JP2016225167A - 車両搭載用組電池の製造方法 - Google Patents

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嘉夫 松山
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陽祐 志村
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Abstract

【課題】時間効率が良好で(製造時間の無駄が少なく)、且つ、製造コストを低減できる車両搭載用組電池の製造方法を提供する。【解決手段】組み付け工程(ステップS1)の後、初期充電工程(ステップS3)の前に、組み付け工程を終えた電池100を複数用意し、これらの電池100を一列または複数列に列置して1または複数列の電池列10にすると共に、車両搭載用の拘束部品20を用いて、電池列10をその両端側から挟みつつ圧縮荷重をかけて拘束状態にして、車両搭載用組電池1を形成する工程(ステップS2)を備える。初期充電工程(ステップS3)、エージング工程(ステップS4)、及び検査工程(ステップS5〜S7)は、いずれも、車両搭載用組電池1について行う。【選択図】図7

Description

本発明は、車両搭載用組電池の製造方法に関する。
近年、ハイブリッド自動車や電気自動車等の車両の駆動用電源として、リチウムイオン二次電池が利用されている。このリチウムイオン二次電池は、例えば、複数個の当該電池を一列に列置して電池列にすると共に、車両搭載用の拘束部品を用いて、前記電池列をその両端側から挟みつつ圧縮荷重をかけて拘束状態にして、車両搭載用組電池とされて、ハイブリッド自動車等の車両に搭載される(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−84322号公報
特許文献1では、次のような車両搭載用組電池の製造方法が開示されている。具体的には、まず、組み付け工程において、電極体及び電解液を電池ケース内に収容した電池(単電池)を作製する。次いで、電池拘束工程において、組み付け工程を終えた電池(単電池)を、押圧治具(単電池用拘束治具)で挟んで拘束状態にする。その後、初期充電工程において、拘束状態の電池を初期充電する。次いで、初期充電工程を終えた拘束状態の電池を、規定の温度で一定時間安置してエージングする。その後、検査工程(第1自己放電工程、容量測定工程、内部抵抗測定工程、拘束解除工程、電池列拘束工程、第2自己放電工程からなる工程)において、電池について所定の検査を行う。
検査工程では、次のような検査を行う。具体的には、まず、第1自己放電工程において、エージング工程を終えた拘束状態の電池を、所定期間放置することにより自己放電させる。この自己放電による電圧低下量が所定値以上である電池は、内部短絡が生じていると判定され、不良品として取り除かれる。次いで、容量測定工程において、自己放電工程を終えた(合格した)拘束状態の電池について、電池容量の一部または全部を測定する。電池容量が許容範囲から外れている電池は、不良品として取り除かれる。次に、内部抵抗測定工程において、容量測定工程を終えた(合格した)拘束状態の電池について、内部抵抗を測定する。内部抵抗値が許容範囲から外れている電池は、不良品として取り除かれる。
その後、拘束解除工程において、電池(単電池)の拘束を解除した後、電池列拘束工程に進み、拘束解除工程を終えた複数の電池を一列または複数列に列置して1または複数列の電池列にすると共に、上記電池列を、その両端側から拘束部品で挟んで拘束状態(車両搭載用組電池)にする。次に、第2自己放電工程において、拘束状態の電池列を放置することにより、電池列をなす各々の電池を自己放電させる。この自己放電による電圧低下量が所定値未満である電池は、内部短絡が生じていない(良品)と判定される。電池列を構成する電池のいずれについても内部短絡が発生していないと判定された場合、前記拘束状態のまま、車両搭載用組電池として出荷される。
ところで、上述の製造方法では、組み付け工程の後、初期充電工程から検査工程の内部抵抗測定工程に至るまでの間、単電池を押圧治具(単電池用拘束治具)で挟んで拘束状態にしている。ところが、組み付け工程において1つの電池が作製されるのに要する時間(ラインタクト)に比べて、1つの電池が初期充電工程から検査工程の内部抵抗測定工程を終えるまでに要する時間は、遙かに長い。このため、上述の製造方法では、時間効率良く(製造時間の無駄を少なくして)電池を製造するために、組み付け工程を終えた電池を、順次(組み付け工程のラインタクトに合わせて)単電池用拘束治具で拘束状態とし、初期充電工程以降の工程に移行させてゆくと、多数の単電池用拘束治具が必要となり、製造コストが大きく上昇してしまう。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、時間効率が良好で(製造時間の無駄が少なく)、且つ、製造コストを低減できる車両搭載用組電池の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、電極体及び電解液を電池ケース内に収容した電池を作製する組み付け工程と、前記電池を初期充電する初期充電工程と、前記初期充電工程を終えた前記電池を、規定の温度で一定時間安置してエージングするエージング工程と、前記エージング工程を終えた前記電池を検査する検査工程と、を備え、前記電池ケースは、直方体形状をなし、互いに背向する一対の幅広側面と互いに背向する一対の幅狭側面とを有する車両搭載用組電池の製造方法において、前記組み付け工程の後、前記初期充電工程の前に、前記組み付け工程を終えた前記電池を複数用意し、これらの電池を、前記電池ケースの前記幅広側面が列置方向を向くようにして一列または複数列に列置して、1または複数列の電池列にすると共に、車両搭載用の拘束部品を用いて、前記電池列をその両端側から前記列置方向に挟みつつ前記列置方向に圧縮荷重をかけて拘束状態にして、車両搭載用組電池を形成する工程、を備え、前記初期充電工程、前記エージング工程、及び前記検査工程は、いずれも、前記車両搭載用組電池について行う車両搭載用組電池の製造方法である。
