JP2016144822A - 線材の切断装置 - Google Patents

Abstract

【課題】線材の切断装置における製品の生産効率を高め、不良品の混入を防止する。
【解決手段】線材Ａの曲がりを直線状に矯正する矯正機構１と、線材Ａを送る送り機構２と、線材Ａを所定の長さに切断する切断機構３とを、線材Ａの送り方向の上流側から下流側へ順次配置した線材の切断装置において、送り機構２は、対向する送りローラー２１の間に線材Ａを挟み込んで、サーボモーター２２により線材Ａを所定の長さずつ間欠的に送るものとし、切断機構３は、固定ダイス３１と可動ダイス３２の挿通穴のずれにより線材Ａを切断し、切断された線材Ａが上流側から送られる線材Ａにより製品Ｂとして挿通穴から押し出される動作を繰り返すものとし、送りローラー２１の上流側にセンサー２６を備え、センサー２６が線材Ａの終端を検出すると，対向する送りローラー２１の間に線材Ａを挟み込んだ状態で、送りローラー２１の回転が停止するものとする。
【選択図】図１

Description

この発明は、コイル状に巻回された状態で供給される線材を直線状に矯正し、所定長さに切断する線材の切断装置に関するものである。

従来、本出願人は、下記特許文献１において、線材の曲がりを直線状に矯正する矯正器の下流側に、線材の長さ方向に往復動可能なチャックを備えた送り機構を設け、線材を送り機構のチャックで挟持しつつ、切断機構へ間欠的に送り込み、線材の送りが停止した状態で、線材を挿通した切断機構の固定ダイスと可動ダイスの挿通穴のずれにより線材を切断し、その後、固定ダイスと可動ダイスの挿通穴を再度一致させて、切断された線材を上流側から送られる線材により挿通穴から押し出す動作を繰り返すことにより、軸やピン等の製品を得るものを提案し、このような切断装置を実際に使用している。

また、線材の切断装置として、下記特許文献２に記載されたように、コイルスタンドに巻回された状態から繰り出される線材を、矯正機で直線状に矯正して、送り機構により軸方向に連続的に送り、線材の先端をストッパーに当接させた状態で、送り機構の下流側に位置する切断機構を線材の送り方向へ同調するように移動させながら、切断機構で線材を切断し、ストッパーと切断機構の切断部との間隔に相当する長さの軸やピン等の製品を落下させて排出するものも提案されている。

実開平３−４２３３４号公報 特開２０１０−８２６８１号公報

しかしながら、上記特許文献１に記載された線材の切断装置では、送り機構のチャックが往復範囲の終端に達すると、線材の挟持を一旦解除して、チャックを往復範囲の始端へ戻す必要があり、このことが生産効率を低下させる原因となっている。

また、上記特許文献２に記載された線材の切断装置のように、線材を連続的に送り、線材の送り方向へ切断機構を同調移動させる切断装置では、供給される線材の終端付近で長さが不足する不良品が排出され、製品を貯留する容器に混入する恐れがある。

そこで、この発明は、効率よく製品を製造でき、かつ、不良品の混入が防止される線材の切断装置を提供することを課題とする。

上記のような課題を解決するため、この発明は、線材の曲がりを直線状に矯正する矯正機構と、線材を上流側から下流側へ送る送り機構と、線材を所定の長さに切断する切断機構とを、線材の送り方向の上流側から下流側へ順次配置した線材の切断装置において、前記送り機構は、対向する送りローラーの間に線材を挟み込んで、サーボモーターにより線材を所定の長さずつ間欠的に送るものとしたのである。

また、前記切断機構は、固定ダイスと可動ダイスの挿通穴に線材を挿通し、線材の送りが停止した状態で、固定ダイスと可動ダイスの挿通穴のずれにより線材を切断し、線材の送りの再開に伴い、切断された線材が上流側から送られる線材により製品として挿通穴から押し出される動作を繰り返すものとしたのである。

そして、前記送り機構の送りローラーの上流側にセンサーを備え、センサーが線材の終端を検出すると，対向する送りローラーの間に線材を挟み込んだ状態で、送りローラーの回転が停止し、その状態から送りローラーを逆回転させて、残存する線材を除去できるようにしたのである。

この発明に係る線材の切断装置では、線材の送り機構を、サーボモーターにより回転駆動される送りローラーで線材を所定の長さずつ間欠的に送るものとしていることから、従来のもののように、線材を挟持するチャックを往復範囲の始点へ戻す動作が不要となり、生産効率を高めることができる。

また、供給される線材の終端を送りローラーの上流側に位置するセンサーで検出し、送りローラーの回転を停止させることにより、その状態から送りローラーを逆回転させて、残存する線材を除去できるようにしたので、長さが不足する不良品が切断機構から下流側へ押し出されることがなく、製品を貯留する容器への不良品の混入が防止される。

