JP2016516082A - 2−置換イミダゾ[4,5−d]フェナントロリン誘導体及び癌の治療におけるそれらの使用 - Google Patents

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Abstract

本発明は、1つ以上の腎臓癌細胞、膵臓癌細胞、前立腺癌細胞、結腸癌細胞、白血病細胞、脳癌/腫瘍細胞、または非小細胞肺癌細胞の増殖を阻害することができる、2−置換イミダゾ[4,5−d]フェナントロリン化合物を提供する。抗癌活性を有する2−置換イミダゾ[4,5−d]フェナントロリン誘導体である、1クラスの化合物を提供することが本発明の目的である。本発明の別の態様によると、抗癌組成物の調製における、構造式(I)を有する化合物、またはその塩もしくは溶媒和物の使用が提供される。いくつかの実施形態において、本化合物は、リンパ腫の治療に有用である。【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2013年3月20日に出願された米国仮特許出願第61/803,627号の優先権の利益を主張し、その内容は、あらゆる目的で参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本発明は、抗癌化合物の分野に関し、具体的には、癌の治療における治療的に活性な2−置換イミダゾ[4,5−d]フェナントロリン誘導体の使用に関する。
癌は、潜在的に成長が無限の悪性腫瘍である。これは、主として、ヒトの体内に見出される様々な所与の種類の細胞の病原性複製(正常な調節制御の喪失)である。原発巣からもたらされる選択突然変異によって、癌細胞のDNAが進化し、細胞を自律系へと変換する。
従来的な癌治療は、主に癌性細胞の殺滅に焦点を当てている。現在抗癌/抗腫瘍療法に使用されている化学療法剤は、急速に増殖する細胞に対するそれらの毒性のために選択される。それらのほとんどが、心臓または腎臓毒性、骨髄形成不全、脱毛、吐き気、及び嘔吐といった、望ましくない全身作用を引き起こす。過去数年間、多くの研究者が、腫瘍部位への薬物の有用性の増加を可能にする好適な物理化学的特性を有する薬物を開発することによって、これらの副作用を排除しようと試みてきた。合成または半合成で生成された天然源から抽出された新たな分子、酵素、放射性同位体、DNA毒素、種々の巨大分子、及びフィブリンもしくは腫瘍小特異的表面抗原に対する抗体は、化学療法剤の感受性を増加させるために、薬物に結合される。
ほとんどの抗癌剤の有効性は、それらの高い毒性及び病気の性質に起因して、大幅に低減される。抗癌剤の高い毒性の問題は、それらが全身毒性を増加させることなく、より特異的に腫瘍細胞に作用するような方式で、それらの構造を化学修飾することによって回避することができると考えられる。この分野における研究は、したがって、主に、高い抗悪性腫瘍活性、低い全身毒性、及び正常細胞への低い変異原性を有する抗癌剤の合成を対象とする。
複素環式化合物、特に、複素環式アゾール誘導体は、広範な生物学的活性を有することが示されている。興味深い生物学的活性を有する化合物の1つのクラスは、イミダゾール(5員の複素環式アゾールを含有する誘導体)である。様々な置換パターンを有するイミダゾール誘導体に関して、種々の生物学的活性が報告されている(Lee et al.Nature 1994 327:739−745、Abdel−Meguid et al.Biochemistry,1994,33:11671、Heerding et al.Bioorg.Med.Chem.Lett.2001,11:2061−2065、Bu et al.Tetrahedron Lett.1996,37:7331−7334、Lewis JR.Nat.Prod.Rep.1999,16:389−418、Lewis JR.Nat.Prod.Rep.1998,15:417−437 and 371−395)。
生物学的活性はまた、アリール−イミダゾール誘導体にも報告されており、例えば、これらの化合物は、癌細胞における多剤耐性の調節剤(Zhang et al.Bioorg.Med.Chem.Lett.2000,10:2603−2605)、p38 MAPキナーゼの阻害剤(Adams et al.Bioorg.Med.Chem.Lett.2001,11:867−2870,McLay et.al.Bioorg.Med.Chem.2001,9:537−554)、及びサイトカインの阻害剤(米国特許第5,656,644号、同第5,686,455号、同第5,916,891号、同第5,945,418号、及び同第6,268,370号)、ならびに細菌成長の阻害剤(Antolini et al.Bioorg.Med.Chem.Lett.1999,9:1023−1028)として作用し得る。
いくつかの報告が、トリアリール−イミダゾール化合物が、p38 MAPキナーゼの阻害剤として(例えば、LoGrasso et al.Biochemistry.1997,36:10422−10427を参照されたい)及び癌細胞における多剤耐性の調節剤として(Sarshar et al.Bioorg.Med.Chem.Lett.2000,10:2599−2601)作用し得ることを示しているが、しかしながら、文献の大半は、これらの化合物が、主として、一般に二量体形態で、発色試薬として(米国特許第4,089,747号、同第5,024,935号、同第5,047,318号、同第5,496,702号、同第5,514,550号、及び同第5,693,589号)、ならびに光重合開始剤として(米国特許第6,117,609号及び同第6,060,216号)の使用を見出したことを示す。
多数の化合物の潜在的な抗癌活性は、癌の治療における潜在的な治療用途を有するものを特定しようとするために数千個の化合物の大規模なスクリーニングを行っているNational Cancer Institute(NCI)によって調査されている(NCI酵母抗癌薬スクリーニング)。このスクリーニングは、細胞周期の制御及びDNA修復の損傷に関連する遺伝子に突然変異を有するサッカロマイセス・セレビジエ(Saccharmyces cerevisiae)株の成長を阻害する、候補化合物の能力に基づく。化合物は、まず、単一濃度で6つの酵母株のパネルに対してスクリーニングされる(ステージ0)。ステージ0で活性を有した化合物を、2つの濃度で同じパネルに対して再スクリーニングする(ステージ1)。ステージ1において活性を有し、さらに選択性も示す化合物を、5つの濃度で13個の酵母株のパネルに対して再スクリーニングする(ステージ2)。このスクリーニングからの結果の多くは、NCI/DTPのウェブサイトで利用可能になっている。このスクリーニングで採用されたアプローチは、ある特定の細胞経路(すなわち、細胞周期の制御またはDNA修復の損傷)にその活性を発揮する候補化合物に依存する。この種類のスクリーニングによってもたらされる結果は、したがって、可能性のある抗癌薬の非常に準備的な段階のスクリーニングを表し、必ずしもインビトロまたはインビボで癌細胞の成長を阻害する化合物の能力と相関するわけではない。
NCIはまた、可能性のある抗癌薬の特定を試みるためのインビボスクリーニングプログラムも提供する(NCIインビボ抗癌薬スクリーニング)。このスクリーニングプログラムからの結果の多くもまた、NCI/DTPのウェブサイトで利用可能である。
NCIスクリーニングの一方または両方で試験した化合物の中に、いくつかのアリールイミダゾール化合物がある(NCI番号322334、338970、144033)。これらの化合物のうちの1つ(NCI番号338970)が酵母抗癌薬スクリーニングにおいてステージ0テストで活性として報告されていたにも関わらず、これらの3つの化合物のいずれもインビボ抗癌薬スクリーニングにおいて全く活性を示さなかった。この化合物が酵母スクリーニングにおいて活性であったがインビボアッセイにおいて活性を示さなかったという事実は、酵母スクリーニングでの肯定的な結果が、必ずしも抗癌治療薬としての化合物の有用性を予測するものではないということを確認する。
この背景情報は、出願人が本発明に関連する可能性があると考えている情報を示す目的で提供される。必ずしも前述の情報が本発明に対する先行技術を構築することを認めることを意図するわけではなく、そのように解釈されるべきでもない。
米国特許第4,089,747号明細書 米国特許第5,024,935号明細書 米国特許第5,047,318号明細書 米国特許第5,496,702号明細書 米国特許第5,514,550号明細書 米国特許第5,693,589号明細書 米国特許第6,117,609号明細書 米国特許第6,060,216号明細書
Lee et al.Nature 1994 327:739−745 Abdel−Meguid et al.Biochemistry,1994,33:11671 Heerding et al.Bioorg.Med.Chem.Lett.2001,11:2061−2065 Bu et al.Tetrahedron Lett.1996,37:7331−7334 Lewis JR.Nat.Prod.Rep.1999,16:389−418 Lewis JR.Nat.Prod.Rep.1998,15: 371−395 Lewis JR.Nat.Prod.Rep.1998,15:417−437 Zhang et al.Bioorg.Med.Chem.Lett.2000,10:2603−2605 Adams et al.Bioorg.Med.Chem.Lett.2001,11:867−2870 McLay et.al.Bioorg.Med.Chem.2001,9:537−554 Antolini et al.Bioorg.Med.Chem.Lett.1999,9:1023−1028
抗癌活性を有する2−置換イミダゾ[4,5−d]フェナントロリン誘導体である、1クラスの化合物を提供することが本発明の目的である。本発明の態様によると、抗癌剤として、構造式(I)を有する化合物、
またはその塩もしくは溶媒和物であって、式中、
CとXとの間、及びCとYとの間の
は、単結合または二重結合を示し、
のうちの少なくとも1つは単結合であり、
Xは、CとXとの間の
が単結合であるとき、任意に置換されるアルコキシもしくはNRであるか、または
Xは、CとXとの間の
が二重結合であるとき、Oであり、
Yは、CとYとの間の
が二重結合であるとき、Nであるか、またはYは、CとYとの間の
が単結合であるとき、NHであり、
及びRは、独立して、H、任意に置換されるアルキル、または任意に置換されるアルコキシであり、
及びRは、一緒になって、NまたはOである少なくとも1つのヘテロ原子を有する5または6員の任意に置換される複素環を形成するが、
ただし、XがOであり、CとXとの間の
が二重結合であるとき、R及びRはいずれもHでないことを条件とする、化合物、またはその塩もしくは溶媒和物が提供される。
本発明の別の態様によると、抗癌組成物の調製における、構造式(I)を有する化合物、またはその塩もしくは溶媒和物の使用が提供される。いくつかの実施形態において、本化合物は、リンパ腫の治療に有用である。
本発明の別の態様によると、構造式
を有する化合物、またはその塩もしくは溶媒和物であって、式中、

