JP2016223991A - 放射能汚染検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】有感面の大面積化が可能であり、有感面を大面積化した場合でも、有感面全体で感度の位置依存性が小さく、かつ従来よりも大きな検出器出力を得る。
【解決手段】プラスチックシンチレータ(1)と、受光素子(6)と、プラスチックシンチレータから発光されたシンチレーション光を受光素子に到達させるライトガイド(5)と、入射窓を有する遮光筐体(7)とを備え、遮光筐体に設けられた入射窓とプラスチックシンチレータとの間に設けられ、入射窓側から順に保護膜(4)、遮光膜(3)、反射膜(2)を含んで構成された薄膜層構造をさらに備え、ライトガイドの側面は、乱反射面で構成され、反射膜は、プラスチックシンチレータとの間に空気層を挟んで配置され、プラスチックシンチレータと対向する表面が鏡面反射面で構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、測定対象の物体表面から放出される放射線を検出することで、物体表面の放射能汚染の有無を検査する放射能汚染検査装置に関するものである。
原子力発電所や核燃料取扱施設、加速器施設のような、放射性物質を取り扱う施設では、放射線管理区域から退出する際や、物品を持ち出す際に、放射能汚染の有無を検査する。
放射線のうち、β線は、γ線に比べ物質中の飛程が短いため、測定対象物以外から放出されるβ線は、容易に遮蔽できる。そのため、物体の表面が放射能汚染されているか否かを判断する場合には、α線ないしβ線の検出が確実である。
また、α線は、β線に比べ、さらに飛程が短く、ウランやプルトニウムに代表されるα放出核から放出される5MeV付近のエネルギーを持つα線の場合には、空気中を5cm程度しか飛行することができず、測定が難しい。そのため、上述のような放射性物質を取り扱う施設では、β線検出による放射能汚染検査が行われている。
β線検出器としては、GM管やプラスチックシンチレータを用いたものが一般的である。そして、β線検出器としてプラスチックシンチレータを用いることで、有感面を大型にすることができ、放射能汚染の検査を効率的に行うことができる。
プラスチックシンチレータを用いてβ線を測定する場合には、β線がプラスチックシンチレータに入射し、相互作用により発光した光、すなわちシンチレーション光を、光電子増倍管のような受光素子を用いて測定する。
シンチレータを大型化すると、シンチレーション光の発光位置によっては、シンチレーション光が受光素子に到達するまでに、シンチレーション光が反射する回数が増加し、シンチレーション光の減衰が大きくなる。
このため、大面積のプラスチックシンチレータを採用した場合には、シンチレーション光の発光位置により、受光面に到達するまでの反射回数が異なるため、有感面全体で均一な感度が得にくい。
そこで、従来は、以下のような方法が用いられていた。
一例として、大面積シンチレータの位置依存性を改善するために、シンチレータ、ライトガイド、反射膜のいずれかに反射光制限部を設け、感度の位置依存性が小さくなるように調整する方法がある(例えば、特許文献1参照)。ここで、反射光制限部は、表面粗さを変化させることで、反射率を調整する構成となっている。
また、別の従来方法として、シンチレータ表面での反射効率を向上させるために、反射層、遮光層、保護層を一体の積層薄膜として形成する方法がある(例えば、特許文献2参照)。
国際公開2014/076890号 特開2011−232224号公報
日本アイソトープ協会「アイソトープ手帳11版」、P5
しかしながら、従来技術には、以下のような課題がある。
特許文献1の方法では、検出感度が最も低くなる、受光素子から最も遠い場所に合わせて反射効率を調整する。このため、有感面全体で、感度の位置依存性は小さくなるが、検出器出力が低下し、ノイズとの弁別が困難となる問題があった。
また、特許文献2の方法では、シンチレータ表面での反射効率が向上し、検出器の信号出力は、増大する。しかしながら、シンチレータと同じ面積の受光素子が必要となる。したがって、シンチレータを大面積化するためには、大面積の受光素子が必要となり、有感面であるシンチレータの大面積化が困難であるという問題があった。
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、有感面の大面積化が可能であり、有感面を大面積化した場合でも、有感面全体で感度の位置依存性が小さく、かつ従来よりも大きな検出器出力を得ることのできる放射能汚染検査装置を実現することを目的としている。
