JP2016180362A - 送風装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ファン効率を確保しつつファンシュラウドの大型化を抑制することが可能な送風装置を提供する。【解決手段】送風装置1は、複数のブレード30を有する軸流型のファン3と、ファン3の外周を取り囲みファン3の回転軸方向に筒状に延びるリング部21と、外周縁22とリング部21の内周縁とを連絡する導風部23と、を有してファン3を回転可能に支持する。ブレード30は、前縁300の根元部300aとファン3の中心33とを結ぶ線rsと、前縁300の中間部300cとファン3の中心33とを結ぶ線rcと、がなす角度が0度以上10度以下の後退角となるように形成される。さらにブレード30は、ブレード30における根元部300aがなす取付角と中間部300cがなす取付角との差が5度以上15度以下の範囲に含まれるように形成される。【選択図】図1

Description

本発明は、軸流ファンの外側を囲むように配されるファンシュラウドを備える送風装置に関する。
特許文献1、特許文献2には、自動車のラジエータを冷却するための軸流ファンを支持するファンシュラウドが記載されている。特許文献1に開示されるファンは、ブレードの外周端部における風下側の部位とファンのリング部とを接合する接合壁と、接合部から反回転方向に延びリング部から回転方向に立設する立設部と、を備えて、リング部の剛性を高めている。
特許文献2に開示されるファンは、複数のブレードの外周端部を周状に連結するリング部を、2つの円筒部からなる二重構造とし、2つの円筒部間をリブ等で接続することにより、リング部の剛性を高めている。
特開2008−163888号公報 特開2009−127422号公報
軸流ファンの場合、回転による遠心荷重が作用することでブレードが変形する。また、軸流ファンは、ブレードの構造上、回転に伴う変形状態が後退翼と前進翼とで異なる。いずれの翼も遠心方向に変形する。例えば、前進翼は、その翼先端が回転軸方向に関して風上側に変位するように変形し、後退翼は、その翼先端が回転軸方向に関して風下側に変位するように変形する。このような翼先端の変位を伴うブレードの変形によれば、ファンシュラウドのリング部と翼先端とのクリアランスが、ファン停止時とファン回転時とで大きく変化することになる。
このクリアランスの変化により、ファン外周付近で渦が生じたり、空気の逆流が生じたりするため、ファン効率が低下することになる。ファン効率を確保しようすると、翼先端の変位量を考慮した当該クリアランスの寸法設定が必要になるが、一定のクリアランスを確保するためにはファンシュラウドが大型化してしまうという問題もある。したがって、軸流ファンにおいては、翼先端の回転軸方向への変位量を抑えることが望ましい。
また、特許文献1や特許文献2に記載の装置は、ファン外周のリングに特有の構造をもたせてリング部の剛性を高めることにより、前述したようなファンの変形を抑制している。しかしながら、ファンに作用する遠心荷重が大きくなると、特許文献1や特許文献2に開示の技術だけでは、回転軸方向へのブレードの変形を抑制する点で十分ではない。
そこで本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、ファン効率を確保しつつファンシュラウドの大型化を抑制することが可能な送風装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。また、特許請求の範囲及びこの項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
開示する送風装置に係る発明のひとつは、複数のブレード(30)を有する軸流型のファン(3)と、ファンの外周との間に隙間をあけてファンの外周を取り囲みファンの回転軸方向に筒状に延びるリング部(21)と、外周縁(22)とリング部の内周縁とを連絡する部分であってファンにより吸入される空気をリング部の内側に導く導風部(23)と、を有して、ファンを回転可能に支持するファンシュラウド(2)と、を備え、
ブレードは、前縁(300)における根元部側の半分について、
前縁における根元部(300a)とファンの中心(33)とを結ぶ線(rs)と、前縁における外周先端(300b)と根元部の中間に位置する中間部(300c)とファンの中心とを結ぶ線(rc)と、がなす角度が0度以上10度以下の後退角となるように形成され、
