JP2016199888A - 建物の解体重機とこの解体重機を使用する建物の解体方法 - Google Patents

建物の解体重機とこの解体重機を使用する建物の解体方法 Download PDF

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Abstract

【課題】安全に解体重機を建物の上部に吊り上げて建物の解体コストを低減する。
【解決手段】建物の解体重機1は、先端に建物20を破壊する解体具12を装備するアーム2と自走用の無限軌道3とを備え、アーム2と無限軌道3とを備える重機本体4と、重機本体4をワイヤー6を介して吊り上げることができる吊上ウインチ5を備え、吊上ウインチ5は、ワイヤー6を介して重機本体4を吊り上げ可能な位置で重機本体4に連結しており、吊上ウインチ5のワイヤー6を建物20の上部に連結して、吊上ウインチ5でワイヤー6を巻き取って重機本体4を建物20の上部に吊り上げる。
【選択図】図2

Description

本発明は、解体重機を建物の上部に移動し、この解体重機で建物を解体しながら降下させて建物全体を解体する解体重機と、この解体重機を使用する建物の解体方法に関し、とくに、建物の周囲に解体重機を吊り上げるクレーンを配置できない建物の解体に最適な解体重機と解体方法に関する。
現在、建物は以下の方法で解体している。最も一般的な解体方法は、建物の外側に接近して、建物の屋上まで届く大型アームを装備する解体重機を配置して、この解体重機で建物を外側から解体する方法である。この方法は大型の解体重機を建物に接近して配置するので、建物の周囲に広い道路や敷地を必要とする。このため、周囲に広い道路や空き地のない建物はこの方法で解体できない。また、周囲に電線や電柱のある建物はこれ等が邪魔になって建物を解体できない。
周囲に広い道路や空き地のない建物は、解体重機を建物の上部に吊り上げて、解体重機で建物を解体しながら降下して建物全体を解体している。この方法も、解体重機をクレーンで吊り上げると、建物の周囲に解体重機を吊り下げるクレーンを配置するスペースを必要とする。このため、周囲に道路や空き地のない建物は解体重機を建物の上部に吊り上げできない。
この方法の欠点を解消するために、建物の屋上に解体重機を吊り上げるクレーンを固定し、このクレーンで解体重機を建物の上部に吊り上げる解体方法が開発されている。(特許文献1参照)
特開2014−47479号公報
従来の方法は、建物の屋上に架台を設け、この架台に吊上ウインチを設置し、この吊上ウインチで解体重機を建物の上部に吊り上げ、上部に移動された解体重機で建物を解体しながら降下して建物全体を解体する。この方法は、建物の屋上に架台や吊上ウインチを設置するので、この作業に極めて手間がかかる欠点がある。とくに、重い解体重機を吊り上げる吊上ウインチは相当な重量となるので、重い吊上ウインチや架台を建物の上部に持ち上げるのに極めて手間がかかり、またこれ等を建物の屋上に設置するのにさらに手間がかかる欠点がある。さらに、重い吊上ウインチや架台を建物の上部に移動させるので、これ等を安全に移動させるのが極めて難しい。重い吊上ウインチや架台を建物のエレベータで移動できないからである。とくに、解体する建物はエレベータの運転を停止しているものが多く、吊上ウインチや架台をエレベータに搭載できる大きさに分解できるとしても、エレベータを使用して持ち上げできず、架台と吊上ウインチの持ち上げと設置に極めて手間がかり、また作業の安全性を確保するのが難しい欠点がある。
本発明は、この欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、簡単かつ容易に、しかも速やかに解体重機を建物の上部に吊り上げでき、さらに建物の解体コストを低減しながら安全に解体重機を建物の上部に移動できる建物の解体重機と解体方法とを提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明の建物の解体重機は、アーム2と無限軌道3とを備える重機本体4と、この重機本体4をワイヤー6を介して吊り上げることができる吊上ウインチ5を備える。吊上ウインチ5は、ワイヤー6を介して重機本体4を吊り上げ可能な位置で重機本体4に連結している。吊上ウインチ5は、建物20の上部に連結しているワイヤー6を巻き取って重機本体4を建物20の上部に吊り上げる。
