JP2016155341A - 密封容器用シート材 - Google Patents

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Abstract

【課題】シール層と内容物との接触を抑制できる密封容器用シート材を提供することを目的とする。【解決手段】基材層2に設けられた熱接着性のシール層3を接着して密封容器8を構成する密封容器用シート材1において、基材層2の全面に、気体の透過を抑制するように構成されたガスバリヤ層6が設けられ、基材層2におけるシール層3の接着部5のみにシール層3が設けられている。このような密封容器用シート材1を貼り合わせて密封容器8を構成すると、密封容器用シート材1の全面に亘ってシール層3を設ける場合に比較して、密封容器8内に露出するシール層3の面積を狭くできるため、密封容器8内の内容物とシール層3との接触を抑制でき、これによりシール層3の成分が密封容器8内に溶出したり、内容物の成分がシール層3に収着したりすることを抑制できる。【選択図】図1

Description

この発明は、接着されて密封容器を構成する密封容器用シート材に関するものである。
この種のシート材の一例が特許文献1に記載されている。そのシート材は、延伸プラスチックフィルムを基材とし、その基材における一方の面にヒートシール性を有するプラスチックフィルムを積層し、他方の面に気体の透過を抑制するガスバリヤ性を有する合成樹脂を積層して構成されている。また、特許文献2には、可撓性のシートにおける両側縁同士を接着剤を介して貼り合わせて形成される袋状の容器が記載されている。その容器は、内側に突出するように折りたたまれたひだ板によってその内部空間が2つに仕切られている。それら2つの空間のうち、一方の空間における前記ひだ板に対応する面と、前記ひだ板とが一時シールによって接着されており、他方の空間に内容物が充填されている。こうすることにより、容器の内部空間を狭めて内容物の移動を制限している。上記の一時シールは熱溶融性を有する部材によって形成されているため、内容物を加熱した場合に溶けてひだ板とそのひだ板に対応する面とが離間するようになっている。つまり、加熱によって内容物が体積膨張することに伴って容器の内部空間が拡大するようになっている。
特開2005−59262号公報 特公平1−30698号公報
上記の特許文献1に記載されたシート材を用いて袋状の容器を構成する場合には、そのシート材におけるヒートシール性のプラスチックフィルム同士を接着する。そのため、袋状の容器の内側に上記のプラスチックフィルムが配置されることになり、プラスチックフィルムと内容物とが直接接触する。その結果、上記のプラスチックフィルムの成分が溶け出したり、内容物の成分がプラスチックフィルムに収着したりする不都合が生じる可能性がある。
特許文献2に記載された構成では、内容物を加熱した場合に、上述したように、容器内に設けられた一時シールが溶ける。そして、内容物が体積膨張することに伴って容器の内部空間が拡大すると、その内部空間内を内容物が自由に移動できるようになるため、上記の溶けた一時シールと内容物とが接触する。その結果、上述したような不都合は、特許文献2に記載された発明であっても同様に生じる可能性がある。
この発明は、上記の技術的課題に着目してなされたものであって、シール層と内容物との接触を抑制できる密封容器用シート材を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、この発明は、基材層に設けられた熱接着性のシール層を接着して密封容器を構成する密封容器用シート材において、前記基材層の全面に、気体の透過を抑制するように構成されたガスバリヤ層が設けられ、前記基材層における前記シール層の接着部のみに前記シール層が設けられていることを特徴とするものである。
また、この発明における前記シール層は熱可塑性を有する合成樹脂材料の塗膜であり、前記ガスバリヤ層は他の合成樹脂材料の塗膜で構成されていてよい。
さらに、この発明では、前記基材層におけるシール層とは反対側の面にガスバリヤ層が設けられていてよい。
この発明における前記基材層は、140℃における熱収縮率がMD方向およびTD方向で0%ないし5%であってよい。
