JP2016150541A - 透明導電部材用積層体、転写材料、透明導電部材、タッチパネル及びその製造方法、並びに、タッチパネル表示装置 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1には、基板と、上記基板上に形成され、透明導電膜がコートされたパターン部及び上記基板が露出する非パターン部からなる透明導電層と、屈折率が1.4〜1.6の樹脂からなり、上記非パターン部を充填し上記透明導電層上に形成され上記パターン部からの厚さが1〜1000μmである高分子樹脂層とを含み、上記透明導電膜は、上記基板上に形成され、屈折率が2.1〜2.7で厚さが30〜50nmの第1薄膜と、上記第1薄膜上に形成され、厚さが5〜15nmの金属薄膜と、上記金属薄膜上に形成され、屈折率が2.1〜2.7で厚さが30〜50nmの第2薄膜とを含むことを特徴とする透明導電性基材が記載されている。
また、非特許文献1には、AlN/Ag/AlNナノ積層化による低抵抗透明導電膜が記載されている。
<1>第一の層、金属層、及び、第二の層をこの順に有し、上記第一及び第二の層がそれぞれ、成分Aとして、下記a1〜a3よりなる群から選ばれた少なくとも1種と、有機樹脂とを含有し、上記第一及び第二の層の波長550nmの光での屈折率がそれぞれ、1.6〜2.0であり、上記第一及び第二の層の平均厚さがそれぞれ、10〜100nmであり、上記金属層が、銀及び/又は銅を含有し、上記金属層の平均厚さが、5〜50nmであることを特徴とする透明導電部材用積層体、
a1:アルコキシ基を有する、チタン化合物及び/又はジルコニウム化合物、
a2:チタン原子若しくはジルコニウム原子に直結するアルコキシ基を少なくとも1つ有する、チタノキサン、ジルコノキサン及び/又はチタノキサン−ジルコノキサン縮合物、
a3:チタン原子及び/又はジルコニウム原子を含有する金属酸化物、
<2>波長550nmの光での透過率が、60%以上である、<1>に記載の透明導電部材用積層体、
<3>上記第一及び第二の層中の成分Aの重量含有率がそれぞれ、20質量%以上70質量%以下である、<1>又は<2>に記載の透明導電部材用積層体、
<4>上記有機樹脂が、フルオレン環構造を有する樹脂を含有する、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の透明導電部材用積層体、
<5>上記有機樹脂が、アクリル樹脂を含有する、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の透明導電部材用積層体、
<6>上記金属層が、銀を含有する、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の透明導電部材用積層体、
<7>上記金属層が、銀合金からなる、<1>〜<6>のいずれか1つに記載の透明導電部材用積層体、
<8>上記第一及び第二の層がそれぞれ、成分Aとして、上記a1を少なくとも含む、<1>〜<7>のいずれか1つに記載の透明導電部材用積層体、
<9>上記第一及び第二の層がそれぞれ、成分Aとして、上記a3を少なくとも含む、<1>〜<7>のいずれか1つに記載の透明導電部材用積層体、
<10><1>〜<9>のいずれか1つに記載の透明導電部材用積層体を仮支持体上に有する転写材料、
<11><10>に記載の転写材料を用いて、タッチ電極を形成するタッチパネルの製造方法、
<12><1>〜<9>のいずれか1つに記載の透明導電部材用積層体を用いて形成された透明導電部材。
<13><12>に記載の透明導電部材を有するタッチパネル、
<14><12>に記載の透明導電部材を有するタッチパネル表示装置。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
また、本明細書における化学構造式は、水素原子を省略した簡略構造式で記載する場合もある。
なお、本明細書中において、“(メタ)アクリレート”はアクリレート及びメタクリレートを表し、“(メタ)アクリル”はアクリル及びメタクリルを表し、“(メタ)アクリロイル”はアクリロイル及びメタクリロイルを表す。
本発明において、「a1〜a3よりなる群から選ばれた少なくとも1種」等を、単に「成分A」等ともいう。
また、本発明において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
また、本発明において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本発明の透明導電部材用積層体は、第一の層、金属層、及び、第二の層をこの順に有し、上記第一及び第二の層がそれぞれ、成分Aとして、下記a1〜a3よりなる群から選ばれた少なくとも1種と、有機樹脂とを含有し、上記第一及び第二の層の波長550nmの光での屈折率がそれぞれ、1.6〜2.0であり、上記第一及び第二の層の平均厚さがそれぞれ、10〜100nmであり、上記金属層が、銀及び/又は銅を含有し、上記金属層の平均厚さが、5〜50nmであることを特徴とする。
a1:アルコキシ基を有する、チタン化合物及び/又はジルコニウム化合物、
a2:チタン原子若しくはジルコニウム原子に直結するアルコキシ基を少なくとも1つ有する、チタノキサン、ジルコノキサン及び/又はチタノキサン−ジルコノキサン縮合物、
a3:チタン原子及び/又はジルコニウム原子を含有する金属酸化物。
今回、本発明者らは鋭意検討した結果、特定の厚さの金属層を特定の厚さの有機無機コンポジット高屈折率材料でサンドイッチ構造にすることで、低抵抗であり、透過率が高く、耐クラック性に優れた透明導電部材用積層体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
なお、詳細な効果の発現機構は不明であるが、各層を特定の厚さとすることにより、低抵抗かつ高透過率を達成でき、更に第一及び第二の層を特性組成の有機無機コンポジット層とすることにより、高透過率であると共に柔軟性も有し、耐クラック性に優れるものと推定される。
また、本発明の透明導電部材用積層体における第一及び第二の層は、蒸着法に比べ安価な塗布法により容易に形成することができ、本発明の透明導電部材用積層体は、コストの面でも優れる。
本発明の透明導電部材用積層体は、第一の層、金属層、及び、第二の層をこの順に有し、上記金属層が、銀及び/又は銅を含有し、上記金属層の平均厚さが、5〜50nmである。
上記金属層の材質は、銀単体、銅単体、又は、これらの金属を含む合金であることが好ましく、銀単体、又は、銀合金であることがより好ましく、銀合金であることが更に好ましく、銀−パラジウム合金であることが特に好ましい。上記態様であると、5〜50nmという薄膜であっても容易に一様な層を形成することができ、抵抗をより低くすることができる。
上記合金に含有していてもよい元素としては、特に制限はないが、遷移金属元素であることが好ましく、9〜14族の遷移金属元素であることがより好ましく、パラジウム、金、ニッケル、白金、亜鉛、インジウム、スズ及び/又は鉛であることが更に好ましく、パラジウムであることが特に好ましい。
また、上記金属層における銀及び銅の総含有量は、50質量%以上であること好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることが更に好ましく、97質量%以上であることが特に好ましい。
本発明の透明導電部材用積層体は、第一の層、金属層、及び、第二の層をこの順に有し、上記第一及び第二の層がそれぞれ、成分Aとして、上記a1〜a3よりなる群から選ばれた少なくとも1種と、有機樹脂とを含有し、上記第一及び第二の層の波長550nmの光での屈折率がそれぞれ、1.6〜2.0であり、上記第一及び第二の層の平均厚さがそれぞれ、10〜100nmである。
後述するように、本発明の透明導電部材用積層体は、第一の層、金属層、及び、第二の層以外の構造を有していてもよいが、第一の層と金属層と、また、金属層と第二の層とは、直接接していることが好ましい。
また、本発明の透明導電部材用積層体における第一の層及び第二の層はそれぞれ、透明な層であることが好ましい。
屈折率の測定方法としては、25℃において、エリプソメーターVUV−VASE(ジェー・エー・ウーラム・ジャパン(株)製)を用いて、波長550nmでの屈折率を測定することができる。なお、上記第一及び第二の層の屈折率は、温度変化による値のずれは小さいが、25℃において測定することが好ましい。
また、上記第一の層の波長550nmの光での屈折率と上記第二の層の波長550nmの光での屈折率とは、同じであっても異なっていてもよいが、上記第一の層の波長550nmの光での屈折率が上記第二の層の波長550nmの光での屈折率の0.9〜1.1倍の値であることが好ましい。
また、上記第一の層の平均厚さと上記第二の層の平均厚さとは、同じであっても異なっていてもよいが、上記第一の層の平均厚さが上記第二の層の平均厚さの0.8〜1.2倍の値であることが好ましい。
本発明の透明導電部材用積層体は、上記第一及び第二の層がそれぞれ、成分Aとして、下記a1〜a3よりなる群から選ばれた少なくとも1種を含有する。
a1:アルコキシ基を有する、チタン化合物及び/又はジルコニウム化合物、
a2:チタン原子若しくはジルコニウム原子に直結するアルコキシ基を少なくとも1つ有する、チタノキサン、ジルコノキサン及び/又はチタノキサン−ジルコノキサン縮合物、
a3:チタン原子及び/又はジルコニウム原子を含有する金属酸化物。
成分Aは、a1〜a3を1種単独で含有していても、2種以上を含有していてもよい。
上記第一及び/又は第二の層が、成分Aとして、上記a1を含有する場合、同時に、上記a1を縮合したa2に該当する成分を含有していることが好ましい。
中でも、上記第一及び第二の層はそれぞれ、a3を含有することが好ましく、酸化チタン粒子、酸化ジルコニウム粒子、及び/又は、チタン原子及び/又はジルコニウム原子を含む複合酸化物粒子を含有することより好ましく、酸化チタン粒子を含有することが更に好ましい。上記態様であると、透過率がより高く、また、耐クラック性により優れる。
上記第一及び第二の層における成分Aの含有量(質量含有率)は、15〜80質量%であることが好ましく、20〜70質量%であることがより好ましく、40〜65質量%であることが更に好ましい。上記範囲であると、透過率がより高く、また、耐クラック性により優れる。
a1:アルコキシ基を有するチタン化合物及びアルコキシ基を有するジルコニウム化合物としては、チタンモノアルコキシド、チタンジアルコキシド、チタントリアルコキシド、チタンテトラアルコキシド、ジルコニウムモノアルコキシド、ジルコニウムジアルコキシド、ジルコニウムトリアルコキシド、及び、ジルコニウムテトラアルコキシドが挙げられる。これらの中でも、チタンテトラアルコキシド、及び、ジルコニウムテトラアルコキシドが好ましく挙げられる。
