JP2016142942A - 偏光板、液晶パネル及び液晶表示装置 - Google Patents

偏光板、液晶パネル及び液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】専用の眼鏡がかけたり、画面にフィルムを外付けしたりすることをせずとも、眼に入る青色光を軽減することができる液晶表示装置を提供する。【解決手段】吸収型の偏光子5と、該偏光子5の上に配置され、380〜500nmの波長域内にある青色光の透過を抑制する青色光透過抑制層30とを含む偏光板1、並びにこれを用いた液晶パネル及び液晶表示装置。青色光透過抑制層30は、前記青色光を吸収することによってその透過を抑制する。【選択図】図1

Description

本発明は、ブルーライトカット機能を有する偏光板、並びにそれを用いた液晶パネル及び液晶表示装置に関する。
IT技術の進歩とともにデジタル機器が生活に浸透した結果、パソコンや携帯電話、スマートフォン、携帯ゲーム機などの液晶表示装置画面を見る時間が大幅に増えているが、LED液晶表示装置が発する光のうちの青色光(ブルーライト)が眼に悪影響を与えるという指摘がある。
眼に入る青色光を軽減するために、ブルーライトカット機能を有する眼鏡を使用したり、ブルーライトカット機能を有するフィルムを液晶表示装置の画面に外付けする技術が従来公知である〔後者の例として、例えば特開2014−144632号公報(特許文献1)〕。
特開2014−144632号公報
本発明の目的は、専用の眼鏡がかけたり、画面にフィルムを外付けしたりすることをせずとも、眼に入る青色光を軽減することができる液晶表示装置を実現することにある。
本発明は、以下に示す偏光板、液晶パネル及び液晶表示装置を提供する。
[1]吸収型の偏光子と、
前記偏光子の上に配置され、380〜500nmの波長域内にある青色光の透過を抑制する青色光透過抑制層と、
を含む、偏光板。
[2]前記青色光透過抑制層は、前記青色光を吸収することによってその透過を抑制するものである、[1]に記載の偏光板。
[3]前記青色光透過抑制層は、380〜500nmの波長域にわたる平均透過率が80%以下である、[1]又は[2]に記載の偏光板。
[4]前記青色光透過抑制層と前記偏光子との間に配置される熱可塑性樹脂フィルムをさらに含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の偏光板。
[5]前記熱可塑性樹脂フィルムは、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セルロースエステル系樹脂、ポリエステル系樹脂、及び(メタ)アクリル系樹脂からなる群より選択される樹脂で構成される、[4]に記載の偏光板。
[6]前記青色光透過抑制層と前記偏光子と粘着剤層とをこの順に含む、[1]〜[5]のいずれかに記載の偏光板。
[7]液晶セルと[6]に記載の偏光板とを含み、
前記偏光板が前記粘着剤層を介して前記液晶セルに積層される、液晶パネル。
[8]バックライトと[7]に記載の液晶パネルとを含み、
前記偏光板が前記液晶セルと前記バックライトとの間に配置される、液晶表示装置。
本発明によれば、画面からの青色光の出射量が低減された液晶表示装置を提供することができる。この液晶表示装置によれば、専用の眼鏡がかけたり、画面にフィルムを外付けしたりすることなく、眼に入る青色光を軽減することができる。
本発明に係る偏光板の層構成の一例を示す概略断面図である。 本発明に係る偏光板の層構成の他の一例を示す概略断面図である。 本発明に係る偏光板の層構成のさらに他の一例を示す概略断面図である。 本発明に係る液晶パネル及び液晶表示装置の層構成の一例を示す概略断面図である。
<偏光板>
本発明に係る偏光板は、吸収型の偏光子と、その上に配置され、380〜500nmの波長域内にある青色光の透過を抑制する青色光透過抑制層(ブルーライトカット層)とを含むものであり、ブルーライトカット機能を有している。この偏光板又はこの偏光板を備える液晶パネルをLED液晶表示装置に搭載することにより、当該液晶表示装置の画面から出射される上記波長域内にある青色光の量を低減させることができる。
(1)偏光板の構成
図面を参照して、本発明に係る偏光板の層構成の例を挙げると、例えば次のとおりである。
図1は、本発明に係る偏光板の一例を示す概略断面図である。図1に示される偏光板1は、偏光子5;偏光子5の一方の面に第1接着剤層15を介して積層貼合される第1熱可塑性樹脂フィルム10;第1熱可塑性樹脂フィルム10の外面に積層される青色光透過抑制層(ブルーライトカット層)30;偏光子5の他方の面に第2接着剤層25を介して積層貼合される第2熱可塑性樹脂フィルム20;第2熱可塑性樹脂フィルム20の外面に積層される第1粘着剤層40を含む。第1粘着剤層40は、他の光学部材、例えば液晶セルに偏光板1を貼合するために用いることができ、この場合、得られる液晶パネルにおいて青色光透過抑制層30は、液晶パネルにおける一方の最表面を形成する。以下に説明する図2に示される偏光板2及び図3に示される偏光板3が有する青色光透過抑制層30についても同様である。
後で詳述するように、第1及び第2熱可塑性樹脂フィルム10,20は、偏光子5を保護する保護フィルムなどであることができる。偏光板1は、かかる熱可塑性樹脂フィルムの外面に直接、青色光透過抑制層30を形成した例である。
図2は、本発明に係る偏光板の他の一例を示す概略断面図である。図2に示される偏光板2は、基材フィルム31の一方の面に青色光透過抑制層30を有する青色光透過抑制フィルム(ブルーライトカットフィルム)35を用い、これを第2粘着剤層45を介して第1熱可塑性樹脂フィルム10の外面に積層貼合したこと以外は図1に示される偏光板1と同様の層構成を有している。このように、青色光透過抑制フィルム35を用い、これを粘着剤層(又は接着剤層など)を介して偏光板の熱可塑性樹脂フィルムに貼合することによって、偏光板にブルーライトカット機能を付与することもできる。
図3は、本発明に係る偏光板のさらに他の一例を示す概略断面図である。図3に示される偏光板3は、第1接着剤層15及び第1熱可塑性樹脂フィルム10を含まないこと以外は図2に示される偏光板2と同様の層構成を有している。このように、青色光透過抑制フィルム35は、第2粘着剤層45を介して偏光子5に積層貼合されてもよい。第2粘着剤層45の代わりに接着剤層を用いてもよい(この場合、図3の層構成は、図1の層構成と同じであると考えることもできる。)。
図1〜図3の例に限らず、本発明に係る偏光板は、例えば次のような構成を有するものであってよい。
〔a〕偏光子5を基準に一方の側に青色光透過抑制層30を配置するとともに他方の側にも青色光透過抑制層30を配置するなど、偏光板は、青色光透過抑制層30又は青色光透過抑制フィルム35を2以上含むことができる。これにより、ブルーライトカット機能を高めることができる。
〔b〕青色光透過抑制層30や青色光透過抑制フィルム35は、偏光板の最表面に配置されている必要は必ずしもない。例えば、青色光透過抑制層30の外面に、光学機能性フィルム(又は層)、プロテクトフィルム(「表面保護フィルム」とも呼ばれる。)、粘着剤層などが積層されていてもよい。図2及び図3を参照して、青色光透過抑制層30と基材フィルム31の積層順序を逆転させてもよい。液晶セルに偏光板を貼合するための第1粘着剤層40を青色光透過抑制層30又は青色光透過抑制フィルム35側に配置し、液晶パネルとしたときに青色光透過抑制層30又は青色光透過抑制フィルム35が最表面ではなく、液晶セル側に配置されるようにしてもよい。
