JP2016206225A - 楽器 - Google Patents

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Abstract

【課題】所望の音域の音量を増大することができる楽器を提供する。【解決手段】本発明の楽器は、発音体の振動が伝達される振動部材と、外周部が開放された振動板と、前記振動部材と前記振動板とを接続する接続部材と、を備える楽器。前記振動板は、特定の音域の音量を増大させる。前記振動板は、外周が曲線状であってもよく、可変構造を有してもよい。【選択図】図1

Description

本発明は、楽器に関し、特に所望の音域の音量を増大することができる楽器に関する。
楽器には、発音体を振動させ、その振動を振動部材に伝えて共鳴させることにより、発音体の振動から得られた音の音量を増大させるものがある。例えば、ピアノは、弦の振動を駒から響板に伝達する構造を有しており、弦の振動が響板に伝達されることで豊かな音量が得られるようになっている。また、ギターなどの弦楽器は、弦の振動がブリッジ(駒)から表板、側板及び裏板に伝達され、ボディの中の空気を共鳴させることにより豊かな音量が得られる。
しかし、例えば集合住宅や住宅が密集しているような環境では、楽器の音量が大きすぎてしまうような場合がある。そこで、響板と駒との間の振動伝達部材の連結を解除することにより、音量の調節を行えるようにしたピアノが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第3740612号公報
特許文献1記載のピアノでは、ピアノの音量を小さくすることができるものの、その結果として、演奏者の望む音域バランスの演奏が得られない場合もあった。このように、演奏者によっては、音量を小さくしつつ一部の音域の音量を補強したい場合もあり、特許文献1記載のピアノでは、演奏者に応じた対応が困難であるという問題があった。
一方、楽器の演奏場所によっては、演奏場所の音響の特性により特定の音域の音量が小さくなり、演奏者や聴衆にとってバランスの崩れた音に聴こえてしまうという問題もあった。
本発明は、そのような事情に鑑みてなされたものであり、所望の音域の音量を増大することができる楽器を提供することを課題とする。
本発明の一実施形態における楽器は、発音体の振動が伝達される振動部材と、外周部が開放された振動板と、前記振動部材と前記振動板とを接続する接続部材と、を備える楽器。
前記振動板は、外周が曲線状であってもよい。
前記振動板は、可変構造を有してもよい。
前記発音体は弦であり、前記振動部材は前記弦長を規定する駒又は駒に接続された響板であってもよい。
前記楽器は、鍵と、前記鍵の動きに応じて前記弦を打撃するハンマーと、をさらに備えてもよい。
以上説明したように、本発明によれば、所望の音域の音量を増大することができる楽器を提供することが可能になる。
第1の実施形態におけるピアノの側断面を示す図である。 第1の実施形態におけるピアノの背面を示す図である。 (a)振動板及び接続部材の斜視図の一例である。(b)図3(a)に示した振動板及び接続部材の側断面図である。 (a)別の形状を有する振動板の側断面を示す図である。(b)別の形状を有する振動板の側断面を示す図である。(c)別の形状を有する振動板の側断面を示す図である。(d)別の形状を有する振動板の側断面を示す図である。 (a)別の形状を有する振動板の斜視図の一例である。(b)図5(a)に示した振動板の側断面図である。 第2の実施形態におけるピアノの側断面を示す図である。 第2の実施形態におけるピアノの背面を示す図である。
以下、図面を参照して、図面を参照して本発明に係る楽器について説明する。但し、本発明の楽器は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に示す実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。本発明の実施形態で参照する図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。なお、以降に説明する実施形態では、楽器としてピアノを例示するが、本発明は、ピアノ以外の楽器にも適用可能である。
<第1実施形態>
図1、図2を参照して、本発明の第1の実施形態に係るピアノ10の構成例について説明する。図1は、第1の実施形態のピアノの側断面を示す図である。図2は、第1の実施形態のピアノの背面を示す図である。なお、本実施形態では、アップライトピアノを例示するが、本発明は、グランドピアノにも適用可能である。
ピアノ10の筐体11は、上前板12−1、下前板12−2、背面上桁13、背面下桁14、親板15−1、15−2、屋根前16、屋根後17、底板18及び支柱20−1〜20−6を備える。図1では、支柱20−1から20−6のうちの1つの支柱が支柱20として図示されている。