チタンテトラアルコキシドとしては、下記式a1−1で表されるチタンテトラアルコキシドであることが、膜物性の観点から好ましい。
また、ジルコニウムテトラアルコキシドとしては、下記式a1−2で表されるジルコニウムテトラアルコキシドであることが、膜物性の観点から好ましい。
式a1−2で表されるジルコニウムテトラアルコキシドとしては、以下の具体例に限定はされないが、例えば、ジルコニウムテトラメトキシド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトラn−プロポキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラn−ブトキシド、ジルコニウムテトライソブトキシド、ジルコニウムジイソプロポキシジn−ブトキシド、ジルコニウムジt−ブトキシジイソプロポキシド、ジルコニウムテトラt−ブトキシド、ジルコニウムテトライソオクチロキシド、ジルコニウムテトラステアリルアルコキシド等が挙げられる。
チタノキサンは、ポリチタノキサンとも称され、Ti−O−Ti結合を2以上有する化合物である。
ジルコノキサンは、ポリジルコノキサンとも称され、Zr−O−Zr結合を2以上有する化合物である。
上記チタノキサンは、下記式a2−1で表されるチタノキサンであることが膜物性の観点から好ましい。
また、上記ジルコノキサンは、下記式a2−2で表されるジルコノキサンであることが膜物性の観点から好ましい。
TiαOβ(OR)γ (a2−1)
ZrαOβ(OR)γ (a2−2)
式a2−1及び式a2−2中、Rはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、又は、炭素数7〜18のアラルキル基を表し、α、β及びγは、下記の条件a’〜c’を満たし、αは正の整数を表し、β及びγは正の数を表す。
a’:200≧α≧2、
b’:1.9α≧β≧1.0α、
c’:γ=4α−2β
上記a2におけるチタノキサン、ジルコノキサン及びチタノキサン−ジルコノキサン縮合物は、単一の組成のものであっても、2種類以上の混合物であってもよい。
チタン原子及び/又はジルコニウム原子を含む複合酸化物としては、酸化チタン、チタン複合酸化物、酸化ジルコニウム、又は、ジルコニウム複合酸化物が好ましく、酸化チタン、チタン複合酸化物、又は、酸化ジルコニウムがより好ましく、酸化チタン、又は、酸化ジルコニウムが更に好ましく、酸化チタンが特に好ましい。
酸化チタンとしては、特に屈折率の高いルチル型が好ましい。
また、a3は、金属酸化物粒子であることが好ましい。
a3としては、市販されているものを使用してもよく、例えば、酸化チタン粒子として石原産業(株)製TTOシリーズ(TTO−51(A)、TTO−51(C)など)、TTO−S、Vシリーズ(TTO−S−1、TTO−S−2、TTO−V−3など)、テイカ(株)製MTシリーズ(MT−01、MT−05など)、酸化スズ−酸化チタン複合粒子としてオプトレイクTR−502、オプトレイクTR−504、酸化ケイ素−酸化チタン複合粒子としてオプトレイクTR−503、オプトレイクTR−513、オプトレイクTR−520、オプトレイクTR−521、オプトレイクTR−527、酸化ジルコニウム粒子((株)高純度化学研究所製)、酸化スズ−酸化ジルコニウム複合粒子(日揮触媒化成工業(株)製)などが挙げられる。
透明性の観点から、a3の平均一次粒子径は、1〜200nmが好ましく、3〜80nmがより好ましく、5〜50nmが特に好ましい。ここで粒子の平均一次粒子径は、電子顕微鏡により任意の粒子200個の粒子径を測定し、その算術平均をいう。また、粒子の形状が球形でない場合には、最も長い辺を径とする。
また、a3は、適当な分散剤及び溶剤中でボールミル、ロッドミル等の混合装置を用いて混合・分散することにより調製された分散液として使用に供することもできる。
本発明の透明導電部材用積層体は、上記第一及び第二の層がそれぞれ、有機樹脂を含有する。
上記有機樹脂としては、特に制限はなく、公知の樹脂を用いることができ、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられるが、中でも、アクリル樹脂を少なくとも含むことが好ましい。上記態様であると、透過性がより高く、耐クラック性により優れる。
また、上記有機樹脂は、下記に示すような、フルオレン環構造を有していることが好ましい。フルオレン環構造を有することにより、透過性がより高くなる。
上記置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、及び、アリールチオ基が好ましく例示でき、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基がより好ましく例示でき、アルキル基が更に好ましく例示できる。
本発明の透明導電部材用積層体は、支持体を有していてもよい。
支持体を有する場合、本発明の透明導電部材用積層体は、第一の層、金属層、第二の層、及び、支持体をこの順に有することが好ましい。
支持体の材質としては、無機材料、樹脂、樹脂複合材料などが挙げられる。
無機材料としては、例えば、ガラス、石英、シリコン、シリコンナイトライド、及び、それらのような基板上にモリブデン、チタン、アルミ、銅などを蒸着した複合基板が挙げられる。
樹脂としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、アリルジグリコールカーボネート樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリベンズアゾール、ポリフェニレンサルファイド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素樹脂、液晶ポリマー、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アイオノマー樹脂、シアネート樹脂、架橋フマル酸ジエステル、環状ポリオレフィン、芳香族エーテル樹脂、マレイミド−オレフィン共重合体、セルロース、エピスルフィド樹脂等の合成樹脂が挙げられる。
これら支持体は、上記の形態のまま用いられる場合は少なく、通常、最終製品の形態によって、例えば、TFT素子のような多層積層構造が形成されている。
これらの中でも、透明支持体が好ましく挙げられ、ポリエステルフィルム又はガラス基板がより好ましく挙げられ、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム又はガラス基板が更に好ましく挙げられる。
支持体の厚さは、特に制限はないが、0.5μm〜2mmであることが好ましい。
また、支持体は、後述する転写材料における仮支持体であってもよい。
本発明の透明導電部材用積層体における第一及び第二の層はそれぞれ、第一及び第二の層形成用組成物により形成されることが好ましい。
第一及び第二の層形成用組成物は、硬化性組成物であることが好ましい。
また、第一及び第二の層形成用組成物は、感光性組成物であることが好ましく、ポジ型感光性組成物、又は、ネガ型感光性組成物であることがより好ましい。
第一及び第二の層形成用組成物は、成分Aとして、下記a1〜a3よりなる群から選ばれた少なくとも1種を含有する。
a1:アルコキシ基を有する、チタン化合物及び/又はジルコニウム化合物、
a2:チタン原子若しくはジルコニウム原子に直結するアルコキシ基を少なくとも1つ有する、チタノキサン、ジルコノキサン及び/又はチタノキサン−ジルコノキサン縮合物、
a3:チタン原子及び/又はジルコニウム原子を含有する金属酸化物。
成分Aの好ましい態様は、上述した成分Aと同様である。
成分Aの含有量は、感光性組成物の全固形分に対し、15〜80質量%であることが好ましく、20〜70質量%であることがより好ましく、40〜65質量%であることが更に好ましい。なお、感光性組成物における「固形分」とは、溶剤等の揮発性成分を除いた成分を表す。また、上記固形分は、固体でなく、液状のものであってもよいことはいうまでもない。
第一及び第二の層形成用組成物は、フルオレン化合物を含有することが好ましく、反応性基を有するフルオレン化合物を含有することがより好ましい。フルオレン化合物を用いることにより、上記有機樹脂にフルオレン環構造を容易に導入することができる。
また、上述するバインダーポリマー等の樹脂にフルオレン環を有するモノマーを共重合して、上記有機樹脂にフルオレン環構造を導入してもよい。
反応性基を有するフルオレン化合物としては、下記式Iで表される化合物が好ましく挙げられる。
また、合成及び比誘電率の観点から、Ar1fとAr2fとは同じ基であることが好ましい。
Ar1f及びAr2fはそれぞれ独立に、芳香環上に置換基を有していてもよい。
上記置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、及び、アリールチオ基が好ましく例示でき、ハロゲン原子、アルキル基、及び、アリール基がより好ましく例示でき、アルキル基、及び、アリール基が更に好ましく例示できる。
また、上記置換基同士が結合して、脂環又は芳香環を形成してもよい。
屈折率及び比誘電率の観点から、R1f及びR2fはそれぞれ独立に、ヒドロキシ基、カルボキシ基、又は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、エポキシ基及びオキセタニル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有する一価の有機基であることが好ましく、ヒドロキシ基、又は、ヒドロキシ基、エポキシ基及びオキセタニル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有する一価の有機基であることがより好ましく、エポキシ基及びオキセタニル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有する一価の有機基であることが更に好ましく、エポキシ基を有する一価の有機基であることが特に好ましい。
また、R1f及びR2fとしては、感度の観点では、ヒドロキシ基、又は、ヒドロキシ基を有する一価の有機基が好ましく、透明性の観点では、エポキシ基又はオキセタニル基を有する一価の有機基が好ましい。
更に、R1fとR2fとは、合成上の観点から、同一の基であることが特に好ましい。
