JP2016152673A - 直流電源装置 - Google Patents

Abstract

【課題】ＡＣプラグをプラグ受けから引抜くような煩雑な操作をしなくても、極めて容易に停電状態を模擬できる直流電源装置を提供する。
【解決手段】商用電源ＡＣ１から供給される交流電力を直流電力に変換して出力するＡＣ／ＤＣコンバータ１０と、前記商用電源の停電を検知して前記ＡＣ／ＤＣコンバータの出力電圧が低下する前に停電予告信号を出力する停電予告回路３０とを備えている直流電源装置１００であって、前記商用電源の非停電時に前記停電予告回路から前記停電予告信号を強制的に出力させる模擬停電状態生成スイッチＳ１と、前記模擬停電生成スイッチの操作に伴って前記停電予告回路３０からの前記停電予告信号の出力時から所定時間経過後に前記ＡＣ／ＤＣコンバータ１０の出力側給電線を遮断するスイッチ回路４０と、を備えている。
【選択図】図１

Description

本発明は、商用電源から供給される交流電力を直流電力に変換して出力するＡＣ／ＤＣコンバータと、前記商用電源の停電を検知して前記ＡＣ／ＤＣコンバータの出力電圧が低下する前に停電予告信号を出力する停電予告回路とを備えている直流電源装置に関する。

特許文献１には、トランスの１次側に電流を断続的に供給することにより、該トランスの２次側に印加された出力電圧を負荷に供給する電源装置で、トランスの１次側に設けられる平滑コンデンサの容量を低減させることが可能な電源装置を提供することを目的とした電源回路が提案されている。

当該電源回路は、商用電源の電源供給が停電により停止したことを検出する停電検出回路と、商用電源電圧を整流して平滑するために、トランスの１次側に設けられた、少なくとも平滑コンデンサを含む整流平滑回路と、該整流平滑回路によって整流されて平滑された商用電源の電圧値を検出する電圧検出回路と、該電圧検出回路によって検出された電圧値が基準電圧値を下回ったときに、停電予告信号を出力する信号出力回路と、停電検出回路による停電検出の有無に応じて、基準電圧値を可変制御する制御回路とを備えている。

特許文献２には、遊技機全体の動作を制御する主制御回路および遊技時に変化する遊技情報を記憶する主記憶回路が設けられた主制御基板と、入力電源を主制御基板に供給する出力電源に変換する電源回路が設けられた電源基板と、出力電源の状態に基づいて停電予告検出信号を出力する停電検出回路とを備え、主制御回路は、停電検出回路から出力される停電予告検出信号に基づいて、主記憶回路に記憶されている遊技情報を用いて判定情報を生成して主記憶回路に書き込む停電処理を行う遊技機が開示されている。

当該遊技機は、主制御基板に停電予告検出信号入力端子と停電予告検出信号出力端子と停電予告検出信号入力端子側に入力された停電予告検出信号を停電予告検出信号出力端子側に中継する中継回路が設けられており、主制御回路は停電予告検出信号入力端子に入力される停電予告検出信号に基づいて停電処理を行い、中継回路は停電予告検出信号を停電予告検出信号入力端子側から停電予告検出信号出力端子側に一方向に中継するように構成されている。

これにより、停電予告検出信号出力端子に接続されている信号線を短絡して、電源を遮断した後に復帰させ、主記憶回路を故意にクリアして初期化する不正を防止することができる。

特開２００１−４５７５６号公報 特開２００６−３４１０２３号公報

上述の特許文献２に記載されたような遊技機のように、メモリに記憶されているデータが、停電によって変化したり停電によって意図的に変更されたりすることを防止するために、商用電源から供給される交流電力を直流電力に変換して出力するＡＣ／ＤＣコンバータと、前記商用電源の停電を検知してＡＣ／ＤＣコンバータの出力電圧が低下する前に停電予告信号を出力する停電予告回路とを備えている直流電源装置が提供されている。このような直流電源装置に接続される負荷は遊技機に限らず、不揮発性のメモリを備えた任意の電子機器で、停電による動作の停止前に所望のデータを不揮発性のメモリ等に記憶する必要がある電子機器であってもよい。

しかし、上述した遊技機のような負荷装置が停電予告信号に基づいて適正に動作するか否かを検証するためには、直流電源装置に給電されている商用電源を模擬的に停電状態に移行させる必要があり、そのため直流電源装置のＡＣプラグを商用電源プラグ受けから引抜操作し、或いはＡＣプラグと直流電源装置を接続する給電線に開閉スイッチを設けて当該スイッチを操作する必要があった。

そのため、検証作業が非常に煩雑になるという問題や、直流電源装置への給電そのものが停止するので、当該直流電源装置が複数系統の給電線を備えている場合でも、当該直流電源装置に接続されている他の負荷装置の動作を許容しながら動作を検証することができないという問題もあった。

