JP2016126886A - 固体酸化物形燃料電池用電解質シートとその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、表面積が比較的大きく発電性能や電極層との密着性に優れ、且つ機械的強度も比較的高いものである上に、複数のシート間における強度のばらつきが小さく信頼性の高い固体酸化物形燃料電池用電解質シートと、当該固体酸化物形燃料電池用電解質シートを含む固体酸化物形燃料電池用単セル、および当該固体酸化物形燃料電池用電解質シートの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る固体酸化物形燃料電池用電解質シートは、少なくとも片面に2以上の陥没および/または凸起を有し、上記陥没および凸起の基底面形状が、円形、楕円形、または頂点部の形状が曲率半径0.1μm以上の曲線である角丸多角形であり、および/または、その立体形状が、半球形、半楕円球形、または頂点および稜の断面形状が曲率半径0.1μm以上の曲線である多面体であり、上記陥没および凸起の基底面の平均円相当径が0.5μm以上250μm以下であり、上記陥没の平均深さおよび上記凸起の平均高さが0.3μm以上50μm以下であり、平均厚さが30μm以上400μm以下であり、且つ、曲げ強度のワイブル係数が13.0以上であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、固体酸化物形燃料電池用電解質シート、当該固体酸化物形燃料電池用電解質シートを含む固体酸化物形燃料電池用単セル、および当該固体酸化物形燃料電池用電解質シートの製造方法に関するものである。
燃料電池はクリーンなエネルギー源として注目されており、その用途は家庭用発電から業務用発電、さらには自動車用発電などを主体にして、改良研究や実用化研究が急速に進められている。かかる燃料電池の中でも固体酸化物形燃料電池(以下、「SOFC」と略記する場合がある)は、発電効率が高く長期安定性にも優れることから、家庭用や業務用の電力源として期待されている。
このSOFCにおいては、固体電解質としてセラミックシートが一般的に用いられている。セラミックスは、耐熱性などの機械的性質に加え、電気的特性や磁気的特性に優れることによる。中でもジルコニアを主体とするセラミックシートは、優れた酸素イオン伝導性や、耐熱性、耐食性、靭性などを有することから、SOFCの固体電解質として利用されている。
SOFCの固体電解質は、発電性能の向上や電極層との密着性の改善の観点から、その表面積を増大することが検討されてきた。例えば特許文献1には、固体電解質シートの表面をブラスト加工やエッチング処理により粗化する方法が記載されている。特許文献2には、グリーンシートの表面に金属メッシュを押し当てて粗化した後に焼成することにより、表面が粗化されたセラミックシートを得る方法が開示されている。特許文献3には、グリーンシートを粗化用シートで挟んで押圧し、粗化面を転写した後に焼成することにより表面粗化セラミックシートを得る方法が記載されている。特許文献4には、粗面化した高分子フィルム上に電解質材料を含むスラリーをキャスティングして得られるグリーンシートを焼成することにより表面粗化セラミックシートを得る方法が開示されている。
しかし上記技術では、セラミックシートにクラックが生じたり、機械的強度が低下するという問題があった。そこで本発明者らは、特定形状の陥没や凸起を有するスタンパをグリーンシートに押圧し、同様の陥没や凸起を有するSOFC用電解質シートを製造する方法を開発している(特許文献5)。
特開平1−227362号公報 特開平9−55215号公報 特開2007−313650号公報 特開2002−42831号公報 国際公開第2010/110395号パンフレット
上述したように、本発明者らは、表面積が比較的大きいものでありながら、安定した機械的強度も有する高性能なSOFC用電解質シートを開発している。
しかし、近年、SOFCの実用化が進むにつれ、電解質シートにはより一層の耐久性が求められるようになってきている。
詳しくは、SOFCの単セルは、電圧の確保のため直列にスタック化されるが、その際、ガスリークの抑制などのために電解質シートには多大な荷重が付加される。また、発電時におけるSOFCの温度は一般的に700〜1000℃程度であることから、電解質シートは発電停止時における室温との間で熱履歴を繰り返し受けることになる。よって、電解質シートが均一性に欠けると、低強度部分からクラックや割れが生じるおそれがある。SOFCでは多数の単セルが直列に接続されているため、一つの単セルの電解質シートでもクラックや割れが生じると、SOFC全体の電圧が極端に低下してしまう。
そこで本発明は、表面積が比較的大きく発電性能や電極層との密着性に優れ、且つ機械的強度も比較的高いものである上に、複数のシート間における強度のばらつきが小さく信頼性の高い固体酸化物形燃料電池用電解質シートと、当該固体酸化物形燃料電池用電解質シートを含む固体酸化物形燃料電池用単セル、および当該固体酸化物形燃料電池用電解質シートの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、SOFC用電解質シートに特定形状の陥没や凸起を形成するに当たり、電解質グリーンシートに対するスタンパの押圧条件を最適化すれば、得られる電解質シート間における強度のばらつきが小さく安定した強度品質の電解質シートが得られることを見出して、本発明を完成した。
以下、本発明を示す。
[1] 少なくとも片面に2以上の陥没および/または凸起を有し、
上記陥没および凸起の基底面形状が、円形、楕円形、または頂点部の形状が曲率半径0.1μm以上の曲線である角丸多角形であり、および/または、その立体形状が、半球形、半楕円球形、または頂点および稜の断面形状が曲率半径0.1μm以上の曲線である多面体であり、
上記陥没および凸起の基底面の平均円相当径が0.5μm以上250μm以下であり、
上記陥没の平均深さおよび上記凸起の平均高さが0.3μm以上50μm以下であり、
平均厚さが30μm以上400μm以下であり、且つ、
曲げ強度のワイブル係数が13.0以上であることを特徴とする固体酸化物形燃料電池用電解質シート。
[2] 上記陥没の平均深さのばらつき値および上記凸起の平均高さのばらつき値が0.14以下である上記[1]に記載の固体酸化物形燃料電池用電解質シート。
[3] 上記[1]または[2]に記載の固体酸化物形燃料電池用電解質シートを含むことを特徴とする固体酸化物形燃料電池用単セル。
[4] 固体酸化物形燃料電池用電解質シートを製造するための方法であって、