以上の解体重機は、簡単かつ容易に、しかも速やかに解体重機を建物の上部に吊り上げできる特徴がある。それは、以上の解体重機が、従来のように建物の屋上に架台や吊上クレーンを設置することなく、解体重機に設けている吊上ウインチのワイヤーを建物の上部の梁や塔屋などに連結し、吊上ウインチでワイヤーを巻き取って解体重機を建物の上部に吊り上げできるからである。以上の解体重機は、解体重機とは比較にならないほど軽いワイヤーのみを建物の上部に移動して解体重機を吊り上げできるので、従来のように架台や吊上クレーン等の重量物を建物の屋上等に持ち上げる必要がなく、極めて簡単にワイヤーを建物の上部に連結して重い解体重機を吊り上げできる特徴がある。
また、以上の解体重機は、架台や吊上クレーン等の重量物を建物の屋上に持ち上げる必要がなく、これ等の重量物を高い屋上まで持ち上げて設置する経費を削減できるので、建物を解体するためのトータルコストを相当に低減できる特徴も実現する。また、重量物を建物の上部に持ち上げて設置する危険な作業を必要とせず、安全に解体重機を建物の上部に移動して建物を解体できる特徴も実現する。
本発明の建物の解体重機は、吊上ウインチ5を、重機本体4をほぼ水平姿勢で吊り上げる位置で重機本体4に連結することができる。以上の解体重機は、重機本体をほぼ水平姿勢に保持した状態で建物の上部まで吊り上げできるので、解体重機を安全に建物の上部に移動できる特徴がある。
本発明の建物の解体重機は、重機本体4が、一対の無限軌道3を装備する走行ベース7と、走行ベース7の上面に水平面内で回転自在に連結してなるオペレータキャビン8とアーム2とを装備する回転ベース9とを備える構造として、吊上ウインチ5を回転ベース9に設けることができる。
以上の解体重機は、回転ベースに吊上ウインチを設けているので、ワイヤーの吊り上げ位置を解体重機の重心より高い位置として、解体重機を安定して吊り上げできる特徴がある。また、回転ベースを回転して、走行ベースを水平面内で回転できるので、吊り上げ状態で走行ベースを回転して建物に設けた通過穴などをスムーズに通過させて吊り上げできる特徴も実現する。
本発明の建物の解体重機は、吊上ウインチ5をオペレータキャビン8の上面に固定することができる。以上の解体重機は、吊上ウインチの固定位置を解体重機の重心よりも高い位置にできるので、吊上ウインチで解体重機を吊り上げる状態では、解体重機を水平姿勢として安定して吊り上げできる。
本発明の建物の解体重機は、回転ベース9がオペレータキャビン8の後方にエンジンキャビン10を装備して、吊上ウインチ5をエンジンキャビン10の上面に固定すると共に、アーム2には滑車15を固定して、この滑車15を介してワイヤー6を建物20の上部に連結して、重機本体4を建物20の上部に吊り上げることができる。
以上の解体重機は、エンジンキャビンに吊上ウインチを固定しながら、アームに設けた滑車を介してワイヤーを建物の上部に連結するので、アームの角度を前後に調整して滑車の位置を解体重機の重心の真上に接近させて、重機本体をより安定して吊り上げできる。
本発明の建物の解体重機は、回転ベース9がオペレータキャビン8の後方にエンジンキャビン10を装備して、吊上ウインチ5をエンジンキャビン10の上面に固定すると共に、アーム2には、ワイヤー6の先端を連結する吊り下げ部14を備えることができる。この解体重機は、ワイヤー6を建物20の上部に連結された滑車25に掛けると共に、ワイヤー6の先端を吊り下げ部14に連結して、重機本体4を建物20の上部に吊り上げることができる。
以上の解体重機は、エンジンキャビンとアームの2点をワイヤーで連結して吊り上げるので、ワイヤーを解体重機の重心よりも高い位置に連結し、かつ吊上ウインチとワイヤー先端の2カ所で吊り上げ重量をバランスして、解体重機を水平姿勢で安定して吊り上げできる。また、この解体重機は、解体重機の重量の約1/2の力でワイヤーを巻き取って、重い解体重機を楽に吊り上げできる。
本発明の建物の解体重機は、回転ベース9がオペレータキャビン8の後方にエンジンキャビン10を装備して、吊上ウインチ5をエンジンキャビン10の上面に固定すると共に、アーム2には滑車15を固定することができる。この解体重機は、ワイヤー6を建物20の上部に連結された滑車25と、アーム2に設けた滑車15に掛けると共に、ワイヤー6の先端を建物上部に連結して、重機本体4を建物20の上部に吊り上げることができる。
以上の解体重機は、エンジンキャビンとアームの2点をワイヤーで吊り上げるので、ワイヤーを解体重機の重心よりも高い位置に連結し、かつ吊上ウインチとアームの2カ所で吊り上げ重量をバランスして、解体重機を水平姿勢で安定して吊り上げできる。また、この解体重機は、解体重機の重量の1/3の力でワイヤーを巻き取って、重い解体重機を楽に吊り上げできる。