本発明の目的は、上述した問題点に鑑み、ＡＣプラグをプラグ受けから引抜くような煩雑な操作をしなくても、極めて容易に停電状態を模擬できる直流電源装置を提供する点にある。

上述の目的を達成するため、本発明による直流電源装置の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項１に記載した通り、商用電源から供給される交流電力を直流電力に変換して出力するＡＣ／ＤＣコンバータと、前記商用電源の停電を検知して前記ＡＣ／ＤＣコンバータの出力電圧が低下する前に停電予告信号を出力する停電予告回路とを備えている直流電源装置であって、前記商用電源の非停電時に前記停電予告回路から前記停電予告信号を強制的に出力させる模擬停電状態生成スイッチと、前記模擬停電生成スイッチの操作に伴って前記停電予告回路からの前記停電予告信号の出力時から所定時間経過後に前記ＡＣ／ＤＣコンバータの出力側給電線を遮断するスイッチ回路と、を備えている点にある。

商用電源からの給電状態が維持されているときに、模擬停電状態生成スイッチが操作されると、停電予告回路が作動して停電予告信号が出力され、停電予告信号の出力から所定時間経過するとスイッチ回路が作動して、ＡＣ／ＤＣコンバータの出力側給電線からの直流電力の給電が停止される。

同第二の特徴構成は、同請求項２に記載した通り、上述の第一の特徴構成に加えて、前記停電予告回路は、前記商用電源の電圧周波数と同期して充放電を繰り返す充放電回路と、前記充放電回路の充電電圧または放電電圧が所定の閾値を超えたときに前記停電予告信号を出力する比較回路とで構成され、前記模擬停電生成スイッチが前記充放電回路の充放電経路に設けられている点にある。

充放電回路の充放電経路に設けられた模擬停電生成スイッチが操作されることにより充電または放電が阻止され、充電電圧が閾値電圧以上に上昇し或いは放電電圧が閾値電圧以下に低下する。その状態が比較回路で検知されることで停電予告信号が出力される。尚、充放電回路は商用電源の一周期で充放電が繰り返されるように構成されているので、充放電回路の時定数及び比較回路の閾値を適切に設定すれば、商用電源の一周期で停電状態か否かを迅速に検知可能に構成することも可能になる。

同第三の特徴構成は、同請求項３に記載した通り、上述の第一または第二の特徴構成に加えて、前記スイッチ回路は、前記ＡＣ／ＤＣコンバータの出力側給電線に直列に配置された半導体スイッチ素子と、前記停電予告信号の出力時に作動して前記所定時間を計時し、前記所定時間が経過すると前記半導体スイッチ素子をオフするタイマ回路を備えて構成されている点にある。

半導体スイッチ素子が導通すると給電線を介してＡＣ／ＤＣコンバータから負荷装置に直流電力が給電され、半導体スイッチ素子が遮断されると負荷装置への給電が停止される。停電予告信号の出力時に作動するタイマ回路により所定時間後に半導体スイッチ素子が遮断されて停電状態が模擬される。

同第四の特徴構成は、同請求項４に記載した通り、上述の第三の特徴構成に加えて、前記半導体スイッチ素子がＰチャンネルＭＯＳ−ＦＥＴで構成され、前記ＭＯＳ−ＦＥＴのソース−ドレイン間を短絡する保護スイッチを設けるとともに、前記保護スイッチが前記模擬停電状態生成スイッチと同期して開閉操作可能に構成されている点にある。

半導体スイッチ素子としてＰチャンネルＭＯＳ−ＦＥＴを用いた場合、模擬停電状態生成スイッチを操作せず、商用電源が停電していない通常の状態で、負荷装置に短絡事故が発生すると、ソース−ドレイン間電圧が閾値電圧レベルで安定し、その時に流れる電流で発熱するために大きなヒートシンクを設ける必要が生じる。しかし、ソース−ドレイン間を短絡する保護スイッチを模擬停電状態生成スイッチと同期して開閉操作可能に配置すれば、当該通常の状態で保護スイッチによりソース−ドレイン間が短絡されるので、ヒートシンクを設ける必要がない。

以上説明した通り、本発明によれば、ＡＣプラグをプラグ受けから引抜くような煩雑な操作をしなくても、極めて容易に停電状態を模擬できる直流電源装置を提供することができるようになった。

本発明による直流電源装置の回路図 本発明の別実施形態を示す直流電源装置の回路図 従来の直流電源装置の回路図

以下、従来の直流電源装置と対比して本発明による直流電源装置を説明する。
図３には従来の直流電源装置１００の一例が示されている。直流電源装置１００は、商用電源ＡＣ１から供給される交流電力を直流電力に変換して出力するＡＣ／ＤＣコンバータ１０と、商用電源ＡＣ１の停電を検知してＡＣ／ＤＣコンバータ１０の出力電圧が低下する前に停電予告信号を出力する停電予告回路３０とを備えている。