さらにブレードにおける根元部がなす取付角と中間部がなす取付角との差が5度以上15度以下の範囲に含まれるように形成されることを特徴とする。また、この発明における取付角は、ブレードの断面において前縁と後縁とを結んだ線がファンの回転軸に直交する面に対してなす角度のことである。
この発明によれば、ブレードの前縁における根元部側半分の範囲を0度以上10度以下の後退角とすることにより、前縁の根元部側半分を小さい後退角によって形成する。これにより、前縁の根元部側半分について後退翼の特性を抑制して前進翼の特性が強いブレードを提供する。前縁の根元部側半分が前進翼の特性により、ファン回転時にはブレードが送風方向の上流側に変位するように変形する。このブレードの変形によって、ブレードが後退翼であるにも関わらず、ブレードの外周先端は、前述する従来の後退翼のブレードに比べて、送風方向の下流側に大きく変位しないようになる。このため、ブレードの外周先端とリング部とのクリアランスが大きく変化してしまうことを回避できる。さらに、根元部がなす取付角と中間部がなす取付角との差が5度以上15度以下の範囲に含まれるようにブレードを形成することにより、ファン回転時の遠心荷重によるブレードの変形を抑制することができる。
このようにファンの回転時に、ブレードの外周先端とリング部とのクリアランスの変化が抑制できるため、ファン外周付近での渦の発生や空気の逆流発生を抑制でき、ファン効率を確保することができる。このようにファン効率を確保できるので、前述したようなクリアランス確保のためにファンシュラウドが大型化してしまうことも回避できる。したがって、この発明によれば、ファン効率を確保しつつファンシュラウドの大型化を抑制することが可能な送風装置を提供できる。
第1実施形態に係る送風装置の正面図である。 第1実施形態の送風装置に関する側面図である。 図1のIII−III断面を矢印方向にみたブレードの部分断面図である。 図3のブレードを矢印方向にみたときの図面である。 ブレードの前縁における後退角の変化を示すグラフである。 ブレードにおける取付角の変化を示すグラフである。 従来のブレードに係る前進翼と後退翼に関して、回転時の変形によって変位する方向を説明する図面である。 従来のブレードに係る前進翼と後退翼に関して、回転時の変形によってブレードの外周先端とリング部との距離が変化することを説明する図面である。 第1実施形態のブレードに関して、回転時に変形する状態を説明する図面である。 第2実施形態に係るブレードの部分断面図である。 図10のブレードを矢印方向にみたときの図面である。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示してなくとも実施形態同士を部分的に組み合わせることも可能である。
(第1実施形態)
第1実施形態の送風装置1について図1〜図9にしたがって説明する。第1実施形態では、送風装置の適用例の一つとして、車両にエンジン等を冷却するために搭載されるラジエータに対して送風を提供する装置について説明する。
送風装置1は、1個の軸流型のファン3と、ファン3を回転駆動するモータを支持してファン3が吸入する空気を導くファンシュラウド2と、を備える。ファン3は、回転の中心となるボス部32と、ボス部32から放射状に延びる複数のブレード30と、を備えて一体に構成される。複数のブレード30は、その一端はボス部32と一体であり、他端は円形のリング部31と一体になるように構成されている。ファン3は、回転動力を与えるモータを備えている。モータは、回転軸であるモータシャフトを有する。モータシャフトとボス部32とは止具等の固定部材により連結されている。モータは、電動式であり、例えばフェライト式の直流モータで構成される。モータには、アーマチャへ電力を供給するためのハーネス部が接続され、このハーネス部はコネクタ等を介して車両のバッテリに接続されている。
ファン3は、熱交換器の一例であるラジエータ4よりも空気流れの下流側に配置されている。これにより、ファン3は、モータが回転駆動されることにより、車両前面のグリル側からエンジン側に向けて外気を吸引し、ラジエータ4において熱交換が行われる熱交換部に通風する。
