JP2016076323A - 蓄電デバイス用セパレータの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、ポリオレフィン樹脂を主成分とする多孔膜の表面に、無機フィラーと樹脂製パインダーを含む塗工液を、ドクターブレードが設置されたコーターを用いて塗工しても、多孔層表面のストリークの発生を抑制でき、その結果、表面平滑性に優れ、高信頼性のセパレータを得る製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】ポリオレフィン微多孔膜基材の少なくとも1面上に、顔料及び官能基含有重合体を含む塗工液を、塗工し、乾燥して、少なくとも1層以上の塗工層を設ける工程を含む蓄電デバイス用セパレータの製造方法であって、前記塗工液の回転数4400rpmでのハイシェア粘度が1〜45mPa・sであり、かつ前記基材上に前記塗工層を設ける前記工程は、樹脂製ドクターブレードを備えるグラビアコーターにより行われる、前記蓄電デバイス用セパレータの製造方法が提供される。
【選択図】なし

Description

本発明は、各種物質の分離、浄化等に用いられる膜、電池内で正極と負極の間に配置されるセパレータとして好適に用いられる多孔膜、及び多層多孔膜蓄電デバイス用セパレータの製造方法に関する。
ポリオレフィン多孔膜は優れた電気絶縁性、イオン透過性を示すことから、電池やコンデンサー等におけるセパレータとして広く利用されている。特に近年では、携帯機器の多機能化及び軽量化に伴い、その電源として高出力密度及び高容量密度のリチウムイオン二次電池が使用されており、このようなリチウムイオン二次電池に使用されるセパレータとして、主にポリオレフィン多孔膜が用いられている。
リチウムイオン二次電池は高い出力密度及び容量密度を有する反面、電解液に有機溶媒を用いているため、短絡や過充電などの異常事態に伴う発熱によって電解液が分解し、最悪の場合には発火に至ることがある。このような事態を防ぐため、リチウムイオン二次電池にはいくつかの安全機能が組み込まれており、その中の一つに、セパレータのシャットダウン機能がある。シャットダウン機能とは、電池が異常発熱を起こした際、セパレータの微多孔が熱溶融等により閉塞して電解液内のイオン伝導を抑制し、電気化学反応の進行をストップさせる機能のことである。一般にシャットダウン温度が低いほど安全性が高いとされ、ポリエチレンがセパレータの材料として用いられている理由の一つに適度なシャットダウン温度を有するという点が挙げられる。しかしながら、高いエネルギーを有する電池においては、シャットダウンにより電気化学反応の進行をストップさせても電池内の温度が上昇し続け、その結果、セパレータが熱収縮して破膜し、両極が短絡(ショート)するという問題がある。
一方で、リチウムイオン二次電池等の非水電解液電池は、電気自動車、ハイブリッド電気自動車などの短時間に大電流の充放電が必要な用途への展開が急速に進んでおり、安全性に対する要求だけではなく、高度な出力特性も強く求められており、優れた安全性と高度な出力特性の両立が求められている。
特許文献1には、ポリオレフィン樹脂を主成分とする多孔膜の表面に、無機フィラーと樹脂製パインダーを含む塗工液を、グラビアコーターを用いて塗工した。60℃にて乾燥して水を除去し、ポリオレフィン樹脂多孔膜上に厚さ6μmの多孔層を形成した多層多孔膜が開示されている。
国際公開第2013/147071号 国際公開第2009/096451号 特許第3094620号公報 特開2007−177345号公報
特許文献1記載のグラビアコーター等のコーターを用いて、多孔膜表面に多孔層を形成する塗工量または塗工厚みを精密に制御するために、ドクターブレードが好適に用いられる。しかし、ドクターブレードを用いる場合、ドクターブレードの直下で、塗工液に急激なシェアがかかり、固形分の急激な上昇が起こって固形化して、ストリークが多孔層表面に発生し、その結果平滑性に優れないため信頼性のあるセパレータが得らないという問題が発生する。
特許文献2には、ブレードコーターを用いるという僅かに1行の記載はあるが、塗工方法又は塗工条件について、具体的な開示がない。
特許文献3には、樹脂製ドクターブレードが設置されたキャストコータドラムを用いて、原紙に塗工液を塗工することが開示されているが、製紙用の塗工液のため、用いられる無機フィラーと樹脂バインダの種類、量比、固形分、又は塗量粘度が異なるため、特許文献3の開示条件を多層膜表面へ塗工液の塗工に適用しても、セパレータに要求される平滑性を得ることができない。
特許文献4には、抄紙機のガイドロール用に用いる樹脂製ドクターブレードの開示があるにすぎず、具体的な塗工条件の開示がない。
したがって、本発明は、ポリオレフィン樹脂を主成分とする多孔膜の表面に、無機フィラーと樹脂製パインダーを含む塗工液を、ドクターブレードが設置されたコーターを用いて塗工しても、多孔層表面のストリークの発生を抑制でき、その結果、表面平滑性に優れ、高信頼性のセパレータを得る製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意検討を重ねた結果、ポリオレフィン樹脂を主成分とする多孔膜の表面に、無機フィラーと樹脂製パインダーを含む塗工液を、塗工、乾燥して得られる塗工層を少なくとも1層以上設けてなるセパレータにおいて、塗工液の
ハイシェア粘度を特定範囲にし、樹脂製ドクターブレードを備えるグラビアコーターを用い、かつ塗工時のドクターブレード押付圧力を特定範囲に制御して塗工することで、前記課題を解決できることを見出した。すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]
ポリオレフィン多孔膜基材の少なくとも1面上に、無機フィラー及び樹脂バインダを含む塗工液を塗工し、乾燥して、少なくとも1層の塗工層を設ける工程を含む蓄電デバイス用セパレータの製造方法であって、前記塗工液の回転数4400rpmでのハイシェア粘度が1〜45mPa・sであり、かつ前記基材上に前記塗工層を設ける前記工程は、樹脂製ドクターブレードを備えるグラビアコーターにより行われる、前記蓄電デバイス用セパレータの製造方法。
[2]
前記ドクターブレードの最表層の表面粗さが、最大高さで2〜10μmである、[1]に記載の蓄電デバイス用セパレータの製造方法。
[3]
前記ドクターブレードの厚みが、0.1〜3.0mmである、[1]又は[2]に記載の蓄電デバイス用セパレータの製造方法。
[4]
前記ドクターブレードの材質が、ポリエチレン製、強化ポリエチレン製、ポリエステル製、強化ポリエステル製、またはポリアセタール製である、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用セパレータの製造方法。