また、上記一価の有機基におけるヒドロキシ基、カルボキシ基、エポキシ基及びオキセタニル基以外の部分構造としては、アルキレン基、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル基、アミド結合、及び、これらを組み合わせた構造が好ましく挙げられる。
上記一価の有機基は、エーテル結合、アルキレンオキシ基又はポリアルキレンオキシ基を有する基であることが好ましく、エーテル結合又はアルキレンオキシ基を有することがより好ましい。
また、屈折率及び比誘電率の観点から、R1及びR2はそれぞれ独立に、ヒドロキシ基、グリシジルオキシ基、3−アルキル−3−オキセタニルメチルオキシ基、グリシジルオキシアルキレンオキシ基、又はグリシジルオキシポリアルキレンオキシ基であることが好ましく、ヒドロキシ基、グリシジルオキシ基、又は、グリシジルオキシアルキレンオキシ基であることがより好ましく、グリシジルオキシ基、又は、グリシジルオキシアルキレンオキシ基であることが更に好ましく、グリシジルオキシアルキレンオキシ基であることが特に好ましい。
上記R3f及びR4fにおける一価の置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、及び、アリールチオ基が好ましく例示でき、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基がより好ましく例示でき、アルキル基が更に好ましく例示できる。
p及びqはそれぞれ独立に、0〜4の整数を表し、0〜2の整数であることが好ましく、0又は2であることがより好ましく、0であることが特に好ましい。
また、異なるR3f同士及び異なるR4f同士が結合して脂環又は芳香環を形成してもよい。上記環を形成する場合、芳香環を形成することが好ましく、フルオレン環と共に以下の環を形成することがより好ましい。
式Iで表される化合物の分子量は、現像液への溶解性及び光学特性の観点から、分子量は、1,000未満であることが好ましく、400以上1,000未満であることがより好ましく、400〜800であることが更に好ましく、400〜600であることが特に好ましい。
第一及び第二の層形成用組成物におけるフルオレン化合物の含有量は、成分Cの全含有量100質量部に対し、1〜200質量部であることが好ましく、5〜150質量部であることがより好ましく、10〜150質量部であることが更に好ましく、50〜120質量部であることが特に好ましい。上記態様であると、得られる硬化物の屈折率がより高く、比誘電率がより低く、透明性により優れる。
第一及び第二の層形成用組成物は、樹脂を含有することが好ましい。
樹脂としては、特に制限はなく、レジストに使用される公知の樹脂を好ましく用いることができる。
樹脂は、1種単独で含有していても、2種以上を含有していてもよい。
第一及び第二の層形成用組成物がポジ型感光性組成物である場合、樹脂は、酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位を有する重合体を含むことが好ましい。
なお、本発明において、「酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位」を「構成単位c1」ともいう。
また、第一及び第二の層形成用組成物がネガ型感光性組成物である場合、樹脂は、アルカリ可溶性樹脂を含むことが好ましい。
第一及び第二の層形成用組成物は、酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位を有する重合体(以下、「成分C−1」ともいう。)を含むことが好ましい。
第一及び第二の層形成用組成物は、更に、酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位を有する重合体以外の重合体を含んでいてもよい。
成分C−1は、付加重合型の樹脂であることが好ましく、(メタ)アクリル酸及び/又はそのエステルに由来する構成単位を含む重合体(アクリル樹脂)であることがより好ましい。なお、(メタ)アクリル酸及び/又はそのエステルに由来する構成単位以外の構成単位、例えば、スチレンに由来する構成単位や、ビニル化合物に由来する構成単位等を有していてもよい。
本発明における「酸基が酸分解性基で保護された基」は、酸基及び酸分解性基として公知のものを使用でき、特に限定されない。具体的な酸基としては、カルボキシル基、及び、フェノール性水酸基が好ましく挙げられる。また、酸分解性基としては、酸により比較的分解しやすい基(例えば、アセタール構造、ケタール構造、テトラヒドロピラニルエステル基、又は、テトラヒドロフラニルエステル基等のアセタール系官能基)や酸により比較的分解し難い基(例えば、tert−ブチルエステル基等の第三級アルキル基、tert−ブチルカーボネート基等の第三級アルキルカーボネート基)を用いることができる。
好ましい酸分解基としては、1−エトキシエチル基、1−ブトキシエチル基、1−ベンジルオキシエチル基、1−シクロヘキシルオキシエチル基、テトラヒドロフラニル基及びテトラヒドロピラニル基が挙げられる。
上記架橋性基は、加熱処理で硬化反応を起こす基であれば特に限定はされない。
架橋性基としては、エポキシ基、オキセタニル基、−NH−CH2−O−R(Rは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。)で表される基又はエチレン性不飽和基が好ましく、エポキシ基又はオキセタニル基がより好ましい。
エポキシ基を有する構成単位を形成するために用いられるモノマーの具体例としては、例えば、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、アクリル酸−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−3,4−エポキシブチル、アクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、メタクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、α−エチルアクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、特許第4168443号公報の段落0031〜0035に記載の脂環式エポキシ骨格を含有する化合物などが挙げられる。
オキセタニル基を有する構成単位を形成するために用いられるモノマーの具体例としては、例えば、特開2001−330953号公報の段落0011〜0016に記載のオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。
酸基としては、カルボン酸基、スルホンアミド基、ホスホン酸基、スルホン酸基、フェノール性水酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、並びに、これらの酸基の酸無水物基、及び、これらの酸基を中和し塩構造とした基等が例示され、カルボン酸基及び/又はフェノール性水酸基が好ましい。上記塩としては、特に制限はないが、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、及び、有機アンモニウム塩が好ましく例示できる。
酸基を有する構成単位としては、スチレン化合物に由来する構成単位や、ビニル化合物に由来する構成単位、(メタ)アクリル酸及び/又はそのエステルに由来する構成単位であることがより好ましい。
本発明では、特に、カルボキシル基を有する構成単位、又は、フェノール性水酸基を有する構成単位を含有することが、感度の観点で好ましい。
架橋性基を有する構成単位は、成分C−1の全構成単位に対し、5〜90モル%が好ましく、10〜80モル%がより好ましく、10〜60モル%が更に好ましい。
酸基を含む構成単位は、成分C−1の全構成単位に対し、1〜80モル%が好ましく、1〜50モル%がより好ましく、5〜40モル%が更に好ましく、5〜30モル%が特に好ましく、5〜20モル%が最も好ましい。
上記以外の構成単位は、成分C−1の全構成単位に対し、60モル%以下が好ましく、50モル%以下がより好ましく、40モル%以下が更に好ましい。下限値としては、0モル%でもよいが、例えば、1モル%以上とすることが好ましく、5モル%以上とすることがより好ましい。
なお、本発明において、「構成単位」の含有量をモル比で規定する場合、当該「構成単位」は「モノマー単位」と同義であるものとする。また、本発明において当該「モノマー単位」は、高分子反応等により重合後に修飾されていてもよい。
ポジ型感光性組成物中における成分C−1の含有量は、感光性組成物の全固形分に対して、20〜99.9質量%であることが好ましく、50〜98質量%であることがより好ましく、70〜95質量%であることが更に好ましい。含有量がこの範囲であると、現像した際のパターン形成性が良好となり、また、より高屈折率の硬化物が得られる。
第一及び第二の層形成用組成物は、解像性及び皮膜特性向上などの観点から、アルカリ可溶性樹脂(以下、「成分C−2」ともいう。)を含むことが好ましい。
成分C−2としては、特に制限はなく、公知のアルカリ可溶性樹脂を用いることができる。
アルカリ可溶性樹脂にアルカリ可溶性を付与する極性基としては、特に制限はなく、公知の極性基を有することができるが、カルボキシル基、ヒドロキシ基、リン酸基、スルホン酸基が好ましく挙げられ、カルボキシル基が特に好ましく挙げられる。
また、上記バインダーポリマーとしては、線状有機ポリマーを用いることが好ましい。このような線状有機ポリマーとしては、公知のものを任意に使用でき、アクリル樹脂であることが好ましい。線状有機ポリマーは、皮膜形成剤としてだけでなく、水、弱アルカリ水あるいは有機溶剤現像剤としての用途に応じて選択使用される。例えば、水可溶性有機ポリマーを用いると水現像が可能になる。このような線状有機ポリマーとしては、側鎖にカルボン酸基を有するラジカル重合体、例えば特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭54−92723号公報公報、特開昭59−53836号公報、特開昭59−71048号公報に記載されているもの、すなわち、カルボキシル基を有するモノマーを単独あるいは共重合させた樹脂、酸無水物を有するモノマーを単独あるいは共重合させ酸無水物ユニットを加水分解若しくはハーフエステル化若しくはハーフアミド化させた樹脂、エポキシ樹脂を不飽和モノカルボン酸及び酸無水物で変性させたエポキシアクリレート等が挙げられる。