ファンシュラウド2は、エンジン冷却水の熱を放熱させるためのラジエータ4に冷却風を提供するファン3の外周を覆うようにファン3を回転可能に支持する部材である。ファンシュラウド2は、ファン3のモータを支持固定するとともに、ラジエータ4に一体に取り付けられる。例えば、ファンシュラウド2は、その鉛直方向下部及び鉛直方向上部にねじ等が挿通可能な貫通孔を備えた下側取付部及び上側取付部を有する。ファンシュラウド2は、この下側取付部及び上側取付部のそれぞれの貫通孔に挿通したねじをラジエータ4に設けられた各雌ねじ部に螺合することにより、ラジエータ4に一体に取り付けられる。
ファンシュラウド2は、矩形状であり、ラジエータ4の熱交換部に対して冷却風を通過させるファン3を少なくとも1個配置できる構成を有している。ラジエータ4の熱交換部は、例えば、それぞれの内部を冷却水が流通する複数本のチューブと、チューブ間にチューブと一体に設けられるアウターフィンと、を備えて構成される。エンジンからの冷却水は、ウォータポンプが駆動されることによってラジエータ回路を通ってラジエータ4の入口側タンクに流入した後、熱交換部のチューブ内を流れる。そして、冷却水は、ファン3により提供される車室外空気との間で熱交換されて冷却された後、出口側タンクから流出してエンジンに戻る。
ファンシュラウド2は、全体として正面視で矩形状を呈する輪郭形状である。ファンシュラウド2は、ファン3の先端との間に間隔を開けてファン3の外周を取り囲むリング部21と、ファン3により吸入される空気を誘導する導風部23と、を備える。ファンシュラウド2は、外周縁22が矩形状であるが、その形状は、上下方向長さが左右幅方向長さよりも大きくてもよいし、小さくてもよいし、または同じ長さで形成されていてもよい。また、外周縁22の形状は、円形状であってもよい。
導風部23は、外周縁22とリング部21の内周縁とを連絡する部分であり、ファン3により吸入される空気をリング部21の内側に誘導する機能がある。したがって、導風部23は、ファン3の前方から吸い込まれる主流空気を外周縁22からリング部21の内側に向けてスムーズに集める風洞の機能を果たす。また、ファンシュラウド2は、ファン3のモータが取り付けられるモータ取付部25と、モータ取付部から放射状に複数本延設されるモータステーと、を備える。リング部21は、ファン3の複数のブレード30の外周、すなわち、ファンの外周を囲む円形状の筒状体であり、モータステーの放射方向の端部と一体に形成され、モータステーを介してモータ取付部を支持する。
導風部23は、外周縁22とリング部21との間を接続する部分であって滑らかに傾斜、または湾曲する形状をなしている。導風部23は、ラジエータ4の熱交換部の全面に外気を効率的に吸い込む機能を果たす。外周縁22におけるラジエータ4側に位置する端部からリング部21の内周縁に至る導風部23によって形成される部分は、風洞部を構成し、外気の効率的な吸込み気流の形成に寄与する。ファンシュラウド2は、例えば樹脂成形部材であり、所定の金型を用いた射出成形等によって成形される。この樹脂成形部材は、例えば、ポリプロピレン樹脂等にガラス繊維やタルク材を含有することによって強度が高められている。
図1に図示するように、ファン3が備える各ブレード30は、全体として後退翼である。各ブレード30は、回転方向R側に位置して半径方向に延びる端部である前縁300と、回転方向Rの反対側に位置して半径方向に延びる端部である後縁301との両方が後退角をなす後退翼である。後退角をなすとは、例えば、前縁300については、根元部300aから外周先端300bにかけて回転方向Rの反対側に向かって徐々に前縁300が延びるような形状を呈することをいう。また、後縁301について後退角であるとは、根元部301aから外周先端301bにかけて回転方向Rの反対側に向かって徐々に後縁301が延びるような形状を呈することをいう。根元部300a、根元部301aは、それぞれ前縁300、後縁301において、ボス部32と一体である部位である。外周先端300b、外周先端301bは、それぞれ前縁300、後縁301において、リング部31と一体である部位である。
各ブレード30は、前縁300における根元部300a側の半分、すなわち、外周先端300bと根元部300aの中間に位置する中間部300cと根元部300aとの間に位置する前縁300の範囲で、0度以上10度以下の後退角となる。図1に示すように、ブレード30は、根元部300aとファン3の中心33とを結ぶ線rsと、中間部300cとファン3の中心33とを結ぶ線rcと、がなす角度A1が0度以上10度以下の後退角となるように形成される。図1に示す二点鎖線は、ファン3の中心33を中心とする、中間部300cを通る円である。
