[第1実施形態]
以下、本発明を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
(携帯型情報コード表示装置の概要)
まず、携帯型情報コード表示装置10の概要について説明する。図1、図2等で示す携帯型情報コード表示装置(以下、単に表示装置ともいう)10は、ユーザによって把持されつつ使用される構成をなしている。この表示装置10は、例えば、ユーザによって携帯されて様々な場所で用いられる携帯型の情報端末として構成されており、バーコードや二次元コードなどの情報コードCを表示又は生成する機能を有している。表示装置10は、携帯電話機、スマートフォン、ウェアラブル端末などの表示器を有する携帯型の情報機器であればよく、表示機能以外の他の機能は特に限定されない。
表示装置10は、例えば、樹脂材料や金属材料などからなる筐体によって外郭が形成されている。また、筐体には、画像を表示可能な表示部12や、外部からの情報入力操作を行うための操作部13(タッチパネル等)などが組み付けられており、これらが一体化した機器構造となっている。なお、図1では、スマートフォンとして構成される表示装置10を例示しており、タッチパネル付きの液晶表示器等として構成される表示部12に表示された情報コードCを読取装置20に読み取らせる様子を簡略的に示している。また、図1では、表示される情報コードCについては、外縁のみを二点鎖線にて概念的に示している。
図2に示すように、表示装置10は、主に、制御回路11、表示部12、操作部13、メモリ14、通信部16、時計部17等から構成されている。なお、これらは、図略のプリント配線板に実装あるいは筐体内に内装されている。
メモリ14は、例えば半導体メモリ装置などの公知の記憶装置によって構成されており、例えばRAM、ROM、その他の不揮発性メモリなどがこれに相当する。このメモリ14のうちのRAMには、制御回路11が算術演算や論理演算等の各処理時に利用する作業領域等が確保可能に構成されている。またROMには、後述する情報コードCの生成処理等を実行可能な所定プログラムやその他、表示部12等の各ハードウェアを制御可能なシステムプログラム等が予め格納されている。
制御回路11は、表示装置10を全体的に制御可能なマイコンなどによって構成され、CPU、システムバス、入出力インタフェース等からなり、情報処理機能を有している。この制御回路11には、内蔵された入出力インタフェースを介して種々の入出力装置(周辺装置)が接続されており、本構成の場合、表示部12、操作部13、メモリ14、通信部16、時計部17等が接続されている。なお、制御回路11は、表示制御部の一例に相当し、表示部12でなされる表示を制御可能に構成されている。
操作部13は、ファンクションキー、テンキーなどの操作スイッチ、或いはタッチパネル等により構成され、例えば、表示装置10のユーザが操作部13を操作したときに、制御回路11に対して操作内容に応じた操作信号を与える構成となっている。通信部16は、例えば公知の通信方式(無線LAN通信、赤外線通信、ブルートゥース通信など)によって外部装置と通信を行うように構成されている。時計部17は、公知の時計回路などによって構成され、制御回路11と通信可能に接続されている。そして、時計部17は、時刻や、所定の時点(例えば、操作部13を操作した時点)からの経過時間を計測するように機能する。
表示部12は、画像を表示する表示部の一例に相当し、液晶表示器や有機ELディスプレイなどの公知の表示装置によって構成され、制御回路11による情報処理結果や表示装置10の動作状態などの各種情報を表示し得る構成となっている。なお、以下の説明では、表示部12が、バックライトを備えた公知の液晶表示器として構成される例を代表例として説明する。
表示部12は、制御回路11によって生成された情報コードCを表示するように機能する。なお、表示部12に表示される情報コードCは、QRコード(登録商標)、データマトリックスコード、マキシコード、その他の二次元コードなどであってもよく、バーコード等の一次元コードであってもよい。
(情報コード読取装置)
次に、情報コード読取装置20について説明する。図1、図3等に示す情報コード読取装置(以下、単に読取装置ともいう)20は、ハードウェア的には情報コードを読取可能なコードリーダとして構成されており、ケースによって外郭が構成され、このケース内に各種電子部品が収容された構成をなしている。そして、この読取装置20は、表示装置10に表示されるバーコードや二次元コードなどの情報コードを読み取る機能を有している。なお、図1等では、机などに載置して使用可能な据置型の情報コード読取装置20を例示しているが、携帯型の構成であってもよい。また、他の構造物(机、柱、壁など)に組み付けられて用いられる装置であってもよい。
図3に示すように、読取装置20は、主に、照明光源21、受光センサ23、フィルタ25、結像レンズ27等の光学系と、メモリ35、制御回路40、操作スイッチ42、液晶表示器46等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系と、電源スイッチ41、電池49等の電源系と、から構成されている。なお、これらは、図略のプリント配線板に実装あるいはケース(図示略)内に内装されている。
光学系は、照明光源21、受光センサ23、フィルタ25、結像レンズ27等から構成されている。照明光源21は、照明光Lfを発光可能な照明光源として機能するもので、例えば、赤色のLEDとこのLEDの出射側に設けられる拡散レンズ、集光レンズ等とから構成されている。本構成では、受光センサ23を挟んだ両側に照明光源21が設けられており、ケースに形成された読取口(図示略)を介して読取対象物R(例えば上述した表示装置10)に向けて照明光Lfを照射可能に構成されている。
受光センサ23は、読取対象物Rや情報コードCからの光(例えば照明光Lfがこれらに照射されて反射した反射光Lr)を受光可能に構成されるもので、例えば、C−MOSやCCD等の固体撮像素子である受光素子を2次元に配列したエリアセンサが、これに相当する。この受光センサ23は、結像レンズ27を介して入射する入射光を受光面23aで受光するように図略のプリント配線板に実装されている。
フィルタ25は、反射光Lrの波長相当以下の光の通過を許容し、当該波長相当を超える光の通過を遮断し得る光学的なローパスフィルタで、ケースに形成された読取口(図示略)と結像レンズ27との間に設けられている。これにより、反射光Lrの波長相当を超える不要な光が受光センサ23に入射することを抑制している。また、結像レンズ27は、例えば、鏡筒とこの鏡筒内に収容される複数の集光レンズとによって構成されており、本実施形態では、ケースに形成された読取口(図示略)に入射する反射光Lrを集光し、受光センサ23の受光面23aに情報コードCのコード画像を結像するように機能する。
なお、ここでは、光学系の一例を示したが、液晶表示器などからなる表示部12で表示された情報コードCを撮像し得る公知の構成であれば、その他の様々な構成を採用してもよい。
マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路33、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御回路40、操作スイッチ42、液晶表示器46、通信インタフェース48等から構成されている。このマイコン系は、マイコン(情報処理装置)として機能し得る制御回路40及びメモリ35を中心として構成され、前述した光学系によって撮像された情報コードCの画像信号をハードウェア的およびソフトウェア的に信号処理し得るものである。
光学系の受光センサ23から出力される画像信号(アナログ信号)は、増幅回路31に入力され、所定ゲインで増幅された後、A/D変換回路33に入力され、アナログ信号からディジタル信号に変換される。そして、ディジタル化された画像信号、つまり画像データ(画像情報)は、メモリ35に入力され、当該メモリ35の画像データ蓄積領域に蓄積される。なお、同期信号発生回路38は、受光センサ23およびアドレス発生回路36に対する同期信号を発生可能に構成されており、またアドレス発生回路36は、この同期信号発生回路38から供給される同期信号に基づいて、メモリ35に格納される画像データの格納アドレスを発生可能に構成されている。
メモリ35は、例えば半導体メモリ装置などの公知の記憶装置によって構成されており、例えばRAM、ROM、その他の不揮発性メモリなどがこれに相当する。このメモリ35のうちのRAMには、前述した画像データ蓄積領域のほかに、制御回路40が算術演算や論理演算等の各処理時に利用する作業領域や読取条件テーブルも確保可能に構成されている。またROMには、読取処理等を実行可能な所定プログラムやその他、照明光源21、受光センサ23等の各ハードウェアを制御可能なシステムプログラム等が予め格納されている。
制御回路40は、例えば、読取装置20を全体的に制御可能なマイコンによって構成され、CPU、システムバス、入出力インタフェース等からなり、情報処理機能を有している。この制御回路40には、内蔵された入出力インタフェースを介して種々の入出力装置(周辺装置)が接続されており、本実施形態の場合、電源スイッチ41、操作スイッチ42、液晶表示器46、通信インタフェース48等が接続されている。また、通信インタフェース48には、読取装置20の上位システムに相当するホストコンピュータHSTなどを接続できるようになっている。
電源系は、電源スイッチ41、電池49等により構成されており、制御回路40により管理される電源スイッチ41のオンオフによって、上述した各装置や各回路に、電池49から供給される駆動電圧の導通や遮断が制御されている。電池49は、所定の直流電圧を発生可能な2次電池で、例えば、リチウムイオン電池等がこれに相当する。なお、図3では、電池49からの電力供給を受ける構成を例示したが、据置型の構成であれば、外部の商用電源から電力供給を受ける構成となっていてもよい。
