JP2016143742A - 波長変換部材、発光装置、および波長変換部材の製造方法 - Google Patents

波長変換部材、発光装置、および波長変換部材の製造方法 Download PDF

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真 和泉
昌道 原田
Masamichi Harada
昌道 原田
浩史 福永
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浩史 福永
一規 安念
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尚登 広崎
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Abstract

【課題】光の色の設計自由度を高めつつ、励起光変換効率を従来よりも向上させた波長変換部材を提供する。
【解決手段】波長変換部材(1)において、シリカガラス(10)の内部には、酸窒化物または窒化物の蛍光体を含んだ複数の蛍光体粒子(11)が分散されている。複数の蛍光体粒子(11)の内には、第1ピーク波長を有する蛍光を発する第1蛍光体粒子(11a)と、第2ピーク波長を有する蛍光を発する第2蛍光体粒子(11b)との少なくとも2種類の蛍光体粒子が含まれている。波長変換部材(1)の密度は、0.8g/cm以上かつ1.2g/cm以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、励起光を蛍光に変換する蛍光体を含む波長変換部材、および当該波長変換部材を備えた発光装置に関する。
近年、(i)発光ダイオード(Light Emitting Diode,LED)等の半導体発光素子と、(ii)当該半導体発光素子からの励起光を蛍光に変換する波長変換部材(例えば、蛍光体粒子を樹脂に分散させた部材)とを組み合わせた発光装置が開発されている。当該発光装置は、小型であり、かつ、消費電力が白熱電球よりも少ないという利点を有しているため、各種表示装置または照明装置の光源として実用化されている。
特許文献1には、擬似白色光を出力する発光装置が開示されている。当該発光装置は、青色LEDと、当該青色LEDからの青色光によって励起され、青色光の波長を変換することにより黄色光を発する蛍光体(波長変換部材)とを組み合わせることにより実現されている。
また、最近では、上述の発光装置において、青色LED等に比べて光密度がさらに高い半導体レーザ等を、励起光源として用いることが検討されている。また、青色光よりも短波長の光を、励起光として用いることが検討されている。
この場合、蛍光体粒子を分散する材料である樹脂が、熱または光によって劣化することが問題となる。この問題を解決するために、蛍光体粒子を分散させる材料としてガラスを用いる技術が提案されている。
例えば、特許文献2には、波長変換部材に含まれる蛍光体粒子(酸化物、硫化物、酸硫化物、ハロゲン化物、アルミン酸塩等の材料から成る)が、ガラスに分散された構成が開示されている。そして、特許文献2では、ZnO−B−SiO系ガラスが、ガラスの好適な材料として挙げられている。
なお、特許文献2では、ガラス材料の組成は、当該ガラスが比較的低温の温度範囲において焼成できるように選択されている。具体的には、ガラスの焼成温度が750℃以下となるように、ガラス材料の組成が選択されている。その理由は、蛍光体粒子が分散されたガラスを焼成する時に、当該蛍光体粒子が熱によって劣化することを避けるためである。
しかしながら、特許文献2のガラス材料は、シリカガラス(Si以外の金属元素(Zn、Ba等)を含まず、SiOのみから成るガラス)と比較して、透明度が低く、かつ、熱的および化学的に不安定であるという問題がある。
そこで、非特許文献1では、酸窒化物蛍光体材料から成る蛍光体粒子が、シリカガラスに分散された構成が開示されている。なお、非特許文献1において、シリカガラスはゾルゲル法によって作製されている。
非特許文献1では、蛍光体粒子の材料として、熱的および化学的な安定性に優れた酸窒化物蛍光体が用いられている。従って、1050℃という高温の焼成温度によって、蛍光体粒子が分散されたシリカガラスを焼成することができる。
また、上述したように、シリカガラスは、透明度が高く、かつ、熱的および化学的な安定性に優れている。それゆえ、非特許文献1によれば、発光効率が高く、かつ、耐久性に優れた波長変換部材を実現することが可能となる。
但し、非特許文献1において、シリカガラスの焼成温度は、1000℃以上の高温である。従って、シリカガラスに分散させる蛍光体粒子としては、大気中で1000℃以上の温度においても、熱劣化しないものを選択する必要がある。
しかしながら、実用化されている各種の蛍光体材料の中で、このような条件を満たす材料は、非特許文献1に開示されているαSiAlON蛍光体に限られている。換言すれば、非特許文献1に開示された構成では、シリカガラスに分散可能な蛍光体粒子(αSiAlON蛍光体粒子)から発せられる蛍光の色が、1種類に限られることとなる。
従って、それぞれ異なる色の蛍光を発する複数種類の蛍光体粒子をシリカガラスに分散し、当該蛍光体粒子から発せられる各色の蛍光を混合させることができない。それゆえ、非特許文献1に開示された構成では、波長変換部材から発せられる光の色の設計自由度が低くなるという問題がある。
非特許文献1の波長変換部材では、波長変換部材から発せられる光の色の設計自由度が低いため、当該波長変換部材と励起光源とを組み合わせた発光装置において、発光装置の演色性が低下してしまうという問題が生じる。また、当該発光装置を適用して表示装置を実現した場合に、表示装置の色再現性が低下してしまうという問題が生じる。
他方、非特許文献2および特許文献3には、酸窒化物蛍光体を基板上に膜状に積層させて蛍光体膜を形成した後に、シリカガラスを用いて蛍光体膜を基板に接着させた構成が開示されている。
非特許文献2および特許文献3におけるシリカガラスの焼成温度は、非特許文献1の場合と比較して低く、その温度は500℃程度である。このため、非特許文献2および特許文献3の構成によれば、励起光である青色光によって励起する対象となる蛍光体粒子の材料の選択肢が、非特許文献1に比べてさらに広いものとなる。
具体的には、非特許文献2および特許文献3の構成では、蛍光体粒子の材料として、(i)βSiAlON蛍光体等の酸窒化物蛍光体、および、(ii)CaSiAlN蛍光体(CASN系蛍光体)等の窒化物蛍光体を利用することができる。
しかしながら、非特許文献2および特許文献3の構成では、波長変換部材(発光部)の形状が膜状に限られることとなる。このため、波長変換部材の形状の自由度が低く、さらに、波長変換部材中に含有される蛍光体粒子の量が過剰となってしまう。例えば、波長変換部材における蛍光体粒子の含有量が、30体積%以上の大きな数値となり得る。
このように蛍光体粒子を過剰に含有した波長変換部材を用いて発光装置を構成した場合には、波長変換部材の内部において、蛍光体粒子による光の過剰な散乱が生じる。その結果、波長変換部材からの光の取出し効率(換言すれば、波長変換部材における励起光変換効率)が低下してしまうという問題が生じる。
そして、波長変換部材からの光の取出し効率が低下した場合には、当該波長変換部材と励起光源とを組み合わせた発光装置において、発光装置の発光効率が低下してしまうという問題が生じる。
また、特許文献4には、ゾルゲル法を用いて、低温の焼成温度によってシリカガラスを焼成する点が開示されている。具体的には、特許文献4では、シリカガラス中に硫化物の蛍光体粒子が分散されており、当該シリカガラスは、150℃の焼成温度によって焼成されている。
特開平10−163535号公報(1998年6月19日公開) 特開2007−191702号公報(2007年8月2日公開) 特開2011−168627号公報(2011年9月1日公開) 特開2002−203989号公報(2002年7月19日公開)
しかしながら、上述の先行技術文献のいずれにも、シリカガラス中に窒化物または酸窒化物の蛍光体粒子が分散された波長変換部材において、(i)波長変換部材から発せられる光の色の設計自由度を高めることと、(ii)波長変換部材から効率よく光を取り出すことと、を両立できる点については、開示も示唆もされていない。従って、光の色の設計自由度を高めつつ、励起光変換効率を十分に向上させた波長変換部材を実現することができないという問題がある。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、光の色の設計自由度を高めつつ、励起光変換効率を従来よりも向上させた波長変換部材を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る波長変換部材は、シリカガラスの内部に、酸窒化物または窒化物の蛍光体を含んだ複数の蛍光体粒子が分散された波長変換部材であって、上記複数の蛍光体粒子の内には、励起光を受けて第1ピーク波長を有する蛍光を発する第1蛍光体粒子と、上記励起光を受けて上記第1ピーク波長とは異なる第2ピーク波長を有する蛍光を発する第2蛍光体粒子と、の少なくとも2種類の蛍光体粒子が含まれており、上記波長変換部材の密度は、0.8g/cm以上かつ1.2g/cm以下である。
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る波長変換部材の製造方法は、シリカガラスの内部に、酸窒化物蛍光体または窒化物蛍光体から成る複数の蛍光体粒子が分散された波長変換部材の製造方法であって、励起光を受けて第1ピーク波長を有する蛍光を発する第1蛍光体粒子と、上記励起光を受けて上記第1ピーク波長とは異なる第2ピーク波長を有する蛍光を発する第2蛍光体粒子と、の少なくとも2種類の蛍光体粒子を、上記シリカガラスの内部に分散させる工程を含んでおり、上記波長変換部材は、0.8g/cm以上かつ1.2g/cm以下の密度を有するように形成される。
本発明の一態様に係る波長変換部材によれば、光の色の設計自由度を高めつつ、励起光変換効率を従来よりも向上させることができるという効果を奏する。
また、本発明の一態様に係る波長変換部材の製造方法によれば、光の色の設計自由度を高めつつ、励起光変換効率を従来よりも向上させた波長変換部材を製造することができるという効果を奏する。
本発明の実施形態1に係る波長変換部材の概略的な構成を示す図である。 本発明の実施形態1に係る波長変換部材をゾルゲル法によって製作する場合の各工程の流れを示す図である。 本発明の実施形態1に係る波長変換部材を備えた発光装置の構成を示す断面図である。 本発明の一実施例および一比較例に係る波長変換部材のそれぞれの発光スペクトルを示す図である。 本発明の一実施例および一比較例に係る波長変換部材のそれぞれの発光スペクトルを示す図である。 本発明の一実施例に係る発光装置の発光スペクトルを示す図である。 本発明の一比較例に係る発光装置の発光スペクトルを示す図である。 本発明の一実施例に係る発光装置の発光スペクトルを示す図である。 人間の視感度曲線を示す図である。 本発明の各実施例および各比較例に係る波長変換部材における評価結果のデータを示す図である。 本発明の各実施例および各比較例に係る発光装置における評価結果のデータを示す図である。
