JP2016121453A - 跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法 - Google Patents

跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法 Download PDF

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Abstract

【課題】橋と交差する道路や線路の通行止め時間の短縮を図り、橋の立地条件等にも左右されることなく解体・撤去作業をすることができ、且つ、工期を短縮してコストダウンを図ることのできる橋の解体・撤去方法を提供する。【解決手段】橋(アーチ橋B1)を解体して撤去する橋の解体・撤去方法において、橋(アーチ橋B1)の桁(アーチリブB12)を切断する桁切断工程(S5)と、回転ヒンジ(ピン支承機構P1)を軸として桁(アーチリブB12)を上方へ跳ね上げて回転させ橋台(B15,B16)側へ引き寄せる桁回転工程(S6)と、を行う。【選択図】図11

Description

本発明は、線路を跨ぐ跨線橋、道路を跨ぐ跨道橋、渓谷に架かる橋などの橋の解体・撤去方法に関するものである。
橋の老朽化や拡張などの架け替えの要請等により、種々の方法により既設の橋の解体・撤去工事が行われている。従来の中小規模の上路アーチ橋等の橋の解体・撤去方法では、一般的に、足場や解体時に桁を下方から支持する固定支保工等を設置したうえ、補剛桁や鉛直材を撤去した後、桁等をカッター等で切断し、切断したピース毎に大型のクレーン等で揚重・移動させて、解体工事等を行う橋と接続している道路や交差する道路等からそれらのピースをトラックやトレーラ等で運搬・排出するようにして解体・撤去工事が行われていた。
しかし、線路を跨ぐ跨線橋、道路を跨ぐ跨道橋などの解体・撤去工事では、橋と交差する道路や線路が長期間通行止めを余儀なくされるか、足場や支保工等で道路等の一部を占拠したうえ、安全を確保する観点から、解体・切断したピースを移動させる際には、これらの道路や線路を通行止めにしなければならないという問題があった。また、桁下の地面から橋梁までの高さが高い場合や、河川や渓谷に架かる橋などの橋の立地条件によっては、そもそも橋の下に足場や支保工、クレーンなどの大型の揚重装置等を、搬入したり、設置したりすることが非常に困難であるという問題もあった。
例えば、特許文献1には、アーチ橋10の補剛桁20および鉛直材18L1等の少なくとも一部を解体した後、アーチ橋10のアーチリブ16を、アーチリブ16の一端部近傍部位において切断するとともに、該一端部に位置するアーチアバット14L,14Rの近傍に、鉛直軸線回りに回転可能な支承治具108を設置して、この支承治具108によりアーチリブ16を支持するようにし、次に、アーチリブ16の上方に外ケーブル114を配置して、外ケーブル114の先端部をアーチリブ16の他端部近傍部位に定着するとともに、外ケーブル114の基端部を上記一端部側の所定位置に設置された定着用治具102に定着し、そして、この外ケーブル114を緊張した後、アーチリブ16を外ケーブル114の先端部の定着位置よりも上記他端部側において切断し、その後、アーチリブ16を、上記鉛直軸線回りに上記一端部側の地盤近傍まで旋回させるアーチ橋の解体撤去方法が開示されている(特許文献1の特許請求の範囲の請求項1、明細書の段落0032〜0049、図面の図2〜図7等参照)。
しかし、特許文献1に記載のアーチ橋の解体撤去方法では、アーチ橋にしか適用できず、その他の橋、例えば、単純桁橋、トラス橋、斜張橋等には適用できないという問題があった。また、支保工の設置を不要にして、橋の下を通過する道路の通行止め期間を従来に比して大幅に短縮することができるとされているものの、特許文献1に記載のアーチ橋の解体撤去方法では、アーチリブ16を旋回する際には、道路を通行止めにしなければならず、前記問題の解決も不十分であった。
また、特許文献2には、車両走行路等72に跨線道71を立体交差させるために設けられた既設橋桁1の上に、跨線道71のスペースを利用してエレクションガーダー等の架設桁2を送り出して配置し、既設橋桁1の軸方向に所定のピッチで配置された仮吊り梁6および吊鋼棒5を介して既設橋桁1を架設桁2に支持させ、既設橋桁1を隣り合う一対の仮吊り梁6(吊鋼棒5)を含むように複数の桁ブロック1bに切断し、桁ブロック1bの一対の仮吊り梁6に下部吊り金具13を嵌合させて移動吊り装置3により個別に吊り上げ、吊鋼棒5の架設桁2の側の連結を解除して、跨線道71または車両走行路等72に待機する車両に積み込んで撤去する既設橋梁の撤去方法等が開示されている(特許文献1の特許請求の範囲の請求項1、2、明細書の段落0027〜0036、図面の図9A〜図10C等参照)。
しかし、特許文献2に記載の既設橋梁の撤去方法では、跨線道71のスペースを利用してエレクションガーダー等の架設桁2を送り出して配置し、既設橋桁1の軸方向に所定のピッチで配置された仮吊り梁6および吊鋼棒5を介して既設橋桁1を架設桁2に支持させるので、橋下の道路を使用するものであり、前記問題の解決も不十分であるだけでなく、橋の解体に際して架設桁2を新たに架けなければならないという問題があった。このため、解体作業を始める前に工期が大幅に掛かり、費用も嵩んでしまうという問題があった。
特開2007−126909号公報 特開2014−66007号公報
そこで、本発明は、前述した問題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、橋と交差する道路や線路の通行止めの時間の短縮を図り、橋の立地条件等にも左右されることなく解体・撤去作業をすることができ、且つ、工期を短縮してコストダウンを図ることのできる橋の解体・撤去方法を提供することにある。