ＡＣ／ＤＣコンバータ１０は、第１の全波整流回路ＤＳ１と、平滑コンデンサＣ１と、ＤＣ／ＤＣコンバータ２０を備えている。ＤＣ／ＤＣコンバータ２０は、ＤＣ１２ＶとＤＣ５Ｖの２系統の直流電圧を出力可能な２系統の降圧ＤＣ／ＤＣコンバータが内蔵されている。降圧ＤＣ／ＤＣコンバータの具体的な構成は特に制限されるものではなく、公知のスイッチングレギュレータで構成されていればよい。尚、平滑コンデンサＣ１を備えることなく、ＤＣ／ＤＣコンバータがＰＦＣコンバータで構成されていてもよい。

ＤＣ１２Ｖは、負荷装置のソレノイドコイルや電磁クラッチのようなアクチュエータ、あるいは液晶表示装置のような表示系負荷を駆動するための電源として用いられ、ＤＣ５Ｖはマイクロコンピュータ、メモリ、さらにはその周辺回路を駆動するための電源として用いられる。

停電予告回路３０は、第２の全波整流回路ＤＳ２、停電検知回路３１、フォトカップラＰＣ１、充放電回路３２、比較回路３３、停止予告信号出力回路３４等を備えて構成され、ＤＣ／ＤＣコンバータ２０から出力されるＤＣ５Ｖで駆動される。

第２の全波整流回路ＤＳ２から出力される脈流波形が停電検知回路３１で二値化されて所定デューティ比のパルス信号に波形整形され、フォトカップラＰＣ１を介して充放電回路３２に入力される。当該パルス信号は商用電源の周波数のパルス信号となり、停電が発生すると途切れるため停電状態か否かが商用電源の一周期で検知可能になる。

充放電回路３２は、パルス信号がベースに入力される入力段のトランジスタＴＲ１と、トランジスタＴＲ１のコレクタに接続された抵抗Ｒ２，Ｒ３と、トランジスタＴＲ１と抵抗Ｒ３の直列回路と並列に接続されたコンデンサＣ２とで構成されている。

トランジスタＴＲ１がオンするとコンデンサＣ２の電荷が放電され、トランジスタＴＲ１がオフすると抵抗Ｒ２を介してコンデンサＣ２が充電される。その結果、コンデンサＣ２の端子電圧は商用電源の周波数と同期してＤＣ０ＶとＤＣ５Ｖの間の所定の電圧範囲で充放電を繰り返す。

商用電源が停電すると、トランジスタＴＲ１がオフしてコンデンサＣ２の充電電圧がＤＣ５Ｖに向けて上昇する。比較回路３３は充放電回路３２の出力電圧と基準電圧Ｖｒｅｆとを比較して、充放電回路３２の出力電圧が基準電圧Ｖｒｅｆよりも上昇するとハイレベルの信号を出力する。

停止予告信号出力回路３４は、トランジスタＴＲ２と抵抗Ｒ４，Ｒ５，Ｒ６で構成され、比較回路３３から出力されたハイレベルの信号がトランジスタＴＲ２のベースに印加されると、トランジスタＴＲ２がオンして停止予告信号がハイレベルからローレベルに切り替わる。

図１には、本発明による直流電源装置１００が示されている。図３の従来の直流電源装置１００との相違点に絞って説明する。

充放電回路３２の抵抗Ｒ２，Ｒ３の接続点と抵抗Ｒ３との間に模擬停電状態生成スイッチＳ１が設けられ、模擬停電生成スイッチＳ１の操作に伴って停電予告回路３０からの停電予告信号の出力時から所定時間経過後にＤＣ／ＤＣコンバータ２０（ＡＣ／ＤＣコンバータ１０）の出力側給電線Ｌｏを遮断するスイッチ回路４０が設けられている。

通常状態で模擬停電状態生成スイッチＳ１は閉じられ、模擬停電状態を生成する場合に手動操作で開放される。模擬停電状態生成スイッチＳ１が開放されると、コンデンサＣ２から抵抗Ｒ３を経由する放電ラインが遮断されるので、抵抗Ｒ２を介してコンデンサＣ２に充電電荷が流れ込む。その結果、比較回路３３からハイレベルの信号が出力され、停止予告信号がハイレベルからローレベルに切り替わる。

当該充放電回路は所定の時定数に基づいて充放電動作が進むので、模擬停電状態生成スイッチＳ１の操作時に発生するチャタリングによって直ちに停止予告信号がハイレベルからローレベルに切り替わり、或いはローレベルからハイレベルに切り替わるようなことがない。

