JP2016090676A - 画像形成装置 - Google Patents

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保▲晴▼ 千代田
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Abstract

【課題】画像形成装置のダウンタイムの増加を回避しつつ、定着装置における加圧ローラの摺擦モードを従来よりも高頻度に実行可能な画像形成装置を提供する。【解決手段】制御部80は、記録材Pの加熱処理の実行中に定着ニップ部N9における記録材Pの加熱処理の累積枚数が500枚に達すると画像形成を中断することなく、記録材Pの加熱処理と並行して加圧ローラ41にリフレッシュローラ62を回転状態で摺擦させる摺擦モードを実行する。また、制御部80は、画像形成を連続して実行しているときにA4サイズ横送りの記録材Pの加熱処理の累積枚数が3000枚に達すると、ジョブの画像形成が終了するのを待って、定着ローラ40にリフレッシュローラ52を回転状態で摺擦させる摺擦モードを実行する。【選択図】図2

Description

本発明は、記録材のトナー像担持面を加熱する第一回転体と、第一回転体との間に記録材を挟持して搬送することにより記録材を加熱処理する第二回転体と、にそれぞれ摺擦回転体を付設して摺擦モードを実行させる画像形成装置に関する。
感光ドラムや中間転写ベルトに担持させたトナー像を記録材に転写し、トナー像が転写された記録材を定着装置で加熱加圧して記録材に画像を定着させる画像形成装置が広く用いられている。定着装置は、第一回転体と第二回転体とで記録材を挟持して搬送することにより記録材を加熱処理している。
画像形成装置では、定着装置における記録材の加熱処理の累積に伴って第一回転体と第二回転体の表面にそれぞれ紙粉が付着したり、分離爪の摺擦傷が蓄積したり、記録材のエッジの摺擦傷が重なったりする。その結果、出力画像に光沢むら(グロスむら)等の影響が出て来る可能性がある。
特許文献1には、第一回転体と第二回転体とにそれぞれ分離爪を当接させた定着装置が示される。ここでは、第一回転体と第二回転体とにそれぞれ接離可能な摺擦回転体を付設している。そして、第一回転体と第二回転体とにそれぞれの摺擦回転体を同時に同時間だけ回転状態で摺擦させて、表面状態を回復させる摺擦モードを実行している。
また、特許文献2には、第一回転体に接離可能な摺擦回転体を付設した定着装置が示される。ここでは、摺擦回転体に対するトナーや紙粉の堆積を回避するために、定着装置で記録材が加熱処理されていないタイミングを選択し、摺擦モードを実行し、第一回転体の表面状態を回復させている。
特開2009−294453号公報 特開2007−199596号公報
高品質の画像を高速で大量に形成する画像形成装置では、記録材の種類によって、記録材に接触する第二回転体にきわめて短時間で大量の紙粉(炭酸カルシウム粉、繊維くず等)が付着することがある。
このため、記録材の種類によっては第一回転体の摺擦モードよりも高頻度に第二回転体の摺擦モードを実行したい場合がある。このような場合、特許文献1に記載されるように第一回転体において摺擦モードの実行条件に合致するのを待って第一回転体と第二回転体とで摺擦モードを行っていたのでは、紙粉の除去が手遅れになる可能性がある。
そこで、第二回転体において摺擦モードの実行条件を判定して第二回転体のみで摺擦モードを実行することが考えられる。しかし、第二回転体が摺擦モードの実行条件に合致したとき、特許文献1に記載されるように、画像形成を中断させて第二回転体で摺擦モードを実行すると、ダウンタイムが増えて画像形成装置の実質的な生産性が低下してしまう。
本発明は、画像形成装置のダウンタイムの増加を回避しつつ、第二回転体の摺擦モードを従来よりも高頻度に実行することが可能な画像形成装置を提供することを目的としている。
本発明の画像形成装置は、トナー像を形成して記録材に転写するトナー像形成部と、記録材のトナー像担持面を加熱する第一回転体と、前記第一回転体との間に記録材を挟持して搬送する第二回転体と、を有し、前記トナー像形成部によってトナー像が転写された記録材を加熱処理して記録材に画像を定着させる定着装置と、1枚以上の画像形成を含むジョブのデータを取得する取得部と、前記取得部により取得された前記データを用いて前記ジョブを実行するように前記トナー像形成部及び前記定着装置を制御する制御部と、前記第一回転体に接離可能であって前記第一回転体を摺擦する第一摺擦モードを実行可能な第一摺擦回転体と、前記第二回転体に接離可能であって前記第二回転体を摺擦する第二摺擦モードを実行可能な第二摺擦回転体と、前記加熱処理の累積枚数をカウントするカウンタと、を備えるものである。そして、前記制御部は、前記カウンタのカウント値が第一カウント値に達すると前記第一摺擦モードを前記ジョブの終了後に実行し、前記カウンタのカウント値が第二カウント値に達すると前記第二摺擦モードを前記ジョブに並行して実行する。
本発明の画像加熱装置では、記録材の加熱処理と並行して第二回転体の摺擦モードを実行するので、記録材の加熱処理を中断してダウンタイムを発生することがない。したがって、画像形成装置のダウンタイムの増加を回避しつつ、第二回転体の摺擦モードを従来よりも高頻度に実行することが可能である。
画像形成装置の構成の説明図である。 定着ニップ部形成時の定着装置の構成の説明図である。 定着ニップ部開放時の定着装置の構成の説明図である。 定着ローラの表面状態の変化の説明図である。 加圧ローラの表面状態の変化の説明図である。 加圧ローラの分離爪による摺擦傷の説明図である。 リフレッシュローラの構成の説明図である。 定着装置の制御系の説明図である。 リフレッシュローラの研磨性能の推移の説明図である。 加圧ローラリフレッシュモード実行決定のフローチャートである。 加圧ローラリフレッシュモード実行決定のフローチャートである。 加圧ローラリフレッシュモードの制御のフローチャートである。 加圧ローラリフレッシュモードの制御のフローチャートである。 加圧ローラリフレッシュモードの説明図である。 定着ローラリフレッシュモードの説明図である。 実施の形態2のリフレッシュモードの制御のフローチャートである。 定着ローラと加圧ローラのリフレッシュモードの説明図である。 実施の形態3の定着ローラリフレッシュモードの制御のフローチャートである。 定着装置を直列に配置した実施の形態の説明図である。 ローラ/ベルト搬送方式の定着装置を搭載した実施の形態の説明図である。 ローラ/ベルト搬送方式の定着装置の説明図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
<実施の形態1>
(画像形成装置)
図1は画像形成装置の構成の説明図である。図1に示すように、画像形成装置100は、トナー像形成部の一例である中間転写ベルト130に沿ってイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdを配置したタンデム型中間転写方式のフルカラープリンタである。
画像形成部Paでは、感光ドラム3aにイエロートナー像が形成されて中間転写ベルト130に転写される。画像形成部Pbでは、感光ドラム3bにマゼンタトナー像が形成されて中間転写ベルト130に転写される。画像形成部Pc、Pdでは、それぞれ感光ドラム3c、3dにシアントナー像、ブラックトナー像が形成されて中間転写ベルト130に転写される。
中間転写ベルト130に転写された四色のトナー像は、二次転写部T2へ搬送されて記録材Pへ二次転写される。分離ローラ16は、記録材カセット10から引き出した記録材Pを1枚ずつに分離して、レジストローラ12へ送り出す。レジストローラ12は、中間転写ベルト130のトナー像にタイミングを合わせて記録材Pを二次転写部T2へ送り込む。四色のトナー像を二次転写された記録材Pは、定着装置9で加熱処理されて表面にトナー像を定着される。片面印刷の場合、その後、記録材Pは画像形成装置100から排出トレイ20に排出される。
両面印刷の場合、定着装置9で第一面にトナー像を定着された記録材Pが反転パス21に導かれ、スイッチバックして先頭と後端を入れ替えるように表裏を反転させた後に、再送パス23を経て再びレジストローラ12へ給送される。そして、二次転写部T2で第二面にもトナー像を転写されて定着装置9でトナー像を定着された後に画像形成装置100から排出トレイ20に排出される。
(画像形成部)
画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdは、現像装置1a、1b、1c、1dで用いるトナーの色がイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックと異なる以外は、ほぼ同一に構成される。以下では、画像形成部Paについて説明し、他の画像形成部Pb、Pc、Pdに関する重複した説明を省略する。
画像形成部Paは、感光ドラム3aを囲んで、帯電装置2a、露光装置La、現像装置1a、転写ローラ24a、ドラムクリーニング装置4aを配置している。感光ドラム3aは、アルミニウム製シリンダの外周面に感光層を形成しており、所定のプロセススピードで矢印方向に回転する。
帯電装置2aは、感光ドラム3aを一様な負極性の電位に帯電させる。露光装置Laは、各色の画像を展開した走査線画像信号をON−OFF変調したレーザービームを回転ミラーで走査して、感光ドラム3aに静電像を書き込む。現像装置1aは、帯電させたトナーを感光ドラム3aに移転させて静電像をトナー像に現像する。トナーカートリッジEaは、画像形成によって消費されたトナー量に見合った量のトナーを現像装置1aに供給する。
転写ローラ24aは、中間転写ベルト130を押圧して、感光ドラム3aと中間転写ベルト130の間にトナー像の転写部を形成する。転写ローラ24aに正極性の直流電圧が印加されることにより、感光ドラム3aに担持された負極性のトナー像が中間転写ベルト130へ転写される。
中間転写ベルト130は、テンションローラ15、二次転写内ローラ14、及び駆動ローラ13に掛け渡して支持され、駆動ローラ13に駆動されて矢印A方向に回転する。二次転写ローラ11は、二次転写内ローラ14に支持された中間転写ベルト130に当接して二次転写部T2を形成する。二次転写ローラ11に正極性の直流電圧が印加されることで、中間転写ベルト130上のトナー像が記録材Pへ移転する。
