JP2016212676A - 紙幣収納庫 - Google Patents
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Abstract
Description
このため、各国における幅寸法が種々異なる各金種の紙幣に広く対応させることが難しくなる。
図1(a)(b)(c)及び(d)は本発明の一実施形態に係る紙幣収納庫の構成を示す正面図、左側面図、平面図、及び斜視図であり、図2(a)(b)(c)及び(d)は同紙幣収納庫を構成する紙幣押込み機構の構成例を示す正面図、左側面図、平面図、及び斜視図である。図3(a)(b)(c)及び(d)はこの紙幣押込み機構の要部を示す正面図、左側面図、平面図、及び斜視図であり、図4は押込み回転体が受入れ位置にある状態を示す説明図である。図5(a)乃至(j)は紙幣押込み機構による押込み動作手順を示す説明図である。
この紙幣収納庫1は、各種自動販売機、入出金装置、両替機等の紙幣取扱装置に装備される紙幣処理装置に配置される。
本実施形態に係る紙幣収納庫1は、紙幣を収納する紙幣収納空所(紙幣収納部)Sを形成するケーシング10と、ケーシング10内に上下動自在に配置され上面に紙幣を積載する紙幣積載部材(バックアッププレート)20と、紙幣収納庫の外部から搬送されてきた紙幣を紙幣収納庫内に導入する紙幣導入機構30と、紙幣収納空所S内の紙幣積載部材20の上方に配置されて外部から短辺を先頭にして搬送されてきた搬送紙幣B2を一旦支持してから紙幣積載部材20上に移載する紙幣押込み機構40と、を概略備えている。
なお、以下において紙幣の短辺方向を幅方向と称する。
より具体的には、紙幣押込み部材は、何れかの従動ギヤ(本例では、第1の従動ギヤ61、62)の回転動作に連動して昇降することを特徴とする。
更に、本発明の紙幣収納庫1の他の特徴的な構成は、2つの紙幣押込み回転体42、45が紙幣受入れ姿勢にある時に、各支持凹所44、47は搬送されてきた搬送紙幣の両端部を支持する位置関係に有り、紙幣受入れ姿勢にある各紙幣押込み回転体が支持している搬送紙幣を下方に押込む押込み方向に回転を開始すると、その回転に連動して紙幣押込み部材70が下降して搬送紙幣B2の押込み動作、及び既積載紙幣B1の押え動作を開始することにある。
紙幣押込み部材70を安定して上下動自在に支持するための図示しない前記直動軸受を、例えば奥側板13の内側面に設けて紙幣押込み部材70の一部(被ガイド部)を上下動自在にガイドするように構成する。また、後述する紙幣押込み部材の横棒状の被作用部73bの両端部を奧側板13に設けた図示しないガイド部材によって夫々上下動自在に支持するようにしてもよい。
紙幣導入機構30は、手前側板11に設けた図示しない紙幣搬入口と、紙幣搬入口に配置した上下一対の導入ローラ軸32によって軸支された導入ローラ33と、導入ローラ軸を駆動する図示しないモータ等を備える。
紙幣押込み機構40は、紙幣収納空所S内に配置された左右一対の押込み回転体42、45と、一対の押込み回転体の間に昇降自在に配置された一つの紙幣押込み部材70等と、駆動機構60と、を概略備えている。
モータ68が逆転する場合には、各押込み回転体42、45は逆方向へ回転する。
各従動ギヤ及びモータは、ケーシング10を構成する後方の側板13等によって支持されている。
モータ68からの駆動力を各押込み回転体42、45に伝達するギヤ群を上記のように構成したため、各押込み回転体の回転方向は常に逆方向となる。つまり、一方の押込み回転体が時計回り方向に回転する場合には、他の押込み回転体は反時計回りに回転する。
胴部43、46の円周状(湾曲状)の外周面は、紙幣押込み方向へ回転する際に支持凹所内に支持した紙幣の中央部(中間部、その他の部位)を下方へ押圧して支持凹所から離脱させる押込み面(紙幣押し下げ面)として機能する。
各押込み回転体の外周面は接触しない程度に近接配置されており、両者の隙間には紙幣押込み部材70の一部が配置されて上下動する。