上述の製造方法では、組み付け工程の後、初期充電工程の前に、組み付け工程を終えた電池を複数用意し、これらの電池を、電池ケースの幅広側面が列置方向(電池を並べる方向、1つの電池列において電池が並ぶ方向)を向くようにして一列または複数列に列置して、1または複数列の電池列にすると共に、車両搭載用の拘束部品を用いて、電池列をその両端側から列置方向に挟みつつ列置方向に圧縮荷重をかけて拘束状態にして、車両搭載用組電池を形成する工程(車両搭載用組電池形成工程という)を備える。そして、初期充電工程、エージング工程、及び検査工程は、いずれも、車両搭載用組電池について行う(車両搭載用組電池の状態で行う)。
このように、上述の製造方法では、組み付け工程を終えた複数の電池を車両搭載用組電池(車両に搭載できる構造の組電池)にした後、初期充電工程、エージング工程、及び検査工程を、いずれも、車両搭載用組電池の状態で行う。このため、「一旦、単電池用拘束治具で単電池を拘束して所定の工程を行い、その後、この拘束を解除して、新たに、複数の電池からなる電池列を拘束部品で挟んで拘束状態(組電池)にする製造方法(特許文献1参照)」に比べて、単電池拘束状態から電池列拘束状態に変更する手間がない分、時間効率が良い。しかも、上述の製造方法では、検査工程を終了した電池は、車両搭載用組電池の状態であるので、そのままの状態で、車両搭載用組電池として出荷することができる。
以上より、上述の製造方法は、時間効率が良好な(製造時間の無駄が少ない)製造方法といえる。
しかも、上述の製造方法では、従来(例えば、特許文献1)の製造方法と異なり、単電池用拘束治具を用いることなく、車両搭載用組電池を製造することができる。このため、多数の単電池用拘束治具を必要とする従来の製造方法(特許文献1参照))に比べて、製造コストを低減することができる。
なお、上述の製造方法では、初期充電工程、エージング工程、及び検査工程を、車両搭載用組電池の状態(すなわち、電池を拘束部品で挟んで圧縮した状態)で行う。
従って、電池ケース内の電極体を圧縮して、正極板と負極板との間の距離のムラを小さく(均一に)した状態で、初期充電工程、エージング工程、及び検査工程を行うことができる。このため、上記の各工程において、電池反応(充電反応、放電反応)のムラを小さくすることができ、好適に電池を製造することができる。
さらには、電池ケース内の電極体を圧縮して、正極板と負極板との間の距離を小さくした状態で、エージング工程及び検査工程(自己放電工程による内部短絡検査)を行うことができるので、精度良く、電池内に金属異物(内部短絡の原因となる物質)が混入しているか否かを検査することができる。すなわち、微細な金属異物による内部短絡をも検出することが可能となる。
実施形態にかかる車両搭載用組電池の斜視図である。 同車両搭載用組電池の側面図である。 同車両搭載用組電池を構成するリチウムイオン二次電池(単電池)の斜視図である。 同リチウムイオン二次電池の正極板の斜視図である。 同リチウムイオン二次電池の負極板の斜視図である。 電極体の斜視図である。 実施形態にかかる車両搭載用組電池の製造方法の流れを示すフローチャートである。 変形形態にかかる車両搭載用組電池の製造方法の流れを示すフローチャートである。 参考形態にかかる車両搭載用組電池の製造方法の流れを示すフローチャートである。 参考形態にかかる電池拘束工程を説明する図である。
(実施形態)
まず、本発明の実施形態にかかる車両搭載用組電池1について説明する。
車両搭載用組電池1は、図1及び図2に示すように、複数(例えば、20個)のリチウムイオン二次電池100(単電池)が一列に列置された電池列10と、この電池列10をその両端側(図2において左右端側)から列置方向(図2において左右方向、電池列10においてリチウムイオン二次電池100が並ぶ方向)に挟みつつ、電池列10に対し列置方向(図2において左右方向)に所定の圧縮荷重をかけて電池列10を拘束する車両搭載用拘束部品20と、を備える。従って、車両搭載用組電池1では、電池列10を構成する各々のリチウムイオン二次電池100が、列置方向(図2において左右方向)に圧縮された状態で固定(拘束)されている。
リチウムイオン二次電池100(以下、単に電池100ともいう)は、図3に示すように、直方体形状をなし、電極体110と、非水電解液160と、これらを収容する電池ケース180とを備える。電極体110は、正極板130、負極板120、及びセパレータ150を備えている。セパレータ150は、ポリエチレンからなり、正極板130と負極板120との間に介在して、これらを離間させている。なお、セパレータ150には、リチウムイオンを有する非水電解液160を含浸させている。
本実施形態の電極体110は、帯状の正極板130及び負極板120が、帯状のセパレータ150を介して扁平形状に捲回されてなる捲回型の電極体である(図6参照)。詳細には、長手方向DAに延びる帯状の正極板130、負極板120、及びセパレータ150を、長手方向DAに捲回して、捲回型の電極体110を形成している(図3〜図6参照)。なお、電極体110では、セパレータ150を介して、正極板130の正極活物質層131と負極板120の負極活物質層121とが対向している。