(表示制御)
次に、表示装置10で行われる表示制御について説明する。
表示装置10では、内在する情報コード生成プログラムによって図4のような情報コードCを生成し、表示部12の表示領域12aに表示することができるようになっている。この情報コード生成プログラムは、携帯端末で用いられる公知の様々な生成プログラムを用いることができ、例えば、電子マネー決済やクレジットカード決済などの決済用のアプリケーションプログラムとして構成されていてもよく、情報伝達用のアプリケーションプログラムとして構成されていてもよい。そして、このようなプログラムで表示される情報コードCは、決済用の情報コード(電子マネー機能やクレジットカード機能を実現するための情報コード、決済用のIDなどが記録された情報コードなど)などであってもよく、個人情報伝達用の情報コード(メールアドレスや電話番号などの個人情報が記録された情報コード等)などであってもよい。或いは、その他の種類の情報コードであってもよい。
本構成では、例えば、ユーザが表示装置10の操作部13に対して所定の指示操作を行うことで、上述した情報コード生成プログラムが起動し、このプログラムによって図4のような情報コードCが生成されると共に、表示部12の表示領域12aに表示される。なお、図4では、表示を省略しているが、情報コードCの表示と共に、メッセージ情報などを表示してもよい。メッセージ情報としては、「この情報コードを決済端末にかざしてください」といった、読み取り操作を促すメッセージなどであってもよく、「この情報コードは、山田一郎さんの情報コードです」といった、情報コードに記録される情報を特定する情報を示すメッセージ情報などであってもよい。或いは、「この情報コードの表示を拡大してください」といった、表示の拡大を促すメッセージなどであってもよい。
図4のように情報コードが表示された後には、自動的に、或いは所定の開始条件が成立することに応じて図5のような表示更新処理が行われる。この処理では、まず、図4のように生成されたデフォルトサイズの情報コードCを認識し、コード領域内での1セルの大きさ、又は特徴パターンの大きさ、若しくはそれらの両方を把握する(S101)。更に、生成された情報コードC(図4の例ではQRコード(登録商標))の全体の大きさを認識する(S102)。なお、S101の処理では、例えばデフォルトサイズの情報コードCにおいて1セルの大きさが何画素分に相当するかを把握すればよい。また、S102の処理では、生成されたデフォルトサイズの情報コードCの横幅が何画素分に相当するかを把握すればよい。
S102の後には、画像表示領域の画素数(具体的には、横方向の画素数)と、デフォルトサイズの情報コードCの横幅の画素数と、デフォルトサイズの情報コードCの1セル分の画素数とに基づき、デフォルトサイズより大きいサイズであって、且つ、表示領域12a内に収まる表示サイズ(所定の最大サイズ)を計算する(S103)。そして、図6のように、情報コードCの表示を、S103で算出されたサイズに変更しつつ表示領域12a内に収めた形で表示し直す(S104)。
本構成では、図4、図6、図7等で示すように、情報コードCは、複数のセル(明色セル及び暗色セル)がマトリックス状に配列され且つ3つの角部に固定形状の位置検出パターン(特定パターン)が配置されたものとなっている。一方、表示部12は、表示領域12aの外縁部が矩形状(Y軸方向に長い長方形状)に構成されたものとなっている。そして、図7で示すように、S103で算出される「所定の最大サイズ」(以下、単に最大サイズともいう)は、表示領域12aの外縁部のいずれか一の辺12bと情報コードCの一の端部Cbとの幅がセルの幅dとなり、表示領域12aの外縁部における一の辺12bとは反対側の他の辺12cと情報コードCにおける一の端部Cbとは反対側の他の端部Ccとの幅がセルの幅dとなる大きさとなっている。
S103では、図7で示す最大サイズを特定するために、デフォルトサイズでのコード横幅及び1セル幅と、表示領域12aの横幅とを把握し、図7、図8のような関係となるような「最大サイズ」を計算している。具体的には、図7、図8のような関係となる拡大率(デフォルトサイズから最大サイズに拡大する率)をαとし、デフォルトサイズでのコード横幅をD1とし、デフォルトサイズでのセル横幅をd1とし、表示領域12aの横幅をWとすると、D=D1×αであり、d=d1×αであり、W=D+2×d=(D1×α+d1×α×2)となるため、このような関係を満たすαを求めている。そして、このような拡大率αを乗じて拡大された幅D(=D1×α)を最大サイズとしている。なお、デフォルトサイズでの1セル分の幅を求める場合、3つ存在する位置検出パターンの横幅d2を認識し、この横幅d2を1/7にした値を1セル分の横幅として認識してもよい。また、ここでは、最大サイズにおいて、幅dだけのマージン領域を設けているが、マージン領域の幅はセル幅よりも小さくしてもよく、セル幅よりも大きい幅(例えば4セル分の幅)としてもよい。
本構成では、制御回路11及び操作部13が操作認識部の一例に相当し、携帯型情報コード表示装置10に対してなされた操作を認識するように機能する。そして、表示制御部として機能する制御回路11は、操作認識部が所定操作を認識した場合に、情報コードCを、表示部12の表示領域12a内に収まるように予め定められた所定の最大サイズ(図6、図7)で表示部12に表示させるように機能する。
なお、上述した例では、情報コードCを表示する操作を行ったときに自動的に図5の処理を実行し、図6のように最大サイズの情報コードCを表示していたが、情報コードCを表示する操作を行ったときに図4のようなデフォルトサイズの情報コードCを表示し、このような状態で、例えば、図9のようにユーザによって表示の拡大を指示する操作がなされたことを「所定の開始条件」として、図5のような処理を行うようにしてもよい。なお、図9の拡大指示操作は、タッチパネルとして構成される表示部12の外面に接触した2本の指を、それぞれの接触状態を維持しながら広げることで、その接触部分の間の場所を拡大表示(ピンチアウト)する操作であり、いわゆるピンチ操作である。
この例では図9で示すサイズ拡大操作が「所定操作」に該当し、表示制御部に相当する制御回路11は、図4のように情報コードCが表示部12において最大サイズよりも小さいサイズで表示されている場合において、操作認識部により所定のサイズ拡大操作が認識された場合に、情報コードCを最大サイズで表示部12に表示させるように機能する。
また、情報コードCを表示する操作を行ったときに図4のようなデフォルトサイズの情報コードCを表示し、このような状態で、情報コードCの少なくとも一部が表示部12の表示画面から外れることになる指示操作がなされた場合に、図5のような処理を行うようにしてもよい。具体的には、例えば、図10のような操作(情報コードCを最大サイズよりも大きくする指示操作)がなされ、このような操作が制御回路11によって認識された場合に、図5の処理を実行し、図6のように情報コードCを最大サイズで表示部12に表示してもよい。
また、操作認識部が所定操作を認識することに応じて図7のように情報コードCを表示部12にて最大サイズで表示させた場合、「所定の解除条件」が成立するまでの間、図7のように情報コードCが最大サイズで表示された状態からの表示変更を禁止するようにしてもよい。なお、「所定の解除条件」としては、例えば、「最大サイズでの表示開始から所定時間経過したこと」「トリガスイッチなどの所定ボタンが押されたこと」「タッチパネルに対し所定の解除(タップ操作等)がなされたこと」などが挙げられる。
(本構成の主な効果)
本構成において、操作認識部に相当する制御回路11は、所定操作を認識した場合に、情報コードCを「所定の最大サイズ」(表示部12の表示領域12a内に収まるように予め定められた大きなサイズ)で表示部12に表示させる制御を行う構成となっている。このように構成されているため、ユーザは、「所定操作」を行うことで表示部12の表示領域12a内に収まる「所定の最大サイズ」の情報コードCを表示することができ、このように表示された情報コードCを読取装置20に認識させれば、読取装置20において、情報コードCを構成する各セルの状態がより迅速に且つより正確に評価されやすくなる。ゆえに、読み取りの迅速性、正確性をより確実に高めることができ、読み取りフィーリングの向上を図り易くなる。
また、表示制御部は、操作認識部に相当する制御回路11が所定操作を認識した場合に、図5のように、表示領域12aの外縁部のいずれかの端部側に情報コードCの一端部を寄せて配置し、表示領域12aの外縁部におけるいずれかの端部とは反対側の端部側に情報コードCの他端部を寄せて配置し、表示領域12aのいずれかの端部と情報コードCの一端部との間及び表示領域12aの反対側の端部と情報コードCの他端部との間を所定色(例えば、白色、黄色等の明色)のマージン領域として埋めた形で表示する。この構成では、情報コードCの両端部を、それに近接する表示領域12aの各端部に寄せるように情報コードCを拡大し、それぞれの間を所定色のマージン領域で埋め、これらの間にマージン領域以外の図形、記号、模様などを表示しないようにしている。つまり、表示領域12aの両端間を、拡大された情報コードCとマージン領域とによって目一杯使用することができ、より大きなサイズの情報コードCを、読み取りの正確性を高める構造に絞って効率的に表示領域12a内に収めることができる。