は、単結合または二重結合を示し、
Xは、
が単結合であるとき、任意に置換されるアルコキシもしくはNRであるか、または
Xは、
が二重結合であるとき、Oであり、
及びRは、独立して、H、任意に置換されるアルキル、または任意に置換されるアルコキシであり、
及びRは、一緒になって、NまたはOである少なくとも1つのヘテロ原子を有する5または6員の任意に置換される複素環を形成するが、
ただし、XがOであり、CとXとの間の
が二重結合であるとき、R及びRはいずれもHでないことを条件とする、化合物、またはその塩もしくは溶媒和物が提供される。
本発明の別の態様によると、抗癌組成物の調製における、構造式(II)を有する化合物、またはその塩もしくは溶媒和物の使用が提供される。いくつかの実施形態において、本化合物は、リンパ腫の治療に有用である。
本発明の別の態様によると、構造式
を有する化合物、またはその塩もしくは溶媒和物であって、式中、
Xは、任意に置換されるアルコキシまたはNRであり、
及びRは、独立して、H、任意に置換されるアルキル、または任意に置換されるアルコキシであり、
及びRは、一緒になって、NまたはOである少なくとも1つのヘテロ原子を有する5または6員の任意に置換される複素環を形成する、化合物、またはその塩もしくは溶媒和物が提供される。
本発明の別の態様によると、抗癌組成物の調製における、構造式(III)の化合物、またはその塩もしくは溶媒和物の使用が提供される。いくつかの実施形態において、本化合物は、リンパ腫の治療に有用である。
本発明の別の態様によると、構造式
を有する化合物、またはその塩もしくは溶媒和物であって、式中、
及びR、またはR及びR、またはR及びR、またはR及びRのうちの1つは、それらが結合する炭素原子と一緒になると、NまたはOである少なくとも1つのヘテロ原子を有する5または6員の任意に置換される複素環を形成し、
R1〜R5の残りは、独立して、H、任意に置換されるアルキル、または任意に置換されるアルコキシである、化合物、またはその塩もしくは溶媒和物が提供される。
本発明の別の態様によると、抗癌組成物の調製における、構造式(IV)を有する化合物、またはその塩もしくは溶媒和物の使用が提供される。いくつかの実施形態において、本化合物は、リンパ腫の治療に有用である。
結腸癌腫(HT−29)異種移植片モデルにおける化合物1のインビボでの有効性を示す。 結腸癌種(KM−12)異種移植片モデルにおける化合物1のインビボでの有効性を示す。 結腸癌種(SW−620)異種移植片モデルにおける化合物1のインビボでの有効性を示す。 腎臓細胞癌腫(ACHN)異種移植片モデルにおける化合物1のインビボでの有効性を示す。 膵臓癌(BxPC−3)異種移植片モデルにおける化合物1のインビボでの有効性を示す。 非小細胞肺癌(H460)異種移植片モデルにおける式(I)のある特定の化合物のインビボでの有効性を示す。 神経膠芽腫(Glioplastoma)(U87−MG)異種移植片モデルにおける化合物1のインビボでの有効性を示す。
本発明は、2−置換イミダゾ[4,5−d]フェナントロリンイミダゾール化合物のクラス、及び抗癌剤としてのそれらの使用を提供する。本発明はさらに、式Iの化合物の有効量を、単独または1つ以上の標準的な化学療法薬と組み合わせて動物に投与することによって、該動物における悪性細胞の成長及び/または増殖を阻害する方法を提供する。
定義
別途定義されない限り、本明細書に使用される全ての技術的及び科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。
「1つの(a)」及び「1つの(an)」という用語は、数量の制限を意味するものではなく、むしろ、参照される項目が少なくとも1つ存在することを意味する。「または」または「及び/または」という用語は、2つの単語または表現が、一緒または個別に解釈されるべきであることを示すための機能語として使用される。「含む(comprising)」、「有する」、「含む(including)」、及び「含有する」という用語は、制限的でない用語(すなわち、「含むが、これらに限定されない」)として解釈されるものとする。同じ構成要素または性質を対象とする全ての範囲の端点は、包括的であり、独立して組み合わせることができる。
用語は、次のように定義される:「ハロゲン」という用語は、フッ素、臭素、塩素、及びヨウ素原子を指す。
「アルキル」は、それ自体か、または別の置換基の一部として、親アルカン、アルケン、またはアルキンの単一の炭素原子から1つの水素原子を除去することによって導出される、飽和または不飽和の分枝、直鎖、または環状一価炭化水素ラジカルを指す。「アルキル」という用語には、本明細書で以下に定義される「シクロアルキル」が含まれる。典型的なアルキル基としては、メチル;エチル、例えば、エタニル、エテニル、エチニル;プロピル、例えば、プロパン−1−イル、プロパン−2−イル、シクロプロパン−1−イル、プロパ−1−エン−1−イル、プロパ−1−エン−2−イル、プロパ−2−エン−1−イル(アリル)、シクロプロパ−1−エン−1−イル;シクロプロパ−2−エン−1−イル、プロパ−1−イン−1−イル、プロパ−2−イン−1−イル等;ブチル、例えば、ブタン−1−イル、ブタン−2−イル、2−メチル−プロパン−1−イル、2−メチル−プロパン−2−イル、シクロブタン−1−イル、ブタ−1−エン−1−イル、ブタ−1−エン−2−イル、2−メチル−プロパ−1−エン−1−イル、ブタ−2−エン−1−イル、ブタ−2−エン−2−イル、ブタ−1,3−ジエン−1−イル、ブタ−1,3−ジエン−2−イル、シクロブタ−1−エン−1−イル、シクロブタ−1−エン−3−イル、シクロブタ−1,3−ジエン−1−イル、ブタ−1−イン−1−イル、ブタ−1−イン−3−イル、ブタ−3−イン−1−イル等が挙げられるがこれらに限定されない。「アルキル」という用語は、具体的には、任意の程度またはレベルの飽和を有する基、すなわち、単一の炭素−炭素結合のみを有する基、1つ以上の二重炭素−炭素結合を有する基、1つ以上の三重炭素−炭素結合を有する基、ならびに単一、二重、及び三重炭素−炭素結合の組み合わせを有する基を含むことを意図する。特定のレベルの飽和が意図される場合、「アルカニル」、「アルケニル」、及び「アルキニル」という表現が使用される。いくつかの実施形態において、アルキル基は、1〜20個の炭素原子から構成される(C−C20アルキル)。他の実施形態において、アルキル基は、1〜10個の炭素原子から構成される(C−C10アルキル)。さらに他の実施形態において、アルキル基は、1〜6個の炭素原子(C−Cアルキル)または1〜4個の炭素原子(C−Cアルキル)から構成される。C−Cアルキルは、「低級アルキル」としても知られる。
「アルコキシ」という用語は、−OR基を指し、式中、Rは、本明細書に定義されるアルキルまたは置換アルキルである。
「アミン」は、構造式−NHを有する部分を指す。「置換アミン」は、−NRの構造式を有する部分を指し、式中、R及びRは、独立して、水素(ただし、R及びRがいずれも水素であることはないことを条件とする)、アルキル、置換アルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、カルボシクリル、置換カルボシクリル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アシル、置換アシル、イミン、置換イミン、アミジン、例えば、−C(NH)−NH、または置換アミジンである。−NRのいくつかの実施形態において、Rは水素であり、Rは、アルキル、置換アルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、カルボシクリル、置換カルボシクリル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アシル、置換アシル、イミン、置換イミン、アミジン、例えば−C(NH)−NH、または置換アミジンである。
「ハロ」は、それ自体か、または別の置換基の一部として、ラジカル−F、−Cl、−Br、または−Iを指す。
「塩」は、親化合物の所望される薬理学的活性を有する、化合物の塩を指す。そのような塩には、(1)塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸を用いて形成されるか、または酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3−(4−ビドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタン−ジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、樟脳スルホン酸、4−メチルビシクロ[2.2.2]−オクタ−2−エン−1−カルボン酸、グルコへプトン酸、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸等の有機酸を用いて形成される、酸付加塩、または(2)親化合物に存在する酸性プロトンが金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、もしくはアルミニウムイオンで置き換えられるとき、または有機塩基、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルグルカミン等と配位結合するときに形成される塩が挙げられる。
「溶媒和物」は、溶媒和(溶媒分子と溶質の分子またはイオンとの組み合わせ)によって形成される化合物、または溶質イオンもしくは分子、すなわち、本発明の化合物と1つ以上の溶媒分子とからなる凝集物を意味する。水が溶媒であるとき、対応する溶媒和物は「水和物」である。
特定の基またはラジカルを修飾して使用される「置換される」とは、特定の基またはラジカルの1つ以上の水素原子が、それぞれ、互いに独立して、同じかまたは異なる置換基(複数可)で置き換えられることを意味する。「任意に置換される」とは、置換されるか、または置換されないこと(すなわち、非置換)を意味する。例えば、任意に置換されるアザ環式環(azacyclic ring)とは、アザ環式環が置換または非置換であり得ることを意味する。特定の基またはラジカルにおいて飽和炭素原子を置換するのに有用な置換基には、−R、ハロ、−O、=O、−OR、−SR、−S、=S、−NR、=NR、=N−OR、トリハロメチル、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、=N、−N、−S(O)、−S(O)NR、−S(O)、−S(O)OR、−OS(O)、−OS(O)、−OS(O)OR、−P(O)(O、−P(O)(OR)(O)、−P(O)(OR)(OR)、−C(O)R、−C(S)R、−C(NR)R、−C(O)O、−C(O)OR、−C(S)OR、−C(O)NR、−C(NR)NR、−OC(O)R、−OC(S)R、−OC(O)O、−OC(O)OR、−OC(S)OR、−NRC(O)R、−NRC(S)R、−NRC(O)O、−NRC(O)OR、−NRC(S)OR、−NRC(O)NR、−NRC(NR)R、及び−NRC(NR)NRが含まれるがこれらに限定されず、式中、Rは、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、各Rは、独立して、水素またはRであり、各Rは、独立して、Rであるか、または代替として、2つのRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、O、N、及びSからなる群から選択される同じかもしくは異なる追加のヘテロ原子のうちの1〜4個を任意に含み得る、4、5、6、もしくは7員のシクロヘテロアルキルを形成する。特定の例として、−NRは、−NH、−NH−アルキル、N−ピロリジニル、及びN−モルホリニルを含むことを意味する。別の特定の例として、置換アルキルは、−アルキレン−O−アルキル、−アルキレン−ヘテロアリール、−アルキレン−シクロヘテロアルキル、−アルキレン−C(O)OR、−アルキレン−C(O)NR、及び−CH−CH−C(O)−CHを含むことを意味する。1つ以上の置換基は、それらが結合する原子と一緒になって、シクロアルキル及びシクロヘテロアルキルを含む、環式環を形成し得る。
化学式によって表される上で参照された置換基はまた、当業者に既知のそれらの化学名によって容易に認識される。例えば、それらの置換基には、アルキル、ヘテロアルキル、ハロ、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、シアノ、ニトロ、ハロアルキル、カルボン酸、アミド、エステル、アシル、チオール、アルキルチオ、スルホンアミド等が挙げられる。
特定の基を置換するために使用される置換基は、典型的に、上に指定された種々の基から選択される同じかまたは異なる基のうちの1つ以上で、さらに置換されてもよい。
本明細書に互換的に使用される「治療法」及び「治療」は、疾患、障害、または状態に関連する症状の軽減、それらの発症の予防、またはそれらの病理の変化の目的で行われる介入を指す。したがって、治療法及び治療という用語は、最も広い意味で使用され、種々の段階での疾患、障害、または状態の予防(prevention)(予防(prophylaxis))、調節、管理、低減、または治癒を含む。疾患、障害、または状態の進行の予防または低減は、これらの用語に包含される。生体対象の生理学及び/または生物化学の変化をもたらす介入も、これらの用語に包含される。治療法/治療を必要とするものには、疾患、障害、または状態を既に有するもの、ならびに疾患、障害、または状態を発症しやすいか、またはその危険性にあるもの、ならびに疾患、障害、または状態が予防されるべきものが挙げられる。本発明の化合物の治療適用は、したがって、本明細書に定義されるように、治療法または治療を指す。
「対象」または「患者」という用語は、本明細書に使用されるとき、ヒトまたは他の哺乳動物を含む、治療を必要とする動物を指す。
1つ以上のさらなる治療剤と「組み合わせた」本発明の化合物の投与は、同時(並行)投与及び連続投与を含むことが意図される。連続投与は、治療剤(複数可)及び本発明の化合物(複数可)を対象に種々の順序で投与することを包含することが意図される。
「アジュバント療法」という用語は、本明細書に使用されるとき、一次治療の有効性を増加させるために追加される治療を指す。癌の場合、アジュバント療法は、通常、全ての癌細胞を殺滅させる可能性を高めるための、外科手術(一次療法)後の化学療法、ホルモン療法、または放射線療法を指す。
「ネオアジュバント療法」という用語は、本明細書に使用されるとき、一次治療前に行われる治療を指す。ネオアジュバント療法の例には、化学療法、放射線療法、及びホルモン療法が挙げられる。
本明細書に使用されるとき、「約」という用語は、公称値からの±10%の変動を指す。そのような変動は、それが具体的に言及されるかどうかにかかわらず、常に、任意の所与の値に含まれることを理解されたい。
I.2−置換イミダゾ[4,5−d]フェナントロリン化合物