電解質グリーンシートの片面または両面に、上記[1]または[2]に記載の陥没および/または凸起に対応する凸起および/または陥没を有するスタンパを、32秒間以上300秒間以下押圧することにより、上記[1]または[2]に記載の陥没および/または凸起が形成された表面修飾電解質グリーンシートを得る工程、および、
上記表面修飾電解質グリーンシートを焼成する工程を含むことを特徴とする方法。
本発明に係る固体酸化物形燃料電池用電解質シートは、少なくとも片面に特定形状の陥没および/または凸起を複数有することから、表面積が比較的大きい。また、当該電解質シート上に電極層を形成した場合に電極層との密着性が高い。よって、本発明に係る固体酸化物形燃料電池用電解質シートを含む本発明に係る固体酸化物形燃料電池用単セルは、電極反応のための面積が大きいので発電性能に優れる。さらに、上記陥没および/または凸起は特定形状を有することから、本発明に係る固体酸化物形燃料電池用電解質シートは、機械的強度も高い。その上、本発明に係る電解質シートは、複数のシート間における強度のばらつきが小さく、強度に関する信頼性が高く安定した品質を有することから、固体酸化物形燃料電池において信頼性の高い固体電解質膜として利用することができる。よって本発明は、固体酸化物形燃料電池の実用化を一層促進できるものとして、産業上有用性がきわめて高い。
本発明に係る電解質シートの一例を示す模式図である。 スタンパを電解質グリーンシートに押圧した状態を示す模式図である。
以下に本発明を詳細に説明するが、本発明の趣旨に反しない限り以下のものに限定されるものではない。以下、まず本発明に係るSOFC用電解質シートについて説明する。
1.SOFC用電解質シート
本発明に係るSOFC用電解質シート(以下、単に「電解質シート」と略記する)は、少なくとも片面に2以上の陥没および/または凸起を有し、上記陥没および凸起の基底面形状が、円形、楕円形、または頂点部の形状が曲率半径0.1μm以上の曲線である角丸多角形であり、および/または、その立体形状が、半球形、半楕円球形、または頂点および稜の断面形状が曲率半径0.1μm以上の曲線である多面体であり、上記陥没および凸起の基底面の平均円相当径が0.5μm以上250μm以下であり、上記陥没の平均深さおよび上記凸起の平均高さが0.3μm以上50μm以下であり、平均厚さが30μm以上400μm以下であり、且つ、曲げ強度のワイブル係数が13.0以上であることを特徴とする。電解質シートに上記陥没および/または凸起を形成することにより、電極層との界面面積が大きく、電極層との密着性も高く、且つ機械的強度に優れる上に、複数のシート間における強度のばらつきが小さく強度に関する信頼性が高く安定した品質を有する電解質シートとなる。
本発明に係る電解質シートは、その少なくとも片面に2以上の陥没および/または凸起を有する。
ここで「少なくとも片面」とは、電解質シートの片面または両面を意味する。好ましくは、電解質シートはその両面に2以上の陥没および/または凸起を有する。一般的に、SOFC用単セルでは電解質シートの片面に燃料極層が、他方の面に空気極層が形成されるので、両面に陥没および/または凸起を形成することにより、各電極との接触面積が大きくなり、その結果、発電性能や電極との密着性が向上する。
本発明に係る電解質シートは、上記陥没および凸起の両方を有していてもよいが、好ましくは上記陥没または凸起の一方を有し、より好ましくは上記陥没のみを有する。
より具体的には、本発明の電解質シートの態様としては、片面に複数の陥没を有する態様;片面に複数の凸起を有する態様;片面に複数の陥没および凸起を有する態様;両面に複数の陥没を有する態様;両面に複数の凸起を有する態様;並びに両面に複数の陥没および凸起を有する態様が挙げられる。これらの中でも、片面または両面に複数の陥没を有する態様が好ましく、両面に複数の陥没を有する態様がより好ましい。
上記陥没および凸起の立体形状は、半球形、半楕円球形、または頂点および稜の断面形状が曲率半径0.1μm以上の曲線である多面体である。
本発明において「半球形」および「半楕円球形」は、球体および楕円体を、中心を含む断面で切断した形状、または中心を通る線に直交する断面で切断したもののうち中心を含まない形状をいう。即ち、「半球形」および「半楕円球形」は、球体および楕円体を半分に切断した形状に限られず、略半球形および略半楕円球形も含まれる。また、本発明において「楕円体」とは、x2/a2+y2/b2+z2/c2=1[式中、a、b、cは、それぞれx軸、y軸、z軸方向の径の半分の長さに相当する]の方程式で表され、楕円面で囲まれた立体をいう。
本発明において「頂点および稜の断面形状が曲率半径0.1μm以上の曲線である多面体」とは、円柱、円錐、円錐台、角柱、角錐、角錐台またはこれらの組合せなどの多面体を基本形状とし、その多面体が有する頂点部分および稜部分の断面形状が曲率半径0.1μm以上の曲線で表される形状に形成されたものをいう。なお、上記多面体形状を採用する場合、その多面体が有する全ての頂点および稜の断面形状が、曲率半径0.1μm以上の曲線で表される形状に形成されていることが好ましい。陥没および凸起の立体形状を、角のない形状とすることにより、電解質シートのクラックの発生をより低減することができる。
上記半球形、半楕円球形、または頂点および稜の断面形状が曲率半径0.1μm以上の曲線である多面体では、基底面の断面積が最も大きく陥没の底部または凸起の頂部に向かって断面積は徐々に小さくなる。なお、上記立体形状は、半球形または半楕円球形が好ましく、半球形がより好ましい。
上記陥没および凸起の基底面形状は、円形、楕円形、または頂点部の形状が曲率半径0.1μm以上の曲線である角丸多角形である。ここで、円形、楕円形には、いわゆる略円形、略楕円形も含まれる。また、「頂点部の形状が曲率半径0.1μm以上の曲線である角丸多角形」とは、凸多角形または凹多角形を基本形状とし、その多角形が有する頂点部分が、曲率半径0.1μm以上の曲線で表される形状に形成されたものをいう。なお、上記角丸多角形を採用する場合、その多角形が有する全ての頂点部分が、曲率半径0.1μm以上の曲線で表される形状に形成されていることが好ましい。陥没および凸起の基底面形状を角のない形状とすることにより、電解質シートのクラックの発生をより一層低減することができる。上記基底面形状は、円形または楕円形が好ましく、円形がより好ましい。なお、基底面形状とは、電解質シートの表面におけるベースラインと陥没または凸起との境界、即ち陥没または凸起の最外周の輪郭の形状であり、レーザー顕微鏡を用いて確認することができる。また、ベースラインは、例えば、後述するようにスタンパを用いて陥没を形成した場合には、スタンパの押し跡の一番高い位置をベースラインとし、スタンパを用いて凸起を形成した場合には、スタンパの押し跡の一番低い位置をベースラインとすればよい。