カルボキシル基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、4−カルボキシルスチレン等が挙げられる。
酸無水物を有するモノマーとしては、無水マレイン酸等が挙げられる。
また、同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体が挙げられる。この他に水酸基を有する重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用である。
本発明に用いることができる樹脂は、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等いずれでもよい。
第一及び第二の層形成用組成物は、成分Dとして、光酸発生剤を含有することが好ましく、特に第一及び第二の層形成用組成物がポジ型感光性組成物である場合、光酸発生剤を含有することが特に好ましい。
「光」とは、その照射により光酸発生剤及び/又は後述する光重合開始剤より開始種を発生させることができるエネルギーを付与することができる活性エネルギー線であれば、特に制限はなく、広くα線、γ線、X線、紫外線(UV)、可視光線、電子線などを包含するものである。これらの中でも、紫外線を少なくとも含む光が好ましい。
また、第一及び第二の層形成用組成物がポジ型感光性組成物である場合、化学増幅型のポジ型感光性組成物(化学増幅ポジ型感光性組成物)であることが好ましく、また、活性光線に感応する光酸発生剤として1,2−キノンジアジド化合物を使用する、非化学増幅型のポジ型感光性組成物であってもよい。高感度で透明性に優れる点で、化学増幅ポジ型感光性組成物であることが好ましい。
R21のアルキル基としては、炭素数1〜10の、直鎖状又は分岐状アルキル基が好ましい。R21のアルキル基は、炭素数6〜11のアリール基、炭素数1〜10のアルコキシ基、又は、シクロアルキル基(7,7−ジメチル−2−オキソノルボルニル基などの有橋式脂環基を含む、好ましくはビシクロアルキル基等)で置換されてもよい。
R21のアリール基としては、炭素数6〜11のアリール基が好ましく、フェニル基又はナフチル基がより好ましい。R21のアリール基は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基又はハロゲン原子で置換されてもよい。
また、光酸発生剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用することもできる。
第一及び第二の層形成用組成物は、成分Eとして、エチレン性不飽和化合物を含有することが好ましく、特に第一及び第二の層形成用組成物がネガ型感光性組成物である場合、エチレン性不飽和化合物を含有することがより好ましく、3官能以上のエチレン性不飽和化合物を含有することが更に好ましい。
本発明におけるエチレン性不飽和化合物は、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれることが好ましい。このような化合物は当該技術分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定なく用いることができる。
クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。
マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726号公報記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。
また、他の成分(例えば、光重合開始剤、無機粒子等)との相溶性、分散性に対しても、エチレン性不飽和化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の他の成分の併用により相溶性を向上させうることがある。また、基板などの硬質表面との密着性を向上させる目的で特定の構造を選択することもありうる。
第一及び第二の層形成用組成物は、成分Fとして、光重合開始剤を含有することが好ましく、特に第一及び第二の層形成用組成物がネガ型感光性組成物である場合、光重合開始剤を含有することが特に好ましい。
また、光重合開始剤には、成分Dも含まれるが、光重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤であることが好ましい。
本発明に用いられる光重合開始剤は、光により分解し、エチレン性不飽和化合物等の重合性化合物の重合を開始、促進する化合物であり、波長300nm以上500nm以下の領域に吸収を有するものであることが好ましい。また、光重合開始剤は、単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
第一及び第二の層形成用組成物における光重合開始剤の含有量は、組成物中の全固形分100質量部に対して、0.5〜30質量部であることが好ましく、1〜20質量部であることがより好ましく、1〜10質量部であることが更に好ましく、1.5〜5質量部であることが特に好ましい。
第一及び第二の層形成用組成物は、成分Gとして、溶剤を含有してもよい。また、第一及び第二の層形成用組成物は、上述した成分と、更に後述の任意の成分とを溶剤に溶解及び/又は分散した液として調製されることが好ましい。
第一及び第二の層形成用組成物に使用される溶剤としては、公知の溶剤を用いることができ、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エステル類、ケトン類、アミド類、ラクトン類等が例示できる。また、特開2011−221494号公報の段落0174〜0178に記載の溶剤も挙げられる。
これら溶剤は、1種単独で又は2種以上を混合して使用することができる。本発明に用いることができる溶剤は、1種単独、又は、2種を併用することが好ましい。
沸点130℃以上160℃未満の溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(沸点146℃)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点158℃)、プロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル(沸点155℃)、プロピレングリコールメチル−n−プロピルエーテル(沸点131℃)が例示できる。
沸点160℃以上の溶剤としては、3−エトキシプロピオン酸エチル(沸点170℃)、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル(沸点176℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート(沸点160℃)、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(沸点213℃)、3−メトキシブチルエーテルアセテート(沸点171℃)、ジエチレングリコールジエチエルエーテル(沸点189℃)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点162℃)、プロピレングリコールジアセテート(沸点190℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点220℃)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(沸点175℃)、1,3−ブチレングリコールジアセテート(沸点232℃)が例示できる。
これらの中でも、溶剤としては、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類が好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが特に好ましい。
第一及び第二の層形成用組成物は、成分Hとして、アルコキシシラン化合物を含有することが好ましい。アルコキシシラン化合物を用いると、第一及び第二の層形成用組成物により形成された膜と支持体等との密着性を向上できる。
アルコキシシラン化合物としては、アルコキシ基がケイ素原子に直接結合した基を少なくとも1つ有する化合物であれば、特に制限はないが、ジアルコキシシリル基及び/又はトリアルコキシシリル基を有する化合物であることが好ましく、トリアルコキシシリル基を有する化合物であることがより好ましい。
本発明に用いることができるアルコキシシラン化合物は、基材、例えば、シリコン、酸化シリコン、窒化シリコン等のシリコン化合物、金、銅、モリブデン、チタン、アルミニウム等の金属と硬化膜との密着性を向上させる化合物であることが好ましい。具体的には、公知のシランカップリング剤等も有効である。エチレン性不飽和結合を有するシランカップリング剤が好ましい。
市販品としては、信越化学工業(株)製、KBM−403やKBM−5103が例示される。
第一及び第二の層形成用組成物、特にポジ型感光性組成物は、液保存安定性の観点から、塩基性化合物を含有することが好ましい。
塩基性化合物としては、化学増幅レジストで用いられるものの中から任意に選択して使用することができる。例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、複素環式アミン、第四級アンモニウムヒドロキシド、及び、カルボン酸の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
芳香族アミンとしては、例えば、アニリン、ベンジルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ジフェニルアミンなどが挙げられる。
複素環式アミンとしては、例えば、ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、N−メチル−4−フェニルピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、イミダゾール、ベンズイミダゾール、4−メチルイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、8−オキシキノリン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、4−メチルモルホリン、N−シクロヘキシル−N’−[2−(4−モルホリニル)エチル]チオ尿素、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.3.0]−7−ウンデセンなどが挙げられる。
