JP2016188958A - マスクブランク、位相シフトマスクの製造方法、及び、半導体デバイスの製造方法 - Google Patents

マスクブランク、位相シフトマスクの製造方法、及び、半導体デバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】遮光膜のパターン精度を良好に保つことが可能な位相シフトマスク用のマスクブランクを提供する。【解決手段】透光性基板上に、遮光膜及びハードマスク膜が順に積層した構造を有するマスクブランクであって、ハードマスク膜は、遮光膜の表面に接して設けられ、遮光膜は、ハードマスク膜側の表面近傍の領域に酸素含有量が増加した組成傾斜部を有する単層膜であり、遮光膜は、クロム、酸素及び炭素を主成分として形成され、表面近傍の領域以外における遮光膜のクロム含有量は、50原子%以上80原子%以下であり、ハードマスク膜は、タンタルと酸素を含有する材料で形成され、ハードマスク膜の酸素含有量は、50原子%以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、位相シフトマスク用のマスクブランク、このマスクブランクを用いる位相シフトマスクの製造方法、及び、このマスクブランクから製造された位相シフトマスクを用いる半導体デバイスの製造方法に関する。
位相シフトマスク用のマスクブランクとして、透光性基板上にクロム系材料からなる遮光膜を有するマスクブランクが以前より知られている。このようなマスクブランクを用いて形成される位相シフトマスクにおいては、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスによるドライエッチングによって遮光膜をパターニングして形成された遮光パターンを備えている。
クロム系材料を用いたマスクブランクとしては、CrOCとCrOCNとを組み合わせた多層膜を、遮光膜及び反射防止膜として用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照)
一方、塩素系ガスと酸素の混合ガスを用いたドライエッチングによって遮光膜をパターニングするマスクブランクとして、クロム系材料の遮光膜上に、SiO、SiN、SiONのようなケイ素系材料のエッチングマスク膜を有する構成が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この特許文献2では、エッチングマスク膜に好適材料として、上記のケイ素系材料のほかに、Ta、TaN、TaON等のタンタル系材料が挙げられている。
特開2001−305713号公報 特開2014−137388号公報
クロム系材料からなる遮光膜のドライエッチングでは、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガス(酸素含有塩素系ガス)がエッチングガスとして用いられる。一般に、この酸素含有塩素系ガスをエッチングガスに用いるドライエッチングは、異方性エッチングの傾向が小さく、等方性エッチングの傾向が大きい。
一般に、ドライエッチングによって薄膜にパターンを形成する場合、エッチングが膜の厚さ方向へのみ進むように制御することは困難であり、薄膜に形成されるパターンの側壁方向へのエッチング、いわゆるサイドエッチングが進むことは避け難い。このサイドエッチングの進行を抑制するために、ドライエッチングの際、基板の薄膜が形成されている主表面の反対側からバイアス電圧を掛け、エッチングガスが膜の厚さ方向により多く接触するように制御することがこれまでも行われている。フッ素系ガスのようにイオン性のプラズマになる傾向が大きいエッチングガスを用いる、イオン主体のドライエッチングの場合には、バイアス電圧を掛けることよるエッチング方向の制御性が高く、エッチングの異方性が高められるため、エッチングされる薄膜のサイドエッチング量を微小にできる。
一方、酸素含有塩素系ガスによるドライエッチングの場合、酸素ガスはラジカル性のプラズマになる傾向が高いため、バイアス電圧を掛けることによるエッチング方向の制御の効果が小さく、エッチングの異方性を高めることが難しい。このため、酸素含有塩素系ガスを用いるドライエッチングによって、クロム系材料からなる遮光膜にパターンを形成する場合、サイドエッチング量が大きくなりやすい。
有機系材料からなるレジストパターンをエッチングマスクとして、酸素含有塩素系ガスを用いたドライエッチングでクロム系材料の遮光膜をパターニングする場合、レジストパターンは、上方からエッチングされて減退していく。このとき、パターンの側壁方向もエッチングされて減退する。このため、レジスト膜に形成するパターンの幅は、予めサイドエッチングによる減退量を見込んで設計されている。さらに、レジスト膜に形成するパターンの幅は、クロム系材料の遮光膜のサイドエッチング量も見込んで設計されている。
近年、クロム系材料の遮光膜の上に、酸素含有塩素系ガスのドライエッチングに対し、クロム系材料との間で十分なエッチング選択性を有する材料からなる、ハードマスク膜を設けたマスクブランクが用いられ始めている。このマスクブランクでは、レジストパターンをマスクとするドライエッチングによってハードマスク膜にパターンを形成する。そして、パターンを有するハードマスク膜をマスクとし、酸素含有塩素系ガスのドライエッチングを遮光膜に対して行い、遮光膜にパターンを形成する。このハードマスク膜は、フッ素系ガスのドライエッチングでパターニング可能な材料で形成されるのが一般的である。フッ素系ガスのドライエッチングは、イオン主体のエッチングであるため、異方性エッチングの傾向が大きい。このため、位相シフトパターンが形成されたハードマスク膜におけるパターン側壁のサイドエッチング量は小さい。また、フッ素系ガスのドライエッチングの場合、ハードマスク膜にパターンを形成するためのレジストパターンにおいても、サイドエッチング量も小さくなる傾向がある。このため、クロム系材料の遮光膜についても、酸素含有塩素系ガスのドライエッチングにおけるサイドエッチング量が小さいことに対する要求が高まってきている。
このクロム系材料の遮光膜におけるサイドエッチングの問題を解決する手段として、酸素含有塩素系ガスのドライエッチングにおいて、酸素含有塩素系ガス中の塩素系ガスの混合比率を大幅に高めることが検討されている。塩素系ガスは、イオン性のプラズマになる傾向が大きいからである。塩素系ガスの比率を高めた酸素含有塩素系ガスを用いたドライエッチングでは、クロム系材料の遮光膜のエッチングレートが低下することは避けられない。このクロム系材料の遮光膜のエッチングレートの低下を補うために、ドライエッチング時に掛けられるバイアス電圧を大幅に高くする(以下、塩素系ガスの比率を高めた酸素含有塩素系ガスを用い、かつ高いバイアス電圧を掛けた状態下で行われるドライエッチングのことを、酸素含有塩素系ガスの高バイアスエッチングという。)ことも検討されている。
この酸素含有塩素系ガスの高バイアスエッチングによるクロム系材料の遮光膜に対するエッチングレートは、従来のエッチング条件でのドライエッチングを行う場合と遜色ないレベルである。また、エッチング時に生じる遮光膜のサイドエッチング量も従来よりも小さくすることはできる。しかし、クロム系材料の遮光膜がそれぞれ組成の異なる材料からなる多層構造で形成されている場合、層間によるサイドエッチング量の差が顕著になってしまう。具体的には、クロム系材料の薄膜中のクロム含有量が少なくなるにつれてサイドエッチング量が大きくなり、クロム系材料の薄膜中の酸素含有量が多くなるにつれてサイドエッチング量が大きくなることが判明した。
このため、上述の特許文献1に記載されているようなマスクブランクは、組成の異なるクロム系材料の膜が積層された構成であり、それぞれの膜の組成に依存してエッチング速度が異なり、それぞれの膜のサイドエッチング量も異なる。このマスクブランクを用いて、高バイアスエッチングによるドライエッチングで遮光膜をパターニングした場合、この遮光膜に形成されたパターン側壁の断面形状に大きな段差が生じてしまっていた。このような側壁の断面形状に段差を生じたマスクブランクを用いて位相シフトマスクを作製すると、遮光膜のパターン精度が低下してしまう。
また、特許文献2に記載されているようなマスクブランクに対して高バイアスエッチングを行った場合、エッチングマスク膜の耐性が十分ではないということも判明した。高バイアスエッチングに対するエッチングマスク膜の耐性が低いと、エッチングマスク膜に生じるサイドエッチング量が大きくなる。エッチングマスク膜の材料によっては、パターンエッジ近傍のエッチングマスク膜が大きく削られ、エッチングマスク膜としての役割を果たせなくなることもある。
上述した問題の解決のため、本発明では、透光性基板上にクロムを含有する材料で形成された遮光膜と、この遮光膜に接して形成されたハードマスク膜とを備えるマスクブランクであって、ハードマスク膜をマスクとし、酸素含有塩素系ガスをエッチングガスに用い、かつ高バイアスエッチング条件で遮光膜をパターニングした場合においても、パターンが形成された遮光膜のパターン精度を良好に保つことが可能な位相シフトマスク用のマスクブランクを提供する。また、本発明は、このマスクブランクを用いることにより精度良好にパターンを形成することが可能な位相シフトマスクの製造方法を提供すること、及び、半導体デバイスの製造方法を提供する。
本発明は上述の課題を解決する手段として、以下の構成を有する。
(構成1)
透光性基板上に、遮光膜及びハードマスク膜が順に積層した構造を有するマスクブランクであって、
前記ハードマスク膜は、前記遮光膜の表面に接して設けられ、
前記遮光膜は、ハードマスク膜側の表面近傍の領域に酸素含有量が増加した組成傾斜部を有する単層膜であり、
前記遮光膜は、クロム、酸素及び炭素を主成分として形成され、
前記表面近傍の領域以外における前記遮光膜のクロム含有量は、50原子%以上80原子%以下であり、
前記ハードマスク膜は、タンタルと酸素を含有する材料で形成され、
前記ハードマスク膜の酸素含有量は、50原子%以上である
ことを特徴とするマスクブランク。
(構成2)
前記表面近傍の領域以外における前記遮光膜の炭素含有量は、10原子%以上20原子%以下であることを特徴とする構成1に記載のマスクブランク。
(構成3)
前記表面近傍の領域以外における前記遮光膜の酸素含有量は、10原子%以上40原子%以下であることを特徴とする構成1又は2に記載のマスクブランク。
(構成4)
前記表面近傍の領域以外における前記遮光膜は、厚さ方向における各構成元素の含有量の差がいずれも10%未満であることを特徴とする構成1から3のいずれかに記載のマスクブランク。
(構成5)
前記ハードマスク膜は、タンタルと酸素とからなる材料で形成されていることを特徴とする構成1から4のいずれかに記載のマスクブランク。
(構成6)
前記遮光膜は、ArFエキシマレーザ光に対する光学濃度が2.8以上であることを特徴とする構成1から5のいずれかに記載のマスクブランク。
(構成7)
前記遮光膜は、厚さが70nm以下であることを特徴とする構成1から6のいずれかに記載のマスクブランク。
(構成8)
