JP2016524132A - 固体生体試料の分析用試料ホルダ - Google Patents

Abstract

試料分析装置２０に装着可能な、カセット５０の試料収容チャンバ５２の開口部内に受入れられるのに適した、ハンドル１０２及び密閉キャップ領域１０４を含む、固相試料を保持するための生体試料ホルダ１００が開示されている。ホルダは、密閉キャップ領域１０４に接続されたステム１０６と、固体を、保持器内に保持するために、このステムに接続された試料保持器１１０とをさらに含み、試料保持器は、流体は通過させるが固相試料は通さない穿孔壁領域１１４を有する。【選択図】図１

Description

本発明は、自動分析装置又は半自動分析装置で生体物質を処理する方法及び装置に関する。

生体試料の分析のために、自動化された装置を提供することが知られている。例えば、デオキシリボ核酸（ＤＮＡ）解析による人間の識別が、ＤＮＡｓｃａｎの商品名で、ＧＥ ｈｅａｌｔｈｃａｒｅ ａｎｄ ＮｅｔＢｉｏ Ｉｎｃによって販売されている市販の装置を使用して、実施され得る。

この装置は、プラスチックステムに取り付けられた、（綿棒のような）先端が綿のスワブヘッドを洗浄するために、マイクロ流体システムを使用する。プラスチックステムは、同様に、プラスチックキャップに取り付けられている。スワブは、マイクロ流体回路の試料収容チャンバに合うような寸法にされ、プラスチックキャップは、回路内のステムに接する、チャンバの底部より上方の吊された位置に、スワブヘッドを保持する。ヘッドは、マイクロ流体回路を遮断してはならないが、ヘッドに保持されたいかなる試料材料をも収集する機会を最大限生かすために、回路内の流体は、ヘッドを浸し、ヘッド全体に届くことができなければならないため、スワブヘッドが保持される位置が重要である。この装置は自動であり、これは、装置が、介入なしに、流体ハードウェア及び流体ソフトウェアにより、溶出した試料を処理することを意味する。他の装置は半自動であり、これは、いくらかの介入が必要となり得るが、主要な分析工程は、ハードウェア及びソフトウェアにより、介入なしに行われることを意味する。

米国特許出願公開第２０１３／０６５２４５号明細書

試料スワブのこの知られている構成は、綿スワブに移すことが可能な液相生体試料用にとっては、満足のいくものであるが、ＤＮＡを含む可能性がある生体試料は、例えば、乾燥のような固相形態又は綿スワブに容易に移すことができない形態でしか入手できない場合が多い。例えば、布、タバコの吸い殻、チューインガム、生体組織、毛髪及び切り取った爪はすべて、ＤＮＡを含む可能性があり、ＤＮＡは、綿スワブに移すことが可能ならば、回収することができる場合があるが、この移動が、これらの材料の表面を綿スワブで単に拭き取るだけでは確保されない。他のこのような材料は、当業者には容易に明らかである。

試料がスワブに移すことできない場合又は移動が確実ではない場合、それらの場合には、いくつかの他の方法が、装置の動作を妨げることはないが、容易に回収でき、かつ正確な位置で装置に保持することができる既知のマイクロ流体装置に、試料を提供するために、必要とされる。

本発明の実施形態は、上記の問題に対処する。

第１態様により、本発明は、固相試料を保持するための生体試料ホルダであって、試料分析装置の試料収容チャンバの開口部内又はその周囲に収容するのに適したハンドル及びシール領域を近位端に含んでおり、ホルダが、シール領域に接続したステム部分であってシール領域よりも幅の狭いステム部分と、ホルダの遠位端でステムに接続した試料保持器であってその内部又は近傍に固体を保持するための試料保持器とをさらに含み、試料保持器が、流体は通過させるが固相試料は通さない穿孔壁領域を備えている、生体試料ホルダを用意する。

第２態様により、本発明は、試料分析装置の流体回路に取り付けるのに適した生体試料収容カセットであって、１以上の流体回路ポートを有する収容チャンバと、生体試料ホルダを受入れるための開口部とを備え、装置が、近位端に、開口部内又はその周囲に収容するのに適したハンドル及びシール領域を有する試料ホルダをさらに含み、ホルダが、シール領域に接続したステム部分であってシール領域よりも幅の狭いステム部分と、ホルダの遠位端でステムに接続した試料保持器であってその内部又は近傍に固体を保持するための試料保持器とをさらに含み、試料保持器が、流体は通過させるが固相試料は通さない穿孔壁領域を備えている、生体試料収容カセットを用意する。

