以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の遊技機の一実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。
[パチンコ遊技機1の概略構成例]
まず、図1〜図3を参照しつつ、パチンコ遊技機1の概略構成について説明する。ここで、図1は、パチンコ遊技機1の概略正面図である。図2は、パチンコ遊技機1の一部を示す平面図である。図3は、図1における表示器4の拡大図である。
図1に例示されるように、パチンコ遊技機1は、入賞や判定に関する役物等が設けられた遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材3とを備えている。枠部材3は、遊技盤2と所定の間隔を隔てて平行配置された透明なガラス板を支持しており、このガラス板と遊技盤2とによって、遊技球が流下可能な遊技領域10が形成されている。
パチンコ遊技機1は、上皿28と、上皿28の下方に設けられた下皿29とを備えている。上皿28は、発射装置(不図示)へ供給される遊技球及び賞球を溜めるものである。下皿29は、パチンコ遊技機1から払い出された賞球としての遊技球を溜めるものである。この下皿29には取り出しボタン23が近接配置されており、取り出しボタン23を遊技者が操作すると、下皿29の下面の一部が開口されて、下皿29に溜まった遊技球が下皿29の下方に配置された不図示の箱に落下する。なお、他の実施形態では、上皿28及び下皿29が1つの皿で構成されてもよい。
パチンコ遊技機1では、遊技者がハンドル20を握ってレバー21を時計方向に回転させると、上皿28から発射装置へと案内された遊技球がレバー21の回転角度に応じた打球力で遊技領域10における上部位置へと発射される。遊技領域10には、不図示の遊技クギや風車等が設けられており、発射された遊技球は、遊技クギや風車等に接触することでその移動方向を変化させながら遊技盤2に沿って落下する。なお、遊技球の発射は、遊技者が停止ボタン22を操作することによって一時的に停止される。
遊技者がレバー21を小さい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「左打ち」を行うと、遊技球が相対的に弱い打球力で発射装置から発射される。この場合、遊技球は、矢印31に例示されるように遊技領域10における左側領域を流下する。一方、遊技者がレバー21を大きい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「右打ち」を行うと、遊技球が相対的に強い打球力で発射装置から発射される。この場合、遊技球は、矢印32に例示されるように遊技領域10における右側領域を流下する。
左打ちされた遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、第1始動口11、第2始動口12、2つの普通入賞口14、及び電動チューリップ17が設けられている。また、右打ちされた遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、上記第2始動口12、第1大入賞口13、2つの普通入賞口14、ゲート16、上記電動チューリップ17、及び第2大入賞口19が設けられている。
遊技領域10に打ち出された遊技球は、遊技盤2に沿って流下する過程で、第1始動口11、第2始動口12、第1大入賞口13、普通入賞口14、及び第2大入賞口19のいずれかに入球して入賞し得る。これにより、入賞した箇所に応じた所定数の賞球が上皿28又は下皿29に払い出される。なお、入賞しなかった遊技球は、排出口18を介して遊技領域10から排出される。
第1始動口11は、常時開放されている始動口であり、第2始動口12は、普通電動役物としての電動チューリップ17が作動しているときだけ開放される始動口である。パチンコ遊技機1では、遊技球が第1始動口11を通過して入賞した場合、又は遊技球が第2始動口12を通過して入賞した場合、遊技者にとって有利な大当たり遊技(特別遊技)を実行するか否かが判定され、その判定結果が後述する表示器4に表示される。
なお、以下の説明では、第1始動口11への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第1特別図柄判定」と呼び、第2始動口12への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第2特別図柄判定」と呼び、これらの判定を総称して「特別図柄判定」と呼ぶものとする。
第1大入賞口13は、特別図柄判定の結果に応じて開放される。この第1大入賞口13の開口部には、第1大入賞口13を開閉するプレートが設けられている。第1大入賞口13は、通常はこのプレートによって閉塞されている。これに対して、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す所定の大当たり図柄が表示器4に停止表示された場合、上記プレートを作動させて第1大入賞口13を開放する大当たり遊技が実行される。大当たり遊技中は、所定条件(本実施形態では、第1大入賞口13への9個の遊技球の入賞、又は第1大入賞口13が開放されてから29.5秒の経過)を満たすまで第1大入賞口13が開放状態に維持されてから閉塞されるラウンド遊技が所定回数実行される。このため、遊技者は、大当たり遊技中に右打ちを行うことで、大当たり遊技が行われていないときに比べてより多くの賞球を得ることができる。
第2大入賞口19は、特別図柄判定の結果に応じて開放される。この第2大入賞口19の開口部には、図1及び図4に例示されるように、第2大入賞口19を開閉する第1羽根部材191が設けられている。後に詳述するが、大当たり遊技中は、上述した第1大入賞口13を開放するラウンド遊技に続いて、第2大入賞口19を短開放する短開放ラウンド遊技、又は第2大入賞口19を長開放する長開放ラウンド遊技が実行される。
短開放ラウンド遊技では、例えば第2大入賞口19が開放されてから0.1秒が経過するといった所定条件が満たされるまで、第2大入賞口19が開放状態に維持されてから閉塞される。一方の長開放ラウンド遊技では、例えば、第2大入賞口19が開放されてから29.5秒が経過するか、又は第2大入賞口19に9個の遊技球が入賞するといった所定条件が満たされるまで、第2大入賞口19が開放状態に維持されてから閉塞される。
電動チューリップ17は、第2始動口12に近接配置されており、一対の羽根部材を有している。この電動チューリップ17は、一対の羽根部材が第2始動口12を閉塞する閉姿勢(図1の実線を参照)と、第2始動口12を開放する開姿勢(図1の破線を参照)とに姿勢変化可能に構成されている。
第2始動口12は、図1に例示されるように、通常は電動チューリップ17によって閉塞されている。これに対して、遊技球がゲート16を通過すると、賞球の払い出しは行われないものの、第2始動口12を開放するか否かが判定される。ここで、第2始動口12を開放すると判定された場合、電動チューリップ17の一対の羽根部材が規定時間開姿勢を維持した後に閉姿勢に戻る動作が規定回数行われる。このように、第2始動口12は、電動チューリップ17が作動していないときには遊技球が通過し難い状態であるのに対して、電動チューリップ17が作動することによって遊技球が通過し易い状態となる。なお、以下の説明では、ゲート16に対する遊技球の通過を条件として実行される判定を「普通図柄判定」と呼ぶものとする。
普通入賞口14は、第1始動口11と同様に常時開放されており、遊技球の入賞によって所定個数の賞球が払い出される入賞口である。なお、第1始動口11等とは異なり、普通入賞口14に遊技球が入賞しても判定が行われることはない。
[パチンコ遊技機1の演出手段の構成例]
図1に例示されるように、遊技盤2又は枠部材3には、各種の演出を行うものとして、液晶表示装置5、スピーカ24、盤ランプ25、センターランプ30等が設けられている。また、図1には示されていないが、遊技盤2には、第1演出役物71〜第3演出役物73(図19参照)が設けられており、枠部材3には、枠ランプ37(図19参照)が内蔵されている。
液晶表示装置5は、演出画像を表示する画像表示装置であり、液晶表示装置5の表示画面は、遊技者によって視認され易い位置に設けられている。この表示画面には、例えば、特別図柄判定の判定結果を報知する装飾図柄、予告演出などを行うキャラクタやアイテム、特別図柄判定が保留されている数だけ表示される保留表示画像(保留アイコン)等の各種表示オブジェクトを含む演出画像が表示される。なお、画像表示装置は、EL表示装置等の他の画像表示装置によって構成されてもよい。
スピーカ24は、液晶表示装置5で行われる表示演出と同期するように、或いは非同期に、楽曲や音声、効果音等の演出音を出力して音による演出を行う。
第1演出役物71〜第3演出役物73は、それぞれ、遊技盤2に対して可動に構成されており、各演出役物71〜73自体の動きと光との両方或いは一方によって各種の演出を行う。
盤ランプ25及び枠ランプ37は、点灯又は点滅のパターンの変更、発光色の変更等の光による各種の演出を行う。
[パチンコ遊技機1の操作手段の構成例]
図2に例示されるように、枠部材3には、遊技者が操作する操作手段として、演出ボタン26及び演出キー27が設けられている。演出ボタン26は、遊技者が押下することによって操作情報を入力するための押ボタンである。演出ボタン26は、その上面が枠部材3の上面と略同じ高さにある通常位置と、その上面が枠部材3の上面に対して所定の高さ(例えば10センチ)だけ上方に突出した突出位置との間でその高さを変更可能に構成されている。なお、演出ボタン26は、通常位置と突出位置との間におけるどの高さにあっても押下が可能である。
演出キー27は、遊技者が選択操作を行うためのいわゆる十字キーであり、上を指示するための上キーと、下を指示するための下キーと、左を指示するための左キーと、右を指示するための右キーとから構成されている。パチンコ遊技機1では、演出ボタン26又は演出キー27の操作に応じた演出が行われる場合がある。また、演出ボタン26や演出キー27は、各種の設定操作にも使用される。
[表示器4の構成例]
図4は、図1における表示器4の拡大図である。表示器4は、主に特別図柄判定や普通図柄判定に関する情報を表示するものであり、図4に例示されるように、第1特別図柄表示器41、第2特別図柄表示器42、第1特別図柄保留表示器43、第2特別図柄保留表示器44、普通図柄表示器45、普通図柄保留表示器46、遊技状態表示器47、ラウンド表示器48等を有して構成されている。
第1特別図柄表示器41は、第1特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第1特別図柄判定の判定結果を示す図柄を停止表示することによって第1特別図柄判定の判定結果を報知する。第2特別図柄表示器42は、第2特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第2特別図柄判定の判定結果を示す図柄を停止表示することによって第2特別図柄判定の判定結果を報知する。第1特別図柄表示器41及び第2特別図柄表示器42には、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す大当たり図柄、又は特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを示すハズレ図柄が停止表示される。
第1特別図柄保留表示器43は、第1特別図柄判定の保留数を表示する。第2特別図柄保留表示器44は、第2特別図柄判定の保留数を表示する。
普通図柄表示器45は、普通図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから普通図柄判定の判定結果を示す図柄を停止表示することによって普通図柄判定の判定結果を報知する。普通図柄保留表示器46は、普通図柄判定の保留数を表示する。遊技状態表示器47は、パチンコ遊技機1の電源投入時点における遊技状態を表示する。ラウンド表示器48は、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に大当たり図柄が停止表示されると、大当たり遊技中における第1大入賞口13及び第2大入賞口19の開放パターンを表示する。
なお、以下の説明では、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に表示される図柄を「特別図柄」と呼び、普通図柄表示器45に表示される図柄を「普通図柄」と呼ぶものとする。
[第2大入賞口19の内部構成例]
図4は、第2大入賞口19の構成例について説明するための概略図である。図1及び図4に例示されるように、第2大入賞口19の開口部には、第2大入賞口19を開閉する第1羽根部材191が設けられている。第2大入賞口19は、通常はこの第1羽根部材191によって閉塞されている。これに対して、大当たり遊技中の所定ラウンドにおいて、第1羽根部材191を動作させて第2大入賞口19を短開放する短開放ラウンド遊技、又は第1羽根部材191を動作させて第2大入賞口19を長開放する長開放ラウンド遊技が行われる。
また、第2大入賞口19の内部には、第2大入賞口スイッチ116、V入賞口スイッチ117、排出スイッチ118、第2羽根部材192等が設けられている。
第2大入賞口スイッチ116は、第2大入賞口19に入賞した遊技球を検知するものである。V入賞口スイッチ117は、V領域195への遊技球の進入を検知するものである。排出スイッチ118は、ハズレ領域196への遊技球の進入を検知するものである。第2羽根部材192は、第2大入賞口スイッチ116を通過した遊技球をV領域195またはハズレ領域196へと案内するものである。
大当たり遊技が行われていないときには、第2大入賞口19が第1羽根部材191によって閉塞されると共に、V領域195が第2羽根部材192によって閉塞されている(図4(A)参照)。これに対して、大当たり遊技が開始されて第1大入賞口13を開放する所定回数のラウンド遊技が行われた後に、まず、第1羽根部材191が回動して第2大入賞口19が開放される(図4(B)参照)。これにより、第2大入賞口19が、遊技球が進入し難い進入困難状態から進入し易い進入容易状態へと一時的に変化する。図4(B)に示される状態では、V領域195が第2羽根部材192によって閉塞されている。このため、第2大入賞口19内に進入した遊技球は、第2羽根部材192によってハズレ領域196へと案内される。
これに対して、第2大入賞口19の開放開始から所定時間(例えば3秒)が経過すると、第2羽根部材192が設定時間(例えば10秒)だけV領域195を開放した開姿勢(図4(C)参照)を維持した後にV領域195を閉塞する閉姿勢(図4(B)参照)に戻る。このため、第2大入賞口19が第1羽根部材191によって開放されると共にV領域195が第2羽根部材192によって開放されている間に、遊技球のV領域195への進入(以下「V入賞」ともいう。)が可能となる。
このように、本実施形態では、V領域195は、第1羽根部材191及び第2羽根部材192の両方が同時期に動作することによって、V領域195に対して遊技球が通過し難い通過困難状態から通過し易い通過容易状態へと一時的に変化する。
図4に例示されるように、V領域195に進入する遊技球は、V入賞口スイッチ117によって検知される。このV入賞口スイッチ117は、確変スイッチとしての機能を有している。このため、第2大入賞口19に入賞した遊技球がこのV入賞口スイッチ117によって検知されると、大当たり遊技が終了した後に、大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に低い低確率状態からその確率が相対的に高い高確率状態へと移行する。また、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、この高確率状態への移行に伴い、第2始動口12に遊技球が入賞し易くなるいわゆる電チューサポート機能が付与される。
なお、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、V領域195への遊技球の進入が困難な動作態様で第1羽根部材191及び第2羽根部材192を動作させる「短開放当たり」と、V領域195への遊技球の進入が容易な動作態様で第1羽根部材191及び第2羽根部材192を動作させる「長開放当たり」との2種類の大当たりが用意されており、基本的には、後者の大当たりに当選した場合にのみ、上述した高確率状態への移行が可能となる。
また、ハズレ領域196に進入する遊技球は、排出スイッチ118によって検知される。この排出スイッチ118を通過した遊技球は、必ずハズレ領域196を通過する。
なお、他の実施形態では、V入賞口スイッチ117がV領域195の下流或いはV領域195内に設けられていてもよいし、排出スイッチ118がハズレ領域196の下流或いはハズレ領域196内に設けられていてもよい。
ここまで、図1〜図4に基づいてパチンコ遊技機1の構成について説明したが、図1〜図4に示す構成は単なる一例であって、他の構成であってもよい。例えば、第2羽根部材192に代えて、V領域195を閉塞する位置とV領域195を開放する位置との間でスライド可能なスライド部材を設けるといった構成変更が一例として挙げられる。
[遊技の流れについて]
図5は、遊技の流れについて説明するための説明図である。図5に例示されるように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1は、「通常遊技状態」、「確変遊技状態」、又は「時短遊技状態」で遊技が制御される。
「通常遊技状態」は、大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に低い低確率状態で特別図柄判定が行われると共に、電チューサポート機能が付与されない通常の遊技状態である。すなわち、通常遊技状態では、特別図柄判定によって大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に低い確率(例えば1/399)に設定される。また、普通図柄判定によって第2始動口12を開放すると判定される確率が相対的に低い確率(例えば1/12)に設定され、普通図柄の変動時間が相対的に長い時間(例えば25秒)に設定され、且つ第2始動口12を開放すると判定された場合の第2始動口12の開放時間が相対的に短い時間(例えば0.1秒×1回)に設定される。
「確変遊技状態」は、大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に高い高確率状態で特別図柄判定が行われると共に、電チューサポート機能が付与される遊技状態である。すなわち、確変遊技状態では、特別図柄判定によって大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に高い確率(例えば1/110)に設定される。また、普通図柄判定によって第2始動口12を開放すると判定される確率が相対的に高い確率(例えば12/12)に設定され、普通図柄の変動時間が相対的に短い時間(例えば2秒)に設定され、且つ第2始動口12を開放すると判定された場合の第2始動口12の開放時間が相対的に長い時間(例えば1.6秒×3回)に設定される。
「時短遊技状態」は、上述した低確率状態で特別図柄判定が行われると共に、電チューサポート機能が付与される遊技状態である。すなわち、時短遊技状態では、特別図柄判定によって大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に低い確率(例えば1/399)に設定される。また、普通図柄判定によって第2始動口12を開放すると判定される確率が相対的に高い確率(例えば12/12)に設定され、普通図柄の変動時間が相対的に短い時間(例えば2秒)に設定され、且つ第2始動口12を開放すると判定された場合の第2始動口12の開放時間が相対的に長い時間(例えば1.6秒×3回)に設定される。
なお、以下の説明では、電チューサポート機能が付与されていることによって第2始動口12への遊技球の入賞が容易な状態を「高ベース状態」と呼び、電チューサポート機能が付与されていないことによって第2始動口12への遊技球の入賞が容易ではない状態を「低ベース状態」と呼ぶものとする。
遊技者が右打ちした遊技球は、第1始動口11及び第2始動口12のうち、基本的には、第2始動口12にしか入賞しない。そして、低ベース状態のときには、高ベース状態のときに比べて第2始動口12に遊技球が入賞し難くなっており、第1始動口11の方が第2始動口12よりも遊技球が入賞し易くなっている。このため、低ベース状態(通常遊技状態がこれに該当する)で遊技が制御されているときには、遊技者は、第1始動口11を狙った左打ちにより遊技を行うことになる。
これに対して、通常遊技状態のときに第1始動口11に遊技球が入賞すると、第1特別図柄判定が実行され、第1特別図柄表示器41において特別図柄が変動表示されてから第1特別図柄判定の判定結果を示す特別図柄が停止表示される。その際、大当たり遊技を実行しないと判定された場合には、ハズレ図柄が停止表示される。一方、大当たり遊技を実行すると判定された場合には、大当たり図柄が停止表示される。
上述した短開放当たりを示す大当たり図柄が第1特別図柄表示器41に停止表示された場合(図5(A)参照)、大当たり遊技中における所定ラウンドにおいて第2大入賞口19を短開放する短開放ラウンド遊技が行われる。この短開放ラウンド遊技が行われる場合、基本的には遊技球がV入賞口スイッチ117を通過してV領域195に進入することはないため、大当たり遊技が終了した後は、特別図柄判定が例えば100回行われるまでの間、時短遊技状態で遊技が制御されることになる(図5(B)参照)。
一方、上述した長開放当たりを示す大当たり図柄が第1特別図柄表示器41に停止表示された場合(図5(C)参照)、大当たり遊技中における所定ラウンドにおいて第2大入賞口19を長開放する長開放ラウンド遊技が行われる。この長開放ラウンド遊技が行われる場合、遊技者は、遊技球をV領域195に容易に進入させることが可能である。このため、遊技球がV入賞口スイッチ117を通過(V入賞)してV領域195に進入すると、大当たり遊技が終了した後は、特別図柄判定が例えば160回行われるまでの間、確変遊技状態で遊技が制御されることになる(図5(D)参照)。
なお、長開放ラウンド遊技中に遊技球がV入賞口スイッチ117を通過(V入賞)しなかった場合には、大当たり遊技が終了した後は、時短遊技状態で遊技が制御されることになる(図5(E)参照)。
このように、遊技状態が通常遊技状態から確変遊技状態(又は時短遊技状態)に移行した場合、すなわち、低ベース状態から高ベース状態に移行した場合、第1始動口11よりも第2始動口12の方が、遊技球が入賞し易くなる。このため、高ベース状態(確変遊技状態と時短遊技状態がこれに該当する)で遊技が制御されているときには、遊技者は、第2始動口12を狙った右打ちにより遊技を行うことになる。
確変遊技状態のときに遊技球がゲート16を通過すると、普通図柄判定が行われる。上述したように、確変遊技状態における普通図柄判定では、12/12の割合で第2始動口12を開放すると判定され、その上、第2始動口12の開放時間が相対的に長い(本実施形態では1.6秒×3回)。このため、遊技領域10の右側領域に打ち出された遊技球が第2始動口12に容易に入賞して、高確率状態で第2特別図柄判定が行われることになる。このため、確変遊技状態においては、通常遊技状態のときに比べて、大当たりを容易に引き当て易い。
右打ちされた遊技球が第2始動口12に入賞すると、第2特別図柄判定が行われ、第2特別図柄表示器42に特別図柄が変動表示された後にその第2特別図柄判定の判定結果を示す特別図柄が停止表示される。ここで、第2特別図柄判定によって大当たり遊技を実行しないと判定された場合には、ハズレ図柄が停止表示される。一方、大当たり遊技を実行すると判定された場合には、長開放当たりを示す大当たり図柄が第2特別図柄表示器42に停止表示され(図5(F)参照)、長開放ラウンド遊技中のV入賞を条件として、大当たり遊技終了後は、再び確変遊技状態で遊技が制御されることになる。
一方、確変遊技状態に移行してから160回の第2特別図柄判定(又は第1特別図柄判定)が行われても1度も大当たり遊技を実行すると判定されなかった場合には、160回目の特別図柄判定の判定結果を示す特別図柄が停止表示された後に、遊技状態が確変遊技状態から通常遊技状態に戻されることになる(図5(G)参照)。
大当たり遊技が終了した後に時短遊技状態に移行した場合、確変遊技状態と同様に高ベース状態であるため、遊技者は、第2始動口12を狙った右打ちにより遊技を行うことになる。右打ちされた遊技球が第2始動口12に入賞すると、第2特別図柄判定が行われ、第2特別図柄表示器42に特別図柄が変動表示された後にその第2特別図柄判定の判定結果を示す特別図柄が停止表示される。ここで、大当たり遊技を実行すると判定された場合には、長開放当たりを示す大当たり図柄が第2特別図柄表示器42に停止表示され(図5(H)参照)、長開放ラウンド遊技中のV入賞を条件として、大当たり遊技終了後は、確変遊技状態で遊技が制御されることになる。一方、100回の特別図柄判定(主には第2特別図柄判定)が行われても1度も大当たり遊技を実行すると判定されなかった場合、100回目の特別図柄判定の判定結果を示す特別図柄が停止表示された後に、遊技状態が時短遊技状態から通常遊技状態に戻されることになる(図5(I)参照)。
[各種演出の説明]
以下、本実施形態におけるパチンコ遊技機1で行われる各種の演出について説明する。
(変動演出)
パチンコ遊技機1では、第1始動口11(又は第2始動口12)に遊技球が入賞すると、大当たり遊技を実行するか否かを判定する特別図柄判定が行われる。そして、第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)において、特別図柄が、変動表示された後に特別図柄判定の判定結果を示す態様(大当たり図柄又はハズレ図柄)で停止表示される。一方、液晶表示装置5の表示画面では、特別図柄が変動されるのに伴って装飾図柄51を変動表示させる変動演出が行われる。変動表示された装飾図柄51は、特別図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)が停止表示されたことに応じて特別図柄判定の判定結果(大当たり、又はハズレ)を示す態様で停止表示される。
具体的には、表示画面には、例えば、1〜9の数字が縦方向に連続して記された数列からなる装飾図柄51が3列(左列、中列、および右列)表示されている。特別図柄の変動表示が開始されると、左列の装飾図柄51である左図柄、中列の装飾図柄51である中図柄、および右列の装飾図柄51である右図柄が、例えば上から下へとスクロールするように変動表示される。その後、特別図柄が停止表示されたことに応じて、有効ライン上(例えば横一本)に左図柄、中図柄、及び右図柄が停止表示されて、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であるか「ハズレ」であるかが報知される。例えば、第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)において大当たり図柄が停止表示されたことに応じて、左図柄、中図柄、及び右図柄として同一の図柄が有効ライン上に停止して、「大当たり」が報知される。一方、例えば、第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)においてハズレ図柄が停止表示されたことに応じて、左図柄、中図柄、および右図柄としてゾロ目とはならない3つの図柄が有効ライン上に停止して、「ハズレ」が報知される。
なお、このような変動演出中には、全ての装飾図柄51が停止するのに先立ち、まず、左図柄、中図柄、及び右図柄のうち1列以上の装飾図柄51が有効ライン上に仮停止する。ここで、仮停止とは、装飾図柄51が完全には停止していない状態(例えば、有効ライン上で上下方向に揺れるように微動している状態)であり、特別図柄も変動している状態である。
(疑似連続演出)
特別図柄の1回の変動表示中に、装飾図柄51が仮停止した後に、再び変動(疑似変動)する疑似連続演出が行われる場合がある。
本実施形態では、疑似連続演出は、例えば1回〜3回行われ得る。疑似連続演出の回数が多い程、大当たりに対する信頼度が高い。例えば、疑似連続演出が2回行われた場合よりも、疑似連続演出が3回行われた場合の方が、大当たりに対する信頼度は高い。ここで、信頼度とは、その後に大当たりとなる可能性(確率)を示す。特別図柄の1回の変動表示中に疑似連続演出が複数回繰り返されることにより、遊技者に、特別図柄判定があたかも複数回行われたかのような印象を与えたり、今回の変動が継続して大当たりになるかもしれないといった期待を抱かせたりできる。
なお、他の実施形態では、疑似連続演出が実行されることを示す図柄(疑似連図柄)を有効ライン上に表示させた後に装飾図柄51を再度変動させることにより、疑似連続演出を行ってもよい。
(リーチ演出)
また、装飾図柄51の変動演出中には、いわゆるリーチ演出が行われる場合がある。具体的には、全ての装飾図柄51が停止するのに先立ち、例えば、左図柄および右図柄として同一の図柄が有効ライン上に仮停止し、中図柄が変動する状態になる場合がある。2つの同一の図柄が仮停止することにより、リーチが成立する。リーチ成立後、変動表示中の中図柄が、仮停止した左図柄および右図柄と同一の図柄で停止するのではないかという期待感を遊技者に与えるリーチ演出が行われる。
なお、変動演出中に左図柄および右図柄として相異なる図柄が仮停止した場合には、リーチ成立とはならない。リーチが成立しない場合、リーチ演出は行われない。しかしながら、リーチ成立とならなかった場合でも、上述した疑似連続演出が行われることによって仮停止した装飾図柄51が再変動する場合がある。そして、このような疑似連続演出が複数回行われた後に、リーチが成立し、リーチ演出が行われることもある。
本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、特別図柄の変動表示に伴って行われるリーチ演出として、ノーマルリーチ演出、SPリーチ演出、及びSPSPリーチ演出の3種類が用意されている。これらのリーチ演出は、大当たりに対する信頼度がそれぞれ異なる。
ノーマルリーチ演出は、SPリーチ演出およびSPSPリーチ演出よりも大当たりに対する信頼度が相対的に低いリーチ演出である。ノーマルリーチ演出は、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」の場合よりも「ハズレ」の場合の方が選択され易いリーチ演出である。ノーマルリーチ演出が行われた場合は、例えば、大当たりとなる確率が0.1%に予め設定されてもよい。
SPリーチ演出は、ノーマルリーチ演出よりも信頼度が相対的に高く、SPSPリーチ演出よりも信頼度が相対的に低いリーチ演出である。SPリーチ演出が行われた場合は、例えば、大当たりとなる確率が30%に予め設定されてもよい。なお、リーチ成立前の予告演出を経由してSPリーチ演出が行われてもよいし、リーチが成立した後のノーマルリーチ演出が行われている途中や、ノーマルリーチ演出の終盤において「ハズレ」の態様で装飾図柄51が停止(仮停止)した後に装飾図柄51(中図柄)を再変動させ、SPリーチ演出に発展してもよい。また、上述した疑似連続演出を経由してSPリーチ演出が行われてもよい。
SPSPリーチ演出は、ノーマルリーチ演出およびSPリーチ演出よりも信頼度が相対的に高いリーチ演出である。SPSPリーチ演出が行われた場合は、例えば、大当たりとなる確率が50%に予め設定されてもよい。なお、リーチ成立前の予告演出を経由してSPSPリーチ演出が行われてもよいし、リーチが成立した後のノーマルリーチ演出(又はSPリーチ演出)が行われている途中や、ノーマルリーチ演出(又はSPリーチ演出)の終盤において「ハズレ」の態様で装飾図柄51が停止(仮停止)した後に、SPSPリーチ演出に発展してもよい。また、上述した疑似連続演出を経由してSPSPリーチ演出が行われてもよい。
[第1演出役物71の動作態様]
次に、図6を参照しつつ、第1演出役物71の動作態様について説明する。図6は、第1演出役物71の動作態様の一例を示す説明図である。
図6(A)に例示するように、第1演出役物71は、動作していないときは遊技者が視認出来ない(又は視認し難い)位置に格納されている。具体的には、例えば、液晶表示装置5の表示画面の周囲を覆う部材(装飾が施された部材)が表示画面を囲むように設けられており、第1演出役物71は、当該部材と表示画面との間である表示画面の左上方に格納されている(図6(A)参照)。以下、この格納状態にある第1演出役物71の位置を格納位置という。
ここで、第1演出役物71は、上下方向にスライド可能に設けられている。そして、第1演出役物71を動作させるタイミングとなると、第1演出役物71は、例えば、モータなどの駆動力によって格納位置から下方向に展開して(図6(B)参照)、表示画面の前面に出現する(図6(C)参照)。以下、この出現状態(図6(C)参照)にある第1演出役物71の位置を進出位置という。進出位置において、第1演出役物71は、ロボットの上肢を模した形状に形成される。
その後、第1演出役物71を格納位置へ復帰させるタイミングとなると、第1演出役物71は、例えばモータなどの駆動力によって進出位置から格納位置まで復帰する。
なお、他の実施形態では、第1演出役物71は、動作していないときにその一部又は全部を遊技者が視認可能な位置に配置されてもよい。例えば、表示画面の前面左上方に、表示画面に表示される演出画像の視認性を極力低下させないように配置されてもよい。この場合、第1演出役物71が動作していないときでも、第1演出役物71の表面に所定の装飾を施しておいたり、第1演出役物71に内蔵されているLED等の発光素子(不図示)を所定の発光パターンで発光させたりすることにより、遊技の興趣性を向上させることができる。
[第1演出役物71による動作演出]
以下、図7を参照しつつ、第1演出役物71による動作演出について説明する。図7は、第1演出役物71の背景として液晶表示装置5の表示画面に表示される動作演出用の背景画像を例示する画面図である。
本実施形態では、特別図柄の変動表示中に、動作演出が行われる場合がある。動作演出は、第1演出役物71が格納位置(図6(A)参照)から進出位置(図6(C)参照)まで動作すると共に、第1演出役物71の背景として図7に例示される背景画像が表示画面に表示される演出である。本実施形態では、疑似連確定動作演出、発展確定動作演出、及び当たり確定動作演出の3種類の動作演出が用意されている。なお、本実施形態では、各動作演出用の背景画像として、それぞれの動作演出(疑似連確定動作演出、発展確定動作演出、及び当たり確定動作演出)に対して1種類ずつ背景画像が用意されている(図7参照)。
(疑似連確定動作演出)
ここで、疑似連確定動作演出は、疑似連続演出が行われること(装飾図柄51を用いた次の疑似変動が開始されること)を報知する動作演出である。疑似連確定動作演出では、第1演出役物71が格納位置から進出位置まで動作すると共に、第1演出役物71の背景として疑似連確定報知画像(図7(A)参照)が表示画面に表示される。疑似連確定報知画像が表示されると共に第1演出役物71が表示画面の前面に進出することで、疑似連確定報知画像は、第1演出役物71の周囲をハイライトする背景となる。なお、本実施形態では、第1演出役物71を、格納位置から進出位置に進出させる疑似連確定用動作パターンが1種類用意されている。
本実施形態では、疑似連続演出が行われる場合、装飾図柄51が「ハズレ」を示す態様で有効ライン上に仮停止された後、疑似連確定動作演出が行われる場合がある。疑似連確定動作演出が行われると、第1演出役物71が進出位置まで動作すると共に、疑似連確定報知画像が表示される。これにより、遊技者は、次の疑似連続演出が行われることを認識し、大当たりに対する期待を抱くことが可能となる。
なお、本実施形態では、疑似連確定動作演出が行われない場合であっても、疑似連続演出が行われることがある。
