JP2016125963A - 瞬間的接触温冷感評価装置およびそれを用いた瞬間的接触温冷感評価方法 - Google Patents

瞬間的接触温冷感評価装置およびそれを用いた瞬間的接触温冷感評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ヒトの身体部位が被験材に接触した直後の瞬間的な接触温冷感を評価することができる評価装置およびそれを用いた評価方法を提供する。
【解決手段】瞬間的接触温冷感評価装置1は、模擬皮膚部材2と、模擬皮下部材3と、模擬皮膚部材2と模擬皮下部材3との間に設けられ、模擬皮膚部材2と被験材Sとが接触したときの模擬皮膚部材2の接触面Aの熱流束を検出する検出手段4と、模擬皮下部材3の上面に設けられ、模擬皮膚部材2および模擬皮下部材3を加温するヒーター部5と、ヒーター部5の上面および側面と模擬皮下部材3の側面の一部とを囲む断熱部材6と、ヒーター部5のオン・オフを制御する制御手段7と、ヒーター部5の温度が測定開始温度に達した際に信号を発生する信号表出部8とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、瞬間的接触温冷感評価装置およびそれを用いた瞬間的接触温冷感評価方法に関する。
近年、住宅の床材や壁材等の内装材に関する快適性試験や設計基準として、内装材自体の温度等に加えて、ヒトの身体部位が当該内装材に接触した際に生じる接触温熱感を評価する試みが行われるようになってきている。
例えば、特許文献1では、恒温液体が充填された本体に人体組織を模擬した層を設け、当該本体の載置面を模擬着衣層を介して床表面に接触させて、模擬着衣層と載置面との接触箇所の温度を測定する床暖房の評価装置が提案されている。
また、非特許文献1では、ヒトの足の構造を模した模擬足を用いて、各種の床仕上材料に接触させた際の温度変化を測定することで、床の接触温熱感を評価する方法が提案されている。
特開2001−272284号公報
日本建築学会構造系論文集 第517号、1999年、p.31−37
しかしながら、従来の接触温熱感の評価においては、例えば、被験材に10分間接触させた後の接触面の温度変化や、60分間継続して測定した接触面の温度の最高値によって評価すること等を想定して、評価装置および評価方法が設計されていた。従って、より短い時間スケールでの評価を行う観点からは、評価装置および評価方法のさらなる改良の余地があるという課題があった。特に、例えば床材に関しては、ヒトの足裏が床材に触れてから例えば30秒後までの瞬間的な接触温冷感を評価することができる評価装置および評価方法が望まれていた。
本発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、ヒトの身体部位が被験材に接触した直後の瞬間的な接触温冷感を評価することができる評価装置およびそれを用いた評価方法を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明の瞬間的接触温冷感評価装置は、
模擬皮膚部材と、
模擬皮下部材と、
前記模擬皮膚部材と前記模擬皮下部材との間に設けられ、前記模擬皮膚部材と被験材とが接触したときの前記模擬皮膚部材の接触面の熱流束を検出する検出手段と、
前記模擬皮下部材の上面に設けられ、前記模擬皮膚部材および前記模擬皮下部材を加温するヒーター部と、
前記ヒーター部の上面および側面と前記模擬皮下部材の側面の一部とを囲む断熱部材と、
前記ヒーター部のオン・オフを制御する制御手段と、
前記ヒーター部の温度が測定開始温度に達した際に信号を生じる信号表出部と
を備えることを特徴とする。
また、本発明の瞬間的接触温冷感評価方法は、前記瞬間的接触温冷感評価装置を用いて、前記制御手段のオン・オフ制御によって前記ヒーター部の温度を前記測定開始温度よりも高い温度にした後、前記ヒーター部の温度が降下して前記測定開始温度に達した時に前記評価装置の前記模擬皮膚部材を前記被験材に接触させて、前記接触面の前記熱流束を測定することを特徴とする。