上記陥没および凸起の基底面の平均円相当径は、0.5μm以上250μm以下が好ましい。当該平均円相当径が0.5μm未満では電極との密着性が悪くなり、長期的な使用での電極の剥離が生じやすくなる。一方、当該平均円相当径が250μmを超えると、陥没または凸起が形成されていない電解質シートに比べて強度が低下する。当該平均円相当径としては、5μm以上がより好ましく、15μm以上がさらに好ましく、また、200μm以下がより好ましく、150μm以下がさらに好ましい。本発明において「平均円相当径」とは、上記陥没または凸起の基底面形状の面積と同じ面積を有する円の直径をいう。具体的には、当該平均円相当径は、電解質シート表面における5μm以上2mm以下四方の領域であって、少なくとも電解質シート表面の中心を含む領域であり、上記陥没または凸起が少なくとも50個存在する領域について、当該領域に存在する全ての陥没および凸起について基底面形状面積を測定し、それらの平均面積を求め、当該平均面積から算出される円相当径である。
上記陥没および凸起の基底面の円相当径のばらつきの値、即ち(円相当径の標準偏差)/(平均円相当径)の値は、いずれも0.25以下が好ましく、より好ましくは0.20以下、さらに好ましくは0.15以下である。上記ばらつき値が上記範囲内であれば、電解質シートの平均強度とワイブル係数を高くすることができ、また、電解質シート表面に形成された電極の電解質シートからの界面剥離をより抑制することができる。なお、上記ばらつき値の下限値は0である。ここで、円相当径の標準偏差は下記式により求めることができる。なお、式中、σは標準偏差、xは個々の陥没または凸起の基底面形状の円相当径、xaveは平均円相当径、nは陥没および凸起の測定個数を示す。
上記陥没の平均深さおよび上記凸起の平均高さは、0.3μm以上50μm以下が好ましい。当該平均深さまたは平均高さが0.3μm未満では、電極との密着性が悪くなり長期的な使用での電極の剥離が生じやすくなる。一方、当該平均深さまたは平均高さが50μmを超えると、陥没および凸起が形成されていない電解質シートに比べて強度が低下する。当該平均深さまたは平均高さとしては、1μm以上がより好ましく、3μm以上がさらに好ましく、また、40μm以下がより好ましく、30μm以下がさらに好ましい。本発明において「陥没の平均深さ」とは、電解質シート表面における5μm以上2mm以下四方の領域であって、少なくとも電解質シート表面の中心を含む領域であり、上記陥没または凸起が少なくとも50個存在する領域について、当該領域に存在する全ての陥没について深さを測定し、これらの値から算出される平均値である。また、「陥没の深さ」とは、ベースラインから最も高さの低い位置までの距離である。本発明において「凸起の平均高さ」とは、同領域について、当該領域に存在する全ての凸起について高さを測定し、これらの値から算出される平均値である。また、「凸起の高さ」とは、ベースラインから最も高さの高い位置までの距離である。
片面における上記陥没の平均深さおよび凸起の平均高さは、シート厚さを100とした場合に対する比率で1以上が好ましく、より好ましくは2以上、さらに好ましくは3以上であり、33以下が好ましく、より好ましくは25以下、さらに好ましくは20以下である。シート厚さに対する上記陥没の平均深さまたは凸起の平均高さの比を上記範囲とすることにより、電解質シートの平均強度とワイブル係数を高くすることができ、また、電解質シート表面に形成された電極の電解質シートからの界面剥離をより抑制することができる。
上記陥没の深さのばらつきの値、即ち(深さの標準偏差)/(平均深さ)の値、および上記凸起の平均高さのばらつきの値、即ち(高さの標準偏差)/(平均高さ)の値は、いずれも0.14以下が好ましく、より好ましくは0.13以下、さらに好ましくは0.12以下、特に好ましくは1.10以下である。当該ばらつき値が上記範囲内であれば、電解質シートの平均強度とワイブル係数を高くすることができる。なお、当該ばらつき値の下限値は0である。ここで、陥没深さの標準偏差および凸起高さの標準偏差は、上記円相当径の標準偏差と同様にして求めることができる。
上記平均円相当径に対する上記陥没の平均深さの比、即ち(平均深さ)/(平均円相当径)の値、および、上記平均円相当径に対する上記凸起の平均高さの比、即ち(平均高さ)/(平均円相当径)の値は、いずれも0.05以上が好ましく、より好ましくは0.10以上、さらに好ましくは0.15以上であり、0.5以下が好ましく、より好ましくは0.45以下、さらに好ましくは0.40以下である。当該比が上記範囲内であれば、電解質シートの平均強度とワイブル係数を高くすることができ、また、電解質シート表面に形成された電極の電解質シートからの界面剥離をより抑制することができる。
上記陥没および凸起の間隔は一定であっても不定であってもよいが、一定であることが好ましい。当該間隔が一定であれば、電解質シートのワイブル係数はより一層高くなると考えられる。当該間隔は、隣接する2つの上記陥没の最低点および/または凸起の頂点の間隔をいう。当該間隔は陥没または凸起の平均円相当径を考慮し、各陥没または凸起が重ならないようにすることが好ましい。そのため、当該間隔と上記陥没または凸起の平均円相当径との差、即ち(間隔)−(平均円相当径)の値としては、0.1μm以上が好ましく、より好ましくは0.5μm以上、さらに好ましくは1μm以上であり、30μm以下が好ましく、より好ましくは20μm以下、さらに好ましくは10μm以下である。
本発明に係る電解質シートの表面上の上記陥没および凸起は、不規則に配されていてもよいし、規則的に配されていてもよい。なお、電解質シートの表面粗さをより均一とするために、上記陥没および凸起は規則的に配されていることが好ましい。この場合、陥没および凸起の配列態様としては、格子状、千鳥状などが挙げられる。
また、電解質シートに陥没を形成する場合、レーザー光学式非接触三次元形状測定装置を用いて得られる粗さ曲線から求められる平均山頂間距離が0.1μm以上30μm以下、平均谷底深さが0.05μm以上20μm以下であり、かつ、当該粗さ曲線において陥没内の凹部先端が鋭角でないことが好ましい。
電解質シート表面に複数個の陥没を形成して凹部とし、それら凹部形状、特に個々の凹部先端(谷底)を特定の形状とすることにより、凹部先端への応力集中によるクラック発生を防止でき、電極面積の増大と電極の界面剥離の防止にも寄与する適度な表面粗さの電解質シートとすることが可能となる。
上記「山頂間距離」とは、粗さ曲線で認められる隣接する2つの凸部先端(山頂)間の距離である。また、上記「谷底深さ」とは、隣接する2つの凸部先端(山頂)間を結んだ線と凹部先端(谷底)を通る法線との交点から、凹部先端までの距離である。なお、凹部先端の形状を規定する場合には、山頂間距離が0.1μm以上30μm以下、かつ、谷底深さが0.05μm以上20μm以下を満足するものを陥没と扱う。
