JP2016125255A - セメント打継ぎ用プライマー及びセメントの打継ぎ方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】塗布から打ち継ぐ未硬化のセメント混練物の打設までの時間が長い場合であっても(緩い打設開始時間の管理であっても)高い接着力が得られ、更に、施工後打継ぎ面に水が回った場合においても新旧硬化体の一体性が損なわれ難いセメント打継ぎ用プライマーを提供すること。また、塗布から打ち継ぐ未硬化のセメント混練物の打設までの時間を長くしても高い接着力が得られ、更に、施工後打継ぎ面に水が回った場合においても新旧硬化体の一体性が損なわれ難いセメントの打継ぎ方法を提供すること。【手段】特定の有機化合物を主要成分とするセメント打継ぎ用プライマー。アルカリ安定性のものであると好適である。【選択図】なし
Description
本発明は、硬化したセメントペースト、モルタル又はコンクリート等のセメント硬化体に、未硬化のセメント混練物を打継ぐときに、当該セメント硬化体の打継ぎ面に塗布するセメント打継ぎ用プライマーに関する。また、本発明は、セメント硬化体に未硬化のセメント混練物を打継ぐセメントの打継ぎ方法に関する。
硬化したコンクリート(コンクリート硬化体)や硬化したモルタル(モルタル硬化体)等のセメント硬化体に未硬化のセメント混練物(例えば、未硬化のコンクリート、未硬化のモルタル、未硬化のセメントペースト)を、鏝塗り又はローラー塗り等の塗り付け、吹付け或いは打ち込み等により打継ぐときに、新旧のセメント硬化体の一体性を高めるために、(旧)セメント硬化体の打継ぎ面に各種プライマーが塗布されている(例えば、特許文献1〜3参照)。このようなプライマーとして最も代表的なものが吸水調整プライマーや吸水調整材等と呼ばれているものである。この吸水調整プライマー(吸水調整材)は、エチレン酢酸ビニルやアクリル樹脂等の高分子のディスパージョンが用いられることが多く、とりわけエチレン酢酸ビニルやアクリル樹脂等の合成樹脂が水に分散したO/W型エマルションを低濃度で用いることが多い。低濃度で(旧)セメント硬化体の打継ぎ面に塗布された合成樹脂エマルションは、乾燥することにより、比較的疎な樹脂フィルムが打継ぎ面に生成する。この樹脂フィルムの存在により、後から打ち継ぐセメント混練物(セメントペースト,モルタル又はコンクリート)が躯体((旧)セメント硬化体)に水を取られることによりドライアウトして構造が疎になることを防ぎ、新旧硬化体の一体性が増すとされている。一方で、躯体表面に膜を生成するため打ち継ぐセメント混練物が躯体に投錨するのを妨げるという問題、又は施工後打継ぎ面に水が回った場合は樹脂フィルムの再乳化により新旧硬化体の一体性が損なわれるという問題がある。
合成樹脂エマルションからなるプライマーのほかに、接着プライマーと呼ばれるプライマーも使用されている(例えば、特許文献2参照)。これは、エポキシ樹脂や反応性アクリル樹脂等の接着剤をプライマーとして塗布し、その硬化前にセメント混練物を打ち継ぐというものである。強い接着力により高い一体性が得られる反面、接着剤の硬化時間に合わせた施工管理を行わねばならず、施工管理が難しいという問題がある。また、これら反応性接着剤は硬化時に大きな収縮を伴うため、場合によっては打ち継いだモルタルやコンクリート等(新)セメント硬化体にひび割れが生じることがあるという問題がある。
本発明は前記問題の解決、即ち、本発明は、塗布から打ち継ぐ未硬化のセメント混練物の打設までの時間が長い場合であっても(緩い打設開始時間の管理であっても)高い接着力が得られ、更に、施工後打継ぎ面に水が回った場合においても新旧硬化体の一体性が損なわれ難いセメント打継ぎ用プライマーを提供することを目的とする。また、本発明は、塗布から打ち継ぐ未硬化のセメント混練物の打設までの時間を長くしても高い接着力が得られ、更に、施工後打継ぎ面に水が回った場合においても新旧硬化体の一体性が損なわれ難いセメントの打継ぎ方法を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題解決のため鋭意検討した結果、特定の有機化合物を主要成分とすることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。即ち、本発明は、以下の(1)〜(5)で表すセメント打継ぎ用プライマー、並びに(6)で表すセメントの打継ぎ方法である。