本発明によれば、ヒトの身体部位が被験材に接触した直後の瞬間的な接触温冷感を評価することができる評価装置およびそれを用いた評価方法が提供される。
本発明の一実施形態に係る瞬間的接触温冷感評価装置を示す模式側面図である。 本発明の一実施形態に係る瞬間的接触温冷感評価装置の模擬身体部材を示す模式斜視図(a)および模式断面図(b)である。 本発明の瞬間的接触温冷感評価方法の一実施形態を示す模式図である。(a)は測定前後の状態を示し、(b)は測定時の状態を示す。 本発明の瞬間的接触温冷感評価方法の一実施形態において、ヒーター部の温度と測定を開始するタイミングとの関係を例示する図である。(a)は、設定温度33.0℃、測定開始温度33.7℃の場合を示し、(b)は、設定温度25.0℃、測定開始温度25.4℃の場合を示す。 被験材に接触させた模擬皮膚部材の接触面の熱流束および温度の測定例を示すグラフである。(a)は、接触面の熱流束であり、(b)は、接触面の温度であり、(c)は、ヒーター部の温度である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。ここでは、床材を被験材とし、ヒトの足部(足裏)を模擬した瞬間的接触温冷感評価装置を適用する場合を例にして説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る瞬間的接触温冷感評価装置を示す模式側面図である。図2は、本発明の一実施形態に係る瞬間的接触温冷感評価装置の模擬身体部材を示す模式斜視図(a)および模式断面図(b)である。
本実施形態に係る瞬間的接触温冷感評価装置1(以下、単に「評価装置1」ともいう。)は、図1および図2に示すように、模擬皮膚部材2と模擬皮下部材3とを備えている。模擬皮膚部材2と模擬皮下部材3との間には、図2(b)に示すように、模擬皮膚部材2と被験材Sとが接触したときの模擬皮膚部材2の接触面Aの熱流束を検出する検出手段4が設けられている。また、模擬皮下部材3の上面には、模擬皮膚部材2および模擬皮下部材3を加温するヒーター部5が設けられている。ヒーター部5の上面および側面と模擬皮下部材3の側面の一部とは、断熱部材6によって囲まれている。ヒーター部5のオン・オフは、制御手段7によって制御される。また、評価装置1は、ヒーター部5の温度が測定開始温度に達した際に信号を生じる信号表出部8を備えている。
本明細書において、「瞬間的」との用語は、模擬皮膚部材2が被験材Sと接触した時から接触面Aの熱流束のピーク(図5参照)が生じるまでの時間(t)を指し、具体的には、例えば、t=3〜30秒、好ましくはt=10秒程度である。このような熱流束のピークの大きさを評価することにより、例えば、床材に素足で触れたようなときの、床材ごとの冷たさや暖かさの差異を比較することができる。
模擬皮膚部材2は、図2(b)に示すように、その下面が被験材Sとの接触面Aとなる。模擬皮膚部材2としては、例えば、シリコン等の軟性樹脂のシートを用いることができる。具体的には、例えば、デュロメータ タイプAで接触面硬度が5°である厚さ0.5mmのシリコンシートを、直径24.5mmにカットしたものを用いることができる。なお、この場合、接触面Aの面積は、約4.7cmと計算される。
模擬皮下部材3としては、例えば、シリコン等の軟性樹脂のバルクを用いることができる。具体的には、例えば、デュロメータ タイプAで接触面硬度が50〜55°の9号サイズ(上径25.4mm、下径24.5mm、高さ5mm)のシリコン製ゴム栓を用いることができる。
なお、模擬皮膚部材2および模擬皮下部材3の材料はこれらに限定されず、評価装置1が模擬するヒトの身体部位における皮膚から皮下組織への熱伝導率(または皮下組織から皮膚への熱伝導率)等の物性値を考慮して、適宜選択することができる。