本発明においては、電解質シート内の9箇所について、レーザー光学式非接触三次元形状測定装置を用いて、当該電解質シートの粗さ曲線をスキャン長さ4mmで測定し、得られた9個の粗さ曲線に認められる全ての陥没について、山頂間距離、谷底深さを計測し、その平均値を算出して平均山頂間距離、平均谷底深さとした。
なお、レーザー光学式非接触三次元形状測定装置の測定箇所は、電解質シートの重心点の1箇所、および、電解質シートの重心点を通る1つの直線と、重心点を通り上記直線と45°、90°、135°の角度をなす直線により電解質シートを8分割し、分割された各領域において1箇所ずつの合計9箇所とする。なお、測定箇所は、電解質シートの大きさや形状に応じて適宜変更すればよい。
本発明の電解質シートは、上記平均山頂間距離が0.1μm以上30μm以下であり、上記平均谷底深さが0.05μm以上20μm以下であることが好ましい。平均山頂間距離が0.1μm未満または平均谷底深さが0.05μm未満の場合は、安定して陥没を製造することが困難である。一方、平均山頂間距離が30μm超または平均谷底深さが20μm超の場合は、電解質シート強度が低下して、ワイブル係数が劣る。
上記平均山頂間距離は、0.2μm以上が好ましく、より好ましくは0.3μm以上、さらに好ましくは0.5μm以上であり、20μm以下が好ましく、より好ましくは10μm以下、さらに好ましくは5μm以下である。上記平均谷底深さは、0.1μm以上が好ましく、より好ましくは0.2μm以上、さらに好ましくは0.3μm以上であり、10μm以下が好ましく、より好ましくは5μm以下、さらに好ましくは3μm以下である。
上記粗さ曲線において陥没内の凹部先端が鋭角でないかどうかは、以下のようにして確認する。まず、上記粗さ曲線の横軸(長さ方向)と縦軸(山の高さ方向や谷の深さ方向)のスケールを同じに調整したスケール調整粗さ曲線を作成する。すなわち、スケール調整粗さ曲線においては、例えば、作成された図において、縦軸のスケールを1目盛(1μm)=1mmとした場合は、横軸のスケールも1目盛(1μm)=1mmとなる。
得られたスケール調整粗さ曲線において、凹部(谷)形状を観察し、凹部先端(谷底)Pを通り横軸に平行な線X(一点鎖線)を作成する。次いで、平行線X上の凹部先端Pから左右0.1μmの距離の点から法線Y1、Y2(二点鎖線)を引き、粗さ曲線とのそれぞれの交点Q、Rを求める。そして、交点Qと凹部先端Pとを結ぶ線PQと、交点Rと凹部先端Pとを結ぶ線PRとがなす角度θを測定し、その角度θが90°以上であり、スケール調整粗さ曲線がQからRまでの間において連続曲線であり、変曲点が無い形状の場合を鋭角となる部分が無い形状と言う。なお、粗さ曲線が連続曲線であるとは、すなわち、QからRまでの間において、どの点においても微分可能であることをいう。
本発明に係る電解質シートは、複数のシート間における強度のばらつきが小さく均一性が高く、そのワイブル係数は13.0以上である。ワイブル係数が高いほど強度の均一性は高いといえ、ワイブル係数としては14.0以上がより好ましく、15.0以上がさらに好ましく、16.0以上が特に好ましい。
本発明においては、JIS R1601に準拠して電解質シートのワイブル係数を以下のように求めるものとする。先ず、実寸大電解質シートを少なくとも10枚用意する。例えば実寸大シートの寸法が100mm角の場合、万能材料試験装置(インストロン社製,型式4301)に4点曲げ強度試験用治具を取付け、下部支点間距離80mm、上部支点間距離60mm、クロスヘッド速度0.5mm/分の条件で4点曲げ強度を10枚のシートについて測定し、測定値の平均値を4点曲げ強度とする。次いで、得られた測定結果から、最小自乗法によりワイブル係数を求める。
電解質シートの平均厚さは、30μm以上400μm以下とする。電解質シートの平均厚さが30μm未満では、電解質シートの機械的強度が弱くなり、ハンドリングが低下し、セル化時に割れが生じやすくなる。一方、400μmを超えると電解質シート自体のイオン導電性が低下するため、セル化した時の発電性能が悪くなる。本発明において電解質シートの厚さとは、表面のベースラインと裏面のベースラインとの間隔である。電解質シートの平均厚さとしては、50μm以上が好ましく、80μm以上がより好ましく、また、300μm以下が好ましく、200μm以下がより好ましい。
本発明の電解質シートの面積は50cm2以上が好ましく、より好ましくは100cm2以上であり、1000cm2以下が好ましく、より好ましくは600cm2以下である。本発明の技術は、面積が50cm2以上1000cm2以下、厚みが30μm以上400μm以下のような、大判で薄膜の電解質シートにおいて、より効果を発揮するものである。
本発明の電解質シートを構成する材料としては、酸素イオン伝導性を有するセラミックであれば特に制限されないが、好ましくはジルコニア、セリアおよびランタンガレート酸化物からなる群から選択される少なくとも1種である。即ち本発明の電解質シートは、ジルコニウム、セリウム、ランタンおよびガリウムよりなる群から選択される少なくとも1種の元素を含有することが好ましい。
上記ジルコニアを用いる場合には、酸化スカンジウム、酸化イットリウム、酸化セリウム、酸化イッテルビウムなどで安定化されたジルコニア;上記セリアを用いる場合にはイットリア、サマリア、ガドリニアなどでドープされたセリア;ランタンガレート酸化物を用いる場合には、ランタンガレートのランタンまたはガリウムの一部が、ストロンチウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム、アルミニウム、インジウム、コバルト、鉄、ニッケル、銅などで置換されたランタンガレート型ペロブスカイト構造酸化物などを使用することができる。
特に、3モル%以上10モル%以下の酸化イットリウムで安定化されたジルコニア、4モル%以上12モル%以下の酸化スカンジウムで安定化されたジルコニア、4モル%以上15モル%以下の酸化イッテルビウムで安定化されたジルコニアを用いることが好ましい。また、これらの安定化ジルコニアに、アルミナ、シリカ、チタニアなどを焼結助剤や分散強化剤として添加した材料も好適に用いることができる。
次に、本発明に係る電解質シートの製造方法につき説明する。
2.SOFC用電解質シートの製造方法
特に制限されるものではないが、本発明に係る電解質シートは、例えば、
少なくとも電解質シート材料粉末、溶媒およびバインダーを混合することによりスラリーを得る工程、
上記スラリーをシート状に成形した後に乾燥することにより電解質グリーンシートを得る工程、
