例示的実施形態の説明
本発明の例示的実施形態を記載することとする。本明細書中に記載の例示的実施形態の種々の修正形態、適合形態、または変形形態は、そのようなものとして開示されていることが当業者に明らかとなり得る。本発明の教示に依存し、それによってこれらの教示が当該技術を進歩させている、全てのかかる修正形態、適合形態、または変形形態は本発明の範囲および精神の範囲内であると見なされると理解されるであろう。
本発明の組成物に含めることができる種々の構成要素および成分についての重複した重量範囲が、本発明の選択された実施形態および態様について表現されているが、開示の組成物中の各成分の具体的な量は、各成分の量が、組成物中のすべての成分の和が合計100重量%となるよう調整されるように、その開示の範囲から選択されるのは容易に明らかなはずである。使用される量は、所望の製品の目的および特徴によって変化することになり、それらは当業者によって容易に決定することができる。
両親媒性ポリマー
本発明の実施において有用な非イオン性の両親媒性ポリマーを、フリーラジカル重合性不飽和を含むモノマー成分から重合する。1つの実施形態では、本発明の実施において有用な非イオン性の両親媒性ポリマーを、少なくとも1つの非イオン性親水性不飽和モノマーおよび少なくとも1つの不飽和疎水性モノマーを含むモノマー組成物から重合する。別の実施形態では、本発明の実施において有用な非イオン性の両親媒性ポリマーを架橋する。架橋ポリマーを、少なくとも1つの非イオン性親水性不飽和モノマー、少なくとも1つの不飽和疎水性モノマー、および少なくとも1つの多価不飽和架橋性モノマーを含むモノマー組成物から調製する。
1つの実施形態では、コポリマーを、存在する親水性モノマーおよび疎水性モノマーの総重量に基づいて1つの態様では約5:95重量%〜約95:5重量%、別の態様では約15:85重量%〜約85:15重量%、1つのさらなる態様では約30:70重量%〜約70:30重量%の親水性モノマーと疎水性モノマーの比を典型的に有するモノマー組成物から調製することができる。親水性モノマー成分は単一の親水性モノマーまたは親水性モノマーの混合物から選択することができ、疎水性モノマー成分は単一の疎水性モノマーまたは疎水性モノマーの混合物から選択することができる。
親水性モノマー
本発明の架橋された非イオン性の両親媒性ポリマー組成物の調製に適切な親水性モノマーは、ヒドロキシ(C1〜C5)アルキル(メタ)アクリレート;開鎖および環式のN−ビニルアミド(ラクタム環部分中に4〜9個の原子を含むN−ビニルラクタム、ここで、環炭素原子を、任意選択的に、メチル、エチル、またはプロピルなどの1つまたは複数の低級アルキル基に置換することができる);(メタ)アクリルアミド、N−(C1〜C5)アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(C1〜C5)アルキル(メタ)アクリルアミド、N−(C1〜C5)アルキルアミノ(C1〜C5)アルキル(メタ)アクリルアミド、およびN,N−ジ(C1〜C5)アルキルアミノ(C1〜C5)アルキル(メタ)アクリルアミドから選択されるアミノ基含有ビニルモノマーから選択されるが、これらに限定されず、ここで、二置換アミノ基上のアルキル部分は同一であっても異なっていてもよく、一置換および二置換のアミノ基上のアルキル部分を、ヒドロキシル基に任意選択的に置換することができ;他のモノマーには、ビニルアルコール;ビニルイミダゾール;および(メタ)アクリロニトリルが含まれる。前述のモノマーの混合物も利用することができる。
ヒドロキシ(C
1〜C
5)アルキル(メタ)アクリレートを、以下の式:
(式中、Rは水素またはメチルであり、R
1は、1〜5個の炭素原子を含む2価のアルキレン部分であり、アルキレン部分を、任意選択的に、1つまたは複数のメチル基に置換することができる)によって構造的に示すことができる。代表的なモノマーには、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、およびその混合物が含まれる。
代表的な開鎖N−ビニルアミドには、N−ビニルホルムアミド、N−メチル−N−ビニルホルムアミド、N−(ヒドロキシメチル)−N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルメチルアセトアミド、N−(ヒドロキシメチル)−N−ビニルアセトアミド、およびその混合物が含まれる。
代表的な環式N−ビニルアミド(N−ビニルラクタムとしても公知)には、N−ビニル−2−ピロリジノン、N−(1−メチルビニル)ピロリジノン、N−ビニル−2−ピペリドン、N−ビニル−2−カプロラクタム、N−ビニル−5−メチルピロリジノン、N−ビニル−3,3−ジメチルピロリジノン、N−ビニル−5−エチルピロリジノン、およびN−ビニル−6−メチルピペリドン、およびその混合物が含まれる。さらに、懸垂N−ビニルラクタム部分を含むモノマー(例えば、N−ビニル−2−エチル−2−ピロリドン(メタ)アクリレート)も使用することができる。
アミノ基含有ビニルモノマーには、(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、および以下の式:
によって構造的に示されるモノマーが含まれる。
式(II)は、N−(C1〜C5)アルキル(メタ)アクリルアミドまたはN,N−ジ(C1〜C5)アルキル(メタ)アクリルアミドを示し、ここで、R2は水素またはメチルであり、R3は、水素、C1〜C5アルキル、およびC1〜C5ヒドロキシアルキルから独立して選択され、R4は、C1〜C5アルキルまたはC1〜C5ヒドロキシアルキルから独立して選択される。
式(III)は、N−(C1〜C5)アルキルアミノ(C1〜C5)アルキル(メタ)アクリルアミドまたはN,N−ジ(C1〜C5)アルキルアミノ(C1〜C5)アルキル(メタ)アクリルアミドを示し、ここで、R5は水素またはメチルであり、R6はC1〜C5アルキレンであり、R7は、水素またはC1〜C5アルキルから独立して選択され、R8は、C1〜C5アルキルから独立して選択される。
代表的なN−アルキル(メタ)アクリルアミドには、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(3−ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、およびその混合物が含まれるが、これらに限定されない。
代表的なN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミドには、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−(ジ−2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−(ジ−3−ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−メチル,N−エチル(メタ)アクリルアミド、およびその混合物が含まれるが、これらに限定されない。
代表的なN,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドには、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、およびその混合物が含まれるが、これらに限定されない。
疎水性モノマー
本発明の架橋された非イオン性の両親媒性ポリマー組成物の調製に適切な疎水性モノマーは、1つまたは複数の1〜30個の炭素原子を含むアルキル基を有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステル;1〜22個の炭素原子を含む脂肪族カルボン酸のビニルエステル;1〜22個の炭素原子を含むアルコールのビニルエーテル;8〜20個の炭素原子を含むビニル芳香族物質;ビニルハライド;ビニリデンハライド;2〜8個の炭素原子を含む直鎖または分枝のα−モノオレフィン;8〜30個の炭素原子を含む疎水性末端基を有する会合性モノマー、およびその混合物から選択されるが、これらに限定されない。
半疎水性モノマー
任意選択的に、少なくとも1つの半疎水性モノマーを、本発明の両親媒性ポリマーの調製で使用することができる。半疎水性モノマーは、会合性モノマーと構造が類似しているが、ヒドロキシルまたは1〜4個の炭素原子を含む部分から選択される実質的に非疎水性の末端基を有する。
本発明の1つの態様では、1〜30個の炭素原子を含むアルキル基を有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステルを、以下の式:
(式中、R
9は水素またはメチルであり、R
10はC
1〜C
30アルキルである)によって示すことができる。式(IV)の代表的なモノマーには、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、イソ−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート)、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、およびその混合物が含まれるが、これらに限定されない。
1〜22個の炭素原子を含む脂肪族カルボン酸のビニルエステルを、以下の式:
(式中、R
11は、アルキルまたはアルケニルであり得るC
1〜C
22脂肪族基である)によって示すことができる。式(V)の代表的なモノマーには、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルバレレート、ビニルヘキサノエート、ビニル2−メチルヘキサノエート、ビニル2−エチルヘキサノエート、ビニルイソ−オクタノエート、ビニルノナノエート、ビニルネオデカノエート、ビニルデカノエート、ビニルベルサテート、ビニルラウレート、ビニルパルミテート、ビニルステアレート、およびその混合物が含まれるが、これらに限定されない。
1つの態様では、1〜22個の炭素原子を含むアルコールのビニルエーテルを、以下の式:
(式中、R
13はC
1〜C
22アルキルである)によって示すことができる。式(VI)の代表的なモノマーには、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル、ベヘニルビニルエーテル、およびその混合物が含まれる。
代表的なビニル芳香族モノマーには、スチレン、α−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、4−n−ブチルスチレン、4−n−デシルスチレン、ビニルナフタレン、およびその混合物が含まれるが、これらに限定されない。
代表的なビニルハライドおよびビニリデンハライドには、塩化ビニルおよび塩化ビニリデン、ならびにその混合物が含まれるが、これらに限定されない。
代表的なα−オレフィンには、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソ−ブチレン、1−ヘキセン、およびその混合物が含まれるが、これらに限定されない。
本発明の会合性モノマーは、本発明の他のモノマーとの付加重合のためのエチレン性不飽和末端基ポーション(i);生成物ポリマーに選択的な親水性および/または疎水性を付与するためのポリオキシアルキレン中央部ポーション(ii)、およびポリマーに選択的な疎水性を提供するための疎水性末端基ポーション(iii)を有する。
エチレン性不飽和末端基を供給するポーション(i)は、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸から誘導される残基であり得る。あるいは、会合性モノマーのポーション(i)は、アリルエーテルまたはビニルエーテルから誘導される残基;非イオン性ビニル置換ウレタンモノマー(米国再発行特許第33,156号または米国特許第5,294,692号に開示のものなど);またはビニル置換尿素反応生成物(米国特許第5,011,978号に開示のものなど)であり得る。上記の関連する開示が本明細書中で参考として援用される。
中央部ポーション(ii)は、1つの態様では約2〜約150、別の態様では約10〜約120、1つのさらなる態様では約15〜約60の反復C2〜C4アルキレンオキシド単位のポリオキシアルキレンセグメントである。中央部ポーション(ii)には、エチレンオキシド単位、プロピレンオキシド単位、および/またはブチレンオキシド単位のランダム配列またはブロック配列で配置された、1つの態様では約2〜約150、別の態様では約5〜約120、1つのさらなる態様では約10〜約60のエチレンオキシド単位、プロピレンオキシド単位、および/またはブチレンオキシド単位を含むポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、およびポリオキシブチレンセグメント、ならびにその組み合わせが含まれる。
会合性モノマーの疎水性末端基ポーション(iii)は、以下の炭化水素クラスの1つに属する炭化水素部分である:C8〜C30直鎖アルキル、C8〜C30分枝アルキル、C8〜C30炭素環式アルキル、C2〜C30アルキル置換フェニル、アラアルキル置換フェニル、およびアリール置換C2〜C30アルキル基。
会合性モノマーの適切な疎水性末端基ポーション(iii)の非限定的な例は、約8〜約30個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のアルキル基(カプリル(C8)、イソ−オクチル(分枝鎖C8)、デシル(C10)、ラウリル(C12)、ミリスチル(C14)、セチル(C16)、セテアリル(C16〜C18)、ステアリル(C18)、イソステアリル(分枝鎖C18)、アラキジル(C20)、ベヘニル(C22)、リグノセリル(C24)、セロチル(C26)、モンタニル(C28)、およびメリシル(C30)など)である。
天然供給源から誘導される約8〜約30個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のアルキル基の例には、水素付加されたピーナッツ油、ダイズ油、およびナタネ油(全て主にC18)、および水素付加タロー油(C16〜C18)など;ならびに水素付加C10〜C30テルペノール(水素付加ゲラニオール(分岐鎖C10)、水素付加ファルネソール(分岐鎖C15)、および水素付加フィトール(分岐鎖C20)など)から誘導されるアルキル基が含まれるが、これらに限定されない。
適切なC2〜C30アルキル置換フェニル基の非限定的な例には、オクチルフェニル、ノニルフェニル、デシルフェニル、ドデシルフェニル、ヘキサデシルフェニル、オクタデシルフェニル、イソオクチルフェニル、およびsec−ブチルフェニルなどが含まれる。
例示的なアリール置換C2〜C40アルキル基には、スチリル(例えば、2−フェニルエチル)、ジスチリル(例えば、2,4−ジフェニルブチル)、トリスチリル(例えば、2,4,6−トリフェニルヘキシル)、4−フェニルブチル、2−メチル−2−フェニルエチル、およびトリスチリルフェノリルなどが含まれるが、これらに限定されない。
適切なC8〜C30炭素環アルキル基には、動物供給源由来のステロール(コレステロール、ラノステロール、および7−デヒドロコレステロールなど);植物供給源由来のステロール(植物ステロール、スチグマステロール、およびカンペステロールなど);および酵母供給源由来のステロール(エルゴステロールおよび真菌ステロールなど)から誘導される基が含まれるが、これらに限定されない。本発明で有用な他の炭素環式アルキル疎水性末端基には、シクロオクチル、シクロドデシル、アダマンチル、デカヒドロナフチル、および天然炭素環材料(ピネン、水素付加レチノール、カンフル、およびイソボルニルアルコールなど)から誘導される基が含まれるが、これらに限定されない。
有用な会合性モノマーを、当該分野で公知の任意の方法によって調製することができる。例えば、Changらの米国特許第4,421,902号;Sonnabendの同第4,384,096号;Shayらの同第4,514,552号;Ruffnerらの同第4,600,761号;Ruffnerの同第4,616,074号;Barronらの同第5,294,692号;Jenkinsらの同第5,292,843;Robinsonの同第5,770,760号;およびWilkerson、IIIらの同第5,412,142号;(その適切な開示が、本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。
1つの態様では、例示的な会合性モノマーには、以下の式(VII)および(VIIA):
(式中、R