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1について、図1〜図5、および図10に基づいて説明すれば、以下の通りである。
(波長変換部材1の構成)
図1は、波長変換部材1の概略的な構造を示す図である。波長変換部材1は、シリカガラス10および蛍光体粒子11を含んでいる。なお、後述するように、波長変換部材1は、シリカガラス10の内部に、窒化物または酸窒化物の蛍光体を含んだ複数の蛍光体粒子11をほぼ均一に分散させることによって製作される。
また、波長変換部材1から発せられる光の色の設計自由度を高めるために、蛍光体粒子11は、複数種類(少なくとも2種類)の蛍光体粒子から成っていることが好ましい。図1に示されるように、蛍光体粒子11は、第1蛍光体粒子11aおよび第2蛍光体粒子11bの2種類の蛍光体粒子から成っていてよい。
第1蛍光体粒子11aは、第1ピーク波長の蛍光を発する蛍光体粒子である。また、第2蛍光体粒子11bは、第1ピーク波長とは異なる第2ピーク波長の蛍光を発する蛍光体粒子である。換言すれば、第1蛍光体粒子11aおよび第2蛍光体粒子11bは、それぞれ異なる色の蛍光を発する蛍光体粒子であると理解されてよい。
一例として、第1蛍光体粒子は、ピーク波長(第1ピーク波長)が約540nmである緑色の蛍光を発するβ−SiAlON蛍光体粒子であってよい。また、第2蛍光体粒子は、ピーク波長(第2ピーク波長)が約597nmである橙色の蛍光を発するα−SiAlON蛍光体粒子であってよい。なお、第2蛍光体粒子は、ピーク波長(第2ピーク波長)が約650nmである赤色の蛍光を発するCASN系蛍光体粒子であってもよい。
さらに、本実施形態では、波長変換部材1の密度d(g/cm)が以下の式(1)を満たすように、波長変換部材1が製作される。式(1)における密度dの数値範囲の根拠については、後に詳細に説明する。
0.8≦d≦1.2 …(1)
また、本実施形態では、波長変換部材1に含まれる蛍光体粒子11の含有率v(体積%)が以下の式(2)を満たすように、波長変換部材1が製作される。式(2)における含有率vの数値範囲の根拠についても、後に詳細に説明する。
0.1≦v≦10 …(2)
より具体的には、波長変換部材1の製作時には、シリカガラス10の密度が、真密度である2.2g/cmの半分程度の値である1g/cm付近となるように制御され、かつ、波長変換部材1の内部に含まれる蛍光体粒子11の量(含有量)が適切に制御される。これにより、式(1)の密度dと式(2)の含有率vとが実現される。
なお、式(1)の密度dは、波長変換部材1の体積V(cm)および重量W(g)を測定し、d=W/Vによって算出することができる。ここで、体積Vは、マイクロメータ等を用いて波長変換部材1の寸法を測定した結果に基づいて算出されてもよいし、または、アルキメデス法を用いて測定されてもよい。また、重量Wは、電子天秤等を用いて測定されてよい。
(波長変換部材1の製造方法)
本実施形態の波長変換部材1は、ゾルゲル法によって製作されてよい。図2は、波長変換部材1をゾルゲル法によって製作する場合の各工程S1〜S7の流れを示す図である。以下、図2を参照し、ゾルゲル法の各工程について説明する。
ゾルゲル法では、シリカガラス10の出発原料を含んだゾルゲル溶液が、はじめに調製する。ゾルゲル溶液は、ガラス原料である化合物、加水分解に必要な水、溶媒、触媒を含んだものである。なお、必要に応じて、乾燥制御剤として働く化合物等を、ゾルゲル溶液に含めてもよい。
ガラス原料である化合物としては、テトラエトキシシラン(Tetraethyl Orthosilicate,TEOS)、テトラメトキシシラン(Tetramethyl Orthosilicate,TMOS)等のシリコンアルコキシドが用いられてよい。
溶媒としては、エタノールまたはメタノール等のアルコールが用いられてよい。また、触媒としては、塩酸等の酸性水溶液、または水酸化アンモニウム等の塩基性水溶液が用いられてよい。
また、乾燥制御剤として働く化合物としては、高い沸点を有し、かつ表面張力の小さい化合物が用いられてよい。例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(dimethylformamide,DMF)またはホルムアミド等が好適に用いられてよい。
本実施形態では、例えば、TMOS、DMF、メタノール、純水、および水酸化アンモニウムを混合することによって、ゾルゲル溶液が調製される(工程S1)。続いて、調製したゾルゲル溶液に所定の量の蛍光体粒子の粉末を投入した後に、当該溶液を一定時間に亘り室温下で攪拌する(工程S2)。
これにより、TMOSが水酸化アンモニウムに含まれるアンモニウムイオンの触媒採用によって加水分解されシラノール形成される。そして、縮重合によってシロキサン結合が形成される。
その結果、ゾルゲル溶液よりも高い粘度を有する湿潤ゾルが得られる(工程S3)。工程S3では、室温下で放置した時に蛍光体粒子が沈降しない程度に、十分に粘度が高い湿潤ゾルを形成する。
続いて、工程S3において得られた湿潤ゾルを、オーブンを用いて、150℃以下の温度によって乾燥させる(工程S4,乾燥工程)。これにより、蛍光体粒子がほぼ均一に分散した乾燥ゲルが得られる(工程S5)。
ここで、工程S4の乾燥工程において100時間以上の時間をかけて湿潤ゲルをゆっくりと乾燥させることにより、工程S5において亀裂の少ない乾燥ゲルを得ることができる。
続いて、工程S5において得られた乾燥ゲルをオーブンから焼成炉に移し、400℃以上かつ800℃以下の温度によって、当該乾燥ゲルを焼成する(工程S6,焼成工程)。工程S6の焼成工程を経ることにより、透明なシリカガラス10に蛍光体粒子11が分散された波長変換部材1が得られる(工程S7)。
なお、工程S5(すなわち、工程S6の焼成工程の前の段階)では、波長変換部材は目視でも白濁していることが確認される。換言すれば、工程S5の段階では、波長変換部材のシリカガラス部において、光の散乱が多く生じている。
そこで、工程S6の焼成工程において、400℃以上かつ800℃以下の温度によって乾燥ゲルを焼成することにより、シリカガラス部が十分な光透過性(透明度)を有するようになる。
なお、本実施形態での「十分な光透過性」とは、「350nm以上かつ800nm以下の光の波長範囲において、蛍光体が分散されていない厚さ1mm以上のガラスサンプルにおける表面反射損失を含む光透過率が90%以上である」状態を意味するものと理解されてよい。
また、工程S5の段階では、乾燥温度が150℃以下と低温であるために、波長変換部材の内部には、メトキシ基等の有機側鎖に起因する有機成分が残存している。続く工程S6において、400℃以上かつ800℃以下の温度によって乾燥ゲルを焼成することにより、当該有機成分を全て分解または揮発させることができる。
なお、波長変換部材の内部に有機成分が残存していた場合に生じる欠点については、後に詳述する。
(シリカガラス10の特性)
図2に示されるように、シリカガラスの焼成温度を400℃以上かつ800℃以下としたゾルゲル法によって、波長変換部材1中のシリカガラス10が形成される。
他方、上述の非特許文献1では、シリカガラスの焼成温度を1000℃以上の高温としたゾルゲル法によって、波長変換部材を製作していた。具体的には、非特許文献1では、シリカガラスの焼成温度を1050℃とすることにより、シリカガラスの密度を、真密度付近(例えば、密度2.0g/cm以上)まで緻密化させていた。
このように、本実施形態のシリカガラス10の焼成温度(400℃以上かつ800℃以下)は、非特許文献1のシリカガラスの焼成温度(1050℃)に比べて十分に低温である。
このため、本実施形態のシリカガラス10によれば、非特許文献1のシリカガラスに比べて、シリカガラスの内部に分散させることが可能な蛍光体粒子の材料の選択の自由度が向上することとなる。
なお、本実施形態の波長変換部材1は、非特許文献1と同様にゾルゲル法を用いて製作することができる。従って、本実施形態の波長変換部材1は、従来の波長変換部材と同様に、製作が容易であるという点においても利点がある。
また、上述したように、シリカガラス10の密度は、真密度の半分程度である。すなわち、シリカガラス10は、非特許文献1のシリカガラス(密度2.0g/cm以上)と比較して、十分に低い密度を有している。これにより、シリカガラス10は、非特許文献1のシリカガラスに対して、以下の2点の利点を有することとなる。
(利点1):シリカガラス10は、非特許文献1のシリカガラスと比較して、より低い屈折率を有することとなる。
従って、シリカガラス10によれば、非特許文献1のシリカガラスに比べて、空気とガラスとの界面における全反射が低減される。それゆえ、波長変換部材1の励起光変換効率を、非特許文献1の波長変換部材に比べて向上させることが可能となる。
(利点2):シリカガラス10は、非特許文献1のシリカガラスと比較して、より低い熱伝導率を有することとなる。
従って、後述する図3の発光装置100(すなわち、波長変換部材1と半導体発光素子23とを組み合わせて構成した発光装置)において、発光装置100が外部の環境変化によって生じる温度変化によって受ける影響を低減することができる。このため、発光装置100内の半導体発光素子23またはパッケージ素材等の劣化を抑制することが可能となる。
また、シリカガラス10および蛍光体粒子11のそれぞれは、熱的および化学的に安定な材料から成っている。従って、本実施形態の波長変換部材1は、温度変化に対する高い安定性を有している。それゆえ、波長変換部材1を含んだ発光装置100は、温度的に過酷な環境下において使用される発光素子(例えば、冷蔵庫用または医療機器用の発光素子)として特に好適である。
ところで、上述したように、特許文献4には、150℃という低温の焼成温度によって、シリカガラスを焼成する点が開示されている。特許文献4では、蛍光体粒子が熱的および化学的な安定性に劣る硫化物蛍光体であるため、極めて低い焼成温度によってシリカガラスを焼成していると考えられる。
しかしながら、特許文献4のシリカガラスは、以下に示す2つの理由により、波長変換部材を構成する材料としては好適ではないと理解される。
(理由1):150℃という低温の焼成温度では、シリカガラスの収縮が不十分であり、シリカガラス中に数多くの空孔が残存する。その結果、シリカガラス内において空孔に起因する光の散乱が生じ、シリカガラスの光透過性が低下する。なお、シリカガラスの焼成温度を150℃とした場合には、シリカガラスが目視でも白濁していることが確認される程度に、シリカガラスの光透過性が低下する。
このような透明度の低いシリカガラスを波長変換部材に適用した場合には、波長変換部材における励起光変換効率が低下する。また、当該波長変換部材を含んだ発光装置の発光効率が低下する。