また、本構成では、情報コードCは、複数のセルがマトリックス状に配列されたものとなっており、表示部12は、表示領域12aの外縁部が矩形状に構成されたものとなっている。そして、図5のように、情報コードCの上記「最大サイズ」は、表示領域12aの外縁部のいずれか一の辺12bと情報コードCの一の端部Cbとの幅がセルの幅dとなり、表示領域12aの外縁部における一の辺とは反対側の他の辺12cと情報コードCにおける一の端部とは反対側の他の端部Ccとの幅がセルの幅dとなる大きさとなっている。この構成では、情報コードCの両端部を表示領域12aの両端部に寄せるように情報コードCを大きく配置したときに、情報コードCの両端部を、マージンとして認識しうる最小限の幅を残す程度に極限まで広げているため、情報コードC及びこれを構成する各セルがより大きいサイズで表示されることになる。ゆえに、読取装置20側では、表示された情報コードCをより確実に且つより迅速に読み取りやすくなる。
また、本構成では、図4のように情報コードCが表示部12において最大サイズよりも小さいサイズで表示されている場合において図9等のように所定のサイズ拡大操作がなされ、操作認識部によって当該サイズ拡大操作が認識された場合に、図8のように情報コードCを最大サイズで表示部12に表示させることもできる。この構成では、ユーザが所定の拡大操作を行ったときに、表示部12に表示される情報コードCが最大サイズに達しない中途半端な拡大状態となったり、最大サイズよりも大きくなって表示領域12aからはみ出してしまうような大きすぎる拡大状態になったりせず、より簡単な操作で認識性を最大限に高めうる最大サイズに確実に変更することが可能となる。
また、本構成では、表示制御部は、図4のように情報コードCが表示部12に表示されている場合において、操作認識部により情報コードCを最大サイズよりも大きくする指示操作(図9、図10等)が認識された場合に、図6のように情報コードCを最大サイズで表示部12に表示させることもできる。この構成では、図10のようにユーザによって情報コードCを「最大サイズ」よりも大きくするような指示操作がなされてしまったとしても、表示領域12aに収まる最大限のサイズに自動的に変更して情報コードCを表示可能であるため、ユーザは、情報コードCを表示領域12aに収まるぎりぎりのサイズに合わせるような細かい操作を行わずに済み、「最大サイズ」の情報コードCを表示する上で、ユーザの作業負荷が非常に小さくなる。
また、表示制御部は、情報コードCが表示部12に表示されている場合において、操作認識部により、情報コードCの少なくとも一部が表示部12の表示画面から外れることになる指示操作(図10の操作や、その他の横移動操作など)が認識された場合に、図8のように情報コードCを最大サイズで表示部12に表示させることもできる。この構成では、ユーザによって情報コードCが画面から外れるような指示操作がなされてしまったとしても、表示領域12aに収まる最大限のサイズに自動的に変更して情報コードCを表示可能であるため、ユーザは、サイズ変更操作を行う際に、情報コードCの全てを表示領域12a内に収めるように気を使う必要が無く、ユーザの作業負荷が非常に小さいやり方で、読み取り易い「最大サイズ」の情報コードCを表示させることができる。
更に、本構成では、表示制御部は、セル又は特徴パターンの少なくともいずれかの大きさと、表示部12の表示領域12aの大きさとに基づき、表示部12の表示領域12aに対する情報コードCの相対的な大きさとして最大サイズを決定するようになっている。この構成では、表示すべき情報コードCの具体的な内部構成と、表示領域12aのサイズとを詳細に考慮し、コード構造と表示領域12aとに適した緻密なサイズ設定が可能となる。つまり、最大サイズを決定する際に、余裕をもちすぎて小さめのサイズに設定してしまうといった問題が生じにくくなり、情報コードCをより大きなサイズに広げやすくなる。
また、本構成では、表示制御部は、操作認識部が所定操作を認識することに応じて情報コードCを最大サイズで表示させた場合、所定の解除条件が成立するまでの間、情報コードCが最大サイズで表示された状態からの表示変更を禁止することもできる。この構成では、所定の解除条件が成立するまでは情報コードCを「最大サイズ」での表示状態に固定することができるため、何らかの原因によって小サイズに戻ってしまったり、表示領域12aから外れてしまったりするといった不具合が生じにくくなり、読取性の高い状態を安定的に維持しつつ読み取りを行うことができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態の表示装置10は、ハードウェア構成については第1実施形態と同様であり、更に、図2の構成に加え、図2の制御回路11に接続される形で三軸センサが設けられている。
三軸センサ及び制御回路11は、「方向検出部」の一例に相当し、表示部12が向く方向を検出するように機能する。この三軸センサは、公知の加速度センサなどによって構成され、本構成では表示装置10において互いに直交する所定の三方向のそれぞれの加速度を測定する構成をなしている。具体的には、図4等で示すように、表示装置10の所定の長手方向をY軸方向とし、表示装置10の厚さ方向(長手方向と直交する方向であり、表示部12側の表面とその反対の裏面とが対向する方向)をZ軸方向(図示略)とし、これらY軸方向及びZ軸方向と直交する幅方向をX軸方向としている。また、Z軸方向の一方側(表示部12によって表示する側)がZ軸正側であり、これと反対の他方側がZ軸負側である。具体的には、例えば表示部12を構成する各表示素子を覆う構成で透明板が配置され、その透明板の外面(表面)と直交する方向がZ軸方向となっている。そして、Z軸正側の方向が、「表示部12が向く方向」となっている。なお、三軸の加速度センサによって所定方向の加速度や鉛直方向を特定する技術は公知であるので詳細な省略するが、例えば、特開2003−302419号公報、特開2007−325722号公報などに示される方法のほか、公知の様々な方法を用いることができる。このような構成により、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の加速度がそれぞれどの程度であるかを測定することができ、例えば、表示装置10においてどの向きが鉛直方向であるかを特定できるようになっている。
第2実施形態の表示装置10では、例えば、電源投入後に図11のようなデフォルト画面が表示されるようになっており、このデフォルト画面では、様々なアプリケーションプログラムを起動するためのアイコンが表示されるようになっている。表示装置10では、例えば、図11のようなデフォルト画面に表示されたいずれかのアイコンを選択する操作(例えば、当該アイコンにタッチする操作)を行ったときにこのアイコンに対応するアプリケーションプログラムが起動され、実行されるようになっている。アプリケーションプログラムとしては、電話、音楽再生、動画再生、電子メール、時計表示、写真撮影、ブラウザ、電子マネー決済などの機能を実現する各プログラムが存在し、図11で示すデフォルト画面ではそれぞれのプログラムに対応するアイコンが表示されている。
例えば、図11で示すデフォルト画面に表示されたアイコンのうち、ブラウザに対応するアイコンを選択すると、ブラウザのプログラムが起動し、図12のようにインターネット上のサイトを表示することができるようになっている。なお、表示の例はこの例に限られず、例えば、時計のプログラムに対応するアイコンを選択すれば、時計のプログラムが起動し、時計の画面が表示される。或いは、電話のプログラムに対応するアイコンを選択すれば、電話のプログラムが起動し、電話をかけるための画面などが表示されるようになっている。
一方、表示装置10の起動中には、図11で示すデフォルト画面の表示制御や、図12のようなアプリケーションプログラムによる表示制御などと並行して、図16のような処理を行うプログラムが実行されるようになっている。図16の処理は、例えば電源投入後、或いは、S4の処理完了後に実行されるようになっており、処理開始に伴い、表示装置10の向きの検出を行い、表示部12の向く方向が「所定の向き」であるか否かを判断する(S1)。このS1の処理では、三軸センサによって表示部12が鉛直下方又は鉛直斜め下方を向いた状態が検出されたか否か判断している。
本構成では、図13のように、三軸センサにより、X、Y、Z軸方向の各加速度αx、αy、αzを継続的に検出しており、これら各加速度αx、αy、αzを合成して表示装置10に加わる加速度αsの向きを継続的に特定できるようになっている。そして、所定の短時間毎に行われるS1の処理では、S1の処理時点での、合成した加速度αsとZ軸正方向とのなす角度θを求め、その角度θが、一定時間(上述した他の画像P2、P3の表示継続時間よりも短い時間であり、例えば、0.1秒、或いは0.01秒)以上の間、0°以上且つ所定の閾値θα(例えば20°)以下となったか否かを判断している。つまり、合成加速度αsの方向と、Z軸正方向とのなす角度θが0°以上閾値θα以下となるような場合、重力加速度の向きとZ軸正方向の向きとが近い関係にあると推定され、表示部12が下向き又は斜め下向きになっている可能性が高いため、S2ではこのような状態を検出しているのである。なお、本構成では、合成加速度αsとZ軸正方向とのなす角度θが「表示部12(表示部)が向く方向を示す値」であり、「角度θが0°以上閾値θα以下となるような場合」が、「方向検出部によって検出される表示部12(表示部)の方向が「所定の向き」となった場合」である。また、「角度θが0°以上閾値θα以下となるときに表示部12が向く方向」が「所定の向き」である。
そして、S1において表示部12の向く方向が「所定の向き」であることが検出された場合(即ち、一定時間以上の間、上記角度θが0°以上且つ所定の閾値θα以下となったことが検出された場合)、表示部12での表示を、予定された情報コードCの画像(図14、図15等)に切り替え、情報コードC(図14、図15の例ではQRコード(登録商標))の画像を表示した状態で表示を固定する(S2)。そして、S2での情報コードCの表示は、第1実施形態と同様の方法にて「所定の最大サイズ」で表示している。