この発明によれば、密封容器用シート材における接着部のみにシール層が設けられており、そのシール層を熱接着して密封容器が形成される。このように、部分的に設けたシート材を貼り合わせて密封容器を構成した場合には、シート材の全面に亘ってシール層を設ける場合に比較して、その密封容器内に露出するシール層の面積を狭くできる。そのため、密封容器内の内容物とシール層との接触を抑制でき、これにより、シール層の成分が容器内に溶出することを抑制できる。また、内容物の成分がシール層に収着することを抑制できる。つまり、内容物の有効成分が減少することを抑制できる。さらに、シール層が形成される箇所が上記の接触部のみに限られるため、その分、シール層を構成する材料の使用量を抑制でき、これにより材料コストを削減できる。また、基材層の全面に気体の透過を抑制したガスバリヤ層が設けられているため、上述した密封容器を構成した場合に、容器の外部から内部に透過してきた酸素に内容物が暴露されたり、内容物の水分が密封容器の外部に透過して内容物が乾燥したりすることを抑制できる。それらの結果、内容物の保存性を向上させた密封容器用シート材を得ることができる。
また、この発明によれば、シール層およびガスバリヤ層は塗膜であるため、それらの層をフィルムによって形成する場合に比較してそれらの層および密封容器用シート材全体の厚さを薄くすることができる。また、各層が薄くなるだけ、密封容器用シートを形成するための材料の使用量を抑制でき、これにより材料コストを削減できる。さらに、基材層における各面のそれぞれに、塗装によってシール層およびガスバリヤ層を形成できるため、それらの層をフィルムによって形成する場合に比較して上記の密封容器用シート材を製造しやすい。また、両面印刷を行うとすれば、一度の工程で各層を形成できるため、工数を削減できるとともに、製造コストを低減できる。
さらに、この発明によれば、基材層におけるシール層とは反対側の面にガスバリヤ層が設けられ、そのガスバリヤ層が容器の内容物と接触することがないため、ガスバリヤ層による内容物の成分の収着およびガスバリヤ層からの内容物への溶出がない。
そして、この発明によれば、基材層の140℃における熱収縮率がMD方向およびTD方向で0%ないし5%であるため、基材層にシール層を部分的に形成する際に、基材層の熱収縮を抑制することができ、その結果、シール層を基材層の所定領域に精度良く形成することができる。
この発明に係る密封容器用シート材の一例を示す断面図である。 この発明に係る密封容器用シート材を貼り合わせて構成される状の密封容器の一例を示す断面図である。
この発明に係る密封容器用シート材は食品や薬品などを包装するものであり、食品や薬品などと直接接触することにより密封容器用シート材の成分が溶出したり、食品や薬品の成分が収着したりしにくいように構成されている。図1は、この発明に係る密封容器用シート材の一例を示す断面図であり、図2は、この発明に係る密封容器用シート材を貼り合わせて構成される袋状の密封容器の一例を示す断面図である。その密封容器用シート材1は、熱可塑性を有する合成樹脂材料のフィルムによって構成される基材層2を備えている。その基材層2は、少なくとも1層からなる樹脂層であり、具体的には、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン(登録商標)などのポリアミド系樹脂、エチレンビニルアルコール共重合樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのフィルムによって形成することが好ましい。特に、内容物に直接接触するフィルムは2軸延伸のフィルムによって形成することが好ましく、前記2軸延伸フィルムによって基材層2を構成すると、これとは異なるフィルムによって基材層2を構成する場合に比較して基材層2からの合成樹脂材料の成分の溶出、および、基材層2に対する内容物成分の収着を抑制できる。前記2軸延伸フィルムのうちポリエステルホモポリマーの2軸延伸フィルムは特に好ましく、当該ポリエステルホモポリマーの2軸延伸フィルムによって基材層2を構成すると、上述した合成樹脂成分の溶出および内容物成分の収着をより効果的に抑制することができる。