(理由2):ゾルゲル法では、側鎖に炭素を含む溶液を出発原料としてシリカガラスを作製するので、焼成温度が低すぎると炭素成分がシリカガラス中に残存する。炭素成分がシリカガラス中に残存している場合には、シリカガラスの熱的および化学的安定性が低下する。その結果、波長変換部材の信頼性が低下することとなる。
また、炭素成分がシリカガラス中に残存している場合には、波長変換部材に強度の高い励起光を照射した時に、炭素成分が析出し、シリカガラスが黒変する可能性がある。それゆえ、シリカガラスの光透過性が減少するために、波長変換部材の励起光変換効率が低下することとなる。
このように、以上に示した2つの理由によって、150℃という低温の焼成温度によって焼成された特許文献4のシリカガラスは、波長変換部材を構成する材料として好適ではないと理解される。
他方、本実施形態のシリカガラス10は、焼成温度が800℃以下であり、かつ、真密度よりも密度が低いものの、実用上十分な光透過性を有している。すなわち、シリカガラス10は、特許文献4のシリカガラスに比べて、十分に高い光透過性を有している。
それゆえ、本実施形態の波長変換部材1では、特許文献4の波長変換部材に比べて、十分に高い励起光変換効率が得られる。このように、本実施形態のシリカガラス10は、上述の第1の理由に示された特許文献4のシリカガラスの欠点を克服している。
なお、上述したように、「シリカガラス10が実用上十分な光透過性を有している」とは、「350nm以上かつ800nm以下の光の波長範囲において、厚さ1mm以上のシリカガラス10における表面反射損失を含む光透過率が90%以上である」ことを意味するものと理解されてよい。
また、本実施形態のシリカガラス10は、焼成温度が400℃以上であるので、シリカガラス10中の有機成分は、全て分解または揮発している。それゆえ、シリカガラス10は、熱的および化学的に安定な無機物である純粋なSiOによって構成されているため、高い安定性を有している。
このように、本実施形態のシリカガラス10は、上述の第2の理由に示された特許文献4のシリカガラスの欠点をも克服している。
なお、上述の式(1)における密度dの下限値(0.8g/cm)および上限値(1.2g/cm)は、以下の根拠に基づいて設定されたものである。
(密度dの下限値の根拠):波長変換部材の密度が0.8g/cm未満である場合には、シリカガラス中に微細な空孔が残存した状態となり得る。この場合、空孔によって光が散乱されるため、シリカガラスの透明度が低下する。その結果、波長変換部材の励起光変換効率が低下するという問題が生じる。
(密度dの上限値の根拠):1.2g/cmという密度は、シリカガラス中に複数種類の窒化物または酸窒化物の蛍光体粒子を分散させた波長変換部材を構成する場合における適切な密度の上限値として、本願の発明者らによって新たに見出されたものである。
より具体的には、この密度の上限値は、非特許文献1、非特許文献2、および特許文献3の波長変換部材において生じ得る以下の2点の技術的課題を解決するために、見出しされたものである。
(非特許文献1の技術的課題):非特許文献1では、波長変換部材を緻密化させるために、シリカガラスの焼成温度を1000℃以上としていた。なお、1000℃以上という焼成温度は、シリカガラスの密度を1.2g/cmより大きくするために必須のものである。
しかしながら、焼成温度を1000℃とした場合には、αSiAlON蛍光体以外の蛍光体粒子が、熱的に劣化してしまうという問題が生じる(後述の比較例1および2を参照)。
(非特許文献2および特許文献3の技術的課題):一方、非特許文献2および特許文献3では、窒化物または酸窒化物の蛍光体粒子を高密度に含有する波長変換部材が形成されている。非特許文献2および特許文献3では、当該波長変換部材を形成するためのシリカガラスの焼成温度は500℃であるので、蛍光体粒子の熱的な劣化は生じない。
しかしながら、非特許文献2および特許文献3の波長変換部材では、波長変換部材に蛍光体粒子が過剰に含有されているために、波長変換部材において光の過剰な散乱が生じる。このため、発光装置の発光効率が低下してしまうという問題が生じる(後述の比較例3を参照)。
また、非特許文献2および特許文献3の波長変換部材では、約3.2〜3.4g/cmの密度を有する窒化物または酸窒化物の蛍光体粒子が30体積%以上含まれている。このため、非特許文献2および特許文献3の波長変換部材の密度は、少なくとも1.4g/cm以上となる。
そこで、本願の発明者らは、波長変換部材1の密度dの上限値を1.2g/cmとすることにより、上述の2点の技術的課題を解決できることを新たに見出した。
具体的には、密度dの上限値を1.2g/cmとした場合には、シリカガラスの焼成温度を800℃以下とすることができるので、非特許文献1の技術的課題が解決される。また、波長変換部材1に蛍光体粒子11が過剰に含有されないため、非特許文献2および特許文献3の技術的課題が解決される。
このように、波長変換部材1の密度dの上限値を1.2g/cmとすることにより、従来技術において生じ得る技術的課題を解決することが可能となる。
(蛍光体粒子11の材料)
後述の実施例1〜4に示されるように、本実施形態の波長変換部材1には、1種類または2種類以上の蛍光体粒子11が含まれていてよい。但し、光の色の設計自由度を高めるために、波長変換部材1には、2種類以上の蛍光体粒子11が含まれることが好ましい。
上述の図2に示されるように、本実施形態では、400℃以上の焼成温度によって、シリカガラス10に蛍光体粒子11を分散させている。この焼成温度は、従来のシリコーン等の樹脂に蛍光体粒子を分散させる場合と比べて、比較的高い温度である。
この点を考慮すると、本実施形態の蛍光体粒子11の材料としては、従来のシリコーン等の樹脂に適用される蛍光体粒子の場合に比べて、熱的および化学的な安定性がさらに高い材料を選定することが好ましい。
本実施形態では、蛍光体粒子11の材料として、耐熱性に優れた窒化物蛍光体または酸窒化物蛍光体が用いられる。窒化物蛍光体または酸窒化物蛍光体の具体例は、以下に示す通りである。
(αSiAlON蛍光体):Eu賦活αSiAlON、Ce賦活αSiAlON等、
(βSiAlON蛍光体):Eu賦活βSiAlON、Ce賦活βSiAlON等、
(CASN系蛍光体) :Eu賦活CaAlSiN、Eu賦活(Sr,Ca)AlSiN、Ce腑活CALSON、Ce賦活CaAlSiN等、
(その他の蛍光体) :Ce賦活JEM蛍光体、Eu賦活(Ca,Ba,Sr)Si蛍光体、Ce賦活LaSi11蛍光体、Mn賦活γ−AlON蛍光体等の従来公知のもの。
上述の蛍光体の中でも、αSiAlON蛍光体、βSiAlON蛍光体、およびCASN系蛍光体は、特に安定性および発光効率に優れているため、蛍光体粒子11の材料として好適に利用される。
また、Ce賦活αSiAlON蛍光体、Ce賦活βSiAlON蛍光体、Ce賦活JEM蛍光体、およびCe賦活LaSi11蛍光体は、波長405nm付近の青紫色の励起光によって、高効率に励起される。
また、Mn賦活γ−AlON蛍光体は、波長450nm付近の青色の励起光によって、高効率に励起される。
また、Eu賦活αSiAlON蛍光体、Eu賦活βSiAlON蛍光体、Eu賦活CaAlSiN蛍光体、Eu賦活(Sr,Ca)AlSiN蛍光体、Ce賦活CALSON蛍光体、Ce賦活CaAlSiN蛍光体、およびEu賦活(Ca,Ba,Sr)Si蛍光体は、波長405nm以上かつ450nm以下付近の青紫色から青色の励起光によって、高効率に励起される。
なお、発光装置100の発光効率を特に向上させることを目的とする場合には、第1蛍光体粒子11aおよび第2蛍光体粒子11bの材料として、Eu賦活αSiAlON蛍光体およびEu賦活βSiAlON蛍光体を適用して、波長変換部材1を構成することが好ましい(後述の実施例3を参照)。
この場合、波長450nm付近の青色の励起光によって蛍光体粒子11を励起させた時に、特に高効率の照明光を発する発光装置100を実現することが可能となるためである(後述の実施例5を参照)。
また、蛍光体粒子11の粒径は、1μm以上かつ30μm以下の範囲であることが好ましい。当該数値範囲の粒径では、蛍光体粒子11の発光効率が向上し、かつ、蛍光体粒子11のハンドリング性に優れるためである。
また、蛍光体粒子11の粒径は、5μm以上かつ20μm以下の範囲であることがより好ましい。当該数値範囲の粒径では、蛍光体粒子11の発光効率が特に向上するためである。この場合、波長変換部材1の励起光変換効率が特に向上するため、さらに発光効率の高い発光装置を実現することができる。
ところで、非特許文献2および特許文献3に関して上述したように、波長変換部材中の蛍光体粒子の含有量が過剰(例えば30%体積以上)である場合には、蛍光体粒子による過剰な光散乱が生じるために、波長変換部材の励起光変換効率が低下する。
他方、上述の式(2)に示されている通り、本実施形態の波長変換部材1における蛍光体粒子11の含有率vは、0.1≦v≦10である。このように、本実施形態の波長変換部材1では、波長変換部材1中の蛍光体粒子11の含有量が過剰とならないように、含有率vの値が適切に調整されている。
それゆえ、波長変換部材1は、非特許文献2および特許文献3の波長変換部材と比べて、さらに高い励起光変換効率を実現することができる。
なお、上述の式(2)における含有率vの下限値(0.1体積%)および上限値(10体積%)は、以下の根拠に基づいて設定されたものである。
(含有率vの下限値の根拠):蛍光体粒子の含有率が0.1体積%未満の場合には、励起光が蛍光体粒子によって十分に変換されない。この場合、照明装置において所望の発光色(白色光等)を得ることができないという問題が生じる。
(含有率vの上限値の根拠):蛍光体粒子の含有率が10体積%より大きい場合には、蛍光体粒子がシリカガラスの収縮を阻害してしまう。この場合、波長変換部材の機械的強度が低下する可能性があるという問題が生じる。
なお、含有率vの上限値は、3体積%であることがさらに好ましい。その理由は、上述のゾルゲル法を用いた波長変換部材1の製作が、より容易となるためである。従って、含有率vは、以下の式(3)
0.1≦v≦3 …(3)
を満たすことがさらに好ましい。
(発光装置100の構成)
図3は、波長変換部材1を備えた発光装置100の構成を示す断面図である。発光装置100は、波長変換部材1と半導体発光素子23(励起光源)とを組み合わせて構成されている。以下、図3を参照し、発光装置100の構成について説明する。
半導体発光素子23は、InGaAlN系結晶から成っている。半導体発光素子23は、LEDであってもよいし、またはレーザダイオード等であってもよい。半導体発光素子23は、波長変換部材1に励起光26を照射する励起光源として機能する。