本発明は、一般式(I)の化合物、
またはその塩もしくは溶媒和物であって、式中、
CとXとの間、及びCとYとの間の
は、単結合または二重結合を示し、
のうちの少なくとも1つは単結合であり、
Xは、CとXとの間の
が単結合であるとき、任意に置換されるアルコキシもしくはNRであるか、または
Xは、CとXとの間の
が二重結合であるとき、Oであり、
Yは、CとYとの間の
が二重結合であるとき、Nであるか、またはYは、CとYとの間の
が単結合であるとき、NHであり、
及びRは、独立して、H、任意に置換されるアルキル、または任意に置換されるアルコキシであり、
及びRは、一緒になって、NまたはOである少なくとも1つのヘテロ原子を有する5または6員の任意に置換される複素環を形成するが、
ただし、XがOであり、CとXとの間の
が二重結合であるとき、R及びRはいずれもHでないことを条件とする、化合物、またはその塩もしくは溶媒和物を提供する。
一実施形態において、式(I)の化合物は、構造式(I’)の化合物を含む。
いくつかの実施形態において、R及びRは、独立して、H、C1−C6アルキル、または−O−C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態において、RはHであり、Rは、H、C1−C6アルキル、または−O−C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態において、R及びRは、Xが任意に置換されるアルコキシまたはNRであり、CとXとの間の
が単結合であるとき、Hである。
いくつかの実施形態において、Xは、−O−C1−C6アルキルまたはNRである。いくつかの実施形態において、R及びRは、一緒になって、NまたはOである少なくとも1つのヘテロ原子を有する5または6員の複素環を形成する。
本発明の一実施形態において、式Iの化合物には、構造式(II)の化合物、
またはその塩もしくは溶媒和物であって、式中、
は、単結合または二重結合を示し、
Xは、
が単結合であるとき、任意に置換されるアルコキシもしくはNRであるか、または
Xは、
が二重結合であるとき、Oであり、
及びRは、独立して、H、任意に置換されるアルキル、または任意に置換されるアルコキシであり、
及びRは、一緒になって、NまたはOである少なくとも1つのヘテロ原子を有する5または6員の任意に置換される複素環を形成するが、
ただし、XがOであり、CとXとの間の
が二重結合であるとき、R及びRはいずれもHでないことを条件とする、化合物、またはその塩もしくは溶媒和物が含まれる。
いくつかの実施形態において、Xは、
が単結合であるとき、−O−C1−C6アルキルまたはNRである。いくつかの実施形態において、R及びRは、一緒になって、NまたはOである少なくとも1つのヘテロ原子を有する5または6員の複素環を形成する。
いくつかの実施形態において、R及びRは、独立して、H、C1−C6アルキル、または−O−C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態において、RはHであり、Rは、H、C1−C6アルキル、または−O−C1−C6アルキルである。
本発明の別の実施形態において、式Iの化合物には、構造式(III)の化合物、
またはその塩もしくは溶媒和物であって、式中、
Xは、任意に置換されるアルコキシまたはNRであり、
及びRは、独立して、H、任意に置換されるアルキル、または任意に置換されるアルコキシであり、
及びRは、一緒になって、NまたはOである少なくとも1つのヘテロ原子を有する5または6員の任意に置換される複素環を形成する、化合物、またはその塩もしくは溶媒和物が含まれる。
いくつかの実施形態において、R及びRは、独立して、H、C1−C6アルキル、または−O−C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態において、RはHであり、Rは、H、C1−C6アルキル、または−O−C1−C6アルキルである。
いくつかの実施形態において、Xは、−O−C1−C6アルキルである。いくつかの実施形態において、XはNRであり、R及びRは、一緒になって、NまたはOである少なくとも1つのヘテロ原子を有する5または6員の複素環を形成する。
本発明の別の態様において、式(IV)の化合物、
またはその塩もしくは溶媒和物であって、式中、
及びR、またはR及びR、またはR及びR、またはR及びRのうちの1つは、それらが結合する炭素原子と一緒になると、NまたはOである少なくとも1つのヘテロ原子を有する5または6員の任意に置換される複素環を形成し、
R1〜R5の残りは、独立して、H、任意に置換されるアルキル、または任意に置換されるアルコキシである、式IVの化合物、またはその塩もしくは溶媒和物が提供される。
式(IV)の化合物のいくつかの実施形態において、R及びR、またはR及びR、またはR及びR、またはR及びRのうちの1つは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、
を形成し、R及びRは、−R、ハロ、または−ORであり、
は、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、Rは、独立して、水素またはRである。
いくつかの実施形態において、R1〜R5の残りは、それぞれ、Hである。
いくつかの実施形態において、R及びRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、
を形成し、R、R、及びRは、それぞれ、Hである。
いくつかの実施形態において、R及びRは、ハロである。
本発明の化合物には、以下の例示的な化合物が含まれるがこれらに限定されない。
本発明には、薬学的に許容される塩を含む、本発明の化合物(すなわち、式I、式IV、及びそれらの亜属(subgenus)によって定義される化合物)の種々の塩が含まれる。本発明による化合物は、十分に酸性、十分に塩基性、または酸性及び塩基性両方の官能基を有し、それに応じて、いくつかの有機及び無機塩基、ならびに有機及び無機酸と反応して、薬学的に許容される塩を形成し得る。
本明細書に使用される「薬学的に許容される塩」という用語は、生物に対して実質的に非毒性である、式I、式IV、及びそれらの亜属の化合物の塩を指す。典型的な薬学的に許容される塩としては、本発明の化合物と、薬学的に許容される鉱酸もしくは有機酸または有機もしくは無機塩基との反応によって調製される塩が挙げられる。そのような塩は、酸付加塩及び塩基付加塩として既知である。
一般に酸付加塩の形成に用いられる酸は、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、リン酸等、及び有機酸、例えば、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、p−ブロモフェニルスルホン酸、炭酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、酢酸等である。そのような薬学的に許容される塩の例は、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、塩酸塩、二塩酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオル酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン−1,4−ジオエート(butyne−1,4−dioate)、ヘキシン−1,6−ジオエート(hexyne−1,6−dioate)、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、γ−ヒドロキシ酪酸塩、グルコール酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、マンデル酸塩等である。好ましい薬学的に許容される酸付加塩は、塩酸及び臭化水素酸等の鉱酸を用いて形成されるもの、ならびにマレイン酸及びメタンスルホン酸等の有機酸を用いて形成されるものである。
アミン基の塩はまた、アミノ窒素が、アルキル、低級アルケニル、置換低級アルケニル、低級アルキニル、置換低級アルキニル、またはアラルキル部分等の好適な有機基を担持する、第四級アンモニウム塩を含み得る。
塩基付加塩には、無機塩基、例えば、アンモニウムまたはアルカリもしくはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩等に由来するものが挙げられる。本発明の塩を調製するのに有用な塩基には、したがって、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。
当業者であれば、本発明の塩の一部を形成する具体的な対イオンが、全体としての塩が薬理学的に許容される限り、また対イオンが所望されない性質を全体としての塩に付与しない限り、通常は重要な性質ではないことを理解するであろう。本発明はさらに、式I、式IV、またはそれらの亜属の化合物の薬学的に許容される溶媒和物を包含する。本発明の化合物の多くは、水、メタノール、エタノール、及びアセトニトリル等の溶媒と組み合わさって、対応する水和物、メタノラート、エタノラート、及びアセトニトリラート等の薬学的に許容される溶媒和物を形成し得る。
本発明の化合物は、複数の不斉(キラル)中心を有し得る。これらのキラル中心の結果として、本発明の化合物は、ラセミ体、エナンチオマーの混合物、及び個々のエナンチオマーとして、ならびにジアステレオマー及びジアステレオマーの混合物として生じ得る。全ての不斉形、個々の異性体、及びそれらの組み合わせは、本発明の範囲内である。
当業者であれば、式Iの化合物の立体化学が、その活性に重要である場合、化合物の相対立体化学は、後続の立体異性体の分離の問題を回避するために、合成の間に早期に確立されることを容易に理解するであろう。分子のさらなる操作は、所望されるキラリティーを維持できるように、立体特異的手順を用いることになる。
II.化合物の調製
当該技術分野で既知のように、本発明の化合物は、多数の標準的な技術を使用して調製され得る。本発明の化合物は、したがって、例えば、Grimmett,(Grimmett,M.R.,Comprehensive Heterocyclic Chemistry:The Structure,Reaction,Synthesis and Uses of Heterocyclic Compounds,A.R.Katrizky and C.W.Rees,eds.,Vol.5,Pergamon Press.Oxford,1984,pp.457−498、Grimmett,M.R.,Imidazole and Benzimidazole Synthesis,Academic Press,San Diego CA,1997)によって示される、いくつかの一般的な合成方法によって調製され得る。
本発明の一実施形態において、本発明の化合物は、酢酸中の酢酸アンモニウムの存在下で、式IIのジオンとアルデヒド(III)とを反応させることによって、溶液相または固相合成によって調製される(例えば、Krieg et al.,Naturforsch.1967,22b,132、Sarshar et al.,Tetrahedron Lett.1996,37,835−838、Bian et al.,Synthetic communications 2003,33,3477−3482、Hong Xu et al.,J.Chem.Soc.,Dalton Trans.,2003,11,2260−2268、Hong Xu et al.,Inorg.Commun.,2003,6,766−768、Bian et al.,Polyhedron 2002,21,313−319、Chao et al.,J.Chem.Soc.,Dalton Trans.,2001,12,1920−1926を参照されたい。
式(VI)及び(VII)の化合物は、市販入手可能であるか、または当業者に既知の手順を使用して調製され得るかのいずれかである。式(VI)の化合物は、例えば、Fischerら(J.Am.Chem.Soc.1961,83,4208−4210)、Guijarroら(J.Am.Chem.Soc.1999,121,4155−4157)、Chiら(Synth.Comm.1994,24(15),2119−2122)、及びArmestoら(Synthesis,1988,799−801)、Yamadaら(Bull.Soc Chem.Jpn.,1990,63,(9),2710−2712)、Hiortら(J.Am.Chem Soc.1993,115,3448−3454、及びTetrahedron Letters 2004,45(33),6361−6363)によって記載される、いくつかの一般的な合成方法によって調製され得る。式(III)の化合物は、Vilsmeierら(Chem.Ber.1958,91,850−861 and Synthesis 1985,8,641−645)によって記載される一般的な合成方法によって調製され得る。
生成物(1)の分離及び精製は、一般に、水溶性塩を形成するそれらの特性に基づく。反応媒体を水で希釈した後、不純物を得られた溶液から非極性溶媒を用いて抽出し、水層を塩基性にし、分離されたイミダゾ[4,5−d]フェナントロリン(1)を濾過し、好適な溶媒から再結晶化させる。
III.化合物の抗癌活性
腫瘍性細胞成長及び/または増殖を阻害する本発明の候補化合物の能力は、当該技術分野で既知の標準的な技法を使用して試験することができる。加えて、阻害活性を示す本発明の化合物を、種々の既知の化学療法薬と組み合わせてインビトロ及び/またはインビボでさらに試験して、組み合わせ治療におけるそれらの可能性のある使用を評価することができる。本発明の候補化合物を試験する例示的な方法は、以下に、及び本明細書に含まれる実施例に、提供される。当業者であれば、化合物を試験する他の方法が、当該技術分野で既知であり、候補化合物の試験に好適であることを理解するであろう。
A.インビトロ試験
本発明の候補化合物を、標準的な技法を使用して癌細胞の増殖を阻害するそれらの能力に関して、最初にインビトロでアッセイする。
一般に、癌細胞の増殖を阻害する式Iの候補化合物の能力は、次のように試験することができる。特定の試験癌細胞系の細胞を好適な密度(例えば、おおよそ1×10)に成長させ、種々の濃度の候補化合物を添加する。適切なインキュベーション時間(典型的には約48〜74時間)後に、例えば、テトラゾリウム塩(または修飾されたテトラゾリウム塩)の切断に関してアッセイすることによって、またはレサズリン還元試験(Fields&Lancaster(1993)Am.Biotechnol.Lab.11:48−50、O’Brien et al.,(2000)Eur J.Biochem.267:5421−5426、及び米国特許第5,501,959号を参照されたい)、スルホローダミンアッセイ(Rubinstein et al.,(1990)J.Natl.Cancer Inst.82:113−118)、ニュートラルレッド色素試験(Kitano et al.,(1991)Euro.J.Clin.Investg.21:53−58、West et al.,(1992)J.Investigative Derm.99:95−100)、もしくはXTTアッセイを使用することによって、細胞生存を評価する。細胞増殖の阻害は、処置培養物における細胞生存と、1つ以上の対照培養物、例えば、候補化合物で事前処置していない培養物、対照ビヒクルで事前処置したもの及び/もしくは対照化合物(典型的には既知の治療薬)で事前処置したものにおける細胞生存とを比較することによって、決定される。