なお、上述した「一定時間以上の間、上記角度θが0°以上且つ所定の閾値θα以下となったことが検出された場合」が、「表示部12(表示部)が鉛直下方又は鉛直斜め下方を向いた状態が検出された場合」に相当する。
このように、本構成では、図14のように、ユーザが表示装置10を読取装置20に翳すことによって表示部12が鉛直下方又は鉛直斜め下方を向いた状態となった場合には、一定時間以上の間、上記角度θが0°以上且つ所定の閾値θα以下となるため、S1でYesに進み、図11のようなデフォルト画面の表示や図12のようなアプリケーションプログラムの表示に割り込んで、図15のような情報コードCの画像を連続的に表示するのである。一方、図16の処理開始後、表示部12の向きが「所定の向き」ではない間(即ち、「一定時間以上の間、上記角度θが0°以上且つ所定の閾値θα以下となる」といった条件が成立しない間)は、所定の短時間毎に行われるS1の処理においてNoに進み続けることになり、その間は、図11で示すデフォルト画面の表示や、図12のようなアプリケーションプログラムによる表示などが継続することになる。
S2の処理で表示する情報コードCは、例えば、S2の処理の時点から遡って最も近い時期に表示された情報コードを表示してもよく、S2の処理の時点から遡って最も近い時期に生成された情報コードを表示してもよい。或いは、S2の処理で表示するために予め登録されている情報コードを表示するようにしてもよい。なお、このような情報コードが存在しない場合には、図16の処理を行わないようにしてもよい。
そして、S2の処理により、「情報コードCが情報コード読取装置20によって読取可能となる構成で連続的に表示される状態」とした後、所定時間(例えば、5秒)が継続するまでは、その表示制御を継続する。一方、S2の処理により、「情報コードCが情報コード読取装置20によって読取可能となる構成で連続的に表示される状態」とした後、その表示状態で所定時間(例えば、5秒)が経過した場合には、S3にてYesに進み、S4の画面制御処理を行う。このような構成であるため、S1でYesで進んでからS3でYesに進むまでの間に表示部12を読取装置20に翳せば、表示部12に表示された情報コードCを読取装置20によってより確実に読み取ることができる。
なお、本構成では、制御回路11が表示制御部の一例に相当し、方向検出部により表示部12の向きが「所定の向き」であることが検出された場合(S1でYesに進む場合)に、情報コードCが読取可能な状態で表示された状態となるように表示部12を制御し、且つその状態(情報コードCが読取可能の状態で表示された状態)を所定のコード表示解除条件が成立するまで(即ち、S3にてYesに進むまで)の一定時間の間維持する構成となっている。また、本構成では、例えば、S2でYesに進んだ後、一定時間が経過したこと(即ち、表示部12(表示部)が鉛直下方又は鉛直斜め下方を向いた状態が検出されてから所定時間が経過したこと)が「所定の解除条件の成立」に相当する。なお、図16の例では、S2でYesに進んだ後、所定時間が経過した場合にS3でYesに進み、S4で画面制御を行っているが、S1でYesに進んだ後、操作部13に対して所定の解除操作が行われた場合にS3にてYesに進んでもよい。この場合、その解除操作が行われたことが「所定の解除条件の成立」に相当する。
そして、図16の処理では、S3でYesに進む場合に、所定の画面制御処理を行う(S4)。このS4の制御としては、バックライトの消灯処理、S2のときよりもバックライトを抑制する処理、S2の画面とは異なる他の画面を表示する処理、画面表示のオフ、表示部の電源オフ、表示装置10の電源オフ、S2の処理前の表示画面に復帰する処理など、様々な処理が挙げられる。具体的には、S2の表示状態のときより消費電力を抑える制御を好適に用いることができ、例えば、表示部12での表示を完全に中止する動作であってもよく、表示部12での表示は維持しつつ、電力を抑える制御(例えば、バックライトを消灯する制御、バックライトの光量を抑える制御、黒色画面として表示する制御など)であってもよい。或いは、表示装置10に搭載されたCPUを間欠駆動したり、駆動クロックを抑えるようなスリープ制御などであってもよい。なお、本構成では、S4の処理を行う制御回路11が「動作制御部」の一例に相当し、所定のコード表示解除条件が成立した後、所定の復帰動作又は所定の省電力動作の少なくともいずれかを行うように機能する。
本構成では、表示部12において情報コードCが読取可能状態で表示されていないとき(例えば、図11、図12のように、表示部12において所定のデフォルト画面又は情報コードCの表示を行わないアプリケーションプログラムの表示画面が表示されているとき)でも、並行して図16の処理が行われる。このため、図11、図12のように、表示部12において情報コードCが表示されていないときでも、方向検出部によって表示部12の向きが「所定の向き」であることが検出された場合には、図16のS1にてYesに進むことになり、図15のように、表示部12の表示状態を、情報コードCが読取可能に表示された状態に切り替えることになる。
また、本構成では、表示制御部として機能する制御回路11は、所定の抑制条件が成立した場合に表示部12での表示を所定の抑制状態に切り替える制御を行う構成となっている。具体的には、所定の抑制条件が成立した場合(例えば、操作部13に対する操作がなされていない期間が一定時間以上経過した場合)に、表示部12のバックライトの消灯制御又は表示部12のバックライトからの光の照射をS2のとき(所定照射状態のとき)よりも抑える抑制制御を行う構成となっており、S2の処理が行われていない期間では、所定の抑制条件が成立した場合に省電力化を図ることができるようになっている。一方、このような「所定の抑制状態」のときでも、図16の処理は並行して行われるため、「所定の抑制状態」のときに方向検出部により表示部12の向きが「所定の向き」であることが検出され、S1にてYesに進むと、S2では、このような「所定の抑制状態」を中止し、表示部12において情報コードCを読取可能な状態で表示しつつ、その表示を維持する。具体的には、表示部12のバックライトから所定照射状態で光を照射することで、情報コードCが明瞭に表示された状態を維持する。
なお、本構成では、S1でYesに進んでからS3でYesに進むまでの間に、上述した「所定の抑制条件」が成立した場合(例えば、操作部13に対する操作がなされていない期間が一定時間以上経過した場合)には、表示部12での表示を上述した「所定の抑制状態」に切り替えずに、表示部12において情報コードCを読取可能状態で表示しつつ、当該情報コードCの読取可能状態での表示を維持する構成となっている。即ち、方向検出部により表示部12の向きが「所定の向き」であることが検出されているときに「所定の抑制条件」が成立した場合、バックライトの消灯制御や抑制制御よりも情報コードCを読取可能に表示すること優先し、バックライトから所定照射状態で光を照射しつつ情報コードCの表示を維持するようになっている。
本構成では、所定の配置(所定の向きとなっている表示部12内の画像を認識し得る配置)となっている読取装置20に向けて表示部12を翳している最中に読取不可能な画像や読取困難な画像のみが継続的に表示されるといった事態が生じにくくなる。従って、このような事態に起因する読み取りの遅延や失敗などの不具合を生じにくくすることができる。例えば、ユーザが、上述した「所定の配置」の読取装置20に対し、表示部12を「所定の向き」にするような翳し操作を行ったときには、読取装置20に翳された表示部12では、情報コードCが所定の読取可能状態で表示され且つその状態が維持されるため、読取装置20では、翳された表示部12に表わされる情報コードCの構成をより正確に且つより迅速に認識しやすくなる。
また、表示制御部に相当する制御回路11は、少なくとも表示部12において情報コードCが読取可能状態で表示されていないとき(例えば、情報コードが全く表示されていないとき、暗すぎたり、小さすぎたり、一部が欠けたりして読めないときなど)に方向検出部によって表示部12の向きが所定の向きであることが検出された場合、表示部12の表示状態を、情報コードCが読取可能に表示された状態に切り替える構成となっている。この構成によれば表示部12において情報コードCが読取可能状態で表示されていない場合でも、表示部12を「所定の向き」に変化させることによって強制的に「情報コードCが読取可能状態で表示された状態」に切り替えることができる。このため、仮に、読み取りの直前で表示部12が非読取状態(情報コードCが存在しない画面や情報コードCが読取不能な状態となっている画面など)になっていても、画面を切り替えるためにユーザに複雑な操作を強いる必要が無く、複雑な操作に起因するユーザの負担や読み取るまでの遅延をより効果的に低減することができる。
また、表示制御部に相当する制御回路11は、表示部12において所定のデフォルト画面(図11)や情報コードCの表示を行わないアプリケーションプログラムの表示画面(図12)が表示されているときに方向検出部によって表示部12の向きが所定の向きであることが検出された場合に、表示部12の表示状態を、情報コードCが読取可能状態で表示された状態に切り替える。この発明によれば、仮に、読み取りの直前で、表示部12においてデフォルト画面や情報コードCの表示を行わないアプリケーションプログラムの表示画面が表示されている場合であっても、表示部12を「所定の向き」に変化させるという操作によって情報コードCを読み取らせるための画面(情報コードCが読取可能な状態で表示された画面)に簡単に且つ速やかに切り替えることができる。例えば、情報コードCを表示する時間よりも、デフォルト画面や情報コードCの表示を行わないアプリケーションプログラムの表示画面が表示される時間のほうが長くなるような使われ方がなされる場合には、上記構成を用いると特に有利になる。