〔c〕第1熱可塑性樹脂フィルム10及び/又は第2熱可塑性樹脂フィルム20は、省略することが可能である。熱可塑性樹脂フィルムを省略し、偏光子5に直接、青色光透過抑制層30を積層したり、偏光子5に粘着剤層や接着剤層を介して青色光透過抑制フィルム35を積層したりすることができる(図3が後者の例である。)。また、図1〜図3を参照して、第2接着剤層25及び第2熱可塑性樹脂フィルム20を省略し、偏光子5に直接、第1粘着剤層40を積層してもよい。ただし、偏光板の耐久性や偏光子保護の観点から、偏光板は、偏光子5の少なくとも一方の面に熱可塑性樹脂フィルムを備えることが好ましい。この熱可塑性樹脂フィルムは、青色光透過抑制フィルム35の基材フィルム31であってもよい。
〔d〕偏光板は、図1〜図3に示される構成要素以外の他の構成要素を含むことができる。他の構成要素の具体例は、光学機能性フィルム(又は層)、プロテクトフィルム、粘着剤層の外面に積層されるセパレートフィルム(「剥離フィルム」とも呼ばれる。)等である。
中でも、青色光透過抑制フィルム35を用い、これを粘着剤層(又は接着剤層)を介して偏光板の構成要素である他のフィルムの表面に貼合することによって青色光透過抑制層30を偏光板に導入する態様は、偏光板の製造の簡便さや、上記他のフィルムの種類を選択するうえで制限が少なく、広範囲の中から選択できるという点で好ましい。
(2)偏光子
偏光子5は、自然光からある一方向の直線偏光を選択的に透過し、もう一方向の直線偏光を吸収するため吸収型の偏光子であり、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素としてのヨウ素を吸着・配向させたヨウ素系偏光子、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素としての二色性染料を吸着・配向させた染料系偏光子、及びリオトロビック液晶状態の二色性染料をコーティングし、配向・固定化した塗布型偏光子等であることができる。中でも、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムにヨウ素や二色性染料等の二色性色素を吸着・配向させた偏光子が好ましく、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムにヨウ素を吸着・配向させた偏光子がより好ましい。
偏光子を構成するポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化したものを用いることができる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルの他、酢酸ビニルと共重合可能な他の単量体との共重合体等が挙げられる。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体の例は、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、及びアンモニウム基を有する(メタ)アクリルアミド類等を含む。
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は通常、85〜100mol%程度であり、98mol%以上が好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂は変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマール又はポリビニルアセタール等を用いることもできる。ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は通常、1000〜10000程度であり、1500〜5000程度が好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、JIS K 6726に準拠して求めることができる。
このようなポリビニルアルコール系樹脂を製膜したものが、偏光子5の原反フィルムとして用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂を製膜する方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法が採用される。ポリビニルアルコール系原反フィルムの厚みは、例えば150μm以下であり、好ましくは100μm以下(例えば50μm以下)である。
偏光子5は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程;ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色することにより二色性色素を吸着させる工程;二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理(架橋処理)する工程;及び、ホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程を含む方法によって製造できる。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの一軸延伸は、二色性色素の染色前、染色と同時、又は染色の後に行うことができる。一軸延伸を染色の後で行う場合、この一軸延伸は、ホウ酸処理の前又はホウ酸処理中に行ってもよい。また、これらの複数の段階で一軸延伸を行ってもよい。
一軸延伸にあたっては、周速の異なるロール間で一軸に延伸してもよいし、熱ロールを用いて一軸に延伸してもよい。また一軸延伸は、大気中で延伸を行う乾式延伸であってもよいし、溶剤や水を用いてポリビニルアルコール系樹脂フィルムを膨潤させた状態で延伸を行う湿式延伸であってもよい。延伸倍率は通常、3〜8倍程度である。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色する方法としては、例えば、該フィルムを二色性色素が含有された水溶液に浸漬する方法が採用される。二色性色素としては、ヨウ素や二色性有機染料が用いられる。なお、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、染色処理の前に水への浸漬処理を施しておくことが好ましい。
ヨウ素による染色処理としては通常、ヨウ素及びヨウ化カリウムを含有する水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬する方法が採用される。この水溶液におけるヨウ素の含有量は、水100重量部あたり0.01〜1重量部程度であることができる。ヨウ化カリウムの含有量は、水100重量部あたり0.5〜20重量部程度であることができる。また、この水溶液の温度は、20〜40℃程度であることができる。一方、二色性有機染料による染色処理としては通常、二色性有機染料を含有する水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬する方法が採用される。二色性有機染料を含有する水溶液は、硫酸ナトリウム等の無機塩を染色助剤として含有していてもよい。この水溶液における二色性有機染料の含有量は、水100重量部あたり1×10-4〜10重量部程度であることができる。この水溶液の温度は、20〜80℃程度であることができる。
二色性色素による染色後のホウ酸処理としては通常、染色されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸含有水溶液に浸漬する方法が採用される。二色性色素としてヨウ素を用いる場合、このホウ酸含有水溶液は、ヨウ化カリウムを含有することが好ましい。ホウ酸含有水溶液におけるホウ酸の量は、水100重量部あたり2〜15重量部程度であることができる。この水溶液におけるヨウ化カリウムの量は、水100重量部あたり0.1〜20重量部程度であることができる。この水溶液の温度は、50℃以上であることができ、例えば50〜85℃である。
