ゲート電極19k2の間に印加されるので、セル電子は浮遊ゲート電極19k1から浮遊ゲート電極19k2へトンネルする。図11の下部の左側の矢印は、セル電子のトンネル転送を表現している。tk2〜tk9間の時間間隔で、メモリユニットUk3における制御ゲート電極に対して、Mレベル信号が印加されるので、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界は、浮遊ゲート電極19k2と浮遊ゲート電極19k3の間に形成されない。しかも、浮遊ゲート電極19k3は、tk8〜tk9間の時間間隔でダミーセルDとして機能しているので、電子は浮遊ゲート電極19k3から浮遊ゲート電極19k2へ逆方向にトンネルできない。
一方、tk8〜tk9間の時間間隔で、メモリユニットUk4における制御ゲート電極に対して、浮遊ゲート電極19k4の電位を制御するようにLレベル信号が印加される。量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界は、浮遊ゲート電極19k3と浮遊ゲート電極19k4の間に形成されないので、電子は浮遊ゲート電極19k4から浮遊ゲート電極19k3へ逆方向にトンネルできない。更に、tk8〜tk9間の時間間隔で、メモリユニットUk5における制御ゲート電極に対して、Hレベル信号が印加される。そして、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界が、浮遊ゲート電極19k4と浮遊ゲート電極19k5の間に印加されるので、セル電子は浮遊ゲート電極19k4から浮遊ゲート電極19k5へトンネルする。なぜならば、Lレベルのクロック信号が、浮遊ゲート電極19k4の電位を制御するように印加されるからである。図11の下部の中央の矢印は、セル電子のトンネル転送を表現している。更に、tk8〜tk9間の時間間隔で、メモリユニットUk6における制御ゲート電極に対して、Mレベル信号が印加されるので、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界は、浮遊ゲート電極19k5と浮遊ゲート電極19k6の間に形成されない。しかも、tk8〜tk9間の時間間隔で、浮遊ゲート電極19k6はダミーセルDとして機能しているので、電子は浮遊ゲート電極19k6から浮遊ゲート電極19k5へ逆方向にトンネルできない。
一方、tk8〜tk9間の時間間隔で、メモリユニットUk7における制御ゲート電極に対して、浮遊ゲート電極19k7の電位を制御するようにLレベル信号が印加される。量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界は、浮遊ゲート電極19k6と浮遊ゲート電極19k7の間に形成されないので、電子は浮遊ゲート電極19k7から浮遊ゲート電極19k6へ逆方向にトンネルできない。更に、tk8〜tk9間の時間間隔で、メモリユニットUk8における制御ゲート電極に対して、Hレベル信号が印加される。そして、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界が、浮遊ゲート電極19k7と浮遊ゲート電極19k8の間に印加されるので、セル電子は浮遊ゲート電極19k7から浮遊ゲート電極19k8へトンネルする。なぜならば、Lレベルのクロック信号が、浮遊ゲート電極19k7の電位を制御するように印加されるからである。図11の下部の右側の矢印は、セル電子のトンネル転送を表現している。そして、1次元配列された信号電荷は、メモリユニット・アレイの右端に向けて隊列行進し、隊列を組んだバイトサイズ又はワードサイズ単位の情報がクロック信号に同期して転送される。更に、tk8〜tk9間の時間間隔で、メモリユニットUk9における制御ゲート電極に対して、Mレベル信号が印加されるので、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界は、浮遊ゲート電極19k8と浮遊ゲート電極19k9の間に形成されない。しかも、浮遊ゲート電極19k9は、tk8〜tk9間の時間間隔でダミーセルDとして機能しているので、電子は浮遊ゲート電極19k9から浮遊ゲート電極19k8へ逆方向にトンネルできない。
(理想的な場合における三相二値クロックを用いた直接転送)
図8〜図11において、低(L)レベル、中間(M)レベル、高(L)レベルの三値化レベル間で変動する三相三値クロックが、隊列行進方向に沿って先行列のメモリユニットからセル電子が逆方向に転送されるのを阻止するために採用されている。しかしながら、時系列的に先行したクロック信号により、先行列のメモリユニットに割り当てられた浮遊ゲート電極に蓄積されたセル電子が、更に先行列のメモリユニットに割り当てられた隣接する浮遊ゲート電極から既に完全に排出されたような、セル電子が完全に消失した理想的なダミーセルを採用するスキームを用いれば、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界が、対象となる浮遊ゲート電極と先行列の浮遊ゲート電極の間に形成される場合であっても、図15(a)〜図15(c)に示すような三相二値クロックを使用できる。なぜならば、先行列の浮遊ゲート電極から対象となる浮遊ゲート電極へ逆方向にトンネルすることが可能なセル電子が無いからである。
図15(a)〜図15(c)において、高(L)レベルと低(L)レベルの間で定義される電位Vは、図6に示した構成において、浮遊ゲート電極192j−2と浮遊ゲート電極192j−1の間、浮遊ゲート電極192j−1と浮遊ゲート電極192jの間、浮遊ゲート電極192jと浮遊ゲート電極192j+1の間をそれぞれ通り抜けるセル電子の量子トンネル効果を生じさせるのに十分大きな電界となるように決定されている。
図15(a)に示すように、t〜t間の時間間隔で、第一相制御信号CLOCK1はLレベルである。時間tで、第一相制御信号CLOCK1は、高(L)レベルへ段階的に上昇し、Hレベルをtまで維持する。そして、時間tで、第一相制御信号CLOCK1は、Lレベルへ段階的に下降する。t〜t間の時間間隔は、クロック周期τclockとして定義される。そして、図4(a)において、t−t(=t−t=t−t)が、クロック周期τclockの1/3(=τclock/3)と定義される。
これに対して、図15(b)に示すように、t〜t間の時間間隔で、第二相制御信号CLOCK2はHレベルである。時間tで、第二相制御信号CLOCK2は、Lレベルへ段階的に下降し、Lレベルをtまで維持する。時間tで、第二相制御信号CLOCK2は、Hレベルへ段階的に上昇する。一方、図15(c)に示すように、t〜t間の時間間隔で、第三相制御信号CLOCK3はLレベルである。時間tで、第三相制御信号CLOCK3は、Hレベルへ段階的に上昇し、Hレベルをtまで維持する。時間tで、第三相制御信号CLOCK3は、Lレベルへ段階的に下降し、Lレベルをtまで維持する。
-- --t〜t間-- --
図15(a)〜図15(c)に示したt〜t間の時間間隔で、メモリユニットUk(2j−2)における各制御ゲート電極に対して、図12に示すように、電極間誘電膜を介して浮遊ゲート電極の電位を同時に制御するように、Lレベルの第一相制御信号CLOCK1がそれぞれ印加される。一方、t〜t間である同じ時間間隔で、メモリユニットUk(2j−1)における各制御ゲート電極に対して、Hレベルの2番目の第一相制御信号CLOCK1が、図12に示すように、制御線B2j−1を経由して同時に印加される。そして、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界が、浮遊ゲート電極192j−2と浮遊ゲート電極192j−1の間に印加されるので、セル電子は浮遊ゲート電極192j−2から浮遊ゲート電極192j−1へトンネルする。
〜t間である同じ時間間隔で、メモリユニットUk,2jにおける各制御ゲート電極に対して、Lレベルの第三相制御信号CLOCK3が、制御線B2jを経由して同時に印加されるので、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界が、浮遊ゲート電極192j−1と浮遊ゲート電極192jの間に生じるが、電子は浮遊ゲート電極192jから浮遊ゲート電極192j−1へ逆方向にトンネルできない。なぜならば、時系列的に先行した第三制御信号CLOCK3により、浮遊ゲート電極192jのセル電子はトンネル効果によって浮遊ゲート電極192jから既に完全に排出されており、t〜t間の時間間隔で、浮遊ゲート電極192jは、理想的なダミーセルとして機能しているからである。