14は水素またはメチルであり;Aは、−CH
2C(O)O−、−C(O)O−、−O−、−CH
2O−、−NHC(O)NH−、−C(O)NH−、−Ar−(CE
2)
z−NHC(O)O−、−Ar−(CE
2)
z−NHC(O)NH−、または−CH
2CH
2NHC(O)−であり;Arは2価のアリーレン(例えば、フェニレン)であり;EはHまたはメチルであり;zは0または1であり;kは約0〜約30の範囲の整数であり、mは0または1であり、但し、kが0である場合、mは0であり、kが1〜約30の範囲である場合、mは1であり;Dはビニル部分またはアリル部分を示し;(R
15−O)
nは、C
2〜C
4オキシアルキレン単位のホモポリマー、ランダムコポリマー、またはブロックコポリマーであり得るポリオキシアルキレン部分であり、R
15は、C
2H
4、C
3H
6、またはC
4H
8、およびその組み合わせから選択される2価のアルキレン部分であり;nは、1つの態様では約2〜約150、別の態様では約10〜約120、1つのさらなる態様では約15〜約60の範囲の整数であり;Yは、−R
15O−、−R
15NH−、−C(O)−、−C(O)NH−、−R
15NHC(O)NH−、または−C(O)NHC(O)−;R
16は、C
8〜C
30直鎖アルキル、C
8〜C
30分枝アルキル、C
8〜C
30炭素環式アルキル、C
2〜C
30アルキル置換フェニル、アラアルキル置換フェニル、およびアリール置換C
2〜C
30アルキルから選択される置換または非置換のアルキルであり;R
16のアルキル基、アリール基、フェニル基は、任意選択的に、ヒドロキシル基、アルコキシル基、ベンジル基 フェニルエチル基、およびハロゲン基からなる群から選択される1つまたは複数の置換基を含む)によって示される会合性モノマーが含まれる。
1つの態様では、疎水性改変会合性モノマーは、以下の式:
(式中、R
14は水素またはメチルであり;R
15は、C
2H
4、C
3H
6、およびC
4H
8から独立して選択される2価のアルキレン部分であり、nは、1つの態様では約2〜約150、別の態様では約5〜約120、1つのさらなる態様では約10〜約60の範囲の整数を示し、(R
15−O)をランダム配置またはブロック配置で配置することができ;R
16は、C
8〜C
30直鎖アルキル、C
8〜C
30分枝アルキル、C
8〜C
30炭素環式アルキル、C
2〜C
30アルキル置換フェニル、およびアリール置換C
2〜C
30アルキルから選択される置換または非置換のアルキルである)によって示される8〜30個の炭素原子を含む疎水性基を有するアルコキシル化(メタ)アクリレートである。
式(VII)の代表的なモノマーには、ラウリルポリエトキシル化メタクリレート(LEM)、セチルポリエトキシル化メタクリレート(CEM)、セテアリルポリエトキシル化メタクリレート(CSEM)、ステアリルポリエトキシル化(メタ)アクリレート、アラキジルポリエトキシル化(メタ)アクリレート、ベヘニルポリエトキシル化メタクリレート(BEM)、セロチルポリエトキシル化(メタ)アクリレート、モンタニルポリエトキシル化(メタ)アクリレート、メリシルポリエトキシル化(メタ)アクリレート、フェニルポリエトキシル化(メタ)アクリレート、ノニルフェニルポリエトキシル化(メタ)アクリレート、ω−トリスチリルフェニルポリオキシエチレンメタクリレート(該モノマーのポリエトキシル化ポーションが、1つの態様では約2〜約150個のエチレンオキシド単位、別の態様では約5〜約120個のエチレンオキシド単位、1つのさらなる態様では約10〜約60個のエチレンオキシド単位を含む);オクチルオキシポリエチレングリコール(8)ポリプロピレングリコール(6)(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(6)ポリプロピレングリコール(6)(メタ)アクリレート、およびノニルフェノキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートが含まれる。
本発明の半疎水性モノマーは、上記の会合性モノマーと構造的に類似しているが、実質的に非疎水性の末端基ポーションを有する。半疎水性モノマーは、本発明の他のモノマーとの付加重合のためのエチレン性不飽和末端基ポーション(i);生成物ポリマーに選択的な親水性および/または疎水性を付与するためのポリオキシアルキレン中央部ポーション(ii)、および半疎水性末端基ポーション(iii)を有する。付加重合のためのビニルまたは他のエチレン性不飽和末端基を供給する不飽和末端基ポーション(i)は、好ましくは、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸から誘導される。あるいは、末端基ポーション(i)は、アリルエーテル残基、ビニルエーテル残基、または非イオン性ウレタンモノマーの残基から誘導され得る。
ポリオキシアルキレン中央部(ii)は、特に、上記の会合性モノマーのポリオキシアルキレンポーションに実質的に類似するポリオキシアルキレンセグメントを含む。1つの態様では、ポリオキシアルキレンポーション(ii)は、ランダム配列またはブロック配列で整列した1つの態様では約2〜約150、別の態様では約5〜約120、1つのさらなる態様では約10〜約60のエチレンオキシド単位、プロピレンオキシド単位、および/またはブチレンオキシド単位を含むポリオキシエチレン単位、ポリオキシプロピレン単位、および/またはポリオキシブチレン単位を含む。
1つの態様では、半疎水性モノマーを、以下の式:
(式中、R
14は水素またはメチルであり;Aは、−CH
2C(O)O−、−C(O)O−、−O−、−CH
2O−、−NHC(O)NH−、−C(O)NH−、−Ar−(CE
2)
z−NHC(O)O−、−Ar−(CE
2)
z−NHC(O)NH−、または−CH
2CH
2NHC(O)−であり;Arは2価のアリーレン(例えば、フェニレン)であり;EはHまたはメチルであり;zは0または1であり;kは約0〜約30の範囲の整数であり、mは0または1であり、但し、kが0である場合、mは0であり、kが1〜約30の範囲である場合、mは1であり;(R
15−O)
nは、C
2〜C
4オキシアルキレン単位のホモポリマー、ランダムコポリマー、またはブロックコポリマーであり得るポリオキシアルキレン部分であり、R
15は、C
2H
4、C
3H
6、またはC
4H
8、およびその組み合わせから選択される2価のアルキレン部分であり;nは、1つの態様では約2〜約150、別の態様では約5〜約120、1つのさらなる態様では約10〜約60の範囲の整数であり;R
17は、水素および直鎖または分枝鎖のC
1〜C
4アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソ−プロピル、ブチル、イソ−ブチル、およびtert−ブチル)から選択され;Dはビニル部分またはアリル部分を示す)によって示すことができる。
1つの態様では、式VIIIの半疎水性モノマーを、以下の式:
(式中、R
14は水素またはメチルであり、「a」は、1つの態様では0または2〜約120、別の態様では約5〜約45、1つのさらなる態様では約10〜約25の範囲の整数であり、「b」は、1つの態様では約0または2〜約120、別の態様では約5〜約45、1つのさらなる態様では約10〜約25の範囲の整数であり、但し、「a」および「b」は、同時に0であってはならない)によって示すことができる。
式VIIIAの半疎水性モノマーの例には、製品名Blemmer(登録商標)PE−90(R14=メチル、a=2、b=0)、PE−200(R14=メチル、a=4.5、b=0)、およびPE−350(R14=メチル、a=8、b=0)で入手可能なポリエチレングリコールメタクリレート;製品名Blemmer(登録商標)PP−1000(R14=メチル、b=4〜6、a=0)、PP−500(R14=メチル、a=0、b=9)、PP−800(R14=メチル、a=0、b=13)で入手可能なポリプロピレングリコールメタクリレート;製品名Blemmer(登録商標)50PEP−300(R14=メチル、a=3.5、b=2.5)、70PEP−350B(R14=メチル、a=5、b=2)で入手可能なポリエチレングリコールポリプロピレングリコールメタクリレート;製品名Blemmer(登録商標)AE−90(R14=水素、a=2、b=0)、AE−200(R14=水素、a=2、b=4.5)、AE−400(R14=水素、a=10、b=0)で入手可能なポリエチレングリコールアクリレート;製品名Blemmer(登録商標)AP−150(R14=水素、a=0、b=3)、AP−400(R14=水素、a=0、b=6)、AP−550(R14=水素、a=0、b=9)で入手可能なポリプロピレングリコールアクリレートが含まれる。Blemmer(登録商標)は、NOF Corporation,Tokyo,Japanの商標である。
式VIIIBの半疎水性モノマーの例には、製品名Visiomer(登録商標)MPEG 750 MA W(R14=メチル、a=17、b=0)、MPEG 1005 MA W(R14=メチル、a=22、b=0)、MPEG 2005 MA W(R14=メチル、a=45、b=0)、およびMPEG 5005 MA W(R14=メチル、a=113、b=0)でEvonik Roehm GmbH、Darmstadt、Germany)から入手可能なメトキシポリエチレングリコールメタクリレート;GEO Specialty Chemicals、Ambler PAのBisomer(登録商標)MPEG 350 MA(R14=メチル、a=8、b=0)およびMPEG 550 MA(R14=メチル、a=12、b=0);Blemmer(登録商標)PME−100(R14=メチル、a=2、b=0)、PME−200(R14=メチル、a=4、b=0)、PME−400(R14=メチル、a=9、b=0)、PME−1000(R14=メチル、a=23、b=0)、PME−4000(R14=メチル、a=90、b=0)が含まれる。
1つの態様では、式IXに記載の半疎水性モノマーを、以下の式:
(式中、dは、2、3、または4の整数であり;eは、1つの態様では約1〜約10、別の態様では約2〜約8、1つのさらなる態様では約3〜約7の範囲の整数であり;fは、1つの態様では約5〜約50、別の態様では約8〜約40、1つのさらなる態様では約10〜約30の範囲の整数であり;gは、1つの態様では1〜約10、別の態様では約2〜約8、1つのさらなる態様では約3〜約7の範囲の整数であり;hは、1つの態様では約5〜約50、別の態様では約8〜約40の範囲の整数であり;e、f、g、およびhは0であってよく、但し、eおよびfは同時に0であってはならず、gおよびhは同時に0であってはならなない)によって示すことができる。
式IXAおよびIXBのモノマーは、Clariant Corporationによって販売されている商標名Emulsogen(登録商標)R109、R208、R307、RAL109、RAL208、およびRAL307;Bimax,Inc.によって販売されているBX−AA−E5P5、ならびにその組み合わせで市販されている。EMULSOGEN7 R109は、実験式CH2=CH−O(CH2)4O(C3H6O)4(C2H4O)10Hを有するランダムにエトキシル化/プロポキシル化された1,4−ブタンジオールビニルエーテルであり;Emulsogen(登録商標)R208は、実験式CH2=CH−O(CH2)4O(C3H6O)4(C2H4O)20Hを有するランダムにエトキシル化/プロポキシル化された1,4−ブタンジオールビニルエーテルであり;Emulsogen(登録商標)R307は、実験式CH2=CH−O(CH2)4O(C3H6O)4(C2H4O)30Hを有するランダムにエトキシル化/プロポキシル化された1,4−ブタンジオールビニルエーテルであり;Emulsogen(登録商標)RAL109は、実験式CH2=CHCH2O(C3H6O)4(C2H4O)10Hを有するランダムにエトキシル化/プロポキシル化されたアリルエーテルであり;Emulsogen(登録商標)RAL208は、実験式CH2=CHCH2O(C3H6O)4(C2H4O)20Hを有するランダムにエトキシル化/プロポキシル化されたアリルエーテルであり;Emulsogen(登録商標)RAL307は、実験式CH2=CHCH2O(C3H6O)4(C2H4O)30Hを有するランダムにエトキシル化/プロポキシル化されたアリルエーテルであり;BX−AA−E5P5は、実験式CH2=CHCH2O(C3H6O)5(C2H4O)5Hを有するランダムにエトキシル化/プロポキシル化されたアリルエーテルである。
モノマー(k)
本発明の会合性モノマーおよび半疎水性モノマーでは、これらのモノマー中に含まれるポリオキシアルキレン中央部ポーションを、これらのモノマーが含まれるポリマーの親水性および/または疎水性に適合するように利用することができる。例えば、エチレンオキシド部分が豊富な中央部ポーションはより親水性である一方で、プロピレンオキシド部分が豊富な中央部ポーションはより疎水性である。これらのモノマー中に存在するエチレンオキシド部分とプロピレンオキシド部分の相対量の調整により、これらのモノマーが含まれるポリマーの親水性および疎水性を望み通りに適合させることができる。
本発明のポリマーの調製で利用される会合性モノマーおよび/または半疎水性モノマーの量は、とりわけ、ポリマーにおいて望ましい最終のレオロジー的特性および審美的特性に応じて幅広く変更することができる。利用する場合、モノマー反応混合物は、全モノマーの重量に基づいて1つの態様では約0.01〜約15重量%、別の態様では約0.1重量%〜約10重量%、さらに別の態様では約0.5〜約8重量%、1つのさらなる態様では約1、2、または3〜約5重量%の範囲の量で上に開示の会合性モノマーおよび/または半疎水性モノマーから選択される1つまたは複数のモノマーを含む。
イオン化可能なモノマー
本発明の1つの態様では、本発明のポリマーが含まれる界面活性剤組成物の刺激緩和特性および降伏応力値が悪影響を受けない限り、本発明の非イオン性の両親媒性ポリマー組成物を、全モノマーの重量に基づいて0〜5重量%のイオン化可能なモノマーおよび/またはイオン化モノマーを含むモノマー組成物から重合することができる。
別の態様では、本発明の両親媒性ポリマー組成物を、全モノマーの重量に基づいて1つの態様では3重量%未満、1つのさらなる態様では1重量%未満、1つのなおさらなる態様では0.5重量%未満、1つのさらなる態様では0.1重量%未満、1つのさらなる態様では0.05重量%未満のイオン化可能な部分および/またはイオン化部分を含むモノマー組成物から重合することができる。
イオン化可能なモノマーには、塩基中和可能な部分を有するモノマーおよび酸中和可能な部分を有するモノマーが含まれる。塩基中和可能なモノマーには、オレフィン性不飽和モノカルボン酸およびジカルボン酸ならびに3〜5個の炭素原子を含むその塩およびその無水物が含まれる。例には、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、およびその組み合わせが含まれる。他の酸性モノマーには、スチレンスルホン酸、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸(AMPS(登録商標)モノマー)、ビニルスルホン酸、ビニルホスホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸;およびその塩が含まれる。
酸中和可能なモノマーには、酸添加の際に塩または四級化部分を形成することができる塩基性窒素原子を含むオレフィン性不飽和モノマーが含まれる。例えば、これらのモノマーには、ビニルピリジン、ビニルピペリジン、ビニルイミダゾール、ビニルメチルイミダゾール、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノメチル(メタ)アクリレートおよびメタクリレート、ジメチルアミノネオペンチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ならびにジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートが含まれる。
架橋性モノマー