(発展確定動作演出)
発展確定動作演出は、リーチ演出の発展を報知する動作演出である。すなわち、発展確定動作演出は、あるリーチ演出からより信頼度の高い別のリーチ演出に発展することを報知する動作演出である。発展確定動作演出では、第1演出役物71が格納位置から進出位置まで動作すると共に、第1演出役物71の背景として発展確定報知画像(図7(B)参照)が表示画面に表示される。発展確定報知画像が表示されると共に第1演出役物71が表示画面の前面に進出することで、発展確定報知画像は第1演出役物71の背景となる。発展確定報知画像は、疑似連確定報知画像(図7(A)参照)と異なる画像であるため、第1演出役物71が上記疑似連確定動作演出と同様に進出位置に出現しても、その背景によって疑似連確定動作演出とは異なる演出であることを遊技者に認識させることができる。なお、本実施形態では、第1演出役物71を、格納位置から進出位置に進出させる発展確定用動作パターンが1種類用意されている。
本実施形態では、リーチ演出が発展する場合、リーチ演出が行われている途中やリーチ演出の終盤で、発展確定動作演出が行われる場合がある。発展確定動作演出が行われると、第1演出役物71が進出位置まで動作すると共に、発展確定報知画像が表示される。これにより、遊技者は、実行されていたリーチ演出より信頼度が相対的に高い別のリーチ演出が開始されることを容易に認識することが可能となり、大当たりに対する期待を高めながら遊技を楽しむことが可能となる。
なお、本実施形態では、発展確定動作演出が行われない場合であっても、リーチ演出が発展することがある。
(当たり確定動作演出)
当たり確定動作演出は、大当たり確定であることを示す動作演出である。すなわち、当たり確定動作演出が行われた後に、装飾図柄51は、「大当たり」を示す態様で停止(仮停止)し、特別図柄(大当たり図柄)が停止表示されたことに応じて停止する。当たり確定動作演出では、第1演出役物71が格納位置から進出位置まで動作すると共に、第1演出役物71の背景として当たり確定報知画像(図7(C)参照)が表示画面に表示される。当たり確定報知画像が表示されると共に第1演出役物71が表示画面の前面に進出することで、当たり確定報知画像は、第1演出役物71の周辺を彩る背景となる。当たり確定報知画像は、疑似連確定報知画像(図7(A)参照)および発展確定報知画像(図7(B)参照)とは異なる画像である。このため、第1演出役物71が上記疑似連確定動作演出および上記発展確定動作演出と同様に進出位置に出現しても、その背景によって、疑似連確定動作演出および発展確定動作演出とは異なる演出であることを遊技者に認識させることができる。なお、本実施形態では、第1演出役物71を、格納位置から進出位置に進出させる当たり確定用動作パターンが1種類用意されている。
本実施形態では、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」の場合、大当たり報知前に、当たり確定動作演出が行われる場合がある。当たり確定動作演出が行われると、第1演出役物71が進出位置まで動作すると共に、当たり確定報知画像が表示される。これにより、遊技者は、大当たり確定であることを認識し、大当たり遊技の実行を心待ちにしながら当たり確定動作演出後に行われる演出を楽しむことが可能となる。
[動作演出の具体例]
次に、図8を参照しつつ、動作演出の具体例について説明する。図8は、動作演出の具体例について説明するための説明図である。
図8(A)に例示されるように、特別図柄判定が実行されると、特別図柄の変動表示が開始されると共に、装飾図柄51の変動表示が開始される(図8(A)参照)。次に、例えば、装飾図柄51が「ハズレ」を示す態様で有効ライン上に仮停止された後(図8(B)参照)、疑似連確定動作演出が行われて、第1演出役物71が進出位置まで動作すると共に、疑似連確定報知画像が表示される(図8(C)参照)。これにより、疑似連続演出が行われることが報知される。
その後、疑似連確定動作演出の終了に伴い、第1演出役物71が進出位置から格納位置に復帰すると共に表示画面から疑似連確定報知画像が消去される。そして、表示画面右下に小さく表示されていた装飾図柄51が、再変動(疑似変動)した状態で表示画面中央に大きく表示される(図8(D)参照)。
なお、図8(C)に示す疑似連確定動作演出の開始に伴って装飾図柄51の再変動(疑似変動)を開始させてもよいし、疑似連確定動作演出の実行中に装飾図柄51の再変動(疑似変動)を開始させてもよい。また、疑似連確定動作演出の実行中には装飾図柄51を「ハズレ」の態様で仮停止させ、図8(D)に示す疑似連確定動作演出の終了に伴って(又は終了と共に)装飾図柄51の再変動(疑似変動)を開始させてもよい。
装飾図柄51の再変動(疑似変動)後、例えば、リーチが成立し(図8(E)参照)、SPリーチ演出が行われる(図8(F)参照)。ここで、SPリーチ演出は、リーチ成立前の予告演出(例えば、疑似連続演出)を経由して行われてもよいし、リーチが成立した後のノーマルリーチ演出が行われている途中や、ノーマルリーチ演出の終盤において「ハズレ」の態様で装飾図柄51が停止(仮停止)した後に行われてもよい。
そして、SPリーチ演出が行われている途中や、SPリーチ演出の終盤において「ハズレ」の態様で装飾図柄51が停止(仮停止)した後、発展確定動作演出が行われる(図8(G)参照)。
発展確定動作演出が行われると、第1演出役物71が進出位置まで動作すると共に、発展確定報知画像が表示される(図8(G)参照)。これにより、SPリーチ演出からそれよりも信頼度の高いSPSPリーチ演出に発展することが報知される。
ここで、疑似連確定動作演出および発展確定動作演出における第1演出役物71の動作態様は異なる場合もあるし、同じ場合もある。第1演出役物71の動作態様が異なる場合には、この動作態様の違いにより、疑似連続演出が行われることと、SPSPリーチ演出に発展することとを区別して報知できる。一方、第1演出役物71の動作態様が同じ場合には、第1演出役物71の背景として表示される背景画像(疑似連確定報知画像、発展確定報知画像)が異なることにより、疑似連続演出が行われることと、SPSPリーチ演出に発展することとを区別して報知できる。
その後、発展確定動作演出の終了に伴い、第1演出役物71が進出位置から格納位置に復帰すると共に表示画面から発展確定報知画像が消去され、SPSPリーチ演出が実行される(図8(H)参照)。
なお、図8(G)に示す発展確定動作演出の開始に伴って装飾図柄51(中図柄)を再変動させ、これに応じてSPSPリーチ演出を実行させてもよい。また、発展確定動作演出の実行中に装飾図柄51(中図柄)を再変動させ、これに応じてSPSPリーチ演出を実行させてもよい。また、発展確定動作演出の実行中には装飾図柄51を「ハズレ」の態様で仮停止させ、図8(D)に示す発展確定動作演出の終了に伴って装飾図柄51(中図柄)の再変動を開始させ、これに応じてSPSPリーチ演出を実行させてもよい
SPSPリーチ演出が行われた後、例えば、当たり確定動作演出に先立ってボタン押下演出が行われ(図8(I)参照)、演出ボタン26の押下に応じて当たり確定動作演出が行われる(図8(J)参照)。ここで、ボタン押下演出は、遊技者による演出ボタン26の操作が有効となる所定の有効期間の到来に伴って、遊技者に演出ボタン26の押下を促す演出である(図8(I)参照)。ボタン押下演出では、例えば、演出ボタン26を模した演出ボタン画像と、演出ボタン26の押下が有効な有効期間の残り時間を示すゲージ画像と、例えば「押せ!」といった演出ボタン26の押下を促す文言とが表示画面に表示される。
後に詳述するが、予め定められた所定の有効期間中に遊技者によって演出ボタン26が押下された場合には、当該押下に応じて当たり確定動作演出が行われる。一方、予め定められた所定の有効期間中に遊技者によって演出ボタン26が一度も押下されなかった場合には、予め定められた所定の有効期間終了時に当たり確定動作演出が行われる。なお、当たり確定動作演出が行われる際には、ボタン押下演出は終了する。当たり確定動作演出が行われると、第1演出役物71が進出位置(図6(C)参照)まで動作すると共に、当たり確定報知画像が表示画面に表示される(図8(J)参照)。これにより、大当たり確定であることが報知される。
ここで、疑似連確定動作演出、発展確定動作演出、及び当たり確定動作演出における第1演出役物71の動作態様は異なる場合もあるし、同じ場合もある。第1演出役物71の動作態様が異なる場合には、この動作態様の違いにより、疑似連続演出が行われることと、リーチ演出が発展することと、大当たり確定が報知されることとを区別して報知できる。一方、第1演出役物71の動作態様が同じ場合には、第1演出役物71の背景として表示される背景画像(疑似連確定報知画像、発展確定報知画像、当たり確定報知画像)が異なることにより、疑似連続演出が行われることと、リーチ演出が発展することと、大当たり確定が報知されることとを区別して報知できる。
その後、当たり確定動作演出の終了に伴い、第1演出役物71が進出位置から格納位置に復帰すると共に表示画面から当たり確定報知画像が消去される。そして、表示画面右下に小さく表示されていた装飾図柄51が、「大当たり」の態様で仮停止し、表示画面中央に大きく表示される(図8(K)参照)。
なお、装飾図柄51は、図8(J)に示す当たり確定動作演出の開始に伴って「大当たり」の態様で仮停止させてもよいし、当たり確定動作演出の実行中に「大当たり」の態様で仮停止させてもよい。また、図8(K)に示す当たり確定動作演出の終了に伴って「大当たり」の態様で仮停止させてもよい。
その後、第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)に「大当たり」であることを示す大当たり図柄が停止表示されたことに応じて、「大当たり」の態様で仮停止されていた装飾図柄51(図8(K)参照)が停止する(図8(L)参照)。
本実施形態では、疑似連確定動作演出の終了に伴って必ず疑似連続演出が行われる。すなわち、疑似連確定動作演出の実行によって、1回の疑似連続演出が行われること(次の再変動が行われること)が報知される。他の実施形態では、疑似連続演出を実行する前には、疑似連続演出が行われることを報知する疑似連確定演出を必ず実行してもよい。
また、他の実施形態では、演出態様の異なる複数の疑似連確定演出を有してもよく、例えば、1回の疑似連続演出が行われることを報知する第1疑似連確定演出と、3回(3回以外の複数回でもよい)の疑似連続演出が行われることを報知する第2疑似連確定演出とを有してもよい。第1疑似連確定演出では、例えば、所定の演出画像(例えば疑似連確定報知画像(図7(A)参照))が表示画面に表示され、演出役物(第1演出役物71等)は動作しない。第2疑似連確定演出では、所定の演出画像が表示画面に表示されると共に、演出役物が動作する。例えば、3回の疑似連続演出が行われる場合、1回目の疑似連確定演出、2回目の疑似連確定演出、および3回目の疑似連確定演出において、第1疑似連確定演出が行われる。また、3回の疑似連続演出が行われる場合、1回目又は/及び2回目の疑似連確定演出において第2疑似連確定演出が行われる。1回目又は/及び2回目の疑似連確定演出において第2疑似連確定演出が行われることで、3回目の疑似連続演出が行われる前に、1回目又は/及び2回目の疑似連続演出に続いてさらに3回目の疑似連続演出が行われることを遊技者に認識させることが可能になる。これにより、疑似連確定演出に対する遊技者の興趣性を高めることが可能になる。なお、1回目又は/及び2回目の疑似連確定演出において第2疑似連確定演出が行われた場合、3回目の疑似連確定演出として第1疑似連確定演出または第2疑似連確定演出のいずれが行われてもよい。すなわち、例えば、1回目の疑似連確定演出として第2疑似連確定演出が行われた場合は、3回目の疑似連続演出が行われることが確定しているため、第2疑似連確定演出が行われた後は、2回目又は3回目の疑似連続演出として第1疑似連確定演出または第2疑似連確定演出のいずれが行われてもよい。また、1回目又は/及び2回目の疑似連確定演出において第1疑似連確定演出が行われ、3回目の疑似連確定演出として第2疑似連確定演出が行われてもよい。
また、上記発展確定動作演出は、ノーマルリーチ演出が行われている途中や、ノーマルリーチ演出の終盤において「ハズレ」の態様で装飾図柄51が停止(仮停止)した後にSPリーチ演出(図8(F)参照)に発展する場合にも行われてもよい。
本実施形態では、発展確定動作演出の終了に伴って必ずリーチ演出が発展する。他の実施形態では、リーチ演出が発展する前には、リーチ演出が発展することを報知する発展確定演出を必ず実行してもよい。
また、他の実施形態では、演出態様の異なる複数の発展確定演出を有してもよく、例えば、ノーマルリーチ演出からSPリーチ演出(またはSPリーチ演出からSPSPリーチ演出)への発展を報知する第1発展確定演出と、ノーマルリーチ演出からSPSPリーチ演出への発展を報知する第2発展確定演出とを有してもよい。第1発展確定演出では、例えば、所定の演出画像(例えば発展確定報知画像(図7(B)参照))が表示画面に表示され、演出役物(第1演出役物71等)は動作しない。第2発展確定演出では、所定の演出画像が表示画面に表示されると共に、演出役物が動作する。例えば、最終的にSPSPリーチ演出に発展する場合、1回目の発展確定演出、2回目の発展確定演出において、第1発展確定演出が行われる。また、最終的にSPSPリーチ演出に発展する場合、1回目の発展確定演出において第2発展確定演出が行われる。ノーマルリーチ演出からSPリーチ演出に発展する際に第2発展確定演出が行われることで、SPリーチ演出からSPSPリーチ演出に発展する前に、最終的にSPSPリーチ演出に発展することを遊技者に認識させることが可能になる。これにより、発展確定演出に対する遊技者の興趣性を高めることが可能になる。なお、1回目の発展確定演出において第2発展確定演出が行われた場合、2回目の発展確定演出として第1発展確定演出または第2発展確定演出のいずれが行われてもよい。すなわち、例えば、1回目の発展確定演出として第2発展確定演出が行われた場合は、最終的にSPSPリーチ演出に発展することが確定しているため、第2発展確定演出が行われた後は、2回目の発展確定演出として第1発展確定演出または第2発展確定演出のいずれが行われてもよい。また、1回目の発展確定演出において第1発展確定演出が行われ、2回目の発展確定演出として第2発展確定演出が行われてもよい。
また、ノーマルリーチ演出、SPリーチ演出、SPSPリーチ演出と発展する場合において、大当たりに対する信頼度が相対的に最も高いSPSPリーチ演出に発展する際にのみ発展確定動作演出が行われてもよい。これにより、発展確定動作演出によってSPSPリーチ演出に発展することが報知できる。
また、当たり確定動作演出が行われる際には、ボタン押下演出を伴ってもよいし、ボタン押下演出を伴わなくてもよい。
また、疑似連確定動作演出(又は発展確定動作演出)が行われる前には、疑似連確定動作演出(又は発展確定動作演出)が行われ得ることを示唆する演出が行われてもよい。例えば、疑似連確定動作演出(又は発展確定動作演出)が行われ得ることを示唆する演出として、疑似連確定動作演出(又は発展確定動作演出)が行われている様子を模した画像を表示画面の所定の領域に表示する演出が行われてもよい。また、格納位置と進出位置との間で第1演出役物71を往復運動させる演出が行われてもよい。この場合、第1演出役物71が進出位置に進出し遂げれば疑似連続演出(又はリーチ演出の発展)が行われる。一方、第1演出役物71が進出位置に進出しなければ疑似連続演出(又はリーチ演出の発展)が行われなくてもよい。
例えば、疑似連確定動作演出が行われることを示唆する演出において第1演出役物71が進出位置に進出しなかった場合、この演出の後には、所定の確率(例えば3%)で疑似連続演出を行ってもよい。または、装飾図柄51を用いた次の疑似変動が開始されそうに見せかけて開始しない演出(いわゆるガセ演出)を行ってもよいし、「ハズレ」を示す態様で有効ライン上に仮停止させていた装飾図柄51をそのまま直ぐに停止させてもよい。このような演出を行うことで、疑似連続演出が行われることに対する興趣が高まる。
また、上記当たり確定動作演出は、あたかも「ハズレ」であるように見せかける演出の直後に行われてもよい。例えば、表示画面に装飾図柄51を「ハズレ」の態様で仮停止させてあたかもハズレであるように見せかけてから、ボタン押下演出を経由して、或いはボタン押下演出を経由せずに、当たり確定動作演出を行ってもよい。また、例えば、ボタン押下演出直後に、表示画面をブラックアウトさせる演出やボタン押下演出実行前に表示画面において行われていたリーチ演出などの演出が所定期間(例えば4秒)行われてから当たり確定動作演出が行われてもよい。これにより、意外性のある演出を行うことができ、当たり確定動作演出の演出効果の低下を抑制できる。
また、当たり確定動作演出が行われる前には、当たり確定動作演出が行われることを示唆する演出が行われてもよい。例えば、当たり確定動作演出が行われることを示唆する演出として、当たり確定動作演出が行われている様子を模した画像を表示画面の所定の領域に表示させる演出が行われてもよい。また、例えばボタン押下演出中に、格納位置と進出位置との間で第1演出役物71を往復運動させる演出が行われてもよい。
(ボタン押下演出を伴う当たり確定動作演出と装飾図柄51の表示態様)
なお、図9を参照しつつ、ボタン押下演出を伴う当たり確定動作演出と装飾図柄51との表示態様について説明する。図9は、ボタン押下演出を伴う当たり確定動作演出と装飾図柄51の表示態様について説明するためのタイムチャートの一例である。
本実施形態では、当たり確定動作演出に先立ってボタン押下演出が行われ(図8(I)参照)、演出ボタン26の押下に応じて当たり確定動作演出が行われる場合がある(図8(J)参照)。ここで、本実施形態では、予め定められた所定の有効期間中に遊技者によって演出ボタン26が押下されると、当該押下に応じて当たり確定動作演出が行われる。当たり確定動作演出は、所定の実行期間Ga秒(例えば10秒)で行われる。当たり確定動作演出が行われる際には、有効期間およびボタン押下演出の実行は終了する。この予め定められた所定の有効期間開始時から有効期間が終了するまでの期間をIa秒とする(図9(A)参照)。当たり確定動作演出の実行終了後、装飾図柄51は、大当たりを示す態様で仮停止され、特別図柄が停止表示されたことに応じて「大当たり」を示す態様で停止される。ここで、当たり確定動作演出の実行終了後から特別図柄が停止されるまでの期間をWa秒(例えば10秒)とすると、予め定められた所定の有効期間開始時から特別図柄が停止表示されるまでの合計時間(Ia秒、Ga秒、及びWa秒の合計時間)は、T秒である。
一方、予め定められた所定の有効期間中に遊技者によって演出ボタン26が一度も押下されなかった場合、上記有効期間開始時から予め定められた所定の有効期間終了時までボタン押下演出が継続される(図9(B)参照)。この予め定められた所定の有効期間をIb秒とする。遊技者によって演出ボタン26が一度も押下されずにIb秒が経過すると、演出ボタン26が押下された場合と同様に、実行期間Ga秒で当たり確定動作演出が行われる。当たり確定動作演出の実行終了後、装飾図柄51は、大当たりを示す態様で仮停止され、特別図柄が停止表示されたことに応じて「大当たり」を示す態様で停止される。ここで、当たり確定動作演出の実行終了後から特別図柄が停止されるまでの期間をWb秒(例えば3秒)とすると、予め定められた所定の有効期間開始時から特別図柄が停止表示されるまでの合計時間(Ib秒、Ga秒、及びWb秒の合計時間)は、演出ボタン26の押下により有効期間が終了した場合(図9(A)参照)と同様にT秒である(図9(B)参照)。
予め定められた所定の有効期間中に遊技者によって演出ボタン26が押下された場合(図9(A)参照)と、予め定められた所定の有効期間中に遊技者によって演出ボタン26が一度も押下されなかった場合(図9(B)参照)とを比較した場合、以下のことが言える。図9(A)及び図9(B)に例示されるように、当たり確定動作演出の実行期間(Ga秒)は同じである。しかしながら、Ia秒は、演出ボタン26の押下により有効期間が終了した期間だけ、予め定められた所定の有効期間Ib秒よりも短く、その分、Wa秒はWb秒より長い。このように、装飾図柄51の仮停止期間を設けることで、当たり確定動作演出の実行期間を一定としても、遊技者による演出ボタン26の押下の有無や押下タイミングにより生じる有効期間終了時から特別図柄が停止するまでの時間差を吸収して特別図柄の停止に応じて装飾図柄51を停止できる。これにより、演出の流れをスムーズにすることができると共に当たり確定動作演出の実行時間を確保することができる。
なお、他の実施形態では、図10に例示されるように、装飾図柄51の仮停止期間を一定とし、当たり確定動作演出の実行期間を可変にしてもよい。ここで、図10は、ボタン押下演出を伴う当たり確定動作演出と装飾図柄51の表示態様について説明するためのタイムチャートの一例である。
図9(A)と図10とを比較した場合、当たり確定動作演出の実行終了後から特別図柄が停止されるまでの期間(Wa秒)は同じである。しかしながら、Ia秒は、演出ボタン26の押下により有効期間が終了した期間だけ、予め定められた所定の有効期間Ib秒よりも短く、その分、当たり確定動作演出の実行期間Ga秒はGb秒より長い。このように、当たり確定動作演出の実行期間を可変にすることで、遊技者による演出ボタン26の押下の有無や押下タイミングにより生じる有効期間終了時から特別図柄が停止するまでの時間差を吸収して特別図柄の停止に応じて装飾図柄51を停止できる。これにより、演出の流れをスムーズにすることができる。
なお、他の実施形態では、図9及び図10を参照しつつ説明した装飾図柄51の仮停止に代えて、、当たり確定動作演出の実行終了後から特別図柄が停止されるまでの期間(Wa秒又はWb秒)、表示画面をブラックアウトさせてもよい。この場合、表示画面のブラックアウト後に装飾図柄51は停止表示される。
また、他の実施形態では、ボタン押下演出を伴う発展確定動作演出や、ボタン押下演出を伴う疑似連確定動作演出が行われてもよい。
[演出の流れ]
次に、図11を参照しつつ、特別図柄の変動表示中に行われる演出の流れについて説明する。図11は、特別図柄の変動表示中に行われる演出の流れを例示する説明図である。
上記実施形態では、疑似連続演出、SPリーチ演出からSPSPリーチ演出への発展、および大当たりの報知が一連の演出として行われる場合について説明した。特別図柄の変動表示中には、これらの演出のうちの何れかが行われる演出パターンがある。例えば、疑似連続演出のみが行われる演出パターンや、疑似連続演出の後にSPSPリーチ演出に発展する演出パターンや、疑似連続演出は行われずにSPSPリーチ演出のみが行われる演出パターン等、様々な演出パターンがある。疑似連確定動作演出、発展確定動作演出、又は当たり確定動作演出は、これら演出パターンに応じて行われる。
特別図柄判定が実行されると、特別図柄の変動表示が開始されると共に、液晶表示装置5の表示画面における装飾図柄51の変動表示が開始される(図11(A)参照)。
装飾図柄51の変動表示が開始されると、疑似連続演出が行われることを報知する疑似連確定動作演出(図8(C)参照)を経由して(図11(B)参照)、或いは疑似連確定動作演出を経由せずに(図11(D)参照)、疑似連続演出が行われる場合がある(図11(C)参照)。すなわち、疑似連続演出が行われる演出パターンには、疑似連確定動作演出が行われてから疑似連続演出が行われる演出パターンと、疑似連確定動作演出が行われずに疑似連続演出が行われる演出パターンとの2つの演出パターンがある。疑似連確定動作演出が行われてから疑似連続演出が行われる演出パターンでは、上述のように第1演出役物71と背景画像(疑似連確定報知画像)とを用いて疑似連続演出が行われることが報知される。これに対して、疑似連確定動作演出が行われずに疑似連続演出が行われる演出パターンでは、上述のような第1演出役物71と背景画像とを用いた疑似連続演出が実行される旨の報知は行われない。
一方、特別図柄の変動表示中に疑似連続演出が行われない演出パターン(図11(E)参照)の場合、疑似連確定動作演出は行われない(図11(D)参照)。
その後、リーチが成立すると(図11(F)参照)、リーチ演出が行われる(図11(G)参照)。実行されるリーチ演出がノーマルリーチ演出又はSPリーチ演出の場合、リーチ演出が発展することを報知する発展確定動作演出(図8(G)参照)を経由して(図11(H)参照)、或いは疑似連確定動作演出を経由せずに(図11(J)参照)、リーチ演出が発展する場合がある(図11(I)参照)。すなわち、リーチ演出が発展する演出パターンには、発展確定動作演出が行われてからリーチ演出が発展する演出パターンと、発展確定動作演出が行われずにリーチ演出が発展する演出パターンとの2つの演出パターンがある。発展確定動作演出が行われてからリーチ演出が発展する演出パターンでは、上述のように第1演出役物71と背景画像(発展確定報知画像)とを用いてリーチ演出が発展することが報知される。これに対して、発展確定動作演出が行われずにリーチ演出が発展する演出パターンでは、上述のような第1演出役物71と背景画像とを用いたリーチ演出発展の報知は行われない。
一方、特別図柄の変動表示中にリーチ演出が発展しない演出パターン(図11(K)参照)の場合、発展確定動作演出は行われない(図11(J)参照)。
特別図柄判定の判定結果が「大当たり」の場合には、リーチ成立後のリーチ演出が行われた後(図11(K)参照)、又はリーチ成立直後に行われたリーチ演出から発展したより信頼度の高い別のリーチ演出が行われた後(図11(I)参照)、大当たり確定であることを報知する当たり確定動作演出(図8(J)参照)を経由して(図11(L)参照)、或いは当たり確定動作演出を経由せずに(図11(N)参照)、「大当たり」が報知される(図11(M)参照)。
なお、図には示されていないが、当たり確定動作演出には、ボタン押下演出を伴う当たり確定動作演出と、ボタン押下演出を伴わない当たり確定動作演出とがあってもよい。すなわち、「大当たり」が報知される演出パターンには、ボタン押下演出が行われた後に当たり確定動作演出が行われてから「大当たり」が報知される演出パターンと、ボタン押下演出が行われずに当たり確定動作演出が行われてから「大当たり」が報知される演出パターンと、ボタン押下演出および当たり確定動作演出が行われずに「大当たり」が報知される演出パターンとの3つの演出パターンがある。当たり確定動作演出が行われる演出パターンでは、上述のように第1演出役物71と背景画像(当たり確定報知画像)とを用いて大当たり確定であることが報知される。これに対して、当たり確定動作演出が行われない演出パターンでは、上述のような第1演出役物71と背景画像とを用いた大当たり確定の報知は行われない。
一方、特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」の場合には、リーチ成立後のリーチ演出が行われた後(図11(K)参照)、又はリーチ成立直後に行われたリーチ演出から発展したより信頼度の高い別のリーチ演出が行われた後(図11(I)参照)、「ハズレ」が報知される(図11(O)参照)。この場合、当たり確定動作演出は行われない(図11(N)参照)。
なお、疑似連続演出が行われる演出パターンや疑似連続演出が行われない演出パターンにおいては、リーチ成立前に当たり確定動作演出が行われてもよい(図11(C)又は(E)から(L)に進む演出パターン)。具体的には、例えば、変動時間の短い変動パターンが決定され易い確変遊技状態(又は時短遊技状態)において、特別図柄の変動開始直後にボタン押下演出を伴う当たり確定動作演出が行われてもよい。
また、疑似連続演出などの予告演出が行われない演出パターンにおいては、リーチが成立しないまま「ハズレ」が報知されてもよい(図11(A)から(O)に進む演出パターン)。この場合、疑似連確定動作演出、発展確定動作演出、及び当たり確定動作演出は行われない。
[動作演出の変形例]
次に、図12を参照しつつ、動作演出の変形例について説明する。図12は、動作演出の変形例について説明するための説明図である。
本実施形態では、動作演出において、表示画面の前面に第1演出役物71を進出させた(図6参照)。他の実施形態では、動作演出において第1演出役物71以外の演出役物を動作させてもよく、また、表示画面の前面に演出役物を進出させずに動作演出を行ってもよい。例えば、動作演出として、演出ボタン26を突出(例えば10センチ突出)させると共に、動作演出毎に異なる画像を表示画面に表示させてもよい(図12参照)。
演出ボタン26を用いた発展確定動作演出では、図12(A)に例示されるように、演出ボタン26が突出(例えば10センチ突出)すると共に、演出ボタン26の押下を促す発展確定報知画像が表示画面に表示される。発展確定報知画像は、突出状態にある演出ボタン26を模した演出ボタン画像と、演出ボタン26の押下が有効な有効期間の残り時間を示すゲージ画像と、例えば「押せ!」といった演出ボタン26の押下を促す文言とを含む。この場合において、演出ボタン26の動作態様や演出ボタン画像の表示態様によって、発展示唆(発展する可能性の示唆)と発展確定との何れかを示してもよい。
また、例えば、演出ボタン26を用いた当たり確定動作演出では、図12(B)に例示されるように、演出ボタン26が突出(例えば10センチ突出)すると共に、演出ボタン26の押下を促す当たり確定報知画像が表示画面に表示される。当たり確定報知画像は、キャラクタを模したキャラクタ画像と、突出状態にある演出ボタン26を模した演出ボタン画像と、演出ボタン26の押下が有効な有効期間の残り時間を示すゲージ画像と、例えば「押せ!」といった演出ボタン26の押下を促す文言とを含む。この場合において、演出ボタン26の動作態様や演出ボタン画像の表示態様によって、当たり示唆(大当たりする可能性の示唆)と大当たり確定との何れかを示してもよい。
なお、他の実施形態では、動作演出用の背景画像として所定の装飾図柄51を用いてもよい。また、左図柄および右図柄として仮停止した装飾図柄51を表示画面上の他の表示領域に移動させた状態を動作演出用の背景画像としてもよい。例えば、左図柄として仮停止した3図柄と、右図柄として4図柄とを疑似連確定報知画像とし、左図柄として仮停止した5図柄と、右図柄として6図柄とを発展確定報知画像とし、左図柄として仮停止した7図柄と、右図柄として7図柄とを当たり確定報知画像としてもよい。
また、他の実施形態では、当たり確定報知画像は、大当たりの種類(図13参照)を示唆(又は報知)する画像でもよい。例えば、当たり確定報知画像は、当たり確定動作演出が行われた変動に係る大当たり遊技において払い出されるであろう賞球の合計値を示す累計出玉画像でもよいし、遊技者に有利な大当たり(例えば、長開放当たり(図13(A)参照)、又は16R長開放当たり(図13(B)参照))に当選したことを示唆(又は報知)する画像でもよい。また、例えば、大当たりの種類を示す文言や、大当たり遊技中にV領域195が開放されることを示唆する画像でもよい。このような当たり確定報知画像を表示させることで、当たり確定動作演出によって大当たりの種類を報知できる。
また、他の実施形態では、当たり確定動作演出の実行時間の長短によって大当たりの種類を示唆(又は報知)してもよい。例えば、当たり確定動作演出を第1実行期間(例えば1秒)で実行して第1始動口11への入賞に基づく短開放当たり(図14(A)参照)確定であることを報知し、当たり確定動作演出を第1実行時間よりも長時間の第2実行時間(例えば3秒)で実行して第1始動口11への入賞に基づく長開放当たり(図14(B)参照)確定であることを報知してもよい。この場合、例えば、第1演出役物71が同じような動作態様で動作すると共に同じ当たり確定報知画像が表示されても、実行時間が異なるため、大当たりの種類を区別して報知できる。
また、他の実施形態では、第1演出役物71を同じ動作態様で動作させると共に、疑似連確定報知画像、発展確定報知画像、及び当たり確定報知画像として同じ画像を動作演出ごとに異なる表示時間で表示させてもよい。この場合、第1演出役物71が同じ動作態様で動作すると共に同じ背景画像が表示されても、表示時間が異なることで、疑似連続演出が行われること、リーチ演出が発展すること、又は大当たり確定が報知されることとを区別して報知できる。
また、他の実施形態では、疑似連確定報知画像、発展確定報知画像、及び当たり確定報知画像は、第1演出役物71の動作に連動するように変化する演出画像でもよい。例えば、第1演出役物71が動作することによってキャラクタが出現する演出画像でもよい。この場合、動作演出の種類(疑似連確定動作演出、発展確定動作演出、又は当たり確定動作演出)によって、出現させるキャラクタの背景が異なってもよいし、キャラクタ自体が異なってもよい。
ここで、本実施形態では、特別図柄判定の判定結果に基づいて動作演出を行う。他の実施形態では、事前判定情報に基づいて特別図柄判定の権利が保留されたタイミングで、この保留に係る特別図柄の変動表示中に所定の動作演出が実行されるか否かを事前に示唆する事前判定演出を行ってもよい。ここで、後に詳述するが、本実施形態では第1始動口11(又は第2始動口12)に遊技球が入賞すると、事前判定処理(図24、図25参照)を行い、事前判定情報を得る。事前判定情報は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数に基づいて得られる情報であり、大当たりか否かを示す情報や、変動パターンを示す情報を含む。事前判定演出として、例えば、特別図柄判定の権利が保留されたタイミングで、この保留が消化されて特別図柄が変動表示される間に上述した3つの動作演出(疑似連確定動作演出、発展確定動作演出、又は当たり確定動作演出)のうちいずれか1つの動作演出が実行されることを示唆してもよい。この場合、例えば、実行される動作演出と同じ動作態様で第1演出役物71を動作させるだけの演出を行ってもよいし、実行される動作演出と同じ表示態様で背景画像(疑似連確定報知画像、発展確定報知画像、又は当たり確定報知画像)を表示させるだけの演出を行ってもよい。また、事前判定演出として、例えば、実行される動作演出と同じ動作態様で第1演出役物71を動作させると共に、実行される動作演出と同じ表示態様で背景画像を表示させてもよい。また、事前判定演出として、例えば、動作演出が行われている様子を模した画像を表示画面の所定の領域に表示してもよいし、特別図柄判定の権利を示す保留画像を、動作演出が実行されることを示唆する画像に変化させてもよい。これにより、遊技者は、特別図柄判定が保留されたタイミングから大当たりに対する期待を高めながら遊技を楽しむことが可能となる。
なお、メインの液晶表示装置5とサブ液晶表示装置とを備えるパチンコ遊技機においても動作演出は実現可能である。サブ液晶表示装置は、演出画像を表示する画像表示装置であり、例えば、液晶表示装置5の上方に設けられ、遊技盤2に対して可動に構成される。サブ液晶表示装置を用いた動作演出では、例えば、第1演出役物71又はサブ液晶表示装置が動作すると共に、液晶表示装置5及びサブ液晶表示装置の表示画面に、疑似連確定報知画像、発展確定報知画像、又は当たり確定報知画像を表示させてもよい。この場合、液晶表示装置5の表示画面に表示される第1画像、及びサブ液晶表示装置の表示画面に表示される第2画像は、各動作演出用に予め用意された演出画像でもよい。または、第1画像(又は第2画像)として動作演出の種別にかかわらず同じ演出画像(又は動作演出に関係ない演出画像)を表示させる一方で、第2画像(又は第1画像)として動作演出用に予め用意された演出画像を表示させてもよい。なお、第1演出役物71又はサブ液晶表示装置の動作態様が動作演出毎に異なる場合、第1画像および第2画像は、動作演出の種別にかかわらず同じ画像でもよいし、異なる画像でもよい。
