JP2016067982A - 袋状物、水処理装置及び水処理方法 - Google Patents

袋状物、水処理装置及び水処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】大きな設置スペースを必要とせず、かつ、イオン交換樹脂のイオン交換能を有効に活用することが可能な水処理装置及び水処理方法を提供する。
【解決手段】水槽38と、水槽38内を水処理室40と水貯留室42とに区画する隔壁44と、イオン交換樹脂48を収容し、通水性を有する袋状物50と、を備え、隔壁44には、水処理室40と水貯留室42とを連通させる連通路46が設けられ、袋状物50は、連通路46の水処理室40側開口部を覆うように、水処理室40内に配置されている水処理装置である。
【選択図】図2

Description

本発明は、水処理装置及び水処理方法の技術に関する。
燃料電池には、水素が必要であり、都市ガスや天然ガス等から水素を製造するためには、その改質工程において水が必要となる。また、燃料電池の冷却や、固体高分子型燃料電池の高分子膜の加湿等にも水が利用されている。
このような燃料電池の運転に必要な水としては、例えば、燃料電池の発電反応により生じる凝縮水を、イオン交換樹脂等で処理することにより得られる処理水(純水)等が利用されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。特許文献1および特許文献2には、燃料電池の発電反応により生じた凝縮水等を、一旦タンク(水槽)に貯留し、その貯留水をイオン交換樹脂が充填されたカートリッジにポンプで送水することにより、水処理を行う装置が開示されている。
また、特許文献3および特許文献4には、イオン交換樹脂を収容した通水性を有する袋状物を、水槽内に浸漬させて、水処理を行う装置が開示されており、これらの水処理装置は、クーリングタワー等の循環水に含まれる不純物や製氷皿に供給される水中の不純物を除去する水処理装置として利用されている。
特開平8−17457号公報 特開2011−103292号公報 特開平6−71254公報 特開平7−232168号公報
しかし、特許文献1及び特許文献2の水処理装置では、タンク(水槽)と、イオン交換樹脂が充填されたカートリッジと、ポンプとを、それぞれ設置するため、比較的大きな設置スペースが必要である。
特許文献3および特許文献4記載の水処装置では、設置スペースを抑えて水処理することは可能であるが、イオン交換樹脂を収納した袋状物等を、単に水槽内に浸漬させているだけであるため、イオン交換樹脂のイオン交換能(イオン交換容量)を有効に活用することができず、比較的短期間のうちに、処理水の水質が悪化してしまう虞がある。
そこで、本発明の目的は、大きな設置スペースを必要とせず、かつ、イオン交換樹脂のイオン交換能を有効に活用することが可能な水処理装置及び水処理方法を提供することにある。
本発明の水処理装置は、水槽と、前記水槽内を、被処理水が処理される水処理室と前記水処理室で処理された処理水が貯留される水貯留室とに区画する隔壁と、イオン交換樹脂を収容し、通水性を有する袋状物と、を備え、前記隔壁には、前記水処理室と前記水貯留室とを連通させる連通路が設けられ、前記袋状物は、前記連通路の水処理室側開口部を覆うように、前記水処理室内に配置されている。
また、本発明の水処理装置は、水槽と、前記水槽内を、被処理水が処理される水処理室と前記水処理室で処理された処理水を貯留する水貯留室とに区画する第1隔壁と、前記水処理室を少なくとも第1室と第2室とに区画する第2隔壁と、イオン交換樹脂を収容し、通水性を有する袋状物と、を備え、前記第1隔壁及び第2隔壁には、隣接する室間を連通させる連通路が設けられ、前記袋状物は、前記第2隔壁の連通路の開口部を覆うように、前記第1室及び前記第2室内に配置されている。
また、前記水処理装置において、前記隔壁は有底筒状体であり、前記有底筒状体の内側が前記水処理室であり、前記有底筒状体の外側が前記水貯留室であることが好ましい。
また、前記水処理装置において、前記水貯留室を、第1貯留部と第2貯留部とに区画すると共に、前記第1貯留部内の処理水を前記第2貯留部に越流させる越流壁を備え、前記第2貯留部には、処理水第1流出口、処理水第2流出口が配され、前記処理水第1流出口の下端の高さ位置は、前記越流壁の上端の高さ位置以上に設定され、前記処理水第2流出口の高さ位置は前記処理水第1流出口の高さ位置より低い位置に設定されることが好ましい。
また、前記水処理装置において、前記水処理室は、被処理水が蛇行して流れる蛇行流路が形成されていることが好ましい。
また、前記水処理装置において、前記袋状物は、引張強度0.002N/mmにおいて20mm以上の引張伸度を有することが好ましい。
また、前記水処理装置において、前記袋状物は、繊維を用いた編物から構成されていることが好ましい。
また、前記水処理装置において、前記イオン交換樹脂は、炭酸形のアニオン交換樹脂を含むことが好ましい。
また、前記水処理装置において、前記被処理水は、燃料電池から排出される凝縮水であることが好ましい。
また、本発明の水処理方法は、上記水処理装置を用いて被処理水を処理する水処理方法である。
また、本発明は、水槽と、前記水槽内を被処理水が処理される水処理室と前記水処理室で処理された処理水が貯留される水貯留室とに区画する隔壁と、を備え、前記隔壁には、前記水処理室と前記水貯留室とを連通させる連通路が設けられる水槽ユニットに使用される通水性を有する袋状物であって、前記袋状物は、イオン交換樹脂を収容し、前記連通路の水処理室側開口部を覆うように、前記水処理室内に配置される。
また、本発明は、水槽と、前記水槽内を被処理水が処理される水処理室と前記水処理室で処理された処理水が貯留される水貯留室に区画する第1隔壁と、前記水処理室を少なくとも第1室と第2室とに区画する第2隔壁と、を備え、前記第1隔壁及び第2隔壁には、隣接する室間を連通させる連通路が設けられる水槽ユニットに使用される通水性を有する袋状物であって、前記袋状物は、イオン交換樹脂を収容し、前記第2隔壁の連通路の開口部を覆うように、前記第1室及び前記第2室内に配置される。
本発明によれば、大きな設置スペースを必要とせず、かつ、イオン交換樹脂のイオン交換能を有効に活用することが可能な水処理装置及び水処理方法を提供することができる。
本実施形態に係る水処理装置を備える燃料電池システムの構成の一例を示す模式図である。 (A)は、本実施形態に係る水処理装置の構成の一例を示す模式断面図であり、(B)は、(A)に示す水処理装置の模式斜視図である。 (A)は、本実施形態に係る水処理装置の構成の他の一例を示す模式断面図であり、(B)は、(A)に示す水処理装置の模式斜視図である。 (A)は、本実施形態に係る水処理装置の構成の他の一例を示す模式断面図であり、(B)は、(A)に示す水処理装置の模式斜視図である。 (A)は、本実施形態に係る水処理装置の構成の他の一例を示す模式断面図であり、(B)は、(A)に示す水処理装置の模式斜視図である。 (A)は、本実施形態に係る水処理装置の構成の他の一例を示す模式断面図であり、(B)は、(A)に示す水処理装置の模式斜視図である。 (A)は、本実施形態に係る水処理装置の構成の他の一例を示す模式断面図であり、(B)は、(A)に示す水処理装置の分解模式斜視図である。 (A)は、参考例の水処理装置の構成を示す模式断面図であり、(B)は、(A)に示す水処理装置の模式斜視図である。 (A)は、参考例の水処理装置の構成を示す模式断面図であり、(B)は、(A)に示す水処理装置の分解模式斜視図である。 (A)は、比較例1の水処理装置の構成を示す模式断面図であり、(B)は、(A)に示す水処理装置の模式斜視図である。 実施例1〜2及び比較例1の水処理装置における被処理水の通水量と、処理水の導電率との関係を示す図である。 比較例1〜4の水処理装置における被処理水の通水量と、処理水の導電率との関係を示す図である。 実施例1、3〜5の水処理装置における被処理水の通水量と、処理水の導電率との関係を示す図である。 袋状物A〜Eの引張伸度の結果を示す図である。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