1つの実施形態では、本発明の実施で有用な架橋された非イオン性の両親媒性ポリマーを、少なくとも1つの非イオン性親水性不飽和モノマー、少なくとも1つの非イオン性、不飽和疎水性モノマー、およびその混合物を含む第1のモノマー、ならびに少なくとも1つの多価不飽和架橋性モノマーを含む第3のモノマーを含むモノマー組成物から重合する。架橋性モノマーを、共有結合性架橋をポリマー骨格に重合するために利用する。1つの態様では、架橋性モノマーは、少なくとも2つの不飽和部分を含む多価不飽和化合物である。別の態様では、架橋性モノマーは、少なくとも3つの不飽和部分を含む。例示的な多価不飽和化合物には、ジ(メタ)アクリレート化合物(エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリルオキシ−プロピルオキシフェニル)プロパン、および2,2’−ビス(4−(アクリルオキシジエトキシ−フェニル)プロパンなど);トリ(メタ)アクリレート化合物(トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、およびテトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレートなど);テトラ(メタ)アクリレート化合物(ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、およびペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなど);ヘキサ(メタ)アクリレート化合物(ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなど);アリル化合物(アリル(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、ジアリルイタコネート、ジアリルフマレート、およびジアリルマレエートなど);1分子あたり2〜8個のアリル基を有するスクロースのポリアリルエーテル、ペンタエリスリトールのポリアリルエーテル(ペンタエリスリトールジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、およびペンタエリスリトールテトラアリルエーテルなど)、およびその組み合わせ;トリメチロールプロパンのポリアリルエーテル(トリメチロールプロパンジアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、およびその組み合わせなど)が含まれる。他の適切な多価不飽和化合物には、ジビニルグリコール、ジビニルベンゼン、およびメチレンビスアクリルアミドが含まれる。
別の態様では、適切な多価不飽和モノマーを、エチレンオキシドもしくはプロピレンオキシドまたはその組み合わせから作製されたポリオールの不飽和無水物(マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物など)とのエステル化反応、あるいは不飽和イソシアネート(3−イソプロペニル−α−α−ジメチルベンゼンイソシアネートなど)での付加反応によって合成することができる。
2つ以上の前述の多価不飽和化合物の混合物を、本発明の非イオン性の両親媒性ポリマーを架橋させるために利用することもできる。1つの態様では、不飽和架橋性モノマーの混合物は、平均で2個の不飽和部分を含む。別の態様では、架橋性モノマーの混合物は、平均で2.5個の不飽和部分を含む。さらに別の態様では、架橋性モノマーの混合物は、平均で約3個の不飽和部分を含む。1つのさらなる態様では、架橋性モノマーの混合物は、平均で約3.5個の不飽和部分を含む。
本発明の1つの実施形態では、架橋性モノマー成分を、本発明の非イオン性の両親媒性ポリマーの乾燥重量に基づいて、1つの態様では約0.01〜約1重量%、別の態様では約0.05〜約0.75重量%、1つのさらなる態様では約0.1〜約0.5重量%の範囲の量で使用することができる。
本発明の別の実施形態では、架橋性モノマー成分は、平均で約3個の不飽和部分を含み、本発明の非イオン性の両親媒性ポリマーの総重量に基づいて1つの態様では約0.01〜約0.3重量%、別の態様では約0.02〜約0.25重量%、1つのさらなる態様では約0.05〜約0.2重量%、1つのなおさらなる態様では約0.075〜約0.175重量%、別の態様では約0.1〜約0.15重量%の範囲の量で使用することができる。
1つの態様では、架橋性モノマーは、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、および1分子あたり3個のアリル基を有するスクロースのポリアリルエーテルから選択される。
両親媒性ポリマー合成
本発明の直鎖および架橋された非イオン性で両親媒性の炎症緩和ポリマーは、慣用的なフリーラジカル乳化重合技術を用いて作製することができる。重合プロセスは、酸素が存在しない、窒素などの不活性雰囲気下で実施される。この重合は、水などの適切な溶媒系中で実施することができる。少量の炭化水素溶媒、有機溶媒、およびその混合物を使用することができる。重合反応は、適切なフリーラジカルの発生をもたらす任意の手段によって開始される。ラジカル種が過酸化物、ヒドロペルオキシド、ペルスルファート、ペルカルボネート、ペルオキシエステル、過酸化水素、およびアゾ化合物の熱的な均等解離によって発生する、熱的に誘導されたラジカルを利用することができる。開始剤は、重合反応で使用する溶媒系に応じて、水溶性であっても水不溶性であってもよい。
開始剤化合物を、乾燥ポリマーの総重量に基づいて1つの態様では30重量%まで、別の態様では0.01〜10重量%、1つのさらなる態様では0.2〜3重量%の量で利用することができる。
例示的なフリーラジカル水溶性開始剤には、無機ペルスルファート化合物(過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、および過硫酸ナトリウムなど);過酸化物(過酸化水素、過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、および過酸化ラウリルなど);有機ヒドロペルオキシド(クメンヒドロペルオキシドおよびt−ブチルヒドロペルオキシドなど);有機過酸(過酢酸など)、および水溶性アゾ化合物(アルキル基上に水溶性置換基を有する2,2’−アゾビス(tert−アルキル)化合物など)が含まれるが、これらに限定されない。例示的なフリーラジカル油溶性化合物には、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルなどが含まれるが、これらに限定されない。過酸化物および過酸を、還元剤、例えば亜硫酸水素ナトリウム、ホルムアルデヒドナトリウム、またはアスコルビン酸、遷移金属、およびヒドラジンなどで任意選択的に活性化することができる。
1つの態様では、アゾ重合触媒には、DuPontから入手可能なVazo(登録商標)フリーラジカル重合開始剤(Vazo(登録商標)44(2,2’−アゾビス(2−(4,5−ジヒドロイミダゾリル)プロパン)、Vazo(登録商標)56(2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド)、Vazo(登録商標)67(2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル))、およびVazo(登録商標)68(4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸))など)が含まれる。
乳化重合プロセスでは、界面活性助剤によってモノマー/ポリマーの液滴または粒子を安定化させることが有利であり得る。典型的には、これらは、乳化剤または保護コロイドである。使用される乳化剤は、陰イオン性、非イオン性、陽イオン性、または両性であり得る。陰イオン性乳化剤の例は、アルキルベンゼンスルホン酸、スルホン化脂肪酸、スルホスクシネート、脂肪アルコールスルファート、アルキルフェノールスルファート、および脂肪アルコールエーテルスルファートである。使用できる非イオン性乳化剤の例は、アルキルフェノールエトキシレート、第一級アルコールエトキシレート、脂肪酸エトキシレート、アルカノールアミドエトキシレート、脂肪アミンエトキシレート、EO/POブロックコポリマー、およびアルキルポリグルコシドである。使用される陽イオン性乳化剤および両性乳化剤の例は、四級化アミンアルコキシレート、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、およびスルホベタインである。
任意選択的に、公知のレドックス開始剤系を重合開始剤として使用することができる。かかるレドックス開始剤系には、酸化剤(開始剤)および還元剤が含まれる。適切な酸化剤には、例えば、過酸化水素、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、t−ブチルヒドロペルオキシド、t−アミルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、過ホウ酸ナトリウム、過リン酸およびその塩、過マンガン酸カリウム、およびペルオキシ二硫酸のアンモニウム塩またはアルカリ金属塩が含まれ、典型的には、乾燥ポリマー重量に基づいて0.01%〜3.0重量%のレベルで使用される。適切な還元剤には、例えば、硫黄含有酸のアルカリ金属塩およびアンモニウム塩(亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ヒドロ亜硫酸ナトリウム、硫化ナトリウム、水硫化ナトリウム、または亜ジチオン酸ナトリウムなど)、ホルマジンスルフィン酸、ヒドロキシメタンスルホン酸、アセトンビスルファイト、アミン(エタノールアミンなど)、グリコール酸、グリオキシル酸水和物、アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、乳酸、グリセリン酸、リンゴ酸、2−ヒドロキシ−2−スルフィナト酢酸、酒石酸、および上記酸の塩が含まれ、典型的には、乾燥ポリマー重量に基づいて0.01%〜3.0重量%のレベルで使用される。1つの態様では、ペルオキソジスルファートと亜硫酸水素アルカリ金属または亜硫酸水素アンモニウムとの組み合わせ(例えば、ペルオキソ二硫酸アンモニウムと亜硫酸水素アンモニウムとの組み合わせ)を使用することができる。別の態様では、酸化剤としての過酸化水素含有化合物(t−ブチルヒドロペルオキシド)と還元剤としてのアスコルビン酸またはエリソルビン酸の組合せを利用することができる。過酸化物含有化合物と還元剤の比は30:1〜0.05:1の範囲内である。
典型的な保護コロイドの例は、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールとプロピレングリコールのコポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリ(ビニルアルコール)、部分的に加水分解されたポリ(ビニルアルコール)、ポリビニルエーテル、デンプンおよびデンプン誘導体、デキストラン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリエチレンイミン、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルスクシンイミド、ポリビニル−2−メチルスクシンイミド、ポリビニル−1,3−オキサゾリド−2−オン、ポリビニル−2−メチルイミダゾリンおよびマレイン酸または無水コポリマーである。乳化剤または保護コロイドは、慣用的に全モノマーの重量に基づいて0.05〜20重量%の濃度で使用される。
重合反応を、1つの態様では20〜200℃、別の態様では50〜150℃、1つのさらなる態様では60〜100℃の範囲の温度で実施することができる。
重合を、連鎖移動剤の存在下で実施することができる。適切な連鎖移動剤の例には、チオ−およびジスルフィド含有化合物(C1〜C18アルキルメルカプタン(tert−ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、ヘキサデシルメルカプタン、オクタデシルメルカプタンなど)など);メルカプトアルコール(2−メルカプトエタノール、2−メルカプトプロパノールなど);メルカプトカルボン酸(メルカプト酢酸および3−メルカプトプロピオン酸など);メルカプトカルボン酸エステル(ブチルチオグリコレート、イソオクチルチオグリコレート、ドデシルチオグリコレート、イソオクチル3−メルカプトプロピオネート、およびブチル3−メルカプトプロピオネートなど);チオエステル;C1〜C18アルキルジスルフィド;アリールジスルフィド;多官能性チオール(トリメチロールプロパン−トリス−(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトール−テトラ−(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトール−テトラ−(チオグリコレート)、ペンタエリスリトール−テトラ−(チオラクテート)、およびジペンタエリスリトール−ヘキサ−(チオグリコレート)など);ホスファイトおよびハイポホスファイト;C1〜C4アルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドなど);ハロアルキル化合物(四塩化炭素およびブロモトリクロロメタンなど);ヒドロキシルアンモニウム塩(ヒドロキシル硫酸アンモニウムなど);ギ酸;亜硫酸水素ナトリウム;イソプロパノール;および触媒連鎖移動剤(例えば、コバルト(II)錯体(例えば、コバルト(II)キレート)など)が含まれるが、これらに限定されない。
連鎖移動剤は、一般に、重合媒質中に存在するモノマーの総重量に基づいて0.1〜10重量%の範囲の量で使用される。
乳化プロセス
本発明の1つの例示的態様では、架橋された非イオン性の両親媒性ポリマーを、乳化プロセスで重合する。乳化プロセスは、当技術分野で周知のようにして、単一反応器中または多段反応器中で実施することができる。モノマーはバッチ混合物として添加することができるか、各モノマーを段階的なプロセスで反応器中に計量投入することができる。乳化重合における典型的な混合物は、水、モノマー、開始剤(通常水溶性)および乳化剤を含む。モノマーは、乳化重合技術分野において周知の方法にしたがって、一段、二段または多段重合プロセスで乳化重合することができる。二段重合プロセスにおいて、第一段のモノマーを加え、最初に水性媒質中で重合し、続いて第二段のモノマーの付加および重合を行う。水性媒質は任意選択的に有機溶媒を含むことができる。使用する場合、有機溶媒は水性媒質の約5重量%未満である。水混和性有機溶媒の適切な例には、エステル、アルキレングリコールエーテル、アルキレングリコールエーテルエステル、および低分子量脂肪族アルコールなどが含まれるが、これらに限定されない。
モノマー混合物の乳化を容易にするために、乳化重合を、少なくとも1つの界面活性剤の存在下で実施する。1つの実施形態では、乳化重合を、総モノマー重量に基づいて1つの態様では約0.2%〜約5重量%、別の態様では約0.5%〜約3%、1つのさらなる態様では約1%〜約2重量%の量の範囲の界面活性剤(活性重量に対して)の存在下で実施する。乳化重合反応混合物は、総モノマー重量に対して約0.01%〜約3重量%の範囲の量で存在する1つまたは複数のフリーラジカル開始剤も含む。重合を、水性媒質または水性アルコール媒質中で実施することができる。乳化重合を容易にするための界面活性剤には、陰イオン性、非イオン性、両性、および陽イオン性の界面活性剤、ならびにその混合物が含まれる。最も一般的には、陰イオン性および非イオン性の界面活性剤ならびにその混合物を利用することができる。
乳化重合を容易にするための適切な陰イオン性界面活性剤は当該分野で周知であり、(C6〜C18)アルキルスルファート、(C6〜C18)アルキルエーテルスルファート(例えば、ラウリル硫酸ナトリウムおよびラウレス硫酸ナトリウム)、ドデシルベンゼンスルホン酸のアミノおよびアルカリ金属塩(ナトリウムドデシルベンゼンスルホネートおよびジメチルエタノールアミンドデシルベンゼンスルホネートなど)、ナトリウム(C6〜C16)アルキルフェノキシベンゼンスルホネート、ジナトリウム(C6〜C16)アルキルフェノキシベンゼンスルホネート、ジナトリウム(C6〜C16)ジ−アルキルフェノキシベンゼンスルホネート、ジナトリウムラウレス−3スルホスクシネート、ナトリウムジオクチルスルホスクシネート、ナトリウムジ−sec−ブチルナフタレンスルホネート、ジナトリウムドデシルジフェニルエーテルスルホネート、ジナトリウムn−オクタデシルスルホスクシネート、および分枝状アルコールエトキシレートのリン酸エステルなどが含まれるが、これらに限定されない。