第３態様により、本発明は、核酸及び／又はタンパク質の分析のために、分析装置内で固相生体試料を処理する方法であって、
ａ）ハンドル及びシール領域を近位端に備える試料ホルダであって、シール領域に接続したステム部分であってシール領域よりも幅の狭いステム部分と、ホルダの遠位端でステムに接続した試料保持器であってその内部に固相試料を保持するための試料保持器とをさらに含み、試料保持器が、流体は通過させるが固体は通さない穿孔壁領域を有する試料ホルダを用意するステップと、
ｂ）自動又は半自動試料分析装置の流体回路に取り付けるのに適した生体試料収容カセットであって、１以上の流体回路ポートを有する収容チャンバと、生体試料ホルダを受入れるための開口部とを備える、生体試料収容カセットを用意するステップと、
ｃ）前記ホルダを前記チャンバに挿入して、流体回路からの流体に保持器を浸漬し、核酸又はタンパク質を得るため流体を処理するステップとを含む方法を提供する。

本発明の任意の特徴又は好ましい特徴は、本明細書の従属請求項によって定められている。

本発明は、多くの方法で、実行することができる。例として、典型例を図面に示しながら、実施形態を以下に説明する。

使用中の、異なる試料カセットの位置における、第１試料ホルダを示す図である。 第２試料ホルダを示す図である。 第３試料ホルダを示す図である。 第４試料ホルダを示す図である。

図面１を参照すると、試料ホルダ１００、試料ホルダ収容カセット５０及び概略的な分析装置２０が示されている。

試料ホルダは、密閉キャップ領域１０４を有するハンドル１０２と、密閉キャップの位置においてハンドルに接続された、狭められたステム１０６と、試料ホルダの遠位端においてステムに接続された、試料保持器１１０とを含む。試料保持器は、領域を画定するケージ壁１１２を有するケージであり、領域の内部に、使用時に生体試料が取り込まれる。生体試料は、上述した材料のいずれを含んでもよいが、これらの材料に限定されるものではなく、試料ケージ内に直接配置される。試料は、ケージにアクセスするために端栓１０８を取り外すことにより、ケージ内に挿入される。栓１０８は、この場合、試料を保持するための弾性スナップ嵌合により、再嵌合され得る。穿孔１１４により、ケージ内と流体連通が行われるが、試料がケージから出ることは妨げられる。

使用時、試料ホルダは、図１の試料ホルダ１００’の位置によって示されるように、カセット５０内に嵌合されている。カセットは、収容チャンバ５２を有する。便宜上、３つの収容チャンバ５２が示されているが、単に１つ、２つ又はそれ以上のチャンバが採用され得るという可能性も、等しく存在する。この位置で、密閉キャップ領域１０４は、収容チャンバ５２を気密封止するために、チャンバの相補的な表面に係合する。キャップはまた、チャンバ内でケージの正確な位置決めが行われるように、ステム及びケージを支持し、かつチャンバ内で、ステム及びケージを吊すように機能する。

カセット５０は、分析装置２０と併せて組み立てられる。分析装置２０は、入口／出口ポート５４により、収容チャンバ５２に接続されており、かつ制御ハードウェア／ソフトウェア２４に接続されている、流体回路２２を含む。入口／出口ポート５４により、知られている生化学的技術によるＤＮＡ抽出を可能にするために、液体試薬／空気が、収容チャンバ５２を出入りすることが可能になる。結果として得られる溶出した試料溶液は、これもまた知られている技術により、ハードウェア及びソフトウェア２４の制御下で、流体回路２２によってさらに処理するために、ポートを通って外に向けられる。要約すると、これらの技術は、第１試薬溶液（溶解緩衝液）の試料チャンバへの導入を含む抽出処理を含み、第１試薬溶液は、ポートを介して流され、エタノール及びカオスバブリングが後に続き、試薬を混合し、細胞溶解に影響を与える。ＤＮＡは、試料基体から、液体溶液中に移される。溶液は、その後、ポートを通してチャンバから取り出され、ここで、シリカ膜を通過する。ＤＮＡは、この膜に結合し、残りの液体は、今度は廃液試薬用のホルダとして作用する試料チャンバに戻される。膜に結合したＤＮＡは、その後、洗浄され、増幅、並びに次の分離及び検出のために、溶液中に溶出する。