第四級アンモニウムヒドロキシドとしては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムヒドロキシドなどが挙げられる。
カルボン酸の第四級アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラメチルアンモニウムベンゾエート、テトラ−n−ブチルアンモニウムアセテート、テトラ−n−ブチルアンモニウムベンゾエートなどが挙げられる。
第一及び第二の層形成用組成物における塩基性化合物の含有量は、組成物の全有機固形分に対して、0.001〜1重量%であることが好ましく、0.002〜0.5重量%であることがより好ましい。
本発明の第一及び第二の層形成用組成物は、界面活性剤を含有してもよい。
界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、又は、両性のいずれでも使用することができるが、好ましい界面活性剤はノニオン系界面活性剤である。界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤が好ましく、フッ素系界面活性剤がより好ましい。
本発明に用いることができる界面活性剤としては、例えば、市販品である、メガファックF142D、同F172、同F173、同F176、同F177、同F183、同F479、同F482、同F554、同F780、同F781、同F781−F、同R30、同R08、同F−472SF、同BL20、同R−61、同R−90(DIC(株)製)、フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431、Novec FC−4430(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG7105,7000,950,7600、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145、同S−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(旭硝子(株)製)、エフトップEF351、同352、同801、同802(三菱マテリアル電子化成(株)製)、フタージェント250(ネオス(株)製)が挙げられる。また、上記以外にも、KP(信越化学工業(株)製)、ポリフロー(共栄社化学(株)製)、エフトップ(三菱マテリアル電子化成(株)製)、メガファック(DIC(株)製)、フロラード(住友スリーエム(株)製)、アサヒガード、サーフロン(旭硝子(株)製)、PolyFox(OMNOVA社製)等の各シリーズを挙げることができる。
第一及び第二の層形成用組成物における界面活性剤の含有量は、配合する場合、組成物の全固形分に対して、0.001〜5.0質量%が好ましく、0.01〜2.0質量%がより好ましい。
界面活性剤は、1種類のみ含んでもよいし、2種類以上含んでもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
第一及び第二の層形成用組成物は、必要に応じ、熱架橋剤を含有することが好ましい。熱架橋剤を添加することにより、第一及び第二の層形成用組成物により得られる硬化膜をより強固な膜とすることができる。
熱架橋剤としては、熱によって架橋反応が起こるものであれば制限はない(ただし、成分A〜成分C及び成分Eを除く。)。例えば、特開2011−221494号公報の段落0188〜0191に記載の分子内に2個以上のエポキシ基若しくはオキセタニル基を有する化合物、特開2011−221494号公報の段落0192〜0194に記載のアルコキシメチル基含有架橋剤、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物、又は、特開2012−208200号公報の段落0147〜0149に記載のブロックイソシアネート化合物等を添加することができる。
第一及び第二の層形成用組成物中における熱架橋剤の添加量は、組成物の全固形分100質量部に対し、0.01〜50質量部であることが好ましく、0.1〜30質量部であることがより好ましく、0.5〜20質量部であることが更に好ましい。この範囲で添加することにより、機械的強度及び耐溶剤性に優れた硬化膜が得られる。熱架橋剤は複数を併用することもでき、その場合は熱架橋剤を全て合算して含有量を計算する。
第一及び第二の層形成用組成物は、成分Aとしてa3を使用する場合には、低ヘイズ化の観点から、成分Lとして、2つ以上の窒素原子を有する複素環化合物を含有することが好ましい。
成分Lとしては、2つ以上の窒素原子を有する以外は特に制限はないが、複素環の環員として2つ以上の窒素原子を有する複素環化合物であることが好ましく、1,3位に窒素原子を少なくとも有する複素環構造を有する化合物であることがより好ましく、1,3位に窒素原子を少なくとも有する5員又は6員複素環構造を有する化合物であることが更に好ましい
また、成分Lは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用することもできる。
第一及び第二の層形成用組成物における成分Lの含有量は、組成物の全固形分に対して、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜15質量%であることがより好ましく、0.5〜10質量%であることが更に好ましい。上記範囲であると、無機粒子の分散性により優れ、ヘイズがより小さい硬化物が得られる。
第一及び第二の層形成用組成物は、酸化防止剤を含有することが好ましい。
酸化防止剤としては、公知の酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤を添加することにより、硬化膜の着色を防止できる、又は、分解による膜厚減少を低減でき、また、耐熱透明性に優れるという利点がある。
このような酸化防止剤としては、例えば、リン系酸化防止剤、アミド類、ヒドラジド類、ヒンダードアミン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、アスコルビン酸類、硫酸亜鉛、糖類、亜硝酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、ヒドロキシルアミン誘導体等を挙げることができる。これらの中では、硬化膜の着色、膜厚減少の観点から特にフェノール系酸化防止剤、アミド系酸化防止剤、ヒドラジド系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤が好ましい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合してもよい。
フェノール系酸化防止剤の市販品としては、例えば、アデカスタブAO−15、アデカスタブAO−18、アデカスタブAO−20、アデカスタブAO−23、アデカスタブAO−30、アデカスタブAO−37、アデカスタブAO−40、アデカスタブAO−50、アデカスタブAO−51、アデカスタブAO−60、アデカスタブAO−70、アデカスタブAO−80、アデカスタブAO−330、アデカスタブAO−412S、アデカスタブAO−503、アデカスタブA−611、アデカスタブA−612、アデカスタブA−613、アデカスタブPEP−4C、アデカスタブPEP−8、アデカスタブPEP−8W、アデカスタブPEP−24G、アデカスタブPEP−36、アデカスタブPEP−36Z、アデカスタブHP−10、アデカスタブ2112、アデカスタブ260、アデカスタブ522A、アデカスタブ1178、アデカスタブ1500、アデカスタブC、アデカスタブ135A、アデカスタブ3010、アデカスタブTPP、アデカスタブCDA−1、アデカスタブCDA−6、アデカスタブZS−27、アデカスタブZS−90、アデカスタブZS−91(以上、(株)ADEKA製)、イルガノックス245FF、イルガノックス1010FF、イルガノックス1010、イルガノックスMD1024、イルガノックス1035FF、イルガノックス1035、イルガノックス1098、イルガノックス1330、イルガノックス1520L、イルガノックス3114、イルガノックス1726、イルガフォス168、イルガモッド295(BASF社製)、チヌビン405(BASF社製)などが挙げられる。中でも、アデカスタブAO−60、アデカスタブAO−80、イルガノックス1726、イルガノックス1035、イルガノックス1098、チヌビン405を好適に使用することができる。
また、酸化防止剤以外の添加剤として、“高分子添加剤の新展開((株)日刊工業新聞社)”に記載の各種紫外線吸収剤や、金属不活性化剤等を第一及び第二の層形成用組成物に添加してもよい。
第一及び第二の層形成用組成物は、分散剤を含有することが好ましい。分散剤を含有することにより、成分A、特にa3の組成物中での分散性をより向上させることができる。
分散剤としては、公知の分散剤を用いることができ、例えば、公知の顔料分散剤を適宜選択して用いることができる。
分散剤としては、例えば、公知の顔料分散剤を適宜選択して用いることができる。
また、分散剤としては、高分子分散剤を好ましく用いることができる。なお、高分子分散剤とは、分子量(重量平均分子量)が1,000以上の分散剤である。
第一及び第二の層形成用組成物における分散剤の含有量は、組成物の全固形分に対して、5〜70質量%の範囲が好ましく、10〜50質量%の範囲がより好ましい。
第一及び第二の層形成用組成物は、重合禁止剤を含有してもよい。重合禁止剤を含有することにより、漏れ光による重合反応が抑制され、現像性に優れる。
重合禁止剤とは、露光や熱により重合開始剤から発生した重合開始ラジカル成分に対して水素供与(又は、水素授与)、エネルギー供与(又は、エネルギー授与)、電子供与(又は、電子授与)などを実施し、重合開始ラジカルを失活させ、重合開始を禁止する役割を果たす物質である。例えば、特開2007−334322号公報の段落0154〜0173に記載の化合物などを用いることができる。
第一及び第二の層形成用組成物における重合禁止剤の含有量は、特に制限はないが、組成物の全固形分に対して、0.005〜0.5質量%であることが好ましく、0.01〜0.5質量%であることがより好ましい。重合禁止剤の配合量を調整することによって、感度を損なわずにパターニング性を向上させることができる。
第一及び第二の層形成用組成物は、マイグレーション防止剤を含有してもよい。マイグレーション防止剤を含有することにより、本発明の透明導電部材用積層体を用いて製造された電子部品の高温高湿下での信頼性が向上する。