ドラムクリーニング装置4aは、感光ドラム3aにクリーニングブレードを摺擦させて感光ドラム3a上の転写残トナーを回収する。ベルトクリーニング装置22は、中間転写ベルト130にクリーニングウエブを摺擦させて中間転写ベルト130上の転写残トナーを回収する。
(定着装置)
図2は定着ニップ部形成時の定着装置の構成の説明図である。図3は定着ニップ部開放時の定着装置の構成の説明図である。
図2に示すように、定着装置9は、定着ローラ40と加圧ローラ41とが圧接する定着ニップ部N9においてトナー像を担持した記録材Pを挟持搬送することにより、トナー像を記録材Pに定着させる。
定着ローラ40は、金属製の芯金(基層)40b上に、ゴム層から成る弾性層40cを設け、更にその上に表層として離型層40dを被覆している。ここでは、外径68mmのアルミニウム円筒の芯金40bに、ゴム硬度20°(JIS−A 1kg加重)のシリコンゴムの弾性層40cを1.0mmの厚みで成形し、表面に厚さ50μmのフッ素樹脂の離型層40dを被覆して外径を70mmにしている。
定着ローラ40は、芯金40bの回転軸線方向の両端部に設けられた軸受によって回転自在に支持され、モータ40mに駆動されて矢印R40方向に回転する。定着ローラ40の周速度は、画像形成装置100のプロセススピード(画像出力速度)に相当し、ここでは、220mm/secである。
離型層40dは、離型性に優れたPFA樹脂をチューブ状に形成したフッ素樹脂チューブを使用した。離型層40dの厚さは、好ましくは、30μm以上100μm以下である。フッ素樹脂材料としては、PFA樹脂(4フッ化エチレン樹脂、パーフロロアルコキシエチレン樹脂の共重合体)の他にPTFE(4フッ化エチレン樹脂)等が用いられる。
定着ローラ40の回転中心を貫通してハロゲンヒータ40aが非回転に配置される。定着ローラ40の表面に当接させて温度センサの一例であるサーミスタ42aが配置される。制御部80は、サーミスタ42aの検知温度が、トナーを記録材Pに定着可能な目標温度である150〜180℃程度に保つようにハロゲンヒータ40aに対する投入電力を調整する。目標温度は記録材Pの種類などによって異なる。
加圧ローラ41は、金属製の芯金(基層)41b上に、ゴム層から成る弾性層41cを設け、更にその上に表層として離型層41dを被覆している。ここでは、外径48mmのアルミニウム円筒の芯金41bに、ゴム硬度20°(JIS−A 1kg加重)のシリコンゴムの弾性層41cを2.0mmの厚みで成形し、表面に厚さ50μmのフッ素樹脂の離型層41dを被覆して外径を50mmにしている。
加圧ローラ41は、芯金41bの回転軸線方向の両端部に設けられた軸受によって回転自在に支持され、定着ローラ40に当接して従動回転する。
加圧ローラ41は、両端部の軸受が不図示の加圧バネによって定着ローラ40に向かって付勢されることにより、定着ローラ40に対して所定の圧力で圧接して、回転方向に所定幅を有する定着ニップ部N9を形成する。ここでは、加圧ローラ41は、定着ローラ40に対して総圧800Nで加圧されている。
加圧ローラ41の回転中心を貫通してハロゲンヒータ41aが非回転に配置される。加圧ローラ41の表面に当接させてサーミスタ42bが配置される。制御部80は、サーミスタ42bの検知温度が、両面画像形成時の1面目と2面目の光沢差が広がらない温度かつ定着ローラ40の表面温度を大きく下げない温度の目標温度に保つようにハロゲンヒータ41aに対する投入電力を調整する。目標温度は、90〜110℃である。目標温度は記録材Pの種類などによって異なる設定値を持つ。
離間機構41nは、加圧ローラ41の芯金41bの両端部の軸受を下降させて、図3に示すように、定着ニップ部N9を開放可能である。上述したように、加圧ローラ41は、定着ローラ40に従動回転するので、定着ローラ40から離間した加圧ローラ41は駆動を喪失して停止する。
(定着ローラクリーニング装置)
定着ローラクリーニング装置40gは、定着ローラ40にクリーニングウエブ40eを摺擦させて記録材Pから定着ローラ40へ移転した少量のトナー(オフセットトナー)を除去する。クリーニングウエブ40eに付着した軟化したトナーに摺擦されて記録材Pから定着ローラ40へ移転した後述する紙粉成分もある程度除去される。クリーニングウエブ40eは、供給ローラ40iから引き出して巻取りローラ40hへ少しずつ巻き取られる。クリーニングウエブ40eは、押圧ローラ40fに押圧されて定着ローラ40の周面に摺擦する。
(エア分離)
定着ローラ40を大径化すると、薄紙等の記録材Pでは、定着ローラ40から曲率分離され難い傾向となる。薄紙等の記録材Pにおいては、未定着トナー像が定着ローラに接触して溶融した液体の粘性によって記録材Pが定着ローラ40に貼り付いた状態になり易い。定着ニップ部N9の出口で、記録材Pが定着ローラ40から曲率分離できずに巻き付いた場合、記録材ジャムが発生する可能性がある。しかし、定着ローラ40の表面性状は、出力画像の表面に直接に転写されてしまうため、分離爪45のような摺擦式の分離補助機構を設けることは好ましくない。
そこで、定着装置9では、薄紙の記録材Pが定着ローラ40に貼り付いて定着ローラ40から剥離できなくなる問題を解決するために、定着ニップ部N9の出口側にエア分離ユニット67を設けている。エア分離ユニット67は、定着ローラ40と記録材Pの間にエアを吹き込んで記録材Pの分離を補助する。エア分離ユニット67は、エアを記録材Pの先端に吹き付けて、定着ローラ40から強制的に分離させ、定着ローラ40から記録材Pを剥離する。
分離板65は、定着ローラ40の周面に隙間を持って対向している。ノズル66は、分離板65と定着ローラ40の隙間に高圧の空気を吹き込んで、定着ニップ部N9の下流側で曲率分離しなかった記録材Pを定着ローラ40から引き剥がす。
ノズル66の先端の開口部は、定着ローラ40の表面に近接した位置に配置され、不図示の送風ファンから送り出された空気がノズル66を通って定着ニップ部N9にむけて吹き出す。エア分離ユニット67の下方に、定着ニップ部N9の搬送方向下流側に記録材Pの排出をガイドするガイド板68が配置されている。定着ニップ部N9で画像が定着された記録材Pの先端に、エアが吹き付けられることにより、定着ローラ40に張り付いた記録材Pがガイド板68上に剥離される。
エア分離装置の一例であるエア分離ユニット67は、定着ローラ40に圧縮空気を吹き付けることにより定着ローラ40から記録材Pを分離可能である。第一回転体クリーニング装置の一例である定着ローラクリーニング装置40gは、エア分離ユニット67によって圧縮空気を吹き付けられた定着ローラ40の周面にクリーニングウエブ40eを摺擦させる。このため、定着ローラ40には、分離爪の摺擦傷は付かず、紙粉も付着しにくい。
(定着ローラの表面状態の変化)
図4は定着ローラの表面状態の変化の説明図である。図4の(a)に示すように、記録材Pの通過によって定着ローラ40の表面状態が変化する。定着装置9における記録材Pの加熱処理の累積に伴って、定着ローラ40の表面は、記録材Pとの接触や、紙粉、オフセットトナーなどの汚れにより、徐々に荒れてくる。定着ローラ40の回転軸線方向の一定の位置を記録材Pが繰り返し通過している場合、定着ローラ40の回転軸線方向の各領域ごとに表面の荒れ方が異なってくる。
記録材Pにおける搬送方向に平行なエッジを紙コバと呼ぶ。記録材Pの紙コバが接触する定着ローラ40の回転軸線方向の領域を(III)紙コバ部と呼ぶ。(III)紙コバ部は、記録材Pに接触する(I)通紙部と記録材Pの外側の(II)非通紙部との境界に対応する領域である。
定着ローラ40の表面は、フッ素樹脂の離型層によって鏡面状態であり、初期状態での表面粗さRz(JIS 十点平均粗さ)は、0.1μm〜0.3μm程度である。その後、記録材Pの加熱処理の累積に伴って、定着ローラ40の(I)通紙部と(II)非通紙部と(III)紙コバ部とでは表面の荒れ方が異なる。以下の説明において、表面粗さ(十点平均粗さ)Rzは、(株)小坂研究所の表面粗さ測定器SE−3400を使用して測定した。測定条件は、送り速さ:0.5mm/s、カットオフ:0.8mm、測定長さ:2.5mmである。
図4の(b)に示すように、(I)通紙部では、紙の繊維、外添剤等のアタックにより、定着ローラ40の表面が徐々に均されて、表面粗さRzが0.5μm〜1.0μm程度まで徐々に大きくなる。(II)非通紙部では、対向する加圧ローラ41の表面に当接し続けて表面粗さRzが0.4μm〜0.7μm程度に落ち着く。(III)紙コバ部では、紙コバに接触した細い筋状の傷が密集して表面粗さRzが1.2μm〜1.8μmに達し、白い帯状の領域として観察される。
図4の(c)に示すように、定着ローラ40の(I)通紙部と(II)非通紙部と(III)紙コバ部の表面状態の違いが出力画像の光沢むら(グロスむら)を発生させる。未定着のトナー像を記録材Pに定着する時、定着装置9は、記録材Pに圧力及び熱を与える。このとき、定着ローラ40の微小な表面状態が定着画像の表面に転写される。定着ローラ40上の表面状態の違いに対応して定着画像の表面状態の差が生じる結果、定着画像にグロスむらが発生する。
一般に、光沢は、正反射光像の再現性が高いと高光沢、再現性が低いか或いは無い状態を低光沢と認識する。例えば、蛍光灯照明下で銀塩写真のような画像を見ると、蛍光灯の光が反射するだけでなく、蛍光灯の形状まで写り込んで、高光沢と認識される。これは、写真画像の表面状態が、凹凸の少ない鏡面状態であることを示している。これに対して、低光沢の場合、画像の表面状態は、凹凸が大きく、蛍光灯の光は乱反射してその形状が画像上に写りこむことはない。このように、画像上の表面状態の凹凸と光沢には相関がある。
高画質を要求される高光沢のコート紙に画像を定着する場合、定着ローラ40の(III)紙コバ部に対応する位置にコバ傷と呼ばれる低光沢のスジが付く。また、(I)通紙部と(II)非通紙部との間にグロス段差と呼ばれるグロス差が発生する。定着画像のコバ傷は、幅が1〜2mm程度で狭いため、この荒れ方に関わらず、広い領域でのグロスむらとしてグロス段差の印象が大きくなる。
そこで、実施の形態1では、(III)紙コバ部の接触回転によって荒れた定着ローラ40表面の傷を、リフレッシュローラ52を用いて解消する。制御部80は、定着ローラ40をリフレッシュローラ52で摺擦して表面状態をリフレッシュさせることにより出力画像のグロスむらの発生を抑制する。