(1)界面活性剤を主要成分とするセメント打継ぎ用プライマー。
(2)上記界面活性剤がポリビニルアルコール溶液を主要成分とする上記(1)のセメント打継ぎ用プライマー。
(3)上記ポリビニルアルコール溶液がアルカリ安定性のものである上記(2)のセメント打継ぎ用プライマー。
(4)含有するポリビニルアルコールが、ケン化度が70mol%以上95mol%以下、又は/及び4%水溶液としたときの20℃における粘度が10mPa・s以下である上記(2)又は(3)のセメント打継ぎ用プライマー。
(5)上記界面活性剤がジアルキルスルホコハク酸、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩から選ばれる1種又は2種以上を主要成分とする上記(1)のセメント打継ぎ用プライマー。
(6)セメント硬化体表面に、上記(1)〜(5)何れかのセメント打継ぎ用プライマーを塗布し、該セメント打継ぎ用プライマーの表面に、未硬化のセメント混練物を打継ぐことを特徴とするセメントの打継ぎ方法。
(1)界面活性剤を主要成分とするセメント打継ぎ用プライマー。
(2)上記界面活性剤がポリビニルアルコール溶液を主要成分とする上記(1)のセメント打継ぎ用プライマー。
(3)上記ポリビニルアルコール溶液がアルカリ安定性のものである上記(2)のセメント打継ぎ用プライマー。
(4)含有するポリビニルアルコールが、ケン化度が70mol%以上95mol%以下、又は/及び4%水溶液としたときの20℃における粘度が10mPa・s以下である上記(2)又は(3)のセメント打継ぎ用プライマー。
(5)上記界面活性剤がジアルキルスルホコハク酸、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩から選ばれる1種又は2種以上を主要成分とする上記(1)のセメント打継ぎ用プライマー。
(6)セメント硬化体表面に、上記(1)〜(5)何れかのセメント打継ぎ用プライマーを塗布し、該セメント打継ぎ用プライマーの表面に、未硬化のセメント混練物を打継ぐことを特徴とするセメントの打継ぎ方法。
本発明によれば、塗布から打ち継ぐ未硬化のセメント混練物の打設までの時間が長い場合であっても(緩い打設開始時間の管理であっても)高い接着力のセメント打継ぎ用プライマーが得られる。更に、施工後打継ぎ面に水が回った場合においても新旧硬化体の一体性が損なわれ難いセメント打継ぎ用プライマーが得られる。また、塗布から打ち継ぐ未硬化のセメント混練物の打設までの時間を長くしても高い接着力が得られるセメントの打継ぎ方法が得られる。また、本発明によれば、施工後打継ぎ面に水が回った場合においても新旧硬化体の一体性が損なわれ難いセメントの打継ぎ方法が得られる。
本発明のセメント打継ぎ用プライマーは、界面活性剤を主要成分とする。本発明に含まれる界面活性剤としては、特に限定されないが、水溶性のものが打ち継ぐ未硬化のセメント混練物との親和性が高いことから好ましい。本発明に含まれる界面活性剤としては、打ち継ぐ未硬化のセメント混練物との親和性が高いことから、ポリビニルアルコール溶液を主要成分とするものが好ましく、当該ポリビニルアルコール溶液がアルカリ安定性のものであることが更に好ましく、ケン化度が70mol%以上95mol%以下、又は/及び4%水溶液としたときの20℃における粘度が10mPa・s以下であることがより好ましい。また、本発明に含まれる界面活性剤としては、ジアルキルスルホコハク酸、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩から選ばれる1種又は2種以上を主要成分とするものも好ましい。界面活性剤の親水部分の電荷タイプは特に限定されないが、アニオン性若しくはノニオンのものが好適である。ケン化度が70mol%以上95mol%以下のポリビニルアルコール溶液を主要成分とするものは、打ち継ぐセメント混練物が打継ぎ面に浸透し易く付着強度が高くなり一体化し易いため好ましい。また、ポリビニルアルコールが4%水溶液としたときの20℃における粘度が10mPa・s以下であると、打ち継ぐセメント混練物が打継ぎ面に浸透し易く付着強度が高くなり一体化し易いため好ましい。