以下では、燃料電池から排出される凝縮水を処理するための水処理装置として本実施形態を説明するが、処理対象となる水は、上記凝縮水に限られず、クーリングタワーの循環水や製氷皿等に供給される水道水等特に制限されるものではない。そして、イオン交換樹脂を含むカートリッジ等のイオン交換装置と、イオン交換装置から排出される水を貯留するタンク(水槽)とを含む従来の水処理装置に代えて、本実施形態の水処理装置を適用することが可能である。
図1は、本実施形態に係る水処理装置を備える燃料電池システムの構成の一例を示す模式図である。図1に示す燃料電池システム1は、燃料電池10、熱交換器14、本実施形態の水処理装置12、吐出ポンプ18、空気供給ライン22、燃料供給ライン24、水供給ライン26a,26b、凝縮水供給ライン28、処理水排出ライン29、大気放出ライン30、温水供給ライン32を備える。
燃料電池10には、空気供給ライン22、燃料供給ライン24、水供給ライン26aが接続されている。また、凝縮水供給ライン28の一端は、燃料電池10の凝縮水排出口(不図示)に接続され、他端は熱交換器14を介して水処理装置12の被処理水流入口(不図示)に接続されている。また、処理水排出ライン29の一端は、水処理装置12の処理水流出口(不図示)に接続され、他端は吐出ポンプ18を介して水供給ライン26aに接続されている。水供給ライン26bの一端は水供給ライン26aに接続され、他端は熱交換器14に接続されている。温水供給ライン32は熱交換器14に接続されている。大気放出ライン30は熱交換器14と水処理装置12の間の凝縮水供給ライン28に接続されている。
図2(A)は、本実施形態に係る水処理装置の構成の一例を示す模式断面図であり、図2(B)は、図2(A)に示す水処理装置の模式斜視図である。なお、図2(B)は、水処理装置の内部構造が分かるように、水処理装置を透過図で表しており、後述するイオン交換樹脂を収容した袋状物を省略している。
本実施形態の水処理装置12は、被処理水流入口34と処理水流出口36とを有する水槽38と、水槽38内を水処理室40及び水貯留室42に区画する隔壁44と、イオン交換樹脂48を収容した通水性を有する袋状物50とを備えている。水処理室40は、凝縮水(被処理水)をイオン交換樹脂により処理するための部屋となり、水貯留室42は、イオン交換樹脂により処理された処理水を貯留するための部屋となる。
本実施形態では、凝縮水供給ライン28が接続された被処理水流入口34は、水槽38の上部に配置されているが、水処理室40に被処理水を供給することができる位置であれば、その位置は特に制限されるものではない。また、本実施形態では、処理水排出ライン29が接続された処理水流出口36は、水槽38の側面上部に配置されているが、水処理室40内の処理水を排出することができる位置であれば、その位置は特に制限されるものではない。
水槽38内に設けられる隔壁44の下端側には、円形状の貫通孔が形成されている。この貫通孔が、水処理室40と水貯留室42とを連通する連通路46となる。連通路46の位置、大きさ、形状等は、水槽38の大きさ等によって適宜設定されるものであり、特に制限されるものではない。
イオン交換樹脂48を収容した通水性を有する袋状物50は、水処理室40内に設けられている。そして、イオン交換樹脂48を収容した通水性を有する袋状物50により、連通路46の水処理室40側開口部が覆われている。なお、水処理室40側開口部が覆われているとは、水処理室40側開口部全体が覆われていることを意味している。これにより、水処理室40内の水は、袋状物50内を通過した後、連通路46を通ることになる。
袋状物50は、水槽38の振動等によって水処理室40内を移動しないように、隔壁44に固定されていることが好ましい。例えば、水処理室40の幅よりも大きい袋状物50を水処理室40に詰めることで、袋状物50が移動しないように固定される。
次に、燃料電池システム1の動作の一例を説明する。
空気及び燃料ガス(例えば都市ガス)が、それぞれ図1に示す空気供給ライン22、燃料供給ライン24から燃料電池10に供給される。また、水道水等の水が、水供給ライン26aから燃料電池10に供給される。水供給ライン26aから燃料電池10に供給される水は、例えば、燃料電池の冷却、固体高分子型燃料電池の場合には高分子膜の加湿等、固体酸化物型燃料電池の場合には、都市ガスなどを一酸化炭素(CO)と水素ガス(H)とに改質する工程等に利用される。そして、燃料電池10に空気、燃料ガス、水等が供給されることにより発電し、燃料電池10から電力が出力される。
燃料電池10の発電等によって凝縮水が発生するが、この凝縮水は、凝縮水供給ライン28から排出され、熱交換器で冷却される。なお、燃料電池10は、高温で発電が行われるため、水供給ライン26bから供給される水道水等を熱交換器14による発電排熱と熱交換して、温水として温水供給ライン32から供給先へ供給することも可能である。
熱交換器14により冷却された凝縮水は、図2に示す被処理水流入口34から水槽38の水処理室40に供給される。なお、凝縮水の一部や凝縮水中のガス等を大気放出ライン30から排出してもよい。水処理室40内の凝縮水は袋状物50と接触する。袋状物50は通水性を有するため、凝縮水は袋状物50内を通過する。そして、凝縮水が袋状物50内を通過する際、袋状物50内のイオン交換樹脂48と接触し、凝縮水中の不純物(例えば、炭酸(炭酸イオン、炭酸水素イオン)、塩化物イオン、硫酸イオン、アンモニウムイオン、鉄イオン、アルミニウムイオン等)が除去される。袋状物50内を通過した凝縮水は、処理水として連通路46を通り、水貯留室42内に溜められる。そして、水貯留室42内の処理水を燃料電池10に供給す際には、図1に示す吐出ポンプ18を稼働させ、水貯留室42内の処理水を処理水流出口36から排出させ、処理水排出ライン29及び水供給ライン26aを通して、燃料電池10に供給される。
本実施形態の水処理装置12は、水処理を行う水処理室40と処理水を貯留する水貯留室42とを一体化した水槽38を備えているため、水処理装置と貯留槽とを別々に備える装置より、大きな設置スペースとなることが抑制される。また、水処理室40に収容される袋状物50により、連通路46の水処理室40側開口部が覆われているため、被処理水が袋状物50内を通過することなく、そのまま水貯留室42に流れることが抑制される。その結果、水処理室40内のイオン交換樹脂48のイオン交換能を有効に活用することが可能となり、処理水の水質悪化が抑制される。
以下に、本実施形態に係る水処理装置の他の形態について説明する。
図3(A)は、本実施形態に係る水処理装置の構成の他の一例を示す模式断面図であり、図3(B)は、図3(A)に示す水処理装置の模式斜視図である。なお、図3(B)は、水処理装置の内部構造が分かるように、水処理装置を透過図で表しており、イオン交換樹脂を収容した袋状物を省略している。
図3に示す水処理装置12では、断面がL字状の隔壁44が水槽38内に設けられており、L字状の隔壁44により、水処理室40と水貯留室42に区画されている。L字状の隔壁44は、水処理室40の底面となる底面壁と、水処理室40の側面となる側面壁とから構成されている。本実施形態では、底面壁に円形状の貫通孔が形成されており、この貫通孔が、水処理室40と水貯留室42とを連通する連通路46となっている。そして、連通路46の水処理室40側開口部を覆うように袋状物50が水処理室40内に配置されている。なお、連通路46の設置箇所は、底面壁に限定されるものではなく、例えば側面壁に設置されていてもよい。