紙幣受入れ姿勢における各支持凹所44、47の上側壁面44a、47aは回転軸42a、45aの下方において直線的に伸びている一方で、各支持凹所の下側壁面44b、47b(下側押え部)は上側壁面44a、47aと並行に伸びる一方で上側壁面よりも短尺となっている。上側壁面44a、47aの先端角部は各押込み回転体が回転して支持凹所内の紙幣を下方へ押し込む際に紙幣の中間部上面を押し下げる押し下げ部44c、47cとして機能する。
紙幣受入れ姿勢における押込み回転体間の距離、即ち2つの押込み回転体の対向面間の距離L2は紙幣押込み部材70の一部(接触部材71)が上下動できる程度に離間している。
また2つの押込み回転体の下側壁面44b、47bの先端部間の距離L3は図4中に示した最小サイズの搬送紙幣B2の一端(右端)が何れか一方の支持凹所の内奥部に変位した状態となった場合においても他端(左端)がこの受入れスリット内から脱落しないように寸法設定されている。
各支持凹所の内壁の形状は、図示の例では上側側壁と下側側壁が平坦面であり、かつ均一の間隔で互いに並行に対向しているが、これは一例に過ぎない。搬送されてきた紙幣を引っ掛かり無く保持できる構成であれば、どのような形状であってもよい。
紙幣押込み機構40を構成する他の要素である紙幣押込み部材70は、自重又はバネ付勢により下降方向へ付勢されており、且つ、少なくとも一つの従動ギヤの回転動作に連動して昇降するように構成されている。
図示した構成例に係る接触部材71は、各押込み回転体42、45と同等の軸方向長を備えた棒状体、又は筒状体であり、金属等の重量物により構成することにより、紙幣を押し込む際の加圧力を確保することができる。即ち、接触部材71は既積載紙幣B1の膨出部を平らに均す程度の錘としての役割を果たす重量を有することにより、上方に突出しようとする既積載紙幣の中央部を平坦化することができる。また、紙幣と接触した時に滑りを発生させぬようにゴム等の摩擦抵抗の大きい材料を接触面に貼り付けたり、接触面に網目状のローレット加工を施すのが好ましい(この点は、以下の他の実施形態でも同様)。
作用部としての突起61A、62Aは第1の従動ギヤ61、62の背面の周縁部に沿った位置(第1の従動ギヤの軸芯を回避した位置に)突設されており、第1の従動ギヤの回転動作中において常に左右対称の位置関係にある。
被作用部73bはその下面を各突起61A、62Aに対して摺動自在に載置(係合)した状態にあり、各第1の従動ギヤの回転動作中に各突起61A、62Aが周回軌道を描いて移動する過程で各突起に従って上下動作する。即ち、各突起61A、62Aが上昇すれば紙幣押込み部材70は全体として上昇し、各突起61A、62Aが下降すれば紙幣押込み部材70は全体として下降する。この際、接触部材71は水平な姿勢(各押込み回転体と並行な姿勢)を維持しつつ搬送紙幣を押し込んだり、押込みを解除する動作を実施する。
押込み回転体42、45が紙幣受入れ姿勢にある時に各支持凹所内で支持している搬送紙幣は、その両端部寄り部分は支持凹所内に位置する一方で、中間部は両押込み回転体間の隙間内に位置している。紙幣押込み部材の接触部材71は、搬送紙幣のこの中間部分(非両端部)を押し込むことにより、搬送紙幣の両端部を支持凹所内から離脱させるように動作する。
搬送紙幣B2を紙幣積載部材上に収納する場合には、当該搬送紙幣は受入れ姿勢にある両押込み回転体の支持凹所が形成する受入れスリット内に支持される。
後述するように押込み回転体42、45が押込み方向へ回転することにより支持凹所内に位置する紙幣部分の幅方向中央部が押し下げ部44c、47cにより押し下げられる。この際、押込み回転体と連動して下降する紙幣押込み部材70の接触部材71が搬送紙幣中央部と接してこれを下方に押し下げる。
