JP2016154743A - 送り歯着脱装置および該送り歯着脱装置を備えるミシン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ミシンの送り機構に送り歯を着脱する送り歯着脱装置であって、送り機構と連動して水平運動および上下運動を行う送り台と、前記送り台に対して取り付け位置が調整可能に取り付けられる送り歯台と、前記送り歯台に位置決め固定される送り歯とを備え、前記送り歯台は、前記送り歯を位置決めする嵌合凹部を含み、前記送り歯は、前記嵌合凹部に嵌合する取付部を含み、前記送り歯台と送り歯の取付部とを固定する固定位置と、前記固定を解除する解除位置との間を回動する着脱レバーとをさらに備えることを特徴とする。
【選択図】 図4
Description
従来から、図10(a)で示すように、送り歯51は、ねじ等の締結部材52により送り機構(送り台53)に対して着脱自在に固定されている。
より効率の良い縫製を行うためには、直線縫い、ジグザグ縫い等において、縫いに対応する針孔を有する針板および送り歯に交換する必要が生じる。
送り歯は、針板に形成された送り歯用長穴から上方に出没するが、布を巻き込まないように、針板の送り歯用長穴と送り歯との隙間は、できるだけ小さくなるように設計されている。
したがって、送り機構への送り歯の取り付けが正確に行われないと、送り歯の動作時に針板に接触してしまうおそれがある。
このため、送り歯を交換する際は、まず、針板を外し、送り歯を送り機構に仮止めし、針板を取り付ける。その後、送り歯と針板の送り歯用長穴との隙間や針落ち位置の両方を確認しながら送り歯の位置を決め、送り歯を動かさないように針板を取り外す。
最後に、送り歯の締結部材を本締めして送り機構に固定し、針板を再度取り付け、針板と送り歯との位置関係を再度確認する。もし、本締めの際に送り歯の位置ずれがあれば、再度、針板を取り外して送り歯の調節をやり直す必要がある。
このように、送り歯の交換作業は、非常に煩雑で手間がかかるため、縫製作業者が簡単に交換作業をすることができないという問題があった。
さらに、本発明のミシンとして、前記送り歯着脱装置を備えることを特徴とする構成を採用する。
図1および図2において、1はベッド部であり、2はベッド部1から筒状に延びるフリーアーム部、3はフリーアーム部2の上面に装着された針板である。
図2に示すように、針板3には、ジグザグ縫いが可能な横長の針孔4と、複数の縦長の送り歯用長穴5と、下糸ボビン交換用の開口部6とが形成されている。
図1に示すように、送り機構Aは、フリーアーム部2内で回転可能に支承された下軸10に固着された水平送りカム11により発生する前後方向の水平送り運動と下軸10に固着された上下送りカム12により発生する上下方向の上下送り運動とを合成した布送り運動を送り歯7に伝達するものである。
水平送り軸15は、下軸10に固着された水平送りカム11と嵌合する送り二又18により揺動され、水平送り腕13は、水平送り軸15の揺動を前後運動に変換して送り歯7に伝達させている。
送り台20は、下軸10に固着された上下送りカム12に追従して枢支軸19を中心に揺動され、送り歯7を針板3の送り歯用長穴5を通して出没させている。
図4に示すように、送り歯7は、下部に矩形ブロック状の取付部21を備え、取付部21は、図6(b)に示すように、その前後側面21aがテーパ形状に形成されている。
取付部21は、図3および図6(a)に示すように、その左端側に一対の差込片22が形成され、図4に示すように、右端側に傾斜面23が形成されている。
送り台20は、段差が形成された上面27を備え、上面27の上段面27aには、固定ねじ穴28が形成され、下段面27bには、レバー取付ねじ穴29が形成されている。
送り歯台30の上面には、送り歯7の取付部21が嵌合する嵌合凹部32が形成され、図6(b)に示すように、嵌合凹部32の前後面33は、テーパ形状になっている。
また、嵌合凹部32は、左面に取付部21の一対の差込片22に対応する差込受け部34が形成され、嵌合凹部32の右方は開放されている。
さらに、送り歯台30のレバー取付穴38の近傍に後述する緩み止めピン46を下から挿通させるためのピン取付穴39が形成され、図8および図9に示すように、ピン取付穴39は、内径の異なる大径部39aと小径部39bの2つの部分から構成されている。
着脱レバー40の側部には、前記着脱レバー40を回動するための把手42が延設されている。
腕部43には、後述する緩み止めピン46が嵌合するピン嵌合溝44が形成され、図7に示すように、ピン嵌合溝44の下部には、拡径溝44aが形成されている。
さらに、着脱レバー40の上端外周には、取付部21の傾斜面23と係合して取付部21を送り歯台に押し付ける偏心係合部45が形成されている。
図8に示すように、緩み止めピン46は、ピン取付穴39の下方に形成された大径部39aから挿入され、座部47は、大径部39a内を摺動でき、嵌合太軸部48は、小径部39b内を摺動できるように、それぞれ外径が設定されている。
図5に示すように、緩み止めピン46は、ピン頭部49だけでなく、嵌合太軸部48の一部が送り歯台30の上面から突出するように、座部47が圧縮ばね50により押し上げられている。
図4に示すように、送り歯台30を送り台20に取り付けるには、送り歯台30のピン取付穴39の下方から緩み止めピン46と圧縮ばね50を順に挿入した後、固定ねじ35を送り歯台30の固定穴36の上から挿入し、送り台20の固定ねじ穴28に螺合して仮止めする。