さらにブレード30は、図6に図示するように、ブレード30における根元部がなす取付角と中間部がなす取付角との差が5度以上15度以下の範囲に含まれるように形成される。図6は、ブレード30における取付角の変化について一例を示すグラフである。根元部における取付角、すなわちrs/rbの値が0.35の場合の取付角は、約24度である。中間部における取付角、すなわちrc/rbの値が約0.7の場合の取付角は、約15度である。したがって、図6に示す例では、ブレード30における根元部がなす取付角と中間部がなす取付角との差は、9度に設定されることになる。
ここでいう取付角とは、ブレード30の断面において前縁300と後縁301とを結んだ線がファン3の回転軸に直交する面に対してなす角度のことである。例えば、図3のように、根元部における一部断面を図示したブレード30について、根元部301aと根元部300aとを結ぶ破線と垂直面VSとがなす角度が取付角A3となる。垂直面VSは、送風方向または回転軸方向に対して直交する仮想の平面である。
また、ブレード30は、図4に図示するように、ファン3の中心33から、ファン3の回転軸に垂直な仮想面である垂直面VS面に沿って径外方向にブレード30を見た場合に、ブレード30における送風下流側の面が見える形状である。すなわち、このとき見える送風下流側の面は、ファン3の回転時に前縁300の送風下流側に流れる空気が当たる面であり、ブレード30の正圧面となる。したがって、ブレード30は、中心33から、垂直面VS面に沿って径外方向にブレード30を見た場合に、ブレード30における正圧面が見える形状である。
さらに、ブレード30は、前縁300において、根元部300aとファン3の中心33とを結ぶ線rsと、中間部300cと中心33とを結ぶ線rcとがなす角度が0度以上5度以下の後退角となるように形成されることが好ましい。図5は、ブレード30の前縁300における後退角の程度を示すグラフである。図5のグラフのように、中間部300cにおける後退角、すなわちrc/rbの値が約0.7の場合の後退角は、約3.5度である。このように中間部300cにおける後退角を5度以下の小さい角度に設定することにより、ブレード30の根元部側において後退翼としての性質を薄くしたブレード30を構成することができる。したがって、ブレード30の根元部側は、後退翼ではなく前進翼の特性が色濃くなるため、ブレード30は、前進翼が支配的となる根元部側を有するように構成できる。
さらに、図5のグラフに図示するように、前縁300は、根元部300aから中間部300cにかけての根元部側の範囲と、中間部300cから外周先端300bにかけての外周先端側の範囲とで、後退角の変化率が異なる。具体的には、外周先端側の範囲は、根元部側の範囲よりも後退角が大きな値となる。前縁300は、根元部300aから外周先端300bにかけて後退角の大きさが徐々に大きくなる形状である。
このことは、図5のグラフより、根元部から中間部にかけての範囲における後退角の変化量と、中間部から外周先端にかけての範囲における後退角の変化量との違いからも明らかである。ブレード30は、根元部300aとファン3の中心33とを結ぶ線rsと、外周先端300bと中心33とを結ぶ線rbと、がなす角度A2が約16度の後退角となるように形成される。そして、前縁300の後退角は、根元部300aから中間部300cにかけて0度から約3.5度に変化し、中間部300cから外周先端300bにかけて約3.5度から約16度に変化している。
また、ブレード30は、後縁301の根元部301aから後縁301の外周先端301bにかけて、ファン3の回転軸方向に関する位置が同じである後縁301を有する。すなわち、図3及び図4に図示するように、ブレード30は、後縁301の回転軸方向の位置が根元部301aから外周先端301bにかけて変化しない形状を有している。一方、前縁300については、回転軸方向の位置が根元部300aから外周先端300bにかけて徐々に送風方向(送風下流側)に変位するような形状を有している。特に、前縁300の回転軸方向の位置は、根元部300aから中間部300cにかけての範囲と、中間部300cから外周先端300bにかけての範囲とで、変位率が異なる。
