JP2016132586A - 発泡性焼成体とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シラスに発泡剤とその発泡剤の発泡を促進させる性質のある添加剤を使用して発泡性焼成体を得ることで、シラスの有効利用を図る。【解決手段】シラスに(a)石炭灰と(b)下水汚泥焼却灰と(c)銅、マンガン又は亜鉛の金属物質又はこれらの金属酸化物の中から少なくともいずれかを添加し、さらに(d)発泡剤を添加した混合物を得て、該混合物を1000〜1200℃という低い焼成温度で焼成して軽量で圧壊強度が高い発泡性焼成体とする。【選択図】図1

Description

本発明は、シラス、下水汚泥焼却灰及び石炭灰を使用して発泡性焼成体とする技術に関するものである。
シラス(南九州に大量に存在する火砕流堆積物の総称で、鉱物としての火山ガラスを約60%含有する。以下、本明細書では「シラス」という。)は鹿児島県本土において、その約50%を厚さ10〜200メートルで覆っており、その平均厚を50mとすると埋蔵量は約750億m3と無尽蔵である。その特徴は、水はけが良すぎて土壌の保水性の確保や肥沃化が簡単でないことなどから限られた農作物の栽培にしか適さず、梅雨時や豪雨が発生した際には崖崩れや土砂崩れが発生しやすく、大きな土砂災害を引き起こすこともある。
大量にあるシラスの利用や活用の研究は昭和20年代から始まり、現在では日常生活用品の原料や緑化基盤材、建築材料など多用途に使用されているものの、そのシラスの膨大な埋蔵量やインフラ整備の施行時に発生するシラスの処分量及び自然災害等に対する事前の災害防止対策の計画や実際に災害が発生した場合の復旧に係るシラスの除去・処分量から見れば、その利用や活用されている量は、決して満足できるような状況ではなく、今後のさらなる利用・活用分野の拡大や開拓が強く期待されているという特徴をもつ天然資源である。
昭和41年10月の「材料」第15巻第157号の論文:「シラスを原料とする人工軽量骨材について」における記載では、『シラスは溶融および発泡温度が比較的低く、焼成時間が短くてすむこと、均質な原料が容易にかつ豊富に得られることから、安価な人工軽量骨材が得られると考え試作した(以下この人工軽量骨材を、原料の成因にちなみ、「カルデライト」と仮称する)。カルデライトは必ずしも充分満足するものではなく、製法についてさらに研究を要すると思われる。しかし、火山灰を原料とする人工軽量骨材は、ほとんどその例を見ないので、ここにカルデライトの実用性を確かめるために行った基礎実験結果を報告する。』とあり、そこにおいてはカルデライト砂(細骨材に相当)とカルデライト砂利(粗骨材に相当)に使用する『原料のシラスは、カルデライト砂の製造には5mm以下、カルデライト砂利の製造には2.5mm以下のものを使用した。』と記載されており、さらにこの論文に記載されている篩分けの結果表より5mmの篩を通過して2.5mmの篩を通過するシラスは90%以上、0.15mmの篩を通過するシラスは30%以上となっている。
また、近年の九州地方でのコンクリート製造で使用される細骨材の枯渇状況に鑑み最近では、特に建築・土木分野において単品で大量に利用・活用が期待できるコンクリート用細骨材の代替資材として使用することの研究が進められており、この研究において使用しているシラスは、『5mmの篩でふるい、細骨材として調整したシラスであり、粒径は0.15mm〜0.075mmの粒径のものが全体の20〜40%含まれており、さらに0.075mm以下の粒径のものも10〜30%含まれている。(「コンクリート用細骨材のシラスの諸物性」 コンクリート工学年次論文集,Vol.28,No.1,2006)』と記載されており、これらの論文の記載によればシラス全体量に対し、粒径2.5mm以下や0.15mm以下の微細・微少なシラスが自然な状態で大量に存在していることも大きな特徴の一つである。
下水処理場で発生する下水汚泥は、汚泥処理施設における処理工程で脱水汚泥となり、最終的にその脱水汚泥を減容化する目的で焼却炉により焼却して灰(以下、下水汚泥焼却灰という。)にしているが、その下水汚泥焼却灰は、その大部分が資源化されずに埋立て条件を満たすように処理した後に埋立て処分されている。しかし、限りある埋立て処分場の延命化を図るため、産業廃棄物である下水汚泥焼却灰の資源化の促進が喫緊の要請課題であり、その課題の早急な解決が下水汚泥焼却灰を必須材料として成される場合には、産業廃棄物の資源化分野におけるイノベーションとなるものである。
また、ゴミ焼却灰はその発生量が膨大であり、溶融スラグ化して道路路盤材等として資源化している。このような積極的なゴミ焼却灰の資源化とその使用によって埋立て処分場の延命化を図っているが、それでも溶融スラグ化の際にも溶融飛灰が発生するので、その資源化の研究開発も急がれている。
同様に産業廃棄物である石炭灰は、火力発電プラント等から大量に排出されてセメントの原料などに資源化されているが、それでも大量に埋立て処分もされているため、石炭灰を大量にかつ安定的に利用できる分野の開拓や有効利用技術への積極的な取り組みが求められている。
さらに、亜鉛、銅、マンガンなどを含む工場廃液などは、それらの成分を除外施設等により排除基準を満たす水質になるまで、前記金属成分の含有量を減らして公共下水道等に排出され、処理後に残った亜鉛、銅、マンガンを含む濃縮廃液やドロス及びスラッジは専門処理業者に引き渡されて処分されているが、これら濃縮廃液やスラッジ等に含まれる金属の利用・活用が求められている。
その他の廃棄物おいては、製鉄所における高炉ダスト・転炉ダスト・電気炉ダストには亜鉛メッキが施されたスクラップを原料としているため、高濃度の亜鉛を含むダストが廃棄物として排出され、これについても有効利用が求められている。