前記透光性基板と前記遮光膜の間に位相シフト膜を備えることを特徴とする構成1から5のいずれかに記載のマスクブランク。
(構成9)
前記遮光膜及び位相シフト膜の積層構造におけるArFエキシマレーザ光に対する光学濃度が2.8以上であることを特徴とする構成8に記載のマスクブランク。
(構成10)
前記遮光膜は、厚さが60nm以下であることを特徴とする構成8又は9に記載のマスクブランク。
(構成11)
構成1から7のいずれかに記載のマスクブランクを用いる位相シフトマスクの製造方法であって、
前記ハードマスク膜上に形成された遮光パターンを有するレジスト膜をマスクとし、フッ素系ガスを用いたドライエッチングにより、前記ハードマスク膜に遮光パターンを形成する工程と、
前記遮光パターンが形成されたハードマスク膜をマスクとし、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いたドライエッチングにより、前記遮光膜に遮光パターンを形成する工程と、
前記遮光膜上に形成された掘込パターンを有するレジスト膜をマスクとし、フッ素系ガスを用いたドライエッチングにより、前記透光性基板に掘り込みパターンを形成する工程と
を有することを特徴とする位相シフトマスクの製造方法。
(構成12)
構成8から10のいずれかに記載のマスクブランクを用いる位相シフトマスクの製造方法であって、
前記ハードマスク膜上に形成された位相シフトパターンを有するレジスト膜をマスクとし、フッ素系ガスを用いたドライエッチングにより、前記ハードマスク膜に位相シフトパターンを形成する工程と、
前記位相シフトパターンが形成されたハードマスク膜をマスクとし、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いたドライエッチングにより、前記遮光膜に位相シフトパターンを形成する工程と、
前記位相シフトパターンが形成された遮光膜をマスクとし、フッ素系ガスを用いたドライエッチングより、前記位相シフト膜に位相シフトパターンを形成する工程と、
前記遮光膜上に形成された遮光パターンを有するレジスト膜をマスクとし、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いたドライエッチングにより、前記遮光膜に遮光パターンを形成する工程と
を有することを特徴とする位相シフトマスクの製造方法。
(構成13)
構成11又は12に記載の位相シフトマスクの製造方法によって製造された位相シフトマスクを用い、リソグラフィー法により前記位相シフトマスクの転写パターンを半導体基板上にパターン転写する露光工程を有することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
以上の構成を有する本発明によれば、透光性基板上にクロムを含有する材料で形成された遮光膜と、この遮光膜に接して形成されたハードマスク膜とを備えるマスクブランクであって、酸素含有塩素系ガスをエッチングガスに用い、かつ高バイアスエッチング条件によるドライエッチングによって、この遮光膜をパターニングした場合においても、パターンが形成された遮光膜の光学特性を維持しつつパターン精度を良好に保つことが可能な位相シフトマスク用のマスクブランクを得ることができる。またこれにより、このマスクブランクを用いてパターン精度が良好な位相シフトマスクを作製することが可能であり、さらにこの位相シフトマスクを用いた半導体デバイスの製造において精度良好にパターン形成を行うことが可能になる。
マスクブランクの概略構成を示す図である。 マスクブランク(位相シフト膜)の概略構成を示す図である。 位相シフトマスク(堀込みレベンソン型)の製造工程図である。 位相シフトマスク(堀込みレベンソン型)の製造工程図である。 位相シフトマスク(堀込みレベンソン型)の製造工程図である。 位相シフトマスク(堀込みレベンソン型)の製造工程図である。 位相シフトマスク(堀込みレベンソン型)の製造工程図である。 位相シフトマスク(堀込みレベンソン型)の製造工程図である。 位相シフトマスク(ハーフトーン型)の製造工程図である。 位相シフトマスク(ハーフトーン型)の製造工程図である。 位相シフトマスク(ハーフトーン型)の製造工程図である。 位相シフトマスク(ハーフトーン型)の製造工程図である。 位相シフトマスク(ハーフトーン型)の製造工程図である。 位相シフトマスク(ハーフトーン型)の製造工程図である。 位相シフトマスク(ハーフトーン型)の製造工程図である。
以下、本発明の各実施の形態について説明する。
従来のマスクブランクを構成するクロム(Cr)系材料としては、例えば上述の特許文献2に記載されているように、CrON、CrCN、CrOCN等の窒素(N)を含有する材料が知られている。これは、Cr系材料を成膜するときにNガスを用いることで、Cr系材料膜の欠陥品質が向上するためである。これに対し、Cr系材料の成膜の際にプレスパッタを行なう成膜方法が、Cr系材料膜に対して行なわれるようになった。このプレスパッタを行なうことによりCr系材料膜の欠陥品質を改善することができるため、欠陥品質の向上のためのNガスを使用しない成膜が可能となる。
マスクブランクにおいて遮光膜をCr系材料で構成する場合には、このCr系材料膜に含まれるNの量が多いと、OD(Optical Density;光学濃度)が低下する傾向にある。遮光膜は、露光光に対して所定のODを有する必要があるため、ODの低いCr系材料を用いた場合には、遮光膜として要求されるODを満たすために、遮光膜の厚さが大きくなる。微細化や高い精度が要求される位相シフトマスクにおいては、遮光膜の厚さを大きくすると、微細パターンのアスペクト比の増加、エッチング時間の増加による形状悪化等、位相シフトマスクのパターンの微細化にとって不利となる。特に、Cr系材料膜に含まれるNの量が多くなるほど、位相シフトマスクを形成する際の遮光膜のエッチングにおいて、遮光パターンのサイドエッチング量が多くなり、パターンの形状安定性や精度が低くなり、パターンの微細化に不利となる。
さらに、遮光膜を構成するCr系材料において、遮光性確保のためにはCrの含有量を高めることが必要となる。Cr系材料膜に含まれる酸素(O)の含有量が多くなると、酸素含有塩素系ガスによるエッチングレートが向上する傾向がある。Cr系材料膜に含まれる窒素(N)の含有量が多くなると、酸素を含有させるほど顕著ではないが、酸素含有塩素系ガスによるエッチングレートが向上する傾向がある。Cr系材料膜に含まれる窒素(N)、酸素(O)及び炭素(C)の3つの構成元素間の関係において、炭素(C)の含有比率が高くなるにつれて、サイドエッチング耐性が向上する傾向がある。また、遮光膜中における酸素(O)および窒素(N)の合計含有量の増加(Crの含有量の低下)に伴い、遮光膜のサイドエッチング耐性は低下する傾向がある。これらのことを考慮すると、遮光膜を構成するCr系材料においては、Cr、O、Cのそれぞれの含有量が多いことが好ましい形態となる。
このため、Cr系材料を用いて遮光膜を形成する場合には、Cr系材料に実質的にNが含まれない組成とすることにより、Cr、O、Cのそれぞれの含有量を多くすることができ、ODの向上による遮光膜の厚さの減少、エッチングレートの向上、及び、サイドエッチングの抑制が可能となり、位相シフトマスクのパターン精度の向上やパターンの微細化に有利となる。
また、従来では、マスクブランクを用いて転写用マスクを作製する際に、有機材料系からなるレジストパターンをマスクとして用いるドライエッチングにより遮光膜のパターニングが行なわれている。しかし、位相シフトマスクのパターンの微細化の要求に従い、微細な線幅のパターンの形成では有機材料系からなるマスクによるパターンの形成が困難となっている。これに対し、無機系材料からなるハードマスク膜によりパターンマスクを形成することが行なわれている。
無機系材料のハードマスク膜では、遮光膜を構成するCr系材料とのエッチング選択性が高いこと、つまり、遮光膜のドライエッチングの際のエッチング耐性が高いことが重要となる。この場合に用いられるハードマスク膜の材料としては、特許文献2に記載されているようなケイ素系材料、特にSiO系材料が知られている。
しかし、Cr系材料からなる遮光膜を有するマスクブランクを用いて転写用マスクを作製する際、エッチングの異方性を高めるために酸素含有塩素系ガス(例えば、ClとOとの混合ガス)を用いた高バイアスエッチング条件を適用すると、SiO系材料では、遮光膜のドライエッチングの際のエッチング耐性が十分ではない。特に、遮光膜のドライエッチングの際に、SiO系材料によるハードマスク膜パターンのサイドエッチングが顕著となる。このため、マスクパターンの外周の端部の減退によって遮光膜に形成されるパターンも減縮されてしまうため、パターン精度を高めることができず、位相シフトマスクのパターンの微細化に不利となる。
上述の考察から、実質的にNを含まないCr系材料により遮光膜を形成し、このCr系材料とのエッチング選択性が高く、Cr系材料のエッチングに適用される酸素含有塩素系ガスを用いた高バイアスエッチング条件での耐性が高いハードマスク膜を用いることにより、パターンの微細化に適応した位相シフトマスクの作製が可能なマスクブランクを構成することができる。
そこで、酸素含有塩素系ガスによるドライエッチングにおいて、Cr系材料とのエッチング選択性を有する材料として知られているタンタル系材料をハードマスク膜として用いることを検討した。その結果、タンタル系材料であればどのような材料でもCr系材料とのエッチング選択性が得られるというわけではないことがわかった。また、タンタルと酸素とを含有するTaO系材料でハードマスク膜を形成した場合、従来のバイアス条件であれば、酸素含有塩素系ガスによるドライエッチングにおいて、Cr系材料の遮光膜との間で十分なエッチング選択性が得られることがわかった。さらに、酸素含有塩素系ガスによる高バイアスエッチングに対するTaO系材料のエッチング耐性について検討した結果、酸素含有量が50原子%以上のTaO系材料をハードマスク膜に適用すれば、酸素含有塩素系ガスによる高バイアスエッチングに対するエッチング耐性が十分高いことが判明した。このようなCr系材料からなる遮光膜を、酸素含有塩素系ガスを用いた高バイアスエッチング条件でエッチングする場合において、ハードマスク膜としてTaO系材料が適用された例はこれまで開示されていない。
以上の検討の結果から、マスクブランクにおいては、実質的にNを含有しないCrOC系材料で形成された遮光膜と、酸素含有量が50原子%以上のTaO系材料で形成されたハードマスク膜とを備える構成とする。そして、この構成のマスクブランクにより、酸素含有塩素系ガスをエッチングガスに用い、かつ高バイアス電圧を掛けるドライエッチングによってこの遮光膜をパターニングした場合においても、パターンが形成された遮光膜の光学特性を維持しつつパターン精度が良好な位相シフトマスクを作製することが可能となる。
以下、図面に基づいて、上述した本発明の詳細な構成を説明する。なお、各図において同様の構成要素には同一の符号を付して説明を行う。
〈マスクブランク〉
