JP2016179889A - 画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
Description
カメラで撮影された画像は、オペレータによってクレーンの操作が行われるオペレータ室に設けられたモニタに表示される。オペレータは、モニタに表示された画像を見ながらクレーンを操作して、吊り荷を所望とする場所に移動させる(例えば、特許文献1参照)。
しかし、カメラはフックの真上に設置されているのではないため、フックを吊り上げたワイヤロープは、表示部において、斜め方向に延びて映し出される。しかも、フックの位置は地上面から吊り上げられた位置にあるため、ブームを動かさずにフックを昇降のみさせた場合であっても、表示部に表示されたフックの位置は地上面等の背景画像に対して移動する。したがって、オペレータが、表示部に映し出された画像のみを見て、地上面等においてフックが降りる位置(フックの投影点)を認識するのは難しい。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、表示部に表示されたフックの、地上面等特定の高さの水平面上への投影点の位置を、オペレータに認識させ易くすることができる画像表示装置を提供することを目的とする。
[実施形態1]
<クレーン作業>
図1は、下部走行体の上に上部旋回体が設置されたクレーン800を用いて吊り荷700を移動させるクレーン作業の様子を示す模式図である。クレーン800は、伸縮、起伏及び旋回するブーム810と、昇降するフック830と、ブーム810の伸縮、起伏及び旋回、並びにフック830の昇降の操作が入力される操作部820とを備えている。ブーム810の先端に設けられたシーブには、ウインチモータで巻き上げられ又は巻き下げられるワイヤロープ840が巻き掛けられている。ワイヤロープ840には、吊り荷700が玉掛けされるフック830が吊り下げられている。そして、吊り荷700は、ウインチモータによるワイヤロープ840の巻き上げ又は巻き下げの操作によりフック830とともに昇降する。
具体的には、操作部820は、入力された操作に対応した操作信号Sを出力する。操作部820から出力された操作信号Sは、油圧ポンプ、方向制御弁、流量制御弁等の動作を制御する。そして、これら油圧ポンプ、方向制御弁、流量制御弁等の動作により、油圧モータや油圧シリンダが作動して、ブーム810の伸縮、起伏及び旋回、並びにフック830の昇降が行われる。
図2は、オペレータ室850に設置された画像表示装置100の一例を示す模式図である。監視カメラ300で撮影された画像Pは、図2に示す画像表示装置100の表示パネル12に表示される。監視カメラ300は、フック830の鉛直線上からずれた位置に設置されている。したがって、表示パネル12において、画像P中のワイヤロープ840の画像840Aは、表示パネル12の外方から斜めに延びた画像840Aとなって表示されている。
なお、監視カメラ300は、光軸が鉛直方向に延びるように設定されていて、監視カメラ300の光軸とワイヤロープ840とは、水平面上で、例えば距離D1だけ離れている。
図3は、本発明の実施形態1に係る画像表示装置100の構成を示すブロック図である。画像表示装置100は、図3に示すように、表示部10と投影対応点算出部40とを備えている。
表示部10は、入力された情報に基づいて表示する内容を処理する表示制御部11と、表示制御部11で処理された内容に応じた画像Pを表示する表示パネル12とを備えている。そして、表示制御部11は、前述したように監視カメラ300で撮影された画像Pが入力され、表示パネル12に表示させる画像Pに処理し、表示パネル12は、その処理された画像Pを表示する。画像Pにはフック830の画像830Aも含まれる。
ここで、投影対応点MAの算出について、図4,5,6を参照して以下に説明する。図4は、図1に示した模式図を簡略化した図、図5は、投影対応点MAの位置を示す図2相当の模式図、図6は、投影対応点MAを特定する印600を表示した図2相当の模式図である。
監視カメラ300の光軸とワイヤロープ840とは水平面上で例えば距離D1だけ離れているため、図5に示したように、表示パネル12に表示されたワイヤロープ840の画像840Aは、表示パネル12の外方から斜めに延びた画像840Aとなっている。そして、フック830を下降させると、表示パネル12に表示された画像Pにおけるフック830の画像830Aは、ワイヤロープ840の画像840Aに沿って下降する。
図4に示すように、ブーム810は、地上面H0から所定の高さ(地上高)h0の下部構造体の上に設置されている。ブーム810の長さL、起伏角度αのとき、ブーム810の先端から地上面H0までの距離(高さ)Hは、下記式(1)により算出される。
H=L×sinα+h0 (1)
D={H×tan(θ/2)}×2 (2)
ここで、撮影幅Dの中心位置(監視カメラ300の光軸と地上面H0との交点)をOとすると、監視カメラ300の光軸とワイヤロープ840との水平面における距離はD1であるから、地上面H0における投影点Mは、撮影幅Dの中心位置Oから距離D1だけ離れた位置となる。