この発明の実施形態に係る線材の切断装置の全体正面図 同上の全体平面図 同上の矯正機構の拡大正面図 同上の送り機構の拡大正面図 同上の図１のＶ−Ｖ線に沿った拡大側面図 同上の（ａ）線材の終端検出時の状態を示す概略正面図、（ｂ）残存する線材の除去過程を示す概略正面図 同上の切断機構の（ａ）拡大平面図、（ｂ）図１のVII−VII線に沿った拡大側面図 同上の切断機構の切断部における（ａ）線材を所定長さ送り込んだ状態を示す概略正面図、（ｂ）線材切断時の状態を示す概略正面図、（ｃ）製品の排出過程を示す概略正面図

以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。

図１及び図２に示す切断装置は、コイル状に巻かれた状態から繰り出される線材Ａの曲がりを直線状に矯正する矯正機構１と、線材Ａを送る送り機構２と、線材Ａを所定の長さに切断する切断機構３とを、２本の並行する線材Ａに対応して、線材Ａの送り方向の上流側から下流側へかけて基台４に２系列順次配置した構成とされ、基台４に設けられた操作盤５のタッチパネルによる操作に基づいて制御盤６により制御される。

この操作盤５においては、定寸切断加工に先立って、タッチパネルに暫定値として定寸を入力し、定寸長さを１ピッチ送りにて確認し、良品であれば連続運転に切り替え、定寸となっていない場合には、再度補正入力して、定寸決定後、連続運転に入るようにする。これにより、初期設定における不良品の混入が防止され、後述のように、線材Ａの終端での不良品の混入も防止されるので、不良品が完全に混入しないように稼働できる。

矯正機構１は、図３に示すように、千鳥状に配置された複数の矯正ローラー１１と、その下流側に配置された直線機１２とを備え、直線機１２は、線材Ａの軸線周りに回転する回転枠１３に複数の矯正駒１４が取り付けられ、回転枠１３が基台４の下方に設置された交流モーター１５によりベルト１６を介して駆動されるようになっている。

そして、供給された線材Ａは、矯正ローラー１１の間に通されて、直線状態に近づくように矯正された後、直線機１２の回転枠１３に通されて、矯正駒１４の摺接回転により直線性が高められる。

送り機構２は、図４及び図５に示すように、上下に対向配置された送りローラー２１を有し、送りローラー２１がそれぞれの軸に連結されたサーボモーター２２により減速機２３を介して回転駆動されるようになっている。送りローラー２１の外周には、直径や断面形状の異なる線材Ａの挟み込みが可能となるように、幅及び深さの異なるＶ字溝２１ａが２本並べて形成されている。

また、上方の送りローラー２１は、コイルばね２４により下方の送りローラー２１側へ付勢され、ハンドル２５の操作により、下方の送りローラー２１との間隙を調整できるようになっている。

さらに、上下の送りローラー２１の突合部の上流側には、供給される線材Ａの終端を検出するため、センサー２６が設けられている。センサー２６としては、光電センサーが使用されている。

そして、上下の送りローラー２１のＶ字溝２１ａの間に挟み込まれた線材Ａは、サーボモーター２２により駆動される送りローラー２１の回転に伴い、所定の長さずつ下流側へ間欠的に送られる。

また、図６（ａ）に示すように、線材Ａの送りに伴い、センサー２６が線材Ａの終端を検出すると、上下の送りローラー２１間に線材Ａを挟み込んだ状態で、送りローラー２１の回転が停止し、その状態から、図６（ｂ）に示すように、送りローラー２１を逆回転させ、残存する線材Ａを切断機構３から上流側へ戻して除去することができる。

切断機構３は、図７（ａ），（ｂ）に示すように、線材Ａの挿通穴３１ａ，３２ａを軸線上に有する円柱状の固定ダイス３１及び可動ダイス３２を備えている。固定ダイス３１及び可動ダイス３２は、それぞれ上流側から下流側へ直列配置され、端面で摺接するように固定ホルダー３３及び可動ホルダー３４に保持されている。固定ホルダー３３及び可動ホルダー３４は、それぞれ固定台３５及び可動台３６に取り付けられ、可動台３６は、２個の可動ホルダー３４を一体的に保持している。

なお、固定ダイス３１及び可動ダイス３２が偏摩耗しても、挿通穴３１ａ，３２ａの軸線が一致した状態が維持されるように、固定ホルダー３３及び可動ホルダー３４は、相反する位置でテーパー状に分割され、その分割部位をボルトで締め付けて、固定ダイス３１及び可動ダイス３２を保持するようになっている。