本発明に係る放射能汚染検査装置は、測定対象から放出された放射線を入射し、放射線との相互作用でシンチレーション光を発光するプラスチックシンチレータと、到達したシンチレーション光の量に比例した電荷を出力する受光素子と、プラスチックシンチレータと受光素子との間に設けられ、プラスチックシンチレータから発光されたシンチレーション光を受光素子に到達させるライトガイドと、プラスチックシンチレータとライトガイドと受光素子を外部の光から遮光するために設けられるとともに、測定対象から放出された放射線をプラスチックシンチレータに入射させるための入射窓を有する遮光筐体とを備えた放射能汚染検査装置であって、遮光筐体に設けられた入射窓とプラスチックシンチレータとの間に設けられ、入射窓側から順に保護膜、遮光膜、反射膜を含んで構成された薄膜層構造をさらに備え、ライトガイドの側面は、乱反射面で構成され、反射膜は、プラスチックシンチレータとの間に空気層を挟んで配置され、プラスチックシンチレータと対向する表面が鏡面反射面で構成されるものである。
本発明によれば、保護膜、遮光膜、反射膜を含んで構成された薄膜層構造を入射窓側に有し、ライトガイドの側面を乱反射面として、さらに、反射膜とプラスチックシンチレータとの間に空気層を挟んで配置し、プラスチックシンチレータと対向する反射膜の表面が鏡面反射面を有するように構成されている。この結果、有感面の大面積化が可能であり、有感面を大面積化した場合でも、有感面全体で感度の位置依存性が小さく、かつ従来よりも大きな検出器出力を得ることのできる放射能汚染検査装置を実現することができる。
本発明の実施の形態1における放射能汚染検査装置の構成を示す図である。 本発明の実施の形態1におけるシンチレーション光の集光方法を説明するための図である。 本発明の実施の形態2における放射能汚染検査装置の構成を示す図である。 本発明の実施の形態2における放射能汚染検査装置の、先の図3とは保護膜が異なる構成を示す図である。 本発明の実施の形態2による放射能汚染検査装置において、測定対象の特定の領域から入射するβ線のみに感度を持たせた保護膜を採用した際の構成図である。 本発明の実施の形態2による放射能汚染検査装置において、有感面よりも広い領域から入射するβ線の全てに感度を持たせた保護膜を採用した際の構成図である。 本発明の実施の形態3における放射能汚染検査装置の構成を示す図である。 本発明の実施の形態3における放射能汚染検査装置の、先の図7とは異なる構成を示す図である。 本発明の実施の形態4における放射能汚染検査装置の構成を示す図である。
以下、本発明の放射能汚染検査装置の好適な実施の形態につき、図面を用いて説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における放射能汚染検査装置の構成を示す図である。本実施の形態1における放射能汚染検査装置は、放射線との相互作用でシンチレーション光を発光するプラスチックシンチレータ1、シンチレーション光を受光素子6に導くためのライトガイド5、およびプラスチックシンチレータ1とライトガイド5と受光素子6を外部の光から遮光するための遮光筺体7を含んで構成されている。
遮光筺体7は、プラスチックシンチレータ1の測定対象側の面に、入射窓を備えている。入射窓には、保護膜4、遮光膜3、反射膜2が外側から順に配置されて構成された薄膜層構造が設けられている。さらに、プラスチックシンチレータ1と反射膜2は、間隔を開けて配置されている。
測定対象10の表面に付着した放射性物質からβ線が放出された場合、β線は、入射窓を通過し、プラスチックシンチレータ1に入射する。プラスチックシンチレータ1にβ線が入射した場合、β線がプラスチックシンチレータ1にエネルギーを与えることにより、プラスチックシンチレータ1内でシンチレーション光が発生する。
ここで、発生するシンチレーション光の数は、プラスチックシンチレータ1に与えられたエネルギーに比例する。このため、シンチレーション光の数は、β線のエネルギー損失量に比例する。
シンチレーション光は、ライトガイド5を介し、受光素子6まで導かれる。ここで、受光素子6には、光電子増倍管を用いるのが一般的である。ただし、PINフォトダイオードやアバランシェフォトダイオードのような各種光半導体、または、イメージインテンシファイアのような光センサーを、受光素子6として用いてもよい。
次に、図2を用いて、有感面全体で感度の位置依存性を小さくする方法について説明する。図2は、本発明の実施の形態1におけるシンチレーション光の集光方法を説明するための図である。なお、この図2では、説明に必要な構成として、シンチレータ1、反射膜2、ライトガイド5、および受光素子6のみを記載している。
また、図2中の角度として示されたθL、θ1、θ2は、それぞれ以下の内容を意味している。
θL:ライトガイド5のシンチレータ1に接する面と側面のなす角度
θ1:入射窓側に放出されたシンチレーション光22aの、シンチレータ1と空気層との境界面における入射角度であり、臨界角θcよりも大きい角度に相当
θ2:入射窓側に放出されたシンチレーション光23aの、シンチレータ1と空気層との境界面における入射角度であり、臨界角θcよりも小さい角度に相当
なお、シンチレーション光22a、23a、臨界角θcの詳細は、後述する。
図2中の矢印は、シンチレータ1内で発生したシンチレーション光の軌跡を表したものである。シンチレーション光は、β線の入射方向に関係なく、ランダムな方向に放出される。このため、図2中の矢印は、それらのシンチレーション光のうちの1つの軌跡を表している。