上前板12−1は、筐体11の前面側において、屋根前16と上框34との間に設けられる。下前板12−2は、筐体11の前面側において、棚板33と底板18との間に設けられる。背面上桁13は、筐体11の背面の上側において親板15−1と親板15−2の間に水平方向に掛け渡されるように設けられる。背面下桁14は、筐体11の背面の下側において親板15−1と親板15−2の間に掛け渡されるように設けられる。ピアノ10の一方の側面には親板15−1が設けられ、他方の側面には親板15−2が設けられる。
筐体10の上端においては、前側に屋根前16が設けられ、後ろ側に屋根後17が設けられる。屋根前16と屋根後17により筐体10の上端(上面側)が覆われる。また、図示は省略しているが、屋根前16と屋根後17は、ヒンジによって連結されている。これにより、ヒンジによる連結部分を中心として屋根前16の前側を引き上げるようにして屋根前16を開くことができる。屋根前16を開くことにより、例えば屋根前16を閉じた状態のときよりも豊かな音の響きが得られる。底板18は、図示するように筐体11の下端部(底面側)において設けられる。
支柱20−1〜20−6は、筐体11の背面において、背面上桁13と背面下桁14との間において垂直方向に架設される。本実施形態における支柱20−1〜20−6は、弦の張力に対して筐体11を支える機能を有する。また、本実施形態において、支柱20−1〜20−6は、駒54、56を固定する機能などを有する。なお、以降において支柱20−1〜20−6について特に区別しない場合には、支柱20と記載する。また、図2においては、6本の支柱20−1〜20−6を設けた例が示されているが、支柱20の数については特に限定されない。また、本実施形態は、複数の支柱が垂直方向に架設された構造に限定されず、複数の支柱が交差している構造であってもよい。
また、筐体11の底板18前面側の左右両側にはそれぞれ妻土台31が設けられる。妻土台31と棚板33との間には脚柱32が架設される。
棚板33の上面側には所定数(例えば88個)の鍵41が水平方向に並べられて設けられる。鍵41の各々は、棚板33の上面部に設けられた筬中42、筬前43、筬後44によって支持される。
鍵41の上側には、上框34が設けられ、上框34の手前側に鍵盤蓋35が設けられる。鍵盤蓋35は、水平方向の一端が上框34とヒンジとで連結されることで、開閉が可能なようになっている。図1では、鍵盤蓋35が開いた状態を示している。
筐体11の内部においてはフレーム51が設けられる。フレーム51に対しては、鍵41ごとに対応する弦52、53が張設される。ここで、弦52は、ピアノ10の全音域のうちの低音域に対応する弦である。つまり、弦52は、低音域の範囲に含まれる所定数の鍵41ごとに対応して設けられる。また、弦53は、ピアノ10の全音域のうちの中高音域に対応する弦である。つまり、弦53は、中高音域の範囲に含まれる所定数の鍵41ごとに対応して設けられる。
本実施形態においては、低音域に対応する駒(短駒)54と高音域に対応する駒(長駒)56との2つの駒が設けられる。図1及び図2に示すように、短駒54は、背面方向からみて支柱20−4、20−5と重なる部位が支柱20−4、20−5に接続されて固定される。また、駒56も、背面方向からみて支柱20−3、20−4、20−5、20−6と重なる部位が支柱20−3、20−4、20−5、20−6に接続されて固定される。なお、駒54、駒56を支柱20に対して固定するための手法については特に限定されない。例えば、駒54、駒56は接着剤や釘などによって支柱20に固定されてもよい。接着剤を用いる場合、例えば振動の伝達をできるだけ損なわないことを考慮して接着剤の種類を選定することが好ましい。また、駒54、駒56はネジ部品あるいはボルト、ナットなどによって支柱20に固定されてもよい。また、駒54、駒56は、ほぞ組みなどによる木工的な連結技術により固定されてもよい。
駒54には弦52ごとに対応する駒釘55が設けられている。駒54は、上述のように支柱20−4、20−5に固定された状態で、弦52のそれぞれの有効弦長部分の一端側を駒釘55にて支持する。駒56には弦53ごとに対応する駒釘57が設けられている。駒56は、上述のように支柱20−3、20−4、20−5に固定された状態で、弦53のそれぞれの有効弦長部分の一端側を駒釘57にて支持する。駒56は、駒54よりも上方の位置に設けられている。図示は省略しているが、弦52、弦53それぞれの有効弦長部分の他端側は、例えばフレーム51に設けられたベアリング、アグラフなどによって支持される。
