以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態として、例えば図1〜図8に示す見切縁1及びその取付構造について説明する。
なお、図1は、見切縁1を上方側から見た図であり、(A)は本体部材2に対してカバー部材3を固定する前の状態を示す斜視図、(B)は固定した後の状態を示す斜視図である。図2は、見切縁1を下方側から見た図であり、(A)は本体部材2に対してカバー部材3を固定する前の状態を示す斜視図、(B)は固定した後の状態を示す斜視図である。図3は、本体部材2に対してカバー部材3を固定する前の状態を示す断面図である。図4は、本体部材2に対してカバー部材3を固定した後の状態を示す断面図である。図5は、見切縁1が壁面Hに取り付けられ、且つ、天井板Tに当接された状態を示す断面図である。図6は、本体部材2を壁面Hに取り付ける動作を説明するための断面図である。図7は、本体部材2に対するカバー部材3の固定状態を解除する動作を説明するための断面図である。図8は、見切縁1の取付構造において、天井板Tが揺れたときの機能を説明するための図であり、(A)は隙間Cが拡大する方向に天井板Tが移動した状態を示す断面図、(B)は隙間Cが縮小する方向に天井板Tが移動した状態を示す断面図である。
見切縁1は、例えば建物等において、壁面Hと天井板Tとの間の入隅部Sに沿った位置に取り付けられるものである。また、見切縁1は、壁面Hと天井板Tとの間に設けられた間隙(クリアランス)Cを覆う構造を有している。なお、天井板Tは、吊り下げ天井板であり、建物の天井(図示せず。)から吊り金具Kを介して吊り下げられた状態で支持されている。
具体的に、この見切縁1は、図1〜図4に示すように、本体部材2と、カバー部材3とを備えている。本体部材2及びカバー部材3は、例えば樹脂部材や金属部材などからなる。その中でも、不燃性(耐火性)の点から、本体部材2及びカバー部材3には、例えば、アルミニウム、鋼板(鉄、ステンレス)などの金属部材を用いることが好ましい。また、本体部材2とカバー部材3とは、互いに異なる材質のものを用いてもよい。さらに、本体部材2及びカバー部材3の表面には、不燃(難燃)性の塗料を用いて塗装(耐熱塗装)を施してもよい。本実施形態では、本体部材2及びカバー部材3にアルミニウムを用いている。
本体部材2は、矩形平板状の第1の板部4及び第2の板部5と、第1の板部4と第2の板部5との間でほぼ直角(又は鈍角)に折り曲げられた第1の角部6とを有して、全体として断面略L字状に形成されている。また、本体部材2は、壁面Hに取り付けられる取付部7と、壁面Hと天井板Tとの間に設けられた間隙(クリアランス)Cを覆うカバー部8と、天井板Tに当接される当接部9とを有している。
取付部7は、第1の板部4により構成されている。取付部7は、第1の板部4の壁面Hと対向する面(一面)4aとは反対側の面(他面)4bに設けられた溝部10を有している。
溝部10は、例えばビスや釘等を用いて取付部7(第1の板部4)を壁面Hに取り付ける際に、ビスや釘等を貫通し易くすると共に、その位置を表示する機能を有している。溝部10は、第1の板部4の短手方向の略中間部において、その長手方向に沿って直線状に切り欠き形成されている。なお、溝部10の断面形状については、特に限定されるものではない。
カバー部8は、第2の板部5により構成されている。また、カバー部8(第2の板部5)は、取付部7(第1の板部4)に対して片持ち支持されている。これにより、カバー部8は、弾性変形(撓み変形)可能となっている。
当接部9は、第2の板部5の天井板Tと対向する面(一面)5aから間隙Cに近づく方向に向かって斜めに立ち上がる傾斜片11を有している。傾斜片11は、第2の板部5の一面5aの先端側(第1の角部6とは反対側)に位置して、第2の板部5の長手方向に延長して設けられている。そして、この傾斜片11の天井板Tと対向する面が所定の角度θで傾斜した傾斜面11aを形成している。傾斜面11aの角度θについては、第2の板部5の一面5aに対して30°〜70°程度であればよい。なお、本実施形態では、傾斜面11aの角度θが約45°に設定されている。また、傾斜片11の厚みは、他の厚みよりも薄くなっており、弾性変形し易くなっている。
また、傾斜片11の天井板Tと対向する面の頂部付近が天井板Tと当接される当接面9aとなっている。当接面9aについては、天井板Tとの接触性を良くするため、平坦面で形成されている。さらに、当接面9aの先(傾斜片11の先端)には、第2の板部5の一面5a側に向かって湾曲した湾曲面9bが設けられている。
カバー部材3は、本体部材2の取付部7(第1の板部4の他面4b)を覆うものである。具体的に、このカバー部材3は、矩形平板状の第3の板部12、第4の板部13及び第5の板部14と、第3の板部12と第4の板部13との間でほぼ直角に折り曲げられた第2の角部15と、第4の板部13と第5の板部14との間で鈍角に折り曲げられた第3の角部16とを有して、全体として断面略C字状に形成されている。