同様に、t〜t間である同じ時間間隔で、図12に示すように、メモリユニットUk,2j+1における各制御ゲート電極に対して、Lレベルの第一相制御信号CLOCK1が制御線B2j+1を経由して同時に印加されるので、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界は、浮遊ゲート電極192jと浮遊ゲート電極192j+1の間に形成されない。電子は浮遊ゲート電極192j+1から浮遊ゲート電極192jへ逆方向にトンネルできず、時系列的に先行した第三制御信号CLOCK3により、トンネル効果によって浮遊ゲート電極192jから完全に転送されたセル電子は浮遊ゲート電極192j+1に完全に残存している。
これとは逆に、t〜t間である同じ時間間隔で、図12に示すように、メモリユニットUk,2j+2における各制御ゲート電極に対して、Hレベルの2番目の第一相制御信号CLOCK1が制御線B2j+2を経由して同時に印加される。浮遊ゲート電極192j+1に蓄積されたセル電子の量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界が、浮遊ゲート電極192j+1と浮遊ゲート電極192j+2の間に印加されるので、セル電子は浮遊ゲート電極192j+1から浮遊ゲート電極192j+2へトンネルする。一方、メモリユニットUk,2j+3における各制御ゲート電極に対して、Lレベルの第三相制御信号CLOCK3が制御線B2j+3を経由して同時に印加されるので、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界が、浮遊ゲート電極192j+2と浮遊ゲート電極192j+3の間に生じるが、電子は浮遊ゲート電極192j+3から浮遊ゲート電極192j+2へ逆方向にトンネルできない。なぜならば、時系列的に先行した第三相制御信号CLOCK3により、浮遊ゲート電極192j+3のセル電子はトンネル効果によって次の列の浮遊ゲート電極から既に完全に排出されており、t〜t間の時間間隔で、浮遊ゲート電極192j+3は理想的なダミーセルとして機能しているからである。
-- --t〜t間-- --
図15(a)〜図15(c)に示したt〜t間である次の時間間隔で、メモリユニットUk(2j−2)における各制御ゲート電極に対して、Lレベルの第一相制御信号CLOCK1が、図13に示すように、電極間誘電膜を介して浮遊ゲート電極192j−2の電位を同時に制御するようにそれぞれ印加される。一方、t〜t間である同じ次の時間間隔で、メモリユニットUk(2j−1)における各制御ゲート電極に対して、Lレベルの第二相制御信号CLOCK2が、図13に示すように、電極間誘電膜を介して浮遊ゲート電極192j−1の電位を同時に制御するようにそれぞれ印加される。この状態で、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界は、浮遊ゲート電極192j−2と浮遊ゲート電極192j−1の間に形成されないので、t〜t間となる時系列的に先行した時間で浮遊ゲート電極192j−2から完全に転送されたセル電子は浮遊ゲート電極192j−1に完全に残存する。即ち、電子は浮遊ゲート電極192j−1から浮遊ゲート電極192jへ逆方向にトンネルできない。
〜t間である同じ時間間隔で、メモリユニットUk2jにおける各制御ゲート電極に対して、Hレベルの第三相制御信号CLOCK3が、図13に示すように制御線B2jを経由して同時に印加される。そして、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界が、浮遊ゲート電極192j−1と浮遊ゲート電極192jの間に印加されるので、セル電子は浮遊ゲート電極192j−1から浮遊ゲート電極192jへトンネルする。なぜならば、Lレベルの第二相制御信号CLOCK2が、浮遊ゲート電極192j−1の電位を同時に制御するようにそれぞれ印加されるからである。
〜t間である同じ時間間隔で、メモリユニットUk,2jにおける各制御ゲート電極に対して、Lレベルの第一相制御信号CLOCK1が、制御線B2j+1を経由して同時に印加されるので、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界が、浮遊ゲート電極192jと浮遊ゲート電極192j+1の間に生じるが、電子は浮遊ゲート電極192j+1から浮遊ゲート電極192jへ逆方向にトンネルできない。なぜならば、浮遊ゲート電極192j+1におけるセル電子はt〜t間となる時系列的に先行した時間で浮遊ゲート電極192j+1から既に完全に排出されており、浮遊ゲート電極192j+1は、t〜t間の時間間隔で理想的なダミーセルとして機能しているからである。
同様に、t〜t間である同じ時間間隔で、図13に示すように、メモリユニットUk,2j+2における各制御ゲート電極に対して、Lレベルの第二相制御信号CLOCK2が制御線B2j+2を経由して同時に印加されるので、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界は、浮遊ゲート電極192j+1と浮遊ゲート電極192j+2の間に形成されない。電子は浮遊ゲート電極192j+2から浮遊ゲート電極192j+1へ逆方向にトンネルできず、t〜t間となる時系列的に先行した時間で浮遊ゲート電極192j+1から完全に転送されたセル電子は、浮遊ゲート電極192j+2に完全に残存している。
これとは逆に、t〜t間である同じ時間間隔で、図13に示すように、メモリユニットUk,2j+3における各制御ゲート電極に対して、Hレベルの第三相制御信号CLOCK3が制御線B2j+3を経由して同時に印加される。浮遊ゲート電極192j+2に蓄積されたセル電子の量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界が、浮遊ゲート電極192j+2と浮遊ゲート電極192j+3の間に印加されるので、セル電子は浮遊ゲート電極192j+2から浮遊ゲート電極192j+3へトンネルする。
-- --t〜t間-- --
図15(a)〜図15(c)に示したt〜t間である更に次の時間間隔において、メモリユニットUk(2j−2)における各制御ゲート電極に対して、高(L)レベルの第一相制御信号CLOCK1が、図14に示すように電極間誘電膜を介して浮遊ゲート電極192j−2の電位を同時に制御するようにそれぞれ印加される。一方、t〜t間である同じ次の時間間隔で、メモリユニットUk(2j−1)における各制御ゲート電極に対して、Lレベルの第二相制御信号CLOCK2が、図14に示すように電極間誘電膜を介して浮遊ゲート電極192j−1の電位を同時に制御するようにそれぞれ印加される。この状態では、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界が、浮遊ゲート電極192j−2と浮遊ゲート電極192j−1の間に生じるが、電子は浮遊ゲート電極192j−1から浮遊ゲート電極192jへ逆方向にトンネルできない。なぜならば、浮遊ゲート電極192j−1のセル電子は、t〜t間となる時系列的に先行した時間で浮遊ゲート電極192jから既に完全に排出されており、浮遊ゲート電極192j−1は、t〜t間の時間間隔で理想的なダミーセルとして機能しているからである。
一方、t〜t間である同じ次の時間間隔で、メモリユニットUk2jにおける各制御ゲート電極に対して、Lレベルの第三相制御信号CLOCK3が、図14に示すように電極間誘電膜を介して浮遊ゲート電極192jの電位を同時に制御するようにそれぞれ印加される。この状態では、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界は、浮遊ゲート電極192j−2と浮遊ゲート電極192jの間に形成されないので、t〜t間となる時系列的に先行した時間で、浮遊ゲート電極192j―1から完全に転送されたセル電子は浮遊ゲート電極192jに完全に残存して、電子は浮遊ゲート電極192jから浮遊ゲート電極192j−1へ逆方向にトンネルできない。