駒54には、振動板90が取り付けられる。振動板90は、ピアノ10の発音体である弦52の振動に対して共振し、弦52の振動の周波数に対応する音域の音量を増大させる。振動板90は、その外周部が開放されているものであれは、形状は限定されない。振動板90の材料としては、木材が好ましい。振動板90は、その面積を調節することができる可変構造を有していることが好ましい。振動板90の大きさに応じて振動板90の共振点が異なるため、振動板90の面積を調節することにより、音量を増大させる音域を変化させることができる。可変構造は、例えば、絞り機構の絞り羽根のように羽根状の複数の板を重ねた状態と広げた状態とを有し、重さを変化させることなく、振動板90の面積を変えられるようにしてもよい。また、大きさが異なる複数の振動板を有し、音量を増大させる音域が複数ある(例えば、高域の一部と低域の一部等)ようにしてもよい。振動板90は、接続部材91によって駒54と接続される。この接続を着脱自在なものとして、大きさが異なる複数の振動板から、使用者が所望する音域の振動板を装着することで、使用者が任意で振動板90の大きさを変えられるようにして、所望の音域の音量を増大させるようにしてもよい。
図3(a)は振動板90及び接続部材91の斜視図の一例であり、図3(b)は図3(a)に示した振動板90及び接続部材91の側面図である。以上に述べたように、振動板90は外周部が開放されていれば、形状は特に限定されないが、外周が曲線状であることが好ましい。振動板90の外周が曲線状であることにより、音量を増大させたい音域を狙いやすくなる。振動板90は、図3(a)に示すように外周が円形状であるディスク(円盤)形状を有することが特に好ましい。振動板90がディスク形状であることにより、音量を増大させたい音域を特に狙いやすくなる。振動板90がディスク形状であると、その直径を半波長とした振動の整数倍のモードが発生するため、音量を増大させたい特定の周波数を狙う事が容易になる。
振動板90は平坦なディスク形状でなくてもよく、図4(a)〜(d)に示すように、駒54に対向する面が凹面であってもよく、駒54に対向する面とは逆側の面に凸部を有する形状であってもよい。また、異なる大きさを有する2つの振動板90a及び90bを接着剤によって貼り合わせて一枚の振動板90としてもよく、内側が空洞になっている凸部を有する形状であってもよい。振動板90を厚みは可変であってもよい。例えば、振動板90は複数の振動板が積層されることにより構成されてもよい。この場合、積層数を変えることにより、振動板90の厚みを調節することができる。
振動板90は、ピアノ10の発音体である弦52の振動が伝達される位置に配置される。振動板90は、音量を増大させる音域の周波数に対応する振動を発する振動源に近い位置に配置されることが好ましい。振動源に近い位置に振動板90を配置することにより、所望の音域の音量を効果的に増大させることができる。図2において、振動板90は、駒54の端部に取り付けられているが、振動板90の取り付け位置は駒54の端部に限定されるわけではなく、弦52に接触しなければ、駒54の任意の位置に配置することができる。また、図1において、振動板90は弦52の外側に位置しているが、弦52に接触しなければ、弦52と駒54との間に位置していてもよい。
接続部材91は、発音体である弦52の振動を振動板90に伝達するものであれば、特に限定はされない。接続部材91は、例えば、連結棒、ネジ、接着剤などであってもよい。連結棒などを接続部材91として用いる場合、連結棒の長さは、振動板90が弦52に接触せず、且つ振動板90の外周部が駒54に接触しなければ、特に限定されない。
尚、振動板90の形状は、図3及び図4に示したような板状に限定されず、例えば、図5に示すような形状を有していてもよい。図5(a)は、板状とは異なる形状を有する振動板90の一例を示す斜視図である。図5(a)に示すように、振動板90は凹部92を有する円錐台形状であってもよい。図5(b)は駒54に取り付けられた図5(a)に示した振動板90を示す側断面図である。図5(b)では、振動板90は接着剤である接続部材91により、駒54に取り付けられている。しかしながら、接続部材91は、接着剤に限定されず、ネジ又は連結棒であってもよい。
図1及び図2に示すピアノ10においては、一つの振動板90が駒54に取り付けられているが、複数の振動板90が駒54に取り付けられていてもよい。大きさが異なる複数の振動板90を取り付ける場合、複数の音域の音量を増大させることができる。複数の振動板90を駒54に取り付ける場合、振動板90を取り付ける位置は一箇所である必要はない。
鍵41の後端部の上側には、アクション機構60とダンパ機構70が設けられる。アクション機構60はハンマー61を備え、演奏者の手指が対応の鍵41を押した力を、ハンマー61が対応する弦52、53を打撃する力に変換する機構である。ダンパ機構70は、演奏者がペダル81を踏み込むのに応じて、ダンパ71を対応する弦52に接触していた状態から離間した状態に遷移させるための機構である。
