JP2016065376A - 地盤の液状化防止方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】液状化防止効果と地盤沈下防止との両立を図りつつ、余震による再液状化の被害を最小に抑えることができる地盤の液状化防止方法の提供。
【解決手段】揚水量を制御しつつ揚水手段5により液状化層2の地下水を揚水し、所定の平常時水位WL1まで地下水位を下げた後、平常時水位WL1を維持しつつ、地震動検知手段7により地震動を検知した際には、揚水手段5の揚水量を増して地下水位を平常時水位WL1より地震時水位WL2まで低下させ、地震時水位WL2を一定期間維持した後、地下水位を地震時水位WL2より平常時水位wl1に復帰させる地盤の液状化防止方法。
【選択図】図3

Description

本発明は、主に構造物下の砂質地盤等の地盤の液状化を防止するための地盤の液状化防止方法に関する。
飽和状態にある砂質地盤等の地盤(以下、液状化層という)では、地震動等による衝撃で地盤中の土砂粒子間の水(間隙水)の圧力が急激に上昇することにより土砂粒子間の均衡が崩れ、土砂が液体の如き挙動を示す現象、即ち、地盤の液状化現象が問題視されている。
従来、液状化が懸念される地盤には、防災上の観点から、予め地盤の液状化を防止する対策を講じる必要があり、その液状化対策としては、液状化層を遮水壁で囲み、その遮水壁内の地下水をポンプで汲み上げて液状化層の地下水位を下げ、低下した地下水位より上層を不飽和状態にすることにより地盤の液状化を防止する地下水位低下工法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
この地下水位低下工法には、下端にウェルポイントを備えた集水管を液状化層に埋め込み、この集水管を通して地上に設置されたポンプによって地下水を汲み上げるウェルポイント工法によるものと、液状化層に集水井を形成し、その集水井の底に揚水手段を設置し、この揚水手段により地下水を地上に排出するディープウェル工法によるものとがある。
一方、この種の地下水位低下工法では、地下水位を低下させるほど液状化防止効果が高くなるが、地下水位の低下に伴い有効応力が増大し、上載圧力が増加する為、液状化層下に粘土層が存在する場合、大幅に水位を低下させると圧密沈下が生じるという問題があった。
そこで、従来では、低下させた地下水位より下層の地盤についても拘束圧が増すことで液状化強度が向上することを鑑み、地下水位を大幅に低下させずに地下水位を地表より所定の深度に低下させた状態で維持することにより、液状化防止効果と地盤沈下防止との両立を図っている。
この種の地下水位低下工法における地下水位の低下量(自然地下水位より何メートル低下させるか)については、地盤調査の結果に基づき地表から所定の深さ毎にある各層の液状化に対する安全率(液状化抵抗率;以下、F値という)を算出し、このF値に基づき地盤各層の液状化に対する安全性を評価すること(以下、F法)により決定することが原則となっている。
具体的には、F値が1以下の層を液状化の可能性がある層と判断し、液状化の可能性があると判断された層が地下水位低下工法の適用範囲に含まれるように地下水位の低下量を決定する。
しかしながら、F値の大小、深度、層厚等によって各層での液状化の程度や地上構造物へ及ぼす影響が異なるにも関わらず、F法のみに基づきF値が1以下の全ての層が改良されるように地下水位の低下量を設定すれば、地下水位を大幅に低下させざるを得ず、上記した圧密沈下の問題が生じることから、F法のみに基づき地下水位の低下量を決定することは運用上困難であった。
そこで、一般的には、液状化による影響度を示す指数(液状化指数;以下、P値という)を導入し、F値の大小、深度、層厚等による各層での液状化の程度や地上の構造物へ及ぼす影響を総合的に評価するようにし(以下、P法という)、P値が5以下となるように地下水位の低下量を設定しつつ、当該地下水位の低下量を地表から所望の深度に抑えることにより、液状化防止効果と地盤沈下防止との両立が図られている。
特開2004−263379号公報
しかしながら、大地震(以下、本震という)により間隙水圧が上昇し液状化或いは液状化する危険性が増した液状化層では、本震の衝撃による液状化現象が停止又は回避された後も間隙水圧が高い状態にあるため、その後に頻発する余震の小さな衝撃で液状化するおそれがあり、この余震による液状化が被害の拡大を招く大きな問題になっている。