検出手段4は、図2(b)に示すように、模擬皮膚部材2と模擬皮下部材3との間に設けられている。より具体的には、本実施形態では、検出手段4は、模擬皮下部材3に埋め込まれており、模擬皮下部材3の下面と検出手段4の底面とが面一となっている。検出手段4は、接触面Aの熱流束を検出する役割を果たしている。
検出手段4としては、接触面Aの熱流束を検出することができるものであれば特に限定されず、評価装置1が模擬するヒトの身体部位の構造、特性等を考慮して、適宜選択することができる。例えば、本実施形態では、評価装置1が模擬するヒトの足裏における温度感知部分(冷点)の位置を考慮して、高さ(厚み)が0.6mmの熱流束計(江藤電気株式会社製、縦10mm×横10mm)を用いることができる。
また、検出手段4として、例えば、熱流束センサーと熱電対の組合せを用いることで、接触面Aの熱流束および温度を検出できるようにしてもよい。
ヒーター部5は、図2(b)に示すように、模擬皮下部材3の上面に設けられ、模擬皮膚部材2および模擬皮下部材3を加温する役割を果たしている。ヒーター部5は、評価装置1が模擬するヒトの身体部位の温度を再現するように、模擬皮膚部材2および模擬皮下部材3を加温することができる。また、ヒトの身体部位において皮膚温度よりも皮下温度が高いという特徴を考慮して、ヒーター部5は、模擬皮下部材3の上面に設けられている。
ヒーター部5としては、一般に入手可能なヒーターを用いることができ、後述する模擬身体部材10全体のサイズ、後述する設定温度T、測定開始温度T等の条件等を考慮して、適宜選択することができる。例えば、セメンティングスポットヒーター(株式会社スリーハイ製、100V2W、縦13mm、横11mm、高さ5mm)を用いることができる。
本実施形態に係る評価装置1では、ヒーター部5は、図2(b)に示すように、模擬皮下部材3の上面に、2枚の銅板51、52によって挟まれた状態で設けることができる。銅板51、52は、連結部材53によって連結されている。模擬皮下部材3の上面側に位置する銅板51は、ヒーター部5から模擬皮下部材3への熱伝達を仲介することにより、模擬皮下部材3および模擬皮膚部材2が急激かつ過度に加温されるのを抑制する役割を果たしている。また、ヒーター部5の上面側に位置する銅板52は、ヒーター部5から断熱部材6への熱伝達を仲介することにより、断熱部材6が急激かつ過度に加温されるのを抑制する役割を果たしている。銅板51、52のサイズは、ヒーター部5のサイズや性能等に応じて適宜設計することができ、例えば、直径27mm、厚さ1mmとすることができる。
なお、銅板51上には、後述する模擬身体部材10の内部温度を計測するための第一熱電対9を設けることができる。また、ヒーター部5の上面と銅板52との間には、後述する制御手段7によるヒーター部5の温度制御のための第二熱電対7aを設けることができる。
断熱部材6は、図2(b)に示すように、ヒーター部5の上面および側面と模擬皮下部材3の側面の一部とを囲んでいる。断熱部材6は、評価装置1の周囲の環境温度によってヒーター部5、模擬皮下部材3および模擬皮膚部材2の温度が影響を受けることを抑制し、ひいては、接触面Aの熱流束が影響を受けることを抑制する役割を果たしている。
一方で、模擬皮膚部材2が被験材Sと接触する際に断熱部材6と被験材Sとが接触することを回避するために、模擬皮下部材3の側面の一部と模擬皮膚部材2の側面は、断熱部材6で囲まれていない。すなわち、本実施形態では、模擬皮下部材3の一部と模擬皮膚部材2は、断熱部材6の下面から突出した構成となっており、突出部分の高さhは、模擬皮下部材3および模擬皮膚部材2の弾性変形量を考慮して、例えば、0.8〜2mmとすることができる。
断熱部材6としては、一般に公知の断熱材料を用いることができ、例えば、ウレタンフォーム等が挙げられる。断熱部材6は、1種類の部材であってもよく、2種類以上の部材を組み合わせてもよい。