[5]
前記塗工層の厚みが、1〜10μmである、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用セパレータの製造方法。
[6]
前記無機フィラーは、水酸化酸化アルミニウムまたは酸化アルミニウムを含む、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用セパレータの製造方法。
[7]
前記樹脂バインダを構成する官能基含有単量体の量が、前記樹脂バインダを構成する全単量体100質量部に対し、2〜10質量部である、[1]〜[6]のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用セパレータの製造方法。
[8]
前記樹脂バインダの配合量が、前記塗工液の全固形分に対し、1〜10質量%である、[1]〜[7]のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用セパレータの製造方法。
本発明によれば、ポリオレフィン樹脂を主成分とする多孔膜の表面に、無機フィラーと樹脂製パインダーを含む塗工液を、ドクターブレードが設置されたコーターを用いて塗工しても、多孔層表面のストリークの発生を抑制でき、その結果、表面平滑性に優れ、高信頼性のあるセパレータの製造方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と略記する。)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施形態に係る蓄電デバイス用セパレータの製造方法は、ポリオレフィン樹脂を主成分とする多孔膜基材の表面に、無機フィラーと樹脂バインダを含む塗工液を、塗工し、乾燥して、少なくとも1層の塗工層を設ける工程を含む。蓄電デバイス用セパレータの製造方法において、前記塗工液の回転数4400rpmでのハイシェア粘度が1〜45mPa・sあり、かつ前記基材上に前記塗工層を設ける前記工程が、樹脂製ドクターブレードを備えるグラビアコーターで行われる。
<基材>
ポリオレフィン樹脂を主成分とする多孔膜基材について説明する。
ポリオレフィン樹脂を主成分とする多孔膜基材とは、多層多孔膜を電池用セパレータとして用いた場合のシャットダウン性能等を向上させる観点から、多孔膜を構成する樹脂成分の50質量%以上100質量%以下をポリオレフィン樹脂が占めるポリオレフィン樹脂組成物により形成される多孔膜であることが好ましい。ポリオレフィン樹脂が占める割合は60質量%以上100質量%以下であることがより好ましく、70質量%以上100質量%以下であることが更に好ましい。また、多孔膜を構成する全成分の50質量%以上100質量%以下をポリオレフィン樹脂が占めることが好ましい。
ポリオレフィン樹脂としては、特に限定されず、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、及び1−オクテン等のホモ重合体、共重合体、又は多段重合体等が挙げられる。また、これらのポリオレフィン樹脂は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。ポリオレフィン樹脂の具体例としては、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、アタクティックポリプロピレン、エチレン−プロピレンランダム共重合体、ポリブテン、エチレンプロピレンラバー等が挙げられる。
多層多孔膜を電池用セパレータとして使用する場合、低融点であり、かつ高強度の要求性能を満たす観点から、ポリオレフィン樹脂として特に高密度ポリエチレンを主成分とする樹脂組成物を用いることが好ましい。
また、多孔膜及び多層多孔膜の耐熱性を向上させる観点から、ポリプロピレンと、ポリプロピレン以外のポリオレフィン樹脂を含む樹脂組成物を用いることがより好ましい。
ここで、ポリオレフィン樹脂としてポリプロピレンを含む場合、ポリプロピレンの立体構造に限定はなく、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン及びアタクティックポリプロピレンのいずれでもよい。
ポリオレフィン樹脂組成物中の総ポリオレフィンに対するポリプロピレンの割合は、耐熱性と良好なシャットダウン機能を両立させる観点から、1〜35質量%であることが好ましく、より好ましくは3〜20質量%、さらに好ましくは4〜10質量%である。この場合、ポリプロピレン以外に含まれるポリオレフィン樹脂に限定はなく、例えば、エチレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のオレフィン炭化水素の単独重合体又は共重合体が挙げられる。具体的には、ポリエチレン、ポリブテン、エチレン−プロピレンランダム共重合体等が挙げられる。
多層多孔膜を電池用セパレータとして使用する場合など、孔が熱溶融により閉塞してシャットダウンすることが要求される場合には、ポリプロピレン以外のポリオレフィン樹脂として、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン等のポリエチレンを用いることが好ましい。これらの中でも、強度を向上させる観点から、JIS K 7112に従って測定した密度が0.93g/cm3以上であるポリエチレンを使用することがより好ましい。
ポリオレフィン樹脂の粘度平均分子量は、3万以上1200万以下であることが好ましく、より好ましくは5万以上200万未満、さらに好ましくは10万以上100万未満である。粘度平均分子量が3万以上であると、溶融成形の際のメルトテンションが大きくなり成形性が良好になると共に、重合体同士の絡み合いにより高強度となる傾向にあるため好ましい。一方、粘度平均分子量が1200万以下であると、均一に溶融混練をすることが容易となり、シートの成形性、特に厚み安定性に優れる傾向にあるため好ましい。さらに、本実施形態の多層多孔膜を電池用セパレータとして使用する場合、粘度平均分子量が100万未満であると、温度上昇時に孔を閉塞し易く良好なシャットダウン機能が得られる傾向にあるため好ましい。なお、例えば、粘度平均分子量100万未満のポリオレフィンを単独で使用する代わりに、粘度平均分子量200万のポリオレフィンと粘度平均分子量27万のポリオレフィンの混合物であって、混合物の粘度平均分子量が100万未満であるポリオレフィン混合物を用いてもよい。