電解質グリーンシートの片面または両面に、当該電解質グリーンシートに形成すべき陥没および/または凸起に対応する凸起および/または陥没を有するスタンパを、32秒間以上300秒間以下押圧することにより、上記陥没および/または凸起が形成された表面修飾電解質グリーンシートを得る工程、および、
上記表面修飾電解質グリーンシートを焼成する工程を含む方法により製造することができる。以下、各工程につき説明する。
(1) スラリー調製工程
電解質シート材料粉末としては、上述した電解質シート材料の粉末を用いることができる。電解質シート材料粉末は、電解質シートの所望の組成が決定されれば、その組成に従って、共沈法、均一沈殿法、ゾルゲル法、噴霧熱分解法、クエン酸溶解法、粉末混合法などの常法により製造することが可能である。
バインダーとしては、特に制限はなく、従来から知られている有機質バインダーを適宜選択して使用できる。有機質バインダーとしては、例えばエチレン系共重合体、スチレン系共重合体、アクリレート系および/またはメタクリレート系共重合体、酢酸ビニル系共重合体、マレイン酸系共重合体、ビニルブチラール系樹脂、ビニルアセタール系樹脂、ビニルホルマール系樹脂、ビニルアルコール系樹脂、ワックス類、エチルセルロースなどのセルロース系樹脂などが例示される。これらのバインダーは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、グリーンシート表面への陥没や凸起などの形成のための加工性、グリーンシート成形性、焼成時の熱分解性などの点から、熱可塑性で、且つ数平均分子量が20,000以上250,000以下、ガラス転移温度が−40℃以上20℃以下の(メタ)アクリレート系共重合体が好ましいものとして推奨される。かかる数平均分子量は、常法により測定できる。しかし、市販のバインダーでカタログ値がある場合には、それを参照すればよい。
電解質シート材料とバインダーの使用比率は、電解質シート材料100質量部に対してバインダー15質量部以上が好ましく、より好ましくは16質量部以上であり、30質量部以下が好ましく、より好ましくは24質量部以下である。バインダーの使用量が不足する場合は、グリーンシートの成形性が低下し、また、強度や柔軟性が不十分となる。逆に、バインダーの使用量が多過ぎる場合は、スラリーの粘度調節が困難になるばかりでなく、焼成時のバインダー成分の分解放出が多く且つ激しくなって収縮率のバラツキも大きくなり、さらに、バインダーが残留カーボンとして残留し易くなる。
溶剤としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、1−ヘキサノールなどのアルコール類;アセトン、2−ブタノンなどのケトン類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの酢酸エステル類などが挙げられ、これらから適宜選択して使用できる。これらの溶媒は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。溶媒の使用量は、電解質グリーンシート成形時におけるスラリーの粘度を加味して適当に調節するのがよく、好ましくはスラリー粘度が1Pa・s以上50Pa・s以下、より好ましくは2Pa・s以上20Pa・s以下の範囲となる様に調整するのがよい。
スラリーには、電解質シート材料粉末、溶媒およびバインダー以外の成分も適宜配合してよい。その他の成分としては、例えば、分散剤、可塑剤、界面活性剤、消泡剤などを挙げることができる。
分散剤としては、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アンモニウムなどの高分子電解質;クエン酸、酒石酸などの有機酸;イソブチレンまたはスチレンと無水マレイン酸との共重合体およびそのアンモニウム塩あるいはアミン塩;ブタジエンと無水マレイン酸との共重合体およびそのアンモニウム塩などを用いることができる。分散剤を用いることで、電解質シート材料の解膠や分散を促進することができる。
可塑剤としては、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジトリデシルなどのフタル酸エステル類;プロピレングリコールなどのグリコール類やグリコールエーテル類;フタル酸系ポリエステル、アジピン酸系ポリエステル、セバチン酸系ポリエステルなどのポリエステル類を用いることができる。可塑剤を用いることで電解質グリーンシートの加工性が向上し、陥没や凸起の形成が容易になる。
上記各成分は、常法により混合すればよい。例えば、所望の二次粒子径を有する原料粉末を事前に得ている場合は、ディスパーなどを用い、それ以上粉砕されない条件で混合すればよい。原料粉末の二次粒子径を事前に調整していない場合には、ボールミルなどを用い、所望の二次粒子径となるまで粉砕混合してもよい。
(2) 電解質グリーンシート製造工程
次に、スラリーをシート状に成形した後に乾燥することにより電解質グリーンシートを得る。
スラリーをシート状に成形する方法は特に制限されず、ドクターブレード法や押出成形法などの常法を用いればよい。そして例えば、先ず、シート状に成形したスラリーを乾燥することにより長尺の電解質グリーンテープとする。
乾燥の条件は、使用した溶媒の種類などに応じて適宜調整すればよいが、通常は40℃以上、より好ましくは80℃以上で、150℃以下程度とする。乾燥は一定温度で行ってもよいし、50℃、80℃、120℃の様に順次連続的に昇温して加熱乾燥してもよい。
電解質グリーンテープの厚さは適宜調整すればよいが、所望の電解質シートの厚さを考慮して、40μm以上500μm以下が好適である。
次いで、電解質グリーンテープを任意の方法で適当な大きさに打抜き若しくは切断加工することによって電解質グリーンシートとしてもよい。電解質グリーンシートの好適な大きさは、正方形の場合は50mm角以上400mm角以下、円形の場合は50mmφ以上400mmφ以下である。
電解質グリーンシートの特性としては、スタンパを押圧する際の温度における引張試験での引張破壊伸び率が20%以上であることが好ましく、より好ましくは25%以上、さらに好ましくは30%以上であり、500%以下が好ましく、より好ましくは400%以下、さらに好ましくは300%以下である。また、スタンパを押圧する際の温度における引張試験での引張降伏強さが1.96MPa(20kgf/cm2)以上であることが好ましく、より好ましくは2.45MPa(25kgf/cm2)以上であり、19.6MPa(200kgf/cm2)以下が好ましく、より好ましくは17.6MPa(180kgf/cm2)以下、さらに好ましくは14.7MPa(150kgf/cm2)である。ここで、引張破壊伸びとは、試験片が破断した瞬間における引張応力に対応する伸びのことである。引張降伏強さとは、試験片を引張荷重で引っ張ったときの荷重−伸び曲線上で、荷重の増加無しに伸びの増加が認められる最初の点における引張応力、即ち試験片に加えられた引張り荷重を、試験片標線間内の元の断面積で除した値である。
