JP2016145479A - 建物の接合構造及びその施工方法 - Google Patents

建物の接合構造及びその施工方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016145479A
JP2016145479A JP2015022673A JP2015022673A JP2016145479A JP 2016145479 A JP2016145479 A JP 2016145479A JP 2015022673 A JP2015022673 A JP 2015022673A JP 2015022673 A JP2015022673 A JP 2015022673A JP 2016145479 A JP2016145479 A JP 2016145479A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
building
frame
floor panel
joining
wall panel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015022673A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6386390B2 (ja
Inventor
直子 木瀬
Naoko Kise
直子 木瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP2015022673A priority Critical patent/JP6386390B2/ja
Publication of JP2016145479A publication Critical patent/JP2016145479A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6386390B2 publication Critical patent/JP6386390B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】 建物ユニット等の建物構造体を構成する床パネルと壁パネルを隙間なく連結するとともに、建物構造体の床パネルが下部構造体に対して変位することを防止し、更に下部構造体に対する建物全体の引抜き耐力を向上すること。
【解決手段】 ユニット建物において、基礎10から上方に突出する固定ボルト12を有し、床パネル40の側から延出して該床パネル40の上方にまで延在する連結具60を壁パネル50に連結してなり、連結具60の連結ボルト62が螺着される長ナット63を備えた下座金61が、床パネル40の下端部の接合用枠材44の下に添設されるともに、基礎10の上に載置され、基礎10から突出する固定ボルト12が、上記下座金61に備えた筒状部材64を貫通し、該筒状部材64に締結され、下座金61に備えた長ナット63と筒状部材64とが互いに密着して配置されてなるもの。
【選択図】 図1