穿孔１１４は、液体処理試薬が、試料と接触するために、自在にケージを出入りすることができるような寸法にされているが、試料の漏出は許さず、したがって、試料が下に落ちること及びポート５４を詰まらせること又は液面上に浮くことを防止する。実際には、約１ｍｍの円形の穿孔が、良好に機能することが判明している。しかし、穿孔が、液体の流れを可能にするのに十分多数であるが、固体試料の漏出は許さないならば、より小さな穿孔であっても適切であり、他の形状であっても十分である。ケージはまた、良好なＤＮＡ抽出を可能にするために、試料が溶液中を自在に移動することができるような寸法にされている。２ｍｍ〜６ｍｍの間の最小の寸法（円筒状のケージの内径が、最も可能性が高い）により、小さな試料の移動の十分な自由と、採用された試薬が自在に流体移動するための十分な容量とが提供されると考えられている。例えば、ＦＴＡのブランド名で、Ｗｈａｔｍａｎ Ｉｎｃによって販売されている、採集紙から打ち抜かれた３ｍｍのディスクは、４ｍｍのケージに配置することができ、自在に移動するのに十分な隙間を有する。

図２，図３及び図４は、試料ホルダのさらなる実施形態を示しているが、試料ホルダが保持する試料から、生体情報を抽出する処理は、上述したものと実質的に同じである。

図２ａを参照すると、代替的な試料ホルダ２００が示されている。この実施形態は、密閉キャップ領域２０４を有するハンドル２０２と、密閉キャップの位置においてハンドルに接続された、狭められたステム２０６と、ステムの遠位端においてステムに接続された、試料保持器２１０とを含む。試料保持器２１０の拡大図である図２ｂ及び図２ｃをさらに参照すると、試料保持器２１０は、使用時に内部に生体試料Ｓが取り込まれる領域を画定するケージ壁２１２と、ケージを閉じるためのドア２０８とを含むケージである。生体試料Ｓは、上述の材料のいずれを含んでもよいが、これらの材料に限定されるものではなく、試料ケージ２１０内に直接配置される。ケージのドア２０８は、（図２ｃに示すように）閉じられており、ドアは、ケージの残りの部分との摩擦係合により、閉じられた状態で保持される。ケージ及びケージのドア２０８の穿孔２１４により、ケージ内と流体連通が行われるが、試料がケージから出ることは妨げられる。

図３ａ、図３ｂ、図３ｃ及び図３ｄを参照すると、さらなる代替的な試料ホルダ３００が示されている。図１及び図２に示される実施形態の要素と同等の、図３ａ、図３ｂ、図３ｃ及び図３ｄに示される実施形態の要素は、同じ下２桁の数字で表される。

図３ａ、図３ｂ、図３ｃ及び図３ｄでは、保持器は、ステム３０６の端部に嵌合されたカップ３１０の形態である。試料Ｓは、カップがステムに取り付けられる前に、カップ内に配置される。カップは、上述のように試料を処理するために、流体が保持器を出入りして流れることができるように、その下半分に孔があけられている。

図４ａ及び図４ｂは、試料ホルダの別の実施形態を示す。また、前述した実施形態の要素と同等の、図示された実施形態の要素は、同じ下２桁の数字で表される。

図４ａ及び図４ｂでは、試料ホルダ４００は、穿孔保持器ディスク４１０を含み、保持器ディスク４１０は、使用時に試料を抑えるために、試料Ｓの上部で、カセット４５０の収容チャンバ４５２に挿入される。保持器ディスク４１０は、流体を通過させることができる。ディスクは、チャンバの内壁と実質的に同じ形状である周形状を有する。さらなる穿孔エレメント４１４が、試料Ｓが、ポートを詰まらせないように、チャンバの開口部４５６と、流体ポート４５４との間で、収容チャンバ４５２の基部に嵌合される。また、素子４１４は、チャンバと実質的に同じ大きさである。使用時に保持器ディスク４１０及び素子４１４により、上述の技術に従って試料Ｓを処理するために、流体が流れることが可能になる。

保持器ディスク４１０及び素子４１４によって定められる容量と、それらのそれぞれの穿孔とにより、試薬が、効率的な処理のために、試料Ｓの周囲を効果的に流れることが可能になる。ＤＮＡを含む溶液は、前述のような下流処理のために、ポート４５４を通って、出口チャネルに流出し、残りの試料基体は、２つの網の間で、試料チャンバ内に保持される。

試料ホルダの４つの実施態様のみについて説明し、図示してきたが、修正、変形、追加及び省略が、本明細書に定義される本発明の範囲及び趣旨において可能であることが、当業者には明らかであろう。