なお、半導体発光素子23の発光層等の構成材料の組成を変化させることによって、半導体発光素子23から出射される励起光26の発光ピーク波長(発光スペクトルにおいてピークが形成される波長)を、300nm以上かつ500nm以下の範囲において変化させることができる。半導体発光素子23は、例えば、445nmの発光ピーク波長を有する励起光26を発するLEDであってよい。
半導体発光素子23は、基体22の上に配置されている。半導体発光素子23には、n型電極23Aおよびp型電極23Bが設けられている。また、基体22の上には、電極24A・24Bが設けられている。そして、(i)n型電極23Aは電極24Aと、(ii)p型電極23Bは電極24Bと、それぞれ電気的に接続されている。
波長変換部材1は、基体22の一部である支持部25の上に接着されている。波長変換部材1は、半導体発光素子23から出射された励起光26を受ける。そして、励起光26によって、波長変換部材1に含まれる蛍光体粒子11が励起される。その結果、蛍光体粒子11から、蛍光27が発せられる。
なお、波長変換部材1に複数種類の蛍光体粒子が含まれている場合には、各種類の蛍光体粒子のそれぞれから発せられた蛍光が混合された光が、蛍光27となる。例えば、図3の蛍光27は、(i)第1蛍光体粒子11aから発せられた第1ピーク波長の蛍光と、(ii)第2蛍光体粒子11bから発せられた第2ピーク波長の蛍光とが混合された光である。
また、発光装置100において、蛍光27は、励起光26よりも長い波長を有している。すなわち、波長変換部材1は、励起光26をより長波長の蛍光27に変換する波長変換部材として機能する。発光装置100からは、励起光26と蛍光27とが混合された光が、照明光として外部に出射される。
また、波長変換部材1に複数種類の蛍光体粒子が含まれている場合には、各種類の蛍光体粒子の混合比率を変化させることにより、発光装置100から発せられる照明光の色度を適宜調整することができる。
特に、各種類の蛍光体粒子から発せられる異なる色の蛍光を混合することにより、照明光としての白色光が得られる場合には、発光装置100は、照明用発光装置の用途に好適である。
このような白色光を発する発光装置100を製作する場合には、各蛍光体粒子の混合比率を調整することにより、蛍光灯の発光色に近い寒色系の照明用発光装置を実現することもできる。また、電球の発光色に近い暖色系の照明用発光装置を実現することも可能である。なお、各蛍光体粒子の混合比率は、各蛍光体粒子の発光効率が製造ロット等によって変化することがあるため、適宜調整する必要がある。
なお、上述したように、半導体発光素子23から発せられる励起光26の発光ピーク波長は、300nm以上かつ500nm以下であればよい。但し、励起光26の発光ピーク波長は、350nm以上かつ480nm以下であることが好ましい。当該波長範囲では、半導体発光素子23の発光効率が、他の波長範囲に比べて高くなるためである。
また、後述の実施形態4において説明するように、励起光26の発光ピーク波長は、440nm以上かつ460nm以下であることが特に好ましい。
(蛍光体粒子11の製造例)
以下、蛍光体粒子11の各製造例である製造例1〜3について説明する。
(製造例1:Eu賦活βSiAlON蛍光体粒子の製造)
製造例1は、組成式Si6−zAl8−zにおいてz=0.06であるβSiAlON蛍光体にEuが0.10at.%賦活された、Eu賦活βSiAlON蛍光体の粒子を得ることを目的とした製造工程である。
はじめに、金属Si粉末が93.59重量%、窒化アルミニウムが粉末5.02重量%、酸化ユーロピウムが粉末1.39重量%の組成となるように、所定量の原料粉末を秤量した。なお、原料粉末は、秤量に先立ち、目開き45μmのふるいに通されている。
そして、窒化ケイ素焼結体製の乳鉢と乳棒とを用いて、秤量した原料粉末を10分以上に亘って混合することにより、粉体凝集体が得られた。続いて、この粉体凝集体を、直径20mm、高さ20mmの大きさの窒化ホウ素製のるつぼに自然落下させて入れた。
次に、当該るつぼを、黒鉛抵抗加熱方式の加圧電気炉にセットし、拡散ポンプにより焼成雰囲気を真空とした。そして、毎時500℃の温度上昇率によって、室温から800℃まで昇温した。続いて、温度800℃において、純度99.999体積%の窒素を導入し、圧力を0.5MPaとした。そして、毎時500℃の温度上昇率によって1300℃まで昇温した。その後、毎分1℃の温度上昇率によって1600℃まで昇温した。
そして、温度1600℃を8時間保持することによって合成された試料を、メノウ製乳鉢によって粉末に粉砕する。これにより、粉末試料が得られた。
次に、得られた粉末試料に再度加熱処理を施した。そして、温度1600℃によって焼成された粉末を、窒化ケイ素製の乳鉢と乳棒とを用いて粉砕した。その後、粉砕した粉末を、直径20mm、高さ20mmの大きさの窒化ホウ素製のるつぼに自然落下させて入れた。
次に、当該るつぼを、黒鉛抵抗加熱方式の加圧電気炉にセットし、拡散ポンプにより焼成雰囲気を真空とした。そして、毎時500℃の温度上昇率によって、室温から800℃まで昇温した。続いて、温度800℃において、純度99.999体積%の窒素を導入して、圧力を1MPaとした。その後、毎時500℃の温度上昇率によって1900℃まで昇温した。そして、温度1900℃を8時間保持することによって、蛍光体試料が得られた。
次に、得られた蛍光体試料をメノウ製乳鉢によって粉砕し、さらに50%フッ化水素酸と70%硝酸との1:1混酸中において、温度60℃によって処理した。そして、処理された試料を純水によって洗浄した後に、目開き10μmのふるいを用いて、粒径の小さい粒子を取り除いた。これにより、蛍光体粉末が得られた。
得られた蛍光体粉末に対してXRD(X-Ray Diffraction,粉末X線回折測定)を行った結果、蛍光体粉末がβSiAlONの結晶構造を有していることを確認することができた。また、ランプから発せられた波長365nmの光を蛍光体粉末に照射した結果、当該蛍光体粉末が緑色に発光することを確認することができた。
(製造例2:Eu賦活CaAlSiN蛍光体粒子の製造)
製造例2は、組成式Ca0.992Eu0.008SiAlNとして表されるEu賦活CaAlSiN蛍光体の粒子を得ることを目的とした製造工程である。
はじめに、窒化アルミニウム粉末が29.7質量%、α型窒化ケイ素粉末が33.9質量%、窒化カルシウム粉末が35.6質量%、窒化ユーロピウム粉末が0.8質量%の組成となるように、所定量の原料粉末を秤量した。なお、窒化ユーロピウムは、金属ユーロピウムをアンモニア中において窒化し合成したものを用いた。
そして、窒化ケイ素焼結体製の乳鉢と乳棒とを用いて、秤量した原料粉末を10分以上に亘って混合することにより、粉体凝集体が得られた。続いて、この粉体凝集体を、直径20mm、高さ20mmの大きさの窒化ホウ素製のるつぼに自然落下させて入れた。
なお、粉体の秤量、混合、および成形の各工程は全て、水分1ppm以下、酸素1ppm以下の窒素雰囲気を保持することが可能なグローブボックス中において行った。
次に、当該るつぼを、黒鉛抵抗加熱方式の加圧電気炉にセットし、純度99.999体積%の窒素を導入して圧力を1MPaとした。続いて、毎時500℃の温度上昇率によって、室温から1800℃まで昇温した。そして、温度1800℃を2時間保持することよって、蛍光体試料が得られた。
次に、得られた蛍光体試料をメノウの乳鉢を用いて粉砕した。さらに、50%フッ化水素酸と10倍に希釈した18mol/l硫酸との1:3混酸を、純水によりさらに10倍に希釈した溶液中において、粉砕した蛍光体試料を温度20℃によって処理した。そして、処理された試料を純水によって洗浄した後に、目開き10μmのふるいで粒径の小さい粒子を取り除いた。これにより、蛍光体粉末が得られた。
得られた蛍光体粉末に対して、CuのKα線を用いたXRDを行った結果、当該蛍光体粉末がCaAlSiNの結晶構造を有していることを確認することができた。また、ランプから発せられた波長365nmの光を蛍光体粉末に照射した結果、当該蛍光体粉末が赤色に発光することを確認することができた。
(製造例3:Eu賦活αSiAlON蛍光体粒子の製造)
製造例3は、組成式組成式(Ca,Eu)(Si12−(m+n)Alm+n)(O16−n)において、x=1.8、y=0.075、m=3.75、n=0.05であるEu賦活αSiAlON蛍光体の粒子を得ることを目的とした製造工程である。
はじめに、α型窒化ケイ素粉末が59.8質量%、窒化アルミニウム粉末が24.3質量%、窒化カルシウム粉末13.9が質量%、酸化ユーロピウム粉末が0.9質量%、窒化ユーロピウム粉末が1.1質量%の組成となるように、所定量の原料粉末を秤量した。なお、窒化ユーロピウムは、金属ユーロピウムをアンモニア中において窒化し合成したものを用いた。
そして、窒化ケイ素焼結体製の乳鉢と乳棒とを用いて、秤量した原料粉末を10分以上に亘って混合することにより、粉体凝集体が得られた。続いて、この粉体凝集体を、目開き250μmのふるいを通過させ、直径20mm、高さ20mmの大きさの窒化ホウ素製のるつぼに充填した。
なお、粉体の秤量、混合、および成形の各工程は全て、水分1ppm以下、酸素1ppm以下の窒素雰囲気を保持することが可能なグローブボックス内において行った。
次に、当該ルツボを、黒鉛抵抗加熱方式の加圧電気炉にセットし、純度が99.999堆積%の窒素を導入して圧力を1MPaとした。続いて、毎時500℃の温度上昇率によって、室温から1800℃まで昇温した。そして、温度1800℃を2時間保持して加熱処理を行った。
次に、加熱処理によって得られた生成物をメノウ製乳鉢によって粉砕し、50%フッ化水素酸と70%硝酸の1:1混酸中において、温度60℃によって処理した。そして、処理された生成物を純水によって洗浄した後に、目開き10μmのふるいを用いて、粒径の小さい粒子を取り除いた。これにより、蛍光体粉末が得られた。
得られた蛍光体粉末に対して、CuのKα線を用いたXRDを行った結果、当該蛍光体粉末がαSiAlONの結晶構造を有していることを確認することができた。また、ランプから発せられた波長365nmの光を蛍光体粉末に照射した結果、当該蛍光体粉末が橙色に発光することを確認することができた。
(波長変換部材1の製造例)
以下、波長変換部材1の各製造例としての実施例1〜4について説明する。また、実施例1〜3の比較例としての比較例1〜3についても説明する。なお、図10には、各実施例および各比較例に係る波長変換部材における評価結果のデータが、表として示されている。
なお、実施例1〜2および比較例1〜2では、シリカガラス中に1種類の蛍光体粒子のみが分散された波長変換部材が製造されている。他方、実施例3〜4および比較例3では、シリカガラス中に2種類の蛍光体粒子が分散された波長変換部材が製造されている。
(実施例1〜2および比較例1〜2について)
本実施形態の波長変換部材によって実現される1つの効果は、励起光変換効率が向上することである。以下、この効果について説明するために、実施例1〜2および比較例1〜2について、はじめに述べる。
(実施例1)
実施例1では、焼成温度600℃のシリカガラスに、5wt.%のEu賦活βSiAlON蛍光体粒子を分散させて、波長変換部材が製造される。具体的な製造工程は、以下の通りである。