また、使用済みのマンガン乾電池やアルカリ乾電池は、そのほとんどが一般廃棄物として自治体によって回収され、分別処理等がされている。そのうち自治体で分別されたものは、民間の資源化施設で乾電池に含まれる亜鉛やマンガン及び鉄などに再資源化する処理がされている。
しかし、民間の資源化施設(野村興産(株)、東邦亜鉛(株)など)は、国内に数か所ある程度で所在地(北海道北見市、群馬県安中市など)も遠方であるため、使用済みのマンガン乾電池やアルカリ乾電池の処理に伴う運搬費等の問題がある。そして、その他の分別されていない乾電池は、自治体によって不燃ごみや焼却後の焼却灰として埋立処分されている。このような現状に鑑み、資源を有効に活用するための合理的な処理方法等の研究が継続して進められている。
シラスを大量に使用できる資源化への有効利用方法としては、例えば、抗火石、シラス、流紋岩のような火山ガラス鉱物を平均粒径10μm以下に粉砕し、これに発泡剤を加えて緻密な組織に造粒し、焼成する高強度コンクリート用軽量骨材の製造方法がある(例えば、特許文献1参照)。
また、下水汚泥焼却灰や石炭灰の有効利用方法としては、例えば、下水汚泥焼却灰及び石炭灰を主材原料として、両者の配合調整及び発泡剤の添加により発泡状態を制御し、骨材同士の融着を低減させて、吸水率が10%以下の低吸水率で且つ内部組織が強度的に優れた多孔構造であり、比重が1.5以下である軽量骨材を製造する方法がある(例えば、特許文献2参照)。
また、無機質充填材とバインダーとしての有機系材料に、発泡剤などの添加剤を配合したものを加熱発泡させて得られる難燃性または不燃性の発泡体を主体としたブロックを、柱、梁、床、壁、天井、屋根などの建造物の主たる構造材料として連結又は積層してなる超軽量建造物の発明が特許文献3に開示されている。
特開平6−56489号公報 特開2004−262728号公報 特開2001−348950号公報
前記特許文献1記載の軽量骨材を得る方法は、抗火石、シラス、流紋岩のような火山ガラス鉱物を平均粒径10μm以下に粉砕し、造粒して、焼成する高強度コンクリート用軽量骨材の製造方法であるが、原料の火山ガラス鉱物を平均粒径10μm以下に粉砕することが必要不可欠な製造工程となっている。
前記特許文献2には軽量骨材を得る方法として、石炭灰を主成分とし、下水汚泥焼却灰を2〜30重量%、炭化珪素などの発泡剤を10重量%加えてなる混合物をロータリーキルン内で1200〜1300℃の温度で焼成する方法が開示されている。この特許文献2記載の製法で得られた軽量骨材の圧壊強度は、発泡剤を含む場合には比重1.35〜0.92で116〜50kgf、発泡剤を含まない場合は比重1.28、0.89でそれぞれ111kgf、83kgf以下であり、圧壊強度がそれほど高くない。
また、前記特許文献3記載の超軽量建造物は、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウムなどの無機質充填材50〜95重量部にバインダーとして有機系の高分子などを5〜50重量部加えた混合物を加熱して得られるものであり、合成樹脂をバインダーとして使用していることから、その加熱温度は無機質充填材の焼成温度には程遠い低温のもとで行われたものと推測され、比重が0.06〜0.15g/cm3、圧縮強度が0.10N/mm2程度と本発明が目標とする高強度の軽量(発泡性)焼成構造体とは物性が大きくかけ離れている。
本発明の課題は、シラスを用いて軽量で圧壊強度の高い発泡性焼成体を得ることである。
本発明者は、上記の特徴を持つシラスを積極的に利用・活用することや下水汚泥焼却灰及び石炭灰の産業廃棄物が大量に資源化されていない状況を解決するために鋭意研究した結果、一つの例であるが、シラスに銅、マンガン、亜鉛の一種以上の金属物質に発泡剤を混合し又は、シラスに銅、マンガン、亜鉛の一種以上の金属物質を含む下水汚泥焼却灰及び石炭灰並びに発泡剤を混合したものを粒状や平板状などに成形を行って乾燥後、それを焼成することにより焼成体を得るものであるが、その際に使用する発泡剤の発泡促進の効果を低い焼成温度で発現することができ、かつ軽量(比重の小さい)で圧壊強度が高く多孔質である発泡性焼成体が出来ることを見出し、本発明を完成させたものである。
請求項1記載の発明は、シラスに(a)石炭灰と(b)下水汚泥焼却灰と(c)銅、マンガン又は亜鉛の金属物質又はこれらの金属酸化物の中の少なくともいずれかを添加し、さらに(d)発泡剤を添加した混合物を焼成して得られることを特徴とする発泡性焼成体である。
請求項2記載の発明は、シラスに(a)石炭灰と(d)発泡剤を添加した混合物を焼成して得られることを特徴とする請求項1記載の発泡性焼成体である。
請求項3記載の発明は、シラスに(c)銅、マンガン又は亜鉛の金属物質又はこれらの金属酸化物の中の少なくともいずれかと(d)発泡剤を添加した混合物を焼成して得られることを特徴とする請求項1記載の発泡性焼成体である。
請求項4記載の発明は、シラスに(b)下水汚泥焼却灰と(d)発泡剤を添加した混合物を焼成して得られることを特徴とする請求項1記載の発泡性焼成体である。
請求項5記載の発明は、シラスに(a)石炭灰と(b)下水汚泥焼却灰と(d)発泡剤を添加した混合物を焼成して得られることを特徴とする請求項1記載の発泡性焼成体である。
請求項6記載の発明は、シラスに(a)石炭灰と(b)下水汚泥焼却灰と(c)銅、マンガン又は亜鉛の金属物質又はこれらの金属酸化物の中の少なくともいずれかと(d)発泡剤を添加した混合物を焼成して得られることを特徴とする請求項1記載の発泡性焼成体である。
請求項7記載の発明は、請求項1記載のシラスに(a)石炭灰と(b)下水汚泥焼却灰と(c)銅、マンガン又は亜鉛の金属物質又はこれらの金属酸化物の中の少なくともいずれかを添加し、さらに(d)発泡剤を添加した混合物を得て、該混合物を焼成することを特徴とする発泡性焼成体の製造方法である。
請求項8記載の発明は、前記該混合物の焼成温度を1000〜1200℃とすることを特徴とする請求項7記載の発泡性焼成体の製造方法である。