シンチレーション光21aは、ライトガイド5の方向に放出されたものであり、ライトガイド5で反射することなく、受光素子6まで到達している。
シンチレーション光22aは、入射窓側に放出されたものである。ここで、プラスチックシンチレータ1の屈折率をn1とすると、プラスチックシンチレータ1と空気の境界面での臨界角θcは、次の通りとなる。
Figure 2016223991
このとき、臨界角θcより大きい角度で境界面に到達したシンチレーション光22aは、全反射する。図2に示したシンチレーション光22aは、臨界角より大きい角度θ1でシンチレータ1の表面に到達しているため、境界面で全反射し、シンチレーション光22bの方向に進み、ライトガイド5の側面で反射する。
ここで、ライトガイド5の側面は、乱反射面となっている。このため、反射光の光量は、乱反射しない場合の反射角θに対して、dI/dθ∝cosθの確率分布に従う。シンチレーション光22bは、この確率分布に従い、シンチレーション光22cの方向に反射され、受光素子6に到達する。
上述したように、シンチレーション光は、β線の入射方向に関係なく、全方向に放出され、かつ、ライトガイド5の側面での反射方向が、dI/dθ∝cosθの確率分布に従う。このため、ライトガイド5内をシンチレーション光がランダムな方向に飛び交う状態となる。
この結果、受光素子6に到達するシンチレーション光の割合は、シンチレーション光の発光位置に対する依存性が小さくなる。これにより、位置依存性を小さくすることができる。また、ライトガイド5の側面の角度θLを臨界角θcより大きくすることで、受光素子6に到達するシンチレーション光の割合を大きくすることができる。
このとき、ライトガイド5の側面が乱反射面ではなく、鏡面反射面であった場合には、プラスチックシンチレータ1の入射面に対するライトガイド5の側面の角度が所定の角度より小さいときには、シンチレーション光が受光素子6に到達するまでの反射回数が多くなる。
例えば、ライトガイド5の側面に金属膜を形成させたような鏡面であっても、反射による損失がわずかに発生する。このため、反射回数が増えることにより、受光素子6に到達するシンチレーション光の割合が低下する。このとき、角度によっては、ライトガイド5の側面とプラスチックシンチレータ1の入射面との間で反射を繰り返し、シンチレーション光が受光素子に全く到達しない状況も起こり得る。
また、ライトガイド5の側面に反射材を設けず、ライトガイド5の側面と空気との境界面での全反射を利用する場合には、ライトガイド5の側面の角度を、ライトガイド5の屈折率によって決まる臨界角より大きくする必要がある。しかしながら、シンチレーション光がランダムな方向に放出されるため、ライトガイド5の側面に対して臨界角より大きい角度で入射するものは一部に限られ、受光素子6に到達するシンチレーション光の割合は、小さい。
これは、ライトガイド5として光ファイバーを用いた場合も同様である。さらに、この方法を用いた場合、受光素子6の受光面の大きさとプラスチックシンチレータ1の有感面の大きさにより、ライトガイド5の長さが決まる。このため、ライトガイド5が長くなり、装置全体が大型になる問題がある。
次に、シンチレーション光23aは、シンチレーション光22aと同様に、入射窓側に放出されたものであるが、境界面への入射角度θ2が臨界角θcよりも小さい。このため、全反射を起こさずに、シンチレーション光23bの方向に屈折して、プラスチックシンチレータ1から出射される。
ここで、反射膜2は、鏡面反射面となっている。このため、シンチレーション光23bは、反射膜2への入射角度と同じ角度でシンチレーション光23cの方向へ反射され、プラスチックシンチレータ1に入射し、シンチレーション光23dの方向に屈折されて受光素子6に到達する。
このとき、反射膜2の表面が乱反射面であった場合には、反射膜2で反射されたシンチレーション光が、プラスチックシンチレータ1に再度入射する確率が小さくなる。このため、受光素子6へ到達するシンチレーション光の割合が低下する。
また、反射膜2とプラスチックシンチレータ1の距離が離れ過ぎている場合は、反射膜2での反射によりプラスチックシンチレータ1に直接入射せず、遮光筺体7に入射する割合が増えてしまう。このため、受光素子6に到達するシンチレーション光の割合が低下する。
目安として、プラスチックシンチレータ1と反射膜2との距離を変えて測定を行った結果から、プラスチックシンチレータ1と反射膜2との距離を1mmから2mmの間とするのが適切であることが分かっている。
また、入射面に反射膜を配置しない場合には、プラスチックシンチレータ1から放出されたシンチレーション光が反射ざれず、消失してしまう。このため、受光素子6に到達するシンチレーション光の割合が低下する。
以上、図2のように、プラスチックシンチレータ1、反射膜2、ライトガイド5、受光素子6を構成することで、受光素子6に到達するシンチレーション光の割合が、シンチレーション光の発光位置に依存しにくくなる。すなわち、有感面全体で感度の位置依存性が小さいプラスチックシンチレータを実現することが可能となる。