図4(A)は、本実施形態に係る水処理装置の構成の他の一例を示す模式断面図であり、図4(B)は、図4(A)に示す水処理装置の模式斜視図である。なお、図4(B)は、水処理装置の内部構造が分かるように、水処理装置を透過図で表しており、イオン交換樹脂を収容した袋状物を省略している。
図4に示す水処理装置12は、水処理室40と水貯留室42とを区画する第1隔壁44を有する。第1隔壁44の上端には、第1隔壁44の幅全体に亘って延在する直線状の貫通孔が形成されている。すなわち、第1隔壁44は、水槽38の底面から上面に向って延びており、第1隔壁44の上端と水槽38の上面との間に所定の間隔が空けられている。そして、この貫通孔(第1隔壁44の上端と水槽38の上面との間の間隔)が、水処理室40と水貯留室42とを連通する連通路46となっている。また、本実施形態の水処理装置12は、水処理室40を複数の室に区画する第2隔壁52を有する。本実施形態では、水処理室40が、第2隔壁52により、水処理第1室40aと水処理第2室40bとに区画されている。第2隔壁52の下端側には、円形状の貫通孔が形成されており、この貫通孔が隣接する水処理第1室40aと水処理第2室40bとを連通する連通路54となっている。なお、第2隔壁52は複数の隔壁から構成された隔壁群でもよく、例えば、複数の隔壁を所定の間隔を空けて配置し、水処理室40を3つ以上の室に区画してもよい。
水処理第1室40a及び水処理第2室40bには、イオン交換樹脂48を収容した通水性を有する袋状物50がそれぞれ収容さており、これらの袋状物50によって連通路54の開口部(水処理第1室40a側開口部及び水処理第2室40b側開口物)が覆われている。
本実施形態の水処理装置12の水処理室40では、凝縮水(被処理水)が流れる流路を蛇行流路としている。具体的には、被処理水流入口34を水処理第1室40aの上部に設置し、第2隔壁52の連通路54を水処理第1室40の底部付近に設置し、第2隔壁44の連通路46を水処理第2室40bの上部に設置して、水処理第1室40aを流れる凝縮水を下向流で流し、水処理第2室40bを流れる凝縮水を上向流で流す蛇行流路としている。このように水処理室40の凝縮水の流れを蛇行流とすることで、袋状物50内を流れる凝縮水の流路を長くすることが可能となるため、水処理室40内のイオン交換樹脂48のイオン交換能をより有効に活用し、処理水の水質悪化がより抑制される。
図5(A)は、本実施形態に係る水処理装置の構成の他の一例を示す模式断面図であり、図5(B)は、図5(A)に示す水処理装置の模式斜視図である。なお、図5(B)は、水処理装置の内部構造が分かるように、水処理装置を透過図で表しており、後述するイオン交換樹脂を収容した袋状物を省略している。
図5に示す水処理装置12では、隔壁44が有底筒状体となっている。そして、隔壁44を構成する有底筒状体は水槽38内の上面に設置され、水槽38内の底面と有底筒状体の底面との間に所定の間隔が空けられている。隔壁44を構成する有底筒状体により、水処理室40と水貯留室42に区画される。そして、有底筒状体の内側が水処理室40となり、有底筒状体の外側が水貯留室42となっている。隔壁44を構成する有底筒状体の底面に、例えば円形状の貫通孔が形成されており、この貫通孔が、水処理室40と水貯留室42とを連通する連通路46となっている。そして、連通路46の水処理室40側開口部を覆うように袋状物50が水処理室40内(有底筒状体の内部)に配置されている。図5に示すように、隔壁44を有底筒状体の形状として、有底筒状体の内部に配置される袋状物50を有底筒状体と同じ形状にすることで、側面と袋状物50との非接触部分が少なくなるため、有底筒状体の内部に配置される袋状物50のしわの発生が抑えられ、被処理水のショートパスが抑制される。したがって、被処理水のショートパスが抑制される点等で、隔壁44を有底筒状体とすることが好ましい。図5に示す水処理装置12では、有底筒状体の形状を円柱状としているが、これに制限されるものではなく、例えば角柱状等であってもよい。また、図5に示す水処理装置では、有底筒状体の底面に貫通孔を形成しているが、これに制限されるものではなく、例えば有底筒状体の側面に貫通孔を形成してもよい。
有底筒状体の形状として、角柱型より円柱型の方が、側面の角部が無いため、側面と袋状物50との非接触部分がさらに少なくなり、有底筒状体の内部に配置される袋状物50のしわの発生が抑えられることにより、被処理水のショートパスがさらに抑制される点等で、円柱型の有底筒状体の方が好ましい。
また、円柱型の有底筒状体の方が、角柱型の有底筒状体と比較して、被処理水のショートパスが抑制されることから、被処理水の処理効率がより向上すると考えられる。
図6(A)は、本実施形態に係る水処理装置の構成の他の一例を示す模式断面図であり、図6(B)は、図6(A)に示す水処理装置の模式斜視図である。なお、図6(B)は、水処理装置の内部構造が分かるように、水処理装置を透過図で表しており、後述するイオン交換樹脂を収容した袋状物を省略している。
図6に示す水処理装置12には、水貯留室42を第1貯留部42aと第2貯留部42bとに区画すると共に、第1貯留部42a内の処理水を第2貯留部42bに越流させる越流壁43が設けられている。越流壁43は、水槽38の底面から上面に向って延びており、越流壁43の上端と水槽38の上面との間に所定の間隔が空けられている。また、第2貯留部42bに処理水第1流出口36a及び処理水第2流出口36bが配置されている。図6に示す水処理装置12では、処理水第1流出口36aの下端の高さ位置が、越流壁43の上端の高さ位置(図6に示す一点破線A)に設定されている。また、図6に示す水処理装置12では、処理水第2流出口36aは第2貯留部42bの底面に設けられており、処理水第2流出口36bの高さ位置が処理水第1流出口36aの高さ位置より低い位置に設定されている。そして、処理水第2流出口36bには処理水排出ライン29(図1参照)が接続され、処理水第1流出口36aには不図示の排出ラインが接続されている。
図6に示す水処理装置12の動作について以下に説明する。
水処理室40で処理された処理水は、第1貯留部42a内において、越流壁43の上端の高さ位置まで溜められる。また、第1貯留部42a内の処理水の水位が越流壁43の上端の高さ位置を超えると、第1貯留部42a内の処理水が越流壁43を超えて、第2貯留部42bへ流れ、第2貯留部42b内に溜められる。そして、必要な時に、処理水第2流出口36bから処理水排出ライン29(図1参照)を通して、燃料電池10に処理水が供給される。また、水処理室40で処理された処理水量が第1貯留部42a及び第2貯留部42bの容積を超える場合には、処理水第1流出口36aから不図示の排出ラインを通して、系外へ排出される。
ここで、処理水中に炭酸ガス等のガス成分が含まれている場合において、越流壁43を設置していない水処理装置では、処理水第2流出口36bから処理水と共にガス成分が流出する虞がある。しかし、越流壁43を設けた水処理装置では、ガス成分を含む処理水が処理水第2流出口36bにそのまま流れることが越流壁43により防がれる。ガス成分は時間と共に処理水から分離され、第1貯留部42aや第2貯留部42bの空間に溜められるが、このようなガス成分は、越流壁43の上端の高さ位置以上の位置にある処理水第1流出口36aから排出させることが可能である。そして、ガス成分が低減された処理水は、処理水第1流出口36aより低い位置にある処理水第2流出口36bから排出させることが可能となる。したがって、図6に示す水処理装置12によれば、ガス成分を多く含有している被処理水からガス成分の量を低減した処理水を排出することが可能となる。そして、このような水処理装置は、燃料電池の凝縮水のように、炭酸ガスを多く含有している被処理水に対する水処理装置として好適に用いられる。