第1発明に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法は、橋を解体して撤去する橋の解体・撤去方法であって、前記橋の桁を切断する桁切断工程と、前記橋の橋脚下部又はアーチリブ下部の回転ヒンジを軸として前記桁を上方へ跳ね上げて回転させ橋台側へ引き寄せる桁回転工程と、を有することを特徴とする。
第2発明に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法は、第1発明において、前記桁回転工程の前に、前記桁を上方へ跳ね上げて回転させる回転ヒンジを形成する回転ヒンジ形成工程を有することを特徴とする。
第3発明に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法は、第1発明又は第2発明において、前記桁切断工程前に、前記桁を引っ張って跳ね上げ回転させるための線材及びその反力台を設置する反力台設置工程を有することを特徴とする。
第4発明に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法は、第1発明ないし第3発明のいずれかの発明において、前記桁回転工程で桁を跳ね上げる方向とは逆の回転方向へ牽引する線材を前記桁に緊結する工程を有することを特徴とする。
第5発明に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法は、第1発明ないし第3発明のいずれかの発明において、前記桁回転工程で桁を跳ね上げる方向とは逆の回転方向へ押圧する支持装置を前記桁に取り付ける工程を有することを特徴とする。
第6発明に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法は、第1発明ないし第5発明のいずれかの発明において、前記回転ヒンジ形成工程前に、回転ヒンジを形成する時に前記桁の自重を支える仮支持部材を設置する仮支持部材設置工程を有することを特徴とする。
第1発明〜第6発明によれば、跨線橋、跨道橋などの道路や線路と立体交差する橋の解体・撤去工事であっても、交差する道路や線路の通行止めを極力少なくすることができ、そのため、休日に作業したり反対に休日を除く日に作業をしたりしなければならないという作業日程の制約も受けにくい。また、桁下の地面から橋梁までの高さが高い場合や、河川や渓谷に架かる橋など足場や支保工を設置するのが困難な立地条件であっても、橋の解体・撤去作業をすることができる。
また、第1発明〜第6発明によれば、足場や支保工の設置個所を極力少なくすることができるので、その分工期を短縮して解体・撤去作業のコストダウンを図ることができる。その上、跳ね上げるだけで、桁等の解体作業のしやすい場所で解体してすぐそばから解体した桁のピースを搬出することができるため、作業時間を短縮して解体・撤去作業のコストダウンを図ることができる。
特に、第2発明によれば、前記桁回転工程の前に、前記桁を上方へ跳ね上げて回転させる回転ヒンジを形成する回転ヒンジ形成工程を有するので、桁回転工程の際に、安全且つスムーズに桁を跳ね上げ回転させることができ、さらに作業時間を短縮して解体・撤去作業のコストダウンを図ることができる。
特に、第3発明によれば、前記桁切断工程前に、前記桁を引っ張って跳ね上げ回転させるための線材及びその反力台を設置する反力台設置工程を有するので、反力台と線材で掛け止められており、後工程である桁切断工程において、切断した桁の一部が誤って落下してしまう事故を防ぐことができる。
特に、第4、第5発明によれば、前記桁回転工程で桁を跳ね上げる方向とは逆の回転方向へ牽引する線材を前記桁に緊結する工程を有するか、又は、前記桁回転工程で桁を跳ね上げる方向とは逆の回転方向へ押圧する支持装置を前記桁に取り付ける工程を有するので、跳ね上げ回転させる桁の重心が回転ヒンジの軸を過ぎた場合でも、自重で加速して意図した位置より回転しすぎることを防止することができる。このため、より安全に橋の解体・撤去作業を行うことができる。
特に、第6発明によれば、前記回転ヒンジ形成工程前に、回転ヒンジを形成する時に前記桁の自重を支える仮支持部材を設置する仮支持部材設置工程を有するので、桁等に回転ヒンジを形成する際に、解体中の桁が自重で崩壊したり落下したりすることを防止することができる。
本発明の第1実施形態に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法を適用するアーチ橋の解体・撤去工事の着工前を示す立面図である。 本発明の第1実施形態に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法の工程の概略を示すフローチャートである。 同上の跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法の補剛桁・鉛直材撤去工程を示す立面図である。 同上の跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法の仮支持部材設置工程を示す立面図である。 図4のアーチアバット付近を拡大して示す部分拡大図である。 同上の跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法の回転ヒンジ形成工程を示す立面図である。 図6のアーチアバット付近を拡大して示す部分拡大図である。 図6、図7に示すピン支承機構の構成を説明する構成説明図である。 同上の跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法の反力台設置工程を示す立面図である。 