本発明の建物の解体重機は、吊上ウインチ5に無線のリモコン操作部11を設けることができる。この解体重機は、オペレータが重機から離れてリモコン操作部で吊上ウインチを操作できるので、より安全に重機を吊り上げできる特徴がある。
本発明の建物の解体方法は、解体重機1をほぼ水平姿勢として吊り上げることができ、かつ解体重機1を吊り上げることができる吊り上げ力の吊上ウインチ5を解体重機1に装備し、建物各階の床22の一部を破壊して解体重機1を通過できる通過穴23を設け、解体重機1に装備してなる吊上ウインチ5で巻き取られるワイヤー6を建物20の上部に連結し、吊上ウインチ5でワイヤー6を巻き取って、解体重機1を通過穴23に通過させて、建物20の上部に吊り上げて建物上部の階に移動し、建物20の上部の階に移動された解体重機1が建物20を上階から下階に解体しながら降下して建物全体を解体する。
以上の解体方法は、簡単かつ容易に、しかも速やかに解体重機を建物の上部に吊り上げできる特徴がある。それは、以上の解体方法が、従来のように建物の屋上に架台や吊上クレーンを設置することなく、装備する吊上ウインチのワイヤーを建物の上部の梁や塔屋などに連結し、ワイヤーを吊上ウインチで巻き取って解体重機を建物の上部に吊り上げできるからである。以上の解体方法は、解体重機とは比較にならないほど軽いワイヤーのみを建物の上部に吊り上げて、解体重機を吊り上げできるので、従来のように架台や吊上クレーン等の重量物を建物の屋上に持ち上げる必要がなく、極めて簡単にワイヤーを連結して重い解体重機を吊り上げできる特徴がある。
また、以上の解体方法は、架台や吊上クレーン等の重量物を建物の屋上に持ち上げる必要がなく、これ等の重量物を高い屋上まで持ち上げて設置する経費を削減できるので、建物を解体するためのトータルコストを相当に低減できる特徴も実現する。また、重量物を建物の上部に持ち上げて設置する危険な作業を必要とせず、安全に解体重機を建物の上部に移動して建物を解体できる特徴も実現する。
本発明の建物の解体方法は、吊上ウインチ5で巻き取られるワイヤー6を建物上部の梁や塔屋に直接又は滑車13を介して連結し、解体重機1に装備する吊上ウインチ5でワイヤー6を巻き取って、解体重機1を建物20の上部に吊り上げて移動することができる。
本発明の建物の解体方法は、解体重機1に、水平面内で回転できるように走行ベース7に連結している回転ベース9を備える重機を使用して、吊上ウインチ5を回転ベース9に装備することができる。
以上の解体方法は、回転ベースに吊上ウインチを設けているので、ワイヤーの吊り上げ位置を解体重機の重心より高い位置として、解体重機を安定して吊り上げできる。また、回転ベースを回転させて、走行ベースを水平面内で回転できるので、吊り上げ状態で走行ベースを回転させて、建物に設けた通過穴などをスムーズに通過させて吊り上げできる。
本発明の一実施例にかかる解体重機の側面図である。 図1に示す解体重機を吊り上げて建物の上部に移動する工程を示す断面図である。 本発明の他の実施例にかかる解体重機の側面図である。 図3に示す解体重機を吊り上げて建物の上部に移動する工程を示す断面図である。 本発明の他の実施例にかかる解体重機を吊り上げて建物の上部に移動する工程を示す断面図である。 本発明の他の実施例にかかる解体重機を吊り上げて建物の上部に移動する工程を示す断面図である。 解体重機を吊り上げて建物の上部に移動する他の一例を示す断面図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための解体重機と解体方法を例示するものであって、本発明は解体重機と解体方法を以下のものと方法には特定しない。さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
図1と図3に示す解体重機1は、先端に建物を破壊する解体具12を装備するアーム2と自走用の無限軌道3とを備える。さらに、解体重機1は、アーム2及び無限軌道3とを備える重機本体4と、この重機本体4をワイヤー6を介して吊り上げる吊上ウインチ5とを備える。
重機本体4は、両側に一対の無限軌道3を装備す1る走行ベース7と、走行ベース7の上面に水平面内で回転できるように連結しているオペレータキャビン8及びアーム2を装備する回転ベース9とを備える。