Description

本発明は建物の接合構造及びその施工方法に関する。
従来のユニット建物等の建物では、建物ユニット等の建物構造体を基礎や下階建物構造体等の下部構造体の上に据付けて構築される。
従来のユニット建物は、特許文献1に記載の如く、工場において壁パネルと床パネルとを接合して建物ユニットを製造した後、該建物ユニットを建設現場において下部構造体と接合される。
そして、建物ユニットの製造工程では、床パネルの下端部の接合用枠材(土台又は頭つなぎ)の側から該床パネルの上方にまで延在する連結ボルトが、壁パネルの壁枠組内に配設された枠状金具のナットに螺着される。これにより、建物ユニットを構成する床パネルと壁パネルを隙間なく連結し、建物ユニットの高さ寸法精度の向上を図っている。
また、従来のユニット建物では、建物ユニットを基礎や下階建物ユニット等の下部構造体の上に据付けるとき、特許文献2に記載の如く、下部構造体から突出する接続ボルト(アンカーボルト又はジョイントボルト)を、建物ユニットにおける床パネルの下端部の接合用枠材に設けたボルト挿通孔に通してその上方へ突出し、この接続ボルトの突出端にナットを螺着している。これにより、建物ユニットの床パネルを下部構造体に締結し、建物ユニットの床パネルが下部構造体に対して上方向及び水平方向へ変位することの防止を図っている。
特開平9-125525号公報 特許3739245号公報
特許文献1に記載の建物ユニットを特許文献2に記載のユニット建物において採用するものとすれば、特許文献1に記載の連結ボルトによって建物ユニットを構成する床パネルと壁パネルを隙間なく連結することができ、特許文献2に記載の接続ボルトによって建物ユニットの床パネルが下部構造体に対して変位することを防止できる。
しかしながら、特許文献1に記載の建物ユニットを特許文献2に記載のユニット建物において採用したときには、下部構造体から突出して建物ユニットにおける床パネルに締結される接続ボルトと、建物ユニットにおける床パネルの側から延在して壁パネルに連結される連結ボルトとが、互いに直に連結されていない。このため、建物ユニットの壁パネルに作用する引抜き力は、当該建物ユニットの壁パネルから床パネルに上述の連結ボルトにより伝達されるものの、下部構造体に設けられている接続ボルトに対しては当該建物ユニットにおける床パネルの下端部の接合用枠材を介して間接的にのみ伝達されるものになり、下部構造体に対する建物全体の引抜き耐力の向上に限界がある。
本発明の課題は、建物ユニット等の建物構造体を構成する床パネルと壁パネルを隙間なく連結するとともに、建物構造体の床パネルが下部構造体に対して変位することを防止し、更に下部構造体に対する建物全体の引抜き耐力を向上することにある。
請求項1に係る発明は、下部構造体の上に建物構造体を据付けて構築され、建物構造体が床パネルの上に壁パネルを立設して形成されてなる建物の接合構造において、下部構造体から上方に突出する固定具を有し、床パネルの側から延出して該床パネルの上方にまで延在する連結具を壁パネルに連結してなり、連結具の連結ボルトが螺着されるナットを備えた下座金が、床パネルの下端部の接合用枠材の下に添設されるともに、下部構造体の上に載置され、下部構造体から突出する固定具が、上記下座金に備えた筒状部材を貫通し、該筒状部材に締結され、下座金に備えたナットと筒状部材とが互いに密着して配置されてなるようにしたものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において更に、前記下部構造体から上方に突出する接続具を有し、この接続具が接合用枠材を貫通し、該接合用枠材に締結されてなるようにしたものである。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明において更に、前記壁パネルが上枠、下枠及び縦枠からなる壁枠組を有し、該壁パネルの隣り合う一対の縦枠の間の下枠上に枠状金具が配設されてなり、前記連結具の上端部が壁パネルの内部の上記枠状金具を貫通し、該枠状金具に締結されてなるようにしたものである。
請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明において更に、前記連結具が、前記下座金の上面にナットを溶接されるとともに、このナットに連結ボルトを螺着されてなり、上記連結ボルトの上端部が壁パネルの内部の前記枠状金具を貫通し、該枠状金具にセットしたナットに螺着されてなるようにしたものである。
請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれかに係る発明において更に、前記連結具の下座金が、建物構造体における床パネルの下端部の接合用枠材に固定的に取付けられるようにしたものである。
請求項6に係る発明は、請求項1〜5のいずれかに係る発明において更に、前記下部構造体が基礎であり、前記固定具が基礎に植設された固定ボルトであるようにしたものである。
請求項7に係る発明は、請求項1〜6のいずれかに係る発明において更に、前記建物構造体が建物ユニットであるようにしたものである。
請求項8に係る発明は、請求項1〜7のいずれかに記載の建物の接合構造の施工方法であって、工場において前記壁パネルと床パネルとを接合して建物ユニットを製造した後、該建物ユニットを建設現場において下部構造体と接合するようにしたものである。
(請求項1)