ホウ酸処理後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムは通常、水洗処理される。水洗処理は、例えば、ホウ酸処理されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムを水に浸漬することにより行うことができる。水洗処理における水の温度は通常、5〜40℃程度である。水洗後に乾燥処理を施して、偏光子5が得られる。乾燥処理は、熱風乾燥機や遠赤外線ヒーターを用いて行うことができる。
また、偏光子5の製造方法の他の例として、例えば、特開2000−338329号公報や特開2012−159778号公報に記載の方法が挙げられる。この方法では、基材フィルムの表面にポリビニルアルコール系樹脂を含有する溶液を塗布して樹脂層を設けた後、基材フィルムと樹脂層からなる積層フィルムを延伸し、次いで染色処理、架橋処理等を施して、樹脂層から偏光子層を形成する。基材フィルムと偏光子層からなるこの偏光性積層フィルムは、偏光子層面に保護フィルムなどとしての熱可塑性樹脂フィルムを貼合した後、基材フィルムを剥離除去して、偏光子5の片面に熱可塑性樹脂フィルムを有する偏光板とすることができる。基材フィルムの剥離によって露出した偏光子層面にさらに熱可塑性樹脂フィルムを貼合すれば、偏光子5の両面に熱可塑性樹脂フィルムを有する偏光板となる。
偏光子5の厚みは、40μm以下とすることができ、好ましくは30μm以下(例えば20μm以下、さらには15μm以下、なおさらには10μm以下)である。特開2000−338329号公報や特開2012−159778号公報に記載の方法によれば、薄膜の偏光子5をより容易に製造することができ、偏光子5の厚みを、例えば20μm以下、さらには15μm以下、なおさらには10μm以下とすることがより容易になる。偏光子5の厚みは、通常2μm以上である。偏光子5の厚みを小さくすることは、偏光板、ひいては液晶表示装置の薄型化に有利である。
(3)青色光透過抑制層
青色光透過抑制層30は、380〜500nmの波長域内にある青色光の透過を抑制する層であり、好ましくは、上記波長域全体にわたって青色光の透過を抑制する層である。偏光板に良好なブルーライトカット機能を付与するために、青色光透過抑制層30は、380〜500nmの波長域にわたる平均透過率が80%以下であることが好ましく、75%以下であることがより好ましい。青色光透過抑制層30の380〜500nmの波長域にわたる平均透過率は、分光光度計を用い、各波長(5nm刻み)での透過率を測定し、380〜500nmの波長域にわたるそれらの平均を求めることによって得ることができる。
図2及び図3に示されるように、青色光透過抑制層30は、基材フィルム31の一方の面に青色光透過抑制層30を有する青色光透過抑制フィルム35の形態で偏光板に組み込むことができる。ただし、青色光透過抑制層30は、基材フィルム31の表面に積層されている必要は必ずしもなく、例えば青色光透過抑制層30を内層とする三層構造フィルムなどのように基材フィルム31の内部に形成されていてもよいし、あるいは、青色光透過抑制層30は、ブルーライトカット機能を有する基材フィルム31自体であってもよい。
基材フィルム31は、透光性を有する(好ましくは光学的に透明な)熱可塑性樹脂で構成することができ、その具体例については、後述する熱可塑性樹脂フィルムについての記述が引用される。中でも、基材フィルム31は、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セルロースエステル系樹脂、ポリエステル系樹脂、及び(メタ)アクリル系樹脂からなる群より選択される樹脂で構成されることが好ましい。本明細書において「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルから選択される少なくとも一方を意味する。「(メタ)アクリレート」などというときについても同様である。
青色光透過抑制層30の厚みは、例えば0.1〜100μmであり、青色光透過抑制層30と基材フィルム31とで構成される青色光透過抑制フィルム35の厚みは、例えば5〜300μmである。青色光透過抑制層30及び青色光透過抑制フィルム35としては、従来公知の構成のものを用いることができ、市販品を用いることもできる。
青色光の透過を抑制する青色光透過抑制層30及び青色光透過抑制フィルム35は、当該青色光を吸収することによって透過を抑制するもの(吸収型)と、当該青色光を反射することによって透過を抑制するもの(反射型)とに大別される。本発明においては、吸収型がとりわけ好ましく用いられる。これは、反射型の場合、青色光透過抑制層30又は青色光透過抑制フィルム35に入射した外光が反射し、表示画面をみたときの色相に色付きが生じ得るためである。吸収型であれば、このような問題が生じず、より良好な視認性を得ることができる。また、反射型の場合、偏光板と液晶セルとから液晶パネルを構築したときに青色光透過抑制層30や青色光透過抑制フィルム35が偏光子5と液晶セルとの間に配置されると、青色光透過抑制層30や青色光透過抑制フィルム35は、偏光解消要素となり得る。
(4)熱可塑性樹脂フィルム
第1熱可塑性樹脂フィルム10及び第2熱可塑性樹脂フィルム20はそれぞれ、透光性を有する(好ましくは光学的に透明な)熱可塑性樹脂、例えば、鎖状ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等)、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂等)のようなポリオレフィン系樹脂;トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロースのようなセルロースエステル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートのようなポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;(メタ)アクリル系樹脂;又はこれらの混合物、共重合物等からなるフィルムであることができる。中でも、第1熱可塑性樹脂フィルム10及び第2熱可塑性樹脂フィルム20はそれぞれ、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セルロースエステル系樹脂、ポリエステル系樹脂、及び(メタ)アクリル系樹脂からなる群より選択される樹脂で構成されることが好ましい。
第1熱可塑性樹脂フィルム10及び第2熱可塑性樹脂フィルム20はそれぞれ、延伸されていないフィルム、又は一軸若しくは二軸延伸されたフィルムのいずれであってもよい。二軸延伸は、2つの延伸方向に同時に延伸する同時二軸延伸でもよく、所定方向に延伸した後で他の方向に延伸する逐次二軸延伸であってもよい。第1熱可塑性樹脂フィルム10及び/又は第2熱可塑性樹脂フィルム20は、偏光子5を保護する役割を担う保護フィルムであってもよいし、位相差フィルムのような光学機能を併せ持つ保護フィルムであることもできる。位相差フィルムは、液晶セルによる位相差の補償等を目的として使用される光学機能性フィルムである。例えば、上記熱可塑性樹脂からなるフィルムを延伸(一軸延伸又は二軸延伸等)したり、当該熱可塑性樹脂フィルム上に液晶層等を形成したりすることにより、任意の位相差値が付与された位相差フィルムとすることができる。
