JP2016223232A - 仕口連結部補強ユニット及びそれを用いた耐震化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】築年数が古くて使用されている木材による釘やビスの固定力が期待できない場合に有用な仕口連結部補強ユニットと、かかる仕口連結部補強ユニットを使用して築年数の古い木造軸組構造体の耐震方法を提供する。
【解決手段】相互に直交する木製平板体を少なくとも2枚重ねて得られる木製積層部材であって、木製平板体の重なった領域において、木製平板体の間に連続繊維補強型接着剤層が形成された木製積層部材と、木製直方体から成る垂直台座部材と水平台座部材のそれぞれの1端を連結して、それぞれが直角に配置された交わる箇所を中心として回転自在に連結された連結体とを含む仕口連結部補強ユニットであって、垂直台座部材と水平台座部材のそれぞれは、その側面の相互に向かい合った側面にスリット又は溝が形成され、スリット又は溝の中に、木製平板体の連続繊維補強型接着剤層が形成されていない端部がそれぞれ挿入された仕口連結部補強ユニット。
【選択図】図20

Description

本発明は、築50年〜70年以上もの古い木造家屋において、その柱と梁(桁)で囲まれた壁領域の一部に土壁を有するような古い木造家屋を簡便に耐震化するためのユニット部材を現場で組み立てることを可能にするキット及び該キットを組み立てて得られたユニット部材を使用した耐震補強工法に関する。本発明に係る耐震補強工法においては、前記キットを構成する各要素を現場で組み立てて得られたユニット部材を柱−横架材仕口連結部に設置して柱脚部(又は柱頭部)を実質的に太くすることで、添え柱を使用することなく、添え柱を使用した場合と比較して使用する材料の量を極力少なくして低コスト化を図りつつ、既存の柱がその脚部(又は頭部)を支点(線状支点)として回転しようとする変形に対する抵抗力を増大させると同時に、延伸性のある合成繊維織布を包帯のように使用して前記ユニット部材を設置した柱−横架材仕口連結部の全体を覆うことでで、かかる合成繊維織布が地震時における外力に応答して延伸することで柱−横架材仕口連結部による減衰効果を期待するものである。
既存の木造建築物、特に、築年数の古い軸組木造住宅の耐震化が急務であると叫ばれている近年において、軸組木造建造物の耐震化工法や部材の開発努力が活発になされている。
古い木造家屋においては土壁が多用されており、その配置される箇所は、桁方向と直交する外壁や内壁であるのが一般的であり、また、これらの壁は相対して相互に平行に配置されるのが一般的である。そして、これら相対する一対の壁の内側においてはそこに出来るだけ広い空間を形成するために、構造体としての柱を出来るだけ使用しないようにするのが一般的である。従って、このような構造の場合の地震に対する耐力壁量を計算すると、桁方向に沿った壁量は、桁と直交する方向に沿った壁量よりも遥かに小さな値にならざるを得ない。
このような場合の基本的な考え方としては、大別して、建造物の各構成要素を剛体化することで建造物全体を剛性にする方法と、軸組木造建造物の各構成要素の柔体特性(外力に対する粘弾性的応答特性)を高めることで軸組木造建造物全体の柔体特性を更に高める方法とがある。
木造建造物を剛体化する方法としては、構造用合板を柱と梁に釘やビスで打ち付ける方法が代表的であるが、剛体化する方法の欠点としては、構造用合板を釘やビスで打ち付けた箇所だけが、地震時の外力を集中的に負担することとなり、築年数の古い木造軸組構造体の場合には釘やビスを打ち付ける相手の木材の表面近傍において釘やビスに対する引き抜き抵抗力が大幅に減少しているので、結果的に、剛体化による耐震化の効果が余り期待できないこととなる。また、室内における動線が遮られたり視界が遮られたりして好ましくない。
更には、構造用合板を打ち付けて剛体化した壁の量が多くなると、建造物全体が剛体化するために、それに応じて、土台を基礎にアンカーボルトで緊結する必要が生じるが、そもそも築年数の古い軸組木造住宅の場合には、土台を基礎に緊結するためのアンカーボルトを後付けで設置すること自体が不可能となる。また、築年数の古い軸組木造住宅の場合には、石場建て構造となっているものが多く、そのような場合、アンカーボルトを設置すること自体不可能となる。
このような課題を解決すべく、近年において、金物補強材の一種である仕口ダンパーを、柱と梁との連結部に設置することが、その簡便さのメリットもあって、広く使用されるようになって来ている。
特開2003−247269号広報 特開2005−220614号広報 特開2015−89995号広報
しかしながら、仕口ダンパーを柱と梁との連結部に取り付ける場合は、ビスや釘でもって打ち付けることが必要となり、築年数の古い木造家屋の場合、その打ち付ける相手先の柱や梁の木材は、その表面近傍において長年の経年劣化によって当初の樹脂成分が失われているために十分な保持力(特に、引き抜きに対する抗力)が期待できないという潜在的な課題がある。具体的には、釘やビスの引き抜き抵抗力が新築時と比べて余り期待できないので、地震時において引き抜きの繰り返し荷重を受けると、仕口ダンパーの本来の機能の発揮が期待できなくなると云う課題である。
さて、木造軸組構造体の地震時における挙動(例えば、インターネット上に公開されている実物大の木造軸組構造体の振動実験のビデオ等)をつぶさに観察すると、地震開始当初は、揺れはするが、この時点では、即座には、完全な倒壊には至らない。完全な倒壊に達するのは、地震開始当初の揺れが暫く続いて順次その振幅が大きくなった後であることが見て取れる。
このプロセスにおいて、柱−横架材仕口連結部の変形プロセスを観察すると、柱は一つの剛体としてその脚部の横架材の上面と接する縁部を支点(線状支点)とする回転運動をすることが見て取れる。そして、この回転運動を阻止する力として、柱に鉛直方向に加わる上部構造体の荷重により、この縁部を支点(線状支点)として、柱の上記回転方向とは反対の方向に加わる回転モーメント力が拮抗することで、上記の柱の剛体回転に対する復元力が働いていることが見て取れる。
ここで、この復元力が、柱に垂直方向に加わる上部構造体の荷重に起因する剛体回転モーメント力であることに注目すれば、この復元力を増大させるための一つの方法として、上記の支点(線状支点)となる縁部の位置を、柱の中心線からできる限り遠ざけることが考えられる。
一方、現場の長年の経験知から、添え柱を設置することが行われる場合があるが、この場合には、1本の柱だけに添え柱を設置することはなく、1対の新たな柱を設置して、その1対の新たな柱の頭部に新たな横架材を載せることが必要となり、結果的に、古い1対の柱の脚部を繋ぐ横架材に不必要な荷重が加わり、また、資材コストが不必要に増加すると云う問題がある。
また、使用木材の長年の経年劣化により柱の脚部が強度不足になっている場合には、根継と云う伝統的な工法が適用されることがあるが、この根継の場合は、経年劣化した柱脚部を取り除いて、残った柱の下端部に蟻継のような形式で継手を形成し、この柱部分の継手の形状にマッチした形状の継手を根継材の上端部に形成して繋ぎ合わせることが一般的に行われるものの、この場合の根継材の太さは、既存の柱の太さと同じである。したがって、この場合は、柱の剛体回転運動の支点(線状支点)となる縁部の位置は既存の位置と同じとなり、柱に垂直に加わる荷重による回復モーメント力は従前と同じにならざるを得ず、また、この既存の柱を支えて来た土台(又は桁や梁)の部分は、この柱の有するホゾに対応したホゾ穴が形成されているので、既存の柱と同様に経年劣化しているためにめり込み現象が既に発生しており、折角新しい根継材を設置しても、柱全体の剛体回転運動に対する抗力が十分発揮できないという潜在的な問題がある。