従って、上述したP法に基づき地下水位の低下量を決定する従来の地下水位低下工法では、低下させた地下水位より下層にF値が1以下の液状化層が残存し、その液状化層が本震後に頻発する余震によって想定した地震規模よりも小さな衝撃で液状化するおそれがあった。
そこで、本発明は、このような従来の問題に鑑み、液状化防止効果と地盤沈下防止との両立を図りつつ、余震による再液状化の被害を最小に抑えることができる地盤の液状化防止方法の提供を目的としてなされたものである。
上述の如き従来の問題を解決するための請求項1に記載の発明の特徴は、液状化層に集水体を設置し、該集水体に流入した水を揚水手段により揚水し、前記液状化層の地下水位を下げることにより地盤の液状化を防止する地盤の液状化防止方法において、前記揚水手段の揚水量を制御する揚水制御手段と、地震動を検知する地震動検知手段とを使用し、前記揚水手段により前記液状化層の地下水を揚水し、所定の平常時水位まで地下水位を下げた後、前記揚水手段の揚水量を制御して前記平常時水位を維持しつつ、前記地震動検知手段により地震動を検知した際には、前記揚水手段の揚水量を増して地下水位を予め低下している前記平常時水位より低い地震時水位まで低下させ、該地震時水位を一定期間維持した後、地下水位を前記地震時水位より前記平常時水位に復帰させる地盤の液状化防止方法にある。
請求項2に記載の発明の特徴は、請求項1の構成に加え、前記液状化層の周囲に遮水壁を設置することにある。
請求項3に記載の発明の特徴は、請求項1又は2の構成に加え、地下水位を逐次計測しつつ、前記揚水手段を構成するポンプの稼動と停止を適宜繰り返すことにより前記平常時水位を維持し、地震動を検地した際には、前記ポンプの稼動を一定期間継続して予め低下している前記平常時水位より更に低い前記地震時水位まで地下水位を低下させ、前記一定期間経過後は、地下水位が前記平常時水位に復帰するまで前記ポンプを停止させ、然る後、前記ポンプの稼動と停止を適宜繰り返すことにより前記平常時水位を維持することにある。
請求項4に記載の発明の特徴は、請求項1〜3の何れか一項の構成に加え、前記地震時水位を維持する期間を余震頻発期とすることにある。
本発明に係る地盤の液状化防止方法は、上述したように、液状化層に集水体を設置し、該集水体に流入した水を揚水手段により揚水し、前記液状化層の地下水位を下げることにより地盤の液状化を防止する地盤の液状化防止方法において、前記揚水手段の揚水量を制御する揚水制御手段と、地震動を検知する地震動検知手段とを使用し、前記揚水手段により前記液状化層の地下水を揚水し、所定の平常時水位まで地下水位を下げた後、前記揚水手段の揚水量を制御して前記平常時水位を維持しつつ、前記地震動検知手段により地震動を検知した際には、前記揚水手段の揚水量を増して地下水位を予め低下している前記平常時水位より低い地震時水位まで低下させ、該地震時水位を一定期間維持した後、地下水位を前記地震時水位より前記平常時水位に復帰させることにより、平常時には、地下水位低下による液状化防止効果と圧密沈下防止効果とを両立することができ、地震発生時には、地下水位低下による液状化防止効果の向上を迅速に図ることができる。また、地震時水位を維持する期間を限定することにより長期的な圧密沈下を防止することができる。
また、本発明において、前記液状化層の周囲に遮水壁を設置することにより、揚水による地下水位の低下を効率よく行うことができる。
更に、本発明において、地下水位を逐次計測しつつ、前記揚水手段を構成するポンプの稼動と停止を適宜繰り返すことにより前記平常時水位を維持し、地震動を検地した際には、前記ポンプの稼動を一定期間継続して予め低下している前記平常時水位より更に低い前記地震時水位まで地下水位を低下させ、前記一定期間経過後は、地下水位が前記平常時水位に復帰するまで前記ポンプを停止させ、然る後、前記ポンプの稼動と停止を適宜繰り返すことにより前記平常時水位を維持することにより、複雑な制御を必要とせず、地震発生時には好適に予め低下している水位を更に低い位置に下げることができる。
更にまた、本発明において、前記地震時水位を維持する期間を余震頻発期とすることにより、余震による液状化を効率よく防止することができる。