ポリオレフィン樹脂組成物には、任意の添加剤を含有させることができる。添加剤としては、例えば、ポリオレフィン以外の重合体;無機フィラー;フェノール系、リン系、イオウ系等の酸化防止剤;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸類;紫外線吸収剤;光安定剤;帯電防止剤;防曇剤;着色顔料等が挙げられる。これらの添加剤の総添加量は、ポリオレフィン樹脂組成物100質量部に対して、20質量部以下であることが好ましく、より好ましくは10質量部以下、さらに好ましくは5質量部以下である。
本実施形態における多孔膜を製造する方法としては特に制限はなく、公知の製造方法を採用することができる。例えば、(1)ポリオレフィン樹脂組成物と可塑剤とを溶融混練してシート状に成形後、必要に応じて延伸した後、可塑剤を抽出することにより多孔化させる方法、(2)ポリオレフィン樹脂組成物を溶融混練して高ドロー比で押出した後、熱処理と延伸によってポリオレフィン結晶界面を剥離させることにより多孔化させる方法、(3)ポリオレフィン樹脂組成物と無機充填材とを溶融混練してシート上に成形した後、延伸によってポリオレフィンと無機充填材との界面を剥離させることにより多孔化させる方法、(4)ポリオレフィン樹脂組成物を溶解後、ポリオレフィンに対する貧溶媒に浸漬させてポリオレフィンを凝固させると同時に溶剤を除去することにより多孔化させる方法等が挙げられる。
以下、多孔膜を製造する方法の一例として、ポリオレフィン樹脂組成物と可塑剤とを溶融混練してシート状に成形後、可塑剤を抽出する方法について説明する。
まず、ポリオレフィン樹脂組成物と可塑剤を溶融混練する。溶融混練方法としては、例えば、ポリオレフィン樹脂及び必要によりその他の添加剤を、押出機、ニーダー、ラボプラストミル、混練ロール、バンバリーミキサー等の樹脂混練装置に投入し、樹脂成分を加熱溶融させながら任意の比率で可塑剤を導入して混練する方法が挙げられる。この際、ポリオレフィン樹脂、その他の添加剤及び可塑剤を樹脂混練装置に投入する前に、予めヘンシェルミキサー等を用いて所定の割合で事前混練しておくことが好ましい。より好ましくは、事前混練において可塑剤の一部のみを投入し、残りの可塑剤を樹脂混練装置にサイドフィードしながら混練する。このような混練方法を用いることにより、可塑剤の分散性が高まり、後の工程で樹脂組成物と可塑剤の溶融混練物のシート状成形体を延伸する際に、破膜することなく高倍率で延伸することができる傾向にある。
可塑剤としては、特に限定されないが、ポリオレフィンの融点以上において均一溶液を形成しうる不揮発性溶媒を用いることが好ましい。このような不揮発性溶媒の具体例としては、例えば、流動パラフィン、パラフィンワックス等の炭化水素類;フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル等のエステル類;オレイルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール等が挙げられる。
これらの中でも、流動パラフィンは、ポリエチレンやポリプロピレンとの相溶性が高く、溶融混練物を延伸しても樹脂と可塑剤の界面剥離が起こりにくく、均一な延伸が実施し易くなる傾向にあるため好ましい。
ポリオレフィン樹脂組成物と可塑剤の比率は、これらを均一に溶融混練して、シート状に成形できる範囲であれば特に限定はない。例えば、ポリオレフィン樹脂組成物と可塑剤とからなる組成物中に占める可塑剤の質量分率は、好ましくは30〜80質量%、より好ましくは40〜70質量%である。可塑剤の質量分率が80質量%以下であると、溶融成形時のメルトテンションが不足しにくく成形性が向上する傾向にある。一方、可塑剤の質量分率が30質量%以上であると、ポリオレフィン樹脂組成物と可塑剤の混合物を高倍率で延伸した場合でもポリオレフィン鎖の切断が起こらず、均一かつ微細な孔構造を形成し易く、強度も増加し易い。
次に、溶融混練物をシート状に成形する。シート状成形体を製造する方法としては、例えば、溶融混練物を、Tダイ等を介してシート状に押出し、熱伝導体に接触させて樹脂成分の結晶化温度より充分に低い温度まで冷却して固化する方法が挙げられる。冷却固化に用いられる熱伝導体としては、金属、水、空気、或いは可塑剤自身等が挙げられるが、熱伝導の効率が高いため、金属製のロールを用いることが好ましい。また、押出した混練物を金属製のロールに接触させる際に、ロール間で挟み込むと、熱伝導の効率がさらに高まると共に、シートが配向して膜強度が増し、シートの表面平滑性も向上する傾向にあるためより好ましい。溶融混練物をTダイからシート状に押出す際のダイリップ間隔は400μm以上3000μm以下であることが好ましく、500μm以上2500μm以下であることがより好ましい。ダイリップ間隔が400μm以上であると、メヤニ等が低減され、スジや欠点など膜品位への影響が少なく、その後の延伸工程において膜破断などのリスクを低減することができる。一方、ダイリップ間隔が3000μm以下であると、冷却速度が速く冷却ムラを防げると共に、シートの厚み安定性を維持できる。
次いで、このようにして得たシート状成形体を延伸することが好ましい。延伸処理としては、一軸延伸又は二軸延伸のいずれも好適に用いることができるが、得られる多孔膜の強度等を向上させる観点から二軸延伸が好ましい。シート状成形体を二軸方向に高倍率延伸すると、分子が面方向に配向し、最終的に得られる多孔膜が裂けにくくなり、高い突刺強度を有するものとなる。延伸方法としては、例えば、同時二軸延伸、逐次二軸延、多段延伸、多数回延伸等の方法を挙げることができ、突刺強度の向上、延伸の均一性、シャットダウン性の観点から同時二軸延伸が好ましい。
ここで、同時二軸延伸とは、MD方向(微多孔膜の機械方向)の延伸とTD方向(微多孔膜のMDを90°の角度で横切る方向)の延伸が同時に施される延伸方法をいい、各方向の延伸倍率は異なってもよい。逐次二軸延伸とは、MD方向又はTD方向の延伸が独立して施される延伸方法をいい、MD方向又はTD方向に延伸がなされているときは、他方向は非拘束状態又は定長に固定されている状態とする。
延伸倍率は、面倍率で20倍以上100倍以下の範囲であることが好ましく、25倍以上50倍以下の範囲であることがより好ましい。各軸方向の延伸倍率は、MD方向に4倍以上10倍以下、TD方向に4倍以上10倍以下の範囲であることが好ましく、MD方向に5倍以上8倍以下、TD方向に5倍以上8倍以下の範囲であることがより好ましい。総面積倍率が20倍以上であると、得られる多孔膜に十分な強度を付与できる傾向にあり、一方、総面積倍率が100倍以下であると、延伸工程における膜破断を防ぎ、高い生産性が得られる傾向にある。