乳化重合を容易にするのに適切な非イオン性界面活性剤はポリマー技術分野で周知であり、これらには、直鎖または分岐鎖のC8〜C30脂肪アルコールエトキシレート(カプリルアルコールエトキシレート、ラウリルアルコールエトキシレート、ミリスチルアルコールエトキシレート、セチルアルコールエトキシレート、ステアリルアルコールエトキシレート、セテアリルアルコールエトキシレート、ステロールエトキシレート、オレイルアルコールエトキシレート、およびベヘニルアルコールエトキシレートなど);アルキルフェノールアルコキシレート(オクチルフェノールエトキシレートなど);およびポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマーなどが含まれるが、これらに限定されない。非イオン性界面活性剤として適切なさらなる脂肪アルコールエトキシレートを以下で説明する。他の有用な非イオン性界面活性剤には、ポリオキシエチレングリコールのC8〜C22脂肪酸エステル、エトキシル化モノ−およびジグリセリド、ソルビタンエステルおよびエトキシル化ソルビタンエステル、C8〜C22脂肪酸グリコールエステル、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロックコポリマー、およびその組み合わせが含まれる。上記の各エトキシレート中のエチレンオキシド単位の数は、1つの態様では2以上、別の態様では2〜約150の範囲であり得る。
任意選択的に、乳化重合技術分野において周知である他の乳化重合添加剤および加工助剤(補助乳化剤、保護コロイド、溶媒、緩衝剤、キレート剤、無機電解質、高分子安定剤、殺生物剤、およびpH調整剤など)を、重合系に含めることができる。
本発明の1つの実施形態では、保護コロイドまたは補助乳化剤は、1つの態様では約80〜95%、別の態様では約85〜90%の範囲の加水分解度を有するポリ(ビニルアルコール)から選択される。
典型的な2段階乳化重合では、モノマーの混合物を、不活性雰囲気下で第1の反応器の乳化界面活性剤(例えば、陰イオン性界面活性剤)水溶液に加える。必要に応じて任意選択的な加工助剤(例えば、保護コロイド、補助乳化剤)を添加することができる。反応器の内容物を撹拌してモノマーエマルジョンを調製する。撹拌機、不活性ガス入口、および供給ポンプを備えた第2の反応器に、不活性雰囲気下で所望量の水、ならびにさらなる陰イオン性界面活性剤および任意選択的な加工助剤を加える。第2の反応器の内容物を混合撹拌しながら加熱する。第2の反応器の内容物が約55〜98℃の範囲の温度に達したら、フリーラジカル開始剤を、第2の反応器中の形成された界面活性剤水溶液に注入し、第1の反応器からのモノマーエマルジョンを、典型的には約0.5〜約4時間の範囲にわたって第2の反応器に徐々に計量投入する。反応温度を約45〜約95℃の範囲で制御する。モノマー添加が終了した後、追加量のフリーラジカル開始剤を任意選択的に第2の反応器に添加することができる。得られた反応混合物を、典型的には、約45〜95℃の温度で重合反応が完了するのに十分な時間保持してポリマーエマルジョンを得る。
1つの実施形態では、本発明の架橋された非イオン性の両親媒性ポリマーは、少なくとも30重量%の少なくとも1つのC1〜C4ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(例えば、ヒドロキシエチルメタクリレート)、15〜70重量%の少なくとも1つのC1〜C12アルキルアクリレート、5〜40重量%の少なくとも1つのC1〜C10カルボン酸のビニルエステル(全モノマーの重量に基づく)、および0.01〜1重量%の少なくとも1つの架橋剤(ポリマーの乾燥重量に基づく)を含むモノマー混合物から重合されたエマルジョンポリマーから選択される。
別の態様では、本発明の架橋された非イオン性の両親媒性ポリマーは、少なくとも30重量%のヒドロキシエチルメタクリレート、15〜35重量%のエチルアクリレート、5〜25重量%のブチルアクリレート、10〜25重量%のビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、およびビニルバレレートから選択されるC1〜C5カルボン酸のビニルエステル(前記重量%は、全モノマーの重量に基づく)、および約0.01〜約0.3重量%の平均で少なくとも3個の架橋可能な不飽和基を有する架橋性モノマー(ポリマーの乾燥重量に基づく)を含むモノマー混合物から重合されたエマルジョンポリマーから選択される。
別の実施形態では、本発明の架橋された非イオン性の両親媒性ポリマーは、約30〜60重量%の少なくとも1つのC1〜C4ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(例えば、ヒドロキシエチルメタクリレート)、15〜70重量%の少なくとも1つのC1〜C12アルキルアクリレート(別の態様では少なくとも1つのC1〜C5アルキルアクリレート)、約0.1〜約10重量の少なくとも1つの会合性モノマーおよび/または半疎水性モノマー(全モノマーの重量に基づく)、および0.01〜約1重量%の少なくとも1つの架橋剤(ポリマーの乾燥重量に基づく)を含むモノマー混合物から重合されたエマルジョンポリマーから選択される。
別の実施形態では、本発明の架橋された非イオン性の両親媒性ポリマーは、約35〜50重量%の少なくとも1つのC1〜C4ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(例えば、ヒドロキシエチルメタクリレート)、15〜60重量%の少なくとも1つのC1〜C12アルキルアクリレート(別の態様では少なくとも1つのC1〜C5アルキルアクリレート)、約0.1〜約10重量%の少なくとも1つの会合性モノマーおよび/または半疎水性モノマー(全モノマーの重量に基づく)、および0.01〜約1重量%の少なくとも1つの架橋剤(ポリマーの乾燥重量に基づく)を含むモノマー混合物から重合されたエマルジョンポリマーから選択される。
別の実施形態では、本発明の架橋された非イオン性の両親媒性ポリマーは、約40〜45重量%の少なくとも1つのC1〜C4ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(例えば、ヒドロキシエチルメタクリレート)、15〜60重量%の少なくとも2つの異なるC1〜C5アルキルアクリレートモノマー、約1〜約5重量%の少なくとも1つの会合性モノマーおよび/または半疎水性モノマー(全モノマーの重量に基づく)、および0.01〜約1重量%の少なくとも1つの架橋剤(ポリマーの乾燥重量に基づく)を含むモノマー混合物から重合されたエマルジョンポリマーから選択される。
別の実施形態では、本発明の架橋された非イオン性の両親媒性ポリマーは、約40〜45重量%のヒドロキシエチルアクリレート、30〜50重量%のエチルアクリレート、10〜20重量%のブチルアクリレート、および約1〜約5重量%の少なくとも1つの会合性モノマーおよび/または半疎水性モノマー(全モノマーの重量に基づく)、ならびに0.01〜約1重量%の少なくとも1つの架橋剤(乾燥ポリマーの重量に基づく)を含むモノマー混合物から重合されたエマルジョンポリマーから選択される。
清浄組成物
驚くべきことに、本発明の架橋された非イオン性で両親媒性の炎症緩和ポリマーを界面活性剤で活性化して、望ましいレオロジー的および審美的特性ならびに水性媒質中に微粒子および不溶性物質を、pHに依存せず、無期限に懸濁させる能力を有する安定な降伏応力洗浄組成物を提供することができる。降伏応力値、弾性係数、および光学的清澄性は、本発明のポリマーが含まれる組成物のpHに実質的に依存しない。本発明の非イオン性で両親媒性の炎症緩和ポリマーは、1つの態様では約2〜約14、別の態様では約3〜11、1つのさらなる態様では約4〜約9の範囲のpHで有用である。所望のレオロジープロフィールを付与するように酸または塩基で中和する必要があるpH応答性架橋ポリマー(酸または塩基感受性のもの)とは異なり、本発明のレオロジープロフィールの架橋された非イオン性の両親媒性ポリマーはpHに実質的に依存しない。pHに実質的に依存しないということは、本発明のポリマーが含まれる降伏応力流体が、広いpH範囲(例えば、約2〜約14)にわたって所望のレオロジープロフィール(例えば、1つの態様では少なくとも0.1Pa、別の態様では少なくとも少なくとも0.5Pa、さらに別の態様では少なくとも1Pa、1つのさらなる態様では少なくとも2Paの降伏応力)を付与し、そのpH範囲にわたる降伏応力値の標準偏差が本発明の1つの態様では1Pa未満、別の態様では0.5Pa未満、1つのさらなる態様では0.25Pa未満であることを意味する。
本発明の1つの例示的態様では、洗浄組成物は、i)少なくとも1つの本発明の非イオン性で両親媒性の炎症緩和ポリマー;ii)少なくとも1つの陰イオン性界面活性剤、少なくとも1つの両性界面活性剤、少なくとも1つの非イオン性界面活性剤、およびその組み合わせから選択される少なくとも1つの界面活性剤;およびiii)水を含む。
本発明の別の例示的な態様では、洗浄組成物は、i)少なくとも1つの本発明の架橋された非イオン性で両親媒性の炎症緩和ポリマー;ii)少なくとも1つの陰イオン性界面活性剤;およびiii)水を含む。
本発明の別の例示的な態様では、洗浄組成物は、i)少なくとも1つの本発明の架橋された非イオン性で両親媒性の炎症緩和ポリマー;ii)少なくとも1つの陰イオン性界面活性剤および少なくとも1つの両性界面活性剤;およびiii)水を含む。
本発明の別の例示的な態様では、洗浄組成物は、i)少なくとも1つの本発明の架橋された非イオン性で両親媒性の炎症緩和ポリマー;ii)少なくとも1つの陰イオン性界面活性剤、iii)任意選択的な非イオン性界面活性剤;およびiv)水を含む。
本発明の別の例示的な態様では、洗浄組成物は、i)少なくとも1つの本発明の架橋された非イオン性で両親媒性の炎症緩和ポリマー;ii)少なくとも1つの陰イオン性界面活性剤、iii)両性界面活性剤;iv)任意選択的な非イオン性界面活性剤;およびv)水を含む。
本発明の別の例示的な態様では、洗浄組成物は、i)少なくとも1つの本発明の架橋された非イオン性で両親媒性の炎症緩和ポリマー;ii)少なくとも1つの陰イオン性エトキシル化界面活性剤;iii)任意選択的な非イオン性界面活性剤;およびiv)水を含む。1つの態様では、陰イオン性エトキシル化界面活性剤中の平均エトキシル化度は、約1〜約3の範囲であり得る。別の態様では、平均エトキシル化度は約2である。
本発明の別の例示的な態様では、洗浄組成物は、i)少なくとも1つの本発明の架橋された非イオン性で両親媒性の炎症緩和ポリマー;ii)少なくとも1つの陰イオン性エトキシル化界面活性剤;iii)少なくとも1つの両性界面活性剤、iv)任意選択的な非イオン性界面活性剤;およびiv)水を含む。1つの態様では、陰イオン性エトキシル化界面活性剤中の平均エトキシル化度は、約1〜約3の範囲であり得る。別の態様では、平均エトキシル化度は約2である。
本発明の別の例示的な態様では、洗浄組成物は、i)少なくとも1つの本発明の架橋された非イオン性で両親媒性の炎症緩和ポリマー;ii)少なくとも1つの陰イオン性非エトキシル化界面活性剤;iii)少なくとも1つの陰イオン性エトキシル化界面活性剤;iv)任意選択的な非イオン性界面活性剤;およびv)水を含む。1つの態様では、陰イオン性エトキシル化界面活性剤中の平均エトキシル化度は、約1〜約3の範囲であり得る。別の態様では、平均エトキシル化度は約2である。
本発明の別の例示的な態様では、洗浄組成物は、i)少なくとも1つの本発明の架橋された非イオン性で両親媒性の炎症緩和ポリマー;ii)少なくとも1つの陰イオン性非エトキシル化界面活性剤;iii)少なくとも1つの陰イオン性エトキシル化界面活性剤;iv)少なくとも1つの両性界面活性剤;v)任意選択的な非イオン性界面活性剤;およびvi)水を含む。1つの態様では、陰イオン性エトキシル化界面活性剤中の平均エトキシル化度は、約1〜約3の範囲であり得る。別の態様では、平均エトキシル化度は約2である。
陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、およびその組み合わせから選択される少なくとも1つの界面活性剤を含む洗浄組成物中に含める場合、皮膚および/または眼への刺激の低減を誘導するのに有効な量である限り、任意の量の非イオン性の両親媒性ポリマー材料を利用することができる。1つの態様では、本発明の界面活性剤を含有する洗浄組成物に組み込むことができる刺激緩和ポリマーの量は、全組成物の重量に基づいて約0.5〜約5重量%のポリマー固体(100%活性ポリマー)の範囲である。別の態様では、調合物中で利用されるポリマーの量は、約0.75重量%〜約3.5重量%の範囲である。さらに別の態様では、洗浄組成物中で使用される両親媒性ポリマーの量は、約1〜約3重量%の範囲である。1つのさらなる態様では、洗浄組成物中で使用されるポリマーの量は、約1.5重量%〜約2.75重量%の範囲である。1つのなおさらなる態様では、洗浄組成物中で利用されるポリマー量は、約2〜約2.5重量%の範囲である。
1つの態様では、本発明の穏やかな洗浄組成物の調合において利用される少なくとも1つの非イオン性の両親媒性ポリマーは直鎖ポリマーである。1つの態様では、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)標準を使用して較正したゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)によって測定した本発明の直鎖コポリマー緩和薬の数平均分子量(Mn)は500,000ダルトン以下である。別の態様では、分子量は100,000ダルトン以下である。さらに別の態様では、分子量は、約5,000ダルトンと約80,000との間、1つのさらなる態様では約10,000ダルトンと50,000ダルトンとの間、1つのなおさらなる態様では約15,000ダルトンと40,000ダルトンとの間の範囲である。
別の態様では、本発明の穏やかな洗浄組成物の調合において利用される少なくとも1つの非イオン性の両親媒性ポリマーは架橋されたポリマーである。本発明の架橋された非イオン性の両親媒性ポリマーはランダムコポリマーであり、重量平均分子量は、1つの態様では約500,000超〜少なくとも約10億ダルトン以上、別の態様では約600,000〜約45億ダルトン、1つのさらなる態様では約1,000,000〜約3,000,000ダルトン、1つのなおさらなる態様では約1,500,000〜約2,000,000ダルトンの範囲である(TDS−222,October 15,2007,Lubrizol Advanced Materials,Inc.(本明細書中で参考として援用される)を参照のこと)。
清浄界面活性剤
本発明の穏やかな洗浄組成物を調合するために利用される界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、およびその混合物から選択される少なくとも1つの清浄界面活性剤に由来する。
陰イオン性界面活性剤の非限定的な例は、McCutcheon’s Detergents and Emulsifiers,North American Edition,1998,published by Allured Publishing Corporation;およびMcCutcheon’s,Functional Materials,North American Edition(1992)(共にその全体が本明細書中で参考として援用される)に開示されている。陰イオン性界面活性剤は、水性界面活性剤組成物の技術分野で公知であるまたは以前から使用されている任意の陰イオン性界面活性剤であり得る。適切な陰イオン性界面活性剤には、アルキルスルファート、アルキルエーテルスルファート、アルキルスルホネート、アルカリルスルホネート、α−オレフィン−スルホネート、アルキルアミドスルホネート、アルカリルポリエーテルスルファート、アルキルアミドエーテルスルファート、アルキルモノグリセリルエーテルスルファート、アルキルモノグリセリドスルファート、アルキルモノグリセリドスルホネート、アルキルスクシネート、アルキルスルホスクシネート、アルキルスルホスクシナメート、アルキルエーテルスルホスクシネート、アルキルアミドスルホスクシネート;アルキルスルホアセテート、アルキルホスファート、アルキルエーテルホスファート、アルキルエーテルカルボキシレート、アルキルアミドエーテルカルボキシレート、N−アルキルアミノ酸、N−アシルアミノ酸、アルキルペプチド、N−アシルタウレート、アルキルイセチオネート、アシル基が脂肪酸から誘導されたカルボン酸塩;ならびにそのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、およびトリエタノールアミン塩が含まれるが、これらに限定されない。