図1に、マスクブランクの実施形態の概略構成を示す。図1に示すマスクブランク10は、透光性基板11における一方の主表面11S上に、主表面11S側から順に、遮光膜12、及び、ハードマスク膜13が積層された構成である。また、マスクブランク10は、ハードマスク膜13上に、必要に応じてレジスト膜14を積層させた構成であってもよい。以下、マスクブランク10の主要構成部の詳細を説明する。
[透光性基板]
透光性基板11は、リソグラフィーにおける露光工程で用いられる露光光に対して透過性が良好な材料からなる。このような材料としては、合成石英ガラス、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、低熱膨張ガラス(SiO−TiOガラス等)、その他各種のガラス基板を用いることができる。特に、合成石英ガラスを用いた基板は、ArFエキシマレーザ光(波長:約193nm)に対する透明性が高いので、マスクブランク10の透光性基板11として好適に用いることができる。
尚、ここで言うリソグラフィーにおける露光工程とは、このマスクブランク10を用いて作製された位相シフトマスクを用いてのリソグラフィーにおける露光工程であり、以下において露光光とはこの露光工程で用いられる露光光であることとする。この露光光としては、ArFエキシマレーザ光(波長:193nm)、KrFエキシマレーザ光(波長:248nm)、i線光(波長:365nm)のいずれも適用可能であるが、露光工程における位相シフトパターンの微細化の観点からは、ArFエキシマレーザ光を露光光に適用することが望ましい。このため、以下においてはArFエキシマレーザ光を露光光に適用した場合についての実施形態を説明する。
[遮光膜]
遮光膜12は、このマスクブランク10に形成される遮光パターンを構成する膜であり、リソグラフィーにおける露光工程で用いられる露光光に対して遮光性を有する膜である。遮光膜12は、後述する透光性基板11と遮光膜12との間に位相シフト膜21を介さない図1の構成のマスクブランクの場合、例えば波長193nmのArFエキシマレーザ光に対する光学濃度(OD)が2.8以上であることが望まれ、3.0以上であることが好ましい。また、リソグラフィーにおける露光工程において、露光光の反射による露光転写の不具合を防止するため、両側主表面においての露光光の表面反射率が低く抑えられている。特に、露光装置の縮小光学系からの露光光の反射光が当たる、遮光膜における表面側(透光性基板から最も遠い側の表面)の反射率は、例えば40%以下(好ましくは、30%以下)であることが望まれる。これは、遮光膜の表面と縮小光学系のレンズの間での多重反射で生じる迷光を抑制するためである。
一方、露光装置の投影光学系からの露光光が当たる、遮光膜における裏面側(透光性基板11側の表面)の反射率は、例えば50%未満(好ましくは、40%以下)であることが望まれる。これは、透光性基板と遮光膜の裏面との界面と、透光性基板の投影光学系側の主表面との間での多重反射で生じる迷光を抑制するためである。
また、遮光膜12は、要求される遮光性を満たす最低限度以上の膜厚を有する構成とする。遮光膜12の膜厚は30nm以上であることが好ましく、35nm以上であるとより好ましく、40nm以上であると特に好ましい。また、遮光膜12の膜厚は70nm以下であることが好ましく、65nm以下であるとより好ましく、60nm以下であると特に好ましい。
また、遮光膜12は、透光性基板11に掘込パターンを形成する際に用いられるエッチングガス(フッ素系ガス)に対して十分なエッチング選択性を有する材料を適用する必要がある。
遮光膜12は、クロム、酸素及び炭素を主成分とする材料によって単層膜で形成される。ここで、クロム、酸素及び炭素を主成分とするとは、遮光膜12中におけるクロム、酸素及び炭素の合計含有量が95原子%以上であることをいう。また、好ましくは、クロム、酸素及び炭素の合計含有量が98原子%以上である。さらに、後述する不可避不純物を除き、すべてクロム、酸素及び炭素から構成されていることが好ましい。以下、クロム、酸素及び炭素を主成分とする材料をCrOCと表記して説明する。また、このCrOCを主成分とする遮光膜12をCrOC膜と表記することもある。
また、遮光膜12は、表面(ハードマスク膜13側の表面)近傍の領域において、表面側に向かって酸素含有量が増加する組成傾斜部を有する。これは、製造工程中において、作製された遮光膜12の表面が酸素を含む雰囲気中に暴露されるため、遮光膜12の表面においてのみ酸素含有量が他の部分よりも増加する領域が形成される。この酸素含有量は、酸素を含む雰囲気中に暴露される表面が最も高く、表面から離れるほど程酸素の含有量が緩やかに低下する。そして、表面からある程度離れた位置にからは、遮光膜12の組成がほぼ一定となる。このように、遮光膜12の表面から酸素含有量が変化(緩やかに低下)する領域を組成傾斜部とする。
また、このような組成傾斜部を含む状態の膜も、CrOCからなる単層膜に含まれる。また、CrOCからなる単層膜において、組成傾斜部以外の領域では、CrOCを構成する各元素の含有量の厚方向での差が、いずれも10%未満であることが好ましい。
遮光膜12を構成するCrOCは、表面近傍の領域以外におけるCrの含有量が、50原子%以上80原子%以下である。
遮光膜12を構成するCrOCは、表面近傍の領域以外におけるOの含有量が、10原子%以上40原子%以下であることが好ましい。
そして、遮光膜12を構成するCrOCは、CrとO以外の残部がCであることが好ましく、Cが10原子%以上20原子%以下であることが好ましい。
CrOC膜は、Crの含有量が、50原子%以上であることにより、十分な遮光性を確保することができる。また、Crの含有量が、80原子%以下であれば、エッチングレートを十分に確保することができる。
さらに、CrOC膜は、Oの含有量が10原子%以上であれば、十分なエッチングレートを確保することができる。また、Oの含有量が40原子%以下であれば、遮光性への影響を抑えることができる。
CrOC膜がCを含有することにより、遮光膜12に遮光パターン形成するためのドライエッチングの際のサイドエッチングを抑制することができる。
遮光膜12においては、CrOC膜を形成する際に、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)、水素(H)等の元素が成膜時に混入することが避け難い。以下、このような混入が避け難い元素を不可避不純物という。遮光膜12は、CrOC膜の組成が上記の範囲を満たす限り、不可避不純物やその他の元素が遮光膜に混入していてもよい。
但し、ケイ素(Si)は実質的に含まないことが好ましい。遮光膜12中のSiの含有量は、1原子%以下であることが好ましく、検出限界値以下であることが好ましい。さらに、窒素(N)は実質的に含まないことが好ましい。遮光膜12中のNの含有量は、1%以下であることが好ましく、検出限界値以下であることが好ましい。
CrOC膜は、ターゲットとしてクロムを用いた反応性スパッタ法により、透光性基板11側から順次成膜することにより形成することができる。スパッタ法としては、直流(DC)電源を用いたものでも、高周波(RF)電源を用いたものでもよく、またマグネトロンスパッタリング方式であっても、コンベンショナル方式であってもよい。DCスパッタの方が、機構が単純である点で好ましい。また、マグネトロンを用いた方が、成膜速度が速くなり、生産性が向上する点から好ましい。なお、成膜装置はインライン型でも枚葉型でも構わない。
CrOC膜を成膜する場合にはスパッタガスとしては、酸素を含まず炭素を含むガス(CH、C、C等)と炭素を含まず酸素を含むガス(O、O等)と希ガス(Ar、Kr、Xe、He、Ne等)とを含む混合ガス、炭素及び酸素を含むガス(CO、CO等)と希ガスとを含む混合ガス、あるいは希ガスと炭素及び酸素を含むガスに、酸素を含まず炭素を含むガス(CH、C、C等)及び炭素を含まず酸素を含むガスの少なくとも一方を含む混合ガスのうちのいずれかを用いることができる。特に、スパッタガスとしてCOと希ガスとの混合ガスを用いると安全であり、COガスは酸素ガスよりも反応性が低いが故に、チャンバー内の広範囲に均一にガスが回り込むことができ、成膜されるCrOC膜の膜質が均一になる点から好ましい。導入方法としては別々にチャンバー内に導入してもよいし、いくつかのガスをまとめて又は全てのガスを混合して導入してもよい。
ターゲットとしてはクロム単体だけでなくクロムが主成分であればよく、酸素、炭素のいずれかを含むクロム、又は酸素、炭素を組み合わせたものをクロムに添加したターゲットを用いてよい。
なお、CrOC膜を実質的に窒素が含まれない構成とするため、スパッタガスとして窒素を含むガスを用いないことが好ましい。また、CrOC膜は、実質的に窒素及びケイ素が含まれないことが好ましい。このため、CrOC膜の形成に用いるターゲットとしては、窒素を含むクロム、ケイ素を含むクロム、及び、その他窒素やケイ素を含む材料を用いないことが好ましい。
[ハードマスク膜]
ハードマスク膜13は、遮光膜12の表面に接して設けられている。ハードマスク膜13は、遮光膜12をエッチングする際に用いられるエッチングガスに対してエッチング耐性を有する材料で形成された膜である。このハードマスク膜13は、遮光膜12にパターンを形成するためのドライエッチングが終わるまでの間、エッチングマスクとして機能することができるだけの膜の厚さがあれば十分であり、基本的に光学特性の制限を受けない。このため、ハードマスク膜13の厚さは遮光膜12の厚さに比べて大幅に薄くすることができる。
ハードマスク膜13の厚さは、20nm以下であることが求められ、15nm以下であると好ましく、10nm以下であるとより好ましい。ハードマスク膜13の厚さが厚すぎると、ハードマスク膜13に遮光パターンを形成するドライエッチングにおいてマスクとなるレジスト膜の厚さが必要になってしまうためである。ハードマスク膜13の厚さは、3nm以上であることが求められ、5nm以上であると好ましい。ハードマスク膜13の厚さが薄すぎると、酸素含有塩素系ガスによる高バイアスエッチングの条件によっては、遮光膜12に遮光パターンを形成するドライエッチングが終わる前に、ハードマスク膜13のパターンが消失する恐れがあるためである。
そして、このハードマスク膜13にパターンを形成するフッ素系ガスによるドライエッチングにおいてエッチングマスクとして用いる有機系材料のレジスト膜14は、ハードマスク膜13のドライエッチングが終わるまでの間、エッチングマスクとして機能するだけの膜の厚さがあれば十分である。このため、ハードマスク膜13を設けていない従来の構成よりも、ハードマスク膜13を設けたことによって大幅にレジスト膜14の厚さを薄くすることができる。
ハードマスク膜13は、タンタル(Ta)と酸素(O)を含み、Oの含有量が50原子%以上である材料により形成される。以下、タンタル(Ta)と酸素(O)とを含む材料をTaOと表記して説明する。