なお、銅、マンガン又は亜鉛の金属成分又はこれらの金属酸化物の少なくとも一種以上の成分を含む工場廃液などは、それらの成分を除外施設等により排除基準を満たす水質になるまで、上記金属成分の含有量を減らしながらも排水設備から公共下水道に排出される。従って、これら工場廃液を含む下水は汚泥処理施設における処理工程で脱水汚泥にするが、その脱水汚泥には、亜鉛、銅又はマンガンの金属成分が含まれている。
最終的にその脱水汚泥を減容化する目的で高温焼却炉により焼却して灰にし、発生した灰を集塵機で捕集している。このようにして得られた下水汚泥焼却灰又はごみ焼却灰(それぞれの溶融飛灰も含む)の化学組成分析の結果として銅、マンガン又は亜鉛の金属成分又はこれらの金属酸化物の少なくとも一種以上の成分を含む下水汚泥焼却灰、ごみ焼却灰も、本発明の焼成によって発泡剤の発泡を促進させる性質のある物質に包含されるものとする。そして、このような性質のある物質を本明細書では、「下水汚泥焼却灰」ということにする。
また、本発明では発泡剤(酸化反応や熱分解によりガスが発生する物質)として炭化珪素(SiC)を用いるが、その他の発泡剤である、窒化珪素(Si)窒化アルミニウム(AlN)炭酸カルシウム(CaCo)などを用いることもできる。
そして、本発明で用いるシラスに銅、マンガン又は亜鉛の金属成分又はこれらの金属酸化物の中の少なくとも一種以上の金属成分を配合することによって焼成体の発泡を促進させる性質があること、それと同時にそのシラスが適宜配合されることにより、目的の発泡性焼成体を低い焼成温度で焼成物とすることができ、かつその焼成物が軽量で圧壊強度の高い発泡性焼成体として得られることを本発明者は見出した。
請求項1〜請求項6記載の発明によれば、焼成によって発泡剤の発泡を促進させる性質のある材料若しくは当該材料を含む下水汚泥焼却灰と焼成温度の低減に効果のあるシラス、さらには石炭灰を使用して、軽量(比重の小さい)で圧壊強度が高い発泡性焼成体を低い焼成温度で得ることである。
請求項7と請求項8記載の発明によれば、請求項1〜請求項6に記載の混合物を成形した後に、例えば、1000〜1200℃で焼成することで、環境庁告示第46号「土壌環境基準」(平成3年8月23日告示)の重金属や有害物質の溶出抑制効果が得られる。
本発明の配合表1で得られた焼成物の焼成温度と比重の試験結果との関係を示すグラフである。 本発明の配合表3で得られた焼成物の焼成温度と比重の試験結果との関係を示すグラフである。 本発明の配合表5で得られた焼成物の焼成温度と比重の試験結果との関係を示すグラフである。 本発明の配合表7で得られた焼成物の焼成温度と比重の試験結果との関係を示すグラフである。 本発明の配合表9で得られた焼成物の焼成温度と比重の試験結果との関係を示すグラフである。 本発明の配合表11で得られた焼成物の焼成温度と比重の試験結果との関係を示すグラフである。 本発明の配合表13で得られた焼成物の焼成温度と比重の試験結果との関係を示すグラフである。 本発明の配合表15で得られた焼成物の焼成温度と比重の試験結果との関係を示すグラフである。 本発明の配合表17で得られた焼成物の焼成温度と比重の試験結果との関係を示すグラフである。 本発明の配合表19で得られた焼成物の焼成温度と比重の試験結果との関係を示すグラフである。 本発明の配合表21で得られた焼成物の焼成温度と比重の試験結果との関係を示すグラフである。 本発明の配合表23で得られた焼成物の焼成温度と比重の試験結果との関係を示すグラフである。 本発明の配合表23で得られた焼成物の焼成温度と圧壊強度の試験結果との関係を示すグラフである。
本発明の実施について以下に説明する。
本発明で使用するシラスの粒径は、篩5mmを通過したものを使用し、作製する成形物の形状や寸法及び焼成の結果、目的とする保水性、透水性、比重、強度、遮音性等の物性を得るために、必要に応じて適宜に粒径を使い分けることができる。
なお、本発明で行った実施例、比較例で使用したシラスは、清新産業(株)の製品で粒径150μm以下のものを使用した。シラスが含有する成分の化学組成を、表Aに示す。
Figure 2016132586
また、下水汚泥焼却灰の成分は次の通りである。
都内23区に所在する5か所の焼却施設にある17基の焼却炉から採取した焼却灰の分析項目(主要成分)ごとの最小値から最大値を表Bに示す。
Figure 2016132586
都内23区に所在する5か所の焼却施設にある12基の焼却炉から採取した焼却灰の分析項目(微量成分)ごとの最小値から最大値の表を表Cに示す。
Figure 2016132586
都内23区に所在する5焼却施設と12焼却炉から採取した焼却灰の微量成分である(Cr+Cu+Zu+Mn)の合計の最小値から最大値の範囲は以下の通りである。
(微量成分)
分析項目:Cr+Cu+Zu+Mn
最小値〜最大値:4,330〜10,500mg/Kg
下水汚泥焼却灰の粒径は、粒径の範囲が1.0μm〜450μmで、粒径150μm以下の粒径の重量累計が80%以上である。
石炭灰は株式会社テクノ中部の碧南事業部から入手した。石炭灰の規格は出荷JISII種で、その石炭灰の成分試験値を表Dに示す。
Figure 2016132586
以下に、実施例と比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、一例であり適宜変えることができる。また、上述した説明と下記の開示から容易に想到できる様々な態様は、本発明の範囲に包含される。
また、本発明で使用する酸化銅、酸化マンガン、酸化亜鉛はそれぞれ市販品を用いた。
[実施例1]〜[実施例4]、[比較例1]