越流壁43の上端の高さ位置は、第1貯留部42aや第2貯留部42bに貯留する処理水量等によって適宜設定されればよいが、袋状物50内のイオン交換樹脂48の乾燥を防ぐ点で、袋状物50内に収容されているイオン交換樹脂48の高さ位置(図6に示す一点破線B)より高い位置に設定することが好ましい。越流壁43の上端の高さ位置をイオン交換樹脂48の高さ位置より高い位置に設定することで、第1貯留部42a内の水位及びその前段の水処理室40内の水位をイオン交換樹脂48の高さ位置以上とすることが可能となる。そして、第2貯留部42bから処理水を排出させても、上記の越流壁43によって、第1貯留部42a内の水位及び水処理室40の水位は、イオン交換樹脂48の高さ位置より低くならないため、イオン交換樹脂48は水に浸された状態となり、イオン交換樹脂48の乾燥を抑えることができる。その結果、イオン交換樹脂48の寿命、性能等を維持することが可能となる。
本実施形態において、処理水第1流出口36aの下端の高さ位置は越流壁43の上端の高さ位置(図6に示す一点破線A)以上に設定されていれば特に制限されるものではないが、水の貯留量を確保する点で、水槽38の側面部の最上部に位置することが好ましい。また、本実施形態において、処理水第2流出口36bの高さ位置は処理水第1流出口36aの高さ位置より低い位置に設定されていれば特に制限されるものではないが、滞留による水質の悪化を防ぐ点で、第2貯留部42bの最下部に処理水第2流出口36bを設けることが好ましい。
図7(A)は、本実施形態に係る水処理装置の構成の他の一例を示す模式断面図であり、図7(B)は、図7(A)に示す水処理装置の分解模式斜視図である。なお、図7(B)は、水処理装置の内部構造が分かるように、水処理装置を透過図で表しており、後述するイオン交換樹脂を収容した袋状物を省略している。
図7に示す水処理装置12には、隔壁44を構成する有底筒状体を囲むように、所定の間隔を空けて配置された円筒状の越流壁43が設けられている。すなわち、円筒状の越流壁43の内部に隔壁44を構成する有底筒状体が配置されている。したがって、有底筒状体の外側であって円筒状の越流壁43の内側が第1貯留部42aとなり、円筒状の越流壁43の外側が第2貯留部42bとなる。図7に示す越流壁43は、水槽38の底面から上面に向って延びており、越流壁43の上端と水槽38の上面との間に所定の間隔が空けられている。また、第2貯留部42bに処理水第1流出口36a及び処理水第2流出口36bが配置されている。図7に示す水処理装置12では、処理水第1流出口36aの下端の高さ位置が、越流壁43の上端の高さ位置(図7に示す一点破線A)に設定されている。また、図7に示す水処理装置12では、処理水第2流出口36aは第2貯留部42bの底面に設けられており、処理水第2流出口36bの高さ位置が処理水第1流出口36aの高さ位置より低い位置に設定されている。処理水第2流出口36bには処理水排出ライン29(図1参照)が接続され、処理水第1流出口36aには不図示の排出ラインが接続されている。
図7に示す水処理装置12の水槽38は、本体部38aと蓋体38bとから構成されている。そして、図7に示す水処理装置12は、例えば、蓋体38b側に隔壁44を構成する有底筒状体を設置し、本体部38a内に、上記有底円筒状体よりも大きい円筒状の越流壁43を設置して、円筒状の越流壁43内に、隔壁44を構成する有底筒状体が配置されるように蓋体38bを本体部38aに被せて、これらを接着剤等で密閉することにより、作製される。
図7に示す水処理装置12も上記説明したように、越流壁43、処理水第1流出口36a及び処理水第2流出口36bを備えているため、ガス成分を多く含有している被処理水からガス成分の量を低減した処理水を排出することが可能となる。また、越流壁43の上端の高さ位置を袋状物50に収容されたイオン交換樹脂48の高さ位置(図7に示す一点破線B)より高い位置に設定することで、イオン交換樹脂48の乾燥を抑えることもできる。
本実施形態において、処理水第1流出口36aの下端の高さ位置は越流壁43の上端の高さ位置(図7に示す一点破線A)以上に設定されていれば特に制限されるものではないが、水の貯留量を確保する点で、水槽38の側面部の最上部に位置することが好ましい。また、本実施形態において、処理水第2流出口36bの高さ位置は処理水第1流出口36aの高さ位置より低い位置に設定されていれば特に制限されるものではないが、滞留による水質の悪化を防ぐ点で、第2貯留部42bの最下部に処理水第2流出口36bを設けることが好ましい。
なお、図3及び図4に示す水処理装置についても、上記説明した越流壁43、処理水第1流出口36a及び処理水第2流出口36bを設置することが望ましい。
以下に、水処理装置の各部材について説明する。
水槽38は、剛性の高い材質により形成されることが望ましく、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ABS樹脂、塩化ビニル、アクリル、などの材質から形成される。これらのうち、燃料電池の凝縮水は比較的高温なため、耐熱性の点で、ポリプロピレン樹脂が好ましい。
隔壁44(第1隔壁44、第2隔壁52)、越流壁43は、水槽38と同様の材質により形成されることが望ましい。隔壁44の形状は、図2及び図4に示すような平面状、図3に示すようなL字状、図5に示すような円筒状等特に制限されるものではない。越流壁43の形状も特に制限されるものではない。
連通路46及び連通路54の孔形状は、円形状や直線状等特に制限されるものではない。また、連通路46及び連通路54の数は1つ以上であればよく、水槽38の大きさ等によって適宜設定されればよい。また、連通路46の寸法も水槽38の大きさ等によって適宜設定されればよい
通水性を有する袋状物50は、糸を網状(ネット状)に織るあるいは編むなどして得られる織物、編物、不織布などを袋状に形成したもの等が挙げられる。本実施形態で用いられる通水性を有する袋状物50は、通水性及び伸縮性等の点で、織物や編物から構成されることが好ましく、編物で構成されることがより好ましい。特に編物から構成された袋状物を用いることにより、水槽38に被処理水を通水した際に、連通路46(又は連通路54)の開口部を覆うように配置した袋状物50と連通路46(又は連通路54)の開口部との間に隙間が生じることが抑制され、被処理水のショートパス(袋状物50に接触しないで連通路46又は連通路54を通過すること)が抑えられるため、被処理水の通水量を増加させても、被処理水中の不純物を効率的に除去することが可能となる。
ここで、本実施形態における織物、編物、不織布とは以下の意味である。織物は、たて糸とよこ糸を交差させているものを意味している。織物には、例えば、たて糸とよこ糸が交互に1本ずつ交差させている平織の織物、たて糸やよこ糸が2本またはそれ以上連続して織られる綾織の織物、たて、よこ5本以上の糸から構成され、どちらかが表面に浮き出た朱子織の織物などがある。市販の「織物」としては、例えばサラン(登録商標)スクリーン(旭化成株式会社)、ダイニーマ(登録商標)サイバーメッシュ(東洋紡株式会社)などが挙げられる。編物は、1本の糸で輪(ループ)の形を成しつつ、これを二次元的に連ねているものを意味している。編物には、ループをタテ方向に連続して編み上げていく経(タテ)編の編物、ループをヨコ方向に連続して編み上げていく(ヨコ)編の編物等がある。市販の編物としては、テトニット(東レ株式会社)、セベリス(東レ株式会社)などが挙げられる。不織布は、織ったり、編んだりせずにシート状にして作る布地を意味している。市販の不織布としては、エルタス(旭化成株式会社)、エルベス(ユニチカ株式会社)などが挙げられる。