重機本体4の回転ベース9は、オペレータキャビン8の後方にエンジンキャビン10を設けて、オペレータキャビン8の側部ないし前部にアーム2を連結している。オペレータキャビン8は、内部にオペレーターシート(図示せず)があって、このオペレーターシートに座るオペレーターが操作する複数の操作レバー(図示せず)を設けている。操作レバーは、無限軌道用と、回転ベース用と、アーム用とがある。無限軌道用の操作レバーは、これが操作されて一対の無限軌道3の前進と後退を制御して、重機本体4を前後にあるいは左右に曲がるように移動させる。回転ベース用の操作レバーは、回転ベース9を水平面内で回転させる。アーム2の操作レバーは、アーム2を制御して、アーム2先端に連結している建物を破壊する解体具12を立体的に移動させると共に、解体具12を操作して建物を解体する。
エンジンキャビン10は、オペレータキャビン8よりも低く、内部に解体重機1を駆動するための駆動機構であるエンジン(図示せず)を内蔵している。
吊上ウインチ5はワイヤー6を巻き取って重機本体4を吊り上げる巻取ドラム13を有する。巻取ドラム13は、エンジンで駆動される油圧ポンプから供給される加圧オイルで駆動される油圧モータ(図示せず)で回転される。吊上ウインチ5は、巻取ドラム13にワイヤー6を巻き取って解体重機1を建物の上部に吊り上げる。巻取ドラム13に巻き取られるワイヤー6は、建物の上部に連結される。吊上ウインチ5のワイヤー6を連結する建物20の上部は、例えば、建物の上階部分の梁21(図2参照)や建物の屋上に設けられた塔屋24(図4参照)等とすることができる。ただ、ワイヤー6を連結する箇所は、必ずしも建物の躯体の一部とする必要はなく、建物の躯体に固定された連結部材とすることもできる。このような連結部材として、例えば、建物の上階部分の梁に橋渡しする状態で固定された鋼材等とすることができる。この場合、建物の構造や梁等の配置、さらには、床22に開口される通過穴23(図2及び図4参照)の位置に関係なく、最適な位置に連結部材を固定しながらワイヤー6を連結して吊り下げできる。
吊上ウインチ5は、重機本体4を吊り上げ可能な位置で重機本体4に連結される。好ましくは、吊上ウインチ5は、重機本体4をほぼ水平姿勢で吊り上げる位置で重機本体4に連結される。吊上ウインチ5は、無線のリモコン操作部11で巻取ドラム13の回転状態がコントロールされる。無線のリモコン操作部11で巻取ドラム13の回転を制御できる解体重機1は、オペレーターが解体重機1に載ることなく、外部から巻取ドラム13の回転を制御して、解体重機1を安全に吊り下げできる。ただし、オペレータキャビン8内に巻取ドラム13の回転を制御する操作レバーを設けて、この操作レバーで巻取ドラム13の回転を制御することもできる。
吊上ウインチ5は、図2及び図4に示すようにワイヤー6の先端を建物20の上部の梁21や塔屋24等に連結して解体重機1を吊り上げる。図2及び図4に示すように、ワイヤー6の先端を建物20に連結して吊り上げる解体重機1は、ワイヤー6で重機本体4を吊り下げる位置を、解体重機1の重心より高い位置とすることで重機本体4をほぼ水平姿勢としながら安定に吊り上げることができる。
図1の解体重機1は、アーム2の中間部に、ワイヤー6を引っ掛ける滑車15を固定している。この解体重機1は、吊上ウインチ5をエンジンキャビン10の上面に固定しており、吊上ウインチ5から繰り出されたワイヤー6を、図2に示すように、アーム2に設けた滑車15を介して建物20の上部に連結している。この解体重機1は、吊上ウインチ5の固定位置をエンジンキャビン10の上面とすることで、吊上ウインチ5を安定して固定しながら、アーム2に設けた滑車15にワイヤー6を掛けて吊り上げるので、ワイヤー6で重機本体4を吊り下げる位置を、解体重機1の重心より高い位置にできる。とくに、この解体重機1は、図1の鎖線で示すように、アーム2を後方に傾動させることで、滑車15の前後位置を調整して、解体重機1の重心の真上に接近して配置することで、図2に示すように、重い重機本体4を水平姿勢に保持した状態で安定して吊り上げできる。この吊上ウインチ5は、巻取ドラム13がワイヤー6を巻き取るトルクを解体重機1の重量よりも強くして、解体重機1を吊り上げることができる。