〜t間である同じ時間間隔で、メモリユニットUk(2j+1)における各制御ゲート電極に対して、Hレベルの第一相制御信号CLOCK1が、図14に示すように制御線B(2j+1)を経由して同時に印加される。そして、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界が、浮遊ゲート電極192jと浮遊ゲート電極19(2j+1)の間に印加されるので、セル電子は浮遊ゲート電極192jから浮遊ゲート電極19(2j+1)へトンネルする。なぜならば、Lレベルの第三相制御信号CLOCK3が、浮遊ゲート電極192jの電位を同時に制御するようにそれぞれ印加されるからである。
〜t間である同じ時間間隔で、メモリユニットUk,(2j+2)における各制御ゲート電極に対して、Lレベルの第二相制御信号CLOCK2が、制御線B(2j+2)を経由して同時に印加されるので、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界が、浮遊ゲート電極19(2j+1)と浮遊ゲート電極19(2j+2)の間に生じるが、電子は浮遊ゲート電極19(2j+2)から浮遊ゲート電極19(2j+1)へ逆方向にトンネルできない。なぜならば、浮遊ゲート電極19(2j+2)のセル電子が、t〜t間となる時系列的に先行した時間で浮遊ゲート電極(2j+3)から既に完全に排出されており、浮遊ゲート電極19(2j+2)は、t〜t間の時間間隔において理想的なダミーセルとして機能しているからである。
同様に、t〜t間である同じ時間間隔で、図14に示すように、メモリユニットUk,(2j+3)における各制御ゲート電極に対して、Lレベルの第三相制御信号CLOCK3が、制御線B(2j+3)を経由して同時に印加されるので、量子トンネル効果を生じさせるのに十分な電界は、浮遊ゲート電極19(2j+2)と浮遊ゲート電極19(2j+3)の間に形成されない。電子は浮遊ゲート電極19(2j+3)から浮遊ゲート電極19(2j+2)へ逆方向にトンネルできず、t〜t間となる時系列的に先行した時間で浮遊ゲート電極19(2j+2)から完全に転送されたセル電子は、浮遊ゲート電極19(2j+3)に完全に残存している。
(入力/出力端子カラム)
図3では、入力端子カラムI・・・,Ik−1,I,Ik+1・・・,Iの配列が、左側に配置されたメモリユニットU11,U(k−1)1,Uk,1,U(k+1)1・・・,Um1の1次元配列の左端に配列され、出力端子カラムO・・・,Ok−1,O,Ok+1・・・,Oの配列が、右側に配置されたメモリユニットU1n,U(k−1)n,Uk,n,U(k+1)n・・・,Umnの1次元配列の右端に配列されたようなトポロジーが一例として示されている。入力端子カラムI・・・,Ik−1,I,Ik+1・・・,I及び出力端子カラムO・・・,Ok−1,O,Ok+1・・・,Oの回路トポロジーには多くの構成が使用できるが、図16では、k行目の入力端子カラムIが、k行目の左側に配置されたメモリユニットUk1の1次元配列の左端に設けられ、且つk行目の出力端子カラムOがメモリユニットUk1の1次元配列の右端に設けられた、入力端子カラムI及び出力端子カラムOの構成の例が示されている。
k行目の入力端子カラムIにおいて、nMOSFET等の入力用蓄積トランジスタの一群が、列方向(垂直方向)に沿って隣接して1次元配列されている。入力用蓄積トランジスタのゲートのすべてが入力制御線に接続され、且つ、入力用蓄積トランジスタのドレイン領域のすべてが共通接地線に接続されているが、入力用蓄積トランジスタの各ソース領域は、対応する水平入力端子Ik0,Ik1,Ik2・・・に独立してそれぞれ接続されている。そして、入力用蓄積トランジスタのそれぞれは、複数のメモリユニットを配列したアレイの共通基板11(図6参照)と、基板上に積層されたゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜上に積層され、入力電子の電荷を蓄積する浮遊ゲート電極と、浮遊ゲート電極上に積層された電極間誘電膜と、電極間誘電膜上に積層され、入力制御線を経由して入力駆動信号が印加される制御ゲート電極とを備える。n型半導体の高不純物密度領域の1次元配列は、各入力用蓄積トランジスタのソース領域及びドレイン領域として、p型半導体基板11の表面に埋め込まれている。そして、分離されたチャネル領域の配列が、各ソース領域及び対応するドレイン領域の間に定義されるので、入力用蓄積トランジスタの各チャネル領域は、シャロー・トレンチ・アイソレーション(STI)等の素子分離領域によりそれぞれ分離されている。
入力用蓄積トランジスタのゲート構造は、図6に示したビットレベル・セルの積層構造と非常に類似するが、入力用蓄積トランジスタのゲート絶縁膜の厚さは基板絶縁膜18の厚さよりも薄いので、ホットエレクトロンは、基板11において定義されたチャネル領域から、対象となる入力用蓄積トランジスタの対応する浮遊ゲート電極へ、入力用蓄積トランジスタのゲート絶縁膜を介してトンネルできる。例えば、ゲート絶縁膜がシリコン酸化膜(SiO膜)等からなる場合、ゲート絶縁膜の厚さは、約1〜15nmに設定される。入力用蓄積トランジスタのゲート絶縁膜の厚さが基板絶縁膜18の厚さよりも薄いので、ゲート絶縁膜の直下に配置された基板11の上面を、基板絶縁膜18の直下に配置された基板11の上面よりも高くして、入力端子カラムIに割り当てられた浮遊ゲート電極の垂直方向に測った水平レベルが、メモリユニットUk1に割り当てられた浮遊ゲート電極の垂直方向に測った水平レベルと同じになるように設定している。
入力信号が水平入力端子Ik0,Ik1,Ik2・・・,Ik31を経由して入力用蓄積トランジスタの各ソース領域にそれぞれ出力され、所定の書き込み電圧が入力端子カラムIに配列された複数の入力用蓄積トランジスタのそれぞれの制御ゲート電極に印加されたときに、トンネル電流(ファイラー・ノルドハイム電流)が、基板11に定義されたチャネル領域から、ゲート絶縁膜を介して、対応する入力用蓄積トランジスタの浮遊ゲート電極へそれぞれ流れ込む。入力電荷は、対応する入力用蓄積トランジスタの浮遊ゲート電極にそれぞれ蓄積される。
図16に示した複数のメモリユニットを配列したアレイにおいて、複数のメモリユニットを配列したアレイにおける水平データ転送線は、水平入力端子Ik0,Ik1,Ik2・・・,Ik31の各方向に沿って定義され、入力端子カラムIにおける浮遊ゲート電極の1つに蓄積された、入力信号の1つとしての電子電荷は、メモリユニットUk1に定義される隣接浮遊ゲート電極に転送される。電子電荷の転送は、入力端子カラムIの浮遊ゲート電極とメモリユニットUk1の隣接浮遊ゲート電極との間に配置されたユニット間誘電膜26を通り抜ける電子の量子トンネル効果により実現される。トンネル効果は、図16に示した制御線Bを経由して印加されるクロック信号により制御される。
k行目の出力端子カラムOにおいて、入力用蓄積トランジスタの一群と同様に、nMOSFET等の出力端子トランジスタの一群が、列方向(垂直方向)に沿って隣接して配列されている。出力端子トランジスタのゲートのすべてが出力制御線に接続され、且つ、出力端子トランジスタのソース領域のすべてが共通バイアス線に接続されているが、出力端子トランジスタの各ドレイン領域は、対応する水平出力端子Ok0,Ok1,Ok2・・・,Ok31に独立してそれぞれ接続されている。そして、出力端子トランジスタのそれぞれは、複数のメモリユニットを配列したアレイの共通基板11(図6参照)と、基板上に積層されたゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜上に積層され、出力電子の電荷を蓄積する浮遊ゲート電極と、浮遊ゲート電極上に積層された電極間誘電膜と、電極間誘電膜上に積層され、出力制御線を経由して出力駆動信号が印加される制御ゲート電極とを備える。n型半導体の高不純物密度領域の1次元配列は、各出力端子トランジスタのドレイン領域及びソース領域として、p型半導体基板11の表面に埋め込まれている。そして、分離されたチャネル領域の配列が、各ドレイン領域と対応するソース領域との間に定義されるので、出力端子トランジスタの各チャネル領域は、シャロー・トレンチ・アイソレーション(STI)等の素子分離領域によりそれぞれ分離されている。