(加圧ローラの表面状態の変化)
図5は加圧ローラの表面状態の変化の説明図である。図5の(a)に示すように、記録材Pの加熱処理の累積に伴って、加圧ローラ41の表面も、記録材Pとの接触や、紙粉、オフセットトナーなどの汚れにより、徐々に荒れてくる。定着ローラ40に比較して温度が低いため、加圧ローラ41の荒れは定着ローラ40の荒れほどには定着画像に影響しないとされていた。しかし、検討を行ったところ、加圧ローラ41の荒れは、両面印刷時の裏面画像の表面状態に影響を及ぼしていた。
定着ニップ部N9を記録材Pが通過すると、微量だが、記録材P上の紙粉成分である炭酸カルシウム、繊維くず等が加圧ローラ41の離型層表面とに付着する。記録材Pの上面にはトナー像が担持されていて定着ローラ40の周面に直接当接する記録材Pの面積と圧力は、加圧ローラ41の周面に当接する記録材Pの面積と圧力よりも小さい。このため、加圧ローラ41の周面には、定着ローラ40の周面よりも多くの紙粉成分が記録材Pから移転する。
そして、定着ローラ40の場合は、周面が高い温度に温度調整されているため、トナー像を定着する過程で、紙粉成分が、軟化したトナー像へ吸着されて記録材Pに戻っていくため、表面に積層して紙粉成分が堆積することは少ない。また、図2に示すように、定着ローラ40にはクリーニングウエブ40eを用いた定着ローラクリーニング装置40gが付設されているので、軟化してクリーニングウエブ40eに回収されたトナーによっても紙粉成分が除去される。しかし、加圧ローラ41の場合、周面が低い温度に温度調整されているため、裏面印刷時でもトナー像へ吸着されにくく、加圧ローラクリーニング装置も無いので、紙粉は加圧ローラ41の離型層に付着して堆積し続ける。そして、加圧ローラ41の離型層は、フッ素樹脂で構成されて離型性に優れるため、通常は紙粉が堆積することは少ないが、一定量以上の紙粉が付着すると離型層の離型性が低下するため、加圧ローラ41の表面に加速度的に紙粉が堆積し始める。
図5の(b)は、(III)紙コバ部の紙粉付着が進行した際に、コート紙でブラック単色画像を両面印刷した際の1面目(裏面印刷時に加圧ローラ41に圧接)の光沢度を測定して、測定値を加圧ローラ41の対応する位置に重ねた結果である。図5の(b)に示すように、加圧ローラ41の表面粗さが大きくなる(III)紙コバ部では、他の領域に比較して紙粉が表面に堆積し易くなる。加圧ローラ41の(III)紙コバ部には、帯状に紙粉が付着する。紙粉の付着部では、加圧ローラ41の表面粗さが低下するとともに、定着性(トナーに対する熱の伝わり方)が低化するため、画像の光沢が低下する。加圧ローラ41の(III)紙コバ部に接触した画像の部分は、紙粉の付着を介して光沢度が低下したストライプ状の領域となるため、グロスむらが発生してしまう。
そこで、実施の形態1では、(III)紙コバ部の接触回転によって荒れた加圧ローラ41表面の傷、および記録材Pの通過により紙粉の付着した加圧ローラ41の表面性の低下を、リフレッシュローラ62を用いて解消する。制御部80は、加圧ローラ41をリフレッシュローラ62で摺擦して表面状態をリフレッシュさせることにより出力画像のグロスむらの発生を抑制する。実施の形態1では、後述するように、定着ローラ40よりも高頻度に加圧ローラリフレッシュモードを実行している。
(分離爪による表面状態の変化)
図6は加圧ローラの分離爪による摺擦傷の説明図である。図2に示すように、加圧ローラ41の回転方向における定着ニップ部N9の下流側に分離部材として分離爪45が配置されている。分離爪45は、着脱機構47によって、加圧ローラ41の周面に対するばねを介した当接と離間とを切り替え可能である。分離爪45が加圧ローラ41に当接している場合、記録材Pが加圧ローラ41側にカールして排出されていても、加圧ローラ41への巻き付きを防止できる。分離爪45は、加圧ローラ41に付着した剛性の低い薄紙の記録材Pも加圧ローラ41から分離して巻き付きを防止する。
一方、普通紙を含む剛性が高い記録材Pは、定着ニップ部N9を通過した際に加圧ローラ41から容易に曲率分離して巻き付き難い。このため、制御部80は、剛性の高い記録材Pを加熱処理する場合には着脱機構47をOFFして分離爪45を加圧ローラ41から離間させる。
制御部80は、記録材Pの剛度を正確に把握できないため、記録材Pの種類と単位面積当たり重量(坪量:g/m)との組み合わせごとに分離爪45の着脱動作を区分したテーブルを有している。
Figure 2016090676
表1に示すように、両面印刷の2面目の画像の定着時は、トナー画像の粘着力が働いて加圧ローラ41に記録材Pが巻き付き易くなるため、低い坪量でも分離爪45を加圧ローラ41に当接させている。表中、普通紙は、非コートの上質紙や再生紙であり、その他はプラスチックフィルムやOHPシート等の総称である。
以上説明したように、第一回転体の一例である定着ローラ40は、記録材Pのトナー像担持面を加熱する。第二回転体の一例である加圧ローラ41は、定着ローラ40との間に記録材Pを挟持して搬送する。分離部材の一例である分離爪45は、加圧ローラ41に対して接離可能であって、加熱処理された記録材Pを加圧ローラ41から分離可能である。着脱機構47は、記録材Pの種類に応じて加圧ローラ41に対する分離爪45の当接と離間とを切り替える。
図6の(a)に示すように、分離爪45は、加圧ローラ41の回転軸線方向に沿って、複数配置されている。そのため、分離爪45の摺擦によって加圧ローラ41に平行な摺擦傷が形成され、紙粉の付着プロセスが進行して、光沢度が低下したストライプ状の領域が形成される。図6の(b)に示すように、加圧ローラ41の表面に傷が高密度に集積する結果、図6の(c)に示すように、定着画像上にグロスむらが発生する。
そこで、実施の形態1では、分離爪45の接触回転によって荒れた加圧ローラ41の表面の傷、および記録材Pの通過により紙粉の付着した加圧ローラ41の表面性の低下を、リフレッシュローラ62を用いて解消する。制御部80は、回転状態の加圧ローラ41を回転状態のリフレッシュローラ62で摺擦して表面状態をリフレッシュさせることにより出力画像のグロスむらの発生を抑制する。
(リフレッシュローラ)
図7はリフレッシュローラの構成の説明図である。図2に示すように、定着ローラ40に付設されたリフレッシュローラ52及び揺動機構51は、加圧ローラ41に付設されたリフレッシュローラ62及び揺動機構61と同一のものである。このため、以下ではリフレッシュローラ62及び揺動機構61について説明し、リフレッシュローラ52及び揺動機構51に関する重複した説明を省略する。
図7に示すように、リフレッシュローラ62は、外径12mmのSUS304(ステンレススチール)の芯金53上に、接着層(中間層)54を介して、砥粒を密に接着して形成した摺擦層(表層)55を設けたものである。リフレッシュローラ62は、芯金53の回転軸線方向の両端部が加圧バネ(63:図2)によって加圧ローラ41に向かって付勢される。
摺擦層55の厚さは5μm以上20μm以下である。砥粒は、酸化アルミニウム、水酸化酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化セリウム、酸化チタン、ジルコニア、リチウムシリケート、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化鉄、酸化クロム、酸化アンチモン、ダイヤモンド、及びこれらの混合物を使用可能である。ここでは、酸化アルミニウム系(アルミナ、アランダム、モランダムとも称される)の粒径5μm以上10μm以下の砥粒を用いた。酸化アルミニウム系は、最も幅広く用いられる砥粒で、加圧ローラ41の離型層に比べて十分硬度が高く、安価で、鋭角形状のため切削性に優れている。このような構成のリフレッシュローラ62によって、加圧ローラ41の表面のリフレッシュ効果とリフレッシュ後の定着画像の表面性とが両立していることが確認された。
図2に示すように、揺動機構61は、加圧ローラ41に対してリフレッシュローラ62を当接/離間させる。リフレッシュローラ62は、揺動機構61に駆動されて、ばね63の付勢力により加圧ローラ41に所定の圧力で当接して、回転方向に所定幅を有する摺擦ニップN62を形成する。リフレッシュローラ62は、モータ62mによって回転駆動されて、加圧ローラ41との間に周速差が設けられているので、リフレッシュローラ62は、摺擦ニップN62において、加圧ローラ41を摺擦する。
リフレッシュローラ62の両端部は、揺動機構61のレバー部材によって揺動可能かつ回転自在に支持されている。揺動機構61は、レバー部材によってリフレッシュローラ62を揺動して加圧ローラ41に当接/離間させる。揺動機構61は、リフレッシュローラ62の両端部を加圧バネ63を介して押圧する。
(リフレッシュモード)
図8は定着装置の制御系の説明図である。図8に示すように、制御部80は、サーミスタ42a、42bの出力信号をCPU81で処理して、モータ40m、52m、62mやハロゲンヒータ40、41aを制御する。
図2に示すように、リフレッシュローラ62とリフレッシュローラ52とは互いに独立して揺動し、個別に加圧ローラ41、定着ローラ40に対して当接/離間が可能である。制御部80は、適宜のタイミングで揺動機構61、51を作動させて、加圧ローラリフレッシュモードと加圧ローラリフレッシュモードの開始時期及び終了時期を制御する。
制御部80は、リフレッシュローラ52の離間状態から揺動機構51を作動させて定着ローラリフレッシュモードを実行して定着ローラ40の表面状態を回復させる。定着ローラリフレッシュモードは、通常の加熱処理が終了した後、又は通常の加熱処理を一時的に停止した状態で、リフレッシュローラ52の離間状態から所望の時間だけリフレッシュローラ52を当接状態とする。
図4に示すように、リフレッシュローラ52は、(I)通紙部、(II)非通紙部、(III)紙コバ部を含む定着ローラ40上の回転軸線方向の全域に一様な細かい摺擦傷を付けることで、表面状態の凹凸の差を無くす。同時に、リフレッシュローラ52は、定着ローラ40の表層に付着した紙粉成分を掻き取る。