(a)本発明に係る地盤の液状化防止方法の一例を示すフローチャート、(b)は平常時の地下水位低下工程の一例を示すフローチャートである。 同上の平常時の状態を示す断面図である。 同上の地震発生時の状態を示す断面図である。
次に、本発明に係る地盤の液状化防止方法の実施態様を図1〜図3に示した実施例に基づいて説明する。
尚、図中符号1は石油タンク等の構造物、符号2は地盤の液状化層、符号3は液状化層2下の粘土層、符号NLは自然地下水位である。また、本実施例において液状化層2とは、含水した砂質地盤等のように飽和状態にあって液状化現象の発生が懸念される層をいう。
構造物1下の地盤には、砂質地盤等からなる液状化層2が存在し、本発明に係る地盤の液状化防止方法では、液状化層2に鉛直方向に向けて複数の集水体4,4を設置し、その集水体4,4に流入した水を揚水手段5により揚水し、液状化層2の地下水位を下げることにより地下水位より上層を不飽和状態とし、地盤の液状化を防止するようになっている。
また、この地盤の液状化防止方法では、揚水手段5の揚水量を制御する揚水制御手段6と、地震動を検知する地震動検知手段7とを使用し、平常時においては、地下水位を大幅に低下させずに地下水位を地表より所定の深度(平常時水位WL1)に低下させた状態で維持することにより、液状化防止効果と地盤沈下防止との両立を図りつつ地震発生に備え、地震発生後は、地下水位を迅速且つ大幅に地震時水位WL2まで下げることにより本震による液状化及び余震による再液状化を防止するようになっている。
集水体4,4は、液状化層2の下端部に至る深さの井戸であって、揚水手段5により集水体4,4内に流入した地下水が地上に排出されるようになっている。
集水体4,4には、ストレーナー部(図示せず)が設けられ、ストレーナー部を通して地下水が集水体4,4内に流入するようになっている。
揚水手段5は、集水体4,4の底部に設置される1又は複数の水中ポンプ等のポンプ5aと、集水体4,4内に挿入された揚水管5bとを備え、揚水管5bの下端がポンプ5aに連通接続され、ポンプ5aを動作させることにより揚水管5bを通して集水体4,4内に流入した水を地上まで揚水するようになっている。
尚、ポンプ5aの設置位置は、ポンプ性能や地盤条件等に基づき適宜決定し、例えば、1000L/分程度の揚水が可能なポンプ5aを使用する場合には、通常、2000〜4000mに1箇所の割合で設置する。
また、この揚水手段5は、揚水制御手段6によりポンプ動作を制御することにより揚水量を制御できるようになっている。
揚水制御手段6は、演算装置を含むコンピュータ機器等により構成され、地震動検知手段7及び地下水位計測手段8が有線又は無線で接続されており、地震動検知手段7及び地下水位計測手段8から送信された計測データに基づき揚水手段5を制御できるようになっている。
地下水位計測手段8は、地下水位計を使用し、計測した地下水位データを揚水制御手段6に随時送信するようになっている。
地震動検知手段7は、例えば、地上に設置した加速度計を備え、地震動等によって生じる加速度を計測し、揚水制御手段6に随時送信するようになっている。
遮水壁9は、液状化層2の底より深い位置まで埋め込まれた壁体が液状化層2を囲むように連続した形状に形成され、壁内外の地盤間で水の流通が遮断されている。
壁体の態様は、特に限定されないが、例えば、液状化層2の底より深く打ち込まれた鋼矢板や鋼管矢板等の矢板を互いに連結し、各矢板間の継手部を止水材で止水することにより構築してもよく、プレキャストコンクリート又は現場打ちによるコンクリート構造であってもよい。
次に、上述した構成を用いた具体的な地盤の液状化防止方法について説明する。
先ず、本発明方法の前段階として、液状化層2の状態を揚水試験等によって調査し、その地盤調査の結果、想定される地震規模、液状化による地表への影響等の諸条件に基づき液状化指数による評価法(以下、P法という)を用いて平常時水位WL1を設定する。
具体的には、地表から所定の深さ毎にある各層の液状化に対する安全率(液状化抵抗率;以下、F値という)及びF値に基づく液状化による影響度を示す指数(液状化指数;以下、P値という)を用いて検討し、地下水位を低下させた際にP値5以下を確保でき、且つ、自然地下水位NLより低く、地表変位に与える影響を鑑みて地表から一定の深さ(距離)を隔てた深度にあって、地下水位低下に伴う有効圧力の増加が大幅な圧密沈下に至らない程度に抑えられる深度に平常時水位WL1を設定する。