ハードマスク膜13は、遮光膜12をエッチングする際に行なう、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いた高バイアスエッチング条件でのエッチング耐性が十分に高い必要がある。エッチング耐性が十分でないと、ハードマスク膜13のパターンのエッジ部分がエッチングされ、マスクパターンが縮小するため、遮光パターンの精度が悪化する。Taを含有する材料は、材料中の酸素含有量が少なくとも50原子%(原子%)以上とすることにより、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスによるドライエッチングに対する耐性を十分に高めることができる。
ハードマスク膜13を構成するTaOは、結晶構造が微結晶、好ましくは非晶質であることが望まれる。ハードマスク膜13内の結晶構造が微結晶や非晶質であると、単一構造にはなりにくく、複数の結晶構造が混在した状態になりやすい。このため、ハードマスク膜13におけるTaOは、TaO結合、Ta結合、TaO結合、及び、Ta結合が混在する状態(混晶状態)になりやすい。ハードマスク膜13におけるTaOは、Ta結合の存在比率が高くなるにつれて、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスによるドライエッチングに対する耐性が向上する傾向がある。又はハードマスク膜13におけるTaOは、Ta結合の存在比率が高くなるにつれて、水素侵入を阻止する特性、耐薬性、耐温水性及びArF耐光性もともに高くなる傾向がある。
ハードマスク膜13を構成するTaOの酸素含有量が50原子%以上66.7原子%未満であると、膜中のタンタルと酸素の結合状態はTa結合が主体になる傾向が高くなると考えられ、一番不安定な結合のTaO結合は、膜中の酸素含有量が50原子%未満の場合に比べて非常に少なくなると考えられる。ハードマスク膜13を構成するTaOが、膜中の酸素含有量が66.7原子%以上であると、タンタルと酸素の結合状態はTaO結合が主体になる傾向が高くなると考えられ、一番不安定な結合のTaO結合及びその次に不安定な結合のTaの結合はともに非常に少なくなると考えられる。
また、ハードマスク膜13を構成するTaOの酸素含有量が67原子%以上であると、TaO結合が主体になるだけでなく、Taの結合状態の比率も高くなると考えられる。このような酸素含有量になると、Ta、及び、TaOの結合状態は稀に存在する程度となり、TaOの結合状態は存在し得なくなってくる。ハードマスク膜13を構成するTaOの酸素含有量が71.4原子%であると、実質的にTaの結合状態だけで形成されていると考えられる。
ハードマスク膜13を構成するTaOの酸素含有量が50原子%以上であると、最も安定した結合状態のTaだけでなく、Ta、及び、TaOの結合状態も含まれることになる。一方、ハードマスク膜13を構成するTaOにおいて、ドライエッチング耐性に影響を与えない程度で、一番不安定な結合のTaO結合が少ない量となる酸素含有量の下限値は、少なくとも50原子%であると考えられる。
Ta結合は、非常に高い安定性を有する結合状態であり、Ta結合の存在比率を多くすることで、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いた高バイアスエッチング条件のドライエッチングに対する耐性が大幅に高まる。また、水素侵入を阻止する特性、耐薬性、耐温水性などのマスク洗浄耐性及びArF耐光性も大幅に高まる。特に、ハードマスク膜13を構成するTaOは、Taの結合状態だけで形成されていることが最も好ましい。なお、ハードマスク膜13を構成するTaOは、窒素、その他の元素は、これらの作用効果に影響のない範囲であることが好ましく、実質的に含まれないことが好ましい。
また、ハードマスク膜13を構成するTaOは、X線電子分光分析(XPS分析)を行ったときのTa4fのナロースペクトルが23eVよりも大きい束縛エネルギーで最大ピークを有する材料とすることにより、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いた高バイアスエッチング条件のドライエッチングに対する耐性を大幅に高めることができる。高い束縛エネルギーを有する材料は、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスによるドライエッチングに対する耐性が向上する傾向がある。また、水素侵入を阻止する特性、耐薬性、耐温水性、及び、ArF耐光も高くなる傾向がある。タンタル化合物で最も高い束縛エネルギーを有する結合状態は、Ta結合である。
すなわち、ハードマスク膜13を構成するTaOは、Ta結合の存在比率が高いほど、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いた高バイアスエッチング条件のドライエッチングに対する耐性が向上する。さらに、ハードマスク膜13を構成するTaOの酸素含有量を制御することによって、Ta結合の存在比率が高くなるように促すことも可能である。しかし、より確実にTa結合の存在比率が高いTaO膜を形成するには、実際に形成されたTaO膜に対してX線電子分光分析を行い、Ta4fのナロースペクトルを観察することで制御した方がよい。例えば、スパッタ成膜装置の成膜条件、及び、TaO膜を形成する表面処理の処理条件等について、複数の条件を設定し、各条件でハードマスク膜13としてTaO膜を形成したマスクブランクをそれぞれ製造する。そして、各マスクブランクのハードマスク膜13に対してX線電子分光分析を行い、Ta4fのナロースペクトルを観察して、束縛エネルギーの高いTaO膜を形成する条件を選定し、ハードマスク膜13に、その選定された条件で形成したTaO膜を備えるマスクブランクを製造する。このようにして製造されたマスクブランクは、その遮光膜の表層に形成されているハードマスク膜13におけるTa結合の存在比率が確実に高くなる。
上述のように、ハードマスク膜13を構成するTaOは、X線電子分光分析を行ったときのTa4fのナロースペクトルが23eVよりも大きい束縛エネルギーで最大ピークを有することが好ましい。束縛エネルギーが23eV以下であるタンタルを含有する材料は、Ta結合が存在しにくくなるためである。さらに、ハードマスク膜13を構成するTaOは、X線電子分光分析を行ったときのTa4fのナロースペクトルにおける束縛エネルギーが、24eV以上であると好ましく、25eV以上であるとより好ましく、25.4eV以上であると特に好ましい。ハードマスク膜13を構成するTaOの束縛エネルギーが25eV以上であると、TaO膜中におけるタンタルと酸素との結合状態はTa結合が主体となり、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いた高バイアスエッチング条件のドライエッチングに対する耐性が大幅に高まる。
ハードマスク膜13を構成する酸素含有量が50原子%であるTaO系材料は、引張応力の傾向を有する。他方、SiO、SiONのようなケイ素系材料は、圧縮応力の傾向を有する。これに対し、遮光膜12を構成するクロム、酸素及び炭素を主成分とする材料(CrOC系材料)は、圧縮応力の傾向を有する。一般に、薄膜の応力を低減する処理としてアニール処理がある。しかし、クロム系材料の薄膜は、300度以上の高温で加熱することが困難であり、CrOC系材料の圧縮応力をゼロにすることは難しい。また、CrOC系材料の遮光膜上にケイ素系材料のハードマスク膜を積層した場合、ケイ素系材料のハードマスク膜に対してのみ300度以上の高温で加熱処理を行うことは困難であり、ケイ素系材料のハードマスク膜の圧縮応力をゼロにすることも難しい。このため、CrOC系材料の遮光膜の上に、ケイ素系材料のハードマスク膜を積層した構造とした場合、遮光膜とハードマスク膜とが、ともに圧縮応力を有するため、積層構造の全体での圧縮応力が大きくなってしまう。これに対し、本実施形態のマスクブランクのように、CrOC系材料の遮光膜の上にTaO系材料のハードマスク膜を積層した構造とすることにより、遮光膜の圧縮応力とハードマスク膜の引張応力との間で相殺が起こり、積層構造の全体での応力を小さくすることができる。
[レジスト膜]
マスクブランク10において、ハードマスク膜13の表面に接して、有機系材料のレジスト膜14が100nm以下の膜厚で形成されていることが好ましい。DRAM hp32nm世代に対応する微細パターンの場合、遮光膜12に形成すべき遮光パターンに、線幅が40nmのSRAF(Sub-Resolution Assist Feature)が設けられることがある。しかし、この場合でも上述のようにハードマスク膜13を設けたことによってレジスト膜14の膜厚を抑えることができ、これによってこのレジスト膜14で構成されたレジストパターンの断面アスペクト比を1:2.5と低くすることができる。したがって、レジスト膜14の現像時、リンス時等にレジストパターンが倒壊や脱離することを抑制することができる。なお、レジスト膜14は、膜厚が80nm以下であることがより好ましい。レジスト膜は、電子線描画露光用のレジストであると好ましく、さらにそのレジストが化学増幅型であるとより好ましい。
[マスクブランクの製造手順]
以上の構成のマスクブランク10は、次のような手順で製造する。先ず、透光性基板11を用意する。この透光性基板11は、端面及び主表面11Sが所定の表面粗さ(例えば、一辺が1μmの四角形の内側領域内において自乗平均平方根粗さRqが0.2nm以下)に研磨され、その後、所定の洗浄処理及び乾燥処理を施されたものである。
次に、この透光性基板11上に、スパッタ法よって遮光膜12としてCrOC膜を成膜する。そして、遮光膜12上にスパッタ法によってハードマスク膜13としてTaO膜を成膜する。スパッタ法による各層の成膜においては、各層を構成する材料を所定の組成比で含有するスパッタリングターゲット及びスパッタガスを用い、さらには必要に応じて上述の希ガスと反応性ガスとの混合ガスをスパッタガスとして用いた成膜を行う。
この後、このマスクブランク10がレジスト膜14を有するものである場合には、ハードマスク膜13の表面に対してHMDS処理を施す。そして、HMDS処理がされたハードマスク膜13の表面上に、スピンコート法のような塗布法によってレジスト膜14を成膜し、マスクブランク10を完成させる。
〈マスクブランク(位相シフト膜)〉
上述の透光性基板、遮光膜、及び、ハードマスク膜からなるマスクブランクの構成は、位相シフト膜を備えるマスクブランクにも適用可能である。図2に、遮光膜、ハードマスク膜とともに位相シフト膜を備えるマスクブランクの概略構成を示す。
図2に示すマスクブランク20は、透光性基板11における一方側の主表面11S上に、この透光性基板11側から順に、位相シフト膜21、遮光膜12、及び、ハードマスク膜13が積層された構成である。また、マスクブランク20は、ハードマスク膜13上に、必要に応じてレジスト膜14が積層された構成であってもよい。この構成のマスクブランク20において、透光性基板11、遮光膜12、ハードマスク膜13、及び、レジスト膜14は、上述の実施形態における説明と同様の構成である。このため、以下では、マスクブランク20の主要構成において、位相シフト膜21に係わる構成のみを説明する。
[位相シフト膜]
位相シフト膜21は、透光性基板11と遮光膜12との間に形成されている。位相シフト膜21は、露光転写工程で用いられる露光光に対して所定の透過率を有し、かつ位相シフト膜を透過した露光光と、位相シフト膜の厚さと同じ距離だけ大気中を透過した露光光とが、所定の位相差となるような光学特性を有する。