1つの態様では、上記塩の陽イオン部分を、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、アンモニウム、モノ−、ジ−、およびトリエタノールアミン塩、ならびにモノ−、ジ−、およびトリ−イソプロピルアミン塩から選択する。前述の界面活性剤のアルキル基およびアシル基は、1つの態様では約6〜約24個の炭素原子、別の態様では8〜22個の炭素原子、1つのさらなる態様では約12〜18個の炭素原子を含み、飽和または不飽和であり得る。界面活性剤中のアリール基を、フェニルまたはベンジルから選択する。上記のエーテル含有界面活性剤は、1つの態様では界面活性剤1分子当たり1〜10個のエチレンオキシド単位および/またはプロピレンオキシド単位、別の態様では界面活性剤1分子当たり1〜3個のエチレンオキシド単位を含むことができる。
適切な陰イオン性界面活性剤の例には、1、2、3,4または5モルのエチレンオキシドでエトキシル化された、ラウレススルファート、トリデセススルファート、ミレススルファート、C12〜C13パレススルファート、C12〜C14パレススルファート、およびC12〜C15パレススルファートのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、マグネシウム塩、およびアンモニウム塩;ラウリルスルファート、ココスルファート、トリデシルスルファート、ミリスチル(myrstyl)スルファート、セチルスルファート、セテアリルスルファート、ステアリルスルファート、オレイルスルファート、およびタロースルファートのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、およびトリエタノールアミン塩、ジナトリウムラウリルスルホスクシネート、ジナトリウムラウレススルホスクシネート、ナトリウムココイルイセチオネート、ナトリウムC12〜C14オレフィンスルホネート、ナトリウムラウレス−6カルボキシレート、ナトリウムメチルココイルタウレート、ナトリウムココイルグリシネート、ナトリウムミリスチルサルコシネート(sarcocinate)、ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート、ナトリウムココイルサルコシネート、ナトリウムココイルグルタメート、カリウムミリストイルグルタメート、トリエタノールアミンモノラウリルホスファート、ならびに脂肪酸せっけん(約8〜約22個の炭素原子を含む飽和および不飽和脂肪酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、およびトリエタノールアミン塩が含まれる)が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書中で使用する場合、用語「両性界面活性剤」はまた、両性界面活性剤のサブセットとして当該分野の調合技術者に周知である双性イオン界面活性剤を含むことを意図する。両性界面活性剤の非限定的な例は、McCutcheon’s Detergents and Emulsifiers、North American Edition(前出)およびMcCutcheon’s、Functional Materials、North American Edition(前出)(これらの両方は、その全体が本明細書中で参考として援用される)に開示されている。適切な例には、アミノ酸(例えば、N−アルキルアミノ酸およびN−アシルアミノ酸)、ベタイン、スルタイン、およびアルキルアンフォカルボキシレートが含まれるが、これらに限定されない。
本発明での実施に適切なアミノ酸ベースの界面活性剤には、式:
(式中、R
25は、10〜22個の炭素原子を有する飽和または不飽和の炭化水素基または9〜22個の炭素原子を有する飽和または不飽和の炭化水素基を含むアシル基を示し、Yは水素またはメチルであり、Zは、水素、−CH
3、−CH(CH
3)
2、−CH
2CH(CH
3)
2、−CH(CH
3)CH
2CH
3、−CH
2C
6H
5、−CH
2C
6H
4OH、−CH
2OH、−CH(OH)CH
3、−(CH
2)
4NH
2、−(CH
2)
3NHC(NH)NH
2、−CH
2C(O)O
−M
+、−(CH
2)
2C(O)O
−M
+から選択される)によって示される界面活性剤が含まれる。Mは塩形成陽イオンである。1つの態様では、R
25は、直鎖または分岐鎖のC
10〜C
22アルキル基、直鎖または分岐鎖のC
10〜C
22アルケニル基、R
26C(O)−(式中、R
26は、直鎖または分岐鎖のC
9〜C
22アルキル基、直鎖または分岐鎖のC
9〜C
22アルケニル基から選択される)によって示されるアシル基から選択されるラジカルを示す。1つの態様では、M
+は、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、およびトリエタノールアミン(TEA)から選択されるカチオンである。
アミノ酸界面活性剤を、α−アミノ酸(例えば、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、イソロイシン、ロイシン、リジン、フェニルアラニン、セリン、チロシン、およびバリンなど)のアルキル化およびアシル化から誘導することができる。代表的なN−アシルアミノ酸界面活性剤は、N−アシル化グルタミン酸のモノ−およびジ−カルボン酸塩(例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、およびTEA)(例えば、ナトリウムココイルグルタメート、ナトリウムラウロイルグルタメート、ナトリウムミリストイルグルタメート、ナトリウムパルミトイルグルタメート、ナトリウムステアロイルグルタメート、ジナトリウムココイルグルタメート、ジナトリウムステアロイルグルタメート、カリウムココイルグルタメート、カリウムラウロイルグルタメート、およびカリウムミリストイルグルタメート);N−アシル化アラニンのカルボン酸塩(例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、およびTEA)(例えば、ナトリウムココイルアラニネートおよびTEAラウロイルアラニネート);N−アシル化グリシンのカルボン酸塩(例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、およびTEA)(例えば、ナトリウムココイルグリシネートおよびカリウムココイルグリシネート);N−アシル化サルコシンのカルボン酸塩(例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、およびTEA)(例えば、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ナトリウムココイルサルコシネート、ナトリウムミリストイルサルコシネート、ナトリウムオレオイルサルコシネート、およびアンモニウムラウロイルサルコシネート);ならびに上記界面活性剤の混合物であるが、これらに限定されない。
本発明で有用なベタインおよびスルタインは、アルキルベタイン、アルキルアミノベタイン、およびアルキルアミドベタイン、ならびに式:
(式中、R
27はC
7〜C
22アルキル基またはアルケニル基であり、各R
28は、独立して、C
1〜C
4アルキル基であり、R
29は、C
1〜C
5アルキレン基またはヒドロキシ置換C
1〜C
5アルキレン基であり、nは2〜6の整数であり、Aはカルボキシレート基またはスルホネート基であり、Mは塩形成陽イオンである)によって示される対応スルホベタイン(スルタイン)から選択される。1つの態様では、R
27は、C
11〜C
18アルキル基またはC
11〜C
18アルケニル基である。1つの態様では、R
28はメチルである。1つの態様では、R
29は、メチレン、エチレン、またはヒドロキシプロピレンである。1つの態様では、nは3である。1つのさらなる態様では、Mは、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、アンモニウム、ならびにモノ−、ジ−、およびトリエタノールアミンの陽イオンから選択される。
適切なベタインの例には、ラウリルベタイン、ココベタイン、オレイルベタイン、ココヘキサデシルジメチルベタイン、ラウリルアミドプロピルベタイン、ココアミドプロピルベタイン(CAPB)、およびコカミドプロピルヒドロキシスルタインが含まれるが、これらに限定されない。
アルキルアンフォカルボキシレート(アルキルアンホアセテートおよびアルキルアンホプロピオネート(一置換および二置換カルボキシレート)など)を、式:
(式中、R
27はC
7〜C
22アルキル基またはアルケニル基であり、R
30は、−CH
2C(O)O
−M
+、−CH
2CH
2C(O)O
−M
+、または−CH
2CH(OH)CH
2SO
3 −M
+であり、R
31は水素または−CH
2C(O)O
−M
+であり、Mは、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、アンモニウム、ならびにモノ−、ジ−、およびトリエタノールアミンから選択される陽イオンである)によって示すことができる。
例示的なアルキルアンフォカルボキシレートには、ナトリウムココアンフォアセテート、ナトリウムラウロアンフォアセテート、ナトリウムカプリロアンフォアセテート、ジナトリウムココアンフォジアセテート、ジナトリウムラウロアンフォジアセテート、ジナトリウムカプリルアンフォジアセテート、ジナトリウムカプリロアンフォジアセテート、ジナトリウムココアンフォジプロピオネート、ジナトリウムラウロアンフォジプロピオネート、ジナトリウムカプリルアンフォジプロピオネート、およびジナトリウムカプリロアンフォジプロピオネートが含まれるが、これらに限定されない。
非イオン性界面活性剤の非限定的な例は、McCutcheon’s Detergents and Emulsifiers,North American Edition,1998(前出)およびMcCutcheon’s,Functional Materials,North American(前出)(これらの両方は、その全体が本明細書中で参考として援用される)に開示されている。非イオン性界面活性剤のさらなる例は、Barratらの米国特許第4,285,841号およびLeikhimらの米国特許第4,284,532号(これらの両方は、その全体が本明細書中で参考として援用される)に記載されている。非イオン性界面活性剤は、典型的に、長鎖アルキル基またはアルキル化アリール基などの疎水性ポーションならびに種々のエトキシル化度および/またはプロポキシル化度(例えば1〜約50)のエトキシ部分および/またはプロポキシ部分を含む親水性ポーションを有する。使用できるいくつかのクラスの非イオン性界面活性剤の例には、エトキシル化アルキルフェノール、エトキシル化およびプロポキシル化された脂肪アルコール、メチルグルコースのポリエチレングリコールエーテル、ソルビトールのポリエチレングリコールエーテル、エチレンオキシド−プロピレンオキシドブロックコポリマー、脂肪酸のエトキシル化エステル、エチレンオキシドと長鎖アミンまたはアミドの縮合生成物、エチレンオキシドとアルコールの縮合生成物、およびその混合物が含まれるが、これらに限定されない。
適切な非イオン性界面活性剤には、例えば、アルキルポリサッカリド、アルコールエトキシレート、ブロックコポリマー、ヒマシ油エトキシレート、セト/オレイルアルコールエトキシレート、セテアリルアルコールエトキシレート、デシルアルコールエトキシレート、ジノニルフェノールエトキシレート、ドデシルフェノールエトキシレート、エンドキャップ化エトキシレート、エーテルアミン誘導体、エトキシル化アルカノールアミド、エチレングリコールエステル、脂肪酸アルカノールアミド、脂肪アルコールアルコキシレート、ラウリルアルコールエトキシレート、モノ分枝アルコールエトキシレート、ノニルフェノールエトキシレート、オクチルフェノールエトキシレート、オレイルアミンエトキシレート、ランダムコポリマーアルコキシレート、ソルビタンエステルエトキシレート、ステアリン酸エトキシレート、ステアリルアミンエトキシレート、タロー油脂肪酸エトキシレート、タローアミンエトキシレート、トリデカノールエトキシレート、アセチレンジオール、ポリオキシエチレンソルビトール、およびその混合物が含まれる。適切な非イオン性界面活性剤の種々の特定の例には、メチルグルセス−10、PEG−20メチルグルコースジステアレート、PEG−20メチルグルコースセスキステアレート、セテス−8、セテス−12、ドドキシノール−12、ラウレス−15、PEG−20ヒマシ油、ポリソルベート20、ステアレス−20、ポリオキシエチレン−10セチルエーテル、ポリオキシエチレン−10ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン−20セチルエーテル、ポリオキシエチレン−10オレイルエーテル、ポリオキシエチレン−20オレイルエーテル、エトキシル化ノニルフェノール、エトキシル化オクチルフェノール、エトキシル化ドデシルフェノール、または3〜20のエチレンオキシド部分を含むエトキシル化脂肪(C6〜C22)アルコール、ポリオキシエチレン−20イソヘキサデシルエーテル、ポリオキシエチレン−23グリセロールラウレート、ポリオキシエチレン−20ステアリン酸グリセリル、PPG−10メチルグルコースエーテル、PPG−20メチルグルコースエーテル、ポリオキシエチレン−20ソルビタンモノエステル、ポリオキシエチレン−80ヒマシ油、ポリオキシエチレン−15トリデシルエーテル、ポリオキシエチレン−6トリデシルエーテル、ラウレス−2、ラウレス−3、ラウレス−4、PEG−3ヒマシ油、PEG600ジオレエート、PEG400ジオレエート、ポロキサマー(ポロキサマー188など)、ポリソルベート21、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート61、ポリソルベート65、ポリソルベート80、ポリソルベート81、ポリソルベート85、ソルビタンカプリレート、ソルビタンココエート、ソルビタンジイソステアレート、ソルビタンジオレエート、ソルビタンジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタンイソステアレート、ソルビタンラウレート、ソルビタンオレエート、ソルビタンパルミテート、ソルビタンセスキイソステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン、ソルビタンセスキステアレート、ソルビタンステアレート、ソルビタントリイソステアレート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンウンデシレネート、またはその混合物が含まれるが、これらに限定されない。
アルキルグリコシド非イオン性界面活性剤を使用することもでき、これらは一般に、酸性媒質中でモノサッカリド、またはモノサッカリドに加水分解することができる化合物を脂肪アルコールなどのアルコールと反応させることによって調製する。例えば、米国特許第5,527,892号および同第5,770,543号は、アルキルグリコシドおよび/またはその調製方法を記載している。適切な例は、Glucopon(商標)220、225、425、600、および625、PLANTACARE(登録商標)、およびPLANTAPON(登録商標)(これらは全てCognis Corporation of Ambler,Pennsylvaniaから入手可能である)の名称で市販されている。
別の態様では、非イオン性界面活性剤には、それぞれ、Glucam(登録商標)E10、Glucam(登録商標)E20、Glucam(登録商標)P10、およびGlucam(登録商標)P20の商標名でLubrizol Advanced Materials,Inc.から入手可能なアルコキシル化メチルグルコシド(例えば、メチルグルセス−10、メチルグルセス−20、PPG−10メチルグルコースエーテル、およびPPG−20メチルグルコースエーテルなど);ならびにそれぞれ、Glucamate(登録商標)DOE−120、Glucamate(商標)LT、およびGlucamate(商標)SSE−20の商標名でLubrizol Advanced Materials,Inc.から入手可能な疎水的に改変されたアルコキシル化メチルグルコシド(PEG120メチルグルコースジオレエート、PEG−120メチルグルコーストリオレエート、およびPEG−20メチルグルコースセスキステアレートなど)が含まれるが、これらに限定されず、これらも適切である。他の例示的な疎水的に改変されたアルコキシル化メチルグルコシドは、米国特許第6,573,375号および同第6,727,357号(その開示全体が本明細書中で参考として援用される)に開示されている。