また、表示制御部に相当する制御回路11は、「所定の抑制条件」が成立した場合に表示部12での表示を「所定の抑制状態」に切り替える制御を行う構成であり、「所定の抑制状態」のときに方向検出部により表示部12の向きが所定の向きであることが検出された場合には、「所定の抑制状態」を中止し、表示部12において情報コードCを読取可能な状態で表示しつつ、その表示を維持する構成となっている。この構成によれば、「所定の抑制条件」が成立した場合に表示部12の表示を抑制状態に切り替えることができ、省電力化を図り易くなる。一方、このような省電力構造では、抑制状態のまま読み取り操作が行われてしまうと読み取りの失敗を招きやすいという問題があるが、本構成では、抑制状態のときに表示部12を「所定の向き」に翳す操作がなされた場合には、抑制状態を中止して、情報コードCを読取可能な状態で表示することができるため、抑制状態のまま読み取り操作が行われることに起因する読取不良などが生じにくくなる。
具体的には、「読取可能状態」は、少なくとも表示部12のバックライトから所定照射状態で光を照射する状態となっている。そして、表示制御部に相当する制御回路11は、「所定の抑制条件」が成立した場合に表示部12のバックライトの消灯制御又は表示部12のバックライトからの光の照射を所定照射状態のときよりも抑える抑制制御を行う構成となっており、「所定の抑制状態」のときに方向検出部により表示部12の向きが「所定の向き」であることが検出された場合には、「所定の抑制状態」を中止し、表示部12のバックライトから所定照射状態で光を照射しつつ情報コードCが表示された状態を維持する構成となっている。この構成によれば、「所定の抑制条件」が成立した場合に、バックライトの消灯制御又はバックライトからの光の照射を抑える抑制制御を行うことができ、電力消費が懸念されるバックライトでの電力消費を効果的に低減することができる。一方、このような省電力構造では、バックライトが消灯した状態又はバックライトでの照射が抑制された状態で読み取り操作が行われることがあり、読み取りの失敗を招きやすいという問題があるが、本構成では、バックライトの消灯制御又は抑制制御がされたまま表示部12を「所定の向き」に翳す操作がなされた場合には、バックライトを所定照射状態に復帰させ、情報コードCを明瞭な読取可能状態で表示することができるため、バックライトの消灯制御又は抑制制御がされたまま読み取り操作が行われることに起因する読取不良などが生じにくくなる。
また、方向検出部により表示部12の向きが所定の向きであることが検出されているときに所定の抑制条件が成立した場合には、表示部12での表示を所定の抑制状態に切り替えずに、表示部12において情報コードCを読取可能状態で表示しつつ、当該情報コードCの読取可能状態での表示を維持する構成となっている。
本構成のような省電力構造では、表示部12を「所定の向き」にするような翳し操作がなされ、情報コードCが読取可能な状態で表示された後に「所定の抑制条件」が成立してしまうことがありうる。この場合、読取装置20による読み取りが完了する前に表示が抑制されてしまうこともあり、読み取りの失敗を招き易くなる。これに対し、本構成では、表示部12の向きが「所定の向き」であることが検出されているときに「所定の抑制条件」が成立した場合、表示部12での表示を「所定の抑制状態」に切り替えずに、情報コードCを読取可能な状態で表示しつつその状態を維持することができる。つまり、上述した翳し操作(表示部12を所定の向きにする操作)の期間中に表示部12が強制的に「所定の抑制状態」に切り替えられることを防ぎやすくなり、読み取りが完了する前に表示が抑制されてしまうことに起因する読み取りの失敗などの不具合を防ぎやすくなる。
より具体的には、表示部12の向きが「所定の向き」であることが検出されているときに「所定の抑制条件」が成立した場合、バックライトの消灯制御や抑制制御を行わずに、情報コードCを読取可能な状態で表示しつつその状態を維持することができる。つまり、上述した翳し操作(表示部12を所定の向きにする操作)の期間中にバックライトが強制的に消灯状態や抑制状態に切り替えられることを防ぎやすくなり、読み取りが完了する前にバックライトが抑制されてしまうことに起因する読み取りの失敗を防ぎやすくなる。
また、本構成では、三軸センサ及び制御回路11(方向検出部)は、表示部12が鉛直下方又は鉛直斜め下方を向いた状態を検出可能とされている。そして、表示制御部に相当する制御回路11は、方向検出部によって表示部12が鉛直下方又は鉛直斜め下方を向いた状態が検出された場合に、表示部12において情報コードCを読取可能状態で表示しつつ、当該情報コードCの読取可能状態での表示を維持する構成となっている。この構成では、表示部12を下方又は斜め下方に向けて翳すように用いたい場合(例えば、表示部12が下方又は斜め下方に向けられたときに当該表示部12の表示を認識し得る配置で読取装置20が配置されている場合など)に有利になる。特に、このように表示部12を下方又は斜め下方に翳す用い方をする場合、読み取らせる際に使用者が表示部12を目視し難いため、読み取りの遅延や失敗が生じたとき、表示タイミングが合わずに遅延や失敗が生じたのか、それとも他の要因によるものかを特定し難いという問題があるが、本構成によれば、少なくとも表示タイミングが合わないことによる遅延や失敗を格段に低減できるため、上記問題に対処しやすくなる。
また、本構成では、表示制御部に相当する制御回路11は、方向検出部により表示部12の向きが所定の向きであることが検出された場合に、表示部12での表示状態を、情報コードCが連続的に表示された状態で一定期間固定する構成となっている。この構成では、表示部12を「所定の向き」に向けているときに情報コードCの表示を一定期間固定できるため、より一層安定したコード表示が可能となり、読み取りの遅延や失敗をより一層抑えることができる。
また、本構成では、表示制御部に相当する制御回路11は、方向検出部により表示部12の向きが「所定の向き」であることが検出された場合に、情報コードCが読取可能状態で表示された状態となるように表示部12を制御し且つ情報コードCが読取可能状態で表示された状態を所定のコード表示解除条件が成立するまで維持する構成となっている。そして、所定のコード表示解除条件が成立した後、所定の復帰動作又は所定の省電力動作の少なくともいずれかを行う動作制御部が設けられている。この構成によれば、表示部12を「所定の向き」にして読み取らせる際には、コード表示解除条件が成立するまでの間、情報コードCの表示を安定化させて読み取り易くすることができ、コード表示解除条件の成立後には、スムーズに復帰動作又は省電力動作を行うことができるため、読み取りが完了した後に不要なコード表示が無制限に継続しすぎるといった問題が生じにくくなる。例えば、コード表示解除条件の成立後に復帰動作を行う構成では、読み取りが完了した後に、不要なコード表示を停止して所定の復帰画面に戻しやすくなる。また、コード表示解除条件の成立後に省電力動作を行う構成では、読み取りが完了した後に、不要なコード表示を停止して電力消費の抑制を図ることができる。
[第3実施形態]
第3実施形態は、図16のコード表示処理を、図17のように変更した点のみが第2実施形態と異なり、それ以外は第2実施形態と同様となっている。図17の処理において、S21〜S23の処理は、図16のS1〜S3の処理とそれぞれ同一であるため、これらの処理の詳細な説明は省略する。
図17の処理では、図16のS4の処理に代えて、S24の処理を行っている。即ち、S23で所定時間が経過したと判断された後(即ち、情報コードCを図15のように読取可能な状態で所定時間表示した後)、S24の処理では、アプリケーションプログラムの表示画面に切り替える処理を行っている。このS24の処理で表示される表示画面は、例えば、S22の処理(即ち、情報コードCの表示処理)を行う直前に表示されていたアプリケーションプログラムの表示画面である。なお、S22の処理を行う直前にアプリケーションプログラムの表示画面が表示されておらず、図11のようなデフォルト画面が表示されていた場合には、S24では、図11のようなデフォルト画面に戻してもよい。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態について説明する。なお、第4実施形態に係る表示装置10のハードウェア構成は第2実施形態と同一である。よって、ハードウェア構成の詳細な説明は省略する。第4実施形態では、表示装置10に存在するいずれかのアプリケーションプログラムにより、例えば、図18のような表示を行うことができるようになっている。
この構成では、ユーザが操作部13に対して所定操作を行い、所定のアプリケーションプログラムを起動することで、図18のような画像表示が開始する。この画像表示が開始すると、表示部12には、図18の左図のように、複数の画像が順番に表示される。例えば、図18の例では、情報コードCの画像P1と、航空会社名の文字を含んだ画像P2と、航空機の便名の文字を含んだ画像P3とが、表示部12に交互に切り替わって表示されるようになっている。具体的には、表示装置10の向きが「所定の向き」でない状態では、画像P1、画像P3、画像P2の順に、一定の時間間隔(例えば0.2秒間隔等)で切り替わるように設定されている。例えば、情報コードCの画像P1が一定時間(例えば、0.2秒)表示された後、情報コードCの画像P1が消え、航空会社名の文字を含んだ画像P2が一定時間(例えば、0.2秒)表示される。そして、その画像P2が一定時間(例えば、0.2秒)表示された後、画像P2が消え、航空機の便名の文字を含んだ画像P3が一定時間(例えば、0.2秒)表示される。そして、その画像P3が一定時間(例えば、0.2秒)表示された後、画像P3が消え、再び、画像P1が表示される。