このような位相シフト膜21は、ここではケイ素(Si)を含有する材料で形成されていることとする。また位相シフト膜21は、ケイ素の他に、窒素(N)を含有する材料で形成されていることが好ましい。このような位相シフト膜21は、フッ素系ガスを用いたドライエッチングによってパターニングが可能であり、上述の遮光膜13を構成するCrOC膜に対して、十分なエッチング選択性を有する材料を用いる。
また位相シフト膜21は、フッ素系ガスを用いたドライエッチングによってパターニングが可能であれば、さらに、半金属元素、非金属元素、金属元素から選ばれる1以上の元素を含有していてもよい。
このうち、半金属元素は、ケイ素に加え、いずれの半金属元素であってもよい。非金属元素は、窒素に加え、いずれの非金属元素であってもよく、例えば酸素(O)、炭素(C)、フッ素(F)及び水素(H)から選ばれる一以上の元素を含有させると好ましい。金属元素は、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、ニオブ(Nb)、バナジウム(V)、コバルト(Co)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、ルテニウム(Ru)、スズ(Sn)、ホウ素(B)、ゲルマニウム(Ge)が例示される。
このような位相シフト膜21は、例えばMoSiNで構成され、露光光(例えばArFエキシマレーザ光)に対する所定の位相差(例えば、150[deg]〜180[deg])と所定の透過率(例えば、1%〜30%)を満たすように、位相シフト膜21の屈折率n、消衰係数k及び膜厚がそれぞれ選定され、その屈折率n及び消衰係数kとなるように膜材料の組成や膜の成膜条件が調整されている。
このマスクブランク20の遮光膜12の場合においては、遮光膜12のみで上述のArFエキシマレーザ光に対する光学濃度(OD)の下限値を満たす必要はない。位相シフト膜21および遮光膜12の積層構造で、上記のArFエキシマレーザ光に対する光学濃度の各下限値(2.8、より好ましくは3.0)を満たせればよい。また、この場合における遮光膜12の膜厚は25nm以上であることが好ましく、30nm以上であるとより好ましい。遮光膜12の膜厚は60nm以下であることが好ましく、55nm以下であるとより好ましい。
[マスクブランクの製造手順]
以上のような構成のマスクブランク20は、次のような手順で製造する。先ず、透光性基板11を用意する。この透光性基板11は、端面及び主表面11Sが所定の表面粗さに研磨され、その後、所定の洗浄処理及び乾燥処理を施されたものである。
次に、この透光性基板11上に、スパッタ法によって位相シフト膜21を成膜する。位相シフト膜21を成膜した後には、後処理として所定の加熱温度でのアニール処理を行う。
次に、位相シフト膜21に、スパッタ法よって遮光膜12としてCrOC膜を成膜する。そして、遮光膜12上にスパッタ法によってハードマスク膜13としてTaO膜を成膜する。スパッタ法による各層の成膜においては、各層を構成する材料を所定の組成比で含有するスパッタリングターゲット及びスパッタガスを用い、さらには必要に応じて上述の希ガスと反応性ガスとの混合ガスをスパッタガスとして用いた成膜を行う。
この後、このマスクブランク20がレジスト膜14を有するものである場合には、ハードマスク膜13の表面に対してHMDS処理を施す。そして、HMDS処理がされたハードマスク膜13の表面上に、スピンコート法のような塗布法によってレジスト膜14を成膜し、マスクブランク20を完成させる。
〈位相シフトマスクの製造方法(堀込みレベンソン型)〉
次に、上述のマスクブランクを用いた位相シフトマスクの製造方法について説明する。以下の位相シフトマスクの製造方法では、図1に示す構成のマスクブランク10を用いた堀込みレベンソン型の位相シフトマスクの製造方法を例に説明する。
先ず、図3に示すように、マスクブランクのレジスト膜(第1レジスト膜)14に対して、遮光膜12に形成すべき遮光パターンを露光描画する。この際、透光性基板11の中央部分を、位相シフトパターン(転写パターン)形成領域11Aとし、ここに位相シフトパターンとなる遮光パターンを露光描画する。また、位相シフトパターン形成領域11Aの外周領域11Bには、例えばアライメントパターンとなる遮光パターンを露光描画する。その後、レジスト膜14に対してPEB処理、現像処理、ポストベーク処理等の所定の処理を行い、レジスト膜14に遮光パターン及びアライメントパターンを形成する。
なお、ここで説明する堀込みレベンソン型の位相シフトマスクでは、位相シフトパターンは遮光パターンと掘込パターンとから構成される。また、レジスト膜14の露光描画には、電子線が用いられる場合が多い。
次に、図4に示すように、遮光パターン及びアライメントパターンが形成されたレジスト膜14をマスクとして、フッ素系ガスを用いてTaOからなるハードマスク膜13にドライエッチングを行い、ハードマスク膜13に遮光パターン及びアライメントパターンを形成する。この後、レジスト膜14を除去する。なお、レジスト膜14を除去せず残存させたまま、遮光膜12のドライエッチングを行ってもよい。この場合にも、レジスト膜14は遮光膜12のドライエッチング中に消失する。
次に、図5に示すように、遮光パターン及びアライメントパターンが形成されたTaOからなるハードマスク膜13をマスクとして、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガス(酸素含有塩素系ガス)を用いる遮光膜12のドライエッチングを行い、CrOCからなる遮光膜12をパターニングする。このときの酸素含有塩素系ガスによるドライエッチングは、従来よりも塩素系ガスの混合比率の高いエッチングガスを用いる。遮光膜12のドライエッチングにおける塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスの混合比率は、エッチング装置内でのガス流量比で、塩素系ガス:酸素ガス=10以上:1であることが好ましく、15以上:1であるとより好ましく、20以上:1であるとより好ましい。塩素系ガスの混合比率の高いエッチングガスを用いることにより、ドライエッチングの異方性を高めることができる。また、遮光膜12のドライエッチングにおいて、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスの混合比率は、エッチングチャンバー内でのガス流量比で、塩素系ガス:酸素ガス=40以下:1であることが好ましい。
また、この遮光膜12に対する酸素含有塩素系ガスのドライエッチングでは、透光性基板11の裏面側から掛けるバイアス電圧も従来よりも高くする。エッチング装置によって、バイアス電圧を高める効果に差はあるが、例えば、このバイアス電圧は、15[W]以上であると好ましく、20[W]以上であるとより好ましく、30[W]以上であるとより好ましい。バイアス電圧を高めることにより、酸素含有塩素系ガスのドライエッチングの異方性を高めることができる。
以上の手法により、遮光膜12で構成された遮光パターンを形成する。この遮光パターンは、位相シフトパターン形成領域11Aに遮光パターンを有し、外周領域11Bに孔形状のアライメントパターン15を有する。
次に、図6に示すように、遮光パターンを形成したハードマスク膜13上に、掘込パターンを有するレジスト膜(第2レジスト膜)16を形成する。
この際、先ず透光性基板11上に、レジスト膜16をスピン塗布法によって形成する。次に、塗布したレジスト膜16に対して露光描画を行った後、現像処理等の所定の処理を行う。これにより、位相シフトパターン形成領域11Aのレジスト膜16に、透光性基板11が露出する掘込パターンを形成する。なお、ここでは、リソグラフィーの合わせズレのマージンを取った開口幅でレジスト膜16に掘込パターンを形成し、レジスト膜16に形成する掘込パターンの開口が、遮光パターンの開口を完全に露出するように、掘込パターンを形成する。
なお、次の透光性基板11に掘込パターンを形成する工程において、フッ素系ガスを用いる透光性基板11のドライエッチングの終了時に、ハードマスク膜13上に形成されたレジスト膜16は、ハードマスク膜13と共に消失する。但し、遮光パターンの間に充填されているレジスト膜16は、掘込パターンを形成する工程のドライエッチングの終了時でも、少なくとも透光性基板11の主表面11Sが露出しない程度に残存することが好ましい(図7参照)。このため、レジスト膜16は、掘込パターンを形成する工程のドライエッチング後に、透光性基板11の主表面11Sが露出しない程度の厚さで形成することが好ましい。
次に、図7に示すように、掘込パターンを有するレジスト膜16と、遮光パターンを形成した遮光膜12とをマスクとして、フッ素系ガスを用いて透光性基板11のドライエッチングを行う。これにより、透光性基板11の位相シフトパターン形成領域11Aにおいて、主表面11Sに掘込パターンを形成する。この掘込パターンは、ここで得られる位相シフトマスクを用いたリソグラフィーの露光工程で用いられる露光光に対して、位相を半周期(180度)ずらす程度の深さに形成する。例えばArFエキシマレーザ光を露光光に適用した場合であれば、掘込パターンは、173nm程度の深さで形成する。
また、このフッ素系ガスによるドライエッチングの最中に、レジスト膜16は減膜し、ハードマスク膜13上のレジスト膜16が全て消失する。さらに、ハードマスク膜13もフッ素系ガスによるドライエッチングで消失する。これにより、位相シフトパターン形成領域11Aに、遮光パターンと、透光性基板11に形成した掘込パターンとからなる位相シフトパターン17を形成する。その後、残存するレジスト膜16を除去する。
以上の工程により、図8に示すような位相シフトマスク30を得る。以上の工程により作製された位相シフトマスク30は、透光性基板11における一方の主表面11S側に掘込パターンが形成され、この透光性基板11における主表面11S上に、遮光パターンが形成された遮光膜12を積層した構造を有するものとなる。掘込パターンは、透光性基板11における位相シフトパターン形成領域11Aにおいて、遮光パターンの開口底部から連続する状態で、透光性基板11の主表面11S側に形成されている。位相シフトパターン形成領域11Aには、この掘込パターンと遮光パターンとからなる位相シフトパターン17が配置された状態となる。また、外周領域11Bには、遮光膜12を貫通する孔形状のアライメントパターン15が設けられた状態となる。
なお、以上の工程において、ドライエッチングで使用する塩素系ガスとしては、Clが含まれていれば特に制限はない。例えば、塩素系ガスとして、Cl、SiCl、CHCl、CHCl、CCl、BCl等があげられる。また、以上の工程において、ドライエッチングで使用するフッ素系ガスとしては、Fが含まれていれば特に制限はない。例えば、フッ素系ガスとして、CHF、CF、C、C、SF等があげられる。