本発明のセメント打継ぎ用プライマーとして、ポリビニルアルコールを主要成分とする場合、ポリビニルアルコールがその溶液がアルカリに対する安定性に優れるものが好ましい。ここで云う安定性は、5%水酸化ナトリウム溶液と質量比1:1の比率で混和し、20℃で3日間静置した際に、変化しない(ゲル化しない)ことによって確認される。アルカリに対する安定性に優れていないポリビニルアルコールをセメント打継ぎ用プライマーの主要成分とすると、打継ぎ面が中性化していない場合は、打ち継ぐセメント混練物が打継ぎ面に浸透し難いため一体化が不充分になる虞がある。
本発明のセメントの打継ぎ方法は、セメント硬化体表面(打継ぎ面)にセメント打継ぎ用プライマーを塗布し、該セメント打継ぎ用プライマーの表面に、未硬化のセメント混練物を打継ぐことを特徴とする。本発明において、(旧)セメント硬化体及び打ち継ぐセメント混練物の種類及び配合は特に限定されない。種類としては、例えば、セメントペースト,モルタル又はコンクリートが挙げられ、セメントペースト又はモルタルからなるグラウト材でもよい。
セメント打継ぎ用プライマーの塗布量は、界面活性剤の有効成分量として0.1〜20g/m2とすることが打ち継ぐセメント混練物(セメントペースト,モルタル又はコンクリート等)の強度発現性に優れ且つ新旧硬化体の一体性が高い即ち新旧硬化体の間の付着強度が高いことから好ましく、0.2〜10g/m2とすることがより好ましい。界面活性剤の有効成分量として0.1g/m2より少ない塗布量では、セメント打継ぎ用プライマーを塗布した効果が得られ難い。また、界面活性剤の有効成分量として20g/m2を超えると、打ち継ぐセメント混練物の強度発現性が悪くなる虞があり、また、塗布に時間が掛かる。
また、セメント硬化体表面(打継ぎ面)に上記セメント打継ぎ用プライマーを塗布するとき、当該プライマーの濃度を有効成分の濃度で、0.05〜10質量%とすることが、効果があり均一に塗布し易いことから好ましい。プライマーの濃度が0.05質量%よりも薄いと、プライマーの有効成分が(旧)セメント硬化体の内部に浸透し易く、打継ぎ面に有効成分が残り難いため、有効成分の効果を発揮し難い。また、プライマーの濃度が10質量%よりも濃いと、有効成分の塗布量を均一に塗布し難い。濃すぎる場合は、水又は低分子のアルコール等の常温で気化する液体で希釈しても良い。
セメント打継ぎ用プライマーの塗布1回当たりの塗布量としては、60〜250g/m2とすることが均一に塗布し易いことから好ましい。塗布1回当たりの塗布量が60g/m2よりも少ないと、塗布後直ぐに打継ぎ面からセメント硬化体内部に浸み込んでしまい均一に塗布し難く、また塗布に時間が掛かり、塗布から打ち継ぐ未硬化のセメント混練物の打設までの時間が掛かるとともに管理し難い。また、塗布1回当たりの塗布量が250g/m2よりも多いと、打継ぎ面が立上り面(壁面又は側面)や見上げ面(下面)のときに塗布したプライマーが流れ落ち、上面のときは不陸にプライマーが溜まり有効成分濃度が不均一になり易い。また、セメント打継ぎ用プライマーの打継ぎ面への塗布回数は特に限定されないが、1〜2回が好ましい。塗布回数が多いと非効率で、塗布から打ち継ぐ未硬化のセメント混練物の打設までの時間が掛かるとともに管理し難い。
セメント打継ぎ用プライマーを打継ぎ面に塗布する方法は特に限定されない。例えば、刷毛やローラーによる塗布又は噴霧が好ましい。
セメント打継ぎ用プライマーを打継ぎ面に塗布する前に、打継ぎ面を清掃、洗浄等により清浄化することが、新旧硬化体の間の付着強度が高くなることから好ましい。
セメント打継ぎ用プライマーを打継ぎ面に塗布後、直ちに、セメント混練物で打ち継いでも良いし、塗布したセメント打継ぎ用プライマーが乾燥後にセメント混練物で打ち継いでも良い。このため、塗布から打ち継ぐ未硬化のセメント混練物の打設までの時間を意識することなく施工を行える。打ち継ぐ未硬化のセメント混練物を打設する方法は特に限定されない。
[実施例1]