尚、F値は、次式に示すように、液状化抵抗比Rと検討地点の地盤内の各深さに発生する等価な繰り返しせん断応力比Lとの比によって定義され、F値は、その値が小さいほど液状化に対する抵抗力が小さく、F値が1以下の場合には、液状化の可能性があると判断する。
Figure 2016065376
ここで、τは動的せん断強度(kN/m)、τは水平面に生じる等価な一定繰り返しせん断応力振り幅(kN/m)、σ´は有効土被り圧(kN/m)である。
一方、P値は、次式に示すように、各層におけるF値に地表面からの深さに関する重み関数w(z)を乗じ、それを所望の深さ範囲において積分することで定義され、過去の被害事例との比較からP値が5以下の場合には、液状化の危険度が低いと判断する。
Figure 2016065376
但し、F =1−F(F<1.0)、F =0(F≧1.0)、Dは深さ(m)であり、重み関数には、w(z)=10−0.5zを用いる。
尚、平常時水位WL1は、深さ方向において上限と下限とが設定され、この上限と下限との間の一定範囲内で上下動が許容されている。
次に、実際に平常時の地下水位低下工程(S1)を開始する。
先ず、揚水手段5、即ち、全ポンプ5aをフル稼働させ(S11)、集水体4,4内に流入した地下水の揚水を開始し、図2に示すように、自然地下水位NLから平常時水位WL1まで低下させる。
その際、地下水位計測手段8により逐次地下水位を計測し(S12)、地下水位が平常時水位WL1に到達するまでは全ポンプの稼働を継続し(L11)、平常時水位WL1まで低下したら(S13)、揚水制御手段6は、地下水位計測手段8からの計測データに基づき、揚水手段5による揚水量を制御し(S14)、地下水位を平常時水位WL1に維持する。
地下水位を平常時水位WL1に維持するには、例えば、図1(b)に示すように、地下水位が平常時水位WL1より低下した場合にポンプ5aを停止する工程(S14)と、地下水位が平常時水位WL1より上昇した場合にポンプ5aを稼働させる工程(S11)とを繰り返すようにする。尚、地下水位を平常時水位WL1に維持するには、ポンプ5aの出力を調節することにより制御してもよい。
そして、地震動が検知されるまでこの平常時の地下水位低下工程を繰り返し(L1)、図2に示すように、地下水位を平常時水位WL1に維持する。
この地下水位が平常時水位WL1に維持された状態においては、自然地下水位NLより所望の深度だけ地下水位が低下した状態が維持されているので、平常時水位WL1より上層の地盤2aは、水が除かれた不飽和状態にあり、平常時水位WL1より下層2bは、拘束圧が増すことで液状化強度が向上しているので、一定規模の地震(以下、本震という)が発生しても液状化を好適に防止できる。
また、この状態において、本震が発生すると、その地震動が地震動検知手段7によって検知され(S2)、その検知信号が揚水制御手段6に送信され、揚水制御手段6は、揚水手段5の出力を上昇、即ち、全ポンプ5aをフル稼働させて揚水量を増加させ(S3)、図3に示すように、地下水位を平常時水位WL1より更に低い地震時水位WL2まで低下させる。
尚、地震時水位WL2は、F値に基づく評価法(以下、F法という)を用い、平常時水位WL1より大幅に低下させた深度にあって、平常時水位WL1より下層に残存するF値が1以下である全ての層が地下水位の低下により非飽和状態になるように(改良範囲に含まれるように)設定されることが好ましく、更には、液状化層2の下端部に至る深度であることが好ましい。
その際、地下水位が自然地下水位NLより低い平常時水位WL1に予め下げられているので、本震発生から短時間で地震時水位WL2まで低下させることができ、地下水位の低下により間隙水圧が上昇する液状化層2の水が除かれ、飽和状態になるので、余震の衝撃による液状化を防止できる。
具体的には、空隙率n=40%の砂地盤において、1000L/分の揚水性能を備えるポンプ5aを使用した場合、そのポンプ5aを地震発生から24時間フル稼働すれば1日で1440mの地下水を排除することができるので、地下水位の低下量は、地下水位低下量=1440/(ポンプ1台当たりの稼働範囲面積×空隙率n)で求められ、2000mに一箇所ポンプを設置した場合では、1日で平常時水位WL1から1.8m(=1440/(2000×0.4)地下水位を下げることができ、4000mに1箇所ポンプを設置した場合では、1日で平常時水位WL1より0.9m(=1440/(4000×0.4)の地下水位を下げることができる。