なお、本実施形態では、各動作演出用の背景画像として、それぞれの動作演出(疑似連確定動作演出、発展確定動作演出、及び当たり確定動作演出)に対して1種類の背景画像が用意されている(図7参照)。他の実施例では、疑似連確定動作演出および発展確定動作演出の背景画像として、色や表示態様などが異なる複数種類の背景画像を用意してもよく、疑似連確定動作演出によって疑似連続演出が行われる可能性(あるいは大当たりの可能性)を示唆し、発展確定動作演出によってリーチ演出が発展する可能性(あるいは大当たりの可能性)を示唆してもよい。具体的には、例えば、疑似連続演出が行われる可能性が相対的に低いことを示す第1の疑似連確定報知画像、又は疑似連続演出が行われる可能性が相対的に高いことを示す第2の疑似連確定報知画像から選択したいずれか1つの疑似連確定報知画像を表示させる疑似連確定動作演出を行ってもよい。この場合、第1演出役物71が動作すると共に第1の疑似連確定報知画像が表示された場合には、疑似連続演出が行われる可能性が相対的に低いことが示唆され、第1演出役物71が動作すると共に第2の疑似連確定報知画像が表示された場合には、疑似連続演出が行われる可能性が相対的に高いことが示唆される。
なお、他の実施形態では、上述したリーチ演出以外のリーチ演出を備えてもよく、動作演出で所定のリーチ演出が行われることを報知してもよい。例えば、全回転リーチ演出やストーリーリーチ演出が行われることを報知する動作演出を行ってもよい。ここで、全回転リーチ演出は、左図柄、中図柄、及び右図柄がすべて同一の図柄で変動される大当たり確定を示すリーチ演出である。ストーリーリーチ演出は、アニメや実写などの尺の長い動画を表示させるリーチ演出であり、他のリーチ演出よりも信頼度が相対的に高いリーチ演出である。
なお、他の実施形態では、動作演出によって、特別図柄の変動表示中に実行される確率が極めて低い演出(プレミアム演出)が実行されることを報知してもよい。
[各種大当たりの説明]
次に、図13を参照しつつ、各種大当たりについて説明する。ここで、図13は、本実施形態に係るパチンコ遊技機1における大当たりの種類を示す説明図である。
ここで、第1大入賞口13(又は第2大入賞口19)が長開放される長開放ラウンド遊技が行われると、第1大入賞口13(又は第2大入賞口19)への9個の遊技球の入賞という条件、又は第1大入賞口13(又は第2大入賞口19)の開放開始から29.5秒の経過という条件が成立することによって第1大入賞口13(又は第2大入賞口19)が閉塞し、その長開放ラウンド遊技が終了する。以下、これらの条件を総称して「所定条件」と呼ぶ場合がある。
(第1始動口11への入賞に係る大当たりの種類)
図13(A)に例示されるように、本実施形態では、第1始動口11への入賞に係る大当たりの種類として、短開放当たり及び長開放当たりの2種類が用意されている。大当たりの種類は、第1特別図柄表示器41に停止表示される大当たり図柄によって定められる。
後述するように、始動口に遊技球が入賞すると、大当たり乱数、図柄乱数等の各種乱数が取得され、当該取得された大当たり乱数に基づいて大当たりか否かが判定される。大当たりと判定された場合は、取得された図柄乱数が予め定められたいずれの乱数値と一致するかに基づいて、大当たり図柄(大当たりの種類)が判定される。図13(A)に例示されるように、第1始動口11への入賞に基づいて大当たりと判定された場合、図柄乱数の乱数値として、「0」〜「44」の45個の乱数値が短開放当たりに対応付けられている。このため、45%(=45/100)の割合で短開放当たりとなる。後に詳述するが、第1特別図柄表示器41に大当たり図柄Aが停止表示されて短開放当たりになると、第2大入賞口19が短開放される短開放ラウンド遊技を含む大当たり遊技が行われ、通常は、大当たり遊技終了後に時短遊技状態で遊技が制御される。
また、第1始動口11への入賞に基づいて大当たりと判定された場合、図柄乱数の乱数値として、「45」〜「99」の55個の乱数値が長開放当たりに対応付けられている。このため、55%(=55/100)の割合で長開放当たりとなる。後に詳述するが、第1特別図柄表示器41に大当たり図柄Bが停止表示されて長開放当たりになると、所定条件を満たすまで第2大入賞口19が長開放される長開放ラウンド遊技を含む大当たり遊技が行われると共に、所定期間中に遊技球がV領域195を通過したこと(V入賞)を条件として、大当たり遊技終了後に確変遊技状態で遊技が制御される。
なお、後に詳述するが、長開放当たりは大当たり遊技終了後に確変遊技状態になる一方で、短開放当たりは時短遊技状態になるため、短開放当たりよりも長開放当たりの方が遊技者に有利な大当たりとなっている。
ここで、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に停止表示される特別図柄は、遊技者が一見して判別し難い表示パターンとなっている。このため、遊技者は、特別図柄の変動表示中に第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42において変動表示される特別図柄を殆ど又は全く見ることはない。また、遊技者は、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄(例えば、大当たり図柄、又はハズレ図柄)が停止表示されても、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に停止表示された特別図柄を殆ど又は全く意識しない。
したがって、大当たり図柄A又は大当たり図柄Bが第1特別図柄表示器41に停止表示されても、多くの遊技者は、大当たり図柄の種類によって大当たりの種類を認識しない。このため、多くの遊技者は、液晶表示装置5の表示画面等において行われる演出を見て、大当たりの種類を認識する。
(第2始動口12への入賞に係る大当たりの種類)
一方、図13(B)に例示されるように、本実施形態では、第2始動口12への入賞に係る大当たりの種類として、16R長開放当たりの1種類が用意されている。
第2始動口12への入賞に基づいて大当たりと判定された場合、図柄乱数の乱数値として、「0」〜「99」の100個の乱数値が16R長開放当たりに対応付けられている。このため、100%(=100/100)の割合で16R長開放当たりとなる。後に詳述するが、第2特別図柄表示器42に大当たり図柄Cが停止表示されて16R長開放当たりになると、所定条件を満たすまで第1大入賞口13及び第2大入賞口19が長開放される長開放ラウンド遊技を含む大当たり遊技が行われると共に、V入賞を条件として、大当たり遊技終了後に確変遊技状態で遊技が制御される。
なお、後に詳述するが、第2始動口12への入賞に基づく16R長開放当たり(大当たり図柄C)は、第1始動口11への入賞に基づく長開放当たり(大当たり図柄B)と同様に大当たり遊技終了後に確変遊技状態になる。しかし、大当たり遊技において払い出される賞球は、長開放当たりより16R長開放当たりの方が多い。このため、第1始動口11への入賞に基づく大当たり(短開放当たり又は長開放当たり)よりも、第2始動口12への入賞に基づく大当たりの方が遊技者に有利な大当たりである。
[第1始動口11への入賞に係る大当たり遊技の説明]
次に、図14を参照しつつ、第1始動口11への入賞に係る大当たり遊技中における第1大入賞口13、第2大入賞口19、及びV領域195の状態変化について説明する。ここで、図14は、第1始動口11への入賞に係る大当たり遊技中における第1大入賞口13、第2大入賞口19、及びV領域195の開放パターンの一例を示すタイムチャートである。
(第1始動口11への入賞に基づく短開放当たり)
大当たり図柄Aで短開放当たりとなった場合、図14(A)に例示されるように、まず、1R目〜7R目のラウンド遊技として、第1大入賞口13を0.18秒間だけ短開放させた後に閉塞状態に戻す短開放ラウンド遊技が7回繰り返される。
7R目のラウンド遊技が終了すると、8R目〜14R目のラウンド遊技として、所定条件が成立するまで第1大入賞口13を開放状態に維持させた後に閉塞状態に戻す長開放ラウンド遊技が7回繰り返される(図14(A)参照)。
14R目のラウンド遊技が終了すると、15R目のラウンド遊技として、第1羽根部材191を動作させて第2大入賞口19を0.1秒間だけ短開放させた後に閉塞状態に戻す短開放ラウンド遊技が行われる(図14(A)参照)。15R目のラウンド遊技では、第2大入賞口19の開放開始から3秒が経過したときに第2羽根部材192が動作されて、V領域195が10秒間開放される。15R目のラウンド遊技は、開放されたV領域195が閉塞されると終了する。このため、15R目のラウンド遊技は、第2大入賞口19の開放開始から13秒が経過したときに終了する。
図14(A)に例示されるように、大当たり図柄A(図13(A)参照)で短開放当たりとなって大当たり遊技が行われる場合、第2大入賞口19が0.1秒間という短い時間しか開放されないため、第2大入賞口19に遊技球が入賞する可能性は低い。仮に、第2大入賞口19の短開放時に第2大入賞口19内に遊技球が進入しても、第2大入賞口19の開放開始から3秒が経過するまではV領域195が開放されず、第2大入賞口19内に進入した遊技球はV領域195が開放されるまでにハズレ領域196へと振り分けられるため、V領域195に遊技球が進入する可能性は極めて低い。すなわち、大当たり図柄Aで短開放当たりとなった場合に行われる大当たり遊技は、遊技球がV領域195を通過し難い大当たり遊技である。
15R目のラウンド遊技が終了すると、16R目に最終のラウンド遊技として、所定条件が成立するまで第1大入賞口13を開放状態に維持した後に閉塞状態に戻す長開放ラウンド遊技が行われる。
なお、本実施形態では、大当たり図柄Aで短開放当たりになった場合、第2大入賞口19が閉塞された後にV領域195が開放される。他の実施形態では、遊技球がV領域195を通過し難い開放パターンであれば、第2大入賞口19及びV領域195がどのような開放パターンで開放されても構わない。具体的には、例えば、第2大入賞口19を0.1秒間だけ短開放させると共に、V領域195を0.1秒間だけ短開放させてもよい。このような場合、上述したように、第2大入賞口19に遊技球が入賞する可能性は低い。仮に、第2大入賞口19の短開放時に第2大入賞口19内に遊技球が進入しても、その進入した遊技球がV領域195(第2羽根部材192)に到達するには約0.5秒要するため、第2大入賞口19内に進入した遊技球はハズレ領域196へと振り分けられ、V領域195に遊技球が進入する可能性は極めて低い。
(第1始動口11への入賞に基づく長開放当たり)
大当たり図柄Bで長開放当たりとなった場合、図14(B)に例示されるように、まず、大当たり図柄Aで短開放当たりとなった場合と同様に、1R目〜7R目のラウンド遊技として第1大入賞口13を0.18秒間だけ短開放させた後に閉塞状態に戻す短開放ラウンド遊技が7回繰り返される。
7R目のラウンド遊技が終了すると、大当たり図柄Aで短開放当たりとなった場合と同様に、8R目〜14R目のラウンド遊技として、所定条件が成立するまで第1大入賞口13を長開放させる長開放ラウンド遊技が7回繰り返される(図14(B)参照)。
14R目のラウンド遊技が終了すると、15R目のラウンド遊技として、所定条件が成立するまで第2大入賞口19を長開放させる長開放ラウンド遊技が行われる(図14(B)参照)。15R目のラウンド遊技では、第2大入賞口19の開放開始から3秒が経過したときに第2羽根部材192が動作されて、V領域195が10秒間開放される。
図14(B)に例示されるように、大当たり図柄B(図13(A)参照)で長開放当たりとなって大当たり遊技が行われる場合、15R目の長開放ラウンド遊技中に第2大入賞口19とV領域195とが、開放期間が時間的に重なる開放パターンで長開放される。このため、遊技者は、普通に右打ちさえ行っていればV領域195の開放中に容易にV入賞できる。すなわち、大当たり図柄Bで長開放当たりとなった場合に行われる大当たり遊技は、遊技球がV領域195を通過し易い大当たり遊技である。V領域195の開放中にV入賞した場合、大当たり遊技終了後に確変遊技状態で遊技が制御される。これに対して、V領域195の開放中にV入賞しなかった場合、大当たり図柄Aで短開放当たりとなった場合と同様に、大当たり遊技終了後には時短遊技状態で遊技が制御される。
15R目のラウンド遊技が終了すると、16R目に最終のラウンド遊技として、所定条件が成立するまで第1大入賞口13を長開放させる長開放ラウンド遊技が行われる。
(短開放当たりと長開放当たりとの比較)
大当たり図柄A(図13(A)参照)で短開放当たりとなった場合の開放パターン(図14(A)参照)と、大当たり図柄B(図13(B)参照)で長開放当たりとなった場合の開放パターン(図14(B)参照)とを比較すると、15R目のラウンド遊技を除き、共通の開放パターンとなっている。このように、1R目〜14R目までは同じ開放パターンなので、遊技者は、15R目のラウンド遊技が開始されるまでは、短開放当たりの大当たり遊技が行われているのか、或いは長開放当たりの大当たり遊技が行われているのか、すなわち、V領域195が長開放するか否かは第1大入賞口13の開放パターンに基づいて認識できない。
また、長開放当たりは大当たり遊技終了後に確変遊技状態になる一方で、短開放当たりは時短遊技状態になる。また、長開放当たりは15R目に長開放ラウンド遊技が行われる一方で、短開放当たりは15R目に短開放ラウンド遊技が行われるため、短開放当たりよりも長開放当たりの方が払い出される賞球数が1R分多い。このため、短開放当たりよりも長開放当たりの方が遊技者に有利な大当たりである。
なお、他の実施形態では、短開放当たりより長開放当たりの方が遊技者に有利な大当たりであれば、これらの大当たり遊技はどのような開放パターンでもよい。また、他の実施形態では、短開放当たりと長開放当たりとのラウンド数が同じであれば、ラウンド数は「16」限らず、どのようなラウンド数でもよい。
[第2始動口12への入賞に係る大当たり遊技の説明]
なお、図には示されていないが、第2始動口12に遊技球が入賞して大当たり図柄C(図13(B)参照)で16R長開放当たりとなった場合、まず、1R目〜14R目のラウンド遊技として、所定条件が成立するまで第1大入賞口13を長開放させる長開放ラウンド遊技が14回繰り返される。
14R目のラウンド遊技が終了すると、15R目のラウンド遊技として、所定条件が成立するまで第2大入賞口19を長開放させる長開放ラウンド遊技が行われる。15R目のラウンド遊技では、上述した長開放当たり(図14(B)参照)と同様に、第2大入賞口19とV領域195とが、開放期間が時間的に重なる開放パターンで長開放される。その後、15R目のラウンド遊技が終了すると、16R目に最終のラウンド遊技として、所定条件が成立するまで第1大入賞口13を長開放させる長開放ラウンド遊技が行われる。
このように、16R長開放当たりとなった場合に行われる大当たり遊技は、遊技球がV領域195を通過し易い大当たり遊技である。このため、遊技者は、普通に右打ちさえ行っていればV領域195の開放中に容易にV入賞できる。V領域195の開放中にV入賞した場合、大当たり遊技終了後に確変遊技状態で遊技が制御される。これに対して、V領域195の開放中にV入賞しなかった場合、大当たり遊技終了後には時短遊技状態で遊技が制御される。
(第1始動口11への入賞に基づく大当たりと第2始動口12への入賞に基づく大当たりとの比較)
第1始動口11に入賞して大当たりになると、上述したように55%の割合で遊技者に有利な長開放当たりになる一方、45%の割合で長開放当たりよりも遊技者に有利ではない短開放当たりになる。これに対して、第2始動口12に入賞して大当たりになると、上述したように100%の割合で16R長開放当たりになる。第1始動口11への入賞に基づく大当たりのうち遊技者に有利な長開放当たり(図14(B)参照)と、第2始動口12への入賞に基づく16R長開放当たりとを比較すると、どちらの大当たりも大当たり遊技終了後に確変遊技状態になる。一方、大当たり遊技が行われることによって払い出される賞球数は、第1始動口11への入賞に基づく長開放当たりよりも第2始動口12への入賞に基づく16R長開放当たりの方が多い。このため、第1始動口11に入賞して大当たりになるよりも第2始動口12に入賞して大当たりになる方が、遊技者に有利である。
なお、他の実施形態では、第1始動口11への入賞に基づく大当たりよりも第2始動口12への入賞に基づく大当たりの方が遊技者とって有利であれば、第2始動口12への入賞に係る大当たり遊技はどのような開放パターンでもよいし、第2始動口12への入賞に係る大当たりのラウンド数は「16」に限らず、どのようなラウンド数でもよい。
[オーバー入賞音]
次に、図15を参照しつつ、オーバー入賞音について説明する。ここで、図15は、第1始動口11への入賞に係るオーバー入賞音選択テーブルの一例について説明するための説明図である。なお、説明を容易にするために、本実施形態では、オーバー入賞音選択乱数の取り得る範囲が「0」〜「99」に設定されているものとして説明を行う。
本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、長開放ラウンド遊技が行われることによって第1大入賞口13(又は第2大入賞口19)が長開放されている間に、9個を超える遊技球が第1大入賞口13(又は第2大入賞口19)にオーバー入賞すると、オーバー入賞音が出力される。
ここで、オーバー入賞は、1回のラウンド遊技において、想定された数よりも多い数の遊技球が第1大入賞口13(又は第2大入賞口19)に入賞したことを示す。具体的には、オーバー入賞は、長開放ラウンド遊技が行われることによって第1大入賞口13(又は第2大入賞口19)が開放されている間に、第1大入賞口13(又は第2大入賞口19)の閉塞タイミングを規定する遊技球数(本実施形態では「9」:以下、「規定数」と呼ぶ場合がある)を超える数の遊技球が第1大入賞口13(又は第2大入賞口19)に入賞することを示す。
また、オーバー入賞音は、オーバー入賞に伴って実行される演出の1つとして、オーバー入賞する毎にスピーカ24から出力される演出音である。例えば、オーバー入賞音は、キャラクタの音声、大当たり遊技中に出力される楽曲とは異なる楽曲、効果音等である。オーバー入賞音が出力されることによって、遊技者は、規定数に応じた賞球数以上の遊技球が払い出されることを認識し易くなる。
ところで、本実施形態では、第1始動口11への入賞に基づいて大当たりに当選した場合、14R目のラウンド遊技が開始されるまで大当たり種別の区別がつかないような演出が液晶表示装置5の表示画面で行われる。そして、14R目のラウンド遊技において大当たり種別の区別がつく演出が表示画面で行われる。ここで、第1始動口11への入賞に基づく短開放当たり(大当たり図柄A)の開放パターンと、第1始動口11への入賞に基づく長開放当たり(大当たり図柄B)の開放パターンとを比較すると、上記の通り1R目〜14R目まで同じ開放パターンになっている(図14参照)。このため、遊技者は、第1始動口11への入賞に基づいて大当たりになると、14R目のラウンド遊技が行われるまで大当たり種別の区別がつかない。
そこで、本実施形態では、オーバー入賞音によって、第1始動口11に係る大当たりの種類(短開放当たり又は長開放当たり)を示唆することで、V入賞が容易か否かを示唆し、大当たり遊技終了後に遊技者に有利な確変遊技状態に移行するか否かを示唆する。具体的には、本実施形態では、長開放ラウンド遊技が開始される毎に大当たりの種類に基づいてオーバー入賞音を選択し、選択したオーバー入賞音をオーバー入賞に伴って出力する。
第1始動口11への入賞に基づいて短開放当たりとなった場合、図15(A)に例示される短開放当たり用オーバー入賞音選択テーブルを用いてオーバー入賞音が選択される。短開放当たり用オーバー入賞音選択テーブルでは、オーバー入賞音の種別(オーバー入賞音A,B,又はC)と、オーバー入賞音選択乱数とが対応付けられている。後に詳述するが、本実施形態では、長開放ラウンド遊技が開始される毎にオーバー入賞音選択乱数が取得される。そして、取得されたオーバー入賞音選択乱数と対応するオーバー入賞音が、短開放当たり用オーバー入賞音選択テーブル又は後述する長開放当たり用オーバー入賞音選択テーブルから読み出されて選択される。これにより、長開放ラウンド遊技毎にオーバー入賞音が選択されることになる。そして、選択されたオーバー入賞音は、規定数を超える遊技球が第1大入賞口13に入賞したタイミング毎に出力される。
本実施形態では、第1始動口11への入賞に基づいて短開放当たりとなった場合、オーバー入賞音Aの選択割合は60%(=60/100)であり、オーバー入賞音Bの選択割合は40%(=40/100)であり、オーバー入賞音Cの選択割合は0%(=0/100)である(図15(A)参照)。
一方、第1始動口11への入賞に基づいて長開放当たりとなった場合、図15(B)に例示される長開放当たり用オーバー入賞音選択テーブルを用いてオーバー入賞音が選択される。長開放当たり用オーバー入賞音選択テーブルでは、オーバー入賞音の種別(オーバー入賞音A,B,又はC)と、オーバー入賞音選択乱数とが対応付けられている。
本実施形態では、第1始動口11への入賞に基づいて長開放当たりとなった場合、オーバー入賞音Aの選択割合は30%(=30/100)であり、オーバー入賞音Bの選択割合は60%(=60/100)であり、オーバー入賞音Cの選択割合は10%(=10/100)である(図15(B)参照)。
本実施形態においては、第1始動口11への入賞に基づいて短開放当たりとなった場合のオーバー入賞音Aの選択割合が60%であるのに対し(図15(A)参照)、第1始動口11への入賞に基づいて長開放当たりとなった場合のオーバー入賞音Aの選択割合は30%である(図15(B)参照)。すなわち、オーバー入賞音Aの選択割合は、長開放当たりに係る大当たり遊技が行われているときよりも、短開放当たりに係る大当たり遊技が行われているときの方が高い。このため、オーバー入賞音Aは、現在行われている大当たり遊技に係る大当たりの種別が、長開放当たりより短開放当たりの可能性が高いことを示唆するオーバー入賞音である。
ところで、オーバー入賞音の出力は、大当たり遊技中の遊技者の興趣を高めるための演出である。ここで、短開放当たり用オーバー入賞音選択テーブルにおけるオーバー入賞音Aの選択割合を100%とし、長開放当たり用オーバー入賞音選択テーブルにおけるオーバー入賞音Aの選択割合を0%とすると、オーバー入賞音Aが出力されることと短開放当たりであることとが同義になってしまう。このような場合、遊技者は、オーバー入賞音Aが出力された時点で長開放当たりに当選したかもしれないという期待を喪失し、大当たり遊技中の演出に対して興ざめするおそれがある。すなわち、オーバー入賞音Aが出力されることで、大当たり遊技中における演出の演出効果を却って低下させてしまうおそれがある。
このため、長開放当たりの大当たり遊技中にも、幾らかの割合でオーバー入賞音Aを出力するのが好ましい。そこで、本実施形態においては、長開放当たりの大当たり遊技中に30%の割合でオーバー入賞音Aを出力させる構成を採用している。これにより、オーバー入賞に伴いオーバー入賞音Aが出力されたとしても、遊技者は、現在行われている大当たり遊技が長開放当たりに係る大当たり遊技かもしれないという期待を抱きながら遊技を楽しむことが可能となる。
なお、他の実施形態では、短開放当たり用オーバー入賞音選択テーブルにおけるオーバー入賞音Aの選択割合、及び長開放当たり用オーバー入賞音選択テーブルにおけるオーバー入賞音Aの選択割合は上記に限らず、他の値であってもよい。例えば、短開放当たり用オーバー入賞音選択テーブルにおけるオーバー入賞音Aの選択割合と、長開放当たり用オーバー入賞音選択テーブルにおけるオーバー入賞音Aの選択割合とが同じ値でもよい。
また、第1始動口11への入賞に基づいて短開放当たりとなった場合のオーバー入賞音Bの選択割合が40%であるのに対し(図15(A)参照)、第1始動口11への入賞に基づいて長開放当たりとなった場合のオーバー入賞音Bの選択割合は60%である(図15(B)参照)。すなわち、オーバー入賞音Bの選択割合は、短開放当たりに係る大当たり遊技が行われているときよりも、長開放当たりに係る大当たり遊技が行われているときの方が高い。このため、オーバー入賞音Bは、現在行われている大当たり遊技に係る大当たりの種別が、短開放当たりより長開放当たりの可能性が高いことを示唆するオーバー入賞音である。
なお、他の実施形態では、短開放当たり用オーバー入賞音選択テーブルにおけるオーバー入賞音Bの選択割合よりも、長開放当たり用オーバー入賞音選択テーブルにおけるオーバー入賞音Bの選択割合の方が高ければ、これらの選択割合は他の値でもよい。
また、第1始動口11への入賞に基づいて短開放当たりとなった場合のオーバー入賞音Cの選択割合が0%であるのに対し(図15(A)参照)、第1始動口11への入賞に基づいて長開放当たりとなった場合のオーバー入賞音Cの選択割合は10%である(図15(B)参照)。このように、オーバー入賞音Cは、長開放当たりの場合にのみ選択されるオーバー入賞音であり、長開放当たりを報知するオーバー入賞音である。このため、遊技者は、オーバー入賞音Cが出力された時点で、現在行われている大当たり遊技が長開放当たりに係る大当たり遊技であるという期待を抱くことが可能である。このため、オーバー入賞音Cが出力されることで、大当たり遊技中の遊技者の興趣をより高めることが可能となる。
以上説明したように、本実施形態では、大当たり遊技開始から所定のラウンド遊技(本実施形態では15R目のラウンド遊技)が開始するまで大当たりの種類を報知せず、短開放当たりであるか、或いは短開放当たりよりも遊技者にとって有利な長開放当たりであるかをオーバー入賞音の出力によって示唆(又は報知)する。これにより、遊技者は、大当たり遊技開始から所定のラウンド遊技が開始するまで、長開放当たりに係る大当たり遊技が行われているかもしれないという期待を抱きながら大当たり遊技を楽しむことが可能である。
なお、第2始動口12への入賞に基づいて大当たりとなった場合、100%の割合で16R長開放当たりになるため(図13(B)参照)、オーバー入賞音で大当たり種別を示唆する必要がない。そのため、図には示されていないが、本実施形態では、第2始動口12への入賞に基づいて大当たりとなった場合、オーバー入賞音A、B、及びCが同じ選択割合の16R長開放当たり用オーバー入賞音選択テーブルを用いてオーバー入賞音が選択される。ただし、他の実施形態においては、オーバー入賞音A、B、及びCの選択割合は他の値であってもよいし、固定のオーバー入賞音(例えば、長開放当たりを報知するオーバー入賞音C)を出力させてもよい。
[第1始動口11への入賞に係る大当たり遊技中に行われる演出]
次に、図16を参照しつつ、第1始動口11への入賞に係る大当たり遊技中に行われる演出について説明する。ここで、図16は、第1始動口11への入賞に係る大当たり遊技中に行われる演出と、オーバー入賞音が出力されるタイミングとの関係を例示したタイムチャートである。
本実施形態では、第1始動口11に遊技球が入賞して大当たりに当選し、大当たり遊技が開始されると、14R目のラウンド遊技が開始されるまで大当たり種別(短開放当たり又は長開放当たり)の区別がつかないような演出が行われる。そして、14R目のラウンド遊技において、大当たり種別の区別がつく結果報知演出(成功報知または失敗報知)が行われる。
具体的には、例えば、13R目のラウンド遊技が開始されるのに伴って、V領域195が開放されるか否かを遊技者に暗示させるゲーム演出が行われる(図16(A)及び(B)参照)。このゲーム演出は、大当たりの種類(短開放当たり又は長開放当たり)にかかわらず同様の演出態様で行われる。例えば、ゲーム演出としては、所定のゲームに成功するか否かの演出が行われたり、所定のキャラクタと敵キャラクタが対戦し所定のキャラクタの攻撃が成功するか否かの演出が行われたりする。そして、13R目のラウンド遊技終了後にゲーム演出が終了すると、14R目のラウンド遊技の開始に伴ってゲーム演出の結果としての結果報知演出が行われる。ここで、結果報知演出では、V入賞が容易ではない(すなわち、大当たり遊技終了後に確変遊技状態にならない)ことを報知する失敗報知、又はV入賞が容易である(すなわち、大当たり遊技終了後に確変遊技状態になる)ことを報知する成功報知が行われる。例えば、結果報知演出(失敗報知)実行中には「失敗」というメッセージをが表示されたり(図17(B)参照)、結果報知演出(成功報知)実行中には「成功!」というメッセージと共にゲーム演出において表示されたエフェクト画像が引き続き表示されたりする(図18(B)参照)。
大当たりの種類が短開放当たりの場合、14R目のラウンド遊技の開始に伴って結果報知演出(失敗報知)が行われる(図16(A)参照)。そして、14R目のラウンド遊技終了後に結果報知演出(失敗報知)が終了すると、16R目のラウンド遊技が終了した後に到来するエンディング期間の開始時まで、結果報知演出(失敗報知)が行われたことを示すラウンド中演出が行われる。その後、エンディング期間において、時短遊技状態への移行を報知する時短移行エンディング演出が行われる。
一方、大当たりの種類が長開放当たりの場合、14R目のラウンド遊技の開始に伴って結果報知演出(成功報知)が行われる(図16(B)参照)。そして、14R目のラウンド遊技終了後に結果報知演出(成功報知)が終了すると、15R目のラウンド遊技の開始に伴ってV入賞前報知演出が行われる。このV入賞前報知演出は、V領域195(第2大入賞口19)への遊技球の打ち出しを遊技者に促す演出である。V入賞前報知演出では、例えば、「OPEN!狙え!」というメッセージが表示されると共に、遊技者に第2大入賞口19(V領域195)を注視させるような演出画像として、例えば、第2大入賞口19を指し示す矢印画像が表示される(図18(C)参照)。
15R目のラウンド遊技において長開放されたV領域195にV入賞した場合、V入賞に応じたタイミングでV入賞前報知演出が終了して、V入賞報知演出が行われる。V入賞報知演出は、大当たり遊技終了後に確変遊技状態に移行することを報知する演出である。V入賞報知演出では、例えば、遊技球のV入賞を報知するV入賞音がスピーカ24から所定時間(例えば4秒)出力されると共に、「V」といったV入賞を報知するV入賞報知画像が表示画面に表示される(図18(D)及び(E)参照)。このV入賞報知演出は、15R目のラウンド遊技の途中から、16R目のラウンド遊技が終了した後に到来するエンディング期間の開始時まで行われる。その後、エンディング期間において、確変遊技状態への移行を報知する確変移行エンディング演出が行われる。
なお、図には示されていないが、V領域195の開放中にV入賞しなかった場合、V入賞前報知演出は、予め定められた実行終了タイミング(例えば、V領域195の閉塞タイミング)まで行われる。そして、V領域195が閉塞されるのに伴って、15R目のラウンド遊技の途中から、16R目のラウンド遊技が終了した後に到来するエンディング期間の開始時まで所定のラウンド中演出が行われる。その後、エンディング期間において時短移行エンディング演出が行われる。
[オーバー入賞音の出力制御]
ところで、第1始動口11への入賞に係る大当たり遊技中にオーバー入賞すると、オーバー入賞音として、例えば、「やったね!」や「さすが!」といったキャラクタの音声が出力される。オーバー入賞音によってV入賞が容易か否か(大当たり遊技終了後に遊技者に有利な確変遊技状態に移行するか否か)が示唆されるため、V入賞が容易か否かを報知するまでは、オーバー入賞音を出力させることで興趣性を向上させる演出効果が期待できる。
しかしながら、14R目のラウンド遊技の開始に伴って実行される結果報知演出(成功報知または失敗報知)では、遊技に関して遊技者にとってより関心の高い重要な情報が報知されるため、オーバー入賞音の出力よりも結果報知演出を優先して実行する構成が好ましい。
具体的には、結果報知演出(失敗報知)では、V入賞が容易ではないことが報知される。このため、結果報知演出(失敗報知)開始後は、V入賞が容易か否かを示唆するオーバー入賞音を出力する意味がない。また、V入賞が容易ではないにもかかわらず、例えば、「やったね!」といったオーバー入賞音を出力すると、遊技者の不快感を煽りかねず、遊技に対する興味を削ぎかねない。
一方、結果報知演出(成功報知)では、V入賞が容易であることが報知されるため、オーバー入賞音の出力よりも結果報知演出(成功報知)を優先して実行するのが望ましい。さらに、結果報知演出(成功報知)の実行終了後には、15R目の長開放ラウンド遊技の開始に伴って、V領域195への遊技球の打ち出しを遊技者に促すV入賞前報知演出が実行される(図16(B)参照)。本実施形態では、V入賞を条件に大当たり遊技終了後に確変遊技状態で遊技が制御される。このため、V入賞前報知演出は、オーバー入賞音よりも遊技に関して遊技者にとってより関心の高い重要な情報を示す演出であるといえる。それ故、オーバー入賞音の出力よりもV入賞前報知演出を優先して実行する構成が好ましい。加えて、V入賞前報知演出の実行終了後には、V入賞したこと、すなわち、大当たり遊技終了後の確変遊技状態への移行が確定したことを報知するV入賞報知演出が実行される。このため、V入賞報知演出開始後は、大当たり遊技終了後に確変遊技状態に移行することが確定しているので、大当たり遊技終了後の確変遊技状態への移行の条件であるV入賞が容易か否かを示唆するオーバー入賞音を出力する意味がない。また、仮にV領域195の長開放中にV領域195に遊技球が入賞しなかった場合も、大当たり遊技終了後に時短遊技状態に移行することが確定しているため、V入賞前報知演出の実行終了後はオーバー入賞音を出力する意味がない。
そこで、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、第1始動口11への入賞に係る大当たり(短開放当たり又は長開放当たり)の大当たり遊技中に、以下のようなオーバー入賞音の出力制御が行われる。
図16(A)に例示されるように、短開放当たりに係る大当たり遊技において、結果報知演出(失敗報知)の実行前は遊技球のオーバー入賞に伴ってオーバー入賞音が出力される。これに対して、結果報知演出(失敗報知)の実行後は、オーバー入賞してもオーバー入賞音は出力されない。
具体的には、例えば、8R目のラウンド遊技は結果報知演出(失敗報知)の実行前に行われるラウンド遊技なので、8R目のラウンド遊技が行われることによって第1大入賞口13が開放されている間にオーバー入賞すると、オーバー入賞に伴ってオーバー入賞音が出力される。図16(A)では、8R目のラウンド遊技が行われることによって2回オーバー入賞しているため、それぞれのオーバー入賞に伴って、同じオーバー入賞音が出力される。その後の9R目〜12R目のラウンド遊技も、8R目のラウンド遊技と同様に結果報知演出(失敗報知)の実行前に行われるラウンド遊技なので、ラウンド遊技が行われることによってオーバー入賞すると、オーバー入賞に伴ってオーバー入賞音が出力される。なお、12R目のラウンド遊技終了後の13R目のラウンド遊技中はゲーム演出が行われるが、いまだ結果報知演出(失敗報知)が実行されていないラウンド遊技なので、13R目のラウンド遊技が行われることによってオーバー入賞すると、オーバー入賞に伴ってオーバー入賞音が出力される。
ここで、8R目〜13R目の各ラウンド遊技が行われることによってオーバー入賞すると、図15(A)に例示された短開放当たり用オーバー入賞音選択テーブルから選択されたオーバー入賞音(オーバー入賞音A又はB)が出力される。したがって、各ラウンドに関するオーバー入賞に対して、同じオーバー入賞音が出力される場合もあるし、異なるオーバー入賞音が出力される場合もある。
そして、例えば、13R目のラウンド遊技終了後に行われる14R目のラウンド遊技の開始に伴って結果報知演出(失敗報知)が実行される(図16(A)参照)。このため、14R目のラウンド遊技が行われることによってオーバー入賞しても、オーバー入賞に伴ってオーバー入賞音が出力されない。また、15R目のラウンド遊技は短開放ラウンド遊技であるためオーバー入賞音は出力されない。さらに、16R目のラウンド遊技は、結果報知演出(失敗報知)実行後に行われるラウンド遊技なので、16R目のラウンド遊技が行われることによってオーバー入賞しても、オーバー入賞音は出力されない。
一方、図16(B)に例示されるように、長開放当たりに係る大当たり遊技において、結果報知演出(成功報知)の実行前は、短開放当たりの場合と同様に、遊技球のオーバー入賞に伴ってオーバー入賞音が出力される。これに対して、長開放当たりに係る大当たり遊技において、結果報知演出(成功報知)の実行後は、短開放当たりの場合と同様に、オーバー入賞してもオーバー入賞音は出力されない。
