JP2016140203A - ワイヤハーネスの配索構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】偏平なワイヤハーネス経路を無理なく挿通できるようにする。
【解決手段】車両内の偏平スペースに配索するワイヤハーネスを複数の電線群に分割し、該分割した電線群をそれぞれ締結バンドで結束して断面積を減少した複数の分割ハーネスとし、前記締結バンドは電線群に巻き付けるバンドを挿通係止する本体部の一側に連結部を設けると共に他側に前記連結部に連結する被連結部を設け、前記分割ハーネスを並列配置して複数の前記締結バンドを順次連結する構成としている。
【選択図】図5
【解決手段】車両内の偏平スペースに配索するワイヤハーネスを複数の電線群に分割し、該分割した電線群をそれぞれ締結バンドで結束して断面積を減少した複数の分割ハーネスとし、前記締結バンドは電線群に巻き付けるバンドを挿通係止する本体部の一側に連結部を設けると共に他側に前記連結部に連結する被連結部を設け、前記分割ハーネスを並列配置して複数の前記締結バンドを順次連結する構成としている。
【選択図】図5
Description
本発明はワイヤハーネスの配索構造に関し、詳しくは、自動車内のワイヤハーネス配索スペースがワイヤハーネス外径より狭い偏平経路にワイヤハーネスを配索可能とするものである。
自動車に配索するワイヤハーネスは、複数本の電線を集束しテープやバンドを巻き付けて結束して、断面略円形のワイヤハーネスとしている。該ワイヤハーネスは自動車内の配索スペースに沿って配索し、該ワイヤハーネスの電線端末に接続したコネクタを車載電装品と接続している。近年、搭載する電子機器の急増によりワイヤハーネスを構成する電線数が増加し、ワイヤハーネスの外径が肥大化している。
このように、車載電装品が増加する一方、自動車内に搭載されている周辺機器の設置位置等は変わらず、かつ車両デザインの追及等によりワイヤハーネスの配索スペースが縮小する傾向にある。その結果、ワイヤハーネスの配索経路の一部または全長がワイヤハーネス外径より狭い偏平経路となる場合がある。
このように、車載電装品が増加する一方、自動車内に搭載されている周辺機器の設置位置等は変わらず、かつ車両デザインの追及等によりワイヤハーネスの配索スペースが縮小する傾向にある。その結果、ワイヤハーネスの配索経路の一部または全長がワイヤハーネス外径より狭い偏平経路となる場合がある。
前記偏平経路にワイヤハーネスを配索するには、ワイヤハーネスを扁平にする必要があるが、複数の電線をテープまたはバンドで結束するとワイヤハーネスは断面円形となり、偏平化することは困難である。
一方、偏平な導体の芯線を並列配置して絶縁樹脂で被覆したフラットハーネスを用いると偏平経路に配索することができる。しかしながら、フラットハーネスは製造コストがかかり、特に、少量多品種では製造コストがアップする。かつ、偏平導体の芯線を金属箔で形成すると所要の電流量を確保できない場合がある。このように、偏平経路に配索するワイヤハーネスをフラットハーネスとすることはコストおよび通電量等の点から実用化が困難である。
一方、偏平な導体の芯線を並列配置して絶縁樹脂で被覆したフラットハーネスを用いると偏平経路に配索することができる。しかしながら、フラットハーネスは製造コストがかかり、特に、少量多品種では製造コストがアップする。かつ、偏平導体の芯線を金属箔で形成すると所要の電流量を確保できない場合がある。このように、偏平経路に配索するワイヤハーネスをフラットハーネスとすることはコストおよび通電量等の点から実用化が困難である。
前記問題に対して、本出願人は特開2013−153600号公報において、図6(A)(B)(C)に示すバンドクランプ100を提供している。該バンドクランプ100のバンド110をワイヤハーネス200に巻き付け、バンド110の中間位置に厚肉で非可撓性とした基板部111を設け、該基板部111とバンド係止用本体112との間にワイヤハーネス200の電線群を偏平に挟持固定している。
前記特許文献1のバンドクランプ100を用いると、ワイヤハーネスの偏平化を図ることが可能である。しかしながら、バンド110の基板部111を挟む基部側114と係止溝を設けた先端部113とで結束される部分のワイヤハーネスの厚さが相違し、ワイヤハーネスの厚さを均一化しにくい。よって、偏平経路内において、ワイヤハーネスの厚い部分が上下機器に接触して損傷を受けるおそれがある。かつ、偏平経路の断面積に応じてワイヤハーネスの厚さを容易に調節できない点もあり、改良の余地がある。