地震大国である我が国において古くから伝わる伝統構法には、築年数の古い木造建造物、例えば、築数百年にもなる木造構造物の改修向けに確立された各種の方法がある。これらの方法に共通する主な特徴は、老朽化した部分を切除してそれと同じ形状・サイズの新しい部材と置き換えることであり、その際に、既存の残存部分との接合部あるいは連結部に、長年の経験に基づく各種仕口形態が採用されるということである。そして、旧来の伝統構法においては、近年の最先端材料(典型的には、有機系接着剤)を使用するという概念自体が存在しないので、これらの仕口の連結メカニズムは、機械的なロッキング・メカニズムに依拠せざるを得ない。
また、伝統構法の中には複雑な形状・形態の仕口構造があるが、複雑な形状の仕口構造は、建造物を建てる前の柱材や梁材のようにそれぞれ独立している部材に仕口部を形成する際にはアクセス上の物理的制約がないので慣れれば容易に形成することが可能ではあるが、既に建造物の一部に組み合わされた状態の柱材や梁材の場合には、そもそも複雑な形状の仕口構造自体形成するのが困難である。このような場合には、四面が露出した状態で垂直に立っている柱材の下端寄りの一部分を切り取ってそこに新たな柱材を連結させる根継に限られてしまう。しかも、その仕口形状は、金輪継手のように3次元的に複雑な形状にならざるを得ない。
本発明者は、上記の課題を初めて認識した上で、鋭意研究した結果、使用する資材の量が少なく、従って、資材コストが安価となる一方で、既存の柱が剛体回転運動をする場合の支点(線状支点)となる縁部の位置を、既存の柱の中心線から見て、既存の位置よりも遠ざけることで、柱の上部構造体の荷重により柱の上記回転方向とは反対の方向に加わる回転モーメント力を増大させると同時に、この支点の位置を、経年劣化の激しいホゾ穴近傍からできるだけ離した位置に移動させることで、上記課題を解決することを初めて見出して本発明を完成させるに至った。
また、軸組構法による木造家屋においては、軒桁方向に平行に走る梁は、その両端が柱に設けられた蟻仕口でもって柱に連結されているが、その梁の下側の空間には一般的には垂れ壁が設置されており、この垂れ壁の上端と梁との間の空間は狭くてアクセスが悪くそこでは柱や梁の複雑な加工作業は困難であるので、このような狭い空間に存在する柱−横架材仕口連結部の補強に適した形状や作用機序を有する仕口連結部補強ユニットが初めて提供される。
第1の発明は仕口連結部補強ユニットに係る発明であって、木製平板体を相互に直交する態様で少なくとも2枚重ねて得られる木製積層部材であって、該木製平板体の重なった領域において、該木製平板体の間に、連続繊維補強型接着剤層が形成されることを特徴とする木製積層部材と、垂直台座部材と水平台座部材のそれぞれの1端を連結して得られる連結体であって、垂直台座部材と水平台座部材のそれぞれが、木製直方体から成り、相互に直角に配置され、直角に交わる箇所を中心として回転自在に連結されたことを特徴とする連結体とを含む仕口連結部補強ユニットであって、前記連続繊維補強型接着剤層は、硬化後粘弾性を示す接着剤をその未硬化中に含浸させた合成繊維織布を積層して得られ、前記垂直台座部材と前記水平台座部材のそれぞれは、その側面のうち、相互に向かい合った側面にスリット又は溝が形成され、該スリット又は溝の中に、前記木製平板体の端部であって、前記連続繊維補強型接着剤層が形成されていない端部がそれぞれ挿入されることを特徴とする仕口連結部補強ユニットに係る発明である。
第2の発明は、上記第1の発明において、前記繊維が、ポリエステル繊維又はナイロン繊維であることを特徴とする。
第3の発明は、上記第1の発明又は第2の発明において、前記有機系接着剤が、エポキシ・ウレタン系樹脂又はウレタン系樹脂を主成分とする接着剤である
ことを特徴とする。
第4の発明は、上記第1〜第3の発明のうちのいずれか1つの発明に係る仕口連結部補強ユニットを活用して仕口連結部に設置する木造軸組構造体の制振工法であって、前記仕口連結部補強ユニットの垂直台座部材と水平台座部材とをそれぞれ柱と横架材とに固定するに際して、延伸性のある合成繊維の織布を包帯のようにして垂直台座部材と柱との組み合わせ、水平台座部材と横架材の組み合わせに巻き付けて固定することを特徴とする木造軸組構造体の制振工法に係る発明である。
第5の発明は、上記第1〜第3の発明のうちのいずれか1つの発明に係る仕口連結部補強ユニットを活用して仕口連結部に設置する木造軸組構造体の制振工法であって、前記仕口連結部補強ユニットの垂直台座部材と水平台座部材とをそれぞれ柱と横架材とに固定するに際して、有機系接着剤を含浸させた合成繊維織布を積層させて形成された連続繊維補強型接着剤層を片面に有する平板状部材を、垂直台座部材と柱との同じ側の側面及び水平台座部材と横架材との同じ側の側面のそれぞれに、連続繊維補強型接着剤層が面接触するような態様で固着させることで固定することを特徴とする仕口連結部の制振工法に係る発明である。
第6の発明は、仕口連結部補強ユニットをその使用現場で組み立てることのできるキットであって、
木製平板体を相互に直交する態様で少なくとも2枚重ねて得られる木製積層部材であって、該木製平板体の重なった領域において、該木製平板体の間に、連続繊維補強型接着剤層が形成されることを特徴とする木製積層部材と、
垂直台座部材と水平台座部材のそれぞれの1端を連結して得られる連結体であって、垂直台座部材と水平台座部材のそれぞれが、木製直方体から成り、相互に直角に配置され、直角に交わる箇所を中心として回転自在に連結されたことを特徴とする連結体と、
前記仕口連結部補強ユニットを仕口連結部に設置する際に、前記垂直台座部材と柱、前記水平台座部材と横架材とを固定するための固定具と
を含み、
前記連続繊維補強型接着剤層は、硬化後粘弾性を示す接着剤をその未硬化中に含浸させた合成繊維織布を積層して得られ、
前記垂直台座部材と前記水平台座部材のそれぞれは、その側面のうち、相互に向かい合った側面にスリット又は溝が形成され、該スリット又は溝の中に、前記木製平板体の端部であって、前記連続繊維補強型接着剤層が形成されていない端部がそれぞれ挿入されるように構成され、
前記固定具が、合成繊維織布又は/及び有機系接着剤を含浸させた合成繊維織布を積層させて形成された連続繊維補強型接着剤層を片面に有する平板状部材を含む
ことを特徴とする仕口連結部補強ユニット用キットに係る発明である。
第7の発明は、上記第5又は6の発明において、前記合成繊維が、ポリエステル繊維又はナイロン繊維であることを特徴とする。
第8の発明は、上記第5〜7の発明のうちいずれか1つの発明において、前記有機系接着剤が、エポキシ・ウレタン系樹脂又はウレタン系樹脂を主成分とする接着剤であることを特徴とする。
第9の発明は、以下詳述する本発明に係る木造軸組構造体の柱−横架材仕口連結部における柱の剛体回転運動防止工法に使用する補強ユニットを現場で組み立てることのできるキットであって、少なくとも2つの相互に直交する平滑平面を側面として有する木製六面体であって、その側面の少なくとも一方の面に少なくとも1つの突起部を有し、該木製六面体の使用時において、該突起部が、該一方の面に平行な剪断力に対するシェアー・キーとして機能するように構成されることを特徴とする木製六面体と、合成繊維の織布と、有機系接着剤とを含むことを特徴とする木造軸組構造体の柱−横架材仕口連結部の補強用キットに係る発明である。
第10の発明は、上記第9の発明において、前記繊維が、ポリエステル繊維又はナイロン繊維であることを特徴とする。
第11の発明は、上記第9又は第10の発明において、前記有機系接着剤が、エポキシ・ウレタン系樹脂又はウレタン系樹脂を主成分とする接着剤であることを特徴とする。
第12の発明は、上記第9〜第11の発明のいずれか一つの発明において、前記木製六面体が、直方体又は立方体であることを特徴とする。
第13の発明は、上記第9〜第12の発明のいずれか一つの発明において、前記木製六面体の突起部が、該木製六面体における該突起部の位置に予め形成された凹部に、該凹部と略同じ断面形状・サイズを有する込栓部材であって、該凹部の深さよりも長いサイズの込栓部材を挿入することで構成されることを特徴とする。