具体的には、例えば、8R目のラウンド遊技は結果報知演出(成功報知)の実行前に行われるラウンド遊技なので、8R目のラウンド遊技が行われることによってオーバー入賞すると、オーバー入賞に伴ってオーバー入賞音が出力される。図16(B)では、8R目のラウンド遊技が行われることによって2回オーバー入賞しているため、それぞれのオーバー入賞に伴って、同じオーバー入賞音が出力される。その後の9R目〜12R目のラウンド遊技も、8R目のラウンド遊技と同様に結果報知演出(成功報知)の実行前に行われるラウンド遊技なので、ラウンド遊技が行われることによってオーバー入賞すると、オーバー入賞に伴ってオーバー入賞音が出力される。なお、12R目のラウンド遊技終了後の13R目のラウンド遊技中はゲーム演出が行われるが、いまだ結果報知演出(成功報知)が実行されていないラウンド遊技なので、13R目のラウンド遊技が行われることによってオーバー入賞すると、オーバー入賞に伴ってオーバー入賞音が出力される。
ここで、8R目〜13R目の各ラウンドに関するオーバー入賞に対しては、図15(B)に例示された長開放当たり用オーバー入賞音選択テーブルから選択されたオーバー入賞音(オーバー入賞音A、B、又はC)が出力される。したがって、各ラウンドに関するオーバー入賞に対して、同じオーバー入賞音が出力される場合もあるし、異なるオーバー入賞音が出力される場合もある。
そして、例えば、13R目のラウンド遊技終了後に行われる14R目のラウンド遊技の開始に伴って結果報知演出(成功報知)が実行される(図16(A)参照)。このため、14R目のラウンド遊技が行われることによってオーバー入賞しても、オーバー入賞音は出力されない。さらに、14R目のラウンド遊技終了後に行われる15R目のラウンド遊技の途中から、16R目のラウンド遊技が終了した後に到来するエンディング期間の開始時までは、大当たり遊技終了後の確変遊技状態への移行が確定したことを報知するV入賞報知演出(例えば、V入賞音の出力)が実行される。このため、15R目又は16R目のラウンド遊技が行われることによってオーバー入賞しても、オーバー入賞音は出力されない。
このように、本実施形態では、第1始動口11に遊技球が入賞して大当たりとなった場合、結果報知演出(失敗報知または成功報知)が行われる14R目のラウンド遊技が開始されるまでは、オーバー入賞に伴って、V入賞が容易か否か、すなわち、大当たりの種類(短開放当たり又は長開放当たり)、及び大当たり遊技終了後の遊技状態を示唆するオーバー入賞音が出力される。これにより、規定数に応じた賞球以上の遊技球が払い出されることへの高揚感を高めつつ、V入賞が容易か否かを報知するまでの興趣性を向上させることが可能となる。
一方、14R目のラウンド遊技の開始に伴う結果報知演出(失敗報知または成功報知)の実行中は、オーバー入賞してもオーバー入賞音は出力されない。具体的には、第1始動口11に遊技球が入賞して短開放当たりとなった場合、V入賞が容易ではないこと、すなわち、大当たり遊技終了後に確変遊技状態に移行しない(時短遊技状態に移行する)ことを報知する結果報知演出(失敗報知)が、オーバー入賞音の出力より優先して実行される。また、第1始動口11に遊技球が入賞して長開放当たりとなった場合、V入賞が容易であること、すなわち、大当たり遊技終了後に確変遊技状態に移行することを報知する結果報知演出(成功報知)が、オーバー入賞音の出力より優先して実行される。
すなわち、本実施形態では、例えば、その後に遊技者にとって有利な状態となるか否かを報知する結果報知演出、又はその後に遊技者にとって有利な状態となることを報知するV入賞報知演出が実行される前のラウンドでは、そのラウンドに関するオーバー入賞に対し、オーバー入賞に伴ってオーバー入賞音の出力が可能である。また、例えば、結果報知演出、又はV入賞報知演出が実行されるラウンドでは、そのラウンドに関するオーバー入賞に伴うオーバー入賞音の出力より、結果報知演出、又はV入賞報知演出が優先して実行される。
さらに、本実施形態では、第1始動口11に遊技球が入賞して大当たりとなった場合、結果報知演出(失敗報知または成功報知)の実行後は、オーバー入賞してもオーバー入賞音は出力されない。具体的には、第1始動口11に遊技球が入賞して短開放当たりとなった場合、V入賞が容易ではないこと、すなわち、大当たり遊技終了後に時短遊技状態に移行することが報知された後なので、V入賞が容易か否かを示唆するオーバー入賞音は出力されない。これにより、結果報知演出(失敗報知)実行後も演出の興趣を損なうことなく大当たり遊技を実行することができる。
また、第1始動口11に遊技球が入賞して長開放当たりとなった場合、V入賞が容易であることが報知された後なので、V入賞が容易か否かを示唆するオーバー入賞音は出力されない。また、結果報知演出(成功報知)の実行後にはV入賞報知演出が実行されることによって、大当たり遊技終了後の確変遊技状態への移行が確定したことが報知される。このためで、大当たり遊技終了後の確変遊技状態への移行の条件であるV入賞が容易か否かを示唆するオーバー入賞音は出力されない。これにより、例えば、オーバー入賞音よりも、V入賞音を強調して出力することができ、その後もV入賞の余韻を残した演出効果の高い演出を行うことができる。
なお、他の実施形態では、長開放当たりにおける16R目のラウンド遊技が行われることによってオーバー入賞した場合、オーバー入賞に伴ってオーバー入賞音を出力してもよい。
なお、本実施形態では、第2始動口12への入賞に基づいて16R長開放当たりとなった場合、15R目に第2大入賞口19及びV領域195が長開放されるラウンド遊技が行われる。この15R目にV入賞すると、第1始動口11への入賞に基づく長開放当たりになった場合と同様に、大当たり遊技後の確変遊技状態への移行が確定したことを報知するV入賞音が出力される。このため、第2始動口12への入賞に基づいて16R長開放当たりとなった場合、15R目のラウンド遊技以外のラウンド遊技が行われることによってなされたオーバー入賞に伴ってオーバー入賞音の出力が可能である。
[短開放当たりにおける演出の具体例]
次に、図17を参照しつつ、第1始動口11への入賞に基づく短開放当たりにおける演出の具体例について説明する。ここで、図17は、短開放当たりにおける演出の具体例について説明するための画面図である。
第1始動口11への入賞に基づいて短開放当たりになると、大当たり遊技が開始される。大当たり遊技中には、遊技者に右打ちを促す右打ち画像と、現在行われているラウンド数を示すラウンド画像と、今回の大当たり遊技中に遊技制御基板100から払出制御基板に払い出しが指示された合計賞球数(単位はt)を示す出玉数画像とが液晶表示装置5の表示画面に表示される。合計賞球数は、オーバー入賞に応じて払い出しが指示された賞球も含む。なお、出玉数画像は、第1大入賞口13又は第2大入賞口19への遊技球の入賞に応じて更新される。
その後、13R目のラウンド遊技の開始に伴ってゲーム演出が実行され、例えば、ゲーム演出におけるボタン押下演出が行われる(図17(A)参照)。なお、13R目のラウンド遊技が行われることによってオーバー入賞すると、オーバー入賞に伴ってオーバー入賞音が出力される。図17(A)は、13R目のラウンド遊技終了後におけるインターバル期間を例示しているため、ラウンド画像として「13R」の文字が表示されており、第1大入賞口13及び第2大入賞口19は閉塞している。なお、出玉数画像として、8R目のラウンド遊技によって2回、9R目〜13R目のラウンド遊技によって1回ずつオーバー入賞した場合の合計賞球数である「854t」が表示される。
ゲーム演出におけるボタン押下演出では、図17(A)に例示されるように、例えば、演出ボタン26を模した演出ボタン画像と、演出ボタン26の押下が有効な有効期間の残り時間を示すゲージ画像と、例えば「長押し」といった演出ボタン26の押下を促す文言と、例えば「アタッカーを開放させろ!」といった次のラウンドで第2大入賞口19が長開放されるか否かを示唆する文言とが表示画面に表示される。
ゲーム演出が終了すると、14R目のラウンド遊技の開始に伴い、結果報知演出(失敗報知)が行われる。図17(B)は、14R目のラウンド遊技が行われることによってオーバー入賞が1回されたタイミングを例示している。すなわち、14R目のラウンド遊技が終了した後のインターバル期間であるため、ラウンド画像として「14R」の文字が表示されており、第1大入賞口13及び第2大入賞口19は閉塞している。なお、オーバー入賞に伴ってオーバー入賞音は出力されない(図16(A)参照)。また、出玉数画像として、8R目のラウンド遊技によって2回、9R目〜14R目のラウンド遊技によって1回ずつオーバー入賞した場合の合計賞球数である「994t」が表示される。
14R目のラウンド遊技が終了すると、15R目の短開放ラウンド遊技の開始に伴い、結果報知演出(失敗報知)が行われたことを示すラウンド中演出が開始される。このラウンド中演出は、16R目の長開放ラウンド遊技が終了するまで行われる。図17(C)は、15R目の短開放ラウンド遊技において、短開放された第2大入賞口19に遊技球が1つも入賞しなかったために出玉数画像が更新されなかった状態を例示している。なお、図17(C)は、15R目のラウンド遊技が終了した後のインターバル期間を例示しているため、ラウンド画像として「15R」の文字が表示されており、第1大入賞口13及び第2大入賞口19は閉塞している。
そして、15R目の短開放ラウンド遊技が終了すると、16R目のラウンド遊技が開始される。図17(D)は、16R目のラウンド遊技が行われることによってオーバー入賞が1回されたタイミングを例示している。すなわち、16R目のラウンド遊技が終了した直後であり、且つエンディング期間が開始される直前であるため、ラウンド画像として「16R」の文字が表示されており、第1大入賞口13及び第2大入賞口19は閉塞している。なお、オーバー入賞に伴ってオーバー入賞音は出力されない(図16(A)参照)。また、出玉数画像として、8R目のラウンド遊技によって2回、9R目〜14R目及び16R目のラウンド遊技によって1回ずつオーバー入賞した場合の合計賞球数である「1134t」が表示される。
そして、16R目のラウンド遊技終了後の今回の大当たり遊技のエンディング期間において、時短遊技状態への移行を報知する時短移行エンディング演出が行われる(図17(E)参照)。時短移行エンディング演出の序盤において、表示画面の上方に出玉数画像が表示され、今回の大当たり遊技中に払い出しが指示された合計賞球数「1134t」が表示される。
時短移行エンディング演出が行われて大当たり遊技が終了すると、時短遊技状態に移行することになる。このため、右打ち画像が所定期間表示され、第2特別図柄の変動開始に応じて装飾図柄51の変動表示が開始される(図17(F)参照)。
[長開放当たりにおける演出の具体例]
次に、図18を参照しつつ、第1始動口11への入賞に基づく長開放当たりにおける演出の具体例について説明する。ここで、図18は、長開放当たりにおける演出の具体例について説明するための画面図である。
第1始動口11への入賞に基づいて長開放当たりになると、大当たり遊技が開始される。大当たり遊技中には、短開放当たりとなった場合と同様に、遊技者に右打ちを促す右打ち画像と、現在行われているラウンド数を示すラウンド画像と、今回の大当たり遊技中に払い出しが指示された合計賞球数(単位はt)を示す出玉数画像とが表示される。
その後、短開放当たりとなった場合と同様に、13R目のラウンド遊技の開始に伴ってゲーム演出が実行され、ゲーム演出におけるボタン押下演出が行われる(図18(A)参照)。このため、遊技者は、今回の大当たりが短開放当たりであるか長開放当たりであるかを未だ判断することはできない。なお、13R目のラウンド遊技が行われることによってオーバー入賞すると、オーバー入賞に伴ってオーバー入賞音が出力される。図18(A)は、13R目のラウンド遊技終了後におけるインターバル期間を例示しているため、ラウンド画像として「13R」の文字が表示されており、第1大入賞口13及び第2大入賞口19は閉塞している。なお、出玉数画像として、8R目のラウンド遊技によって2回、9R目〜13R目のラウンド遊技によって1回ずつオーバー入賞した場合の合計賞球数である「854t」が表示される。
ゲーム演出が終了すると、14R目のラウンド遊技の開始に伴い、結果報知演出(成功報知)が行われる。図18(B)は、14R目のラウンド遊技が行われることによってオーバー入賞が1回されたタイミングを例示している。すなわち、14R目のラウンド遊技が終了した後のインターバル期間であるため、ラウンド画像として「14R」の文字が表示されており、第1大入賞口13及び第2大入賞口19は閉塞している。なお、オーバー入賞に伴ってオーバー入賞音は出力されない(図16(B)参照)。また、出玉数画像として、8R目のラウンド遊技によって2回、9R目〜14R目のラウンド遊技によって1回ずつオーバー入賞した場合の合計賞球数である「994t」が表示される。
14R目のラウンド遊技が終了すると、15R目のラウンド遊技の開始に伴い、V領域195(第2大入賞口19)への遊技球の打ち出しを促すV入賞前報知演出が行われる。図18(C)は、15R目のラウンド遊技においてV領域195が開放される前の状態を例示している。このため、ラウンド画像として「15R」の文字が表示されており、第1大入賞口13は閉塞し、第2大入賞口19は長開放している。なお、V領域195の開放前であるため、V入賞はしていない。また、出玉数画像として、現在までに払い出し指示が行われた合計賞球数である「1022t」が表示される。
その後、V領域195が開放されてV入賞すると、V入賞前報知演出が終了するのに伴い、大当たり遊技終了後の確変遊技状態への移行が確定したことを報知するV入賞報知演出が実行される。このV入賞報知演出は、15R目のラウンド遊技終了後に行われる16R目のラウンド遊技終了後のエンディング期間開始時まで行われる。V入賞報知演出では、「V」といったV入賞を報知するV入賞報知画像が表示画面に表示されると共に、V入賞音がスピーカ24から出力される。図18(D)は、15R目のラウンド遊技が行われることによってオーバー入賞が1回されたタイミングを例示している。すなわち、15R目のラウンド遊技が終了した後のインターバル期間であるため、ラウンド画像として「15R」の文字が表示されており、第1大入賞口13及び第2大入賞口19は閉塞している。なお、オーバー入賞に伴ってオーバー入賞音は出力されない(図16(B)参照)。また、出玉数画像として、8R目のラウンド遊技によって2回、9R目〜15R目のラウンド遊技によって1回ずつオーバー入賞した場合の合計賞球数である「1134t」が表示される。
そして、15R目の長開放ラウンド遊技が終了すると、16R目のラウンド遊技が開始される。図18(E)は、16R目のラウンド遊技が行われることによってオーバー入賞が1回されたタイミングを例示している。すなわち、16R目のラウンド遊技が終了した直後であるため、第1大入賞口13及び第2大入賞口19は閉塞している。しかしながら、いまだ確変移行エンディング演出が開始されていないため、表示画面にはV入賞報知画像やラウンド画像(「16R」の文字)等が表示されている。なお、オーバー入賞に伴ってオーバー入賞音は出力されない(図16(B)参照)。また、出玉数画像として、8R目のラウンド遊技によって2回、9R目〜16R目のラウンド遊技によって1回ずつオーバー入賞した場合の合計賞球数である「1274t」が表示される。
そして、16R目のラウンド遊技終了後の今回の大当たり遊技のエンディング期間において、確変遊技状態への移行を報知する確変移行エンディング演出が行われる(図18(F)参照)。確変移行エンディング演出の序盤において、表示画面の上方に出玉数画像が表示され、今回の大当たり遊技中に払い出しが指示された合計賞球数「1274t」が表示される。また、確変遊技状態に移行することを示す演出画像(例えば、NEXTという演出画像)等が表示画面に表示される。
確変移行エンディング演出が行われて大当たり遊技が終了すると、確変遊技状態に移行することになる。このため、右打ち画像が所定期間表示され、第2特別図柄の変動開始に応じて装飾図柄51の変動表示が開始される(図18(G)参照)。
[オーバー入賞音に関する変形例]
なお、他の実施形態では、結果報知演出の実行を契機にオーバー入賞音のボリュームを下げて、結果報知演出の実行以降もオーバー入賞音を出力してもよい。具体的には、例えば、結果報知演出の実行前は、オーバー入賞音を通常のオーバー入賞音の設定音量(通常音量。例えば、ボリューム100%)で出力し、結果報知演出の実行以降は、オーバー入賞音を通常音量よりも小さい音量(例えば、ボリューム1%〜30%)で出力させてもよい。その際、結果報知演出、V入賞前報知演出、V入賞報知演出、及びエンディング演出に係る演出音は、通常音量で出力してもよいし、通常音量よりも小さく且つオーバー入賞音の音量よりも大きい音量(例えば、ボリューム50%〜99%)で出力してもよい。これにより、オーバー入賞音を出力することにより大当たり遊技の興趣性を向上させつつ、他の演出の演出効果が低下することを抑制できる。
また、他の実施形態では、音に代えて又は音に加えて、画像によってオーバー入賞したことを報知してもよく、画像によって大当たりの種類を示唆してもよい。例えば、長開放ラウンド遊技が行われることによってオーバー入賞した場合に、オーバー入賞に伴って、選択割合の異なる複数のオーバー入賞画像の中から選択したいずれかのオーバー入賞画像を液晶表示装置5の表示画面に表示することで、V入賞が容易か否か、すなわち、第1始動口11に係る大当たりの種類(短開放当たり又は長開放当たり)を示唆(又は報知)してもよい。さらに、他の実施形態では、結果報知演出の実行を契機に上記オーバー入賞画像の表示態様を異ならせることで、結果報知演出の実行以降もオーバー入賞画像の表示を行ってもよい。具体的には、例えば、結果報知演出の実行前は、オーバー入賞画像を通常の表示態様(例えば、不透明度100%、又は表示面積100%)で出力し、結果報知演出の実行以降はオーバー入賞画像を通常の表示態様よりも視認し難い表示態様(例えば、不透明度20%、又は表示面積20%)で表示させてもよい。その際、結果報知演出、V入賞前報知演出、V入賞報知演出、及びエンディング演出に係る演出画像は、通常の表示態様で出力してもよいし、通常の表示態様より視認し難い表示態様(例えば、不透明度95%、又は表示面積80%)で出力してもよい。
また、他の実施形態では、オーバー入賞したときに限らず、第1大入賞口13(又は第2大入賞口19)に遊技球が入賞したことに応じて、音を出力(画像を表示)させてもよい。例えば、長開放ラウンド遊技中における第1大入賞口13(又は第2大入賞口19)への規定数以内(例えば9個以内)の遊技球の入賞に伴って、選択割合の異なる複数の入賞音の中から選択したいずれかの入賞音を出力して、V入賞が容易か否か、すなわち、大当たり遊技終了後に確変遊技状態に移行するか否かを示唆してもよい。また、他の実施形態では、大当たり遊技中における第1始動口11、第2始動口12、又は普通入賞口14への遊技球の入賞に伴って、選択割合の異なる複数の入賞音の中から選択したいずれかの入賞音を出力することで、大当たり遊技中に大当たりの種類を示唆(又は報知)してもよい。
また、上記実施形態では、第1始動口11への入賞に基づく大当たり遊技における第14R目のラウンド遊技が行われるまでは大当たりの種類を報知されないものとしたが、他の実施形態では、大当たり遊技の開始時に(例えば、特別図柄の停止時の装飾図柄51の停止態様やオープニング時等)、大当たりの種類(大当たり図柄)が報知されてもよい。または、大当たり遊技に係る特別図柄の変動表示中に(例えば、上述した当たり確定動作演出の実行時等)、大当たりの種類が報知されてもよい。そして、これら場合にも上記オーバー入賞音が出力されてもよい。例えば、大当たり遊技の開始時に大当たりの種類が報知された場合であっても、上記3つのオーバー入賞音の中からオーバー入賞音選択テーブル(図15参照)に基づいて1つのオーバー入賞音が選択されてもよいし、3つのオーバー入賞音の中からランダムに1つのオーバー入賞音が選択されてもよい。または、3つのオーバー入賞音の中からの固定のオーバー入賞音が出力されてもよいし、上記3つの音とは異なるオーバー入賞音が出力されてもよい。
また、他の実施形態では、第1特別図柄が停止してから大当たり遊技が開始されるまでのオープニング演出中の音の種類や、ラウンド遊技中に行われる演出の音の種類によって、V入賞が容易か否か、すなわち、第1始動口11への入賞に基づく大当たりの種類(短開放当たり又は長開放当たり)を示唆(又は報知)してもよい。
また、V領域195への遊技球の入賞を条件として高確率状態に移行するタイプのパチンコ遊技機に限らず、大当たり図柄の種類によって大当たり遊技後に高確率状態に移行するタイプのパチンコ遊技機においても本発明は適用可能である。この場合、オーバー入賞音の出力によって、大当たり遊技終了後から次の大当たりまで高確率状態で遊技が制御されるか否かを示唆(又は報知)してもよい。
また、遊技者に有利な大当たり及び遊技者に不利な大当たりを備えるタイプのパチンコ遊技機においても本発明は適用可能である。遊技者に有利な大当たりは、当該大当たりに係る大当たり遊技終了後の遊技状態が遊技者にとって有利な大当たりでもよいし、当該大当たりに係る大当たり遊技において遊技者に払い出される賞球が多い大当たりでもよい。例えば、大当たり遊技の開始時には、16回の長開放ラウンド遊技が繰り返される16R大当たりか、4回の長開放ラウンド遊技が繰り返される4R大当たりかを遊技者に報知しないランクアップ大当たりに係る大当たり遊技において、遊技者に有利な16R大当たりであるか否かをオーバー入賞音の出力によって示唆(又は報知)してもよい。
また、他の実施形態では、大当たり遊技中に保留されている特別図柄判定の権利の中に大当たりであると判定されることになるもの(以下、「保留連」という)があるか否かをオーバー入賞音の出力によって示唆(又は報知)してもよい。なお、保留連がある場合、保留連がない場合とは異なる態様の演出が行われてもよい。例えば、保留連がない場合には、V入賞報知演出として「V」といった文字を平面的な表示態様で表したV入賞報知画像が表示されるのに対し、保留連がある場合には、V入賞報知演出として「V」といった文字を立体視可能な表示態様で表したV入賞報知画像が表示されてもよい。また、保留連がある場合には、保留連がない場合に出力されるV入賞音よりも大きな音量でV入賞音を出力してもよいし、保留連がない場合に出力されるV入賞音とは異なる音のV入賞音を出力してもよい。
また、他の実施形態では、ラウンド遊技開始時に、そのラウンド遊技が行われることによってなされたオーバー入賞に伴い、オーバー入賞音を出力するか否かを決定してもよい。また、第1大入賞口スイッチ115(又は第2大入賞口116)からの検知信号が入力されたタイミングに応じて、遊技球の第1大入賞口13(又は第2大入賞口19)への遊技球の入賞がオーバー入賞である場合に、オーバー入賞に伴い、オーバー入賞音を出力するか否かを決定してもよい。例えば、オーバー入賞した際に、80%の割合でオーバー入賞に伴ってオーバー入賞音を出力し、20%の割合でオーバー入賞に伴ってオーバー入賞音を出力しなくてもよい。これにより、意外性のある演出を行うことができ、大当たり遊技中の演出の演出効果の低下を抑制することができる。
また、他の実施形態では、後述する事前判定処理(図26参照)によって得られた事前判定情報に基づいて、第1始動口11(又は第2始動口12)に遊技球が入賞したときに、当該変動開始時に大当たりと判定されることになるものであるか否かを示唆(又は報知)する入賞音を出力してもよいし、当該変動開始時に大当たりと判定されることになるものである場合には大当たりの種類(短開放当たり又は長開放当たり)を示唆(又は報知)してもよい。
また、他の実施形態では、V入賞が容易か否かを報知するまでに行われる短開放ラウンド遊技中(第1R目〜第7R目)において、短開放された第1大入賞口13又は第2大入賞口19への遊技球の入賞に伴って入賞音を出力し、当該入賞音によってV入賞が容易か否か、すなわち、大当たりの種類を示唆(又は報知)してもよい。この場合、V入賞が容易か否かを報知するまでに行われる長開放ラウンド遊技中においては、V入賞が容易か否かを示唆(又は報知)するオーバー入賞音を出力してもよいし、しなくてもよい。これにより、短開放ラウンド遊技中に入賞できたことへの高揚感を高めつつ、V入賞が容易か否かを報知するまでの短開放ラウンド遊技の興趣性を向上させることが可能となる。また、入賞する可能性が低い短開放ラウンド遊技中にも遊技者に遊技球の打ち出しを行わせることが可能となる。
以下、図6〜図18に基づいて上述した演出を実現するためのパチンコ遊技機1の内部構成やパチンコ遊技機1で行われる処理の一例について、詳細に説明する。
[パチンコ遊技機1の制御装置の構成]
遊技盤2の裏面側には、上皿28又は下皿29へと送り出される遊技球を溜めておく球タンクの他に、パチンコ遊技機1の動作を制御する制御装置が設けられている。図19に例示されるように、パチンコ遊技機1の制御装置は、各種判定やコマンドの送信といった遊技の進行を制御する遊技制御基板100、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて演出を統括的に制御する演出制御基板130、画像や音による演出を制御する画像音響制御基板140、各種のランプや可動体による演出を制御するランプ制御基板150等から構成されている。なお、制御装置の構成はこれに限定されるものではなく、例えば演出制御基板130、画像音響制御基板140、及びランプ制御基板150が1つの基板で構成されていてもよい。
[遊技制御基板100の構成例]
遊技制御基板100は、メインCPU101、メインROM102、及びメインRAM103を備えている。メインCPU101は、メインROM102に記憶されたプログラム等に基づいて、判定や払い出し賞球数に関連する各種の演算処理を行う。メインRAM103は、メインCPU101が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
遊技制御基板100には、第1始動口スイッチ111、第2始動口スイッチ112、電動チューリップ制御部113、ゲートスイッチ114、第1大入賞口スイッチ115、第2大入賞口スイッチ116、V入賞口スイッチ117、排出スイッチ118、第1大入賞口制御部119、第2大入賞口制御部120、V入賞口制御部121、普通入賞口スイッチ122、及び表示器4を構成する各表示器41〜48が接続されている。
第1始動口スイッチ111は、第1始動口11に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。第2始動口スイッチ112は、第2始動口12に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。電動チューリップ制御部113は、遊技制御基板100からの制御信号に応じて、電動チューリップ17の一対の羽根部材に駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、第2始動口12を開閉する。ゲートスイッチ114は、遊技球がゲート16を通過したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。
第1大入賞口スイッチ115は、第1大入賞口13に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。第2大入賞口スイッチ116は、第2大入賞口19に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。V入賞口スイッチ117は、V領域195に進入する遊技球を検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。排出スイッチ118は、ハズレ領域196に進入する遊技球を検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。
第1大入賞口制御部119は、遊技制御基板100からの制御信号に基づいて、第1大入賞口13を閉塞するプレートに駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、第1大入賞口13を開閉する。第2大入賞口制御部120は、遊技制御基板100からの制御信号に基づいて、第2大入賞口19を閉塞する第1羽根部材191(図4参照)に駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、第2大入賞口19を開閉する。V入賞口制御部121は、遊技制御基板100からの制御信号に基づいて、V領域195を開閉する第2羽根部材192(図4参照)に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、V領域195を開閉する。普通入賞口スイッチ122は、遊技球が普通入賞口14に入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。
遊技制御基板100のメインCPU101は、第1始動口スイッチ111、第2始動口スイッチ112、第1大入賞口スイッチ115、第2大入賞口スイッチ116、又は普通入賞口スイッチ122からの検知信号が入力されると、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球の払い出しを払出制御基板(不図示)に指示し、払出制御基板からの情報に基づいて、払い出す賞球の個数を管理する。詳細な説明は省略するが、払出制御基板は、球タンクから遊技球を送り出す駆動モータを制御することによって、上皿28又は下皿29に遊技球を供給する。なお、本実施形態におけるパチンコ遊技機1は4つの普通入賞口14を有しているため、4つの普通入賞口スイッチ122を備えているが、図19においては、普通入賞口スイッチ122を1つだけ表記している。
メインCPU101は、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力されたタイミングで取得情報としての各種乱数を取得し、取得した乱数を用いて第1特別図柄判定を実行する。また、第2始動口スイッチ112からの検知信号が入力されたタイミングで取得情報としての各種乱数を取得し、取得した乱数を用いて第2特別図柄判定を実行する。そして、大当たりであると判定した場合には、第1大入賞口制御部119及び第2大入賞口制御部120を介して第1大入賞口13及び第2大入賞口19を開閉して大当たり遊技を実行する。また、第2大入賞口19に係るラウンド遊技に伴って、V入賞口制御部121を介してV領域195を開閉する。そして、V入賞口スイッチ117からの検知信号が入力された場合には、大当たり遊技終了後の遊技状態を確変遊技状態に設定し、V入賞口スイッチ117からの検知信号が入力されなかった場合には、大当たり遊技終了後の遊技状態を時短遊技状態に設定する。
また、メインCPU101は、ゲートスイッチ114からの検知信号が入力されたタイミングで乱数を取得し、取得した乱数を用いて普通図柄判定を実行する。そして、第2始動口12を開放すると判定した場合、電動チューリップ制御部113を介して電動チューリップ17に連結された電動ソレノイドを作動させることにより、第2始動口12を一時的に開放する。
また、メインCPU101は、表示器4を構成する各表示器41〜48に図3に基づいて上述した処理を実行させる。
[演出制御基板130の構成例]
演出制御基板130は、サブCPU131、サブROM132、サブRAM133、及びRTC(リアルタイムクロック)134を備えている。サブCPU131は、サブROM132に記憶されたプログラムに基づいて、演出を制御する際の演算処理を行う。サブRAM133は、サブCPU131が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。RTC134は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測する。
サブCPU131は、遊技制御基板100から送信される特別図柄判定や普通図柄判定、大当たり遊技等に関する遊技情報に基づいて演出内容を設定する。その際、演出ボタン26又は演出キー27からの操作情報の入力を受け付けて、その操作情報に応じた演出内容を設定する場合もある。サブCPU131は、設定した演出内容の演出の実行を指示するコマンドを画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信する。
[ランプ制御基板150の構成例]
ランプ制御基板150は、ランプCPU151、ランプROM152、及びランプRAM153を備えている。ランプCPU151は、ランプROM152に記憶されたプログラムに基づいて、演出役物71〜73、遊技盤2に設けられた盤ランプ25、枠部材3に内蔵された枠ランプ37、演出ボタン26に内蔵されたボタンランプ等を制御する際の演算処理を行う。ランプRAM153は、ランプCPU151が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
ランプROM152には、発光パターンデータ及び動作パターンデータが記憶されている。ここで、発光パターンデータは、演出役物71〜73に内蔵されているLED等の発光素子、盤ランプ25、枠ランプ37、演出ボタン26に内蔵されたボタンランプ等のそれぞれの発光パターンを示すデータである。動作パターンデータは、演出役物71〜73の動作パターンを示すデータである。
ランプCPU151は、ランプROM152に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御基板130から受信したコマンドに対応する発光パターンデータをランプRAM153に読み出して、演出役物71〜73の発光素子、盤ランプ25、枠ランプ37、演出ボタン26のボタンランプ等の各発光素子の発光を制御する。
また、ランプCPU151は、ランプROM152に記憶された動作パターンデータの中から、演出制御基板130から受信したコマンドに対応する動作パターンデータをランプRAM153に読み出して、演出役物71〜73を動作させるステッピングモータの駆動を制御する。
[画像音響制御基板140の構成例]
図20は、画像音響制御基板140の構成例を示すブロック図である。画像音響制御基板140は、液晶表示装置5の画像表示制御と、スピーカ24の演出音出力制御とを行うものである。この画像音響制御基板140は、図20に例示されるように、統括CPU141、VDP(Video Display Processor)142、音響DSP(Digital Signal Processor)143、制御用ROM144、制御用RAM145、音響用ROM146、SDRAM147、CGROM148、及びVRAM149を備えている。
統括CPU141は、制御用ROM144に記憶されているプログラムやディスプレイリスト作成テーブルなどの各種テーブル、演出制御基板130から受信したコマンド等に基づいて、VDP142に対して、CGROM148に記憶されている画像データを液晶表示装置5に表示させる指示を行う。この指示は、主にディスプレイリストの出力によって行われる。
ここで、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されており、描画する画像の種類、画像を描画する位置(座標)、表示の優先順位、表示倍率、回転角、透過率等の各種パラメータを含むものである。また、ディスプレイリスト作成テーブルは、このディスプレイリストを作成するために使用されるテーブルである。
統括CPU141は、音響DSP143に対しても、音響用ROM146に記憶されている音響データをスピーカ24から出力させる指示を行う。
制御用ROM144は、マスクROMで構成されており、統括CPU141の制御プログラム、ディスプレイリストを生成するためのディスプレイリスト生成プログラム、各種テーブル等が記憶されている。