なお、上記実施形態では、支持部73aと被作用部73bとをT字状に交差させることにより、2つの第1の従動ギヤに夫々設けた2つの突起を被作用部73bに係合させるようにしたが、一つの第1の従動ギヤに設けた突起だけを被作用部73bに係合させるようにしてもよい。この場合は、支持部73aの上端部に対して被作用部73bをL字状に固定することとなる。なお、この構成例は以下の全ての実施形態における被作用部と突起(作用部)との関係に当てはまる。
図5に基づいて紙幣押込み機構40による搬送紙幣の押込み手順について説明する。
まず、図5(a)(b)は押込み回転体42、45が紙幣受入れ姿勢にある状態を示しており、この状態では水平方向に沿って直線的に連通し合った2つの支持凹所44、47は紙幣導入機構30を構成する導入ローラ33によって外部から搬送されてきた搬送紙幣B2を受入れて(b)の状態とする。
この時、紙幣押込み部材70は上昇位置にあって接触部材71が両支持凹所よりも上方に位置しているため、受入れスリット内への搬送紙幣の導入が可能となっている。
両支持凹所内に受入れ可能な紙幣の枚数は一枚、又は複数枚であるが、本例では一枚の場合を例として説明する。
なお、二枚以上の紙幣、つまり紙幣束を受け容れた場合には紙幣束を紙幣積載部材上に一括して移載することができる。紙幣束内の紙幣の幅方向位置がずれていても確実に両支持凹所内に支持しつつ、押込み回転体が回転することにより紙幣積載部材上に一括して移載することができる。
搬送紙幣B2が最も短尺な幅方向寸法を有していたとしても受入れスリット(支持凹所44、47)の下側壁面44b、47bの先端部間の距離L3は短尺紙幣よりも短く設定されているので、当該搬送紙幣が受入れスリット内から脱落することはない(図4)。
この時、第1の従動ギヤ61、62の突起(作用部)61A、62Aは回転軸42a、45aよりも上方の上昇位置にあるため、各突起上に載置された被作用部材73の被作用部73bは押し上げられた状態にあり、接触部材71は搬送紙幣B2から離間した位置にある。
なお、この時、各押込み回転体はその外周面で既積載紙幣B1の上面に接しており、既積載紙幣が位置ずれを起こすことを防止している。
図5(c)において押込み動作が開始され、押込み動作は両押込み回転体42、45がその押し下げ部44c、47cを下降させる方向へ回動することにより実施される。
両押込み回転体42、45の胴部43、46の外周面は紙幣押込み面を構成しており、各胴部が押込み方向へ回転した時に、押し下げ部44c、47cを含めた紙幣押込み面によって紙幣の適所(幅方向中心部とは限らない)を押圧することにより、支持凹所内から紙幣を離脱させて下方へ移動させることができる。
押込み方向へ回転する押込み回転体によって支持凹所内に支持した搬送紙幣B2を紙幣積載部材上に押し込んで移載する際に、各押込み回転体の外周面(紙幣押込み面)が搬送紙幣の幅方向中央部から両外側に向けて紙幣を押し広げながら押し込むので、搬送紙幣を延ばしながらの押込みが可能となる。また、(c)に示した押込み初期の状態において押し下げ部44c、47cが搬送紙幣B2の中央部を下方へ押込みながら、押し下げ部44c、47cによって押し込まれた搬送紙幣部分の上面に紙幣押込み部材70の接触部材71が接触するようにしてもよい。
両押込み回転体42、45が押込み方向へ回転しながら各支持凹所44、47の上部の押し下げ部44c、47cにより搬送紙幣(中央部)を押し込んで行くため、紙幣積載部材との間で既積載紙幣を挟持することができ、その積載状態を安定化させることができる。なお、図5(c)に示した例では、接触部材71は搬送紙幣と接触していないが、この時点で接触部材が搬送紙幣上面と接触するように構成してもよい。
紙幣押込み部材70が既積載紙幣上面と接しているためにそれ以上下降できない一方で、突起61A、62Aだけは下降を続けて被作用部73bから離間するため、紙幣押込み部材70が既積載紙幣上面を加圧する状態が(d)から(f)まで継続する。