以上のとおり、本実施形態のピアノ10は響板を備えない。響板を備えないことにより弦52、53の振動に応じて発生する音を十分に小さくすることができる。しかしながら、響板がない場合、高音から低音まで一律に音量が落ちてしまうため、高音域を良好な音量まで下げた場合に、低音域での音が弱くなり、演奏者にとってバランスの崩れた音に聴こえてしまうという問題がある。そこで、本実施形態のピアノ10では、ピアノ10の全音域のうちの低音域に対応する弦52を支持する駒(短駒)54に振動板90を取り付けることにより、低音域の音量を増大させている。振動板90には弦52の振動が駒54を通して伝達され、伝達された振動に振動板90が共鳴する。そのため、弦52の振動に応じて発生する音を大きくすることができる。また、振動板90が可変構造を有する場合、振動板90の大きさを調節することにより、振動板90の共振点を所望の周波数に設定し、音量を増大させる音域を調節することができる。その結果、演奏者にとって良好な音を保ちながらも有効に音量を低減することのできるピアノを提供することが可能になる。
以上に述べた第1の実施形態に係るピアノ10では、低音域の音量を増大させるために、振動板90を駒(短駒)54に取り付けているが、音量を増大させたい音域が高音域にある場合は、駒(短駒)54に替えて駒(長駒)56に振動板90を取り付けてもよい。また、低音域と高音域の双方の音量を増大させたい(中音域だけ音量を落とす等)場合には、駒(短駒)54と駒(長駒)56の双方に増強したい所望の周波数に対応する振動板90を取り付けてもよい。
<第2実施形態>
続いて、図6及び図7を参照して、第2の実施形態におけるピアノ10Aについて説明する。図6は、第2の実施形態に係るピアノ10Aの側面を断面により示す断面図であり、図7は、第2の実施形態のピアノ10Aの背面図である。なお、図6及び図7において、図1及び図2と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
本発明の第2の実施形態のピアノ10Aは、振動板90の配置が第1実施形態とは異なる。具体的には、先に説明した第1の実施形態のピアノ10では、振動板90は、低音域に対応する弦52を支持する駒(短駒)54に取り付けられているのに対し、第2の実施形態に係るピアノ10Aでは、振動板90は下前板12−2に取り付けられているという点で異なる。
先に説明した第1の実施形態のピアノ10では、響板全体を取り除くことにより、弦の振動に応じてピアノから発せられる音量が低減される。ただし、響板は低音域の増強に大きく寄与していることから、響板が無いことにより相対的に中高音域よりも低音域の減衰が速くなることで低音域の音量が極端に減少するように聞こえ、音域バランスに影響を与える場合がある。そこで、第2実施形態のピアノ10Aは、図6及び図7に示すように、筐体11の内部において、下前板12−2に対して、低音域に対応する駒54を連結部材100によって連結するように構成される。
連結部材100の一端は、駒54の前側の面の任意の位置に固定されればよく、また、連結部材100の他端は、下前板12−2の背面における任意の位置に固定されればよい。図6においては、連結部材100が略水平な状態とされ、下前板12−2の背面側の主面に対して略垂直に取り付けられた例を示している。このように駒54と下前板12−2とを連結部材100によって連結することで駒54の振動が下前板12−2に伝達され、下前板12−2は、低音域の弦52の振動に応じて共鳴する。これにより、低音域の音量が増強される。
駒54と下前板12−2とを連結する連結部材91は一定長を有する。つまり、駒54から下前板12−2への振動の伝達は物理的に比較的長い伝達経路を経由して行われることから、連結部材91においてエネルギー損失が生じる。そのため、下前板12−2の厚さや木材の選定、また、連結部材91の太さや木材の選定などにより、特定の音域で音が弱くなってしまう場合がある。そこで、下前板12−2には、振動板90が取り付けられる。
第2の実施形態に係るピアノ10Aにおいて、振動板90は、ピアノ10Aの発音体である弦52の振動が伝達される連結部材100の他端付近に配置されることが好ましい。増大させたい音域の考慮した大きさを有する振動板90を下前板12−2に取り付けることにより、所望の音域の音量を効果的に増大させることができる。すなわち、駒54から連結部材100を通じて伝達された弦52の振動に応じた下前板12−2の振動の度合いを考慮して、下前板12−2に振動板90を取り付けることにより、適切な音域バランスを設定することができる。したがって、音域バランスを保ちながらも有効に音量を低減することのできるピアノを提供することが可能になる。