制御用RAM145は、統括CPU141が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
CGROM148は、特別図柄の変動表示に伴う変動演出や大当たり遊技に伴う演出などを実行するために必要な演出データを記憶するものである。このCGROM148は、フラッシュメモリ、EEPROM、EPROM、マスクROM等から構成され、所定範囲の画素(例えば32×32ピクセル)における画素情報の集まりからなるスプライトデータ(1枚の画像データ)、複数の画像データの集まりからなるムービーデータ等を圧縮して記憶している。なお、画素情報は、それぞれの画素毎に色番号を指定する色番号情報と画像の透明度を示すα値とから構成されている。また、CGROM148は、色番号を指定する色番号情報と実際に色を表示するための表示色情報とが対応づけられたパレットデータ等を圧縮せずに記憶している。
なお、CGROM148に記憶される画像データの一部のみを圧縮しておくようにしてもよい。また、ムービーデータの圧縮方法としては、MPEG4等の公知の種々の圧縮方式を用いることができる。
VRAM149は、画像データを高速に書き込んだり読み出したりすることができるSRAMで構成されており、ディスプレイリスト記憶領域1491、展開記憶領域1492、フレームバッファ1493等を有して構成されている。
ディスプレイリスト記憶領域1491は、統括CPU141から出力されたディスプレイリストを一時的に記憶するものである。展開記憶領域1492は、CGROM148から読み出された後に伸長された画像データを記憶するものである。フレームバッファ1493は、液晶表示装置5に表示される画像データの描画および表示に兼用されるフレームバッファである。
VDP142は、CGROM148に圧縮された状態で記憶されている画像データを伸長して、伸長した画像データを展開記憶領域1492に格納する。また、VDP142は、ディスプレイリスト記憶領域1491に記憶されたディスプレイリストに基づいて、展開記憶領域1492に格納した画像データを用いて、フレームバッファ1493に対する描画処理を行う。また、VDP142は、フレームバッファ1493に記憶された画像データから画像の色を示す映像信号としてのRGB信号を生成し、生成したRGB信号を液晶表示装置5に出力する。
音響DSP143には、楽曲や音声、効果音等に関する各種音響データを記憶する音響用ROM146と、音響DSP143によるデータ処理等の作業領域として使用されるSDRAM147と、アンプ1431とが接続されている。音響DSP143は、統括CPU141からの指示に対応する音響データを音響用ROM146からSDRAM147に読み出してデータ処理を実行し、データ処理後の音響データを(アンプ1431を介して)スピーカ24に出力する。アンプ1431は、統括CPU141から音響DSP143を介して得られる音量に関する指示に従って音量を調整して音響データをスピーカ24に出力させる。
なお、本実施形態では、VDPが描画管理を担うと共に音響DSPがサウンド管理を担う場合について説明するが、他の実施形態では、VDPが描画管理とサウンド管理との両方を担うような構成を採用してもよい。この場合、音響DSPを別途設ける必要はない。
[メインRAM103の構成例]
図21は、メインRAM103の構成例及びメインRAM103に格納される各種情報を示すブロック図である。図21(A)に例示されるように、メインRAM103には、判定用記憶領域1030、第1保留記憶領域1031、第2保留記憶領域1032、第3保留記憶領域1033、第4保留記憶領域1034、第1保留記憶領域1035、第2保留記憶領域1036、第3保留記憶領域1037、及び第4保留記憶領域1038が設けられている。
判定用記憶領域1030は、特別図柄判定が実際に実行されるときにその特別図柄判定に使用される各種情報が記憶される記憶領域である。第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034は、第1特別図柄判定に係る各種情報が記憶される記憶領域であり、第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038は、第2特別図柄判定に係る各種情報が記憶される記憶領域である。また、第2特別図柄判定は、第1特別図柄判定に対して優先消化される。このため、判定用記憶領域1030には、特別図柄判定の実行に際して、第2特別図柄判定が保留されている場合には第1保留記憶領域1035に記憶されている各種情報がシフトされ、第1特別図柄判定のみが保留されている場合には第1保留記憶領域1031に記憶されている各種情報がシフトされる。
図21(B)に例示されるように、保留記憶領域1031〜1038は、それぞれ、メインCPU101によって取得された、大当たり乱数を記憶する領域、図柄乱数を記憶する領域、リーチ乱数を記憶する領域、変動パターン乱数を記憶する領域、事前判定情報を記憶する領域等を含んでいる。
大当たり乱数は、大当たり又はハズレを決定するための乱数である。図柄乱数は、大当たりであると判定された場合に、大当たりの種類を決定するための乱数である。リーチ乱数は、ハズレであると判定された場合に、リーチ有りの演出を行うか或いはリーチ無しの演出を行うかを決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄が変動表示される際の特別図柄の変動パターンを決定するための乱数である。
事前判定情報は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数に基づいて、後述する事前判定処理(図26参照)によって得られる情報である。事前判定情報は、具体的には、入賞始動口情報、特別図柄判定の判定結果が大当たりであるか否かを示す情報、大当たりである場合にはその大当たりの種類が何であるかを示す情報、特別図柄の変動パターンを示す情報、パチンコ遊技機1の遊技状態を示す情報等を含んでいる。ここで、入賞始動口情報は、同じ保留記憶領域内に格納される大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数が、遊技球が第1始動口11に入賞したことを契機として取得されたのか、或いは遊技球が第2始動口12に入賞したことを契機として取得されたのかを示す情報である。これらの情報を含む事前判定情報は、事前判定処理に使用された大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数と同じ保留記憶領域内に格納される。
図21(B)に基づいて説明した5つの情報は、第1始動口11に遊技球が入賞する毎に第1保留記憶領域1031から順に第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034のいずれかに格納され、第2始動口12に遊技球が入賞する毎に第1保留記憶領域1035から順に第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038のいずれかに格納される。
例えば第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034のいずれにも情報が記憶されていない状態で第1特別図柄判定に係る5つの情報が新たに取得された場合、この5つの情報は、第1保留記憶領域1031に格納される。また、例えば第1保留記憶領域1031及び第2保留記憶領域1032のそれぞれに5つの情報が記憶された状態で第1特別図柄判定に係る5つの情報が新たに取得された場合、この5つの情報は、第3保留記憶領域1033に格納される。
また、第1特別図柄判定の実行に際して第1保留記憶領域1031に記憶されている情報が判定用記憶領域1030にシフトされると、第2保留記憶領域1032以降の保留記憶領域に記憶されている情報が第1保留記憶領域1031側にシフトされる。例えば第1保留記憶領域1031〜第3保留記憶領域1033のそれぞれに情報が記憶された状態で第1保留記憶領域1031に記憶されている情報が判定用記憶領域1030にシフトされると、第2保留記憶領域1032に記憶されている情報が第1保留記憶領域1031にシフトされると共に、第3保留記憶領域1033に記憶されている情報が第2保留記憶領域1032にシフトされる。
このような情報のシフト処理は、第2特別図柄判定に係る情報が記憶される第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038においても同様に行われる。なお、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、第1特別図柄判定及び第2特別図柄判定の両方が保留されている場合、すなわち第1保留記憶領域1031及び第1保留記憶領域1035の両方に情報が記憶されている場合、第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034におけるシフト処理に先立って、第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038におけるシフト処理が優先して行われる。
ところで、特別図柄が変動表示されているときや大当たり遊技中に第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入賞して各種乱数が取得されたとしても、特別図柄判定や特別図柄の変動表示を直ちに行うことはできない。
このため、メインCPU101は、このような状況下で各種乱数が取得された場合には、上述したように、取得された各種乱数等を、特別図柄判定を保留する情報として保留記憶領域1031〜1038に格納することとしている。その一方で、特別図柄が変動表示されておらず、特別図柄判定が保留されておらず、また、大当たり遊技中でもない場合には、メインCPU101は、始動口入賞を契機として取得した各種乱数等を判定用記憶領域1030に直接格納することとしている。
[遊技制御基板100によるタイマ割込み処理]
次に、図22を参照しつつ、遊技制御基板100において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図22は、遊技制御基板100において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。遊技制御基板100は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図22に例示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図22以降のフローチャートに基づいて説明する遊技制御基板100の処理は、メインROM102に記憶されているプログラムに基づいてメインCPU101が発行する命令に従って行われる。
まず、メインCPU101は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数の各種乱数を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS1)。
普通図柄乱数は、第2始動口12を開放するか否かを決定するための乱数である。大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数は、このステップS1の処理が行われる毎に「1」加算される。なお、このステップS1の処理を行うカウンタとしてはループカウンタが使用されており、各乱数は、予め設定された最大値に達した後は「0」に戻されて更新される。
ステップS1の処理に続いて、メインCPU101は、各スイッチからの検知信号が入力された場合に、スイッチ処理を実行する(ステップS2)。このスイッチ処理については、図23に基づいて後に詳述する。
ステップS2の処理に続いて、メインCPU101は、特別図柄判定を実行し、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させてから特別図柄判定の判定結果を示す特別図柄を停止表示させる処理等を含む特別図柄処理を実行する(ステップS3)。この特別図柄処理については、図27に基づいて後に詳述する。
ステップS3の処理に続いて、メインCPU101は、普通図柄判定を実行し、普通図柄表示器45に普通図柄を変動表示させてから普通図柄判定の結果を示す普通図柄を停止表示させる処理等を含む普通図柄処理を実行する(ステップS4)。
ステップS4の処理に続いて、メインCPU101は、普通図柄判定を行った結果、第2始動口12を開放すると判定した場合に、電動チューリップ制御部113を介して電動チューリップ17を動作させる電動チューリップ処理を実行する(ステップS5)。
ステップS5の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS3の処理で大当たりであると判定した場合に、第1大入賞口制御部119、第2大入賞口制御部120、及びV入賞口制御部121を制御して第1大入賞口13、第2大入賞口19、及びV領域195を開放する大入賞口開放制御処理を実行する(ステップS6)。この大入賞口開放制御処理については、図31〜図33に基づいて後に詳述する。
ステップS6の処理に続いて、メインCPU101は、遊技球の入賞に応じた賞球の払い出しを制御する賞球処理を実行する(ステップS7)。この賞球処理については、図35に基づいて後に詳述する。
ステップS7の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS7以前の処理ステップにおいてメインRAM103にセット(格納)された各種コマンドや演出内容を決定するために必要な情報を演出制御基板130に送信する送信処理を実行する(ステップS8)。
[遊技制御基板100によるスイッチ処理]
図23は、図22のステップS2におけるスイッチ処理の詳細フローチャートである。ステップS1の処理に続いて、メインCPU101は、図23に例示されるように、第1始動口スイッチ111からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される各種乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)について、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力された時点の値を取得する処理等を含む第1始動口スイッチ処理を実行する(ステップS21)。この第1始動口スイッチ処理については、図24に基づいて後に詳述する。
次に、メインCPU101は、第2始動口スイッチ112からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される各種乱数について、第2始動口スイッチ112からの検知信号が入力された時点の値を取得する処理等を含む第2始動口スイッチ処理を実行する(ステップS22)。この第2始動口スイッチ処理については、図25に基づいて後に詳述する。
そして、メインCPU101は、ゲートスイッチ114からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される普通図柄乱数について、ゲートスイッチ114からの検知信号が入力された時点の値を取得するゲートスイッチ処理を実行する(ステップS23)。
[遊技制御基板100による第1始動口スイッチ処理]
図24は、図23のステップS21における第1始動口スイッチ処理の詳細フローチャートである。図24に例示されるように、メインCPU101は、ステップS1の乱数更新処理に続いて、第1始動口スイッチ111からの検知信号(具体的には第1始動口スイッチ111が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、第1始動口スイッチ111が「ON」になったか否かを判定する(ステップS210)。ここで、第1始動口スイッチ111が「ON」になったと判定した場合(ステップS210:YES)、メインRAM103に記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が、メインROM102に記憶されている第1特別図柄判定の最大保留数Umax1(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS211)。
メインCPU101は、保留数U1が最大保留数Umax1未満であると判定した場合(ステップS211:YES)、保留数U1の値を「1」加算した値に更新し(ステップS212)、第1特別図柄判定に使用する取得情報として、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を取得して、これらの乱数を対応付けてメインRAM103に格納する(ステップS213〜ステップS216)。
ステップS216の処理に続いて、メインCPU101は、現在の状態が高ベース状態であるか否かを判断する(ステップS217)。メインRAM103には、時短遊技フラグが記憶されている。この時短遊技フラグは、第2始動口12に遊技球が入賞し難い状態に電動チューリップ17を制御する場合に「OFF」に設定され、逆に、第2始動口12に遊技球が入賞し易い状態に電動チューリップ17を制御する場合に「ON」に設定されるフラグである。メインCPU101は、ステップS217において、メインRAM103に記憶されている時短遊技フラグが「ON」に設定されているか否かに基づいて、現在の状態が高ベース状態であるか否かを判断する。
メインCPU101は、現在の状態が高ベース状態ではないと判断した場合(ステップS217:NO)、すなわち時短遊技フラグが「OFF」に設定されている場合、事前判定処理を実行する(ステップS218)。具体的には、後述する大当たり判定処理(図29参照)や変動パターン選択処理(図36参照)に先立って、ステップS213〜S216の処理によってメインRAM103に格納された情報に基づいて、大当たりとなるか否かを事前判定すると共に、第1特別図柄判定が実行される際に実際に選択される特別図柄の変動パターンを取得する事前判定を実行する。この事前判定処理については、図26に基づいて後に詳述する。
メインCPU101は、ステップS218の処理を実行した場合、又は高ベース状態である(時短遊技フラグが「ON」に設定されている)と判断した場合(ステップS217:YES)、第1特別図柄判定に係る保留コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS219)。この保留コマンドは、第1特別図柄判定が保留されたことを通知するコマンドであって、ステップS218の処理で得られた事前判定情報を含むものであり、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。
[遊技制御基板100による第2始動口スイッチ処理]
図25は、図23のステップS22における第2始動口スイッチ処理の詳細フローチャートである。図25に例示されるように、メインCPU101は、ステップS21の第1始動口スイッチ処理に続いて、第2始動口スイッチ112からの検知信号(具体的には第2始動口スイッチ112が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、第2始動口スイッチ112が「ON」になったか否かを判定する(ステップS220)。
メインCPU101は、第2始動口スイッチ112が「ON」になったと判定した場合(ステップS220:YES)、メインRAM103に記憶されている第2特別図柄判定の保留数U2が、メインROM102に記憶されている第2特別図柄判定の最大保留数Umax2(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS221)。
メインCPU101は、保留数U2が最大保留数Umax2未満であると判定した場合(ステップS221:YES)、保留数U2の値を「1」加算した値に更新し(ステップS222)、第2特別図柄判定に使用する取得情報として、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を取得して、これらの乱数を対応付けてメインRAM103に格納する(ステップS223〜ステップS226)。
ステップS226の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS217の処理と同様に、現在の状態が高ベース状態であるか否かを判断する(ステップS227)。ここで、現在の状態が高ベース状態であると判断した場合(ステップS227:YES)、すなわち時短遊技フラグが「ON」に設定されている場合、事前判定処理を実行する(ステップS228)。この事前判定処理については、図26に基づいて後に詳述する。
メインCPU101は、ステップS228の処理を実行した場合、又は高ベース状態ではない(時短遊技フラグが「OFF」に設定されている)と判断した場合(ステップS227:NO)、第2特別図柄判定に係る保留コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS229)。この保留コマンドは、第2特別図柄判定が保留されたことを通知するコマンドであって、ステップS228の処理で得られた事前判定情報を含むものであり、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。
[遊技制御基板100による事前判定処理]
以下、図26を参照しつつ、遊技制御基板100によって実行される事前判定処理について説明する。ここで、図26は、図24,図25のステップS218,S228における事前判定処理の詳細フローチャートである。
メインCPU101は、図24のステップS217の処理で高ベース状態ではないと判断した場合、又は図25のステップS227の処理で高ベース状態であると判断した場合、大当たり判定処理を実行する(ステップS2181)。具体的には、低確率状態(本実施形態では通常遊技状態または時短遊技状態)である場合には、低確率時用大当たり乱数テーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする。一方、高確率状態(本実施形態では確変遊技状態)である場合には、高確率時用大当たり乱数テーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする。そして、図24のステップS213の処理(又は図25のステップS223の処理)で取得した大当たり乱数が、メインRAM103にセットした大当たり乱数テーブルに格納されている当選値のいずれかと一致するか否かに基づいて、当該変動開始時に大当たりと判定されることになるか否かを判定する。
次に、メインCPU101は、ステップS2181の判定結果に基づいて、当該変動開始時に大当たりであると判定されるか否かを判断する(ステップS2182)。ここで、当該変動開始時に大当たりであると判定されると判断した場合(ステップS2182:YES)、大当たり用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS2183)。
一方、メインCPU101は、当該変動開始時に大当たりではないと判定されると判断した場合(ステップS2182:NO)、当該変動中にリーチ演出が行われるか否かを判定する(ステップS2184)。具体的には、ステップS2181の大当たり判定処理に使用された大当たり乱数と一緒に取得されたリーチ乱数が、メインROM102に記憶されているリーチ乱数の当選値と一致するか否かに基づいて、当該変動中にリーチ演出が行われるか否かを判定する。
メインCPU101は、リーチ演出が行われると判定した場合(ステップS2184:YES)、リーチ用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS2185)。
ところで、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であり、且つ当該変動中にリーチ演出が行われない場合、当該変動開始時における第1特別図柄判定の保留数に基づいて第1特別図柄の変動パターンが決定される。そして、保留されている第1特別図柄判定が消化される前と後とでは第1特別図柄判定の保留数が相異なる場合がある。このため、第1特別図柄判定が消化される前に取得した特別図柄の変動パターンが、その第1特別図柄判定が実際に消化される際に選択される特別図柄の変動パターンとは異なる場合がある。すなわち、当該変動中にリーチ演出が行われない第1特別図柄判定の権利に対しては、その第1特別図柄判定に先立って正確な特別図柄の変動パターンを取得できない場合がある。
このため、リーチ演出が行われないと判定された場合には(ステップS2184:NO)、後述するステップS2186の変動パターン乱数判定処理が行われることなくステップS2187に処理が進められる。
メインCPU101は、大当たり用変動パターンテーブル又はリーチ用変動パターンテーブルをセットすると、変動パターン乱数判定処理を実行する(ステップS2186)。具体的には、ステップS2181の処理で使用された大当たり乱数と一緒に始動口入賞時に取得された変動パターン乱数が、メインRAM103にセットされている変動パターンテーブルに規定されている乱数値のうちのどの乱数値と一致するかに基づいて、当該変動開始時に行われる第1特別図柄判定で選択されることになる第1特別図柄の変動パターンを特定する。
メインCPU101は、ステップS2186の処理を実行した場合、又はリーチ演出が行われないと判定した場合(ステップS2184:NO)、事前判定情報を生成してメインRAM103に格納する(ステップS2187)。この事前判定情報が格納される領域については、図21に基づいて上述した通りである。
このように、メインCPU101は、遊技球が第1始動口11(又は第2始動口12)に入賞したことを契機として取得された大当たり乱数等の取得情報に基づいて、この取得情報に基づく大当たり判定や変動パターン選択処理が行われるのに先立って、第1特別図柄(又は第2特別図柄)の変動パターン(すなわち変動時間)を取得する。
[遊技制御基板100による特別図柄処理]
次に、図27を参照しつつ、遊技制御基板100によって実行される特別図柄処理の詳細について説明する。ここで、図27は、図22のステップS3における特別図柄処理の詳細フローチャートである。
図27に例示されるように、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている大当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かに基づいて、大当たり遊技中であるか否かを判定する(ステップS301)。この大当たり遊技フラグは、大当たり遊技の実行中であるか否かを示すフラグであり、大当たり遊技の開始時に「ON」に設定され、大当たり遊技の終了時に「OFF」に設定される。ここで、大当たり遊技中であると判定された場合(ステップS301:YES)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU101は、大当たり遊技中ではないと判定した場合(ステップS301:NO)、特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する(ステップS302)。ここで、特別図柄の変動表示中ではないと判定した場合(ステップS302:NO)、メインRAM103に記憶されている第2特別図柄判定の保留数U2が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS303)。ここで、保留数U2が「1」以上であると判定した場合(ステップS303:YES)、保留数U2を「1」減算した値に更新する(ステップS304)。
メインCPU101は、保留数U2が「1」以上ではないと判定した場合(ステップS303:NO)、メインRAM103に記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS305)。ここで、保留数U1が「1」以上であると判定した場合(ステップS305:YES)、メインCPU101は、保留数U1を「1」減算した値に更新する(ステップS306)。
ステップS304の処理又はステップS306の処理に続いて、メインCPU101は、メインRAM103の保留記憶領域に対するシフト処理を実行する(ステップS308)。具体的には、メインCPU101は、ステップS304の処理に続いてシフト処理を実行する場合には、第2特別図柄判定用の保留記憶領域1035〜1038に記憶されている最先の取得情報を判定用記憶領域1030にシフトさせると共に、残りの取得情報を判定用記憶領域1030側にシフトさせる。また、ステップS306の処理に続いてシフト処理を実行する場合には、第1特別図柄判定用の保留記憶領域1031〜1034に記憶されている最先の取得情報を判定用記憶領域1030にシフトさせると共に、残りの取得情報を判定用記憶領域1030側にシフトさせる。
ステップS308の処理に続いて、メインCPU101は、判定用記憶領域1030に記憶されている乱数に基づいて、大当たり判定処理を実行する(ステップS309)。この大当たり判定処理が実行されることによって、大当たりか否かが判定されると共に、大当たりであると判定された場合には大当たりの種類が決定される。そして、これらの処理の結果を示す特別図柄の設定情報がメインRAM103にセットされる。この大当たり判定処理については、図28に基づいて後に詳述する。
ステップS309の処理に続いて、メインCPU101は、特別図柄の変動パターンを選択する変動パターン選択処理を実行する(ステップS310)。この変動パターン選択処理については、図29に基づいて後に詳述する。
ステップS310の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS309の処理で設定した特別図柄の設定情報、この特別図柄の設定情報が第1特別図柄判定に係るものであるか或いは第2特別図柄判定に係るものであるかを示す情報、ステップS310の処理で設定した変動パターンの設定情報、パチンコ遊技機1の遊技状態に関する情報等を含む変動開始コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS311)。
この変動開始コマンドは、特別図柄の変動表示に伴う演出の開始を指示するコマンドであって、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。これにより、液晶表示装置5における装飾図柄の変動表示等が開始されることになる。
ステップS311の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS311の処理でセットした変動開始コマンドに含まれている変動パターンの設定情報に基づいて、特別図柄の変動表示を開始する(ステップS312)。その際、判定用記憶領域1030に第1特別図柄判定に係る取得情報(乱数)が記憶された状態でステップS309〜ステップS311の処理が行われた場合には、第1特別図柄表示器41において特別図柄の変動表示を開始する。一方、第2特別図柄判定に係る取得情報(乱数)が記憶された状態でステップS309〜ステップS311の処理が行われた場合には、第2特別図柄表示器42において特別図柄の変動表示を開始する。
次に、メインCPU101は、ステップS312における変動表示を開始してからの経過時間である変動時間の計測を開始する(ステップS313)。
メインCPU101は、ステップS313の処理を実行した場合、又は特別図柄の変動表示中であると判定した場合(ステップS302:YES)、ステップS313における変動時間の計測開始から、ステップS310の処理によって選択された変動パターンに対応する変動時間が経過したか否かを判定する(ステップS315)。ここで、変動時間が経過していないと判定された場合(ステップS315:NO)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU101は、変動時間が経過したと判定した場合(ステップS315:YES)、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄判定の判定結果を示す特別図柄が停止表示されることを通知する図柄確定コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS316)。この図柄確定コマンドは、ステップS8における送信処理によって演出制御基板130に送信される。これにより、液晶表示装置5に変動表示されていた装飾図柄を特別図柄判定の判定結果を示す態様で停止表示させる処理等が行われることになる。
ステップS316の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS312の処理で開始した特別図柄の変動表示を終了させる(ステップS317)。具体的には、ステップS309の処理で設定した特別図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)を、特別図柄を変動表示していた特別図柄表示器に停止表示させる。なお、この特別図柄の停止表示は、少なくとも所定の図柄確定時間(例えば1秒)が経過するまで継続される。
このように、メインCPU101は、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させてから大当たり判定処理の判定結果を示す特別図柄を第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に停止表示させる。
ステップS317の処理に続いて、メインCPU101は、上記ステップS313の処理で計測を開始した変動時間をリセットし(ステップS318)、大当たりである場合に大当たり遊技を開始させる処理等を含む停止中処理を実行する(ステップS319)。停止中処理については、図30に基づいて後に詳述する。
[遊技制御基板100による大当たり判定処理]
図28は、図27のステップS309における大当たり判定処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、判定用記憶領域1030に記憶された大当たり乱数に基づいて大当たり判定を実行する(ステップS3091)。具体的には、判定用記憶領域1030に記憶されている大当たり乱数が、予め設定された当選値と一致するか否かに基づいて、大当たりであるか否かを判定する。
ここでの当選値は、高確率時用大当たり乱数テーブル又は低確率時用大当たり乱数テーブルに規定されている大当たりの当選値である。高確率状態(本実施形態では確変遊技状態)のときに大当たり判定が実行される場合には、高確率時用大当たり乱数テーブルに格納されている当選値が使用される。一方、低確率状態(本実施形態では通常遊技状態または時短遊技状態)のときに大当たり判定が実行される場合には、低確率時用大当たり乱数テーブルに格納されている当選値が使用される。
このように、メインCPU101は、第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入賞したことを契機として取得された大当たり乱数等の取得情報が判定用記憶領域1030に記憶されるといった始動条件が成立すると、その大当たり乱数に基づいて、遊技者にとって有利な大当たり遊技を実行するか否かを判定する。
ステップS3091の処理に続いて、メインCPU101は、大当たり判定の判定結果が大当たりであるか否かを判断する(ステップS3092)。ここで、大当たりであると判断した場合(ステップS3092:YES)、メインROM102に記憶されている大当たり時の図柄決定テーブルを参照して大当たりの種類を決定する(ステップS3093)。