増殖する細胞が休止状態の細胞よりも代謝的により活性である傾向があることを考慮すると、代謝活性を測定する当該技術分野で既知の他のアッセイ(テトラゾリウムに基づくアッセイ)もまた、細胞増殖に対する候補化合物の効果を評価するために使用することができる。
候補化合物はまた、腫瘍細胞の足場非依存性成長を阻害するそれらの能力に関して、インビトロで試験することができる。足場非依存性成長は、腫瘍原性の良好な指標であることが当該技術分野で既知である。一般に、足場非依存性成長は、適切な癌細胞系由来の細胞を軟寒天に播種し、適切なインキュベーション期間の後に形成されたコロニーの数を決定することによって評価される。候補化合物で処置した細胞の成長を、次いで、適切な対照(上述の通り)で処置した細胞のものと比較することができる。
本発明の化合物を試験するのに好適な広範な癌細胞系は、市販入手可能であり、例えば、American Type Culture Collection(ATCC;Manassas,VA)は、現在700を超える異なるヒト癌細胞系を供給し、DCTD Tumor Depository(NCI at Frederick,Frederick,MD)は、NCI/NIHスクリーニングで使用されるヒト癌細胞系を含む、多様な哺乳動物細胞系を供給する。
本発明の化合物が試験され得る好適なヒト癌細胞系の例としては、膀胱癌細胞系HT−1376、HT−1197、及びHs 195.T;結腸及び結腸直腸腺癌及び癌腫細胞系、例えば、CaCo、COLO320、HCT−116、LoVo、NCI−H498、NCI−H548、及びSNU−C2B;十二指腸癌細胞系HuTu 80;胃の腺癌及び癌腫細胞系Hs 740.T、AGS、Hs 746T、NCI−N87、NCI−SNU−1、及びRF−48;大細胞肺癌細胞系NCI−H661及びNCI−H1581;前立腺の腺癌及び癌腫細胞系MDA PCa 2b、LNCaP−FGC、及び22Rv1;バーキットリンパ腫(非ホジキン)細胞系raji、Namalwa、及びHS Sultan;組織球性リンパ腫細胞系U−937;急性リンパ芽球性白血病(T−ALL)細胞系Jurkat、T細胞リンパ腫細胞系Karpas 299;形質細胞性白血病細胞系L−363;ならびに直腸の腺癌及び癌腫細胞系NCI−H630及びSW837が挙げられるがこれらに限定されない。薬物耐性癌細胞系もまた、薬物耐性または多剤耐性の悪性腫瘍細胞の成長及び/または増殖を阻害する本発明の化合物の能力を決定するために使用され得る。
本発明の候補化合物の差次的悪性腫瘍選択性、すなわち、正常な増殖細胞と比較して、悪性腫瘍(または癌)細胞に対して何らかのレベルの選択的な作用を示す化合物の能力もまた、試験され得る。正常細胞と癌細胞との間の化合物に対する差次的感受性を評価するための例示的な方法は、Vassilevら(Anti−Cancer Drug Design(2001)16:7)によって記載されている。この方法は、IC90値、すなわち、指数関数的に成長する細胞の90%の成長阻害をもたらすのに必要とされる試験化合物のモル濃度の比較を伴う。したがって、候補化合物のIC90値は、種々の癌細胞系(上に概説されるもの)及び正常細胞(HUVEC及び/またはWI38細胞)において評価され、比較され得る。IC90値は、当該技術分野で既知の種々の標準的な技法を使用して測定され得る。癌細胞選択性は、全ての正常細胞系の平均IC90と全ての癌細胞系の平均IC90との比率として計算される。4を超えるIC90比(正常/癌)を有する化合物は、癌細胞に選択的であると見なされる(L.T.Vassilev et al.,Anti−cancer Drug Design,2001,16:7−17)。
本発明の化合物の作用機序は、本発明に関連するものではないが、化合物が腫瘍成長のどの側面に影響を及ぼすかを決定するのに有用な情報を提供するために、必要に応じて、化合物の可能性のある作用機序を調査するためのアッセイが行われてもよい。この種類の情報は、化合物での処置によって恩恵を受ける癌の種類を決定することに役立ち得る。そのようなアッセイの例としては、細胞周期分析(例えば、フローサイトメトリー技法を利用)、アポトーシスアッセイ(DNA断片化分析等)、抗血管新生アッセイ(例えば、管形成及びMatrigelプラグアッセイを含む、種々のMatrigelアッセイ)、ならびに免疫組織化学的分析が挙げられるがこれらに限定されない。
B.インビボ試験
インビボでの腫瘍の成長、増殖、及び/または転移を阻害する候補化合物の能力は、当該技術分野で既知の標準的な技法を使用して、適切な動物モデルにおいて決定することができる(例えば、Enna,et al.,Current Protocols in Pharmacology,J.Wiley&Sons,Inc.,New York,NYを参照されたい)。例示的なプロトコルは、以下及び実施例に提供される。
例えば、候補化合物のインビボ活性はまた、中空繊維アッセイ(Hollingshead,M.,et al.,(1995)Life Sciences 57:131−141及びDecker et al.,Eur.J.of Cancer 40:821−826(2004))を使用して試験され得る。このアッセイでは、中空繊維(ポリフッ化ポリビニリジン、PVDF)で成長する細胞が、マウスの種々の身体区画に埋め込まれる。12個の腫瘍細胞系の標準パネルが、インビトロで活性を示した候補化合物の中空繊維のスクリーニングに使用され得る。これらの細胞系には、NCI−H23、NCI−H522、MDA−MB−231、MDA−MB−435、SW−620、COLO 205、LOX−IMVI、UACC−62、OVCAR−3、OVCAR−5、U251、及びSF−295を挙げることができる。加えて、上のインビトロの節に記載されるもの等、代替的な系が、化合物の特殊な試験のために使用され得る。細胞系を、標準的なプロトコルに従って培養し、細胞をPVDF繊維に流し、2cm間隔でそれらを密封することによって、繊維を調製する。これらの密封物から生成された試料を、組織培養培地に入れ、埋め込み前に5%COにおいて37℃で24〜48時間インキュベートする。各マウスが3つの腹腔内埋め込み片(各腫瘍系1つずつ)及び3つの皮下埋め込み片(各腫瘍系1つずつ)を受容するように、合計3つの異なる腫瘍系を各実験に関して調製する。ゼロ時点の細胞質量を知るために、埋め込みの日に、各腫瘍細胞系調製物の試料を、例えば、安定なエンドポイントMTTアッセイによって、生存細胞の質量に関して定量化する。マウスは、繊維の埋め込みから3日目または4日目に実験剤での処置を開始し、4日間毎日継続する。各剤を、2つの用量レベルで腹腔内注射によって投与する。4回目の化合物処置の翌日に、マウスから繊維を採取し、安定なエンドポイントMTTアッセイに供する。各試料の光学密度を、540nmで分光光度法により決定し、各処置群の平均を計算する。各処置群の各細胞系についての正味の成長パーセントを計算し、ビヒクル処置対照における正味の成長パーセントと比較する。ビヒクル対照試料と比較して、処置群での50%以上の正味の成長パーセントの低減は、肯定的な結果と見なされる。それぞれの肯定的な結果に、スコア2を与え、所与の化合物の全てのスコアを合計する。薬剤の最大可能スコアは96である(12個の細胞系×2つの部位×2つの用量レベル×2[スコア])。
中空繊維アッセイにおいて最初にスクリーニングした候補化合物は、腹腔内と皮下を合わせて20以上のスコア、8以上の皮下スコアを有するか、または評価したいずれの用量レベルにおいていずれかの細胞系の殺滅をもたらす場合、続いて、異種移植片モデルにおいて試験され得る。このスコア付けシステムは、CTEPにおいてDCTDC統計学者によって、現在の「標準的な」薬物を活性としてスコア付けすることが予測される検出のレベルを表すことが検証されている。
あるいは、本発明の化合物を、異種移植片モデルにおいて直接試験してもよい。ヒト腫瘍が動物に埋め込まれている異種移植片モデルは、候補化合物の抗癌活性を評価するための標準的なモデルである。ヒト癌の異種移植片モデルの例としては、皮下への注射または埋め込みによって埋め込まれ、腫瘍成長アッセイにおいて使用されるヒト固形腫瘍異種移植片;脂肪褥への注射によって埋め込まれ、腫瘍成長アッセイにおいて使用される、ヒト固形腫瘍同種移植片;関連組織に直接埋め込まれ、腫瘍成長アッセイにおいて使用される、ヒト固形腫瘍同所異種移植片;静脈内注射によるものであり、生存アッセイに使用される、固形腫瘍または白血病の播種性疾患モデル;生存アッセイにおいて使用される、マウスにおけるリンパ腫及び白血病の実験モデル、ならびにマウスにおける肺転移の実験モデルが挙げられるがこれらに限定されない。埋め込まれたヒト腫瘍細胞に加えて、異種移植片モデルは、抗癌免疫応答の評価を可能にする移植したヒト末梢血白血球をさらに含み得る。種々の異種移植片モデルにおいて、埋め込みまたは移植したヒト腫瘍細胞は、原発性腫瘍細胞または細胞系由来の腫瘍細胞であり得る。
異種移植片モデルにはいくつかの宿主動物の選択肢があり、これには、重症複合免疫不全(SCID)マウス、無胸腺ヌードマウス、及び無胸腺ラットの使用が含まれるがこれらに限定されない。非肥満糖尿病/重症複合免疫不全マウス(NOD/SCID)は、例えば、白血病及び/またはリンパ腫細胞等の血液癌細胞の生着のために、種々の異種移植片移植モデルにおいて使用することができる別の宿主動物を表す。
あるいは、マウス癌モデルを、抗腫瘍化合物のスクリーニングに使用してもよい。適切なマウス癌モデルの例は、当該技術分野で既知であり、マウス癌細胞が静脈内、皮下、脂肪褥、または同所注射によって埋め込まれる埋め込みモデル;マウス転移モデル;トランスジェニックマウスモデル;及びノックアウトマウスモデルが挙げられるがこれらに限定されない。正常マウスにおける自然発生腫瘍に対する候補化合物の効果もまた、評価され得る。
例えば、試験化合物は、0日目に30〜60mgの腫瘍フラグメントまたは適切な数の腫瘍細胞(例えば、約10〜10個)を皮下に移植または注射したマウスを使用して、固形腫瘍においてインビボで試験され得る。腫瘍保持動物は、種々の処置及び対照に供されるまでに混合される。進行した腫瘍の処置の場合、腫瘍を所望の寸法まで発達させ、発達が不十分な腫瘍を有する動物は排除する。選択された動物を、処置及び対照を受けるように無作為に分配する。腫瘍を保持しない動物もまた、腫瘍に対する特定の効果から毒性効果を分離できるように、腫瘍保持動物と同じ処置に供され得る。化学療法は、一般に、腫瘍の種類に応じて移植の3〜22日後に始まり、動物は毎日観察される。候補化合物は、例えば、ボーラス注入によって動物に投与され得る。異なる動物群を、最大体重減少が達成されるまで週に約3または4回計量し、その後は、群を試験の終了まで少なくとも週1回計量する。
腫瘍が所定の寸法及び/もしくは重量になるまで、または所定の期間が経過するまで、または動物が死亡するまで(腫瘍が所定の寸法/重量に達成する前に起こった場合)、週に約2または3回腫瘍を測定する。次いで、動物を屠殺し、腫瘍の組織の組織学、寸法、及び/または増殖を評価する。
異種移植片実験において薬物耐性または多剤耐性の癌細胞を用いることによって、薬物耐性腫瘍に対する候補化合物の効果をインビボで評価することができる。
リンパ腫または白血病等の血液学的腫瘍に対する候補化合物の効果の研究のために、動物に特定の数の細胞を移植または注射し、抗腫瘍活性を、対照マウスと比較した処置マウスの生存時間の増加によって決定する。連続血液試料からフローサイトメトリーまたはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて細胞表面マーカーまたは白血病特異的遺伝子の発現といった白血病の種々の指標を測定することによって、白血病異種移植片モデルにおける疾患負荷の評価もまた行うことができる。
腫瘍転移に対する候補化合物の効果を研究するために、腫瘍細胞は、典型的に、エキソビボで化合物によって処置された後、好適な試験動物に注射される。注射部位からの腫瘍細胞の広がりを、次いで、好適な期間にわたって監視する。
別の化学療法剤と組み合わせて作用する、または腫瘍をその効果に対して感受性にする、候補化合物の能力もまた、上述のモデルにおいて試験され得る。この事例において、試験動物は、化学療法剤及び式Iの候補化合物の両方で処置される。対照動物には、化学療法剤単独で処置した動物、候補化合物で処置した動物、未処置動物が含まれ得る。
本発明の化合物のインビボ毒性効果を、標準的な技法によって、例えば、処置の間の動物の体重に対するそれらの効果を測定することによって、ならびに動物を屠殺した後に血液学的プロファイル及び肝臓酵素分析を行うことによって(生存アッセイ)、評価することができる。
これらのアッセイを実行する方法は、上述のように、当該技術分野で既知である。
C.毒性試験
本発明の化合物はまた、所望される場合、毒性試験に提出され得る。可能性のある薬物の毒性試験は、当該技術分野で周知である(例えば、Hayes,A.W.,ed.,(1994),Principles and Methods of Toxicology,3rd ed.,Raven Press,NY、Maines,M.,ed.,Current Protocols in Toxicology,John Wiley&Sons,Inc.,NYを参照されたい)。
候補化合物の毒性はまた、標準的な技法を使用してインビトロで最初に評価され得る。例えば、ヒト初代線維芽細胞は、インビトロにおいて式Iの化合物で処置した後、処置後の様々な時点で、上述のアッセイまたはトリパンブルー排除アッセイ等の標準的な生存アッセイを使用してそれらの生存率に関して試験され得る。細胞はまた、例えば、チミジン組み込みアッセイを使用して、DNAを合成するそれらの能力に関して、及び、例えば、標準的な細胞分類アッセイを蛍光サイトメーター細胞分類装置(FACS)と併せて使用して、細胞周期動態の変化に関して、アッセイされ得る。
式Iの化合物のインビトロ急性毒性試験を、哺乳動物細胞系を用いて行うことができる(例えば、Ekwall,B.,Ann.N.Y.Acad.Sci.,(1983)407:64−77を参照されたい)。適切な細胞系の選択は、候補化合物の可能性のある用途に依存し、当業者によって容易に決定され得る。例えば、これらの試験は、市販の担体の存在下における、本発明の化合物でのヒト初代線維芽細胞のインビトロでの処置を含む。次いで、トリパンブルー排除アッセイ、XTTまたはMTTアッセイ等の標準的な生存率アッセイを使用して、細胞を処置後の様々な時点でそれらの生存率に関して試験する。細胞はまた、例えば、チミジン組み込みアッセイを使用して、DNAを合成するそれらの能力に関して、及び、例えば、標準的な細胞分類アッセイを蛍光サイトメーター細胞分類装置(FACS)と併せて使用して、細胞周期動態の変化に関して、アッセイされ得る。