D1A=D1×K (3)
したがって、表示パネル12の画像Pにおける投影対応点MAは、表示パネル12の中心位置oから、式(1)〜(3)により算出された距離D1Aの位置で、かつワイヤロープ840の画像840Aの延長線840V上の位置であることが求められる。
なお、図6においては、表示制御部11の制御により、投影対応点MAとともに、投影対応点MAまで延びたワイヤロープ840の画像840Aの延長線840Vも表示されている。この延長線840Vについては表示しなくてもよい。延長線840Vを表示した場合には、オペレータに対して、延長線840Vの長さにより、地上面H0からフック830の現在の位置までのおおよその高さを認識させることができる。
なお、印600の形態は上述した黒丸印の他、白丸印や、×印等種々の形態を適用することができ、黒丸印に限定されない。
なお、投影対応点算出部40は、式(1)〜(3)の演算に基づいて投影対応点MAの位置を算出したが、投影対応点MAの位置の算出方法は、式(1)〜(3)の演算に限定されるものではない。すなわち、具体的な演算式の内容は、監視カメラ300の設置位置やワイヤロープ840との位置関係等に応じて決まるため、これらの態様に応じて、具体的な演算式の内容は決定される。
上述した実施形態1の画像表示装置100は、フック830の地上面H0への投影点Mに対応した投影対応点MAを表示パネル12に表示するものであるが、投影対応点MAの他に、クレーン800の操作部820に入力された操作によるフック830の動きに対応した、投影対応点MAの移動する方向を特定する印500を併せて表示するようにしてもよい。
操作信号取得部20は、フック830を移動させるように操作部820に入力された操作により出力された操作信号Sを取得する。移動方向算出部30は、操作信号取得部20により取得された操作信号Sに基づいて、地上面H0等の水平面上での(水平面における)フック830の移動方向を求める。
したがって、不感帯域は、操作部820に対する操作の入力が小さい範囲で主に発生する。そして、不感帯域を超えた大きさの操作の入力により、フック830は実際に動き始める。
なお、画像表示装置100の操作信号取得部20は、少なくとも上述した不感帯域での操作信号Sを取得する。
ここで、フック830が移動することによってフック830の投影点Mが移動する方向は、フック830の移動方向に一致する。そして、表示パネル12に表示された投影対応点MAの移動方向は、フック830の画像830Aの移動方向に一致する。
そこで、表示制御部11は、フック830の画像830Aの移動方向を投影対応点MAの移動方向として適用する。すなわち、表示制御部11は、移動方向算出部30から入力された水平面上でのフック830の移動方向と、投影対応点算出部40により算出された投影対応点MAとに基づいて、表示パネル12に表示された投影対応点MAに対応させた移動方向を特定する印500(後述する図8参照)を生成する。そして、表示パネル12は、表示制御部11で生成された印500を、投影対応点MAを含む画像Pに重畳させて表示する。
各矢印500x,500yは、矢印500x,500yの先端が移動方向に一致するものとして生成される。印500zは、フック830の下降に対応して×印、上昇に対応して○印に生成される。
表示パネル12は、図8,9に示すように、フック830の移動する方向を特定する印500として2つの矢印500x,500yを、それら矢印500x,500yの各始点をフック830の画像830Aに対応させて表示する。
なお、表示パネル12に表示された画像P上における投影対応点MAの位置は、投影対応点算出部40により算出されて表示制御部11に入力されている。
なお、矢印500yは、ブーム810の伸縮の単独の操作又は起伏の単独の操作が行われている場合と、ブーム810の伸縮及び起伏の操作が同時に行われ(複合操作が行われ)、かつ旋回中心からのフック830の作業半径が変化する場合とにおいて、表示されることになる。
この場合、ブーム810が不感帯域を脱してフック830が実際に動き始めた後は、移動方向を特定する印500を表示パネル12に表示しないことにより、フック830の投影対応点MAの移動方向における背景画像が、移動方向を特定する印500によって隠されるのを防止することができる。
図10は、一方の矢印500yの傍らに、その矢印500yが表す地上面H0における長さを示す文字(例えば、長さ1[m]を表す「1m」の文字)を併せて表示した表示例を示す図である。
このように、地上面H0における矢印500yの長さを示す文字を併せて表示パネル12に表示させることにより、オペレータに、具体的な距離感や大きさに関する情報を提供することができる。
例えば、監視カメラ300のズーム倍率が大きいときは、所定の長さを示す矢印500x,500yが大きくなり過ぎて表示パネル12からはみ出すことが起こり得る。この場合には、矢印500x,500yの表示を、地上面H0での所定の長さよりも小さくすることで、表示パネル12に、矢印500x,500yの全体を表示することができる。