具体的には、ステップS3091の大当たり判定に使用された大当たり乱数と一緒に判定用記憶領域1030に記憶されている図柄乱数が第1特別図柄判定に係るものである場合には、その図柄乱数が、第1始動口入賞用の図柄決定テーブルに規定されているどの乱数値と一致するかに基づいて、大当たりの種類を決定する。一方、第2特別図柄判定に係るものである場合には、その図柄乱数が、第2始動口入賞用の図柄決定テーブルに規定されているどの乱数値と一致するかに基づいて、大当たりの種類を決定する。
このように、メインCPU101は、大当たりの種類を決定することによって、V領域195への遊技球の入賞が困難な短開放当たり、又はV領域195への遊技球の入賞が容易な長開放当たりを選択する。
そして、メインCPU101は、決定した大当たりの種類に応じた大当たり図柄の設定情報をメインRAM103にセットする(ステップS3094)。これにより、上記ステップS317の処理の際にここでセットされた大当たり図柄が第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に停止表示されて、その特別図柄に応じた大当たり遊技が行われることになる。
一方、メインCPU101は、大当たりではないと判断した場合(ステップS3092:NO)、ハズレ図柄の設定情報をメインRAM103にセットする(ステップS3095)。これにより、上記ステップS317の処理の際にここでセットされたハズレ図柄が第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に停止表示される。この場合、大当たり遊技は行われない。
[遊技制御基板100による変動パターン選択処理]
図29は、図27のステップS310における変動パターン選択処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、図27のステップS309における大当たり判定処理を実行した後、ステップS3091の判定結果が大当たりであるか否かを判断する(ステップS3101)。ここで、大当たりであると判断した場合(ステップS3101:YES)、大当たり用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS3102)。
一方、メインCPU101は、大当たりではないと判断した場合(ステップS3101:NO)、判定用記憶領域1030に記憶されているリーチ乱数がメインROM102に記憶されているリーチ乱数の当選値と一致するか否かに基づいて、遊技者に対して大当たりを期待させるリーチ演出を行うか否かを判定する(ステップS3103)。ここで、リーチ演出を行うと判定した場合(ステップS3103:YES)、リーチ用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS3104)。逆に、リーチ演出を行わないと判定した場合(ステップS3103:NO)、ハズレ用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS3105)。
続いて、メインCPU101は、ステップS3102の処理、ステップS3104の処理、又はステップS3105の処理によってメインRAM103にセットされた変動パターンテーブルを参照して変動パターン乱数判定処理を実行する(ステップS3106)。具体的には、大当たり用変動パターンテーブル又はリーチ用変動パターンテーブルがメインRAM103にセットされた場合、判定用記憶領域1030に記憶されている変動パターン乱数に対応する変動パターンを、セットされている変動パターンテーブルから読み出すことによって変動パターンを選択する。
また、ハズレ用変動パターンテーブルがメインRAM103にセットされた場合、ステップS308のシフト処理が行われる直前に各種情報が記憶されていた保留記憶領域の数に基づいて特別図柄判定の保留数を特定し、特定した保留数と現在の時短の有無とに対応する変動パターンをハズレ用変動パターンテーブルから読み出すことによって変動パターンを選択する。
このようにして特別図柄の変動パターンが選択されることによって、特別図柄の変動時間が必然的に決定されることになる。
メインCPU101は、変動パターンを選択すると、選択した変動パターンの設定情報をメインRAM103にセットする(ステップS3107)。この変動パターンの設定情報は、上述したステップS309の大当たり判定処理によってメインRAM103にセットされた図柄の設定情報と共に変動開始コマンドに含まれて演出制御基板130に送信される。
[遊技制御基板100による停止中処理]
次に、図27のステップS319の停止中処理について説明する。図30は、図27のステップS319における停止中処理の詳細フローチャートである。
図30に示されるように、メインCPU101は、上記ステップS309(図27及び図28参照)の大当たり判定処理の結果に基づいて、特別図柄判定の結果が大当たりか否かを判定する(ステップS3191)。そして、メインCPU101は、大当たりと判定した場合(ステップS3191:YES)、メインRAM103に記憶されている大当たり遊技フラグを「ON」に設定する(ステップS3192)。
メインCPU101は、ステップS3192の処理に続いて、メインRAM103に記憶されている時短遊技フラグ及び確変遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS3193)。メインCPU101は、ステップS3193の処理に続いて、オープニングを開始し(ステップS3194)、オープニングコマンドをメインRAM103にセットする(ステップS3195)。このオープニングコマンドは、大当たり遊技が開始されることを示すオープニング演出および大当たり遊技中の大当たり演出を演出制御基板130に行わせるためのコマンドであり、当該コマンドは、ステップS8の送信処理(図22参照)が実行されることによって演出制御基板130へ送信される。
一方、メインCPU101は、大当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合(ステップS3191:NO)、時短遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS3196)。ここで、時短遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS3196:YES)、メインRAM103に記憶されている時短遊技残余回数Jを「1」減算し、当該Jを更新する(ステップS3197)。時短遊技残余回数Jは、時短遊技状態が維持される残りの特別図柄の変動回数(特別図柄判定の実行回数)を示し、大当たり遊技が行われた後に実行される遊技状態設定処理(図34参照)において設定される。遊技状態設定処理の詳細については後述する。
ステップS3197の処理に続いて、メインCPU101は、時短遊技残余回数Jが「0」であるか否かを判定する(ステップS3198)。ここで、時短遊技残余回数Jが「0」であると判定した場合(ステップS3198:YES)、メインCPU101は、時短遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS3199)。
ステップS3199の処理を実行した場合、時短遊技フラグが「ON」ではないと判定した場合(ステップS3196:NO)、又は時短遊技残余回数Jが「0」ではないと判定した場合(ステップS3198:NO)、メインCPU101は、確変遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS3200)。
確変遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS3200:YES)、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている高確率遊技残余回数Xを「1」減算し、当該Xを更新する(ステップS3201)。ここで、高確率遊技残余回数Xは、高確率遊技状態で特別図柄判定が行われる残りの回数を示し、大当たり遊技が行われた後に実行される遊技状態設定処理(図34参照)において設定される。
ステップS3201の処理に続いて、メインCPU101は、高確率遊技残余回数Xが「0」であるか否かを判定する(ステップS3202)。ここで、高確率遊技残余回数Xが「0」であると判定した場合(ステップS3202:YES)、メインRAM103に記憶されている確変遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS3203)。
ステップS3203の処理が実行された場合、ステップS3195の処理が実行された場合、確変遊技フラグが「ON」ではないと判定された場合(ステップS3200:NO)、又は高確率遊技残余回数Xが「0」ではないと判定された場合(ステップS3202:NO)、メインCPU101は、図30の停止中処理を終了する。
[遊技制御基板100による大入賞口開放制御処理]
以下、図31〜図33を参照しつつ、遊技制御基板100によって実行される大入賞口開放制御処理について説明する。ここで、図31〜図33は、図22のステップS6における大入賞口開放制御処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、ステップS5の電動チューリップ処理に続いて、図31に例示されるように、大当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS601)。ここで、大当たり遊技フラグが「ON」に設定されていないと判定された場合(ステップS601:NO)、ステップS7の賞球処理に処理が進められる。
メインCPU101は、大当たり遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS601:YES)、例えばステップS3195(図30参照)の処理によって大当たり遊技に係るオープニングコマンドをセットしてからの経過時間が所定のオープニング時間に達したか否かに基づいて、大当たり遊技におけるオープニング中であるか否かを判定する(ステップS602)。
メインCPU101は、オープニング中ではないと判定した場合(ステップS602:NO)、大当たり遊技におけるエンディング中であるか否かを判定する(ステップS603)。具体的には、大当たり遊技における最終ラウンドのラウンド遊技が終了してからの経過時間が所定のエンディング時間に達したか否かに基づいて、エンディング中であるか否かを判定する。ここで、エンディング中であると判定された場合(ステップS603:YES)、後述するステップS643(図33参照)に処理が進められる。
メインCPU101は、大当たり遊技におけるエンディング中ではないと判定した場合(ステップS603:NO)、例えば前回のラウンド遊技が終了してから所定のインターバル時間が経過したか否かに基づいて、インターバル中(ラウンドと次のラウンドとの間)であるか否かを判定する(ステップS604)。ここで、インターバル中であると判定した場合(ステップS604:YES)、前回のラウンド遊技終了時に第1大入賞口13(又は第2大入賞口19)が閉塞してから、後述するステップS608の処理で設定されたインターバル時間が経過したか否かを判定する(ステップS605)。ここで、インターバル時間が経過したと判定された場合(ステップS605:YES)、次のラウンド遊技を開始するタイミングになっているため、後述するステップS609に処理が進められる。一方、インターバル時間が経過していないと判定された場合(ステップS605:NO)、ステップS7の賞球処理に処理が進められる。
メインCPU101は、オープニング中であると判定した場合(ステップS602:YES)、オープニング時間が経過したか否かを判定する(ステップS606)。ここで、オープニング時間が経過したと判定した場合(ステップS606:YES)、大当たり遊技のラウンド数Rmax、第1大入賞口13のプレート、第1羽根部材191、及び第2羽根部材192の動作パターン等を設定して、その設定情報をメインRAM103に格納する(ステップS608)。このステップS608の処理が実行されることによって、ラウンドと次のラウンドとの間のインターバル時間、最終ラウンド終了後のエンディング時間等の大当たり遊技に関する各種時間も併せて設定される。
メインCPU101は、ステップS608の処理を実行した場合、又はインターバル時間が経過したと判定した場合(ステップS605:YES)、メインRAM103に記憶されている第1大入賞口13(又は第2大入賞口19)への遊技球の入賞数Yをリセットする(ステップS609)。このステップS609において、第1大入賞口13を開放するラウンド遊技の開始に際しては第1大入賞口13への遊技球の入賞数Yが「0」にリセットされ、第2大入賞口19を開放するラウンド遊技の開始に際しては第2大入賞口19への遊技球の入賞数Yが「0」にリセットされる。
ステップS609の処理に続いて、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている大当たり遊技中のラウンド数Rを「1」加算した値に更新する(ステップS610)。このラウンド数Rは、大当たり遊技開始前は「0」に設定されており、ステップS610の処理が行われる毎に「1」加算される。
ステップS610の処理に続いて、メインCPU101は、ラウンド数Rが「15」であるか否かを判定する(ステップS611)。すなわち、第2大入賞口19に係るラウンド遊技を開始するか否かを判定する。ここで、ラウンド数Rが「15」ではないと判定した場合(ステップS611:NO)、第1大入賞口制御部119による第1大入賞口13の開放制御を開始する(ステップS612)。なお、メインCPU101は、ラウンド数Rが1〜7の場合には、第1大入賞口13を遊技球が入賞し難い状態に維持させる短開放制御を開始する。(図14参照)。これに対して、ラウンド数Rが8〜14、又は16の場合には第1大入賞口13を遊技球が入賞し難い状態から入賞し易い状態へと変化させる長開放制御を開始する。なお、第1大入賞口13の短開放制御中には、ラウンド数Rの更新は行われるが、第1大入賞口13の長開放制御中に行われるようなラウンド中演出は行われない。
一方、ラウンド数Rが「15」であると判定した場合(ステップS611:YES)、第2大入賞口制御部120による第2大入賞口19の開放制御(長開放制御又は短開放制御)を開始する(ステップS613)。第2大入賞口19の長開放制御では、第2大入賞口19を、遊技球が入賞し難い状態から入賞し易い状態へと変化させる。これに対して、第2大入賞口19の短開放制御では、第2大入賞口19を、遊技球が入賞し難い状態に維持させる。
メインCPU101は、ステップS612の処理を実行した場合、又はステップS613の処理を実行した場合、いずれかの開放制御が開始されてからの経過時間である開放時間の計測を開始する(ステップS614)。具体的には、ステップS612の処理に続いてこのステップS614の処理を実行する場合は第1大入賞口13の開放制御の開始からの経過時間の計測を開始し、ステップS613の処理に続いてこのステップS614の処理を実行する場合は第2大入賞口19の開放制御の開始からの経過時間の計測を開始する。
メインCPU101は、ステップS611の処理に続いてステップS612の処理を実行したか否かに基づいて、第1大入賞口13の開放制御が開始されるか否かを判定する(ステップS615)。ここで、第1大入賞口13の開放制御が開始されると判定した場合(ステップS615:YES)、第1大入賞口13を長開放または短開放するラウンド遊技が開始されること、及び現在のラウンド数Rを演出制御基板130に通知する通常ラウンド開始コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS616)。第1大入賞口13が長開放されるか短開放されるかは、ステップS608の処理によって設定した第1大入賞口13のプレートの動作パターンに基づいて判断される。
一方、メインCPU101は、第1大入賞口13の開放制御が開始されないと判定した場合(ステップS615:NO)、すなわちステップS613の処理によって第2大入賞口19の開放制御が開始される場合、第2大入賞口19が長開放されるか否かを判断する(ステップS617)。具体的には、ステップS608の処理によって設定した第1羽根部材191の動作パターンが、長開放パターンであるか短開放パターンであるかに基づいて、第2大入賞口19が長開放されるか否かを判断する。なお、今回の大当たり遊技が短開放当たりによるものである場合には第1羽根部材191の動作パターンが短開放パターンに設定され、長開放当たりによるものである場合には第1羽根部材191の動作パターンが長開放パターンに設定される。
メインCPU101は、第2大入賞口19が長開放されると判断した場合(ステップS617:YES)、第2大入賞口19に係る長開放ラウンド遊技が開始されること(すなわち、遊技球がV領域195を通過し易いこと)、及び現在のラウンド数R(本実施形態では「15」)を演出制御基板130に通知する長開放ラウンド開始コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS618)。一方、第2大入賞口19が長開放されないと判断した場合(ステップS617:NO)、すなわち第2大入賞口19が短開放される場合、第2大入賞口19に係る短開放ラウンド遊技が開始されること(すなわち、遊技球がV領域195を通過し難いこと)、及び現在のラウンド数R(本実施形態では「15」)を演出制御基板130に通知する短開放ラウンド開始コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS619)。
このようにしてメインRAM103にセットされた通常ラウンド開始コマンド、長開放ラウンド開始コマンド、又は短開放ラウンド開始コマンドは、ステップS8の送信処理(図22参照)によって演出制御基板130に送信される。このため、演出制御基板130のサブCPU131は、ラウンド遊技の開始時に遊技制御基板100から受信するコマンドがこれら3種類のコマンドのいずれであるかに基づいて、現在のラウンド数R、第1大入賞口13を長開放する長開放ラウンド遊技であるのか、第1大入賞口13を短開放する短開放ラウンド遊技であるか、第2大入賞口19を長開放する長開放ラウンド遊技であるか、又は第2大入賞口19を短開放する短開放ラウンド遊技であるかを容易に判別することができる。
メインCPU101は、ステップS616の処理を実行した場合、ステップS618の処理を実行した場合、又はステップS619の処理を実行した場合、図32に例示されるように、ステップS611の処理と同様に、ラウンド数Rが「15」であるか否かを判定する(ステップS621)。
メインCPU101は、ラウンド数Rが「15」であると判定した場合(ステップS621:YES)、V領域195の開放制御に関する以下の処理を実行する。すなわち、メインCPU101は、上述したステップS613の処理による第2大入賞口19の開放開始からの経過時間が、予め設定された設定時間(本実施形態では3秒:図14参照)と一致するか否かを判定する(ステップS622)。ここで、経過時間が設定時間と一致しないと判定された場合(ステップS622:NO)、後述するステップS624に処理が進められる。
メインCPU101は、経過時間が設定時間と一致すると判定した場合(ステップS622:YES)、V入賞口制御部121によるV領域195の開放制御を開始する(ステップS623)。具体的には、第2羽根部材192をハズレ領域196側に回動させる(図4(C)、図14参照)。
メインCPU101は、ステップS623の処理を実行した場合、又は第2大入賞口19の開放開始からの経過時間が設定時間と一致しないと判定した場合(ステップS622:NO)、V入賞口スイッチ117(図4及び図19参照)が「ON」になったか否かを判定する(ステップS624)。ここで、V入賞口スイッチ117が「ON」になったと判定した場合(ステップS624:YES)、メインRAM103に記憶されているV入賞フラグを「ON」に設定する(ステップS625)。このV入賞フラグは、遊技球がV領域195を通過したか否か(V入賞したか否か)を示すフラグであり、通常は「OFF」に設定されているものの、V入賞口スイッチ117によって遊技球が検知されると「ON」に設定される。
メインCPU101は、このステップS625の処理に続いて、V入賞したことを演出制御基板130に通知するV入賞通知コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS626)。
メインCPU101は、ステップS626の処理を実行した場合、又はV入賞口スイッチ117が「ON」ではないと判定した場合(ステップS624:NO)、V領域195の閉塞タイミングであるか否かを判定する(ステップS627)。具体的には、上述したステップS623の開放制御の開始からの経過時間が所定時間(本実施形態では10秒:図14参照)と一致するか否かを判定する。ここで、閉塞タイミングではないと判定された場合(ステップS627:NO)、後述するステップS629に処理が進められる。
メインCPU101は、閉塞タイミングであると判定した場合(ステップS627:YES)、ステップS623の処理で開始したV入賞口制御部121によるV領域195の開放制御を終了する(ステップS628)。これにより、第2羽根部材192によってV領域195の入口であるV入賞口が閉塞される。
メインCPU101は、ステップS628の処理を実行した場合、V領域195の閉塞タイミングではないと判定した場合(ステップS627:NO)、又はラウンド数Rが「15」ではないと判定した場合(ステップS621:NO)、大入賞口スイッチからの検知信号の入力の有無に基づいて、大入賞口スイッチが「ON」になったか否かを判定する(ステップS629)。具体的には、第1大入賞口13に係るラウンド遊技中である場合には第1大入賞口スイッチ115からの検知信号の入力の有無に基づいて第1大入賞口スイッチ115が「ON」になったか否かを判定し、第2大入賞口19に係るラウンド遊技中である場合には第2大入賞口スイッチ116からの検知信号の入力の有無に基づいて第2大入賞口スイッチ116が「ON」になったか否かを判定する。
メインCPU101は、大入賞口スイッチが「ON」になったと判定した場合(ステップS629:YES)、遊技球の入賞数Yを「1」加算した値に更新する(ステップS630)。具体的には、第1大入賞口13に係るラウンド遊技中において、第1大入賞口スイッチ115が「ON」になったと判定した場合には第1大入賞口13への遊技球の入賞数Yを「1」加算した値に更新する。一方、第2大入賞口19に係るラウンド遊技中において、第2大入賞口スイッチ116が「ON」になったと判定した場合には第2大入賞口19への遊技球の入賞数Yを「1」加算した値に更新する。
メインCPU101は、ステップS630の処理を実行した場合、又は大入賞口スイッチが「ON」ではないと判定した場合(ステップS629:NO)、図33に例示されるように、大入賞口の開放開始からの経過時間が規定開放時間と一致するか否かを判定する(ステップS632)。具体的には、第1大入賞口13を長開放する長開放ラウンド遊技中である場合には、第1大入賞口13の開放開始からの経過時間が29.5秒と一致するか否かを判定する。また、第1大入賞口13を短開放する短開放ラウンド遊技中である場合には、第1大入賞口13の開放開始からの経過時間が0.18秒と一致するか否かを判定する。また、第2大入賞口19を長開放する長開放ラウンド遊技中である場合には、第2大入賞口19の開放開始からの経過時間が29.5秒と一致するか否かを判定する。また、第2大入賞口19を短開放する短開放ラウンド遊技中である場合には、第2大入賞口19の開放開始からの経過時間が0.1秒と一致するか否かを判定する。
メインCPU101は、第1大入賞口13(又は第2大入賞口19)の開放開始からの経過時間が規定開放時間と一致しないと判定した場合(ステップS632:NO)、メインRAM103に記憶されている今回のラウンド遊技における遊技球の入賞数Yが、メインROM102に記憶されている第1大入賞口13(又は第2大入賞口19)の閉塞タイミングを規定する遊技球数Ymax(本実施形態では「9」)と一致するか否かを判定する(ステップS633)。ここで、入賞数Yが遊技球数Ymaxと一致しないと判定された場合(ステップS633:NO)、ステップS7の賞球処理に処理が進められる。
なお、第1大入賞口13の短開放ラウンド遊技においては、第1大入賞口13への遊技球の入賞数Yとは無関係に、第1大入賞口13の開放開始から0.18秒が経過すると第1大入賞口13が閉塞される。また、第2大入賞口19の短開放ラウンド遊技においては、第2大入賞口19への遊技球の入賞数Yとは無関係に、第2大入賞口19の開放開始から0.1秒が経過すると第2大入賞口19が閉塞される。このため、これらの短開放ラウンド遊技中においては、ステップS633の処理が省略され、ステップS632の判定結果のみに基づいて、ステップS7の賞球処理、又は後述するステップS634に処理が進められる。
メインCPU101は、入賞数Yが遊技球数Ymaxと一致すると判定した場合(ステップS633:YES)、又は大入賞口の開放開始からの経過時間が規定開放時間と一致すると判定した場合(ステップS632:YES)、大入賞口の開放制御を終了する(ステップS634)。具体的には、第1大入賞口13の開放制御中である場合には第1大入賞口制御部119に第1大入賞口13の開放制御を終了させ、第2大入賞口19の開放制御中である場合には第2大入賞口制御部120に第2大入賞口19の開放制御を終了させる。
ステップS634の処理に続いて、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている大当たり遊技の現在のラウンド数Rが、上記ステップS608の処理によって設定されたラウンド数Rmax(本実施形態では「16」)と一致するか否かを判定する(ステップS635)。ここで、ラウンド数Rがラウンド数Rmaxと一致しないと判定した場合(ステップS635:NO)、次のラウンド遊技の開始タイミングを制御するために、第1大入賞口13(又は第2大入賞口19)が閉塞されてからの経過時間であるインターバル時間の計測を開始する(ステップS636)。このステップS636の処理によって計測が開始されたインターバル時間は、上記ステップS604(図31参照)の処理やステップS605の処理に使用される。
一方、メインCPU101は、ラウンド数Rがラウンド数Rmaxと一致すると判定した場合(ステップS635:YES)、エンディング時間の計測を開始し(ステップS637)、メインRAM103に記憶されているラウンド数Rをリセットする(ステップS638)。そして、メインRAM103に記憶されているV入賞フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS639)。
メインCPU101は、V入賞フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS639:NO)、すなわちV入賞フラグが「OFF」に設定されている場合、今回の大当たり遊技が終了した後に時短遊技状態で遊技が制御されることになるため、演出制御基板130にその旨を通知する時短移行通知エンディングコマンドをメインRAM103にセットする(ステップS640)。
一方、メインCPU101は、V入賞フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS639:YES)、今回の大当たり遊技が終了した後に確変遊技状態で遊技が制御されることになるため、演出制御基板130にその旨を通知する確変移行通知エンディングコマンドをメインRAM103にセットする(ステップS641)。
メインCPU101は、ステップS640の処理を実行した場合、ステップS641の処理を実行した場合、又はエンディング中であると判定した場合(図31のステップS603:YES)、設定エンディング時間が経過したか否かを判定する(ステップS643)。具体的には、上記ステップS637の処理によって計測を開始したエンディング時間が、上記ステップS608の処理によって設定された設定エンディング時間と一致するか否かを判定する。ここで、エンディング時間が設定エンディング時間と一致しないと判定された場合(ステップS643:NO)、ステップS7の賞球処理に処理が進められる。
メインCPU101は、設定エンディング時間が経過したと判定した場合(ステップS643:YES)、大当たり遊技終了後のパチンコ遊技機1の遊技状態を設定する遊技状態設定処理を実行する(ステップS644)。そして、大当たり遊技を終了させるために、大当たり遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS645)。
[遊技制御基板100による遊技状態設定処理]
図34は、図33のステップS644における遊技状態設定処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、設定エンディング時間が経過したと判定した場合(ステップS643:YES)、図34に例示されるように、メインRAM103に記憶されているV入賞フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS6441)。
メインCPU101は、V入賞フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS6441:YES)、メインRAM103に記憶されている確変遊技フラグを「ON」に設定し(ステップS6442)、同じくメインRAM103に記憶されている高確率遊技残余回数Kを「160」に設定する(ステップS6443)。そして、メインRAM103に記憶されている時短遊技フラグを「ON」に設定し(ステップS6444)、同じくメインRAM103に記憶されている時短遊技残余回数Jを高確率遊技残余回数Kと同じ「160」に設定する(ステップS6445)。
このステップS6442〜ステップS6445の処理が行われることにより、大当たり遊技が終了してから途中で大当たりが発生しなければ160回の特別図柄判定が行われるまで確変遊技状態で遊技が制御されることになる。
このように、メインCPU101は、V領域195に対する遊技球の通過に伴ってV入賞フラグが「ON」に設定されると、その通過前よりも遊技者に有利な確変遊技状態で遊技を制御する。
メインCPU101は、ステップS6445の処理を実行した場合、メインRAM103に記憶されているV入賞フラグを「OFF」に設定する(ステップS6446)。
一方、メインCPU101は、V入賞フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS6441:NO)、メインRAM103に記憶されている時短遊技フラグを「ON」に設定し(ステップS6447)、同じくメインRAM103に記憶されている時短遊技残余回数Jを「100」に設定する(ステップS6448)。
このステップS6447及びステップS6448の処理が行われることにより、大当たり遊技が終了してから途中で大当たりが発生しなければ100回の特別図柄判定が行われるまで時短遊技状態で遊技が制御されることになる。
[遊技制御基板100による賞球処理]
次に、図35を参照しつつ、遊技制御基板100によって実行される賞球処理について説明する。ここで、図35は、図22のステップS7における賞球処理の詳細フローチャートである。
メインCPU101は、ステップS6の大入賞口開放制御処理に続いて、図35に例示されるように、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力されたか否かに基づいて、第1始動口スイッチ111が「ON」になったか否かを判定する(ステップS701)。ここで、第1始動口スイッチ111が「ON」になったと判定した場合(ステップS701:YES)、3個の賞球の払い出しを払出制御基板に指示する(ステップS702)。
メインCPU101は、ステップS702の処理を実行した場合、又は第1始動口スイッチ111が「ON」になっていないと判定した場合(ステップS701:NO)、第2始動口スイッチ112からの検知信号が入力されたか否かに基づいて、第2始動口スイッチ112が「ON」になったか否かを判定する(ステップS703)。ここで、第2始動口スイッチ112が「ON」になったと判定した場合(ステップS703:YES)、3個の賞球の払い出しを払出制御基板に指示する(ステップS704)。
このように、パチンコ遊技機1では、電動チューリップ17による第2始動口12の開放制御が行われているか否かに関わらず、第2始動口スイッチ112によって遊技球が検知されれば、賞球の払い出しが払出制御基板に指示される。
メインCPU101は、ステップS704の処理を実行した場合、又は第2始動口スイッチ112が「ON」になっていないと判定した場合(ステップS703:NO)、普通入賞口スイッチ122が「ON」になったか否かを判定する(ステップS705)。ここで、普通入賞口スイッチ122が「ON」になったと判定した場合(ステップS705:YES)、10個の賞球の払い出しを払出制御基板に指示する(ステップS706)。
メインCPU101は、ステップS706の処理を実行した場合、又は普通入賞口スイッチ122が「ON」になっていないと判定した場合(ステップS705:NO)、メインRAM103に記憶されている大当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS707)。ここで、大当たり遊技フラグが「ON」に設定されていないと判定された場合(ステップS707:NO)、後述するステップS711に処理が進められる。
一方、メインCPU101は、大当たり遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS707:YES)、第1大入賞口スイッチ115からの検知信号が入力されたか否かに基づいて、第1大入賞口スイッチ115が「ON」になったか否かを判定する(ステップS708)。ここで、第1大入賞口スイッチ115が「ON」になっていないと判定した場合(ステップS708:NO)、第2大入賞口スイッチ116からの検知信号が入力されたか否かに基づいて、第2大入賞口スイッチ116が「ON」になったか否かを判定する(ステップS709)。
メインCPU101は、第1大入賞口スイッチ115が「ON」になったと判定した場合(ステップS708:YES)、又は第2大入賞口スイッチ116が「ON」になったと判定した場合(ステップS709:YES)、14個の賞球の払い出しを払出制御基板に指示する(ステップS710)。
メインCPU101は、ステップS710の処理を実行した場合、大当たり遊技フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS707:NO)、又は第2大入賞口スイッチ116が「ON」になっていないと判定した場合(ステップS709:NO)、ステップS702の処理、ステップS704の処理、ステップS706の処理、及びステップS710の処理の少なくともいずれかの処理を行って賞球の払い出しが払出制御基板に指示されたか否かを判定する(ステップS711)。
メインCPU101は、賞球の払い出しが払出制御基板に指示されたと判定した場合(ステップS711:YES)、第1始動口11、第2始動口12、第1大入賞口13、普通入賞口14、又は第2大入賞口19のいずれかに入球したことを演出制御基板130に通知する入賞指定コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS712)。
[演出制御基板130によるタイマ割込み処理]
パチンコ遊技機1の電源が投入されると、演出制御基板130のサブCPU131は、後述するタイマ割込み処理を行う周期であるCTC周期を設定する。そして、サブCPU131は、演出内容を決定するために用いられる演出乱数等を更新する乱数更新処理をCTC周期よりも短い所定周期で繰り返す。すなわち、サブCPU131は、パチンコ遊技機1が起動している間、所定周期で乱数更新処理を繰り返しつつ、CTC周期でタイマ割込み処理を繰り返す。