通水性を有する袋状物50の材質としては、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、ポリプロピレン、ナイロン、アクリル、ビニロンなどが挙げられる。これらの中では、伸縮性等の点で、ポリエステル、ポリウレタン等が好ましい。ポリエステルやポリウレタンの袋状物50を用いることにより、水槽38に被処理水を通水した際に、連通路46(又は連通路54)の開口部を覆うように配置した袋状物50と連通路46(又は連通路54)の開口部との間に隙間が生じることが抑制され、被処理水のショートパス(袋状物50に接触しないで連通路46又は連通路54を通過すること)が抑えられるため、被処理水の通水量を増加させても、被処理水中の不純物を効率的に除去することが可能となる。
糸の種類は、単糸を複数本撚り併せて一本の糸としたマルチフィラメント、一本の単糸であるモノフィラメントのどちらでもよい。このうち、伸縮性がありシワができにくい点で、マルチフィラメントが好ましい。また、通水性を有する袋状物50を構成するフィラメントの径(糸径)は、50μm〜400μmの範囲であることが好ましく、100μm〜180μmの範囲であることがより好ましい。
通水性を有する袋状物50の目開きは、充填されたイオン交換樹脂が袋状物50外へ漏れださない目開きであればよいが、被処理水が袋状物50内部に効率よく通水され、且つ袋状物50内部のイオン交換樹脂48が袋状物50外部へ漏れることを抑制する点で、例えば、0.1mm〜0.5mmの範囲の目開きを有する袋状物を用いることが好ましく、0.2mm〜0.4mmの範囲の目開きを有する袋状物を用いることがより好ましく、0.27mm〜0.36mmの範囲の目開きを有する袋状物がさらにより好ましい。
なお「目開き」とは、袋状物50に開いた目の大きさを言い、開いた目が正方形の場合は辺の長さ、長方形の場合は短辺の長さ、楕円形の場合は短軸の長さを言う。長辺や長軸ではなく短辺や短軸の方を言うとした理由は、例えば横の間隔が十分に狭ければ、縦の間隔が広くても、細長い目が開くだけであるので、イオン交換樹脂48が袋状物50外部へ漏れることを抑制することが出来る。袋状物50の目開きは、例えばデジタルマイクロスコープ(株式会社キーエンス製、型式:VH-8000)で測定される。
また、袋状物50に用いられる織物、編物、不織布などをシート状にした多孔質シートにより、連通路46の開口部を覆っても良い。すなわち、袋状物50は、当該シートを介して連通路46の開口部を覆うように配置されている。これにより、例えば袋状物50が破損し、イオン交換樹脂が袋状物50から流出した場合等でも、イオン交換樹脂が連通路46等を通って、後段に流れることを抑制することができる。
通水性を有する袋状物50は、伸縮性の点で、引張強度0.002N/mmの時に、20mm以上の引張伸度を有する袋状物を用いることが好ましく、25mm以上の引張伸度を有する袋状物を用いることがより好ましい。引張強度0.002N/mmの時に、20mm未満の引張伸度を有する袋状物を用いた場合、水槽38に被処理水を通水した際に、連通路46(又は連通路54)の開口部を覆うように配置した袋状物50と連通路46(又は連通路54)の開口部との間に隙間が生じ、被処理水のショートパス(袋状物50に接触しないで連通路46又は連通路54を通過すること)が生じる場合がある。袋状物50の引張伸度はJIS L 1096(2010 織物及び編物の生地試験方法)に準拠して測定される。
通水性を有する袋状物50に収容されるイオン交換樹脂48は、脱塩処理ができるイオン交換樹脂であれば特に制限されるものではなく、例えば、強酸性カチオン交換樹脂、弱酸性カチオン交換樹脂、強塩基性アニオン交換樹脂、弱塩基性アニオン交換樹脂等が挙げられる。通水性を有する袋状物50には、例えば上記イオン交換樹脂をそれぞれ単独で、あるいは混床または複床の状態で充填される。
カチオン交換樹脂としては、例えば、H形、Na形等のカチオン交換樹脂が挙げられる。これらの中では、処理水の導電率が高くなることを抑制する点で、H形のカチオン交換樹脂が好ましい。また、アニオン交換樹脂としては、例えば、炭酸形、重炭酸形、Cl形、OH形等のアニオン交換樹脂が挙げられる。これらの中では、イオン交換樹脂48の体積収縮率が小さい等の点で、炭酸形又は重炭酸形のアニオン交換樹脂が好ましい。炭酸形又は重炭酸形のアニオン交換樹脂を用いた場合、被処理水の通水量の増加と共に、イオン交換樹脂48の体積収縮が抑えられるため、連通路46(又は連通路54)の開口部を覆うように配置した袋状物50と連通路46(又は連通路54)の開口部との間に隙間が生じ、被処理水のショートパスが生じることが抑えられる。
カチオン交換樹脂の母体構造は、例えば、スチレン系、フェノール系、アクリル系、メタクリル系等が挙げられる。また、アニオン交換樹脂の母体構造は、例えば、スチレン系、フェノール系、アクリル系、メタクリル系等が挙げられる。これらの中では、耐熱性の点で、スチレン系の母体構造を有するイオン交換樹脂が好ましい。
イオン交換樹脂48の平均粒径は、袋状物50外へ漏れることを抑制する点で、例えば、0.4mm〜1.0mmの範囲が好ましく、0.5mm〜0.8mmの範囲がより好ましい。
図8(A)は、参考例の水処理装置の構成を示す模式断面図であり、図8(B)は、図8(A)に示す水処理装置の模式斜視図である。なお、図8(B)は、水処理装置の内部構造が分かるように、水処理装置を透過図で表している。
図8に示す水処理装置12は、被処理水流入口34、処理水第1流出口36a及び処理水第2流出口36bを有する水槽38と、水槽38内を水処理室40及び水貯留室42(42a,42b)に区画する隔壁44と、を備える。水処理室40は、凝縮水(被処理水)をイオン交換樹脂により処理するための部屋となり、水貯留室42は、イオン交換樹脂により処理された処理水を貯留するための部屋となる。被処理水流入口34には、図1に示す凝縮水供給ライン28が接続されている。なお、被処理水流入口34は、水槽38の上部に配置されているが、水処理室40に被処理水を供給することができる位置であれば、その位置は特に制限されるものではない。
水槽38内に設けられる隔壁44の下端側には、円形状の貫通孔が形成されている。この貫通孔が、水処理室40と水貯留室42とを連通する連通路46となる。連通路46の位置、大きさ、形状等は、水槽38の大きさ等によって適宜設定されるものであり、特に制限されるものではない。
また、図8に示す水処理装置12は、多孔質シート51を備えている。多孔質シート51は、前述した袋状物50に用いられる織物、編物、不織布等をシート状にしたものである。すなわち、多孔質シート51は前述の袋状物50と同様の材質、物性等を有している。そして、多孔質シート51により、連通路46の水処理室40側開口部が覆われている。多孔質シート51は隔壁44に接着剤等で固定されている。なお、参考例では、連通路46の水貯留室42側開口部が覆われていてもよい。
また、図8に示す水処理装置12は、イオン交換樹脂48を備えている。イオン交換樹脂48は水処理室40内に充填されるが、水処理室40内のイオン交換樹脂48の高さが、水処理室40側開口部の上端の高さ位置より高い位置となるように、水処理室40内に充填される必要がある。水処理室40内のイオン交換樹脂48の高さが、水処理室40側開口部の上端の高さ位置以下であると、水処理室40内に流入した被処理水の一部は、イオン交換樹脂40に接触することなく、連通路46を通過する虞がある。