そして、例えば、フック830の高さが高いとき(例えば、地上高50[m]程度のとき)は、矢印500x,500yの長さを地上面H0で長さ1[m]に対応させて表示しても、表示の長さが短くなり過ぎて視認しづらくなることが起こり得る。この場合には、矢印500x,500yの表示を、地上面H0での所定の長さよりも大きくすることで、表示パネル12における、矢印500x,500yの表示を見易くすることができる。
上述した実施形態1,2は、フック830の投影点Mを、地上面H0における投影点とした例を示すものである。しかし、本発明に係る画像表示装置は、フックの投影点として地上面への投影点に限定するものではない。すなわち、本発明の画像表示装置は、フックの投影点を、図4に示すように地上面H0から高さ(地上高)hの水平面Hhへの投影点M1とし、その投影点M1に対応する、表示パネル12に表示された投影対応点M1Aを特定する印610を、フック830の画像830Aとともに表示するものであってもよい。
図11は、図7に示した画像表示装置110における投影対応点算出部40に代えて、投影対応点算出部41を備えた画像表示装置120を示すブロック図である。この画像表示装置120は、本発明に係る画像表示装置の一実施形態である。
具体的には、ブーム810の長さL、起伏角度αのとき、ブーム810の先端から地上高hの水平面Hhまでの距離(高さ)H′は、上記式(4)により算出される。
H′=H−h (4)
ただし、高さHは式(1)による。
D′={H′×tan(θ/2)}×2 (5)
ここで、撮影幅D′の中心位置(監視カメラ300の光軸と水平面Hhとの交点)をO′とすると、水平面Hhにおける投影点M1は、撮影幅D′の中心位置O′から距離D1だけ離れた位置となる。
D1A′=D1×K′ (6)
したがって、表示パネル12の画像Pにおける投影対応点M1Aは、表示パネル12の中心位置oから、式(1),(4)〜(6)により算出された距離D1A′の位置で、かつワイヤロープ840の画像840Aの延長線840V上の位置であることが求められる。
これにより、フック830を例えば地上高hのビルの屋上等に降ろす場合にも、その屋上等への投影点M1に対応する投影対応点M1Aが印600で表示されるため、表示パネル12に表示された画像Pを見ながらクレーン800の操作を行うオペレータに対して、投影点M1の位置を認識させ易くすることができる。
11 表示制御部
12 表示パネル
20 操作信号取得部
30 移動方向算出部
40 投影対応点算出部
100 画像表示装置
300 監視カメラ
800 クレーン
810 ブーム
820 操作部
830 フック
840 ワイヤロープ
Claims (7)
- クレーンのブームに設けられたカメラで撮影され、前記ブームからワイヤロープで吊り下げられたフックを含む画像を表示する表示部と、
前記フックの、予め設定された高さの水平面への投影点に対応する、前記表示部に表示された投影対応点を求める投影対応点算出部と、を備え、
前記表示部は、前記投影対応点算出部により求められた前記投影対応点を特定する印を、前記フックの画像とともに表示する画像表示装置。 - 前記フックを移動させる操作部に入力された操作により出力された操作信号を取得する操作信号取得部と、
前記操作部に入力された操作により、水平面における前記フックの移動方向を、前記操作信号取得部により取得された操作信号に基づいて求める移動方向算出部と、を備え、
前記表示部は、前記移動方向算出部により求められた前記フックの移動方向を前記投影対応点の移動方向として特定する印を、前記投影対応点を特定する印とともに表示する請求項1に記載の画像表示装置。 - 前記操作信号取得部が取得した操作信号が、前記フックを実際に動かす操作信号であるときは、前記表示部は、前記投影対応点の移動方向を特定する印を表示しない請求項2に記載の画像表示装置。
- 前記操作信号取得部が取得した操作信号が、前記ブームを伸縮させるとともに前記ブームを起伏させる複合操作に対応した操作信号である場合、
前記水平面における前記フックの投影点の旋回中心に対する半径が、前記複合操作により変化するときは、前記表示部は、前記投影対応点の半径方向の移動方向を特定する印を表示し、前記水平面における前記フックの投影点の旋回中心に対する半径が、前記複合操作により変化しないときは、前記表示部は、前記投影対応点の半径方向の移動方向を特定する印を表示しない請求項2に記載の画像表示装置。 - 前記表示部に表示された、前記投影対応点の移動方向を特定する印の長さが、前記水平面における所定の長さに対応して一定の長さを表す請求項2から4のうちいずれか1項に記載の画像表示装置。
- 前記表示部は、前記所定の長さを表す文字を、前記投影対応点の移動方向を特定する印の傍に表示する請求項5に記載の画像表示装置。
- 前記投影対応点算出部は、前記ブームの伸縮状態及び起伏状態並びに前記水平面の高さに応じて、前記投影対応点を求める請求項1から6のうちいずれか1項に記載の画像表示装置。
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