見切縁1は、本体部材2とカバー部材3との間を回動自在に連結するヒンジ部17と、本体部材2に対してカバー部材3を固定する固定部18とを備えている。
ヒンジ部17は、本体部材2側に設けられた一方の係合部19と、カバー部材3側に設けられた他方の係合部20とを有している。ヒンジ部17は、互いに係合される一方の係合部19と他方の係合部20とによって、本体部材2とカバー部材3との間を回動自在に連結している。
具体的に、一方の係合部19は、第1の板部4の他面4bの先端側(第1の角部6とは反対側)に、フック部19aとストッパー部19bとを有している。フック部19aは、第1の板部4の他面4bから突出し、その途中で第1の板部4の基端側(第1の角部6側)に向かって折れ曲がった断面略L字形状を有している。一方、ストッパー部19bは、フック部19aよりも第1の板部4の基端側に位置して、第1の板部4の他面4bから突出した断面略I字形状を有している。これにより、フック部19aとストッパー部19bとの間には、他方の係合部20が係合される湾曲部19cが形成されている。
他方の係合部20は、第3の板部12の先端側(第2の角部15とは反対側)に、フック部20aを有している。フック部20aは、第3の板部12の先端側から第5の板部14側に向かって突出し、その途中で第4の板部13及び第5の板部14とは反対側に向かって湾曲した断面略C字形状を有している。
ヒンジ部17では、一方の係合部19と他方の係合部20とを係合させる。具体的には、一方の係合部19を構成する湾曲部19cの内側に、他方の係合部20を構成するフック部20aを係合させる。これにより、本体部材2(第1の板部4)とカバー部材3(第3の板部12)との間を回動自在に連結することができる。
なお、本実施形態では、見切縁1の長手方向にヒンジ部17が連続して設けられた構成となっているが、このような構成に限らず、見切縁1の長手方向に複数のヒンジ部17が間隔を空けて部分的に設けられた構成とすることも可能である。
固定部18は、本体部材2側に設けられた一方の係合部21と、カバー部材3側に設けられた他方の係合部22とを有している。固定部18は、互いに係合される一方の係合部21と他方の係合部22とによって、本体部材2に対してカバー部材3を着脱自在に固定している。
具体的に、一方の係合部21は、第2の板部5の一面5aとは反対側の面(他面)5bの基端側(第1の角部6側)に、段差部23を有している。段差部23は、第2の板部5の一面5a側が凹、他面5b側が凸となるように、第2の板部5の他面5bから突出して設けられている。また、段差部23は、第2の板部5の基端側から先端側に向かって連続する第1の面部23aと、第2の面部23bと、第3の面部23cとを有している。
第1の面部23aは、第2の板部5の基端側から先端側に向かって斜め方向に立ち上がるように形成されている。第2の面部23bは、第1の面部23aに連続して、第2の板部5の基端側から先端側に向かって第1の面部23aよりも緩やかな角度で立ち上がるように形成されている。第3の面部23cは、第2の面部23bに連続して、第2の板部5の基端側から先端側に向かって第1の面部23aよりも急な角度で立ち下がるように形成されている。
他方の係合部22は、第5の板部14の先端側(第3の角部16とは反対側)に、爪部24を有している。爪部24は、第5の板部14の第3の板部12と対向する面とは反対側の面から突出して設けられている。また、爪部24は、第5の板部14の先端側から基端側に向かって連続する第1の面部24aと、第2の面部24bとを有している。
第1の面部24aは、第5の板部14の先端側から基端側に向かって斜め方向に立ち上がるように形成されている。第2の面部24bは、第1の面部24aに連続して、第5の板部14の先端側から基端側に向かって第1の面部24aよりも急な角度で立ち下がるように形成されている。
固定部18では、カバー部材3が本体部材2の取付部7(第1の板部4の他面4b)を覆う位置まで、本体部材2に対してカバー部材3を回動させる。このとき、一方の係合部21(段差部23)と他方の係合部22(爪部24)とが係合される。具体的には、段差部23の第1の面部23aに爪部24の第2の面部24bを接触させた状態で、段差部23に対して爪部24が係止された状態となる。これにより、カバー部材3が本体部材2の取付部7(第1の板部4の他面4b)を覆った状態で、本体部材2に対してカバー部材3を固定することが可能である。
また、固定部18では、一方の係合部21(段差部23)と他方の係合部22(爪部24)との係合状態(係止状態)を解除することによって、本体部材2に対してカバー部材3を再び回動自在な状態とすることが可能である。