他の有用な非イオン性界面活性剤には、水溶性シリコーン(PEG−10ジメチコン、PEG−12ジメチコン、PEG−14ジメチコン、PEG−17ジメチコン、PPG−12ジメチコン、PPG−17ジメチコンなど)ならびにその誘導体化/官能化形態(ビス−PEG/PPG−20/20ジメチコン、ビス−PEG/PPG−16/16PEG/PPG−16/16ジメチコン、PEG/PPG−14/4ジメチコン、PEG/PPG−20/20ジメチコン、PEG/PPG−20/23ジメチコン、およびペルフルオロノニルエチルカルボキシデシルPEG−10ジメチコンなど)が含まれる。
本発明の洗浄組成物の調合で利用される少なくとも1つの界面活性剤の量(活性重量に基づく)は、全組成物の重量に基づいて約1〜約30重量%の範囲である。別の態様では、洗浄組成物の調合で利用される少なくとも1つの界面活性剤の量は、約3〜約25重量%の範囲である。さらに別の態様では、洗浄組成物で利用される少なくとも1つの界面活性剤の量は、約5〜約22重量%の範囲である。1つのさらなる態様では、少なくとも1つの界面活性剤の使用量は、約6〜約20重量%の範囲である。さらなる1つの態様では、少なくとも1つの界面活性剤の量は、洗浄組成物の全重量収量に基づいて約10、12、14、16、および18重量%である。
本発明の1つの実施形態では、陰イオン性界面活性剤(非エトキシル化および/またはエトキシル化)と両性界面活性剤の重量比(活性物質に基づく)は、1つの態様では約10:1〜約2:1の範囲であり得、別の態様では9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4.5:1、4:1、または3:1であり得る。エトキシル化陰イオン性界面活性剤を非エトキシル化陰イオン性界面活性剤および両性界面活性剤と組み合わせて使用する場合、エトキシル化陰イオン性界面活性剤と非エトキシル化陰イオン性界面活性剤と両性界面活性剤の重量比(活性物質に基づく)は、1つの態様では約3.5:3.5:1、別の態様では約1:1:1の範囲であり得る。
1つの実施形態では、本発明の直鎖で非イオン性の両親媒性ポリマーを含む洗浄組成物の降伏応力値は0Paである。
1つの実施形態では、本発明の架橋された非イオン性の両親媒性ポリマーを含む洗浄組成物の降伏応力値は、1つの態様では少なくとも約0.1Pa、1つの態様では約0.5Pa、別の態様では少なくとも約1Pa、1つのさらなる態様では少なくとも約1.5Paである。別の実施形態では、洗浄組成物の降伏応力は、1つの態様では約0.1〜約20Pa、別の態様では約0.5Pa〜約10Pa、1つのさらなる態様では約1〜約3Pa、1つのなおさらなる態様では約1.5〜約3.5の範囲である。
任意選択的に、本発明の洗浄組成物は電解質を含むことができる。適切な電解質は公知の化合物であり、それらには、多価アニオンの塩(ピロリン酸カリウム、トリポリリン酸カリウム、およびクエン酸ナトリウムまたはクエン酸カリウムなど)、アルカリ土類金属塩を含む多価カチオンの塩(塩化カルシウムおよび臭化カルシウムならびにハロゲン化亜鉛、塩化バリウム、および硝酸カルシウムなど)、一価カチオンと一価アニオンの塩(アルカリ金属またはアンモニウムのハロゲン化物(塩化カリウム、塩化ナトリウム、ヨウ化カリウム、臭化ナトリウム、および臭化アンモニウムなど)、アルカリ金属またはアンモニウムの硝酸塩が含まれる)、およびそのブレンドが含まれる。電解質の使用量は一般に組み込まれる両親媒性ポリマーの量に依存するが、全組成物の重量に基づいて1つの態様では約0.1〜約4重量%、別の態様では約0.2〜約2重量%の濃度レベルで使用することができる。
洗浄組成物は、0.1秒−1と1秒−1との間の剪断速度で0.5未満のずり減粘指数で容易に注ぐことができなければならない。本発明の洗浄組成物を、増粘液体の降伏値を増大させるための補助レオロジー調整剤(増粘薬)と組み合わせて利用することができる。1つの態様では、レオロジー調整剤を、直鎖炎症緩和ポリマーを利用した場合に所望の降伏応力値を達成するための非イオン性レオロジー調整剤と組み合わせることができる。任意のレオロジー調整剤が適切であり、これらの調整剤には、天然ゴム(例えば、コロハ、カッシア、イナゴマメ、タラ、およびグアーから選択されるポリガラクトマンナンゴム)、修飾セルロース(例えば、エチルヘキシルエチルセルロース(EHEC)、ヒドロキシブチルメチルセルロース(HBMC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、およびセチルヒドロキシエチルセルロース);およびその混合物、メチルセルロース、ポリエチレングリコール(例えば、PEG4000、PEG6000、PEG8000、PEG10000、PEG20000)、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド(ホモポリマーおよびコポリマー)、および疎水的に改変されたエトキシル化ウレタン(HEUR)が含まれるが、これらに限定されない。レオロジー調整剤を、組成物の総重量の重量に基づいて1つの態様では約0.5〜約25重量%、別の態様では約1〜約15重量%、1つのさらなる態様では約2〜約10重量%、約2.5〜約5重量%の範囲の量で利用することができる。
本発明の直鎖および架橋された非イオン性の両親媒性ポリマーを、刺激の強い界面活性剤によって誘導される皮膚および/または眼への刺激を緩和するための任意の洗浄適用または清浄適用で使用することができる。本発明の直鎖ポリマーを、炎症の緩和が望ましいが、降伏値の増加や増粘が望ましくない清浄調合物中で利用することができる。本発明の架橋された非イオン性の両親媒性ポリマーを、刺激の強い界面活性剤によって誘導される皮膚および/または眼への刺激を緩和すると同時に、降伏応力特性を増強する必要がある任意の洗浄適用または清浄適用で使用することができる。
1つの実施形態では、本発明の架橋された非イオン性の両親媒性ポリマーを、皮膚および/または眼への刺激を緩和し、パーソナルケアおよびホームケア産業のために調合した洗浄組成物および浄化組成物を含む界面活性剤内で粒子材料および不溶性液滴を安定に懸濁するために利用することができる。
パーソナルケア産業では、本発明の架橋された非イオン性の両親媒性ポリマーを、毛髪および皮膚用の洗浄組成物の穏やかさおよび降伏応力特性を改善するために利用することができ、不溶性シリコーン、乳白剤および真珠光沢剤(例えば、雲母、被覆雲母、エチレングリコールモノステアレート(EGMS)、エチレングリコールジステアレート(EGDS)、ポリエチレングリコールモノステアレート(PGMS)、またはポリエチレングリコールジステアレート(PGDS))、顔料、剥離剤、フケ防止剤、粘土、膨潤性粘土、ラポナイト、ガス気泡、リポソーム、マイクロスポンジ、化粧品用ビーズ、化粧品用マイクロカプセル、およびフレークの安定な懸濁のために利用することができる。これらの組成物は、ボディウォッシュ、シャワージェル、泡立て剤、ツー・イン・ワン・シャンプー、コンディショナー、スクラブ洗顔料、保湿用リンス、および化粧品除去製品などの形態であり得る。
例示的なビーズ成分には、寒天ビーズ、アルギネートビーズ、ホホバビーズ、ゼラチンビーズ、Styrofoam(商標)ビーズ、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンビーズ、Unispheres(商標)およびUnipearls(商標)化粧品用ビーズ(Induchem USA,Inc.,New York,NY),Lipocapsule(商標)、Liposphere(商標)、およびLipopearl(商標)マイクロカプセル(Lipo Technologies Inc.,Vandalia,OH)、およびConfetti II(商標)皮膚送達用フレーク(United−Guardian,Inc.,Hauppauge,NY)が含まれるが、これらに限定されない。ビーズは、美容用材料として利用することができるか、環境の劣化作用から有益な薬剤を保護するため、または最終製品における最適な送達、放出および性能に有益な薬剤をカプセル化するために使用することができる。
1つの態様では、化粧品用ビーズは、約0.5〜約1.5mmのサイズの範囲である。別の態様では、ビーズと水の比重差は、1つの態様では約+/−0.01と0.5との間、別の態様では約+/−0.2〜0.3g/mlである。
1つの態様では、マイクロカプセルは、約0.5〜約300μmのサイズの範囲である。別の態様では、マイクロカプセルと水の比重差は約+/−0.01〜0.5である。マイクロカプセルビーズの非限定的な例は、米国特許第7,786,027号(その開示が本明細書中で参考として援用される)に開示されている。
本発明の1つの態様では、微粒子成分および/または不溶性液滴の量は、組成物の全重量に基づいて約0.1%〜約10重量%の範囲であり得る。
安定な組成物は、長期間(45℃で少なくとも1ヶ月間など)にわたって粘度の有意な増加や減少がなく、相分離(例えば、沈殿またはクリーム分離(表面への上昇))や透明性の喪失がない良好なずり減粘特性を有する滑らかな許容され得るレオロジーを維持する。
ホームケア産業では、本発明の架橋された非イオン性の両親媒性ポリマーを、硬表面(例えば、床、カウンテートップ、壁、木表面、電化製品、およびタイルなど)、衣類ケア、食器ケア、粘着性の改善(便器、シンク、および垂直面用のクリーナー)、および研磨クリーナーにおける研磨材料の安定な懸濁のために清浄組成物の穏やかさおよび降伏応力特性を改善するために利用することができる。
本発明の降伏応力流体に含めることができる種々の成分および構成要素についての重複した重量範囲が、本発明の選択された実施形態および態様について表現されているが、その組成物中の各成分の具体的な量は、各成分の量が、組成物中のすべての成分の和が合計100重量パーセントとなるよう調整されるように、その開示された範囲から選択されることは容易に明らかなはずである。使用される量は、所望の製品の目的および特徴によって変化することになり、それは調合技術分野の技術者によって、および文献から容易に決定することができる。
本発明を以下の実施例によって例示している。この実施例は、例示のみを目的とし、本発明の範囲や実施することができる様式を制限すると見なすべきではない。他で別段に記載しない限り、部および百分率は重量に基づく。
実施例1
50重量%EA、10重量%n−BA、10重量%MMA、30重量%HEMAを含むモノマー混合物から重合され、APE(乾燥ポリマーの重量に基づいて0.08重量%)で架橋されたエマルジョンポリマーを以下の通り合成する。
モノマープレミックスを、140gの水、16.67gのSulfochem(商標)SLS界面活性剤(以下SLS)、250gのEA、50gのn−BA、50gのMMA、0.57gの70%APEおよび150gのHEMAを混合することによって作製する。開始剤Aを、40gの水中で2.86gの70%TBHPを混合することによって作製する。還元剤Aを、5gの水に0.13gのエリソルビン酸を溶解させることによって調製する。還元剤Bを、100gの水に2.0gのエリソルビン酸を溶解させることによって調製する。3リットル反応容器に800gの水および1.58gのSLS界面活性剤を充填し、次いで、窒素ブランケットおよび適当な撹拌の下、60℃に加熱する。次いで、開始剤Aを反応容器に添加し、その後に還元剤Aを添加する。約1分後、モノマープレミックスを150分間にわたって反応容器に計量投入する。モノマープレミックスプロポーショニングの開始約3分後、還元剤Bを180分間にわたって反応容器に計量投入する。還元剤B供給が完了した後、反応容器の温度を60℃で60分間保持する。次いで反応容器を55℃に冷却する。1.79gの70%TBHPおよび0.58gのSLSを含む25gの水溶液を反応容器に添加する。5分後、1.05gのエリソルビン酸および0.1gのSLSを含む25gの水溶液を反応容器に添加する。反応容器を55℃で保持する。30分後、1.79gの70%TBHPおよび0.3gのSLSを含む25gの水溶液を反応容器に添加する。5分後、1.0gのエリソルビン酸および0.17gのSLSを含む25gの水溶液を反応容器に添加する。反応容器を55℃で約30分間保持する。次いで、反応容器を室温に冷却し、その内容物を100μmのクロスでろ過する。得られたエマルジョンのpHを、水酸化アンモニウムで5〜6に調整する。ポリマーエマルジョンは、30重量%のポリマー固体、15cpの粘度、および209nmの粒径を有する。
実施例2
35重量%EA、20重量%n−BA、45重量%HEMAを含むモノマー混合物から重合され、APE(乾燥ポリマーの重量に基づいて0.08重量%)で架橋されたエマルジョンポリマーを以下の通り調製する。
モノマープレミックスを、140gの水、5gのSLS、175gのEA、100gのn−BA、0.57gの70%APEおよび225gのHEMAを混合することによって作製する。開始剤Aを、40gの水中で2.86gの70%TBHPを混合することによって作製する。還元剤Aを、5gの水に0.13gのエリソルビン酸を溶解させることによって調製する。還元剤Bを、100gの水に2.0gのエリソルビン酸を溶解させることによって調製する。3リットル反応容器に800gの水、13.3gのSLSおよび25gのポリ(ビニルアルコール)(Sigma−AldrichCo.の、平均分子量13,000〜23,000ダルトンを有し、87〜89%加水分解されているもの)を充填する。反応容器を、窒素ブランケットおよび適当な撹拌のもと、60℃に加熱する。その後に開始剤Aを反応容器に加え、続いて還元剤Aを添加する。約1分後、モノマープレミックスを、150分間にわたって反応容器に計量投入する。モノマープレミックスの計量投入開始約3分後、還元剤Bを、180分間にわたって反応容器に計量投入する。還元剤B供給が完了した後、反応容器の温度を60℃で60分間保持する。次いで、反応容器を55℃に冷却する。1.79gの70%TBHPおよび0.58gの30%のSLSを含む25gの水溶液を反応容器に添加する。5分後、1.05gのエリソルビン酸および0.1gのSLSの溶液を含む25gの水溶液を反応容器に添加する。反応容器を55℃で保持する。30分後、1.79gの70%TBHPおよび0.3gのSLSを含む25gの水溶液を反応容器に添加する。5分後、1.0gのエリソルビン酸溶液および0.17gのSLSを含む25gの水溶液を反応容器に添加する。反応容器を55℃で約30分間保持する。次いで、反応容器を室温に冷却し、その内容物を100μmのクロスでろ過する。得られたエマルジョンのpHを、水酸化アンモニウムで5〜6に調整する。ポリマーエマルジョンは、29.74重量%のポリマー固体、21cpの粘度、および109nmの粒径を有する。
実施例3
45重量%EA、15重量%n−BA、45重量%HEMAを含むモノマー混合物から重合され、APE(乾燥ポリマーの重量に基づいて0.08重量%)で架橋されたエマルジョンポリマーを、200gのEAおよび75gのn−BAを使用すること以外は、実施例2と同様の方法で調製する。ポリマーエマルジョンは、29.43重量%のポリマー固体、26cpの粘度、および101nmの粒径を有する。
実施例4(比較)
50重量%EA、20重量%MMA、30重量%HEMAを含むモノマー混合物から重合され、APE(乾燥ポリマーの重量に基づいて0.35重量%)で架橋されたエマルジョンポリマーを以下の通り調製する。
モノマープレミックスを、140gの水、16.67gのSLS、250gのEA、75gのMMA、1.75gのAPE、および150gのHEMAを混合することによって作製する。開始剤Aを、40gの水中で2.86gの70%TBHPを混合することによって作製する。還元剤Aを、5gの水に0.13gのエリソルビン酸を溶解させることによって調製する。還元剤Bを、100gの水に2.0gのエリソルビン酸を溶解させることによって調製する。3リットルの反応容器に800gの水および1.58gのSLSを充填し、次いで、窒素ブランケットおよび適当な撹拌の下、60℃に加熱する。次いで開始剤Aを反応容器に加え、その後に還元剤Aを添加する。約1分後、モノマープレミックスを、144分間にわたって反応容器に計量投入する。モノマープレミックスの計量投入開始約3分後、還元剤Bを、180分間にわたって反応容器にプロポーショニングする。モノマープレミックス供給が完了した後、25gのMMAを、6分間にわたって反応容器に計量投入する。還元剤B供給が完了した後、反応容器の温度を60℃で60分間保持する。次いで反応容器を55℃に冷却する。1.79gの70%TBHPおよび0.58gのSLSを含む25gの水溶液を反応容器に添加する。5分後、1.05gのエリソルビン酸および0.1gの30%のSLSを含む25gの水溶液を反応容器に添加する。反応容器を55℃で保持する。30分後、1.79gの70%TBHPおよび0.3gの30%のSLSを含む25gの水溶液を反応容器に添加する。5分後、1.0gのエリソルビン酸溶液および0.17gのSLSを含む25gの水溶液を反応容器に添加する。反応容器を55℃で約30分間保持する。次いで、反応容器を室温に冷却し、100μmのクロスでろ過する。得られたエマルジョンのpHを、水酸化アンモニウムで5〜6に調整する。ポリマーエマルジョンは、28.65重量%のポリマー固体、6cpの粘度、および94nmの粒径を有する。このポリマーは比較的高いレベルの架橋剤(APE)を含む。