次に、本発明の実施の形態1における入射窓の構造について説明する。上述のように、シンチレータ1の表面で全反射しなかった成分を、シンチレータ1の方向へ反射させるため、反射膜2は、鏡面とする必要がある。同時に、必要な遮光性能を持ち、さらに屋外での使用を考えた場合には、粉塵や固形の飛来物に対して十分な強度を持つ必要がある。
入射窓を一体の薄膜で構成する際に、遮光性能を確保するためには、樹脂の場合、数10μm以上の厚さが必要である。一方、アルミ箔のような金属薄膜の場合、数μm程度の厚さで必要な遮光性能を得ることができるが、粉塵や固形の飛来物に対する強度は、十分ではない。
入射窓を厚くすれば、遮光性能と強度は、確保できるが、β線の減衰が問題となる。β線が入射窓を通過するときに、入射窓との相互作用により、β線の運動エネルギーの一部が入射窓に与えられ、β線の運動エネルギーは、減少する。そして、入射窓が十分に厚い場合、β線は、全ての運動エネルギーを失うため、入射窓を通過できなくなる。ここで、β線の透過率は、次式(1)を用いて計算することができる。
Figure 2016223991
上式(1)において、Iは、入射するβ線の数、Iは、物質を通過した後のβ線の数、tは、mg/cm単位で表されたβ線が通過する物質、すなわち入射窓の厚さである。また、μは、β線の吸収係数(単位はcm/mg)と呼ばれており、次式(2)の経験式で求めることができる。
Figure 2016223991
上式(2)において、Eは、MeV単位であらわされたβ線の最大エネルギーである。なお、上式(2)は、非特許文献1から引用している。
例えば、測定対象のβ線が137Csから放出されるβ線(最大エネルギー0.514MeVの場合)のとき、入射窓がアルミ1μmの場合には、吸収係数が
0.017×0.514−1.43=0.044、
厚さ1μmの面密度が
0.27mg/cm
なので、透過率は、
−0.044 0.27=0.99
となる。
同様に、入射窓がPET樹脂50μmの場合には、面密度が
6.9g/cm
なので、透過率は、
−0.044 6.9=0.74
となる。
このように、入射窓の厚さは、遮光性能と強度を確保しつつ、β線の減衰を小さくするため、可能な限り薄くする必要がある。
なお、上述した137Csからは、最大エネルギーが0.514MeV(分岐比94.4%)と、1.176MeV(分岐比5.6%)の2通りの場合がある。
入射窓が一体の薄膜の場合には、例えば、数μm程度の薄い樹脂膜に蒸着ないしスパッタリングによりアルミの鏡面を形成した反射膜を、張力をかけて設置する方法が用いられることが多い。しかしながら、金属の層が薄いため、ピンホールが発生した場合には、遮光性能の喪失が避けられない。
そのため、例えば、蒸着を複数回行い、ピンホールをなくす方法もある。しかしながら、この方法を採用した際にも、固形物の飛来により衝撃を受けた場合には、樹脂層は破損しないが、金属層にピンホール等ができる可能性があり、遮光性能が失われる可能性がある。
そこで、本発明では、入射窓を反射膜2、遮光膜3、保護膜4に分割し、もっとも薄い入射窓厚の組合せを採用している点を技術的特徴としている。
反射膜2と遮光膜3を分割しているため、反射膜2は、遮光が不十分なものでもよい。例えば、数μm程度の薄い樹脂膜に蒸着ないしスパッタリングにより必要最低限の厚さのアルミの鏡面を形成したものを、反射膜2として使用可能である。このようにして形成された反射膜2を、張力をかけて張ることで、β線の減衰が小さい鏡面とすることができる。
次に、遮光膜3は、シンチレーション光の反射に寄与しないので、鏡面とする必要はない。そのため、遮光筺体7の機械的変形ないし熱的変形による破損を避けるため、張力をかけずに撓みを持たせて張ることができる。
ここで、遮光膜3として樹脂膜を用いた場合には、数10μm程度の厚さが必要であり、β線の減衰が大きくなる。このため、数μmの金属薄膜を遮光膜3として用いる。金属薄膜は、粉塵や固形の飛来物に対する強度が十分でなく、破損により遮光性能が失われる可能性がある。しかしながら、遮光膜3と保護膜4を分割することで、強度が十分でない金属薄膜を遮光膜3として使用することができる。
次に、保護膜4は、遮光性能に寄与しないので、遮光が不完全でもよく、粉塵や固形の飛来物に対して強度の高い10μm程度の樹脂膜の使用が可能である。
このように、入射窓を、反射膜2、遮光膜3、保護膜4の3層に分割し、それぞれの層を最適な厚みにすることで、もっとも薄い入射窓厚の組合せを採用することができる。
次に、受光素子6にシンチレーション光が到達した後の動作を、先の図1を用いて説明する。受光素子6は、光電変換により、到達したシンチレーション光の量に比例した電荷を出力する。ここで、シンチレーション光の発光継続時間は、一般的なプラスチックシンチレータ1の場合、数ns程度である。また、受光素子6での光電変換も数ns程度で完了する。
このため、受光素子6の出力は、数ns程度の時間内に完了する。すなわち、受光素子6からは、到達したシンチレーション光の量に比例した電荷が、パルスとして出力される。
このとき、受光素子6から出力される電荷のオーダは、pC程度であるため、増幅回路11によって増幅され、信号処理回路12に入力される。このとき、増幅回路11は、受光素子6が出力する電荷とパルス波高が比例するように、信号を増幅する。