リフレッシュローラ52は、定着ローラ40の表面状態を変更(更新)することにより、定着画像上の低光沢のスジや(I)通紙部と(II)非通紙部の表面粗さの違いに起因するグロス差を解消する。加圧ローラ41の表面に細かい多数の密集した摺擦傷を形成することで、リフレッシュローラ52が定着ローラ40上に付けた個々の摺擦傷は、定着画像上では視認不可能となる。
例えば、定着ローラ40の荒れていない(II)非通紙部の表面粗さRzは0.1〜0.3μm程度、荒れた(I)通紙部の表面粗さRzは0.5μm〜2.0μm程度である。リフレッシュモードでは、このような定着ローラ40にリフレッシュローラ52を摺擦させて、定着ローラ40のほぼ全域に表面粗さRzが0.5μm以上2.0μm以下となるような定着ローラ40の回転方向の無数の摺擦傷を付ける。定着ローラ40の回転方向に沿った幅が10μm以下の摺擦傷を、回転軸線方向の100μmあたり10本以上形成する。無数の摺擦傷によって定着ローラ40の表面状態を一様な状態に修復することにより定着画像のグロスむらを解消させる。
なお、定着ローラ40のリフレッシュモードは、定着ローラ40の表面に細かい摺擦傷をつけることが目的であり、定着ローラ40の表面を削り取って平坦化したり、新しい面を出したりすることが目的ではない。定着ローラ40のリフレッシュモードにおけるリフレッシュローラ52の摺擦レベルは、定着ローラ40の表面を研磨仕上げする研磨レベルではなく、定着ローラ40の表面全体の凹凸状態を初期状態に戻す型押しレベルである。一回のリフレッシュモードあたりのリフレッシュローラ52による定着ローラ40の離型層40dの削れ量は、定着ローラ40の寿命を通じて測定不可能なレベルか、測定誤差レベルしかない。但し、リフレッシュローラ52によって傷を付けているため、削れ量は、定着ローラ40の表面が削れていないレベルではない。
また、図2に示すように、リフレッシュローラ52は、摺擦ニップN52において、定着ローラ40の表面移動方向に対して順方向/逆方向のいずれになるように回転させてもよい。リフレッシュローラ52は、専用の駆動モータによって駆動されても、他の駆動モータを兼用して駆動されてもよい。リフレッシュローラ52は、定着ローラ40の駆動ギア列から分岐させて回転駆動させ、リフレッシュローラ52が定着ローラ40に対して周速差を持って回転するようにギア比を設定してもよい。例えば、定着ローラ40とリフレッシュローラ52とを1対2のギア比で連結して、定着ローラ40の周速の2倍の周速でリフレッシュローラ52を回転させてもよい。
制御部80は、リフレッシュローラ62の離間状態から揺動機構61を作動させて加圧ローラリフレッシュモードを実行して加圧ローラ41の表面状態を回復させる。加圧ローラリフレッシュモードは、通常の加熱処理時におけるリフレッシュローラ62の離間状態から、所望のタイミングで所望の時間だけリフレッシュローラ62を当接状態とする。加圧ローラリフレッシュモードは、上述した定着ローラリフレッシュモードと同様に実行される。
以上説明したように、第一摺擦回転体の一例であるリフレッシュローラ52は、定着ローラ40の周面に接離可能である。リフレッシュローラ52は、定着ローラ40の周面よりも固くて表面粗さが大きい。第二摺擦回転体の一例であるリフレッシュローラ62は、加圧ローラ41の周面に接離可能である。リフレッシュローラ62は、加圧ローラ41の周面よりも固くて表面粗さが大きい。
制御部80は、第一摺擦モードの一例である定着ローラリフレッシュモード及び第二摺擦モードの一例である加圧ローラリフレッシュモードを実行可能である。定着ローラリフレッシュモードでは、揺動機構51を制御して回転状態のリフレッシュローラ52を回転状態の定着ローラ40に摺擦させる。加圧ローラリフレッシュモードでは、揺動機構61を制御して回転状態のリフレッシュローラ62を回転状態の加圧ローラ41に摺擦させる。
制御部80は、第一タイマの計測値あるいは第一カウンタのカウント値に基づいて定着ローラリフレッシュモードを制御する。制御部80は、第二タイマの計測値あるいは第二カウンタのカウント値に基づいて加圧ローラリフレッシュモードを制御する。
(リフレッシュモードの実行タイミング)
図9はリフレッシュローラの研磨性能の推移の説明図である。図2に示すように、定着装置9において連続画像形成に伴う連続的な定着処理を実行した。定着処理と並行して実行する場合と、定着処理を中断して実行する場合とで、定着処理の累積枚数500枚ごとに5秒間のリフレッシュモードを実行して、リフレッシュモード実行直後のリフレッシュローラ52、62の研磨性能を評価した。リフレッシュローラ52、62の研磨性能は、(株)小坂研究所の表面粗さ測定器SE−3400を使用して、リフレッシュローラ52、62の表面粗さ(十点平均粗さ)Rzを測定して評価した。測定条件は、送り速さ:0.5mm/sec、カットオフ:0.8mm、測定長さ:2.5mmである。
表面粗さが低下したリフレッシュローラ52、62は研磨性能が低下している。リフレッシュローラ52、62の表面粗さの低下は、リフレッシュローラ52、62の表面にトナー、紙粉等が付着することに起因している。予備実験によると、5秒間でリフレッシュモードの効果を発揮させるためには、リフレッシュローラ52、62の表面粗さRzが7〜8μm以上あることが必要である。
図9中、「定着ローラ・プリント時」は、加圧ローラリフレッシュモードをトナー像の定着時に実行した場合、「定着ローラ・スタンバイ時」は、加圧ローラリフレッシュモードをトナー像の定着処理を中断して実行した場合である。「加圧ローラ・プリント時」は、加圧ローラリフレッシュモードをトナー像の定着時に実行した場合、「加圧ローラ・スタンバイ時」は、加圧ローラリフレッシュモードをトナー像の定着処理を中断して実行した場合である。
これらの4条件で、500枚の定着処理ごとに5秒間のリフレッシュモードを実行して、定着処理の累積枚数とリフレッシュローラ52、62の表面粗さの低下速度との関係を調べた。定着処理した画像は、A4サイズ普通紙の記録材Pで、全面ハーフトーン画像とした。
図9に示すように、定着ローラ40の場合、定着処理と並行してリフレッシュモードを実行した場合、定着処理を一時的に中断してリフレッシュモードを実行した場合に比較して、リフレッシュローラ52の研磨性能が急速に低下した。定着処理を中断してリフレッシュモードを実行した場合、30万枚の累積枚数でもリフレッシュローラ52は表面粗さRzが8μm以上あって、リフレッシュローラ52は、摺擦モードの効果を十分に発揮できる。しかし、定着処理と並行して同時進行的にリフレッシュモードを実行した場合、累積枚数が10万枚に満たない段階でリフレッシュローラ52の表面粗さRzが7μmを下回ってリフレッシュモードの効果が失われた。
そして、表面粗さRzの低下したリフレッシュローラ52は、表面にトナーの色が着色していたので、表面粗さRzの低下は、記録材Pから定着ローラ40に移転したトナーや紙粉の堆積によるものと推定された。なお、表面にトナーの色が着色したリフレッシュローラ52は、使用も再生も不可能であるため、廃棄して新品交換するしかない。
このため、定着ローラリフレッシュモードは、従来どおり、画像形成の開始前、画像形成の終了後、連続画像形成を中断した状態等の非画像形成時に実行するしかない。特許文献1、2に示されるように、画像形成や定着処理を停止した状態で実行する必要があり、リフレッシュモードに伴うダウンタイムは回避できない。そこで、実施の形態1では、定着ローラリフレッシュモードは、ジョブの最後の記録材Pの定着処理が終了した後に実行して、ダウンタイムがジョブの画像出力の終了時期に影響しないようにした。
これに対して、加圧ローラリフレッシュモードは、トナー像の定着時に実行した場合と画像形成を中断して実行した場合とで表面粗さRzの推移にほとんど差が無い。定着処理と並行してリフレッシュモードを実行した場合も、定着処理を一時的に中断してリフレッシュモードを実行した場合も、リフレッシュローラ62の研磨性能の低下速度に差が無かった。そのため、加圧ローラリフレッシュモードを実行する場合は、特許文献1、2に示されるようにわざわざ画像形成や定着処理を停止することなく、定着処理と並行して実行すればよい。そこで、実施の形態1では、加圧ローラリフレッシュモードは、ジョブの記録材Pの定着処理に並行して実行して、ダウンタイムが発生すること自体を無くした。
なお、加圧ローラリフレッシュモードをトナー像の定着時に実行してもリフレッシュローラ62にトナーが付着しない理由は以下のように説明される。記録材Pのトナー像は定着ローラ40と加圧ローラ41の定着ニップ部N9で加熱加圧されて融解して記録材Pに定着される。その際、ほとんどのトナーが記録材Pに定着されるが、一部のトナーが定着ローラ40に移転する。トナー像に接する定着ローラ40の表面温度が高いほど、トナーが過剰に融解してトナー同士の付着凝集力が弱くなって定着ローラ40へ移転し易くなる。この現象をホットオフセット現象と呼ぶ。
加圧ローラ41は、未定着のトナー像に接しないのでホットオフセット現象が生じない。加圧ローラ41は、定着ローラ40に比較すると温度が低いため、両面印刷時に接触する第一面の画像を溶解させないので、両面印刷時にホットオフセット現象を生じることもない。定着ローラ40にホットオフセットしたトナーの一部が記録材Pの間隔で加圧ローラ41へ移転することは有り得るが、微量である。このため、加圧ローラ41の摺擦モードをトナー像の定着時に実行してもリフレッシュローラ62にトナーが付着しない。
(ジョブ)
図1に示すように、画像形成装置100は、パソコン等の外部端末から送信されたジョブ、通信回線を通じて受信したFAX等のジョブ、あるいは操作パネルを通じて操作されたコピー等のジョブを連続した一連の記録材Pの加熱処理として実行する。画像形成装置100が受信するジョブは、1枚以上の画像データ、適用する印刷情報及び記録材P情報を含む。制御部80は、画像データ、印刷情報、記録材P情報を含むジョブを受信すると、画像形成装置100を起動して、もしくはスリープモードから復帰して、定着装置9の温度を立上げ、前回転を実行する。その後、画像形成部(Pa、Pb、Pc、Pd)でジョブの画像形成を開始し、トナー像の形成と記録材Pへの転写を開始する。前回転では、感光ドラム3a、現像装置1a、露光装置La、各種電源等のプロセス装置を立ち上げて必要な調整が施される。このようにして、取得部の一例である制御部80は、1枚以上の画像形成を含むジョブのデータを取得する。制御部80は、取得されたジョブのデータを用いてジョブを実行するように画像形成部Pa、Pb、Pc、Pd及び定着装置9を制御する。