また、シート状成形体を圧延してもよい。圧延は、例えば、ダブルベルトプレス機等を使用したプレス法にて実施することができる。圧延を施すことにより、特に表層部分の配向を増すことができる。圧延面倍率は1倍を超えて3倍以下であることが好ましく、1倍を超えて2倍以下であることがより好ましい。圧延倍率が1倍を超えると、面配向が増加し最終的に得られる多孔膜の膜強度が増加する傾向にある。一方、圧延倍率が3倍以下であると、表層部分と中心内部の配向差が小さく、膜の厚さ方向に均一な多孔構造を形成することができる傾向にある。
次いで、シート状成形体から可塑剤を除去して多孔膜とする。可塑剤を除去する方法としては、例えば、抽出溶剤にシート状成形体を浸漬して可塑剤を抽出し、充分に乾燥させる方法が挙げられる。可塑剤を抽出する方法はバッチ式、連続式のいずれであってもよい。多孔膜の収縮を抑えるために、浸漬、乾燥の一連の工程中にシート状成形体の端部を拘束することが好ましい。また、多孔膜中の可塑剤残存量は多孔膜全体の質量に対して1質量%未満にすることが好ましい。
可塑剤を抽出する際に用いられる抽出溶剤としては、ポリオレフィン樹脂に対して貧溶媒で、かつ可塑剤に対して良溶媒であり、沸点がポリオレフィン樹脂の融点より低いものを用いることが好ましい。このような抽出溶剤としては、例えば、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素類;塩化メチレン、1,1,1−トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;ハイドロフルオロエーテル、ハイドロフルオロカーボン等の非塩素系ハロゲン化溶剤;エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類が挙げられる。なお、これらの抽出溶剤は、蒸留等の操作により回収して再利用してよい。
多孔膜の収縮を抑制するために、延伸工程後、又は、多孔膜形成後に熱固定や熱緩和等の熱処理を行うこともできる。また、多孔膜に、界面活性剤等による親水化処理、電離性放射線等による架橋処理等の後処理を行ってもよい。
多孔膜には、収縮を抑制する観点から熱固定を施すことが好ましい。熱固定の方法としては、所定の温度雰囲気及び所定の緩和率で緩和操作を行うことが挙げられ、テンターやロール延伸機を用いて行うことができる。緩和操作とは、膜のMD及び/又はTDへの縮小操作のことである。緩和率とは、緩和操作後の膜のMD寸法を操作前の膜のMD寸法で除した値、緩和操作後のTD寸法を操作前の膜のTD寸法で除した値、或いはMD、TD双方を緩和した場合は、MDの緩和率とTDの緩和率を乗じた値のことである。緩和率は、1.0以下であることが好ましく、0.97以下であることがより好ましく、0.95以下であることがさらに好ましい。
緩和操作は、MD、TD両方向で行ってもよいが、MD或いはTD片方だけ行ってもよい。この緩和操作の前に、MD方向及び/又はTD方向に1.8倍以上、より好ましくは2.0倍以上の延伸を施すことによって、高強度かつ高気孔率な多孔膜が得られ易くなる。この可塑剤抽出後の延伸及び緩和操作は、好ましくはTD方向に行う。緩和操作及び緩和操作前の延伸工程における温度は、ポリオレフィン樹脂の融点(Tm)より低いことが好ましく、Tm−5℃からTm−25℃の範囲がより好ましく、Tm−7℃からTm−23℃の範囲がさらに好ましく、Tm−8℃からTm−21℃の範囲が特に好ましい。緩和操作及び緩和操作前の延伸工程における温度が上記範囲であると、小孔径、低曲路率であり、かつ孔数が多くて高気孔率な多孔膜が得られ易い。
<塗工層>
次に、無機フィラーと樹脂バインダとを含む塗工液で形成される層について説明する。この塗工層は、無機フィラーと樹脂バインダとを含む多孔膜を形成する。
前記多孔層に使用する無機フィラーとしては、特に限定されないが、200℃以上の融点をもち、電気絶縁性が高く、かつリチウムイオン二次電池の使用範囲で電気化学的に安定であるものが好ましい。
無機フィラーとしては、例えば、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、マグネシア、セリア、イットリア、酸化亜鉛、酸化鉄などの酸化物系セラミックス;窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素等の窒化物系セラミックス;シリコンカーバイド、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化酸化アルミニウム、チタン酸カリウム、タルク、カオリナイト、ディカイト、ナクライト、ハロイサイト、パイロフィライト、モンモリロナイト、セリサイト、マイカ、アメサイト、ベントナイト、アスベスト、ゼオライト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ藻土、ケイ砂等のセラミックス、ガラス繊維などが挙げられ、これらは単独で用いてもよいし、複数を併用してもよい。
上記の中でも、電気化学的安定性及び多層多孔膜の耐熱特性を向上させる観点から、アルミナ、水酸化酸化アルミニウムなどの酸化アルミニウム化合物や、カオリナイト、ディカイト、ナクライト、ハロイサイト、パイロフィライトなどのイオン交換能を持たないケイ酸アルミニウム化合物が好ましい。前記酸化アルミニウム化合物としては、水酸化酸化アルミニウムが特に好ましい。イオン交換能を持たないケイ酸アルミニウム化合物としては、安価で入手も容易なため、カオリン鉱物で主に構成されているカオリンがより好ましい。カオリンには湿式カオリン及びこれを焼成処理した焼成カオリンがあるが、焼成カオリンは焼成処理の際に結晶水が放出されるのに加え、不純物が除去されるので、電気化学的安定性の点で特に好ましい。
前記無機フィラーの平均粒径は、0.1μmを超えて4.0μm以下であることが好ましく、0.2μmを超えて3.5μm以下であることがより好ましく、0.4μmを超えて3.0μm以下であることが更に好ましい。無機フィラーの平均粒径を上記範囲に調整することは、多孔層の厚さが薄い場合(例えば、7μm以下)であっても、高温での熱収縮を抑制する観点から好ましい。
前記無機フィラーにおいて、0.2μmを超えて1.4μm以下の粒径を有する粒子が無機フィラー全体に占める割合としては、好ましくは2体積%以上、より好ましくは3体積%以上、更に好ましくは5体積%以上であり、上限としては、好ましくは90体積%以下、より好ましくは80体積%以下である。
前記無機フィラーにおいて、0.2μmを超えて1.0μm以下の粒径を有する粒子が無機フィラー全体に占める割合としては、好ましくは1体積%以上、より好ましくは2体積%以上であり、上限としては、好ましくは80体積%以下、より好ましくは70体積%以下である。