この電極体110は、図6に示すように、第1弧状部110b(図6において上方に位置する部位)、第2弧状部110c(図6において下方に位置する部位)、及び、第1弧状部110bと第2弧状部110cとの間に位置する平坦部110dを有する。なお、第1弧状部110b及び第2弧状部110cは、正極板130、負極板120、及びセパレータ150が弧状をなして重なる部位である。また、平坦部110dは、正極板130、負極板120、及びセパレータ150が、平面状(平坦状)をなして電極体110の厚み方向に重なる部位である。
正極板130は、図4に示すように、長手方向DAに延びる帯状で、アルミニウム箔からなる正極集電板138と、この正極集電板138の両主面138F,138F上に、それぞれ長手方向DAに延びる帯状に配置された2つの正極活物質層131,131とを有している。正極活物質層131は、正極活物質137と導電材とバインダーを含んでいる。なお、正極活物質137として、LixMO2(Mは、Niである、または、主成分であるNiの他にAl,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Cu,Zn,Mg,Ga,Zr,Siの少なくともいずれかを含むものである。1.04≦X≦1.15)を用いている。
また、負極板120は、図5に示すように、長手方向DAに延びる帯状で銅箔からなる負極集電板128と、この負極集電板128の両主面128F,128F上に、それぞれ長手方向DAに延びる帯状に配置された2つの負極活物質層121,121とを有している。負極活物質層121は、負極活物質127とバインダーを含んでいる。なお、負極活物質127として、負極活物質の粒子が黒鉛と非晶質炭素とからなるもの(例えば、黒鉛の表面を非晶質炭素で被覆したもの)を用いている。
電池ケース180は、アルミニウムからなり、直方体形状をなしている。この電池ケース180は、電池ケース本体181と封口蓋182を有する(図3参照)。このうち、電池ケース本体181は、有底矩形箱形状をなしている。なお、電池ケース本体181と電極体110との間には、樹脂からなり、箱状に折り曲げた絶縁フィルム(図示しない)が介在させてある。この電池ケース180は、互いに背向する一対の幅広側面180b,180cと、互いに背向する一対の幅狭側面180f,180gとを有している。幅広側面180bは、図3において正面側を向く面であり、幅広側面180cは、図3において裏側を向く面(幅広側面180bの裏側に位置する面)である。
なお、電極体110は、平坦部110dにおいて正極板130、負極板120、及びセパレータ150が重なる方向が、電池ケース180の幅広側面180b,180cの向き(幅広側面180b,180cに直交する方向)に一致するようにして、電池ケース180内に収容されている。
また、封口蓋182は、矩形板状であり、電池ケース本体181の開口を閉塞して、この電池ケース本体181に溶接されている。この封口蓋182には、矩形板状の安全弁197が封着されている。
また、電極体110の正極板130の正極未塗工部130bには、クランク状に屈曲した板状の正極集電部材191が溶接されている(図3参照)。なお、正極未塗工部130bとは、正極板130のうち正極活物質層131が塗工されていない部分(すなわち、正極集電板138のみからなる部位)をいう。さらに、負極板120の負極未塗工部120bには、クランク状に屈曲した板状の負極集電部材192が溶接されている。なお、負極未塗工部120bとは、負極板120のうち負極活物質層121が塗工されていない部分(すなわち、負極集電板128のみからなる部位)をいう。
また、正極集電部材191の先端部(上端部)である正極端子部191Aは、封口蓋182を貫通して、蓋表面182Aから電池外部に突出している。さらに、負極集電部材192のう先端部(上端部)である負極端子部192Aも、封口蓋182を貫通して、蓋表面182Aから電池外部に突出している。なお、正極端子部191Aと封口蓋182との間、及び、負極端子部192Aと封口蓋182との間には、それぞれ、電気絶縁性の樹脂からなる絶縁部材195を介在させている。
また、非水電解液160は、エチレンカーボネート(EC)とメチルエチルカーボネート(MEC)とジメチルカーボネート(DMC)とを混合した有機溶媒に、溶質としてLiPF6を添加し、さらに、ジフルオロリン酸塩を添加した非水電解液である。
また、車両搭載用拘束部品20は、電池列10の両端部(図2において左右端部)に配置される押圧プレート30,40、これらの間に配置される冷却プレート36、及び、押圧プレート30と40とを締結して固定するロッド51とナット53を有する。
このうち、冷却プレート36は、電池列10の列置方向(図2において左右方向)に隣り合うリチウムイオン二次電池100の間、押圧プレート30とリチウムイオン二次電池100との間、及び、押圧プレート40とリチウムイオン二次電池100との間に、それぞれ配置される。冷却プレート36は、側面視櫛歯形状をなし、複数の凹溝部36bを有している(図2参照)。このため、この冷却プレート36は、隣り合うリチウムイオン二次電池100との間に、冷却プレート36の凹溝部36bと電池100の幅広側面180bまたは180cとにより囲まれた、冷媒を流通可能とする流通路FCを形成することができる(図2参照)。この流通路FCは、電池列10の列置方向に直交する方向(図2において紙面に直交する方向)に延びる形態をなす。従って、車両搭載用組電池1では、流通路FC内に冷媒(例えば、外気)を流通させることで、車両搭載用組電池1を構成する各々のリチウムイオン二次電池100を冷却することができる。