第14の発明は、木造軸組構造体の柱−横架材仕口連結部の補強工法であって、少なくとも2つの相互に直交する平滑平面を有する木製六面体であって、その平滑平面の少なくとも一方の面に少なくとも1つの突起部を有し、該木製六面体の使用時において、該突起部が、該一方の面に平行な剪断力に対するシェアー・キーとして機能するように構成されたことを特徴とする木製六面体を少なくとも1個準備し、木造軸組構造体の柱−横架材仕口連結部のうち補強対象とする連結部の柱の側面に前記木製六面体の突起部を嵌合させるべく該柱の側面に前記突起部を受け入れる凹部を形成する際に、該凹部に該突起部を嵌合させたときに該突起部を有する側面と直交する他方の側面が該補強対象とする連結部の横架材の側面と面接触するように該凹部を形成し、前記凹部に前記突起部が嵌合した態様になるように前記木製六面体を補強対象とする連結部に設置し、前記柱と前記設置された木製六面体から構成された部分の外周面のうち、該柱の長手方向と平行な外周面に接着剤を塗布し、その上から合成繊維の織布を張り付けて、該柱と該木製六面体とを緊結させることを特徴とする木造軸組構造体の柱−横架材仕口連結部補強方法に係る発明である。
第15の発明は、上記第14の発明において、前記合成繊維が、ポリエステル繊維又はナイロン繊維であることを特徴とする。
第16の発明は、上記第14又は第15の発明において、前記有機系接着剤が、エポキシ・ウレタン系樹脂又はウレタン系樹脂を主成分とする接着剤であることを特徴とする。
第17の発明は、上記第14〜第16の発明において、前記木製六面体の突起部が、該木製六面体における該突起部の位置に予め形成された凹部に、該凹部と略同じ断面形状・サイズを有する込栓部材であって、該凹部の深さよりも長いサイズの込栓部材を挿入することで構成されることを特徴とする。
第18の発明は、柱−横架材の仕口連結部の面内変形防止ユニットの組立用キットにおいて、
略同じ形状・サイズを有する2つの木製直方体と、
正方形の板状体であって、その1辺の長さが前記木製直方体の長手方向の長さよりも短く、その厚さが前記木製直方体の太さのサイズよりも小さいことを特徴とする板状体とを含み、
前記木製直方体の各々は、その1側面に、前記板状体の1辺に沿った領域を受け入れる溝であって、その長さが、該溝内に受け入れられる前記板状体の1辺に沿った領域の長さと略同じであり、その深さが前記直方体の太さのサイズ以下(同じ又はそれ未満)であり、その幅が前記板状体の厚さのサイズと略同じであることを特徴とする溝を有し、
前記キットを組立てたときに、前記2つの木製直方体が1面内で直交し、その各々が、前記溝の中に前記板状体の1辺に沿った領域を受け入れる
ことを特徴とするキットに係る発明である。
第19の発明は、上記第18の発明において、木製平板の1側面上に、延伸性樹脂を含浸した合成繊維の織布を少なくとも1層、有機系接着剤を含む接着層を介して積層して得られる平板複合部材を、更に含むことを特徴とする。
第20の発明は、上記第18から第19に記載の前記繊維が、ポリエステル繊維又はナイロン繊維であることを特徴とする。
第21の発明は、上記第18〜第20に記載において、前記有機系接着剤が、エポキシ・ウレタン系樹脂又はウレタン系樹脂を主成分とする接着剤であることを特徴とする。
第22の発明は、木造軸組構造体の柱−横架材仕口連結部の補強工法であって、
略同じ形状・サイズを有する2つの木製直方体と、
正方形の板状体であって、その1辺の長さが前記木製直方体の長手方向の長さよりも短く、その厚さが前記木製直方体の太さのサイズよりも小さいことを特徴とする板状体と、
木製平板の1側面上に、延伸性樹脂を含浸した合成繊維の織布を少なくとも1層、有機系接着剤を含む接着層を介して積層して得られる平板複合部材と、
有機系接着剤とを準備し、
ここで、前記木製直方体の各々は、その1側面に、前記板状体の1辺に沿った領域を受け入れる溝であって、その長さが、該溝内に受け入れられる前記板状体の1辺に沿った領域の長さと略同じであり、その深さが前記直方体の太さのサイズ以下(同じ又はそれ未満)であり、その幅が前記板状体の厚さのサイズと略同じである溝を有することを特徴とし、
続いて、前記2つの木製直方体が1面内で直交し、その各々が、前記溝の中に前記板状体の1辺に沿った領域を受け入れる構成となるように前記木製直方体と前記板状体とを組み立てて面内変形防止ユニットとし、
前記組み立てられた面内変形防止ユニットの2つの木製直方体の一方がその長手方向に沿って柱の側面に面接触し、他方がその長手方向に沿って横架材の側面に面接触するように配置し、
前記柱と前記木製直方体の側面のうち、それぞれ前記面接触部と直交する側面に、該面接触部を跨いで、前記平板複合部材の積層面を前記有機系接着剤でもって固着する
ことを特徴とする木造軸組構造体の柱−横架材仕口連結部の補強方法に係る発明である。
第23の発明は、木造軸組構造体の柱−横架材仕口連結部の補強工法に係る発明であって、
略同じ形状・サイズを有する2つの木製直方体と、
正方形の板状体であって、その1辺の長さが前記木製直方体の長手方向の長さよりも短く、その厚さが前記木製直方体の太さのサイズよりも小さいことを特徴とする板状体と、
木製平板の1側面上に、延伸性樹脂を含浸した合成繊維の織布を少なくとも1層、有機系接着剤を含む接着層を介して積層して得られる平板複合部材と、
有機系接着剤とを準備し、
ここで、前記木製直方体の各々は、その1側面に、前記板状体の1辺に沿った領域を受け入れる溝であって、その長さが、該溝内に受け入れられる前記板状体の1辺に沿った領域の長さと略同じであり、その深さが前記直方体の太さのサイズ以下であり、その幅が前記板状体の厚さのサイズと略同じである溝を有することを特徴とし、
続いて、前記2つの木製直方体が1面内で直交し、その各々が、前記溝の中に前記板状体の1辺に沿った領域を受け入れる構成となるように前記木製直方体と前記板状体とを組み立てて面内変形防止ユニットとし、
前記組み立てられた面内変形防止ユニットの2つの木製直方体の一方がその長手方向に沿って柱の側面に面接触し、他方がその長手方向に沿って横架材の側面に面接触するように配置し、
前記一方の木製直方体の自由端側の溝の設けられていない領域部分を前記柱に合成繊維織布でもって少なくとも1重巻で巻き付けて固定し、前記他方の木製直方体の自由端側の溝の設けられていない領域部分を前記横架材に合成繊維織布でもって少なくとも1重巻で巻き付けて固定することを特徴とし、
前記巻き付けの際に、織布が相互に重なる面領域の相対面領域のそれぞれに有機系接着剤を面状に塗布することを特徴とする
木造軸組構造体の柱−横架材仕口連結部の補強方法に係る発明である。
第24の発明は、木製平板の1側面上に、延伸性樹脂を含浸した合成繊維の織布を少なくとも1層、有機系接着剤を含む接着層を介して積層して得られる平板複合部材と、
有機系接着剤とを準備し、
木造軸組構造体の柱−土台仕口連結部における柱と土台の屋外側の側面であって、該柱と該土台との面接触部に直交する側面に沿って、該柱と該土台との面接触部を跨いで、前記平板複合部材の積層面を前記有機系接着剤でもって固着する
ことを特徴とする木造軸組構造体の柱−土台仕口連結部の補強方法に係る発明である。
第25の発明は、上記第22〜第24の発明のうちのいずれか一つの発明において、前記合成繊維が、ポリエステル繊維又はナイロン繊維であることを特徴とする。
第26の発明は、上記第22〜第25の発明のうちのいずれか一つの発明において、前記有機系接着剤が、エポキシ・ウレタン系樹脂又はウレタン系樹脂を主成分とする接着剤であることを特徴とする。