環状ポリオレフィン系樹脂は、ノルボルネンやテトラシクロドデセン(別名:ジメタノオクタヒドロナフタレン)又はそれらの誘導体を代表例とする環状オレフィンを重合単位として含む樹脂の総称である。環状ポリオレフィン系樹脂の具体例を挙げれば、環状オレフィンの開環(共)重合体及びその水素添加物、環状オレフィンの付加重合体、環状オレフィンとエチレン、プロピレンのような鎖状オレフィン又はビニル基を有する芳香族化合物との共重合体、並びにこれらを不飽和カルボン酸やその誘導体で変性した変性(共)重合体等である。中でも、環状オレフィンとしてノルボルネンや多環ノルボルネン系単量体等のノルボルネン系単量体を用いたノルボルネン系樹脂が好ましく用いられる。
ポリカーボネート系樹脂は、炭酸とグリコール又はビスフェノールから形成されるポリエステルである。中でも、分子鎖にジフェニルアルカンを有する芳香族ポリカーボネートは、耐熱性、耐候性及び耐酸性の観点から好ましく使用される。ポリカーボネートとして、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(別名ビスフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)イソブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタンのようなビスフェノールから誘導されるポリカーボネートが例示される。
セルロースエステル系樹脂は、セルロースにおける水酸基の少なくとも一部が酢酸エステル化されている樹脂であり、一部が酢酸エステル化され、一部が他の酸でエステル化されている混合エステルであってもよい。セルロースエステル系樹脂は、好ましくはアセチルセルロース系樹脂である。アセチルセルロース系樹脂の具体例として、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等を挙げることができる。
ポリエステル系樹脂は、エステル結合を有する、上記セルロースエステル系樹脂以外の樹脂であり、多価カルボン酸又はその誘導体と多価アルコールとの重縮合体からなるものが一般的である。ポリエステル系樹脂の具体例は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリシクロへキサンジメチルテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチルナフタレートを含む。中でも、機械的性質、耐溶剤性、耐スクラッチ性、コスト等の観点からポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。ポリエチレンテレフタレートとは、繰返し単位の80モル%以上がエチレンテレフタレートで構成される樹脂を意味し、他の共重合成分に由来する構成単位を含んでいてもよい。
他の共重合成分としては、ジカルボン酸成分やジオール成分が挙げられる。ジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、4,4’−ジカルボキシジフェニル、4,4’−ジカルボキシベンゾフェノン、ビス(4−カルボキシフェニル)エタン、アジピン酸、セバシン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、1,4−ジカルボキシシクロヘキサン等が挙げられる。ジオール成分としては、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。ジカルボン酸成分やジオール成分は、必要に応じてそれぞれ2種類以上を組み合わせて用いることもできる。また、上記ジカルボン酸成分やジオール成分とともに、p−ヒドロキシ安息香酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸のようなヒドロキシカルボン酸を併用することも可能である。他の共重合成分として、アミド結合、ウレタン結合、エーテル結合、カーボネート結合等を有するジカルボン酸成分及び/又はジオール成分が少量用いられてもよい。
(メタ)アクリル系樹脂は、メタクリル酸エステルを主たる単量体とする(50重量%以上含有する)重合体であることができ、これに少量の他の共重合成分が共重合されている共重合体であることが好ましい。(メタ)アクリル系樹脂は、より好ましくはメタクリル酸メチルとアクリル酸メチルとの共重合体であり、第三の単官能単量体をさらに共重合させてもよい。
第三の単官能単量体としては、例えば、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−、i−又はt−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルのようなメタクリル酸メチル以外のメタクリル酸エステル類;アクリル酸エチル、アクリル酸n−、i−又はt−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルのようなアクリル酸エステル類;2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル、2−(1−ヒドロキシエチル)アクリル酸メチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸n−、i−又はt−ブチルのようなヒドロキシアルキルアクリル酸エステル類;メタクリル酸、アクリル酸のような不飽和酸類;クロロスチレン、ブロモスチレンのようなハロゲン化スチレン類;ビニルトルエン、α−メチルスチレンのような置換スチレン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルのような不飽和ニトリル類;無水マレイン酸、無水シトラコン酸のような不飽和酸無水物類;フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドのような不飽和イミド類等を挙げることができる。第三の単官能単量体は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリル系樹脂には、多官能単量体をさらに共重合させてもよい。多官能単量体としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレートのようなエチレングリコール又はそのオリゴマーの両末端水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化したもの;プロピレングリコール又はそのオリゴマーの両末端水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化したもの;ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレートのような2価アルコールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化したもの;ビスフェノールA、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、又はこれらのハロゲン置換体の両末端水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化したもの;トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールのような多価アルコールを(メタ)アクリル酸でエステル化したもの、並びにこれら末端水酸基にグリシジル(メタ)アクリレートのエポキシ基を開環付加させたもの;コハク酸、アジピン酸、テレフタル酸、フタル酸、これらのハロゲン置換体等の二塩基酸、及びこれらのアルキレンオキサイド付加物等にグリシジル(メタ)アクリレートのエポキシ基を開環付加させたもの;アリール(メタ)アクリレート;ジビニルベンゼンのような芳香族ジビニル化合物等が挙げられる。中でも、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレートが好ましく用いられる。