また、基材層2は、140℃における熱収縮率が樹脂の流れ方向(MD方向)、および、前記流れ方向に対して垂直な幅方向(TD方向)で0%から5%の範囲であることが好ましく、特に、熱収縮率が0%から3%の範囲のものを用いることが好ましい。なお、熱収縮率が0%とは実質的に熱収縮しないということである。このような基材層2を用いることにより、後述するシール層3を基材層2に部分的に形成する際に、基材層2の熱収縮による寸法変化を抑制することができる。つまり本発明の密封容器用シート材1を設計通りに形成することができる。なお、本発明では、JISZ1712に規定されている加熱収縮率試験での加熱温度を120℃から140℃に変更した以外は、前記加熱収縮率試験に則って上記の基材層2の熱収縮率を測定した。また、この基材層2に後述するシール層3となる塗料を部分的に塗布し、加熱して乾燥させ、その後に、シール層3を形成したことによる基材層2の寸法変化すなわち寸法安定性を評価した。詳細は図示しないが、本発明を適用することのできる延伸フィルムの前記熱収縮率の測定結果およびその寸法安定性を簡単に記す。例えばポリエステルの延伸フィルムにおけるMD方向の熱収縮率は1.3%であり、TD方向の熱収縮率は0.1%であった。このフィルムに部分的にシール層3を形成した。当該フィルムにシール層3を形成したことによる当該フィルムのMD方向およびTD方向での寸法変化はほぼ認められなかった。すなわちポリエステルの延伸フィルムの寸法安定性は、MD方向およびTD方向ともに問題なかった。また、ポリプロピレンの延伸フィルムにおけるMD方向の熱収縮率は5.5%であり、TD方向の熱収縮率は2.9%であった。このフィルムに上記と同様に部分的にシール層3を形成した。このポリプロピレンの延伸フィルムでは、MD方向の熱収縮による寸法変化は認められたものの、TD方向の寸法変化はほぼ認められなかった。さらに、ナイロン(登録商標)の延伸フィルムにおけるMD方向の熱収縮率は1.2%であり、TD方向の熱収縮率は0.7%であった。このフィルムに上記と同様に部分的にシール層3を形成した。当該フィルムにシール層3を形成したことによる当該フィルムのMD方向およびTD方向での寸法変化はほぼ認められなかった。それらの結果から、本発明の基材層2は、140℃における熱収縮率がMD方向およびTD方向で0%ないし5%であることが好ましく、その素材としては特に、ポリエステルの延伸フィルムを用いることが最も好ましい。
上記の基材層2における一方の面に熱接着性を有するシール層3が設けられている。この基材層2における一方の面は、図2に示すように、密封容器用シート材1同士を貼り合わせて袋状の密封容器を構成した場合に、その密封容器の内側に配置される面である。シール層3は、上記の密封容器を構成する場合に貼り合わせられる部分であり、基材層2におけるそれらの貼り合わせ部分すなわち接着部4のみに設けられている。このシール層3は、ここに示す例では、熱接着性を有するアンカー層5を備えている。そのアンカー層5は、基材層2とシール層3とを強固に接着させるものであり、上述した基材層2の一方の面における接着部4に対応する箇所に直接設けられている。このアンカー層5を覆うようにシール層3が設けられている。つまり、アンカー層5は密封容器の内部に露出しないようになっている。
上記のシール層3およびアンカー層5は塗膜であって、それらの層3,5は共に熱融着性および熱可塑性を有する合成樹脂材料を主体とする塗料を基材層2に塗布して形成されている。シール層3およびアンカー層5を形成する方法について簡単に説明する。それらの層3,5を形成する合成樹脂材料の微粒子を所定の溶媒に分散させた塗料をそれぞれ調製する。各塗料のうち、先ず、アンカー層用の塗料を基材層2の一方の面における予め定めた箇所に塗布する。この予め定めた箇所とは、2枚の密封容器用シート材1同士を貼り合わせて袋状の密封容器を形成する場合においては、上述したように、密封容器用シート材1同士の接着部4である。また、図示しない1枚の密封容器用シート材1を筒状に丸めてその両端部同士を重ね合わせて接着し袋状の密封容器を形成する場合には、接着部4は、密封容器用シート材1の両端部同士を重ね合わせた部分である。図示しないカップ状の容器の開口部を密封する蓋体として密封容器用シート材1を用いる場合には、その開口部と密封容器用シート材1との接着部である。いずれの場合であっても、基材層2における上記の接着部に対応する箇所のみにアンカー層用の塗料を塗布する。この基材層2に対するアンカー層用塗料の塗布は、グラビア印刷機を用いるなど、従来知られた塗装方法によって行うことができる。なお、アンカー層5は、シール層3と基材層2との密着性を向上するためのものであり、その必要性に応じて設ければ良いものである。また、シール層3は、その接着性や機能性に応じて2層以上形成してもよい。
その後、アンカー層用の塗料を加熱して乾燥させる。こうすることにより、アンカー層5が形成される。次いで、アンカー層5の上にシール層用の塗料を上記と同様の方法により塗布する。この場合、アンカー層5を覆い隠すようにシール層用塗料を塗布する。その後、加熱して乾燥させる。こうすることにより、シール層用の塗料中の微粒子が熱融解して薄膜となりシール層3が形成される。また、シール層3によってアンカー層5が覆われる。