このことは、図6のグラフより、根元部から中間部にかけての範囲における取付角の変化量と、中間部から外周先端にかけての範囲における取付角の変化量との違いからも明らかである。ブレード30の取付角は、根元部から中間部にかけて約24度から約15度に変化し、中間部から外周先端にかけて約15度から約13度に変化している。このように、ブレード30は、取付角が、ブレード30の外周先端側よりも根元部側の方が大きくなるように設定される形状である。
図7は、従来のブレードに係る前進翼と後退翼のそれぞれについて、回転時の変形によって変位する方向を示している。図8は、従来のブレードに係る前進翼と後退翼のそれぞれについて、回転時の変形によってブレードの外周先端とリング部との距離が変化すること示している。前述したように、軸流ファンの場合、回転による遠心荷重が作用することで前進翼も後退翼も遠心方向に変形し、さらにそれぞれの翼で回転軸に沿って変位する方向が異なることがわかっている。
図7及び図8に図示するように、前進翼5Fは、実線から破線で図示するように変形して送風上流側に変位する特性を有する。後退翼5Bは、実線から破線で図示するように変形して送風下流側に変位する特性を有する。このような特性を持つブレードの変形によれば、ファンシュラウドのリング部21と翼先端とのクリアランスは、停止時と回転時とで大きく変化するため、ファン効率も大きく変化する。ファン効率を確保するには、停止時と回転時とでブレードの外周先端位置が変位しても、クリアランスが変化しないように設計することが求められる。一定のクリアランスを確保するためには、リング部21の回転軸方向の長さを大きくする方法があるが、これではファンシュラウドが大型化してしまう。
そこで、送風装置1は、前述したような後退角及び取付角を備えるブレード30を持つことにより、前進翼の特性が支配的となる根元部側を有する全体として後退翼のブレード30を提供する。この特性により、回転時に図9に示すように、根元部側が前進翼の特性によって送風上流側に位置するようにブレード30を変形させることを実現する。このように全体として後退翼であるブレード30は、外周先端が送風下流側に変位するように変形するが、根元部側が送風上流側に持ち上がるように変形するため、全体として図9の破線で示すような形状に変形する。したがって、実線で示した停止時のブレード30と破線で示した回転時に変形したブレード30とは、それぞれの外周先端の回転軸方向の位置が大きく変化しないようにすることができる。
次に、第1実施形態の送風装置1がもたらす作用効果について述べる。送風装置1は、複数のブレード30を有する軸流型のファン3と、ファン3の外周を取り囲みファン3の回転軸方向に筒状に延びるリング部21と、外周縁22とリング部21の内周縁とを連絡する導風部23と、を有してファン3を回転可能に支持する。ブレード30は、前縁300の根元部300aとファン3の中心33とを結ぶ線rsと、前縁300の中間部300cとファン3の中心33とを結ぶ線rcと、がなす角度が0度以上10度以下の後退角となるように形成される。さらにブレード30は、ブレード30における根元部300aがなす取付角と中間部300cがなす取付角との差が5度以上15度以下の範囲に含まれるように形成される。
この構成によれば、ブレード30の前縁300における根元部側半分の範囲を0度以上10度以下の後退角とすることにより、前縁300の根元部側半分を小さい後退角によって形成することができる。これにより、前縁300の根元部側半分について後退翼の特性を抑制して前進翼の特性が強いブレードを提供することができる。前縁300の根元部側半分が前進翼の特性が支配敵となることによって、ファン回転時にはブレード30が送風上流側に変位するように変形する。このブレード30の変形によって、ブレード30が後退翼であるにも関わらず、ブレード30の外周先端は、前述する従来の後退翼であるブレードに比べて、送風下流側に大きく変位しないようにできる。これにより、ブレード30の外周先端とリング部21とのクリアランスが大きく変化してしまうことを回避できる。さらに、根元部がなす取付角と中間部がなす取付角との差が5度以上15度以下の範囲に含まれるようにブレード30を形成することにより、ファン回転時の遠心荷重によるブレード30の変形を抑制することができる。
このようにファン3の回転時に、ブレード30の外周先端とリング部21とのクリアランスの変化を抑制できるので、ファン外周付近での渦の発生や空気の逆流発生を抑制でき、ファン効率を確保することができるのである。ファン効率を確保できるので、前述したようなクリアランス確保のためにファンシュラウド2が大型化してしまうことも回避できる。