このようなマイグレーション防止剤としては、フェノール化合物、ホスフィン化合物、イミダゾール化合物、チアゾール化合物、トリアゾール化合物、テトラゾール化合物、ピリジン化合物、ピリミジン化合物、トリアジン化合物、チオール化合物、スルフィド化合物等を挙げることができる。これらの中でもホスフィン化合物、イミダゾール化合物、チアゾール化合物、トリアゾール化合物、トリアジン化合物、チオール化合物、スルフィド化合物が好ましい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合してもよい。
マイグレーション防止剤の具体例としては、下記に示される化合物等が挙げられる。
マイグレーション防止剤の含有量は、組成物の全固形分に対して、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.2〜10質量%であることがより好ましく、0.5〜7質量%であることが特に好ましい。上記範囲であると、形成された膜の十分な硬度が得られ、かつ、マイグレーション耐性も良好となる。
第一及び第二の層形成用組成物には、上記成分に加えて、必要に応じて、増感剤、密着改良剤、酸増殖剤、現像促進剤、可塑剤、増粘剤、及び、有機又は無機の沈殿防止剤等のその他の成分を添加することができる。これらの成分については、例えば、特開2014−235216号公報、特開2009−98616号公報、特開2009−244801号公報、特開2011−221494号公報に記載のもの、その他公知のものを用いることができる。
また、その他の添加剤としては特開2012−8223号公報の段落0120〜0121に記載の熱ラジカル発生剤、国際公開第2011/136074号に記載の窒素含有化合物及び熱酸発生剤も用いることができる。
本発明の透明導電部材は、本発明の透明導電部材用積層体を用いて形成される。すなわち、本発明の透明導電部材用積層体を硬化して得られた硬化物である。
本発明の透明導電部材は、タッチパネル用のタッチセンサーや液晶ディスプレイ及び有機EL表示装置における配線素材として好適に用いることができる。タッチパネル用のタッチセンサーとしては、フィルム型のタッチセンサー及びオンセル構造タッチパネル用のタッチセンサーとして更に好適に用いられる。オンセル構造タッチパネルとは、後述するオンセル型のタッチパネル表示装置と同義である。また、本発明の透明導電部材は、本発明の透明導電部材の製造方法により得られたものであることが好ましい。
本発明の透明導電部材の製造方法は、特に制限はなく、公知の方法により第一の層、金属層及び第二の層を作製することができるが、第一及び第二の層の形成方法として、支持体又は金属層上に塗布する方法や、転写(ラミネート)する方法を挙げることができる。中でも、塗布法により形成することが好ましい。上記態様であると、コストに優れる。
金属層の形成方法として、金属含有インクを塗布する方法や、スパッタリングする方法を挙げることができる。これらの方法で層形成後、パターンニングが必要であれば、公知の方法でパターンニングすることができる。
本発明の透明導電部材の製造方法の具体例としては、以下の方法が挙げられる。
支持体上に第一の層形成用組成物を塗布し、必要に応じて乾燥し、露光を行い、必要に応じて現像を行い、第一の層を形成する。第一の層を更に熱処理してもよい。
第一の層上にスパッタリング法等により金属層を形成する。
金属層上に、第二の層形成用組成物を塗布し、必要に応じて乾燥し、露光を行い、必要に応じて現像を行い、第二の層を形成する。第二の層を更に熱処理してもよいし、第一の層も含め全体を熱処理してもよい。
これらの中でも、上記第一及び第二の層形成用組成物は、印刷法及びインクジェット法に好適に使用され、特に、スクリーン印刷法及びインクジェット法が好適である。
更に、支持体に上記第一及び第二の層形成用組成物を塗布する前に、特開2009−145395号公報に記載されているような、いわゆる、プリウェット法を適用することも可能である。
上記第一及び第二の層形成用組成物が溶剤を含有する場合、乾燥を行うことが好ましい。乾燥方法としては、塗布された組成物膜から、減圧(バキューム)及び/又は加熱等により、溶剤を除去して基板上に乾燥塗膜を形成させる方法が好ましく挙げられる。乾燥時の加熱条件は、好ましくは70〜130℃で30〜300秒間程度である。
なお、上記塗布と上記乾燥とは、この順に行っても、同時に行っても、交互に繰り返してもよい。例えば、インクジェット塗布が全て終了した後、乾燥を行ってもよいし、支持体を加熱しておき、インクジェット塗布方式による組成物の吐出を行いながら乾燥を行ってもよい。
露光光源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、LED光源、エキシマレーザー発生装置などを用いることができ、i線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)などの波長300nm以上450nm以下の波長を有する活性光線が好ましく使用できる。また、必要に応じて長波長カットフィルター、短波長カットフィルター、バンドパスフィルターのような分光フィルターを通して照射光を調整することもできる。
露光装置としては、ミラープロジェクションアライナー、ステッパー、スキャナー、プロキシミティ、コンタクト、マイクロレンズアレイ、レンズスキャナ、レーザー露光など各種方式の露光装置を用いることができる。
また、上記露光工程における露光量としても、特に制限はないが、1〜3,000mJ/cm2であることが好ましく、1〜500mJ/cm2であることがより好ましい。
上記露光は、酸素遮断された状態で行うことができる。酸素を遮断する手段としては、窒素雰囲気下で露光したり、酸素遮断膜を設けることが例示される。
また、上記露光は、組成物の少なくとも一部に行われればよく、例えば、全面露光であっても、パターン露光であってもよい。
また、上記露光後に、露光後加熱処理:Post Exposure Bake(以下、「PEB」ともいう。)を行うことができる。PEBを行う場合の温度は、30℃以上130℃以下であることが好ましく、40℃以上120℃以下がより好ましく、50℃以上110℃以下が特に好ましい。
加熱の方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、ホットプレート、オーブン、赤外線ヒーターなどが挙げられる。
また、加熱時間としては、ホットプレートの場合は1分〜30分程度が好ましく、それ以外の場合は20分〜120分程度が好ましい。この範囲で基板、装置へのダメージなく加熱することができる。
現像工程では、パターン状に露光された硬化性組成物を、溶剤やアルカリ性現像液で現像し、パターンを形成する。現像工程で使用する現像液には、塩基性化合物が含まれることが好ましい。塩基性化合物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物類;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩類;重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムなどのアルカリ金属重炭酸塩類;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、コリンヒドロキシド等のアンモニウムヒドロキシド類等のアンモニウムヒドロキシド類;ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウムなどの水溶液を使用することができる。また、上記アルカリ類の水溶液にメタノールやエタノールなどの水溶性有機溶剤や界面活性剤を適当量添加した水溶液を現像液として使用することもできる。
好ましい現像液として、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの0.4〜2.5質量%水溶液を挙げることができる。
現像液のpHは、好ましくは10.0〜14.0である。現像時間は、好ましくは30〜500秒間であり、また、現像の手法は液盛り法(パドル法)、シャワー法、ディップ法等のいずれでもよい。
現像の後に、リンス工程を行うこともできる。リンス工程では、現像後の基板を純水などで洗うことで、付着している現像液除去、現像残渣除去を行う。リンス方法は公知の方法を用いることができる。例えばシャワーリンスやディップリンスなどを挙げることができる。
パターン露光及び現像については、公知の方法や公知の現像液を用いることができる。例えば、特開2011−186398号公報、特開2013−83937号公報に記載のパターン露光方法及び現像方法を好適に用いることができる。
上記熱処理の温度としては、80℃〜300℃であることが好ましく、100℃〜280℃であることがより好ましく、120℃〜250℃であることが特に好ましい。上記態様であると、成分Aとしてa1及び/又はa2を用いた場合には、成分Aの縮合が適度に生じると推定され、硬化膜の物性により優れる。
また、上記熱処理の時間としては、特に制限はないが、1分〜360分が好ましく、5分〜240分がより好ましく、10分〜120分が更に好ましい。
また、上記本発明の硬化膜の製造方法における光及び/又は熱による硬化は、連続して行ってもよいし、逐次行ってもよい。
また、熱処理を行う際は窒素雰囲気下で行うことにより、透明性をより向上させることもできる。
熱処理工程(ポストベーク)の前に、比較的低温でベークを行った後に熱処理工程を行うこともできる(ミドルベーク工程の追加)。ミドルベークを行う場合は、90〜150℃で1〜60分加熱した後に、120〜300℃でポストベークすることが好ましい。
また、ミドルベーク、ポストベークを3段階以上の多段階に分けて加熱することもできる。このようなミドルベーク、ポストベークの工夫により、パターンのテーパー角を調整することができる。これらの加熱は、ホットプレート、オーブン、赤外線ヒーターなど、公知の加熱方法を使用することができる。
なお、ポストベークに先立ち、パターンを形成した基板に活性光線により全面再露光(ポスト露光)した後、ポストベークすることにより、各成分同士の縮合反応、及び/又は、露光部分に残存する光重合開始剤から熱分解により開始種を発生させ、架橋工程を促進する触媒として機能すると推定され、膜硬化を促進することができる。ポスト露光工程を含む場合の好ましい露光量としては、100〜3,000mJ/cm2が好ましく、100〜500mJ/cm2が特に好ましい。