以下、図36を参照しつつ、演出制御基板130において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図36は、演出制御基板130において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。サブCPU131は、遊技制御基板100で行われるタイマ割込み処理と同様に、図36に例示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図36以降のフローチャートに基づいて説明する演出制御基板130で行われる処理は、サブROM132に記憶されているプログラムに基づいてサブCPU131が発行する命令に従って行われる。
サブCPU131は、まず、遊技制御基板100からのコマンド、又はランプ制御基板150からのコマンド(操作コマンド)に応じた処理を行うコマンド受信処理を実行する(ステップS10)。このコマンド受信処理については、図37及び図38に基づいて後に詳述する。
ステップS10の処理に続いて、サブCPU131は、送信処理を実行する(ステップS11)。具体的には、ステップS10の処理によってサブRAM133にセットされたコマンドを画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信する。この送信処理が行われることによって、画像表示や音声出力等による演出の実行が画像音響制御基板140に対して指示され、各種ランプの点灯や第1演出役物71や演出ボタン26等の動作による演出の実行等がランプ制御基板150に対して指示される。
ステップS11の処理に続いて、サブCPU131は、データ転送処理を実行する(ステップS12)。具体的には、画像音響制御に関するデータが画像音響制御基板140から送信されるので、そのデータをランプ制御基板150に転送する。これにより、液晶表示装置5及びスピーカ24において行われている演出と同期するように、第1演出役物71や演出ボタン26や盤ランプ25等の演出媒体による演出がランプ制御基板150によって制御される。
[演出制御基板130によるコマンド受信処理]
図37は、図36のステップS10におけるコマンド受信処理の詳細フローチャートである。図37に例示されるように、サブCPU131は、まず、例えば受信したコマンドに含まれている情報に基づいて、そのコマンドが後述するステップS917(図48参照)の処理に応じてランプ制御基板150から送信された操作コマンドであるか否かを判断する(ステップS101)。ここで、受信したコマンドが操作コマンドであると判断した場合(ステップS101:YES)、操作されたことを通知する操作通知コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS102)。この操作通知コマンドは、ステップS11の送信処理によって画像音響制御基板140に送信される。これにより、例えば、演出ボタン26又は演出キー27の操作に応じた演出上の効果を実現するための処理が行われる。具体的には、この操作通知コマンドが送信されることにより、例えば、大当たり確定であることを報知する当たり確定動作演出を演出ボタン26の押下に応じて実現するための処理が開始される。
サブCPU131は、ステップS102の処理を実行した場合、又は受信したコマンドが操作コマンドではないと判断した場合(ステップS101:NO)、例えば受信したコマンドに含まれている情報に基づいて、そのコマンドがステップS219(図24参照)の処理又はステップS229(図25参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された保留コマンドであるか否かを判断する(ステップS103)。ここで、受信したコマンドが保留コマンドであると判断した場合(ステップS103:YES)、保留コマンドに応じた処理を行う保留コマンド受信処理を実行する(ステップS104)。これにより、第1特別図柄判定または第2特別図柄判定の権利が保留された際に液晶表示装置5の表示画面に保留画像が表示されたり、保留画像の表示態様をどのように変化させるかのシナリオが決定されたりする。
サブCPU131は、ステップS104の処理を実行した場合、又は遊技制御基板100からのコマンドが保留コマンドではないと判断した場合(ステップS103:NO)、例えば受信したコマンドに含まれている情報に基づいて、そのコマンドがステップS311(図27参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された変動開始コマンドであるか否かを判断する(ステップS105)。ここで、受信したコマンドが変動開始コマンドであると判断した場合(ステップS105:YES)、受信した変動開始コマンドに応じた変動演出を決定する処理等を含む変動開始コマンド受信処理を実行する(ステップS106)。この変動開始コマンド受信処理については、図39に基づいて後に詳述する。
サブCPU131は、ステップS106の変動開始コマンド受信処理を実行した場合、又は遊技制御基板100から受信したコマンドが変動開始コマンドではないと判断した場合(ステップS105:NO)、例えば受信したコマンドに含まれている情報に基づいて、そのコマンドがステップS316(図27参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された図柄確定コマンドであるか否かを判断する(ステップS121)。
サブCPU131は、受信したコマンドが図柄確定コマンドであると判断した場合(ステップS121:YES)、変動演出終了コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS122)。この変動演出終了コマンドは、液晶表示装置5の表示画面において行われる変動演出の終了を指示するコマンドであって、ステップS11の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。これにより、表示画面上で行われていた変動演出(例えば、装飾図柄51の仮停止)が終了して、特別図柄判定の判定結果を示す態様で装飾図柄51が停止表示されることになる。
サブCPU131は、ステップS122の処理を実行した場合、又は受信したコマンドが図柄確定コマンドではないと判断した場合(ステップS121:NO)、例えば受信したコマンドに含まれている情報に基づいて、そのコマンドがステップS3195(図30参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信されたオープニングコマンドであるか否かを判断する(ステップS123)。ここで、受信したコマンドがオープニングコマンドであると判断した場合(ステップS123:YES)、画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に対して所定のオープニング演出の開始を指示するオープニング演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS124)。
サブCPU131は、ステップS124の処理を実行した場合、又は受信したコマンドがオープニングコマンドではないと判断した場合(ステップS123:NO)、図38に例示されるように、ステップS616(図31参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された通常ラウンド開始コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS125)。
サブCPU131は、通常ラウンド開始コマンドを受信したと判断した場合(ステップS125:YES)、オーバー入賞の際に出力させるオーバー入賞音を選択する処理や所定の通常ラウンド中演出を開始するための処理等を含む通常ラウンド開始コマンド受信処理を実行する(ステップS126)。この通常ラウンド開始コマンド受信処理については、図41に基づいて後に詳述する。
サブCPU131は、ステップS126の通常ラウンド開始コマンド受信処理を実行した場合、又は受信したコマンドが通常ラウンド開始コマンドではないと判断した場合(ステップS125:NO)、ステップS619(図31参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された短開放ラウンド開始コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS127)。短開放ラウンド開始コマンドは、第2大入賞口19に係る短開放ラウンド遊技が開始されること(すなわち、遊技球がV領域195を通過し難いこと)、及び現在のラウンド数R(本実施形態では「15」)を示すコマンドである。
サブCPU131は、短開放ラウンド開始コマンドを受信したと判断した場合(ステップS127:YES)、現在のラウンド数R(本実施形態では「15」)を画像音響制御基板140に通知する短開放ラウンド中演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS128)。
この短開放ラウンド中演出開始コマンドがステップS11の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信されると、画像音響制御基板140及びランプ制御基板150において結果報知演出(失敗報知)が行われたことを示すラウンド中演出が開始される。なお、後述する長開放ラウンド中演出とは異なり、遊技者に対して第2大入賞口19を狙った遊技球の打ち出しを促すV入賞前報知演出は行われない。
サブCPU131は、ステップS128の処理を実行した場合、又は受信したコマンドが短開放ラウンド開始コマンドではないと判断した場合(ステップS127:NO)、ステップS618(図31参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された長開放ラウンド開始コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS129)。長開放ラウンド開始コマンドは、第2大入賞口19に係る長開放ラウンド遊技が開始されること(すなわち、遊技球がV領域195を通過し易いこと)、及び現在のラウンド数R(本実施形態では「15」)を示すコマンドである。
サブCPU131は、長開放ラウンド開始コマンドを受信したと判断した場合(ステップS129:YES)、現在のラウンド数R(本実施形態では「15」)を画像音響制御基板140に通知する長開放ラウンド中演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS130)。
この長開放ラウンド中演出開始コマンドがステップS11の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信されると、画像音響制御基板140及びランプ制御基板150において所定の長開放ラウンド中演出が開始される。例えば、長開放ラウンド中演出として、遊技者に対して第2大入賞口19を狙った遊技球の打ち出しを促すV入賞前報知演出が開始される。
サブCPU131は、ステップS130の処理を実行した場合、又は受信したコマンドが長開放ラウンド開始コマンドではないと判断した場合(ステップS129:NO)、ステップS626(図32参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信されたV入賞通知コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS131)。
サブCPU131は、V入賞通知コマンドを受信したと判断した場合(ステップS131:YES)、V入賞したことを画像音響制御基板140に通知するV入賞報知演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS132)。
このV入賞報知演出開始コマンドがステップS11の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信されることにより、大当たり遊技終了後の確変遊技状態への移行が確定したことを報知するV入賞報知演出が開始されることになる。具体的には、V入賞音がスピーカ24から出力されたり、液晶表示装置5の表示画面にV入賞を報知する「V」などの文字が表示されたりする。
サブCPU131は、ステップS132の処理を実行した場合、又は受信したコマンドがV入賞通知コマンドではないと判断した場合(ステップS131:NO)、ステップS712(図35参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された入賞指定コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS133)。
サブCPU131は、入賞指定コマンドを受信したと判断した場合(ステップS133:YES)、その入賞指定コマンドが第1大入賞口13に入賞したことを通知する入賞指定コマンドであるか否かを判断する(ステップS134)。
サブCPU131は、受信したコマンドが第1大入賞口13に入球したことを通知する入賞指定コマンドであると判断した場合(ステップS134:YES)、第1大入賞口13に遊技球が入賞したことを画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に通知する入賞指定通知コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS135)。
この入賞指定通知コマンドがステップS11の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信されることにより、大当たり遊技中に、オーバー入賞に伴ってオーバー入賞音をスピーカ24から出力させるオーバー入賞音出力処理(図46参照)が行われることになる。
サブCPU131は、ステップS135の処理を実行した場合、受信したコマンドが入賞指定コマンドではないと判断した場合(ステップS133:NO)、又は受信したコマンドが第1大入賞口13に入賞したことを通知する入賞指定コマンドではないと判断した場合(ステップS134:NO)、ステップS640又はステップS641(図33参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信されたエンディングコマンドを受信したか否かを判断する(ステップS136)。
サブCPU131は、エンディングコマンドを受信したと判断した場合(ステップS136:YES)、画像音響制御基盤140及びランプ制御基板150において所定のエンディング演出の実行を開始させるエンディング演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS137)。例えば、サブCPU131は、受信したエンディングコマンドが確変移行通知エンディングコマンドである場合、大当たり遊技終了後の確変遊技状態への移行を報知する確変移行エンディング演出の実行を開始させるエンディング演出開始コマンドをサブRAM133にセットする。また、サブCPU131は、受信したエンディングコマンドが時短移行通知エンディングコマンドである場合、大当たり遊技終了後の時短遊技状態への移行を報知する時短移行エンディング演出の実行を開始させるエンディング演出開始コマンドをサブRAM133にセットする。
サブCPU131は、ステップS137の処理を実行した場合、又は受信したコマンドがエンディングコマンドではないと判断した場合(ステップS136:NO)、他のコマンドに応じた処理を実行し(ステップS138)、ステップS11に処理を進める。
[演出制御基板130による変動開始コマンド受信処理]
以下、図39を参照しつつ、演出制御基板130による変動開始コマンド受信処理について説明する。図39は、図37のステップS106における変動開始コマンド受信処理の詳細フローチャートである。サブCPU131は、遊技制御基板100から受信したコマンドが変動開始コマンドであると判断した場合(ステップS105:YES)、図39に例示されるように、演出乱数を取得してサブRAM133に格納する(ステップS107)。演出乱数は、上述した乱数更新処理が行われる毎に「1」加算され、サブCPU131は、変動開始コマンドを受信した時点のカウント値を演出乱数として取得する。サブCPU131は、ステップS107の処理に続いて、受信した変動開始コマンドを解析する(ステップS108)。
この変動開始コマンドには、上述したように、大当たり判定処理の判定結果を示す図柄の設定情報、特別図柄の変動パターンの設定情報、パチンコ遊技機1の遊技状態を示す情報等が含まれている。したがって、変動開始コマンドを解析することによって、どの始動口(第1始動口11又は第2始動口12)への入賞に基づく特別図柄判定か、どのような変動パターンか、及び特別図柄判定の判定結果が大当たりか否か等を判別することができる。
変動開始コマンドを解析すると、サブCPU131は、その解析結果に基づいて、装飾図柄51の変動演出パターンと、リーチ成立前に行われる予告演出の演出パターンとを選択する変動演出パターン選択処理を実行する(ステップS109)。この変動演出パターン選択処理では、例えば、疑似連続演出等の予告演出を行うか否か、リーチ演出を行うか否か、動作演出を行うか否か等を変動パターンに基づいて判断し、どのような演出を行うかのシナリオを決定する。
例えば、遊技制御基板100によって決定される特別図柄の変動パターンが疑似連続演出を行わせる変動パターンである場合、サブCPU131は、変動パターンに基づいて、疑似連確定動作演出(図8(C)参照)を行うか否かを判断する。
また、サブCPU131は、例えば、変動パターンに基づいて、リーチ演出を行うか否かを判断し、リーチ演出を行うと判断した場合にはリーチ成立直後に行うリーチ演出としてノーマルリーチ演出、SPリーチ演出、又はSPSPリーチ演出のいずれか1つのリーチ演出を選択する。具体的には、変動パターンには、ノーマルリーチ演出を行わせる変動パターン、SPリーチ演出を行わせる変動パターン、SPSPリーチ演出を行わせる変動パターン等がある。サブCPU131は、変動パターンに基づいて、何れのリーチ演出を行うかを決定する。このとき、例えば、SPSPリーチ演出を行わせる変動パターンである場合には、サブCPU131は、SPSPリーチ演出を行う前にどのような演出を行うかのシナリオを決定する。例えば、サブCPU131は、擬似連続予告演出等のリーチ成立前の演出を決定し、ノーマルリーチ演出の途中や終盤において、SPSPリーチ演出に発展させるシナリオを決定する。この場合において、サブCPU131は、発展確定動作演出(図8(G)参照)を行うか否かを判断する。
また、サブCPU131は、例えば、特別図柄判定の判定結果が大当たりであると判別した場合、変動パターンに基づいて、当たり確定動作演出(図8(J)参照)を行うか否かを判断する。
ステップS109の処理に続いて、サブCPU131は、動作演出の演出パターンを決定する動作演出パターン設定処理を実行する(ステップS110)。この動作演出パターン設定処理については、図40に基づいて後に詳述する。
ステップS110の処理に続いて、サブCPU131は、ステップS109の処理で選択した変動演出パターンの選択情報と、ステップS110の処理で決定した動作演出パターンの設定情報とを含む変動演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS111)。この変動演出開始コマンドは、ステップS11の送信処理(図36参照)によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。これにより、演出制御基板130において決定された演出パターンで、画像音響制御基板140及びランプ制御基板150において、例えば、変動演出、予告演出、及び動作演出が実現されることになる。
ステップS111の処理に続いて、サブCPU131は、サブRAM133に記憶されている特別図柄判定の保留数を「1」減算した値に更新する(ステップS112)。具体的には、ステップS106(図37参照)の処理で受信したと判断した変動開始コマンドが第1特別図柄判定に係るものであるか、或いは第2特別図柄判定に係るものであるかを判別する。そして、第1特別図柄判定に係るものであると判別した場合には第1特別図柄判定の保留数を「1」減算した値に更新し、第2特別図柄判定に係るものであると判別した場合には第2特別図柄判定の保留数を「1」減算した値に更新する。
[演出制御基板130による動作演出パターン設定処理]
以下、図40を参照しつつ、演出制御基板130による動作演出パターン設定処理について説明する。ここで、図40は、図39のステップS110における動作演出パターン設定処理の詳細フローチャートである。動作演出パターン設定処理は、ステップS109の変動演出パターン選択処理(図39参照)において行うと判断された動作演出の演出パターンを決定する処理である。まず、サブCPU131は、変動演出パターン選択処理で決定したシナリオに基づいて、疑似連続演出を行うか否かを判断する(ステップS1101)。
サブCPU131は、疑似連続演出を行うと判断した場合(ステップS1101:YES)、その疑似連続演出が行われることを報知する疑似連確定動作演出を行うか否かを判断する(ステップS1102)。
サブCPU131は、疑似連確定動作演出を行うと判断した場合(ステップS1102:YES)、疑似連確定動作演出の演出パターンを設定する疑似連確定動作演出パターン設定処理を行う(ステップS1103)。サブCPU131は、例えば、液晶表示装置5の表示画面に上述した疑似連確定報知画像を表示させること、及び疑似連確定用動作パターンの設定情報ををメインRAM103に設定する。これにより、疑似連確定動作演出が行われるに際して、この処理によって設定された疑似連確定用動作パターンで第1演出役物71が動作すると共に、疑似連確定報知画像が表示される。
サブCPU131は、ステップS1103の処理を実行した場合、疑似連続演出を行わないと判断した場合(ステップS1101:NO)、又は疑似連確定動作演出を行わないと判断した場合(ステップS1102:NO)、変動演出パターン選択処理で決定したシナリオに基づいて、リーチ演出の発展が有るか否かを判断する(ステップS1104)。
サブCPU131は、リーチ演出の発展が有ると判断した場合(ステップS1104:YES)、そのリーチ演出の発展を報知する発展確定動作演出を行うか否かを判断する(ステップS1105)。
サブCPU131は、発展確定動作演出を行うと判断した場合(ステップS1105:YES)、発展確定動作演出の演出パターンを設定する発展確定動作演出パターン設定処理を行う(ステップS1106)。サブCPU131は、例えば、発展確定報知画像、及び発展確定用動作パターンの設定情報を制御用RAM145に設定する。これにより、発展確定動作演出が行われるに際して、この処理によって設定された発展確定用動作パターンで第1演出役物71が動作すると共に、発展確定報知画像が表示される。
サブCPU131は、ステップS1106の処理を実行した場合、リーチ演出の発展がないと判断した場合(ステップS1104:NO)、又は発展確定動作演出を行わないと判断した場合(ステップS1105:NO)、ステップS108の処理の解析結果に基づいて特別図柄判定の判定結果が大当たりであるか否かを判断する(ステップS1107)。
サブCPU131は、特別図柄判定の判定結果が大当たりであると判断した場合(ステップS1107:YES)、大当たり確定を報知する当たり確定動作演出を行うか否かを判断する(ステップS1108)。
サブCPU131は、当たり確定動作演出を行うと判断した場合(ステップS1108:YES)、当たり確定動作演出の演出パターンを設定する当たり確定動作演出パターン設定処理を行う(ステップS1109)。サブCPU131は、例えば、当たり確定報知画像、及び当たり確定用動作パターンの設定情報を制御用RAM145に設定する。これにより、当たり確定動作演出が行われるに際して、この処理によって設定された当たり確定用動作パターンで第1演出役物71が動作すると共に、当たり確定報知画像が表示される。
サブCPU131は、ステップS1109の処理を実行した場合、特別図柄判定の判定結果が大当たりではないと判断した場合(ステップS1107:NO)、又は当たり確定動作演出を行わないと判断した場合(ステップS1108:NO)、ステップS111に処理を進める。
[演出制御基板130による通常ラウンド開始コマンド受信処理]
以下、図41を参照しつつ、演出制御基板130による通常ラウンド開始コマンド受信処理について説明する。図41は、図38のステップS126における通常ラウンド開始コマンド受信処理の詳細フローチャートである。通常ラウンド開始コマンド受信処理では、オーバー入賞の際に出力させるオーバー入賞音を選択する処理や、ゲーム演出又は結果報知演出を開始するための処理等を行う。サブCPU131は、遊技制御基板100から受信したコマンドが通常ラウンド開始コマンドであると判断した場合(ステップS125:YES)、図41に例示されるように、オーバー入賞音を選択するために用いるオーバー入賞音選択乱数を取得してサブRAM133に格納する(ステップS1261)。
次に、サブCPU131は、大当たりの種類が第1始動口11への入賞に基づく大当たりであるか否かを判断する(ステップS1262)。
サブCPU131は、第1始動口11への入賞に基づく大当たりではないと判断した場合(ステップS1262:NO)、すなわち、第2始動口12への入賞に基づく大当たりである16R長開放当たり(大当たり図柄C)の場合、上述した16R長開放当たり用オーバー入賞音選択テーブルをサブROM132から読み出してサブRAM133にセットする(ステップS1263)。
一方、サブCPU131は、第1始動口11への入賞に係る大当たりであると判断した場合(ステップS1262:YES)、大当たりの種類が長開放当たり(大当たり図柄B)であるか否かを判断する(ステップS1264)。
サブCPU131は、大当たりの種類が長開放当たりであると判断した場合(ステップS1264:YES)、第1始動口11への入賞に係る長開放当たり用オーバー入賞音選択テーブル(図15(B)参照)をサブROM132から読み出してサブRAM133にセットする(ステップS1265)。この長開放当たり用オーバー入賞音選択テーブルについては、図15(B)を参照して上述した通りである。
一方、サブCPU131は、大当たりの種類が長開放当たりではないと判断した場合(ステップS1264:NO)、すなわち、大当たりの種類が短開放当たり(大当たり図柄A)である場合、第1始動口11への入賞に係る短開放当たり用オーバー入賞音選択テーブル(図15(A)参照)をサブROM132から読み出してサブRAM133にセットする(ステップS1266)。この短開放当たり用オーバー入賞音選択テーブルについては、図15(A)を参照して上述した通りである。
続いて、サブCPU131は、ステップS1263の処理、ステップS1265の処理、又はステップS1266の処理でサブRAM133にセットしたオーバー入賞音選択テーブルを参照して、ステップS1261の処理で取得したオーバー入賞音選択乱数に対応するオーバー入賞音を選択するオーバー入賞音選択処理を行う(ステップS1267)。
続いて、サブCPU131は、所定のラウンド中演出の開始を画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に指示する通常ラウンド中演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS1269)。通常ラウンド中演出開始コマンドは、大当たりの種類、現在のラウンド数R、ラウンド遊技において第1大入賞口13のプレートが長開放されるか又は短開放されるか、及びオーバー入賞音選択処理に関する設定情報を示すコマンドである。この通常ラウンド中演出開始コマンドは、ステップS11の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。これにより、第1大入賞口13を長開放する長開放ラウンド遊技が行われることによってなされたオーバー入賞に伴い、その長開放ラウンド遊技が開始される際に演出制御基板130において選択されたオーバー入賞音をスピーカ24から出力する処理が画像音響制御基板140で実現される。また、現在のラウンド遊技のラウンド数Rを報知する所定のラウンド中演出が画像音響制御基板140及びランプ制御基板150で実現される。
なお、サブCPU131は、遊技制御基板100から受信した通常ラウンド開始コマンド(図31参照)に含まれている現在のラウンド数Rが1〜7の場合には、第1大入賞口13を短開放する短開放ラウンド遊技(図14参照)が行われるため、図41に例示される処理は行わず、現在のラウンド数Rを画像音響制御基板140に通知するコマンドをサブRAM133にセットするの処理等を行う。
[画像音響制御基板140によるタイマ割込み処理]
以下、図42を参照しつつ、画像音響制御基板140によるタイマ割込み処理について説明する。図42は、液晶制御基板140において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、画像音響制御基板140は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図42に例示されている一連の処理を一定時間(例えば33ミリ秒)毎に繰り返し実行する。
図42に例示されるように、画像音響制御基板140の統括CPU141は、まず、演出制御基板130から受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド受信処理を実行する(ステップS81)。このコマンド受信処理については、図43及び図44に基づいて後に詳述する。
次に、統括CPU141は、例えば、VDP142が図柄変動に伴う演出に関する描画処理の実行中であるか否かに基づいて、装飾図柄51の変動表示中であるか否かを判断する(ステップS82)。ここで、装飾図柄51の変動表示中であると判断した場合(ステップS82:YES)、動作演出を開始させるための処理等を行う変動中処理を実行する(ステップS83)。この変動中処理については、図47に基づいて後に詳述する。
統括CPU141は、ステップS83の変動中処理を行った場合、又は装飾図柄51の変動表示中ではないと判断した場合(ステップS82:NO)、データ送信制御処理を実行する(ステップS84)。このデータ送信制御処理が実行されることによって、画像音響制御基板140において行われる画像音響制御に関するデータが演出制御基板130に送信される。そして、送信されたデータは、演出制御基板130のサブCPU131においてデータ転送処理(図36のステップS12参照)が行われることによって、ランプ制御基板150に転送される。これにより、画像音響制御に関するデータに基づいて、液晶表示装置5の表示画面やスピーカ24による演出と同期するように、各種演出手段(第1演出役物71や枠ランプ37等)を制御できる。具体的には、例えば、第1演出役物71の背景として図7に例示される背景画像を表示するのと同期するように、第1演出役物71を動作できる。
[画像音響制御基板140によるコマンド受信処理]
以下、図43及び図44を参照しつつ、画像音響制御基板140によるコマンド受信処理について説明する。図43及び図44は、図42のステップS81におけるコマンド受信処理の詳細フローチャートである。図43に例示されるように、統括CPU141は、例えば受信したコマンドに含まれている情報に基づいて、そのコマンドがステップS102(図37参照)の処理に応じて演出制御基板130から送信された操作通知コマンドであるか否かを判断する(ステップS811)。
統括CPU141は、受信したコマンドが操作通知コマンドであると判断した場合(ステップS811:YES)、操作通知コマンド受信処理を実行する(ステップS812)。この操作通知コマンド受信処理が実行されることにより、遊技者による操作に応じた表示制御が行われる。例えば、当たり確定動作演出に先立って行われるボタン押下演出において、予め定められた所定の有効期間中に遊技者によって演出ボタン26が押下されると(図9(A)参照)、統括CPU141は、この押下に応じたタイミングで当たり確定報知画像の表示を開始する。
統括CPU141は、ステップS812の処理を行った場合、又は受信したコマンドが操作通知コマンドではないと判断した場合(ステップS811:NO)、例えば受信したコマンドに含まれている情報に基づいて、そのコマンドがステップS111(図39参照)の処理に応じて演出制御基板130から送信された変動演出開始コマンドであるか否かを判断する(ステップS813)。
統括CPU141は、受信したコマンドが変動演出開始コマンドであると判断した場合(ステップS813:YES)、受信した変動演出開始コマンドに応じた変動演出を開始する変動演出開始処理を実行する(ステップS814)。これにより、装飾図柄51が変動を開始する。また、統括CPU141は、例えば、変動演出中に動作演出(疑似連確定動作演出、発展確定動作演出、又は当たり確定動作演出)が実行される場合、演出制御基板130によって設定された動作演出の設定情報を制御用RAM145にセットする。これにより、演出制御基板130によって予め定められた所定のタイミングで動作演出が実行される。なお、統括CPU141は、ボタン押下演出を伴う当たり確定動作演出が実行される場合には、当たり確定動作演出の設定情報と共に有効期間の設定情報を制御用RAM145にセットする。
統括CPU141は、ステップS814の処理を行った場合、又は受信したコマンドが変動演出開始コマンドではないと判断した場合(ステップS813:NO)、例えば受信したコマンドに含まれている情報に基づいて、そのコマンドがステップS122(図37参照)の処理に応じて演出制御基板130から送信された変動演出終了コマンドであるか否かを判断する(ステップS815)。
統括CPU141は、受信したコマンドが変動演出終了コマンドであると判断した場合(ステップS815:YES)、変動演出終了処理を実行する(ステップS816)。これにより、装飾図柄51が変動終了し、特別図柄判定の判定結果を示す態様で停止表示される。また、統括CPU141は、例えば、ステップS814の処理でセットした動作演出に関する設定情報を制御用RAM145から削除する。
統括CPU141は、ステップS816の処理を行った場合、又は受信したコマンドが変動演出終了コマンドではないと判断した場合(ステップS816:NO)、そのコマンドがステップS124(図37参照)の処理に応じて演出制御基板130から送信されたオープニング演出開始コマンドであるか否かを判断する(ステップS817)。
統括CPU141は、受信したコマンドがオープニング演出開始コマンドであると判断した場合(ステップS817:YES)、そのオープニング演出開始コマンドに含まれる設定情報に従って、オープニング演出の実行を開始する(ステップS818)。例えば、第1始動口11への入賞に係る大当たりの場合、所定のラウンド遊技(14R目のラウンド遊技)が開始するまで今回の大当たり遊技の契機となった大当たり種別が報知されないため、統括CPU141は、大当たり種別の区別がつかないオープニング演出の実行を開始する。
統括CPU141は、ステップS818の処理を行った場合、又は受信したコマンドがオープニング演出開始コマンドではないと判断した場合(ステップS817:NO)、そのコマンドがステップS1269(図41参照)の処理に応じて演出制御基板130から送信された通常ラウンド中演出開始コマンドであるか否かを判断する(ステップS819)。