本発明は前記問題を解消せんとするもので、自動車内の偏平なワイヤハーネス配索経路に無理なくワイヤハーネスを配索できるようにすることを課題としている。
前記課題を解決するため、本発明は、車両内の偏平スペースに配索するワイヤハーネスを複数の電線群に分割し、該分割した電線群をそれぞれ締結バンドで結束して断面積を減少した複数の分割ハーネスとし、
前記締結バンドは電線群に巻き付けるバンドを挿通係止する本体部の一側に連結部を設けると共に他側に前記連結部に連結する被連結部を設け、
前記分割ハーネスを並列配置して複数の前記締結バンドを順次連結する構成としているワイヤハーネスの配索構造を提供している。
前記締結バンドは電線群に巻き付けるバンドを挿通係止する本体部の一側に連結部を設けると共に他側に前記連結部に連結する被連結部を設け、
前記分割ハーネスを並列配置して複数の前記締結バンドを順次連結する構成としているワイヤハーネスの配索構造を提供している。
本発明では、自動車等の車両のワイヤハーネス配索スペースが、部分的に偏平である場合、あるいは全長が偏平である場合、太いワイヤハーネスを挿通できないために、ワイヤハーネスを構成する電線群を複数に分割し、それぞれ締結バンドで結束し、断面積を減少した複数の分割ハーネスとし、これら分割ハーネスを並列配置して、偏平スペースに挿通できるようにしている。かつ、締結バンドは並列状態で、隣接する締結バンド同士を連結できるようにしているため、専用の連結部品を必要としない。さらに、偏平スペースの断面積に応じてワイヤハーネスの分割個数を増減して締結バンドで結束し、これら締結バンドを順次連結するだけで、偏平スペースの大きさに簡単に対応できる。
前記分割ハーネスの電線群を結束する前記締結バンドは、前記本体部の中央にロック片を突設したバンド貫通穴を設け、該本体部の一側の上部に係止片からなる前記連結部を突設すると共に該連結部の下方を電線の一部を挿通させる切欠空間とする一方、該本体部の他側に前記係止片を挿入係止する係止溝を設けた前記被連結部を設け、
前記電線群を結束したバンド結束部の外面に前記本体部が傾斜した状態で搭載される低背用の締結バンドとしていることが好ましい。
前記電線群を結束したバンド結束部の外面に前記本体部が傾斜した状態で搭載される低背用の締結バンドとしていることが好ましい。
分割ハーネスの電線群を結束するバンド結束部の外面から前記本体部を外径方向に真っすぐに搭載すると本体部の突出寸法が大となる。ワイヤハーネスを分割して、分割ハーネスの小径化を図っているが、締結バンドの本体部の突出寸法が大きいと嵩高になる。よって、バンドで分割した電線を締結した状態で本体部が電線群の外面に傾斜して搭載した状態となる前記低背用の締結バンドとすることが好ましい。締結バンドの傾斜角度は30〜45°の範囲がよい。
前記本発明はフロアハーネスや、インストルメントパネルハーネス(インパネハーネス)に好適に用いることができる。
例えば、スカッフプレートとロッカーパネルの間の偏平スペースに配索する領域のフロアハーネスを複数個に分割し、それぞれ前記締結バンドで締結し、該締結バンドを並列配置して順次連結することが好ましい。
また、インパネハーネスでは、インストルメントパネル内のダクトとリーンホースとの間の偏平スペースの領域のインパネハーネスを複数個に分割し、それぞれ前記締結バンドで締結し、該締結バンドを並列配置して順次連結することが好ましい。
例えば、スカッフプレートとロッカーパネルの間の偏平スペースに配索する領域のフロアハーネスを複数個に分割し、それぞれ前記締結バンドで締結し、該締結バンドを並列配置して順次連結することが好ましい。
また、インパネハーネスでは、インストルメントパネル内のダクトとリーンホースとの間の偏平スペースの領域のインパネハーネスを複数個に分割し、それぞれ前記締結バンドで締結し、該締結バンドを並列配置して順次連結することが好ましい。