シラスを主材としてシラス(100重量部)に発泡剤を添加(主材に対して外割で0.1%)した場合(比較例1)、シラス(100重量部)に発泡剤(主材に対して外割で0.1%)と酸化銅(実施例1)、酸化マンガン(実施例2)、酸化亜鉛(実施例3)のうち1種類(主材に対して外割で0.5%)をそれぞれ配合した場合、シラス(100重量部)に発泡剤(主材に対して外割で0.1%)と酸化銅(主材に対して外割で0.2%)、酸化マンガン(主材に対して外割で0.2%)、酸化亜鉛(主材に対して外割で0.3%)の3種類を配合した場合(実施例4)にそれぞれ結合剤と水を加えて造粒物(各試料6個分の配合)を成形する目的の配合表を表1に示す。
なお、上記の結合剤とは、各種材料を混練成形した後に、乾燥して焼成の炙りに入るまでの一連の製造工程の間で、成形品のハンドリング作業中における破損を防止する目的で混練前の材料に添加するものであり、例えば澱粉のり、廃糖蜜、メチルセルローズ、カルボキシルメチルセルローズ、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル、デキストリン、パルプ廃液等の有機質材料のほかに、ベントナイト、珪酸ソーダ、珪酸カリ、燐酸アルミニュウム等の無機質材料等が使用される。
Figure 2016132586
表1の配合で得られた焼成物の焼成温度と比重の試験結果との関係を示すグラフを図1に示す。
なお、本発明では試料の焼成は酸化焼成(超高速昇温電気炉、モトヤマ製:SH-2035D)の方法で行ったが、この焼成方法に特定されるものではない。
また、焼成電気炉の焼成温度パターンについては、特定されるものではないが次のように実施した。(a)常温から1000℃までを120分で昇温し、(b)目標の各焼成最高温度である、1100℃から1220℃までは、35分から100分かけて昇温した。その後、(c)各焼成最高温度の保持時間を30分間行ってから、自然徐冷により焼成物を得た。
比較例1は、他の配合の焼成による比重の試験結果との比較の基準とする目的で行った配合である。焼成温度1100℃から1200℃の昇温過程において、その焼成体の比重は、2.0239から0.8177と小さくなった。
実施例1は、焼成温度1100℃から1200℃の昇温過程において、その焼成体の比重は、1.8201から0.8139と小さくなった。
実施例2は、焼成温度1100℃から1200℃の昇温過程において、その焼成体の比重は、1.9569から0.8225と小さくなった。
実施例3は、焼成温度1100℃から1200℃の昇温過程において、その焼成体の比重は、2.0537から0.7932と小さくなった。
実施例4は、焼成温度1100℃から1200℃の昇温過程において、その焼成体の比重は、1.5590から0.7633と小さくなった。
以上の焼成物の試験結果(以下、「焼成結果」という。)より、シラスに発泡剤のみを添加した比較例1の焼成温度と比重の試験結果との関係を表2に示す。
Figure 2016132586
表2から、実施例1から実施例4のすべての焼成温度と比重の試験結果との関係と比較した場合、比較例1より概ねすべての焼成温度において比重が小さいものとなった。 よって、表1の配合表では比較例の焼成体の発泡より実施例の配合のように銅、マンガン、亜鉛の一種以上を配合することによって、焼成体の発泡が促進した結果となった。
[実施例5]〜[実施例8]、[比較例2]
シラスを主材としてシラス(100重量部)に発泡剤を添加(主材に対して外割で0.2%)した場合(比較例2)、発泡剤(主材に対して外割で0.2%)と酸化銅(実施例5)、酸化マンガン(実施例6)、酸化亜鉛(実施例7)のうち1種類(主材に対して外割で0.5%)をそれぞれ配合した場合、及び発泡剤(主材に対して外割で0.2%)と酸化銅(主材に対して外割で0.2%)、酸化マンガン(主材に対して外割で0.2%)、酸化亜鉛(主材に対して外割で0.3%)の3種類を配合した場合(実施例8)にそれぞれ結合剤と水を加えて造粒物(各試料6個分の配合)を成形する目的の配合表を表3に示す。この表3の配合と表1の配合との違いは、配合で使用する発泡剤の添加量を主材に対して外割で0.1%を同0.2%に増やしたものである。
Figure 2016132586
表3の配合で得られた焼成物の焼成温度と比重の試験結果との関係を示すグラフを図2に示す。
比較例2は、他の配合の焼成による比重の試験結果との比較の基準とする目的で行った配合である。焼成温度1100℃から1200℃の昇温過程において、その焼成体の比重は、1.7809から0.4924と小さくなった。
実施例5は、焼成温度1100℃から1200℃の昇温過程において、その焼成体の比重は、1.4914から0.4974と小さくなった。
実施例6は、焼成温度1100℃から1200℃の昇温過程において、その焼成体の比重は、1.4650から0.4805と小さくなった。
実施例7は、焼成温度1100℃から1200℃の昇温過程において、その焼成体の比重は、1.5933から0.4880と小さくなった。
実施例8は、焼成温度1100℃から1200℃の昇温過程において、その焼成体の比重は、1.3360から0.4730と小さくなった。
以上の焼成結果より、表4に示すように発泡剤のみを添加した比較例2の焼成温度と比重の試験結果との関係は、実施例5〜実施例8のすべての焼成温度と比重の試験結果との関係とを比較した場合、比較例2より概ねすべての焼成温度において比重が小さいものとなった。
Figure 2016132586
このように、比較例2の焼成体の発泡より実施例5〜実施例8の配合のように銅、マンガン、亜鉛の一種以上を配合することによって、焼成体の発泡が促進した結果となった。
[実施例9]、[比較例3]、[比較例4]

シラスを主材としてシラスのみの場合(比較例3)とシラス(100重量部)に発泡剤を添加(主材に対して外割で0.1%)した場合(比較例4)及びシラス(80重量部)と下水汚泥焼却灰(20重量部)の主材に発泡剤(主材に対して外割で0.1%)を添加した場合(実施例9)にそれぞれに結合剤と水を加えて造粒物(各試料8個分の配合)を成形する目的の配合表を表5に示す。