はじめに、TMOS(純正化学株式会社製):DMF(和光純薬工業株式会社製):メタノール(和光純薬工業株式会社製):=7.21g:2.891g:2.534gの重量比によって、溶液を混合した。そして、混合した溶液を、フッ素樹脂製容器中に密閉して10分間攪拌した。
その後、当該溶液に、試薬純水(和光純薬工業株式会社製)8.55mlと10%の水酸化アンモニウム(和光純薬工業株式会社製)7.37μlとを加え、ゾルゲル溶液を調製した。
密閉したフッ素容器中においてゾルゲル溶液を30分間攪拌した後、当該ゾルゲル溶液中に、製造例1において作製されたEu賦活βSiAlON蛍光体の粉末0.15gを混合した。そして、当該混合物を密閉容器中で1時間撹拌し、蛍光体分散湿潤ゲルを得た。
次に、得られた蛍光体分散湿潤ゲルを、内径(直径)17mmのフッ素樹脂製からなる型に移し替えた。そして、型にアルミ箔を被せた後、当該型を乾燥機に投入した。
続いて、乾燥機において、温度35℃を8時間に亘って保持した。そして、24時間かけて80℃まで昇温した後、温度80℃を120時間に亘って保持した。そして、96時間かけて温度150℃まで再度昇温した後に、温度150℃を24時間に亘って保持した。
このようにして、型に移し替えられた蛍光体分散湿潤ゲルを乾燥させることにより、所望の形状の蛍光体分散乾燥ゲルが得られ。
そして、得られた蛍光体分散乾燥ゲルを焼成炉に投入し、30時間かけて室温から600℃まで昇温した。そして、温度600℃で2時間に亘って保持した。すなわち、焼成温度を600℃によってシリカガラスを焼成した。これにより、蛍光体分散乾燥ゲルがガラス化され、シリカガラスが形成される。
続いて、焼成後の波長変換部材を、サンドペーパー等を用いて成型した。これにより、シリカガラスの中に蛍光体粒子がほぼ均一に分散された波長変換部材が得られた。なお、得られた波長変換部材は円柱状の形状を有しており、そのサイズは、直径10.8mm、厚さ2mmであった。
実施例1において得られた波長変換部材は、室内の蛍光灯下において鮮やかな緑色であることが確認された。また、ランプから発せられた波長365nmの光を波長変換部材に照射した結果、強度の高い緑色の蛍光が波長変換部材から発せられることが確認された。
なお、実施例1の波長変換部材の体積と重量とを測定した結果に基づいて、当該波長変換部材の密度dを算出したところ、d=0.91g/cmであった。そして、Eu賦活βSiAlON蛍光体粒子の密度を3.21g/cmとして、蛍光体粒子の含有率vを算出したところ、v=1.47体積%であった。
(比較例1)
比較例1では、焼成温度1050℃のシリカガラスに、5wt.%のEu賦活βSiAlON蛍光体粒子を分散させて、波長変換部材が製造される。
比較例1では、(i)湿潤ゲルを移し替えるための型の内径を25mmとして、(ii)シリカガラスの焼成温度を1050℃とした点以外は、実施例1と同様にして波長変換部を製造した。
なお、比較例1において得られた円柱状の波長変換部材のサイズは、直径10.5mm、厚さ2mmであった。
比較例1において得られた波長変換部材は、室内の蛍光灯下において白色であり、所々黒ずんでいることが確認された。また、ランプから発せられた波長365nmの光を波長変換部材に照射した結果、青緑色の蛍光が波長変換部材からかすかに発せられることが確認された。
すなわち、比較例1の波長変換部材では、実施例1の波長変換部材とは異なり、波長変換部材から強度の高い緑色の蛍光は発せられなかった。
また、比較例1の波長変換部材の体積と重量とを測定した結果に基づいて、当該波長変換部材の密度dを算出したところ、d=2.10g/cmであった。そして、Eu賦活βSiAlON蛍光体粒子の密度を3.21g/cmとして、蛍光体粒子の含有率vを算出したところ、v=3.33体積%であった。
(実施例2)
実施例2では、焼成温度400℃のシリカガラスに、5wt.%のEu賦活CaAlSiN蛍光体粒子を分散させて、波長変換部材が製造される。
実施例2では、(i)シリカガラス中に分散させる蛍光体粒子(すなわち、ゾルゲル溶液に混合させる蛍光体)を、製造例2において作製されたEu賦活CaAlSiN蛍光体粉末0.15gとして、(ii)シリカガラスの焼成温度を400℃とした点以外は、実施例1と同様にして波長変換部材を製造した。
なお、実施例2において得られた円柱状の波長変換部材のサイズは、直径10.9mm、厚さ2mmであった。
実施例2において得られた波長変換部材は、室内の蛍光灯下において鮮やかな赤色であることが確認された。また、ランプから発せられた波長365nmの光を波長変換部材に照射した結果、強度の高い赤色の蛍光が波長変換部材から発せられることが確認された。
また、実施例2の波長変換部材の体積と重量とを測定した結果に基づいて、当該波長変換部材の密度dを算出したところ、d=0.89g/cmであった。そして、Eu賦活CaAlSiN蛍光体粒子の密度を3.38g/cmとして、蛍光体粒子の含有率vを算出したところ、v=1.36体積%であった。
(比較例2)
比較例2では、焼成温度1050℃のシリカガラスに、5wt.%のEu賦活CaAlSiN蛍光体粒子を分散させて、波長変換部材が製造される。
比較例2では、シリカガラス中に分散させる蛍光体粒子を、製造例2において作製されたEu賦活CaAlSiN蛍光体粉末0.15gとした点以外は、比較例1と同様にして波長変換部材を製造した。
なお、比較例2において得られた円柱状の波長変換部材のサイズは、直径10.5mm、厚さ2mmであった。
比較例2において得られた波長変換部材は、室内の蛍光灯下において白色であり、所々黒ずんでいることが確認された。また、ランプから発せられた波長365nmの光を波長変換部材に照射した結果、赤色と青色とが混色したすみれ色の蛍光が、波長変換部材からかすかに発せられることが確認された。
すなわち、比較例2の波長変換部材では、実施例2の波長変換部材とは異なり、波長変換部材から強度の高い赤色の蛍光は発せられなかった。
また、比較例2の波長変換部材の体積と重量とを測定した結果に基づいて、当該波長変換部材の密度dを算出したところ、d=2.15g/cmであった。そして、Eu賦活CaAlSiN蛍光体粒子の密度を3.38g/cmとして、蛍光体粒子の含有率vを算出したところ、v=3.24体積%であった。
(実施例1〜2および比較例1〜2の波長変換部材の評価)
続いて、分光放射輝度計(大塚電子株式会社製:MCPD−7000)と積分球とを組み合わせた測定系を用いて、実施例1〜2および比較例1〜2の波長変換部材の評価を行った。
図4は、Xeランプを分光して得られた波長445nmの単色光を励起光として用いた場合における、実施例1および比較例1のそれぞれの波長変換部材の発光スペクトルを示すグラフである。
また、図5は、Xeランプを分光して得られた波長445nmの単色光を励起光として用いた場合における、実施例2および比較例2のそれぞれの波長変換部材の発光スペクトルを示すグラフである。
図4および図5において、グラフの横軸は、照明光の波長(nm)を表す。また、グラフの縦軸は、波長変換部材から発せられる蛍光の発光強度(任意単位)を表す。
図4によれば、実施例1および比較例1の波長変換部材は、ともに同じ種類の蛍光体粒子(Eu賦活βSiAlON蛍光体粒子)を含んでいるにも関わらず、実施例1の波長変換部材が、比較例1の波長変換部材に比べて、著しく高い発光強度を示していることが理解される。
また、図5によれば、実施例2および比較例2の波長変換部材は、ともに同じ種類の蛍光体粒子(CaAlSiN蛍光体粒子)を含んでいるにも関わらず、実施例2の波長変換部材が、比較例2の波長変換部材に比べて、著しく高い発光強度を示していることが理解される。
換言すれば、実施例1および2の波長変換部材は、比較例1および2の波長変換部材と比べて、著しく高い励起光変換効率を有していると理解されてもよい。なお、同じ種類の蛍光体粒子を含んだ波長変換部材での、励起光変換効率の相対的な数値の具体例を示すと、以下の通りとなる。
実施例1の波長変換部材の励起光変換効率を100として表した場合、比較例1の波長変換部材の励起光変換効率は16となる。すなわち、実施例1の波長変換部材は、比較例1の波長変換部材に比べて、約6倍の励起光変換効率を有している。
また、実施例2の波長変換部材の励起光変換効率を100として表した場合、比較例2の波長変換部材の励起光変換効率は8となる。すなわち、実施例2の波長変換部材は、比較例2の波長変換部材に比べて、約12倍の励起光変換効率を有している。
なお、比較例1および2の波長変換部材の発光強度が、実施例2および比較例2の波長変換部材の発光強度に比べて著しく低下する理由の1つは、シリカガラスの焼成温度の違いにあると考えられる。
例えば、比較例1および2の波長変換部材では、シリカガラスの焼成温度が1050℃と高すぎるために、焼成中に何らかの化学反応が蛍光体粒子に影響を及ぼし、その結果蛍光体粒子が熱的に劣化することが考えられる。このため、蛍光体粒子の発光効率が、焼成前と比べて低下するものと考えられる。
他方、実施例1および2の波長変換部材では、シリカガラスの焼成温度が600℃または400℃である。このように、実施例1および2では、比較例1および2に比べて、有意に低いシリカガラスの焼成温度が適用されている。
このため、焼成中における化学反応が蛍光体粒子に及ぼす影響が極めて軽微であり、蛍光体粒子が熱的に劣化しないものと考えられる。このため、蛍光体粒子の発光効率が、焼成前と比べて低下することなく、高い発光効率を維持しているためと考えられる。
(実施例3〜4および比較例3について)
本実施形態の波長変換部材によって実現されるもう1つの効果は、波長変換部材から発せられる光の色の設計自由度を高めることである。以下、この効果を実現するための構成である実施例3〜4について述べる。また、実施例3〜4の比較例である比較例3についても述べる。
(実施例3)
実施例3では、焼成温度600℃のシリカガラスに、(i)3.5wt.%のEu賦活βSiAlON蛍光体粒子と、(ii)3.5wt.%のEu賦活αSiAlON蛍光体粒子とを分散させて、波長変換部材が製造される。
実施例3では、シリカガラス中に分散させる蛍光体粒子を、(i)製造例1において作製されたEu賦活βSiAlON蛍光体粉末0.105gと、(ii)製造例3において作製されたEu賦活αSiAlON蛍光体粉末0.105gとの混合粉末とした点以外は、実施例1と同様にして波長変換部材を製造した。
なお、実施例3において得られた円柱状の波長変換部材のサイズは、直径10.8mm、厚さ2.3mmであった。
また、実施例3の波長変換部材の体積と重量とを測定した結果に基づいて、当該波長変換部材の密度dを算出したところ、d=0.92g/cmであった。そして、Eu賦活βSiAlON蛍光体粒子およびEu賦活αSiAlON蛍光体粒子の密度を3.21g/cmとして、蛍光体粒子の含有率vを算出したところ、v=2.11体積%であった。