入力用蓄積トランジスタと同様に、出力端子トランジスタのゲート構造は、図6に示したビットレベル・セルの積層構造と非常に類似するが、ゲート絶縁膜の厚さは基板絶縁膜18の厚さよりも薄いので、浮遊ゲート電極における各格納状態は、基板11において定義されたチャネル領域の対応する表面電位にそれぞれ影響を与えることができる。例えば、ゲート絶縁膜がシリコン酸化膜(SiO膜)等からなる場合、ゲート絶縁膜の厚さは、約1〜15nmに設定される。ゲート絶縁膜の厚さが基板絶縁膜18の厚さよりも薄いので、ゲート絶縁膜の直下に配置された基板11の上面を、基板絶縁膜18の直下に配置された基板11の上面よりも高くして、出力端子カラムOに割り当てられた浮遊ゲート電極の垂直方向に測った水平レベルは、メモリユニットUk1に割り当てられた浮遊ゲート電極の垂直方向に測った水平レベルと同じになるように設定している。
図16に示した複数のメモリユニットを配列したアレイにおいて、複数のメモリユニットを配列したアレイにおける水平データ転送線は、水平出力端子Ok0,Ok1,Ok2・・・,Ok31に向かう各方向に沿って定義されるので、複数のメモリユニットを配列したアレイの右端に位置するメモリユニットUk1の浮遊ゲート電極の1つに蓄積され、出力信号の1つとなるセル電子は、出力端子カラムOの浮遊ゲート電極に転送される。セル電子の転送は、右端のメモリユニットの隣接浮遊ゲート電極と出力端子カラムOの浮遊ゲート電極との間に配置されたユニット間誘電膜26を通り抜けるセル電子の量子トンネル効果により実現される。
そして、所定の読み出し電圧が出力端子トランジスタの各制御ゲート電極に印加される時に、出力信号は、出力端子トランジスタの各ドレイン領域から水平出力端子Ok0,Ok1,Ok2・・・,Ok31を経由して出力できる。なぜならば、各出力端子トランジスタにおけるソース及びドレイン領域間のチャネル領域を流れる各電流は、対応する出力端子トランジスタの浮遊ゲート電極に蓄積された電荷量でそれぞれ決定されるからである。このように、出力端子トランジスタのチャネル領域を流れる電流が検知され、これがバイナリ・コードを形成し、出力端子トランジスタの浮遊ゲート電極に格納されたデータが、出力端子カラムOにより再現される。
(入力端子カラムの他の例)
図17に示した複数のメモリユニットを配列したアレイにおいて、k行目の入力端子カラムIが、アレイの左側に配置されたk行目のメモリユニットUk1の左端に設けられている。k行目の入力端子カラムIにおいて隣接して配列されている入力用蓄積トランジスタの一群を選択する選択トランジスタの組は、入力端子カラムIのいずれかの端で列方向に沿って設けられている。
入力用蓄積トランジスタのゲートは、水平制御端子Iwk0,Iwk1,Iwk2・・・,Iwk31に接続されている。入力用蓄積トランジスタのそれぞれは、複数のメモリユニットを配列したアレイの共通基板11(図6参照)と、基板上に積層されたゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜上に積層され、入力電子電荷を蓄積する浮遊ゲート電極と、浮遊ゲート電極上に積層された電極間誘電膜と、電極間誘電膜上に積層され、水平制御端子Iwk0,Iwk1,Iwk2・・・,Iwk31の1つを経由して入力駆動信号が印加される制御ゲート電極とを備える。n型半導体領域が、各入力用蓄積トランジスタのソース/ドレイン領域として、ソース/ドレイン領域間にチャネル領域を実現するように、p型半導体基板11の表面に高不純物密度で1次元配列をなして埋め込まれている。入力用蓄積トランジスタのゲート構造は、図6に示したビットレベル・セルの積層構造と非常に類似するが、ゲート絶縁膜の厚さが基板絶縁膜18の厚さよりも薄いので、ホットエレクトロンは、基板11から入力用蓄積トランジスタの浮遊ゲート電極へ、ゲート絶縁膜を介してトンネルできる。例えば、ゲート絶縁膜がシリコン酸化膜(SiO膜)等からなる場合、ゲート絶縁膜の厚さは、約1〜15nmに設定される。ゲート絶縁膜の厚さが基板絶縁膜18の厚さよりも薄いので、ゲート絶縁膜の直下に配置された基板11の上面を、基板絶縁膜18の直下に配置された基板11の上面より高くして、入力端子カラムIに割り当てられた浮遊ゲート電極の垂直方向に測った水平レベルが、メモリユニットUk1に割り当てられた浮遊ゲート電極の垂直方向に測った水平レベルと同じになるように設定している。
図17に示した複数のメモリユニットを配列したアレイにおいて、入力端子カラムIの浮遊ゲート電極の1つに蓄積され、入力信号の1つとなる電子電荷は、メモリユニットUk1の隣接浮遊ゲート電極に転送される。電子電荷の転送は、入力端子カラムIの浮遊ゲート電極と隣接したメモリユニットUk1の浮遊ゲート電極との間に配置されたユニット間誘電膜26を通り抜ける電子の量子トンネル効果により実現される。トンネル効果は、図17に示すように、制御線Bを経由して印加されるクロック信号により制御される。
図17に示すように、一組の選択ゲート線SGD及びSGSが、対応する一組の選択トランジスタの各ゲートにそれぞれ接続されている。NANDフラッシュメモリと同様に、入力メモリユニットIに入力情報を書き込むように、メモリユニット線B,B・・・,B2j−2,B2j−1,B2j,B2j+1・・・と平行に走行する入力制御線にページバッファが接続されていてもよい。図17に示した上側の選択ゲート線SGDは、上側の選択トランジスタのゲートに接続されている。下側の選択ゲート線SGSは、下側の選択トランジスタのゲートに接続されている。上側の選択トランジスタのドレイン電極は、入力制御線に接続されている。上側の選択トランジスタのソース電極は、入力メモリユニットIにおける最上端の入力用蓄積トランジスタのドレイン電極に接続されている。下側の選択トランジスタのドレイン電極は、入力メモリユニットIの最下端の入力用蓄積トランジスタのソース電極に接続されている。下側の選択トランジスタのソース電極は、共通ソース線CSに接続されている。
そして、行デコーダ/チャージポンプ回路が、水平制御端子Iwk0,Iwk1,Iwk2・・・,Iwk31に接続されていてもよい。水平制御端子Iwk0,Iwk1,Iwk2・・・,Iwk31を介して印加される電位は、入力端子カラムIにおける各浮遊ゲート電極に入力信号を書き込むように、入力端子カラムIを構成する各入力トランジスタの各電子格納状態をそれぞれ制御する。水平制御端子Iwk0,Iwk1,Iwk2・・・,Iwk31を介して、所定の書き込み電圧が基板11と入力端子カラムIに配列された複数の入力用蓄積トランジスタのそれぞれの制御ゲート電極との間に印加されたとき、トンネル電流(ファイラー・ノルドハイム電流)がゲート絶縁膜を介して流れる。入力電荷は、対応する入力用蓄積トランジスタの浮遊ゲート電極にそれぞれ蓄積される。そして、複数のメモリユニットを配列したアレイの水平データ転送線が、水平制御端子Iwk0,Iwk1,Iwk2・・・,Iwk31から始まる各方向に沿って定義される。
図17に示した複数のメモリユニットを配列したアレイのk行目の右端に配置された出力端子カラムOに関して、図16に示した行出力端子カラムOと構成及び動作は本質的に同じなので、重複した説明を省略する。
(逆方向マーチングメモリ)
図1〜図17は、図3に示した2次元アレイにおけるk行目に着目した場合に、各メモリユニットUk1,Uk2,Uk3・・・,Uk(n−1),Uknにバイトサイズ又はワードサイズ単位の情報を格納し、バイトサイズ又はワードサイズ単位の情報を、クロック信号に同期して、ステップごとに、入力端子カラムIから、メモリユニットUk1,Uk2,Uk3・・・,Uk(n−1),Uknの1次元アレイの右端に配置された出力端子カラムOに向けて転送する直接転送マーチングメモリ(順方向マーチングメモリ)を示したが、図18は、直接転送マーチングメモリの他のスキームを示す。
図18において、各メモリユニットUk1,Uk2,Uk3・・・,Uk(n−1),Uknは、データ又は命令のワードサイズを含むバイトサイズ又はワードサイズ単位の情報を格納し、バイトサイズ又はワードサイズ単位の情報を、クロック信号に同期して、ステップごとに、メモリユニットUk1,Uk2,Uk3・・・,Uk(n−1),Uknのアレイの左端に配置された出力端子カラムOに向けて逆方向に転送する。情報は、メモリユニットUk1,Uk2,Uk3・・・,Uk(n−1),Uknのアレイの右端に配置された入力端子カラムIを介して、プロセッサにおいて実行された結果データとともに、プロセッサから出力してもよい。