また、ブレード30は、ファン3の中心33から、ファン3の回転軸に垂直な面に沿って径外方向にブレード30を見た場合に、ブレード30における送風下流側の面が見えるように構成されている。この構成によれば、ブレード30の根元部側において、正圧面が見えるようにブレード30を構成できるので、ファン3の回転時に、外周先端が送風下流側に変位するように、後退翼であるブレード30が変形することを抑制することに貢献できる。
また、前縁300における根元部300aとファン3の中心33とを結ぶ線rsと、前縁300における中間部300cと中心33とを結ぶ線rcと、がなす角度は、0度以上5度以下の後退角であることが好ましい。この構成によれば、前縁300の根元部側半分について、さらに後退翼の特性を抑制した前進翼の特性が強いブレードを提供する。したがって、ブレード30の根元部側を、一層、前進翼の特性を発揮するように構成できるため、ファン回転時に、外周先端が送風下流側へ変位することをさらに抑えることができる。
また、ブレード30は、前縁300において、中間部300cとファン3の中心33とを結ぶ線rcと、外周先端300bと中心33とを結ぶ線rbと、がなす角度が、根元部側の半分における後退角の大きさよりも大きくなるように形成される。この構成によれば、根元部側の半分が前進翼の特性が強く、外周先端側の半分が根元部側よりも後退翼の特性が強いブレード30を提供できる。これによれば、ファン回転時に、根元部側を送風上流側に変形させ、外周先端側を送風下流側に変形させることを促進するので、結果的に停止時と回転時で、ブレード30の外周先端に関する変位抑制効果を大きなものにできる。
また、ブレード30は、中間部がなす取付角と外周先端がなす取付角との差が根元部がなす取付角と中間部がなす取付角との差よりも小さくなるように形成される。この構成によれば、根元部側において送風下流側のブレード面に空気が当たりやすく、外周先端側において送風下流側のブレード面に空気が当たりにくいブレード30を提供できる。すなわち、根元部側において送風下流側のブレード面に正圧面が形成されやすく、外周先端側において送風下流側のブレード面に空気が正圧面が形成されにくいブレード30を提供できる。これによれば、ファン回転時に、遠心荷重によるブレード30の根元部側の変形を抑制することに貢献できる。
ブレード30の後縁301は、根元部301aから外周先端301bにかけて、ファン3の回転軸方向に関する位置が同じである。この構成によれば、前縁300側で、送風下流側のブレード面に正圧面が形成されやすいブレード30を提供できる。これによれば、ファン回転時に、遠心荷重によるブレード30の根元部側の変形を抑制することに貢献できる。
(第2実施形態)
第2実施形態では、第1実施形態の他の形態であるブレード130について図10及び図11を参照して説明する。第2実施形態において、第1実施形態に係る図面と同一符号を付した構成部品及び説明しない構成は、第1実施形態と同様であり、同様の作用効果を奏するものである。第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分のみ説明する。
図10及び図11に示すように、ブレード130は、後縁1301の根元部301aから後縁1301の外周先端301bにかけて、ファン3の回転軸方向に関する位置が変化する後縁1301を有する。例えば図示するように、ブレード130は、後縁1301の回転軸方向の位置が根元部301aから外周先端301bにかけて途中で送風下流側に変位する形状を有している。
また、ブレード130は、図11に図示するように、ファン3の中心33から、ファン3の回転軸に垂直な仮想面である垂直面VS面に沿って径外方向にブレード30を見た場合に、ブレード130における送風下流側の面が見える形状である。すなわち、このとき見える送風下流側の面は、ファン3の回転時に前縁300の送風下流側に流れる空気が当たる面であり、ブレード130の正圧面となる。したがって、ブレード130は、中心33から、垂直面VS面に沿って径外方向にブレード130を見た場合に、ブレード130における正圧面が見える形状である。
(他の実施形態)