さらに、送り歯台30のレバー取付穴38のガイド凸条38aの外周に着脱レバー40の回動穴41に形成されたフランジ41aを合わせ、その上からレバー取付ねじ37を挿入し、送り台20のレバー取付ねじ穴29に螺合して仮止めする。
このようにすると、図6(b)に示すように、送り歯7の取付部21は、その前後側面21aがテーパ形状に形成され、取付部21を受ける嵌合凹部32の前後面33の形状も、同様のテーパ形状となっており、送り歯7の取付部21と送り歯台30の嵌合凹部32とが決まった位置関係で収まるようになっている。
これにより、着脱レバー40の偏心係合部45によって送り歯台30に押し付けられた送り歯7は、緩みなく固定することができるが、これだけでは、縫製作業中に着脱レバー40が緩むおそれがあるので、つぎのような対策が講じられている。
着脱レバー40を矢印方向へ回動して、着脱レバー40が図3に示す固定位置に近づくと、緩み止めピン46は、嵌合太軸部48がピン嵌合溝44の下端に衝当して、一旦、下方に押し下げられる。しかし、緩み止めピン46は、圧縮ばね50によって上方に付勢され続けているため、着脱レバー40がさらに回動して、緩み止めピン46の位置にピン嵌合溝44が来ると、それまで押し下げられていた緩み止めピン46が上昇して、嵌合太軸部48は、着脱レバー40のピン嵌合溝44の拡径溝44aに嵌り、着脱レバー40は固定位置に保持され、縫製作業中に着脱レバー40が緩むおそれがなくなる。
また、針板3をフリーアーム部2に装着した際に、送り歯7が針板3の送り歯用長穴5に接触する場合は、針板3を外して、再度、固定ねじ35とレバー取付ねじ37とを緩め、送り歯台30と送り台20との取付位置を微調整することを繰り返す。
このように、一度だけ、送り台20に対する送り歯台30の取付位置を調整しておけば、従来のように送り歯7を交換する度に再度の調整をする必要がなくなる。
すると、緩み止めピン46の嵌合太軸部48は、ピン嵌合溝44の拡径溝44aから下降して離脱することにより、着脱レバー40は、緩み止めピン46からの拘束を解かれ、自由に回動できるようになる。
そのままの状態で、図3に示すように、着脱レバー40の把手42を矢印方向へ回動すると、着脱レバー40は、図5に示す解除位置に戻り、送り歯7を送り歯台30から取り外すことができる。
1 ベッド部
2 フリーアーム部
3 針板
4 針孔
5 送り歯用長穴
6 開口部
7、51、58 送り歯
8、54 歯部
10 下軸
11 水平送りカム
12 上下送りカム
13 水平送り腕
14 ねじセンター
15 水平送り軸
16 腕部
17 枢支ピン
18 送り二又
19 枢支軸
20、53、63 送り台
21 取付部
21a 前後側面
22 差込片
23 傾斜面
24 脚部
25 従動部
26 枢支軸穴
27 上面
27a 上段面
27b 下段面
28 固定ねじ穴
29 レバー取付ねじ穴
30 送り歯台
31 底面
32 嵌合凹部
33 前後面
34 差込受け部
35 固定ねじ
36 固定穴
37 レバー取付ねじ
38 レバー取付穴
38a ガイド凸条
39 ピン取付穴
39a 大径部
39b 小径部
40 着脱レバー
41 回動穴
41a フランジ
42 把手
43 腕部
44 ピン嵌合溝
44a 拡径溝
45 偏心係合部
46 緩み止めピン
47 座部
48 嵌合太軸部
49 ピン頭部
50 圧縮ばね
52 締結部材(ねじ)
55 柄部
56 位置決めピン
57 半円筒面
59 傾斜面
60 保持部材
61 孔
62 円筒形磁石
Claims (5)
- ミシンの送り機構に送り歯を着脱する送り歯着脱装置であって、
送り機構と連動して水平運動および上下運動を行う送り台と、
前記送り台に対して取り付け位置が調整可能に取り付けられる送り歯台と、
前記送り歯台に位置決め固定される送り歯とを備え、
前記送り歯台は、前記送り歯を位置決めする嵌合凹部を含み、
前記送り歯は、前記嵌合凹部に嵌合する取付部を含み、
前記送り歯台と送り歯の取付部とを固定する固定位置と、前記固定を解除する解除位置との間を回動する着脱レバーとをさらに備えることを特徴とする送り歯着脱装置。 - 前記送り歯台は、前記着脱レバーの近傍に植設される緩み止めピンを含み、
前記着脱レバーは、半径方向に延びる腕部を含み、
前記腕部は、前記着脱レバーが前記固定位置に回動されたときに、前記緩み止めピンと嵌合するピン嵌合溝を有することを特徴とする請求項1に記載の送り歯着脱装置。 - 前記送り歯台は、前記緩み止めピンを上方に付勢する圧縮ばねを含み、
前記ピン嵌合溝は、下部に設けられる拡径溝を有し、
前記緩み止めピンは、前記ピン嵌合溝の拡径溝と嵌合する嵌合太軸部を有し、
前記緩み止めピンは、前記着脱レバーが前記解除位置から固定位置に回動されたときに、ピン嵌合溝によって押し下げられた後、再び持ち上がることにより、前記嵌合太軸部が前記拡径溝に嵌合することを特徴とする請求項2に記載の送り歯着脱装置。 - 前記着脱レバーは、固定位置で前記緩み止めピンを押し下げることにより、前記嵌合太軸部が前記拡径溝から離脱して、前記送り歯台と送り歯の取付部との固定が解除されることを特徴とする請求項3に記載の送り歯着脱装置。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の送り歯着脱装置を備えるミシン。
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