(d)から(f)の状態で接触部材71によって搬送紙幣、及び既積載紙幣を押し下げる距離は種々調整可能である。例えば、押込み回転体と既積載紙幣との接触力が低下するように接触部材によって強めに既積載紙幣を押し下げることも可能である。この場合には 搬送紙幣、及び既積載紙幣はその中央部を接触部材により挟圧されたまま両端部が押込み回転体から一旦解放されるため、紙幣の癖等を矯正し易くなる。
搬送紙幣B2の移載は図5(d)の段階で完了しているが、更に各押込み回転体を同方向に回転させ続けることにより図5(a)の受入れ姿勢に復帰させる必要がある。
(g)乃至(j)では突起61A、62Aが上向きに周回移動することによって被作用部73bと接してこれを上向きに押上げるため、紙幣押込み部材70は既積載紙幣上から離間しているが、押込み回転体の外周面は終始一貫して既積載紙幣上面を押し続けることができる。
なお、図5(a)(b)(j)に示した紙幣受入れ姿勢では、受入れスリットが形成された状態にある。このため、紙幣の受け入れの待機中に図5(a)等に示した紙幣受入れ姿勢にしておくと、外部から受入れスリットを介して不正用の治具を紙幣収納空所S内に差し込んで紙幣を取り出す等の不正が行われる可能性がある。
このような不正行為を防止するためには、待機中には収納庫脱着ポジションである図5(f)に示したように紙幣積載部材20を下降させると共に、2つの支持凹所が連通しない状態にしておくのが有効である。
次に、図6(a)(b)(c)及び(d)は本発明の第2の実施形態に係る紙幣収納庫の構成を示す正面図、左側面図、平面図、及び斜視図であり、図7(a)(b)(c)及び(d)は同紙幣収納庫を構成する紙幣押込み機構の構成例を示す正面図、左側面図、平面図、及び斜視図である。図8は押込み回転体が受入れ位置にある状態を示す説明図である。図9(a)乃至(j)は紙幣押込み機構による押込み動作手順を示す説明図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素には同一符号を付し、重複した構成、作用、効果の説明は省略する。従って、矛盾のない限り、図1の実施形態についての構成、作用、効果の説明は第2の実施形態に適用される。
この実施形態では、接触部材71は各突起61A、62Aを介した第1の従動ギヤによる押し下げ力によって搬送紙幣B2上に押し付けられる。このため、接触部材71を必ずしも重量物によって構成する必要がないが、押し下げ時の安定性を確保するために重量物(錘)にしてもよい。また、接触部材が紙幣と接する面にはゴム等を配置することにより摩擦抵抗を高めて滑りを防止するのが好ましい。
また、接触部材71は紙幣上面との接触部が円弧状の面(曲面)であってもよいし、平坦面であってもよい。
次に、図9に基づいて紙幣押込み機構40による搬送紙幣の押込み手順について説明する。
なお、図5と重複する部分は省略して説明する。従って、第1の実施形態における収納動作の説明は第2の実施形態の構成等と矛盾しない限り、そのまま第2の実施形態に適用可能である。
この時、第1の従動ギヤ61、62の突起61A、62Aは回転軸42a、45aよりも上方の上昇位置にあるため、各突起上に載置された被作用部材73の被作用部73bは押し上げられた状態にあり、接触部材71は搬送紙幣B2から離間した位置にある。
なお、この時、各押込み回転体はその外周面で既積載紙幣B1の上面に接しており、既積載紙幣が位置ずれを起こすことを防止している。
図9(b)乃至(j)は押込み回転体42、45が図9(a)の受入れ姿勢から押込み方向へ360度回転する過程を示している。
両押込み回転体42、45が押込み方向へ回転した時に、押し下げ部44c、47cを含めた紙幣押込み面によって紙幣の適所(中心部とは限らない)を押圧することにより、支持凹所内から紙幣を離脱させて下方へ移動させる。