実施例5(比較)
50重量%EA、20重量%MMA、30重量%HEMAを含むモノマー混合物から重合され、APE(乾燥ポリマーの重量に基づいて0.53重量%)で架橋されたエマルジョンポリマーを、2.65gのAPEを使用すること以外は、実施例4と同様の方法で調製する。ポリマーエマルジョンは、26.31重量%のポリマー固体、5cpの粘度、および94nmの粒径を有する。このポリマーは比較的高いレベルの架橋剤(APE)を含む。
実施例6
35重量%EA、20重量%n−BA、45重量%HEMAを含むモノマー混合物から重合され、架橋剤を含まないエマルジョンポリマーを、APEを使用しないこと以外は実施例2と同様の方法で調製する。ポリマーエマルジョンは、29.55重量%のポリマー固体、26cpの粘度、および93nmの粒径を有する。
実施例7(比較)
70重量%EA、20重量%n−BA、10重量%HEMAを含むモノマー混合物から重合され、APE(乾燥ポリマーの重量に基づいて0.08重量%)で架橋されたエマルジョンポリマーを実施例2と同様の方法で合成する。ポリマーエマルジョンは、29.73重量%のポリマー固体、26cpの粘度、および93nmの粒径を有する。
実施例8
40重量%EA、15重量%n−BA、10重量%HEA、35重量%HEMAを含むモノマー混合物から重合され、APE(乾燥ポリマーの重量に基づいて0.06重量%)で架橋されたエマルジョンポリマーを以下の通り調製する。
モノマープレミックスを、140gの水、5gのSLS、200gのEA、75gのn−BA、50gの2−ヒドロキシルエチルアクリレート(HEA)および175gのHEMAを混合することによって作製する。開始剤Aを、40gの水中で2.86gの70%TBHPを混合することによって作製する。還元剤Aを、5gの水に0.13gのエリソルビン酸を溶解させることによって調製する。還元剤Bを、100gの水に2.0gのエリソルビン酸を溶解させることによって調製する。3リットル反応容器に800gの水、13.3gの30%のSLSおよび25gのポリ(ビニルアルコール)(平均分子量13,000〜23,000ダルトンを有し、87〜89%加水分解されているもの)を充填する。反応容器を、窒素ブランケットおよび適当な撹拌の下、60℃に加熱する。次いで、開始剤Aを反応容器に加え、その後に還元剤Aを添加する。約1分後、モノマープレミックスを、150分間にわたって反応容器に計量投入する。モノマープレミックスの計量投入開始約3分後、還元剤Bを、180分間にわたって反応容器に計量投入する。モノマープレミックスの計量投入開始約60分後、0.43gの70%APEをモノマープレミックスに添加する。還元剤B供給が完了した後、反応容器の温度を60℃で60分間保持する。次いで、反応容器を55℃に冷却する。1.79gの70%TBHPおよび0.58gのSLSを含む25gの水溶液を反応容器に添加する。5分後、1.05gのエリソルビン酸および0.1gのSLSを含む25gの水溶液を反応容器に添加する。反応容器を55℃で保持する。30分後、1.79gの70%TBHPおよび0.3gのSLSを含む25gの水溶液を反応容器に添加する。5分後、1.0gのエリソルビン酸溶液および0.17gのSLSを含む25gの水溶液を反応容器に添加する。反応容器を55℃で約30分間保持する。次いで、反応容器を室温に冷却し、内容物を100μmのクロスでろ過する。得られたエマルジョンのpHを、水酸化アンモニウムで5〜6に調整する。ポリマーエマルジョンは、30.44%のポリマー固体、17cpの粘度、および99nmの粒径を有していた。
実施例9
20重量%EA、15重量%n−BA、20重量%VA、45重量%HEMAを含むモノマー混合物から重合され、APE(乾燥ポリマーの重量に基づいて0.06重量%)で架橋されたエマルジョンポリマーを、実施例8と同様の様式で合成する。モノマー混合物は20gのVA、20gのEA、75gのn−BA、および225gのHEMAを含む。反応器中のポリ(ビニルアルコール)を、平均分子量約9,000〜1,0000ダルトンを有し、80%加水分解されているものに切り替える。ポリマーエマルジョンは、30.1重量%のポリマー固体、14cpの粘度、および135nmの粒径を有する。
実施例10
20重量%EA、15重量%n−BA、20重量%VA、45重量%HEMAを含むモノマー混合物から重合され、APE(乾燥ポリマーの重量に基づいて0.06重量%)で架橋されたエマルジョンポリマーを、モノマープレミックスの計量投入開始後約90分でAPEをモノマープレミックスに添加したこと以外は、実施例9と同様の様式で合成する。得られたポリマーエマルジョンは、29.94重量%のポリマー固体、および16cpの粘度、130nmの粒径を有する。
実施例11〜17
陰イオン性界面活性剤、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)による実施例1〜7のエマルジョン中の個々のポリマー粒子の膨潤を、水中に0〜6mMの範囲の界面活性剤濃度で、0.01重量%のポリマー(全ポリマー固体)、20mMの塩化ナトリウムを含む試験サンプルを調製することによって測定する。膨潤が認められる場合、動的光散乱法(DLS)によって測定された粒径は、臨界界面活性剤濃度まで一定に留まったが、この濃度を超えると、最も高い界面活性剤濃度でのプラトー値まで単調に増大した。図1を参照して、実施例12のポリマーについての膨潤または膨張比は、プラトー値(250nm)を、臨界濃度閾値未満の粒子のサイズ(93.5nm)で除して得られる(ポリマー膨張比:250nm/93.5nm=2.7)。
水中に3重量%のポリマー固体および5重量%のSLSを含むサンプルを、実施例1〜7で調製した各ポリマーを用いて調製する。これらのサンプルの降伏応力、粘度およびずり減粘指数を、円錐平板形状(2°の円錐角および56μmのすき間を有する40mm円錐)を有する制御型応力レオメーター(TA Instruments AR1000Nレオメーター、New Castle、DE)にて25℃で、振動および定常剪断の測定により決定した。振動測定は1Hz〜0.001Hzの範囲の固定周波数で実施する。弾性係数および粘性係数(それぞれG’およびG’’)を、増大する応力振幅の関数として得る。膨潤したポリマー粒子が充填網を作製した場合、G’は低い応力振幅でG’’より大きいが、より高い振幅では、充填網の破断のためG’’を横切って減少する。G’とG’’の交点に対応する応力を降伏応力として記録する。図2は、実施例13の降伏応力流体についての、G’(黒丸)とG’’(白丸)の交点(降伏応力値)を例示する。粘度対剪断速度のプロットを定常剪断測定により得る。3秒
−1の剪断速度での粘度を記録する。ずり減粘指数を、0.1〜1秒
−1の剪断速度範囲での冪乗則フィット(η=Kγ
n−1)により得る。ここで、ηは粘度であり、γは剪断速度であり、nはずり減粘指数であり、Kは定数である。サンプルの光学的清澄性(透過率パーセントすなわちT%で表す)を、420nmフィルターを備えたBrinkmann PC 910比色計を用いて測定する。これらの測定結果をポリマー膨張比と併せて、表1に示す。
実施例11〜13(2.5超の膨張比を有する架橋両親媒性ポリマーで調製)の組成物は高い降伏応力(0.5Pa超)、優れたずり減粘、および良好な光学的清澄性を有していることは明らかである。実施例14および15の比較調合物は、比較的高いレベルの架橋剤を有するポリマーで調合されたものであり、これらは、界面活性剤媒質中で十分に膨潤することはできない。これらの組成物は降伏応力やずり減粘を示さず、極めて低い粘度および光学的清澄性を有する。
実施例16を、架橋を含まない(直鎖の)ポリマーを使用して調合する。この場合、高い光学的清澄性が認められるが、降伏応力やずり減粘の特性は認められない。本発明の直鎖ポリマーを、降伏応力の増加が望ましくない組成物における刺激を緩和するために利用することができる。
比較実施例17を、適度なレベルの架橋剤を有するポリマーを使用して調合しているが、親水性モノマーのレベルは著しく低い。このポリマーも界面活性剤媒質中で十分な膨潤を示さず、光学的清澄性が不十分であり粘度が低いことと相まって、降伏応力やずり減粘の特性を示さない。
ポリマー系の活性で且つ/または審美的に魅力的な不溶性の油状、ガス状、および微粒子状の材料を懸濁させる能力は、製品の有効性およびアピールの観点から重要である。約1.4の比重を有する1.2mmサイズのビーズ(Induchem AG、SwitzerlandのUnisphere(商標)REL552)の長期懸濁液を、実施例12〜17で試験する。6ドラムバイアル(およそ70mm高さ×25mm径)を、各調合物で50mmのポイントまで満たす。ビーズを各サンプルに量り込み(全調合物の重量に基づいて0.6重量%)、各サンプル全体にわたって均一に分散されるまで木製スパチュラで緩やかに撹拌する。バイアルを周囲室温で実験台上に置いて16週間エイジングする。各サンプルのビーズ懸濁特性を毎日モニタリングする。懸濁の結果を16週間の試験期間を通して目視で観察する。ビーズは、本発明の調合物中で懸濁されたままである(上昇も沈降もしない)。比較実施例14〜17の調合物は、ビーズが2週間以内にバイアルの底部へ沈降するという点で不成功に終わった。
実施例18
この実施例は、降伏応力流体のレオロジーおよび光学的清澄性に及ぼす異なる塩を含む代替の陰イオン性界面活性剤の影響を例示する。3重量%(全ポリマー固体)の実施例2からのポリマーおよび5重量%の以下の表に挙げる界面活性剤(活性物質)を含む水性組成物を調製し、降伏応力、粘度、ずり減粘指数、および光学的清澄性を実施例11〜17と同様にして測定する。結果を表2に示す。
種々の陰イオン性界面活性剤を使用して、高い降伏応力、優れたずり減粘、および許容され得る光学的清澄性を示す降伏応力流体が得られていることは明らかである。
実施例19
この実施例は、本発明のポリマーを含む降伏応力流体のレオロジーおよび光学的清澄性に及ぼす陰イオン性エトキシル化界面活性剤と両性界面活性剤との組合せを例示する。3重量%のポリマー固体および14重量%の界面活性剤ブレンド(12重量%(活性)陰イオン性界面活性剤Sulfochem(商標)ES−2および2重量%(活性)両性界面活性剤Chembetaine(商標)CAD)を含む水性組成物を、ポリマーと界面活性剤組合せとを混合することによって調製する。降伏応力、粘度、ずり減粘指数、および光学的清澄性を実施例11〜17と同様にして測定する。結果を表3に示す。
本発明のポリマーを陰イオン性界面活性剤と両性界面活性剤の混合物と組み合わせて使用することによって、高い降伏応力、優れたずり減粘、および許容され得る光学的清澄性を示す降伏応力流体が得られる。
図3は、実施例9のポリマーから上記で調合した降伏応力流体についての振動レオロジー測定を示すプロットである。プロット上でG’(白丸)とG’’(黒丸)の交点を通って引かれた縦線は、低応力でのミクロゲルの充填網と閾値(降伏)応力を超える流体との境界を示す。G’’対応力のプロットは、軟質のガラス状物質(SGM)の特徴である最大値を示す。
実施例20
およそ1.4の比重を有する1.2mmサイズのビーズ(Induchem AG、SwitzerlandのUnisphere(商標)REL552)の長期間の懸濁を、実施例11〜17の方法にしたがって表4で例示した降伏応力流体(実施例8、9および10のポリマーを含む)について試験する。ビーズは、この実施例で示す降伏応力流体調合物中、室温(およそ23℃)で4カ月にわたり懸濁されたままである。
実施例21(比較)
この実施例は、水中での陰イオン性界面活性剤と組み合わせた、非イオン性の疎水的に改変された会合性増粘薬の挙動を例示する。
疎水性エトキシル化ウレタン(HEUR)ポリマー(Dow ChemicalのAculyn(登録商標)44)および疎水的に改変されたヒドロキシエチルセルロース(HMHEC)ポリマー(Ashland ChemicalのNatrosol(登録商標)Plus 330 PA)をSDS界面活性剤と合わせて、水中で3重量%のポリマー(全ポリマー固体)および5重量%の界面活性剤(活性物質)を含む組成物を調製する。その組成物のレオロジーを、実施例1に記載の手順を使用して決定する。両方の場合において、サンプルは降伏応力値を示さなかったことが見出される。
実施例22
この実施例は、界面活性剤と本発明のポリマーの混合物を含む流体組成物対同一の界面活性剤系で調合されたpH応答性ポリマーを含む組成物の降伏応力に及ぼすpHの影響を比較する。比較ポリマーは、アクリレートクロスポリマー−4(INCI)(Carbopol(登録商標)AquaSF−2として市販、Lubrizol Advanced Materials,Inc.)、(メタ)アクリル酸の架橋された陰イオン性アクリルエマルジョンポリマーまたは1つまたは複数のそれらのC1〜C4アルキルエステルである。
水中で2.5重量%(全ポリマー固体)の実施例10のポリマーおよび14重量%の界面活性剤ブレンド(12重量%(活性物質)陰イオン性エトキシル化界面活性剤Sulfochem(商標)ES−2および2重量%(活性物質)両性界面活性剤Chembetaine(商標)CAD)ならびに10mM塩化ナトリウムを含むいくつかの例を調製する。同一サンプルを、比較アクリレートクロスポリマー−4を使用して調合する。これらのサンプルのpHを、水酸化ナトリウム(18%、重量/重量)またはクエン酸(50%、重量/重量)の希釈水溶液を用いて3〜12の範囲の値に調整する。1Hzの周波数での降伏応力を実施例11〜17の方法を用いて測定する。実施例10のポリマーを使用して調合した組成物についての結果を表4に示し、pH応答性比較ポリマーを使用して調合した組成物についての結果を表5に示す。
表4に列挙した降伏応力値は2.56Paの平均値および0.19Paの標準偏差を有するのに対して、表5に列挙した降伏応力値は1.58Paの平均値および2.07Paの標準偏差を有する。コントロールポリマーと比較して、本発明のポリマーがpHの広い範囲にわたって有意により均一な降伏応力を提供することは明らかである。
およそ1.3の比重を有する1.4mmサイズのビーズ(Induchem AG、SwitzerlandのUnisphere(商標)REL551)の長期間の懸濁を、実施例11〜17の方法にしたがって試験する。表4に例示のすべてのサンプルにおいて、ビーズは室温(およそ23℃)で4カ月にわたって懸濁されたままであるが、表5に列挙の最後の5つのサンプルでは、ビーズを懸濁されたままにすることができなかったことが分かる。
実施例23
この実施例は、雲母の配列および真珠光沢性に及ぼす本発明の組成物の影響を例示する。
水中に3重量%のポリマーおよび5重量%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含むサンプルを、実施例1および実施例2のポリマーを用いて調製する。酸化鉄で被覆した雲母小板(EM Industries,Inc.のColorona Copper化粧品用顔料、製品番号017378)を、これらのサンプルに0.7mg/mlの濃度で添加する。雲母を含むサンプルの一滴を顕微鏡スライドガラス上に置き、カバースリップで覆い、5分間で平衡にさせる。次いで、スライドを、偏光板、分析器、およびカラーカメラを備えた顕微鏡(Olympus BX51TRF)のステージ上に置く。明視野で焦点を合わせた後、偏光板および分析器を通過させ、カラーカメラで画像を撮る。次いで、画像を、その三成分色チャンネル:赤、緑および青に分解する。画像解析ソフトウェア(Image J software、National Institutes of Health)を用いて、青色チャンネルにおけるバックグラウンドより暗い小板の総数および赤色チャンネルにおけるバックグラウンドより明るい小板の総数を数える。交差偏光板で見た場合、剪断下で配列されていない小板は、赤色チャンネルにおいて明るく現れる。剪断下で配列されていない小板の割合を、赤色チャンネルでの小板のカウント総数を青色チャンネルでの小板のカウント総数で除したものとして算出する。配列された小板の割合を、1から配列されていない小板の割合を引いたものとして算出する。実施例1および実施例2のポリマーを含むサンプルは、それぞれ5.2および5.3の標準偏差で、88.8%および87.4%の雲母小板の配列を示す。80%を超える配列は、非常に魅力的な外観の真珠光沢を提供する。