以下、図を参照しつつ、本発明を詳述する。本発明に係る木製六面体は好適にはその主要部として木製の直方体(以下、単に、直方体)が使用されるので、以下においては、木製六面体の主要部として直方体を使用した場合を中心に説明するが、本発明の目的・作用機序を同じくするものであれば、他の形状、例えば、立方体であっても良い。図1には、この直方体(100)の一側面に一体的に設けられた突起部(200)を有する部分が上になるように直方体の長手方向が垂直になるように立てた状態の立側面図が示されている。この場合の直方体の長手方向は、その直方体を構成する木材の繊維の方向と同じであることが構造力学的に好ましい。
直方体のサイズは、好適には、その長手方向に直交する断面形状が1辺を約10.5cmとする正方形となっている。このサイズは、1981年の新耐震基準が適用される前に建築された木造軸組構造体の一般的な柱の太さのサイズに対応させたものとなっているが、こうすることで、柱−横架材仕口連結部に設置したときに納まりが良くなる。直方体の長手方向のサイズは、一般的な木造軸組構造体に設置する場合は、この直方体に設けられた突起部(200)を嵌合させる凹部が、補強対象となる柱−横架材仕口連結部の柱に形成されることで該柱の曲げ強度に余り影響しない位置になるように当該柱の柱脚部と柱頭部との間の長さの1/3程度の高さまで柱脚部から離した位置に設置できるようなサイズ(具体的には、長さ約50〜80cm)とすることが好ましい。
使用時においてシェアー・キーとして機能する突起部(200)は、直方体(100)の側面から約2〜3cm突出するように構成し、この突出状態が直方体(100)の全幅に亘るように構成する(図2に示された上面図を参照)のが好ましい。使用時(図3を参照)においては、この突起部(200)が嵌合する凹部を対応する柱に形成することになるが、その柱の凹部の深さは、その柱の太さの1/3以下にすることが好ましく、また、突起部(200)の突出サイズが小さい(例えば、約1cm以下)場合には、柱の表面近傍部分の木質の長年に亘る経年劣化により突起部(200)の上面に相対して圧縮力を加える柱の部分の強度が不足することが懸念される。この突起部(200)が直方体(100)と一体化している部分の長さ(直方体(100)の長手方向に沿った長さ)は、出来るだけ長い方が好ましいが、余り長すぎると、使用時において、この突起部(200)が嵌合する柱に形成される凹部もそれに伴って長くなって柱の欠損部が長くなるので好ましくない。このような制約の下での好ましいサイズは、約10〜20cmである。
本発明に係る直方体(100)の他の態様として、図4に示されたように、突起部(200)の設置された側面の反対側の側面に、かまぼこ型(ボールト型)の曲面を有する部材(500)を、その長手方向の長さが対応する直方体(100)の長手方向の長さよりも短い状態で、一体型又は分離型で設けても良い(図4を参照)。こうすることで、この直方体(100)と柱とを嵌合させて得られた組立体(図6を参照)に、後述するように、本発明に係る合成繊維の織布を巻き付けて緊結したときに、この織布による緊結力を有効に作用させることが可能となる。この場合のかまぼこ型曲面を有する部材(500)を構成する木材の繊維の方向は、当該部材の長手方向と同じであることが好ましい。また、このかまぼこ型部材の厚さ(頂点ラインの高さ)は、かまぼこ型部材の長手方向に直交する断面ができるだけ半円形に近い形状になるような厚さになるような形状が好ましい。
本発明に係る上述の木製六面体の使用時においては、図1又は図4に例示的に示された組立ユニットを、補強対象となる柱−横架材仕口連結部に、図3又は図6に例示的に示された態様で設置した上で、この設置された組立ユニットとそれに対応する柱とが画成する外側の側面(直方体の高さに相当する高さで、組立ユニットと柱との全体の外周ラインで画成される側面領域)の全体に有機系接着剤を塗布した後、その有機系接着剤が完全に硬化する前に、それを合成繊維の織布でもって包帯のようにして包み込むことで組立ユニットと柱とを緊結する。このとき、織布による緊結力が十分発揮できるようにするために、図4に参照番号500で示された部材と外形・寸法が略同じのかまぼこ型部材を、柱300の側面であって直方体100とは反対側の側面に、同じ高さの位置に設置することが好ましい。
本発明において好適に使用される有機系接着剤(硬化体が粘弾性を呈する有機系接着剤)はウレタン系接着剤又はエポキシ・ウレタン系接着剤であり、そのウレタン系接着剤の代表例としては、株式会社スリーボンドから市販されている パンドー ウレタン系接着剤 透明 TB156A、コニシ株式会社から市販されているウルトラ多用途S・U(1液型)があり、一方、エポキシ・ウレタン系接着剤の代表例としては、横浜ゴムから市販されているハマタイト? がある。硬化体に特に粘弾性が要請されない場合に使用できる有機系接着剤としては、ポリビニール系接着剤や酢酸ビニル系接着剤が好適に使用できる。なお、本発明の特徴をその工学的な観点から見れば、一般の木造住宅の建設現場で使用されている石膏ボードなどの耐火材や木質材の板状体の一方の側面上に積層型の連続繊維補強型FRP(Fiber Reinforced Plastic)を現場あるいは工場で作成して、板状体で裏打ち(back up)された板状の複合素材とすることと、その板状の複合素材の一方の側面を構成する連続繊維補強型FRPの面を、木造家屋の仕口連結部あるいは根継部に面接触するような態様であてがう(丁度、絆創膏を貼るような態様であてがう)ことであるとも見なせる。したがって、本発明に使用する有機系接着剤としては、その名称に接着剤と云う表現が含まれてはいるが、必ずしも接着剤として一般の消費者の間で認識されているような有機系樹脂に限定されることはなく、一般的なFRPに使用されるポリエステル樹脂(硬化前の樹脂)も好適に使用されることは論を待たない。
本発明において使用する合成繊維の織布は、ポリエステル繊維の織布又はナイロン繊維の織布でその厚さが約0.22mm〜約0.5mmの織布が好適に使用できる。ポリエステル繊維やナイロン繊維は典型的には東レ株式会社や帝人株式会社から入手でき、そのような合成繊維の織布としては、服地用の織布が好適に使用可能であり、例えば、ユザワヤから一般的に入手可能である。繊維の織り方については、網目がありその網目を通して上述の有機系接着剤が染み出すことができるようなものであれば特に限定されることはなく、一般的な平織タイプが使用できる。また、ポリエステル系織布及びナイロン系織布としては、メーカーを問わず市販のものが使用できるが、トスコ株式会社から土木資材として市販されている厚さ0.22mm〜0.50mmで、引張強度は1,100N(110Kg)/3cm〜3,150N(320Kg)/3cmの織布が好適に使用できる。これらポリエステル系織布及びナイロン系織布は経糸と横糸で織られており、それら糸の相互の間に空隙があるので、この織布を基材の上に塗布された未硬化の接着剤の層の上に被せて抑えると、この空隙を通して未硬化の接着剤が織布の上面側に押し出されるので、織布を基材に強固に固着させたり、連続繊維補強型接着剤層を形成するうえで好ましい。本発明における合成繊維織布には特に高度な延伸性が求められるものではなく、あくまでも、それを足場として有機系接着剤を接着面に対して垂直方向に高く積み上げることを可能にすることで、その接着剤の硬化体の粘弾性特性を期待したり、連続繊維補強型接着剤硬化体層の厚みをできるだけ大きくするためのものであるので、一般に服地材として市販されているものが使用可能である。なお、本発明の特徴についての上述の工学的な観点から見れば、本発明に使用する合成繊維織布としては、その名称に合成繊維と云う表現が含まれており、また、服地用の合成繊維織布が実施態様において使用されてはいるが、必ずしも合成繊維織布として一般の消費者の間で認識されているような合成繊維織布に限定されることはなく、一般的なFRPに使用されるガラスファイバー織布やカーボンファイバー織布、アラミド繊維織布等の連続繊維織布も好適に使用されることは論を待たない。