表1又は表2に示した配合割合のプライマーを調整し、同じく表1又は表2に示した塗布量及び回数で、コンクリート基板に塗布した。プライマーが乾燥後、表1又は表2に示したモルタルを15mm厚で塗り付け試験体とした。その後、作製した試験体を野外に曝露した。その後、以下に示したとおり、付着試験および乾湿繰返し試験を行った。その結果を表1又は表2に示した。使用した材料について、以下に示した。また、試験方法について、以下に示した。
<使用材料>
・コンクリート基板:
24−8−20NのJISコンクリートを開口部300×500mm,厚さ60mmの型枠に打設し、3日後に脱型した。脱型後は材齢28日まで20℃水中で養生し、その後は屋外に曝露,材齢1年を経てから型枠底面側を180MPaのウォータージェットで目荒らしを行い試験面として試験に供した。
・モルタル:
セメントモルタル : 「RSモルタル−N」(商品名)(シンエイマスター社製、ノンポリマー(結合材としてのポリマーを含有していない。))
ポリマーセメントモルタル : 「NEXSUS」(商品名)(太平洋マテリアル社製)
・界面活性剤 :
ポリビニルアルコールA : 「OKS−8041」(製品型番) (日本合成化学工業社製、4%水溶液粘度 3.0 mPa・s,ケン化度 89.0 mol%)
ポリビニルアルコールB : 「VP−20」(製品型番) (日本酢ビ・ポバール社製、4%水溶液粘度 30〜34mPa・s,ケン化度 86.0〜90 mol%)
ポリビニルアルコールC : 「PVA−105」(製品型番) (クラレ社製、4%水溶液粘度 5.2〜6.0 mPa・s,ケン化度 98.0〜99.0 mol%)
ジアルキルスルホコハク酸塩 : 「エアロールCT−1」(商品名、製品型番) (東邦化学工業社製、ジオクチルスルホサクシネート・ナトリウム塩,有効成分濃度 70%)
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル : 「ペグノールST−7」(商品名、製品型番) (東邦化学工業社製、ポリオキシエチレンアルキルエーテル,有効成分濃度99%以上)
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩 : 「 ネオハイテノールECL−45」(商品名、製品型番) (第一工業製薬社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム,有効成分濃度 約24%)
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩 :「 ハイテノールW−2320」 (商品名、製品型番)(第一工業製薬社製、ポリオキシエチレンオレイルセチルエーテル硫酸ナトリウム,有効成分濃度 約20%)
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩 : 「 フォスファノールED−200」(商品名、製品型番)(東邦化学工業社製、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸,有効成分濃度98%以上)
・市販ポリマーエマルション系吸水調整プライマー :
吸水調整プライマーA : 「NSハイフレックスHF−1000 」(商品名、製品型番)(日本化成社製、エチレン酢酸ビニル系エマルション,固形分(有効成分)45%)
吸水調整プライマーB : 「UプライマーG」(商品名)(宇部興産社製、アクリルスチレン系エマルション,固形分(有効成分)45%)
吸水調整プライマーC : 「エフェクトA 」(商品名)(太平洋マテリアル社製、アクリルスチレン系エマルション,固形分(有効成分)18%)
吸水調整プライマーD : 「TMポリマーC 」(商品名)(太平洋マテリアル社製、オールアクリル系エマルション,固形分(有効成分)23%)
表1又は表2に示した配合割合のプライマーを調整し、同じく表1又は表2に示した塗布量及び回数で、コンクリート基板に塗布した。プライマーが乾燥後、表1又は表2に示したモルタルを15mm厚で塗り付け試験体とした。その後、作製した試験体を野外に曝露した。その後、以下に示したとおり、付着試験および乾湿繰返し試験を行った。その結果を表1又は表2に示した。使用した材料について、以下に示した。また、試験方法について、以下に示した。