そして、一定期間、例えば、余震頻発期の間は、揚水量を増した状態、即ち、全ポンプ5aのフル稼働を継続し(L2)、地下水位を自然地下水位NLより大幅に低下させた地震時水位WL2を維持し、液状化層2の地震時水位WL2より上層を水が除かれて不飽和な状態とし、余震動による液状化を防止する。
余震頻発期は、特に限定されないが、一般的に比較的規模の大きな余震の発生が予想される24時間程度に設定する。また、地震規模によって余震頻発期を変更し、適宜選択するようにしてもよい。
次に、一定期間、即ち、余震頻発期が経過したら(S4)、一旦、全ポンプ5aを停止し(S5)、地下水位を平常時水位WL1に復帰させ(L3)、然る後、 図1(a)の平常時の地下水位低下工程S1、即ち、地下水位が平常時水位WL1に維持された状態に戻る(L4)。
このように構成された本発明方法では、平常時に地下水位を平常時水位WL1まで低下させた状態を維持し、大幅に地下水位を低下させることがないので、有効応力増加を抑えることによって圧密沈下が防止され、この圧密沈下防止効果と地下水位低下による液状化防止効果とが両立されている。
一方、地震発生時には、地震動を検知して揚水量を増加させ、地下水位を平常時水位WL1から地震時水位WL2に低下させるので、小さな衝撃で液状化が生じ易い状態にある余震頻発期の液状化を強固に防止できる。
また、地震時水位WL2まで地下水位を下げる際には、予め地下水位が平常時水位WL1まで低下させてあるので短期間で地震時水位WL2まで低下させることができ、地震動及び余震に迅速に対応することができる。
更に、地下水位を大幅に下げる期間を一定期間、例えば、余震頻発期に限定し、一定期間経過後に平常時水位WL1に復帰させるので、構造物1に多大な問題が生じる長期的な圧密沈下を防止することができる。
尚、上述の実施例では、揚水手段5に集水体4,4の底部にポンプ5aを設置するディープウェルを使用した例について説明したが、ポンプ5aを地上に設置するウェルポイントを用いてもよい。
また、上述の実施例のように液状化層2の周囲に遮水壁9を設置することが好ましいが、必ずしも遮水壁9を設ける必要はない。
NL 自然地下水位
WL1 平常時水位
WL2 地震時水位
1 構造物
2 液状化層
3 粘土層
4 集水体
5 揚水手段
5a ポンプ
5b 揚水管
6 揚水制御手段
7 地震動検知手段
8 地下水位計測手段
9 遮水壁

Claims (4)

  1. 液状化層に集水体を設置し、該集水体に流入した水を揚水手段により揚水し、前記液状化層の地下水位を下げることにより地盤の液状化を防止する地盤の液状化防止方法において、
    前記揚水手段の揚水量を制御する揚水制御手段と、地震動を検知する地震動検知手段とを使用し、
    前記揚水手段により前記液状化層の地下水を揚水し、所定の平常時水位まで地下水位を下げた後、前記揚水手段の揚水量を制御して前記平常時水位を維持しつつ、前記地震動検知手段により地震動を検知した際には、前記揚水手段の揚水量を増して地下水位を予め低下している前記平常時水位より低い地震時水位まで低下させ、該地震時水位を一定期間維持した後、地下水位を前記地震時水位より前記平常時水位に復帰させることを特徴とする地盤の液状化防止方法。
  2. 前記液状化層の周囲に遮水壁を設置する請求項1に記載の地盤の液状化防止方法。
  3. 地下水位を逐次計測しつつ、前記揚水手段を構成するポンプの稼動と停止を適宜繰り返すことにより前記平常時水位を維持し、地震動を検地した際には、前記ポンプの稼動を一定期間継続して予め低下している前記平常時水位より更に低い前記地震時水位まで地下水位を低下させ、前記一定期間経過後は、地下水位が前記平常時水位に復帰するまで前記ポンプを停止させ、然る後、前記ポンプの稼動と停止を適宜繰り返すことにより前記平常時水位を維持する請求項1又は2に記載の地盤の液状化防止方法。
  4. 前記地震時水位を維持する期間を余震頻発期とする請求項1〜3の何れか一項に記載の地盤の液状化防止方法。
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