シール層3を形成する合成樹脂材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコールなどを用いることができる。上記の溶媒としては、酢酸エチル等のエステル系溶媒、アジピン酸ジメチル等の二塩基酸エステル系溶媒、メチルエチルケトンやシクロヘキサノン等のケトン系溶媒、シクロヘキサン・トルエン・キシレン等の炭化水素系溶媒、ベンジルアルコール・イソプロピルアルコール・ブタノール等のアルコール系溶媒、水、あるいはこれらの混合液などを使用することができる。また、アンカー層5を形成する合成樹脂材料としては、例えば、ポリエステル系ウレタン樹脂やポリエーテル系ウレタン樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレンイミン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリイソシアネートなどを用いることができ、溶媒としては、酢酸エチル、トルエンなどを用いることができる。
基材層2における他方の面に気体の透過を抑制するガスバリヤ層6が形成されている。この基材層2における他方の面は密封容器用シート材1におけるシール層3同士を貼り合わせて図2に示す袋状の密封容器8を構成した場合に、その密封容器8の外側に配置される面である。上記のガスバリヤ層6は、例えば酸素や水蒸気、香気物質などの透過を抑制するものであり、ここに示す例では、基材層2の他方の面における全面に亘って形成されている。このガスバリヤ層6は具体的には塗膜であって、上記の各物質に対するガスバリヤ性を有する合成樹脂材料を主体とする塗料を基材層2に塗布して形成されている。その形成方法について簡単に説明すると、先ず、上記の合成樹脂材料の微粒子を所定の溶媒に分散させた塗料を調製する。この塗料を基材層2の他方の面の全面に亘って塗布する。これはシール層3やアンカー層5などと同様の方法により行うことができる。その後、加熱して乾燥させる。こうすることによりガスバリヤ層6が形成される。このガスバリヤ層6を形成する合成樹脂材料としては、エチレンビニルアルコール共重合体、ナイロン(登録商標)などのポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、アクリル系樹脂、ウレタン樹脂、セルロースなどを用いることができ、これを分散させる溶媒としては、酢酸エチル等のエステル系溶媒、アジピン酸ジメチル等の二塩基酸エステル系溶媒、メチルエチルケトンやシクロヘキサノン等のケトン系溶媒、シクロヘキサン・トルエン・キシレン等の炭化水素系溶媒、ベンジルアルコール・イソプロピルアルコール・ブタノールなどのアルコール系溶媒、水、あるいはこれらの混合液などを用いることができる。なお、ガスバリヤ層6は、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)被膜やシリカ蒸着、アルミナやアルミなどの2次元蒸着によるバリア層であってもよい。
また、図1に示す例では、基材層2とガスバリヤ層6との間に印刷層7が形成されている。つまり、基材層2における他方の面が所定の印刷を行う印刷面となっており、その印刷による塗料あるいは顔料などの層が上記の印刷層7となっている。印刷面である基材層2における他方の面に前記印刷を行った後に、上記のガスバリヤ層6が形成される。そして、上記構成の密封容器用シート材1におけるシール層3同士を対向させて配置し、それらを熱溶着機を用いて熱融着することにより図2に示す袋状の密封容器8が構成される。なお、熱溶着機には、従来知られている熱溶着機と同様のものを用いることができる。なお、印刷層7は基材層2とガスバリヤ層6との間に形成されていなくてもよく、例えば、ガスバリヤ層6の外面側に形成されていてもよい。さらに、ガスバリヤ層6は、基材層2のシール層3が形成されている面と反対側の面に形成されている必要はなく、例えば、基材層2とアンカー層5との間に形成されていてもよい。印刷層7は、内容物と直接接触する面に形成されていなければよい。但し、ガスバリヤ層6を内容物と直接接触する面に形成する場合は、ガスバリヤ層6を構成する材料を、ガスバリヤ層6の成分が容器内に溶出することを抑制でき、また、内容物の成分がガスバリヤ層6に収着することを抑制できる材料とする。なお、その材料としては、上述したポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、アクリル系樹脂やダイヤモンドライクカーボン(DLC)などが挙げられる。