表5の配合で得られた焼成物の焼成温度と比重の試験結果との関係を表6と図3のグラフに示す。
Figure 2016132586
Figure 2016132586
比較例3と比較例4の配合は、実施例9の配合の焼成による比重の試験結果と比較の基準とする目的で行った配合である。
比較例3は焼成温度1120℃から1190℃の昇温過程において、その焼成体の比重は、2.1745から2.0929と若干であるが小さくなった。
比較例4は、焼成温度1120℃から1180℃の昇温過程において、その焼成体の比重は、1.5470から0.9713と小さくなったが、1190℃の焼成温度では1.0628と1180℃での焼成の場合より大きくなった。
実施例9は、焼成温度1120℃から11140℃の昇温過程において、その焼成体の比重は、0.9136から0.8006と小さくなり1150℃から1190℃の昇温過程では0.7909から0.7699と狭い範囲の中でのそれぞれの比重数値であった。
以上の焼成結果より、発泡剤を配合しなかった比較例3は、昇温過程での比重変化は僅かに小さくなった。発泡剤を配合した比較例4については、昇温過程での比重変化より発泡剤を添加した効果が発現したことが比較例3との比較により分かった。さらに実施例9はシラスと下水汚泥焼却灰を主剤として、それに発泡剤を配合したものであるが、比較例4の焼成温度と比重の試験結果より、実施例9の焼成温度と比重の試験結果が、すべての焼成温度において比重が小さいものとなった。
このように、配合表5と図3の焼成結果から、シラスと下水汚泥焼却灰を主材として、これらを適宜にそれぞれ配合することにより、低い焼成温度で、発泡剤を添加した焼成体の発泡が促進する結果となることが確認できた。
[実施例10]〜[実施例14]
主材を下水汚泥焼却灰:シラスの配合比率として、(9〜5):(1〜5)で配合した実施例10〜実施例14に発泡剤を添加(主材に対して外割で0.2%)し、それぞれに結合剤と水を加えて造粒物(各試料6個分の配合)を成形した。表7に配合結果を示す。
また、表7の配合で得られた焼成物(焼成温度1100℃のみ)の各実施例と比重の試験結果との関係を表8と図4のグラフに示す。
Figure 2016132586
Figure 2016132586
実施例10は、主材を下水汚泥焼却灰:シラスで9:1の配合により得た試料を焼成温度1100℃で焼成したもので、その焼成体の比重は、0.3161である。
実施例11は、主材を下水汚泥焼却灰:シラスで8:2の配合により得た試料を焼成温度1100℃で焼成したもので、その焼成体の比重は、0.4885である。
実施例12は、主材を下水汚泥焼却灰:シラスで7:3の配合により得た試料を焼成温度1100℃で焼成したもので、その焼成体の比重は、0.6844である。
実施例13は、主材を下水汚泥焼却灰:シラスで6:4の配合により得た試料を焼成温度1100℃で焼成したもので、その焼成体の比重は、0.7979である。
実施例14は、主材を下水汚泥焼却灰:シラスで5:5の配合により得た試料を焼成温度1100℃で焼成したもので、その焼成体の比重は、0.8942である。
よって、配合表7の各実施例の焼成結果から、シラスと下水汚泥焼却灰を主材としてこれらを適宜にそれぞれ配合することにより、低い焼成温度で、発泡剤を添加した焼成体の発泡が促進する結果となったことが確認できた。
[比較例5]〜[比較例7]
石炭灰を主材として石炭灰(100重量部)に発泡剤を添加(主材に対して外割で0.2%)した場合(比較例5)、石炭灰(100重量部)に発泡剤を添加(主材に対して外割で0.5%)した場合(比較例6)及び石炭灰(100重量部)に発泡剤を添加(主材に対して外割で1.0%)した場合(比較例 7)にそれぞれ結合剤と水を加えて造粒物(各配合9個分)を成形した。表9に配合結果を示す。
表9の配合で得られた焼成物の焼成温度と比重の試験結果との関係を示すグラフを図5に示す。比較例5〜比較例7は、石炭灰に対して配合する発泡剤の添加割合をそれぞれ変化させて、それらの焼成による焼成体の比重の変化を比較した。表10に焼成温度と焼成後の比重の関係を示し、それをグラフ化した図を図5に示す。
Figure 2016132586
Figure 2016132586
比較例5は焼成温度1200℃から1220℃の昇温過程において、その焼成体の比重は、1.9216から1.7301と少しであるが小さくなった。
比較例6は、焼成温度1200℃から1220℃の昇温過程において、その焼成体の比重は、1.9042から1.6670と小さくなった。
比較例7は、焼成温度1190℃から1220℃の昇温過程において、1.8466から1.3477と小さくなった。
以上の結果から、各比較例5〜7のように配合する発泡剤の添加量を増やすことにより発泡を促進することが確認できた。しかし、焼成温度が1200℃を超えなければ比重の低下に顕著な効果が表れないことも確認できた。
[実施例15]〜[実施例19]
主材を石炭灰:シラスの比率として、(9〜5):(1〜5)の配合率とした実施例15〜実施例19に発泡剤を添加(主材に対して外割で0.2%)し、それぞれに結合剤と水を加えて造粒物(各試料6個分の配合)を成形した。表11に配合結果を示す。
また、表11の配合で得られた焼成物の焼成温度と比重の試験結果を表12と図6のグラフに示す。
Figure 2016132586
Figure 2016132586
実施例15は、主材とする石炭灰とシラスの配合比率を9:1とした試料を焼成した結果、焼成温度1200℃において、その焼成体の比重は、1.6860である。
実施例16は、主材とする石炭灰とシラスの配合比率を8:2とした試料を焼成した結果、焼成温度1180℃から1200℃の昇温過程において、その焼成体の比重は、1.8701から1.4536と小さくなった。