このように、画像表示が開始した後には、上述の切り替え表示(画像P1、P2、P3の各表示)が継続する。一方、表示装置10では、このような切替表示と並行して、切替表示の継続中に、継続的に表示装置10の向きの検出を行い、表示部12の向く方向が「所定の向き」であるか否かを判断している。なお、この判断処理は、第2実施形態での「表示部12の向きが「所定の向き」であるか否かの判断処理」(即ち、S1での判断処理)と同様である。つまり、この構成でも、表示装置10は、三軸センサによって表示部12が鉛直下方又は鉛直斜め下方を向いた状態が検出されたか否か判断しているのである。
そして、上述の切り替え表示(画像P1、P2、P3の各表示)が継続している最中に、表示部12の向きが「所定の向き」であることが検出された場合(即ち、一定時間以上の間、上記角度θが0°以上且つ所定の閾値θα以下となったことが検出された場合)、図18右図のように、表示部12での表示を上述の情報コードCの画像P1(図18等)に切り替え、情報コードC(図18の例ではQRコード(登録商標))の画像P1を表示した状態で表示を一定時間固定する。そして、このときの情報コードCの表示は、第1実施形態と同様の方法にて「所定の最大サイズ」で表示している。
このように、本構成では、アプリケーションプログラム(切替表示を行うアプリケーションプログラム)の起動後に、ユーザが表示装置10を読取装置20に翳すことによって表示部12が鉛直下方又は鉛直斜め下方を向いた状態となった場合、一定時間以上の間、上記角度θが0°以上且つ所定の閾値θα以下となるため、上述した切替表示を中断して情報コードCの画像P1のみを連続的に表示するのである。一方、切替表示を行うアプリケーションプログラムの起動後、表示部12の向きが「所定の向き」とならない間(即ち、「一定時間以上の間、上記角度θが0°以上且つ所定の閾値θα以下となる」といった条件が成立しない間)は、画像P1、P2、P3の各表示の切替動作が継続することになる。
以上のように、本構成では、表示制御部に相当する制御回路11が、表示部12での表示状態を、情報コードCが読取可能状態となった表示状態と、情報コードCの構成とは異なる他の図又は他の情報が表示された状態とに変化可能に構成されており、具体的には、画像P1、P2、P3の表示を順次切り替える表示切替動作を行うようになっている。このように、表示部12での表示を、「情報コードCが読取可能な状態となった表示状態」と、「情報コードCの構成とは異なる他の図又は他の情報が表示された状態」とに変化させ得る構成とすれば、情報コードCのみを連続的に表示する構成では実現し得ない複数種類の表示態様を実現できる。
但し、単に情報コードCの表示と他の図又は他の情報の表示とを切り替えるだけでは、情報コードCを読み取らせようとした時点で、情報コードCではなく他の図や他の情報(例えば、画像P2や画像P3)が表示されている可能性があり、この場合、再び情報コードCが読取可能に表示されるまで読み取りが遅延してしまうという問題がある。これに対し、本構成では、情報コードCを読み取らせるための翳し操作を行った際(即ち、表示部12を「所定の向き」にする操作を行った際)に、画像P1の表示が固定され、情報コードCが読取可能な状態で維持されるため、より迅速且つ確実に情報コードCを読み取らせることが可能となる。従って、表示部12を「所定の向き」に翳したタイミングと実際に読み取られるタイミングとが大きくズレにくく、表示部12を所定の向きに向けた時点から読取結果を得るまで大きなタイムラグが生じにくいため、読取フィーリングの低下をより効果的に抑えることができる。
なお、図18の例では、情報コードCの画像P1として、搭乗券と紐付けされたQRコード(登録商標)の画像を例示し、このQRコードに記録される情報(搭乗券に関する情報)に関連する画像として、当該搭乗券で搭乗可能となる航空機の航空会社を特定する画像P2と、当該搭乗券で搭乗可能となる航空機の便名を特定する画像P3とを切り替えて表示するようになっている。このようにすることで、通常時(表示部12が基準方向を向いていないとき)には、情報コードC1がどのような種類のものであるかを他の画像P2,P3を目視することで把握することができ、情報コードC1を適正に読み取らせることができるようになる。
[第4実施形態の変更例]
次に、第4実施形態の変更例について説明する。第4実施形態の変更例は、表示処理の具体例のみが上述した第4実施形態の代表例と異なり、それ以外は第4実施形態の代表例と同一である。具体的には、代表例での切替表示処理では、図18のように画像P1,P2、P3を順番に切り替えて表示していたが、変更例では、切替表示処理のときに画像P2、又は画像P3、若しくはこれらの両方を表示しており、画像P1を表示しないように制御を行う。このときの画像P2,P3の表示方法は様々であり、例えば、表示部12の向きが「所定の向き」であることが検出されるまで、画像P2のみを連続的に表示してもよく、表示部12の向きが「所定の向き」であることが検出されるまで、画像P3のみを連続的に表示してもよい(図19下図右側はこの例を示す)。或いは、表示部12の向きが「所定の向き」であることが検出されるまで、画像P2と画像P3を、一定時間毎に切り替えて表示してもよい。このようにすることで、表示部12の向きが「所定の向き」となっていない間は、情報コードCの画像以外を表示することができ、「所定の向き」以外のとき(例えば表示部12が上向きで目視容易なとき)に、情報コード以外の図形や情報をより使用者に認識させやすくすることができる。
そして、この構成では、情報コードCの画像以外を表示している最中に、第2実施形態のS1(図16)と同様の方法で、表示部12の向きが「所定の向き」であるか否かの判断処理が行われ、表示部12の向きが「所定の向き」である場合には、図19下図左側のように、表示部12にて情報コードCが読取可能な状態で表示されることになり、読取装置20などで読み取りやすくなる。なお、この場合も、情報コードCの表示は、第1実施形態と同様の方法にて「所定の最大サイズ」で表示している。
[第5実施形態]
次に、第5実施形態について説明する。なお、第5実施形態に係る表示装置10のハードウェア構成は第2実施形態と同一である。よって、ハードウェア構成の詳細な説明は省略する。
第4実施形態では、携帯型情報コード表示装置10の構成において、表示部12に情報コードCを切り替わる静止画の一部として表示する構成を例示したが、本構成では、情報コードCを動画の一部として表示しており、この動画の流れを図20の(A)〜(F)で例示している。この例では、図20(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)の順に画面が変化するようになっており、情報コードCのコード領域内の図柄が次第に変化するように表示がなされる。具体的には、図20(A)の画像P21ようにコード領域の左側から入り込んだボールが図20(B)、(C)の画像P22,P23のように移動するように動画表示がなされ、図20(D)〜(F)の画像P24,P25,P26のように、縦長に立った状態で止まるように動画表示がなされている。また、コード領域内の明色セル及び暗色セルは、3つの位置検出パターンの付近を除き、明色セルの濃度が次第に変化するようになっており、図20(A)の画像P21では、明色セルの位置が黒色で表され、その位置の濃度が次第に減少して図20(B)の画像P22のように明色セルが現れるようになっている。更に、図20(C)の画像P23のように、次第に明色セルの濃度が増大し、その後図20(D)の画像P24のように明色セルの位置が黒色で表されるように動画表示がなされる。その後、次第に明色セルの濃度が低下して、図20(E)の画像P25のように明色セルが浮かび上がり、その後、更に明色セルの濃度が次第に低下して、図20(F)の画像P26のように、明色セルが白色で表わされるように変化する。
このように動画表示がなされるため、表示部12の向きが「所定の向き」であることが検出されていない間は、情報コードCが読取可能な状態(図20(B)(C)(E)(F)の状態)と、読取不能な状態(図20(A)(D)の状態)とに変化するように表示がなされる。なお、図20(B)(C)(E)(F)の状態では、ラグビーボールの位置については、公知の誤り訂正方法で誤り訂正が可能となっており、明色セル及び暗色セルによってコード領域内に記録されたデータを支障なく解読することができるようになっている。
そして、このような動画表示が行われている最中に、第2実施形態のS2と同様の方法で、表示部12の向きが「所定の向き」であるか否かの判断処理が行われ、表示部12が「所定の向き」であると判断される場合には、表示部12において情報コードCを読取装置20によって読み取り可能となるように表示する。このときの表示は、例えば、図20(B)(C)(E)(F)のようにボールと重ねられて表示される情報コードCのみを抽出した、情報コードCのみの画像を連続的な静止画像として固定表示してもよく、図20(B)(C)(E)(F)のいずれかの画像(ボールの部分を誤り訂正によって訂正してデータを解読できる画像)を静止画像として連続的に固定表示してもよい。そして、このときの情報コードCの表示は、第1実施形態と同様の方法にて「所定の最大サイズ」で表示する。
このように、情報コードCのみの画像、或いはコード領域内の一部が絵柄や記号などによって誤り訂正可能な形で表された情報コードCの画像を一定時間表示すれば、その一定時間の間に、このような表示画面の表示部12が読取装置20に向かって翳されている場合、読取装置20が情報コードCを確実に読み取ることができる。
以上のように本構成では、表示制御部に相当する制御回路11が、表示部12での表示状態を、「情報コードCが読取可能状態となった表示状態」と、「情報コードCのコード領域内が読取不能な構成となった表示状態」とに変化させ得る構成となっている。このように変化させ得る構成とすれば、情報コードCのみを連続的に表示する構成では実現し得ない変化に富んだ意匠性の高い動的表示が可能となる。