(a)連結具により、建物構造体を構成する床パネルと壁パネルを隙間なく連結し、建物構造体の高さ寸法精度を向上できる。
(b)下部構造体から上方に突出する固定具が、上記連結具の連結ボルトと螺着されるナットを備えた下座金の筒状部材に締結される。床パネルと壁パネルが連結具により連結されてなる建物構造体の全体が、連結具の連結ボルト及び下座金並びに固定具により下部構造体に固定されるものになり、建物構造体の床パネルが下部構造体に対して上方向及び水平方向へ変位することを防止できる。
(c)下部構造体から上方に突出する固定具が、上記連結具の連結ボルトと螺着されるナットを備えた下座金の筒状部材に締結される。これにより、下部構造体から突出する固定具と、建物構造体における床パネルの側から上方に延在して壁パネルに連結される連結具とが、該連結具の下座金によって連結される。このため、建物構造体の壁パネルに作用する引抜き力は、当該建物構造体の壁パネルから上述の床パネルに連結具によって伝達された後、この連結具の下座金に連結されている固定具により、該固定具が設けられている下部構造体に確実に伝達される。従って、下部構造体に対する建物全体の引抜き耐力を向上することができる。
(d)建物構造体の壁パネルに作用した引抜き力が連結具の連結ボルト及び下座金並びに固定具により下部構造体に伝達されるとき、その引抜き力に起因して固定具まわりに生ずるモーメントM(M=連結具に働く引抜き力P×連結具と固定具の軸間距離L)が、下座金、及びこの下座金に添設されている接合用枠材に曲げ変形を生じさせようとする。このとき、下座金に備えて連結具が螺着されるナットと、下座金に備えて固定具が締結される筒状部材とが互いに密着して近接し、上述のLを最小化し、ひいては上述のMを最小化するものになり、結果として下座金及び接合用枠材の曲げ変形を抑制するものになる。従って、下部構造体に対する建物全体の引抜き耐力を一層向上することができる。
(請求項2)
(e)下部構造体から上方に突出する接続具が、建物構造体における床パネルの下端部の接合用枠材に締結される。これにより、建物構造体の床パネルが下部構造体に対して上方向及び水平方向へ変位することを一層確実に防止できる。
(請求項3)
(f)床パネルの下端部の接合用枠材の側から延在させた連結具の上端部が、壁パネルの壁枠組に配設した枠状金具に締結される。これにより、建物構造体を構成する床パネルと壁パネルを隙間なく連結できる。
(請求項4)
(g)連結具が下座金の上面にナットを溶接されるとともに、このナットに連結ボルトが螺着される。これにより、連結具を構成する連結ボルトの上端部を上述(f)の枠状金具に確実に締結できる。
(請求項5)
(h)連結具の下座金が、建物構造体における床パネルの下端部の接合用枠材に固定的に取付けられる。床パネルの下端部の接合用枠材の側から該床パネルの上方にまで延在する連結具を該床パネルにセットするに際し、裏返しにした床パネルにおける接合用枠材の上向き面に対して連結具の下座金を簡易に取付けて固定化でき、その後この床パネルの上に壁パネルを立設するために該床パネルを裏返しの状態から反転させて正立させたとき、連結具の下座金を床パネルの下端部の接合用枠材から落下させることなく固定的に維持できる。これにより、連結具の下座金が床パネルの下端部の接合用枠材に添設される建物構造体の組立作業性を向上できる。
(請求項6)
(i)下部構造体が基礎であり、接続具が基礎に植設されたアンカーボルトである建物において、該アンカーボルトが連結具の下座金及び床パネルの下端部の接合用枠材を貫通し、それらの下座金及び接合用枠材に締結される。
(請求項7、8)
(j)建物構造体が建物ユニットからなるとき、ユニット建物において上述(a)〜(i)を実現できる。
図1は基礎の上に建物ユニットを据付けた構造を示す断面図である。 図2は図1のII-II線に沿う断面図である。 図3は図1のIII-III線に沿う断面図である。 図4は連結具の下座金を示す模式斜視図である。
本発明のユニット建物100は、基礎10(下部構造体)上に複数の建物ユニット30のそれぞれを図1〜図3に示す如くに据付けて構築される。
基礎10は、図1、図2に示す如く、長手方向複数位置に植設されたアンカーボルト11(接続具)がその上面から上方に突出して設けられる。ユニット建物100の外周に沿う基礎10の上面には、硬質ゴム、合成樹脂、セラミック等からなる基礎スペーサ12(基礎10の上端部材)が連続状に設けられる。
建物ユニット30は、木質系であり、図1〜図3に示す如く、床パネル40の外縁部の上に壁パネル50を立設して形成される。
床パネル40は、木材からなる根太41によって方形に組立てられた床枠組42を有し、床枠組42の上面に床面材43を張設している。床枠組42の下部周縁部には接合用枠材44(下階建物ユニットでは土台といい、上階建物ユニットでは頭つなぎという)が設けられている。即ち、床パネル40の下端部には接合用枠材44がある。尚、接合用枠材44の下面で、後述する連結具60の下座金61が添設される部分には、下座金61が納まる面積、深さのザグリ45が形成されている。また、接合用枠材44は前述のアンカーボルト11が鉛直に挿通するボルト挿通孔44Hを備える。また、接合用枠材44においてザグリ45が形成された範囲内には、後述する連結具60の下座金61に備えた長ナット63及び筒状部材64を受容する受容孔44Kを備える。また、床面材43は連結具60の連結ボルト62が鉛直に挿通するボルト挿通孔43Kを備える。