実施例17は、主材とする石炭灰とシラスの配合比率を7:3とした試料を焼成した結果、焼成温度1160℃から1200℃の昇温過程において、その焼成体の比重は、1.5443から1.0826と小さくなった。
実施例18は、主材とする石炭灰とシラスの配合比率を6:4とした試料を焼成した結果、焼成温度1140℃から1200℃の昇温過程において、その焼成体の比重は、1.6951から0.7845と小さくなった。
実施例19は、主材とする石炭灰とシラスの配合比率を5:5とした試料を焼成した結果、焼成温度1140℃から1200℃の昇温過程において、その焼成体の比重は、1.5847から0.6348と小さくなった。
以上の焼成結果より、配合表9の主材を石炭灰のみで行った配合の試料を焼成した焼成体と配合表11のように主材を石炭灰とシラスを使用して適宜配合した実施例15〜実施例19の試料を焼成した焼成体の比重の試験結果との関係を比較した場合、配合表11の焼成結果は、配合表9のそれより比重は小さく、しかもその差は大きくなった。このことから、配合表11の主材にシラスを適宜配合することによって、焼成温度を低くして比重の小さい発泡性焼成体を得ることができる。
以下に記載する表13、表15、表17、表19は配合表であるが、その配合の特徴は主材を下水汚泥焼却灰とシラス及び石炭灰とし、下水汚泥焼却灰の配合割合を一定にしてシラスと石炭灰の配合を増減して、それに発泡剤と結合剤・水を加えた配合(試料6個分の配合)を表したものである。
[実施例20]〜[実施例24]
下水汚泥焼却灰(5重量部)を一定にして、シラス(10〜50重量部)及び石炭灰(85〜45重量部)を主材とし、これに発泡剤を添加(主材に対して外割で0.2%)する配合において、シラス(10重量部)と石炭灰(85重量部)の配合(実施例20)、シラス(20重量部)と石炭灰(75重量部)の配合(実施例21)、シラス(30重量部)と石炭灰(65重量部)の配合(実施例22)、シラス(40重量部)と石炭灰(55重量部)の配合(実施例23)、シラス(50重量部)と石炭灰(45重量部)の配合(実施例24)として、これに結合剤と水を加えて造粒物(各配合6個分)を成形する目的の配合表13とした。また表13の配合で得られた焼成物の焼成温度と比重の試験結果を表14と図7のグラフに示した。
Figure 2016132586
Figure 2016132586
実施例20は、焼成温度1160℃から1200℃の昇温過程において、その焼成体の比重は、1.7980から1.2651と小さくなった。
実施例21は、焼成温度1160℃から1200℃の昇温過程において、その焼成体の比重は、1.4528から0.9365と小さくなった。
実施例22は、焼成温度1140℃から1200℃の昇温過程において、その焼成体の比重は、1.4555から0.6615と小さくなった。
実施例23は、焼成温度1100℃から1200℃の昇温過程において、その焼成体の比重は、1.7761から0.5524と小さくなった。
実施例24は、焼成温度1100℃から1200℃の昇温過程において、その焼成体の比重は、1.7568から0.5096と小さくなった。
以上の焼成結果より、主材のうち下水汚泥焼却灰を一定にして実施例20〜実施例24の順にシラスの配合量を増加させると同時に、石炭灰の配合量を減少させた。これらの実施例について、シラスを多くした実施例の比重が小さくなる傾向が確認でき、同時にシラスを多く配合することによって 低い焼成温度で焼成体の発泡を促進する効果が発現する結果となることも確認できた。
[実施例25]〜[実施例29]
下水汚泥焼却灰量(20重量部)を一定にして、シラス(10〜50重量部)及び石炭灰(70〜30重量部)を主材とし、これに発泡剤を添加(主材に対して外割で0.2%)する配合において、シラス(10重量部)と石炭灰(70重量部)の配合(実施例25)、シラス(20重量部)と石炭灰(60重量部)の配合(実施例26)、シラス(30重量部)と石炭灰(50重量部)の配合(実施例27)、シラス(40重量部)と石炭灰(40重量部)の配合(実施例28)、シラス(50重量部)と石炭灰(30重量部)の配合(実施例29)として、これに結合剤と水を加えて造粒物(各配合6個分)を成形する目的の配合表を表15に示す。
表15の配合で得られた焼成物の焼成温度と比重の試験結果の関係を表16と図8のグラフを示す。
Figure 2016132586
Figure 2016132586
実施例25は、焼成温度1100℃から1160℃の昇温過程において、その焼成体の比重は、1.8466から0.7282と小さくなった。
実施例26は、焼成温度1100℃から1160℃の昇温過程において、その焼成体の比重は、1.7465から0.6434と小さくなった。
実施例27は、焼成温度1100℃から1160℃の昇温過程において、その焼成体の比重は、1.6029から0.6255と小さくなった。
実施例28は、焼成温度1100℃から1160℃の昇温過程において、その焼成体の比重は、1.4906から0.6607と小さくなった。
実施例29は、焼成温度1100℃から1160℃の昇温過程において、その焼成体の比重は、1.3775から0.6638と小さくなった。
以上の焼成結果より、主材のうち下水汚泥焼却灰を一定にして実施例の順にシラスの配合量を増加させると同時に、石炭灰の配合量を減少させた実施例について、シラスを多くした実施例の比重が小さくなる傾向が確認でき、同時にシラスを多く配合することによって低い焼成温度で焼成体の発泡を促進する効果が発現する結果となることも確認できた。
[実施例30]〜[実施例34]
下水汚泥焼却灰(30重量部)を一定にして、シラス(10〜50重量部)及び石炭灰(60〜20重量部)を主材とし、これに発泡剤を添加(主材に対して外割で0.2%)する配合において、シラス(10重量部)と石炭灰(60重量部)の配合(実施例30)、シラス(20重量部)と石炭灰(50重量部)の配合(実施例31)、シラス(30重量部)と石炭灰(40重量部)の配合(実施例32)、シラス(40重量部)と石炭灰(30重量部)の配合(実施例33)、シラス(50重量部)と石炭灰(20重量部)の配合(実施例34)として、これに結合剤と水を加えて造粒物(各配合6個分)を成形する目的の配合表を表17に示す。