また、図8に示す水処理装置12は、水貯留室42を第1貯留部42aと第2貯留部42bとに区画すると共に、第1貯留部42a内の処理水を第2貯留部42bに越流させる越流壁43を備えている。越流壁43は、水槽38の底面から上面に向って延びており、越流壁43の上端と水槽38の上面との間に所定の間隔が空けられている。また、第2貯留部42bに処理水第1流出口36a及び処理水第2流出口36bが配置されている。図8に示す水処理装置12では、処理水第1流出口36aの下端の高さ位置が、越流壁43の上端の高さ位置(図8に示す一点破線A)に設定されている。また、図8に示す水処理装置12では、処理水第2流出口36aは第2貯留部42bの底面に設けられているが、処理水第2流出口36bの高さ位置が処理水第1流出口36aの高さ位置より低い位置に設定されていればよい。そして、処理水第2流出口36bには処理水排出ライン29(図1参照)が接続され、処理水第1流出口36aには不図示の排出ラインが接続されている。
越流壁43の上端の高さ位置は、第1貯留部42aや第2貯留部42bに貯留する処理水量等によって適宜設定されればよいが、イオン交換樹脂48の乾燥を防ぐ点で、水処理室40内に充填されているイオン交換樹脂48の高さ位置(図8に示す一点破線B)より高い位置に設定することが好ましい。
また、処理水第1流出口36aの下端の高さ位置は越流壁43の上端の高さ位置(図8に示す一点破線A)以上に設定されていれば特に制限されるものではないが、水の貯留量を確保する点で、水槽38の側面部の最上部に位置することが好ましい。また、本実施形態において、処理水第2流出口36bの高さ位置は処理水第1流出口36aの高さ位置より低い位置に設定されていれば特に制限されるものではないが、滞留による水質の悪化を防ぐ点で、第2貯留部42bの最下部に処理水第2流出口36bを設けることが好ましい。
図9(A)は、その他の参考例の水処理装置の構成を示す模式断面図であり、図9(B)は、図9(A)に示す水処理装置の分解模式斜視図である。なお、図9(B)は、水処理装置の内部構造が分かるように、水処理装置を透過図で表している。
図9に示す水処理装置12は、有底筒状体の隔壁44を備えている。そして、隔壁44を構成する有底筒状体は水槽38内の上面に設置され、水槽38内の底面と有底筒状体の底面との間に所定の間隔が空けられている。隔壁44を構成する有底筒状体により、水処理室40と水貯留室42に区画される。そして、有底筒状体の内側が水処理室40となり、有底筒状体の外側が水貯留室42となっている。隔壁44を構成する有底筒状体の底面に、例えば円形状の貫通孔が形成されており、この貫通孔が、水処理室40と水貯留室42とを連通する連通路46となっている。図9に示す水処理装置12は、多孔質シート51を備えており、多孔質シート51により、連通路46の水処理室40側開口部が覆われている。多孔質シート51は隔壁44に接着剤等で固定されている。なお、参考例では、連通路46の水貯留室42側開口部が覆われていてもよい。図9に示す水処理装置12では、有底筒状体の形状を円柱状としているが、これに制限されるものではなく、例えば角柱状等であってもよい。また、図9に示す水処理装置12では、有底筒状体の底面に貫通孔を形成しているが、これに制限されるものではなく、例えば有底筒状体の側面に貫通孔を形成してもよい。
有底筒状体の形状として、角柱型より円柱型の方が、側面の角部が無いため、側面とイオン交換樹脂48との非接触部分が少なくなることにより、被処理水のショートパスが抑制される点等で、円柱型の有底筒状体の方が好ましい。
また、円柱型の有底筒状体の方が、角柱型の有底筒状体と比較して、被処理水のショートパスが抑制されることから、被処理水の処理効率がより向上すると考えられる。
また、図9に示す水処理装置12は、イオン交換樹脂48を備えている。イオン交換樹脂48は水処理室40内、すなわち、有底筒状体の内部に充填される。ここで、有底筒状体の底面に連通路46を形成する場合には、有底筒状体の底面全体にイオン交換樹脂48が充填される必要があり、さらに、有底筒状体の側面に連通路46を形成する場合には、水処理室40内(有底筒状体内)のイオン交換樹脂48の高さが、水処理室40側開口部(有底筒状体側面開口部)の上端の高さ位置より高い位置となるように、水処理室40内に充填される必要がある。
図9に示す水処理装置12は、隔壁44を構成する有底筒状体を囲むように、所定の間隔を空けて配置された円筒状の越流壁43を備えている。すなわち、円筒状の越流壁43の内部に隔壁44を構成する有底筒状体が配置されている。したがって、有底筒状体の外側であって円筒状の越流壁43の内側が第1貯留部42aとなり、円筒状の越流壁43の外側が第2貯留部42bとなる。図9に示す越流壁43は、水槽38の底面から上面に向って延びており、越流壁43の上端と水槽38の上面との間に所定の間隔が空けられている。また、第2貯留部42bに処理水第1流出口36a及び処理水第2流出口36bが配置されている。図9に示す水処理装置12では、処理水第1流出口36aの下端の高さ位置が、越流壁43の上端の高さ位置(図9に示す一点破線A)に設定されている。また、図9に示す水処理装置12では、処理水第2流出口36aは第2貯留部42bの底面に設けられており、処理水第2流出口36bの高さ位置が処理水第1流出口36aの高さ位置より低い位置に設定されている。処理水第2流出口36bには処理水排出ライン29(図1参照)が接続され、処理水第1流出口36aには不図示の排出ラインが接続されている。
図9に示す水処理装置12の水槽38は、本体部38aと蓋体38bとから構成されている。そして、図9に示す水処理装置12は、例えば、蓋体38b側に隔壁44を構成する有底筒状体を設置し、本体部38a内に、上記有底円筒状体よりも大きい円筒状の越流壁43を設置して、円筒状の越流壁43内に、隔壁44を構成する有底筒状体が配置されるように蓋体38bを本体部38aに被せて、これらを接着剤等で密閉することにより、作製される。
図9に示す水処理装置12も上記説明したように、越流壁43の上端の高さ位置をイオン交換樹脂48の高さ位置(図9に示す一点破線B)より高い位置に設定することで、イオン交換樹脂48の乾燥を抑えることもできる。
本実施形態において、処理水第1流出口36aの下端の高さ位置は越流壁43の上端の高さ位置(図9に示す一点破線A)以上に設定されていれば特に制限されるものではないが、水の貯留量を確保する点で、水槽38の側面部の最上部に位置することが好ましい。また、本実施形態において、処理水第2流出口36bの高さ位置は処理水第1流出口36aの高さ位置より低い位置に設定されていれば特に制限されるものではないが、滞留による水質の悪化を防ぐ点で、第2貯留部42bの最下部に処理水第2流出口36bを設けることが好ましい。
なお、その他の参考例として、図3及び図4に示す水処理装置において、袋状物50に代えて多孔質シート51及びイオン交換樹脂48を設置した水処理装置が挙げられる。
以下、実施例及び比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図3に示す水処理装置を用いて、塩酸濃度1686mg/Lの被処理水の水処理を行った。実施例1で用いた水槽の寸法は、幅160mm×長さ280mm×高さ160mmであり、水処理室の寸法は、幅160mm×長さ170mm×高さ100mmであり、連通路は水槽底部から20mmの部分に孔径10mmである。実施例1で用いた通水性の袋状物は、ポリエステル繊維を用いた編物(経編み、品番:T4040、商品名:テトニット、製造元:株式会社東レ)であり、袋状物の容積は1200mL、目開きは0.36mm、糸径は0.10mm(44 dtex)、糸の種類はマルチフィラメント(18F)、引張強度0.002N/mmの時の引張伸度は25mmである。実施例1のイオン交換樹脂として、OH形のスチレン系アニオン交換樹脂(ダウケミカル社製、AMBERJET ESG 4002(OH))及びH形のスチレン系カチオン交換樹脂(ダウケミカル社製、AMBERLITE IRN97 H)を用い、上記アニオン交換樹脂1000mL、上記カチオン交換樹脂200mLを上記袋状物に充填した。袋状物の目開きは、デジタルマイクロスコープ(株式会社キーエンス製、型式:VH−8000)によって測定した値である。以下の実施例及び比較例も同様である。