同上の跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法の桁切断工程を示す立面図である。 同上の跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法の桁回転工程を示す立面図である。 同上の跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法の桁解体・撤去工程を示す立面図である。 本発明の第2実施形態に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法の工程の概略を示すフローチャートである。 同上の跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法の回転ヒンジ形成工程を示す立面図である。 図14のアーチアバット付近を拡大して示す部分拡大図である。 同上の回転ヒンジ形成工程の別例を示す立面図である。 図16のアーチアバット付近を拡大して示す部分拡大図である。 同上の跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法の桁下端切断・撤去工程を示す立面図である。 本発明の第3実施形態に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法を適用するアーチ橋の解体・撤去工事の着工前を示す立面図である。 本発明の第3実施形態に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法の工程の概略を示すフローチャートである。 同上の跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法の桁側径間撤去工程を示す立面図である。 同上の跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法の仮支持部材設置工程を示す立面図である。 図22のアーチアバット付近を拡大して示す部分拡大図である。 同上の跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法の回転ヒンジ形成工程を示す立面図である。 図24のアーチアバット付近を拡大して示す部分拡大図である。 同上の跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法の反力台設置工程を示す立面図である。 同上の跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法の桁切断工程を示す立面図である。 同上の跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法の桁回転工程を示す立面図である。 同上の桁回転工程の回転中心を過ぎた後の工程を示す立面図である。 同上の工程の別例を橋台付近を拡大して示す部分拡大図である。 同上の跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法の桁解体・撤去工程を橋台付近を拡大して示す部分拡大図である。 同上の工程の別例を示す部分拡大図である。 同上の工程の別例の切断・回転後を示す部分拡大図である。
以下、本発明に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法を実施するための一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、既設構造物として道路と交差する道路橋を例示して説明する。
[第1実施形態]
図1〜図12を用いて、第1実施形態に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法について説明する。第1実施形態に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法は、本発明に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法を、アーチ橋を解体・撤去する場合に適用したものであり、このアーチ橋B1は、道路R1の上に立体交差する道路R2としてかけられた上路開腹式の鉄筋コンクリート製の跨道橋である。
先ず、解体前のアーチ橋B1の構成について、図1を用いて、簡単に説明する。図示アーチ橋B1は、道路R1の法面に、左右一対のアーチアバットB10、B11が形成され、これらのアーチアバットB10、B11間に主桁であるアーチリブB12が架け渡されている。そして、このアーチリブB12上に、複数の鉛直材B13を介してアーチリブB12に支持された補剛桁B14が、道路R1の法面の上部に形成された左右一対の橋台B15、B16間に架け渡されている。
図2に示すように、第1実施形態に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法は、補剛桁・鉛直材撤去工程S1と、仮支持部材設置工程S2と、回転ヒンジ形成工程S3と、反力台設置工程S4と、桁切断工程S5と、桁回転工程S6、桁解体・撤去工程S7など、の工程を備えたアーチ橋を解体・撤去する方法である。
(1)補剛桁・鉛直材撤去工程
先ず、第1実施形態に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法では、図3に示すように、破線で示した部分の補剛桁B14と、それを支える鉛直材B13を解体して、アーチ橋B1に続く左右の道路R2等から搬出・撤去する補剛桁・鉛直材撤去工程S1を行う。本工程では、補剛桁B14と鉛直材B13の全部を撤去する必要はなく、図の破線で示したように、後述の桁回転工程S6の際に桁の回転に支障のない橋の両端部に位置する補剛桁及び鉛直材は残置する。補剛桁B14とその上の道路を残しておけば、主桁であるアーチリブB12の搬出・撤去の際の足場や搬出路として使用でき、搬出・撤去が容易となるからである。