表17の配合で得られた焼成物の焼成温度と比重の試験結果との関係を表18と図9のグラフに示す。
Figure 2016132586
Figure 2016132586
実施例30は、焼成温度1100℃から1160℃の昇温過程において、その焼成体の比重は、1.6891から0.5875と小さくなった。
実施例31は、焼成温度1100℃から1160℃の昇温過程において、その焼成体の比重は、1.5557から0.5972と小さくなった。
実施例32は、焼成温度1100℃から1160℃の昇温過程において、その焼成体の比重は、1.3993から0.6239と小さくなった。
実施例33は、焼成温度1100℃から1160℃の昇温過程において、その焼成体の比重は、1.3170から0.6578と小さくなった。
実施例34は、焼成温度1100℃から1160℃の昇温過程において、その焼成体の比重は、1.2290から0.6715と小さくなった。
以上の焼成結果より、主材のうち下水汚泥焼却灰を一定にして実施例30〜34の順にシラスの配合量を増加させると同時に、石炭灰の配合量を減少させた実施例30〜34について、それぞれシラスの配合量を順次多くすると、実施例30〜34毎に順次比重が小さくなる傾向が確認でき、同時にシラスの配合量を順次多くすることによって、実施例30〜34毎に順次低い焼成温度で焼成体の発泡を促進する効果が発現する結果となることも確認できた。
[実施例35]〜[実施例39]
下水汚泥焼却灰(40重量部)を一定にして、シラス(10〜50重量部)及び石炭灰(50〜10重量部)を主材とし、これに発泡剤を添加(主材に対して外割で0.2%)する配合において、シラス(10重量部)と石炭灰(50重量部)の配合(実施例35)、シラス(20重量部)と石炭灰(40重量部)の配合(実施例36)、シラス(30重量部)と石炭灰(30重量部)の配合(実施例37)、シラス(40重量部)と石炭灰(20重量部)の配合(実施例38)、シラス(50重量部)と石炭灰(10重量部)の配合(実施例39)として、これに結合剤と水を加えて造粒物(各配合6個分)を成形する目的の配合表を表19に示す。
表19の配合で得られた焼成物の焼成温度と比重の試験結果との関係を表20と図10のグラフに示す。
Figure 2016132586
Figure 2016132586
実施例35は、焼成温度1100℃から1140℃の昇温過程において、その焼成体の比重は、1.5579から0.6149と小さくなった。
実施例36は、焼成温度1100℃から1140℃の昇温過程において、その焼成体の比重は、1.4585から0.6573と小さくなった。
実施例37は、焼成温度1100℃から1140℃の昇温過程において、その焼成体の比重は、1.3254から0.6510と小さくなった。
実施例38は、焼成温度1100℃から1140℃の昇温過程において、その焼成体の比重は、1.2034から0.6369と小さくなった。
実施例39は、焼成温度1100℃から1140℃の昇温過程において、その焼成体の比重は、1.0547から0.6463と小さくなった。
以上の焼成結果より、主材のうち下水汚泥焼却灰を一定にして実施例35〜39の順にシラスの配合量を順次増加させると同時に、石炭灰の配合量を減少させた場合に、シラスを順次多くした実施例ほど、比重が小さくなる傾向が確認でき、同時にシラスをより多く配合することによって、より低い焼成温度で焼成体の発泡を促進する効果が発現する結果となることも確認できた。
以上、配合表の表13、表15、表17、表19における試料の焼成による焼成体の焼成結果は、主材の下水汚泥焼却灰とシラス及び石炭灰について、下水汚泥焼却灰の配合割合を増加させながらも各表のとおりシラス及び石炭灰の合計した量を一定量にして各配合表の実施例20〜24、25〜29、30〜34、35〜39の順にシラスの配合量を増加させると同時に、石炭灰の配合量を減少させて焼成すると、比重が小さくなる傾向が確認でき、同時にシラスを多く配合することによって、低い焼成温度で焼成体の発泡を促進する効果が発現する結果となることも確認できた。
そして、シラス及び石炭灰の合計した量を一定量にして下水汚泥焼却灰の配合量を配合表13,15,17、19に示した順に増加させた場合、例えば実施例24,29,34,39の焼成温度1100℃の比重試験結果が1.7568から1.0547へと順次小さくなる。同様に例えば実施例24,29,34,39の焼成後の比重を表した表14,16,18,20におけるそれぞれ同じ焼成温度における比重試験結果を対比すると、比重が順次小さくなる傾向があり、また、より低い焼成温度で焼成体の発泡を促進する効果を高める結果となることが確認できた。
[実施例40]〜[実施例44]
主材に下水汚泥焼却灰、シラス、石炭灰を使用し、その配合割合をそれぞれ一定にして、発泡剤のみを添加(主材に対して外割で0.2%)した場合(実施例40)、発泡剤(主材に対して外割で0.2%)と酸化銅(実施例41)、酸化マンガン(実施例42)、酸化亜鉛(実施例43)のうち1種類(0.07g)をそれぞれ配合した場合、及び発泡剤(主材に対して外割で0.2%)と酸化銅(0.02g)、酸化マンガン(0.02g)、酸化亜鉛(0.04g)の3種類を配合した場合(実施例44)にそれぞれ結合剤と水を加えて造粒物(各試料9個分の配合)を成形する目的の配合表を表21に示す。
表21の配合で得られた焼成物の焼成温度と比重の試験結果との関係を表22と図11のグラフに示す。
Figure 2016132586
Figure 2016132586
実施例40は、焼成温度1140℃から1190℃の焼温過程において、その焼成体の比重は、1.4456から0.6876と小さくなった。