また、電解質グリーンシートの特性としては、23℃の温度における引張試験時での最大応力が3.0MPa以上が好ましく、より好ましくは4.0MPa以上、さらに好ましくは5.0MPa以上であり、20.0MPa以下が好ましく、より好ましくは18.0MPa以下、さらに好ましくは15.0MPa以下である。また、23℃の温度における最大応力負荷時の伸び率が、5.0%以上が好ましく、より好ましくは7.0%以上、さらに好ましくは10.0%以上であり、30.0%未満が好ましく、より好ましくは25.0%以下、さらに好ましくは20.0%以下である。
最大応力と最大応力負荷時の伸び率を測定するには、先ず、引張試験機などを用いてグリーンシート試料に引張応力を与え、当該応力と歪みを測定することによりSSカーブを測定する。なお、SSカーブとは、応力(Stress)歪み(Strain)との関係をグラフにしたものである。次いで、得られたSSカーブより、グリーンシート試料が破断するまでに負荷される最大の応力を最大応力、最大応力が負荷される点におけるグリーンシート試料の伸び率を最大応力負荷時の伸び率として求める。
上記物性のグリーンシートを製造するためには、上記バインダーとして、数平均分子量が50,000以上200,000以下、ガラス転移温度が−30℃以上10℃以下である(メタ)アクリレート系共重合体を用いることが特に好ましい。また、バインダーとしての当該共重合体の含有量を、固形分換算で、上記電解質シート材料100質量部に対して12質量部以上30質量部以下とすることが好ましい。
(3) 表面修飾電解質グリーンシートの製造工程
次に、例えば図2に示すように、電解質グリーンシートの片面または両面に、当該電解質グリーンシートに形成すべき陥没および/または凸起に対応する凸起および/または陥没を有するスタンパを、32秒間以上300秒間以下押圧することにより、上記陥没および/または凸起が形成された表面修飾電解質グリーンシートを得る。
本工程で用いるスタンパは、電解質グリーンシートの表面に所望の上記陥没および/または凸起を形成するための凸起および/または陥没を表面に有し、電解質シートに押圧することによりその表面に所定の陥没および/凸起を形成することができる。
本発明に係るスタンパは、2以上の陥没および/または凸起を有し、上記陥没および凸起の基底面形状が、円形、楕円形、または頂点部の形状が曲率半径0.1μm以上の曲線である角丸多角形であり、および/または、その立体形状が、半球形、半楕円球形、または頂点および稜の断面形状が曲率半径0.1μm以上の曲線である多面体であり、上記陥没および凸起の基底面の平均円相当径が0.8μm以上380μm以下であり、上記陥没の平均深さおよび上記凸起の平均高さが1.1μm以上186μm以下である。
スタンパにおける陥没および凸起の数、スタンパを規定する文言の定義や好適な態様などは、電解質シートに関する上記説明と同様にすることができる。
スタンパにおける凸起および陥没の基底面の円相当径は、0.8μm以上380μm以下であり、好ましくは8μm以上、より好ましくは25μm以上であり、また、好ましくは320μm以下、より好ましくは240μm以下である。上記円相当径が上記範囲内であれば、基底面形状が所望の平均円相当径を有する陥没または凸起を電解質シートに容易に形成することができる。なお、凸起および陥没は、異なる円相当径を有するものを複数種類有していてもよいが、全ての凸起および陥没の円相当径が同じであることが好ましい。
スタンパにおける上記凸起の高さおよび上記陥没の深さは、1.1μm以上が好ましく、より好ましくは4μm以上、さらに好ましくは11μm以上であり、186μm以下が好ましく、より好ましくは150μm以下、さらに好ましくは110μm以下である。上記凸起の高さおよび上記陥没の深さが上記範囲内であれば、電解質シートに所望の深さまたは高さを有する陥没または凸起を容易に形成することができる。なお、凸起または陥没は、異なる高さまたは深さを有するものを複数種類有していてもよいが、全ての凸起または陥没の高さまたは深さが同じであることが好ましい。
上記スタンパの凸起頂点の間隔、即ち隣接する2つの凸起頂点の間隔、または陥没の最低点の間隔、即ち隣接する2つの陥没の最低点の間隔は、一定であっても不定であってもよいが、一定間隔であることが好ましい。上記間隔は陥没または凸起の平均円相当径を考慮し、各陥没または凸起が重ならないようにすることが好ましい。そのため、上記間隔と陥没または凸起の平均円相当径との差(間隔−平均円相当径)が、0.2μm以上が好ましく、より好ましくは1.0μm以上であり、50μm以下が好ましく、より好ましくは30μm以下である。さらに、凸起または陥没の基底面付近には、径方向外方に向けてテーパーが設けられている方が、離型性に優れるので好ましい。
スタンパに凸起または陥没を形成する方法としては、金属製材料または樹脂製材料に凸起または陥没を形成することができれば何れの方法であってもよいが、好ましくは光学式情報記録媒体である光ディスクや光磁気ディスクの製造に用いられる微細パターンを転写するスタンパの製法がそのまま応用できる。即ち、光ディスクなどの作製に用いられるフォトリソグラフィーと電鋳技術によって容易に作製できる。スタンパの材質は金属製もしくは樹脂製のものが好ましい。また金属製材料と樹脂製材料との組合せ、もしくは同一材料から構成されていてもよい。また、図2のとおり、スタンパ3は、基板部3Aと、凸起および/または陥没が形成された押圧部3Bとから構成されるものであってもよい。この場合、基板部と押圧部は、異なる材料であってもよいし、同一材料から構成されていてもよい。
金属製材料としては、超硬タングステン、ステンレス鋼、ステライト、ニッケル系金属、ニッケル系合金、特殊鋼、超硬合金等の金属材料を挙げることができる。また、樹脂製材料としては、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミドなどのエンジニアリングプラスチックや、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビエーテル共重合体などのフッ素樹脂を挙げることができる。これらの中でも、フォトリソグラフィーと電鋳技術によってスタンパを作製する場合には、ニッケル系金属が好適である。特に、スタンパを基板部と押圧部から構成する場合、押圧部は陥没孔形成後のグリーンシートからの型を剥離する際の離型性に優れたフッ素樹脂が好適である。また、押圧部に金属製材料を用いる場合は、当該グリーンシートから金属製型の剥離性をよくするために、押圧部を上記フッ素樹脂で表面処理することが好ましい。