(実施の形態1の制御)
図10は加圧ローラリフレッシュモード実行決定のフローチャートである。図11は定着ローラリフレッシュモード実行決定のフローチャートである。図12は加圧ローラリフレッシュモードの制御のフローチャートである。図13は定着ローラリフレッシュモードの制御のフローチャートである。図14は加圧ローラリフレッシュモードの説明図である。図15は定着ローラリフレッシュモードの説明図である。
定着ローラ40と加圧ローラ41は、表面の荒れ方やキズが生じる原因が異なる。上述したように、定着装置9の場合、定着ローラ40には分離爪を接触させないため、定着ローラリフレッシュモードについて分離爪キズを考慮する必要は無い。しかし、定着ローラ40は、加圧ローラ41よりも高温に温調され、トナー像を融解させて記録材Pに定着させるため、定着ローラ40の表面の粗さの変化が画像上の光沢に直接反映される。そのため、加圧ローラ41上では目立ちにくい紙コバ部のキズも、定着ローラ40上では画像のグロスむらとして認識され易くなる。
一方、加圧ローラ41には分離爪45が接触する。また、記録材Pの1枚当りで発生する紙粉は、ごく微量であってトナー像に邪魔されて定着ローラ40には付着しにくい。対して、トナー像が担持されない記録材Pの裏面は、加圧ローラ41に直接接触して紙粉が付着し易く、薄く紙粉が表層に溜まると、加圧ローラ41の離型性が低下して紙粉が付着し易くなる。
このため、実施の形態1では、定着ローラリフレッシュモードに関しては紙コバ部のキズを考慮し、加圧ローラリフレッシュモードに関しては紙粉と分離爪キズを考慮する。異なった理由で表層が変化する定着ローラ40と加圧ローラ41とでは、異なるフローでリフレッシュモードの開始タイミングを判断する。
図2に示すように、制御部80は、ジョブを受信すると、画像形成装置100を起動し、前回転を実行してジョブの画像形成を開始する。これにより、トナー像が転写された記録材Pが定着装置9へ順次運ばれる。表2に示すように、制御部80は、リフレッシュモードの開始条件に合致すると、開始条件ごとに定めた摺擦時間のリフレッシュモードを実行する。加圧ローラリフレッシュモードの開始条件は、分離爪の摺擦距離もしくは摺擦時間の許容累積値に対応する分離爪キズ発生閾値、紙粉の付着許容量に対応する紙粉汚れ発生閾値である。定着ローラリフレッシュモードの開始条件は、コバ傷通過時間判定閾値である。
Figure 2016090676
図10に示すように、制御部80は、定着装置9を記録材Pが通過していることを随時判断する(S11)。通過している場合(S11のYes)、接触長さの累積値に対応する定着ニップ部N9を通過した時間をカウントして、その値を、タイマの一例である通過時間タイマの計測値に加算する(S12)。例えば、長さ210mmの記録材Pが100mm/secの速度で定着装置9を通過した場合、2.10秒が通過時間タイマの計測値に加算される。
制御部80は、通過時間タイマの計測値と第一時間の一例である表2の紙粉汚れ発生閾値とを比較する(S13)。計測値が紙粉汚れ発生閾値未満ならば(S13のNo)、問題は生じないと判断してフローを繰り返すが(S11)、紙粉汚れ発生閾値以上になると(S13のYes)、加圧ローラリフレッシュモードのフローに進む(S17)。
表2の紙粉汚れ発生閾値は、加圧ローラ41に付着する紙粉汚れが発生し始める目安となる記録材Pの挟持搬送時間の累積値である。予備実験を重ねて確認した結果、紙粉が多い再生紙でも、加圧ローラ41へ付着する紙粉の量が表2の紙粉汚れ発生閾値未満であれば、紙粉の汚れは許容範囲であった。記録材Pの挟持搬送に伴って加圧ローラ41上に紙粉が徐々に堆積してくるが、紙粉汚れ発生閾値未満であれば、画像上の不良やグロスむらは認識できないレベルであった。
制御部80は、(S11)〜(S13)の処理と並行して、(S14)〜(S16)の判断を実行する。制御部80は、分離爪45の着状態を判断する(S14)。分離爪45が着状態の場合(S14のYes)、分離爪の当接時間をカウントして、その値を分離爪着時間タイマに加算する(S15)。例えば、グロスコート紙の85g/mの用紙が通紙されている際には、表1に示すように分離爪は着状態(着動作)なので、着時間を分離爪着時間タイマのカウント値に加算する。しかし、グロスコート紙105g/mの両面のプリントでは2面目のみで分離爪45が着するので、着時間は約半分となる。
制御部80は、分離爪着時間タイマの計測値と表2の分離爪キズ発生閾値とを比較する(S16)。計測値が分離爪キズ発生閾値未満ならば(S16のNo)、問題は生じないと判断してフローを繰り返すが(S11)、分離爪キズ発生閾値以上になると(S16のYes)、加圧ローラリフレッシュモードのフローに進む(S17)。
表2の分離爪キズ発生閾値は、紙粉汚れ発生閾値と同様に予備実験を重ねて決定した値である。加圧ローラ41における分離爪45接触部と周囲とで表面粗さの差分が大きくなると、出力画像のグロスむらとなるが、分離爪着時間タイマの計測値が分離爪キズ発生閾値未満であれば、グロスむらは目立たず許容レベルであった。
制御部80は、加圧ローラリフレッシュモードが必要な場合(S13、S16のYes)、通過時間タイマと分離爪着時間タイマの計測値から加圧ローラリフレッシュモードの実行時間を計算して(S17)、加圧リフレッシュの実行を許可する(S18)。
紙粉汚れに関しては、加圧ローラ41上の紙粉は、記録材Pの接触範囲に分散して出力画像上で目立ちにくいため紙粉汚れ発生閾値は500秒とし、リフレッシュが容易なためリフレッシュ実行時間は3秒とした。しかし、分離爪キズに関しては、分離爪キズは分離爪45の当接位置に集中して出力画像上で目立つため分離爪キズ発生閾値は300秒とし、周方向に連続してリフレッシュが困難なため、リフレッシュ実行時間は5秒とした。
通過時間の計測値、分離爪着時間の計測値とリフレッシュ時間の関係は比例関係として計算を行う(S17)。そして、計算の結果、通過時間及び分離爪着時間に関して必要リフレッシュ時間が多い方の値をリフレッシュ実行時間とする。例えば、通過時間が500秒、分離爪着時間が210秒の場合、通過時間に対する必要リフレッシュ時間が3秒、分離爪着時間に対する必要リフレッシュ時間が5×(210/300)=3.5秒となる。そして、3.0秒と3.5秒を比較し、リフレッシュ実行時間は大きい方の3.5秒となる。
図11に示すように、制御部80は、定着装置9を記録材Pが通過していることを随時判断する(S21)。通過している場合(S21のYes)、定着装置9の定着ニップ部N9を通過した時間を計測して、その値に加圧ローラの場合と同様な比例計算を施して通過時間タイマの計測値に加算する(S22)。
制御部80は、タイマの一例である通過時間タイマの計測値と表2のコバ傷発生閾値とを比較する(S23)。計測値がコバ傷発生閾値未満ならば(S23のNo)、フローを繰り返すが(S21)、コバ傷発生閾値以上になると(S23のYes)、定着ローラリフレッシュモードの実行を許可する(S24)。
図12に示すように、制御部80は、プリントジョブが実行されている間、加圧ローラリフレッシュモードの実行判定を行っている(S31)。制御部80は、加圧ローラリフレッシュモードの実行が許可されると(S31のYes)、プリント中か否かの判断をする(S32)。
制御部80は、プリント中であれば(S32のYes)、加圧ローラリフレッシュモードを実行する(S33)。図14に示すように、リフレッシュローラ62を加圧ローラ41に対して加圧して(S33)リフレッシュ時間を計測し(S34)、計測値がリフレッシュ必要時間になるまで(S35のNo)リフレッシュを継続する(S36のNo、S34)。しかし、プリント中でなければ(S32のNo)、次回のジョブでプリントが開始されるまで加圧ローラリフレッシュモードを中断して残り時間分を再度実行する(S31)。
制御部80は、リフレッシュモードの実行中に後続する記録材Pが無くなって加圧ローラ41が定着ローラ40から加圧解除された場合(S36のYes)、リフレッシュローラ62を加圧ローラ41から脱動作させてリフレッシュを中断する(S37)。そして、リフレッシュモード必要時間に満たない不足時間分のリフレッシュモードを次回のジョブで再開する(S38)。具体的には、次回のジョブで加圧ローラリフレッシュモードを実行する指令をメモリに記録しておく。
なお、次回のジョブで不足時間分のリフレッシュモードを実行する場合、次回のジョブの3枚目の記録材Pから加圧ローラリフレッシュモードを実行する。これは、次回のジョブの1枚目の記録材Pは、記録材Pのジャム処理がされる等によって加圧ローラにトナーが付着している場合があり、そのようなトナーによるリフレッシュローラ62の汚染を回避するためである。
制御部80は、リフレッシュ実行時間がリフレッシュ必要時間を満たした場合(S35のYes)、リフレッシュローラ62を脱して(S39)、通過時間タイマと分離爪着時間タイマを0にクリアする(S40)。
図13に示すように、制御部80は、プリントジョブが実行されている間、定着ローラリフレッシュモードの実行判定を行っている(S41)。制御部80は、定着ローラリフレッシュモードの実行が許可されると(S41のYes)、プリント中か否かの判断をする(S42)。
制御部80は、プリント中であれば(S42のYes)、累積時間の一例である通過時間タイマの計測値が第二時間の一例である上限時間に達しているか否かを判断する(S43)。上限時間に達していない場合(S43のNo)、ジョブの終了を待って(S52のYes)、定着ローラリフレッシュモードを開始する(S53)。しかし、ジョブの終了前に(S52のNo)上限時間に達した場合(S43のYes)、プリントを中断して(S44)、定着ローラリフレッシュモードを開始する(S45)。
図15に示すように、定着ローラリフレッシュモードでは、リフレッシュローラ52を定着ローラ40に対して加圧して(S45、S53)、リフレッシュ時間を計測する(S46、S54)。計測値がリフレッシュ必要時間になるまで(S47のNo、S55のNo)リフレッシュを継続する(S46、S54)。
制御部80は、リフレッシュ実行時間がリフレッシュ必要時間を満たした場合(S55のYes)、リフレッシュローラ52を定着ローラ40から離間させて(S56)、通過時間タイマをクリアして(S57)、定着装置9を停止する(S58)。