断熱部材6のサイズは特に制限されないが、例えば、平面視において外形が直径80mm、高さ40mmの円柱状とすることができる。
なお、断熱部材6の側面には、図2(a)、(b)に示すように、ヒーター部5、第一熱電対9、第二熱電対7a、および検出手段4等の配線12を通すための配線用孔61を形成することができる。
図1に示した制御手段7は、ヒーター部5と電気的に接続されており、ヒーター部5のオン・オフを制御する。
制御手段7は、ヒーター部5の上面と銅板52との間に設けられた第一熱電対7aによってヒーター部5の温度を検出し、ヒーター部5のオン・オフを切り替える。すなわち、ヒーター部5の温度が設定温度T未満の場合にはヒーター部5をオン状態とし、ヒーター部5の温度が設定温度Tに達すると、ヒーター部5をオフ状態とする。このとき、ヒーター部5自体の余熱により、ヒーター部5の温度は設定温度Tを超えて上昇する。その後、ヒーター部5の温度が降下し、再び設定温度Tに達すると、ヒーター部5を再びオン状態とする。これらの動作を繰り返すことにより、制御手段7は、ヒーター部5の温度を制御することができる。
設定温度Tは、評価装置1が模擬するヒトの身体部位の構成、特徴等に応じて適宜設定することができる。本実施形態では、例えば、評価装置1が模擬するヒトの足部の内部温度を想定して設定することができ、例えば、33.0℃、25.0℃等が挙げられる。
制御手段7としては、一般に入手可能な制御手段を用いることができ、例えば、温度調節器71を用いることができる。
信号表出部8は、ヒーター部5の温度が測定開始温度Tに達した際に信号を発生する。測定開始温度Tは、設定温度Tを上回る温度であり、評価装置1が模擬するヒトの身体部位の構成、特徴等に応じて適宜設定することができる。例えば、設定温度Tを33.0℃とした場合、測定開始温度Tは33.7℃とすることができる。また、設定温度Tを25.0℃とした場合、測定開始温度Tは25.4℃とすることができる。
信号表出部8において発生する信号は、例えば、評価装置1の外部から視認することができる光信号等とすることができる。例えば、本実施形態では、信号表出部8として、温度調節器71において、ヒーター部5の温度を表示する温度表示部81とすることができる。
また、別の実施形態として、例えば、評価装置1において、後述する模擬身体部材10の移動を制御する移動制御手段(図示せず)を備える構成として、信号表出部8において発生する電気信号によって、前記移動制御手段の動作を自動制御するようにしてもよい。
本実施形態に係る評価装置1では、図2(b)に示すように、模擬皮膚部材2、模擬皮下部材3、検出手段4、ヒーター部5、断熱材6とを組み合わせて、可動式の模擬身体部材10を構成することができる。模擬身体部材10は、図2(a)に示すように、平面視において外形を円形状とすることができる。なお、模擬身体部材10の側面部、すなわち、断熱部材6の側面には、模擬身体部材10を手動操作する場合の持ち手部分としてグリップ部(図示せず)を設けてもよい。
また、本実施形態に係る評価装置1では、図1および図2に示すように、模擬身体部材10の上端部、例えば、断熱部材6の上面に、荷重部材11を備えることができる。荷重部材11は、評価装置1が模擬するヒトの身体部位の構造、特性等を考慮して、適宜選択することができる。具体的には、荷重部材11の質量は、評価装置1が模擬するヒトの足裏に関して、椅子に座った状態において足裏にかかる荷重を想定して設定することができる。例えば、体重60kgのヒトが椅子に座ったときの片方の上下腿の重量比を15%とすると、片方の足裏面への荷重は、60kg×0.15=9.0kgと計算され、足裏の面積を175cmと仮定して単位面積当たりの荷重を計算すると、9.0kg/175cm=51g/cmとなる。これを本実施形態に係る評価装置1に当てはめることにより、荷重部材11として、例えば、質量250gの金属製の錘(直径50mm、高さ16mm)を用いることができる。