インビボ毒性試験は、標準的な手法によって、例えば、多様な濃度の候補化合物を適切な動物モデルに注射することによって、行われ得る。化合物は、1回注射され得るか、または投与は数日間にわたって繰り返されてもよい。動物の死亡率、挙動の変化、外観、及び体重を監視することによって、化合物の毒性効果を、適切な期間にわたって評価することができる。評価期間の完了後、動物を屠殺し、関連する器官の外観及び重量が判定され得る。必要に応じて、例えば、血液学的プロファイル、組織学、及び肝臓酵素分析のさらなる評価が行われ得る。化合物の毒性の徴候はまた、化合物のインビボ抗癌試験中にも得ることができる。
IV.化合物の使用
本発明の化合物を使用して、対象における癌の治療、安定化、及び予防を行うことができる。この文脈において、化合物は、細胞毒性効果または細胞増殖抑制効果のいずれかを発揮し得、腫瘍の寸法の低減、腫瘍の寸法の増加の遅延もしくは防止、腫瘍の消失もしくは除去とその再発との間の無疾患生存期間の増加、腫瘍の初期もしくは後続の発生(例えば、転移)の予防、進行までの期間の増加、腫瘍と関連する1つ以上の有害な症状の低減、または癌を有する対象の全体的な生存時間の増加をもたらし得る。
例示的な腫瘍には、白血病、黒色腫、及びリンパ腫を含む血液学的悪性腫瘍;腺癌及び扁平上皮細胞癌を含む癌腫;黒色腫及び肉腫が挙げられるがこれらに限定されない。癌腫及び肉腫はまた、「固形腫瘍」と称されることが多い。広く発生する固形腫瘍の例としては、脳、乳房、子宮頸、結腸、頭頸部、腎臓、肺、卵巣、膵臓、前立腺、胃、及び子宮の癌、非小細胞肺癌、ならびに結腸直腸癌が挙げられるがこれらに限定されない。リンパ腫の種々の形態はまた、固形腫瘍の形成をもたらし得、したがって、これもまた固形腫瘍と見なされることが多い。
本発明の一実施形態に従って処置され得る癌には、したがって、白血病、腺癌及び扁平上皮細胞癌を含む癌腫が挙げられるがこれらに限定されない。癌腫はまた、上述のように、「固形腫瘍」と称されることが多く、本発明に従って治療され得る広く生じる固形腫瘍の例としては、肛門癌、膀胱癌、結腸癌、結腸直腸癌、十二指腸癌、胃(gastric)(胃(stomach))癌、肺(非小細胞)癌、食道癌、前立腺癌、腎臓癌、ならびに小腸の癌が挙げられるがこれらに限定されない。したがって、本発明の一実施形態は、白血病、膀胱癌、肺(非小細胞)癌、前立腺癌、ならびに消化管の癌(消化管の癌には、肛門癌、結腸癌、結腸直腸癌、十二指腸癌、胃(gastric)(胃(stomach))癌、食道癌、直腸癌、及び小腸癌が含まれるがこれらに限定されない)からなる群から選択される癌の治療における、式Iの化合物の使用を提供する。
本発明の一実施形態は、前立腺癌、非小細胞肺癌、結腸癌、腎臓癌、膵臓癌、白血病、リンパ腫、及び/または脳癌/腫瘍のうちの1つ以上の治療における、本発明の化合物の使用を提供する。
「白血病」という用語は、血液形成器官の進行性の悪性疾患を広範に指す。白血病は、典型的に、血液及び骨髄における白血球及びそれらの前駆体の歪んだ増殖及び発達を特徴とするが、未熟な赤血球に影響を及ぼす赤白血病といった他の血液細胞の悪性疾患も指し得る。白血病は、一般に、(1)疾患の期間及び特徴、すなわち急性または慢性、(2)関与する細胞の種類、すなわち骨髄(骨髄性)、リンパ(リンパ性)、または単球性、ならびに(3)血液中の異常細胞の数の増加または非増加、すなわち白血性または非白血性(亜白血性)に基づいて臨床的に分類される。白血病としては、例えば、急性非リンパ球性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性顆粒球性白血病、慢性顆粒球性白血病、急性前骨髄球性白血病、成人T細胞性白血病、非白血病性白血病、非白血球性白血病(aleukocythemic leukaemia)、好塩基球性白血病、芽細胞性白血病、ウシ白血病、慢性骨髄性白血病、皮膚白血病、胎児性白血病、好酸球性白血病、グロス白血病、有毛細胞性白血病、血芽球性白血病、血球芽細胞性白血病、組織球性白血病、幹細胞性白血病、急性単球性白血病、白血球減少性白血病、リンパ性白血病(lymphatic leukaemia)、リンパ芽球性白血病、リンパ球性白血病、リンパ行性白血病、リンパ性白血病(lymphoid leukaemia)、リンパ肉腫細胞性白血病、肥満細胞性白血病、巨核球性白血病、小骨髄芽球性白血病、単球性白血病、骨髄芽球性白血病、骨髄性白血病、骨髄顆粒球性白血病、骨髄単球性白血病、ネーゲリ白血病、形質細胞白血病、形質細胞性白血病、前骨髄芽球性白血病、リーダー細胞性白血病、シリング白血病、幹細胞性白血病、亜白血性白血病、及び未分化細胞性白血病が挙げられる。
「癌腫」という用語は、周囲組織に浸潤し、転移を生じる傾向にある上皮細胞からなる悪性の新成長物を指す。「癌腫」という用語はまた、腺癌を包含する。腺癌は、腺(分泌)の特性を有する器官を作る細胞に由来するか、または消化管もしくは気管支上皮等の管腔臓器の内側を覆う細胞に由来する癌腫であり、肺及び前立腺の腺癌を含む。
本発明によると、式I、式IV、及びそれらの亜属による化合物は、種々の段階及び等級の癌細胞、腫瘍、及び/または癌の発達及び進行を治療するために使用され得る。本発明は、したがって、例えば、疾患を治癒するか、または癌の寛解をもたらす目的で、小さい、成長の遅い、局所的、及び/または非侵攻性であり得る初期の新生物を含む早期癌の治療における組み合わせの使用、ならびに、例えば、疾患の進行を遅延させる、転移を低減させる、または患者の生存率を増加させるために、進行及び/または転移性及び/または侵攻性の新生物を含む、中期癌の治療における使用及び後期癌の治療における使用を企図する。同様に、これらの組み合わせは、低悪性度の癌、中悪性度の癌、及び/または高悪性度の癌の治療に使用され得る。
本発明はまた、本化合物を、遅発性癌、再発性癌、例えば局所再発性、遠位再発性、及び/または不応性癌(すなわち、治療に応答していない癌)、転移性癌、局所進行癌、及び侵攻性癌の治療において使用することができることを企図する。したがって、「進行」癌には、局所進行癌及び転移性癌が含まれ、患者における明白な疾患を指し、ここで、そのような明白な疾患は、外科手術または放射線療法といった局所治療法による治癒には適さない。「転移性癌」という用語は、身体の一部から別の部分に広がった癌を指す。進行癌はまた、切除不能であり得る、すなわち、それらは、周囲組織に広がっており、外科手術によって除去することができない。
当業者であれば、これらの分類のうちの多くが重複し得る、例えば、侵攻性癌は典型的に転移性でもあることを理解するであろう。本明細書に使用される「侵攻性癌」は、急速に成長する癌を指す。当業者であれば、乳癌または前立腺癌等のいくつかの癌に関して、「侵攻性癌」という用語は、所与の癌の再発期範囲のおおよそで最初の3分の2以内に再発した進行癌を指すが、小細胞肺癌(SCLC)等の他の種類の癌については、ほぼ全ての症例が、侵攻性と見なされる急速に成長する癌を呈することを理解するであろう。この用語は、したがって、ある特定の癌の種類の小区分を網羅し得るか、またはそれは、他の癌の種類の全てを包含し得る。
本化合物はまた、多剤耐性腫瘍を含む、薬物耐性癌を治療するために使用することができる。当該技術分野で既知のように、化学療法に対する癌細胞の耐性は、癌の管理における中心的な問題の1つである。
前立腺癌等のある特定の癌は、ホルモン療法、すなわち、身体の自然のホルモンを遮断することによってある特定の癌の成長を遅延または停止させる、ホルモン薬または抗ホルモン薬で、治療することができる。そのような癌は、ホルモン療法に対する耐性を生じ得るか、または本質的に耐性であり得る。本発明は、そのような「ホルモン耐性」または「ホルモン不応性」癌の治療における化合物の使用をさらに企図する。
本発明はまた、癌細胞の成長を選択的に阻害する「感作剤」としての化合物の使用を企図する。この場合、化合物単独では、癌細胞に対して細胞毒性効果を有さないが、癌細胞を弱める手段を提供し、従来的な抗癌治療の適用により得られる利益をさらに促進するか、またはそうでなければ該治療の効果を高める。
したがって、本発明は、1つ以上の化合物の治療有効量を、1つ以上の抗癌治療と一緒に対象に投与することを企図する。本化合物(複数可)は、抗癌治療での治療の前、最中、または後に投与され得る。「抗癌治療薬」は、癌細胞の成長及び/または転移を予防または遅延させる化合物、組成物、または治療である。そのような抗癌治療には、化学療法薬治療、放射線、遺伝子療法、ホルモン操作、免疫療法、及びアンチセンスオリゴヌクレオチド療法が挙げられるがこれらに限定されない。有用な化学療法薬の例には、ヒドロキシ尿素、ブスルファン、シスプラチン、カルボプラチン、クロラムブシル、メルファラン、シクロホスファミド、イホスファミド、ダノルビシン(danorubicin)、ドキソルビシン、エピルビシン、ミトキサントロン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、Navelbine(登録商標)(ビノレルビン)、エトポシド、テニポシド、パクリタキセル、ドセタキセル、ゲムシタビン、シトシン、アラビノシド、ブレオマイシン、ネオカルシノスタチン(neocarcinostatin)、スラミン、タキソール、マイトマイシンC等が挙げられるがこれらに限定されない。本発明の化合物はまた、2つ以上の化学療法剤を用いた標準的な組み合わせ治療での使用に好適である。本発明における使用のための抗癌治療にはまた、今後開発される新規な化合物または治療も含まれることが理解される。
V.薬学的組成物
本発明の化合物は、典型的に、投薬の前に製剤化される。本発明は、したがって、本発明の1つ以上の化合物と、薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤と、を含む薬学的組成物を提供する。薬学的組成物は、周知かつ容易に入手可能な成分を使用して既知の手順によって調製される。本発明の1つ以上の化合物を、1つ以上の既知の癌治療薬と組み合わせて含む薬学的組成物もまた、本発明によって企図される。
本発明の化合物または本化合物を含む薬学的組成物は、従来的な非毒性の薬学的に許容される担体、アジュバント、及びビヒクルを含有する投薬量単位製剤において、経口、局所、非経口、吸入もしくはスプレーによって、または直腸内に投与される。通常の治療過程において、活性化合物は、疎水性もしくは親水性のクリームもしくはローション等、患部への局所投与のための組成物を形成するために許容可能なビヒクルに組み込まれるか、またはシロップ、エリキシル、錠剤、トローチ、ロゼンジ、硬もしくは軟カプセル、丸剤、坐剤、油性もしくは水性懸濁液、分散粉末もしくは顆粒、エマルジョン、注射液、もしくは溶液等、経口、直腸、もしくは非経口投与に好適な形態に組み込まれる。本明細書に使用される非経口という用語には、皮下注射、皮内、関節内、静脈内、筋肉内、血管内、胸骨内、髄腔内注射、または注入技法が含まれる。
本発明はまた、本発明の化合物のうちの1つ以上と、ビヒクル、例えば、人工膜小胞(リポソーム、脂質ミセル等を含む)、微粒子、またはマイクロカプセルと、を含む薬学的組成物を提供する。
経口使用が意図される組成物は、固体または流体のいずれかの単位投薬形態で調製され得る。流体単位投薬形態は、当該技術分野で既知の薬学的組成物の製造の手順に従って調製され得、そのような組成物は、薬学的に洗練された味のよい調製物を提供するために、甘味剤、香味剤、着色剤、及び保存剤からなる群から選択される1つ以上の薬剤を含有し得る。エリキシルは、糖またはサッカリン等の好適な甘味剤を伴う水性アルコール(例えば、エタノール)ビヒクルを、芳香族香味剤とともに使用することによって調製される。懸濁液は、アカシア、トラガカント、メチルセルロース等の懸濁化剤を用いて水性ビヒクルによって調製することができる。
錠剤等の固体製剤は、錠剤の製造に好適な非毒性の薬学的に許容される賦形剤との混和物中に活性成分を含有する。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、またはリン酸ナトリウム:造粒剤及び崩壊剤、例えば、トウモロコシデンプン、またはアルギン酸:結合剤、例えば、デンプン、ゼラチン、またはアカシア、及び滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、またはタルク、ならびに他の従来的な成分、例えば、リン酸ニカルシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、硫酸カルシウム、デンプン、ラクトース、メチルセルロース、及び機能的に類似の物質であり得る。錠剤は、コーティングされてなくてもよく、またはそれらは、消化管での崩壊及び吸収を遅延させ、それによって、より長い期間持続した作用を提供するために、既知の技法によってコーティングされてもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリル等の時間遅延材料が用いられ得る。
経口使用のための製剤はまた、活性成分が不活性希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、またはカオリンと混合された硬ゼラチンカプセルとして、または活性成分が水もしくは油媒体、例えば、ピーナツ油、流動パラフィン、もしくはオリーブ油と混合された軟ゼラチンカプセルとして提示され得る。軟ゼラチンカプセルは、許容される植物油、軽流動ワセリン、または他の不活性油とともに、化合物のスラリーを機械カプセル封入することによって調製される。
水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に好適な賦形剤の混和物中に活性材料を含有し得る。そのような賦形剤は、懸濁化剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム(sodium carboxylmethylcellulose)、メチルセルロース、ヒドロプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガム、及びアカシアガムであり、分散剤または湿潤剤は、天然に存在するホスファチド、例えば、レシチン、またはアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物、例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン、またはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えば、ヘプタ−デカエチレンオキシセタノール(decaethyleneoxycetanol)、またはエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトール由来の部分エステルとの縮合生成物、例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール、またはエチレンオキシドと脂肪酸及び無水ヘキシトール由来の部分エステルとの縮合生成物、例えばモノオレイン酸ポリエチレンソルビタンであり得る。水性懸濁液はまた、1つ以上の保存剤、例えば、エチル、またはn−プロピル−p−ヒドロキシ安息香酸塩、1つ以上の着色剤、1つ以上の香味剤、または1つ以上の甘味剤、例えばスクロースもしくはサッカリンを含有し得る。