この織布は幅広のシート状(例えば、幅1.5mのシート)で市販されているので、この織布を包帯のようにして2種類の個別の対象物の寄せ集め体全体に巻き付けることで接着剤や固定用金物を使用することなくこれら2種類の対象物の寄せ集め体を強固に固定する場合には、このシートから現場で工業用ハサミ等で所望の幅の帯状体を切り出して使用する。また、現場で使用する織布の厚みを増す必要がある場合は、これらの織布を2重3重に巻き重ねることで対応可能である。築年数の古い木造軸組構造体の場合の柱又は梁の太さは一般的に10.5cmであるので、上記態様の補強ユニットを柱−横架材仕口連結部にあてがって(柱に形成する凹部の深さを約3cmとする)その両側に上記態様のかまぼこ型部材を重ねて得られる組立の周りに上記のように現場で切り出された帯状体(幅約15cm)を3重に巻き付けて緊結する場合には、その帯状体の長さは、約180cm程度に達する。この帯状体を巻き付けるときは、先ず、対象部位の全面に有機系接着剤を、ヘラを使用しつつ膜厚約1mm程度に塗布した後、その塗布された接着剤の上に帯状体の一方の端の部分(長さ約10cmの部分)を被せて手で抑え付けながらこの接着剤を含浸させ(手で抑え付けた領域の部分の表面に接着剤が滲みでるまで抑え付ける)、次に、その端の部分の上からタッカーを使用して建築用ステープルを柱等に打ち付けて固定した後、帯状体に緊張力を加えつつ巻き付ける。この巻き付けの際には、巻き付けられた領域の上から順次手で抑え付けて接着剤が帯状体に十分含浸するように配慮するのが好ましい。
また、この織布を使用して何らかの基材表面の上に連続繊維補強型接着剤層を作成する際には、先ずその基材表面全面に有機系接着剤を厚めに塗布し(例えば、0.1mm〜0.2mm程度)その有機系接着剤が未硬化の期間に手早く使用目的に応じて適当なサイズに切り分けた織布を載せて、その上から平板等で抑え付けながら、織布の目を通じて、その織布の下側に存在している未硬化の接着剤が滲み出るまで、繰り返し抑え付ける。全面に亘ってこの接着剤が十分に滲み出たことを確認した後、再度、全面に亘って有機系接着剤を前回と同様な膜厚で塗布し、そこにまた新たな織布を載せて、前回と同様な操作を繰り返すのである。
本発明においては、異なる部材相互間の面には有機系接着剤が適用されるが、この有機系接着剤としては、エポキシ・ウレタン系樹脂又はウレタン系樹脂を主成分とする接着剤が好適に使用される。この場合のエポキシ・ウレタン系樹脂接着剤としては、例えば、横浜ゴム株式会社から市販されている一液型のハマタイト?が好適に使用でき、ウレタン系樹脂接着剤としては、例えば、セメダイン株式会社から市販されている一液型のものが好適に使用できる。
なお、上記の例示的な説明においては、図1又は図4に例示的に示された組立ユニットを、補強対象となる柱−横架材仕口連結部に緊結する際に、合成繊維から成る織布を使用しているが、この緊結作用が得られる方法であれば、どのような方法も好適に使用可能である。例えば、金属製の緊結バンドでもって緊結することも可能である。
本発明に係る柱−横架材仕口連結部補強方法においては、その構造力学的に最大のボトルネックになる可能性の高い部位は、柱に形成されることとなる凹部であり、特に、図3又は図6において柱300が横架材400の方に剛体回転し始めることに呼応して凹部の上端に加わる圧縮力により、その部分の柱の一部が割裂・剥離することに対する抵抗力が、柱の木材組織の経年劣化・経年腐食により大幅に低下していることがある。これに対しては、柱の凹部の位置よりも高い位置であって凹部の近傍において、凹部の形成された側面とそれに相対する側面に、図4に参照番号500で示された部材と外形が略同じのかまぼこ型部材を柱に添えて、その外側から上述のように合成繊維の織布でもって包帯のようにして周囲から巻き付けて緊結することで、凹部の強度を補償することが好ましい。なお、図6に図示された各部材の寸法としては、柱300、梁400の太さが10.5cmであり、木製六面体100の高さは約40〜50cmで太さは10.5cmであり、シェア・キーとして機能する突起部の長さは約5〜10cmで幅は10.5cm、突起部の突出サイズは約3〜4cmである。
柱−横架材仕口連結部の納まり状態によっては、柱の全側面が露出していない場合がある。一例として、柱の1側面側に土壁が配置されているような場合である。このような場合には、土壁と柱との間における土壁部分に柱の側面に沿ってスリットを形成して、そのスリットを通して上記帯状体を巻き付けることが好適に行われる。
一方、このようなスリットを形成しないで補強する場合には、織布を巻き付ける代わりに、図7に例示されたような足固めに類似した組立ユニットを準備しそれをボルトとナットで固定する方法も可能である。この組立ユニットを使用する場合は、柱の剛体回転防止材として機能する直方体の柱側の側面には、ボルトを通すことができるような溝を形成し、コの字型をした板状部材を二つ準備し、この板状部材に形成されたボルトの通る穴の位置をこの溝が形成された高さの位置に当たるように相対させた後、これらをボルトとナットで緊結するのである。この場合の部材600の寸法は、図7に示すように柱300と木製六法体に隙間なく嵌合できる内側サイズが好ましく、その幅は約10〜15cm程度である。
木造軸組構造体が二階建ての場合、一階の柱の頭部には二階部分の荷重を支えるための太目の横架材(例えば、大梁)が仕口連結されるのが一般的であり、この横架材の下側の少し離れた位置には、この横架材と平行に設置された差鴨居が配置され、これら太目の横架材と差鴨居の間の間隔は余り大きくなく(例えば、1m以下)アクセスしづらいので、上記のような柱の剛体回転防止ユニットを設置することが困難になる場合がある。このような場合には、以下詳述する方法(柱の太さが10.5cm、大梁の断面が縦約20cm、横10.5cmの矩形断面の場合)が好適に適用できる。
図8に図示されているような、厚さ約2cmの三角形(直角三角形)の板であって、その直交する2辺のそれぞれ毎に平行なスリット(幅約1.0cm、長さ約15cm)(図8の参照番号1100で示されたスリット)を有する直角三角形の板(図8の参照番号900で示された直角三角形の板)を準備する。次に、長さ約20cmの角柱(太さ約1〜2cm)(図8の参照番号1000で示された部材)を4本準備し、2本を一組として、一組の2本を、相互に約2cm離しつつ平行な態様で、その長手方向の中央ラインが横架材の下面の中央ラインに合致するようにして、その角柱の一端面を柱の横架材側の面から約4cm離して、横架材の下面に上述の有機系接着剤(又はビスや釘)で固着させる。次に、残りの一組の2本を、同様にして、その角柱の一端面が横架材の下面から約4cm離して、その長手方向の中央ラインが柱の横架材側の側面の中央ラインに合致するようにして、上述の有機系接着剤(又はビスや釘)で固着させる。このようにして固着された角柱の間に、上記直角三角形の板を、柱−横架材で画成される平面に沿って、直角となっている頂点を柱−横架材仕口連結部に向かってスライドさせる態様で該連結部の領域に設置する。そして、最後に、上述の帯状体を、このように設置された直角三角形の板に形成されているスリットの中を通しつつ、直角三角形の直交する2辺のうちの1辺を柱側に、他方の1辺を横架材側に押し付けるようにして巻き付ける(図8参照)。なお、同図に示された表出部分の直角三角形のサイズは、直角の2辺のそれぞれの長さが約30〜50cm程度であり、スリットの長さはその約60%程度であり、スリットの幅は、厚さ0.5mm程度の合成繊維織布の帯を3回〜5回程度通すことができるような幅が好ましく、現場での作業のし易さの観点からすると約1cm程度である。そして、このスリットが形成される箇所は、脇部材1000の太さのサイズの2倍程度の距離、柱300及び横架材800の側面から離れた位置に形成される。