なお、本実施形態に係る評価装置1では、必要に応じて、本発明の目的、効果を阻害しない範囲において、追加の構成要素を備えていてもよい。例えば、接触面Aの熱流束や温度等を記録することのできるロガー、測定した熱流束や温度等のデータを処理・解析等することのできる電子計算機等を設けることができる。
次に、本実施形態の評価装置1を用いて、被験材Sとして床材の瞬間的接触温冷感を評価する場合を例にして、評価装置1の動作、および評価装置1を用いた瞬間的接触温冷感評価方法について説明する。
図3は、本発明の瞬間的接触温冷感評価方法の一実施形態を示す模式図である。図3(a)は測定前後の状態を示し、図3(b)は測定時の状態を示す。図4は、本発明の瞬間的接触温冷感評価方法の一実施形態において、ヒーター部の温度と測定を開始するタイミングとの関係を例示する図である。図4(a)は、設定温度33.0℃、測定開始温度33.7℃の場合を示し、図4(b)は、設定温度25.0℃、測定開始温度25.4℃の場合を示す。
本実施形態の瞬間的接触温冷感評価方法(以下、単に「評価方法」ともいう。)では、瞬間的接触温冷感評価装置1を用いて、接触面Aの熱流束を測定する。具体的には、制御手段7のオン・オフ制御によってヒーター部5の温度を測定開始温度Tよりも高い温度にした後、ヒーター部5の温度が降下して測定開始温度Tに達した時に評価装置1の模擬皮膚部材2を被験材Sに接触させて、接触面Aの熱流束を測定する。
より具体的には、図3(a)に示すように、測定前後の状態においては、評価装置1の模擬身体部材10は、評価装置1の周囲の環境温度による影響を低減する観点、制御手段7によるヒーター部5の温度制御の効率性の観点等から、保温台13の上に設置することができる。また、被験材Sは、設置台14の上に配置されている。
そして、図3(b)に示すように、測定時の状態の状態においては、模擬身体部材10を被験材Sの上に配置して、接触面Aの熱流束を測定する。測定終了後は、再び模擬身体部材10を保温台13の上に戻し、次の測定まで待機状態とする。
本実施形態の評価方法において、測定を開始するタイミングは、制御手段7のオン・オフ制御によってヒーター部5の温度が測定開始温度Tよりも高い温度になった後、ヒーター部5の温度が降下して測定開始温度Tに達した時である。
ここで、図4(a)、(b)を用いて説明すると、図4(a)、(b)に示す図においては、制御手段7によるヒーター部5の温度変化に関して、ヒーター部5の温度が設定温度T未満である区間5aと、ヒーター部5の温度が設定温度T以上である区間5bとに分けることができる。
図4(a)、(b)において、本実施形態の評価方法における測定を開始するタイミング(P)は、区間5bにおいて、ヒーター部5の温度が測定開始温度T(T>T)よりも高い温度となった後、ヒーター部5の温度が降下して測定開始温度Tに達した時である。
本実施形態では、ヒーター部5の温度が測定を開始するタイミングPに達した時に、評価装置1の模擬身体部材10を被験材Sの上に配置して、模擬皮膚部材2と被験材Sとを接触させる。
このように測定を開始するタイミングを定めることにより、接触面Aの熱流束のピークを安定的かつ再現性良く測定することが可能となり、評価装置1の模擬身体部材10が被験材Sに接触した直後の瞬間的な接触温冷感を安定して評価することができる。そのため、例えば表面の塗装状態を変更した板や、基材部の材質を変更した板等の被験材を複数準備しておき、このような瞬間的接触温冷感を同じ条件でそれぞれ評価することにより、床材や壁材に素足や素手で触れたようなときの、冷たさや暖かさの優劣を比較することができる。
本実施形態の評価方法では、模擬身体部材10の移動は、手動操作であってもよく、自動制御であってもよい。つまり、手動操作の場合には、例えば、信号表出部8から発生する信号によって試験者は測定を開始するタイミングに達したことを認識し、模擬身体部材10を被験材Sの上に移動させて、模擬皮膚部材2と被験材Sとを接触させることができる。また、自動制御の場合には、例えば、信号表出部8から発生する信号により、移動制御手段(図示せず)によって模擬身体部材10を被験材Sの上に移動させて、模擬皮膚部材2と被験材Sとを接触させる構成とすることもできる。