なお、本実施形態では、見切縁1の長手方向に固定部18が連続して設けられた構成となっているが、このような構成に限らず、見切縁1の長手方向に複数の固定部18が間隔を空けて部分的に設けられた構成とすることも可能である。
以上のような構成を有する見切縁1は、図5に示すように、壁面Hと天井板Tとの間の入隅部Sに沿った位置に取り付けられる。具体的に、この見切縁1を入隅部Sに沿った位置に取り付ける際は、先ず、図6に示すように、天井板Tに本体部材2の当接部9(当接面9a)を当接させた状態で、本体部材2の第1の板部4を壁面Hに接触させる。そして、この状態で、例えば電動ドライバーなどの治具G1を用いて、取付部7(第1の板部4)の長手方向に所定の間隔を空けながら、上述した溝部10(図6において図示せず。)に沿った位置に複数のビスBを打ち込む。
これにより、本体部材2の取付部7(第1の板部4)を壁面Hに取り付けることができる。また、本体部材2のカバー部8(第2の板部5)が壁面Hと天井板Tとの間隙Cを覆うことになる。
このとき、本実施形態の見切縁1の取付構造では、本体部材2のカバー部8(第2の板部5)が弾性変形しながら、当接部9(当接面9a)が天井板Tに押し付けられた状態となっている。これにより、天井板Tとの間に隙間が生じることを防ぐことができ、この見切縁1の仕上がり(見栄え)を良好に保つことが可能である。
次に、図6中の破線で示すように、カバー部材3が本体部材2の取付部7(第1の板部4の他面4b)を覆う位置まで、本体部材2に対してカバー部材3を回動させる。そして、カバー部材3が本体部材2の取付部7(第1の板部4の他面4b)を覆った状態で、固定部18により取付部材2に対してカバー部材3を固定する。これにより、本体部材2のビスBが打ち込まれた部分をカバー部材3が覆うことができ、この見切縁1の仕上がり(見栄え)を良くすることが可能である。
一方、本実施形態の見切縁1の取付構造では、図7に示すように、例えばハンマーコテなどの治具G2を用いて、本体部材2(段差部23)とカバー部材3(第5の板部14)との間に治具G2の先端を差し込みながら、一方の係合部21(段差部23)と他方の係合部22(爪部24)との係合状態(係止状態)を解除する。これにより、図7中の破線で示すように、本体部材2に対してカバー部材3を再び回動自在な状態とすることが可能である。その後、治具G1を用いてビスBを除去し、壁面Hから見切縁1を取り外すことも可能である。
ところで、上述した本実施形態の見切縁1の取付構造では、図8(A)に示すように、地震の際に天井板Tが大きく揺れることによって、壁面Hと天井板Tとの間の間隙Cが拡大し、この間隙Cに見切縁1の先端部(当接部9)が入り込むことが考えられる。特に、見切縁1では、天井板Tに当接部9が押し付けられた状態が解除されることによって、本体部材2のカバー部8(第2の板部5)が弾性復帰し、当接部9が天井板Tに押し付けられた位置よりも上方へと移動することになる。
これに対して、本実施形態の見切縁1の取付構造では、図8(B)に示すように、本体部材2の当接部9が間隙Cに入り込んだとしても、傾斜片11の傾斜面11aに接触した天井板Tの端部が、この傾斜片11の傾斜面11aに沿って相対移動することになる。これにより、天井板Tの揺れが収まった後には、上述した図5に示すように、当接部9(当接面9a)が天井板Tに当接した状態、すなわち壁面Hと天井板Tとの間の間隙Cを覆う元の状態へと見切縁1を復帰させることが可能である。
以上のように、本実施形態では、簡便な構造を有し、且つ、施工が容易な見切縁1を用いることによって、仕上がり(見栄え)が良い意匠性に優れた見切縁1の取付構造を得ることが可能である。
また、本実施形態では、壁面Hと天井板Tとの間に間隙Cを設けて、地震の際に天井板Tの揺れを許容しつつ、天井板Tの損傷を防ぐといった耐震化技術に適した見切縁1の取付構造とすることが可能である。
さらに、本実施形態では、地震の際に天井板Tの揺れによって壁面Hと天井板Tとの間の間隙Cに見切縁1が入り込んだ場合でも、天井板Tの揺れが収まった後に、壁面Hと天井板Tとの間の間隙Cを覆う元の状態へと見切縁1を復帰させることが可能である。
なお、本実施形態における見切縁1の取付構造では、入隅部Sに沿って複数の見切縁1が並んで取り付けられた構成としてもよい。また、この構成の場合、隣り合う見切縁1の各間を覆う別のカバー部材(図示せず。)を設けた構成としてもよい。
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、本体部材2やカバー部材3の形状については、上述した実施形態の形状のものに限定されるものではなく、その形状について適宜変更を加えることが可能である。