上記構成の密封容器8の内面に対する内容物成分の収着、および、密封容器用シート材1からの成分の溶出について評価を行った。先ず、密封容器8の内面に対する内容物成分の収着について、この発明の実施例と比較例とを併せて説明する。
(試験1)
(実施例1)
方形あるいは矩形に加工した厚さ25μmのポリエステルホモポリマーの2軸延伸フィルムを用意し、これを基材層2とした。この基材層2における一方の面の各辺に、先ず、ドライラミネート用接着材を塗布し、乾燥してアンカー層5を形成した。その塗布量は34mg/dm2であった。このドライラミネート用接着材には、東洋モートン社製のTM−250HV/CAT−RT86L−60を用いた。このアンカー層5の上に、アンカー層5を覆い隠すように、ポリプロピレン樹脂の微粒子を含有した塗料であるEipoc(登録商標)を塗布し、上記と同様に乾燥した。これをシール層3とした。その塗布量は30mg/dm2であった。これらアンカー層5およびシール層3を形成した箇所が上述した接着部4である。次いで、このように構成した2枚の密封容器用シート材1における各シール層3同士を対向させて配置し、上述したように、それらを熱溶着機を用いて熱接着して袋状の密封容器8を構成した。またこの場合に、密封容器8内に、空気をなるべく排除しながら約90℃に調整したリモネンを含む溶液を200g充填した。これを20℃に調整したチャンバー内に静置して自然冷却するとともに、所定時間が経過した後におけるリモネンの残存量をガスクロマトグラフィーによって測定し、その残存量と後述する参考例1での残存量とを用いて密封容器8の内面に対するリモネンの収着率(%)を算出した。なお、ガスクロマトグラフィーには、従来知られているガスクロマトグラフと同様のものを用いた。
(実施例2)
基材層2の一方の面における各辺に、実施例1と同様にしてアンカー層5を形成した。アンカー層5の上に、アンカー層5を覆い隠すように、ポリエステル系樹脂の微粒子を含有した塗料を塗布し、これを乾燥してシール層3を形成した。各層3,5の塗布量は実施例1と同様になるように調整した。それ以外は、実施例1と同様とした。
(比較例1)
実施例1におけるアンカー層5およびシール層3を基材層2の一方の面における全面に亘って形成した以外は、実施例1と同様とした。
(比較例2)
実施例2におけるアンカー層5およびシール層3を基材層2の一方の面における全面に亘って形成した以外は、実施例2と同様とした。
(参考例1)
ガラス瓶に約90℃に調整したリモネンを含む溶液を200g充填し、これをコントロールとした。なお、ガラス瓶の開口部は密封した。それ以外は、実施例1と同様とした。
(評価)
実施例1,2および比較例1,2ならびに参考例1の各密封容器8の内面に対するリモネンの収着率(%)を表1に示してある。接着部4のみにシール層3を形成した実施例1および実施例2は、密封容器8の内面の全面に亘ってシール層3を形成した比較例1および比較例2と比較して、リモネンの収着率(%)が小さいことが認められた。この理由について考察すると、実施例1および実施例2では、接着部4のみにシール層3が設けられていることにより、比較例1および比較例2と比較して、密封容器8内に露出しているシール層3の面積が狭い。つまり、シール層3に対するリモネンの収着が抑制されているためであると考えられる。
Figure 2016155341
また、密封容器8の内容物を、リモネンを含む溶液からトリクロサンを含む溶液に替えて上記と同様の試験を行った。その例を実施例3および実施例4として示す。
(試験2)
(実施例3)
実施例1と同様に密封容器8を構成し、その内部に空気を押し出しながら室温に調整したトリクロサンを含む溶液を40g充填した。これを50℃に調整したチャンバー内に静置するとともに、所定時間が経過した後におけるトリクロサンの残存量を液体クロマトグラフィーによって測定し、その残存量と後述する参考例2での残存量とを用いて収着率(%)を算出した。なお、液体クロマトグラフィーは、従来知られているものと同様のものを用いた。
(実施例4)
実施例2と同様に密封容器8を構成し、その内部に空気をなるべく排除しながら室温に調整したトリクロサンを含む溶液を40g充填した以外は、実施例3と同様とした。
(比較例3)