本発明の転写材料は、本発明の透明導電部材用積層体を仮支持体上に有する。
本発明の転写材料中の本発明の透明導電部材用積層体における第一及び第二の層は、露光及び現像を既に行っていても、行っていなくともよいが、転写性の観点から露光現像を行う前に支持体に転写することが好ましい。
上記態様の場合、本発明の転写材料を用いて所望の基材上に本発明の透明導電部材用積層体等を転写した後、露光及び現像を行うことが好ましい。
本発明の転写材料は、仮支持体上に第二の層を形成した後に金属層を形成、その後金属層上に第一の層を形成する。この本発明の転写材料を支持体に転写することで、支持体、第一の層、金属層、第二の層がこの順に形成される。
仮支持体としては、可撓性を有することが好ましい。加圧した際、又は加熱し加圧した際に著しい変形、収縮又は伸びを生じないことが好ましい。そのような仮支持体の例としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等を挙げることができ、中でも、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
仮支持体の厚さは、特に限定はないが、5〜300μmが好ましく、20〜200μmがより好ましい。
また、仮支持体は、透明でもよいし、染料化ケイ素、アルミナゾル、クロム塩、ジルコニウム塩などを含有していてもよい。
また、仮支持体には、特開2005−221726号公報に記載の方法などにより、導電性を付与することができる。
保護剥離層の厚さは、1〜100μmであることが好ましく、5〜50μmであることがより好ましく、10〜30μmであることが特に好ましい。この厚さが1μm以上であれば、保護剥離層の強度が十分であり、破断しにくく、また、100μm以下であると保護剥離層の価格が高くならず、また、保護剥離層をラミネートする際にシワが発生しにくい。
保護剥離層は、市販のものとして、例えば、王子製紙(株)製アルファンMA−410、E−200C、E−501、信越フィルム(株)製等のポリプロピレンフィルム、帝人(株)製PS−25等のPSシリーズなどのポリエチレンテレフタレートフィルム等が挙げられるが、これに限られたものではない。また、市販のフィルムをサンドブラスト加工することにより、簡単に製造することが可能である。
保護剥離層としては、ポリエチレンフィルムなどのポリオレフィンフィルムを用いることができる。また、保護剥離層として用いられるポリオレフィンフィルムは、原材料を熱溶融し、混練、押し出し、2軸延伸、キャスティング又はインフレーション法によって好適に製造される。
本発明のタッチパネルは、本発明の透明導電部材を有するタッチパネルである。また、本発明のタッチパネルは、本発明の透明導電部材、並びに、絶縁層及び/又は保護層を少なくとも有することが好ましい。
本発明のタッチパネル表示装置は、本発明の透明導電部材を有するタッチパネル表示装置であり、本発明のタッチパネルを有するタッチパネル表示装置であることが好ましい。本発明のタッチパネルとしては、抵抗膜方式、静電容量方式、超音波方式、電磁誘導方式など公知の方式いずれでもよい。中でも、静電容量方式が好ましい。
静電容量方式のタッチパネルとしては、特開2010−28115号公報に開示されるものや、国際公開第2012/057165号に開示されるものが挙げられる。また、オンセル型(例えば、特開2013−168125号公報に図19に記載のもの、特開2012−89102号公報の図1や図5に記載のもの)、OGS型やTOL型(例えば、特開2013−54727号公報の図2に記載のもの、特開2015−15042号公報の図2、図3、図4及び図5に記載のもの)、各種アウトセル型(いわゆる、GG、G1・G2、GFF、GF2、GF1、G1Fなど)を挙げることができる。
25℃において、エリプソメーターVUV−VASE(ジェー・エー・ウーラム・ジャパン(株)製)を用いて、波長550nmでの第一の層及び第二の層の屈折率を測定した。
<分散液Pの調製>
下記組成の分散液を調合し、これをジルコニアビーズ(0.3mmφ)17,000部と混合し、ペイントシェーカーを用いて12時間分散を行った。ジルコニアビ−ズ(0.3mmφ)をろ別し、分散液Pを得た。
・二酸化チタン(石原産業(株)製、商品名:TTO−51(A)、平均一次粒径:10〜30nm):1,875部
・DISPERBYK−111(ビックケミー・ジャパン(株)製)30%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)溶液:2,200部
・溶剤 PGMEA(昭和電工(株)製):3,425部
第一及び第二の層形成用組成物として、下記組成物1を調製した。
下記組成にて、配合し混合して均一な溶液とした後、0.2μmのポアサイズを有するポリエチレン製フィルターを用いてろ過して、実施例1に用いる第一及び第二の層形成用組成物(組成物1)を調製した。得られた組成物の固形分は17.0%であった。
・溶剤EDE(ジエチレングリコールジエチルエーテル(東邦化学工業(株)製)):307.5部
・塩基性化合物I1(下記化合物、東洋化成工業(株)製、CMTU):0.02部
・重合体C1:100.0部
・光酸発生剤D1(下記化合物):1.9部
・アルコキシシラン化合物H1(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、KBM−403、信越化学工業(株)製):1.7部
・界面活性剤W1(パーフルオロアルキル基含有ノニオン界面活性剤、F−554、DIC(株)製):0.08部
・分散液P:181.7部
・下記化合物L1:0.2部
メタクリル酸(86g、1mol)を15℃に冷却しておき、カンファースルホン酸(4.6g,0.02mol)添加した。その溶液に、2−ジヒドロフラン(71g、1mol、1.0当量)を滴下した。1時間撹拌した後に、飽和炭酸水素ナトリウム(500mL)を加え、酢酸エチル(500mL)で抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥後、不溶物をろ過後40℃以下で減圧濃縮し、残渣の黄色油状物を減圧蒸留して沸点(bp.)54〜56℃/3.5mmHg留分のメタクリル酸テトラヒドロフラン−2−イル(MATHF)125gを無色油状物として得た(収率80%)。
メタクリル酸テトラヒドロフラン−2−イル(0.35モル当量)、
メタクリル酸(0.10モル当量)、
メタクリル酸グリシジル(0.45モル当量)
メタクリル酸メチル(0.10モル当量)を合計で100部、及び、
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)(120部)
の混合溶液を窒素気流下、70℃に加熱した。この混合溶液を撹拌しながら、ラジカル重合開始剤V−601(ジメチル 2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート))、和光純薬工業(株)製、12.0部)及びPGMEA(80部)の混合溶液を3.5時間かけて滴下した。滴下が終了してから、70℃で2時間反応させることにより重合体C1のPGMEA溶液を得た。更にPGMEAを添加して固形分濃度40質量%に調整した。
得られた重合体C1のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した重量平均分子量(Mw)は、15,000であった。
2−ナフトール(10g)、クロロベンゼン(30mL)の懸濁溶液に塩化アルミニウム(10.6g)、2−クロロプロピオニルクロリド(10.1g)を添加し、混合液を40℃に加熱して2時間反応させた。氷冷下、反応液に4NHCl水溶液(60mL)を滴下し、酢酸エチル(50mL)を添加して分液した。有機層に炭酸カリウム(19.2g)を加え、40℃で1時間反応させた後、2NHCl水溶液(60mL)を添加して分液し、有機層を濃縮後、結晶をジイソプロピルエーテル(10mL)でリスラリーし、ろ過、乾燥してケトン化合物(6.5g)を得た。
得られたケトン化合物(3.0g)、メタノール(30mL)の懸濁溶液に酢酸(7.3g)、50質量%ヒドロキシルアミン水溶液(8.0g)を添加し、加熱還流した。放冷後、水(50mL)を加え、析出した結晶をろ過、冷メタノール洗浄後、乾燥してオキシム化合物(2.4g)を得た。
得られたオキシム化合物(1.8g)をアセトン(20mL)に溶解させ、氷冷下トリエチルアミン(1.5g)、p−トルエンスルホニルクロリド(2.4g)を添加し、室温(25℃)に昇温して1時間反応させた。反応液に水(50mL)を添加し、析出した結晶をろ過後、メタノール(20mL)でリスラリーし、ろ過、乾燥してD1の化合物(上述の構造)(2.3g)を得た。
なお、D1の1H−NMRスペクトル(300MHz、CDCl3)は、δ=8.3(d,1H),8.0(d,2H),7.9(d,1H),7.8(d,1H),7.6(dd,1H),7.4(dd,1H),7.3(d,2H),7.1(d,1H),5.6(q,1H),2.4(s,3H),1.7(d,3H)であった。
厚さ75μmのPETフィルム(富士フイルム(株)製二軸延伸PETフィルム)上に、組成物1をスピンコーターにて塗布し、120℃のホットプレート上で120秒乾燥(プリベーク)した。次に、ghi線高圧水銀灯露光機を用いて、エネルギー強度20mW/cm2、200mJ/cm2にて所定のパターンに露光した。更に、塗布膜を140℃のオーブンで60分加熱処理(ポストベーク)を施し、第一の層を形成した。
DCマグネトロンスパッタリング(Agターゲット)により、厚さ10nmのAg合金の薄膜を形成した。
上記金属層上に、組成物1をスピンコーターにて塗布し、120℃のホットプレート上で120秒乾燥(プリベーク)した。次に、ghi線高圧水銀灯露光機を用いて、エネルギー強度20mW/cm2、200mJ/cm2にて所定のパターンに露光した。更に、塗布膜を140℃のオーブンで60分加熱処理(ポストベーク)を施し、第二の層を形成し、実施例1の透明導電部材を得た。
なお、第一の層及び第二の層の厚さは、ポストベーク後で表1に記載の厚さになるように最初の塗布膜厚を調整した。
以下の評価方法により、各実施例及び比較例における透明導電部材及び第一及び第二の層形成用組成物を用い、各種評価を行った。評価結果をまとめて表1に示す。
分光光度計((株)島津製作所製MCP−2200)を用いて、得られた透明導電部材における波長550nmの透過率を測定した。
透過率は高いほど好ましく、60%以上であることが好ましい。