図1に示す重機本体4のアーム2は、回転ベース9に連結される第1アーム2Aと、この第1アーム2Aの先端部に連結される第2アーム2Bとを備えており、第1アーム2Aの先端部であって、第2アーム2Bとの連結部の近傍に滑車15を固定している。このように、回転ベース9に連結される第1アーム2Aに滑車15を固定する構造は、滑車15を介して、重い重機本体4を安定して吊り下げできる。また、第1アーム2Aの先端部に滑車15を固定するので、第1アーム2Aを傾動させる状態での滑車15の移動範囲を大きくでき、滑車15の位置を理想的に移動できる。ただ、解体重機1は、必ずしも第1アーム2Aの先端部に滑車15を固定する必要はなく、図1の鎖線で示すように、第1アーム2Aの中間部や、図示しないが第1アームの根元部分に固定することもできる。さらに、解体重機1は、アーム2に複数の滑車15を固定することもできる。アーム2に固定される複数の滑車15は、ワイヤー6の引き出し方向に並べて配置される。この解体重機1は、複数の滑車15にワイヤー6を掛けることで、ワイヤー6の脱落を防止しながら安全にワイヤー6を巻き取りできる。
図3の解体重機1は、吊上ウインチ5を重機本体4のオペレータキャビン8の上面に固定している。この図の解体重機1は、吊上ウインチ5の固定位置を解体重機1の重心よりも高い位置にできるので、重機本体4を水平姿勢で安定に吊り上げできる。この吊上ウインチ5は、巻取ドラム13がワイヤー6を巻き取るトルクを解体重機1の重量よりも強くして、解体重機1を吊り上げることができる。
以上のように、図1の解体重機1は、重機本体4をワイヤー6で吊り上げる状態では、アーム2に設けた滑車15の位置が解体重機1の水平面内のほぼ中央部に位置するようにアーム2の位置を調整し、図3の解体重機1は、吊上ウインチ5の固定位置を解体重機1の水平面内のほぼ中央部に配置している。これらの解体重機1は、重心よりも高い1点を吊上ウインチ5で吊り下げて、解体重機1をほぼ水平姿勢で吊り上げする。1点を吊上ウインチ5で吊り上げる解体重機1は、吊り下げ位置を解体重機1の重心位置よりも高くし、さらに吊り下げ位置を解体重機1の水平面内における重心位置の近傍とする。吊り下げ位置が重心よりも高い位置にあっても、水平面内において重心位置からずれると、解体重機1を水平姿勢に保持できなくなるからである。解体重機1は、水平姿勢で吊り上げるのを理想とするが、多少傾斜して、たとえば水平面に対する傾斜角を45度以内として、安全に吊り上げることができる。したがって、本明細書において解体重機1をほぼ水平姿勢で吊り上げるとは、水平面に対する傾斜角を45度以内とする状態を意味するものとする。
さらに、吊上ウインチ5は、図5に示すように、建物20の上部に連結している滑車25にワイヤー6を連結して、解体重機1を吊り上げることもできる。図5の解体重機1は、建物20の上部に滑車25を連結して、この滑車25にワイヤー6を掛けて吊上ウインチ5で解体重機1を吊り下げる。この解体重機1は、吊上ウインチ5をエンジンキャビン10の上面に固定して、ワイヤー6の先端をアーム2の中間部に連結し、ワイヤー6の中間を建物20に連結している滑車25に掛けて解体重機1を吊り下げる。図5に示す解体重機1は、ワイヤー6の先端をアーム2に連結するために、ワイヤー6の先端にフック16を連結している。また、アーム2は、ワイヤー6の先端に設けたフック16を連結するための吊り下げ部14を備えている。図5に示す吊り下げ部14は、フック16を引っ掛ける引っ掛け穴17Aのある吊り下げプレート17として、この吊り下げプレート17をアーム2の中間部に固定している。ただ、吊り下げ部は、必ずしも吊り下げプレートとしてアームに固定する必要はなく、ワイヤーの先端をアームに連結できる他の全ての構造が採用できる。例えば、解体重機のアームは、図3に示すように、ほぼ例外なく山形に折曲された状態で停止されるので、この折曲されたアームを挿通して折曲部に引っ掛けられるリング状のワイヤーやロープ等とすることもできる。
図5に示すように、ワイヤー6の2点を連結して吊り上げる解体重機1は、吊上ウインチ5の固定位置と、ワイヤー6先端の連結位置とを、解体重機1をほぼ水平姿勢で吊り上げることができる位置とする。図5の解体重機1は、吊上ウインチ5とワイヤー6先端とを解体重機1の2カ所であって、解体重機1の重心よりも高い位置に連結し、かつ吊上ウインチ5とワイヤー6先端の2カ所で吊り上げ重量をバランスして、解体重機1を水平姿勢で安定して吊り上げできる。とくに、折曲されるアーム2の中間部を高い位置に配置して、ワイヤー6の連結位置を高くできるので、解体重機1を安定して水平姿勢で吊り上げできる。また、アーム2の姿勢を前後に傾動させることで、ワイヤー6で吊り下げる状態における解体重機1の水平バランスを調整できるので、アーム2を最適な位置に移動させることにより、水平姿勢を保持して安定して吊り上げできる。図5に示すように、吊上ウインチ5のワイヤー6を建物上部の滑車25に掛けて解体重機1を吊り下げる方法は、吊上ウインチ5がワイヤー6を巻き取るトルクを図1〜図4の解体重機1の半分として、重い解体重機1を吊り下げできる。