比較例1と同様に密封容器8を構成し、その内部に空気をなるべく排除しながら室温に調整したトリクロサンを含む溶液を40g充填した以外は、実施例3と同様とした。
(比較例4)
比較例2と同様に密封容器8を構成し、その内部に空気をなるべく排除しながら室温に調整したトリクロサンを含む溶液を40g充填した以外は、実施例3と同様とした。
(参考例2)
ガラス瓶に室温に調整したトリクロサンを含む溶液を40g充填し、これをコントロールとした。それ以外は、実施例3と同様の試験を行った。
(評価)
実施例3,4および比較例3,4ならびに参考例2の各密封容器8の内面に対するトリクロサンの収着率(%)を表2に示してある。内容物がトリクロサンの場合であっても、表2に示すように、表1と同様の傾向が認められた。つまり、実施例3および実施例4では、接着部4のみにシール層3が設けられていることにより容器内に露出しているシール層3の面積が狭いため、比較例3および比較例4と比較して、シール層3に対するトリクロサンの収着が抑制されていると考えられる。
Figure 2016155341
次いで、密封容器用シート材1の成分の溶出について、この発明の実施例と比較例とを併せて説明する。
(試験3)
(実施例5)
実施例1と同様に密封容器8を構成し、その内部に空気をなるべく排除しながら約90℃に調整した蒸留水を200g充填した。これを50℃に調整したチャンバー内に静置するとともに、所定時間が経過した後における密封容器8内における全有機炭素量(以下、TOCと記す。)(ppm)を燃焼触媒酸化方式TOC計によって測定した。
(実施例6)
実施例2と同様に密封容器8を構成した以外は、実施例5と同様とした。
(比較例5)
比較例1と同様に密封容器8を構成した以外は、実施例5と同様とした。
(比較例6)
比較例2と同様に密封容器8を構成した以外は、実施例5と同様とした。
(参考例3)
ガラス瓶に約90℃に調整した蒸留水を200g充填し、これをコントロールとした。それ以外は、実施例5と同様とした。
(評価)
実施例5,6および比較例5,6ならびに参考例3の各密封容器8の内部に溶出したTOCの濃度(ppm)を表3に示してある。表3に示すように、容器の内面の全面に亘ってシール層3を形成した比較例5および比較例6と比較して、接着部4のみにシール層3を形成した実施例5および実施例6では、TOCの濃度(ppm)が低くまたその濃度の変化が小さいことが認められた。実施例5および実施例6では、接着部4のみにシール層3が設けられていることにより容器内に露出しているシール層3の面積が狭いため、比較例5および比較例6と比較して、シール層3からの成分の溶出が抑制されていると考えられる。
Figure 2016155341
したがって、この発明に係る密封容器用シート材1を使用して構成された密封容器8では、接着部4のみにシール層3が設けられているため、密封容器8内に露出するシール層3の面積を従来になく狭くすることができる。そのため、シール層3に内容物のいわゆる有効成分が収着して減少したり、シール層3から溶出した熱融着性合成樹脂材料の成分が内容物に混入したりすることを抑制できる。それらの結果、内容物の保存性を向上させた密封容器用シート材およびこれを使用した密封容器を得ることができる。
1…密封容器用シート材、 2…基材層、 3…シール層、 4…接着部、 6…ガスバリヤ層、 8…密封容器。

Claims (4)

  1. 基材層に設けられた熱接着性のシール層を接着して密封容器を構成する密封容器用シート材において、
    前記基材層の全面に、気体の透過を抑制するように構成されたガスバリヤ層が設けられ、
    前記基材層における前記シール層の接着部のみに前記シール層が設けられていることを特徴とする密封容器用シート材。
  2. 前記シール層は熱可塑性を有する合成樹脂材料の塗膜であり、前記ガスバリヤ層は他の合成樹脂材料の塗膜であることを特徴とする請求項1に記載の密封容器用シート材。
  3. 前記基材層における前記シール層とは反対側の面に前記ガスバリヤ層が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の密封容器用シート材。
  4. 前記基材層は、140℃における熱収縮率がMD方向およびTD方向で0%ないし5%であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の密封容器用シート材。
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