実施例24
45重量%HEMA、35重量%EA、15重量%n−BA、5重量%BEMを含むモノマー混合物から重合され、APE(乾燥ポリマーの重量に基づいて0.08重量%)で架橋されたエマルジョンポリマーを以下の通り調製する。
モノマープレミックスを、140gの水、3.75gの40%αオレフィンスルホネート(AOS)水溶液、175gのEA、71gのn−BA、33.33gのBEMおよび225gのHEMAを混合することによって作製する。開始剤Aを、40gの水中で2.86gの70%TBHPを混合することによって作製した。還元剤Aを、5gの水に0.13gのエリソルビン酸を溶解させることによって調製する。還元剤Bを、100gの水に2.0gのエリソルビン酸を溶解させることによって調製する。3リットル反応容器に800gの水、10gの40%AOS、および25gのCelvol(登録商標)502PVAを充填し、次いで、窒素ブランケットおよび適当な撹拌の下、65℃に加熱する。次いで、開始剤Aを反応容器に加え、その後に還元剤Aを添加する。約1分後、モノマープレミックスを、150分間にわたって反応容器に計量投入し;同時に、還元剤Bを180分間にわたって反応容器に計量投入する。モノマープレミックスを添加した後、0.40gの70%APEおよび3.6gのn−BAの溶液をモノマープレミキサーに添加する。モノマープレミックス供給が完了した後、33gの水を添加して残留モノマーをプレミキサーからフラッシュさせる。還元剤B供給が完了した後、反応容器の温度を65℃で65分間保持する。次いで、反応容器を60℃に冷却する。1.79gの70%TBHPおよび0.13gの40%AOSを含む25gの水溶液を反応容器に添加する。5分後、1.05gのエリソルビン酸を含む25gの水溶液を反応容器に添加する。30分後、1.79gの70%TBHPおよび0.13gの40%AOSを含む25gの水溶液を反応容器に添加する。5分後、1.05gのエリソルビン酸を含む25gの水溶液を反応容器に添加する。反応容器を60℃で約30分間保持する。次いで、反応容器の内容物を室温に冷却し、100μmのクロスでろ過する。得られたエマルジョンのpHを、28%水酸化アンモニウムで3.5〜4.5に調整する。
実施例25
45%HEMA、35重量%EA、15重量%n−BA、5重量%MPEG350を含むモノマー混合物から重合され、APE(乾燥ポリマーの重量に基づいて0.08%)で架橋されたエマルジョンポリマーを以下の通り調製する。
モノマープレミックスを、140gの水、5gの30%ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)水溶液、175gのEA、71gのn−BA、25gのBisomer(登録商標)MPEG350MA、および225gのHEMAを混合することによって作製する。開始剤Aを、40gの水中で2.86gの70%TBHPを混合することによって作製する。還元剤Aを、5gの水に0.13gのエリソルビン酸を溶解させることによって調製する。還元剤Bを、100gの水に2.0gのエリソルビン酸を溶解させることによって調製する。3リットル反応容器に800gの水、13.33gの30%のSLS、および25gのCelvol(登録商標)502PVAを充填し、内容物を窒素ブランケットおよび適当な撹拌の下、65℃に加熱する。開始剤Aを反応容器に加え、その後に還元剤Aを添加する。約1分後、モノマープレミックスを、150分間にわたって反応容器に計量投入し;同時に、還元剤Bを、180分間にわたって反応容器に計量投入する。モノマープレミックスを添加した後、0.40gの70%APEおよび3.6gのn−BAの溶液をモノマープレミキサーに添加する。モノマープレミックス供給が完了した後、33gの水を添加してプレミキサー中の残留モノマーをフラッシュさせる。還元剤B供給が完了した後、反応容器の温度を65℃で65分間保持する。次いで、反応容器を60℃に冷却する。1.79gの70%TBHPおよび0.17gの30%のSLSを含む25gの水溶液を反応容器に添加する。5分後、1.05gのエリソルビン酸を含む25gの水溶液を反応容器に添加する。30分後、1.79gの70%TBHPおよび0.17gの30%のSLSを含む25gの水溶液を反応容器に添加する。5分後、1.05gのエリソルビン酸を含む25gの水溶液を反応容器に添加する。反応容器を60℃で約30分間保持する。次いで、反応容器を室温に冷却し、100μmのクロスでろ過する。得られたエマルジョンのpHを、28%水酸化アンモニウムで3.5〜4.5に調整する。得られるポリマーラテックスは、30%の固体レベル、16cpの粘度、および125nmの粒径を有していた。
実施例26
水中で2.5%(全ポリマー固体)の実施例33のポリマーおよび17重量%の界面活性剤ブレンド(14重量%(活性物質)陰イオン性界面活性剤Sulfochem(商標)ES−2および3重量%(活性物質)両性界面活性剤Chembetaine(商標)CAD)ならびに0.1重量%の塩化ナトリウムを含むサンプルを調製する。これらのサンプルのpHを、水酸化ナトリウム(18%、重量/重量)またはクエン酸(50%、重量/重量)の希釈水溶液を用いて3〜12の範囲の値に調整する。各サンプルについての降伏応力および光学的清澄性を測定し、表12に記録する。1Hzの周波数での降伏応力を、円錐平板形状(2°の円錐角および56μmのすき間を有する60mm円錐)を有する制御型応力レオメーター(TA instruments AR2000EXレオメーター、New Castle、DE)を用いて25℃で、実施例15〜21で説明した方法を用いて測定する。各サンプルの光学的清澄性(透過率パーセントすなわちT%で表す)を、420nmフィルターを備えたBrinkmannPC910比色計を用いて測定する。結果を表6に示す。
降伏応力値は、6.3の平均値を0.7の標準偏差で有する。標準偏差と平均値の比はpH範囲3〜12で0.11である。光学的清澄性値は、76.9の平均値および2.1の標準偏差を有する。標準偏差と平均値の比はpH範囲3〜12で0.03である。
実施例27
2.5%(全ポリマー固体)の実施例34のポリマーを含むサンプルを調製し、実施例35に記載の通りに、降伏応力および光学的清澄特性を評価する。結果を表7に示す。
降伏応力値は、8.8の平均値を0.8の標準偏差で有する。標準偏差と平均値の比はpH範囲3〜12で0.09である。光学的清澄性値は、37.4の平均値および2.0の標準偏差を有する。標準偏差と平均値の比はpH範囲3〜12で0.05である。
実施例28〜45
本発明のエマルジョンポリマーを、実施例24の手順および条件にしたがって、表14に示すモノマー成分および量(全モノマー重量に基づく重量%)で調製する。すべての実施例において、架橋性モノマー(APE)は0.1重量%(乾燥ポリマーの総重量に基づく)で使用する。
実施例46〜55
本発明のエマルジョンポリマーを、実施例24の手順および条件にしたがって、表9に示すモノマー成分および量(全モノマー重量に基づく重量%)で調製する。すべての実施例において、架橋性モノマー(APE)は0.9重量%(乾燥ポリマーの総重量に基づく)で使用する。
実施例56
15重量%EA、20重量%n−BA、20重量%VAC、45重量%HEMAを含むモノマー混合物から重合され、APE(乾燥ポリマーの重量に基づいて0.086重量%)で架橋されたエマルジョンポリマーを以下の通り調製する。
モノマー混合物を、140gの水、5gのSulfochem(商標)SLS界面活性剤(30%活性)、75gのEA、100gのn−BA、100gのVA、0.43gのAPE、および225gのHEMAを混合することによって調製する。開始剤Aを、40gの水中で1.79gの70%TBHPを混合することによって作製する。還元剤Aを、5gの水に0.15gのエリソルビン酸を溶解させることによって調製する。還元剤Bを、100gの水に1.25gのエリソルビン酸を溶解させることによって調製する。3リットル反応容器に800gの水、13.33gのSLS界面活性剤(30%活性)、25gのPVOHを充填し、次いで、窒素ブランケットおよび適当な撹拌の下、60℃に加熱する。次いで、開始剤Aを反応容器に加え、その後に還元剤Aを添加する。その直後に、還元剤Bを180分間にわたって反応容器に計量投入し、モノマー混合物を150分間にわたって反応容器に計量投入する。還元剤Bの計量投入完了後、反応容器の温度を60℃で60分間保持する。次いで、反応容器を55℃に冷却する。0.86gの70%TBHP、0.17gの30%SLS界面活性剤、および25gの水の溶液を反応容器に添加する。5分後、25gの水に溶解した0.5gのエリソルビン酸を反応容器に添加する。反応容器を55℃で保持する。30分後、0.86gの70%TBHP、0.17gの30%SLS、および25gの水の溶液を反応容器に添加する。5分後、25gの水に溶解した0.5gのエリソルビン酸を反応容器に添加する。反応容器を55℃で30分間保持する。次いで、反応容器の内容物を室温に冷却し、100μmのクロスでろ過する。得られたエマルジョンのpH(およそ3)を、水酸化アンモニウム(28%)で5〜5.5に調整する。
実施例57
実施例56のポリマーを投与したドデシル硫酸ナトリウム(SDS)界面活性剤によって誘導された皮膚刺激の緩和を、MatTek Corporation,Ashland,MAによって行われたEpiderm(商標)ヒト組織モデル(EPI−200)バイオアッセイで評価する。MatTekバイオアッセイは、多層の高度に分化したヒト表皮モデルを形成するように培養されたヒト由来上皮角化細胞(NHEK)を利用する。このモデルは、in vivoで見出されるものに対応する均一で高度に再現性のある機能的皮膚組織層(基底層、有棘層、顆粒層、および角化層(comified layer))を含み、in vivo様の形態学的および成長の特徴を示し、有糸分裂および代謝的が活発である。
SDS/ポリマー試験調合物を使用して処置したEpiderm(商標)皮膚培養物を、MTT(3−[4,5−ジメチルチアゾール−2−イル]−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド)組織生存度アッセイ(MTT Effective Time−50(ET−50)プロトコール,MatTek Corporation)によって評価する。このアッセイは、ポリマーを含まない原液のSDS界面活性剤コントロールサンプルと比較して試験ポリマーと投与したSDS界面活性剤で処置した組織培養物におけるMTTの還元をアッセイすることによって試験材料の潜在的な刺激性緩和(所定の曝露期間にわたる)を評価する。MTT組織生存度アッセイは、種々の曝露時間における処置した皮膚培養試験サンプルへの曝露後のMTTのNAD(P)H依存性ミクロソーム酵素還元(およびより少ない程度のMTTのコハク酸デヒドロゲナーゼ還元)を測定する。コントロール培養物と比較した試験調合物で処置したEpiDerm(商標)培養物におけるMTT変換が50%減少する曝露持続時間を決定する(ET−50)。
SDS界面活性剤/ポリマー試験調合物を、表10に記載の成分から調合し、MTT生存度アッセイを使用して刺激可能性について評価する。原液のSDS界面活性剤(ポリマーなし)を含む試験サンプルを、比較のために調合する。
皮膚組織培養インサート(カタログ番号EPI−200)を、0.9mlのMatTekアッセイ培地(カタログ番号EPI−100−ASY)を含む6ウェルプレートのウェル中にて大気中5%CO2の加湿雰囲気下にて37℃で1時間プレインキュベートする。組織培養インサートを含む6ウェルプレートをインキュベーターから取り出し、アッセイ培地をウェルから吸引し、0.9mlの予め加温した(37℃)アッセイ培地のさらなるアリコートと置換する。次いで、各曝露時間について、ウェルに100μlの表10に記載の試験調合物を投与する(2回反復)(各試験候補のネガティブコントロールとして、3つの組織培養ウェルに100μlの超純水を投与する)。さらに、100μlのポジティブコントロール調合物(1%TritonX−100を含む超純水)を組織培養ウェルに投与し(各培養時間について3回反復)、ネガティブコントロールとして超純水を3回反復する。試験調合物、ネガティブコントロール、およびポジティブコントロールの曝露時間を以下に記載する。
試験に対応するのに適切な数のウェルに300μlのMTT試薬溶液を添加することによって24ウェルプレートを調製することによって、MTTアッセイプレートを調製する。MTT試薬を、濃度1mg/mlのMTT(ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)で希釈)で利用する。使用前にMTT/DMEM溶液を遠心分離し、デキャントして任意の沈殿物を除去する。
60分間(1時間)、120分間(2時間)、および210分間(3.5時間)の試験溶液への曝露後、組織培養物をインキュベーターから取り出し、ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(DPBS)を使用して完全にリンスして(2回)試験材料を除去する。ネガティブコントロールを4時間暴露し、ポジティブコントロールを4、6、8、および10時間暴露する。任意の残存するリンス培地を、組織培養物の上部からデキャントする。各組織培養インサートを、MTT試薬溶液を含む24ウェルプレートの適切にラベリングしたウェルに移し、インキュベーターに戻す。MTT試薬との30分間の反応後、組織培養物をインキュベーターから取り出す。各組織培養インサートをそのウェルから取り出し、底部を研究用ティッシュで穏やかに吸い取る。インサートを、2mlのイソプロパノール抽出剤溶液を含むラベリングした24ウェル抽出プレート中に浸漬させる。24ウェル抽出プレートを、アルミニウム箔で被覆し(サンプルを光から保護するため)、抽出溶液の蒸発を最小限にするためにシール可能なプラスチックバッグ中に入れる。シールした24ウェル抽出プレートをオービタルシェーカーにセットし、室温(およそ20℃)で2時間穏やかに振盪する。
抽出の終了時に、各組織培養インサート内の抽出剤の液体をウェル内にデキャントして戻し、取り出した液体をウェル内に含まれる抽出剤溶液と完全に混合する。各ウェル中の200μlの混合抽出剤溶液を、分光分析用の96ウェルマイクロタイタープレート中に移す。200μlの原液の抽出剤溶液(イソプロパノール)のサンプルをブランクとして使用する。各ウェル中の抽出サンプルの570nmでの吸光度(光学密度)(OD570)を、96ウェルプレートリーダーを備えた分光光度計(EMax(登録商標)マイクロプレートリーダー,Molecular Devices,LLC,Sunnyvale,CA)を使用してリファレンスフィルタなしで測定する。全サンプル中のバックグラウンドノイズを差し引いて取得したデータの質を改善する。各曝露時間についてのポリマー試験ウェル、ブランク界面活性剤試験ウェル、ネガティブコントロールウェル、およびポジティブコントロールの平均OD570値を計算する。各サンプルの生存率を、以下の式を利用して計算する:
生存率=
試験サンプルの(平均)OD570/ネガティブコントロールサンプルの(平均)OD570×100
MTTアッセイおよび組織の生存率を50%に低下させる曝露時間(ET−50)を使用して、生存度を決定する。各試験調合物についてのET−50値を、曝露時間の間に内挿するスプレッドシートを使用して数学的に決定し、生存率50%をまとめている。各調合物についての結果を、以下の表中に記載のスプレッドシート中に示す。
より長いET−50値に基づいて、本発明のポリマーを含む陰イオン性界面活性剤調合物は、同一濃度の原液の(ポリマーなし)陰イオン性界面活性剤(ET−50=1.41時間)よりも刺激が低い(ET−50=2.43時間)。ポジティブコントロール(1%Triton X−100)についての5.93時間のET−50値は、過去の平均(4.77〜8.72時間)の2標準偏差の範囲内であり、それにより、合格判定値を満たした。