壁パネル50は、木材からなる上枠51、下枠52及び縦枠53により形成される壁枠組54を有している。この壁枠組54は、上枠51と下枠52の間に複数の縦枠53を配設して方形に組立てられ、その外面に壁面材55を張設している。尚、壁パネル50の下枠52は後述する連結具60の連結ボルト62が鉛直に挿通するボルト挿通孔52Kを備える。
以下、(A)建物ユニット30の生産工場における床パネル40と壁パネル50の連結構造、(B)建築現場で基礎10に対してなされる建物ユニット30の連結構造について説明する。これらの連結構造では、連結具60が用いられる。
連結具60は、図4に示す如くの矩形板状の下座金61を備える。下座金61は床パネル40の下端部の接合用枠材44に螺着される止ねじ(不図示)のためのねじ孔61Hを4隅に備える。また、下座金61は長ナット63と筒状部材64を上面に溶接されて備える。尚、長ナット63には、連結具60の連結ボルト62における下端ねじ部62Aが螺着可能にされる。また、筒状部材64には、基礎10に植設されて基礎10の上面から上方に突出する固定ボルト12(固定具)の下座金61に挿通された挿通端が貫通されて締結可能にされる。
(A)建物ユニット30の床パネル40と壁パネル50の連結構造
建物ユニット30における壁パネル50の壁枠組54内で、隣り合う一対の縦枠53、53は不図示のスペーサにより一定の間隔を介しており、この間隔の下枠52上に枠状金具70を配設している。枠状金具70は、図1、図2に示す如く、方形枠状に形成され、その下部内面にナット71がセット可能にされ、下部にはナット71と軸芯を一致するものとなるボルト挿通孔70Hが形成されている。枠状金具70は、一対の縦枠53、53に挿通したピン72が刺通されて保持される。枠状金具70のナット71には床パネル40の側に組込まれる連結具60の連結ボルト62における上端ねじ部62Bが螺合することにより、床パネル40と壁パネル50が連結される。
床パネル40には連結具60が以下の如くにして組込まれる。床パネル40を接合用枠材44の下面が上向き面となるように裏返しにし、接合用枠材44、床面材43に備えた受容孔44K、ボルト挿通孔43Kに、連結具60の下座金61に設けた長ナット63に螺着された連結ボルト62、長ナット63、筒状部材64が挿通される。更に、下座金61を接合用枠材44の下面のザグリ45に納める状態で、下座金61の4隅のねじ孔61Hに挿通される止ねじで該下座金61を接合用枠材44に固定的に取付ける。連結ボルト62の上端ねじ部62Bは床パネル40の床面材43に備えたボルト挿通孔43Kを貫通して外方に突出するものになる。
床パネル40における床面材43の外縁部に壁パネル50の下枠52をセットする。このとき、床面材43から上方に突出している連結ボルト62の上端ねじ部62Bが、壁パネル50内の下枠52上に配設済の枠状金具70の下部のボルト挿通孔70Hに挿入される。枠状金具70のボルト挿通孔70Hに挿入された連結ボルト62の上端ねじ部62Bまわりに矩形状の平座金71Aがセットされ、マグネット付ソケットにセットしたナット71が連結ボルト62の上端ねじ部62Bに螺着される。これにより、建物ユニット30における床パネル40の下端部の接合用枠材44の側から該床パネル40における床面材43の上方にまで延在する連結具60における連結ボルト62の上端ねじ部62Bが、壁パネル50の内部の枠状金具70を貫通し、該枠状金具70にセットしたナット71に螺着され、床パネル40と壁パネル50が連結されるものになる。
(B)基礎10に対する建物ユニット30の連結構造(図1、図2)
前述(A)により形成された建物ユニット30が基礎10の上面に設けた基礎スペーサ12の上に据付けられる。即ち、建物ユニット30における床パネル40に前述の如くに組込まれている連結具60が下端部に備える下座金61は、図1、図2に示す如く、該床パネル40の下端部の接合用枠材44に形成したザグリ45に納められて該接合用枠材44に添設している状態で、基礎10の基礎スペーサ12の上に載置される。
このとき、基礎10の基礎スペーサ12を通って上方に突出している固定ボルト12は、連結具60の下座金61及び筒状部材64を貫通し、その貫通端まわりに座金13がセットされ、ナット14がその貫通端に螺着される。これにより、固定ボルト12が連結具60の下座金61及び筒状部材64に締結されるものになる。
これと同時に、基礎10の基礎スペーサ12を通って上方に突出しているアンカーボルト11が、床パネル40における接合用枠材44が備えるボルト挿通孔44Hを貫通し、その貫通端まわりに座金15がセットされ、ナット16がその貫通端に螺着される。これにより、アンカーボルト11が床パネル40の下端部の接合用枠材44に締結されるものになる。
尚、床パネル40において、接合用枠材44のボルト挿通孔44Hを貫通して上方に突出したアンカーボルト11の周辺に位置する根太41の下端面側には、接合用枠材44の上面に臨んでアンカーボルト11、座金15、ナット16を受容可能にする窓状開口41Aが形成されている。
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)連結具60により、建物ユニット30を構成する床パネル40と壁パネル50を隙間なく連結し、建物ユニット30の高さ寸法精度を向上できる。