さらに、図6は、図1に示す解体重機1であって、アーム2の中間部に、ワイヤー6を引っ掛ける滑車15を固定している解体重機1を吊り上げる他の一例を示している。この解体重機1は、エンジンキャビン10の上面に固定された吊上ウインチ5から繰り出されるワイヤー6を建物20の上部に連結した滑車25と、アーム2に設けた滑車15に連結し、さらにワイヤー6の先端を建物上部に連結して吊上ウインチ5で解体重機1を吊り下げる。この解体重機1も、吊上ウインチ5の固定位置と、アーム2に設けた滑車15の位置とを、解体重機1をほぼ水平姿勢で吊り上げることができる位置とする。この図の解体重機1は、吊上ウインチ5とアーム2に設けた滑車15とを解体重機1の2ヶ所であって、解体重機1の重心よりも高い位置に連結し、かつ吊上ウインチ5と滑車15の2カ所で吊り上げ重量をバランスして、解体重機1を水平姿勢で安定して吊り上げできる。とくに、折曲されるアーム2の中間部を高い位置に配置して、ワイヤー6が連結される滑車15の位置を高くできるので、解体重機1を安定して水平姿勢で吊り上げできる。また、アーム2の姿勢を前後に傾動させることで、ワイヤー6で吊り下げる状態における解体重機1の水平バランスを調整できるので、アーム2を最適な位置に移動させることにより、水平姿勢を保持して安定して吊り上げできる。図6に示すように、吊上ウインチ5のワイヤー6を建物上部の滑車25とアーム2の滑車15とに掛けて解体重機1を吊り下げる方法は、吊上ウインチ5がワイヤー6を巻き取るトルクを図1〜図4の解体重機1の1/3として、重い解体重機1を小さな力で吊り下げできる。
以上の解体重機1は、以下の工程で建物20の最上階に吊り上げられて、建物20を解体する。
[建物20の床22に解体重機1の通過穴23を設ける工程]
建物各階の床22の一部を破壊して、解体重機1を通過できる通過穴23を設ける。各階の床22の通過穴23は、垂直方向に直線状に配置して設けられる。ワイヤー6で解体重機1を吊り上げて通過させるためである。
[ワイヤー連結工程]
解体重機1の巻取ドラム13からワイヤー6を引き出して、ワイヤー6を建物20の上部に連結する。ワイヤー6は、図2及び図4に示すように、先端を建物20の上部の梁21等に連結し、あるいは、図5に示すように、建物20の上部に連結している滑車25を介して建物20に連結され、あるいはまた、図6に示すように、建物20の上部に連結している滑車25と解体重機1に設けた滑車15を介して、先端が建物20の上部の梁21等に連結される。
[解体重機1の吊り上げ工程]
無線のリモコン操作部11で吊上ウインチ5の巻取ドラム13をコントロールし、巻取ドラム13にワイヤー6を巻き取って、解体重機1を通過穴23に通過させて、建物20の上部に吊り上げて建物上部の階に移動する。無線のリモコン操作部11によらず、オペレータキャビン8の操作レバーで巻取ドラム13をコントロールする解体重機1は、オペレーターがオペレータキャビン8のシートに座って操作レバーで巻取ドラム13の回転を制御して、ワイヤー6を巻取ドラム13に巻き取って解体重機1を吊り下げる。解体重機1が最上階の床面よりも高く吊り上げた状態で、解体重機1を水平方向に引っ張って通過穴23の横に移動し、巻取ドラム13を逆転してワイヤー6を繰り出して解体重機1を床上に配置する。
[解体工程]
建物20の最上階に移動された解体重機1のオペレータキャビン8にオペレーターが入り、シートに座って操作レバーを操作して、建物20を上階から下階に解体しながら降下して建物全体を解体する。最上階の解体重機1は、天井と壁を解体し、さらに床22の一部を解体して、下の階に移動する。解体重機1が下の階に移動する方法は、従来から行われているように、歩み板を敷設してその上を移動して降下し、あるいは解体したがれきで下の階に移動する通路を設けて降下する。
さらに、以上の解体重機1は、図7に示すようにして建物20の上部に吊り上げることもできる。図7に示す解体重機1は、建物20の上部に連結されたワイヤー6を吊上ウインチ5の巻取ドラム13に巻き取りながら解体重機1を建物20の上部に移動させるが、前述のように、床22に開口した通過穴23に通過させるのではなく、解体重機1を建物20の外壁26に沿って自走させながら建物20の上部に吊り上げる。すなわち、この解体重機1は、建物20の上部に連結されたワイヤー6で重機本体4を吊り下げる状態では、図7に示すように重機本体4を垂直姿勢として、走行ベース7の無限軌道3を駆動させて建物20の外壁26に沿って自走させながら吊上ウインチ5の巻取ドラム13にワイヤー6を巻き取ることで建物上部に吊り上げる。