しかし、ジョブを中断して実行したリフレッシュモードでリフレッシュ実行時間がリフレッシュ必要時間を満たした場合(S47のYes)は、元のジョブの画像形成に復帰する(S51)。リフレッシュローラ52を定着ローラ40から離間させて(S49)、通過時間タイマをクリアして(S50)、中断されたジョブの残りの画像形成に伴う定着処理を開始する(S51)。
(実施の形態1の効果)
実施の形態1では、連続した一連の記録材Pの加熱処理の実行中にタイマのカウント値が第一時間に達するとジョブの終了後に定着ローラリフレッシュモードを実行してタイマをリセットする。このため、大部分のケースではジョブの画像形成が終了するまでは定着ローラリフレッシュモードが実行されず、ダウンタイムがジョブの終了後になるため、定着ローラリフレッシュモードに起因して画像形成の終了に遅れが生じることがない。
実施の形態1では、ジョブの実行中にタイマによって計測される加熱処理の累積時間の測定値が第一時間の一例である第二閾値に達するとジョブの記録材Pの加熱処理と並行して加圧ローラリフレッシュモードを実行してタイマをリセットする。このため、加圧ローラリフレッシュモードに起因するダウンタイムが発生しない。また、ジョブの実行中に分離爪キズの進行を反映するタイマの計測値が第二閾値よりも小さい第三閾値に達すると、ジョブの記録材Pの加熱処理と並行して加圧ローラリフレッシュモードを実行して第三タイマをリセットする。このため、加圧ローラリフレッシュモードに起因するダウンタイムも発生しない。
実施の形態1では、ジョブの実行中にタイマの計測時間が第三時間の一例である上限時間に達すると、ジョブの画像形成を待機させた状態で定着ローラリフレッシュモードを実行して、タイマをリセットする。このため、紙コバ傷の状態が手遅れにならないうちに定着ローラリフレッシュモードを実行できる。
実施の形態1では、加圧ローラリフレッシュモードにおいてリフレッシュローラ62が加圧ローラ41を摺擦する規定の摺擦時間に達する前にジョブの記録材Pの加熱処理が終了したときは、加圧ローラリフレッシュモードを停止する。その後、次回の画像形成が開始された際に記録材Pの加熱処理に並行して加圧ローラリフレッシュモードを再開する。このため、加圧ローラリフレッシュモードが終わるのを待って定着装置9を停止させる必要が無い。
実施の形態1では、次回の連続した一連の記録材Pの加熱処理において実行される加圧ローラリフレッシュモードは、次回の連続した一連の記録材Pの加熱処理の少なくとも2枚目以降の記録材Pの加熱処理に並行して実行される。このため、ジャム処理後の汚れた加圧ローラによってリフレッシュローラ62が汚染されにくい。
実施の形態1では、以上のような動作を実行することで、常に加圧ローラ41の表面性を、画像の不良やグロスむらが生じない範囲に保つことが可能となる。加圧ローラ41の表層を必要最低限の制御で、一定粗さの表面状態に保ち、紙粉などの汚れを堆積せずに表面の離型性を維持することが可能となる。従来のようにプリント動作を一時停止させて加圧ローラの表面性を保つ制御に比較して、出力画像の同等の画質を保ちつつ、連続的なプリント動作が可能になった。
実施の形態1では、定着ローラリフレッシュモードの実行条件に合致するとジョブの加熱処理の終了後に定着ローラリフレッシュモードを実行するので、連続した画像形成を中断してダウンタイムを発生する割合が低くなる。また、加圧ローラリフレッシュモードの実行条件に合致するとジョブの加熱処理に並行して加圧ローラリフレッシュモードを実行するので、連続した画像形成を中断してダウンタイムを発生することがない。したがって、リフレッシュモードの実行時間がダウンタイムとなる割合を低下させて画像形成装置の稼働率を高めることができる。
近年、電子写真に求められる記録材Pの種類が、様々な顧客のニーズに合わせて多様化している。そのため、記録材Pの厚みや表面性、求められる成果物の画像の濃度や光沢度などによっても、最終的な画質を決定する定着条件の細かい調整が必要とされる。このため、定着条件を常に安定な状態に維持していくことが必要であり、定着部材及び、加圧部材の表面性を均一に保つため、各々の部材にリフレッシュローラを一定条件で着加圧する構成が必要とされている。実施の形態1では、様々な記録材Pによらず、記録材Pの連続した定着ニップ部の通過により発生する画像上のグロスむらを、必要十分に抑制できるように、リフレッシュモードをそれぞれの所定の条件で実行できる。定着ローラと加圧ローラの表層を、異なる制御によって、各々に適したタイミングで均すことで、加熱処理の枚数や記録材Pの種類にかかわらず、常に良好な画質を維持できる。
なお、定着ローラ40の紙コバ傷や表層荒れを回復させるために、定着ローラ40の表層にリフレッシュローラを定期的に加圧し、リフレッシュ動作を行うことは多数の先行例がある。しかし、実施の形態1、2、3では、これとは根本的に異なり、定着ローラのリフレッシュ動作に加圧ローラのリフレッシュ動作が加わった場合のトータルなダウンタイム削減を提案している。
<実施の形態2>
実施の形態2では、ジョブを中断して定着ローラリフレッシュモードを実行する際には、その実行時間を利用して、併せて加圧ローラリフレッシュモードを実行して、プリント中に加圧ローラリフレッシュモードが実行される頻度を低下させている。
定着ローラリフレッシュモード期間であれば、ジョブに含まれる記録材Pの加熱処理を停止させているので、加圧ローラリフレッシュモードを同時に実行しても画像形成装置100の生産性に影響が及ばない。記録材Pジャム処理後の加圧ローラ41にトナーが付着した状態で加圧ローラリフレッシュモードが実行されることも確実に回避できる。
加圧ローラリフレッシュモードは、別途、プリント中に実行しているので、定着ローラリフレッシュモードのタイミングで実行しなくてもよいと考えられる。しかし、プリント中に実行しようとしたとき、FAX、コピーの1枚ジョブ等、少ない出力枚数のジョブが繰り返されると、プリント中に加圧ローラリフレッシュモードを実行しきれなくなる可能性がある。このため、稼働率に影響を及ぼさないタイミングで加圧ローラリフレッシュモードを実行可能な状況があれば、その機会を利用して先行的に加圧ローラリフレッシュモードを実行して制御のためのタイマもしくはカウンタをリセットする。
(実施の形態2の制御)
図16は実施の形態2のリフレッシュモードの制御のフローチャートである。図17は定着ローラと加圧ローラのリフレッシュモードの説明図である。
図16に示すように、制御部80は、ジョブを受信すると、画像形成装置100を起動して、定着装置9を立上げ、前回転を実行してジョブの画像形成を開始する。
制御部80は、定着装置9を記録材Pが通過したことを検知して(S61のYes)、搬送幅枚数カウンタをA4横送り換算の枚数でカウントする(S62)。搬送幅枚数カウンタは、ハガキサイズ、A4縦送り、B5横送り、A4横送り等、記録材Pの搬送方向に直角な幅方向の長さごとに複数設けられている。例えば、A3縦送りの記録材Pが定着ニップ部N9を通過した場合、210mmのA4縦送りの搬送幅枚数カウンタが+2カウントされる。
制御部80は、各サイズの搬送幅枚数カウンタの何れかのカウント値が、コバ傷発生閾値以上になった場合(S63のYes)、プリントを中断して、定着ローラリフレッシュモードを実行する(S64〜S67)。しかし、コバ傷発生閾値未満であれば(S63のNo)、ジョブの画像形成を継続する(S61)。
Figure 2016090676
図16に示すように、ジョブを中断して(S66)定着ローラリフレッシュモードを実行する場合(S67)、並行して加圧ローラリフレッシュモードも実行する(S67)。加圧ローラリフレッシュモードにおけるリフレッシュローラ62の摺擦時間は、そのときの枚数カウンタ及び分離爪着時間タイマのカウント値に基づいて必要最小限の時間に比例補正される。
定着ローラリフレッシュモードを実行後、全サイズの搬送幅枚数カウンタがリセットされると同時に、加圧ローラリフレッシュモードのための枚数カウンタ及び分離爪着時間タイマもリセットされる(S67)。枚数カウンタ及び分離爪着時間タイマがリセットされることで、次回の加圧ローラリフレッシュモードの単独の実行時期が先送りされる。
制御部80は、図1に示す画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdにおけるトナー像の形成を停止したときの最後のトナー像が転写された記録材Pが定着装置9を通過した後に定着ローラリフレッシュモードを実行する(S67)。
制御部80は、搬送幅枚数カウンタのカウント値から、定着ローラリフレッシュモードにおけるリフレッシュローラ62の摺擦時間を計算する(S65)。定着ローラリフレッシュモードの目的は紙コバ傷であるため、紙コバ接触による荒れ方が大きい部分を基準にリフレッシュローラ52の摺擦時間が決定される。表4に示すように、3000枚でコバ傷発生閾値に達すると、ジョブを停止して30秒間の定着ローラリフレッシュモードが実行される。
制御部80は、搬送幅枚数カウンタのカウントと並行して(S62)、記録材Pが定着ニップ部N9を通過した枚数を調べる枚数カウンタのカウントを行う(S68)。また、制御部80は、分離爪45が加圧ローラ41に当接している場合(S70のYes)、分離爪45が加圧ローラ41を摺擦した距離を調べる分離爪着時間タイマのカウントを行う(S71)。
実施の形態1で説明したように、枚数カウンタは、加圧ローラ41の紙粉の付着状態を推定するためのもので、カウント値が紙粉汚れ発生閾値に達すると(S69のYes)、加圧ローラリフレッシュモードを実行する(S73〜S75)。分離爪着時間タイマは、分離爪45による加圧ローラ41の摺擦キズの発生状態を推定するためのもので、計測値が爪キズ発生閾値に達すると(S72のYes)、加圧ローラリフレッシュモードを実行する(S73〜S75)。
制御部80は、枚数カウンタをA4横送りの搬送方向長さ換算の枚数でカウントする(S68)。例えば、A3縦送りの記録材Pが定着ニップ部N9を通過した場合、210mmのA4縦送りの搬送幅枚数カウンタが+2カウントされる。