なお、車両搭載用組電池1では、各々のリチウムイオン二次電池100は、電池ケース180の幅広側面180b,180cが列置方向(図2において左右方向)を向くようにして、列置されている。また、列置方向に隣り合う電池100について、電池ケース180の幅広側面180b,180cを反対方向に向けて一列に列置して、電池列10を形成している。従って、車両搭載用組電池1では、電池列10を構成する各電池100の電池ケース180の幅広側面180b,180cに対し、圧縮荷重をかけている。これにより、電池ケース180の内の電極体110を圧縮(特に、平坦部110dを、正極板130、負極板120、及びセパレータ150が重なる方向に圧縮)して、正極板130と負極板120との間の距離を小さく(さらには距離のムラを小さく)している。
次に、本実施形態にかかる車両搭載用組電池の製造方法について説明する。
図7に示すように、まず、ステップS1(組み付け工程)において、電池ケース180内に電極体110及び非水電解液160を収容した電池100を作製する。具体的には、まず、正極活物質137と導電材とバインダーとを混合し、これに溶媒を混合して、正極スラリを作製する。次いで、この正極スラリを、アルミニウム箔からなる正極集電板138の両主面138F,138F上に塗布し、乾燥させた後、プレス加工を施す。これにより、正極板130を得る。
また、負極活物質127とバインダーとを溶媒中で混合して、負極スラリを作製した。次いで、この負極スラリを、銅箔からなる負極集電板128の両主面128F上に塗布し、乾燥させた後、プレス加工を施す。これにより、負極板120を得る。
その後、負極板120と正極板130との間にセパレータ150が介在するようにして、これらを捲回し、電極体110を形成する。
次いで、負極板120の負極未塗工部120bに負極集電部材192を溶接し、正極板130の正極未塗工部130bに正極集電部材191を溶接する。次いで、負極集電部材192及び正極集電部材191を溶接した電極体110を、電池ケース本体181内に挿入し、その後、電池ケース本体181内に非水電解液160を注入する。次いで、封口蓋182で電池ケース本体181の開口を閉塞した状態で、封口蓋182と電池ケース本体181とを溶接し、リチウムイオン二次電池100の組み付けを完了する。
次に、ステップS2(車載用組電池形成工程)において、組み付け工程を終えた電池100を複数(所定数)用意し、これらの電池100をまとめて拘束状態とすることで、車両搭載用組電池1(図1及び図2参照)を形成する。具体的には、以下のようにして車両搭載用組電池1を形成する。
まず、組み付け工程を終えたリチウムイオン二次電池100を複数(例えば、20個)用意する。その後、図1及び図2に示すように、これらのリチウムイオン二次電池100を一列に列置して、電池列10にする。なお、リチウムイオン二次電池100は、電池ケース180の幅広側面180b,180cが列置方向を向くようにして、列置される。また、列置方向に隣り合う電池100について、電池ケース180の幅広側面180b,180cを反対方向に向けて一列に列置して、電池列10にする。そして、列置方向(図2において左右方向)に隣り合うリチウムイオン二次電池100の間、及び、電池列10の両端の外側(図2において左側と右側)に冷却プレート36を配置する。さらに、これらの列置方向両外側に、押圧プレート30と40を配置する。
そして、押圧プレート30と押圧プレート40との間に所定の圧縮荷重をかけた状態で、押圧プレート30と押圧プレート40とを、円柱状のロッド51及びナット53を用いて締結することで、押圧プレート30と押圧プレート40とで電池列10を挟んで拘束状態にする。これにより、車両搭載用組電池1を形成することができる。なお、車両搭載用組電池1では、電池列10を構成する各電池100の電池ケース180の幅広側面180b,180cに対し、圧縮荷重をかけることができる。これにより、電池ケース180の内の電極体110を圧縮して、正極板130と負極板120との間の距離を小さく(さらには距離のムラを小さく)することができる。
なお、本実施形態では、電池列を1列にした場合について説明したが、電池列は複数列(例えば、10個の電池を1列に並べた電池列を2列とする)であっても良い。従って、複数列の電池列をまとめて拘束状態にするようにしても良い。
次に、ステップS3(初期充電工程)に進み(図7参照)、車両搭載用組電池1に含まれる各々のリチウムイオン二次電池100を初期充電する。この初期充電により、各々のリチウムイオン二次電池100を活性化させることができる。
次いで、ステップS4(エージング工程)に進み、初期充電(ステップS3の処理)を終えたリチウムイオン二次電池100(車両搭載用組電池1に含まれる各々の電池100)を、規定(所定)の温度(例えば、50℃)で、一定時間(例えば、15時間)安置してエージングする。
ところで、組み付け工程(ステップS1)において、電極体110内に金属粉(Cu粉など)などの金属異物が誤って混入してしまうことがある。このような電池では、車載用組電池形成工程(ステップS2)において、圧縮荷重を受けて拘束されることで電極体110が圧縮されると、金属異物がセパレータ150を貫通して、内部短絡が生じる(セパレータ150によって電気的に絶縁されている正極板130と負極板120とが、金属異物を通じて電気的に接続する)ことがある。また、エージング工程(ステップS4)において、金属粉由来のデンドライトが発生し、内部短絡が生じる(セパレータ150によって電気的に絶縁されている正極板130と負極板120とが、デンドライトを通じて電気的に接続する)ことがある。このため、後述するステップS5(自己放電工程)において、内部短絡が生じた電池100を検出し、当該電池100を含む車両搭載用組電池1を出荷しないようにしている(不良品として取り除く)。