上記スタンパを電解質グリーンシートに押圧する方法は、特に限定されず、公知のプレス機に取り付けたスタンパを電解質グリーンシートに押圧すればよい。具体的には、電解質グリーンシートを2枚のスタンパの間に挟み、あるいは、電解質グリーンシートをスタンパの上に載置し、これらをプレス機の下側ステージに載置して、上側ステージから加圧することによって陥没および/または凸起を形成する。この時、電解質グリーンシートに形成される陥没の深さ、円相当径や凸起の高さ、円相当径は、押圧力、押圧時間、押圧温度やグリーンシート温度などにより調節することができる。即ち、押圧力が高いほど、押圧時間が長いほど、押圧温度が高いほど、グリーンシートの陥没および/または凸起を容易に形成することが出来る。
スタンパを押圧する押圧力は1.96MPa(20kgf/cm2)以上が好ましく、より好ましくは2.94MPa(30kgf/cm2)以上、さらに好ましくは9.81MPa(100kgf/cm2)以上であり、49.0MPa(500kgf/cm2)以下が好ましく、より好ましくは39.2MPa(400kgf/cm2)以下、さらに好ましくは29.4MPa(300kgf/cm2)以下である。上記押圧力が1.96MPa以上、押圧時間が0.5秒間以上であれば、電解質グリーンシートに陥没等を十分形成することができる。また、上記押圧力が49.0MPa以下、合計押圧時間が300秒間以下であればエネルギーや時間の無駄が少なく、押圧処理後に陥没および/または凸起が形成された電解質グリーンシートをスタンパから剥離できないという問題が生じ難い。さらに、かかる範囲で押圧処理を行なえば、それぞれ押圧力または押圧時間に応じて得られるグリーンシートの粗度を調節し易くなるという利点もある。なお、凸起を有するスタンパを押圧する際は、図2に示すように、凸起のみが電解質グリーンシートに押圧されるようにすることが好ましい。
本発明においては、スタンパの押圧時間を32秒間以上300秒間以下とする。当該時間が32秒間以上であれば、おそらく電解質グリーンシートに形成される陥没または凸起の均一度がより一層高まる結果、電解質シートのワイブル係数が高まると考えられる。一方、当該押圧時間が長過ぎると電解質シートの製造効率が低下するおそれがあり得るため、当該押圧時間としては300秒間以下が好ましい。当該押圧時間としては、35秒間以上がより好ましく、40秒間以上がさらに好ましく、また、240秒間以下がより好ましく、180秒間以下がさらに好ましく、150秒間以下が特に好ましい。なお、電解質グリーンシートに形成される陥没または凸起の均一度を特に高めるために、例えば、スタンパの押圧時にグリーンシートを90°ずつ4回回転させながら、計4回押圧することが有効である。この場合、スタンパの押圧時間は、それぞれの回転方向での押圧時間の合計時間である。
また、スタンパを押圧する際の電解質グリーンシート温度が高くなるほどグリーンシートの柔軟性が増し、陥没および/または凸起が型どおりの形状に転写され易くなる。しかし温度制御による粗度の調節は、温度の制御手段が必要となるだけでなく、温度を上げ過ぎるとスタンパがグリーンシートに接着されて、押圧後にグリーンシートからスタンパを剥離し難くなるなど、制御が難しい場合がある。よって、押圧時における電解質シートの温度は20℃以上が好ましく、より好ましくは30℃以上であり、80℃以下が好ましく、より好ましくは60℃以下である。
電解質グリーンシートをスタンパで挟んだものを、さらにアクリル板、木板、金属板などで挟み、これを積み重ねることによって、多数の電解質グリーンシートを同時に複数押圧処理することもできる。なお、使用するプレス機の種類は特に制限が無く、1軸、2軸、4軸などのプレス機が使用されるが、4軸プレス機がグリーンシートに均一な押圧力がかかりやすく好ましい。
押圧処理後は、スタンパからの電解質グリーンシートの剥離を、好適には3時間以内、より好ましくは1時間以内、さらに好ましくは10分以内に行なう。必要以上に放置すると、剥離できなくなる場合がある。
(4) 焼成工程
次に、上記のようにして得られた陥没および/または凸起が形成された表面修飾電解質グリーンシートを焼成することにより、本発明に係る電解質シートとすることができる。
具体的な焼成の条件は特に制限されず、常法によればよい。例えば、電解質グリーンシートからバインダーや可塑剤などの有機成分を除去するために150℃以上600℃以下、好ましくは250℃以上500℃以下で、5時間以上80時間以下程度処理する。次いで、1000℃以上1600℃以下、好ましくは1200℃以上1500℃以下で、2時間以上10時間以下保持焼成することによって、陥没および/または凸起が形成された電解質シートを得る。
3.SOFC用単セル
次いで、SOFC用単セルについて説明する。本発明のSOFC用単セルは、上記の本発明に係る電解質シートを固体電解質として含むことを特徴とする。
本発明の電解質シートは、その表面に所定の大きさや形状を有する陥没および/または凸起が形成されている。従って、本発明の電解質シートをSOFC単セルの電解質膜とした場合、電極との接触面積が大きいことから効率的な発電が可能になり、また、電極との密着性が高いことから長期にわたる安定的な発電が可能になる。さらに、クラック発生の起点と成る箇所が少ないことから、シート強度とそのワイブル係数も高まり、電解質シートの信頼性が向上する。
本発明のSOFC用単セルは、電解質シートの一方の面に燃料極を形成し、他方の面に空気極をスクリーン印刷などで形成することで得られる。ここで、燃料極と空気極の形成の順序は特に制限されないが、必要焼成温度の低い電極を先に電解質シート上に製膜して焼成した後、他方の電極を成膜して焼成してもよいし、或いは燃料極、空気極を同時に焼成してもよい。また、電解質シートと空気極との固相反応による高抵抗成分が生成するのを防止するために、電解質シートと空気極との間にバリア層としてのセリア中間層を形成してもよい。この場合は、中間層を形成した面または形成すべき面とは逆の面上に燃料極を形成し、中間層の上に空気極を形成する。ここで、中間層と燃料極の形成の順序は特に制限されず、また、電解質シートの各面にそれぞれ中間層ペーストと燃料極ペーストを塗布乾燥した後に焼結することによって、中間層と燃料極を同時に形成してもよい。
燃料極および空気極の材料、さらには中間層材料、また、これらを形成するためのペーストの塗布方法や乾燥条件、焼成条件などは、従来公知の方法に準じて実施できる。