油性懸濁液は、活性成分を、植物油、例えば、ピーナツ油、オリーブ油、ゴマ油、もしくはココナツ油中、または鉱油、例えば流動パラフィン中に懸濁させることによって製剤化され得る。油性懸濁液は、増粘剤、例えば、蜜蝋、固形パラフィン、またはセチルアルコールを含有し得る。上述のもの等の甘味剤、及び香味剤は、味のよい経口調製物を提供するために添加され得る。これらの組成物は、アスコルビン酸等の抗酸化剤の添加によって保存され得る。
水の添加によって水性懸濁液を調製するのに好適な分散粉末及び顆粒は、分散剤もしくは湿潤剤、懸濁化剤、及び1つ以上の保存剤との混和物中の活性成分を提供する。好適な分散剤もしくは湿潤剤、及び懸濁剤は、既に上で言及されたものによって例証される。追加の賦形剤、例えば、甘味剤、香味剤、及び着色剤が存在してもよい。
本発明の薬学的組成物はまた、水中油エマルジョンの形態であり得る。油相は、植物油、例えば、オリーブ油もしくはピーナツ油、または鉱油、例えば、流動パラフィン、またはこれらの混合物であり得る。好適な乳化剤は、天然ガム、例えば、アカシアガムまたはトラガカントガム、天然のホスファチド、例えば、大豆、レシチン、ならびに脂肪酸及び無水ヘキシトール由来のエステルもしくは部分エステル、例えば、モノオレイン酸ソルビタン、及び該部分エステルとエチレンオキシドの縮合生成物、例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンであり得る。エマルジョンはまた、甘味剤及び香味剤を含有し得る。
薬学的組成物は、滅菌注射用水性懸濁液または油性懸濁液の形態であり得る。この懸濁液は、上に記載されている好適な分散剤もしくは湿潤剤及び懸濁化剤を使用して、既知の技術に従って製剤化され得る。滅菌注射用調製物はまた、非毒性の非経口で許容される希釈剤または溶媒中の滅菌注射用溶液または懸濁剤、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液であり得る。利用することができる許容されるビヒクル及び溶媒には、水、リンガー溶液、及び等張塩化ナトリウム溶液がある。加えて、滅菌の固定油が、溶媒または懸濁媒として従来的に用いられる。この目的のために、合成モノまたはジグリセリドを含む、任意の無刺激性固定油が利用され得る。加えて、オレイン酸等の脂肪酸も、注射剤の調製における使用を見出す。局所麻酔、保存剤、緩衝剤等のアジュバントもまた、注射溶液または懸濁液中に含まれ得る。
一般式Iの化合物(複数可)は、薬物の直腸投与のための坐剤の形態で、一緒または別個に投与され得る。これらの組成物は、薬物と、通常の温度では固体であるが、直腸内温度では液体であり、したがって、直腸内で溶けて薬物を放出する、好適な非刺激性賦形剤とを混合することによって調製され得る。そのような材料には、カカオ脂及びポリエチレングリコールが挙げられる。
他の薬学的組成物及び薬学的組成物を調製する方法は、当該技術分野で既知であり、例えば、“Remington:The Science and Practice of Pharmacy”(以前の“Remingtons Pharmaceutical Sciences”)、Gennaro,A.,Lippincott,Williams&Wilkins,Philidelphia,PA(2000)に記載される。
VI.化合物の投与
本発明の化合物は、治療される癌に応じて様々な経路で対象に投与することができる、例えば、化合物は、投薬単位製剤で、経口、局所、非経口、吸入もしくはスプレーによって、または直腸内に、投与され得る。一実施形態において、化合物は、例えば、対象の血流中へのボーラス注射もしくは注入によって、または経口投与によって、対象に全身投与され得る。1つ以上の既知の化学療法剤と併せて使用される場合、化合物は、化学療法剤の投与の前もしくは後に投与され得るか、またはそれらは同時に投与され得る。1つ以上の化学療法剤はまた、例えば、ボーラス注射、注入、または経口投与によって、全身投与され得る。
本発明の化合物は、ネオアジュバント療法(一次療法に対して)の一部として、またはアジュバント療法レジメンの一部として、使用され得る。本発明は、進行及び/または侵攻性腫瘍(すなわち、外科手術もしくは放射線療法等の局所治療法による治癒に適さない、対象における明白な疾患)、転移性疾患、局所進行疾患及び/または不応性腫瘍(すなわち、治療に応答しなかった癌もしくは腫瘍)の治療を含む、腫瘍発生及び進行の種々の段階での本発明の化合物の使用を企図する。
「一次療法」とは、対象における癌の初期診断時の最初の一連の治療を指す。例示的な一次療法は、外科手術、広範な化学療法、及び放射線療法を伴い得る。「アジュバント療法」は、一次療法の後に続き、再発の危険性のある対象に施される治療法を指す。アジュバント全身療法は、通常、再発を遅延させる、生存を延長させる、または対象を治癒するために、一次療法の直後に開始される。
本発明の化合物が、一次療法またはアジュバント療法の一部として、単独でか、または1つ以上の他の化学療法剤と組み合わせて使用され得ることが、企図される。本発明の化合物と標準的な化学療法薬との組み合わせは、化学療法薬の有効性を改善するように作用し得、したがって、これを使用して標準的な癌療法を改善させることができる。この用途は、標準的な治療に応答性でない薬物耐性癌の治療において重要であり得る。薬物耐性癌は、例えば、腫瘍細胞集団の不均一性、化学療法に応じた変化及び悪性度の増加から生じ得る。そのような変化は、進行した段階の疾患ではより顕著であることが多い。
投与される投薬量は、決まった限度に影響されるものではないが、通常は有効な量となるはずである。これは、通常、その所望される薬理学的及び生理学的効果を達成するために、活性な遊離薬物の代謝放出時に投薬製剤から産生される薬理学的に活性な遊離形態のモルに基づいて、同等となる。組成物は、単位投薬形態で製剤化され得る。「単位投薬形態」という用語は、ヒト対象及び他の哺乳動物のための単位投薬量として好適な物理的に分離した単位を指し、各単位が、所望の治療効果をもたらすように計算された所定の量の活性材料を、好適な薬学的賦形剤とともに含有する。各投薬単位中の化合物(複数可)の範囲の例は、約0.05〜約100mg、またはより一般的には約1.0〜約50mgである。
本発明の化合物の1日の投薬量は、典型的に、単一または分割用量で、約0.01〜約100mg/kg(体重)の範囲内となる。しかしながら、投与される化合物(複数可)の実際の量は、治療される状態、選択された投与経路、投与される実際の化合物、個々の患者の年齢、体重、及び応答、ならびに患者の症状の重症度を含む、関連する状況を考慮して、医師によって決定されることになることを理解されたい。上述の投薬量範囲は、例として提供されるに過ぎず、決して本発明の範囲を制限することを意図するものではない。いくつかの事例では、前述の範囲の下限よりも低い投薬量レベルで十分すぎる場合があるが、他の事例においては、さらにより高い用量が、例えば、より高い用量をまず一日を通した投与のためにいくつかのより低い用量に分割することによって、有害な副作用をもたらすことなく、用いられ得る。
VII.癌患者における臨床試験
当業者であれば、インビトロ及び動物モデルにおいて提示された式Iの化合物の有効性に従って、それを、標準的なGLP動物毒性及び薬物動態研究に適用し、次いで、癌の治療におけるその有効性をさらに評価し、治療用途のための規制認可を得るために、臨床試験に入れることができることを理解するであろう。当該技術分野で既知のように、臨床試験は、第I相、第II相、第III相、及び第IV相として特定される、試験相を通じて進行する。
まず、選択された式Iの化合物は、第I相臨床試験において評価されることになり、これは、通常、非盲検試験である。典型的に、第I相臨床試験は、最良の投与形式(例えば、丸剤による、もしくは注射による)、投与の頻度、及び化合物の毒性を決定するために用いられる。第I相研究には、患者の体内における式Iの化合物の効果を評価するために、血液試験及び生検等の実験室試験が含まれることが多い。第I相臨床試験のために、少人数の癌患者群を、特定の用量の式Iの化合物で処置する。試験中、典型的には、化合物に関連する最大耐容量(MTD)及び用量制限毒性(DLT)を決定するために、用量を群ごとに増加させる。このプロセスにより、後続の第II相臨床試験における使用に適切な用量を決定する。
第II相臨床試験は、本発明による化合物の有効性及び安全性をさらに評価するために行われ得る。第II相臨床試験においては、これらの化合物は、第I相臨床試験で有効であることが見出された投薬量を用いて、1つの特定の種類の癌または関連する癌のいずれかを有する患者の群に投与される。
第III相臨床試験は、化合物が、標準的な、または最も広く許容されている治療にどの程度匹敵するかどうかを決定することに焦点を当てる。第III相臨床試験では、患者を、2つ以上の「アーム」のうちの1つに割り当てる。2つのアームを用いる臨床試験では、例えば、1つのアームに標準的な治療を受容させ(対照群)、他のアームには本発明による化合物での治療を受容させる(治験群)。
第IV相臨床試験は、化合物の長期安定性及び有効性をさらに評価するために用いられる。第IV相臨床試験は、第I相、第II相、及び第III相臨床試験よりも一般的ではなく、化合物の標準的な使用が認可された後に行われる。
A.臨床試験のための患者の適格性
参加者の適格性基準は、一般(例えば、年齢、性別、癌の種類)から特定(例えば、これまでの治療の種類及び回数、腫瘍の特徴、血球数、器官の機能)の範囲に及び得る。適格性基準はまた、臨床試験相に応じて多様であり得る。例えば、第I相及び第II相臨床試験では、基準は、異常な器官機能または他の要因のために、治験治療による危険性にあり得る患者を除外することが多い。第II相及び第III相臨床試験では、疾患の種類及び段階、ならびにこれまでの治療の回数及び種類に関する追加の基準が含まれることが多い。
第I相癌臨床試験は、通常、他の治療の選択肢が有効でなかった15〜30人の参加者で構成される。第II相臨床試験は、典型的に、化学療法、外科手術、または放射線治療を既に受けているが、治療が有効ではなかった最大100人の参加者で構成される。第II相臨床試験の参加者は、以前に受けた治療に基づいて制限されることが多い。第III相臨床試験は、通常、数百〜数千人の参加者で構成される。本発明による化合物の有効性と、標準的な治療との間に実際に違いがあるかを決定するために、この多数の参加者が必要である。第III相は、新たに癌と診断されたものから、疾患の連続体を網羅するために広範囲の疾患を有するものまでに至る患者で構成される。
当業者であれば、治療がより狭義の集団において有効であるかどうかを決定するにはあまりに多様すぎる研究集団にすることなく、臨床試験が可能な限り包括的であるように設計されるべきであることを理解するであろう。臨床試験に含まれる集団が多様であるほど、結果は、特に第III相臨床試験において、一般集団に適用可能となり得る。臨床試験の各相における適切な参加者の選択は、当業者の技能の範囲内であると考えられる。
B.治療前の患者の評価
研究の開始の前に、当該技術分野で既知のいくつかの尺度を使用して、まず患者を分類することができる。患者を、まず、例えば、Eastern Cooperative Oncology Group(ECOG)Performance Status(PS)尺度を使用して評価することができる。ECOG PSは、患者における機能的損傷によって測定される患者の疾患の進行を評価するための広く許容される基準であり、ECOG PS 0は、機能的損傷がないことを示し、ECOG PS 1及び2は、患者が徐々に増す機能的損傷を有するが、依然として歩行可能であることを示し、ECOG PS 3及び4は、進行性の身体不能及び運動性の欠如を示す。
患者の全体的な生活の質は、例えば、McGill Quality of Life Questionnaire(MQOL)(Cohen et al(1995)Palliative Medicine 9:207−219)を使用して評価され得る。MQOLは、身体症状;身体的、精神的、及び実存的な健康;補助;ならびに全体的な生活の質を測定する。吐き気、気分、食欲、不眠、運動性、及び疲労等の症状を評価するために、McCorkle及びYoungによって開発されたSymptom Distress Scale(SDS)((1978)Cancer Nursing 1:373−378)を使用することができる。
患者はまた、患者の疾患の種類及び/もしくは段階、ならびに/または腫瘍寸法によって分類されてもよい。
C.薬物動態監視
第I相基準を満たすために、化合物の分布を、例えば、一定間隔で採取した血液または尿等の試料の化学的分析によって監視する。例えば、試料は、注入開始後最大約72時間まで、一定間隔で採取され得る。一実施形態において、試料は、化合物の各注入の開始後、0、0.33、0.67、1、1.25、1.5、2、4、6、8、12、24、48、及び72時間で採取される。
分析が即座に行われない場合、試料は、採取後にドライアイスの上に置かれ、続いて、冷凍庫に移され、分析が行われ得るまで−70℃で保管され得る。当該技術分野で既知の標準的な技法を使用して、分析のための試料が調製され得、存在する化合物の量は、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって決定され得る。
熟練の臨床薬理学者と共同して薬物動態データが生成及び分析され、例えば、クリアランス、半減期、及び最大血漿濃度を決定するために使用され得る。
D.患者の予後の監視
臨床試験のエンドポイントは、評価中の化合物の有効性を示す測定可能な予後である。エンドポイントは、臨床試験の開始前に確立され、臨床試験の種類及び相に応じて多様となる。エンドポイントの例としては次のものが挙げられる、例えば、腫瘍応答率、すなわち、腫瘍の寸法が特定の量低減された臨床試験参加者の割合、通常はパーセンテージで記載される;無病生存期間、癌が発症または再発することなく参加者が生存した時間の長さ、通常は月単位で測定される;全体的な生存期間、すなわち、参加者が生存した期間の長さ、典型的には臨床試験の開始から死亡時点までが測定される。進行及び/または転移性癌については、疾患の安定性、すなわち、疾患が安定した、例えば、腫瘍(複数可)の成長及び/または転移が停止した臨床試験参加者の割合が、エンドポイントとして使用され得る。他のエンドポイントには、毒性及び生活の質が挙げられる。