実施例3の波長変換部材には、(i)緑色の蛍光を発するEu賦活βSiAlON蛍光体粒子と、(ii)橙色の蛍光を発するEu賦活αSiAlON蛍光体粒子との2種類の粒子が含まれている。このため、実施例3の波長変換部材によれば、実施例1および実施例2の波長変換部材に比べて、波長変換部材から発せられる光の色の設計自由度を高めることが可能となる。
なお、実施例3の波長変換部材は、後述する比較例3と同様の種類の蛍光体粒子を含んでいる。実施例1の波長変換部材の励起光変換効率を100として表した場合、比較例3の波長変換部材の励起光変換効率は81となる。すなわち、実施例3の波長変換部材は、比較例3の波長変換部材に比べて、約1.2倍の励起光変換効率を有している。
また、実施例3は、シリカガラスの内部に、酸窒化物蛍光体または窒化物蛍光体から成る複数種類の蛍光体粒子が分散された波長変換部材の製造方法の一例を示したものと理解されてもよい。
当該製造方法は、(i)励起光を受けて第1ピーク波長を有する蛍光を発する第1蛍光体粒子(緑色の蛍光を発するEu賦活βSiAlON蛍光体粒子)と、(ii)励起光を受けて第1ピーク波長とは異なる第2ピーク波長を有する蛍光を発する第2蛍光体粒子(橙色の蛍光を発するEu賦活αSiAlON蛍光体粒子)と、の少なくとも2種類の蛍光体粒子を、シリカガラスの内部に分散させる工程を含んでいる。
また、上述したように、当該製造方法では、波長変換部材は、0.8g/cm以上かつ1.2g/cm以下の密度を有するように形成される。
(実施例4)
実施例4では、焼成温度400℃のシリカガラスに、(i)5.6wt.%のEu賦活βSiAlON蛍光体粒子と、(ii)1.4wt.%のEu賦活CaAlSiN蛍光体粒子とを分散させて、波長変換部材が製造される。
実施例4では、シリカガラス中に分散させる蛍光体粒子を、(i)製造例1において作製されたEu賦活βSiAlON蛍光体粉末0.168gと、(ii)製造例2において作製されたEu賦活CaAlSiN蛍光体粉末0.042gとの混合粉末とした点以外は、実施例1と同様にして波長変換部材を製造した。
なお、実施例4において得られた円柱状の波長変換部材のサイズは、直径10.8mm、厚さ1.8mmであった。
また、実施例4の波長変換部材の体積と重量とを測定した結果に基づいて、当該波長変換部材の密度dを算出したところ、d=0.90g/cmであった。そして、Eu賦活βSiAlON蛍光体粒子の密度を3.21g/cmとし、Eu賦活CaAlSiN蛍光体粒子の密度を3.38g/cmとして、蛍光体粒子の含有率vを算出したところ、v=2.01体積%であった。
実施例4の波長変換部材には、(i)緑色の蛍光を発するEu賦活βSiAlON蛍光体粒子と、(ii)赤色の蛍光を発するEu賦活CaAlSiN蛍光体粒子との2種類の粒子が含まれている。このため、実施例4の波長変換部材によっても、実施例3の波長変換部材と同様に、実施例1および実施例2の波長変換部材に比べて、波長変換部材から発せられる光の色の設計自由度を高めることが可能となる。
(比較例3)
比較例3では、(i)Eu賦活βSiAlON蛍光体粒子と、(ii)Eu賦活αSiAlON蛍光体粒子とを、シリカガラスの薄膜中に分散させて、波長変換部材が製造される。具体的な製造工程は、以下の通りである。
はじめに、(i)製造例1において作製されたEu賦活βSiAlON蛍光体粉末と、(ii)製造例3において作製されたEu賦活αSiAlON蛍光体粉末とを、50:50の混合比率で混合することによって、混合蛍光体粒子を得る。そして、当該混合蛍光体粒子を0.5g秤量する。
次に、0.5gの混合蛍光体粒子、93μlのTEOS(和光純薬工業株式会社製)、および30μlの塩酸(和光純薬工業株式会社製)を、100mlのエタノール(和光純薬工業株式会社製)に加える。そして、エタノール溶液を24時間攪拌することによって、蛍光体分散溶液を調製する。
次に、得られた蛍光体分散液の中に、パイレックス(登録商標)ガラスからなるサイズ10mm×10mmのシリカガラス基板を1分間浸漬させる。これにより、シリカガラス基板上に蛍光体粒子を堆積させる。その後、シリカガラス基板をゆっくりと引き上げることにより、蛍光体粒子の集合体が堆積した蛍光体堆積基板が得られる。そして、得られた蛍光体堆積基板に対して、大気中において500℃の温度によって2時間の焼成処理を施す。これにより、蛍光体粒子同士を接着させる。
次に、エタノールとTEOSと純水と塩酸とを、4ml:6ml:3ml:1mlの比率によって混合させた混合溶液を、マイクロピペットを用いて4μlだけ蛍光体堆積基板上に滴下する。そして、蛍光体堆積基板に対して、再び大気中において500℃の温度によって2時間の再焼成処理を施す。このようにして、蛍光体膜を含んだ波長変換部材を、基板上に形成した。
なお、基板中には蛍光体粒子が分散しておらず、単独では波長変換機能を有しない。このため、比較例3では、基板は、波長変換部材に含まれないものとして考える。
比較例3の波長変換部材において、断面SEM(Scanning Electron Microscope)/EDX(Energy Dispersive X-ray spectrometry)によって、シリカガラス中の蛍光体粒子の含有率vを測定したところ、v=65体積%であった。
なお、比較例3では、波長変換部材を基板から剥離させて、波長変換部材の単独の密度を直接測定することが困難であった。このため、蛍光体粒子の含有率vから波長変換部材の密度dを算出したところ、d=2.35g/cmであった。
(波長変換部材1の効果)
以上のように、波長変換部材1の密度d(g/cm)が上述の式(1)を満たすように、波長変換部材1を製作することにより、波長変換部材1の励起光変換効率を十分に向上させることが可能となる。
さらに、波長変換部材1に複数種類の蛍光体粒子(第1蛍光体粒子11aおよび第2蛍光体粒子11b)を含めることができるため、波長変換部材1から発せられる光の色の設計自由度を高めることが可能となる。
このように、本実施形態の波長変換部材1によれば、(i)波長変換部材1から発せられる光の色の設計自由度を高めることと、(ii)波長変換部材1の励起光変換効率を十分に向上させることと、を両立することが可能となる。
それゆえ、波長変換部材1から発せられる光の色の設計自由度を高めつつ、波長変換部材1の励起光変換効率を従来よりも向上させることが可能となるという効果を奏する。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、図3、図6〜図7、および図11に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
本実施形態では、実施形態1において得られた波長変換部材の1つを用いて、上述の図3に示された発光装置100を製作した。そして、当該発光装置の性能について評価を行った。
以下、本実施形態における発光装置100の製造例としての実施例5について説明する。また、実施例5の比較例としての比較例4についても説明する。なお、図11には、各実施例および各比較例に係る発光装置における評価結果のデータが、表として示されている。
(実施例5)
実施例5では、上述の実施例3において得られた波長変換部材を波長変換部材1として適用し、発光装置100を製作した。
具体的には、実施例3の波長変換部材を支持部25に貼り付けることによって、発光装置100を製作した。なお、半導体発光素子23としては、LEDを用いた。半導体発光素子23から発せられる励起光26の発光ピーク波長は、445nmであった。
図6は、実施例5における発光装置100から発せられる照明光の発光スペクトルを示すグラフである。上述したように、照明光は、励起光26と蛍光27とが混合された光である。
なお、図6の発光スペクトルは、分光放射輝度計MCPD−7000(大塚電子株式会社製)を用いて測定されたものである。図6において、グラフの横軸は、照明光の波長(nm)を表す。また、グラフの縦軸は、照明光の発光強度(任意単位)を表す。なお、グラフの横軸および縦軸については、後述の図7および図8においても同様である。
図6の発光スペクトルは、2つのピークを有している。第1のピークは、波長450nm付近に存在している。第1のピークは、励起光26に起因するものである。また、第2のピークは、波長600nm付近に存在している。第2のピークは、蛍光27に起因するものである。
図6の発光スペクトルにおいて、波長500nm付近未満の領域でのスペクトル形状は、励起光26の発光スペクトルの形状に対応している。また、図6の発光スペクトルにおいて、波長500nm付近以上の領域でのスペクトル形状は、蛍光27の発光スペクトルの形状に対応している。
従って、図6の発光スペクトルにおいて、波長500nm付近以上の領域には、実施例3の波長変換部材の発光スペクトルが開示されていると理解されてもよい。
図6に示された照明光の発光スペクトルを解析した結果、照明光の色温度は、3,580Kであった。また、照明光の演色性評価指数は、Ra=63であった。また、照明光の色度点は、(CIEx,CIEy)=(0.395,0.371)であった。
また、半導体発光素子23から発せられる励起光26のエネルギーを50mWとする駆動条件において発光装置100を駆動し、照明光の全光束をMCPD−7000と積分球とを用いた測定系によって測定した。測定の結果、照明光の全光束は、7.2lmであることが確認された。
(比較例4)
比較例4では、上述の比較例3において得られた波長変換部材を波長変換部材1として適用した点以外は、実施例5と同様にして発光装置100を製作した。そして、実施例5と同様に、発光装置100から発せられる照明光の発光スペクトルを測定した。
図7は、比較例4における発光装置100から発せられる照明光の発光スペクトルを示すグラフである。上述の通り、図7の発光スペクトルにおいて、波長500nm付近以上の領域には、比較例3の波長変換部材の発光スペクトルが開示されていると理解されてもよい。
図7の発光スペクトルは、図6の発光スペクトルとほぼ同様の形状を有している。これは、比較例4と実施例5との両方において、波長変換部材1に含まれる蛍光体粒子(Eu賦活βSiAlON蛍光体粒子およびEu賦活αSiAlON蛍光体粒子)の種類が同一であるためである。
図7に示された照明光の発光スペクトルを解析した結果、照明光の色温度は、3,546Kであった。また、照明光の演色性評価指数は、Ra=60であった。また、照明光の色度点は、(CIEx,CIEy)=(0.399,0.379)であった。
また、励起光26のエネルギーを50mWとする駆動条件において発光装置100を駆動した場合において、照明光の全光束は、5.7lmであった。
(本実施形態の発光装置の効果)
以上のように、実施例5の発光装置では、比較例4の発光装置に比べて、特に高い照明光の光束を得ることができた。なお、実施例5の発光装置において、演色性評価指数Raの値は、比較例4の発光装置とほぼ同程度であった。