流速30mL/min、SV1.5h−1の通水条件で、上記塩酸水溶液を実施例1の水処理装置に供給した。そして、実施例1の水処理装置から排出される処理水の導電率が、50μS/cmに達するまで(処理水中の塩酸濃度が、被処理水中の塩酸濃度の5%に達するまで)に、水処理装置に通水することができた被処理水の通水量を計測した。
(実施例2)
図4に示す水処理装置を用いて塩酸濃度1686mg/Lの被処理水の水処理を行った。実施例2で用いた水槽の寸法は、幅160mm×長さ280mm×高さ160mmであり、水処理第1室及び第2室の寸法は、それぞれ幅160mm×長さ35mm×高さ160mmであり、第2隔壁の連通路の孔径は10mmである。第1隔壁の連通路の幅(隔壁上端から水槽上面までの幅)は、20mmである。その他の条件は、実施例1と同様とし、実施例2の水処理装置から排出される処理水の導電率が、50μS/cmに達するまで(処理水中の塩酸濃度が、被処理水中の塩酸濃度の5%に達するまで)に、水処理装置に通水することができた被処理水の通水量を計測した。
(比較例1)
図10(A)は、比較例1の水処理装置の構成を示す模式断面図であり、図10(B)は、図10(A)に示す水処理装置の模式斜視図である。なお、図10(B)は、比較例1の水処理装置の内部構造が分かるように、水処理装置を透過図で表しており、イオン交換樹脂を収容した袋状物を省略している。
比較例1の水処理装置13は、被処理水流入口60と処理水流出口62とを有する水槽64と、水槽64内を水処理室66と水貯留室68とに区画する隔壁70と、イオン交換樹脂72を収容した通水性を有する袋状物74とを備えている。隔壁70の下端には、隔壁70の幅全体に亘って延在する直線状の貫通孔が形成されており、この貫通孔が、水処理室66と水貯留室68とを連通する連通路76となっている。そして、水処理室66内には、イオン交換樹脂72を収容した通水性を有する袋状物74が設けられるが、袋状物74は、連通路76の開口部を覆うように配置せず、袋状物74と連通路76の開口部との間には隙間が形成されている。イオン交換樹脂72及び袋状物74は、実施例1と同じものを使用した。
比較例1で用いた水槽64の寸法は、幅160mm×長さ280mm×高さ160mmであり、水処理室66の寸法は、幅160mm×長さ170mm×高さ160mmであり、連通路76の幅(隔壁70下端から水槽64底面までの幅)は、20mmである。その他の条件は、実施例1と同様とし、比較例1の水処理装置13から排出される処理水の導電率が50μS/cmに達するまで(処理水中の塩酸濃度が、被処理水中の塩酸濃度の5%に達するまで)に、水処理装置に通水することができた被処理水の通水量を計測した。
図11は、実施例1〜2及び比較例1の水処理装置における被処理水の通水量の結果を示す図である。図11に示すように、比較例1の水処理装置の通水量は0.8(L/L−R)であったが、実施例1及び2の水処理装置の通水量は、9.2(L/L−R)、16.2(L/L−R)であり、比較例1の水処理装置より高い通水量が得られた。また、通水量と通液した塩化物イオン濃度から貫流容量(B.T.cap(eq/L−R)、及び総交換容量(eq/L−R)を求め、イオン交換樹脂の利用率(B.T.cap/総交換容量)を計算した。その結果を表1にまとめた。
表1から判るように、比較例1の水処理装置のイオン交換樹脂の利用率は3%であったが、実施例1及び2の水処理装置のイオン交換樹脂の利用率は34%、60%であり、比較例1の水処理装置より高い利用率が得られた。すなわち、イオン交換樹脂を収容した通水性を有する袋状物を連通路の開口部を覆うように配置することで、イオン交換樹脂のイオン交換能を有効に活用することができたと言える。特に、被処理水が蛇行して流れる蛇行流路を形成した水処理室を有する実施例2の水処理装置は、イオン交換樹脂のイオン交換能をより有効に活用することができたと言える。
(比較例2〜4)
比較例2では、ポリエチレン繊維を用いた織物(平織)(品番:PE−80)から構成される通水性の袋状物を用いたこと以外は、比較例1と同様の条件で試験した。比較例2で用いた袋状物の容積は1200mL、目開きは0.27mm、糸径は0.12mm(120 dtex)、糸の種類はモノフィラメント、メッシュ構造は64個/inch、引張強度0.002N/mmの時の引張伸度は0.7mmである。
比較例3では、ポリエステル繊維を用いた織物(平織)(品番:PET−300)から構成される通水性の袋状物を用いたこと以外は、比較例1と同様の条件で試験した。比較例3で用いた袋状物の容積は1200mL、目開きは0.30mm、糸径は0.14mm、糸の種類はモノフィラメント、メッシュ構造は57個/inch、引張強度0.002N/mmの時の引張伸度は0.2mmである。
比較例4では、ポリ塩化ビニリデン繊維を用いた織物(平織)(品番:N-50、商品名:サラン(登録商標)スクリーン、製造元:旭化成株式会社)から構成された通水性の袋状物を用いたこと以外は、比較例1と同様の条件で試験した。比較例4で用いた袋状物の容積は1200mL、目開きは0.32mm、糸径は0.18mm(440 dtex)、糸の種類はモノフィラメント、メッシュ構造は50個/inch、引張強度0.002N/mmの時の引張伸度は1.1mmである。
比較例2〜4の水処理装置から排出される処理水の導電率が、50μS/cmに達するまで(処理水中の塩酸濃度が、被処理水中の塩酸濃度の5%に達するまで)に、水処理装置に通水することができた被処理水の通水量を計測した。
図12は、比較例1〜4の水処理装置における被処理水の通水量の結果を示す図である。図12に示すように、比較例1〜4の水処理装置の通水量は1.5(L/L−R)以下であり、非常に低い値であった。
(実施例3〜5)
実施例3では、ポリエステル繊維を用いた織物(平織)(品番:PET−300)から構成される通水性の袋状物を用いたこと以外は、実施例1と同様の条件で試験した。実施例3で用いた袋状物の容積は1200mL、目開きは0.30mm、糸径は0.14mm、糸の種類はモノフィラメント、メッシュ構造は57個/inch、引張強度0.002N/mmの時の引張伸度は0.2mmである。
実施例4では、ポリエチレン繊維を用いた織物(平織)(品番:PE−80)から構成される通水性の袋状物を用いたこと以外は、実施例1と同様の条件で試験した。実施例4で用いた袋状物の容積は1200mL、目開きは0.27mm、糸径は0.12mm(120 dtex)、糸の種類はモノフィラメント、メッシュ構造は64個/inch、引張強度0.002N/mmの時の引張伸度は0.7mmである。
実施例5では、ポリ塩化ビニリデン繊維を用いた織物(平織)(品番:N-50、商品名:サラン(登録商標)スクリーン、製造元:旭化成株式会社)から構成された通水性の袋状物を用いたこと以外は、実施例1と同様の条件で試験した。実施例5で用いた袋状物の容積は1200mL、目開きは0.32mm、糸径は0.18mm(440 dtex)、糸の種類はモノフィラメント、メッシュ構造は50個/inch、引張強度0.002N/mmの時の引張伸度は1.1mmである。