ステップS5(自己放電工程)では、エージング(ステップS4の処理)を終えた車両搭載用組電池1に含まれる各々の電池100を、25℃の温度環境下で、所定期間(例えば、3日間)放置することにより自己放電させる。但し、ステップS5(自己放電工程)では、車両搭載用組電池1に含まれる各々の電池100について、放置する前の電池電圧値V10と、所定期間放置した後の電池電圧値V11とを測定し、その電池電圧差ΔV1(=V10−V11)を算出する。
内部短絡が生じている電池では、内部短絡が生じていない電池(正常な電池)に比べて、放置による自己放電量が大きくなるので、電池電圧値が小さくなり、放置前後の電池電圧差ΔV1も大きくなる。従って、放置前後の電池電圧差ΔV1に基づいて、電池に内部短絡が生じているか否かを判断することができる。そこで、ステップS5(自己放電工程)では、電池電圧差ΔV1が所定の閾値Th1以上であるか否かによって、リチウムイオン二次電池100に内部短絡が生じているか否かを判定する。
内部短絡が生じていると判定された電池100を1つも含まない(すなわち、自身に含まれる全ての電池100について内部短絡が生じていないと判定された)車両搭載用組電池1は、次のステップS6(容量測定工程)に移行される。一方、内部短絡が生じていると判定された電池100を1つでも含む車両搭載用組電池1は、不良品として取り除かれる(ステップS6に移行しない)。なお、閾値Th1は、例えば、予め、内部短絡が生じている電池と生じていない電池とについて、それぞれの電池電圧差ΔV1を調査しておき、両電池の電池電圧差ΔV1の間の値とすれば良い。
次に、ステップS6(容量測定工程)に進み、ステップS5において内部短絡が生じていると判定された電池100を1つも含まない車両搭載用組電池1について、各々の電池100の電池容量の一部を測定する。具体的には、例えば、各々の電池100を放電させて、電池電圧値が4.0V(SOC90%)から3.55V(SOC30%)にまで低下する間の放電電気量Q1(電池容量の一部)を測定する。そして、各々の電池100について、放電電気量Q1が許容範囲内であるか否かを判定する。
放電電気量Q1が許容範囲から外れていると判定された電池100を1つも含まない(すなわち、自身に含まれる全ての電池100について放電電気量Q1が許容範囲内であると判定された)車両搭載用組電池1は、次のステップS7(内部抵抗測定工程)に移行される。一方、放電電気量Q1が許容範囲から外れている電池100を1つでも含む車両搭載用組電池1は、不良品として取り除かれる(ステップS7に移行しない)。
なお、電池容量は、電池100をSOC100%からSOC0%にまで放電させたときの放電電気量である。従って、放電電気量Q1は、電池100の電池容量の一部(電池容量の60%に相当する)である。なお、SOCは、State Of Charge(充電状態、充電率)の略である。
次いで、ステップS7(内部抵抗測定工程)に進み、容量測定工程(ステップS6)において放電電気量Q1が許容範囲から外れていると判定された電池100を1つも含まない車両搭載用組電池1について、各々の電池100の内部抵抗(IV抵抗)を測定する。具体的には、各々の電池100を充電して、その電池電圧値を3.6V(SOC40%)にする。その後、このリチウムイオン二次電池100を、20Aの定電流で4秒間だけ放電させ、放電終了時(終了した瞬間)の電池電圧値Vbを測定する。次いで、放電により変化した電池電圧変化量ΔV(=3.6−Vb)を電流値20Aで除した値(=ΔV/20)を、IV抵抗値(内部抵抗値)として取得する。そして、各々の電池100について、IV抵抗値が許容範囲内であるか否かを判定する。
IV抵抗値が許容範囲から外れていると判定された電池100を1つでも含む車両搭載用組電池1は、不良品として取り除かれる。
一方、IV抵抗値が許容範囲から外れていると判定された電池100を1つも含まない車両搭載用組電池1は、検査合格品として出荷される。この車両搭載用組電池1は、例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車の駆動用電源として使用される。
なお、本実施形態では、自己放電工程(ステップS5)、容量測定工程(ステップS6)、及び、内部抵抗測定工程(ステップS7)が、検査工程に相当する。
以上説明したように、本実施形態の製造方法では、組み付け工程(ステップS1)を終えた複数の電池100を車両搭載用組電池1(車両に搭載できる構造の組電池)にした後、初期充電工程(ステップS3)、エージング工程(ステップS4)、及び検査工程(ステップS5〜S7)を、いずれも、車両搭載用組電池1の状態で行う。このため、「一旦、単電池用拘束治具で1つの電池を拘束して所定の工程を行い、その後、この拘束を解除して、新たに、複数の電池からなる電池列を拘束部品で挟んで拘束状態(組電池)にする製造方法(特許文献1参照)」に比べて、単電池拘束状態から電池列拘束状態に変更する手間がない分、時間効率が良い。しかも、本実施形態の製造方法では、検査工程(自己放電工程、容量測定工程、及び、内部抵抗測定工程)を終了した電池100は、車両搭載用組電池1の状態であるので、そのままの状態で、車両搭載用組電池1として出荷することができる。
以上より、本実施形態の製造方法は、時間効率が良好な(製造時間の無駄が少ない)製造方法といえる。
しかも、本実施形態の製造方法は、従来(例えば、特許文献1)の製造方法と異なり、単電池用拘束治具を用いることなく、車両搭載用組電池を製造することができる。このため、多数の単電池用拘束治具を必要とする従来の製造方法(特許文献1参照)に比べて、製造コストを低減することができる。