図示を省略するが、図6に既に示した構成と同様に、メモリユニットUk1,Uk2,Uk3・・・,Uk(n−1),Uknにおける各ビットレベル・セルは、基板11と、基板11上に積層された基板絶縁膜182j−2,182j−1,182j,18k(2j+1)のいずれか1つと、基板絶縁膜182j−2,182j−1,182j,18k(2j+1)上に積層され、電子蓄積領域として機能するようにセル電子を蓄積する浮遊ゲート電極192j−2,192j−1,192j,19k(2j+1)のいずれか1つと、浮遊ゲート電極192j−2,192j−1,192j,19k(2j+1)上に積層された電極間誘電膜202j−2,202j−1,202j,20k(2j+1)のいずれか1つと、電極間誘電膜202j−2,202j−1,202j,20k(2j+1)上に積層された制御ゲート電極222j−2,222j−1,222j,22k(2j+1)のいずれか1つとを備える。浮遊ゲート電極192j−2と浮遊ゲート電極192j−1の間と、浮遊ゲート電極192j−1と浮遊ゲート電極192jの間と、浮遊ゲート電極192jと浮遊ゲート電極19(2j+1)の間とに挿入された絶縁膜26の一部は、セル電子がトンネル可能なユニット間誘電膜としてそれぞれ機能する。
図1〜図17に示した順方向直接転送マーチングメモリと同様に、図18に示した逆方向直接転送マーチングメモリにおいて、各メモリユニットUk1,Uk2,Uk3・・・,Uk(n−1),Uknに格納されたバイトサイズ又はワードサイズ単位の情報は、バイトサイズ又はワードサイズ単位の情報の逆方向隊列行進の動作を実現するように、ステップごとに、三相制御信号CLOCK1,CLOCK2,CLOCK3に同期して、水平データ転送線に沿って量子トンネル効果により直接転送される。しかしながら、図19(a)〜図19(c)に示すように、量子トンネル効果による逆方向隊列行進の動作を実現するために、三相制御信号CLOCK1,CLOCK2,CLOCK3の波形は、順方向直接転送マーチングメモリのためのクロック信号とは異なる。
逆方向直接転送マーチングメモリにおいて、制御信号CLOCK1,CLOCK2,CLOCK3はそれぞれ三相三値クロックであり、それぞれが低(L)レベル、中間(M)レベル及び高(L)レベルの三値化レベル間で変動する。高(L)レベルと低(L)レベルとの間で定義される電位Vは、電界が浮遊ゲート電極192j−2と浮遊ゲート電極192j−1の間、浮遊ゲート電極192j−1と浮遊ゲート電極192jの間、浮遊ゲート電極192jと浮遊ゲート電極192j+1の間を通り抜けるセル電子の量子トンネル効果をそれぞれ生じさせるのに十分大きくなるように決定される。中間(M)レベルと低(L)レベルとの間で定義される電位Vは、電位Vの半分に決定され、電界は、浮遊ゲート電極192j−2と浮遊ゲート電極192j−1の間、浮遊ゲート電極192j−1と浮遊ゲート電極192jの間、浮遊ゲート電極192jと浮遊ゲート電極192j+1の間を通り抜ける量子トンネル効果をそれぞれ生じさせない。
図19(a)に示すように、t〜t間の時間間隔で、第一相制御信号CLOCK1は低(L)レベルである。時間tで、第一相制御信号CLOCK1が、高(L)レベルへ段階的に上昇し、Hレベルをtまで維持する。時間tで、第一相制御信号CLOCK1は、中間(M)レベルへ段階的に下降し、Mレベルをtまで維持する。そして、時間tで、第一相制御信号CLOCK1は、Lレベルへ段階的に下降する。t〜t間の時間間隔は、三値クロック周期τclockとして定義される。そして、図19(a)において、t−t(=t−t=t−t)が、クロック周期τclockの1/3(=τclock/3)と定義される。
これに対して、図19(b)に示すように、t〜t間の時間間隔で、第二相制御信号CLOCK2はMレベルである。時間tで、第二相制御信号CLOCK2は、Lレベルへ段階的に下降し、Lレベルをtまで維持する。時間tで、第二相制御信号CLOCK2は、Hレベルへ段階的に上昇し、Hレベルをtまで維持する。そして、時間tで、第二相制御信号CLOCK2はMレベルへ段階的に下降する。一方、図19(c)に示すように、t〜t間の時間間隔で、第三相制御信号CLOCK3はHレベルである。時間tで、第三相制御信号CLOCK3が、Mレベルへ段階的に下降し、Mレベルをtまで維持する。時間tで、第三相制御信号CLOCK3が、Lレベルへ段階的に下降し、Lレベルをtまで維持する。そして、時間tで、第三相制御信号CLOCK3はHレベルへ段階的に上昇する。
図18及び図19に示した本発明の実施の形態の逆方向直接転送マーチングメモリによれば、各メモリユニットUk1,Uk2,Uk,2j・・・,Uk(n−1),Uknに対するアドレス指定が不要となり、必要な情報は、アレイの左端に接続された出力端子カラムOに向かって進む。本発明の実施の形態の逆方向直接転送マーチングメモリにアクセスするメカニズムは、情報を読み/書きするためのアドレス指定モードに依拠している既存のメモリ・スキームに対して真に代替えするものである。したがって、本発明の実施の形態の逆方向直接転送マーチングメモリによれば、非アドレス指定モードのメモリ・アクセスは、既存のメモリ・スキームよりも遙かに単純となる。
(計算機システムの構成)
図20に示すように、本発明の実施の形態に係る計算機システムは、プロセッサ5と、マーチング・フラッシュ(MF)主記憶装置1とを備える。ここで、MF主記憶装置1は、上述した本発明の実施の形態の直接転送マーチングメモリにより構成された主記憶装置、すなわち直接転送マーチング主記憶装置である。プロセッサ5は、クロック信号を生成するクロック発生器113を有する制御ユニット111と、クロック信号に同期して演算論理動作を実行する演算論理装置(ALU)112とを有する。図示を省略するが、MF主記憶装置1は、図3に示した構成と同様のメモリユニットU11,U12,U1,2j・・・,U1(n−1),U1n・・・;U(k−1)1,U(k−1)2,U(k−1),2j・・・,U(k−1)(n−1),U(k−1)n・・・;Uk1,Uk2,Uk,2j・・・,Uk(n−1),Ukn・・・;U(k+1)1,U(k+1)2,U(k+1),2j・・・,U(k+1)(n−1),U(k+1)n・・・;Um1,Um2,Um,2j・・・,Um(n−1),Umn・・・のアレイと、入力端子カラムI・・・,Ik−1,I,Ik+1・・・,Iと、出力端子カラムO・・・,Ok−1,O,Ok+1・・・,Oとを有する。更に、MF主記憶装置1は、双方向直接転送マーチングメモリを構成するように、図18に示した逆方向直接転送マーチングメモリの構成を更に備える。各メモリユニットU11,U12,U1,2j・・・,U1(n−1),U1n・・・;U(k−1)1,U(k−1)2,U(k−1),2j・・・,U(k−1)(n−1),U(k−1)n・・・;Uk1,Uk2,Uk,2j・・・,Uk(n−1),Ukn・・・;U(k+1)1,U(k+1)2,U(k+1),2j・・・,U(k+1)(n−1),U(k+1)n・・・;Um1,Um2,Um,2j・・・,Um(n−1),Umn・・・は、それぞれデータ又は命令のワードサイズを含む情報の単位を格納する。
図3に示した構成と同様に、MF主記憶装置1は、各メモリユニットU11,U12,U1,2j・・・,U1(n−1),U1n・・・;U(k−1)1,U(k−1)2,U(k−1),2j・・・,U(k−1)(n−1),U(k−1)n・・・;Uk1,Uk2,Uk,2j・・・,Uk(n−1),Ukn・・・;U(k+1)1,U(k+1)2,U(k+1),2j・・・,U(k+1)(n−1),U(k+1)n・・・;Um1,Um2,Um,2j・・・,Um(n−1),Umn・・・のそれぞれに情報を格納し、メモリユニットU11,U12,U1,2j・・・,U1(n−1),U1n・・・;U(k−1)1,U(k−1)2,U(k−1),2j・・・,U(k−1)(n−1),U(k−1)n・・・;Uk1,Uk2,Uk,2j・・・,Uk(n−1),Ukn・・・;U(k+1)1,U(k+1)2,U(k+1),2j・・・,U(k+1)(n−1),U(k+1)n・・・;Um1,Um2,Um,2j・・・,Um(n−1),Umn・・・にそれぞれ格納されていた情報を能動的且つ逐次的にプロセッサ5に出力するように、出力端子カラムO・・・,Ok−1,O,Ok+1・・・,Oに向けて、ステップごとに、クロック信号に同期して量子トンネル効果により情報を直接転送するので、ALU112は、格納されていた情報を用いて演算論理動作を実行できる。