また、前記無機フィラーにおいて、0.5μmを超えて2.0μm以下の粒径を有する粒子が無機フィラー全体に占める割合としては、好ましくは8体積%以上、より好ましくは10体積以上であり、上限としては、好ましくは60体積%以下、より好ましくは50体積%以下である。
更に、前記無機フィラーにおいて、0.6μmを超えて1.4μm以下の粒径を有する粒子が無機フィラー全体に占める割合としては、好ましくは1体積%以上、より好ましくは3体積%以上であり、上限としては、好ましくは40体積%以下、より好ましくは30体積%以下である。
無機フィラーの粒度分布を上記範囲に調整することは、多孔層の厚さが薄い場合(例えば、7μm以下)であっても、高温での熱収縮を抑制する観点から好ましい。なお、無機フィラーの粒径の割合を調整する方法としては、例えば、ボールミル・ビーズミル・ジェットミル等を用いて無機フィラーを粉砕し、粒径を小さくする方法等を挙げることができる。
無機フィラーの形状としては、板状、鱗片状、針状、柱状、球状、多面体状、塊状等が挙げられ、上記形状を有する無機フィラーを複数種組み合わせて用いてもよい。多層多孔膜とした際に、後述の150℃熱収縮を10%以下に抑制することが可能であれば、無機フィラーの形状は特に限定されないが、透過性向上の観点からは複数の面からなる多面体状、柱状、紡錘状が好ましい。
前記無機フィラーが、前記多孔層中に占める割合としては、無機フィラーの結着性、多層多孔膜の透過性及び耐熱性等の観点から適宜決定することができるが、50質量%以上100質量%未満であることが好ましく、より好ましくは70質量%以上99.99質量%以下、さらに好ましくは80質量%以上99.9質量%以下、特に好ましくは90質量%以上99質量%以下である。
樹脂バインダの種類としては、特に限定されないが、本実施形態における多層多孔膜をリチウムイオン二次電池用セパレータとして使用する場合には、リチウムイオン二次電池の電解液に対して不溶であり、かつリチウムイオン二次電池の使用範囲で電気化学的に安定なものを用いることが好ましい。
樹脂バインダの具体例としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等の含フッ素樹脂;フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等の含フッ素ゴム;スチレン−ブタジエン共重合体及びその水素化物、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体及びその水素化物、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体及びその水素化物、メタクリル酸エステル−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体、エチレンプロピレンラバー、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル等のゴム類;エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリエステル等の融点及び/又はガラス転移温度が180℃以上の樹脂等が挙げられる。
樹脂バインダとしてポリビニルアルコールを使用する場合、そのケン化度は85%以上100%以下であることが好ましい。ケン化度が85%以上であると、多層多孔膜を電池用セパレータとして使用した際に、短絡する温度(ショート温度)が向上し、より良好な安全性能が得られる傾向にあるため好ましい。ケン化度は、より好ましくは90%以上100%以下、さらに好ましくは95%以上100%以下、特に好ましくは99%以上100%以下である。また、ポリビニルアルコールの重合度は、200以上5000以下であることが好ましく、より好ましくは300以上4000以下、さらに好ましくは500以上3500以下である。重合度が200以上であると、少量のポリビニルアルコールで焼成カオリン等の無機フィラーを多孔膜に強固に結着でき、多孔層の力学的強度を維持しながら多孔層形成による多層多孔膜の透気度増加を抑えることができる傾向にあるため好ましい。また、重合度が5000以下であると、塗工液を調製する際のゲル化等を防止できる傾向にあるため好ましい。
樹脂バインダとしては、樹脂製ラテックスバインダが好ましい。樹脂製ラテックスバインダを用いた場合、無機フィラーとバインダとを含む多孔層をポリオレフィン多孔膜の少なくとも片面に積層した際、イオン透過性が低下しにくく高出力特性が得られやすい。加えて異常発熱時の温度上昇が速い場合においても、円滑なシャットダウン特性を示し、高い安全性が得られやすい。一方、樹脂バインダの一部又は全てを溶媒に溶解させた後に、得られた溶液をポリオレフィン多孔膜の少なくとも片面に積層し、貧溶媒への浸漬や乾燥による溶媒除去等により樹脂バインダを多孔膜に結着させた場合は、高出力特性が得られにくいばかりか、円滑なシャットダウン特性を示しにくく安全性に劣る傾向にある。
樹脂製ラテックスバインダとしては、電気化学的安定性と結着性を向上させる観点から、脂肪族共役ジエン系単量体や不飽和カルボン酸単量体、及びこれらと共重合可能な他の単量体を乳化重合して得られるものが好ましい。乳化重合の方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。単量体及びその他の成分の添加方法については特に制限されるものではなく、一括添加方法、分割添加方法、連続添加方法の何れも採用することができ、また、一段重合、二段重合又は多段階重合等の何れも採用することができる。
脂肪族共役ジエン系単量体としては、特に限定されず、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン、置換直鎖共役ペンタジエン類、置換及び側鎖共役ヘキサジエン類などが挙げられ、これらは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。上記の中でも、特に1,3−ブタジエンが好ましい。
不飽和カルボン酸単量体としては、特に限定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸などのモノ又はジカルボン酸(無水物)等が挙げられ、これらは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。上記の中でも、特にアクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