但し、単に動的表示を行うだけでは、情報コードCを読み取らせようとした時点で、コード領域内が読取不能な構成となった状態(例えば、図20(A)(D)のような状態)で表示されている可能性があり、この場合、再び読取可能な状態で表示されるまで読み取りが遅延してしまう。これに対し、本構成では、情報コードCを読み取らせるための翳し操作を行った際(即ち、表示部12を「所定の向き」にする操作を行った際)に、動画表示から静止画像(情報コードCが読取可能な状態で表示された静止画像)に切り替えられ、情報コードCが読取可能な状態で表示された静止画像が維持されるため、より迅速且つ確実に情報コードCを読み取らせることが可能となる。ゆえに、表示部12を「所定の向き」に翳したタイミングと実際に読み取られるタイミングとが大きくズレにくく、表示部12を所定の向きに向けた時点から読取結果を得るまで大きなタイムラグが生じにくいため、読取フィーリングの低下をより効果的に抑えることができる。
[第6実施形態]
第6実施形態は、図16のコード表示処理を、図21のように変更した点のみが第2実施形態と異なり、それ以外は第2実施形態と同様となっている。図21の処理において、S52〜S54の処理は、図16のS2〜S4の処理とそれぞれ同一であるため、これらの処理の詳細な説明は省略する。
この構成でも、図21の処理開始後、図13のように、三軸センサにより、X、Y、Z軸方向の各加速度αx、αy、αzを継続的に検出しており、これら各加速度αx、αy、αzを合成して表示装置10に加わる加速度αsの向きを継続的に特定できるようになっている。そして、この構成でも、所定の短時間毎に行われるS51の処理では、S51の処理時点での、合成した加速度αsとZ軸正方向とのなす角度θを求め、その角度θが、一定時間(例えば、0.1秒、或いは0.01秒)以上の間、0°以上且つ所定の閾値θα以下となったか否かを判断している。但し、このθαを例えば90°としており、角度θが一定時間の間90°以下になった場合にS51にてYesに進むようにしている。つまり、この構成では、例えば、鉛直下方向又は鉛直下方向とのなす角度が一定角度以内となる表示部12の向き(例えば、10°以内の方向)が「所定の向き」であり、上記角度θが90°以下となる状態が一定時間継続した状態が「方向検出部によって検出される表示部12(表示部)の向きの変化が、「所定の向き」に近づく所定の変化状態」に相当する。
このように、本構成では、表示制御部に相当する制御回路11は、方向検出部によって検出される表示部12の向きの変化が、「所定の向き」に近づく「所定の変化状態」となったことを認識した場合に、表示部12において情報コードCを読取可能状態で表示しつつ、当該情報コードCの読取可能な状態での表示を維持している。この構成では、表示部12が完全に「所定の方向」に向く前に、「所定の向き」に近づく変化を先読みし、情報コードCの表示を早めに読取可能な状態に移行させて安定化させることができる。つまり、表示部12が完全に「所定の向き」に向く前に情報コードCを読み取らせるための準備に移ることができ、より早期に情報コードCの読み取りを完了させやすくなる。
[第6実施形態の変更例]
例えば、第6実施形態の代表例の構成を全て含み、更に、図21におけるS51の判断処理において、Yesに進みうる条件を付加してもよい。具体的には、例えば第6実施形態のS51でのYesに進む条件に加え、「所定の短時間における角度θの減少量Δθが一定値以上の場合」に、S51にてYesに進むようにしてもよい。
表示部12が完全に鉛直下向きの状態で静止している場合、上記角度θ(加速度αsとZ軸正方向とのなす角度)は0となるため、角度θが急激に減少して0に近づいている場合、表示部12を下向きにする操作が行われている可能性が高い。そこで、図21の処理開始後、所定の短時間毎(例えば、数ms毎、数十ms毎)に、角度θの減少量Δθを求め、減少量Δθが一定値以上(例えば40°以上)の場合に、S51にてYesに進むようにする。このような構成でも、表示部12(表示部)が完全に「所定の向き」に向く前に、「所定の向き」へと変化する状態を先読みし、情報コードCの表示を早めに読取可能な表示状態に移行させて安定化させることができる。従って、表示部12(表示部)が完全に「所定の向き」に向く前に情報コードCを読み取らせる準備を整え、より早期に情報コードの読み取りを完了させることができる。なお、この構成でも、第2実施形態と同様「角度θが0°以上閾値θα以下となるときの表示部12の向き」が「所定の向き」である。
なお、ここでは図21におけるS51の判断処理において、Yesに進みうる条件を付加したが、第6実施形態の代表例でのS51の判断処理に代えて、上述の判断処理(所定の短時間における角度θの減少量Δθが一定値以上の場合にS51にてYesに進み、そうでない場合にNoに進む判断処理)を行うようにしてもよい。
[第7実施形態]
第7実施形態は、図16のコード表示処理を、図22のように変更した点のみが第2実施形態と異なり、それ以外は第2実施形態と同様となっている。図22の処理において、S60、62〜S64の処理は、図16のS1〜S4の処理とそれぞれ同一であるため、これらの処理の詳細な説明は省略する。
この例では、図22のS60において図16のS1と同様の判断処理を行った後、Yesに進む場合(即ち、表示部12の向きが「所定の向き」であることが検出された場合)に、S61の判断処理を行っている。このS61の処理では、表示装置10が「所定の移動状態」であるか否か(具体的には、例えば、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向のいずれかの加速度変化が一定値を超えているか否か)を判断している。そして、S61において、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向のいずれかの加速度変化が一定値を超えていると判断される場合には、S61にてYesに進み、この期間は、情報コードCを読取可能な状態で表示する制御を行わないようにしている。一方、S60においてYesに進む場合(表示部12の向きが「所定の向き」であることが検出された場合)において、表示装置10が「所定の移動状態」ではない場合(例えば、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向のいずれの加速度変化も一定値を超えていない場合)には、S61にてNoに進み、S62以降の処理を行うようになっている。
本構成では、表示制御部に相当する制御回路11は、「情報コードCの表示を許可する所定の許可条件が成立している場合」において、「方向検出部により表示部12の向きが所定の向きであることが検出された場合」に、表示部12において、情報コードCを読取可能な状態で表示しつつ、当該情報コードCの読取可能な状態での表示を維持している。具体的には、「方向検出部により表示部12の向きが所定の向きであることが検出された場合」であっても、表示装置10が「所定の移動状態」であるときには、情報コードCを読取可能な状態で表示する制御を行わないようにしており、表示装置10が「所定の移動状態」ではない場合に限定して、情報コードCを読取可能な状態で表示している。
表示部12に表示される情報コードCを読み取らせる場合、表示装置10を静止状態或いはそれに近い状態にする可能性が高く、逆に、表示装置10が移動状態のときには、表示部12が「所定の向き」であっても、読み取りを行おうとしていない可能性が高い。従って、表示装置10が「所定の移動状態」であるときに情報コードCを読取可能な状態で表示する制御を行わないようにすれば、不要な時期に情報コードCが読取可能な状態で表示されるといった無駄を抑えやすくなる。
なお、ここでは、「所定の許可条件」の例として、「表示装置10が所定の移動状態となっていないこと」を例示したが、この例に限られない。例えば、表示装置10において、情報コードCの自動表示を許可する設定がなされていることを「所定の許可条件」としてもよい。或いは、表示装置10において表示すべき情報コードが存在することを「所定の許可条件」としてもよい。
[第8実施形態]
第8実施形態は、第2実施形態の特徴を全て含み、情報コードCの表示のやり方のみを異ならせている。よって、以下では、第2実施形態と同一内容の詳細説明は省略し、第2実施形態の構成に付加された点について重点的に説明する。なお、第8実施形態の考えは、他のいずれの実施形態にも適用できるものである。
第8実施形態では、表示制御部に相当する制御回路11は、図16のS2の処理において情報コードCを読取可能な状態で表示する場合に、「所定の向き」の基準となる基準方向と表示部12の向く方向(図13で示すZ軸方向)とのなす角度γに基づいて補正した画像を表示する構成となっている。なお、ここでは、「所定の向き」の基準となる基準方向を「鉛直方向」としており、基準方向と表示部12の向く方向(図13で示すZ軸方向)とのなす角度γは、図23で示す水平面Fと表示部12の表示面12’とのなす角度γ1と絶対値が同一である。
図23のように、表示部12の表示面12’が水平面Fに対して傾くと、図24(A)のように読取装置20での撮像画像では、情報コードCのコード画像の外形C’が台形状になり、角度γ1が大きいほど、下辺の長さに対する上辺の長さが小さくなる。なお、表示部12の下部が上部よりも読取装置20に近い傾斜状態では、角度γ1は負の値であり、この場合も、角度γ1が大きいほど(即ち角度γ1が0に近いほど)、下辺の長さに対する上辺の長さが小さくなる。