なお、本実施形態の製造方法では、初期充電工程、エージング工程、及び検査工程(自己放電工程、容量測定工程、及び、内部抵抗測定工程)を、車両搭載用組電池1の状態(すなわち、電池100を車両搭載用拘束部品20で挟んで圧縮した状態)で行う。
従って、電池100内の電極体110を圧縮して、正極板130と負極板120との間の距離のムラを小さく(均一に)した状態で、初期充電工程、エージング工程、及び検査工程を行うことができる。このため、上記の各工程において、電池反応(充電反応、放電反応)のムラを小さくすることができ、好適に電池を製造することができる。
さらには、電池100内の電極体110を圧縮して、正極板130と負極板120との間の距離を小さくした状態で、エージング工程及び自己放電工程を行うことができるので、精度良く、電池100内に金属異物(内部短絡の原因となる物質)が混入しているか否かを検査することができる。すなわち、微細な金属異物による内部短絡をも検出することが可能となる。
(変形形態)
次に、本発明の変形形態にかかる車両搭載用組電池の製造方法について説明する。図8は、変形形態にかかる車両搭載用組電池の製造方法の流れを示すフローチャートである。
まず、ステップT1(組み付け工程)において、実施形態のステップS1と同様にして、電池ケース180内に電極体110及び非水電解液160を収容した電池100を作製する。
次いで、ステップT2(車載用組電池形成工程)において、実施形態のステップS2と同様にして、組み付け工程を終えた電池100を複数用意し、これらをまとめて拘束状態とすることで、車両搭載用組電池1(図1及び図2参照)を形成する。その後、ステップT3(初期充電工程)に進み、実施形態のステップS3と同様にして、車両搭載用組電池1に含まれる各々のリチウムイオン二次電池100を初期充電する。次いで、ステップT4(エージング工程)に進み、実施形態のステップS4と同様にして、初期充電(ステップS3の処理)を終えた電池100(車両搭載用組電池1に含まれる各々の電池100)を、エージングする。
その後、ステップT5(自己放電工程)に進み、実施形態のステップS5と同様にして、エージング(ステップS4の処理)を終えた車両搭載用組電池1に含まれる各々の電池100を、25℃の温度環境下で、所定期間(例えば、3日間)放置することにより自己放電させる。そして、各々の電池100について、放置前後の電池電圧差ΔV1を測定する。
次に、ステップT6に進み、各々の電池100について、放置前後の電池電圧差ΔV1に基づいて、電池に内部短絡が生じているか否かを判断する。具体的には、電池電圧差ΔV1が所定の閾値Th1以上であるか否かによって、電池100に内部短絡が生じているか否かを判断する。そして、各々の車両搭載用組電池1において、内部短絡が生じている電池100が含まれているか否かを判定する。
内部短絡が生じている電池100を含んでいないと判定された車両搭載用組電池1は、ステップT9(容量測定工程)に移行される。
一方、内部短絡が生じている電池100を含んでいると判定された車両搭載用組電池1は、ステップT7(拘束解除工程)に進み、一旦拘束状態を解除して、内部短絡している電池100を取り除く(不良品として除外する)。その後、ステップT8(車載用組電池形成工程)に進み、当該車両搭載用組電池1に含まれていた内部短絡が生じていない電池100と、同様にしてステップT7において拘束状態を解除された他の車両搭載用組電池1に含まれていた内部短絡が生じていない電池100とを組み合わせて、新たに、車両搭載用組電池1を形成する。これにより、内部短絡が生じていない電池100のみを組み合わせた車両搭載用組電池1が形成される。新たに形成された車両搭載用組電池1も、ステップT9(容量測定工程)に移行される。
ステップT9(容量測定工程)では、実施形態のステップS6と同様にして、車両搭載用組電池1に含まれる各々の電池100について、電池容量の一部である放電電気容量Q1を測定する。そして、各々の電池100について、放電電気量Q1が許容範囲内であるか否かを判定する。そして、放電電気量Q1が許容範囲から外れていると判定された電池100を1つも含まない車両搭載用組電池1は、次のステップT10(内部抵抗測定工程)に移行される。一方、放電電気量Q1が許容範囲から外れている電池100を1つでも含む車両搭載用組電池1は、不良品として取り除かれる(ステップT10に移行しない)。
次いで、ステップT10(内部抵抗測定工程)に進み、実施形態のステップS7と同様にして、車両搭載用組電池1に含まれる各々の電池100の内部抵抗(IV抵抗)を測定する。そして、各々の電池100について、IV抵抗値が許容範囲内であるか否かを判定する。IV抵抗値が許容範囲から外れていると判定された電池100を1つでも含む車両搭載用組電池1は、不良品として取り除かれる。一方、IV抵抗値が許容範囲から外れていると判定された電池100を1つも含まない車両搭載用組電池1は、検査合格品として出荷される。
以上説明したように、本変形形態の製造方法でも、組み付け工程(ステップT1)を終えた複数の電池100を車両搭載用組電池1にした後、初期充電工程(ステップT3)、エージング工程(ステップT4)、及び検査工程(ステップT5〜T10)を、いずれも、車両搭載用組電池1の状態で行う。このため、従来の製造方法(特許文献1参照)に比べて、単電池拘束状態から電池列拘束状態に変更する手間がない分、時間効率が良い。しかも、本変形形態の製造方法でも、検査工程を終了した電池100は、車両搭載用組電池1の状態であるので、そのままの状態で、車両搭載用組電池1として出荷することができる。以上より、本変形形態の製造方法は、時間効率が良好な(製造時間の無駄が少ない)製造方法といえる。