これらと共重合可能な他の単量体としては、特に限定されず、例えば、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体、ヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単量体、不飽和カルボン酸アミド単量体等が挙げられ、これらは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。上記の中でも、特に不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体が好ましい。不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、ジメチルマレエート、ジエチルマレエート、ジメチルイタコネート、モノメチルフマレート、モノエチルフマレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が挙げられ、これらは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。上記の中でも、特にメチルメタクリレートが好ましい。
なお、これらの単量体に加えて様々な品質及び物性を改良するために、上記以外の単量体成分をさらに使用することもできる。いずれにしても、樹脂バインダを構成する官能基含有単量体の量が、樹脂バインダを構成する全単量体100質量部に対し、2〜10質量部であることが好ましく、3〜9質量部であることがより好ましい。
本実施形態における樹脂バインダの平均粒径は、50〜500nmであることが好ましく、より好ましくは60〜460nm、更に好ましくは80〜250nmである。樹脂バインダの平均粒径が50nm以上である場合、無機フィラーとバインダとを含む多孔層をポリオレフィン多孔膜の少なくとも片面に積層した際、イオン透過性が低下しにくく高出力特性が得られやすい。加えて異常発熱時の温度上昇が速い場合においても、円滑なシャットダウン特性を示し、高い安全性が得られやすい。樹脂バインダの平均粒径が500nm以下である場合、良好な結着性を発現し、多層多孔膜とした場合に熱収縮が良好となり安全性に優れる傾向にある。
樹脂バインダの平均粒径は、重合時間、重合温度、原料組成比、原料投入順序、pHなどを調整することで制御することが可能である。
樹脂バインダの配合量は、電解液中でのセパレータの安定性という観点から、塗工液の全固形分に対し、1〜10質量%であることが好ましく、2〜9質量%であることがより好ましい。
塗工層の厚み、すなわち多孔層の層厚は、耐熱性、絶縁性を向上させる観点から1μm以上であることが好ましく、電池の高容量化と透過性を向上させる観点から10μm以下であることが好ましい。多孔層の層厚は、より好ましくは1.5μm以上10μm以下、さらに好ましくは2μm以上10μm以下、さらにより好ましくは3μm以上10μm以下、特に好ましくは3μm以上7μm以下である。
多孔層の層密度は、0.5〜2.0g/cmであることが好ましく、0.7〜1.5cmであることがより好ましい。多孔層の層密度が0.5g/cm以上であると、高温での熱収縮率が良好となる傾向にあり、2.0g/cm以下であると、透気度が低下する傾向にある。
多孔層は、上記の通り、ポリオレフィン樹脂を含む多孔膜基材の表面に、無機フィラーと樹脂バインダを含む塗工液を、塗工し、乾燥させることにより形成されることができる。
塗工液の溶媒としては、前記無機フィラー、及び前記樹脂バインダを均一かつ安定に分散できるものが好ましく、例えば、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、水、エタノール、トルエン、熱キシレン、塩化メチレン、ヘキサン等が挙げられる。
塗工液には、分散安定化や塗工性の向上のために、界面活性剤等の分散剤;増粘剤;湿潤剤;消泡剤;酸、アルカリを含むPH調製剤等の各種添加剤を加えてもよい。これらの添加剤は、溶媒除去の際に除去できるものが好ましいが、リチウムイオン二次電池の使用範囲において電気化学的に安定で、電池反応を阻害せず、かつ200℃程度まで安定ならば多孔層内に残存してもよい。
前記無機フィラーと前記樹脂バインダとを、塗工液の溶媒に分散させる方法については、塗工工程に必要な塗工液の分散特性を実現できる方法であれば特に限定はない。例えば、ボールミル、ビーズミル、遊星ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、コロイドミル、アトライター、ロールミル、高速インペラー分散、ディスパーザー、ホモジナイザー、高速衝撃ミル、超音波分散、撹拌羽根等による機械撹拌等が挙げられる。
次に、前記ドクターブレードについて説明する。
ドクターブレードの材質には、樹脂製ブレード、ステンレス製ブレード、セラミック製ブレード等が挙げられるが、本発明の塗工液の成分は顔料比率が高いため、高剛性であるステンレス製又はセラミック製のブレードを用いた場合、ブレード直下の塗工液に高シェアがかかり、急激に固形分が上昇して、多孔層表面にストリークが発生するため、好ましくない。一方で、樹脂製ブレードは、ステンレス製及びセラミック製のブレードと比較して、弾力性があるため、ブレード直下の塗工液に高シェアがかかり難く、急激な固形分上昇をせず、多孔層表面のストリークの発生を抑制できる。
樹脂製ドクターブレードの材質として、ポリエチレン(PE)、ガラス繊維強化PE、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ガラス繊維強化PET、ポリメチルペンテン、ガラス繊維強化ポリメチルペンテン、ポリアセタール等が挙げられる。
ドクターブレードの厚みは、好ましくは0.1〜3mm、より好ましくは0.2〜2mm、さらに好ましくは0.3〜1.5mmである。この厚みは、ドクターブレードの形状に応じて、ドクターブレードの塗工液接触部又はロール接触部の断面方向において測定される。一般に、グラビア印刷の分野では、ドクターブレードは、刃先、段付部、及び被保持部を有するので、この厚みとして、ロール又は塗工液と接触するドクターブレード段付部の断面方向における厚みを測定すればよい。この厚みが0.1mm未満の場合、塗工時にブレードのたわみが大きすぎて、多孔層表面の平滑性が劣り、この厚みが3mmを超える場合、塗工時にブレードのたわみが小さすぎて、ブレード直下で塗工液に高シェアがかかり、ストリークが発生するため、好ましくない。
ドクターブレードの最表層の表面粗さは、最大高さで10μm以下であることが好ましく、2〜10μmであることがより好ましい。この表面粗さが最大高さで10μmを超えた場合、ドクターブレードの表面粗さが、塗工層に転写されるため、セパレータの塗工層表面の平滑性が劣るために好ましくない。この表面粗さは、ロール又は塗工液と接触するドクターブレード段付部又は刃先部の最表層について測定される。