また、上記取付部7については、上述した溝部10により構成されたものに限らず、第1の板部4の長手方向に沿って複数の孔部や凹部などを設けた構成としてもよい。例えば、図9に示す取付部7Aのように、上記溝部10と共に、第1の板部4の長手方向に沿って複数の長孔25が並んで設けられた構成としてもよい。
また、上記ヒンジ部17の構造や上記固定部18の構造についても、適宜変更を加えることが可能である。例えば、図10に示す固定部18Aのように、本体部材2側に設けられた一方の係合部(爪部)21Aと、カバー部材3側に設けられた他方の係合部(爪部)22Aとを有した構成としてもよい。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態として、例えば図11に示す見切縁50及びその取付構造について説明する。なお、図11は、見切縁50の構成を示す断面図である。
見切縁50は、図11に示すように、本体部材51と、カバー部材52と、ヒンジ部53と、固定部54とを備え、これらが樹脂成形により一体に形成された構成を有している。
見切縁50の材質については、従来より一般的に使用されている樹脂成形材料を用いることができ、その中でも、本体部材51、カバー部材52及び固定部54には、塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ASA樹脂、PET樹脂などを好適に用いることができる。一方、ヒンジ部53には、上述した樹脂よりも柔軟な軟質塩化ビニル樹脂、熱可塑性エラストマーなどを好適に用いることができる。また、見切縁50の成形方法についても、従来より一般的に使用されている樹脂成形方法を用いることができ、その中でも、押出成形法などを好適に用いることができる。
また、見切縁50の各部の板厚については、特に限定されないものの、軽量化を図るためには、なるべく薄く形成することが好ましい。なお、本実施形態では、塩化ビニル樹脂及び軟質塩化ビニル樹脂を共押出成形することによって、各部の板厚が1mm程度の見切縁1を形成している。また、見切縁1の幅及び長さについては、入隅部Sや間隙Cの寸法に合わせて適宜変更することが可能である。
本体部材51は、矩形平板状の第1の板部55及び第2の板部56と、第1の板部55と第2の板部56との間でほぼ直角に折り曲げられた第1の角部57とを有して、全体として断面略L字状に形成されている。また、本体部材51は、壁面Hに取り付けられる取付部58と、壁面Hと天井板Tとの間に設けられた間隙(クリアランス)Cを覆うカバー部59と、天井板Tに当接される当接部60とを有している。
取付部58は、第1の板部55により構成されている。取付部58は、第1の板部55の壁面Hと対向する面(一面)55aとは反対側の面(他面)55bに設けられた溝部61と、複数の長孔62とを有している。
溝部61は、例えばビスや釘等を用いて取付部58(第1の板部55)を壁面Hに取り付ける際に、ビスや釘等を貫通し易くすると共に、その位置を表示する機能を有している。溝部61は、第1の板部55の短手方向の略中間部において、その長手方向に沿って直線状に切り欠き形成されている。複数の長孔62は、上記溝部61と共に、第1の板部55の長手方向に沿って所定の間隔で並んで設けられている。なお、図11では、上述した溝部61及び長孔62に沿った位置において壁面Hに打ち込まれるビスBの図示を省略している。
カバー部59は、第2の板部56により構成されている。また、カバー部59(第2の板部56)は、取付部58(第1の板部55)に対して片持ち支持されている。これにより、カバー部59は、弾性変形(撓み変形)可能となっている。
当接部60は、本体部材51と一体に形成された弾性部材63からなる。弾性部材63には、上述したヒンジ部53の材質と同様に、本体部材51を形成する樹脂よりも柔軟な軟質塩化ビニル樹脂、熱可塑性エラストマーなどを好適に用いることができる。
弾性部材63は、第2の板部56の天井板Tと対向する面(一面)56aの先端側(第1の角部57とは反対側)に位置して、その長手方向に沿って突出して設けられている。また、弾性部材63は、弾性変形可能な傾斜片64と、支持片65と、連結片66とを有して、第2の板部56の一面56aにおいて薄肉中空状に形成されている。
傾斜片64は、第2の板部56の基端側(第1の角部57側)に向かって傾斜した部分であり、第2の板部56の一面56aから間隙Cに近づく方向に向かって斜めに立ち上がり形成されている。そして、この傾斜片64の天井板Tと対向する面が所定の角度θで傾斜した傾斜面64aを形成している。傾斜面64aの角度θについては、第2の板部56の一面56aに対して30°〜70°程度であればよい。なお、本実施形態では、傾斜面64aの角度θが約45°に設定されている。
支持片65は、傾斜片64の倒れ込みを支持する部分であり、傾斜片64よりも第2の板部56の基端側に位置して、第2の板部56の一面56aから略垂直に立ち上がり形成されている。