しかも、本変形形態の製造方法は、従来(例えば、特許文献1)の製造方法と異なり、単電池用拘束治具を用いることなく、車両搭載用組電池を製造することができる。このため、多数の単電池用拘束治具を必要とする従来の製造方法(特許文献1参照)に比べて、製造コストを低減することができる。
ところで、前述の実施形態では、ステップS5(自己放電工程)において、内部短絡が生じていると判定された電池100を1つでも含む車両搭載用組電池1は、内部短絡が生じていないと判定された電池100も含めて、当該組電池に含まれる全ての電池100を不良品として取り除くようにしていた。
これに対し、本変形形態では、ステップT5(自己放電工程)の後、ステップT7(拘束解除工程)において一旦拘束状態を解除して、内部短絡していると判定された電池100のみを不良品として除外し、その後、ステップT8(車載用組電池形成工程)において、内部短絡が生じていないと判定された電池100同士を組み合わせて、新たに車両搭載用組電池1を形成するようした。従って、本変形形態の製造方法では、実施形態の製造方法に比べて、電池100の不良率を低減することができる。
なお、本変形形態では、ステップT8(車載用組電池形成工程)において、内部短絡が生じていない電池100同士を組み合わせて、新たに形成した車両搭載用組電池1を、そのまま容量測定工程に移行させた。しかしながら、ステップT8において新たに形成した車両搭載用組電池1について、再度、自己放電工程を行うようにしても良い。
(参考形態)
次に、参考形態にかかる車両搭載用組電池の製造方法について説明する。図9は、参考形態にかかる車両搭載用組電池の製造方法の流れを示すフローチャートである。
まず、ステップU1(組み付け工程)において、実施形態のステップS1と同様にして、電池ケース180内に電極体110及び非水電解液160を収容した電池100を作製する。
次いで、ステップU2(電池拘束工程)に進み、上述の組み付け工程(ステップU1)において作製されたリチウムイオン二次電池100を、単電池用拘束治具220を用いて拘束状態にする(図10参照)。図10に示すように、単電池用拘束治具220は、押圧プレート30,40、及び、押圧プレート30と40とを締結して固定するロッド251とナット53を有する。
具体的には、電池ケース180の幅広側面180b,180cを押圧プレート30,40で押圧するように、押圧プレート30,40でリチウムイオン二次電池100を挟んで、リチウムイオン二次電池100を拘束状態にする。詳細には、電池ケース180の幅広側面180b側に配置した押圧プレート30と、幅広側面180c側に配置した押圧プレート40とを、円柱状のロッド251とナット53とを用いて締結することで、押圧プレート30,40でリチウムイオン二次電池100を挟み、電池ケース180の幅広側面180b,180cを押圧プレート30,40で押圧する。これにより、電池ケース180に対し、所定の圧縮荷重をかけた状態にする。
次に、ステップU3(初期充電工程)に進み、押圧プレート30,40で拘束した状態のリチウムイオン二次電池100を初期充電する。この初期充電により、リチウムイオン二次電池100を活性化させることができる。次いで、ステップU4(エージング工程)に進み、初期充電(ステップU3の処理)を終えた拘束状態のリチウムイオン二次電池100を、実施形態のステップS4と同様の条件でエージングする。
次に、ステップU5(第1自己放電工程)に進み、エージング(ステップU4の処理)を終えた拘束状態のリチウムイオン二次電池100を、25℃の温度環境下で、所定期間(例えば、1日間)放置することにより自己放電させる。そして、実施形態のステップS5(自己放電工程)と同様に、各々の電池100について、放置前後の電池電圧差ΔV1を測定し、内部短絡が生じているか否かを判断する。
次いで、ステップU6(拘束解除工程)に進み、第1自己放電工程(ステップU5)を終えたリチウムイオン二次電池100の拘束状態を解除する。具体的には、リチウムイオン二次電池100を拘束していた単電池用拘束治具220を取り外す。ここで、ステップU5において内部短絡が生じていると判定された電池100は、不良品として取り除かれる(例えば、廃棄される)。
一方、ステップU5において内部短絡が生じていないと判定された電池100は、次のステップU7(車載用組電池形成工程)に移行する。ステップU7では、実施形態のステップS2と同様にして、所定数(実施形態と同数)の電池100を組み合わせて、車両搭載用組電池1(図1及び図2参照)を形成する。
次に、ステップU8(第2自己放電工程)に進み、実施形態のステップS5と同様にして、車両搭載用組電池1に含まれる各々の電池100を、25℃の温度環境下で、所定期間(例えば、3日間)放置することにより自己放電させる。そして、各々の電池100について、放置前後の電池電圧差ΔV1を測定し、内部短絡が生じているか否かを判断する。
内部短絡が生じていると判定された電池100を1つも含まない(すなわち、自身に含まれる全ての電池100について内部短絡が生じていないと判定された)車両搭載用組電池1は、次のステップU9(容量測定工程)に移行される。一方、内部短絡が生じていると判定された電池100を1つでも含む車両搭載用組電池1は、不良品として取り除かれる(ステップU9に移行しない)。