スイッチ回路４０は、ＤＣ／ＤＣコンバータ２０（ＡＣ／ＤＣコンバータ１０）の出力側給電線に直列に配置された半導体スイッチ素子ＴＲ４と、停電予告信号の出力時に作動して所定時間を計時し、当該所定時間が経過すると半導体スイッチ素子ＴＲ４をオフするタイマ回路５０を備えて構成されている。

タイマ回路５０は、半導体スイッチ素子ＴＲ４のソース−ゲート電圧を切り替えるトランジスタＴＲ３及び抵抗Ｒ９，Ｒ１１と、トランジスタＴＲ３のベース電圧を制御する抵抗Ｒ７，Ｒ８及びコンデンサＣ３で構成されている。

トランジスタＴＲ２のオフ時つまり停止予告信号がハイレベルのときに、トランジスタＴＲ３はオフ状態にあり、トランジスタＴＲ２のオン時つまり停止予告信号がローレベルのときに、コンデンサＣ３及び抵抗Ｒ８で構成される時定数回路で設定された所定時間が経過するとトランジスタＴＲ３はオン状態に移行する。トランジスタＴＲ３がオンすると半導体スイッチ素子ＴＲ４がオフして給電線Ｌｏが遮断され、停電状態が模擬される。

半導体スイッチ素子ＴＲ４としてＰチャンネルＭＯＳ−ＦＥＴが用いられている。模擬停電状態生成スイッチＳ１を操作せず、商用電源が停電していない通常の状態で、負荷装置に短絡事故が発生すると、ＭＯＳ−ＦＥＴのソース−ドレイン間電圧が閾値電圧レベルで安定し、その時に流れる電流で発熱するために大きなヒートシンクを設ける必要が生じる。

図２には、そのような問題に対処した回路が示されている。ＭＯＳ−ＦＥＴのソース−ドレイン間を短絡する保護スイッチＳ２が設けられ、保護スイッチＳ２が模擬停電状態生成スイッチＳ１と同期して開閉操作可能に構成されている。

ソース−ドレイン間を短絡する保護スイッチＳ２を模擬停電状態生成スイッチＳ１と同期して開閉操作可能に配置すれば、通常の状態で保護スイッチＳ２によりＭＯＳ−ＦＥＴのソース−ドレイン間が短絡されるので、負荷装置に短絡事故が発生してもＭＯＳ−ＦＥＴのソース−ドレイン間に電流が流れないので、ヒートシンクを設ける必要がない。

尚、上述した実施形態は本発明の一例に過ぎず、本発明が上述した具体例に限定されるものではなく、本発明本発明の作用効果を奏する範囲において各回路ブロックの具体的構成等を適宜変更設計できることは言うまでもない。

ＡＣ１：商用電源
１０：ＡＣ／ＤＣコンバータ
２０：ＤＣ／ＤＣコンバータ２０
３０：停電予告回路
３１：停電検知回路
３２：充放電回路
３３：比較回路
３４：停止予告信号出力回路
４０：スイッチ回路
５０：タイマ回路
１００：直流電源装置
ＤＳ１，ＤＳ２：全波整流回路

Claims (4)

1. 商用電源から供給される交流電力を直流電力に変換して出力するＡＣ／ＤＣコンバータと、前記商用電源の停電を検知して前記ＡＣ／ＤＣコンバータの出力電圧が低下する前に停電予告信号を出力する停電予告回路とを備えている直流電源装置であって、
   前記商用電源の非停電時に前記停電予告回路から前記停電予告信号を強制的に出力させる模擬停電状態生成スイッチと、
   前記模擬停電生成スイッチの操作に伴って前記停電予告回路からの前記停電予告信号の出力時から所定時間経過後に前記ＡＣ／ＤＣコンバータの出力側給電線を遮断するスイッチ回路と、
   を備えている直流電源装置。
2. 前記停電予告回路は、前記商用電源の電圧周波数と同期して充放電を繰り返す充放電回路と、前記充放電回路の充電電圧または放電電圧が所定の閾値を超えたときに前記停電予告信号を出力する比較回路とで構成され、前記模擬停電生成スイッチが前記充放電回路の充放電経路に設けられている請求項１記載の直流電源装置。
3. 前記スイッチ回路は、前記ＡＣ／ＤＣコンバータの出力側給電線に直列に配置された半導体スイッチ素子と、前記停電予告信号の出力時に作動して前記所定時間を計時し、前記所定時間が経過すると前記半導体スイッチ素子をオフするタイマ回路を備えて構成されている請求項１または２記載の直流電源装置。
4. 前記半導体スイッチ素子がＰチャンネルＭＯＳ−ＦＥＴで構成され、前記ＭＯＳ−ＦＥＴのソース−ドレイン間を短絡する保護スイッチを設けるとともに、前記保護スイッチが前記模擬停電状態生成スイッチと同期して開閉操作可能に構成されている請求項３記載の直流電源装置。

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