以上、開示された発明の好ましい実施形態について説明したが、開示された発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、種々変形して実施することが可能である。上記実施形態の構造は、あくまで例示であって、開示された発明の技術的範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。開示された発明の技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものである。
前述の実施形態において、ブレード30の形状は、図示する形状に限定されない。また、ファン3が有するブレード30の個数、ブレード30の後退角、取付角についても、図示した形状や、グラフに示した数値に限定されるものではない。
前述の実施形態の送風装置1は、車両のエンジン冷却水を冷却するためのラジエータ4に対して冷却風を提供する装置であるが、本発明はこの実施形態に限定して適用されるものではない。例えば、空調装置、給湯装置等の室外機に搭載されて冷却風を提供する装置、コンピュータ、電子部品等を冷却する冷却風を提供する装置等に適用することが可能である。
前述の実施形態の送風装置1は、ラジエータ4よりも空気流れの下流に配置されているが、この形態に限定するものではない。例えば、送風装置1が吹き出した空気を熱交換器等に供給するように配置されるものであってもよい。
2…ファンシュラウド
3…ファン
21…リング部、 22…外周縁、 23…導風部
30…ブレード、 33…中心
300…前縁、 300a…根元部、 300b…外周先端、 300c…中間部
301…後縁、 301a…根元部、 301b…外周先端

Claims (6)

  1. 複数のブレード(30)を有する軸流型のファン(3)と、
    前記ファンの外周との間に隙間をあけて前記ファンの外周を取り囲み前記ファンの回転軸方向に筒状に延びるリング部(21)と、外周縁(22)と前記リング部の内周縁とを連絡する部分であって前記ファンにより吸入される空気を前記リング部の内側に導く導風部(23)と、を有して、前記ファンを回転可能に支持するファンシュラウド(2)と、
    を備え、
    前記ブレードは、前縁(300)における根元部側の半分について、
    前記前縁における根元部(300a)と前記ファンの中心(33)とを結ぶ線(rs)と、前記前縁における外周先端(300b)と前記根元部の中間に位置する中間部(300c)と前記ファンの中心とを結ぶ線(rc)と、がなす角度が0度以上10度以下の後退角となるように形成され、
    さらに前記ブレードにおける前記根元部がなす取付角と前記中間部がなす取付角との差が5度以上15度以下の範囲に含まれるように形成されることを特徴とする送風装置。
  2. 前記ブレードは、前記ファンの中心から、前記ファンの回転軸に垂直な面に沿って径外方向に前記ブレードを見た場合に、前記ブレードにおける送風下流側の面が見えることを特徴とする請求項1に記載の送風装置。
  3. 前記前縁における前記根元部と前記ファンの中心とを結ぶ線と、前記前縁における前記中間部と前記ファンの中心とを結ぶ線と、がなす角度は、0度以上5度以下の後退角であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の送風装置。
  4. 前記ブレードは、前記前縁における前記中間部と前記ファンの中心とを結ぶ線(rc)と、前記前縁における前記外周先端と前記ファンの中心とを結ぶ線(rb)と、がなす角度が、前記根元部側の半分における前記後退角の大きさよりも大きくなるように形成されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の送風装置。
  5. 前記ブレードは、前記中間部がなす取付角と前記外周先端がなす取付角との差が、前記根元部がなす取付角と前記中間部がなす取付角との差よりも小さくなるように形成されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の送風装置。
  6. 前記ブレードの後縁(301)は、前記後縁の根元部(301a)から前記後縁の外周先端(301b)にかけて、前記ファンの回転軸方向に関する位置が同じであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の送風装置。
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