(2)仮支持部材設置工程
次に、図4、図5に示すように、次工程の回転ヒンジ形成工程S3において、アーチリブB12のアーチアバットB10、B11側となる両端付近に回転ヒンジを形成する際に、アーチリブB12の自重を支える仮支持部材を設置する仮支持部材設置工程S2を行う。第1実施形態に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法の仮支持部材設置工程S2では、仮支持部材として、コンクリート製の支持部材C1を設置する。
具体的には、アーチアバットB10、B11の一部のコンクリートを斫り取って、鉄筋を露出させたうえ、支持部材C1の型枠を建込み、コンクリートを打設してアーチアバットB10、B11と支持部材C1を一体化させる。勿論、ケミカルアンカー等の後施工アンカーでアーチアバットB10、B11とアーチリブB12の両方に接続・固定された鋼製の支持部材であっても構わない。要するに、支持部材は、次工程の回転ヒンジ形成工程S3においてアーチリブB12とアーチアバットB10、B11との接合部分を斫りとったり、アーチリブB12の基端部を切断したりする際にアーチリブB12の自重の一部(半分)を支えることができる部材であればよい(図7も参照)。
(3)回転ヒンジ形成工程
次に、図6に示すように、アーチリブB12とアーチアバットB10、B11との接合部分のコンクリート等を斫り取って撤去し、主桁であるアーチリブB12の跳ね上げ回転が可能な回転ヒンジを形成する回転ヒンジ形成工程S3を行う。第1実施形態に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法の回転ヒンジ形成工程S3では、図7に示すように、回転ヒンジとして、アーチリブB12とアーチアバットB10、B11との接合部分に橋梁の規模に応じて単数又は複数のピン支承機構P1を設置する。また、ピン支承機構P1を設置して回転ヒンジを形成するとともに、アーチリブB12の回転に支障がないように、アーチアバットB10、B11の一部を斫り取って撤去する。
このピン支承機構P1は、図8に示すように、下沓P10と上沓P11とを水平方向に伸びるピンP12で回動自在に連結した鋼製のピン支承機構であり、下沓P10がアンカーA10でアーチアバットB10、B11に定着され、上沓P11がアンカーA11でアーチリブB12に定着されている。このため、ピン支承機構P1をアーチリブB12とアーチアバットB10、B11との接合部分に設置することにより、アーチリブB12がアーチアバットB10、B11に対して回動自在となる。
但し、この回転ヒンジ形成工程では、図8に示すようなピン支承機構P1を設置するのではなく、アーチリブB12とアーチアバットB10、B11との接合部分のコンクリート等を斫り取り、内部補強鉄筋の一部を切断するなどして、アーチリブB12とアーチアバットB10、B11との接合部分に強度的な弱点部分を形成し、そこを回転ヒンジとしてもよい。要するに、アーチリブB12がアーチアバットB10、B11に対して回動自在となる回転ヒンジを形成できればよい。
勿論、例えば、鋼橋などアバット等とアーチリブ等とがピン接合で接合され、既に橋に回転ヒンジが形成されている場合は、前述の回転ヒンジ形成工程は省略することができるのは云うまでもない。
(4)反力台設置工程
次に、図9に示すように、アーチリブB12を引っ張って跳ね上げ回転させるための牽引用の線材及びその反力台を設置する反力台設置工程S4を行う。第1実施形態に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法の反力台設置工程S4では、橋台B15、B16の上に、反力台D1をそれぞれ設置するとともに、アーチリブB12牽引用の線材として、PC鋼線(PC鋼線より線、PC鋼棒を含む、以下同じ)P2を反力台D1とアーチリブB12の頂部付近との間に張設する。また、反力台D1は、必要に応じて、PC鋼線P2と反対方向にグランドアンカーG1で控えをとって地盤から反力を得るようにしてもよい。※必要な反力を取れるのであれば反力台の設置位置は、橋台後方でも良い
(5)桁切断工程
次に、図10に示すように、アーチリブB12を中央付近で切断する桁切断工程S5を行う。第1実施形態に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法の桁切断工程S5では、フラットソーやワイヤーソー等の切断装置を用いて、又は溝状にコンクリートを斫り取って鉄筋をカッター等で切断することにより、アーチリブB12を中央付近で2つのピースに切断する。このとき、前工程で張設したPC鋼線P2に張力を付与してアーチリブB12が切断時に下降しないようにすると安全上好ましい。
(6)桁回転工程
次に、図11に示すように、前工程で2つのピースに切断したアーチリブB12をそれぞれ回転ヒンジであるピン支承機構P1を軸として上方へ跳ね上げて回転させ橋台B15、B16側へ引き寄せる桁回転工程S6を行う。第1実施形態に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法の桁回転工程S6では、撤去せずに存置した鉛直材B13及び補剛桁B14と当接する直前となる所定角度まで、切断したアーチリブB12を上方へ跳ね上げて回転させる。ここで、所定角度とは、ピン支承機構P1の軸であるピンP12の直上に切断したアーチリブB12のピースの重心が位置する角度であり、この角度であれば、アーチリブB12の自重で回転するおそれが少なく好ましい。また、所定角度にアーチリブB12を止めるのは、鉛直材B13又は補剛桁B14に緩衝材を噛まして当接させて止めるとよい。