図20に示すように、MF主記憶装置1とプロセッサ5は、複数の接合部材54により電気的に互いに接続されている。例えば、各接合部材54は、MF主記憶装置1に取り付けられた第1の端子ピンと、プロセッサ5に取り付けられた第2の端子ピンと、第1及び第2の端子ピン間に挟まれた導電性バンプとにより構成してもよい。導電性バンプの材料としては、半田ボール、金(Au)バンプ、銀(Ag)バンプ、銅(Cu)バンプ、ニッケル−金(Ni−Au)合金バンプ又はニッケル−金−インジウム(Ni−Au−In)合金バンプ等が使用できる。
ALU112における処理の結果データは、接合部材54を介してMF主記憶装置1に出力される。したがって、双方向の矢印Φ12で表現するように、データは、接合部材54を介してMF主記憶装置1及びプロセッサ5間で双方向に転送される。これとは逆に、一方向の矢印η11で表現するように、命令の移動については、MF主記憶装置1からプロセッサ5への一方向の命令の流れのみである。
図20に示すように、本発明の実施の形態に係る計算機システムの構成は、ディスク等の外部2次記憶装置9と、入力装置61と、出力装置62と、入出力(I/O)インタフェース回路63とを更に備える。従来のフォン・ノイマン型計算機と同様に、信号又はデータは入力装置61により入力され、信号又はデータは出力装置62から出力される。例えば、周知のキーボード及び周知のマウスは、入力装置61と見なすことができ、周知のモニタ及びプリンタは出力装置62と見なすことができる。モデムやネットワーク・カード等の、計算機間の通信用の周知のデバイスは、一般的に、入力装置61と出力装置62の両方として機能する。なお、入力装置61又は出力装置62のいずれかとしてのデバイスの指定は、全体像に依存する。入力装置61は、人間であるユーザの物理的な動きを入力として受け取り、それを本発明の実施の形態に係る計算機システムが理解可能な信号に変換する。例えば、入力装置61は、入力したデータ及び命令を、本発明の実施の形態に係る計算機システムが理解可能な二進コードの電気信号のパターンに変換し、入力装置61からの出力はI/Oインタフェース回路63を介してMF主記憶装置1に与えられる。出力装置62は、MF主記憶装置1がI/Oインタフェース回路63を介して出力する信号を入力信号として受け取る。そして、出力装置62は入力装置61の処理とは反対に、これらの信号を、人間であるユーザが理解する又は読むことが可能な表現に変換し、デジタル信号をユーザが理解できる形式に翻訳する。I/Oインタフェース回路63は、プロセッサ5が入力装置61及び出力装置62を駆動する度に必要とされる。プロセッサ5は、I/Oインタフェース回路63を介して入力装置61及び出力装置62と通信できる。交換されるのが異なるデータ形式の場合、I/Oインタフェース回路63は、シリアル・データをパラレル形式に変換し、逆の場合も同じである。必要に応じて、プロセッサ5による更なる処理のために、割り込み及び対応するタイプ番号を生成する方式もある。
2次記憶装置9は、MF主記憶装置1よりも長い時間でデータ及び情報を格納する。MF主記憶装置1は、現在実行しているプログラム及び現在採用されているデータを格納することに主に関係するのに対して、2次記憶装置9は一般的に、計算機がスイッチを切られた場合又は現在実行しているプログラムが無い場合でも、保持されることを必要とするすべてを格納することを目的とする。2次記憶装置9の例は、周知のハードディスク(又はハードドライブ)や周知の外部メディアドライブ(CD−ROMドライブ等)である。これらの格納方法は、計算機のオペレーティング・システム、ユーザのソフトウエアの収集、及びユーザが希望する任意の他のデータを格納するために最もよく用いられる。ハードドライブは、データ及びソフトウエアを半永久的に格納するために用いられ、外部メディアドライブは他のデータを保持するために用いられるが、このセットアップは、入手可能な記憶装置の異なる形式と、それぞれの使用の利便性に依存して大きく変化する。双方向の矢印Φで表現するように、データは、2次記憶装置9とMF主記憶装置1及びプロセッサ5の間で、既存のワイヤ接続53を介して双方向に転送される。
図20に示した本発明の実施の形態に係る計算機システムにおいて、データバス及びアドレスバス等のバスが無い。なぜならば、従来の計算機システムにおいては、ワイヤ又はバスがボトルネックを構成していたが、本発明の実施の形態に係る計算機システムの全体構成においては、プロセッサ5とMF主記憶装置1との間の任意のデータ交換でもグローバル配線が無いからである。MF主記憶装置1の内部に短い局所的な配線、又はMF主記憶装置1と対応するALU112との接続部分が存在するだけである。時間的な遅延及びこれらの配線間の浮遊容量を生成するグローバル配線が無いので、本発明の実施の形態に係る計算機システムは、非常に高速の処理速度と低い消費電力を達成できる。
本発明の実施の形態に係る計算機システムで用いるMFマーチング主記憶装置1のアーキテクチャは、既存の計算機メモリとは完全に異なる。なぜならば、MFマーチング主記憶装置1は、情報/データがMFマーチング主記憶装置1に配列されたメモリユニットU11,U12,U1,2j・・・,U1(n−1),U1n・・・;U(k−1)1,U(k−1)2,U(k−1),2j・・・,U(k−1)(n−1),U(k−1)n・・・;Uk1,Uk2,Uk,2j・・・,Uk(n−1),Ukn・・・;U(k+1)1,U(k+1)2,U(k+1),2j・・・,U(k+1)(n−1),U(k+1)n・・・;Um1,Um2,Um,2j・・・,Um(n−1),Umnのすべてに格納され、且つメモリユニットU11,U12,U1,2j・・・,U1(n−1),U1n・・・;U(k−1)1,U(k−1)2,U(k−1),2j・・・,U(k−1)(n−1),U(k−1)n・・・;Uk1,Uk2,Uk,2j・・・,Uk(n−1),Ukn・・・;U(k+1)1,U(k+1)2,U(k+1),2j・・・,U(k+1)(n−1),U(k+1)n・・・;Um1,Um2,Um,2j・・・,Um(n−1),Umnのすべてを経由して情報/データが搬送されるように意図的に設計されているからである。MFマーチング主記憶装置1は、プロセッサ5の処理速度と同じ速度で、プロセッサ5に情報/データを出力する。時間領域の関係で説明すると、MFマーチング主記憶装置1に配列された1個のメモリユニットU11,U12,U1,2j・・・,U1(n−1),U1n・・・;U(k−1)1,U(k−1)2,U(k−1),2j・・・,U(k−1)(n−1),U(k−1)n・・・;Uk1,Uk2,Uk,2j・・・、Uk(n−1),Ukn・・・;U(k+1)1,U(k+1)2,U(k+1),2j・・・,U(k+1)(n−1),U(k+1)n・・・;Um1,Um2,Um,2j・・・,Um(n−1),Umnをそれぞれ経由して情報/データを転送するのに必要なメモリユニット・ストリーミング時間は、プロセッサ5のクロック・サイクルと等しい。
MFマーチング主記憶装置1は、各メモリユニットU11,U12,U1,2j・・・,U1(n−1),U1n・・・;U(k−1)1,U(k−1)2,U(k−1),2j・・・,U(k−1)(n−1),U(k−1)n・・・;Uk1,Uk2,Uk,2j・・・,Uk(n−1),Ukn・・・;U(k+1)1,U(k+1)2,U(k+1),2j・・・,U(k+1)(n−1),U(k+1)n・・・;Um1,Um2,Um,2j・・・,Um(n−1),Umnに情報/データを格納し、且つ、格納されていた情報をクロック信号に同期してプロセッサ5に出力するように、出力端子カラムO・・・,Ok−1,O,Ok+1・・・,Oに向けて、ステップごとに、量子トンネル効果により直接転送するので、演算論理装置112は、格納されていた情報を用い、クロック信号に同期した演算論理動作を実行できる。
図21に示すように、本発明の実施の形態に係る直接転送マーチングメモリ計算機システムは、MF主記憶装置1から複合マーチングメモリの階層グループを経由して必要な情報を入力する複数のCPUコア31,32,33,34を有するマルチコア・プロセッサ3を備えていてもよい。ここで、「複合マーチングメモリ」は、空間的に配置された複数のマーチング・メモリブロックを備える。各マーチング・メモリブロックは複数のメモリユニットを配列したアレイを有し、各メモリユニットは、バイトサイズ又はワードサイズ単位の情報を格納するためのビットレベル・セルの1次元配列を有する。そして、複合マーチングメモリにおいて、各メモリユニットが、対応するマーチング・メモリブロックの入力側から、対応するマーチング・メモリブロックの出力側に向けて、ステップごとに、CPUのクロック信号に同期したクロック信号に同期して転送する。各マーチング・メモリブロックはマーチング・メモリブロックを単位としてランダムにアクセスされ、この結果、対象とするマーチング・メモリブロックに配置された各メモリユニットにランダムにアクセスされることになる。