(メタ)アクリル系樹脂は、さらに共重合体が有する官能基間の反応を行い、変性されたものであってもよい。その反応としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチルのメチルエステル基と2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチルの水酸基との高分子鎖内脱メタノール縮合反応、(メタ)アクリル酸のカルボキシル基と2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチルの水酸基との高分子鎖内脱水縮合反応等が挙げられる。
(メタ)アクリル系樹脂のガラス転移温度は、好ましくは80〜160℃である。ガラス転移温度は、メタクリル酸エステル系単量体とアクリル酸エステル系単量体との重合比、それぞれのエステル基の炭素鎖長及びそれら有する官能基の種類、並びに単量体全体に対する多官能単量体の重合比の調整によって制御可能である。
また、(メタ)アクリル系樹脂のガラス転移温度を高めるための手段として、高分子の主鎖に環構造を導入することも有効である。環構造は、環状酸無水物構造、環状イミド構造及びラクトン構造等の複素環構造であることが好ましい。具体的には、無水グルタル酸構造、無水コハク酸構造等の環状酸無水物構造、グルタルイミド構造、コハクイミド構造等の環状イミド構造、ブチロラクトン及びバレロラクトン等のラクトン環構造が挙げられる。主鎖中の環構造の含有量を大きくするほど(メタ)アクリル系樹脂のガラス転移温度を高くすることができる。環状酸無水物構造及び環状イミド構造は、無水マレイン酸及びマレイミド等の環状構造を有する単量体を共重合することによって導入する方法、重合後脱水・脱メタノール縮合反応により環状酸無水物構造を導入する方法、アミノ化合物を反応させて環状イミド構造を導入する方法等によって導入することができる。ラクトン環構造を有する樹脂(重合体)は、高分子鎖にヒドロキシル基とエステル基とを有する重合体を調製した後、得られた重合体におけるヒドロキシル基とエステル基とを、加熱により、必要に応じて有機リン化合物のような触媒の存在下に環化縮合させてラクトン環構造を形成する方法によって得ることができる。
(メタ)アクリル系樹脂は、必要に応じて添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、例えば、滑剤、ブロッキング防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、耐光剤、耐衝撃性改良剤、界面活性剤等を挙げることができる。これらの添加剤は、熱可塑性樹脂フィルムを構成する熱可塑性樹脂として、(メタ)アクリル系樹脂以外の他の熱可塑性樹脂を用いる場合にも使用することができる。
(メタ)アクリル系樹脂は、フィルムへの製膜性やフィルムの耐衝撃性等の観点から、衝撃性改良剤であるアクリル系ゴム粒子を含有していてもよい。アクリル系ゴム粒子とは、アクリル酸エステルを主体とする弾性重合体を必須成分とする粒子であり、実質的にこの弾性重合体のみからなる単層構造のものや、この弾性重合体を1つの層とする多層構造のものが挙げられる。この弾性重合体の例として、アクリル酸アルキルを主成分とし、これに共重合可能な他のビニル系単量体及び架橋性単量体を共重合させた架橋弾性共重合体が挙げられる。弾性重合体の主成分となるアクリル酸アルキルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルへキシル等、アルキル基の炭素数が1〜8程度のものが挙げられ、炭素数4以上のアルキル基を有するアクリル酸アルキルが好ましく用いられる。このアクリル酸アルキルに共重合可能な他のビニル系単量体としては、分子内に重合性炭素−炭素二重結合を1個有する化合物を挙げることができ、より具体的には、メタクリル酸メチルのようなメタクリル酸エステル、スチレンのような芳香族ビニル化合物、アクリロニトリルのようなビニルシアン化合物等が挙げられる。架橋性単量体としては、分子内に重合性炭素−炭素二重結合を少なくとも2個有する架橋性の化合物を挙げることができ、より具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレートのような多価アルコールの(メタ)アクリレート類、アリル(メタ)アクリレートのような(メタ)アクリル酸のアルケニルエステル、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
ゴム粒子を含まない(メタ)アクリル系樹脂からなるフィルムと、ゴム粒子を含む(メタ)アクリル系樹脂からなるフィルムとの積層物を保護フィルムとすることもできる。また、(メタ)アクリル樹脂とは異なる樹脂からなる位相差発現層の片面又は両面に、(メタ)アクリル系樹脂層が形成され、位相差が発現されたものを保護フィルムとすることもできる。
第1熱可塑性樹脂フィルム10及び/又は第2熱可塑性樹脂フィルム20は、紫外線吸収剤を含有していてもよい。偏光板を液晶表示装置に適用する場合、紫外線吸収剤を含有する保護フィルムを液晶セルの視認側に配置することで、液晶セルの紫外線による劣化を抑制することができる。紫外線吸収剤としては、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等が挙げられる。
第1熱可塑性樹脂フィルム10及び第2熱可塑性樹脂フィルム20は、同じ熱可塑性樹脂で構成されるフィルムであってもよいし、互いに異なる熱可塑性樹脂で構成されるフィルムであってもよい。第1熱可塑性樹脂フィルム10及び第2熱可塑性樹脂フィルム20は、厚み、添加剤の有無やその種類、位相差特性等において同じであってもよいし、異なっていてもよい。
第1熱可塑性樹脂フィルム10及び/又は第2熱可塑性樹脂フィルム20は、その外面(偏光子5とは反対側の表面)にハードコート層、防眩層、反射防止層、光拡散層、帯電防止層、防汚層、導電層のような表面処理層(コーティング層)を備えていてもよい。
第1熱可塑性樹脂フィルム10及び第2熱可塑性樹脂フィルム20の厚みはそれぞれ、通常5〜200μmであり、好ましくは10〜120μm、より好ましくは10〜85μmである。第1熱可塑性樹脂フィルム10及び第2熱可塑性樹脂フィルム20の厚みを小さくすることは、偏光板、ひいては液晶表示装置の薄型化に有利である。
(5)接着剤層
第1、第2熱可塑性樹脂フィルム10,20はそれぞれ、第1、第2接着剤層15,25を介して偏光子5に貼合することができる。また、青色光透過抑制層30、青色光透過抑制フィルム35、光学機能性フィルムなども接着剤層を介して積層することが可能である。これらの接着剤層を形成する接着剤としては、水系接着剤、活性エネルギー線硬化性接着剤又は熱硬化性接着剤を用いることができ、好ましくは水系接着剤、活性エネルギー線硬化性接着剤である。
水系接着剤としては、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液からなる接着剤、水系二液型ウレタン系エマルジョン接着剤等が挙げられる。中でもポリビニルアルコール系樹脂水溶液からなる水系接着剤が好適に用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルをケン化処理して得られるビニルアルコールホモポリマーのほか、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体をケン化処理して得られるポリビニルアルコール系共重合体、又はそれらの水酸基を部分的に変性した変性ポリビニルアルコール系重合体等を用いることができる。水系接着剤は、アルデヒド化合物(グリオキザール等)、エポキシ化合物、メラミン系化合物、メチロール化合物、イソシアネート化合物、アミン化合物、多価金属塩等の架橋剤を含むことができる。