連結片66は、傾斜片64の先端と支持片65の先端との間を連結する部分であり、傾斜片64と支持片65との間で角度を変えながら湾曲凸状に形成されている。そして、この連結片66の天井板Tと対向する面の頂部付近が天井板Tと当接される当接面60aとなっている。また、当接面60aについては、天井板Tとの接触性を良くするため、平坦面で形成されていてもよい。
また、連結片66は、基端側から先端側に向かって薄肉となるように形成された傾斜片64と支持片65との間で薄肉状に形成されている。すなわち、連結片66は、天井板Tに接触した際に、傾斜片64と支持片65とに支持された状態で天井板Tに沿って弾性変形し易くなっている。これにより、見切縁50では、当接部60が天井板Tに押し付けられたときの天井板Tと当接部60との密着性を向上させることができる。
カバー部材52は、本体部材51の取付部58(第1の板部55の他面55b)を覆うものである。具体的に、このカバー部材52は、矩形平板状の第3の板部67及び第4の板部68と、第3の板部67と第4の板部68との間で鈍角に折り曲げられた第2の角部69とを有して、全体として断面略V字状に形成されている。
ヒンジ部53は、本体部材51(第2の板部56)とカバー部材52(第3の板部67)との間を回動自在に連結する部分である。具体的に、このヒンジ部53は、上述した軟質な樹脂を用いて本体部材51及びカバー部材52と一体に形成されると共に、折り曲げ自在とされた薄肉部53aを有している。ヒンジ部53(薄肉部53a)は、第2の板部56の一面とは反対側の面(他面)56bの中途部に位置して、第3の板部67の基端側(第2の角部69とは反対側)を回動自在に連結している。
固定部54は、本体部材51に対してカバー部材52を固定する部分である。具体的に、この固定部54は、本体部材51側に設けられた一方の係合部70と、カバー部材52側に設けられた他方の係合部71とを有している。固定部54は、互いに係合される一方の係合部70と他方の係合部71とによって、本体部材51に対してカバー部材52を着脱自在に固定している。
一方の係合部70は、一方の爪部72を有している。一方の爪部72は、第1の板部55の他面55bの先端側に位置して、第1の板部55の他面55bから突出して設けられている。また、一方の爪部72は、第2の板部56と対向する面に、その先端側から基端側に向かって連続する第1の面部72aと、第2の面部72bとを有している。
第1の面部72aは、その先端側から基端側に向かって斜め方向に立ち上がるように形成されている。第2の面部72bは、第1の面部72aに連続して、その先端側から基端側に向かって第1の面部72aよりも急な角度で立ち下がるように形成されている。
他方の係合部71は、他方の爪部73を有している。他方の爪部73は、第4の板部68の先端側(第2の角部69とは反対側)に位置して、第4の板部68の第2の板部56と対向する面とは反対側の面から突出して設けられている。また、他方の爪部73は、第4の板部68の先端側から基端側に向かって連続する第1の面部73aと、第2の面部73bとを有している。また、他方の爪部73と第4の板部68の先端との間には、段差部74が設けられている。他方の爪部73は、この段差部74により第4の板部68の先端から第2の板部56と対向する面側に偏倚して設けられている。
第1の面部73aは、第4の板部68の先端側から基端側に向かって斜め方向に立ち上がるように形成されている。第2の面部73bは、第1の面部73aに連続して、第4の板部68の先端側から基端側に向かって第1の面部73aよりも急な角度で立ち下がるように形成されている。
固定部54では、カバー部材52が本体部材51の取付部58(第1の板部55の他面55b)を覆う位置まで、本体部材51に対してカバー部材52を回動させる。このとき、一方の係合部70(一方の爪部72)と他方の係合部71(他方の爪部73)とが係合される。具体的には、一方の爪部72の第2の面部72bに他方の爪部73の第2の面部73bを接触させた状態で、一方の爪部72に対して他方の爪部73が係止された状態となる。これにより、カバー部材52が本体部材51の取付部58(第1の板部55の他面55b)を覆った状態で、本体部材51に対してカバー部材52を固定することが可能である。
また、固定部54では、一方の係合部70(一方の爪部72)と他方の係合部71(他方の爪部73)との係合状態(係止状態)を解除することによって、本体部材51に対してカバー部材52を再び回動自在な状態とすることが可能である。
以上のような構成する見切縁50は、上記見切縁1と同様に、壁面Hと天井板Tとの間の入隅部Sに沿った位置に取り付けられることによって、上記見切縁1の取付構造と同じ作用効果を得ることができる。