押込み回転体によって支持凹所内に支持した搬送紙幣B2を紙幣積載部材上に押し込んで移載する際に、各押込み回転体の外周面(紙幣押込み面)が搬送紙幣の幅方向中央部から両外側に向けて紙幣を押し広げながら押し込むので、搬送紙幣を延ばしながらの押込みが可能となる。
これにより押込み過程で搬送紙幣B2(及び既積載紙幣B1)の中央部が上方に膨出することが防止され、両押込み回転体が受入れ姿勢に戻った時に受入れスリットが膨出部により塞がれることがなくなる。また、紙幣押込み部材70によって搬送紙幣、及び既積載紙幣の中央部を押込みながら、押込み回転体により中央部以外の紙幣上面を外側へ押し広げるので、紙幣を幅方向に延伸させることができる。
(d)において接触部材71が既積載紙幣上面と接した後でも第1の従動ギヤは押込み方向に回転し続け、それに伴って各突起61A、62Aは夫々長穴73c内を横方向外側へ移動する((e)(f))。(f)の状態では各突起は下死点を過ぎて上昇を開始しているが、紙幣押込み部材70が既積載紙幣上面を加圧する状態が(d)から(f)まで継続する。この状態では、紙幣押込み部材70は既積載紙幣の中央部が上方に膨出することを防止している。
(g)乃至(j)では突起61A、62Aが上向きに周回移動することによって被作用部73bを上向きに押上げるため、紙幣押込み部材70は既積載紙幣上から離間するのに代わって、押込み回転体の外周面が既積載紙幣上面を押し続けることになる。
なお、図9(a)(b)(j)に示した紙幣受入れ姿勢のでは不正が行われる可能性がある。
このような不正行為を防止するためには、待機中には図9(f)に示したように紙幣積載部材20を下降させると共に、2つの支持凹所が連通しない状態にしておくのが有効である。
以上の実施形態では、各押込み回転体の一回転による一度の収納動作中に、紙幣押込み部材70が一回下降して横ずれ押えのための押込みを実施する。紙幣押込み部材が紙幣を押さえている期間が比較的長く、押込み回転体は搬送紙幣、既積載紙幣を伸ばす方向に回転しているため、紙幣を平坦に均す機能を発揮することができる。これにより既積載紙幣が搬送路内に突出することを防止できる。押込み回転体と紙幣押込み部材は、同一の駆動源により駆動されるために部品点数の低減、小型化を実現できる
次に、図10(a)(b)(c)及び(d)は本発明の第3の実施形態に係る紙幣収納庫の構成を示す正面図、左側面図、平面図、及び斜視図であり、図11(a)(b)(c)及び(d)は同紙幣収納庫を構成する紙幣押込み機構の構成例を示す正面図、左側面図、平面図、及び斜視図である。図12は押込み回転体が受入れ位置にある状態を示す説明図である。図13(a)乃至(j)は紙幣押込み機構による押込み動作手順を示す説明図である。
なお、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付し、重複した構成、作用、効果の説明は省略する。従って、矛盾のない限り、第1の実施形態についての説明は第3の実施形態に適用される。
突起65A、66Aは、第2の従動ギヤ65、66の一面の軸芯を回避した周縁部に配置されている。そして突起65A、66Aは周回するどの時点においても常に左右対称の位置関係にある。
第3の実施形態に係る紙幣押込み機構40の構成は、紙幣押込み部材70が少なくとも一つの従動ギヤの回転動作に連動して昇降する構成においては第1の実施形態と同等である。
なお、第3の実施形態に係る紙幣押込み部材70の被作用部73bの構成を第2の実施形態と同様に、被作用部73bに横長の長穴73cを設け、且つこの長穴73c内に第2の従動ギヤに設けた突起65A、66Aを移動自在に嵌合させるようにしてもよい。
次に、図13に基づいて紙幣押込み機構40による搬送紙幣の押込み手順について説明する。
なお、図5と重複する部分は省略して説明する。従って、第1の実施形態における収納動作の説明は第3の実施形態の構成等と矛盾しない限り、そのまま第3の実施形態に適用可能である。