制御部80は、枚数カウンタのカウント値が紙粉汚れ発生閾値に達した場合(S69のYes)及び分離爪着時間タイマのカウント値が爪キズ発生閾値に達した場合、(S72のYes)、リフレッシュローラ62の摺擦時間を計算する(S73)。実施の形態1で説明したように、表4の紙粉汚れを除去するための摺擦時間(3秒)を分離爪着時間タイマのカウント値に基づいて補正して、加圧ローラリフレッシュモード実行後に分離爪45の摺擦傷も十分に除去されているようにする。
実施の形態1と同様に、制御部80は、加圧ローラリフレッシュモードを単独で実行する場合、プリント動作に並行して実行する。定着ローラリフレッシュモードも併せて実行すると、ジョブの加熱処理を一旦止めることになるために、画像形成装置100の生産性の低下を招いてしまうからである。制御部80は、できる限りプリントを継続して、プリント中に加圧ローラリフレッシュモードを実行する。
制御部80は、枚数カウンタと分離爪着時間タイマから加圧リフレッシュモードにおけるリフレッシュローラ62の摺擦時間を計算して(S73)、その摺擦時間による加圧ローラリフレッシュモードの実行を許可する(S74)。そして、記録材Pの表面側のプリント動作と並行して記録材Pの裏面で加圧リフレッシュモードの摺擦を実行する。
以上説明したように、実施の形態2では、制御部80は、第一カウンタ及び第二カウンタの機能を有する。第一カウンタは、定着ローラリフレッシュモードを制御するために、定着ニップ部N9における記録材Pの累積加熱処理量が反映された数値をカウントする。第二カウンタは、加圧ローラリフレッシュモードを制御するために、定着ニップ部N9における記録材Pの累積加熱処理量が反映された数値をカウントする。制御部80は、ジョブを中断して定着ローラリフレッシュモードを実行するときは、定着ローラリフレッシュモードと並行して加圧ローラリフレッシュモードを実行して、第一カウンタ及び第二カウンタをリセットする。
(爪着時間タイマ)
なお、実施の形態2では、枚数カウンタと分離爪着時間タイマとを用いて加圧ローラリフレッシュモードの実行タイミングを制御している。図16に示すように、分離爪45が加圧ローラ41に着状態で加圧ローラ41が回転しているときのみ、分離爪着時間タイマをカウントする(S71)。そして、分離爪着時間タイマが分離爪キズ発生閾値以上であれば(S72のYes)、プリント中に加圧ローラリフレッシュモードのみを実行する(S75)。
ここで、分離爪着時間タイマは、分離爪45の着状態で定着ニップ部N9を通過した記録材Pの枚数をカウントする爪着枚数カウンタで代用してもよい。しかし、分離爪着時間タイマを用いて時間を基準にカウントしたほうが、爪着枚数カウンタで代用して枚数を基準にカウントする場合よりも精度が高くなる。
分離爪着時間タイマは、分離爪45の着時間基準で分離爪摺擦キズの対策を行う。爪着枚数カウンタのカウント値と分離爪着枚数タイマのカウント値とは比例関係にならない。分離爪キズの進行程度は、定着ニップ部N9を通過した記録材Pの枚数よりも、分離爪45が加圧ローラ41に接触した時間(摺擦距離)に依存する。このため、分離爪着枚数タイマを使用することで、記録材Pの搬送間隔(紙間)の長さや、1回のジョブに含まれる連続した画像形成の枚数、1枚の加熱処理における分離爪45の着時間を織り込んで正確な分離爪45の摺擦傷の発生状態を正確に評価できる。
(1)分離爪45は、ジョブの先頭の記録材Pの先頭が定着ニップ部N9を抜ける前に加圧ローラ41に接触し、ジョブの最後の記録材Pの後端が定着ニップ部N9を通過するまで着状態に保たれる場合がある。この場合、枚数カウンタのカウント値に対して分離爪着時間タイマのカウント値は、相対的に速くカウントされる。
(2)分離爪45は、記録材Pの先頭が定着ニップ部N9を抜ける前に加圧ローラ41に接触し、記録材Pの後端が定着ニップ部N9を通過するまで着状態に保たれて離間する場合がある。この場合、枚数カウンタのカウント値に対して分離爪着時間タイマのカウント値は、ほぼ等しい速度でカウントされる。
(3)分離爪45は、それぞれの記録材Pの先頭の数10mmが定着ニップ部N9を通過しているときにのみ加圧ローラ41に当接し、それ以外の期間は加圧ローラ41から離間している場合がある。この場合、枚数カウンタのカウント値に対して分離爪着時間タイマのカウント値は、相対的にゆっくりとカウントされていく。
<実施の形態3>
実施の形態3の制御は、実施の形態2の制御と並行して実行される。ジョブの終了後の後回転の時間を利用して定着ローラリフレッシュモードを実行することにより、ジョブ途中で画像形成を中断して実行される実施の形態2の定着ローラリフレッシュモードの実行頻度を低下させている。ジョブの終了後の定着ローラリフレッシュモードは、ジョブを中断して実行される定着ローラリフレッシュモードのコバ傷発生閾値よりも小さい軽微コバ傷発生閾値を用いて、実行の可否を判断する。
Figure 2016090676
表4に示すように、ジョブを中断して行う定着ローラリフレッシュモードのコバ傷発生閾値が3000枚であるのに対して、ジョブの終了後の後回転時に行う定着ローラリフレッシュモードの軽微コバ傷発生閾値は500枚である。ジョブの終了後にこまめに定着ローラリフレッシュモードを実行することで、ジョブを中断して行う定着ローラリフレッシュモードの実行頻度を下げて、プリント生産性への影響を減らしている。
(実施の形態3の制御)
図18は実施の形態3の定着ローラリフレッシュモードの制御のフローチャートである。実施の形態3の制御では、図18のフローチャートの制御と並行して図16のフローチャートの制御が実行されているが、後者については実施の形態2で説明しているので、重複する説明を省略する。
図18に示すように、制御部80は、ジョブが終了すると、各搬送幅枚数カウンタのそれぞれのカウント値を軽微コバ傷発生閾値と比較する(S81)。いずれかの搬送幅枚数カウンタのカウント値が軽微コバ傷発生閾値(500枚)以上の場合(S81のYes)、各搬送幅枚数カウンタのカウント値の最大値に基づいて定着ローラリフレッシュモードにおけるリフレッシュローラ52の摺擦時間を計算する(S82)。ここで、カウント値の最大値が500枚の場合は、表4に示すように10秒とするが、最大値が750枚であれば、1.5倍に比例計算して15秒とする。
制御部80は、リフレッシュローラ52を定着ローラ40に計算された時間だけ摺擦して離間させた後に定着ローラ40の回転を停止させる(S83)。
実施の形態3の制御を実施の形態2の制御に組み込むことで、実施の形態3の制御によってジョブの画像形成が中断される頻度が低下して、画像形成装置100の実質的な稼働率が向上する。ジョブが終了した条件で、コバ傷発生閾値よりも短い軽微コバ傷発生閾値を基準にリフレッシュモードを開始させることで、定着ローラ40の紙コバ傷が軽微な状態を長期間にわたって維持できる。ジョブ終了タイミングのリフレッシュモードを行うことで、幅の狭い記録材Pのジョブから幅の広い記録材Pのジョブへ切り替わった際に幅の狭い記録材Pのエッジ位置に紙コバ傷が発生しにくくなる。
(実施の形態3の効果)
実施の形態3の制御を画像形成装置100の実機に組み込んで、未実施、従来例、実施の形態1と比較した。表5中、未実施は、加圧ローラリフレッシュモードを実行しない場合、従来例は定着ローラリフレッシュモードと同時にジョブを中断して、加圧ローラリフレッシュモードを実行した場合である。
Figure 2016090676
表5に示すように、実施の形態3では、軽微コバ傷発生閾値による定着ローラリフレッシュモードが追加されたので、実施の形態2よりも出力画像のグロスむらが少なくなった。
<実施の形態4>
実施の形態4では、図13に示す実施の形態1の制御において、ジョブの終了を待って定着ローラリフレッシュモードを実行する際には(S53)、並行して加圧ローラリフレッシュモードを実行する。ジョブの実行中に定着ローラリフレッシュモードの実行条件に合致すると、ジョブの最後の記録材Pの加熱処理が終了した後に(S52のYes)、定着ローラリフレッシュモード(S53)と並行して加圧ローラリフレッシュモード(不図示)を実行する。そして、定着ローラリフレッシュモードの通過時間タイマと加圧ローラリフレッシュモードの通過時間タイマを共にリセットする(S57)。
しかし、図12に示すように、ジョブの実行中に加圧ローラリフレッシュモードの実行条件に合致すると(S32のYes)、定着ローラリフレッシュモードを実行することなく、ジョブと並行して加圧ローラリフレッシュモードを実行する(S33)。
実施の形態4の制御によれば、定着ローラリフレッシュモードと並行して加圧ローラリフレッシュモードを実行することで、実施の形態2と同様に、独立して加圧ローラリフレッシュモードを実行する頻度を下げることができる。
<実施の形態5>
図19は定着装置を直列に配置した実施の形態の説明図である。図19に示すように、画像形成装置100Aにおいて定着装置9A、9Bが直列に配置される。定着装置9A、9Bは、実施の形態1乃至3で説明した定着装置9と同一のものである。
<実施の形態6>
図20はローラ/ベルト搬送方式の定着装置を搭載した実施の形態の説明図である。図21はローラ/ベルト搬送方式の定着装置の説明図である。図20に示すように、画像形成装置100Bにおいて定着装置9A´、9Bが直列に配置される。定着装置9Bは、実施の形態1乃至3で説明した定着装置9と同一のものであるが、定着装置9A´は、定着ローラ40に加圧ベルト部41Hを圧接して定着ニップ部N9を形成するベルト搬送式の画像加熱装置である。加圧ベルト153は、加圧ローラ156、駆動ローラ157、及びテンションローラ155に張架され、加圧パッド151によって定着ローラ40に押圧されている。
同様にして、定着装置9A´、9Bは、定着ベルトと加圧ベルトとの間に定着ニップ部が形成されるベルト/ベルト方式の画像加熱装置に置き換えてもよい。非回転の加熱機構の周囲に薄い定着ベルトが回転するいわゆるオンデマンド方式の画像加熱装置に置き換えてもよい。
<その他の実施の形態>
本発明は、第二回転体リフレッシュモードがジョブの加熱処理と並行して実行される限りにおいて、実施の形態1、2、3の構成及び制御の一部又は全部を別の構成及び制御に置き換えた別の実施の形態でも実施可能である。本発明は実施の形態1、2、3の構成及び制御に限定されない。