なお、本実施形態の評価方法では、予備測定として、2〜3回程度、上記の操作を行い、評価装置1の模擬身体部材10の温度、ヒーター部5の温度、制御手段7の動作等を安定させることが好ましく考慮される。また、本実施形態の評価方法は、評価装置1の周囲の環境温度を一定とする観点等から、例えば、15℃、20℃等の一定の温度に保たれた恒温槽(図示せず)内で行うことができる。さらに、本実施形態に係る評価装置1を用いると、被験材Sの瞬間的な接触温冷感だけでなく、その後の継続的な接触温冷感を評価することもできる。
図5は、被験材に接触させた模擬皮膚部材の接触面の熱流束および温度の測定例を示すグラフである。グラフ(a)は、接触面の熱流束であり、グラフ(b)は、接触面の温度であり、グラフ(c)は、ヒーター部の温度である。
図5に示す測定例では、被験材Sとして、オレフィンシートとウッドプラスチックボード(WPB)からなる厚さ1mmの表面材と、ラワンとユーカリとの合板(E70)からなる厚さ11mmの芯材とを組み合わせた木質材を用いている。また、本測定例では、15℃に保たれた恒温槽内で、上記木質材に、本実施形態に係る評価装置1の模擬皮膚部材2を接触させた時から720秒後までの、模擬皮膚部材2の接触面Aの熱流束(a)および温度(b)を測定している。なお、本測定例では、ヒーター部5の温度(c)も併せて測定している。
図5から理解されるように、本測定例では、模擬皮膚部材2が上記木質材と接触した時から10秒以内に、接触面Aの熱流束のピークが生じている。このようにして得られる接触面Aの熱流束のピークが生じるまでの時間、当該ピークの強度(ピーク値)等は、被験材Sの瞬間的な接触温冷感の評価指標として用いることができる。このように、本実施形態に係る評価装置1および評価方法を用いて接触面Aの熱流束のピークを測定することにより、ヒトの身体部位が被験材に接触した直後の瞬間的な接触温冷感を評価することができる。
以上、本発明の実施形態を詳述してきたが、具体的な形態はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更等があっても本発明に含まれる。
1 瞬間的接触温冷感評価装置
2 模擬皮膚部材
3 模擬皮下部材
4 検出手段
5 ヒーター部
6 断熱部材
7 制御手段
8 信号表出部
A 接触面
S 被験材
設定温度
測定開始温度

Claims (2)

  1. 模擬皮膚部材と、
    模擬皮下部材と、
    前記模擬皮膚部材と前記模擬皮下部材との間に設けられ、前記模擬皮膚部材と被験材とが接触したときの前記模擬皮膚部材の接触面の熱流束を検出する検出手段と、
    前記模擬皮下部材の上面に設けられ、前記模擬皮膚部材および前記模擬皮下部材を加温するヒーター部と、
    前記ヒーター部の上面および側面と前記模擬皮下部材の側面の一部とを囲む断熱部材と、
    前記ヒーター部のオン・オフを制御する制御手段と、
    前記ヒーター部の温度が測定開始温度に達した際に信号を発生する信号表出部と
    を備えることを特徴とする瞬間的接触温冷感評価装置。
  2. 請求項1に記載の瞬間的接触温冷感評価装置を用いて、
    前記制御手段のオン・オフ制御によって前記ヒーター部の温度を前記測定開始温度よりも高い温度にした後、前記ヒーター部の温度が降下して前記測定開始温度に達した時に前記評価装置の前記模擬皮膚部材を前記被験材に接触させて、前記接触面の前記熱流束を測定することを特徴とする瞬間的接触温冷感評価方法。

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