まず、図13(a)(b)は押込み回転体42、45が紙幣受入れ姿勢にある状態を示しており、この状態では水平方向に沿って直線的に連通し合った2つの支持凹所44、47は紙幣導入機構30を構成する導入ローラ33によって外部から搬送されてきた搬送紙幣B2を受入れて(b)の状態とする。
この時、紙幣押込み部材70は上昇位置にあって接触部材71が両支持凹所よりも上方に位置しているため、受入れスリット内への搬送紙幣の導入が可能となっている。
この時、第2の従動ギヤ65、66の突起(作用部)65A、65Aは回転軸42a、45aよりも上方の上昇位置にあるため、各突起上に載置された被作用部材73の被作用部73bは押し上げられた状態にあり、接触部材71は搬送紙幣B2から離間した位置にある。
図13(c)において押込み動作が開始され、押込み動作は両押込み回転体42、45がその押し下げ部44c、47cを下降させる方向へ回動することにより実施される。
また、接触部材71が押込み過程で搬送紙幣B2(及び既積載紙幣B1)の中央部が上方に膨出することを防止し、両押込み回転体が受入れ姿勢に戻った時に受入れスリットが膨出部により塞がれることがなくなる。また、紙幣押込み部材70によって搬送紙幣、及び既積載紙幣の中央部を押込みながら、押込み回転体により中央部以外の紙幣上面を外側へ押し広げるので、紙幣を幅方向に延伸させることができる。
紙幣押込み部材70が既積載紙幣上面と接しているためにそれ以上下降できない一方で、突起65A、66Aだけは下降を続けて被作用部73bから離間するため、紙幣押込み部材70が既積載紙幣上面を加圧する状態を、第2の従動ギヤの回転が進んで突起65A、66Aが上昇して被作用部73bに接触するまで継続する。
紙幣押込み部材70は小径の第2の従動ギヤ65、66の回転に伴って上下動するため、第2の従動ギヤ65、66が一回転する間に、(d)において既堆積紙幣上面を一度押圧するが、その後(e)(f)に示すように一旦上昇し、次いで(g)(h)に示すように下降して二度目の押圧を行う。つまり、各押込み回転体の一回転による一度の収納動作中に、紙幣押込み部材70が二回下降することにより紙幣の中間部の膨出防止のための押込み動作を実施する。
なお、図13(a)(b)(j)に示した紙幣受入れ姿勢では、外部から受入れスリットを介して不正用の治具を紙幣収納空所S内に差し込んで紙幣を取り出す等の不正が行われる可能性がある。
このような不正行為を防止するためには、待機中には収納庫脱着ポジションである図13(f)に示したように紙幣積載部材20を下降させると共に、2つの支持凹所が連通しない状態にしておくのが有効である。
第1の本発明に係る紙幣収納庫1は、搬送されてきた紙幣を順次積載する上下動自在な紙幣積載部材20を備えた紙幣収納部Sと、紙幣積載部材の上方であって紙幣収納部内において互いに並行に配置されて搬送されてきた搬送紙幣の幅方向両端部を支持する支持凹所44、47を外周面に夫々有すると共に同期して互いに逆方向へ回転駆動される一対の紙幣押込み回転体42、45と、2つの押込み回転体間の空隙内に昇降自在に配置され、下降位置にある時に紙幣積載部材上の既積載紙幣上面に接してこれを加圧する紙幣押込み部材70と、各押込み回転体の回転軸に夫々軸芯を固定された第1の従動ギヤ61、62、及び該第1の従動ギヤを駆動するモータ68を備えた駆動機構60と、を備え、紙幣押込み部材は、駆動機構60によって昇降駆動されることを特徴とする。
押込み回転体を用いた従来の紙幣収納庫に比して、大径で近接配置され、且つ支持凹所の奥行き幅が広い押込み回転体を用いているので、既積載紙幣を押し込む手段として押込み回転体と連動する(同一駆動源の)紙幣押込み部材を利用することが可能となった。
つまり、押込み回転体間に大きな空間が存在しないので、格別の押込み手段を別設することなく、押込み回転体と連動させる構成にすることができた。