この場合の柱−横架材仕口連結部は、一階の天井裏の空間に位置するので、上記のようにして巻き付けた帯状体が柱の側面に巻き付いている状態が露出していても何ら美観上又は構造上問題にはならないが、横架材の場合には、問題になる場合もあり得る。そのようなときには、横架材の上面のうち、上記帯状体が巻き付けられる領域のみに深さの浅い溝(例えば、深さ約5mm、幅約15cmの溝)を形成してこの溝の中に上記帯状体を通すことで美観上の問題を解消することも可能である。また、このような深さの浅い溝であれば、構造的にはほとんど問題にはならない。
この場合の帯状体の巻き付けにおいては、帯状体と面接触することができる面は、柱と横架材、それにスリットの内面のうち柱に近い面と横架材に近い面のみとならざるを得ないが、そのような態様であっても、帯状体は十分その機能を発揮してこの直角三角形の板が移動することを防止することが期待できる。
上記の例よりも構造的により簡便なものとして、図9に示すような仕口連結部補強ユニットも好適に使用可能であり、更には、図10に示すようなものも十分使用可能である。図9において垂直台座部材1200及び水平台座部材1400から表出している矩形部分のサイズは、1辺の長さが約30〜40cm程度であり、その厚さは約2〜3cm程度であり、垂直台座部材1200と水平台座部材1400にそれぞれ形成される溝の深さは約3〜4cm程度であり、その長さはロックプレート1300を嵌合した状態で受けることのできるサイズが好ましい。また、図10に図示された直角三角形のサイズは、図9の矩形を直角三角形にしたときに得られるサイズである。
また、上述の例においてはいずれもロックプレートは1枚の板状体から構成されているが、これを、図12に示されるような複数の板状体(図中では1310、1320、1330の3枚)を積層させ、各板状体の間に連続繊維補強型接着剤層(1600)を間挿させた構成の積層板状体に置き換えても良い。そして、例えば、その積層板状体の平面形状が図9に図示されたような矩形の場合には、各板状体の配置を、千鳥式に配置して、垂直台座部材と水平台座部材との成す角度が90度から狭まる方向に変形することに呼応して発生するせん断力がこの連続繊維補強型接着剤層の平面内剪断力として発生するように構成することが好適に適用される。こうすることにより、仕口連結部補強ユニットの全体が、一つの仕口連結部補強ユニットとして機能することになる。このときの各板状体の厚さは約2〜3cm程度でその平面サイズは1辺を約30〜40cm程度とする矩形であり、連続繊維補強型接着剤層に含まれる織布は3枚重ねとし、接着剤層の全体の厚さは、約3mm程度である。また、板状体が相互に重なる領域の形状は矩形であり、1枚の中央部の板状体の端は他の2枚の板状体の端から約5〜10cm程度突出する。
特定の平板状体の平面の上に連続繊維補強型接着剤層が形成された態様の一例が図13に図示されている。同図は、断面図である。この場合の積層方法は上述のとおりであり、また、使用する接着剤の種類は、この積層体に使用目的に応じて適宜選定される。例えば、粘弾性体の積層体を企図するときはウレタン系接着剤又はエポキシ・ウレタン系接着剤が好適に使用され、一方、2種類の物体の寄せ集め体を強固に固定することを企図するときは、酢酸ビニル系接着剤やポリビニール系接着剤が好適に使用される。また、この場合の連続繊維補強型接着剤層の工学的な作用機序の観点からすれば、所謂連続繊維強化型FRPと同様であるので、使用する有機系接着剤としては、必ずしも接着剤として一般の消費者の間で認識されているような有機系樹脂に限定されることはなく、一般的なFRPに使用されるポリエステル樹脂(硬化前の樹脂)(例えば、以下のネットショップのサイトから入手可能な台湾製FRPポリ樹脂:8120RA)も好適に使用されることは論を待たない。また、基材1700としては、その材質は問わないが、耐火性の観点からすると、一般的な住宅建築現場で使用される石膏ボードが好適に使用できる。使用時においては、積層体面を既存の構造物に面接触させる態様で使用するので、露出面はこの基材の表面となり、したがって、この基材の材質として紫外線劣化しないような木質材等が好適に使用できる。なお、この基材の機能は、積層体の単なる裏打ち材(back up材)としての機能であるので、この基材の厚さは、積層材部分の厚さとの関連で決定されるが、取扱いの容易さの観点からすると、例えば、0.5cm程度とし、積層材部分の厚さは、その中に含有させる織布を3層程度にするとすれば、0.2〜0.5cm程度となる。
以上概略説明した仕口連結部補強用ユニット(1200、1300、1400)を、片側側面上に上述の連続繊維補強型接着剤層を有する木製平板(1900)でもって、仕口連結部に固定した態様の一例が図14に図示されている。同図において参照番号300は柱、参照番号400は横架材を示す。この場合、垂直台座部材1200あるいは水平台座部材1400は、いずれも、それに相対する柱300あるいは横架材400の表面に固定(又は固着)されることは特に要請されないが、現場の状況に応じて、適宜有機系接着剤でもって固着しても良い。
さて、図15は、ロックプレート2000が垂直台座部材1200と水平台座部材1400の両側面に固着されている態様を示す図であるが、このときの固着は、ロックプレート2000のそれぞれの平面上に形成された上述と同様な連続繊維補強型接着剤層を介して実現される。そして、この接着剤層の形成に使用する接着剤の力学的性質により、図15に示した仕口連結部補強ユニットが、単なる補強ユニットに終始するか、仕口連結部補強ユニットとして機能するかが決まる。
図16は、図15におけるロックプレートの平面形状が矩形になった点が異なる以外は同じである。
図17は、図16に示した仕口連結部補強ユニットを仕口連結部に配置して固定された態様の一例を示すが、同図においては、図18にその連続繊維補強型接着剤層のある側を望む斜視図が図示された固定部材でもって固定されている。
図18に固定部材の一例が図示されているが、この場合は、同図に示された固定部材を使用して図17に図示された態様での固定の際に、柱300と横架材400とに面接触する領域と、垂直台座部材1200と水平台座部材1400とに面接触する領域とを明確に区別して、それぞれ、異なる作用機序を奏するように構成することが企図されている。
図19は、本発明に係る仕口連結部補強ユニットの一例を図示する。同図において、参照番号1200は垂直台座部材を示し、参照番号1400は水平台座部材を示す。同図において参照番号2200で示す部材は、図9に示すロックプレート1300の場合と同じように、その一部が垂直台座部材1200(又は水平台座部材1400)に設けられたスリット又は溝の中に受け入れられる。図中の2枚の部材2200は、その間に、硬化したのちに粘弾性を呈する有機系接着剤を合成繊維織布に含浸させたものを積層して得られる連続繊維補強型接着剤層が間挿されており、この連続繊維補強型接着剤層が2枚の部材2200の平面内変形に対して粘弾性的に抵抗するように構成されている。
なお、同図において、垂直台座部材の下端部と、水平台座部材の仕口寄りの左端部とは、相互に接しない(力を直接伝達するような接触部が形成されない)ような構成とすることが好ましい。
図20は、図19に一例が図示された仕口連結部補強ユニットを仕口連結部に設置した態様を示す。同図において、柱300と垂直台座部1200との間の固定、及び横架材400と水平台座部材1400との間の固定については、木造構造物における2部材の固定方法のいずれも適用できるが、図13に示したような固着部材を使用して図14に示したような態様で固定(固着)するのが好ましい。
以上例示をもって本発明を詳述したが、上述の本発明の目的・趣旨を逸脱しない範囲での様々な変形態様も本発明の範囲に含まれることは論を待たない。
本発明においては、上記の構成により、柔構造体としての木造軸組構造体の特性を損ねることなく柱−横架材仕口連結部における柱の剛体回転運動防止のための簡便な方法が初めて提供される。また、本発明による補強方法に使用する木製材料の量は、補強時に横架材の設置を必須とする添え柱による補強方法の場合と比べて極めて少なくすることが可能となり、結果的に、環境に優しくまたコストも安い。