図21に示すように、複合マーチングメモリの階層グループは、MFマーチング主記憶装置1と複数のCPUコア31,32,33,34の間に接続されている。複合マーチングメモリの階層グループは、例えば、複数のパイプライン31,32,33,34に接続されたマーチング命令レジスタファイル及びマーチングデータ・レジスタファイル等の複合マーチング・レジスタファイル(RF)2Cと、マーチング命令キャッシュメモリ及びマーチングデータ・キャッシュメモリ等のマルチレベル・キャッシュ・アーキテクチャにおける最小レベルの複合マーチング・キャッシュメモリ2C(p−1)と、マルチレベル・キャッシュ・アーキテクチャにおける、より大きいレベルの複合マーチング・キャッシュメモリ2Cとを有していてもよい。マルチコア・プロセッサ3が複数のCPUコア31,32,33,34を有するので、情報は、MFマーチング主記憶装置1から、より大きいレベルの複合マーチング・キャッシュメモリ2Cへ、そして、より大きなレベルの複合マーチング・キャッシュメモリ2Cから最小レベルの複合マーチング・キャッシュメモリ2C(p−1)へ、そして更には最小レベルの複合マーチング・キャッシュメモリ2C(p−1)から複合マーチング・レジスタファイル(RF)2Cへ、そして複合マーチング・レジスタファイル(RF)2CからCPUコア31,32,33,34へ移動できる。
本発明の実施の形態に係る、図21に示した直接転送マーチングメモリ計算機システムにおいて、MFマーチング主記憶装置1、より大きいレベルの複合マーチング・キャッシュメモリ2C、最小レベル複合マーチング・キャッシュメモリ2C(p−1)、及び複合マーチング・レジスタファイル(RF)2Cのすべての速度が独自のクロック・レートによりそれぞれ調整できるので、計算機システムにおけるすべてのタイミングを変化させることができる。
図22に示すように、本発明の実施の形態に係る直接転送マーチングメモリ計算機システムは、MF主記憶装置1から単純なマーチングメモリの階層グループを経由して必要な情報を入力する複数の演算パイプライン41,42,43,44を有するプロセッサ5を備えていてもよい。ここで、「単純なマーチングメモリ」には、特許文献1に開示された任意のマーチングメモリが含まれる。
そして、単純なマーチングメモリの階層グループは、MFマーチング主記憶装置1と複数の演算パイプライン41,42,43,44の間に接続されている。単純なマーチングメモリの階層グループは、例えば、演算パイプライン41,42,43,44に接続されたマーチング命令レジスタファイル及びマーチングデータ・レジスタファイル等の単純なマーチング・レジスタファイル(RF)2Sと、マーチング命令キャッシュメモリ及びマーチングデータ・キャッシュメモリ等の、マルチレベル・キャッシュ・アーキテクチャにおける最小レベルの単純なマーチング・キャッシュメモリ2S(q−1)と、マルチレベル・キャッシュ・アーキテクチャにおける、より大きいレベルの単純なマーチング・キャッシュメモリ2Sとを有していてもよい。
図22に示した本発明の実施の形態に係る直接転送マーチングメモリ計算機システムにおいて、MFマーチング主記憶装置1、より大きいレベルの単純なマーチング・キャッシュメモリ2S、最小レベルの単純なマーチング・キャッシュメモリ2S(q−1)、及び単純なマーチング・レジスタファイル(RF)2Sのすべての速度は、独自のクロック・レートでそれぞれ調整できるので、計算機システムにおけるすべてのタイミングを変化させることができる。
(その他の実施形態)
様々な変形例が、本開示から、本発明の趣旨から逸脱せずに、当業者に明らかとなろう。
例えば、図6に示した構造は単なる一例であり、直接転送マーチングメモリの各ビットレベル・セルの構成として他の構造を使用できる。図23に示した構造は図6に示した構造と全く同じであるが、Hレベルの制御信号が制御線B2jを経由して制御ゲート電極222jに印加される時に、Lレベル制御信号が制御線B2j−1を経由して制御ゲート電極222j−1に印加され、浮遊ゲート電極192jと制御ゲート電極222jの間の電界が、浮遊ゲート電極192jと浮遊ゲート電極192jの間の電界より高くなる場合がある。なぜならば、浮遊ゲート電極192jの電位が、電極間誘電膜202jを介する制御ゲート電極222jと浮遊ゲート電極192jの間の容量性結合により構成されるからである。即ち、容量性結合が比較的弱く、浮遊ゲート電極192jの電位がトンネル効果に適した十分な値まで上昇しない時に、電極間誘電膜202jの厚さが薄い場合、浮遊ゲート電極192j−1と制御ゲート電極222jとの間にリーク・トンネル効果が発生する。
そのような浮遊ゲート電極192j−1と制御ゲート電極222jの間のリーク・トンネル効果を防止するためには、図24に示した構造が好ましい。図24に示した直接転送マーチングメモリにおけるビットレベル・セルは、共通基板11と、基板11上に積層された共通ブランケット基板絶縁膜18と、共通ブランケット基板絶縁膜18上に積層され、電子蓄積領域として機能するようにセル電子を蓄積する浮遊ゲート電極192j−2,192j−1,192j,19k(2j+1)と、浮遊ゲート電極192j−2,192j−1,192j,19k(2j+1)上に積層され、電極間誘電膜として機能する共通高誘電率絶縁膜20hkと、共通高誘電率絶縁膜20hk上に積層された制御ゲート電極222j−2,222j−1,222j,22k(2j+1)とをそれぞれ備える。複数のトンネル絶縁膜232j−2,232j−1,232jが、浮遊ゲート電極192j−2と浮遊ゲート電極192j−1の間、浮遊ゲート電極192j−1と浮遊ゲート電極192jの間、浮遊ゲート電極192jと浮遊ゲート電極19k(2j+1)の間にそれぞれ挿入され、セル電子がトンネル可能なユニット間誘電膜としてそれぞれ機能する。
図24に示した構造において、トンネル絶縁膜232j−2,232j−1,232jの厚さtは、共通高誘電率絶縁膜20hkの厚さthkよりも遙かに薄く設定される。そして、例えば、トンネル絶縁膜232j−2,232j−1,232jの厚さtは3nm未満に設定され、共通高誘電率絶縁膜20hkの厚さthkは50nmよりも厚く設定される。より好ましくは、トンネル絶縁膜232j−2,232j−1,232jを通り抜けるより高いトンネル確率を達成するように、トンネル絶縁膜の厚さtは2nm未満に設定される。各制御ゲート電極222j−2,222j−1,222j,22k(2j+1)に対して、三相制御信号CLOCK1,CLOCK2,CLOCK3の1つが、共通高誘電率絶縁膜20hkを介して、対応する浮遊ゲート電極192j−2,192j−1,192j,19k(2j+1)の電位を制御するようにそれぞれ印加される。
トンネル絶縁膜232j−2,232j−1,232jとしてはSiO膜を使用できるが、共通高誘電率絶縁膜20hkとしては、浮遊ゲート電極192j−2,192j−1,192j,19k(2j+1)と制御ゲート電極222j−2,222j−1,222j,22k(2j+1)の間の結合容量の関係を考慮して、SiO膜よりも比誘電率eが高い材料が好ましい。ONO膜の比誘電率e=5〜5.5よりも比誘電率が更に高い材料が特に好ましい。例えば、共通高誘電率絶縁膜20hkとして、e=6の酸化ストロンチウム(SrO)膜、e=7の窒化珪素(Si)膜、e=8〜11の酸化アルミニウム(Al)膜、e=10の酸化マグネシウム(MgO)膜、e=16〜17の酸化イットリウム(Y)膜、e=22〜23の酸化ハフニウム(HfO)膜、e=22〜23の酸化ジルコニウム(ZrO)膜、e=25〜27の酸化タンタル(Ta)膜、又はe=40の酸化ビスマス(Bi)膜のうちのいずれかからなる単層膜、又はこれらの多層膜からなる複合膜を使用できる。Ta及びBiは、多結晶シリコンとの界面での熱的安定性に欠ける。なお、ここで例示した各比誘電率eの値は、作製方法に応じて変動しやすく、幾つかの場合に、これらの値から逸脱する可能性があることに留意すべきである。