水系接着剤を使用する場合は、偏光子5と熱可塑性樹脂フィルムとを貼合した後、水系接着剤中に含まれる水を除去するための乾燥工程を実施することが好ましい。乾燥工程後、例えば20〜45℃の温度で養生する養生工程を設けてもよい。
活性エネルギー線硬化性接着剤とは、紫外線や電子線のような活性エネルギー線を照射することで硬化する接着剤をいい、例えば、重合性化合物及び光重合開始剤を含む硬化性組成物、光反応性樹脂を含む硬化性組成物、バインダー樹脂及び光反応性架橋剤を含む硬化性組成物等を挙げることができる。好ましくは紫外線硬化性接着剤である。重合性化合物としては、光硬化性エポキシ系モノマー、光硬化性(メタ)アクリル系モノマー、光硬化性ウレタン系モノマーのような光重合性モノマーや、光重合性モノマーに由来するオリゴマーを挙げることができる。光重合開始剤としては、活性エネルギー線の照射により中性ラジカル、アニオンラジカル、カチオンラジカルのような活性種を発生する物質を含むものを挙げることができる。重合性化合物及び光重合開始剤を含む活性エネルギー線硬化性接着剤として、光硬化性エポキシ系モノマー及び光カチオン重合開始剤を含む硬化性組成物や、光硬化性(メタ)アクリル系モノマー及び光ラジカル重合開始剤を含む硬化性組成物、又はこれらの硬化性組成物の混合物を好ましく用いることができる。
光硬化性エポキシ系モノマーとしては、脂環式エポキシ化合物が好ましい。脂環式エポキシ化合物とは、脂環式環の炭素原子とともにオキシラン環を形成している構造を分子内に1個以上有する化合物をいう。脂環式エポキシ化合物は、1種のみを単独で使用してもよいし2種以上を併用してもよい。「脂環式環の炭素原子とともにオキシラン環を形成している構造」とは、以下に示される構造における(CH2mから1個又は複数個の水素原子を取り除いた形の基である。次式中、mは2〜5の整数である。
Figure 2016142942
従って、(CH2m中の1個又は複数個の水素原子を取り除いた形の基が他の化学構造に結合している化合物が脂環式エポキシ樹脂となり得る。(CH2m中の1個又は複数個の水素原子は、メチル基やエチル基等の直鎖状アルキル基で適宜置換されていてもよい。脂環式エポキシ化合物の中でも、オキサビシクロヘキサン環(上記式においてm=4のもの)や、オキサビシクロヘプタン環(上記式においてm=5のもの)を有する脂環式エポキシ化合物は、優れた接着性を示す点で好ましい。以下に、好ましく用いられる脂環式エポキシ化合物を具体的に例示する。
Figure 2016142942
活性エネルギー線硬化性接着剤を用いる場合は、偏光子5と熱可塑性樹脂フィルムとを貼合した後、必要に応じて乾燥工程を行い、次いで活性エネルギー線を照射することによって活性エネルギー線硬化性接着剤を硬化させる硬化工程を行う。従って、活性エネルギー線硬化性接着剤を用いる場合、接着剤層はその硬化物層である。活性エネルギー線の光源は特に限定されないが、波長400nm以下に発光分布を有する紫外線が好ましく、具体的には、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ等を用いることができる。
偏光子5と熱可塑性樹脂フィルムとを貼合するにあたっては、接着性を高めるために、これらの少なくともいずれか一方の貼合面にケン化処理、コロナ処理、プラズマ処理等を施すことができる。偏光子5の熱可塑性樹脂に保護フィルムが貼合される場合においてこれらの保護フィルムを貼合するための接着剤は、同種の接着剤あってもよいし異種の接着剤であってもよい。
硬化後の接着剤層の厚みは、通常20μm以下、好ましくは10μm以下、さらに好ましくは5μm以下、特に好ましくは3μm以下である。接着剤層の厚みが過度に大きいと、接着剤組成物の反応率が低下し、偏光板の耐湿熱性が悪化する傾向にある。接着剤層の厚みは、通常0.01μm以上であり、好ましくは0.1μm以上である。
(6)粘着剤層
本発明に係る偏光板は、これを液晶セル等の他の光学部材に貼合するための第1粘着剤層40や、他の粘着剤層(図2及び図3に示される青色光透過抑制フィルム35を貼合するための第2粘着剤層45、及び青色光透過抑制層30や光学機能性フィルムの貼合に用い得る粘着剤層など)を含むことができる。
上記のような粘着剤層に用いられる粘着剤としては、(メタ)アクリル系樹脂や、シリコーン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテル系樹脂等をベースポリマーとするものを用いることができる。中でも、透明性、粘着力、信頼性、耐候性、耐熱性、リワーク性等の観点から、(メタ)アクリル系粘着剤が好ましく用いられる。(メタ)アクリル系粘着剤には、メチル基やエチル基やn−、i−又はt−ブチル基等の炭素数が20以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル等の官能基含有(メタ)アクリル系モノマーとを、ガラス転移温度が好ましくは25℃以下、より好ましくは0℃以下となるように配合した、重量平均分子量が10万以上の(メタ)アクリル系樹脂がベースポリマーとして有用である。
偏光板への粘着剤層の形成は、例えば、トルエンや酢酸エチル等の有機溶媒に粘着剤組成物を溶解又は分散させて10〜40重量%の溶液を調製し、これを偏光板の対象面に直接塗工して粘着剤層を形成する方式や、離型処理が施されたセパレートフィルム上に粘着剤層をシート状に形成しておき、それを偏光板の対象面に移着する方式等により行うことができる。粘着剤層の厚みは、その接着力等に応じて決定されるが、1〜50μm程度の範囲が適当であり、好ましくは2〜40μmである。
偏光板は、上記のセパレートフィルムを含み得る。セパレートフィルムは、ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン等のポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂等からなるフィルムであることができる。中でも、ポリエチレンテレフタレートの延伸フィルムが好ましい。
粘着剤層には、必要に応じ、ガラス繊維、ガラスビーズ、樹脂ビーズ、金属粉や他の無機粉末からなる充填剤、顔料、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等が配合されていてもよい。
帯電防止剤としては、例えば、イオン性化合物、導電性微粒子、導電性高分子等を挙げることができるが、イオン性化合物が好ましく用いられる。イオン性化合物を構成するカチオン成分は無機カチオンでも有機カチオンでもよいが、(メタ)アクリル系樹脂との相溶性の観点からは有機カチオンであることが好ましい。有機カチオンとしては、ピリジニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、アンモニウムカチオン、スルホニウムカチオン、ホスホニウムカチオン等が挙げられる。一方、イオン性化合物を構成するアニオン成分としては、無機アニオンでも有機アニオンでもよいが、帯電防止性能に優れるイオン性化合物を与えることから、フッ素原子を含むアニオン成分が好ましい。フッ素原子を含むアニオン成分としては、ヘキサフルオロホスフェートアニオン[(PF6 -)]、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン[(CF3SO22-]アニオン、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン[(FSO22-]アニオン等が挙げられる。
(7)光学機能性フィルム