直角三角形の板を柱−横架材仕口連結部に上述のような態様で設置することにより、柱−横架材仕口連結部において柱と横架材とが画成する内角が当初の90度よりも小さくなろうとするときに、直角三角形の板を、その直角の頂点が柱−横架材仕口連結部から遠ざかる方向に移動させる力に対抗して、上記の帯状体による締め付け力が作用することで、地震時における柱−横架材仕口連結部の補強作用が期待できる。
また、本発明に係る仕口ダンパーは、金物を一切使用することなく仕口連結部に固定することを可能とし、また、粘弾性体による抗力の発生箇所を、仕口連結部からできるだけ遠くに離すことが可能となり、力学的に有利になる。
本発明に係る柱の剛体回転防止ユニット用キットの一部(主要部)を構成する木製六面体(直方体)の一例を概念的に示す斜視図。同図において、主要部と突起部(使用時においてシェア・キーとして機能する)とは一体型になっているが、必ずしも一体型でなくても、該突起部が使用時において十分なシェア・キーとしての機能を呈するように構成されさえすればどのような態様で構成されていても良い。 図1に概念的に示した直方体の上面図。一体型の場合には繋目ラインがないので、上面図としては一つの矩形となる。 図1に概念的に示した直方体を組立てて得られた剛体回転防止ユニットを柱脚部に嵌合させたときの各部材の長手方向の中心線を全て含む平面に沿って見た断面図の概念図。同図において参照番号300は柱、参照番号400は横架材(例えば、土台)を示し、柱300には、図1の木製六面体(100)の突起部を受け入れる溝(凹部)が形成されており、該突起部は該溝(凹部)と、略前面において面接触するように構成することで、しっかり固定される。 本発明に係る柱の剛体回転防止ユニット用キットの一部を構成する木製六面体(直方体)(100)の一側面にかまぼこ型部材(500)が具備された態様を概念的に示す斜視図。このかまぼこ型部材は、木製六面体(100)の使用時において、例えば図3に図示した態様で柱と土台との形成する面内に設置した後、柱と該木製六面体(100)とを合成繊維の織布でもって包帯で巻き付けるような態様で固定する際にかかる固定力が十分発揮できるようにするためのものである。なお、このかまぼこ型部材の長手方向に沿った長さは、木製六面体(100)の長手方向に沿った長さよりも短くすることが好ましい。この理由は、例えば、図6に図示された態様で仕口連結部に設置されたときに、柱300と横架材400との形成する面の面内で、外力により柱300が横架材400の方向に傾斜したときに、その傾斜による柱300の回転が、木製六面体(100)の底面の1辺(仕口から見て遠い方の1辺)を線中心とした回転になるように構成することで、略常に同様な回転運動を呈するようにするためである。 図4に概念的に示した直方体の上面図。同図においては、かまぼこ型部材(500)は木製六面体(100)とは一体型に形成されてはいないが(この場合は、有機系接着剤で相互に固着させるが、使用する有機系接着剤は市販のもので、耐水性のあるものであれば、どのような有機系接着剤でも使用できる)、これを一体型に形成するのが好適である。 図4に概念的に示した直方体を組立てて得られた剛体回転防止ユニットを柱脚部に嵌合させたときの各部材の長手方向の中心線を全て含む平面に沿って見た断面図の概念図。同図を見ると、柱300と横架材400との形成する面の面内で、外力により柱300が横架材400の方向に傾斜したときに、その傾斜による柱300の回転が、木製六面体(100)の底面の1辺(仕口から見て遠い方の1辺)を線中心とした回転になるように構成されることが容易に理解できる。同図においては、木製六面体100とかまぼこ型部材500と柱300とを合成繊維の織布でもって包帯で巻き付けるような態様で結束することが企図されている。 本発明に係る柱の剛体回転防止ユニットを柱脚部に嵌合させるに際して該ユニットを足固めに類似した部材で固定した態様を示す斜視図。仕口連結部における柱300の全面が露出していないような場合には、柱300と木製六面体100とを同図に一例を図示するような態様で固定することとなる。この場合、足固めに類した部材600は、2つ割りの部材として形成した後、現場で、ボルトとナット(700)で固定する方法が好適に適用される。この場合には、ボルト(700)が通る貫通孔(あるいは、貫通溝)を木製六面体100の対応する箇所に予め形成して置く必要があることは言うまでもない。また、柱300と木製六面体100とを相互に固定する方法であればどのような方法でも適用でき、例えば、図13に図示された固着部材を、柱300と木製六面体100との境界線(境界面)を跨いだ態様で有機系接着剤でもって固着しても良い。 本発明に係るスリット1100を有する直角三角形の板900を柱−横架材仕口連結部に設置した態様を示す斜視図。この場合の横架材は梁800を想定しており、したがって、同図に図示された使用時の態様は、柱300と梁800との仕口連結部の補強のための一例である。同図において直角三角形の板900は、柱300と梁800とのそれぞれの長手方向に沿った中心線に平行に配置され、また、参照番号1000で示された部材は、このように配置された直角三角形の板900の位置がずれないように、その両脇にそれぞれ配置され基材(柱300又は梁800)に固定される。この固定方法については、いかなる方法も適用できるが、基材は廃朽した木材であるので、金物による固定方法よりも、有機系接着剤での固着が好ましい。 仕口連結部の面内変形防止ユニットの斜視図(その1)を示す。同図において、参照番号1200は、直方体部材であり、本発明においては、便宜上、垂直台座部材と呼称し、参照番号1400も直方体部材であり、本発明においては、便宜上、水平台座部材と呼称される部材である。同図において参照番号1300で示される部材は、本発明においては、便宜上、ロックプレートと呼称し、分解時には、同図に表出しているサイズよりも大きく、同図に表出している平面形状の相図形状を呈しており、そのサイズは、垂直台座部材及び水平台座部材の内部にその一部が入る程度のサイズとなっている。同図における垂直台座部材1200及び水平台座部材1400には、相対する側面に、それぞれスリット又は溝が形成されており、参照番号1300で示される平板状のロックプレートの一部が、当該スリット又は溝の中に挿入されて、外力により、垂直台座部材1200及び水平台座部材1400が、それらの長手方向に沿った中心軸が画成する面における面内変形を阻止するように構成されている。この作用機序は、当該スリット又は溝の端のうち仕口連結部から見て遠い位置にある端の位置を、当該スリット又は溝に受け入れるロックプレートの端のうち仕口連結部から見て遠い位置にある端の位置と略同じにすることで確保できる。 仕口連結部の面内変形防止ユニットの斜視図(その2)を示す。同図は、図9におけるロックプレート1300の平面形状が矩形から図11に示すような多面体1500に変更して、その一部を、垂直台座部材1200と水平台座部材1400との間に、上述の図9における態様と同じようにスリット又は溝の中に挿入して、垂直台座部1200と水平台座部1400から外側に現れる部分の平面形状が直角三角形1500となるように構成された態様を示す図である。 図10に一例を示す仕口連結部の面内変形防止ユニットに使用されるロックプレートの一例である。 面内変形防止ユニットのロックプレートを3枚の平板部材(1310、1320、1330)の積層体として構成し、各平板部材の間に粘弾性体層1600を間挿したときの断面図(一例)を示す。この場合の粘弾性体層は、粘弾性を示す有機系接着剤(代表的には、ウレタン系接着剤、又はエポキシ・ウレタン系接着剤)を含浸させた合成繊維織布を積層することで形成された粘弾性体層である。 面内変形防止ユニット1900を仕口連結部に固定するための固着部材の断面図。