この点を考慮すると、実施例5の発光装置は、屋外照明等の用途に特に好適であると言える。これらの用途に用いられる照明光には、高い発光効率が要求されるが、高い演色性は要求されないためである。
また、図6および図7の発光スペクトルの形状がほぼ同様であるにも関わらず、実施例5の発光装置における光束が、比較例4の発光装置における光束よりも有意に高くなる理由について、以下の通り説明する。
実施例5の発光装置に適用されている波長変換部材(すなわち、実施例3の波長変換部材)では、上述したように、蛍光体粒子がシリカガラス中にほぼ均一に、かつ適切に調整された体積密度によって分散されている。このため、光の過剰な散乱が抑制され、波長変換部材の励起光変換効率が向上する。それゆえ、発光装置の発光効率が向上する。
他方、比較例4の発光装置に適用されている波長変換部材(すなわち、比較例3の波長変換部材)では、蛍光体膜が基板に密着している。当該構成は、半導体発光素子23が、高出力の励起光26を出射する励起光源(例えば、高出力のレーザ光を出射するレーザダイオード等)である場合に好ましいことが知られている。
その理由は、波長変換部材に照射される励起光26の単位面積あたりの光強度が極めて高い場合は、蛍光体膜の波長変換に伴う発熱が大きくなるためである。すなわち、当該構成によれば、蛍光体膜において発生した熱を基板に効率的に放出することができるためである。
しかしながら、比較例4の発光装置に適用されている波長変換部材には、蛍光体粒子が過剰に含有されているために、蛍光体粒子による光の過剰な散乱が生じる。その結果、波長変換部材の励起光変換効率が低下する。それゆえ、発光装置の発光効率が低下する。
従って、波長変換部材に照射される励起光26の単位面積辺あたりの光密度が極めて高い場合を除いては、比較例4の発光装置に比べて、さらに優れた発光効率を実現することが可能な実施例5の発光装置が、より好適であると言える。
より具体的には、波長変換部材に照射される励起光の単位面積あたりの光強度(光密度)が0.5W/mm以下である場合は、実施例5の発光装置が好適である。なお、0.5W/mm以下という光強度は、半導体発光素子23が例えばLEDである場合に実現される。
実施例5の発光装置において、励起光の強度を0.5W/mm以下とすることが好ましい理由は、以下の通りである。
上述の実施例3(および実施例4)の波長変換部材において、励起光の強度が0.5W/mmを超えた場合には、蛍光体粒子の波長変換に伴うエネルギーロスによる発熱量が過剰となり、波長変換部材の温度が200℃を超える。
そして、波長変換部材の温度が200℃を超えた場合には、蛍光体粒子の熱消光(熱劣化ではなく可逆的なもの)により、波長変換部材の変換効率が著しく低下するという問題が生じるためである。
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、図8および図11に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
本実施形態においても、実施形態2と同様にして、実施形態1において得られた波長変換部材の1つを用いて、上述の図3に示された発光装置100を製作した。そして、当該発光装置の性能について評価を行った。以下、本実施形態における発光装置100の製造例としての実施例6について説明する。
(実施例6)
実施例6では、上述の実施例4において得られた波長変換部材を波長変換部材1として適用した点以外は、実施例5と同様にして発光装置100を製作した。そして、実施例5と同様に、発光装置100から発せられる照明光の発光スペクトルを測定した。
図8は、実施例6における発光装置100から発せられる照明光の発光スペクトルを示すグラフである。上述の通り、図8の発光スペクトルにおいて、波長500nm付近以上の領域には、実施例4の波長変換部材の波長変換部材の発光スペクトルが開示されていると理解されてもよい。
図8の発光スペクトルは、3つのピークを有している。上述した通り、第1のピークは、励起光26に起因するものであり、波長450nm付近に存在している。また、第2のピークおよび第3のピークは、蛍光27に起因するものである。第2のピークは、波長540nm付近に存在している。第3のピークは、波長600nm付近に存在している。
図8に示された照明光の発光スペクトルを解析した結果、照明光の色温度は、5,000Kであった。また、照明光の演色性評価指数は、Ra=78であった。また、照明光の色度点は、(CIEx,CIEy)=(0.334,0.330)であった。
また、励起光26のエネルギーを50mWとする駆動条件において発光装置100を駆動した場合において、照明光の全光束は、5.9lmであった。
(本実施形態の発光装置の効果)
以上のように、実施例6の発光装置では、比較例4の発光装置に比べて、特に高い演色性評価指数Raの値を得ることができた。なお、実施例6の発光装置において、光束の値は、比較例4の発光装置とほぼ同程度であった。
この点を考慮すると、実施例6の発光装置は、店舗用照明等の用途、または液晶バックライト等の画像表示装置の用途に特に好適であると言える。これらの用途に用いられる照明光には、高い演色性が要求されるが、高い発光効率は要求されないためである。
〔実施形態4〕
本発明の他の実施形態について、図9に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
上述の実施形態1では、半導体発光素子23の発光効率が、他の波長範囲に比べて高くなるため、励起光26の発光ピーク波長が、350nm以上かつ480nm以下であることが好ましいことを説明した。
さらに、上述の実施形態1において述べたように、励起光26の発光ピーク波長は、440nm以上かつ460nm以下であることが特に好ましい。以下、図9を参照してその理由について説明する。
図9は、人間の視感度曲線を示すグラフである。図9において、グラフの横軸は、光の波長(nm)を表す。また、グラフの縦軸は、人間による光の視感度の相対値(任意単位)を表す。図9によれば、440nm以上かつ460nm以下という波長の値は、人間にとって視認可能な光の波長範囲の下限値付近にあることが理解される。
ここで、上述の図6〜図8に示されるように、励起光26の発光ピーク波長を440nm以上かつ460nm以下とした場合には、発光装置100から発せられる照明光の発光スペクトルでは、当該波長範囲において励起光26に起因するピーク(第1のピーク)が形成される。当該波長範囲では、蛍光27に比べて短い波長を有する励起光26の影響が支配的となるためである。
このように、励起光26の発光ピーク波長を440nm以上かつ460nm以下とするこことにより、励起光26を人間にとって視認可能な照明光の一部として好適に利用することができる。
換言すれば、発光装置100から発せられる照明光の発光スペクトルを、人間の視感度曲線と好適にマッチングさせることができる。これにより、発光装置100の発光効率を特に向上させることが可能となる。
〔変形例〕
上述の実施形態1(特に、実施例3および4)では、波長変換部材に、それぞれ異なる色の蛍光を発する2種類の蛍光体粒子が含まれる構成が例示されていた。
しかしながら、波長変換部材から発せられる光の色の設計自由度をさらに高めるために、波長変換部材に、それぞれ異なる色の蛍光を発する3種類以上の蛍光体粒子が含まれていてもよい。
一例として、波長変換部材は、(i)第1ピーク波長の蛍光(例えば、緑色の蛍光)を発する第1蛍光体粒子と、(ii)第2ピーク波長の蛍光(例えば、橙色から赤色の蛍光)を発する第2蛍光体粒子と、(iii)第3ピーク波長の蛍光(例えば、青色の蛍光)を発する第3蛍光体粒子との、3種類の蛍光体粒子を含んでいてもよい。
ここで、(i)第1ピーク波長は、500nm以上かつ550nm以下の範囲である。第1蛍光体粒子の材料としては、Eu賦活βSiAlON蛍光体、Ce賦活αSiAlON蛍光体、およびMn賦活γ−AlON蛍光体が好適に用いられる。
また、(ii)第2ピーク波長は、580nm以上かつ680nm以下の範囲である。第2蛍光体粒子の材料としては、Eu賦活αSiAlON蛍光体、Eu賦活CaAlSiN蛍光体、Eu賦活(Sr,Ca)AlSiN蛍光体、Ce賦活CALSON蛍光体、およびEu賦活(Ca,Ba,Sr)Siが好適に用いられる。
また、(iii)第3ピーク波長は、420nm以上かつ480nm以下の範囲である。第3蛍光体粒子の材料としては、Ce賦活JEM蛍光体、Ce賦活βSiAlON蛍光体、Ce賦活LaSi11蛍光体が好適に用いられる。
ここで、第1ピーク波長、第2ピーク波長、および第3ピーク波長は、互いに異なるピーク波長である。また、第2ピーク波長および第3ピーク波長のそれぞれが、第2ピーク波長と総称されてもよい。この場合、第2蛍光体粒子および第3蛍光体粒子のそれぞれが、第2蛍光体粒子と総称されてもよい。
なお、ほぼ同一のピーク波長を有する蛍光(すなわち、ほぼ同一の色の蛍光)を発する蛍光体粒子であれば、複数の異なる種類の蛍光体粒子を、1種類の蛍光体粒子と見なしてもよい。例えば、ほぼ同一の第1ピーク波長を有する緑色の蛍光を発する2種類の蛍光体粒子が、第1蛍光体粒子として波長変換部材に含まれていてもよい。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る波長変換部材(1)は、シリカガラス(10)の内部に、酸窒化物または窒化物の蛍光体を含んだ複数の蛍光体粒子(11)が分散された波長変換部材であって、上記複数の蛍光体粒子の内には、励起光(26)を受けて第1ピーク波長を有する蛍光(27)を発する第1蛍光体粒子(11a)と、上記励起光を受けて上記第1ピーク波長とは異なる第2ピーク波長を有する蛍光を発する第2蛍光体粒子(11b)と、の少なくとも2種類の蛍光体粒子が含まれており、上記波長変換部材の密度(d)は、0.8g/cm以上かつ1.2g/cm以下である。
上記の構成によれば、波長変換部材の密度d(g/cm)が、上述の式(1)に示された数値範囲に存在しているため、高い励起光変換効率を得ることができる。
また、波長変換部材には、第1蛍光体粒子(例えば、緑色の蛍光を発する蛍光体粒子)および第2蛍光体粒子(例えば、赤色の蛍光を発する蛍光体粒子)の少なくとも2種類の蛍光体粒子が含まれているため、波長変換部材から発せられる蛍光の色の設計自由度を高めることができる。
このように、本発明の一態様に係る波長変換部材によれば、(i)波長変換部材から発せられる光の色の設計自由度を高めることと、(ii)波長変換部材の励起光変換効率を十分に向上させることと、を両立することが可能となる。
それゆえ、光の色の設計自由度を高めつつ、励起光変換効率を従来よりも向上させた波長変換部材を実現することが可能となるという効果を奏する。
また、本発明の態様2に係る波長変換部材は、上記態様1において、上記波長変換部材における上記蛍光体粒子の含有率(v)は、0.1体積%以上かつ10体積%以下であることが好ましい。