このため、増幅回路11が出力するパルスは、波高値がプラスチックシンチレータ1で発生したシンチレーション光の数、すなわち、β線がプラスチックシンチレータ1に与えたエネルギーに比例していることとなる。
次に、信号処理回路12は、放射線による信号とノイズを識別するために、入力された信号に対して閾値を設け、ノイズと信号の分離を行っている。増幅回路11から出力されるパルスの波高は、β線がプラスチックシンチレータ1に与えたエネルギーに比例する。このため、信号処理回路12は、パルス波高が所定の閾値を超えない場合には、計数せず、閾値を超えた場合のみβ線による信号として計数する。
さらに、信号処理回路12は、あらかじめ標準線源等を用いた校正により定められた計数値と表面汚染密度との関係式を用いて、計数値から表面汚染密度を算出する。そして、信号処理回路12は、算出した表面汚染密度を表示器13に表示させる。
以上のように、実施の形態1による放射能汚染検査装置は、以下のような特徴を備えている。
・入射窓は、外側から順に、保護膜、遮光膜、反射膜の3層に分館津された構成を有している。
・シンチレータと反射膜は、空気層を挟んで対向配置されている。
・シンチレータ光を受光素子まで導くライトガイドの側面が、乱反射面として構成されている。
このような構成を備えることで、大面積のプラスチックシンチレータを用いた場合であっても、有感面全体で感度の位置依存性の小さい検出器が、実現可能となる。この結果、放射能汚染の検査にかかる時間を短縮することが可能となる。
実施の形態2.
図3は、本発明の実施の形態2における放射能汚染検査装置の構成を示す図である。図3に示した本実施の形態2における放射能汚染検査装置は、先の実施の形態1における図1の構成と比較すると、保護膜4の外側に保護網31および帯電防止保護膜32をさらに備える点が異なっている。そこで、これらの相違点を中心に、以下に説明する。
保護網31は、屋外における使用や、測定対象が突起の多い形状のものである場合に、入射窓が損傷することを防ぐ目的で設置されている。保護網31の開口面は、保護膜4が損傷する可能性のある固形の飛来物や突起物を通さない大きさであり、かつ、開口比率が大きい構造とする。なお、保護網31の素材は、必ずしも金属である必要はなく、強度の高い樹脂板や繊維状の素材であってもよい。
また、図4は、本発明の実施の形態2における放射能汚染検査装置の、先の図3とは保護網31が異なる構成を示す図である。図4のように、保護網31の厚さを厚くし、開口部をコリメート形状とすることで、特定の方向から入射してくるβ線のみを選択的に通過させることができる。このような構造とすることで、特定の方向のみに感度を持たせることも可能である。
また、保護網31の素材を軽元素主体の樹脂とすることで、保護網31にβ線が衝突することで発生する制動X線の発生を低減し、バックグラウンドノイズを低減することが可能である。
さらに、保護網31を可動板で構成することにより、感度を有する方向を可変とすることができる。図5は、本発明の実施の形態2による放射能汚染検査装置において、測定対象の特定の領域から入射するβ線のみに感度を持たせた保護網31を採用した際の構成図である。図5のように保護網31を可動板で構成することにより、測定対象の特定の箇所に焦点を合わせることができる。
また、図6は、本発明の実施の形態2による放射能汚染検査装置において、有感面よりも広い領域から入射するβ線の全てに感度を持たせた保護網31を採用した際の構成図である。図6のように保護網31を可動板で構成することにより、測定対象が有感面積よりも広い場合に、測定対象全体をカバーすることができる。
帯電防止保護膜32は、屋外での使用において、放射性物質を含む粉塵が入射窓に付着し、装置が自己汚染することを防ぐ目的で設置される。ここで、保護網31に放射性物質を含む粉塵が付着した場合には、除去が困難となる。そこで、帯電防止保護膜32は、保護網31の外側に設置されており、この結果、装置の最外層は、遮光筺体7と帯電防止保護膜32で構成される。
以上のように、実施の形態2による放射能汚染検査装置は、先の実施形態1に加えて、以下のような特徴をさらに備えている。
・保護膜の前面に保護網が設置されている。
・保護網は、軽元素主体の樹脂を素材として使用することができる。
・保護網は、複数の可動板を備えて構成することができる。
・入射窓の最外層に、帯電防止保護膜を設けることが可能である。
このような構成を備えることで、固形の飛来物や測定対象の突起物に対して十分な強度を持ち、入射窓へ放射性物質が付着することによる自己汚染を防止することが可能な入射窓が実現可能となる。また、屋外での使用や突起物の多い複雑な形状の測定対象の汚染検査が可能となる。さらに、軽元素主体の樹脂を素材として保護網を形成することで、バックグラウンドノイズの低減を図ることも可能となる。
なお、上述した実施の形態2では、保護網31と帯電防止保護膜32を併用する場合について説明したが、いずれか一方のみを備える構成を採用することも可能である。
実施の形態3.