同図においては、基材1700の片面に、参照番号1800で示された接着剤層(連続繊維補強型接着剤層)が形成されており、この接着剤層は、有機系接着剤を含浸させた合成繊維織布を積層させて形成されている。ここに使用する接着剤は、市販の接着剤が使用でき、特に粘弾性体の接着剤である必要はない。基材1700の平面形状は、好ましくは、矩形であり、長方形である。 図9に図示された仕口連結部の面内変形防止ユニット(1200、1300、1400)を、図13にその断面図が図示された固着部材(1900)を使用して、柱300及び横架材400に固定した態様の一例を示す図である。 仕口連結部の面内変形防止ユニットの斜視図(その3)を示す。同図においては、ロックプレートとして機能する部材が、その平面形状を直角三角形となり、垂直台座部材1200と水平台座部材1400のそれぞれの側面に固定されている態様の一例を示す。この場合の固定方法としては、好ましくは、図13に図示された連続繊維補強型接着剤層を介して垂直台座部材1200及び水平台座部材1400の側面に固着する方法が好ましい。 仕口連結部の面内変形防止ユニットの斜視図(その4)を示すもので、図15における直角三角形のロックプレートが矩形状のロックプレートに置き換わっていること以外は、図15における態様と同じである。 仕口連結部の面内変形防止ユニットの更に別の態様のユニット(図18における2000)を仕口連結部に設置した態様の斜視図を示す。 仕口連結部の面内変形防止ユニットの別の態様のユニットの斜視図を示す。同図において、参照番号1800で示された部分は、連続繊維補強型接着剤層であり、それが、基材1700の一部分の面に積層されている。その積層の結果得られた外側の面は、基材1700の残りの部分の面と略同じ高さとなっている。そして、同図において参照番号2000で示される部材を仕口連結部に設置するときは、図17に示すような態様でもって固定する。 本発明に係る仕口連結部補強ユニットの一例を示す図である。同図において、参照番号1200は垂直台座部材を示し、参照番号1400は水平台座部材を示す。同図において参照番号2200で示す部材は、図9に示すロックプレート1300の場合と同じように、その一部が垂直台座部材1200(又は水平台座部材1400)に設けられたスリット又は溝の中に受け入れられる。図中の2枚の部材2200は、その間に、硬化したのちに粘弾性を呈する有機系接着剤を合成繊維織布に含浸させたものを積層して得られる連続繊維補強型接着剤層が間挿されており、この連続繊維補強型接着剤層が2枚の部材2200の平面内変形に対して粘弾性的に抵抗するように構成されている。なお、同図において、垂直台座部材の下端部と、水平台座部材の仕口寄りの左端部とは、相互に接しない(力を直接伝達するような接触部が形成されない)ような構成とすることが好ましい。 図19に一例が図示された仕口連結部補強ユニットを仕口連結部に設置した態様を示す。同図において、柱300と垂直台座部1200との間の固定、及び横架材400と水平台座部材1400との間の固定については、木造構造物における2部材の固定方法のいずれも適用できるが、図13に示したような固着部材を使用して図14に示したような態様で固定(固着)するのが好ましい。

Claims (8)

  1. 木製平板体を相互に直交する態様で少なくとも2枚重ねて得られる木製積層部材であって、該木製平板体の重なった領域において、該木製平板体の間に、連続繊維補強型接着剤層が形成されることを特徴とする木製積層部材と、
    垂直台座部材と水平台座部材のそれぞれの1端を連結して得られる連結体であって、垂直台座部材と水平台座部材のそれぞれが、木製直方体から成り、相互に直角に配置され、直角に交わる箇所を中心として回転自在に連結されたことを特徴とする連結体とを含む仕口連結部補強ユニットであって、
    前記連続繊維補強型接着剤層は、硬化後粘弾性を示す接着剤をその未硬化中に含浸させた合成繊維織布を積層して得られ、
    前記垂直台座部材と前記水平台座部材のそれぞれは、その側面のうち、相互に向かい合った側面にスリット又は溝が形成され、該スリット又は溝の中に、前記木製平板体の端部であって、前記連続繊維補強型接着剤層が形成されていない端部がそれぞれ挿入される
    ことを特徴とする仕口連結部補強ユニット。
  2. 前記繊維が、ポリエステル繊維又はナイロン繊維である
    ことを特徴とする請求項1に記載の仕口連結部補強ユニット。
  3. 前記有機系接着剤が、エポキシ・ウレタン系樹脂又はウレタン系樹脂を主成分とする接着剤である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の仕口連結部補強ユニット。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の仕口連結部補強ユニットを仕口連結部に設置する木造軸組構造体の制振工法であって、
    前記仕口連結部補強ユニットの垂直台座部材と水平台座部材とをそれぞれ柱と横架材とに固定するに際して、延伸性のある合成繊維の織布を包帯のようにして垂直台座部材と柱との組み合わせ、水平台座部材と横架材の組み合わせに巻き付けて固定する
    ことを特徴とする仕口連結部の制振工法。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の仕口連結部補強ユニットを仕口連結部に設置する木造軸組構造体の制振工法であって、
    前記仕口連結部補強ユニットの垂直台座部材と水平台座部材とをそれぞれ柱と横架材とに固定するに際して、
    有機系接着剤を含浸させた合成繊維織布を積層させて形成された連続繊維補強型接着剤層を片面に有する平板状部材を、垂直台座部材と柱との同じ側の側面及び水平台座部材と横架材との同じ側の側面のそれぞれに、連続繊維補強型接着剤層が面接触するような態様で固着させることで固定する
    ことを特徴とする仕口連結部の制振工法。
  6. 仕口連結部補強ユニットをその使用現場で組み立てることのできるキットであって、
    木製平板体を相互に直交する態様で少なくとも2枚重ねて得られる木製積層部材であって、該木製平板体の重なった領域において、該木製平板体の間に、連続繊維補強型接着剤層が形成されることを特徴とする木製積層部材と、
    垂直台座部材と水平台座部材のそれぞれの1端を連結して得られる連結体であって、垂直台座部材と水平台座部材のそれぞれが、木製直方体から成り、相互に直角に配置され、直角に交わる箇所を中心として回転自在に連結されたことを特徴とする連結体と、
    前記仕口連結部補強ユニットを仕口連結部に設置する際に、前記垂直台座部材と柱、前記水平台座部材と横架材とを固定するための固定具と
    を含み、
    前記連続繊維補強型接着剤層は、硬化後粘弾性を示す接着剤をその未硬化中に含浸させた合成繊維織布を積層して得られ、
    前記垂直台座部材と前記水平台座部材のそれぞれは、その側面のうち、相互に向かい合った側面にスリット又は溝が形成され、該スリット又は溝の中に、前記木製平板体の端部であって、前記連続繊維補強型接着剤層が形成されていない端部がそれぞれ挿入されるように構成され、
    前記固定具が、合成繊維織布又は/及び有機系接着剤を含浸させた合成繊維織布を積層させて形成された連続繊維補強型接着剤層を片面に有する平板状部材を含む
    ことを特徴とする仕口連結部補強ユニット用キット。
  7. 前記合成繊維が、ポリエステル繊維又はナイロン繊維であることを特徴とする請求項6に記載の仕口連結部補強ユニット用キット。
  8. 前記有機系接着剤が、エポキシ・ウレタン系樹脂又はウレタン系樹脂を主成分とする接着剤であることを特徴とする請求項6又は7に記載の仕口連結部補強ユニット用キット。
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