実施例3〜5の水処理装置から排出される処理水の導電率が、50μS/cmに達するまで(処理水中の塩酸濃度が、被処理水中の塩酸濃度の5%に達するまで)に、水処理装置に通水することができた被処理水の通水量を計測した。
図13は、実施例1、3〜5の水処理装置における被処理水の通水量の結果を示す図である。図13に示すように、ポリエステル繊維編物(経編み)から構成された通水性の袋状物を用いた実施例1の水処理装置の通水量は9.2(L/L−R)であり、他の実施例の水処理装置の通水量より高い値であった。
また、実施例1、3〜5の水処理装置の通水量と通液した塩化物イオン濃度から貫流容量(B.T.cap(eq/L−R)、及び総交換容量(eq/L−R)を求め、イオン交換樹脂の利用率(B.T.cap/総交換容量)を計算した。その結果を表2にまとめた。
表2から判るように、イオン交換樹脂の利用率が最も高いのは、ポリエステル繊維を用いた編物(経編み)から構成された通水性の袋状物を用いた実施例1の水処理装置であった。すなわち、編物から構成された通水性の袋状物を用いることで、イオン交換樹脂のイオン交換能をより有効に活用することができたと言える。
(参考例)
ポリエステル繊維を用いた編物(経編み)から構成された通水性の袋状物A、ポリ塩化ビニリデン繊維を用いた織物(平織)から構成された通水性の袋状物B、ポリエチレン繊維を用いた織物(平織)から構成される通水性の袋状物C、ポリエステル繊維及びポリウレタン繊維を用いた編物(ポリエステル84%+ポリウレタン16%の混紡(経編み))から構成された通水性の袋状物D、ポリエステル繊維を用いた織物(平織)から構成された通水性の袋状物Eそれぞれの引張伸度を、JIS L 1096(2010 織物及び編物の生地試験方法)に準拠して、以下の測定条件で測定した。
試験片:袋状物を10mm×15mmの短冊形にカット
引っ張り試験機:NMB(ミネビア製、TCN−1kMB)
引っ張り速度:10mm/min
チャック間:90mm
最大荷重:1kgf(×9.8でNに変換)
図14は、袋状物A〜Eの引張伸度の結果を示す図である。縦軸は、試験片の引張強度であり、横軸は試験片の引張伸度である。図14に示すように、引張強度が0.002N/mmの時に、引張伸度が20mm以上となる袋状物は、ポリエステル繊維を用いた編物(経編み)から構成される通水性の袋状物A、ポリエステル繊維及びポリウレタン繊維を用いた編物(経編み)から構成された通水性の袋状物Dであった。特に、引張強度が0.002N/mmの時に、引張伸度が最も大きい値を示したのは、ポリエステル繊維及びポリウレタン繊維を用いた編物(経編み)から構成された通水性の袋状物Dであった。
1 燃料電池システム、10 燃料電池、12,13 水処理装置、14 熱交換器、18 吐出ポンプ、22 空気供給ライン、24 燃料供給ライン、26a,26b 水供給ライン、28 凝縮水供給ライン、29 処理水排出ライン、30 大気放出ライン、32 温水供給ライン、34,60 被処理水流入口、36,62 処理水流出口、36a 処理水第1流出口、36b 処理水第2流出口、38,64 水槽、38a 本体部、38b 蓋体、40,66 水処理室、40a 水処理第1室、40b 水処理第2室、42,68 水貯留室、42a 第1貯留部、42b 第2貯留部、43 越流壁、44,70 隔壁(第1隔壁)、46,54,76 連通路、48,72 イオン交換樹脂、50,74 袋状物、51 多孔質シート、52 第2隔壁。

Claims (12)

  1. 水槽と、
    前記水槽内を、被処理水が処理される水処理室と前記水処理室で処理された処理水が貯留される水貯留室とに区画する隔壁と、
    イオン交換樹脂を収容し、通水性を有する袋状物と、を備え、
    前記隔壁には、前記水処理室と前記水貯留室とを連通させる連通路が設けられ、
    前記袋状物は、前記連通路の水処理室側開口部を覆うように、前記水処理室内に配置されていることを特徴とする水処理装置。
  2. 水槽と、
    前記水槽内を、被処理水が処理される水処理室と前記水処理室で処理された処理水を貯留する水貯留室とに区画する第1隔壁と、
    前記水処理室を少なくとも第1室と第2室とに区画する第2隔壁と、
    イオン交換樹脂を収容し、通水性を有する袋状物と、を備え、
    前記第1隔壁及び第2隔壁には、隣接する室間を連通させる連通路が設けられ、
    前記袋状物は、前記第2隔壁の連通路の開口部を覆うように、前記第1室及び前記第2室内に配置されていることを特徴とする水処理装置。
  3. 前記隔壁は有底筒状体であり、前記有底筒状体の内側が前記水処理室であり、前記有底筒状体の外側が前記水貯留室であることを特徴とする請求項1記載の水処理装置。
  4. 前記水貯留室を、第1貯留部と第2貯留部とに区画すると共に、前記第1貯留部内の処理水を前記第2貯留部に越流させる越流壁を備え、
    前記第2貯留部には、処理水第1流出口、処理水第2流出口が配され、
    前記処理水第1流出口の下端の高さ位置は、前記越流壁の上端の高さ位置以上に設定され、前記処理水第2流出口の高さ位置は前記処理水第1流出口の高さ位置より低い位置に設定され、
    前記越流壁の上端の高さ位置は、前記袋状物内に収容されている前記イオン交換樹脂の上端より高い位置に設定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の水処理装置。
  5. 前記水処理室は、被処理水が蛇行して流れる蛇行流路が形成されていることを特徴とする請求項2記載の水処理装置。
  6. 前記袋状物は、引張強度0.002N/mmにおいて20mm以上の引張伸度を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の水処理装置。
  7. 前記袋状物は、繊維を用いた編物から構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の水処理装置。
  8. 前記イオン交換樹脂は、炭酸形のアニオン交換樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の水処理装置。
  9. 前記被処理水は、燃料電池から排出される凝縮水であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の水処理装置。
  10. 前記請求項1〜9のいずれか1項に記載の水処理装置を用いて被処理水を処理することを特徴とする水処理方法。
  11. 水槽と、前記水槽内を被処理水が処理される水処理室と前記水処理室で処理された処理水が貯留される水貯留室とに区画する隔壁と、を備え、前記隔壁には、前記水処理室と前記水貯留室とを連通させる連通路が設けられる水槽ユニットに使用される通水性を有する袋状物であって、
    前記袋状物は、イオン交換樹脂を収容し、前記連通路の水処理室側開口部を覆うように、前記水処理室内に配置されることを特徴とする袋状物。
  12. 水槽と、前記水槽内を被処理水が処理される水処理室と前記水処理室で処理された処理水が貯留される水貯留室に区画する第1隔壁と、前記水処理室を少なくとも第1室と第2室とに区画する第2隔壁と、を備え、前記第1隔壁及び第2隔壁には、隣接する室間を連通させる連通路が設けられる水槽ユニットに使用される通水性を有する袋状物であって、
    前記袋状物は、イオン交換樹脂を収容し、前記第2隔壁の連通路の開口部を覆うように、前記第1室及び前記第2室内に配置されることを特徴とする袋状物。
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