実施例41は、焼成温度1140℃から1190℃の焼温過程において、その焼成体の比重は、1.2839から0.6110と小さくなった。
実施例42は、焼成温度1140℃から1190℃の焼温過程において、その焼成体の比重は、1.3275から0.7020と小さくなった。
実施例43は、焼成温度1140℃から1190℃の焼温過程において、その焼成体の比重は、1.3691から0.6460と小さくなった。
実施例44は、焼成温度1140℃から1190℃の焼温過程において、その焼成体の比重は、1.3207から0.6029と小さくなった。
以上の焼成結果より、発泡剤のみを添加した実施例40の焼成温度と比重の試験結果との関係は、実施例41から実施例44のすべての焼成温度と比重の試験結果との関係とを比較した場合、実施例40よりすべての焼成温度において比重が小さいものとなった。
よって、実施例41から実施例44の配合のように銅、マンガン、亜鉛成分の一種以上を配合することによって、焼成体の発泡が促進した結果となった。
[実施例45]〜[実施例48]、[比較例8]
主材に下水汚泥焼却灰、石炭灰を使用し発泡剤を添加(主材に対して外割で0.2%)した場合(比較例8)、主材に下水汚泥焼却灰、シラス、石炭灰を使用し発泡剤を添加(主材に対して外割で0.2%)した場合(実施例45〜48)にそれぞれ結合剤と水を加えて造粒物(各試料9個分の配合)を成形する目的の配合表を表23に示す。
なお、比較例8は、他の配合の焼成による比重と圧壊強度の変化と比較の基準とする目的で行った配合である。
本配合の特徴は、主材の下水汚泥焼却灰の配合割合を一定にして、シラスと石炭灰の配合割合を変化させたことである。
表23の配合で得られた焼成物の焼成温度と比重の試験結果との関係を表24と図12のグラフに示す。また、表23の配合で得られた焼成物の焼成温度と圧壊強度の試験結果との関係を表25と図13のグラフに示す。
Figure 2016132586
Figure 2016132586
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上記した試験結果によれば、比較例8は、焼成温度1160℃から1220℃の昇温過程において、その焼成体の比重は、1.8624から0.8644と小さくなった。また、圧壊強度は、3161.22Nから978.99Nであった。
実施例45は、焼成温度1140℃から1190℃の昇温過程において、その焼成体の比重は、1.6946から0.8178と小さくなった。圧壊強度は、焼成温度1150℃から1190℃の昇温過程において、2766.25Nから1007.81Nであった。
実施例46は、焼成温度1140℃から1190℃の昇温過程において、その焼成体の比重は、1.4456から0.6876と小さくなった。また、圧壊強度は、2355.39Nから1033.25Nであった。
実施例47は、焼成温度1120℃から1190℃の昇温過程において、その焼成体の比重は、1.4483から0.5794と小さくなった。また、圧壊強度は、2326.56Nから793.12Nであった。
実施例48は、焼成温度1120℃から1190℃の昇温過程において、その焼成体の比重は、1.2649から0.5513と小さくなった。また、圧壊強度は、1712.80Nから949.83Nであった。
以上の焼成結果より、主材のうち下水汚泥焼却灰を一定にして比較例をスタートにして実施例の順にシラスの配合量を増加させると同時に、石炭灰の配合量を減少させた実施例において、シラスを多くした実施例の比重が小さくなる傾向が確認でき、同時にシラスを多く配合することによって、低い焼成温度で焼成体の発泡を促進する効果が発現する結果となることも確認できた。
なお、本発明の実施例及び比較例で表示した比重は、島津分析天びんAUX120(島津製作所製)により、自動計算で表示された比重数値である。また、圧壊強度はストローク:1mm/分で、JIS Z 8841:1993(造粒物―強度試験方法)に準拠して行った結果、得られた数値である。

Claims (8)

  1. シラスに(a)石炭灰と(b)下水汚泥焼却灰と(c)銅、マンガン又は亜鉛の金属物質又はこれらの金属酸化物の中の少なくともいずれかを添加し、さらに(d)発泡剤を添加した混合物を焼成して得られることを特徴とする発泡性焼成体。
  2. シラスに(a)石炭灰と(d)発泡剤を添加した混合物を焼成して得られることを特徴とする請求項1記載の発泡性焼成体。
  3. シラスに(c)銅、マンガン又は亜鉛の金属物質又はこれらの金属酸化物の中の少なくともいずれかと(d)発泡剤を添加した混合物を焼成して得られることを特徴とする請求項1記載の発泡性焼成体。
  4. シラスに(b)下水汚泥焼却灰と(d)発泡剤を添加した混合物を焼成して得られることを特徴とする請求項1記載の発泡性焼成体。
  5. シラスに(a)石炭灰と(b)下水汚泥焼却灰と(d)発泡剤を添加した混合物を焼成して得られることを特徴とする請求項1記載の発泡性焼成体。
  6. シラスに(a)石炭灰と(b)下水汚泥焼却灰と(c)銅、マンガン又は亜鉛の金属物質又はこれらの金属酸化物の中の少なくともいずれかと(d)発泡剤を添加した混合物を焼成して得られることを特徴とする請求項1記載の発泡性焼成体。
  7. 請求項1記載のシラスに(a)石炭灰と(b)下水汚泥焼却灰と(c)銅、マンガン又は亜鉛の金属物質又はこれらの金属酸化物の中の少なくともいずれかを添加し、さらに(d)発泡剤を添加した混合物を得て、該混合物を焼成することを特徴とする発泡性焼成体の製造方法。
  8. 前記該混合物の焼成温度を1000〜1200℃とすることを特徴とする請求項7記載の発泡性焼成体の製造方法。
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