タイマを用いた制御は、カウンタを用いた制御に変更可能である。例えば、実施の形態1において、ジョブの実行中に第一カウンタのカウント値が第一カウント値の一例である第一閾値に達すると、ジョブの最後の記録材Pの加熱処理が終了した後に定着ローラリフレッシュモードを実行して第一カウンタをリセットしてもよい。ジョブの実行中に第二カウンタのカウント値が第二カウント値の一例である第二閾値に達するとジョブの記録材Pの加熱処理と並行して加圧ローラリフレッシュモードを実行して第二カウンタをリセットしてもよい。第一カウンタにより、加圧ローラ41に対する分離爪45の累積当接量が反映された数値の一例である加熱処理の累積枚数をカウントしてもよい。そして、ジョブの実行中に前記第一カウンタのカウント値が第二カウント値の一例である第三閾値に達するとジョブの記録材Pの加熱処理と並行して加圧ローラリフレッシュモードを実行して第一カウンタをリセットしてもよい。ジョブの実行中に第一カウンタのカウント値が第一閾値よりも大きな第三カウント値の一例である第四閾値に達するとジョブのトナー像形成を中断して定着ローラリフレッシュモードを実行してもよい。定着ローラリフレッシュモード未終了のままジョブが終了したときは、次回のジョブの2枚目以降の記録材Pの加熱処理に並行して加圧ローラリフレッシュモードを実行してもよい。
タイマを用いた制御は、カウンタを用いた制御に変更可能である。例えば、実施の形態2において、定着ローラリフレッシュモードを実行するときは、定着ローラリフレッシュモードと並行して加圧ローラリフレッシュモードを実行して第一タイマ及び第二タイマをリセットしてもよい。
記録材Pの搬送時間の累積値は、定着ニップ部Nを通過した記録材Pごとの接触時間の累積値には限らない。ジョブごとのトータルな加熱処理時間の累積値であってもよい。積算される記録材Pごとの接触時間は、加熱処理された記録材Pのサイズを搬送速度で除して求めてもよい。起動から停止までの定着ローラの回転時間を積算してもよい。
記録材Pの搬送枚数の累積値は、定着ニップ部Nを通過した記録材Pの単純な枚数の累積値には限らない。1枚ごとに記録材Pの搬送方向の長さに応じた定数を乗じてA4サイズ横送りの記録材Pの枚数に換算してカウントしてもよい。
実施の形態1、2、3では、紙粉汚れ発生閾値を固定値とした。しかし、加圧ローラ41に紙粉が付着し易い記録材Pの場合、少ない加熱処理累積枚数で加圧ローラリフレッシュモードが実行されるように制御することが望ましい。そのため、制御部80は、第三情報取得部として、記録材Pの銘柄及び型番ごとに第三情報としての閾値を設定する。制御部80は、加熱処理に伴って加圧ローラ41に移転する紙粉量が第一の記録材Pよりも多い第二記録材Pに対しては、第一記録材Pにおける第一閾値よりも小さい第二閾値が設定されるように、記録材Pの種類に応じて閾値を設定する。
本発明は、加圧ローラに駆動機構がなく、定着ローラに加圧することで初めて加圧ローラが従動回転する構成には限定されない。加圧ローラに駆動モータがあり、定着ローラに対して加圧を行っていない状態でも回転駆動が可能であれば、加圧ローラが定着ローラに対して加圧をしていない状態で加圧ローラリフレッシュモードを実行してもよい。
9 定着装置、10 記録材カセット、11 二次転写ローラ
40 定着ローラ、41 加圧ローラ、45 分離爪
47 着脱機構、
50 定着リフレッシュ機構、51 揺動機構、52 リフレッシュローラ
60 加圧リフレッシュ機構、61 揺動機構、62 リフレッシュローラ
67 エア分離ユニット、130 中間転写ベルト
P 記録材
T トナー

Claims (10)

  1. トナー像を形成して記録材に転写するトナー像形成部と、
    記録材のトナー像担持面を加熱する第一回転体と、前記第一回転体との間に記録材を挟持して搬送する第二回転体と、を有し、前記トナー像形成部によってトナー像が転写された記録材を加熱処理して記録材に画像を定着させる定着装置と、
    1枚以上の画像形成を含むジョブのデータを取得する取得部と、
    前記取得部により取得された前記データを用いて前記ジョブを実行するように前記トナー像形成部及び前記定着装置を制御する制御部と、
    前記第一回転体に接離可能であって前記第一回転体を摺擦する第一摺擦モードを実行可能な第一摺擦回転体と、
    前記第二回転体に接離可能であって前記第二回転体を摺擦する第二摺擦モードを実行可能な第二摺擦回転体と、
    前記加熱処理の累積枚数をカウントするカウンタと、を備え、
    前記制御部は、前記カウンタのカウント値が第一カウント値に達すると前記第一摺擦モードを前記ジョブの終了後に実行し、前記カウンタのカウント値が第二カウント値に達すると前記第二摺擦モードを前記ジョブに並行して実行することを特徴とする画像形成装置。
  2. トナー像を形成して記録材に転写するトナー像形成部と、
    記録材のトナー像担持面を加熱する第一回転体と、前記第一回転体との間に記録材を挟持して搬送する第二回転体と、前記第二回転体に接離可能であって前記第二回転体に当接した状態で前記第二回転体から記録材を分離する分離部材と、を有し、前記トナー像形成部によってトナー像が転写された記録材を加熱処理して記録材に画像を定着させる定着装置と、
    1枚以上の画像形成を含むジョブのデータを取得する取得部と、
    前記取得部により取得された前記データを用いて前記ジョブを実行するように前記トナー像形成部及び前記定着装置を制御する制御部と、
    前記第一回転体に接離可能であって前記第一回転体を摺擦する第一摺擦モードを実行可能な第一摺擦回転体と、
    前記第二回転体に接離可能であって前記第二回転体を摺擦する第二摺擦モードを実行可能な第二摺擦回転体と、
    前記分離部材を前記第二回転体に当接した状態で実行された前記加熱処理の累積枚数をカウントするカウンタと、を備え、
    前記制御部は、前記カウンタのカウント値が第一カウント値に達すると前記第一摺擦モードを前記ジョブの終了後に実行し、前記カウンタのカウント値が第二カウント値に達すると前記第二摺擦モードを前記ジョブに並行して実行することを特徴とする画像形成装置。
  3. 前記制御部は、前記カウンタのカウント値が前記第一カウント値よりも大きな第三カウント値に達すると、前記トナー像形成部におけるトナー像の形成を待機させて前記第一摺擦モードを実行することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. トナー像を形成して記録材に転写するトナー像形成部と、
    記録材のトナー像担持面を加熱する第一回転体と、前記第一回転体との間に記録材を挟持して搬送する第二回転体と、を有し、前記トナー像形成部によってトナー像が転写された記録材を加熱処理して記録材に画像を定着させる定着装置と、
    1枚以上の画像形成を含むジョブのデータを取得する取得部と、
    前記取得部により取得された前記データを用いて前記ジョブを実行するように前記トナー像形成部及び前記定着装置を制御する制御部と、
    前記第一回転体に接離可能であって前記第一回転体を摺擦する第一摺擦モードを実行可能な第一摺擦回転体と、
    前記第二回転体に接離可能であって前記第二回転体を摺擦する第二摺擦モードを実行可能な第二摺擦回転体と、
    前記加熱処理の累積時間を計測するタイマと、を備え、
    前記制御部は、前記タイマの計測値が第一時間に達すると前記第一摺擦モードを前記ジョブの終了後に実行し、前記タイマの計測値が第二時間に達すると前記第二摺擦モードを前記ジョブに並行して実行することを特徴とする画像形成装置。
  5. トナー像を形成して記録材に転写するトナー像形成部と、
    記録材のトナー像担持面を加熱する第一回転体と、前記第一回転体との間に記録材を挟持して搬送する第二回転体と、前記第二回転体に接離可能であって前記第二回転体に当接した状態で前記第二回転体から記録材を分離する分離部材と、を有し、前記トナー像形成部によってトナー像が転写された記録材を加熱処理して記録材に画像を定着させる定着装置と、
    1枚以上の画像形成を含むジョブのデータを取得する取得部と、
    前記取得部により取得された前記データを用いて前記ジョブを実行するように前記トナー像形成部及び前記定着装置を制御する制御部と、
    前記第一回転体に接離可能であって前記第一回転体を摺擦する第一摺擦モードを実行可能な第一摺擦回転体と、
    前記第二回転体に接離可能であって前記第二回転体を摺擦する第二摺擦モードを実行可能な第二摺擦回転体と、
    前記分離部材を前記第二回転体に当接した状態で実行された前記加熱処理の累積時間を計測するタイマと、を備え、
    前記制御部は、前記タイマの計測値が第一時間に達すると前記第一摺擦モードを前記ジョブの終了後に実行し、前記タイマの計測値が第二時間に達すると前記第二摺擦モードを前記ジョブに並行して実行することを特徴とする画像形成装置。
  6. 前記制御部は、前記タイマの計測値が前記第一時間よりも大きな第三時間に達すると、前記トナー像形成部におけるトナー像の形成を待機させて前記第一摺擦モードを実行することを特徴とする請求項4又は5に記載の画像形成装置。
  7. 前記制御部は、前記第一摺擦モードを実行するときは、前記第一摺擦モードと並行して前記第二摺擦モードを実行することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記制御部は、前記第二摺擦モードを実行しているときに前記ジョブが終了したときは、前記第二摺擦モードを中断し、次回のジョブの加熱処理に並行して前記第二摺擦モードを実行することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記制御部は、記録材の加熱処理の開始から2枚目以降の記録材の加熱処理に並行して前記第二摺擦モードを実行することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  10. 前記第一回転体に圧縮空気を吹き付けることにより前記第一回転体から記録材を分離可能なエア分離装置と、
    前記エア分離装置によって圧縮空気を吹き付けられた前記第一回転体の周面にクリーニングウエブを摺擦させる第一回転体クリーニング装置と、を備えることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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