樹脂製ドクターブレードが搭載されるグラビアコーターとしては、グラビア印刷機の分野で知られるコーターを利用してよい。
塗工液のハイシェア粘度は、好ましくは回転数4400rpmの条件下で1〜45mPa・sであり、より好ましくは2〜40mPa・sであり、さらに好ましくは3〜36mPa・sである。ハイシェア粘度が1mPa・s未満の場合、ブレードの押付圧力を調整しても塗工量の制御が難しく、また多孔層表面の平滑性が劣り、ハイシェア粘度が45mPa・sを超える場合、ブレード直下で塗工液に高シェアがかかるためストリークが発生し、またブレードの押付圧力を調整しても塗工量の制御が難しく、多孔層表面の平滑性が劣る。例えば、無機フィラーの粉砕、造粒又は表面処理;塗工液中の無機フィラー、樹脂バインダ及び媒体の割合の制御;塗工液中の無機フィラー及び樹脂バインダの分散等により、塗工液のハイシェア粘度を上記の範囲に調整することができる。
塗工層は、ポリオレフィン樹脂を含む多孔膜基材の少なくとも1面に設けられることができる。例えば、塗工層は、ポリオレフィン多孔膜基材の片面にのみ形成しても、両面に形成してもよい。
<蓄電デバイス用セパレータ>
蓄電デバイス用セパレータは、本実施形態について説明された上記方法に従う限り、既知の製造方法をさらに組み込むことにより製造されることができ、例えば、国際公開第2013/147071号に記載のセパレータの製造方法により製造されることができる。
例えば、塗工液の塗工に先立ち、多孔膜表面に表面処理を施すと、塗工液を塗工し易くなると共に、塗工後の無機フィラー含有多孔層と多孔膜表面との接着性が向上するため好ましい。表面処理の方法は、多孔膜の多孔質構造を著しく損なわない方法であれば特に限定はなく、例えば、コロナ放電処理法、機械的粗面化法、溶剤処理法、酸処理法、紫外線酸化法等が挙げられる。
さらに、塗工後に塗工膜から溶媒を除去する方法については、多孔膜に悪影響を及ぼさない方法であれば特に限定はなく、例えば、多孔膜を固定しながらその融点以下の温度にて乾燥する方法、低温で減圧乾燥する方法等が挙げられる。多孔膜及び多層多孔膜のMD方向の収縮応力を制御する観点から、乾燥温度、巻取り張力等は適宜調整することが好ましい。
本発明の実施形態に係る製造方法により製造されたセパレータは、非水系電解液二次電池、コンデンサー、キャパシタ等の蓄電デバイスを形成するために使用されることができる。
次に、実施例及び比較例を挙げて本実施形態をより具体的に説明するが、本実施形態はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例中の物性は以下の方法により測定した。なお、特に測定雰囲気が明示されていないものは、23℃、1気圧の大気中にて測定した。
(1)塗工液のハイシェア粘度の測定
実施例及び比較例で得られた塗工液の粘度は、ハイシェア回転式粘度計 PM9002HV(三井電気精機製)を用いて、室温にて4400回転の条件で測定した。結果を表1に記載する。
(2)ストリーク発生有無の評価
実施例1で得られたポリオレフィン樹脂多孔膜の表面に、1000mロール品の連続塗工を実施し、目視にてストリークの発生の有無を評価した。下記基準により判定した。結果を表1に記載する。
○(良):電極表面に1.0mm幅以上の塗工スジ、又はピンホールが全く認められない。
△(可):電極表面に1.0mm幅以上の塗工スジ、及び/又はピンホールが2つ以下で認められる。
×(不良):電極表面に1.0mm幅以上の塗工スジ、及び/又はピンホールが2つを超えて認められる。
(3)ドクターブレードの表面粗さの最大高さ測定
実施例及び比較例で用いたドクターブレードの表面粗さの最大高さは、接触式の表面粗さ計P−15(KLA TENCOR社製)を用いて測定した。結果を表1に記載する。
5−10um
(4)塗工膜の平滑度の測定
実施例及び比較例で得られたセパレータの平滑性を、表面粗度計サーフコム(東洋精密社製)を用いて、中心線平均粗さRa(μm)を測定した。結果を表1に記載する。
[実施例1]
Mvが70万のポリエチレンを47質量部と、Mvが30万のポリエチレンを46質量部と、Mvが40万のポリプロピレンを7質量部とを、タンブラーブレンダーを用いてドライブレンドした。得られた純ポリマー混合物99質量部に酸化防止剤としてペンタエリスリチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を1質量部添加し、再度タンブラーブレンダーを用いてドライブレンドすることにより、ポリマー等混合物を得た。得られたポリマー等混合物は窒素で置換を行った後に、二軸押出機へ窒素雰囲気下でフィーダーにより供給した。また流動パラフィン(37.78℃における動粘度7.59×10−5m2/s)を押出機シリンダーにプランジャーポンプにより注入した。
溶融混練し、押し出される全混合物中に占める流動パラフィン量比が65質量部となるように、フィーダー及びポンプを調整した。溶融混練条件は、設定温度200℃であり、スクリュー回転数240rpm、吐出量12kg/hで行った。
続いて、溶融混練物を、T−ダイを経て表面温度25℃に制御された冷却ロール上に押出しキャストすることにより、厚み1600μmのゲルシートを得た。
次に、同時二軸テンター延伸機に導き、二軸延伸を行った。設定延伸条件は、MD倍率7.0倍、TD倍率7.0倍、設定温度125℃である。
次に、塩化メチレン槽に導き、塩化メチレン中に充分に浸漬して流動パラフィンを抽出除去し、その後塩化メチレンを乾燥除去した。
次に、TDテンターに導き、熱固定を行った。熱固定時の延伸温度・倍率は128℃・2.0倍で行い、その後の緩和時の温度・緩和率を133℃、0.80とし、ポリオレフィン樹脂多孔膜を得た。
ポリオレフィン樹脂多孔膜の表面に、コロナ放電処理(放電量50W)を実施した後、当該処理面側に、水酸化酸化アルミニウム(平均粒径1.0μm)を96.0質量部と
アクリルラテックス(固形分濃度40%、平均粒径145nm、最低成膜温度0℃以下)4.0質量部、及びポリカルボン酸アンモニウム水溶液(サンノプコ社製 SNディスパーサント5468、固形分濃度40%)1.0質量部を100質量部の水に均一に分散させた塗工液(a−1)を、上記ポリオレフィン樹脂多孔膜の表面にグラビアコーターを用いて塗工した後、60℃にて乾燥して水を除去して、多孔膜上に厚さ5μmの多孔層が形成されている総膜厚12μmのセパレータ得た。グラビアロールに用いるドクターブレードには、PE製(ドクターブレードの表面粗さの最大高さ7μm)を用いた。
[実施例2]
PET製ドクターブレード(ドクターブレードの表面粗さの最大高さ6μm)以外は、実施例1の方法に準じてセパレータを得た。
[実施例3]