そして、可動台３６は、一端に位置するカムローラー３６ａがカム３７に当接し、この一端側からエアーシリンダー３８により常時引っ張られ、カム３７の回転に伴い、線材Ａの送り方向に直交する方向において往復動するようになっている。このように、可動台３６をエアーシリンダー３８により常時付勢しておくと、カム３７による押圧からの戻り時に可動台３６が振動することがない。また、可動台３６の他端には、ねじ棒の螺進に伴い挿通穴３１ａ，３２ａの軸線が一致したゼロ位置調整が可能なゼロ位置ストッパー３６ｂが設けられている。カム３７は、図１及び図２に示すように、基台４の下方に設置された交流モーター３９によりクラッチ・ブレーキ４０を経てベルト４１を介し駆動される。

このような切断機構３においては、図８（ａ）に示すように、固定ダイス３１と可動ダイス３２の挿通穴３１ａ，３２ａが一致した状態で、挿通穴３１ａ，３２ａに線材Ａが所定位置まで挿通されて、線材Ａの送りが停止され、次に、図８（ｂ）に示すように、可動ダイス３２が線材Ａの送り方向に対し直交する方向へ移動して、挿通穴３１ａ，３２ａのずれにより線材Ａが切断される。

その後、図８（ｃ）に示すように、可動ダイス３２が復帰移動して、挿通穴３１ａ，３２ａが一致した状態で、線材Ａの送りが再開され、切断された線材Ａが上流側から送られる線材Ａにより製品Ｂとして挿通穴３２ａから押し出される。製品Ｂは、固定ダイス３１及び可動ダイス３２のそれぞれの軸方向の長さよりも長いものだけでなく、短いものであっても製造することができ、製品Ｂが押出時に詰まることもない。

このような動作が繰り返されて、図１に示すように、製品Ｂが切断機構３の下流側に設けられた排出シュート７へ排出され、排出シュート７の下方に設置されたバケット等の容器に貯留される。

なお、線材Ａの供給初期においては、上記動作を１サイクル行い、図８（ａ）に示す状態となるようにして、所定の長さになっていない最初に切断された線材Ａを、製品Ｂとすることなく除去する。

上記のような切断装置では、送り機構２を、サーボモーター２２により回転駆動される送りローラー２１で線材Ａを所定の長さずつ間欠的に送るものとしていることから、従来のもののように、線材Ａを挟持するチャックを往復範囲の始点へ戻す動作が不要となり、生産効率を高めることができる。

また、供給される線材Ａの終端を送りローラー２１の上流側に位置するセンサー２６で検出し、送りローラー２１の回転を停止させることにより、その状態から送りローラー２１を逆回転させて、残存する線材Ａを除去できるようにしたので、長さが不足する不良品が製品Ｂとして切断機構３から下流側へ押し出されることがなく、製品Ｂを貯留する容器への不良品の混入が防止される。

１ 矯正機構
２ 送り機構
３ 切断機構
４ 基台
５ 操作盤
６ 制御盤
７ 排出シュート
１１ 矯正ローラー
１２ 直線機
１３ 回転枠
１４ 矯正駒
１５ 交流モーター
１６ ベルト
２１ 送りローラー
２１ａ Ｖ字溝
２２ サーボモーター
２３ 減速機
２４ コイルばね
２５ ハンドル
２６ センサー
３１ 固定ダイス
３２ 可動ダイス
３１ａ，３２ａ 挿通穴
３３ 固定ホルダー
３４ 可動ホルダー
３５ 固定台
３６ 可動台
３６ａ カムローラー
３６ｂ ゼロ位置ストッパー
３７ カム
３８ エアーシリンダー
３９ 交流モーター
４０ クラッチ・ブレーキ
４１ ベルト
Ａ 線材
Ｂ 製品

Claims (1)

1. 線材(A)の曲がりを直線状に矯正する矯正機構(1)と、線材(A)を上流側から下流側へ送る送り機構(2)と、線材(A)を所定の長さに切断する切断機構(3)とを、線材(A)の送り方向の上流側から下流側へ順次配置した線材の切断装置において、
   前記送り機構(2)は、対向する送りローラー(21)の間に線材(A)を挟み込んで、サーボモーター(22)により線材(A)を所定の長さずつ間欠的に送るものとし、
   前記切断機構(3)は、固定ダイス(31)と可動ダイス(32)の挿通穴に線材(A)を挿通し、線材(A)の送りが停止した状態で、固定ダイス(31)と可動ダイス(32)の挿通穴のずれにより線材(A)を切断し、線材(A)の送りの再開に伴い、切断された線材(A)が上流側から送られる線材(A)により製品(B)として挿通穴から押し出される動作を繰り返すものとし、
   前記送り機構(2)の送りローラー(21)の上流側にセンサー(26)を備え、センサー(26)が線材(A)の終端を検出すると，対向する送りローラー(21)の間に線材(A)を挟み込んだ状態で、送りローラー(21)の回転が停止するようにしたことを特徴とする線材の切断装置。

Images