偏光板は、所望の光学機能を付与するための、偏光子5以外の他の光学機能性フィルムを備えることができ、その好適な一例は位相差フィルムである。上述のように、第1熱可塑性樹脂フィルム10及び/又は第2熱可塑性樹脂フィルム20が位相差フィルムを兼ねることもできるが、熱可塑性樹脂フィルムとは別途に位相差フィルムを積層することもできる。後者の場合、位相差フィルムは、粘着剤層や接着剤層を介して第1熱可塑性樹脂フィルム10及び/又は第2熱可塑性樹脂フィルム20の外面などに積層することができる。
位相差フィルムの具体例は、透光性を有する熱可塑性樹脂の延伸フィルムから構成される複屈折性フィルム、ディスコティック液晶又はネマチック液晶が配向固定されたフィルム、基材フィルム上に上記の液晶層が形成されたものを含む。基材フィルムは通常、熱可塑性樹脂からなるフィルムであり、熱可塑性樹脂としてはトリアセチルセルロース等のセルロースエステル系樹脂が好ましく用いられる。
複屈折性フィルムを形成する熱可塑性樹脂としては、第1及び第2熱可塑性樹脂フィルム10,20について記述したものを使用することができる。例えば、セルロースエステル系樹脂を使用する場合を例に挙げると、セルロースエステル系樹脂に位相差調整機能を有する化合物を含有させたものからフィルムを形成する方法、セルロースエステル系樹脂フィルムの表面に位相差調整機能を有する化合物を塗布する方法、セルロースエステル系樹脂を一軸又は二軸に延伸する方法により複屈折性フィルムを得ることができる。複屈折性フィルムを形成する熱可塑性樹脂として、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリアミド系樹脂のような他の熱可塑性樹脂を用いることもできる。
位相差フィルムは、広帯域化等、光学特性の制御を目的として、2枚以上を組み合わせて使用してもよい。また、光学異方性を有するフィルムに限らず、位相差フィルムとして実質的に光学的に等方なゼロレタデーションフィルムを使用することもできる。ゼロレタデーションフィルムとは、面内位相差値Re及び厚み方向位相差値Rthがともに−15〜15nmであるフィルムをいう。ここでいう面内位相差値Re及び厚み方向位相差値Rthは、波長590nmにおける値である。
面内位相差値Re及び厚み方向位相差値Rthは、それぞれ下記式:
e=(nx−ny)×d
th=〔(nx+ny)/2−nz〕×d
で定義される。式中、nxはフィルム面内の遅相軸方向(x軸方向)の屈折率であり、nyはフィルム面内の進相軸方向(面内でx軸に直交するy軸方向)の屈折率であり、nzはフィルム厚み方向(フィルム面に垂直なz軸方向)の屈折率であり、dはフィルムの厚みである。
ゼロレタデーションフィルムには、第1及び第2熱可塑性樹脂フィルム10,20や複屈折性フィルムについて記述した熱可塑性樹脂を使用することができ、例えば、セルロースエステル系樹脂、鎖状ポリオレフィン系樹脂及び環状ポリオレフィン系樹脂のようなポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステル系樹脂からなる熱可塑性樹脂フィルムを用いることができる。中でも、位相差値の制御が容易で、入手も容易であることから、セルロースエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂が好ましく用いられる。
偏光板に含まれ得る他の光学機能性フィルム(光学部材)の例は、集光板、輝度向上フィルム、光拡散層(光拡散フィルム)等である。これらは一般的に、偏光板が液晶セルの背面側(バックライト側)に配置される偏光板である場合に設けられる。
集光板は、光路制御等を目的に用いられるもので、プリズムアレイシートやレンズアレイシート、ドット付設シート等であることができる。
輝度向上フィルムは、偏光板を適用した液晶表示装置における輝度を向上させる目的で使用される。具体的には、屈折率の異方性が互いに異なる薄膜フィルムを複数枚積層して反射率に異方性が生じるように設計された反射型偏光分離シート、コレステリック液晶ポリマーの配向フィルムやその配向液晶層を基材フィルム上に支持した円偏光分離シート等が挙げられる。
光拡散層は、偏光板を拡散型の光学部材とするためにそれぞれ設けられる。拡散型の偏光板は、光拡散性を付与してモアレ等の表示不良を抑制した液晶表示装置に用いられる。光拡散層は、公知の方法により形成することができる。
(8)プロテクトフィルム
本発明に係る偏光板は、その表面を仮着保護するためのプロテクトフィルムを含むことができる。プロテクトフィルムは、例えば液晶セルや他の光学部材に偏光板が貼合された後、それが有する粘着剤層ごと剥離除去される。プロテクトフィルムは、基材フィルムとその上に積層される粘着剤層とで構成される。粘着剤層については上述の記述が引用される。基材フィルムを構成する樹脂は、例えば、ポリエチレンのようなポリエチレン系樹脂、ポリプロピレンのようなポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートのようなポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等の熱可塑性樹脂であることができる。好ましくは、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂である。
<液晶パネル及び液晶表示装置>
図4は、本発明に係る液晶パネル及び液晶表示装置の層構成の一例を示す概略断面図である。図4に示される液晶表示装置100は、バックライト70とその上に配置される液晶パネル60とを含む。液晶パネル60は、液晶セルの両面に偏光板が積層された構成を有する光学素子であり、図4に示される例において、液晶セル80と、その背面側(バックライト70側)の面に積層される図2に示されるブルーライトカット機能を有する偏光板2(背面側偏光板)と、液晶セル80の前面側(視認側)に積層される前面側偏光板90とで構成されている。偏光板2(背面側偏光板)及び前面側偏光板90は、粘着剤層を介して液晶セル80に積層貼合することができ、例えば偏光板2は、それが有する第1粘着剤層40を介して液晶セル80に貼合されている。
図4の例に限らず、本発明に係るブルーライトカット機能を有する偏光板は、前面側偏光板に用いられてもよいし、背面側偏光板及び前面側偏光板の両方に用いられてもよい。ただし、青色光透過抑制層30又は青色光透過抑制フィルム35が反射型である場合には、最表面(青色光透過抑制層30又は青色光透過抑制フィルム35を最表面に配置した場合)又は界面(青色光透過抑制層30又は青色光透過抑制フィルム35を最表面以外の位置に配置した場合)における外光反射による色付きを防止する観点から、本発明に係る偏光板は、背面側偏光板として用いられることが好ましい。
液晶パネル60及び液晶表示装置100において本発明に係る偏光板は、図4に示されるように、背面側偏光板及び前面側偏光板のいずれに用いられる場合であっても、青色光透過抑制層30又は青色光透過抑制フィルム35が偏光子5を基準に液晶セル80とは反対側に配置される(すなわち、青色光透過抑制層30又は青色光透過抑制フィルム35が偏光子5と液晶セル80との間に配置されない)ように液晶セル80に積層されることが好ましい。これによって、青色光透過抑制層30や青色光透過抑制フィルム35が反射型であっても、それが偏光解消要素となってしまうことを防ぐことができる。
本発明に係る液晶パネル及び液晶表示装置の好ましい実施形態の1つにおいて、本発明に係る偏光板は、少なくとも背面側偏光板として含まれており、かつ青色光透過抑制層30又は青色光透過抑制フィルム35(複数有する場合は、好ましくはすべて)が偏光子5を基準に液晶セル80とは反対側に配置されるように液晶セルに貼合されている。