図2において、振動板90は下前板12−2に取り付けられているが、振動板90は、先に説明した第1の実施形態のピアノ10と同様に駒54に取り付けられてもよい。しかしながら、下前板12−2は、ピアノ10Aにおける前面側、すなわち、演奏者に近い側に配置されている。このために、振動板90が下前板12−2に取り付けられている場合、演奏者は、下前板12−2及び振動板90の振動に応じて発生する音を近くで聴くことができるため、増大された音量を演奏者が実感し易くなり好ましい。
図6及び図7に示すピアノ10Aにおいては、一つの振動板90が下前板12−2に取り付けられているが、複数の振動板90が下前板12−2に取り付けられていてもよい。大きさが異なる複数の振動板90を取り付ける場合、複数の音域の音量を増大させることができる。複数の振動板90を下前板12−2に取り付ける場合、振動板90を取り付ける位置は一箇所である必要はない。
以上に述べた第2の実施形態に係るピアノ10Aでは、低音域の音量を増大させるために、振動板90を下前板12−2に取り付けているが、音量を増大させたい音域が高音域にある場合は、上前板12−1に振動板90を取り付けてもよい。
以上に述べたように、本発明の第1の実施形態及び第2の実施形態に係るピアノでは、弦の振動が伝達される振動部材、すなわち、第1の実施形態のピアノ10においては駒(短駒)54、第2の実施形態に係るピアノ10Aにおいては下前板12−2に振動板90を取り付けることによって、所望の音域の音量を効果的に増大させることができ、演奏者にとって良好な音を保ちながらも有効に音量を低減することのできるピアノを提供することが可能になる。
本発明の楽器は、第1の実施形態及び第2の実施形態において述べたピアノに限定されない。本発明の第1の実施形態及び第2の実施形態に係るピアノでは、響板全体を取り除かれているが、響板を有する一般的なアコースティックピアノに振動板90を取り付け、打弦により通常の音量で発音する音をさらに所望の音域でその音量を増大させることもできる。ピアノの演奏場所によっては、その演奏場所の音響の特性により特定の音域の音量が小さくなり、演奏者や聴衆にとってバランスの崩れた音が聴こえてしまうことがあるが、音量を増大させたい音域に共振点を有する振動板90を響板または駒に取り付けることにより、特定の音域の音量を増大させ、音域バランスを向上させることができる。
また、振動板90が適用される楽器はピアノに限定されず、アコースティックギターなどの弦楽器、ドラムなどの打楽器にも適用してもよい。また、アコースティック楽器に限定されず、トランスデューサを備えて発音時に楽器の一部を駆動して発音、あるいは弦の音を補強して鳴らす機能を持つピアノや電子楽器にも振動板90を適用することができる。
例えば、アコースティックギターに振動板90を適用する場合、振動板90は、弦(発音体)の振動が伝達される振動部材である表板、側板または裏板の内側(ボディの内部)に取り付けられてもよく、特に表板又は裏板に取り付けられることが好ましい。音量を増大させたい音域に共振点を有する振動板90を表板、側板または裏板の内側に取り付けることにより、特定の音域の音量を増大させることができる。
ドラムなどの打楽器に振動板90を適用する場合、ヘッド(発音体)に振動が伝達される胴(振動部材)に振動板90が取り付けられてもよい。
また、例えば、鍵の押下に基づいた電気信号を生成する音源と、音源からの電気信号に基づいて振動に変換するトランスデューサ(発音体)と、トランスデューサから伝達される振動に共鳴する響板(振動部材)と、を備えるピアノにおいて、響板に振動板90が取り付けられてもよい。また、電子楽器に適用する例では、波形データを記憶する電子音源と響板を備え、電子音源からの信号でスピーカから発音するとともに響板の振動も利用する電子楽器において、響板に振動板90が取り付けられてもよい。
10,10A…ピアノ、11…筐体、12−1…上前板、12−2…下前板、20…支柱、 41…鍵、51…フレーム、52,53…弦、54,56…駒、振動板…90、接続部材…91、連結部材…100

Claims (5)

  1. 発音体の振動が伝達される振動部材と、
    外周部が開放された振動板と、
    前記振動部材と前記振動板とを接続する接続部材と、
    を備える楽器。
  2. 前記振動板は、外周が曲線状である、請求項1に記載の楽器。
  3. 前記振動板は、可変構造を有する、請求項1又は2に記載の楽器。
  4. 前記発音体は、弦であり、
    前記振動部材は、前記弦長を規定する駒又は駒に接続された響板である、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の楽器。
  5. 鍵と、
    前記鍵の動きに応じて前記弦を打撃するハンマーと、
    をさらに備える、請求項4に記載の楽器。
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