上記の構成によれば、波長変換部材における蛍光体粒子の含有率vが、上述の式(2)に示された数値範囲に存在しているため、高い励起光変換効率を得ることが可能となるという効果を奏する。
また、本発明の態様3に係る波長変換部材は、上記態様2において、上記波長変換部材における上記蛍光体粒子の含有率は、0.1体積%以上かつ3体積%以下であることが好ましい。
上記の構成によれば、波長変換部材における蛍光体粒子の含有率vが、上述の式(3)に示された数値範囲に存在しているため、ゾルゲル法を用いた波長変換部材の製作が、より容易になるという効果を奏する。
また、本発明の態様4に係る波長変換部材は、上記態様1から3のいずれか1つにおいて、350nm以上かつ800nm以下の光の波長範囲において、厚さ1mm以上の上記シリカガラスにおける表面反射損失を含む光透過率が90%以上であることが好ましい。
上記の構成によれば、シリカガラスが十分な光透過性を有しているために、波長変換部材の励起光変換効率をさらに向上させることが可能となるという効果を奏する。
また、本発明の態様5に係る波長変換部材は、上記態様1から4のいずれか1つにおいて、上記蛍光体粒子は、βSiAlON蛍光体、αSiAlON蛍光体、またはCASN系蛍光体の少なくともいずれかの蛍光体を含んでいることが好ましい。
上記の構成によれば、特に安定性および発光効率に優れた蛍光体粒子を用いて、波長変換部材を製作することができる。それゆえ、波長変換部材の信頼性および励起光変換効率をさらに向上させることが可能となるという効果を奏する。
また、本発明の態様6に係る波長変換部材は、上記態様1から5のいずれか1つにおいて、上記蛍光体粒子の粒径は、1μm以上かつ30μm以下であることが好ましい。
上記の構成によれば、蛍光体粒子の発光効率が高くなるため、波長変換部材の励起光変換効率をさらに向上させることが可能となる。また、蛍光体粒子のハンドリング性が高くなるため、波長変換部材の製作が、より容易になるという効果を奏する。
また、本発明の態様7に係る波長変換部材は、上記態様6において、上記蛍光体粒子の粒径は、5μm以上かつ20μm以下であることが好ましい。
上記の構成によれば、蛍光体粒子の発光効率が特に高くなるため、波長変換部材の励起光変換効率をより一層向上させることが可能となるという効果を奏する。
また、本発明の態様8に係る発光装置(100)は、上記態様1から7のいずれか1つに係る波長変換部材と、上記励起光を上記波長変換部材に照射する励起光源(半導体発光素子23)と、を備えていることが好ましい。
上記の構成によれば、光の色の設計自由度が高く、かつ、励起光変換効率を従来よりも向上させた波長変換部材を用いて、発光装置を実現することができる。それゆえ、演色性および発光効率に優れた発光装置を実現することができるという効果を奏する。
なお、発光装置を屋外照明等の用途に利用する場合には、発光効率に特に優れた発光装置を実現することが好ましい(上述の実施例5を参照)。また、発光装置を画像表示装置等の用途に利用する場合には、演色性に特に優れた発光装置を実現することが好ましい(上述の実施例6を参照)。
また、本発明の態様9に係る発光装置は、上記態様8において、上記励起光のピーク波長は、350nm以上かつ480nm以下であることが好ましい。
上記の構成によれば、励起光源の発光効率が高いため、発光装置の発光効率をさらに向上させることが可能となるという効果を奏する。
また、本発明の態様10に係る波長変換部材は、上記態様9において、上記励起光のピーク波長は、440nm以上かつ460nm以下であることが好ましい。
上記の構成によれば、発光装置から発せられる照明光の発光スペクトルを、人間の視感度曲線と好適にマッチングさせることができる。それゆえ、発光装置の発光効率をより一層向上させることが可能となるという効果を奏する。
また、本発明の態様11に係る波長変換部材は、上記態様8から10のいずれか1つにおいて、上記波長変換部材に照射される上記励起光の単位面積あたりの光強度は、0.5W/mm以下であることが好ましい。
上記の構成によれば、蛍光体粒子の過剰な発熱に起因して、蛍光体粒子の熱消光が生じることを防止することができる。それゆえ、波長変換部材の励起光変換効率の低下を防ぐことができ、発光装置の発光効率の低下を防ぐことが可能となるという効果を奏する。
また、本発明の態様12に係る波長変換部材の製造方法は、シリカガラスの内部に、酸窒化物蛍光体または窒化物蛍光体から成る複数の蛍光体粒子が分散された波長変換部材の製造方法であって、励起光を受けて第1ピーク波長を有する蛍光を発する第1蛍光体粒子と、上記励起光を受けて上記第1ピーク波長とは異なる第2ピーク波長を有する蛍光を発する第2蛍光体粒子と、の少なくとも2種類の蛍光体粒子を、上記シリカガラスの内部に分散させる工程を含んでおり、上記波長変換部材は、0.8g/cm以上かつ1.2g/cm以下の密度を有するように形成される。
上記の構成によれば、光の色の設計自由度を高めつつ、励起光変換効率を従来よりも向上させた波長変換部材を製造することが可能となるという効果を奏する。
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
なお、本発明は、以下のようにも表現できる。
すなわち、本発明の一態様に係る波長変換部材は、シリカガラス中に窒化物ないし酸窒化物蛍光体が均一に分散された波長変換部材であって、上記波長変換部材は密度が0.8g/cm以上かつ1.2g/cm以下である。
上記の構成によれば、色設計の自由度を高く、光取出し効率の高い波長変換部材が実現可能となる。
また、本発明の一態様に係る波長変換部材において、上記蛍光体は0.1体積%以上かつ10体積%以下の含有量で波長変換部材中に均一に分散されている。
上記の構成によれば、蛍光体による光の過剰な散乱が抑制されるため、光取出し効率の高い波長変換部材が実現可能となる。
また、本発明の一態様に係る波長変換部材において、上記シリカガラスは、350nm以上かつ800nm以下の波長領域において、厚さ1mm以上での表面反射損失を含む光透過率が90%以上である。
上記の構成によれば、シリカガラスの透明度が高い為、より光取り出し効率の高い波長変換部材が実現可能となる。
また、本発明の一態様に係る波長変換部材において、上記窒化物ないし酸窒化物蛍光体は、βサイアロン蛍光体、αサイアロン蛍光体、CASN系蛍光体のうち少なくともいずれかを含む。
上記の構成によれば、発光効率が高く、熱的、化学的に安定な波長変換部材が実現可能となる。
また、本発明の一態様に係る発光装置は、上記波長変換部材と、励起光を波長変換部材に照射する半導体発光素子と、を備えている。
上記の構成によれば、発光効率が高く、熱的、化学的に安定で信頼性に優れる発光装置が実現可能となる。
また、本発明の一態様に係る発光装置において、上記励起光は、発光スペクトルのピーク波長が440nm以上460nm以下である。
上記の構成によれば、発光装置の発光スペクトルと視感度曲線とのマッチングが良いため、発光効率の高い発光装置が実現可能となる。
また、本発明の一態様に係る発光装置において、上記波長変換部材に照射される上記励起光は、単位面積あたりの光密度が0.5W/mm以下であることを特徴とする。
上記構成によれば、波長変換部材からの発熱が抑制され、発光効率の高い発光装置が実現可能となる。
本発明は、励起光を蛍光に変換する蛍光体を含む波長変換部材、および当該波長変換部材を備えた発光装置に利用することができる。
1 波長変換部材
10 シリカガラス
11 蛍光体粒子
11a 第1蛍光体粒子
11b 第2蛍光体粒子
23 半導体発光素子(励起光源)
26 励起光
27 蛍光
100 発光装置
d 波長変換部材の密度
v 波長変換部材における蛍光体粒子の含有率

Claims (12)

  1. シリカガラスの内部に、酸窒化物または窒化物の蛍光体を含んだ複数の蛍光体粒子が分散された波長変換部材であって、
    上記複数の蛍光体粒子の内には、
    励起光を受けて第1ピーク波長を有する蛍光を発する第1蛍光体粒子と、
    上記励起光を受けて上記第1ピーク波長とは異なる第2ピーク波長を有する蛍光を発する第2蛍光体粒子と、の少なくとも2種類の蛍光体粒子が含まれており、
    上記波長変換部材の密度は、0.8g/cm以上かつ1.2g/cm以下であることを特徴とする波長変換部材。
  2. 上記波長変換部材における上記蛍光体粒子の含有率は、0.1体積%以上かつ10体積%以下であることを特徴とする請求項1に記載の波長変換部材。
  3. 上記波長変換部材における上記蛍光体粒子の含有率は、0.1体積%以上かつ3体積%以下であることを特徴とする請求項2に記載の波長変換部材。
  4. 350nm以上かつ800nm以下の光の波長範囲において、厚さ1mm以上の上記シリカガラスにおける表面反射損失を含む光透過率が90%以上であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の波長変換部材。
  5. 上記蛍光体粒子は、βSiAlON蛍光体、αSiAlON蛍光体、またはCASN系蛍光体の少なくともいずれかの蛍光体を含んでいることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の波長変換部材。
  6. 上記蛍光体粒子の粒径は、1μm以上かつ30μm以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の波長変換部材。
  7. 上記蛍光体粒子の粒径は、5μm以上かつ20μm以下であることを特徴とする請求項6に記載の波長変換部材。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の波長変換部材と、
    上記励起光を上記波長変換部材に照射する励起光源と、を備えていることを特徴とする発光装置。
  9. 上記励起光のピーク波長は、350nm以上かつ480nm以下であることを特徴とする請求項8に記載の発光装置。
  10. 上記励起光のピーク波長は、440nm以上かつ460nm以下であることを特徴とする請求項9に記載の発光装置。
  11. 上記波長変換部材に照射される上記励起光の単位面積あたりの光強度は、0.5W/mm以下であることを特徴とする請求項8から10のいずれか1項に記載の発光装置。
  12. シリカガラスの内部に、酸窒化物蛍光体または窒化物蛍光体から成る複数の蛍光体粒子が分散された波長変換部材の製造方法であって、
    励起光を受けて第1ピーク波長を有する蛍光を発する第1蛍光体粒子と、
    上記励起光を受けて上記第1ピーク波長とは異なる第2ピーク波長を有する蛍光を発する第2蛍光体粒子と、の少なくとも2種類の蛍光体粒子を、上記シリカガラスの内部に分散させる工程を含んでおり、
    上記波長変換部材は、0.8g/cm以上かつ1.2g/cm以下の密度を有するように形成されることを特徴とする波長変換部材の製造方法。
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