(b)基礎10から上方に突出する固定ボルト12が、上記連結具60の連結ボルト62と螺着される長ナット63を備えた下座金61の筒状部材64に締結される。床パネル40と壁パネル50が連結具60により連結されてなる建物ユニット30の全体が、連結具60の連結ボルト62及び下座金61並びに固定ボルト12により基礎10に固定されるものになり、建物ユニット30の床パネル40が基礎10に対して上方向及び水平方向へ変位することを防止できる。
(c)基礎10から上方に突出する固定ボルト12が、上記連結具60の連結ボルト62と螺着される長ナット63を備えた下座金61の筒状部材64に締結される。これにより、基礎10から突出する固定ボルト12と、建物ユニット30における床パネル40の側から上方に延在して壁パネル50に連結される連結具60とが、該連結具60の下座金61によって連結される。このため、建物ユニット30の壁パネル50に作用する引抜き力は、当該建物ユニット30の壁パネル50から上述の床パネル40に連結具60によって伝達された後、この連結具60の下座金61に連結されている固定ボルト12により、該固定ボルト12が設けられている基礎10に確実に伝達される。従って、基礎10に対する建物全体の引抜き耐力を向上することができる。
(d)建物ユニット30の壁パネル50に作用した引抜き力が連結具60の連結ボルト62及び下座金61並びに固定ボルト12により基礎10に伝達されるとき、その引抜き力に起因して固定ボルト12まわりに生ずるモーメントM(M=連結具60に働く引抜き力P×連結具60と固定ボルト12の軸間距離L)が、下座金61、及びこの下座金に添設されている接合用枠材44に曲げ変形を生じさせようとする。このとき、下座金61に備えて連結具60が螺着される長ナット63と、下座金61に備えて固定ボルト12が締結される筒状部材64とが互いに密着して近接し、上述のLを最小化し、ひいては上述のMを最小化するものになり、結果として下座金61及び接合用枠材44の曲げ変形を抑制するものになる。従って、基礎10に対する建物全体の引抜き耐力を一層向上することができる。
(e)基礎10から上方に突出するアンカーボルト11が、建物ユニット30における床パネル40の下端部の接合用枠材44に締結される。これにより、建物ユニット30の床パネル40が基礎10に対して上方向及び水平方向へ変位することを一層確実に防止できる。
(f)床パネル40の下端部の接合用枠材44の側から延在させた連結具60の上端部が、壁パネル50の壁枠組54に配設した枠状金具70に締結される。これにより、建物ユニット30を構成する床パネル40と壁パネル50を隙間なく連結できる。
(g)連結具60が下座金61の上面に長ナット63を溶接されるとともに、この長ナット63に連結ボルト62が螺着される。これにより、連結具60を構成する連結ボルト62の上端部を上述(f)の枠状金具70に確実に締結できる。
(h)連結具60の下座金61が、建物ユニット30における床パネル40の下端部の接合用枠材44に固定的に取付けられる。床パネル40の下端部の接合用枠材44の側から該床パネル40の上方にまで延在する連結具60を該床パネル40にセットするに際し、裏返しにした床パネル40における接合用枠材44の上向き面に対して連結具60の下座金61を簡易に取付けて固定化でき、その後この床パネル40の上に壁パネル50を立設するために該床パネル40を裏返しの状態から反転させて正立させたとき、連結具60の下座金61を床パネル40の下端部の接合用枠材44から落下させることなく固定的に維持できる。これにより、連結具60の下座金61が床パネル40の下端部の接合用枠材44に添設される建物ユニット30の組立作業性を向上できる。
(i)下部構造体が基礎10であり、接続具が基礎10に植設されたアンカーボルト11であるユニット建物100において、該アンカーボルト11が連結具60の下座金61及び床パネル40の下端部の接合用枠材44を貫通し、それらの下座金61及び接合用枠材44に締結される。
尚、本発明の連結具60(下座金61、連結ボルト62、長ナット63、筒状部材64)を用いる建物の接合構造は、下階建物ユニットに対する上階建物ユニットの連結構造にも適用できる。このとき、連結具60の下座金61は下階建物ユニットの壁パネル50における上枠51の上面に設けた壁上スペーサの上に載置される。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、本発明において、連結具の下座金が載置される下部構造体の上とは、基礎スペーサ12又は壁上スペーサ56に限らず、下部構造体たる基礎10そのもの、又は下階建物ユニット30における壁パネル50の上枠51そのものであっても良い。また、連結具60の下座金61は、止ねじのためのねじ孔61Hを備えることを必須としない。また、本発明はユニット建物に限らず、広く一般の建物に適用できる。
本発明によれば、ユニット建物において、建物ユニット等の建物構造体を構成する床パネルと壁パネルを隙間なく連結するとともに、建物構造体の床パネルが下部構造体に対して変位することを防止し、更に下部構造体に対する建物全体の引抜き耐力を向上することができる。
10 基礎(下部構造体)
11 アンカーボルト(接続具)
12 固定ボルト(固定具)
30 建物ユニット
40 床パネル
44 接合用枠材
50 壁パネル
51 上枠
52 下枠
53 縦枠
54 壁枠組
60 連結具
61 下座金
62 連結ボルト
63 長ナット
64 筒状部材
70 枠状金具
71 ナット
100 ユニット建物(建物)