統括CPU141は、受信したコマンドが通常ラウンド中演出開始コマンドであると判断した場合(ステップS819:YES)、現在のラウンド遊技のラウンド数Rに応じた演出を実行する通常ラウンド中演出開始処理を実行する(ステップS820)。これにより、例えば、13R目のラウンド遊技の開始に伴ってV領域195が長開放されるか否かを遊技者に暗示させるゲーム演出(図17(A)、図18(A)参照)の実行が開始されたり、14R目のラウンド遊技の開始に伴ってV入賞が容易か否かを報知する結果報知演出の実行が開始されたりする。この通常ラウンド中演出開始処理については、図45に基づいて後に詳述する。
統括CPU141は、ステップS820の処理を実行した場合、又は受信したコマンドが通常ラウンド中演出開始コマンドではないと判断した場合(ステップS819:NO)、そのコマンドがステップS128(図38参照)の処理に応じて演出制御基板130から送信された短開放ラウンド中演出開始コマンドであるか否かを判断する(ステップS821)。短開放ラウンド中演出開始コマンドは、第2大入賞口19に係る短開放ラウンド遊技が開始されること、及び現在のラウンド数R(本実施形態では「15」)を示すコマンドである。
統括CPU141は、受信したコマンドが短開放ラウンド中演出開始コマンドであると判断した場合(ステップS821:YES)、第2大入賞口19を短開放させる15R目の短開放ラウンド遊技が開始されることになるため、結果報知演出(失敗報知)が行われたことを示すラウンド中演出の実行を開始する(ステップS822)。このラウンド中演出は、16R目のラウンド遊技終了後に到来するエンディング期間の開始時まで実行される。
統括CPU141は、ステップS822の処理を実行した場合、又は受信したコマンドが短開放ラウンド中演出開始コマンドではないと判断した場合(ステップS821:NO)、そのコマンドがステップS130(図38参照)の処理に応じて演出制御基板130から送信された長開放ラウンド中演出開始コマンドであるか否かを判断する(ステップS823)。長開放ラウンド中演出開始コマンドは、、第2大入賞口19に係る長開放ラウンド遊技が開始されること、及び現在のラウンド数R(本実施形態では「15」)を示すコマンドである。
統括CPU141は、受信したコマンドが長開放ラウンド中演出開始コマンドであると判断した場合(ステップS823:YES)、第2大入賞口19及びV領域195を長開放させる長開放ラウンド遊技が開始されることになるため、V領域195への遊技球の打ち出しを遊技者に促すV入賞前報知演出(図16(B)、図18(C)参照)の実行を開始する(ステップS824)。V入賞前報知演出は、V入賞に応じたタイミング、又は予め定められた実行終了タイミングまで実行される。
統括CPU141は、ステップS824の処理を実行した場合、又は受信したコマンドが長開放ラウンド中演出開始コマンドではないと判断した場合(ステップS823:NO)、そのコマンドがステップS132(図38参照)の処理に応じて演出制御基板130から送信されたV入賞報知演出開始コマンドであるか否かを判断する(ステップS825)。
統括CPU141は、受信したコマンドがV入賞したことを示すV入賞報知演出開始コマンドであると判断した場合(ステップS825:YES)、ステップS824の処理で実行を開始したV入賞前報知演出の実行をV入賞に応じたタイミングで終了する(ステップS826)。そして、統括CPU141は、大当たり遊技終了後の確変遊技状態への移行が確定したことを報知するV入賞報知演出の実行を開始する(ステップS827)。統括CPU141は、例えば、V入賞報知演出の演出表示として「V」といったV入賞を報知するV入賞報知画像を表示すると共に、V入賞音をスピーカ24から出力する。
統括CPU141は、ステップS827の処理を実行した場合、又は受信したコマンドがV入賞報知演出開始コマンドではないと判断した場合(ステップS825:NO)、そのコマンドがステップS135(図38参照)の処理に応じて演出制御基板130から送信された入賞指定通知コマンドであるか否かを判断する(ステップS828)。入賞指定通知コマンドは、第1大入賞口13に遊技球が入賞したことを通知するコマンドである。
CPU141は、受信したコマンドが入賞指定通知コマンドであると判断した場合(ステップS828:YES)、オーバー入賞音出力処理を実行する(ステップS829)。このオーバー入賞音出力処理については、図46に基づいて後に詳述する。
統括CPU141は、ステップS829のオーバー入賞音出力処理を実行した場合、又は受信したコマンドが入賞指定通知コマンドではないと判断した場合(ステップS828:NO)、そのコマンドがステップS137(図38参照)の処理に応じて演出制御基板130から送信されたエンディング演出開始コマンドであるか否かを判断する(ステップS830)。
統括CPU141は、受信したコマンドがエンディング演出開始コマンドであると判断した場合(ステップS830:YES)、所定のエンディング演出の実行を開始する(ステップS831)。例えば、受信したエンディング演出開始コマンドが、大当たり遊技終了後の確変遊技状態への移行を報知する確変移行エンディング演出の実行を開始させるエンディング演出開始コマンドである場合、統括CPU141は、確変移行エンディング演出の実行を開始する。また、受信したエンディング演出開始コマンドが、大当たり遊技終了後の時短遊技状態への移行を報知する時短移行エンディング演出の実行を開始させるエンディング演出開始コマンドである場合、統括CPU141は、時短移行エンディング演出の実行を開始する。
統括CPU141は、ステップS831の処理を実行した場合、又は受信したコマンドがエンディング演出開始コマンドではないと判断した場合(ステップS830:NO)、演出制御基板130から送信された他のコマンドに応じた処理を実行し(ステップS832)、ステップS82に処理を進める。
[画像音響制御基板140による通常ラウンド中演出開始処理]
以下、図45を参照しつつ、画像音響制御基板140による通常ラウンド中演出開始処理について説明する。図45は、図43のステップS820における通常ラウンド中演出開始処理の詳細フローチャートである。統括CPU141は、演出制御基板130から受信したコマンドが通常ラウンド中演出開始コマンドであると判断した場合(ステップS819:YES)、以下の処理を行う。ここで、通常ラウンド中演出開始コマンドは、大当たりの種類、現在のラウンド数R、及びオーバー入賞音に関する設定情報(図41参照)を示すコマンドである。なお、ラウンド数Rは、ラウンド遊技が開始される毎に遊技制御基板100において更新される変数である(図31参照)。
図45に例示されるように、統括CPU141は、後述するオーバー入賞音出力処理(図46参照)に用いる第1大入賞口13への入賞数Zを「0」にリセットする(ステップS8201)。この処理により、ラウンド遊技が開始される毎に第1大入賞口13への入賞数Zが「0」にリセットされることになる。
次に、統括CPU141は、ラウンド中演出開始コマンドが示す大当たりの種類が第1始動口11への入賞に基づく大当たりであるか否かを判断する(ステップS8202)。
統括CPU141は、第1始動口11への入賞に基づく大当たりであると判断した場合、通常ラウンド中演出開始コマンドが示す現在のラウンド数Rに基づいて、13R目のラウンド遊技が開始されるか否かを判断する(ステップS8203)。
統括CPU141は、13R目のラウンド遊技が開始されると判断した場合(ステップS8203:YES)、V領域195が開放されるか否かを遊技者に暗示させるゲーム演出の実行を開始する(ステップS8204)。具体的には、統括CPU141は、例えば、第2大入賞口19(V領域195)に遊技者の注意を向かわせるような演出画像(図17(A)、図18(A)参照)を液晶表示装置5の表示画面に表示させる等の演出表示を行うと共に、その演出表示に伴ってスピーカ24から演出音を出力させる。ゲーム演出は、14R目のラウンド遊技が開始されるまで実行される。
一方、統括CPU141は、13R目のラウンド遊技が開始されないと判断した場合(ステップS8203:NO)、現在のラウンド数Rに基づいて、14R目のラウンド遊技が開始されるか否かを判断する(ステップS8205)。
統括CPU141は、14R目のラウンド遊技が開始されると判断した場合(ステップS8205:YES)、第1始動口11への入賞に基づく大当たりの種類が、長開放当たり(大当たり図柄B)であるか否かを判断する(ステップS8206)。
統括CPU141は、長開放当たりであると判断した場合(ステップS8206:YES)、V入賞が容易であることを報知する結果報知演出(成功報知)の実行を開始する(ステップS8207)。具体的には、統括CPU141は、例えば、「成功!」というメッセージと、遊技者の注意を第2大入賞口19(V領域195)に引き付けるような演出画像とを表示画面に表示させると共に(図18(B)参照)、その演出表示に伴ってスピーカ24から演出音を出力させる。結果報知演出は(成功報知)は、15R目のラウンド遊技が開始されるまで実行される。
一方、統括CPU141は、長開放当たりではないと判断した場合、すなわち短開放当たりである場合、V入賞が容易ではないことを報知する結果報知演出(失敗報知)の実行を開始する(ステップS8208)。具体的には、統括CPU141は、例えば、「失敗」というメッセージを表示画面に表示させると共に(図17(B)参照)、その演出表示に伴ってスピーカ24から演出音を出力させる。結果報知演出は(失敗報知)は、15R目のラウンド遊技が開始されるまで実行される。
統括CPU141は、ステップS8208の処理を実行した場合、第1始動口11への入賞に基づく大当たりではないと判断された場合(ステップS8202:NO)、ステップS8204の処理を実行した場合、14R目のラウンド遊技が開始されないと判断した場合(ステップS8205:NO)、又はステップS8207の処理を実行した場合、ステップS821(図44参照)に処理を進める。
[画像音響制御基板140によるオーバー入賞音出力処理]
以下、図46を参照しつつ、画像音響制御基板140によるオーバー入賞音出力処理について説明する。図46は、図44のステップS829におけるオーバー入賞音出力処理の詳細フローチャートである。統括CPU141は、受信したコマンドが、第1大入賞口13に遊技球が入賞したことを通知する入賞指定通知コマンドであると判断した場合(ステップS828:YES)、図46に例示されるように、大当たり遊技中であるか否かを判断する(ステップS8291)。統括CPU141は、例えば、演出制御基板130からオープニング演出開始コマンドを受信してから、確変移行エンディング演出または時短移行エンディング演出の実行が終了までの期間中であれば、大当たり遊技中であると判断する。
ここで、本実施形態では、統括CPU141は、大当たり遊技中にラウンド遊技が開始される際、通常ラウンド中演出開始コマンド、短開放ラウンド中演出開始コマンド、又は長開放ラウンド中演出開始コマンドのうちいずれか1つのコマンドを演出制御基板130から必ず受信する。これら3つのコマンドは、現在のラウンド数Rを示すコマンドである。統括CPU141は、受信したコマンドに含まれているラウンド数Rに関する情報に基づき、現在行われているラウンド遊技が何R目のラウンド遊技であるか判断できる。
さらに、通常ラウンド中演出開始コマンドは、図41を参照して上述したように、オーバー入賞音に関する設定情報を含むコマンドである。このため、統括CPU141は、このコマンドに含まれているオーバー入賞音の設定情報に基づき、演出制御基板130で現在のラウンド遊技に関するオーバー入賞音としてどのオーバー入賞音が選択されたか判別できる。
まず、統括CPU141は、大当たり遊技中であると判断した場合(ステップS8291:YES)、第1始動口11への入賞に基づく大当たりであるか否かを判断する(ステップS8292)。
統括CPU141は、第1始動口11への入賞に基づく大当たりであると判断した場合(ステップS8292:YES)、演出制御基板130から受信した通常ラウンド中演出開始コマンド、短開放ラウンド中演出開始コマンド、又は長開放ラウンド中演出開始コマンドに基づいて、14R目のラウンド遊技が開始される前であるか否かを判断する(ステップS8293)。
本実施形態では、第1始動口11への入賞に基づいて大当たりとなった場合、14R目のラウンド遊技が実行されるまでは大当たりの種類が報知されない。そして、V入賞が容易か否かを報知する結果報知演出(成功報知または失敗報知)が14R目のラウンド遊技の開始に伴って実行されることによって大当たりの種類が報知される。このため、第1始動口11に係る大当たりの種類(短開放当たり又は長開放当たり)を示唆するオーバー入賞音は、14R目のラウンド遊技が開始されるまでのオーバー入賞に伴って出力される(図16参照)。このため、統括CPU141は、第1始動口11への入賞に係る大当たり遊技における14R目のラウンド遊技以降には以下の処理を行わない。
一方、第1始動口11への入賞に基づく大当たりではないと判断した場合(ステップS8293:NO)、すなわち、第2始動口12への入賞に基づく大当たりである場合、15R目のラウンド遊技が行われているか否かを判断する(ステップS8294)。本実施形態では、第2始動口12への入賞に基づいて16R長開放当たりとなった場合、15R目に第2大入賞口19及びV領域195が長開放されるラウンド遊技が行われる。このラウンド遊技中にV入賞すると、第1始動口11への入賞に基づく長開放当たりになった場合と同様に、大当たり遊技後の確変遊技状態への移行が確定したことを報知するV入賞音が出力される。本実施形態では、オーバー入賞音よりもV入賞音を優先して出力するため、オーバー入賞音は、15R目のラウンド遊技が行われることによってオーバー入賞しても出力されない。このため、統括CPU141は、第2始動口12への入賞に係る大当たり遊技における15R目のラウンド遊技中には以下の処理を行わない。
統括CPU141は、第1始動口11への入賞に基づく大当たりにおいて14R目のラウンド遊技が開始される前であると判断した場合(ステップS8293:YES)、又は第1始動口11への入賞に基づく大当たりではないと判断した場合(すなわち第2始動口12への入賞に基づく大当たり)において15R目のラウンド遊技が行われていないと判断した場合(ステップS8294:NO)、第1大入賞口13への入賞数Zを「1」加算した値に更新する(ステップS8295)。
次に、統括CPU141は、第1大入賞口13への入賞数Zが、第1大入賞口13の閉塞タイミングを規定する遊技球数である規定数Zmax(本実施形態では「9」)を超えたか否かを判定する(ステップS8296)。
統括CPU141は、第1大入賞口13への入賞数Zが規定数Zmaxを超えたと判定した場合(ステップS8296:YES)、通常ラウンド中演出開始コマンドに基づいたオーバー入賞音を出力する(ステップS8297)。具体的には、統括CPU141は、例えば、ステップS1267(図41参照)の処理によって演出制御基板130で選択されたオーバー入賞音をスピーカ24から出力させる。
統括CPU141は、ステップS8297の処理を実行した場合、大当たり遊技中ではないと判断した場合(ステップS8291:NO)、第1始動口11への入賞に基づく大当たりにおいて14R目のラウンド遊技が開始される前ではないと判断した場合(ステップS8293:NO)、第1始動口11への入賞に基づく大当たりではないと判断した場合(すなわち第2始動口12への入賞に基づく大当たり)において15R目のラウンド遊技が行われていると判断した場合(ステップS8294:YES)、又は第1大入賞口13への入賞数Zが第1大入賞口13の規定数Zmaxを超えていないと判定した場合(ステップS8297:NO)、S830(図44参照)に処理を進める。
なお、通常ラウンド中演出開始コマンド(図43参照)に含まれている現在のラウンド数Rが1〜7の場合には、第1大入賞口13を短開放する短開放ラウンド遊技(図14参照)が行われるため、図46に例示される処理は行われなくてもよい。
[画像音響制御基板140による変動中処理]
以下、図47を参照しつつ、画像音響制御基板140による変動中処理について説明する。図47は、図42のステップS83における変動中処理の詳細フローチャートである。統括CPU141は、装飾図柄51の変動表示中であると判断した場合(ステップS82:YES)、図47に例示されるように、疑似連確定動作演出の実行開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS8311)。
統括CPU141は、疑似連確定動作演出の実行開始タイミングであると判断した場合(ステップS8311:YES)、ステップS1103(図40参照)の処理で演出制御基板130において設定された設定情報に基づいて、液晶表示装置5の表示画面への疑似連確定報知画像(図7(A)参照)の表示を開始する(ステップS8312)。また、統括CPU141は、疑似連確定報知画像の表示タイミングにおいて第1演出役物71を動作させるためのデータを演出制御基板130に送信する。このデータは、データ転送処理(図36のステップS12参照)によって演出制御基板130からランプ制御基板150に転送される(図48のステップS911参照)。これにより、疑似連確定報知画像を表示画面に表示させる演出表示と同期するように第1演出役物71が動作させる疑似連確定動作演出の実行が実現する。
一方、統括CPU141は、疑似連確定動作演出の実行開始タイミングではないと判断した場合(ステップS8311:NO)、発展確定動作演出の実行開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS8313)。
統括CPU141は、発展確定動作演出の実行開始タイミングであると判断した場合(ステップS8313:YES)、ステップS1106(図40参照)の処理で演出制御基板130において設定された設定情報に基づいて、発展確定報知画像(図7(B)参照)の表示を開始する(ステップS8314)。また、統括CPU141は、発展確定報知画像の表示タイミングにおいて第1演出役物71を動作させるためのデータを、演出制御基板130を介してランプ制御基板150に送信する。これにより、発展確定報知画像を表示画面に表示させる演出表示と同期するように第1演出役物71を動作させる発展確定動作演出の実行が実現する。
一方、統括CPU141は、発展確定動作演出の実行開始タイミングではないと判断した場合(ステップS8313:NO)、当たり確定動作演出の実行開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS8315)。
統括CPU141は、当たり確定動作演出の実行開始タイミングであると判断した場合(ステップS8315:YES)、演出制御基板130においてステップS1109(図40参照)の処理で設定された設定情報に基づいて、当たり確定報知画像(図7(C)参照)の表示を開始する(ステップS8316)。また、統括CPU141は、当たり確定報知画像の表示タイミングにおいて第1演出役物71を動作させるためのデータを、演出制御基板130を介してランプ制御基板150に送信する。これにより、当たり確定報知画像を表示画面に表示させる演出表示と同期するように第1演出役物71を動作させる当たり確定動作演出の実行が実現する。
統括CPU141は、ステップS8316の処理を行った場合、ステップS8312の処理を行った場合、ステップS8314の処理を行った場合、又は当たり確定動作演出の実行開始タイミングではないと判断した場合(ステップS8315:NO)、疑似連確定動作演出の実行終了タイミングであるか否かを判断する(ステップS8317)。
統括CPU141は、疑似連確定動作演出の実行終了タイミングであると判断した場合(ステップS8317:YES)、ステップS8312の処理で表示を開始した疑似連確定報知画像を表示画面から消去する(ステップS8318)。また、統括CPU141は、疑似連確定報知画像の消去タイミングにおいて第1演出役物71を格納位置に復帰させるためのデータを、演出制御基板130を介してランプ制御基板150に送信する。これにより、疑似連確定動作演出の実行が終了する。
一方、統括CPU141は、疑似連確定動作演出の実行終了タイミングではないと判断した場合(ステップS8317:NO)、発展確定動作演出の実行終了タイミングであるか否かを判断する(ステップS8319)。
統括CPU141は、発展確定動作演出の実行終了タイミングであると判断した場合(ステップS8319:YES)、ステップS8314の処理で表示を開始した発展確定報知画像を消去する(ステップS8320)。また、統括CPU141は、発展確定報知画像の消去タイミングにおいて第1演出役物71を格納位置に復帰させるためのデータを、演出制御基板130を介してランプ制御基板150に送信する。これにより、発展確定動作演出の実行が終了する。
一方、統括CPU141は、発展確定動作演出の実行終了タイミングではないと判断した場合(ステップS8319:NO)、当たり確定動作演出の実行終了タイミングであるか否かを判断する(ステップS8321)。
統括CPU141は、当たり確定動作演出の実行終了タイミングであると判断した場合(ステップS8321:YES)、ステップS8316の処理で表示を開始した当たり確定報知画像を消去する(ステップS8322)。また、統括CPU141は、当たり確定報知画像の消去タイミングにおいて第1演出役物71を格納位置に復帰させるためのデータを、演出制御基板130を介してランプ制御基板150に送信する。これにより、当たり確定動作演出の実行が終了する。
統括CPU141は、ステップS8322の処理を行った場合、ステップS8318の処理を行った場合、ステップS8320の処理を行った場合、又は当たり確定動作演出の実行終了タイミングではないと判断した場合(ステップS8321:NO)、ステップS84のデータ送信制御処理(図42参照)に処理を進める。
[ランプ制御基板150によるタイマ割込み処理]
次に、図48を参照しつつ、ランプ制御基板150において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図48は、ランプ制御基板150において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。ランプ制御基板150は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、演出制御基板130からのコマンド、及び演出制御基板130を介して画像音響制御基板140から送信される画像音響制御に関するデータに基づいて、図48に例示されている一連の処理を一定時間毎に繰り返し実行する。
図48に例示されるように、ランプ制御基板150のランプCPU151は、まず、演出制御基板130を介して画像音響制御基板140から送信された画像音響制御に関するデータを受信するデータ受信処理を実行する(ステップS911)。ランプCPU151は、このステップS911の処理によって受信した画像音響制御に関するデータに基づいて、液晶表示装置5の表示画面やスピーカ24による演出と同期するように、各種演出手段(第1演出役物71や盤ランプ25など)を制御する。
続いて、ランプCPU151は、ステップS911で受信したデータに基づいて、動作演出の実行開始タイミングであるか否かを判断する(ステップS912)。具体的には、例えば、動作演出用背景画像(図7参照)が液晶表示装置5の表示画面に表示されるタイミングにおいて、第1演出役物71を動作させるためのデータが画像音響制御基板140から送信される。ランプCPU151は、このデータを受信したか否かに基づいて、動作演出の実行開始タイミングであるか否かを判断する。
ランプCPU151は、動作演出の実行開始タイミングであると判断した場合(ステップS912:YES)、ステップS911で受信した第1演出役物71を動作させるためのデータに基づいて、第1演出役物71の制御を開始する(ステップS913)。これにより、動作演出用背景画像が表示されるのと同期するように、演出制御基板130によって設定された動作パターン(図40参照)で第1演出役物71が動作されて、動作演出の実行が実現する。
ランプCPU151は、ステップS913の処理を行った場合、又は動作演出の実行開始タイミングではないと判断した場合(ステップS912:NO)、ステップS911で受信したデータに基づいて、動作演出の実行終了タイミングであるか否かを判断する(ステップS914)。具体的には、例えば、動作演出用背景画像が表示画面から消去されるタイミングにおいて第1演出役物71を格納位置に復帰させるためのデータが、画像音響制御基板140から送信される。ランプCPU151は、このデータを受信したか否かに基づいて、動作演出の実行終了タイミングであるか否かを判断する。
ランプCPU151は、動作演出の実行終了タイミングであると判断した場合(ステップS914:YES)、第1演出役物71を格納位置に復帰させる(ステップS915)。これにより、動作演出の実行が終了する。
ランプCPU151は、ステップS915の処理を実行した場合、又は動作演出の実行終了タイミングではないと判断した場合(ステップS914:NO)、遊技者によって演出ボタン26又は演出キー27が操作されたか否かを判断する(ステップS916)。例えば、演出ボタン26の操作(例えば押下)を検知するセンサからの検知信号、又は演出キー27の操作を検知するセンサからの検知信号が入力されたか否かに基づいて、演出ボタン26又は演出キー27が操作されたか否かを判断する。
ランプCPU151は、演出ボタン26又は演出キー27が操作されたと判断した場合(ステップS916:YES)、その旨を通知する操作コマンドを演出制御基板130に送信する(ステップS917)。これにより、演出制御基板130、画像音響制御基板140、及びランプ制御基板150において、遊技者による演出ボタン26又は演出キー27の操作に応じた制御が行われる。例えば、当たり確定動作演出に先立って行われるボタン押下演出において、予め定められた所定の有効期間中に遊技者によって演出ボタン26が押下されると、画像音響制御基板140及びランプ制御基板150において、当たり確定動作演出が開始される。
ランプCPU151は、ステップS917の処理を実行した場合、又は遊技者によって演出ボタン26又は演出キー27が操作されなかったと判断した場合(ステップS916:NO)、上記ステップS911に処理を戻す。
[変形例]
上記実施形態では、図36〜図41に示す処理を演出制御基板130が、図42〜図47に示す処理を画像音響制御基板140が行うものとして説明した。他の実施形態では、これらの処理の一部または全部を、演出制御基板130、画像音響制御基板140、及びランプ制御基板150のいずれにおいて実行してもよい。
上記実施形態において説明したパチンコ遊技機1の構成や各部材の動作態様は単なる一例に過ぎず、他の構成や動作態様であっても本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述したフローチャートにおける処理の順序、設定値、判定に用いられる閾値等は単なる一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱しなければ他の順序や値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。
[本発明に係る遊技機の構成とその作用効果]
以上説明したように、本発明に係る遊技機は以下のような構成であってもよい。なお、括弧書きは単なる例示にすぎない。
本発明に係る遊技機は、始動条件の成立により遊技者にとって有利な特別遊技を実行するか否かを判定する特別遊技判定手段(例えば図27のS309)と、所定の画像表示手段(例えば液晶表示装置5の表示画面)に所定の演出画像(例えば、図7(A)の疑似連確定報知画像、図7(B)の発展確定報知画像、又は図7(C)の当たり確定報知画像)を表示させる表示演出手段(例えば図47のS8312,S8314,又はS8316)と、前記特別遊技判定手段による判定結果に基づいて、可動役物(例えば第1演出役物71)を動作させる動作演出を行う可動役物演出手段(例えば図48のS913)とを備え、前記表示演出手段は、前記特別遊技判定手段による判定結果に基づいて、前記可動役物演出手段による前記動作演出に伴い、前記画像表示手段に第1の演出画像(例えば疑似連確定報知画像)を表示させる第1表示演出手段(例えば図47のS8312)と、前記特別遊技判定手段による判定結果に基づいて、前記可動役物演出手段による前記動作演出に伴い、前記画像表示手段に前記第1の演出画像とは異なる第2の演出画像(例えば発展確定報知画像)を表示させる第2表示演出手段(例えば図47のS8314)とを含む(例えば、第1演出役物71が動作すると共に、第1演出役物71の背景として疑似連確定報知画像を表示画面に表示させる疑似連確定動作演出が行われ得る。また、第1演出役物71が動作すると共に、第1演出役物71の背景として疑似連確定報知画像とは異なる演出画像である発展確定報知画像を表示画面に表示させる発展確定動作演出が行われ得る)。
上記構成によれば、第1の演出画像を表示させる動作演出と、第2の演出画像を表示させる動作演出とが行われる。このため、可動役物の動作態様が異なる場合には、この動作態様の違いによりこれら2つの動作演出を区別して遊技者に認識させることができる。また、可動役物の動作態様が同じ場合には、演出画像が異なることにより、これら2つの動作演出を区別して遊技者に認識させることができる。
また、他の構成の遊技機は、前記動作演出は、第1動作演出および前記第1動作演出とは異なる動作が可能な第2動作演出を含み(例えば、第1演出役物71の動作パターンが複数用意されている)、前記第1表示演出手段は、前記特別遊技判定手段による判定結果に基づいて、前記可動役物演出手段による前記第1動作演出に伴い、前記画像表示手段に前記第1の演出画像を表示させ、前記第2表示演出手段は、前記特別遊技判定手段による判定結果に基づいて、前記可動役物演出手段による前記第1動作演出に伴い、前記画像表示手段に前記第2の演出画像を表示させてもよい(例えば、疑似連確定動作演出および発展確定動作演出における第1演出役物71の動作態様が同じ場合がある)。
上記構成によれば、特別図柄判定の判定結果に基づいて、異なる演出画像が第1動作演出に伴って表示される。このため、可動役物の動作態様が同じでも、動作演出に伴って表示される演出画像が異なることにより、第1の演出画像を表示させる第1動作演出と、第2の演出画像を表示させる第1動作演出とを区別して遊技者に認識させることができる。
また、他の構成の遊技機は、始動条件の成立により遊技者にとって有利な特別遊技(例えば、短開放当たりに係る大当たり遊技、長開放当たりに係る大当たり遊技、又は16R長開放当たりに係る大当たり遊技)を実行するか否かを判定する特別遊技判定手段(例えば図27のS309)と、遊技球が通過し難い第1状態と通過し易い第2状態とに変化し得る特別入賞領域(例えば第1大入賞口13)と、前記特別入賞領域に遊技球が通過したことを検知する検知手段(例えば、図35のS708、第1大入賞口スイッチ115)と、前記特別遊技判定手段によって前記特別遊技を実行すると判定された場合に、前記特別入賞領域を前記第2状態に変化させる遊技を含む前記特別遊技を実行する特別遊技実行手段(例えば図22のS6)と、前記特別遊技実行手段による前記特別遊技の実行中に、その後に遊技者にとって有利な状態となるか否かを報知する第1演出(例えば、結果報知演出、V入賞前報知演出、又はV入賞報知演出)を実行する第1演出実行手段(例えば、図44のS824又はS827、図45のS8207又はS8208)と、前記検知手段による検知に基づいて(例えば、図35のS712、図38のS135、図44のS829)、第2演出を実行(例えばオーバー入賞音の出力)する第2演出実行手段(例えば図46のS8297)とを備え、前記第2演出実行手段は、前記第1演出実行手段によって前記第1演出が実行されるより前の前記特別遊技中に前記第2演出を実行可能に制御する(例えば、結果報知演出が実行される14R目のラウンド遊技が開始されるまでは、オーバー入賞に伴ってオーバー入賞音を出力可能である)。
上記構成によれば、その後に遊技者に有利な状態となるか否かを報知する第1演出が実行されるまでは、特別入賞領域への遊技球の入賞に基づいて第2演出が実行可能である。これにより、第1演出が実行されるまでの興趣性を向上させることが可能となる。また、第1演出が実行された後の興趣を損なうことなく特別遊技を実行できる。
また、他の構成の遊技機は、始動条件の成立により遊技者にとって有利な特別遊技(例えば、短開放当たりに係る大当たり遊技、長開放当たりに係る大当たり遊技、又は16R長開放当たりに係る大当たり遊技)を実行するか否かを判定する特別遊技判定手段(例えば図27のS309)と、遊技球が通過し難い第1状態と通過し易い第2状態とに変化し得る特別入賞領域(例えば第1大入賞口13)と、前記特別入賞領域に遊技球が通過したことを検知する検知手段(例えば、図35のS708、第1大入賞口スイッチ115)と、前記特別遊技判定手段によって前記特別遊技を実行すると判定された場合に、前記特別入賞領域を前記第2状態に変化させる遊技を含む前記特別遊技を実行する特別遊技実行手段(例えば図22のS6)と、前記特別遊技実行手段による前記特別遊技の実行中に、その後に遊技者にとって有利な状態となるか否かを報知する第1演出(例えば、結果報知演出、V入賞前報知演出、又はV入賞報知演出)を実行する第1演出制御手段(例えば、図44のS824又はS827、図45のS8207又はS8208)と、前記検知手段による検知に基づいて(例えば、図35のS712、図38のS135、図44のS829)、第2演出を実行(例えばオーバー入賞音の出力)する第2演出制御手段(例えば図46のS8297)とを備え、前記第2演出制御手段は、前記第1演出制御手段によって前記第1演出が実行されている間は前記第2演出の実行を制限する(例えば、結果報知演出、又はV入賞報知演出の実行中は、これらの演出が、オーバー入賞音の出力よりも優先して実行される)。
上記構成によれば、遊技に関して遊技者にとってより関心の高い重要な情報が報知される第1演出を、第2演出よりも優先して実行できる。このため、第2演出を実行することによって興趣性を高めつつ、第1演出の演出効果が低下することを抑制できる。
また、他の構成の遊技機は、遊技球が通過し難い第1状態と通過し易い第2状態とに変化し得る特別入賞領域(例えば第1大入賞口13)と、始動条件の成立により、前記特別入賞領域を前記第2状態に変化させる特別遊技を実行するか否かを判定する特別遊技判定手段(例えば図27のS309)と、前記特別遊技を実行すると判定された場合に、第1特別遊技(例えば図14(A)の第1始動口11への入賞に基づく短開放当たりに係る大当たり遊技)と、当該第1特別遊技よりも遊技者にとって有利な第2特別遊技(例えば図14(B)の第1始動口11への入賞に基づく長開放当たりに係る大当たり遊技)とを含む複数の特別遊技のうちの何れかの特別遊技を実行する特別遊技実行手段(例えば図22のS6)と、前記特別入賞領域に遊技球が通過したことを検知する検知手段(例えば、図35のS708、第1大入賞口スイッチ115)と、前記検知手段による検知に基づいて(例えば、図35のS712、図38のS135、図44のS829)、第1の演出態様(例えばオーバー入賞音A)または第2の演出態様(例えばオーバー入賞音B(又はオーバー入賞音C))を含む複数の演出態様のうち何れかの演出態様で特定演出を実行(例えばオーバー入賞音の出力)する特定演出実行手段(例えば図46のS8297)とを備え、前記第2特別遊技が行われているときの前記第2の演出態様の選択率は、前記第1特別遊技が行われているときの前記第2の演出態様の選択率よりも高い(例えば、オーバー入賞音B(又はオーバー入賞音C))の選択率は、短開放当たりに係る大当たり遊技が行われているときよりも、長開放当たりに係る大当たり遊技が行われているときの方が高い)。
上記構成によれば、特定演出が第2の演出態様で実行されることによって、現在実行されている特別遊技の種別が、第1特別遊技より遊技者にとって有利な第2特別遊技である可能性が高いことを示唆又は報知できる。これにより、遊技者は、現在実行されている特別遊技が第2特別遊技かもしれないという期待を抱きながら遊技を楽しむことが可能となる。