すなわち、この見切縁50は、壁面Hと天井板Tとの間の入隅部Sに沿った位置に取り付けられた際に、本体部材51のカバー部59(第2の板部56)が弾性変形しながら、当接部60(当接面60a)が天井板Tに押し付けられた状態となる。これにより、天井板Tとの間に隙間が生じることが防ぐことができ、この見切縁50の仕上がり(見栄え)を良好に保つことが可能である。
また、図12に示すように、本体部材51の当接部60が間隙Cに入り込んだとしても、傾斜片64の傾斜面64aに接触した天井板Tの端部が、この傾斜片64の傾斜面64aに沿って相対移動することになる。これにより、天井板Tの揺れが収まった後には、当接部60(当接面60a)が天井板Tに当接した状態、すなわち壁面Hと天井板Tとの間の間隙Cを覆う元の状態へと見切縁50を復帰させることが可能である。
以上のように、本実施形態では、簡便な構造を有し、且つ、施工が容易な見切縁50を用いることによって、仕上がり(見栄え)が良い意匠性に優れた見切縁50の取付構造を得ることが可能である。
また、本実施形態では、壁面Hと天井板Tとの間に間隙Cを設けて、地震の際に天井板Tの揺れを許容しつつ、天井板Tの損傷を防ぐといった耐震化技術に適した見切縁50の取付構造とすることが可能である。
さらに、本実施形態では、地震の際に天井板Tの揺れによって壁面Hと天井板Tとの間の間隙Cに見切縁50が入り込んだ場合でも、天井板Tの揺れが収まった後に、壁面Hと天井板Tとの間の間隙Cを覆う元の状態へと見切縁50を復帰させることが可能である。
なお、上記当接部60については、上記弾性部材63からなる構成に必ずしも限定されるものではなく、上記当接部60の代わりに、例えば図13(A)に示す当接部60Aや、図13(B)に示す当接部60Bを備えた構成とすることも可能である。
具体的に、図13(A)に示す当接部60Aは、第2の板部56の他面56bの先端側において、第2の板部56の一面56aから間隙Cに近づく方向に向かって斜めに立ち上がる傾斜片64Aを有している。この傾斜片64Aは、上記傾斜片64と基本的に同じ機能を有し、第2の板部56の一面56aに取り付けられている。すなわち、この傾斜片64Aのように、上述した傾斜片64が本体部材2(第2の板部56)と一体に形成された構成に限らず、本体部材2(第2の板部56)とは別体に形成した構成とすることも可能である。その場合、傾斜片64Aには、金属製の本体部材2よりも軟質である例えば塩化ビニル樹脂等の樹脂部材を用いることができる。
一方、図13(B)に示す当接部60Bは、上記弾性部材63から支持片65を省略した弾性部材63Aを有している。すなわち、この弾性部材63Aのように、上述した傾斜片64と支持片65と連結片66とを有した構成に限らず、支持片65を省略した構成とすることも可能である。
図13(A),(B)に示す当接部60A,60Bは、何れも地震の際に天井板Tの揺れによって、地震の際に天井板Tの揺れによって壁面Hと天井板Tとの間の間隙Cに見切縁50が入り込んだ場合でも、上記当接部60と同様の機能によって、天井板Tの揺れが収まった後に、当接部60A,60Bが天井板Tに接触した状態まで、すなわち壁面Hと天井板Tとの間の間隙Cを覆う元の状態へと見切縁50を復帰させることが可能である。
なお、上記弾性部材63については、上述した薄肉中空状に形成されたものに限らず、例えば発泡樹脂等の弾性変形可能な材料を用いて中実状に形成された弾性部材(図示せず。)であってもよい。この場合、本体部材51とは別体に形成された弾性部材を第2の板部56一面56aに両面テープ等により貼り付けて使用することが可能である。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態として、例えば図14に示す見切縁100及びその取付構造について説明する。なお、図14は、見切縁100の構成を示す断面図である。
見切縁100は、図14に示すように、壁面Hに取り付けられる取付部101と、壁面Hと天井板Tとの間に設けられた間隙(クリアランス)Cを覆うカバー部102と、天井板Tに当接される当接部103と、取付部101とカバー部102との間を回動自在に連結するヒンジ部104と、取付部101に対してカバー部102を固定する固定部105とを有し、これらが樹脂成形により一体に形成された本体部材106を備えている。
見切縁100(本体部材106)の材質については、従来より一般的に使用されている樹脂成形材料を用いることができ、その中でも、取付部101、カバー部102及び固定部105には、塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ASA樹脂、PET樹脂などを好適に用いることができる。一方、当接部103及びヒンジ部104には、上述した樹脂よりも柔軟な軟質塩化ビニル樹脂、熱可塑性エラストマーなどを好適に用いることができる。また、見切縁100の成形方法についても、従来より一般的に使用されている樹脂成形方法を用いることができ、その中でも、押出成形法などを好適に用いることができる。