以上説明した位相シフトマスクの製造方法では、図1を用いて説明したマスクブランク10を用いて位相シフトマスクを製造している。このような位相シフトマスクの製造では、図5を用いて説明する、CrOCからなる遮光膜12のドライエッチング工程において、等方性エッチングの傾向を有する酸素含有塩素系ガスによるドライエッチングを適用している。さらに、この図5の工程における酸素含有塩素系ガスによるドライエッチングは、酸素含有塩素系ガスの塩素系ガスの比率が高く、かつ高いバイアスを掛けるエッチング条件で行う。これにより、CrOCからなる遮光膜12のドライエッチング工程において、エッチングレートの低下を抑制しつつ、エッチングの異方性の傾向を高めることが可能となる。これにより、遮光膜12にパターンを形成するときのサイドエッチングが低減される。
また、上記CrOCからなる遮光膜12のドライエッチング工程において、TaOからなるハードマスク膜13をパターンマスクとして用いる。これにより、物理的エッチングの作用が強まる高バイアス条件のドライエッチングにおいても、ハードマスク膜13のパターン形状の変形や縮小が抑制され、精度の高い遮光膜12のパターニングが可能となる。
以上の作用により、酸素含有塩素系ガスによるドライエッチングによって形成される遮光膜12のパターンの側壁形状が良好となり、パターン精度が良好な位相シフトマスク30を作製することができる。
〈位相シフトマスクの製造方法(ハーフトーン型)〉
次に、図2に示す構成のマスクブランク20を用いた、ハーフトーン型の位相シフトマスクの製造方法を例に説明する。
先ず、図9に示すように、マスクブランクのレジスト膜14(第1レジスト膜)に対して、位相シフト膜21に形成すべき位相シフトパターンとアライメントマークパターンとを、電子線等を用いて露光描画する。この際、透光性基板11の中央部分を位相シフトパターン形成領域11Aとし、ここに位相シフトパターンに対応するパターンを露光描画する。また、位相シフトパターン形成領域11Aの外周領域11Bには、位相シフトパターンを形成せず、アライメントマークパターンを露光描画する。その後、レジスト膜14に対してPEB処理、現像処理、ポストベーク処理等の所定の処理を行い、位相シフトパターン及びアライメントマークパターンを有する第1レジストパターン22を形成する。
次に図10に示すように、第1レジストパターン22をマスクとして、フッ素系ガスを用いてTaOからなるハードマスク膜13のドライエッチングを行い、ハードマスク膜13にハードマスク膜パターン23を形成する。この後、第1レジストパターン22を除去する。なお、ここで、第1レジストパターン22を除去せず残存させたまま、遮光膜12のドライエッチングを行ってもよい。この場合でも、遮光膜12のドライエッチングの際に第1レジストパターン22が消失する。
次に、図11に示すように、TaOからなるハードマスク膜パターン23をマスクとして、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガス(酸素含有塩素系ガス)を用いて遮光膜12のドライエッチングを行い、CrOCからなる遮光膜12をパターニングする。これにより、遮光パターン24を形成する。
遮光膜12に対する酸素含有塩素系ガスによるドライエッチングは、従来よりも塩素系ガスの混合比率の高いエッチングガスを用いる。遮光膜12のドライエッチングにおける塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスの混合比率は、エッチング装置内でのガス流量比で、塩素系ガス:酸素ガス=10以上:1であることが好ましく、15以上:1であるとより好ましく、20以上:1であるとより好ましい。塩素系ガスの混合比率の高いエッチングガスを用いることにより、ドライエッチングの異方性を高めることができる。また、遮光膜12のドライエッチングにおいて、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスの混合比率は、エッチングチャンバー内でのガス流量比で、塩素系ガス:酸素ガス=40以下:1であることが好ましい。
また、この遮光膜12に対する酸素含有塩素系ガスのドライエッチングでは、透光性基板11の裏面側から掛けるバイアス電圧も従来よりも高くする。エッチング装置によって、バイアス電圧を高める効果に差はあるが、例えば、このバイアス電圧は、15[W]以上であると好ましく、20[W]以上であるとより好ましく、30[W]以上であるとより好ましい。バイアス電圧を高めることにより、酸素含有塩素系ガスのドライエッチングの異方性を高めることができる。
次に、図12に示すように、遮光パターン24をマスクとし、フッ素系ガスを用いて位相シフト膜21のドライエッチングを行ない、位相シフト膜21をパターニングする。これにより、透光性基板11の位相シフトパターン形成領域11Aに、位相シフトパターン25を形成する。また、透光性基板11の外周領域11Bに、アライメントマークパターン26を形成する。なお、位相シフト膜21のドライエッチングにおいては、ハードマスク膜パターン23が同時に除去される。
次に、図13に示すように、透光性基板11の外周領域11Bを覆う形状に、レジスト膜(第2レジスト膜)を形成し、第2レジストパターン27を形成する。この際、先ず透光性基板11上に、レジスト膜(第2レジスト膜)をスピン塗布法によって形成する。次に、透光性基板11の外周領域11Bを覆う形状のレジスト膜が残るように、レジスト膜に対して露光描画を行う。その後、レジスト膜に対して現像処理等の所定の処理を行う。これにより、透光性基板11の外周領域11Bを覆う形状に、第2レジストパターン27を形成する。
次に、図14に示すように、第2レジストパターン27をマスクとして、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いて遮光膜12のドライエッチングを行い、外周領域11Bを覆う帯状に遮光膜12をパターニングして、遮光パターン28を形成する。なお、このときの遮光膜12のドライエッチングは、塩素系ガスと酸素ガスとの混合比率及びバイアス電圧は従来の条件で行ってもよい。
さらに、図15に示すように、第2レジストパターン27を除去し、洗浄等の所定の処理を行い、位相シフトマスク31を得る。
なお、以上の製造工程中のドライエッチングで使用される塩素系ガスとしては、Clが含まれていれば特に制限はない。たとえば、塩素系ガスとして、Cl、SiCl、CHCl、CHCl、CCl、BCl等があげられる。また、以上の製造工程中のドライエッチングで使用されるフッ素系ガスとしては、Fが含まれていれば特に制限はない。たとえば、フッ素系ガスとして、CHF、CF、C、C、SF等があげられる。特に、Cを含まないフッ素系ガスは、ガラス基板に対するエッチングレートが比較的低いため、ガラス基板へのダメージをより小さくすることができる。
以上の工程により作製された位相シフトマスク31は、透光性基板11上に、透光性基板11側から順に位相シフトパターン25が形成された位相シフト膜21、及び、遮光パターン28が形成された遮光膜12が積層された構成を有する。位相シフト膜21と遮光膜12との積層部には、これらを貫通する孔形状のアライメントマークパターン26を有する。
このうち位相シフトパターン25は、透光性基板11における中央部分に設定された位相シフトパターン形成領域11Aに設けられている。また、遮光パターン28は、位相シフトパターン形成領域11Aを囲む外周領域11Bにおいて、位相シフトパターン形成領域11Aを囲む帯状に形成されている。そしてアライメントマークパターン26は、外周領域11Bに設けられている。
上述のハーフトーン型の位相シフトマスクの製造方法においても、上述の堀込みレベンソン型の位相シフトマスクと同様の効果を得ることができる。
CrOCからなる遮光膜12のドライエッチング工程において、酸素含有塩素系ガスを用いて高いバイアス電圧を掛けるドライエッチング条件により、CrOCからなる遮光膜12のエッチングレートの低下を抑制しつつ、エッチングの異方性の傾向を高めることが可能となる。これにより、遮光膜12にパターンを形成するときのサイドエッチングが低減される。
さらに、TaOからなるハードマスク膜13をパターンマスクとして用いることにより、エッチングレートが速められた上記条件においても、パターンマスク形状の変形や縮小が抑制され、精度の高い遮光膜12のパターニングが可能となる。
従って、遮光膜12のパターンの側壁形状が良好となり、パターン精度が良好な位相シフトマスク31を作製することができる。
〈半導体デバイスの製造方法〉
次に、上述の製造方法により作製された位相シフトマスクを用いる半導体デバイスの製造方法について説明する。半導体デバイスの製造方法は、上述の製造方法によって製造された堀込みレベンソン型の位相シフトマスク、及び、ハーフトーン型の位相シフトマスクを用いて、基板上のレジスト膜に対して位相シフトマスクの転写パターン(位相シフトパターン)を露光転写することを特徴としている。このような半導体デバイスの製造方法は、次のように行う。
先ず、半導体デバイスを形成する基板を用意する。この基板は、例えば半導体基板であってもよいし、半導体薄膜を有する基板であってもよいし、さらにこれらの上部に微細加工膜が成膜されていてもよい。そして、用意した基板上にレジスト膜を成膜し、このレジスト膜に対して、上述の製造方法によって製造された堀込みレベンソン型の位相シフトマスク、又は、ハーフトーン型の位相シフトマスクを用いてパターン露光を行なう。これにより、位相シフトマスクに形成された転写パターンをレジスト膜に露光転写する。この際、露光光としては、転写パターンを構成する位相シフト膜に対応する露光光を用いることとし、例えばここではArFエキシマレーザ光を用いる。
以上の後、転写パターンが露光転写されたレジスト膜を現像処理してレジストパターンを形成したり、このレジストパターンをマスクにして基板の表層に対してエッチング加工を施したり、不純物を導入する処理等を行う。処理が終了した後には、レジストパターンを除去する。
以上のような処理を、転写用マスクを交換しつつ基板上において繰り返し行い、さらに必要な加工処理を行うことにより、半導体デバイスを完成させる。
以上のような半導体デバイスの製造においては、上述の製造方法によって製造された堀込みレベンソン型の位相シフトマスク、及び、ハーフトーン型の位相シフトマスクを用いることにより、基板上に初期の設計仕様を十分に満たす精度のレジストパターンを形成することができる。このため、このレジスト膜のパターンをマスクとして、下層膜をドライエッチングして回路パターンを形成した場合、精度不足に起因する配線短絡や断線のない高精度の回路パターンを形成することができる。
以下、実施例により、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。
〈実施例1〉
[マスクブランクの製造]
図1を参照し、主表面の寸法が約152mm×約152mmで、厚さが約6.35mmの合成石英ガラスからなる透光性基板11を準備した。この透光性基板11は、端面及び主表面が所定の表面粗さ(Rqで0.2nm以下)に研磨され、その後、所定の洗浄処理及び乾燥処理が施されている。