(7)桁解体・撤去工程
次に、図12に示すように、前工程で上方へ跳ね上げたアーチリブB12を解体・撤去する桁解体・撤去工程S7を行う。第1実施形態に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法の桁解体・撤去工程S7では、跳ね上げたアーチリブB12の脇に足場を組んで、アーチリブB12を斫るか切断して,上方から下方へ徐々に解体していく。足場は、コンクリート製で足元の支持力が安定しているアーチアバットB10、B11上に組み立てるとよい。また、解体したアーチリブB12のコンクリート片は、残置した補剛桁B14上の道路R2などを利用して搬出・撤去する。勿論、場合によっては、交差する道路R1を利用してもよい。
(8)その他の残部解体・撤去工程
次に、図示しないが、従来の橋の解体・撤去方法と同様に、残りの鉛直材B13及び補剛桁B14、アーチアバットB10、B11、橋台B15、B16などの残部を解体・撤去する残部解体・撤去工程を行う。解体したコンクリート等のピースは、従来通り大型のクレーン等の揚重装置で、揚重・移動し、道路R2又は道路R1等を利用して搬出・撤去する。
以上に説明した本発明の第1実施形態に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法によれば、足場や支保工の設置個所を極力少なくすることができるので、その分工期を短縮して解体・撤去作業のコストダウンを図ることができる。その上、跳ね上げるだけで、アーチリブB12等の解体作業のしやすい場所で解体してすぐそばから解体したアーチリブB12等のピースを搬出することができるため、作業時間を短縮して解体・撤去作業のコストダウンを図ることができる。
また、第1実施形態に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法によれば、桁切断工程S5前に、反力台設置工程S4を行うので、アーチリブB12の切断の際に、アーチリブB12が反力台D1とPC鋼線P2で掛け止められており、アーチリブB12が下降しない。そのため、切断時にアーチリブB12が回動(移動)しないので、切断したアーチリブB12の一部が誤って落下してしまう事故等を防ぐことができる。
その上、第1実施形態に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法によれば、回転ヒンジ形成工程S3前に仮支持部材設置工程S2を行うので、回転ヒンジ形成工程S3において、アーチリブB12にピン支承機構P1などの回転ヒンジを形成する際に、アーチリブB12が自重で崩壊したり落下したりすることを防止することができる。
[第2実施形態]
次に、図13〜図18を用いて、第1実施形態に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法の変形例である第2実施形態に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法について説明する。第2実施形態に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法が、第1実施形態に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法と相違する点は、仮支持部材設置工程S2を行わず、回転ヒンジ形成工程S2’を行った後にアーチリブB12の基端部を切断してアーチアバットB10、B11から切り離す点であり、その点を中心に説明し、第1実施形態に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法と同一工程は、説明を省略する。
図13に示すように、第2実施形態に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法は、補剛桁・鉛直材撤去工程S1と、回転ヒンジ形成工程S2’と、桁下端切断・撤去工程S3’と、反力台設置工程S4と、桁切断工程S5と、桁回転工程S6、桁解体・撤去工程S7など、の工程を備えたアーチ橋を解体・撤去する方法である。
(2)回転ヒンジ形成工程
前述と同様に(1)補剛桁・鉛直材撤去工程を行った後、図14、図15に示すように、アーチリブB12とアーチアバットB10、B11との接合部分のアーチリブB12の下に、アーチリブB12の跳ね上げ回転が可能な回転ヒンジを形成する回転ヒンジ形成工程S2’を行う。第2実施形態に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法の回転ヒンジ形成工程S2’では、回転ヒンジとして前述のピン支承機構P1を設置するが、前述の(3)回転ヒンジ形成工程のように、アーチリブB12の下端を切断してその端面にピン支承機構P1を設置するのではなく、アーチリブB12の下部(下端付近)の下側及びアーチアバットB10、B11にコンクリート部材C2を打ち増して、ピン支承機構P1を設置する。勿論、コンクリートを打ち増さず、全て鋼製としてもよいことは云うまでもない。
なお、本工程では、図16、図17に示すように、ピン支承機構P1及びコンクリート部材C2をアーチリブB12の下部(下端付近)の下側ではなく、上側に設けてもよい。但し、ピン支承機構P1を設置する際には、アーチリブB12の回転に支障がないように、図に示すように、アーチアバットB10、B11の一部を斫り取って撤去する。