この解体重機1は、以下のようにして建物20の上部に吊り上げて、建物20を解体する。
[ワイヤー連結工程]
解体重機1を建物20の外壁26の外側に配置し、巻取ドラム13から引き出したワイヤー6を建物20の上部に連結する。巻取ドラム13から引き出されるワイヤー6は、図7に示すように、アーム2の中間部に設けた滑車15に掛けると共に、建物20の外壁26に沿って上方に引き出して、先端を建物20の屋上に設けられた塔屋24に連結する。さらに、解体重機1は、図7に示すようにアーム2を前方に伸ばした姿勢とする。これにより、解体重機1は、吊上ウインチ5の巻取ドラム13にワイヤー6を巻き取る状態では、図7に示すように、アーム2の先端側が上方となり、重機本体4の本体部が下方となる垂直姿勢で吊り下げられる。図7に示す解体重機1は、第1アーム2Aの先端部に2個の滑車15を備えている。2個の滑車15は、ワイヤー6の引き出し方向に並べて第1アーム2Aに固定されている。この解体重機1は、2個の滑車15にワイヤー6を掛けることで、ワイヤー6を滑車15から脱落させることなく、重機本体4を垂直姿勢としながら安定して吊り上げることができる。
[解体重機1の吊り上げ工程]
無線のリモコン操作部11で吊上ウインチ5の巻取ドラム13をコントロールし、巻取ドラム13にワイヤー6を巻き取って、解体重機1を垂直姿勢で吊り上げると共に、無線のリモコン操作部11で無限軌道3の駆動を制御し、無限軌道3で建物20の外壁26に沿って自走させる。ワイヤー6で垂直姿勢に吊り下げられる解体重機1は、ワイヤーの張力と解体重機1にかかる重力との合力が建物20の外壁26を押圧する方向に作用するので、無限軌道3は外壁26に向かって押圧される状態で駆動されることとなり、これにより外壁26に沿って自走可能となる。解体重機1は、外壁26に沿って上方に自走しながら、ワイヤー6を巻取ドラム13に巻き取ることにより、垂直姿勢の状態で建物20の上部に向かって吊り上げられる。解体重機1が建物20の外壁26の上端まで移動すると、駆動する無限軌道3により外壁26の上端を乗り越えて建物20の屋上に移動させる。
[解体工程]
建物20の屋上に移動された解体重機1のオペレータキャビン8にオペレーターが入り、シートに座って操作レバーを操作して、建物20を屋上から下階に解体しながら降下して建物全体を解体する。屋上の解体重機1は、屋上の床(最上階の天井)の一部を解体して、下の階に移動する。各階において、解体重機1は、天井と壁を解体し、さらに床22の一部を解体しながら、下の階に移動する。解体重機1が下の階に移動する方法は、従来から行われているように、歩み板を敷設してその上を移動して降下し、あるいは解体したがれきで下の階に移動する通路を設けて降下する。以上の解体重機1は、建物20の外壁26に沿って屋上まで移動させるので、床22に通過穴23を開口することなく建物を解体できる特徴がある。
本発明は、建物の周囲に解体重機を吊り上げる大型クレーンなどを設置できない都会などで、大型クレーンを使用することなく解体重機を吊り上げて安全に建物を解体する用途に便利に使用できる。
1…解体重機
2…アーム
2A…第1アーム
2B…第2アーム
3…無限軌道
4…重機本体
5…吊上ウインチ
6…ワイヤー
7…走行ベース
8…オペレータキャビン
9…回転ベース
10…エンジンキャビン
11…リモコン操作部
12…解体具
13…巻取ドラム
14…吊り下げ部
15…滑車
16…フック
17…吊り下げプレート
17A…引っ掛け穴
20…建物
21…梁
22…床
23…通過穴
24…塔屋
25…滑車
26…外壁

Claims (11)

  1. 先端に建物(20)を破壊する解体具(12)を装備するアーム(2)と自走用の無限軌道(3)とを備える建物の解体重機であって、
    前記アーム(2)と前記無限軌道(3)とを備える重機本体(4)と、
    この重機本体(4)をワイヤー(6)を介して吊り上げることができる吊上ウインチ(5)を備え、
    前記吊上ウインチ(5)は、前記ワイヤー(6)を介して前記重機本体(4)を吊り上げ可能な位置で前記重機本体(4)に連結され、
    前記吊上ウインチ(5)のワイヤー(6)が建物(20)の上部に連結されて、前記吊上ウインチ(5)でワイヤー(6)を巻き取って前記重機本体(4)を建物(20)の上部に吊り上げるようにしてなることを特徴とする建物の解体重機。
  2. 請求項1に記載される建物の解体重機であって、