枚葉式DCスパッタ装置内に透光性基板11を設置し、クロム(Cr)ターゲットを用いて、アルゴン(Ar)、二酸化炭素(CO)及びヘリウム(He)の混合ガス雰囲気での反応性スパッタリング(DCスパッタリング)を行なった。これにより、透光性基板11上に、クロム、酸素及び炭素からなる遮光膜(CrOC膜)12を59nmの膜厚で形成した。
次に、上記遮光膜(CrOC膜)12が形成された透光性基板11に対して、加熱処理を施した。具体的には、ホットプレートを用いて、大気中で加熱温度を280℃、加熱時間を5として、加熱処理を行った。
加熱処理後の遮光膜12に対し、X線光電子分光分析法(ESCA、RBS補正有り)で分析を行なった。この結果、遮光膜12の透光性基板11側とは反対側の表面近傍の領域(表面から2nm程度の深さまでの領域)は、それ以外の領域よりも酸素含有量が多い組成傾斜部(酸素含有量が40原子%以上)を有することが確認できた。また、遮光膜12の組成傾斜部を除く領域における各構成元素の含有量は、平均値でCr:71原子%、O:15原子%、C:14原子%であることがわかった。さらに、遮光膜12の組成傾斜部を除く領域の厚さ方向における各構成元素の差は、いずれも3原子%以下であり、厚さ方向の組成傾斜は実質的にないことが確認できた。
なお、以下に示す他の膜の組成についても、上記遮光膜12と同様に、X線光電子分光分析法(ESCA、RBS補正有り)によって得られたものである。
また、加熱処理後の遮光膜12に対し、分光光度計(アジレントテクノロジー社製 Cary4000)を用いてArFエキシマレーザの光の波長(約193nm)における光学濃度を測定したところ、3.0以上であることが確認できた。
次に、枚葉式DCスパッタ装置内に遮光膜12が形成された透光性基板11を設置し、タンタル(Ta)ターゲットを用い、アルゴン(Ar)及び酸素(O)の混合ガス雰囲気での反応性スパッタリング(DCスパッタリング)を行った。これにより、遮光膜12の表面に接して、タンタル及び酸素からなるハードマスク膜13(TaO膜 Ta:42原子%、O:58原子%)を5nmの膜厚で形成した。さらに所定の洗浄処理を施し、実施例1のマスクブランク10を得た。
[位相シフトマスクの製造]
作製したマスクブランク10を用い、以下の手順で位相シフトマスク30を作製した。先ず、ハードマスク膜13上に、電子線描画用化学増幅型レジスト(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製 PRL009)からなるレジスト膜(第1レジスト膜)14を膜厚50nmで形成した。そして、図3を参照し、レジスト膜14に対して、ハードマスク膜13に形成すべき遮光パターンを電子線描画し、その後所定の現像処理、レジスト膜14の洗浄処理を行い、遮光パターンとアライメントパターン(以下、これらのパターンをまとめて遮光パターン等という。)を形成した。
次に、図4に示すように、遮光パターン等を有するレジスト膜14をマスクとして、フッ素系ガス(CF)を用いたハードマスク膜13のドライエッチングを行い、ハードマスク膜13に遮光パターン等を形成した。この後、レジスト膜14を除去した。
次に図5に示すように、遮光パターン等を有するハードマスク膜13をマスクとして、塩素ガス(Cl)と酸素ガス(O)との混合ガス(ガス流量比 Cl:O=20:1)を用いた遮光膜12のドライエッチング(バイアス電圧30[W])を行い、遮光パターンを形成した。
次に、図6に示すように、遮光パターンが形成されたハードマスク膜13上に、掘込パターンが形成されたレジスト膜(第2レジスト膜)16を形成した。具体的には、スピン塗布法によって、ハードマスク膜13の表面に接して、電子線描画用化学増幅型レジスト(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製 PRL009)からなるレジスト膜16を膜厚50nmで形成した。尚、このレジスト膜16の膜厚は、ハードマスク膜13上の膜厚である。そして、レジスト膜16に対して掘込パターンを電子線描画し、所定の現像処理、レジスト膜16の洗浄処理を行い、掘込パターンを有するレジスト膜16を形成した。このとき、レジスト膜16に形成された掘込パターンの開口が遮光パターンの開口を完全に露出するように、リソグラフィーの合わせズレのマージンを取った開口幅でレジスト膜16に掘込パターンを形成した。
その後、図7に示すように、掘込パターンを有するレジスト膜16をマスクとして、フッ素系ガス(CF)を用いた透光性基板11のドライエッチングを行った。これにより、透光性基板11の一方の主表面11S側における位相シフトパターン形成領域11Aに、掘込パターンを173nmの深さで形成した。また、このフッ素系ガスによるドライエッチングの際に、レジスト膜16が減膜していき、ドライエッチングの終了時にはハードマスク膜13上のレジスト膜16は全て消失した。さらに、ハードマスク膜13もフッ素系ガスによるドライエッチングで除去された。そして、図8に示すように、残存するレジスト膜16を除去し、洗浄等の処理を行い、位相シフトマスク30を得た。
[パターン転写性能の評価]
以上の手順を得て作製された位相シフトマスク30に対し、AIMS193(Carl Zeiss社製)を用いて、波長193nmの露光光で半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写したときにおける転写像のシミュレーションを行った。このシミュレーションの露光転写像を検証したところ、設計仕様を十分に満たしていた。この結果から、この実施例1の位相シフトマスク30を露光装置のマスクステージにセットし、半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写したとしても、最終的に半導体デバイス上に形成される回路パターンは高精度で形成できるといえる。
〈実施例2〉
[マスクブランクの製造]
図2を参照し、実施例1と同様の手順で透光性基板11を準備した。枚葉式DCスパッタ装置内に透光性基板11を設置し、モリブデン(Mo)とケイ素(Si)との混合ターゲット(Mo:Si=12原子%:88原子%)を用い、アルゴン(Ar)、窒素(N)及びヘリウム(He)の混合ガス雰囲気で反応性スパッタリング(DCスパッタリング)により、透光性基板11上に、モリブデン、ケイ素及び窒素からなる位相シフト膜(MoSiN膜)21を69nmの膜厚で形成した。
上記位相シフト膜(MoSiN膜)21が形成された透光性基板11に対して、位相シフト膜21の表層に酸化層を形成する処理を施した。具体的には、加熱炉(電気炉)を用いて、大気中で加熱温度を450℃、加熱時間を1時間として、加熱処理を行った。加熱処理後の位相シフト膜21は、透光性基板11側とは反対側の表面近傍の領域(表面から2nm程度の深さまでの領域)が、それ以外の領域よりも酸素含有量が多い組成傾斜部(酸素含有量が50原子%以上)を有することが確認できた。
また、位相シフト膜21の組成傾斜部を除く領域における各構成元素の含有量は、平均値でMo:11原子%、Si:40原子%、N:49原子%であることがわかった。さらに、位相シフト膜21の組成傾斜部を除く領域の厚さ方向における各構成元素の差は、いずれも3原子%以下であり、厚さ方向の組成傾斜は実質的にないことが確認できた。
加熱処理後の位相シフト膜21に対し、位相シフト量測定装置を用いてArFエキシマレーザの光の波長(約193nm)における透過率と位相差とを測定したところ、透過率が6.07%、位相差が177.3度であった。
枚葉式DCスパッタ装置内に位相シフト膜21が形成された透光性基板11を設置し、クロム(Cr)ターゲットを用い、アルゴン(Ar)、二酸化炭素(CO)及びヘリウム(He)の混合ガス雰囲気での反応性スパッタリング(DCスパッタリング)を行なった。これにより、位相シフト膜21の表面に接して、クロム、酸素及び炭素からなる遮光膜(CrOC膜)12を43nmの膜厚で形成した。
位相シフト膜21及び遮光膜12が形成された透光性基板11に対して、加熱処理を施した。具体的には、ホットプレートを用いて、大気中で加熱温度を280℃、加熱時間を5分として、加熱処理を行った。
加熱処理後の遮光膜12に対し、実施例1の場合と同様の組成分析を行なった。その結果、遮光膜12の透光性基板11側とは反対側の表面近傍の領域(表面から2nm程度の深さまでの領域)は、それ以外の領域よりも酸素含有量が多い組成傾斜部(酸素含有量が40原子%以上)を有することが確認できた。また、遮光膜12の組成傾斜部を除く領域における各構成元素の含有量は、平均値でCr:71原子%、O:15原子%、C:14原子%であることがわかった。さらに、遮光膜12の組成傾斜部を除く領域の厚さ方向における各構成元素の差は、いずれも3原子%以下であり、厚さ方向の組成傾斜は実質的にないことが確認できた。
加熱処理後の位相シフト膜21と遮光膜12の積層構造に対し、分光光度計(アジレントテクノロジー社製 Cary4000)を用いてArFエキシマレーザの光の波長(約193nm)における光学濃度を測定したところ、3.0以上であることが確認できた。
次に、枚葉式DCスパッタ装置内に遮光膜12が形成された透光性基板11を設置し、タンタル(Ta)ターゲットを用い、アルゴン(Ar)及び酸素(O)の混合ガス雰囲気での反応性スパッタリング(DCスパッタリング)により、遮光膜12の表面に接して、タンタル及び酸素からなるハードマスク膜13(TaO膜 Ta:42原子%、O:58原子%)を6nmの膜厚で形成した。さらに所定の洗浄処理を施し、実施例2のマスクブランク20を得た。
[位相シフトマスクの製造]
作製したマスクブランク20を用い、以下の手順で位相シフトマスク31を作製した。先ず、ハードマスク膜13上に、レジスト膜(第1レジスト膜)14を膜厚50nmで形成した。そして、図9を参照し、レジスト膜14に対して、位相シフト膜に形成すべき位相シフトパターンとアライメントマークパターンを含む第1パターンを電子線描画し、所定の現像処理及び洗浄処理を行い、第1レジストパターン22を形成した。第1レジストパターン22は、SRAFパターンのパターン寸法に対応する40nm幅のラインアンドスペースの位相シフトパターンを形成した。
次に、図10に示すように、第1レジストパターン22をマスクとして、フッ素系ガス(CF)を用いたハードマスク膜13のドライエッチングを行い、ハードマスク膜13にハードマスク膜パターン23を形成した。この後、第1レジストパターン22を除去した。
次に図11に示すように、ハードマスク膜パターン23をマスクとして、塩素ガス(Cl)と酸素ガス(O)との混合ガス(ガス流量比 Cl:O=20:1)を用いて遮光膜12のドライエッチング(バイアス電圧30[W])を行い、遮光パターン24を形成した。
次に、図12に示すように、遮光パターン24をマスクとして、フッ素系ガス(SF)を用いて位相シフト膜21のドライエッチングを行った。これにより、透光性基板11における位相シフトパターン形成領域11Aに、位相シフトパターン25を形成した。また、透光性基板11における外周領域11Bに、遮光膜12と位相シフト膜21とを貫通する孔形状のアライメントマークパターン26を形成した。なお、このとき、ハードマスク膜パターン23も同時に除去された。