(3)桁下端切断・撤去工程
次に、図18に示すように、アーチリブB12とアーチアバットB10、B11との接合部分であるアーチリブB12の下部を切断してアーチアバットB10、B11からアーチリブB12を切り離す。また、このとき、アーチリブB12の回転に支障がないように、アーチアバットB10、B11の一部を斫り取って撤去する。
第2実施形態に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法では、以降の工程では、前述の(4)反力台設置工程〜(8)その他の残部解体・撤去工程を順次行っていく。
第2実施形態に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法によれば、(3)桁下端切断・撤去工程の前に、(2)回転ヒンジ形成工程を行っている、つまり、アーチアバットB10、B11からアーチリブB12を切り離す際に、既にピン支承機構P1でアーチリブB12とアーチアバットB10、B11とが連結されている。このため、ピン支承機構P1の設置作業を安全に行うことができ、アーチリブB12が自重で崩壊したり落下したりすることを防止することができる。
[第3実施形態]
次に、図19〜図33を用いて、第3実施形態に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法について説明する。第3実施形態に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法は、本発明に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法を、方杖ラーメン橋を解体・撤去する場合に適用したものであり、この方杖ラーメン橋H1は、道路R1の上に立体交差する道路R2としてかけられた鉄筋コンクリート製またはプレストレストコンクリート製の跨道橋である。
先ず、解体前の方杖ラーメン橋H1の構成について、図19を用いて、簡単に説明する。図示方杖ラーメン橋H1は、道路R1の法面に、左右一対のアバットH10、H11が形成され、これらのアバットH10、H11に連結・支承された方杖H12、H13に支えられて主桁H14が道路R1の法面の上部に形成された左右一対の橋台H15、H16間に架け渡されている。また、この主桁H14は、方杖H12、H13と橋台H15、H16との間の側径間H17、18と、方杖H12と方杖H13との間の中央径間H19とに分けられる。そして、少なくとも、中央径間H19と方杖H12、H13とは、コンクリートで一体化されている。
図20に示すように、第3実施形態に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法は、桁側径間撤去工程S1”と、仮支持部材設置工程S2”と、回転ヒンジ形成工程S3”と、反力台設置工程S4”と、桁切断工程S5”と、桁回転工程S6”、桁解体・撤去工程S7”など、の工程を備えた方杖ラーメン橋を解体・撤去する方法である。
(1)桁側径間撤去工程
先ず、第3実施形態に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法はでは、図21に示すように、後述の桁回転工程S6”において桁を回転させるのに邪魔となる破線で示した部分の主桁H14、即ち主桁H14の側径間H17、18を解体して、方杖ラーメン橋H1に続く左右の道路R2等から搬出・撤去する桁側径間撤去工程S1”を行う。本工程は、従来の橋の解体・撤去方法と同様であり、詳細な説明は省略する。
(2)仮支持部材設置工程
次に、図22、図23に示すように、次工程の回転ヒンジ形成工程S3”において方杖H12、H13のアバットH10、H11との接合部分である方杖H12、H13の基端部分の下側に回転ヒンジを形成する際に、方杖H12、H13の自重を支える仮支持部材を設置する仮支持部材設置工程S2”を行う。第3実施形態に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法の仮支持部材設置工程S2”では、仮支持部材として、コンクリート製の支持部材C3を設置する。
具体的には、アバットH10、H11の一部のコンクリートを斫り取って、鉄筋を露出させたうえ、支持部材C3の型枠を建込み、コンクリートを打設してアバットH10、H11と支持部材C3を一体化させる。勿論、ケミカルアンカー等の後施工アンカーでアバットH10、H11と方杖H12、H13の両方に接続・固定された鋼製の支持部材であっても構わない。要するに、支持部材は、次工程の回転ヒンジ形成工程S3”において方杖H12、H13とアバットH10、H11との接合部分を斫りとったり、方杖H12、H13の基端部を切断したりする際に方杖H12、H13の自重を支えることができる部材であればよい(図25も参照)。
(3)回転ヒンジ形成工程
次に、図24、図25に示すように、方杖H12、H13とアバットH10、H11との接合部分のコンクリート等を斫り取って撤去し、方杖H12、H13及び主桁H14(中央径間H19)の跳ね上げ回転が可能な回転ヒンジを形成する回転ヒンジ形成工程S3”を行う。第3実施形態に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法の回転ヒンジ形成工程S3”では、図24、図25に示すように、回転ヒンジとして、方杖H12、H13とアバットH10、H11との接合部分に橋梁の規模に応じて前述の単数又は複数のピン支承機構P1を設置する。また、方杖H12、H13及び主桁H14(中央径間H19)の回転に支障がないように、アバットH10、H11の一部を斫り取って撤去する。勿論、前述のように、本工程では、ピン支承機構P1を設置する代わりに、方杖H12、H13及び主桁H14がアバットH10、H11に対して回動自在となる回転ヒンジを形成できればよく、回転ヒンジが既に形成されている場合は、本工程を省略可能である。