更に、複合膜は、シリコン酸化膜と上述の膜からなる複合膜が採用可能である。複合膜は3層以上の積層構造を有してもよい。換言すれば、6以上の比誘電率eを有する材料を少なくとも一部に含有する絶縁膜が好ましい。しかしながら、複合膜の場合、膜全体として測定された6以上の実効比誘電率ereffを、結果として有する組み合わせを選択することが好ましい。6未満の実効比誘電率ereffはONO膜とほぼ同じであり、ONO膜よりも優れた効果は期待できない。更に、共通高誘電率絶縁膜20hkは、アルミン酸ハフニウム(HfAlO)膜等の三元化合物からなる絶縁膜が採用可能である。換言すれば、次に示す元素:ストロンチウム(Sr)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、イットリウム(Y)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)及びタンタル(Ta)、ビスマス(Bi)のうち少なくとも1つを含有する酸化物、又は、これらの元素を含有するシリコン窒化物を、共通高誘電率絶縁膜20hkとして使用できる。ストロンチウムチタン酸塩(SrTiO)又はバリウム・ストロンチウム・チタン酸塩(BaSrTiO)等の強誘電体が共通高誘電率絶縁膜20hkにとって適した高誘電率絶縁膜として使用できることに留意すべきである。しかしながら、多結晶シリコンとの界面での強誘電体の熱的安定性の欠如と、強誘電体のヒステリシス特性とを考慮しなければならない。
微細化を極限まで進め、直接転送マーチングメモリにおけるビットレベル・セルの形状がチップ上の集積度を高めるように更に微細化すれば、1個の電子がビットレベル・セルの電子蓄積領域に「セル電子」として蓄積できると共に、着目したメモリユニットにおける電子蓄積領域の1つに蓄積された1個のセル電子は、着目したメモリユニットに隣接する次列のメモリユニットに割り当てられた隣接電子蓄積領域に直接転送できる。1個のセル電子の転送は、組み合わせ論理ゲート回路の機能を用いることなく、制御信号により直接制御できる。
更に、上述した実施の形態の説明においては、セル電子の転送が、電子蓄積領域の1つと隣接電子蓄積領域との間に配置された絶縁膜を通り抜けるセル電子の量子トンネル効果により実現される場合を説明したが、セル電子の転送は、CCDにおいて採用されているメカニズムと同様の、従来の電子搬送機構等の他のメカニズムにより実現してもよい。
したがって、本発明は、上記で詳述してない様々な実施形態と変形例等を含むことは勿論である。よって、本発明の技術的範囲は以下の特許請求の範囲に係る発明特定事項によって定められる。
本発明は、より高速で且つより低い電力消費を必要とする種々の計算機システムの産業分野に利用できる。

Claims (9)

  1. それぞれにセル電子を蓄積する電子蓄積領域を有した複数のビットレベル・セルの1次元配列によって、バイトサイズ又はワードサイズ単位の情報を格納する複数のメモリユニットを配列したアレイを備え、
    前記バイトサイズ又はワードサイズ単位の情報が、前記ビットレベル・セルの前記1次元配列の方向と直交する方向に沿って、ステップごとに、同期転送され、
    着目した特定メモリユニットに割り当てられた1つの電子蓄積領域に蓄積された前記セル電子が、前記特定メモリユニットに隣接する次列のメモリユニットに割り当てられた隣接電子蓄積領域に直接転送され、
    組み合わせ論理ゲート回路の機能を用いることなく、前記セル電子の前記転送が制御信号により直接制御されることを特徴とする直接転送マーチングメモリ。
  2. 前記セル電子の転送が、前記1つの電子蓄積領域と前記隣接電子蓄積領域との間に配置された絶縁膜を通り抜ける前記セル電子の量子トンネル効果により実現されることを特徴とする請求項1に記載の直接転送マーチングメモリ。
  3. 前記ビットレベル・セルのそれぞれが、
    基板と、
    前記基板上に積層された基板絶縁膜と、
    前記基板絶縁膜上に積層され、前記電子蓄積領域として機能する浮遊ゲート電極と、
    前記浮遊ゲート電極上に積層された電極間誘電膜と、
    前記電極間誘電膜上に積層され、クロック信号の1つが印加される制御ゲート電極とを備え、
    前記アレイに配列された前記特定メモリユニットの前記1つの浮遊ゲート電極に蓄積された前記セル電子が、前記特定メモリユニットに隣接する次列のメモリユニットに割り当てられた隣接浮遊ゲート電極に直接転送され、前記セル電子の転送は、前記1つの浮遊ゲート電極と前記隣接浮遊ゲート電極の間に配置された前記絶縁膜を通り抜ける前記セル電子の前記量子トンネル効果により実現され、前記量子トンネル効果は、前記制御ゲート電極に印加される前記制御信号により制御されることを特徴とする請求項2に記載の直接転送マーチングメモリ。
  4. 前記量子トンネル効果は、3個が連続して隣接したメモリユニットのそれぞれに割り当てられた3個の隣接する制御ゲート電極にそれぞれ印加される三相制御信号により制御され、
    前記セル電子は、前記3個の隣接メモリユニットのうちの1つの浮遊ゲート電極に蓄積され、
    前記3個の隣接メモリユニットにそれぞれ割り当てられた3個一組の隣接浮遊ゲート電極のセットが、前記バイトサイズ又はワードサイズ単位の情報を前記三相制御信号に同期転送する方向に沿って、出力端子カラムに向けて進むことを特徴とする請求項3に記載の直接転送マーチングメモリ。
  5. 前記3個の隣接浮遊ゲート電極のセットのうちの1つの浮遊ゲート電極が、前記三相制御信号の先行したタイミングで前記セル電子を排出したダミーセルとして割り当てられることを特徴とする請求項4に記載の直接転送マーチングメモリ。
  6. 前記3個の隣接浮遊ゲート電極のセットにおいて、
    第2の浮遊ゲート電極の次の空間的な場所に配列された第1の浮遊ゲート電極に前記ダミーセルが割り当てられ、
    前記3個の隣接浮遊ゲート電極のセットにおける第3の浮遊ゲート電極に蓄積された前記セル電子が、前記第2の浮遊ゲート電極に転送されることを特徴とする請求項5に記載の直接転送マーチングメモリ。
  7. プロセッサと、
    格納されていた情報を前記プロセッサに能動的且つ逐次的に出力する直接転送マーチング主記憶装置とを備え、
    前記プロセッサは、前記格納されていた情報を用いて演算論理動作を実行し、
    前記直接転送マーチング主記憶装置は、それぞれにセル電子を蓄積する電子蓄積領域を有したビットレベル・セルの1次元配列によって、バイトサイズ又はワードサイズ単位の情報を格納する複数のメモリユニットを配列したアレイを備え、
    着目した特定メモリユニットに割り当てられた1つの電子蓄積領域に蓄積された前記セル電子が、前記特定メモリユニットに隣接する次列のメモリユニットに割り当てられた隣接電子蓄積領域に直接転送され、
    組み合わせ論理ゲート回路の機能を用いることなく、前記セル電子の前記転送が制御信号により直接制御されることを特徴とする計算機システム。
  8. 前記セル電子の前記転送が、前記1つの電子蓄積領域と前記隣接電子蓄積領域との間に配置された絶縁膜を通り抜ける前記セル電子の量子トンネル効果により実現されることを特徴とする請求項7に記載の計算機システム。
  9. 前記ビットレベル・セルのそれぞれが、
    基板と、
    前記基板上に積層された基板絶縁膜と、
    前記基板絶縁膜上に積層され、前記電子蓄積領域として機能する浮遊ゲート電極と、
    前記浮遊ゲート電極上に積層された電極間誘電膜と、
    前記電極間誘電膜上に積層され、クロック信号の1つが印加される制御ゲート電極とを備え、
    前記アレイに配列された前記特定メモリユニットの前記1つの浮遊ゲート電極に蓄積された前記セル電子が、前記特定メモリユニットに隣接する次列のメモリユニットに割り当てられた隣接浮遊ゲート電極に直接転送され、前記セル電子の前記転送は、前記1つの浮遊ゲート電極と前記隣接浮遊ゲート電極の間に配置された前記絶縁膜を通り抜ける前記セル電子の前記量子トンネル効果により実現され、前記量子トンネル効果は、前記制御ゲート電極に印加される前記制御信号により制御されることを特徴とする請求項8に記載の計算機システム。
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