<使用材料>
・コンクリート基板:
24−8−20NのJISコンクリートを開口部300×500mm,厚さ60mmの型枠に打設し、3日後に脱型した。脱型後は材齢28日まで20℃水中で養生し、その後は屋外に曝露,材齢1年を経てから型枠底面側を180MPaのウォータージェットで目荒らしを行い試験面として試験に供した。
・モルタル:
セメントモルタル : 「RSモルタル−N」(商品名)(シンエイマスター社製、ノンポリマー(結合材としてのポリマーを含有していない。))
ポリマーセメントモルタル : 「NEXSUS」(商品名)(太平洋マテリアル社製)
・界面活性剤 :
ポリビニルアルコールA : 「OKS−8041」(製品型番) (日本合成化学工業社製、4%水溶液粘度 3.0 mPa・s,ケン化度 89.0 mol%)
ポリビニルアルコールB : 「VP−20」(製品型番) (日本酢ビ・ポバール社製、4%水溶液粘度 30〜34mPa・s,ケン化度 86.0〜90 mol%)
ポリビニルアルコールC : 「PVA−105」(製品型番) (クラレ社製、4%水溶液粘度 5.2〜6.0 mPa・s,ケン化度 98.0〜99.0 mol%)
ジアルキルスルホコハク酸塩 : 「エアロールCT−1」(商品名、製品型番) (東邦化学工業社製、ジオクチルスルホサクシネート・ナトリウム塩,有効成分濃度 70%)
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル : 「ペグノールST−7」(商品名、製品型番) (東邦化学工業社製、ポリオキシエチレンアルキルエーテル,有効成分濃度99%以上)
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩 : 「 ネオハイテノールECL−45」(商品名、製品型番) (第一工業製薬社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム,有効成分濃度 約24%)
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩 :「 ハイテノールW−2320」 (商品名、製品型番)(第一工業製薬社製、ポリオキシエチレンオレイルセチルエーテル硫酸ナトリウム,有効成分濃度 約20%)
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩 : 「 フォスファノールED−200」(商品名、製品型番)(東邦化学工業社製、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸,有効成分濃度98%以上)
・市販ポリマーエマルション系吸水調整プライマー :
吸水調整プライマーA : 「NSハイフレックスHF−1000 」(商品名、製品型番)(日本化成社製、エチレン酢酸ビニル系エマルション,固形分(有効成分)45%)
吸水調整プライマーB : 「UプライマーG」(商品名)(宇部興産社製、アクリルスチレン系エマルション,固形分(有効成分)45%)
吸水調整プライマーC : 「エフェクトA 」(商品名)(太平洋マテリアル社製、アクリルスチレン系エマルション,固形分(有効成分)18%)
吸水調整プライマーD : 「TMポリマーC 」(商品名)(太平洋マテリアル社製、オールアクリル系エマルション,固形分(有効成分)23%)
<試験方法>
・付着試験:
モルタル表面側よりコンクリート基板表面に達するまで内径Φ50mmのコアビットにて切込みを入れた。モルタル表面にΦ50mmの鋼製アタッチメントをエポキシ接着剤で貼り付け、建研式接着力試験器を用いて面に垂直方向に引っ張ることで付着性能を評価した。各々の試験では各水準5か所で測定を行い、付着強度最高値・最低値データを除いた3か所の平均値を以って評価した。
付着強度は1.8MPa以上を以って良好(○),2.2MPa以上を以って非常に良好(◎)とし、1.8MPa未満を不合格(×)とした。破断箇所は躯体凝集部をA,躯体-モルタル界面(接着プライマー部破断を含む)をB,モルタル凝集部をC,モルタル-鋼製アタッチメント接着面(接着に用いたエポキシ接着剤部を含む)をDとし、破断箇所に占める面積比を10%単位の精度で評価し、Bの占める比率が30%以下を以って一体性が良好(○),10%以下を以って非常に良好(◎)であるとし、30%超える場合を不合格(×)とした。