前記のように、本発明に係わるワイヤハーネスの配索構造では、自動車等の車両のワイヤハーネス配索スペースが、部分的あるいは全体的に偏平な場合、太いワイヤハーネスを挿通できないために、ワイヤハーネスを構成する電線群を複数に分割し、それぞれ締結バンドで結束し、断面積を減少させた複数の分割ハーネスとし、これら分割ハーネスを並列状態とするため、偏平な配索経路にワイヤハーネスを無理なく挿通することができる。かつ、締結バンドは並列状態で、隣接する締結バンド同士を連結できるため、専用の連結部品を必要とせず、偏平スペースの断面積に応じてワイヤハーネスの分割個数を増減して締結バンドで結束し、これら締結バンドを順次連結するだけで対応することができる。該締結バンドを大量生産すると安価となり実用的価値が大きい。
以下、本発明の実施形態を図1乃至図5を参照して説明する。
本実施形態のワイヤハーネス1は、自動車のフロアハーネスからなり、図1に示すように、スカッフプレート20とロッカパネル21とに挟まれた偏平スペース30にワイヤハーネス1の一部の領域Z1が配索される。ワイヤハーネス1の前記領域Z1を挟む前後領域Z2、Z3は前記偏平スペース30よりワイヤハーネス1の直径方向の寸法が広いスペース31、32に配索される。
本実施形態のワイヤハーネス1は、自動車のフロアハーネスからなり、図1に示すように、スカッフプレート20とロッカパネル21とに挟まれた偏平スペース30にワイヤハーネス1の一部の領域Z1が配索される。ワイヤハーネス1の前記領域Z1を挟む前後領域Z2、Z3は前記偏平スペース30よりワイヤハーネス1の直径方向の寸法が広いスペース31、32に配索される。
全電線群2を断面円形に結束した状態のワイヤハーネス1の直径D1に対して、前記広いスペース31、32のワイヤハーネス直径方向の寸法L1は大きく、L1>D1である。よって、図2および図3に示すように、広いスペース31、32に配索する領域Z2、Z3のワイヤハーネス1は全電線群2を汎用品の締結バンド5で断面円形に結束して配索している。
これに対して、偏平スペース30のワイヤハーネス直径方向の寸法L2はワイヤハーネス直径D1より小さい(L2<D1)。かつ、ワイヤハーネス直径D1の1/2より小さく、1/3よりも大きい。即ち1/2×D1>L2>1/3×D1である。
よって、図3(B)に示すように、偏平スペース30に配索するワイヤハーネス1の電線群2を3分割して、分割した各電線群2A、2B、2Cをそれぞれ低背用の締結バンド10(10A、10B、10C)で結束して並列状態に連結して配索している。
よって、図3(B)に示すように、偏平スペース30に配索するワイヤハーネス1の電線群2を3分割して、分割した各電線群2A、2B、2Cをそれぞれ低背用の締結バンド10(10A、10B、10C)で結束して並列状態に連結して配索している。
前記低背用の締結バンド10は、図4に示すように、ワイヤハーネスに巻き付けるバンド11を締結用の本体部12から突設し、該本体部12の形状を従来の四角形状とせず、ワイヤハーネス取付状態で傾斜する形状としている。
具体的には、本体部12の中央12aの一側上部に連結部12bを設け、該連結部12bの下部は切欠12vとし、かつ、中央12aの他側の中央から下端にかけて被連結部12cを設けている。
具体的には、本体部12の中央12aの一側上部に連結部12bを設け、該連結部12bの下部は切欠12vとし、かつ、中央12aの他側の中央から下端にかけて被連結部12cを設けている。
前記連結部12bは外側面からT字形の連結片12eを設けると共に、該連結部12bの下端からバンド11を突設し、該バンド11の一面に鋸歯状に係止溝11aを連続的に設けている。本体部12の中央12aには上下方向のバンド貫通穴12hを設け、該バンド貫通穴12hの内面からバンドの係止溝11aに選択的に係止するロック片12rを突設している。本体部12の他側の前記被連結部12cは上面12fを下向き傾斜面とし、該上面12fから横向きT字形(アリ溝形状)の係止溝12mを下端閉鎖部12kまで下向きに切り込んでいる。
図5に示すように、ワイヤハーネス1の電線群2を分割した電線群2A、2B、2Cに締結バンド10A、10B、10Cのバンド11をそれぞれ巻き付け、該バンド11を本体部12のバンド貫通穴12hに下端から挿入して上端から引き出して引っ張り、バンド貫通穴12h内で係止溝11aにロック片12rをロック結合している。このように、電線群2に締結バンド10を取り付けた状態で、電線群2の一部は連結部12bの一側下部の切欠12vに入りこんで、本体部12の最下端P1からのバンド11の最下端P2までの寸法L3を小さくしている。即ち、分割する電線群2に締結バンド10を取り付けた状態で、バンド11で結束する電線群2の一部が本体部12の切欠12vに入り込み、本体部12は電線群2の上部に傾斜した状態で搭載される。この締結バンド10の傾斜角度θは30〜45°としている。