腫瘍応答率は、第II相臨床試験における典型的なエンドポイントである。しかしながら、治療が、参加者の腫瘍の寸法を低減させ、無病生存期間を延長させたとしても、全体的な生存期間を延長させない可能性がある。そのような事例では、副作用及び全体的な生存期間の延長失敗が、より長期の無疾患生存期間の利点を上回る可能性がある。あるいは、無腫瘍期間中の参加者の改善された生活の質が、他の要因を上回り得る。したがって、腫瘍応答率は、一時的なものであることが多く、参加者の長期生存の利点につながらない可能性があるため、応答率は、第II相臨床試験の治療の有効性の妥当な尺度であるが、典型的に、第III相臨床試験のエンドポイントとしては参加者の生存期間及び生活の質が使用される。
VIII.キット
本発明は、本発明の1つ以上の化合物を含む治療キットをさらに提供する。一実施形態において、治療キットは、癌の治療に使用するためのものである。キットの内容物は、凍結乾燥されていてもよく、キットは、凍結乾燥成分の再構成に好適な溶媒をさらに含み得る。キットの個々の構成要素は、別個の容器中に包装され、このような容器に関連して、医薬品または生物学的製品の製造、使用、または販売を規制する政府機関により指示された形態で注意書きがあってもよく、この注意書きは、ヒトまたは動物への投与のための製造、使用、または販売の機関による承認を反映する。
キットの構成要素が1つ以上の液体溶液中に提供される場合、液体溶液は、水溶液、例えば、滅菌水溶液であり得る。インビボでの使用のために、化合物は、薬学的に許容される注射可能な組成物に製剤化され得る。この場合、容器手段は、それ自体が吸入器、シリンジ、ピペット、点眼器、または他の同様の装置であり得、製剤が、そこから対象の感染領域、例えば肺に適用されるか、対象に注射されるか、またはさらにはキットの他の構成要素に適用され、それと混合され得る。
組み合わせ療法用途のために本発明1つ以上の化合物を1つ以上の標準的な化学療法薬と組み合わせて含む薬学的キットまたはパックもまた、本発明によって企図される。
本発明は、これから、具体的な実施例に関して記載される。以下の実施例は、本発明の実施形態を説明することを意図するものであり、決して本発明を制限することを意図するものではないことを理解されたい。
実施例1:化合物の調製
本発明の化合物またはその中間体を調製するために有用ないくつかの例示的な単離及び精製、ならびに合成方法を、以下に記載する。
式(I)の例示的な化合物を、以下に示されるスキーム(I)に従って調製した。
典型的な手順において、1mmol(1当量)の1,10−フェナントロリン−5,6−ジオンを、氷酢酸中、等モル量の対応するアルデヒド及び酢酸アンモニウム10.5mmol(10.5当量)とともに還流させた。反応プロセスを、試薬の完全な消費が達成されるまで、TLCによって監視した。反応の完了後、反応物を室温に冷却し、10〜15cで冷水で希釈した。反応混合物を、20℃未満で水酸化アンモニウムでpH7〜7.5に塩基性にした。分離した沈殿物を濾過し、水で洗浄した後、冷却したエタノールで洗浄し、乾燥させて、所望の生成物を得た。
式(VII)のアルデヒドを、以下のスキーム2に従って調製した。
典型的な実験手順(Indian Journal of chemistry Vol,44 B pp..1868−1875)において、60モルのPOClを、0〜5℃で乾燥ジメチルホルムアミド(DMF)中、適切なフェニルアセトアミドVIII(無水酢酸を対応するアニリンと反応させて調製する)の攪拌溶液に滴下添加した。混合物を室温で0.5時間撹拌し、80〜90℃で8〜10時間撹拌した後、室温に冷却し、砕いた氷に注ぎ、0.5時間撹拌した。結果として得られた固体を濾過し、水で十分に洗浄し、乾燥させ、好適な溶媒から再結晶化させて、化合物IXを得た。
70%酢酸中の化合物IXの懸濁液を、8時間加熱還流した。反応プロセスを、試薬の完全な消費が達成されるまで、TLCによって監視した。反応が完了した後、反応物を室温に冷却し、沈殿物を濾過し、乾燥させ、DMFを有する化合物(V)を使用して再結晶化させた。
式(I)の例示的な化合物を、以下のスキーム(3)に従って調製した。
典型的な手順において、1mmol(1当量)の1,10−フェナントロリン−5,6−ジオンを、氷酢酸中、等モル量の対応するアルデヒド及び酢酸アンモニウム10.5mmol(10.5当量)とともに還流させた。反応プロセスを、試薬の完全な消費が達成されるまで、TLCによって監視した。反応の完了後、反応物を室温に冷却し、10〜15cで冷水で希釈した。反応混合物を、20℃未満で水酸化アンモニウムでpH7〜7.5に塩基性にした。分離した沈殿物を濾過し、水で洗浄した後、冷却したエタノールで洗浄し、乾燥させて、所望の生成物を得た。
式(X)のアルデヒドを、スキーム(4)に従って調製した。
適切な無水アルコール(20倍)中のKOH(1g)中、化合物XI(0.1g)の溶液を、出発物質が消失するまで室温で24時間撹拌した。混合物を、次いで、砕いた氷に注ぎ、2N HClで中和した。沈殿物を濾過して除き、乾燥させ、ヘキサン中5〜10%の酢酸エチルを使用してフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。溶媒を蒸発させて、所望されるアルデヒドを得た。
化合物1の合成
1,10−フェナントロリン−5,6−ジオン(化合物V)(0.1g)及び2−オキソ−6(プロパン−2イル)−1,2−ジヒドロキノリン−3−カルバルデヒド(0.102g)の懸濁液を、酢酸(酢酸アンモニウム(0.384gの存在下で15ml)中で2〜3時間還流させた。反応物を室温に冷却し、10〜15cで水(50ml)で希釈した。反応混合物を、20℃未満で水酸化アンモニウムでpH7〜7.5まで塩基性にした。分離した沈殿物を濾過し、水、冷却したエタノールで洗浄し、そうして乾燥させて、淡黄色の固体として所望の生成物を得た(1.1g収率57%)LCMS M/z 406 M+H
さらなる例示的な化合物の構造を、式(I)及び(IV)の具体的な実施形態として以下に列挙する。
実施例2:インビトロでの増殖の阻害
ヒト癌細胞における細胞増殖研究
ヒト腎臓癌細胞(ACHN及びCAK−1)、ヒト膵臓細胞(BXPC3及びSU−86−86)、ヒト前立腺癌細胞(DU14)、ヒト結腸癌種細胞(HT−29及びKM−12)、白血病細胞(HL60)、脳癌/腫瘍細胞(SK−A−AS、U87−MG)、ならびにヒト非小細胞肺癌細胞(H460)を使用して、例示的な化合物1〜8を、インビトロでの抗癌活性に関して試験した。化合物1〜8は、本出願で上述された式(I)及び式(IV)の具体的な実施形態である。
細胞を、成長培地;2mM L−グルタミン(Gibco,Grand Island,NY)、10%ウシ胎児血清(FBS)(Multicell,WISENT Inc.St−Bruno,QC)、抗生物質−抗真菌(Multicell)を補充したマッコイ5A改変培地(Sigma,St.Louis,MO)中、37℃で5%CO加湿インキュベーターにおいて単層として維持した。細胞を150mmの組織培養プレートに移し、それらの使用前にサブコンフルエンシー(70〜80%)まで成長させた。細胞を表1に示される種々の濃度の例示的な化合物とともに5日間インキュベートすることによって、化合物のインビトロでの抗増殖活性を評価した。この細胞増殖アッセイにおけるこれらの化合物の有効性を、生細胞がテトラゾリウム塩XTTをオレンジ色のホルマザン化合物に還元する能力に基づいて測定した(XTT細胞増殖キットII、Roche Applied Science,Montreal,QC)。これらの実験の結果を、表3に示す。
ヒト及びマウスのリンパ腫細胞における細胞増殖研究
この研究では、化合物1〜8を、細胞成長阻害活性に関して、4つのマウスリンパ腫細胞系及び2つのヒトリンパ腫細胞系のパネルに対してインビトロでスクリーニングした。処置後に、インビトロでの吸収、分布、代謝、及び排出(ADME)スクリーニングの評価に最も有効な化合物を選択する目的で、半最大阻害濃度(IC50)を決定した。
細胞系
ヒトバーキットリンパ腫Raji細胞(ATCC CCL−86)を、10%ウシ胎児血清(FBS)、10mM HEPES KOH pH7.4、及び2mMピルビン酸ナトリウムを補充したRoswell Park Memorial Institute(RPMI)1640培地中の懸濁液中で、37℃で空気中5%COの雰囲気下において成長させた。対数的に成長する細胞を、週2回定期的に継代培養した。簡単に述べると、細胞を遠心分離によって回収し、事前に温めた培地に再懸濁させ、75cmのフラスコに1:10で希釈した。
同様に、ヒトバーキットリンパ腫Ramos細胞(ATCC CRL−1596)を、10%ウシ胎児血清(FBS)、10mM HEPES KOH pH7.4、及び2mMピルビン酸ナトリウムを補充したRoswell Park Memorial Institute(RPMI)1640培地中の懸濁液中で成長させた。マウスP388D1(ATCC CCL−46)及びWR19L(ATCC TIB−52)細胞を、10%ウシ胎児血清(FBS)、10mM HEPES、及び2mMピルビン酸ナトリウムを有するダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中の懸濁液中で成長させた。マウスWEHI231(ATCC CRL−1702)及びEL4(ATCC TIB−39)細胞を、10%ウシ胎児血清(FBS)、10mM HEPES KOH pH7.4、2mMピルビン酸ナトリウム、及び0.05mMβ−メルカプトエタノールを有するDMEM中の懸濁液中で成長させた。全ての細胞を、空気中5%CO雰囲気下において37℃で維持した。対数的に成長する細胞を、週2回定期的に継代培養した。簡単に述べると、細胞を、遠心分離によって回収し、事前に温めた培地中に再懸濁させ、75cmのフラスコに1:10で希釈した。
細胞成長阻害アッセイ
細胞を継代培養し、4×10個の細胞(50μL)をFalcon 96ウェルの組織培養プレートの各ウェルに移した。例示的な化合物を、10mMの濃度で純粋なジメチルスルホキシド(DMSO)中に溶解した。この10mMのストック溶液から、DMSO中で0.52μM〜10mMの範囲で12回の連続した連続希釈(2.5倍希釈)を行った。これらのストック希釈物を使用して、それぞれ5μLを500μLの培地に添加し、これを50μL、細胞に添加した。試験される最終濃度は、0.0026μM〜50μMの範囲に及んだ。各濃度を三連に試験し、DMSO及び未処置細胞も対照として含んだ。化合物とともに5日間インキュベートした後、細胞生存率をXTT細胞増殖キット(Roche、カタログ番号11 465 015 001)を使用して決定した。XTTプロトコルに従って、試薬添加の4.5〜24時間後に、プレートをμQuant 96ウェルプレート分光光度計(Biotek Instruments Inc.)で読み取り、結果を分析してIC50を決定した。
結果
ヒト及びマウスリンパ腫細胞系のパネルに対して8つの例示的な化合物を使用して、インビトロでの効力を評価した(表4)。化合物の全てがマイクロモル以下の範囲のIC50値でモデル細胞系の成長を効果的に阻害した(RamosのIC50は0.018〜0.163μM;EL4のIC50は0.057〜0.518μM;P388D1のIC50は0.052〜0.414μM;WEHI231のIC50は0.0030〜0.0126μM;WR19LのIC50は<0.0026〜0.082μM、表5より)。細胞成長阻害における化合物の有効性をスクリーニングした細胞系の全パネルにわたって比較するために、8つの化合物を、1が最も有効(最も低いIC50値)を示し、8が最も低い有効性(最も高いIC50値)である数値で、各細胞系に対する有効性によってランク付けした。一貫して細胞成長を阻害するのに最も活性な化合物は、その上位ランクからの低い変動を示す低い標準偏差で1に近い平均ランクを有することが予測される。試験した化合物の中で、最も効力の高い候補は、化合物6、8、4、及び7であり、これらは、それぞれ、1.3、1.7、4.2、及び4.8の平均ランクを有した(表6を参照されたい)。化合物6及び8は、一貫して、それらの平均ランクが低く(0.5)、それらの上位ランクからの変動がないことを示すため、最も有効な化合物であった。化合物のパネルのうち最も効力が低かったのは化合物1であった(平均ランク6.2)。
実施例3:結腸癌種異種移植片モデルにおける化合物1のインビボでの有効性
結腸腫瘍の成長をインビボで阻害する化合物1の能力を次のように試験した。CD−1雌ヌードマウス(処置群当たり7匹、6〜7週齢)に、ヒト結腸腺癌細胞HT−29細胞(0.1mlのPBS中3×10個の細胞)を腹腔内注射した。ビヒクルまたは50mg/kg/日の化合物3でのマウスの処置を、接種5日後(腫瘍寸法=20〜40mm)に開始し、5日間の後に2日間の休薬がある7日周期で5週間行った。腫瘍の大きさはノギスを使用して実験過程にわたって測定し、腫瘍の重量は動物を屠殺した後に測定した。化合物1は、腫瘍寸法によって測定されるように、ビヒクル処置対照動物と比較して腫瘍成長を阻害することができた(図1を参照されたい)。
類似の試験を、結腸癌種KM−12細胞及び結腸癌種SW−620細胞を用いて行った。これらの試験の結果を、図2及び3に示し、化合物1は、腫瘍寸法によって測定されるように、ビヒクル処置対照動物と比較して、腫瘍成長を阻害することができた。
腎臓細胞癌腫成長を阻害する(図4を参照されたい)、膵臓癌腫成長を阻害する(図5を参照されたい)、大細胞肺癌細胞成長を阻害する(図6)、及び膠芽腫細胞成長を阻害する(図7)化合物1の能力を、上述の一般手順に従って試験した。これらの試験の結果は、化合物1が、腫瘍寸法によって測定されるように、ビヒクル処置対照動物と比較して、腫瘍成長を阻害することができたことを示す。
本明細書中で参照される公開された特許出願を含む、全ての特許、刊行物、及びデータベースエントリは、それぞれのそのような個別の特許、刊行物、及びデータベースエントリが、参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されるのと同程度に、参照によりその全体が具体的に組み込まれる。
本発明は、ある特定の具体的な実施形態に関して記載されているが、添付の特許請求の範囲に概説される本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、その種々の変化形が当業者には明らかであろう。
本発明の別の態様によると、抗癌組成物の調製における、構造式(IV)を有する化合物、またはその塩もしくは溶媒和物の使用が提供される。いくつかの実施形態において、本化合物は、リンパ腫の治療に有用である。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
式(I)の化合物