付着試験は、材齢28日と、乾湿繰返し30サイクル後の2回実施した。
・乾湿繰返し試験:
試験体を材齢28日まで曝露した後、試験体4側面をエポキシ塗装材でシーリングし、20℃水中3日間,50℃気中乾燥4日間を1サイクルとし、30サイクルの負荷を行った。
・付着試験:
モルタル表面側よりコンクリート基板表面に達するまで内径Φ50mmのコアビットにて切込みを入れた。モルタル表面にΦ50mmの鋼製アタッチメントをエポキシ接着剤で貼り付け、建研式接着力試験器を用いて面に垂直方向に引っ張ることで付着性能を評価した。各々の試験では各水準5か所で測定を行い、付着強度最高値・最低値データを除いた3か所の平均値を以って評価した。
付着強度は1.8MPa以上を以って良好(○),2.2MPa以上を以って非常に良好(◎)とし、1.8MPa未満を不合格(×)とした。破断箇所は躯体凝集部をA,躯体-モルタル界面(接着プライマー部破断を含む)をB,モルタル凝集部をC,モルタル-鋼製アタッチメント接着面(接着に用いたエポキシ接着剤部を含む)をDとし、破断箇所に占める面積比を10%単位の精度で評価し、Bの占める比率が30%以下を以って一体性が良好(○),10%以下を以って非常に良好(◎)であるとし、30%超える場合を不合格(×)とした。
付着試験は、材齢28日と、乾湿繰返し30サイクル後の2回実施した。
・乾湿繰返し試験:
試験体を材齢28日まで曝露した後、試験体4側面をエポキシ塗装材でシーリングし、20℃水中3日間,50℃気中乾燥4日間を1サイクルとし、30サイクルの負荷を行った。
ポリビニルアルコール溶液を主要成分とするプライマーについては、次に示すアルカリ安定性試験を行った。その結果を表1及び表2に他の試験結果とともに示した。
・ポリビニルアルコールのアルカリ安定性試験:
ポリビニルアルコールを含むプライマーと5%水酸化ナトリウム溶液と1:1の質量比率で混合し、20℃で3日間静置した際の変化(ゲル化)の有無を確認した。ゲル化が起こった場合は不合格(×)、ゲル化が起こらなかった場合は合格(○)とした。
・ポリビニルアルコールのアルカリ安定性試験:
ポリビニルアルコールを含むプライマーと5%水酸化ナトリウム溶液と1:1の質量比率で混合し、20℃で3日間静置した際の変化(ゲル化)の有無を確認した。ゲル化が起こった場合は不合格(×)、ゲル化が起こらなかった場合は合格(○)とした。
本発明の実施例に当たるプライマーを打ち継ぎ面に塗布して打ち継いだ試験体は、何れも付着試験結果が非常に良好(◎)であった。
本発明は、セメントペースト、モルタル及びコンクリートの打継ぎを伴工事等に好適に用いることができる。
Claims (6)
- 界面活性剤を主要成分とするセメント打継ぎ用プライマー。
- 上記界面活性剤がポリビニルアルコール溶液を主要成分とする請求項1記載のセメント打継ぎ用プライマー。
- 上記ポリビニルアルコール溶液がアルカリ安定性のものである請求項2に記載のセメント打継ぎ用プライマー。
- 含有するポリビニルアルコールが、ケン化度が70mol%以上95mol%以下、又は/及び4%水溶液としたときの20℃における粘度が10mPa・s以下である請求項2又は3に記載のセメント打継ぎ用プライマー。
- 上記界面活性剤がジアルキルスルホコハク酸、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩、、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩から選ばれる1種又は2種以上を主要成分とする請求項1のセメント打継ぎ用プライマー。
- セメント硬化体表面に、請求項1〜5何れかに記載のセメント打継ぎ用プライマーを塗布し、該セメント打継ぎ用プライマーの表面に、未硬化のセメント混練物を打継ぐことを特徴とするセメントの打継ぎ方法。
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