Claims (8)

  1. 下部構造体の上に建物構造体を据付けて構築され、建物構造体が床パネルの上に壁パネルを立設して形成されてなる建物の接合構造において、
    下部構造体から上方に突出する固定具を有し、
    床パネルの側から延出して該床パネルの上方にまで延在する連結具を壁パネルに連結してなり、
    連結具の連結ボルトが螺着されるナットを備えた下座金が、床パネルの下端部の接合用枠材の下に添設されるともに、下部構造体の上に載置され、
    下部構造体から突出する固定具が、上記下座金に備えた筒状部材を貫通し、該筒状部材に締結され、
    下座金に備えたナットと筒状部材とが互いに密着して配置されてなることを特徴とする建物の接合構造。
  2. 前記下部構造体から上方に突出する接続具を有し、この接続具が接合用枠材を貫通し、該接合用枠材に締結されてなる請求項1に記載の建物の接合構造。
  3. 前記壁パネルが上枠、下枠及び縦枠からなる壁枠組を有し、該壁パネルの隣り合う一対の縦枠の間の下枠上に枠状金具が配設されてなり、
    前記連結具の上端部が壁パネルの内部の上記枠状金具を貫通し、該枠状金具に締結されてなる請求項1又は2に記載の建物の接合構造。
  4. 前記連結具が、前記下座金の上面にナットを溶接されるとともに、このナットに連結ボルトを螺着されてなり、
    上記連結ボルトの上端部が壁パネルの内部の前記枠状金具を貫通し、該枠状金具にセットしたナットに螺着されてなる請求項3に記載の建物の接合構造。
  5. 前記連結具の下座金が、建物構造体における床パネルの下端部の接合用枠材に固定的に取付けられる請求項1〜4のいずれかに記載の建物の接合構造。
  6. 前記下部構造体が基礎であり、前記固定具が基礎に植設された固定ボルトである請求項1〜5のいずれかに記載の建物の接合構造。
  7. 前記建物構造体が建物ユニットである請求項1〜6のいずれかに記載の建物の接合構造。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の建物の接合構造の施工方法であって、工場において前記壁パネルと床パネルとを接合して建物ユニットを製造した後、該建物ユニットを建設現場において下部構造体と接合することを特徴とする建物の接合構造の施工方法。
JP2015022673A 2015-02-06 2015-02-06 建物の接合構造及びその施工方法 Active JP6386390B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015022673A JP6386390B2 (ja) 2015-02-06 2015-02-06 建物の接合構造及びその施工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015022673A JP6386390B2 (ja) 2015-02-06 2015-02-06 建物の接合構造及びその施工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016145479A true JP2016145479A (ja) 2016-08-12
JP6386390B2 JP6386390B2 (ja) 2018-09-05