次に、図13に示すように、透光性基板11における外周領域11Bを覆う形状で、第2レジストパターン27を形成した。その後、図14に示すように、第2レジストパターン27をマスクとして、塩素(Cl)ガスと酸素ガス(O)との混合ガス(ガス流量比 Cl:O=4:1)を用いて遮光膜12のドライエッチング(バイアス電圧5[W])を行った。これにより、遮光膜12をパターニングして、外周領域11Bを覆う帯状の遮光パターン28を形成した。次に、図15に示すように、第2レジストパターン27を除去し、洗浄等の所定の処理を行い、位相シフトマスク31を得た。
[パターン転写性能の評価]
以上の手順を得て作製された位相シフトマスク31に対し、AIMS193(Carl Zeiss社製)を用いて、波長193nmの露光光で半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写したときにおける転写像のシミュレーションを行った。このシミュレーションの露光転写像を検証したところ、設計仕様を十分に満たしていた。この結果から、この実施例2の位相シフトマスク31を露光装置のマスクステージにセットし、半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写したとしても、最終的に半導体デバイス上に形成される回路パターンは高精度で形成できるといえる。
〈比較例1〉
[マスクブランクの製造]
遮光膜12とハードマスク膜13を除き、上述の実施例1の場合と同様の手順で、マスクブランクを製造した。比較例1のマスクブランクは、遮光膜として下記に示すクロム系材料からなる3層構造の積層膜を合計膜厚48nmで形成した。さらに、ハードマスク膜としてケイ素及び酸素からなるSiO膜を12nmの膜厚で形成した。
比較例1の遮光膜は、透光性基板側から、膜厚が30nmの下層(CrOCN膜 Cr:48原子%、O:9原子%、C:27原子%、N:16原子%)、膜厚が14nmの中間層(CrON膜 Cr:87原子%、O:8原子%、N:5原子%)、及び、膜厚が14nmの上層(CrOCN膜 Cr:31原子%、O:16原子%、C:37原子%、N:16原子%)が積層した構成である。
[位相シフトマスクの製造]
上記比較例1のマスクブランクを用いて、上述の実施例1の位相シフトマスクの製造の手順と同様の手順で、比較例1の位相シフトマスクを製造した。
[パターン転写性能の評価]
比較例1の位相シフトマスクに対し、AIMS193(Carl Zeiss社製)を用いて、波長193nmの露光光で半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写したときにおける転写像のシミュレーションを行った。このシミュレーションの露光転写像を検証したところ、転写不良が確認された。これは、遮光パターンのパターン側壁形状の垂直性が悪く、ラインエッジラフネスも悪いことが、転写不良の発生要因と推察される。この結果から、この比較例1の位相シフトマスクを露光装置のマスクステージにセットし、半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写した場合、最終的に半導体デバイス上に形成される回路パターンに不良箇所が発生してしまうといえる。
〈比較例2〉
[マスクブランクの製造]
遮光膜12とハードマスク膜13を除き、上述の実施例1の場合と同様の手順で、マスクブランクを製造した。比較例2のマスクブランクは、遮光膜としてCrOCNからなる単層膜を膜厚75nmで形成した。さらに、ハードマスク膜としてケイ素及び酸素からなるSiO膜を12nmの膜厚で形成した。この比較例2の遮光膜は、透光性基板11側とは反対側の表面近傍の領域(表面から2nm程度の深さまでの領域)に、それ以外の領域よりも酸素含有量が多い組成傾斜部(酸素含有量が40原子%以上)を有していた。また、この遮光膜の組成傾斜部を除く領域における各構成元素の含有量は、平均値でCr:56原子%、O:19原子%、C:10原子%、N:15原子%であった。遮光膜12の組成傾斜部を除く領域の厚さ方向における各構成元素の差は、いずれも3原子%以下であり、厚さ方向の組成傾斜は実質的にないことが確認できた。
[位相シフトマスクの製造]
上記比較例2のマスクブランクを用いて、上述の実施例1の位相シフトマスクの製造の手順と同様の手順で、比較例2の位相シフトマスクを製造した。
[パターン転写性能の評価]
比較例2の位相シフトマスクに対し、AIMS193(Carl Zeiss社製)を用いて、波長193nmの露光光で半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写したときにおける転写像のシミュレーションを行った。このシミュレーションの露光転写像を検証したところ、転写不良が確認された。これは、遮光パターンのパターン側壁のサイドエッチング量が大きいことに起因して形状の垂直性が悪く、さらに面内のCD均一性も低いことが、転写不良の発生要因と推察される。この結果から、この比較例2の位相シフトマスクを露光装置のマスクステージにセットし、半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写した場合、最終的に半導体デバイス上に形成される回路パターンに不良箇所が発生してしまうといえる。
なお、本発明は上述の実施形態例において説明した構成に限定されるものではなく、その他本発明構成を逸脱しない範囲において種々の変形、変更が可能である。
10,20 マスクブランク、11 透光性基板、11A 位相シフトパターン形成領域、11B 外周領域、11S 主表面、12 遮光膜、13 ハードマスク膜、14,16 レジスト膜、15 アライメントパターン、17,25 位相シフトパターン、21 位相シフト膜、22 第1レジストパターン、23 ハードマスク膜パターン、24 遮光パターン、26 アライメントマークパターン、27 第2レジストパターン、28 遮光パターン、30,31 位相シフトマスク

Claims (13)

  1. 透光性基板上に、遮光膜及びハードマスク膜が順に積層した構造を有するマスクブランクであって、
    前記ハードマスク膜は、前記遮光膜の表面に接して設けられ、
    前記遮光膜は、ハードマスク膜側の表面近傍の領域に酸素含有量が増加した組成傾斜部を有する単層膜であり、
    前記遮光膜は、クロム、酸素及び炭素を主成分として形成され、
    前記表面近傍の領域以外における前記遮光膜のクロム含有量は、50原子%以上80原子%以下であり、
    前記ハードマスク膜は、タンタルと酸素を含有する材料で形成され、
    前記ハードマスク膜の酸素含有量は、50原子%以上である
    ことを特徴とするマスクブランク。
  2. 前記表面近傍の領域以外における前記遮光膜の炭素含有量は、10原子%以上20原子%以下であることを特徴とする請求項1に記載のマスクブランク。
  3. 前記表面近傍の領域以外における前記遮光膜の酸素含有量は、10原子%以上40原子%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のマスクブランク。
  4. 前記表面近傍の領域以外における前記遮光膜は、厚さ方向における各構成元素の含有量の差がいずれも10%未満であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のマスクブランク。
  5. 前記ハードマスク膜は、タンタルと酸素とからなる材料で形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のマスクブランク。
  6. 前記遮光膜は、ArFエキシマレーザ光に対する光学濃度が2.8以上であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のマスクブランク。
  7. 前記遮光膜は、厚さが70nm以下であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のマスクブランク。
  8. 前記透光性基板と前記遮光膜の間に位相シフト膜を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のマスクブランク。
  9. 前記遮光膜及び位相シフト膜の積層構造におけるArFエキシマレーザ光に対する光学濃度が2.8以上であることを特徴とする請求項8に記載のマスクブランク。
  10. 前記遮光膜は、厚さが60nm以下であることを特徴とする請求項8又は9に記載のマスクブランク。
  11. 請求項1から7のいずれかに記載のマスクブランクを用いる位相シフトマスクの製造方法であって、
    ハードマスク膜上に形成された遮光パターンを有するレジスト膜をマスクとし、フッ素系ガスを用いたドライエッチングにより、前記ハードマスク膜に遮光パターンを形成する工程と、
    前記遮光パターンが形成されたハードマスク膜をマスクとし、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いたドライエッチングにより、遮光膜に遮光パターンを形成する工程と、
    前記遮光膜上に形成された掘込パターンを有するレジスト膜をマスクとし、フッ素系ガスを用いたドライエッチングにより、透光性基板に掘り込みパターンを形成する工程と
    を有することを特徴とする位相シフトマスクの製造方法。
  12. 請求項8から10のいずれかに記載のマスクブランクを用いる位相シフトマスクの製造方法であって、
    ハードマスク膜上に形成された位相シフトパターンを有するレジスト膜をマスクとし、フッ素系ガスを用いたドライエッチングにより、前記ハードマスク膜に位相シフトパターンを形成する工程と、
    前記位相シフトパターンが形成されたハードマスク膜をマスクとし、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いたドライエッチングにより、遮光膜に位相シフトパターンを形成する工程と、
    前記位相シフトパターンが形成された前記遮光膜をマスクとし、フッ素系ガスを用いたドライエッチングより、位相シフト膜に位相シフトパターンを形成する工程と、
    前記遮光膜上に形成された遮光パターンを有するレジスト膜をマスクとし、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いたドライエッチングにより、前記遮光膜に遮光パターンを形成する工程と
    を有することを特徴とする位相シフトマスクの製造方法。
  13. 請求項11又は12に記載の位相シフトマスクの製造方法によって製造された位相シフトマスクを用い、リソグラフィー法により前記位相シフトマスクの転写パターンを半導体基板上にパターン転写する露光工程を有することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
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