押込み回転体と連動して回転する紙幣押込み部材によって支持凹所内に支持した搬送紙幣を紙幣積載部材上に押し込んで移載する際に、搬送紙幣の幅方向中央部から両外側に向けて紙幣を押し込むので、搬送紙幣、及び既積載紙幣を幅方向へ延ばしながらの押込みが可能となる。
紙幣押込み部材を押込み回転体と同じ駆動機構、駆動源によって駆動するので、部品点数の低減、小型化、低コスト化を実現できる。
押込み回転体の回転軸に直結された第1の従動ギヤにより紙幣押込み部材70を昇降駆動するようにしたので、駆動機構を共通化することができ、部品点数の削減、小型化、低コスト化を実現できる。
押込み回転体の回転軸に直結された第1の従動ギヤに噛合する第2の従動ギヤにより紙幣押込み部材70を昇降駆動するようにしたので、駆動機構を共通化することができ、部品点数の削減、小型化、低コスト化を実現できる。
これによれば、両紙幣押込み部材を近接配置しつつ、支持空所の内奥部間の距離を最大サイズの紙幣の幅よりも大きくしたので、必然的に個々の紙幣押込み部材の外径は大きくなる。
紙幣押込み回転体の間に大きな空間が形成されないので、既積載紙幣が大きく膨出することがなくなる。また、既積載紙幣の膨出を押さえる手段を紙幣押込み回転体に連動して作動する構成とすることができた。
紙幣の受け入れの待機中に紙幣受入れ姿勢にしておくと、外部から受入れスリットを介して不正用の治具を紙幣収納空所S内に差し込んで紙幣を取り出す等の不正が行われる可能性がある。
このような不正行為を防止するためには、待機中には2つの支持凹所が連通しない状態にしておくのが有効である。
Claims (5)
- 搬送されてきた紙幣を順次積載する上下動自在な紙幣積載部材を備えた紙幣収納部と、前記紙幣積載部材の上方であって前記紙幣収納部内において互いに並行に配置されて搬送されてきた搬送紙幣の幅方向両端部を支持する支持凹所を外周面に夫々有すると共に同期して互いに逆方向へ回転駆動される一対の紙幣押込み回転体と、前記2つの押込み回転体間の空隙内に昇降自在に配置され、下降位置にある時に前記紙幣積載部材上の既積載紙幣上面に接してこれを加圧する紙幣押込み部材と、前記各押込み回転体の回転軸に夫々軸芯を固定された第1の従動ギヤ、及び該第1の従動ギヤを駆動するモータを備えた駆動機構と、を備え、
前記紙幣押込み部材は、前記駆動機構によって昇降駆動されることを特徴とする紙幣収納庫。 - 前記第1の従動ギヤの一面であってその軸芯を回避した位置に作用部を備え、
前記紙幣押込み部材は、前記既積載紙幣と接する接触部材と、及び該接触部材に連設された被作用部と、を備え、
前記被作用部を前記作用部に係合させることにより、該作用部が周回移動する過程で前記紙幣押込み部材を昇降させることを特徴とする請求項1に記載の紙幣収納庫。 - 前記第1の従動ギヤに対して前記モータからの駆動力を伝達する第2の従動ギヤを有し、
前記第2の従動ギヤの一面であってその軸芯を回避した位置に作用部を備え、
前記紙幣押込み部材は、前記既積載紙幣と接する接触部材と、該接触部材に連設された被作用部と、を備え、
前記被作用部を前記作用部に係合させることにより、該作用部が周回移動する過程で前記紙幣押込み部材を昇降させることを特徴とする請求項1に記載の紙幣収納庫。 - 前記各紙幣押込み回転体が紙幣受入れ姿勢にある時に、前記各支持凹所の内奥部間の距離は紙幣収納部に収納可能な最大サイズの紙幣の幅と同等かそれよりも大きく設定されており、前記各紙幣押込み回転体の外周面間隔は、前記接触部材が昇降移動できる程度の間隔であることを特徴とする請求項2又は3に記載の紙幣収納庫。
- 前記各紙幣押込み回転体が紙幣受入れ待機中にある時に、前記各支持凹所を連通しない位置関係とすることにより紙幣を外部から取り出す等の不正防止効果を発揮することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の紙幣収納庫。
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