バックライト70は、380〜500nmの波長域内にある青色光を出射し得るものである限り特に限定されないが、その典型例はLED(発光ダイオード)を光源とするバックライトである。液晶セル80の駆動方式は、従来公知のいかなる方式であってもよい。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。以下の実施例及び比較例において、ブルーライトカットフィルム及び偏光板の380〜500nmの波長域にわたる平均透過率、並びに偏光板の視感度補正単体透過率Ty、視感度補正偏光度Py、透過色相及び反射色相は、次のようにして測定した。
(平均透過率)
積分球付き分光光度計〔日本分光(株)製の「V7100」、2度視野;C光源〕を用い、各波長(5nm刻み)での透過率を測定し、380〜500nmの波長域にわたるそれらの平均を求めて、これを平均透過率とした。結果を表1に示す。ブルーライトカットフィルムの平均透過率は、それが有する青色光透過抑制層の平均透過率と実質的に同じであるといえる。
(視感度補正単体透過率及び視感度補正偏光度)
単体透過率及び偏光度は、それぞれ下記式:
単体透過率(λ)=0.5×(Tp(λ)+Tc(λ))
偏光度(λ)=100×(Tp(λ)−Tc(λ))/(Tp(λ)+Tc(λ))
で定義される。Tp(λ)は、入射する波長λnmの直線偏光とパラレルニコルの関係で測定した偏光板の透過率(%)であり、Tc(λ)は、入射する波長λnmの直線偏光とクロスニコルの関係で測定した偏光板の透過率(%)である。
視感度補正単体透過率Ty及び視感度補正偏光度Pyは、各波長毎に求めた単体透過率(λ)及び偏光度(λ)に対して、JlS Z 8701の2度視野(C光源)により視感度補正を行ったものであり、積分球付き分光光度計〔日本分光(株)製の「V7100」、2度視野;C光源〕を使用して測定した。測定の際、ノルボルネン系樹脂フィルム側に入射光が入射されるようにセットした。またTy及びPyは、波長380〜780nmの範囲において5nm刻みで測定した。
(透過色相)
JlS Z 8701に準拠して、積分球付き分光光度計〔日本分光(株)製の「V7100」、2度視野;C光源〕を使用して測定した。結果を表1に示す。
(反射色相)
JlS Z 8701に準拠して、積分球付き分光光度計〔(株)島津製作所製の「UV−2450/MPC−2200」、絶対鏡面反射測定;C光源」を使用し、波長400〜780nmの範囲において5nm刻みで測定した。結果を表1に示す。
<実施例1>
(1)吸収型偏光子の作製
厚み30μmのポリビニルアルコールフィルム(平均重合度約2400、ケン化度99.9モル%以上)を、乾式延伸により約4倍に一軸延伸し、さらに緊張状態を保ったまま、40℃の純水に40秒間浸漬した後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の重量比が0.052/5.7/100の水溶液に28℃で30秒間浸漬して染色処理を行った。その後、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の重量比が11.0/6.2/100の水溶液に70℃で120秒間浸漬した。引き続き、8℃の純水で15秒間洗浄した後、300Nの張力で保持した状態で、60℃で50秒間、次いで75℃で20秒間乾燥して、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向している厚み12μmの吸収型偏光子を得た。
(2)偏光板の作製
水100重量部に対し、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール〔(株)クラレから入手した商品名「KL−318」〕を3重量部溶解し、その水溶液に水溶性エポキシ樹脂であるポリアミドエポキシ系添加剤〔田岡化学工業(株)から入手した商品名「スミレーズレジン 650(30)」、固形分濃度30重量%の水溶液〕を1.5重量部添加して、水系接着剤を調製した。この水系接着剤を上記(1)で得られた吸収型偏光子の一方の面に塗工し、ニップロールにより、保護フィルムとして厚み25μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム〔コニカミノルタオプト(株)社製の商品名「KC2UA」、位相差特性なし〕を接着剤層を介して貼合するとともに、他方の面に同じ水系接着剤からなる接着剤層を介して、面内位相差値10nm以下で厚み23μmのノルボルネン系樹脂フィルム〔日本ゼオン(株)製の商品名「ZEONOR」〕を貼合した。張力を280N/mに保ちながら、貼合から5秒後に当該貼合物に対して60℃で220秒、次いで80℃で125秒の乾燥処理を施して、視感度補正単体透過率Tyが42.3%、視感度補正偏光度Pyが99.995%の偏光板を得た。その後、ノルボルネン系樹脂フィルムの外面に厚み25μmのシート状粘着剤〔リンテック(株)製の「#7」〕を貼合して、粘着剤層付の偏光板とした。以下、この粘着剤層付の偏光板を「偏光板C」という。
次に、偏光板CにおけるTACフィルムの外面に、ブルーライトカットフィルムA〔サンワサプライ(株)製の商品名「LCD−140WBC」、吸収型〕を貼合して、ブルーライトカット機能を有する偏光板を得た。以下、この粘着剤層付の偏光板を「偏光板A」という。
<実施例2>
ブルーライトカットフィルムAの代わりに、ブルーライトカットフィルムB〔ELECOM社製の商品名「EF−FLBLシリーズ」、反射型〕を用いたこと以外は実施例1と同様にしてブルーライトカット機能を有する偏光板を得た。以下、この粘着剤層付の偏光板を「偏光板B」という。
<比較例1>
実施例1で作製した偏光板Cをそのまま用いた。
Figure 2016142942
1,2,3 偏光板、5 偏光子、10 第1熱可塑性樹脂フィルム、15 第1接着剤層、20 第2熱可塑性樹脂フィルム、25 第2接着剤層、30 青色光透過抑制層、31 基材フィルム、35 青色光透過抑制フィルム、40 第1粘着剤層、45 第2粘着剤層、60 液晶パネル、70 バックライト、80 液晶セル、90 前面側偏光板、100 液晶表示装置。

Claims (8)

  1. 吸収型の偏光子と、
    前記偏光子の上に配置され、380〜500nmの波長域内にある青色光の透過を抑制する青色光透過抑制層と、
    を含む、偏光板。
  2. 前記青色光透過抑制層は、前記青色光を吸収することによってその透過を抑制するものである、請求項1に記載の偏光板。
  3. 前記青色光透過抑制層は、380〜500nmの波長域にわたる平均透過率が80%以下である、請求項1又は2に記載の偏光板。
  4. 前記青色光透過抑制層と前記偏光子との間に配置される熱可塑性樹脂フィルムをさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光板。
  5. 前記熱可塑性樹脂フィルムは、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セルロースエステル系樹脂、ポリエステル系樹脂、及び(メタ)アクリル系樹脂からなる群より選択される樹脂で構成される、請求項4に記載の偏光板。
  6. 前記青色光透過抑制層と前記偏光子と粘着剤層とをこの順に含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の偏光板。
  7. 液晶セルと請求項6に記載の偏光板とを含み、
    前記偏光板が前記粘着剤層を介して前記液晶セルに積層される、液晶パネル。
  8. バックライトと請求項7に記載の液晶パネルとを含み、
    前記偏光板が前記液晶セルと前記バックライトとの間に配置される、液晶表示装置。
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