(4)反力台設置工程
次に、図26に示すように、方杖H12、H13及び主桁H14(中央径間H19)を引っ張って跳ね上げ回転させるための牽引用の線材及びその反力台を設置する反力台設置工程S4”を行う。第3実施形態に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法の反力台設置工程S4”では、橋台H15、H16の上に、前述の反力台D1をそれぞれ設置するとともに、方杖H12、H13及び主桁H14牽引用の線材として、PC鋼線からなる引寄せケーブルP3を反力台D1と中央径間H19の両端付近との間に張設する。また、反力台D1は、必要に応じて、引寄せケーブルP3と反対方向に前述のグランドアンカーG1で控えをとって地盤から反力を得るようにしても良いし、必要な反力を取れるのであれば反力台の設置位置は、橋台後方でも良い。
(5)桁切断工程
次に、図27に示すように、主桁H14の中央径間H19を中央付近で切断する桁切断工程S5”を行う。第3実施形態に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法の桁切断工程S5”では、フラットソーやワイヤーソー等の切断装置を用いて、又は溝状にコンクリートを斫り取って鉄筋をカッター等で切断することにより、中央径間H19を中央付近で2つのピースに切断する。このとき、前工程で張設した引寄せケーブルP3に張力を付与して中央径間H19が切断時に下降しないようにすると安全上好ましい。
(6)桁回転工程
次に、図28に示すように、前工程で2つのピースに切断した中央径間H19及び方杖H12、H13をそれぞれ回転ヒンジであるピン支承機構P1を軸として上方へ跳ね上げて回転させ、橋台H15、H16側へ引き寄せる桁回転工程S6”を行う。第3実施形態に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法の桁回転工程S6”では、切断した中央径間H19及び方杖H12、H13を、それぞれのピースの重心がピン支承機構P1の軸であるピンP12の直上に位置する角度まで上方へ跳ね上げて回転させる。
回転させているピースの重心が、回転ヒンジの回転中心に達すると、図29に示すように、引寄せケーブルP3を張設している反対側の反力台D1からPC鋼線からなる控えケーブルP4を中央径間H19の端部付近に緊結(連結)する。そして、この控えケーブルP4を反対側の反力台D1から送り出しながら、切断した中央径間H19及び方杖H12、H13のピースを、自重により橋台H15、H16側へ転倒させる。勿論、反対側の反力台D1から控えケーブルP4を中央径間H19に緊結(連結)するのは、桁回転工程S6”前、例えば、反力台設置工程S4”において、引寄せケーブルP3を張設する際に同時に行ってもよい。
また、反対側の反力台D1から控えケーブルP4を張設するのではなく、図30に示すように、押引装置T1を設置し、この押引装置T1の台T2と中央径間H19とを回転自在なピン接合で連結する鋼材からなる押し棒T3を用いて、自重により橋台H15、H16側へ転倒しようとする中央径間H19及び方杖H12、H13のピースを押し棒T3で押しながら引寄せケーブルP3で橋台H15、H16側へ引き寄せても構わない。
(7)桁解体・撤去工程
次に、図31に示すように、前工程で橋台H15、H16側へ引き寄せた中央径間H19及び方杖H12、H13のピースを解体・撤去する桁解体・撤去工程S7”を行う。第3実施形態に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法の桁解体・撤去工程S7”では、橋台H15、H16上に足場を組んで、これらのピースを斫るか切断して,上方から下方へ徐々に解体していく。また、解体したこれらのピースのコンクリート片は、道路R2などを利用して搬出・撤去する。勿論、場合によっては、交差する道路R1を利用してもよい。
また、図32、図33に示すように、ピン支承機構P1と同様の回転機構P1”を中央径間H19の半分のピースに設けて、中央径間H19及び方杖H12、H13からなるピースから方杖H12、H13を切断し、中央径間H19の半分のピースをさらに回転させて道路R2上に転倒させたうえ、これらのピースを解体・撤去してもよい。このように、回転機構P1”を設けてさらに中央径間H19を傾倒させることにより、道路R1の法面や道路R2などの地面に桁の大きなピースが接することとなり、足場を組む必要もなく、しかも油圧クラッシャーなどの大型機械などを使って直接大きなピースを解体したり、揚重したりすることができ、解体・撤去作業がさらに容易になる。
(8)その他の残部解体・撤去工程
次に、図示しないが、従来の橋の解体・撤去方法と同様に、残りのアバットH10、H11、橋台H15、H16などの残部を解体・撤去する残部解体・撤去工程を行う。解体したコンクリート等のピースは、従来通り大型のクレーン等の揚重装置で、揚重・移動し、道路R2又は道路R1等を利用して搬出・撤去する。
なお、第2実施形態に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法で述べたのと同様に、第3実施形態に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法でも、仮支持部材設置工程S2”を行わず、方杖H12、H13とアバットH10、H11との接合部分において、方杖H12、H13の基端部の上側又は下側にピン支承機構P1を取り付けた後、方杖H12、H13の基端部を切断してアバットH10、H11から切り離すようにしてもよい。そのような工程にしても、同様の作用効果を奏することは明らかである。