Family

ID=56686090

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015022673A Active JP6386390B2 (ja) 2015-02-06 2015-02-06 建物の接合構造及びその施工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6386390B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111175065A (zh) * 2020-01-21 2020-05-19 中国建筑科学研究院有限公司 一种装配式建筑围护结构连接系统的现场多向力检测装置

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10280553A (ja) * 1997-04-09 1998-10-20 Sekisui Chem Co Ltd 建物の接合構造、建物ユニット及びユニット建物
JP2002167867A (ja) * 2000-11-29 2002-06-11 Mitsui Home Co Ltd 住宅における緊結構造とその金物
JP2014206033A (ja) * 2013-04-11 2014-10-30 義邦 大倉 柱脚金物

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10280553A (ja) * 1997-04-09 1998-10-20 Sekisui Chem Co Ltd 建物の接合構造、建物ユニット及びユニット建物
JP2002167867A (ja) * 2000-11-29 2002-06-11 Mitsui Home Co Ltd 住宅における緊結構造とその金物
JP2014206033A (ja) * 2013-04-11 2014-10-30 義邦 大倉 柱脚金物

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111175065A (zh) * 2020-01-21 2020-05-19 中国建筑科学研究院有限公司 一种装配式建筑围护结构连接系统的现场多向力检测装置
CN111175065B (zh) * 2020-01-21 2022-05-03 中国建筑科学研究院有限公司 一种装配式建筑围护结构连接系统的现场多向力检测装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6386390B2 (ja) 2018-09-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20150315788A1 (en) Sleeve connector
JP2007239388A (ja) ドーム構築用金具とドーム構築方法
JP6386390B2 (ja) 建物の接合構造及びその施工方法
JP2014118718A (ja) 柱の据え付け構造
KR20140137598A (ko) 조적조 칸막이 벽의 내진보강방법
JP2013104208A (ja) コンクリートの打ち継ぎ部に用いる部材保持装置
JP5385314B2 (ja) 連結構造
JP2016070022A (ja) 連結構造
JP6454168B2 (ja) 建物の接合構造及びその施工方法
JP2010106612A (ja) 扁平柱と梁との接合部構造
JP6552239B2 (ja) 家屋の外壁施工方法
JP2017214785A (ja) 連結構造
JP5940322B2 (ja) 柱の据え付け具
JP6045201B2 (ja) 梁接合部構造および耐力パネル構造
JP6487806B2 (ja) 柱、柱の下部構造体との締結構造及び建物ユニット
KR200407075Y1 (ko) 골조유니트
JP5891982B2 (ja) 耐力壁の接合構造
JP7432247B2 (ja) 連結具
JP6101987B2 (ja) 柱脚金物
KR102221921B1 (ko) 강봉을 이용한 조적조 건물의 면내, 면외 및 접합부의 내진보강 공법
KR102638239B1 (ko) 가이드핀을 이용한 모듈러 유닛의 접합 구조
KR101413134B1 (ko) 십자형연결재를 이용한 모듈러 유닛구조체와 기초의 접합부 구조
CN111288052B (zh) 一种内藏式连接装置
JP2010077645A (ja) 木造建築物における接合構造
JP2008255713A (ja) 木造建築物及び木造建築物の耐震補強方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171006

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180711

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180724

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180809

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6386390

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151