ここで、SOFCにおいては、電解質を透過した酸素は、三相界面(電解質シート/電極/ガス相)にて電極反応を生じる。従って、電解質シートの表面積を増加させ、電極材料との接点を増加させることにより、燃料電池の電力密度を向上させることができる。そのため、SOFC用電解質シートに陥没を形成し、当該SOFC用電解質シート上に、燃料極および/または空気極を直接形成する場合においては、当該燃料極または空気極を構成する電極粒子のうち、少なくとも1種はその平均粒子径を、上記陥没の平均円相当径の10分の1以下とすることが好ましい。こうすることにより、電解質シートに形成された陥没内に複数の電極粒子が入り込むことができ、電解質シートと電極粒子との接点をより増加させることができる。上記電極粒子の平均粒子径は、上記陥没の平均円相当径の20分の1以下がより好ましく、さらに好ましくは30分の1以下である。
電解質シートに燃料極および空気極と中間層が形成された本発明に係るSOFC用単セルは、電解質と電極または中間層との接触面積が大きいことから耐久性と発電性能に極めて優れる。よって本発明は、性能に優れたSOFCの電解質膜として利用可能な電解質シートを製造できるものとして、燃料電池の実用化に寄与し得るものである。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実施例1
(1) スタンパの製造
清浄な約12cm角のガラス基板の上に、光硬化性のフォトレジストを塗布し、予め用意しておいたフォトマスクでカバーし、露光した。当該フォトマスクとしては、全面に直径30μmの円が、8μm間隔で並んでいるものを用いた。現像後、未硬化のレジストを流し出した後、エッチングしレジストの角を取った。その後、電鋳により厚さ0.3mmのNiメッキ層を形成し、ガラス基板からそのNi板を剥離し、フォトレジストを除去して、スタンパを得た。
(2) 電解質シートの製造
6モル%スカンジウム安定化ジルコニア粉末(第一稀元素社製,商品名「6ScSZ」,比表面積:11m2/g,平均粒子径:0.5μm)(以下、6モル%スカンジウム安定化ジルコニアを「6ScSZ」と記す)100質量部に対して、メタアクリレート系共重合体(数平均分子量:100,000,ガラス転移温度:−8℃,固形分濃度:50質量%)からなるバインダーを固形分換算で17質量部と、可塑剤としてジブチルフタレート3質量部を、トルエン/イソプロパノール(質量比:3/2)の混合溶剤と共にナイロンポットに投入し、60rpmで20時間ミリングして原料スラリーを調製した。このスラリーを減圧脱泡容器へ移し、3.99kPa〜21.3kPa(30Torr〜160Torr)に減圧して濃縮・脱泡し、粘度が2.5Pa・sの塗工用スラリーとした。
得られた塗工用スラリーを塗工装置のスラリーダムに移して、塗工部のドクターブレードによってPETフィルム上に連続的に塗工し、塗工部に続く110℃の乾燥炉に0.15m/分の速度で通過させて溶剤を蒸発させ、乾燥させることにより、厚さ約180μmの長尺6ScSZグリーンテープを成形した。得られたグリーンテープは、23℃における引張試験による引張破壊伸び率が15%であり、且つ、引張降伏強さが13.9MPa(142kgf/cm2)であった。
当該6ScSZグリーンテープを切断して約12cm角グリーンシートとし、これを加熱テーブルの上に載置し、その上にスタンパNo.1を重ねて積層体とした。この積層体を圧縮成形機(神藤金属工業所製,型式「S−37.5」)のプレス部に載置し、押圧力22.5MPa(230kgf/cm2)、押圧時間35秒間、押圧温度23℃の条件で加圧した。スタンパをグリーンシートから剥離して、陥没孔が形成された6ScSZグリーンシートを得た。
このグリーンシートを1400℃で3時間焼成することにより、10cm角、厚さ160μmで、陥没を有する6ScSZ電解質シートを得た。
比較例1
スタンパの押圧時間を0.3秒間、押圧温度を90℃にした以外は上記実施例1と同様にして全面に陥没が形成された6ScSZグリーンシートを得た。
比較例2
スタンパの押圧時間を360秒間、押圧温度を12℃にした以外は上記実施例1と同様にして全面に陥没が形成された6ScSZグリーンシートを得た。
試験例1: 曲げ強度測定とワイブル係数の算出
上記実施例1および比較例1,2で得られた10cm角の6ScSZ電解質シート10枚について、JIS R−1601に準拠して、下部支点間距離80mm、上部支点間距離60mmとなるようにして4点曲げ強度を測定した。その平均値を曲げ強度とし、その強度結果からワイブル係数を算出した。結果を表1に示す。
表1に示す結果のとおり、比較例1,2の電解質シートの陥没の立体形状はほぼ半球状であったが、陥没の最低点付近にフクレやクラックが認められるシートがあり、陥没の平均深さのばらつきが0.17以上であった。その結果、4点曲げ強度が低くワイブル係数も10以下と低かった。それに対して本発明に係る電解質シート(実施例1)は、陥没の立体形状が半球状で、陥没の平均深さのばらつきが0.13と小さかった。その結果、4点曲げ強度が強くワイブル係数も14以上と高かった。
1:電解質シート, 1A:電解質シート周端部, 2:陥没, 3:スタンパ, 3A:基底部, 3B:押圧部, 4:電解質グリーンシート

Claims (4)

  1. 少なくとも片面に2以上の陥没および/または凸起を有し、
    上記陥没および凸起の基底面形状が、円形、楕円形、または頂点部の形状が曲率半径0.1μm以上の曲線である角丸多角形であり、および/または、その立体形状が、半球形、半楕円球形、または頂点および稜の断面形状が曲率半径0.1μm以上の曲線である多面体であり、
    上記陥没および凸起の基底面の平均円相当径が0.5μm以上250μm以下であり、
    上記陥没の平均深さおよび上記凸起の平均高さが0.3μm以上50μm以下であり、
    平均厚さが30μm以上400μm以下であり、且つ、
    曲げ強度のワイブル係数が13.0以上であることを特徴とする固体酸化物形燃料電池用電解質シート。
  2. 上記陥没の平均深さのばらつき値および上記凸起の平均高さのばらつき値が0.14以下である請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池用電解質シート。
  3. 請求項1または2に記載の固体酸化物形燃料電池用電解質シートを含むことを特徴とする固体酸化物形燃料電池用単セル。
  4. 固体酸化物形燃料電池用電解質シートを製造するための方法であって、
    電解質グリーンシートの片面または両面に、請求項1または2に記載の陥没および/または凸起に対応する凸起および/または陥没を有するスタンパを、32秒間以上300秒間以下押圧することにより、請求項1または2に記載の陥没および/または凸起が形成された表面修飾電解質グリーンシートを得る工程、および、
    上記表面修飾電解質グリーンシートを焼成する工程を含むことを特徴とする方法。
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