例えば、図１に示された実施形態では、栓１０８は、ケージ１１０に、弾性的にスナップ嵌合されると述べられているが、栓を取り付ける他の方法が可能であり、例えば、ネジ又はＬｕｅｒ Ｌｏｃｋ（登録商標）等のセルフロックテーパが使用され得る。同じ代替手段は、カップ３１０を、ステム３０６の所定の位置に保持するために使用され得る。

「穿孔」又は「穿孔」という用語は、（液体中の懸濁液におけるＤＮＡ鎖を含めて、）液相材料を通過させることができる細孔と微孔との両方及び生体試料を宿す大きな物体（例えば、布又はチューインガム）が漏出することを防止する、（３ｍｍ又は４ｍｍまでの）より大きな孔を包含することが意図されている。

図示された試料ホルダに使用される材料は、例えば、ポリプロピレンのようなプラスチックであることが好ましい。成型されたプラスチックにより、製造のコストが低くなるという利点が提供される。ドア２０８及び残りの試料保持器２１０は、コストを抑えるために、ステム２０６と共に、１つの成形品として、製造され得る。ひとかたまりの成形品ではなく、例えば、図３ｂに示されるように、個別の構成要素が、使用され得る。これにより、異なる材料を採用することが可能になる。例えば、低品質のプラスチックは、ハンドル３０２に使用することができ及び／又は、より弾性的な材料は、良好な密封を提供するために、密閉キャップ３０４のために必要とされる。

本発明を、ＤＮＡを回収するための使用に関して説明してきたが、リボ核酸（ＲＮＡ）又はタンパク質の、固相試料から回収にも、同じように適用することができる。

Claims (8)

1. 固相試料を保持するための生体試料ホルダであって、試料分析装置の試料収容チャンバの開口部内又はその周囲に収容するのに適したハンドル及びシール領域を近位端に含んでおり、当該ホルダが、シール領域に接続したステム部分であってハンドル又はシール領域よりも幅の狭いステム部分と、ホルダの遠位端でステムに接続した試料保持器であってその内部又は近傍に固体を保持するための試料保持器とをさらに含んでおり、試料保持器が、流体は通過させるが固相試料は通さない穿孔壁領域を備えている、生体試料ホルダ。
2. 保持器が、穿孔ケージの形態である、請求項１記載の生体試料ホルダ。
3. ケージが、試料を挿入することのできるアクセス手段であって、試料をケージ内に留めておくために閉じることのできるアクセス手段を含んでいる、請求項２記載の生体試料ホルダ。
4. アクセス手段が、解除可能な蓋、ヒンジ式の閉止部、又はステムによって閉塞可能な開口部を備える、請求項３記載の生体試料ホルダ。
5. 保持器が穿孔ディスクの形態であって、さらに別の穿孔エレメントを含んでおり、使用時に試料を前記ディスクと前記素子との間に配置できるように構成されている、請求項１記載の生体試料ホルダ。
6. 試料分析装置の流体回路に取り付けるのに適した生体試料収容カセットであって、１以上の流体回路ポートを有する収容チャンバと、生体試料ホルダを受入れるための開口部とを備え、当該装置が、開口部内又はその周囲に収容するのに適したハンドル及びシール領域を近位端に含んでおり、ホルダが、シール領域に接続したステム部分であってシール領域よりも幅の狭いステム部分と、ホルダの遠位端でステムに接続した試料保持器であってその内部又は近傍に固体を保持するための試料保持器とをさらに含んでおり、試料保持器が、流体は通過させるが固相試料は通さない穿孔壁領域を備えている、生体試料収容カセット。
7. 試料ホルダが、請求項２乃至請求項５のいずれか１項に記載されたものである、請求項６記載の生体試料収容カセット。
8. 核酸及び／又はタンパク質の分析のために、分析装置内で固相生体試料を処理する方法であって、
   ａ）ハンドル及びシール領域を近位端に備える試料ホルダであって、シール領域に接続したステム部分であってシール領域よりも幅の狭いステム部分と、ホルダの遠位端でステムに接続した試料保持器であってその内部に固相試料を保持するための試料保持器とをさらに含でおり、試料保持器が、流体は通過させるが固体は通さない穿孔壁領域を有する試料ホルダを用意するステップと、
   ｂ）自動又は半自動試料分析装置の流体回路に取り付けるのに適した生体試料収容カセットであって、１以上の流体回路ポートを有する収容チャンバと、生体試料ホルダを受入れるための開口部とを備える、生体試料収容カセットを用意するステップと、
   ｃ）前記ホルダを前記チャンバに挿入して、流体回路からの流体に保持器を浸漬し、核酸又はタンパク質を得るため流体を処理するステップと
   を含む方法。