図7は、本発明の実施の形態3における放射能汚染検査装置の構成を示す図である。図7に示した本実施の形態3における放射能汚染検査装置は、先の実施の形態1における図1の構成と比較すると、反射膜2と遮光膜3の間に発光ダイオード41をさらに備える点が異なっている。そこで、これらの相違点を中心に、以下に説明する。
発光ダイオード41は、受光素子6、増幅回路11、信号処理回路12、表示器13の健全性を確認する目的で設けられている。ここで、発光ダイオード41は、シンチレーション光と同じ波長帯の光を発生するものを用いてもよいし、受光素子が感度を有する波長帯であれば、シンチレーション光と異なる波長帯の光を発するものを用いてもよい。
ここで、β線の入射により発生するシンチレーション光は、約1000光子程度と微弱である。これに対して、発光ダイオードの発生する光量は、一般的には、β線によるシンチレーション光に比べてはるかに大きい。
このため、発光ダイオード41が発生する光を直接受光素子6に入射させるためには、光を減衰するための遮光板を用いて、受光素子6に入射する光量を、β線によるシンチレーション光程度に制限する必要がある。しかしながら、発光ダイオード41を反射膜2よりも受光素子6側に配置すると、シンチレーション光の集光に対して、光学的な影響を与える可能性がある。
ここで、反射膜2は、外部の光に対する遮光性能は不十分であるが、反射性能を確保する必要最低限の厚さの金属層の鏡面を形成した反射膜を用いており、わずかながら光を透過させる。
そこで、この性質を利用し、本実施の形態3においては、発光ダイオード41を、反射膜2と遮光膜3の間に配置し、反射膜2により発光ダイオード41が発生する光を減衰させてプラスチックシンチレータ1に入射させている。これにより、発光ダイオードの光を減衰するための減光板を別途備える必要がなく、かつ、発光ダイオード41として、微弱な光を発生する発光ダイオードでなく、通常の発光ダイオードが利用できる。
図8は、本発明の実施の形態3における放射能汚染検査装置の、先の図7とは異なる構成を示す図である。図8に示すように、発光ダイオード41を遮光筺体7の外側に配置し、光ファイバー42を介して反射膜2と遮光膜3の間に発光ダイオード41が発生する光を入射させる構成を採用することも可能である。
発光ダイオード41が発生した光は、プラスチックシンチレータ1およびライトガイド5を介し、受光素子6に到達する。受光素子6は、シンチレーション光と同じ波長帯の光に対して感度を持つため、発光ダイオード41の光も光電変換し、パルスを出力する。
ここで、発光ダイオード41の発光時間をシンチレーション光の発光時間特性または増幅回路11の特性に合わせることで、増幅回路11は、β線によりシンチレーション光が発生した場合と同様のパルスを出力する。
その後、信号処理回路12でパルス波高とパルスの計数値を求め、あらかじめ設定しておいた発光ダイオード41の発光量と、計数値として求めた発光頻度とを比較することで、チェック用放射線源を用いることなく、放射能汚染検査装置が正常に動作していることを確認することが可能となる。
発光ダイオード41は、所定の周期で行う動作テスト時のみにおいて動作させることも可能であるが、実際の測定中においても、常時発光させることも可能である。発光ダイオード41を動作テスト時のみ動作させる場合には、信号処理回路12において、例えば、測定モードとテストモードのように、通常測定と動作テストの運転モードを切り替えて使用することが考えられる。
発光ダイオード41を動作テスト時のみ動作させる場合には、発光ダイオードによるパルスであることが自明であるので、発光ダイオード41の発光時間は、シンチレーション光の発光時間特性と同じでもよい。また、反射膜2を通過してプラスチックシンチレータ1に入射する光量も、β線を検出した場合のシンチレーション光の光量と同程度でよい。
このとき、発光ダイオード41の光量が、β線を検出した場合のシンチレーション光の光量と近接している場合には、両者を混同する可能性がある。この場合には、発光ダイオード41の光量を増加させ、さらに受光素子6の出力を低下させることで、β線を検出した場合のシンチレーション光の光量を、発光ダイオード41の光量よりも有意に低くすることができる。
これにより、発光ダイオードの光量とβ線を検出した場合のシンチレーション光の光量を有意に異なる量にすることができ、発光ダイオード41によるパルスを、より正確に識別することができる。
ここで、受光素子6に光電子増倍管を用いる場合には、光電子増倍管の印加電圧を低下させることで、β線を検出した場合のシンチレーション光の光量を、発光ダイオード41の光量よりも有意に低くすることができる。
一方、発光ダイオード41を常時発光させる場合には、反射膜2を通過してプラスチックシンチレータ1に入射する光量を、信号処理回路12において波高弁別可能なように、β線を検出した場合のシンチレーション光の光量と優位に異なる量にする。