ガラス繊維強化PET製ドクターブレード(ドクターブレードの表面粗さの最大高さ9μm)以外は、実施例1の方法に準じてセパレータを得た。
[実施例4]
樹脂バインダとして、ポリビニルアルコール(平均重合度1700、ケン化度99%以上)を用いる塗工液(a−2)を使用する以外は、実施例2の方法に準じてセパレータを得た。
[実施例5]
酸化アルミニウム(平均粒径1.0μm)を96.0質量部とアクリルラテックス(固形分濃度40%、平均粒径145nm、最低成膜温度0℃以下)4.0質量部、及びポリカルボン酸アンモニウム水溶液(サンノプコ社製 SNディスパーサント5468、固形分濃度40%)1.0質量部を100質量部の水に均一に分散させた塗工液(a−3)を用いる以外は実施例2の方法に準じてセパレータを得た。
[実施例6]
水酸化酸化アルミニウム(平均粒径1.0μm)を48.0質量部とアクリルラテックス(固形分濃度40%、平均粒径145nm、最低成膜温度0℃以下)2.0質量部、及びポリカルボン酸アンモニウム水溶液(サンノプコ社製 SNディスパーサント5468、固形分濃度40%)0.5質量部を100質量部の水に均一に分散させた塗工液(a−4)を用いる以外は実施例2の方法に準じてセパレータを得た。
[実施例7]
水酸化酸化アルミニウム(平均粒径1.0μm)を115.2質量部とアクリルラテックス(固形分濃度40%、平均粒径145nm、最低成膜温度0℃以下)4.8質量部、及びポリカルボン酸アンモニウム水溶液(サンノプコ社製 SNディスパーサント5468、固形分濃度40%)1.2質量部を100質量部の水に均一に分散させた塗工液(a−5)を用いる以外は実施例2の方法に準じてセパレータを得た。
[実施例8]
PE製ドクターブレード(ドクターブレードの表面粗さの最大高さ8μm)を用いる以外は、実施例1の方法に準じてセパレータを得た。
[実施例9]
PET製ドクターブレード(ドクターブレードの表面粗さの最大高さ4μm)を用いる以外は、実施例1の方法に準じてセパレータを得た。
[実施例10]
PET製ドクターブレード(ドクターブレードの表面粗さの最大高さ15μm)を用いる以外は、実施例1の方法に準じてセパレータを得た。
(実施例1〜10の評価)
実施例2、3は、実施例1に対し、ドクターブレードの材質を変更した例であり、何れもストリークの発生がなく、多孔層表面の平滑性も合格レベルであった。
実施例4は、実施例2に対し、樹脂バインダの種類を、実施例5は、無機フィラーの種類を変更した例であり、何れもストリークの発生がなく、多孔層表面の平滑性も合格レベルであった。
実施例2に対し、実施例6は塗工液の固形分を低く、実施例7は、塗工液の固形分を高くした例であり、何れもストリークの発生がなく、多孔層表面の平滑性も合格レベルであった。
実施例8、9は、実施例1、2のドクターブレードを、同じ材質であるが、表面粗さの異なるドクターブレードに変更した例であり、何れもストリークの発生がなく、多孔層表面の平滑性も合格レベルであった。
実施例10は、ドクターブレードの刃先の表面粗さが大きい場合の例であり、ストリークの発生はないが、平滑性に劣る。
[比較例1]
SUS製ドクターブレード(ドクターブレードの表面粗さの最大高さ3μm)を用いる以外は、実施例1の方法に準じてセパレータを得た。
[比較例2]
セラミック製ドクターブレード(ドクターブレードの表面粗さの最大高さ5μm)を用いる以外は、実施例1の方法に準じてセパレータを得た。
[比較例3]
水酸化酸化アルミニウム(平均粒径1.0μm)を144.0質量部とアクリルラテックス(固形分濃度40%、平均粒径145nm、最低成膜温度0℃以下)6.0質量部、ポリカルボン酸アンモニウム水溶液(サンノプコ社製 SNディスパーサント5468、固形分濃度40%)1.5質量部を100質量部の水に均一に分散させた塗工液(a−6)を用いる以外は実施例2の方法に準じてセパレータを得た。
(比較例1〜3の評価)
比較例1は、実施例1からドクターブレードの材質をステンレスへ変更した場合、比較例2はドクターブレードの材質をセラミックへ変更した場合である。比較例1及び2は、共にストリークが発生した。
比較例3は、塗工液のハイシェア粘度が高い場合の例であり、ストリークが発生し、平滑性も劣る。
Figure 2016076323
本発明は、多孔層表面のストリークの発生を抑制でき、その結果平滑性に優れ、高信頼性があるため、非水系電解液二次電池等の電池やコンデンサー、キャパシタ等の蓄電デバイス用セパレータとしてとして好適に利用できる。

Claims (8)

  1. ポリオレフィン多孔膜基材の少なくとも1面上に、無機フィラー及び樹脂バインダを含む塗工液を塗工し、乾燥して、少なくとも1層の塗工層を設ける工程を含む蓄電デバイス用セパレータの製造方法であって、前記塗工液の回転数4400rpmでのハイシェア粘度が1〜45mPa・sであり、かつ前記基材上に前記塗工層を設ける前記工程は、樹脂製ドクターブレードを備えるグラビアコーターにより行われる、前記蓄電デバイス用セパレータの製造方法。
  2. 前記ドクターブレードの最表層の表面粗さが、最大高さで2〜10μmである、請求項1に記載の蓄電デバイス用セパレータの製造方法。
  3. 前記ドクターブレードの厚みが、0.1〜3.0mmである、請求項1又は2に記載の蓄電デバイス用セパレータの製造方法。
  4. 前記ドクターブレードの材質が、ポリエチレン製、強化ポリエチレン製、ポリエステル製、強化ポリエステル製、またはポリアセタール製である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用セパレータの製造方法。
  5. 前記塗工層の厚みが、1〜10μmである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用セパレータの製造方法。
  6. 前記無機フィラーは、水酸化酸化アルミニウムまたは酸化アルミニウムを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用セパレータの製造方法。
  7. 前記樹脂バインダを構成する官能基含有単量体の量が、前記樹脂バインダを構成する全単量体100質量部に対し、2〜10質量部である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用セパレータの製造方法。
  8. 前記樹脂バインダの配合量が、前記塗工液の全固形分に対し、1〜10質量%である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用セパレータの製造方法。
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