ステップU9(容量測定工程)では、実施形態のステップS6と同様にして、車両搭載用組電池1に含まれる各々の電池100について、電池容量の一部である放電電気量Q1を測定する。そして、各々の電池100について、放電電気量Q1が許容範囲内であるか否かを判定する。そして、放電電気量Q1が許容範囲から外れていると判定された電池100を1つも含まない車両搭載用組電池1は、次のステップU10(内部抵抗測定工程)に移行される。一方、放電電気量Q1が許容範囲から外れている電池100を1つでも含む車両搭載用組電池1は、不良品として取り除かれる(ステップU10に移行しない)。
次いで、ステップU10(内部抵抗測定工程)に進み、実施形態のステップS7と同様にして、車両搭載用組電池1に含まれる各々の電池100の内部抵抗(IV抵抗)を測定する。そして、各々の電池100について、IV抵抗値が許容範囲内であるか否かを判定する。IV抵抗値が許容範囲から外れていると判定された電池100を1つでも含む車両搭載用組電池1は、不良品として取り除かれる。一方、IV抵抗値が許容範囲から外れていると判定された電池100を1つも含まない車両搭載用組電池1は、検査合格品として出荷される。
ところで、前述のように、従来の製造方法(特許文献1参照)では、初期充電工程、エージング工程、第1自己放電工程、容量測定工程、及び、内部抵抗測定工程について、単電池を1つずつ、単電池用拘束治具220を用いて拘束した状態で行っていた。
これに対し、本参考形態の製造方法では、電池100を1つずつ単電池用拘束治具220を用いて拘束した状態で行う工程を、初期充電工程(ステップU3)、エージング工程(ステップU4)、及び、第1自己放電工程(ステップU5)のみにした。そして、容量測定工程(ステップU9)及び内部抵抗測定工程(ステップU10)については、従来の製造方法と異なり、車両搭載用組電池1の状態で行うようにした。
従って、本参考形態の製造方法は、従来の製造方法(特許文献1参照)に比べて、単電池用拘束治具を使用する工程が少ない(すなわち、単電池用拘束治具を使用する期間が短い)。このため、本参考形態の製造方法は、従来の製造方法(特許文献1参照)に比べて、単電池用拘束治具の必要数を減らすことができるので、製造コストを低減することができる。
また、本変形形態では、ステップU5(第1自己放電工程)の後、ステップU6(拘束解除工程)において一旦拘束状態を解除して、内部短絡していると判定された電池100を不良品として除外し、その後、ステップU7(車載用組電池形成工程)において、内部短絡が生じていないと判定された電池100同士を組み合わせて、車両搭載用組電池1を形成するようした。従って、本参考形態の製造方法では、実施形態の製造方法(自己放電工程において、内部短絡が生じていると判定された電池100を1つでも含む車両搭載用組電池1を、内部短絡が生じていないと判定された電池100も含めて、当該組電池に含まれる全ての電池100を不良品として取り除く方法)に比べて、電池100の不良率を低くすることができる。
以上において、本発明を実施形態及変形形態に即して説明したが、本発明は上記実施形態等に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることは言うまでもない。
例えば、実施形態のステップS6(容量測定工程)では、各々の電池100について、電池容量の一部(60%)を測定したが、電池容量の全部を測定するようにしても良い。具体的には、まず、リチウムイオン二次電池100を充電してSOC100%(電池電圧値が4.1V)の状態にし、その後、電池100を放電させて、電池電圧値が4.1V(SOC100%)から3.0V(SOC0%)にまで低下する間の放電電気量(これが電池容量に相当する)を測定する。そして、この放電電気量(電池容量)が許容範囲内であるか否かを判定するようにしても良い。
また、実施形態のステップS2(車両用組電池形成工程)では、押圧プレート30と押圧プレート40とを、ロッド51及びナット53を用いて締結(固定)することで、車両搭載用組電池1を形成した。しかしながら、押圧プレート30,40の固定方法は、このような方法に限定されることなく、公知のいずれの方法を用いても良い。例えば、押圧プレート30と押圧プレート40とを、拘束バンドにより固定するようにしても良い。
1 車両搭載用組電池
10 電池列
20 車両搭載用拘束部品
30,40 押圧プレート
36 冷却プレート
51 ロッド
53 ナット
100 リチウムイオン二次電池(電池)
110 電極体
120 負極板
130 正極板
150 セパレータ
160 非水電解液(電解液)
180 電池ケース

Claims (1)

  1. 電極体及び電解液を電池ケース内に収容した電池を作製する組み付け工程と、
    前記電池を初期充電する初期充電工程と、
    前記初期充電工程を終えた前記電池を、規定の温度で一定時間安置してエージングするエージング工程と、
    前記エージング工程を終えた前記電池を検査する検査工程と、を備え、
    前記電池ケースは、直方体形状をなし、互いに背向する一対の幅広側面と互いに背向する一対の幅狭側面とを有する
    車両搭載用組電池の製造方法において、
    前記組み付け工程の後、前記初期充電工程の前に、前記組み付け工程を終えた前記電池を複数用意し、これらの電池を、前記電池ケースの前記幅広側面が列置方向を向くようにして一列または複数列に列置して、1または複数列の電池列にすると共に、車両搭載用の拘束部品を用いて、前記電池列をその両端側から前記列置方向に挟みつつ前記列置方向に圧縮荷重をかけて拘束状態にして、車両搭載用組電池を形成する工程、を備え、
    前記初期充電工程、前記エージング工程、及び前記検査工程は、いずれも、前記車両搭載用組電池について行う
    車両搭載用組電池の製造方法。
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