ここで、発光ダイオード41の発光時間をシンチレーション光の発光時間よりも短くもしくは長くする場合には、パルス幅の違いからβ線によるパルスと発光ダイオード41によるパルスを弁別できる。このため、必ずしもβ線を検出した場合のシンチレーション光の光量と優位に異なる量にする必要はない。
この場合、測定中においても、常に装置の健全性が確認できるため、温度や湿度のような環境要因、もしくは電源電圧の変動等による異変を、リアルタイムでチェックできるため、測定結果に対する信頼性が向上する。なお、このようなチェック機能は、信号処理回路12がコントローラとしての役割を果たすことで、実行可能である。
以上のように、実施の形態3による放射能汚染検査装置は、先の実施形態1に加えて、以下のような特徴をさらに備えている。
・反射膜と遮光膜の間に発光ダイオードを備えている。
・光ファイバーを介して発光ダイオードの光を反射膜と遮光膜の間に入射させる構成とし、遮光筐体の外側に発光ダイオードを設ける構造とすることもできる。
このような構成を備えることで、発光ダイオードの光を反射膜と遮光膜の間に入射させることで、チェック用の放射線源を用いることなく、放射能汚染検査装置の健全性を確認することが可能となる。
なお、図7あるいは図8に示した構成は、先の実施の形態2における保護網31および帯電防止保護膜32をさらに備えた図3〜図6の構成に対しても適用することができ、同様の効果を得ることができる。
実施の形態4.
図9は、本発明の実施の形態4における放射能汚染検査装置の構成を示す図である。図9に示した本実施の形態4における放射能汚染検査装置は、先の実施の形態3における図8の構成と比較すると、発光ダイオード41の代わりに、シャッター43および開口部44を備える点が異なっている。そこで、これらの相違点を中心に、以下に説明する。
本実施の形態4における光ファイバー42は、入射部42aが遮光筺体7の外側にあり、入射部42aには任意の時間間隔で開閉可能なシャッター43が設けられている。シャッター43の開口部44が開状態のとき、遮光筺体外の光が、光ファイバー42に入射する。
光ファイバー42の出射部42bは、反射膜2と遮光膜3の間に配置されており、遮光筺体外の光が、反射膜2と遮光膜3の間に入射し、反射膜2でβ線を検出した場合のシンチレーション光の光量と同程度にまで減衰され、プラスチックシンチレータ1に入射する。
ここでシャッター43の開口部44の開時間を、シンチレーション光の発光時間または増幅回路11の特性と合わせることで、増幅回路11は、β線によりシンチレーション光が発生した場合と同様のパルスを出力することができる。
増幅回路11から出力されたパルスは、その後、信号処理回路12でパルス波高とパルスの計数値が求められる。あらかじめ設定しておいた発光量と、計数値として求めた発光頻度とを比較することで、チェック用放射線源を用いることなく、放射能汚染検査装置が正常に動作していることを確認することが可能となる。
このとき、遮光筐体外の光の光量が、β線を検出した場合のシンチレーション光の光量と近接している場合には、両者を混同する可能性がある。この場合には、遮光筐体外の光の光量を増加させ、さらに受光素子6の出力を低下させることで、β線を検出した場合のシンチレーション光の光量を、遮光筐体外の光の光量よりも有意に低くすることができる。
これにより、遮光筐体外の光の光量とβ線を検出した場合のシンチレーション光の光量を有意に異なる量にすることができ、遮光筐体外の光によるパルスを、より正確に識別することができる。
ここで、受光素子6に光電子増倍管を用いる場合には、光電子増倍管の印加電圧を低下させることで、β線を検出した場合のシンチレーション光の光量を、遮光筐体外の光の光量よりも有意に低くすることができる。
以上のように、実施の形態4による放射能汚染検査装置は、先の実施形態1に加えて、以下のような特徴をさらに備えている。
・光ファイバーを介して、遮光筐体外の光を反射膜と遮光膜の間に入射させる構成を備えている。
このような構成を備えることで、チェック用の放射線源を用いることなく、放射能汚染検査装置の健全性を確認することが可能となる。
なお、図9に示した構成は、先の実施の形態2における保護網31および帯電防止保護膜32をさらに備えた図3〜図6の構成に対しても適用することができ、同様の効果を得ることができる。
1 プラスチックシンチレータ、2 反射膜、3 遮光膜、4 保護膜、5 ライトガイド、6 受光素子、7 遮光筺体、10 測定対象、11 増幅回路、12 信号処理回路、13 表示器、21〜23 シンチレーション光、31 保護網、32 帯電防止保護膜、41 発光ダイオード、42 光ファイバー、42a 入射部、42b 出射部、43 シャッター、44 開口部。

Claims (14)

  1. 測定対象から放出された放射線を入射し、前記放射線との相互作用でシンチレーション光を発光するプラスチックシンチレータと、
    到達したシンチレーション光の量に比例した電荷を出力する受光素子と、