またはその塩もしくは溶媒和物であって、式中、
CとXとの間、及びCとYとの間の

は、単結合または二重結合を示し、

のうちの少なくとも1つは単結合であり、
Xは、CとXとの間の

が単結合であるとき、任意に置換されるアルコキシもしくはNR であるか、または
Xは、CとXとの間の

が二重結合であるとき、Oであり、
Yは、CとYとの間の

が二重結合であるとき、Nであるか、またはYは、CとYとの間の

が単結合であるとき、NHであり、
及びR は、独立して、H、任意に置換されるアルキル、または任意に置換されるアルコキシであり、
及びR は、一緒になって、NまたはOである少なくとも1つのヘテロ原子を有する5または6員の任意に置換される複素環を形成するが、
ただし、XがOであり、CとXとの間の

が二重結合であるとき、R 及びR はいずれもHでないことを条件とする、前記化合物、またはその塩もしくは溶媒和物。
(項目2)
及びR は、独立して、H、C1−C6アルキル、または−O−C1−C6アルキルである、項目1に記載の化合物。
(項目3)
はHであり、R はC1−C6アルキルまたは−O−C1−C6アルキルである、項目1または2に記載の化合物。
(項目4)
及びR は、Hである、項目1または2に記載の化合物。
(項目5)
Xは、−O−C1−C6アルキルまたはNR であり、CとXとの間の

は単結合である、項目1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
(項目6)
前記化合物は、構造式

を有し、式中、

は、単結合または二重結合を示し、
Xは、

が単結合であるとき、任意に置換されるアルコキシもしくはNR であるか、または
Xは、

が二重結合であるとき、Oであり、
及びR は、独立して、H、任意に置換されるアルキル、または任意に置換されるアルコキシであり、
及びR は、一緒になって、NまたはOである少なくとも1つのヘテロ原子を有する5または6員の任意に置換される複素環を形成するが、
ただし、XがOであり、CとXとの間の

が二重結合であるとき、R 及びR はいずれもHでないことを条件とする、項目1に記載の化合物、またはその塩もしくは溶媒和物。
(項目7)

が単結合であるとき、Xは、−O−C1−C6アルキルもしくはNR であるか、または

が二重結合であるとき、XはOである、項目6に記載の化合物。
(項目8)
及びR は、独立して、H、C1−C6アルキル、または−O−C1−C6アルキルである、項目6または7に記載の化合物。
(項目9)
はHであり、R は、H、任意に置換されるアルキル、または任意に置換されるアルコキシである、項目6または7に記載の化合物。
(項目10)
はHであり、R は、H、C1−C6アルキル、または−O−C1−C6アルキルである、項目9に記載の化合物。
(項目11)

からなる群から選択される、項目6に記載の化合物。
(項目12)
前記化合物は、構造式

を有し、式中、
Xは、任意に置換されるアルコキシまたはNR であり、
及びR は、独立して、H、任意に置換されるアルキル、または任意に置換されるアルコキシであり、
及びR は、一緒になって、NまたはOである少なくとも1つのヘテロ原子を有する5または6員の任意に置換される複素環を形成する、項目1に記載の化合物、またはその塩もしくは溶媒和物。
(項目13)
及びR は、独立して、H、C1−C6アルキル、または−O−C1−C6アルキルである、項目12に記載の化合物。
(項目14)
はHであり、R は、H、C1−C6アルキル、または−O−C1−C6アルキルである、項目13に記載の化合物。
(項目15)
Xは、−O−C1−C6アルキルである、項目12〜14のいずれか1項に記載の化合物。
(項目16)
XはNR であり、R 及びR は、一緒になって、NまたはOである少なくとも1つのヘテロ原子を有する5または6員の複素環を形成する、項目12〜14のいずれか1項に記載の化合物。
(項目17)

からなる群から選択される、項目12に記載の化合物。
(項目18)
式(IV)の化合物、

またはその塩もしくは溶媒和物であって、式中、
及びR 、またはR 及びR 、またはR 及びR 、またはR 及びR のうちの1つは、それらが結合する炭素原子と一緒になると、NまたはOである少なくとも1つのヘテロ原子を有する5または6員の任意に置換される複素環を形成し、
R1〜R5の残りは、独立して、H、任意に置換されるアルキル、または任意に置換されるアルコキシである、前記化合物、またはその塩もしくは溶媒和物。
(項目19)
及びR 、またはR 及びR 、またはR 及びR 、またはR 及びR のうちの1つは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、

を形成し、式中、R 及びR は、−R 、ハロ、または−OR であり、
は、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、R は、独立して、水素またはR である、項目18に記載の化合物。
(項目20)
〜R の残りは、それぞれ、Hである、項目18または19に記載の化合物。
(項目21)
及びR は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、

を形成し、R 、R 、及びR は、それぞれ、Hである、項目18〜20のいずれか1項に記載の化合物。
(項目22)
及びR は、ハロである、項目18〜21のいずれか1項に記載の化合物。
(項目23)
前記化合物は、

である、項目18に記載の化合物。
(項目24)
項目1〜23のいずれか1項に記載の化合物、またはその塩もしくは溶媒和物と、薬学的に許容される担体とを含む、薬学的組成物。
(項目25)
前記化合物は、項目11、17、及び23のいずれか1項に記載の化合物から選択される、項目24に記載の薬学的組成物。
(項目26)
癌細胞の増殖の阻害を、それを必要とする対象において行う方法であって、前記癌細胞を、項目1〜23のいずれか1項に記載の化合物で処置することを含む、前記方法。
(項目27)
前記癌細胞は、インビトロである、項目26に記載の方法。
(項目28)
哺乳動物における癌を治療する方法であって、前記哺乳動物に、項目1〜23のいずれか1項に記載の化合物の有効量を投与することを含む、前記方法。
(項目29)
前記癌は、腎臓癌、膵臓癌、前立腺癌、結腸癌、白血病、リンパ腫、脳癌/腫瘍、または非小細胞肺癌である、項目26または28に記載の方法。
(項目30)
前記癌は、リンパ腫である、項目26または28に記載の方法。

Claims (30)

  1. 式(I)の化合物

    またはその塩もしくは溶媒和物であって、式中、
    CとXとの間、及びCとYとの間の

    は、単結合または二重結合を示し、

    のうちの少なくとも1つは単結合であり、
    Xは、CとXとの間の

    が単結合であるとき、任意に置換されるアルコキシもしくはNRであるか、または
    Xは、CとXとの間の

    が二重結合であるとき、Oであり、
    Yは、CとYとの間の

    が二重結合であるとき、Nであるか、またはYは、CとYとの間の

    が単結合であるとき、NHであり、
    及びRは、独立して、H、任意に置換されるアルキル、または任意に置換されるアルコキシであり、
    及びRは、一緒になって、NまたはOである少なくとも1つのヘテロ原子を有する5または6員の任意に置換される複素環を形成するが、
    ただし、XがOであり、CとXとの間の

    が二重結合であるとき、R及びRはいずれもHでないことを条件とする、前記化合物、またはその塩もしくは溶媒和物。
  2. 及びRは、独立して、H、C1−C6アルキル、または−O−C1−C6アルキルである、請求項1に記載の化合物。
  3. はHであり、RはC1−C6アルキルまたは−O−C1−C6アルキルである、請求項1または2に記載の化合物。
  4. 及びRは、Hである、請求項1または2に記載の化合物。
  5. Xは、−O−C1−C6アルキルまたはNRであり、CとXとの間の

    は単結合である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
  6. 前記化合物は、構造式

    を有し、式中、

    は、単結合または二重結合を示し、
    Xは、

    が単結合であるとき、任意に置換されるアルコキシもしくはNRであるか、または
    Xは、

    が二重結合であるとき、Oであり、
    及びRは、独立して、H、任意に置換されるアルキル、または任意に置換されるアルコキシであり、
    及びRは、一緒になって、NまたはOである少なくとも1つのヘテロ原子を有する5または6員の任意に置換される複素環を形成するが、
    ただし、XがOであり、CとXとの間の

    が二重結合であるとき、R及びRはいずれもHでないことを条件とする、請求項1に記載の化合物、またはその塩もしくは溶媒和物。

  7. が単結合であるとき、Xは、−O−C1−C6アルキルもしくはNRであるか、または

    が二重結合であるとき、XはOである、請求項6に記載の化合物。
  8. 及びRは、独立して、H、C1−C6アルキル、または−O−C1−C6アルキルである、請求項6または7に記載の化合物。
  9. はHであり、Rは、H、任意に置換されるアルキル、または任意に置換されるアルコキシである、請求項6または7に記載の化合物。
  10. はHであり、Rは、H、C1−C6アルキル、または−O−C1−C6アルキルである、請求項9に記載の化合物。

  11. からなる群から選択される、請求項6に記載の化合物。
  12. 前記化合物は、構造式

    を有し、式中、
    Xは、任意に置換されるアルコキシまたはNRであり、
    及びRは、独立して、H、任意に置換されるアルキル、または任意に置換されるアルコキシであり、
    及びRは、一緒になって、NまたはOである少なくとも1つのヘテロ原子を有する5または6員の任意に置換される複素環を形成する、請求項1に記載の化合物、またはその塩もしくは溶媒和物。
  13. 及びRは、独立して、H、C1−C6アルキル、または−O−C1−C6アルキルである、請求項12に記載の化合物。
  14. はHであり、Rは、H、C1−C6アルキル、または−O−C1−C6アルキルである、請求項13に記載の化合物。
  15. Xは、−O−C1−C6アルキルである、請求項12〜14のいずれか1項に記載の化合物。
  16. XはNRであり、R及びRは、一緒になって、NまたはOである少なくとも1つのヘテロ原子を有する5または6員の複素環を形成する、請求項12〜14のいずれか1項に記載の化合物。

  17. からなる群から選択される、請求項12に記載の化合物。
  18. 式(IV)の化合物、

    またはその塩もしくは溶媒和物であって、式中、
    及びR、またはR及びR、またはR及びR、またはR及びRのうちの1つは、それらが結合する炭素原子と一緒になると、NまたはOである少なくとも1つのヘテロ原子を有する5または6員の任意に置換される複素環を形成し、
    R1〜R5の残りは、独立して、H、任意に置換されるアルキル、または任意に置換されるアルコキシである、前記化合物、またはその塩もしくは溶媒和物。
  19. 及びR、またはR及びR、またはR及びR、またはR及びRのうちの1つは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、

    を形成し、式中、R及びRは、−R、ハロ、または−ORであり、
    は、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、Rは、独立して、水素またはRである、請求項18に記載の化合物。
  20. 〜Rの残りは、それぞれ、Hである、請求項18または19に記載の化合物。
  21. 及びRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、

    を形成し、R、R、及びRは、それぞれ、Hである、請求項18〜20のいずれか1項に記載の化合物。
  22. 及びRは、ハロである、請求項18〜21のいずれか1項に記載の化合物。
  23. 前記化合物は、

    である、請求項18に記載の化合物。
  24. 請求項1〜23のいずれか1項に記載の化合物、またはその塩もしくは溶媒和物と、薬学的に許容される担体とを含む、薬学的組成物。
  25. 前記化合物は、請求項11、17、及び23のいずれか1項に記載の化合物から選択される、請求項24に記載の薬学的組成物。
  26. 癌細胞の増殖の阻害を、それを必要とする対象において行う方法であって、前記癌細胞を、請求項1〜23のいずれか1項に記載の化合物で処置することを含む、前記方法。
  27. 前記癌細胞は、インビトロである、請求項26に記載の方法。
  28. 哺乳動物における癌を治療する方法であって、前記哺乳動物に、請求項1〜23のいずれか1項に記載の化合物の有効量を投与することを含む、前記方法。
  29. 前記癌は、腎臓癌、膵臓癌、前立腺癌、結腸癌、白血病、リンパ腫、脳癌/腫瘍、または非小細胞肺癌である、請求項26または28に記載の方法。
  30. 前記癌は、リンパ腫である、請求項26または28に記載の方法。

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