また、見切縁100(本体部材106)の各部の板厚については、特に限定されないものの、軽量化を図るためには、なるべく薄く形成することが好ましい。なお、本実施形態では、塩化ビニル樹脂及び軟質塩化ビニル樹脂を共押出成形することによって、各部の板厚が1mm程度の見切縁1を形成している。また、見切縁100の幅及び長さについては、入隅部Sや間隙Cの寸法に合わせて適宜変更することが可能である。
取付部101は、矩形平板状の第1の板部107により構成されている。取付部101は、第1の板部107の壁面Hと対向する面(一面)107aとは反対側の面(他面)107bに設けられた溝部108を有している。
溝部108は、例えばビスや釘等を用いて取付部101(第1の板部107)を壁面Hに取り付ける際に、ビスや釘等を貫通し易くすると共に、その位置を表示する機能を有している。溝部108は、第1の板部107の短手方向の略中間部において、その長手方向に沿って直線状に切り欠き形成されている。なお、図14では、上述した溝部108に沿った位置において壁面Hに打ち込まれるビスBの図示を省略している。
第1の板部107の他面107bには、リブ壁109a,109bが設けられている。リブ壁109a,109bは、取付部101(第1の板部107)の剛性を高めるためのものであり、第1の板部107の先端部及びその幅方向の中途部において、それぞれ長手方向に沿って突出形成されている。なお、リブ壁109a,109bの断面形状については、特に限定されるものではない。例えば、本実施形態では、断面略I字状のリブ壁109a,109bが設けられている。また、リブ壁109a,109bの配置や数等については適宜変更を加えることが可能である。さらに、リブ壁109a,109bについては場合によって省略することも可能である。
カバー部102は、矩形平板状の第2の板部110、第3の板部111及び第4の板部112と、第2の板部110と第3の板部111との間で天井板Tと対向する側に鈍角に折り曲げられた第1の角部113と、第3の板部111と第4の板部112との間で第1の角部113とは反対側に鈍角に折り曲げられた第2の角部114とを有して構成されている。また、第2の板部110は、ヒンジ部104を介して第1の板部107と連結されている。第3の板部111は、天井板Tと対向する側に傾斜している。第4の板部112は、第2の板部110とほぼ平行となっている。
カバー部102には、弾性変形部115が設けられている。弾性変形部115は、ヒンジ部104と当接部103との間で弾性変形(撓み変形)可能な部分である。具体的に、この弾性変形部115は、カバー部102に形成された段差部115aからなる。すなわち、この段差部115aは、上述した第2の板部110と第4の板部112との間で、第3の板部111を天井板Tと対向する側に傾斜させることよって形成されている。
当接部103は、上記当接部60と同様の構成である。すなわち、この当接部103は、本体部材106(第4の板部112)と一体に形成された弾性部材116からなる。弾性部材116には、上述したヒンジ部104の材質と同様に、本体部材106を形成する樹脂よりも柔軟な軟質塩化ビニル樹脂、熱可塑性エラストマーなどを好適に用いることができる。
弾性部材116は、カバー部102(第4の板部112)の天井板Tと対向する面(一面)112aの先端側(第2の角部114とは反対側)に位置して、その長手方向に沿って突出して設けられている。また、弾性部材116は、弾性変形可能な傾斜片117と、支持片118と、連結片119とを有して、第4の板部112の一面112aにおいて薄肉中空状に形成されている。
傾斜片117は、第4の板部112の基端側(第2の角部114側)に向かって傾斜した部分であり、第4の板部112の一面112aから間隙Cに近づく方向に向かって斜めに立ち上がり形成されている。そして、この傾斜片117の天井板Tと対向する面が所定の角度θで傾斜した傾斜面117aを形成している。傾斜面117aの角度θについては、第4の板部112の一面112aに対して30°〜70°程度であればよい。なお、本実施形態では、傾斜面117aの角度θが約45°に設定されている。
支持片118は、傾斜片117の倒れ込みを支持する部分であり、傾斜片117よりも第4の板部112の基端側に位置して、第4の板部112の一面112aから略垂直に立ち上がり形成されている。
連結片119は、傾斜片117の先端と支持片118の先端との間を連結する部分であり、傾斜片117と支持片118との間で角度を変えながら湾曲凸状に形成されている。そして、この連結片119の天井板Tと対向する面の頂部付近が天井板Tと当接される当接面103aとなっている。また、当接面103aについては、天井板Tとの接触性を良くするため、平坦面で形成されていてもよい。