    前記プラスチックシンチレータと前記受光素子との間に設けられ、前記プラスチックシンチレータから発光された前記シンチレーション光を前記受光素子に到達させるライトガイドと、
    前記プラスチックシンチレータと前記ライトガイドと前記受光素子を外部の光から遮光するために設けられるとともに、前記測定対象から放出された前記放射線を前記プラスチックシンチレータに入射させるための入射窓を有する遮光筐体と
    を備えた放射能汚染検査装置であって、
    前記遮光筐体に設けられた前記入射窓と前記プラスチックシンチレータとの間に設けられ、前記入射窓側から順に保護膜、遮光膜、反射膜を含んで構成された薄膜層構造をさらに備え、
    前記ライトガイドの側面は、乱反射面で構成され、
    前記反射膜は、前記プラスチックシンチレータとの間に空気層を挟んで配置され、前記プラスチックシンチレータと対向する表面が鏡面反射面で構成される
    放射能汚染検査装置。
  2. 前記プラスチックシンチレータの入射面に対する前記ライトガイドの側面の角度が、前記プラスチックシンチレータと前記空気層との境界面における臨界角より大きい角度である
    請求項1に記載の放射能汚染検査装置。
  3. 前記薄膜層構造を構成する前記保護膜と、前記遮光膜と、前記反射膜をそれぞれ別体構造とし、
    前記反射膜は、張力をかけて設置される
    請求項1または2に記載の放射能汚染検査装置。
  4. 前記薄膜層構造を構成する前記保護膜と、前記遮光膜と、前記反射膜をそれぞれ別体構造とし、
    前記遮光膜は、張力をかけずにたわませて設置される
    請求項1から3のいずれか1項に記載の放射能汚染検査装置。
  5. 前記保護膜の、前記遮光膜と対向する面と反対の面側に設けられた保護網をさらに備える
    請求項1から4のいずれか1項に記載の放射能汚染検査装置。
  6. 前記保護網は、特定の方向から入射するβ線のみを選択的に通過させることができる可動板を有し、前記可動板の向きに応じて、前記保護網によって制限される入射方向を可変設定する
    請求項5に記載の放射能汚染検査装置。
  7. 前記保護網は、軽元素で構成された樹脂製である
    請求項5または6に記載の放射能汚染検査装置。
  8. 前記入射窓の最外層に設けられた帯電防止保護膜をさらに備え、
    前記遮光筐体と前記帯電防止保護膜とで装置の最外層が構成される
    請求項1から7のいずれか1項に記載の放射能汚染検査装置。
  9. 前記プラスチックシンチレータから前記反射膜までの距離が、1mmから2mmの間となるように前記空気層が設けられている
    請求項1から8のいずれか1項に記載の放射能汚染検査装置。
  10. 前記遮光膜から前記受光素子までの間のシンチレーション光の伝達経路のいずれかに、前記シンチレーション光と同じ波長帯のダミー光を入射させる発光ダイオード
    をさらに備える請求項1から9のいずれか1項に記載の放射能汚染検査装置。
  11. 前記発光ダイオードは、前記遮光膜と前記反射膜との間に配置されるか、もしくは、前記遮光膜と前記反射膜との間に前記ダミー光を導くために設けられた光ファイバーを介して前記遮光筺体の外に配置され、前記ダミー光を、前記反射膜を通過させて前記プラスチックシンチレータに入射させる
    請求項10に記載の放射能汚染検査装置。
  12. 前記遮光膜と前記反射膜との間にダミー光を導くように配置された出射部と、前記遮光筺体の外に配置され、任意の時間間隔で開閉可能なシャッターを備えた入射部とを両端に有する光ファイバーをさらに備え、
    前記光ファイバーは、前記シャッターを開状態とすることで、前記遮光筺体の外の光を前記ダミー光として導き、前記反射膜を通過させて前記プラスチックシンチレータに入射させる
    請求項1から9のいずれか1項に記載の放射能汚染検査装置。
  13. 前記受光素子から出力された前記電荷のパルス波高値により放射能汚染検査を実行する信号処理部をさらに備え、
    前記ダミー光の光量は、β線を検出した場合のシンチレーション光の光量と有意に異なる光量として設定され、
    前記信号処理部は、前記ダミー光によるパルス波高値から、放射能汚染検査機能の健全性をチェックするための動作確認を実行する
    請求項10から12のいずれか1項に記載の放射能汚染検査装置。
  14. 前記信号処理部は、前記動作確認の実行時において、前記ダミー光の光量を増加させ、同時に前記受光素子の出力を低下させることで、前記ダミー光の光量を、β線を検出した場合のシンチレーション光の光量と有意に異なる光量とし、前記測定対象から放出された前記β線を検出した場合のシンチレーション光のパルス波高値と前記ダミー光によるパルス波高値を識別する
    請求項13に記載の放射能汚染検査装置。
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