    前記吊上ウインチ(5)は、前記重機本体(4)をほぼ水平姿勢で吊り上げる位置で前記重機本体(4)に連結されてなることを特徴とする建物の解体重機。
  3. 請求項1または2に記載される建物の解体重機であって、
    前記重機本体(4)が、一対の無限軌道(3)を装備する走行ベース(7)と、前記走行ベース(7)の上面に水平面内で回転自在に連結してなるオペレータキャビン(8)と前記アーム(2)とを装備する回転ベース(9)とを備え、
    前記吊上ウインチ(5)が前記回転ベース(9)に設けられてなることを特徴とする建物の解体重機。
  4. 請求項3に記載される建物の解体重機であって、
    前記吊上ウインチ(5)を前記オペレータキャビン(8)の上面に固定してなることを特徴とする建物の解体重機。
  5. 請求項3に記載される建物の解体重機であって、
    前記回転ベース(9)は、前記オペレータキャビン(8)の後方にエンジンキャビン(10)を装備しており、
    前記吊上ウインチ(5)を前記エンジンキャビン(10)の上面に固定すると共に、前記アーム(2)には滑車(15)を固定しており、
    前記ワイヤー(6)を前記滑車(15)を介して建物(20)の上部に連結して、前記重機本体(4)を建物(20)の上部に吊り上げるようにしてなることを特徴とする建物の解体重機。
  6. 請求項3に記載される建物の解体重機であって、
    前記回転ベース(9)は、前記オペレータキャビン(8)の後方にエンジンキャビン(10)を装備しており、
    前記吊上ウインチ(5)を前記エンジンキャビン(10)の上面に固定すると共に、前記アーム(2)には、前記ワイヤー(6)の先端を連結する吊り下げ部(14)を備えており、
    前記ワイヤー(6)を建物(20)の上部に連結された滑車(25)に掛けると共に、該ワイヤー(6)の先端を前記吊り下げ部(14)に連結して、前記重機本体(4)を建物(20)の上部に吊り上げるようにしてなることを特徴とする解体重機。
  7. 請求項3に記載される建物の解体重機であって、
    前記回転ベース(9)は、前記オペレータキャビン(8)の後方にエンジンキャビン(10)を装備しており、
    前記吊上ウインチ(5)を前記エンジンキャビン(10)の上面に固定すると共に、前記アーム(2)には滑車(15)を固定しており、
    前記ワイヤー(6)を建物(20)の上部に連結された滑車(25)と、前記アーム(2)に設けた前記滑車(15)に掛けると共に、該ワイヤー(6)の先端を建物(20)の上部に連結して、前記重機本体(4)を建物(20)の上部に吊り上げるようにしてなることを特徴とする解体重機。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載される建物の解体重機であって、
    前記吊上ウインチ(5)が無線のリモコン操作部(11)を備えることを特徴とする建物の解体重機。
  9. 解体重機(1)を吊り上げることができる吊り上げ力の吊上ウインチ(5)を前記解体重機(1)に装備し、
    建物各階の床(22)の一部を破壊して前記解体重機(1)を通過できる通過穴(23)を設け、
    前記解体重機(1)に装備してなる吊上ウインチ(5)で巻き取られるワイヤー(6)を建物(20)の上部に連結し、
    前記吊上ウインチ(5)で前記ワイヤー(6)を巻き取って、前記解体重機(1)を前記通過穴(23)に通過させて、前記建物(20)の上部に吊り上げて建物上部の階に移動し、
    建物(20)の上部の階に移動された前記解体重機(1)が建物(20)を上階から下階に解体しながら降下して建物全体を解体することを特徴とする建物の解体方法。
  10. 請求項9に記載される建物の解体方法であって、
    前記吊上ウインチ(5)で巻き取られる前記ワイヤー(6)を建物上部の梁(21)や塔屋(24)に直接又は滑車(25)を介して連結し、
    前記解体重機(1)に装備する前記吊上ウインチ(5)で前記ワイヤー(6)を巻き取って、前記解体重機(1)を建物(20)の上部に吊り上げて移動させることを特徴とする建物の解体方法。
  11. 請求項10に記載される建物の解体方法であって、
    前記解体重機(1)に、走行ベース(7)に水平面内で回転できるように連結してなる回転ベース(9)を備える重機を使用し、
    前記吊上ウインチ(5)を前記回転ベース(9)に装備することを特徴とする建物の解体方法。
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