また、連結片119は、基端側から先端側に向かって薄肉となるように形成された傾斜片117と支持片118との間で薄肉状に形成されている。すなわち、連結片119は、天井板Tに接触した際に、傾斜片117と支持片118とに支持された状態で天井板Tに沿って弾性変形し易くなっている。これにより、見切縁100では、当接部103が天井板Tに押し付けられたときの天井板Tと当接部103との密着性を向上させることができる。
ヒンジ部104は、上記ヒンジ部53と同様の構成である。すなわち、このヒンジ部104は、上述した軟質な樹脂を用いて取付部101(第1の板部107)及びカバー部102(第2の板部110)と一体に形成されると共に、折り曲げ自在とされた薄肉部104aを有している。ヒンジ部104(薄肉部104a)は、第1の板部107の他面107bの基端部に位置して、第2の板部110の基端側(第1の角部113とは反対側)を回動自在に連結している。
固定部105は、取付部101側に設けられた一方の係合部120と、カバー部102側に設けられた他方の係合部121とを有している。
一方の係合部120は、取付部101(第1の板部107)の他面107bに形成された係合凹部120aからなる。この係合凹部120aは、第1の板部107のヒンジ部104の近傍において、その長手方向に沿って形成されている。また、係合凹部120aの開口端部には、一対の係止爪120b,120bが突出形成されている。
他方の係合部121は、カバー部102(第2の板部110)の天井板Tと対向する面(一面)110aに形成された係合凸部121aからなる。この係合凸部121aは、第2の板部110のヒンジ部104の近傍において、その長手方向に沿って形成されている。また、係合凸部121aの両側面には、一対の係止爪121b,121bが突出形成されている。
固定部105では、一方の係合部120(係合凹部120a)と他方の係合部121(係合凸部121a)とを互いに係合させることによって、係合凹部120aの一対の係止爪120bの間で、係合凸部121aの一対の係止爪121bが係止される。これにより、取付部101(第1の板部107)に対してカバー部102(第2の板部110)を所定の角度(本実施形態では、ほぼ90°)で回動させた(折り曲げた)状態まま固定することが可能である。なお、固定部105では、一方の係合部120(係合凹部120a)と他方の係合部121(係合凸部121a)との係合状態を解除することによって、取付部101に対してカバー部102を再び回動(折り曲げ)自在な状態とすることが可能である。
また、取付部101に対してカバー部102が固定された状態では、当接部103がヒンジ部104よりも天井板Tと対向する側(上方)に位置している。さらに、当接部103が取付部101(溝部108)よりも天井板Tと対向する側(上方)に位置している。
以上のような構成する見切縁100は、上記見切縁1,50と同様に、壁面Hと天井板Tとの間の入隅部Sに沿った位置に取り付けられることによって、上記見切縁1,50の取付構造と同じ作用効果を得ることができる。
すなわち、この見切縁100は、壁面Hと天井板Tとの間の入隅部Sに沿った位置に取り付けられた際に、本体部材106のカバー部102(弾性変形部115)が弾性変形しながら、当接部103(当接面103a)が天井板Tに押し付けられた状態となる。これにより、天井板Tとの間に隙間が生じることが防ぐことができ、この見切縁100の仕上がり(見栄え)を良好に保つことが可能である。
また、本体部材106の当接部103が間隙Cに入り込んだとしても、傾斜片117の傾斜面117aに接触した天井板Tの端部が、この傾斜片117の傾斜面117aに沿って相対移動することになる。これにより、天井板Tの揺れが収まった後には、当接部103(当接面103a)が天井板Tに当接した状態、すなわち壁面Hと天井板Tとの間の間隙Cを覆う元の状態へと見切縁100を復帰させることが可能である。
以上のように、本実施形態では、簡便な構造を有し、且つ、施工が容易な見切縁100を用いることによって、仕上がり(見栄え)が良い意匠性に優れた見切縁100の取付構造を得ることが可能である。
また、本実施形態では、壁面Hと天井板Tとの間に間隙Cを設けて、地震の際に天井板Tの揺れを許容しつつ、天井板Tの損傷を防ぐといった耐震化技術に適した見切縁100の取付構造とすることが可能である。
さらに、本実施形態では、地震の際に天井板Tの揺れによって壁面Hと天井板Tとの間の間隙Cに見切縁100が入り込んだ場合でも、天井板Tの揺れが収まった後に、壁面Hと天井板Tとの間の間隙Cを覆う元の状態へと見切縁100を復帰させることが可能である。
なお、上記当接部103については、上記当接部60と同様の構成であることから、上述した図13(A)に示す当接部60Aや、図13(B)に示す当接部60Bと同様の構成に変更することも可能である。