前記分割した電線群2A〜2Cをそれぞれ結束した締結バンド10A〜10Cを並列配置し、隣接する締結バンド10Aと10B、10Bと10Cは夫々連結片12eを係止溝12mに上方から挿入して連結係止するものとしている。並列する各締結バンド10A、10B、10Cは左側が上方傾斜した状態となるため、左側の締結バンド10Aの下側の係止溝12mに右側の締結バンド10Bの上側の連結片12eを挿入して連結した状態で、並列する電線群2A、2B、2Cの各バンド11の下端P2は直線上に位置し、締結バンド10A、10B、10Cの上端P3も直線上に並列する。即ち、締結バンド10A〜10Cで締結した電線群2A〜2Cが同一高さで並列に連結される。
前記のように、ワイヤハーネス1の分割した各電線群2A、2B、2Cを夫々締結バンド10A、10B、10Cに取り付けた状態で、各電線群2A〜2Cは断面略円形に結束されるが、各電線群2A〜2Cの電線量がすくないため、電線群2A〜2Cの直径を小さく出来ると共に、該電線群に傾斜して取り付ける締結バンド10の本体部12の上端面からバンド11の下端までの全体高さL5を短くでき、全体として低背化を図ることができる。
配索スペースが広いスペース31、32に配索する領域Z2、Z3のワイヤハーネス1は、前記のように、全電線群2を汎用品の締結バンド5で断面円形に結束して配索している。該締結バンド5は周知の汎用品であり、四角枠状の本体部5aからバンド5bが突出すると共に、本体部5aの貫通穴5cにバンド5bの係止溝5mに選択的に係止するロック片5rを備えている。該締結バンド5のバンド5bを巻き付けて結束すると直径D1の断面円形となり、全体高さ寸法はL4となる。該寸法L4は広いスペースの寸法L1より短い。
よって、広いスペース31、32に配索する領域Z2、Z3のワイヤハーネスは、締結バンド5でワイヤハーネス1の全体電線群2を巻き付けて配索する。偏平スペース30に配索する領域Z1ではワイヤハーネス1の電線を3分割し、分割した各電線群2A〜2Cを夫々低背用の締結バンド10A〜10Cで締結する。その後締結バンド10A、10B、10Cを順次連結して配索する。これにより、部分的に偏平スペース30があっても無理なくワイヤハーネス1を配索できる。
本発明は前記実施形態に限定されず、自動車のインストルメントパネル内のダクトとリーンホースとの間の偏平スペースの領域に配索するインパネハーネスの一部を複数個に分割し、それぞれ前記締結バンドで締結し、該締結バンドを並列配置して順次連結してもよい。
1 ワイヤハーネス
2、2A〜2C 電線群
5 締結バンド
10(10A、10B、10C) 低背用の締結バンド
11 バンド
12 本体部
30 偏平スペース
31、32 広いスペース
2、2A〜2C 電線群
5 締結バンド
10(10A、10B、10C) 低背用の締結バンド
11 バンド
12 本体部
30 偏平スペース
31、32 広いスペース
Claims (2)
- 車両内の偏平スペースに配索するワイヤハーネスを複数の電線群に分割し、該分割した電線群をそれぞれ締結バンドで結束して断面積を減少した複数の分割ハーネスとし、
前記締結バンドは電線群に巻き付けるバンドを挿通係止する本体部の一側に連結部を設けると共に他側に前記連結部に連結する被連結部を設け、
前記分割ハーネスを並列配置して複数の前記締結バンドを順次連結する構成としているワイヤハーネスの配索構造。 - 前記分割ハーネスの電線群を結束する前記締結バンドは、前記本体部の中央部にロック片を突設したバンド貫通穴を設け、該本体部の一側の上部に係止片からなる前記連結部を突設すると共に該連結部の下方を電線の一部を挿通させる切欠空間とする一方、該本体部の他側に前記係止片を挿入係止する係止溝を設けた前記被連結部を設け、
前記電線群を結束したバンド結束部の外面に前記本体部が傾斜した状態で搭載される低背用の締結バンドとしている請求項1に記載のワイヤハーネスの配索構造。
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