以上に説明した本発明の第3実施形態に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法によれば、足場や支保工の設置個所をほとんど無くすことができるので、その分工期を短縮して解体・撤去作業のコストダウンを図ることができる。その上、跳ね上げるだけで、中央径間H19や方杖H12、H13等を、解体作業のしやすい場所で解体してすぐそばから解体したこれらのピースを搬出することができるため、作業時間を短縮して解体・撤去作業のコストダウンを図ることができる。
また、第3実施形態に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法によれば、桁切断工程S5”前に、反力台設置工程S4”を行うので、中央径間H19の切断の際に、中央径間H19が反力台D1と引寄せケーブルP3で掛け止められており、中央径間H19が下降しない。そのため、切断時に中央径間H19及び方杖H12、H13が回動(移動)しないので、切断した中央径間H19の一部が誤って落下してしまう事故等を防ぐことができる。
その上、第3実施形態に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法によれば、回転ヒンジ形成工程S3”前に仮支持部材設置工程S2”を行うので、回転ヒンジ形成工程S3”において、方杖H12、H13にピン支承機構P1などの回転ヒンジを形成する際に、方杖H12、H13及び中央径間H19が自重で崩壊したり落下したりすることを防止することができる。
以上、本発明の第1実施形態〜第3実施形態に係る跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法について詳細に説明したが、前述した又は図示した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたって具体化した一実施形態を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
特に、橋としてアーチ橋や方杖ラーメン橋を例示したが、斜材付きπ型ラーメン橋など他の構造の橋であっても構わない。また、コンクリート製の橋だけでなく、鋼橋にも本発明を適用できるのは勿論である。要するに、橋に斜材等があり、回転ヒンジを設けることで上方に跳ね上げ回転して解体・撤去できる橋であれば、本発明を適用することができる。
S1 :補剛桁・鉛直材撤去工程
S1” :桁側径間撤去工程
S2、S2” :仮支持部材設置工程
S3、S2’、S3” :回転ヒンジ形成工程
S3’ :桁下端切断・撤去工程
S4、S4” :反力台設置工程
S5、S5” :桁切断工程
S6、S6” :桁回転工程
S7、S7” :桁解体・撤去工程
B1 :アーチ橋
B10、B11 :アーチアバット
B12 :アーチリブ(主桁)
B13 :鉛直材
B14 :補剛桁
B15、B16 :橋台
H1 :方杖ラーメン橋
H10、H12 :アバット
H12、H13 :方杖
H14 :主桁
H15、H16 :橋台
H17、H18 :側径間(主桁)
H19 :中央径間(主桁)
R1、R2 :道路
C1、C3 :仮支持部材
C2 :コンクリート部材
P1 :ピン支承機構(回転ヒンジ)
P1” :回転機構(回転ヒンジ)
P2 :PC鋼線(線材)
P3 :引寄せケーブル(PC鋼線:線材)
P4 :控えケーブル(PC鋼線:線材)
T1 :押引装置
T2 :台
T3 :押し棒

Claims (6)

  1. 橋を解体して撤去する橋の解体・撤去方法であって、
    前記橋の桁を切断する桁切断工程と、前記橋の橋脚下部又はアーチリブ下部の回転ヒンジを軸として前記桁を上方へ跳ね上げて回転させ橋台側へ引き寄せる桁回転工程と、を有すること
    を特徴とする跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法。
  2. 前記桁回転工程の前に、前記桁を上方へ跳ね上げて回転させる回転ヒンジを形成する回転ヒンジ形成工程を有すること
    を特徴とする請求項1に記載の跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法。
  3. 前記桁切断工程前に、前記桁を引っ張って跳ね上げ回転させるための線材及びその反力台を設置する反力台設置工程を有すること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法。
  4. 前記桁回転工程で桁を跳ね上げる方向とは逆の回転方向へ牽引する線材を前記桁に緊結する工程を有すること
    を特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法。
  5. 前記桁回転工程で桁を跳ね上げる方向とは逆の回転方向へ押圧する支持装置を前記桁に取り付ける工程を有すること
    を特徴とする請求項ないし3のいずれかに記載の跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法。
  6. 前記回転ヒンジ形成工程前に、回転ヒンジを形成する時に前記桁の自重を支える仮支持部材を設置する仮支持部材設置工程を有すること
    を特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の跳ね上げ回転式橋の解体・撤去方法。
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