傾きを伴う場合、このようにコード画像C’が台形状になるため、本構成では、予め補正した形で情報コードCを表示する。具体的には、角度γ1に応じて、図24(B)で示す上辺の拡大量Eが定まるようになっており、角度γ1が負の場合には拡大量Eは負の値(即ち、縮小量を示す値)となっている。なお、角度γ1が大きくなるほど拡大量Eを定める方法としては、予め角度γ1の値に応じた拡大量Eの値を定めておき、テーブルデータとして装置内に記憶しておいてもよい。或いは、角度γ1が大きくなるほど拡大量Eを大きくする演算式を用いてもよい。
このように、角度γ1が判明すると、上辺での拡大量Eが定まるようになっており、この拡大量Eに基づいて、下辺からの距離ごとの拡大量を定めることができるようになっている。例えば、位置dの拡大量をeとした場合、e=(E×d)/Dの式で拡大量が定まるようになっており、角度γ1が正であれば、下辺からの距離が大きくなる位置ほど(上辺に近づく程)、拡大量eが大きくなるように上側を拡大した台形状のコード画像を生成し、このコード画像を図16のS2の処理で表示することになる。なお、角度γ1が負であれば、下辺からの距離が大きくなる位置ほど(上辺に近づく程)、縮小量eが大きくなるように上側を縮小した台形状のコード画像を生成し、このコード画像を図16のS2の処理で表示することになる。この場合の情報コードCの表示も、第1実施形態と同様の方法にて「所定の最大サイズ」で表示すればよい。
本構成のように、情報コードCを読取可能な状態で表示する際に、基準方向と表示部12の向く方向とのなす角度に基づいて補正した状態で表示すれば(具体的には、傾きγ1に合わせて台形状に補正したコード画像を表示装置10で表示すれば)、読取装置20においてコード画像がより正方形又は長方形に近い形で認識されることになり、情報コードCを基準方向に対する傾きに合わせた画像状態で読み取らせ易くなる。
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
第4実施形態では、情報コードCの画像P1と、情報コードCに関連する他の図又は他の情報の画像(画像P2,P3)を切り替えて表示する一例を示したが、この例に限定されるものではない。例えば、情報コードCに、商品名や、商品提供主体(商品提供企業など)の名称、或いは商品提供主体が運営するサイトのアドレスなどが記録されている場合、情報コードCの画像と、情報コードCに記録されたデータによって特定される商品の情報や図形(その商品そのものの画像や、その商品の商品名情報、その商品の商標など)とを切り替えて表示するようにしてもよい。或いは、情報コードCに記録されたデータによって特定される主体(会社や個人など)と、その主体を特定する情報や図形(その主体そのものの画像や、その主体の主体名情報(会社名や個人名など)、その主体の商標など)とを切り替えて表示するようにしてもよい。
上記実施形態では、S2、S22、S52、S62などの表示処理において、表示部12での表示状態を、一定のサイズの情報コードCが読取装置20によって読取可能となる構成で連続的に表示された状態で固定する処理を行う構成を例示した。しかしS2、S22、S52、S62などの表示処理では、表示部12での表示状態を、情報コードCが読取装置20によって読取可能となる構成で連続的又は断続的に表示される状態とする構成であれば、その他の表示処理を行ってもよい。例えば、S2、S22、S52、S62で表示が開始した後、S4、S24、S54、S64でYesに進むまでの間、読取装置20によって読取可能となる状態で、暗色セルの濃度が濃い表示状態の情報コードと暗色セルの濃度がそれより薄い状態の情報コードとで一定時間毎に切り替わるように表示されてもよい。或いは、情報コードCが点滅するように断続的に表示される構成であってもよい。この場合、点滅表示中、情報コードCが消える期間は非常に短い時間とすることが望ましい。或いは、読取装置20によって読取可能となる状態で、情報コードCが複数のサイズに変化しながら連続的又は断続的に表示される構成であってもよい。
第2実施形態では、図16に示すフローチャートにおいて、情報コードCが読取装置20によって読取可能となる構成で表示されてから(即ち、S2の表示がなされてから)、S3において、所定の時間が経過したか否かを判断していたが、このS3の判断処理に代えて、他の判断処理を行ってもよい。例えば、S1において表示部12が所定の向き(例えば、鉛直下方又は鉛直斜め下方)を向いた状態が検出され、S1でYesに進んだ場合、表示部12が「所定の向き」以外の方向を向いたことが検出された場合に、S3にてYesに進むようにしてもよい。この場合、S1でYesに進んだ後、S3の処理を所定の短時間毎に定期的に行い、表示部12が「所定の向き」を向いた状態のままであればNoに進み、表示部12が「所定の向き」以外の方向を向いた状態となれば(例えば、上記角度θが、所定時間(例えば、1秒)以上、閾値θαを超えたことが検出された場合)、S3でYesに進むことになる。この例では、表示部12が「所定の向き」以外の方向を向いた状態が検出されることが「所定のコード表示解除条件の成立」に相当する。また、「所定のコード表示解除条件の成立」は、これらの例に限られるものではなく、例えば、「操作部13に対して所定操作が行われたこと」などであってもよい。この場合、S3の判断処理に代えて、「操作部13に対して所定操作が行われたか否かを判断する処理」を行えばよく、操作部13に対して所定操作が行われた場合にはS3にてYesに進み、そうでない場合にはNoに進むようにすればよい。また、この考えは、他の実施形態にも同様に適用できる。
上記実施形態では、単に、合成加速度αsの方向とZ軸正方向とのなす角度θが0°以上所定の閾値θα以下となった場合を、「表示部が鉛直下方又は鉛直斜め下方を向いた状態」として検出していたが、この例に限られない。例えば、いずれの実施形態でも、合成加速度αsの方向とZ軸正方向とのなす角度θが0°以上所定の閾値θα以下となっている状態で、各軸方向の加速度αx、αy、αzの変化量Δαx、Δαy、Δαzが一定時間(例えば1秒、或いは0.1秒)の間、所定値Δα未満となっている静止状態が検出された場合を、「表示部が鉛直下方又は鉛直斜め下方を向いた状態」として検出してもよい。この場合、「角度θが0°以上閾値θα以下となる場合であって、各軸方向の加速度αx、αy、αzの変化量Δαx、Δαy、Δαzが一定時間の間、所定値Δα未満となっている静止状態が検出された場合」が、「方向検出部によって検出される表示部12の向きが所定の向きとなった場合」である。また、「角度θが0°以上閾値θα以下となる場合であって、各軸方向の加速度αx、αy、αzの変化量Δαx、Δαy、Δαzが一定時間の間、所定値Δα未満となっている静止状態が検出された場合のときに、表示部12が向く方向」が「所定の向き」である。
上記実施形態では、三軸センサによって表示部12(表示部)の向きを検出する例を示したが、この例に限られない。例えば、図1のように、上向きに照明光を発するような読取装置20に対し、下向きに表示部12を翳して表示部12に表示された情報コードCを読み取らせる場合、表示部12付近に光量センサを配置しておき、光量センサによって検出される光量が一定値以上となった場合に、S1、S21、S60にてYesに進むようにしてもよい。この場合、光量センサによって検出される光量が一定値未満の間はS1、S21、S51、S60などにおいてNoに進み続けることになる。この場合、「光量センサによって検出される光量が一定値以上となる向き」が「所定の向き」に相当する。
上記実施形態では、表示装置10を基準とした鉛直方向の向きを加速度センサによって検出する方法を例示したが、いずれの実施形態でも、鉛直方向が検出できる方法であれば、公知の様々な方法を用いることができる。例えば、加速度センサと地磁気センサを用いて鉛直方向を特定する方法などであってもよく、加速度センサとジャイロセンサを用いて鉛直方向を特定する方法などであってもよい。いずれの方法でも、鉛直方向が特定できれば、その鉛直方向とZ軸正方向とのなす角度θが特定できる。
上記実施形態では、使用者による操作位置よりも下位置に読取装置20が配置され、読取装置20が上方に翳された情報コードを読み取る構成を例示したが、この例に限られない。例えば、読取装置20が壁などに取り付けられ、横向き(水平向き)に受光センサ23の視野範囲が設定されるような場合、S1、S21、S51、S60等では、Z軸正方向と水平方向(鉛直方向と直交する平面方向)とのなす角度βが0°以上、閾値β1(例えば20°)以下の状態となったか否かを判断し、該当する場合にはS1、S21、S51、S60などにおいてYesに進み、該当しない場合にはNoに進むようにしてもよい。この場合、Z軸正方向と水平方向(鉛直方向と直交する平面方向)とのなす角度βが0°以上、閾値β1(例えば20°)以下となるときの表示部12の向きが「所定の向き」に相当する。
なお、第2実施形態等では、表示制御部は、情報コードCが表示部12に表示されていない場合において、操作認識部により所定操作が認識された場合(表示装置10を所定の向きに翳す操作が認識された場合)に、情報コードCを最大サイズで表示部12に表示させる例を示したが、情報コードCの一部のみが表示部12に表示されている場合において、操作認識部により同様の所定操作が認識された場合に、情報コードCを最大サイズで表示部12に表示させてもよい。
上記実施形態では、図1などにより、表示装置10を読取装置20に向けて翳して読み取る例を示したが、図25のように、表示装置10を載置したり、或いは手に持って保持した上で、その表示装置10に対して読取装置20を向けて読み取るようにしてもよい。この場合、表示装置10及び読取装置20のいずれもが、例えば、スマートフォンやタブレット端末などの携帯端末であってもよく、この場合、スマートフォン等として構成される表示装置10に向けた形でスマートフォン等として構成される読取装置20を配置し、読み取るようにしてもよい。