三菱化学(株)製LorestaHP MCP−T410にて、得られた透明導電部材の抵抗測定(単位:Ω/□)を行った。
得られた透明導電部材(PETフィルム上に形成されている。)を10cm×1cmのテープ状にサンプルをカットし、3mm又は5mm径の円柱状のSUS(ステンレス鋼)製の棒に巻き付け、10回SUS棒への巻き付けと広げ伸ばしとを繰り返し、光学顕微鏡観察(20倍)により以下の評価基準で評価した。
5:3mm径及び5mm径の場合のいずれもクラックがなかった。
4:5mm径の場合ではクラックがなかったが、3mm径の場合ではクラックが1又は2個発見された。
3:3mm径及び5mm径の場合のいずれもクラックが1又は2個発見された。
2:5mm径の場合ではクラックが0〜2個発見され、3mm径の場合ではクラックが3個以上発見された。
1:3mm径及び5mm径の場合のいずれもクラックが3個以上発見された。
各層の厚さ、第一及び第二の層における成分Aの含有率、第一及び第二の層におけるフルオレン構造の有無、及び/又は、金属層を形成するスパッタリングターゲットを表1に記載となるように変更した以外は、実施例1と同様にして、透明導電部材を作製し、実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
なお、実施例2、4及び12のフルオレン構造ありの場合は、組成物1において、重合体C1の100.0部のうち、10部を、フルオレン構造を有する樹脂(大阪ガスケミカル(株)製、Ogusol PG−100)10部に変更して組成物1を調製した。
TiO2分散液(分散液P)をPC−200(チタノキサン、マツモトファインケミカル(株)製、固形分31.0%)を用い、第一及び第二の層における成分Aの含有率を70質量%とした以外は、実施例1と同様にして、透明導電部材を作製し、実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
TiO2分散液(分散液P)をチタニウムテトラノルマルブトキシド(和光純薬工業(株)製)をノルマルブチルアルコールで30質量%に希釈したものを用い、第一及び第二の層における成分Aの含有率を70質量%とした以外は、実施例1と同様にして、透明導電部材を作製し、実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
TiO2分散液(分散液P)を下記ZrO2分散液に変更した以外は、実施例1と同様にして、透明導電部材を作製し、実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
下記組成の分散液を調合し、これをジルコニアビーズ(0.3mmφ)17,000部と混合し、ペイントシェーカーを用いて12時間分散を行った。ジルコニアビ−ズ(0.3mmφ)をろ別し、分散液を得た。
・UEP−100:二酸化ジルコニウム、第一希元素化学工業(株)製、平均一次粒径10〜15nm:1,875部
・分散剤(DISPERBYK−111、30質量%PGMEA溶液):2,200部
・溶剤 PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート):3,425部
DISPERBYK−111:リン酸エステル構造を1以上有する高分子分散剤、ビックケミー社製
第一の層を形成する組成物1のTiO2分散液(分散液P)をPC−200(チタノキサン、マツモトファインケミカル(株)製、固形分31.0%)を用い、第二の層を形成する組成物1のTiO2分散液(分散液P)をチタニウムテトラノルマルブトキシド(和光純薬工業(株)製)をノルマルブチルアルコールで30質量%に希釈したものを用い、第一及び第二の層における成分Aの含有率を90質量%とした以外は、実施例1と同様にして、透明導電部材を作製し、実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
第一の層を形成する組成物1のTiO2分散液(分散液P)をPC−200(チタノキサン、マツモトファインケミカル(株)製、固形分31.0%)を用い、金属層を形成するスパッタリングターゲットをITOに変更し、第二の層を形成する組成物1のTiO2分散液(分散液P)をチタニウムテトラノルマルブトキシド(和光純薬工業(株)製)をノルマルブチルアルコールで30質量%に希釈したものを用い、第一及び第二の層における成分Aの含有率を90質量%とした以外は、実施例1と同様にして、透明導電部材を作製し、実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
第一及び第二の層における成分Aの含有率を20質量%とした以外は、実施例11と同様にして、透明導電部材を作製し、実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。なお、この場合、第一及び第二の層の屈折率が1.6に到達しなかった。
組成物1の代わりに組成物2を用いた以外は、実施例1と同様にして、透明導電部材を作製し、実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
・TiO2分散液(分散液P)
・M−1:多官能エチレン性不飽和化合物、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートとの質量比70:30の混合物(日本化薬(株)製)
・C−1:IRGACURE CGI−124(1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタンジオン−2−(O−ベンゾイルオキシム)、BASF社製):4質量%
・F−1:メガファックF−554(パーフルオロアルキル基含有ノニオン界面活性剤、DIC(株)製):0.1質量%
上記成分を用い、TiO2分散液及びM−1の量を表1に記載の成分Aの含有率となるように調整し、マグネチックスターラーで1時間撹拌した。次いで、0.45μmのメンブレンフィルターにてろ過を行い、組成物2を作製した。
第一の層を上記実施例14と同様に上記組成物2により形成した以外は、実施例1と同様にして、透明導電部材を作製し、実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
<転写材料の作製>
−感光性転写材料の作製−
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体(PET仮支持体)の上に、スリット状ノズルを用いて、下記処方P1からなる下塗層用塗布液を塗布、乾燥させて剥離層を形成した。次に、組成物1を用いて第二の層、実施例1と同様にスパッタリングにより金属層、組成物1を用いて第一の層を形成し、積層体を形成した。
以上のようにして、PET仮支持体上に乾燥層厚2.0μmの剥離層と、透明導電部材用積層体層を設け、140℃でガラス基板に熱ロールにて圧着して、ガラス基板/第一の層/金属層/第二の層の積層構造に構成されたサンプルを作製した。
上記サンプルを140℃60分ポストベークし透明導電部材を得た。得られた透明導電部材を、実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
・ポリビニルアルコール(PVA−105、(株)クラレ製):3.0部
・カルボキシメチルセルロース(TC−5E、信越化学工業(株)製):0.15部
・界面活性剤2(サーフロンS−131、AGCセイミケミカル(株):0.01部
・蒸留水:524部
・メタノール:429部
Claims (14)
- 第一の層、金属層、及び、第二の層をこの順に有し、
前記第一及び第二の層がそれぞれ、成分Aとして、下記a1〜a3よりなる群から選ばれた少なくとも1種と、有機樹脂とを含有し、
前記第一及び第二の層の波長550nmの光での屈折率がそれぞれ、1.6〜2.0であり、
前記第一及び第二の層の平均厚さがそれぞれ、10〜100nmであり、
前記金属層が、銀及び/又は銅を含有し、
前記金属層の平均厚さが、5〜50nmであることを特徴とする
透明導電部材用積層体。
a1:アルコキシ基を有する、チタン化合物及び/又はジルコニウム化合物、
a2:チタン原子若しくはジルコニウム原子に直結するアルコキシ基を少なくとも1つ有する、チタノキサン、ジルコノキサン及び/又はチタノキサン−ジルコノキサン縮合物、
a3:チタン原子及び/又はジルコニウム原子を含有する金属酸化物。 - 波長550nmの光での透過率が、60%以上である、請求項1に記載の透明導電部材用積層体。
- 前記第一及び第二の層中の成分Aの質量含有率がそれぞれ、20質量%以上70質量%以下である、請求項1又は2に記載の透明導電部材用積層体。
- 前記有機樹脂が、フルオレン環構造を有する樹脂を含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の透明導電部材用積層体。
- 前記有機樹脂が、アクリル樹脂を含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の透明導電部材用積層体。
- 前記金属層が、銀を含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の透明導電部材用積層体。
- 前記金属層が、銀合金からなる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の透明導電部材用積層体。
- 前記第一及び第二の層がそれぞれ、成分Aとして、前記a1を少なくとも含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の透明導電部材用積層体。
- 前記第一及び第二の層がそれぞれ、成分Aとして、前記a3を少なくとも含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の透明導電部材用積層体。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の透明導電部材用積層体を仮支持体上に有する転写材料。
- 請求項10に記載の転写材料を用いて、タッチ電極を形成するタッチパネルの製造方法。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の透明導電部材用積層体を用いて形成された透明導電部材。
- 請求項12に記載の透明導電部材を有するタッチパネル。
- 請求項12に記載の透明導電部材を有するタッチパネル表示装置。
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